JP2003244555A - 撮像装置及びその撮像方法 - Google Patents

撮像装置及びその撮像方法

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JP2003244555A
JP2003244555A JP2002044245A JP2002044245A JP2003244555A JP 2003244555 A JP2003244555 A JP 2003244555A JP 2002044245 A JP2002044245 A JP 2002044245A JP 2002044245 A JP2002044245 A JP 2002044245A JP 2003244555 A JP2003244555 A JP 2003244555A
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JP2002044245A
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Hiroyuki Tabei
浩之 田部井
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮像素子の駆動タイミングを制御すること
で、照明光の明滅による画像信号のフリッカノイズを低
減でき、照明光の発光周期及び撮像周波数に依存せず、
フリッカの抑制を実現できる撮像装置及びその撮像方法
を提供する。 【解決手段】 撮像素子10において、入射光に応じて
発生した光電荷を蓄積し、掃き捨てパルスSUBに応じ
て蓄積電荷を掃き捨て、読み出しパルスSGに応じて蓄
積した電荷を垂直転送レジスタに転送し、さらに垂直ブ
ランキング期間中に蓄積部に転送し、水平周期に同期し
て画像信号が出力される。タイミングチャート発生回路
50は、被写体を照明する照明光の明滅周期と撮像周期
とに基づき、掃き捨てパルスSUBと読み出しパルスS
Gにより設定した電荷蓄積時間が上記照明光に対して同
じ位相関係を保つように駆動信号の出力タイミングを制
御するので、フリッカノイズを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の取り込み周
期でイメージセンサによって取得した画像信号を出力す
る撮像装置に関し、特に撮像周期と照明の発光周期との
差によって生じた画像信号のフリッカノイズを抑制でき
る撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】商用交流電源の周波数は、地域によって
定められ、50Hzまたは60Hzになっている。この
商用交流電源を利用する一般的な照明器具、例えば、蛍
光灯、白熱電球などは、100Hzまたは120Hzの
周波数で発光強度が周期的に変化する。通常、人間の目
には、約30Hz以上のちらつきを感知できなくなるた
め、照明器具のちらつきに特に不快感を感じない。
【0003】CCDイメージセンサを用いた固体撮像装
置では、イメージセンサによって生成した画像信号の取
り込み周期は、NTSC方式では60Hzであり、PA
L方式では50Hzである。また、近年のディジタルカ
メラなどのシステムは、それ以外のフレーム周波数で駆
動されることが多い。
【0004】従来の撮像装置では、このフレーム毎にイ
メージセンサによって生成された画像信号の取り込みが
行われるので、交流電源を用いた照明器具で照らされた
被写体を撮像するとき、照明器具の発光周期と撮像周期
の差によってフレーム毎に画像の明るさが異なる現象、
いわゆるフリッカ現象が発生する。
【0005】図5はフリッカ現象の発生原理を示す図で
ある。図示のように、例えば、照明器具に供給される交
流電源の周波数を50Hzの場合、照明器具の発光周期
は、図5(a)に示すようになる。即ち、照明器具の発
光強度は、ほぼ100Hzの半波の正弦波に従う。一
方、撮像装置の垂直周波数は、例えば、60Hzであ
る。即ち、図5(b)に示すように、60Hzの周波数
で撮像装置内部で垂直同期信号が生成される。
【0006】撮像装置の撮像部において、図5(c)に
示す電荷読み出しパルスのタイミングで受光素子(フォ
トダイオード)の蓄積電荷が垂直転送レジスタに転送さ
れる。なお、受光素子から垂直転送レジスタへの電荷の
読み出しは、通常垂直ブランキング期間で行われる。例
えば、IT(インターライントランスファ)方式の撮像
