JP2003245338A - 関節軟骨修復材 - Google Patents

関節軟骨修復材

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JP2003245338A
JP2003245338A JP2002050253A JP2002050253A JP2003245338A JP 2003245338 A JP2003245338 A JP 2003245338A JP 2002050253 A JP2002050253 A JP 2002050253A JP 2002050253 A JP2002050253 A JP 2002050253A JP 2003245338 A JP2003245338 A JP 2003245338A
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porous block
articular cartilage
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cartilage repair
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Kazuaki Muramatsu
和明 村松
Yusuke Yoshihara
雄祐 吉原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】患者自身の骨膜を予め採取せずに、軟骨修復を
安定して行なうことがでるようにする。 【解決手段】関節軟骨欠損部内に埋入される生体内分解
吸収性材料からなる多孔質ブロック体上に、生体内分解
吸収性材料からなる膜状層を被着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、関節軟骨欠損部を
修復するための関節軟骨修復材に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、細胞培養技術や生体吸収性材料の進歩に伴い、体外
で培養された細胞を適当な基材と組み合わせて体内に移
植する、組織工学的な治療技術が普及しつつあり、膝関
節軟骨組織の保存的治療技術においても臨床検討が試み
られている。
【0003】体外で培養された軟骨細胞を患者の膝組織
に移植する一般的な手法は、Brittbergらによる軟骨細
胞浮遊液を骨膜被覆下に注入するものであった(New En
glandJ. Med. 331: 889-895(1994))。
【0004】この手法で移植した軟骨細胞は、生体外で
の単層培養期間中に脱分化を起こす可能性、あるいは、
浮遊液状態の細胞を移植することで骨膜から漏れ出す可
能性、といった不具合が存在することから、軟骨細胞を
コラーゲンゲル(脇谷ら, J.Bone Joint Surg. 71-B: 7
4-80(1989))や乳酸-グリコール酸共重合体(特開平1
0−234844)等の担体に播種してから、三次元的
な空間に培養する期間を経て移植する等の改善が試みら
れている。
【0005】しかしながら、上記改善策においても、体
外で培養した軟骨細胞を移植する際には、移植培養物を
封入するために患者自身の骨膜を別途採取して用いる必
要があるので、余分な侵襲を伴い、また、膜を併用する
ことは術式において煩雑さの要因ともなる。
【0006】このような従来技術の課題に鑑み本発明
は、患者自身の骨膜を別途採取せずに、軟骨修復を安定
して行なうことができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の関節軟骨修復材は、関節軟骨欠損部内に埋入さ
れる生体内分解吸収性材料からなる多孔質ブロック体上
に、生体内分解吸収性材料からなる膜状層を被着したこ
とを特徴とする。
【0008】また、請求項2の関節軟骨修復材は、前記
多孔質ブロック体を構成する生体内分解吸収性材料が、
多糖類物質および細胞接着性蛋白質物質からなることを
特徴とする。
【0009】請求項3の関節軟骨修復材は、前記多糖類
物質が、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタ
ン硫酸、ケラタン硫酸、アルギン酸、デンプン、ヘパリ
ン、ヘパラン硫酸、キチン、キトサン、およびそれらの
誘導体の中から選択され、細胞接着性蛋白質がコラーゲ
ン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、フィブリノー
ゲン、フィブリン、ラミニン、ゼラチンの中から選択さ
れることを特徴とする。
【0010】請求項4の関節軟骨修復材は、前記多孔質
ブロック体内に軟骨細胞を含有したことを特徴とする。
【0011】請求項5記載の関節軟骨修復材は、前記多
孔質ブロック体の平均孔径が50〜250μmであり、
且つ、前記膜状層の平均孔径が0.05μm〜5μmで
あることを特徴とする。
【0012】請求項6の関節軟骨修復材は、前記膜状層
がコラーゲンまたはポリグリコール酸を主成分とするこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0014】本発明の関節軟骨修復材は、関節軟骨欠損
部内に埋入される生体内分解吸収性材料からなる多孔質
ブロック体上に、生体内分解吸収性材料からなる膜状層
を被着したものである。
【0015】この関節軟骨修復材は、多孔質ブロック体
が関節欠損部内に埋入され軟骨組織が再生されていく足
場を提供するものであるとともに、膜状層が関節骨膜に
代わって関節欠損部を覆うキャップとなる。したがっ
て、前記多孔質ブロック体を関節欠損部外に露出する部
分に前記膜状層が被着される。
【0016】また、これら多孔質ブロック体と膜状層は
予め、手術の前に一体化しておくことができる。この場
合、前記多孔質ブロック体を当該関節軟骨欠損部とほぼ
同じ大きさに成型しておき、この多孔質ブロック体側を
関節軟骨欠損部側に向けて、多孔質ブロック体を関節軟
骨欠損部内に挿入する。そして、関節欠損部外側に位置
する前記膜状層の辺縁部を縫合糸あるいはフィブリン糊
などにより周囲の正常軟骨組織に固定する。この膜状層
は、多孔質ブロック体よりも広いものであることが好ま
しい。
【0017】多孔質ブロック体と膜状層の接合は、架橋
剤を用いる共有化学結合や物理的な結合様式のどちらで
も良い。重要なのは、軟骨細胞の培養の期間中に一体化
できること、あるいは一体化されていることであり、そ
のような強度で接合し、かつ生体に安全な接合形態であ
れば、どのような接合形態を用いても構わない。
【0018】前記生体吸収性材料からなる膜状層は充分
に骨膜の代替機能を果たす。また、この膜と多孔質ブロ
ック体を一体化することで、ブロック体が動き難くな
り、ブロック体の形態維持に効果があり、したがって、
軟骨修復を安定して行なうことができる。
【0019】前記多糖類物質は、ヒアルロン酸、コンド
ロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、アルギ
ン酸、デンプン、ヘパリン、ヘパラン硫酸、キチン、キ
トサン、およびそれらの誘導体の中から選択され、細胞
接着性蛋白質がコラーゲン、フィブロネクチン、ビトロ
ネクチン、フィブリノーゲン、フィブリン、ラミニン、
ゼラチンの中から選択されることが好ましい。
【0020】このような物質を用いることで、多孔質ブ
ロック体が治癒期間中に負荷される荷重を緩和する弾性
能を発揮することができる。
【0021】すなわち、これらの多糖類群は、移植軟骨
細胞組織の保水性と機械的弾力性を発揮するために選択
されるものであり、これら多糖類が架橋されてなるマト
リックスは、主に糖鎖中に含まれる水酸基によって含水
効果が高いので膨潤性に富み、また水素結合を介して適
度な機械的強度も与えてくれるので、負荷される荷重に
対するショックアブソーバーとしての機能を発現する要
素となる。
【0022】さらに、前記細胞接着性蛋白質の物質群
は、多孔質内部の表面に軟骨細胞が接着し、増殖および
伸展することを特に効果的に増強してくれるものであ
る。
【0023】また、前記多孔質ブロック体内に軟骨細胞
を含有させた場合、含有された軟骨細胞が起点となり、
軟骨組織再生をさらに促進するので好ましい。
【0024】細胞の供給源は、免疫学的に抗原性に乏し
