JP2003244423A - 電子透かし埋め込み方法,及び,電子透かし検出方法 - Google Patents

電子透かし埋め込み方法,及び,電子透かし検出方法

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JP2003244423A
JP2003244423A JP2002042973A JP2002042973A JP2003244423A JP 2003244423 A JP2003244423 A JP 2003244423A JP 2002042973 A JP2002042973 A JP 2002042973A JP 2002042973 A JP2002042973 A JP 2002042973A JP 2003244423 A JP2003244423 A JP 2003244423A
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JP2002042973A
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Yasuhiro Mitsui
靖博 三井
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の全体あるいは一定の領域に対する一様
な画素値操作(一様輝度変化攻撃)に対しての耐性を高
めることの可能な電子透かし埋め込み方法及び電子透か
し検出方法を提供する。 【解決手段】 画像に対する電子透かし埋め込み方法に
おいて,電子透かしの埋め込み対象となる埋め込み対象
画素の画素値を変更するに当たり,前記埋め込み対象画
素に近接する2以上の画素を平均対象画素とし,前記近
接する2以上の平均対象画素の画素値の平均値を基準と
して,前記埋め込み対象画素の画素値を変更することを
特徴とする。かかる方法によれば,平均対象画素の画素
値の平均値を基準とすることによって,一様輝度変化攻
撃によっても,平均対象画素の画素値の平均値と埋め込
み対象画素の画素値との大小関係は変わらない。このた
め,一様輝度変化攻撃に対しての耐性を高めることが可
能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,画像(静止画,動
画,動画の1フレームなど)に対する電子透かし埋め込
み方法及び電子透かし検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子透かし埋め込み方法には,「電子透
かしの基礎」森北出版株式会社に述べられているよう
に,ディジタルデータのどこにどのように入れるかとい
うことに関していろいろな方法が考えられている。画像
に対する電子透かし埋め込み方法としては,MPEG
(Motion Picture Expert Gr
oup)等の動画の特定フォーマットを除いては,基本
的に画素値を変更することによって電子透かしを埋め込
む。画素値を変更する方法としては,画素値を直接操作
する方法や,周波数成分のような特定情報を操作する方
法など種々知られている。
【0003】静止画もしくは動画の1フレームに対して
電子透かしを埋め込む方法の一例として,画素値を直接
操作して電子透かし埋め込む方法を,図12を参照しな
がら説明する。画素値を直接操作する方法の場合,MS
B(Most Significant Bit:最大
有効ビット)の値を変化させると画像の変化が大きく目
立つため,LSB(Least Significan
t Bit:最小有効ビット),もしくはLSB側数ビ
ットの値を変化させて埋め込むことが一般的である。
【0004】符号101は電子透かし埋め込み前の画像
であり,各矩形は各画素を,矩形中の数字は画素値を表
している。符号111は画像101をビットプレーンに
分解して表現したものである。図中,塗りつぶされた矩
形はデータ「1」を,白抜きの矩形はデータ「0」を表
している。符号121は画像101のビットプレーンL
SBである。符号122は,電子透かし埋め込み時に,
ビットプレーンLSB121に対して,左上の画素に
「0」を埋め込み,右下の画素に「1」を埋め込んだビ
ットプレーンLSBである。
【0005】電子透かしの検出時には,電子透かし埋め
込み画素のLSBビットの値を取り出すことで行うこと
ができる。符号112は,電子透かし埋め込み前のビッ
トプレーン111において,そのビットプレーンLSB
121を,電子透かし埋め込み後のビットプレーンLS
B122に置き換えて表現したビットプレーンである。
符号102は,ビットプレーン121を画素値として表
現したものである。
【0006】また,ウェーブレット変換によって階層的
にオクターブ分割された画像信号を利用する電子透かし
もいろいろ提案されている。図13は,画像信号201
をウェーブレット変換し,2階層のオクターブ分割した
ときに得られる7帯域のサブバンド領域を示したもので
ある。各水平・垂直方向に対してフィルタ処理を施し,
ダウンサンプリングを行うことで,画像信号は,まず,
4つのサブバンド(LL1,LH1,HL1,HH1)
に分割される。この処理をサブバンドLL成分に対して
繰り返し行うことにより,オクターブ分割が行われる。
LL成分は水平・垂直両方向に低域成分であり,画像信
号の近似画像を表す。サブバンドLH,HL,HH成分
は,それぞれ画像の水平,垂直,斜め方向の変化成分
(エッジ情報など)を表している。