素子において、垂直ブランキング期間を利用して受光素
子に蓄積された光電荷が垂直転送レジスタに読み出され
る。また、FIT(フレームインターライントランスフ
ァ)方式の撮像素子において、垂直ブランキング期間を
利用して受光素子の蓄積電荷が垂直転送レジスタに読み
出され、さらに垂直転送レジスタによって高速に蓄積領
域に転送される。
【0007】図5(d)は、電荷掃き捨てパルスのタイ
ミングを示している。電荷掃き捨てパルスは、いわゆる
電子シャッタを実現するための信号であり、受光素子の
基板領域に印加される。掃き捨てパルスが印加される
と、それまでに受光素子に蓄積された光電荷がすべて基
板側に掃き出される。掃き捨てパルスが解除されたあ
と、受光素子が再び入射光に応じて発生した光電荷を蓄
積しはじめる。このため、受光素子の電荷蓄積時間は、
最後の掃き捨てパルスが解除してから読み出しパルスが
印加されるまでの期間となる。通常のCCD撮像素子で
は、電荷蓄積時間を十万分の一秒まで高速に制御でき
る。これは電子シャッタの最高速度に相当する。図5
(d)に示す露光時間は、即ち、受光素子の電荷蓄積時
間である。
【0008】図5(e)は、各垂直周期における画像信
号の出力レベルを示している。この出力レベルは、受光
素子に蓄積された光電荷の量に依存する。図5に示すよ
うに、照明の発光周期と撮像装置の垂直同期信号が非同
期のため、各垂直周期において、受光素子の露光時間が
同じであっても、それぞれの露光時間に受光素子への入
射光の強度が異なる。このため、各露光時間に受光素子
の蓄積電荷量が異なる。このため、図5(e)に示すよ
うに、撮像素子から出力される画像信号は、垂直周期毎
にレベルが変化する。なお、図5に示す例の場合、照明
の発光周期と垂直同期信号の周期の差によって、出力さ
れる画像信号は、約20Hzの周波数で変動することが
分かる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これまでに、上述した
ように映像信号のフリッカノイズを低減させるために、
画像信号の増幅回路の利得をフレーム毎に制御し、フリ
ッカノイズによる画像信号レベルの変動を吸収する方法
がある。図6は、この方法における増幅利得(Amp
Gain)の制御の原理を示している。図6(a)〜
(e)は、図5とほぼ同じ内容であり、図6(f)は、
フリッカ補正のための利得制御を示し、さらに、同図
(g)は、補正後の画像信号の出力を示している。
【0010】この補正では、各フレーム毎に出力される
画像の信号レベルを検出し、検出した画像の振幅レベル
に従ってフリッカ成分を抽出する。図6(f)に示すよ
うに、フレームA−0において、画像信号の出力レベル
が低く、これに応じて抽出されたフリッカ成分に応じ
て、フリッカ補正のため利得が大きく制御される。ま
た、フレームB−0において、画像信号の出力レベルが
高く、これに応じて抽出されたフリッカ成分に応じて、
利得が低く制御されている。
【0011】図7は、フリッカ補正を行う補正回路の構
成をブロック図で示している。図示のように、この回路
において、撮像された画像信号の輝度を検出する輝度検
出回路100、増幅回路(amp)110及びフリッカ
補正用利得演算回路120が設けられている。輝度検出
回路100は、フレーム毎に画像信号Si のレベルを検
出し、輝度信号SA を出力する。フリッカ補正用利得演
算回路120は、輝度信号SA に応じてフリッカ成分を
抽出し、このフリッカ成分を補正するための利得を算出
する。そして、算出された利得に応じて、利得制御信号
GCを出力する。増幅回路120は、利得制御信号SGC
によって設定された利得Gをもって入力される画像信号
を増幅して出力する。
【0012】上述したように構成された利得補正回路に
よって、フレーム毎に抽出されたフリッカ成分に応じて
増幅回路の利得が制御されるので、理想的にフリッカ成
分による信号レベルの変動を抑制することが可能であ
る。しかし、撮像装置によって撮像された被写体の輝度
分布が一様ではないため、フリッカ成分画像信号が完全
に抽出することはできない。図7に示す補正回路におい
て、フレーム毎に増幅回路120の利得Gが画面全体に
一様にかけられるため、フリッカ成分の少ないところで
過補正となり、新たなフリッカが発生してしまう。
【0013】図8は、上述した補正回路によって補正を
行う場合の画像を示している。ここで、一例として、被