いことが確認された硝子軟骨細胞であれば特に制限され
ず、関節軟骨や肋軟骨等の由来であってもよい。また、
骨髄中に含まれる未分化間葉系幹細胞などの、軟骨細胞
に分化しうる細胞源であってもよい。軟骨細胞の調製
は、コラゲナーゼ等の酵素処理による既存の定法に従っ
て調製すればよく、軟骨細胞分散液は、多孔質層側の内
部に1×105〜1×108個/cm3となるように播種
し、5%CO2、37℃の条件下で任意の期間培養する
ことが望ましい。
【0025】次に、前記多孔質ブロック体は、平均孔径
が50〜250μmであり、且つ、前記膜状層は、平均
孔径が0.05μm〜5μmであることが好ましい。こ
れにより、前記多孔質ブロック体において、軟骨細胞が
多孔質ブロック体内に侵入しやすく、また、その軟骨細
胞の付着密度が大きくなる。
【0026】これに対して、多孔質ブロック体の平均孔
径が50μm未満であると細胞の侵入性が乏しくなり、
多孔質内部に十分な細胞密度が得られにくくなるためで
あり、また反対に250μmより大きいと、移植後に多
孔質内部に繊維芽細胞の侵入や、新生血管の侵入が容易
になり、軟骨細胞の石灰化が起こるなどして、軟骨細胞
の表現型の維持が困難となり、結果として硝子軟骨が減
少する恐れがある。
【0027】ここで述べる軟骨細胞の表現型の維持と
は、細胞外基質成分をはじめとした細胞が発現する蛋白
質の発現量のバランスが、健全な状態にある生体内の関
節軟骨組織、とりわけヒアロン軟骨組織と同様な状態に
あることを指している。
【0028】また、上記構成によれば、前記膜状層にお
いて、関節液からの成分を培養軟骨組織に浸透させ易く
なる。これに対して、膜状層の平均孔径が0.2μm未
満では、関節液からの成分を浸透させ難くなり、平均孔
径が5μmを越えると、多孔質ブロック内部に存在する
軟骨細胞が欠損部から流出したり、膜状層の強度低下に
よって移植物の固定性が損なわれたりして、結果として
良好な軟骨再生が得られなくなる恐れがある。
【0029】また、前記膜状層は、コラーゲンまたはポ
リグリコール酸を主成分とすることが好ましい。これに
より、周囲の正常軟骨組織に縫合固定が可能な程度の強
度と柔軟性を膜状層に兼ね備えることができ、関節軟骨
修復材の固定強度を大きくすることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体例に基づいて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】1wt%のタイプIコラーゲンを含む4w
t%のカルボキシメチル化キチン水溶液(カルボキシメ
チル化度;約80%、脱アセチル化度;約25%、重量
平均分子量;約35万)を調製し、厚さ2mmとなるよ
うに硝子シャーレに注いだ後、−15℃で6時間、続い
て−80℃で24時間静置させた。これを凍結乾燥させ
た後、アルゴン雰囲気下の容器に入れ、0.1torr
以下の減圧下で160℃の熱処理を施した。このシート
よりφ5mmの円柱盤を切り出し、多孔質体ブロック体
を得た。
【0032】また、これと同様の方法(ただし凍結条
件;液体窒素、加熱処理温度180℃とした)で得た別
の多孔質体に0.1wt%のグルタルアルデヒド溶液を
吸収させた後、厚さ0.2mm以下にプレスして余分な
水分を切り、予め水分で膨潤させた多孔質ブロック体を
重ね合わせて厚さ2mmを維持しながら、105℃で2
時間乾燥させ関節軟骨修復材を得た。
【0033】この関節軟骨修復材をシアノ水素化ホウ素
ナトリウムを含む1wt%のグリシン水溶液中に5分間
浸漬した後、超純水中での浸漬と脱水を繰り返して洗浄
した。洗浄後、関節軟骨修復材を浸漬している溶媒を超
純水からエタノールへ段階的に置換し、関節軟骨修復材
は80℃で2時間乾燥させた後、25kGyにてγ線滅
菌を施した。
【0034】この関節軟骨修復材の内部構造を走査電子
顕微鏡で観察したところ、多孔質ブロック体の平均孔径
は約80〜100μm、膜状層の平均孔径は0.5〜1
μmであった。
【試験例1】家兎(ニュージーランドホワイトラビッ
ト、生後8週令、雄)の肋軟骨より、Hirakiらの
手法(細胞培養の技術第三版[基礎編]、p167−1