写体は蛍光灯及びその周辺に蛍光灯の照射を受ける領域
を示している。上述したように蛍光灯の照度は交流電源
の周期に従って変動する。撮像素子のフレーム周期が蛍
光灯の発光周期と同期しない場合、図8に示すように、
撮像された画像信号にフリッカ成分が発生する。蛍光灯
に近い画像領域では、フリッカによる信号レベルの変動
が大きく、逆に蛍光灯に遠い画像領域では、フリッカ成
分による信号レベルの変動が小さい。図7に示す補正回
路では、画面全体に対してフリッカ成分の検出が行われ
る、即ち、一フレーム分の画像信号のフリッカ成分の平
均値が検出される。この検出結果に基づいて算出された
利得で画像信号を補正した結果、画面の明るい部分で
は、フリッカ成分が抑制されるが、画面の暗い部分、即
ち、もともとフリッカ成分の少ない領域では、過補正に
よって画像信号が発振してしまうことがある。
【0014】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、撮像素子における駆動タイミン
グを制御することで、照明光の明滅による画像信号のフ
リッカノイズを低減でき、照明光の発光周期及びフレー
ム周波数に依存せずフリッカの抑制を実現できる撮像装
置及びその撮像方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の撮像装置は、所定の撮像周期で画像信号を
出力する撮像装置であって、入射光に応じて発生した光
電荷を蓄積し、駆動信号によって制御された電荷蓄積時
間で蓄積した電荷を出力するイメージセンサと、被写体
を照明する照明光の明滅周期と上記撮像周期とに基づ
き、各撮像周期において上記電荷蓄積時間が上記照明光
に対して同じ位相関係を保つように上記駆動信号の出力
タイミングを制御するタイミング制御手段とを有する。
【0016】また、本発明では、好適には、上記タイミ
ング制御手段は、上記イメージセンサに上記蓄積した電
荷を掃き捨てる掃き捨て信号と、上記イメージセンサの
蓄積電荷を転送手段に出力する読み出し信号とを出力
し、上記掃き捨て信号と上記読み出し信号の出力時間差
で上記イメージセンサの電荷蓄積時間を制御する。
【0017】また、本発明では、好適には、上記イメー
ジセンサは、上記入射光に応じて発生した光電荷を蓄積
する受光部と、上記受光部によって蓄積された電荷を保
持する蓄積部と、上記撮像周期における垂直ブランキン
グ期間において、上記受光部によって蓄積された電荷を
上記蓄積部に転送する転送部とを有する。
【0018】また、本発明の撮像方法は、所定の撮像周
期で画像信号を出力する撮像装置の撮像方法であって、
入射光に応じて発生した光電荷を蓄積し、駆動信号によ
って制御された電荷蓄積時間で蓄積した電荷を出力する
ステップと、被写体を照明する照明光の明滅周期と上記
撮像周期とに基づき、各撮像周期において上記電荷蓄積
時間が上記照明光に対して同じ位相関係を保つように上
記駆動信号の出力タイミングを制御するステップとを有
する。
【0019】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1は本発明に係る撮像装置の構成を示すブロック図で
ある。図示のように、本実施形態の撮像装置は、撮像素
子10、CDS(CorrelatedDouble Sampling、相関2
重サンプリング)/AGC回路20、A/Dコンバータ
30、信号処理部40、及びタイミング発生回路50に
よって構成されている。なお、信号処理部40は、例え
ば、DSP(Digital Signal Processor)によって構成
されている。
【0020】撮像素子10は、被写体からの入射光に応
じた画像信号信号を出力するイメージセンサである。本
実施形態において、撮像素子10は、FIT(フレーム
インターライントランスファ)方式のCCDイメージセ
ンサを用いている。撮像素子10は、所定のフレーム周
期で画像信号を出力する。フレーム周期は、画像信号の
方式によって定められている。例えば、NTSC方式の
画像信号では、フレーム周期は1/30秒である。な
お、インタレース走査に対応するため1フレームの画像
は、2つのフィールドによって構成されている。フィー
ルドの周期は、上記フレーム周期の半分である。例え
ば、NTSC方式で撮像を行う場合、フィールド周期は
1/60秒である。
【0021】FIT方式のCCDイメージセンサは、入
射光によって発生する光電荷を蓄積するフォトセンサ
と、蓄積電荷を転送する垂直転送CCD(または、垂直
転送レジスタと呼ぶ)で構成された受光部と、受光部か
ら転送されてきた蓄積電荷を保持する蓄積部によって構
成されている。蓄積部に保持されている電荷は、水平転
送レジスタによって画像の一ライン分ずつ出力される。
なお、撮像素子10の構成について後にさらに詳しく説
明する。
【0022】CDS/AGC回路20は、CDS回路
は、撮像素子10から出力される画像信号の波形をS/
Hにより波形整形するのと同時に、出力信号に含まれる
ランダムノイズを除去する。また、欠陥のある画素信号
に対して、サンプリングパルスを停止する前の波形のレ
ベルをホールドすることによって欠陥画素の補正を行う
ことができる。CDS回路は、撮像素子10の出力する
画像信号のリセットレベルと信号レベルをそれぞれ保持
するサンプリング/ホールド回路と、これらのホールド
信号を減算し、その差分を画像信号として出力する差動
アンプによって構成されている。なお、CDS回路に
は、所定の時間差を持つサンプリングパルスがタイミン
グ発生回路50によって供給される。図1では、便宜上
これらのサンプリングパルスをSHPのみで表記してい
る。
【0023】CDS回路の差動アンプの出力信号は、A
GC回路によってレベルがほぼ一定となるように制御さ
れる。なお、AGC回路は、CDS回路の差動アンプに
よって兼ねることもできる。この場合、差動アンプの利
得は、画像信号のレベルに応じて自動的に制御される。
【0024】A/Dコンバータ30は、CDS/AGC
の出力信号をディジタル信号に変換する。A/Dコンバ
ータ30から出力される画像データSD は、信号処理部
40に出力される。
【0025】信号処理部40は、例えば、所定の演算処
理機能を有するDSPによって構成され、入力される画
像データSD に対して、フィルタリング処理、画像補
償、例えば、表示装置の非直線性を補償するγ補償など
を行う。信号処理部40の出力信号Sout は、ディジタ
ル画像信号として記録装置によって記録され、またはD
/A変換器によってアナログの画像信号に変換され、画
ぞ表示に必要な垂直同期信号、水平同期信号を付加し、
表示装置によって表示される。
【0026】タイミング発生回路50は、撮像素子10
及びCDS/AGC回路20にタイミング信号を供給す
る。例えば、タイミング発生回路50は、撮像素子10
に垂直同期信号SV 、水平同期信号SH 、読み出し信号
(フォトセンサから垂直転送レジスタに電荷を転送する
センサゲートパルス、以下、便宜上読み出しパルスと表
記する)SG、電子シャッタ用の電荷掃き捨てパルスS
UBを供給する。また、上述したように、タイミング発
生回路50は、CDS/AGC回路20に、サンプリン
グパルスSHPを供給する。
【0027】図2は、撮像素子10の構成を示してい
る。図示のように、撮像素子10は、受光部11と蓄積
部14によって構成されている。受光部11は、複数の
垂直転送レジスタ12とフォトセンサ13によって構成
されている。フォトセンサ13は、受光面に行列状に配
置されている。各フォトセンサは、1つの画素に対応し
ている。垂直転送レジスタ12は、フォトセンサの列毎
に配置されている。蓄積部14は、複数の垂直転送レジ
スタ15によって構成されている。蓄積部14の垂直転
送レジスタ15は、受光部11の垂直転送レジスタ12
と対応して配置され、受光部11から蓄積電荷を受け取
り、それを保持する。そして、蓄積部14に保持されて
いる電荷が水平転送レジスタ16に一ラインずつ転送さ
れる。水平転送レジスタ16及び出力バッファ17によ
って、一ライン分の画像信号が順次出力される。
【0028】受光部11において、被写体からの入射光
を受けると、入射光の強度に応じてフォトセンサ13に
光電荷が発生する。各フォトセンサにおいて、発生した
光電荷が蓄積される。なお、受光部11に、タイミング
発生回路50からの掃き捨てパルスSUBが入力される
と、それまでに各フォトセンサに蓄積された光電荷が基
板側に掃き捨てられる。掃き捨てパルスSUBが解除さ
れると、フォトセンサが再び電荷の蓄積を始める。この
ため、掃き捨てパルスSUBと読み出しパルスSGとの
時間間隔を制御することによって、各フォトセンサにお
ける電荷の蓄積時間を高精度で制御できる、いわゆる電
子シャッタの機能を実現できる。一般的に、電子シャッ