70、朝倉書店)に従って、硝子軟骨層から約2.4×
105個の軟骨細胞を単離し、これら細胞の一部を用い
てAGPC法により全mRNAを抽出し、RT−PCR
法およびノーザンブロッティング法により、タイプIコ
ラーゲン、タイプIIコラーゲンおよびタイプXコラー
ゲンのmRNAの発現を解析したところ、タイプIIコ
ラーゲンの発現のみがポジティブな結果を得た。このタ
イプIIコラーゲンmRNAの発現が陽性な軟骨細胞を
コラーゲンコートされた培養皿で9日間初代培養し、実
施例で得られた関節軟骨修復材の多孔質ブロック体1個
当たりに対して、初代培養細胞1×105個づつを播種
し、18日間培養した。これらの期間、軟骨細胞は10
%ウシ胎児血清、50μg/mlアスコルビン酸、1g
力価/L硫酸ストレプトマイシン、および10万単位/
LペニシリンGカリウムを含むD−MEM/F12
(1:1)混合培地(Gibco社)を培地に用いて、
5%CO2、37℃の条件下で培養し、培地交換は3日
毎に実施した。この培養物からトリプシン、コラゲナー
ゼおよびキチナーゼによる酵素処理によって細胞を単離
し、AGPC法により全mRNAを抽出した。RT−P
CR法およびノーザンブロッティング法によるタイプI
コラーゲン、タイプIIコラーゲンおよびタイプXコラ
ーゲンの発現解析の結果、タイプIIコラーゲンの発現
のみがポジティブな結果を得た。したがって、本発明の
培養基材を用いて軟骨細胞を培養すると、細胞の表現型
を維持したまま軟骨細胞を培養できることが確認され
た。
【試験例2】家兎(ニュージーランドホワイトラビッ
ト、12週令、雄)の大腿膝関節骨顆間部にφ5mmの
軟骨欠損孔を人工的に作製し、試験例1で得られた培養
物を一部トリミングし自家移植した。欠損部位への培養
物の固定は、前記関節軟骨修復材の膜状層の辺縁部を縫
合糸による縫合とフィブリン糊を併用して周囲正常軟骨
面に固定した。移植後12週間を経過した時点で犠牲死
させ、組織学的な観察を実施した。
【0035】組織学的な検討の結果、当初の培養移植物
埋入部には軟骨細胞を多分に含む軟骨様組織が新生し、
周囲の正常な関節軟骨との連続性が確認され、繊維性の
結合組織の介入は見られなかった。また、新生した軟骨
様組織と母床の石灰化軟骨層との結合状態も良く、良好
な治癒状態であると判断された。
【比較例1】膜状層を有していない関節軟骨修復材(多
孔質ブロック体)、試験例1と同様に軟骨細胞を播種し
て培養した。この培養物を試験例2と同様に、家兎の大
腿膝関節欠損部位に移植した。欠損部位への固定は、縫
合糸による縫合とフィブリン糊を併用したが、縫合糸は
培養物を切断し、固定に機能しなかった。したがって、
通常の培養軟骨組織を欠損部位に固定するためには、培
養物が脱落しないようにカバーする骨膜や人工膜等が別
途必要であることが示された。
【比較例2】膜状層を有していない関節軟骨修復材(多
孔質ブロック体)に、試験例1と同様に軟骨細胞を播種
して培養した。この培養物を比較例1と同様に、家兎の
大腿膝関節骨顆間の欠損部に移植し、その後、膜状層部
材で封鎖した。欠損部位への固定には縫合糸による縫合
とフィブリン糊を併用した。
【0036】組織学的な検討の結果、当初の培養移植物
埋入部の軟骨新生状態は概ね良好ではあったが、一部の
症例に膜状層部材の早期脱落と移植物の流出を疑う症例
が存在した。
【0037】また、良好な再生状態を示した症例でも、
再生軟骨様組織の上面に繊維性結合組織が存在する点や
再生軟骨様組織の厚みが薄い点で、試験例2の実験結果
にはやや劣る結果が導かれた。
【0038】従って、培養移植物が埋入される段階で
は、多孔質ブロック体と膜上層部材とが何らかの方法に
よって事前に接合されている方が、より確実な軟骨再生
を実現できるものと判断された。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、関節軟骨
欠損部内に埋入される生体内分解吸収性材料からなる多
孔質ブロック体上に、生体内分解吸収性材料からなる膜
状層を被着したことにより、多孔質ブロック体が関節欠
損部内に埋入され軟骨組織が再生されていく足場を提供
するものであるとともに、膜状層が骨膜に代わって関節