タのスピードは、10万分の1秒乃至数十万分の1秒程
度に高速に制御可能である。
【0029】読み出しパルスSGは、垂直ブランキング
期間中に、タイミング発生回路50によって出力され
る。読み出しパルスSGは、それぞれのフォトセンサと
それに対応する垂直転送レジスタとの間に設けられてい
る読み出しゲートに印加される。これに応じて読み出し
ゲートが開き、フォトセンサに蓄積された光電荷が垂直
転送レジスタに転送される。そして、垂直転送レジスタ
に印加される転送パルスに応じて、受光部11の垂直転
送レジスタの電荷が蓄積部14の垂直転送レジスタに転
送される。なお、撮像した画像信号のスミアを防止する
ため、受光部11から蓄積部14への電荷の転送が、垂
直ブランキング期間において高速に行われる。
【0030】蓄積部14に転送された信号電荷が水平ブ
ランキング期間中に水平走査1ライン分の画素信号が水
平転送レジスタ16に転送され、水平走査に同期して出
力される。なお、図2において、受光部11、蓄積部1
4に入力される垂直転送パルス及び水平転送レジスタ1
6に入力される水平転送パルスが省略されている。
【0031】上述したように、撮像素子10において、
受光部11のフォトセンサに蓄積された光電荷に対応し
た画像信号が生成される。蓄積した光電荷が垂直転送レ
ジスタ12によって蓄積部14に転送され、さらに、蓄
積部14から1ラインずつ水平転送レジスタ16に転送
され、水平転送レジスタ16によって、水平走査に同期
して画像信号が出力される。フレーム周期(インタレー
ス走査の場合、フィールド周期)毎に1コマ分の画像信
号を出力することによって、連続した動画像信号が得ら
れる。
【0032】被写体が発光強度が周期的に変化する照明
器具、例えば、蛍光灯によって照射されている場合、被
写体からの反射光の強度も同じ周期で明滅する。このた
め、照明器具の明滅周期と撮像素子の撮像周期が一致し
ない場合、撮像素子10から出力される画像信号が所定
のビート周期で明滅する、いわゆるフリッカ現象が発生
する。本実施形態の撮像装置において、タイミング発生
回路50において、掃き捨てパルスSUB及び読み出し
パルスSGのタイミングを適宜制御することによって、
撮像素子10におけるフォトセンサの電荷蓄積時間と照
明光の明滅周期とを一定の位相関係を保つ。これによっ
て、各蓄積時間においてフォトセンサによって蓄積した
光電荷の量がほぼ一定に保たれ、フリッカノイズを抑制
することができる。
【0033】図3は、本実施形態における照明光周期、
垂直同期信号、電荷読み出しパルスSG、掃き捨てパル
スSUB及び撮像素子から出力される画像信号を示すタ
イミングチャートである。以下、図3を参照しつつ、本
実施形態の撮像装置におけるフリッカ抑制の原理につい
て説明する。
【0034】図3(a)は、照明器具の発光周期を示し
ている。ここで、例えば、50Hzの交流電源で発光す
る蛍光灯の発光周期を示している。図示のように、蛍光
灯の発光強度は、1/100秒周期で変化する。この光
源によって照明された被写体からの反射光の光量も同じ
周期で変化する。図3(b)は、垂直同期信号SV の波
形を示している。ここで、例えば、NTSC方式の画像
信号を撮像する場合を例に示している。インタレース走
査のため、フレーム周期1/30秒に対して、フィール
ド周期は、1/60秒となる。即ち、垂直同期信号SV
は1/60秒毎に周期的に出力される負のパルス信号で
ある。なお、垂直ブランキング期間は、この垂直同期信
号SV のローレベル期間とほぼ一致する。
【0035】図3(c)は、読み出しパルスSG、そし
て同図(d)は、電荷掃き捨てパルスSUBの波形をそ
れぞれ示している。図示のように、読み出しパルスSG
は、照明の発光周期に対して、ほぼ同じ位相関係を保た
れている。一方、電荷掃き捨てパルスSUBは、周期的
に出力されるパルス信号である。再度の掃き捨てパルス
SUBと読み出しパルスSGとの時間間隔は、フォトセ
ンサの光電荷蓄積時間である。図示のように、最大の蓄
積時間(露光時間)は、照明の発光周期とほぼ等しくな
る。即ち、図3に示す例では、最大の蓄積時間は、約1
/100秒である。
【0036】フォトセンサの電荷蓄積時間に応じて、蓄
積される電荷の量が決まる。このため、撮像素子におい
て、フォトセンサの電荷蓄積時間に応じて、出力される
画像信号の平均振幅が決まる。図3(e)に示すよう
に、最大の蓄積時間で動作する場合、もっとも平均振幅
の大きい画像信号が出力される。
【0037】図3(f)は、高速シャッタを用いて撮像
するときの電荷掃き捨てパルスSUBの波形を例示して
いる。なお、高速シャッタで撮影する場合でも、電荷読
み出しパルスSGのタイミングは変わらず、同図(c)
に示すように、照明の発光周期に対して一定の位相関係
が保たれている。図3(f)に示すように、高速シャッ
タで撮影するとき、電荷掃き捨てパルスSUBの出力回
数が通常のシャッタスピードの撮影に較べて多くなり、
このため、最後の掃き捨てパルスSUBと読み出しパル
スSGとの時間間隔が短くなる。即ち、フォトセンサに
おける光電荷の蓄積時間が短くなる。
【0038】図3(g)は、蓄積電荷を高速に転送する
ための転送パルスのタイミングを示している。なお、こ
の転送パルスは、図2に示す撮像素子において、受光部
11の垂直転送レジスタ12から蓄積部14の垂直転送
レジスタ15に電荷を転送させるための垂直転送パルス
である。図3(g)に示すように、垂直転送パルスは、
垂直同期信号SV がローレベルの期間中、即ち、垂直ブ
ランキング期間中に発生される。これに応じて、垂直ブ
ランキング期間中に、受光部11の垂直転送レジスタ内
の信号電荷が高速に、蓄積部14の垂直転送レジスタに
転送される。その後、蓄積部14の垂直転送レジスタに
蓄積した信号電荷が1ラインずつ水平転送レジスタに転
送される。即ち、水平ブランキング期間中に水平走査1
ライン分の信号電荷が蓄積部14から水平転送レジスタ
16に転送され、水平走査に同期して出力される。
【0039】図3(h)は、高速シャッタ撮影のとき撮
像素子から出力される画像信号の信号レベルを示してい
る。図示のように、高速シャッタ撮像のとき、撮像素子
のフォトセンサの電荷蓄積時間が短く制御されているの
で、蓄積電荷の量が低くなる。このため、出力される画
像信号の平均振幅が通常のシャッタスピードで撮像した
画像信号に較べて小さくなる。
【0040】本実施形態において、上述のように電荷読
み出しパルスSG及び電荷掃き捨てパルスSUBのタイ
ミングを制御することによって、撮像素子のフォトセン
サの電荷蓄積時間と発光周期との位相関係をほぼ一定に
保持することが可能である。電荷読み出しパルスSG及
び電荷掃き捨てパルスSUB、即ち、撮像素子の駆動信
号は、照明の発光周期と垂直同期信号SV の周期との差
によって、ほぼ一定のパターンで変化するので、タイミ
ング発生回路50において、予めこのパターンを記憶し
ておけば、駆動信号のタイミング制御を容易に実現でき
る。
【0041】例えば、図3に示す例では、照明の発光周
期が1/100秒、垂直同期信号S V の周期、即ち、画
像信号のフィールド周期が1/60秒であるので、1/
20秒毎に、即ち、照明の発光周期の5周期分、または
画像信号の3フィールド分毎に、照明の発光周期と画像
信号のフィールド周期の位相が揃う。このため、画像信
号の3フィールド分に撮像素子に供給される駆動信号の
タイミングが同じパターンで繰り返される。このため、
タイミング発生回路50において、予め駆動信号のタイ
ミングパターンを記憶しておけば、記憶したタイミング
パターンで駆動信号を生成し、撮像素子に供給すれば、
撮像素子の電荷蓄積時間が照明の発光周期に対してほぼ
一定の位相関係を保つことができ、フリッカノイズの発
生を抑制できる。
【0042】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、タイミング発生回路50によって供給される電荷読
み出しパルスSG及び電荷掃き捨てパルスSUBのタイ
ミングを制御し、撮像素子のフォトセンサにおける電荷
蓄積時間が照明の発光周期にほぼ同じ位相関係に保つこ
とによって、蓄積時間内に撮像素子の受光部に入射され
る光量がほぼ一定に保たれるので、各フォトセンサの蓄
積電荷をほぼ一定に保つことができる。これによって、
照明光の明滅に周期にかかわらず、フリッカノイズの低
減を実現できる。
【0043】第2実施形態 図4は本発明に係る撮像装置の第2の実施形態を示す波
形図である。なお、本実施形態では、撮像装置は、上述
した第1の実施形態と同じ構成を有する。ただし、本実
施形態では、照明の発光周期及び撮像装置の撮像周期
は、上述した第1の実施形態とは異なる。
【0044】図4(a)は、照明の発光周期を示し、同
図(b)は、撮像装置の垂直同期信号SV を示してい