欠損部を覆うキャップとなり、これらを一体化すること
で、ブロック体が動き難くなり、ブロック体の形態維持
に効果があり、したがって、軟骨修復を安定して行なう
ことができる。そして、患者自身の骨膜を予め採取する
必要もないので、余分な侵襲もなく、術式も簡便とな
る。
【0040】また、前記多孔質ブロック体を構成する生
体内分解吸収性材料を、多糖類物質および細胞接着性蛋
白質物質から構成した場合、多孔質ブロックが多糖類物
質のみから構成される場合に、静電的な引力や吸着蛋白
質に依存して軟骨細胞と接着するので軟骨細胞との接着
が乏しい傾向があるところ、細胞接着性蛋白質物質も含
むことから、軟骨細胞との接着性が良好となり、軟骨細
胞の増殖を促進させることができる。
【0041】次に、前記前記多糖類物質が、ヒアルロン
酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫
酸、アルギン酸、デンプン、ヘパリン、ヘパラン硫酸、
キチン、キトサン、およびそれらの誘導体の中から選択
され、細胞接着性蛋白質がコラーゲン、フィブロネクチ
ン、ビトロネクチン、フィブリノーゲン、フィブリン、
ラミニン、ゼラチンの中から選択した場合、多孔質ブロ
ック体が治癒期間中に負荷される荷重を緩和する弾性能
を発揮することができる。さらに、前記細胞接着性蛋白
質の物質群は、多孔質内部の表面に軟骨細胞が接着し、
増殖および伸展することを特に効果的に増強してくれる
ものである。
【0042】また、前記多孔質ブロック体内に軟骨細胞
を播種した場合、含有された軟骨細胞が起点となり、軟
骨細胞の増殖をさらに促進することができる。
【0043】次に、前記多孔質ブロック体の平均孔径が
50〜250μmとし、且つ、前記膜状層の平均孔径が
0.05μm〜5μmとした場合、前記多孔質ブロック
体において、軟骨細胞が多孔質ブロック体内に侵入しや
すく、また、その軟骨細胞の付着密度が大きくなる。ま
た、前記膜状層において、関節液からの成分を培養軟骨
組織に浸透させ易くなる。
【0044】また、前記膜状層を主成分がコラーゲンま
たはポリグリコール酸から構成した場合、周囲の正常軟
骨組織に縫合可能な程度の強度と柔軟性を膜状層に与え
ることができ、関節軟骨修復材の固定強度を大きくする
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】関節軟骨欠損部内に埋入される生体内分解
    吸収性材料からなる多孔質ブロック体上に、生体内分解
    吸収性材料からなる膜状層を被着してなる関節軟骨修復
    材。
  2. 【請求項2】前記多孔質ブロック体を構成する生体内分
    解吸収性材料が、多糖類物質および細胞接着性蛋白質物
    質からなることを特徴とする請求項1記載の関節軟骨修
    復材。
  3. 【請求項3】前記多糖類物質が、ヒアルロン酸、コンド
    ロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、アルギ
    ン酸、デンプン、ヘパリン、ヘパラン硫酸、キチン、キ
    トサン、およびそれらの誘導体の中から選択され、細胞
    接着性蛋白質がコラーゲン、フィブロネクチン、ビトロ
    ネクチン、フィブリノーゲン、フィブリン、ラミニン、
    ゼラチンの中から選択されることを特徴とする請求項2
    記載の関節軟骨修復材。
  4. 【請求項4】前記多孔質ブロック体内に軟骨細胞を含有
    してなる請求項1乃至3記載の関節軟骨修復材。
  5. 【請求項5】前記多孔質ブロック体の平均孔径が50〜
    250μmであり、且つ、前記膜状層の平均孔径が0.
    05μm〜5μmであることを特徴とする請求項1乃至
    4いずれか記載の関節軟骨修復材。
  6. 【請求項6】前記膜状層がコラーゲンまたはポリグリコ
    ール酸を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至5
    いずれか記載の関節軟骨修復材。
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