る。図示のように、照明の発光周期は、1/120秒で
あり、撮像装置の垂直同期信号SV の周期は、1/50
秒である。即ち、本実施形態では、照明器具、例えば、
蛍光灯に供給される交流電源の周波数は、60Hzであ
り、撮像装置は、例えばPAL方式の画像信号を撮像
し、画像信号のフレーム周波数は25Hzであり、フィ
ールド周波数、即ち、垂直同期信号SV の周波数は、5
0Hzである。照明の発光周期と撮像装置のフィールド
周期が一致しないため、通常の撮像方法では、出力画像
信号の振幅が所定の周期で変化する、いわゆるフリッカ
現象が発生する。
【0045】本実施形態の撮像装置において、上述した
第1の実施形態の撮像装置と同様に、撮像素子に供給す
る電荷読み出しパルスSG及び電荷掃き捨てパルスSU
Bのタイミングを適宜制御することによって、撮像素子
の各電荷蓄積時間は、照明の発光周期に対して一定の位
相関係を保つことができる。これによって各蓄積時間に
おいて撮像素子のフォトセンサに蓄積された電荷の量が
照明の明滅によらず、ほぼ一定に保つことができ、フリ
ッカノイズが抑制される。
【0046】図4(c)に示すように、電荷読み出しパ
ルスSGは、従来の撮像装置のように、垂直同期信号S
V に同期して出力されるのではなく、ここで、電荷読み
出しパルスSGは、照明の発光周期に対して、一定の位
相関係を保つようにそのタイミングが制御される。そし
て、図4(d)に示すように、電荷掃き捨てパルスSU
Bは、各撮像周期において所定の電荷蓄積時間を保つよ
うに生成されている。なお、図4(d)が示す掃き捨て
パルスSUBのタイミングは、最大の蓄積時間を実現す
るためのタイミングである。
【0047】図4(e)は、電子シャッタを用いて高速
なシャッタスピードで撮像を行う場合の電荷掃き捨てパ
ルスSUBのタイミングを示している。図示のように、
電子シャッタで露光時間を制御するために、掃き捨てパ
ルスSUBの数が通常のシャッタスピードでの撮像に較
べて多く設定される。これによって、最後の掃き捨てパ
ルスSUBと読み出しパルスSGとの時間間隔が短くな
る。即ち、フォトセンサにおける光電荷の蓄積時間が短
くなる。
【0048】図4(f)は、撮像素子において、蓄積電
荷を転送するための転送パルスのタイミングを示してい
る。ここで、撮像素子の受光部の垂直転送レジスタか
ら、蓄積部の垂直転送レジスタに信号電荷を転送するた
めの垂直転送パルスのタイミングを示している。上述し
た第1の実施形態と同様に、撮像した画像信号のスミア
を防止するために、受光部から蓄積部への電荷の転送
は、垂直ブランキング期間中に高速に行われている。即
ち、図4(f)に示すように、垂直転送パルスは、垂直
同期信号SV がローレベルに期間中に出力される。
【0049】図4(g)は、本実施形態の撮像装置から
出力される画像信号の平均振幅を示している。図示のよ
うに、本実施形態において、撮像素子に供給される電荷
掃き捨てパルスSUB及び電荷読み出しパルスSGのタ
イミングを照明の発光周期に応じて制御することによっ
て、撮像素子の電荷蓄積時間は、照明の発光周期に対し
てほぼ一定の位相関係が保たれている。このため、照明
の周期的な明滅にかかわらず、撮像素子に入力される光
量がほぼ一定に保たれるので、フォトセンサの蓄積電荷
量もほぼ一定に保たれ、撮像装置によって得られた画像
信号の振幅が、照明の明滅に依存せず、ほぼ一定に保持
される。
【0050】なお、本実施形態の撮像装置において、上
述した第1の実施形態と同様に、電荷読み出しパルスS
G及び電荷掃き捨てパルスSUBによる蓄積時間の制御
は、照明の発光周期と垂直同期信号SV の周期に従って
行われる。例えば、図4(a)と(b)に示す場合で
は、照明の発光周期が1/120秒、垂直同期信号SV
の周期は1/50秒なので、1/10秒毎に、即ち、照
明の発光周期の12周期分、または、垂直同期信号SV
の5周期分毎に、照明の発光周期と垂直同期信号SV
が同じ位相パターンが繰り返される。このため、撮像装
置のタイミング発生回路において、垂直同期信号SV
5周期毎に同じタイミングパターンで電荷掃き捨てパル
スSUB及び電荷読み出しパルスSGを生成すれば、撮
像素子の蓄積電荷量を発光量の周期的な変動によらず、
ほぼ一定に制御可能である。
【0051】即ち、本実施形態の撮像装置において、照
明の電源周波数に応じて算出した照明の発光周期及び画
像信号のフィールド周波数に従って、電荷読み出しパル
スSG及び電荷掃き捨てパルスSUBの出力パターンを
予め生成しておけば、撮像を行うとき、生成されたパタ
ーンに従って一定の周期毎にタイミング発生回路の信号
出力タイミングを制御することで、各フィールド毎に撮
像素子のフォトセンサの電荷蓄積時間が発光周期に対し
て、一定の位相関係を保つことができ、フリッカの抑制
を実現できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の撮像装置
及びその撮像方法によれば、撮像素子に供給される読み
出し信号及び電子シャッタを実現するための電荷掃き捨
て信号のタイミングを、照明の発光周期と画像信号のフ
ィールド周期との差に応じて制御することによって、撮
像素子のフォトセンサの電荷蓄積時間が照明の発光周期
に対してほぼ一定の位相関係を保つことができ、照明の
明滅によるフリッカノイズを抑制できる。また、照明の
発光周期と画像信号フィールド周期の差に応じて、撮像
素子の駆動信号を所定のパターンで変化させることで、
フォトセンサの電荷蓄積時間が発光周期に対して一定の
位相関係を保つことができるので、簡単な制御によって
フリッカノイズの抑制を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置の第1の実施形態を示す
構成図である。
【図2】撮像装置におけるCCD撮像素子の構成を示す
図である。
【図3】撮像装置の第1の実施形態における動作タイミ
ングを示すタイミングチャートである。
【図4】撮像装置の第2の実施形態における動作タイミ
ングを示すタイミングチャートである。
【図5】従来の撮像装置の動作タイミングを示すタイミ
ングチャートである。
【図6】従来の撮像装置におけるフリッカノイズの発生
を示す図である。
【図7】フリッカ現象を補正する従来の補正回路の一構
成例を示す図である。
【図8】従来の補正回路の問題点を示す図である。
【符号の説明】
10…撮像素子、11…受光部、12…受光部垂直転送
レジスタ、13…フォトセンサ、14…蓄積部、15…
蓄積部垂直転送レジスタ、16…水平転送レジスタ、1
7…出力バッファ、20…CDS/AGC回路、30…
A/Dコンバータ、40…信号処理部、50…タイミン
グ発生回路、100…輝度検出回路、110…アンプ、
120…フリッカ補正利得演算回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の撮像周期で画像信号を出力する撮像
    装置であって、 入射光に応じて発生した光電荷を蓄積し、駆動信号によ
    って制御された電荷蓄積時間で蓄積した電荷を出力する
    イメージセンサと、 被写体を照明する照明光の明滅周期と上記撮像周期とに
    基づき、各撮像周期において上記電荷蓄積時間が上記照
    明光に対して同じ位相関係を保つように上記駆動信号の
    出力タイミングを制御するタイミング制御手段とを有す
    る撮像装置。
  2. 【請求項2】上記タイミング制御手段は、上記イメージ
    センサに上記蓄積した電荷を掃き捨てる掃き捨て信号
    と、上記イメージセンサの蓄積電荷を転送手段に出力す
    る読み出し信号とを出力し、上記掃き捨て信号と上記読
    み出し信号の出力時間差で上記イメージセンサの電荷蓄
    積時間を制御する請求項1記載の撮像装置。
  3. 【請求項3】上記イメージセンサは、上記入射光に応じ
    て発生した光電荷を蓄積する受光部と、 上記受光部によって蓄積された電荷を保持する蓄積部
    と、 上記撮像周期における垂直ブランキング期間において、
    上記受光部によって蓄積された電荷を上記蓄積部に転送
    する転送部とを有する請求項1記載の撮像装置。
  4. 【請求項4】所定の撮像周期で画像信号を出力する撮像
    装置の撮像方法であって、 入射光に応じて発生した光電荷を蓄積し、駆動信号によ
    って制御された電荷蓄積時間で蓄積した電荷を出力する
    ステップと、 被写体を照明する照明光の明滅周期と上記撮像周期とに
    基づき、各撮像周期において上記電荷蓄積時間が上記照
    明光に対して同じ位相関係を保つように上記駆動信号の
    出力タイミングを制御するステップとを有する撮像方
    法。
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