【0007】文献「ウェーブレット変換を用いた画像信
号に関する電子透かし方式」画像情報メディア学会誌V
o152,No12,pp1832〜1839(199
8)に述べられたウェーブレット変換後の成分に埋め込
む例を,図14を参照しながら説明する。
【0008】符号301は電子透かし埋め込み前のn階
層LL成分(LLn),符号302は電子透かし埋め込
み後のn階層LL成分(LLn)。埋め込み対象はLL
成分値である。上記文献ではx×yブロックの成分に対
して電子透かしを埋め込む方法が記述しているが,ここ
では説明を簡潔にするため,1×1ブロック,つまり1
成分に対する埋め込みを示す。
【0009】LL成分値が128である左上成分と右下
成分のブロックに電子透かしを埋め込む例を考える。埋
め込み強度Q=5とし,埋め込み強度Qで割り切れる値
を量子化値とすると,128の近辺の量子化値は125
と130である。隣接する量子化値の間で埋め込む2値
データ「0」,「1」を逆にするため,(量子化値÷埋
め込み強度Q)の商の偶奇性に値を割り当て,偶数にデ
ータ「0」を,奇数にデータ「1」を割り当てる。左上
成分にデータ「1」を,右下成分にデータ「0」を埋め
込むには,左上成分を125に,右下成分を130に変
更すればよい。
【0010】n階層LL成分の変更を行った画像を,逆
ウェーブレット変換することによって,電子透かしを埋
め込んだ画像が得られる。n階層LL成分の変化は,そ
の成分が影響する画素全体に分散して反映されることに
なる。すなわち,2階層の1成分は2×2画素,3階層
なら4×4画素,4階層なら16×16画素の全体に分
散して反映されることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記で
述べた従来方法では,画像全体あるいは一定の領域全体
に対して,一様な画素値操作(一様輝度変化攻撃)が行
われると,検出値に埋め込み値と異なる値が検出されて
しまい,この点で耐性が弱いという問題点があった。
【0012】例えば,図15において,符号302は一
様輝度変化攻撃前の画像であり,符号801は一様輝度
変化攻撃後の画像である。このように,ウェーブレット
変換後のn階層LL値の操作であっても,画像全体もし
くは埋め込み単位に対応する画素領域単位の画素値が一
様に変更(図15の例では,+5)されると,LL成分
値も同様に変化し,埋め込み強度を超える変更が行われ
れば,データ「0」とデータ「1」が逆転し,埋め込み
値と同じ正しい検出値が取り出せなくなるという問題点
があった。
【0013】本発明は,従来の電子透かし埋め込み方法
及び電子透かし検出方法が有する上記問題点に鑑みてな
されたものであり,本発明の目的は,画像の全体あるい
は一定の領域に対する一様な画素値操作(一様輝度変化
攻撃)に対しての耐性を高めることの可能な,新規かつ
改良された電子透かし埋め込み方法及び電子透かし検出
方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め,本発明の第1の観点によれば,画像に対する電子透
かし埋め込み方法が提供される。本発明の電子透かし埋
め込み方法は,電子透かしの埋め込み対象となる埋め込
み対象画素の画素値又は成分値を変更するに当たり,前
記埋め込み対象画素に近接する2以上の画素を平均対象
画素とし,前記近接する2以上の平均対象画素の画素値
又は成分値の平均値を基準として前記埋め込み対象画素
の画素値又は成分値を変更することを特徴とする。
【0015】かかる方法によれば,平均対象画素の画素
値又は成分値の平均値を基準とすることによって,一様
輝度変化攻撃によっても,平均対象画素の画素値又は成
分値の平均値と埋め込み対象画素の画素値又は成分値と
の相対的な関係(例えば,大小関係など)は変わらな
い。このため,一様輝度変化攻撃に対しての耐性を高め
ることが可能である。
【0016】また,前記埋め込み対象画素の画素値又は
成分値と前記平均対象画素の画素値又は成分値の平均値
との大小関係に応じて,該埋め込み対象画素の画素値又
は成分値を変更することとすれば,計算量を増加させる
こともない。
【0017】さらに,2以上の前記埋め込み対象画素の
画素値又は成分値を変更するに当たり,画素値又は成分
値の変更順序を予め設定しておき,いまだ画素値又は成
分値が変更されていない前記埋め込み対象画素の画素値
又は成分値を変更するにあたり,すでに画素値又は成分
値が変更された前記埋め込み対象画素を前記平均対象画
素として参照することが好ましい。平均対象画素として
利用できるのは,埋め込み対象画素でない画素あるいは
埋め込み処理済みの画素のみである。そこで,画素値又
は成分値の変更順序を予め設定することによって,埋め
込み処理済みの画素を平均対象画素として最大限に利用
することができる。このようにして,埋め込み対象画素
数,及び,必須平均対象画素数を増やすことが可能であ
る。そして,埋め込み対象画素数を増やすことによっ
て,電子透かしとしての情報量を増やすことができ,さ
らに,必須平均画素数を増やすことによって,電子透か
しの検出率を上げることができる。
【0018】また,前記平均対象画素の画素値又は成分
値の平均値を量子化した量子化値を基準として,前記埋
め込み対象画素の画素値又は成分値を変更することも可
能である。埋め込み対象画素の画素値又は成分値がそれ
に近接する平均外傷画素の画素値又は成分値と大きく異
なる場合がある。この点,本発明によれば,平均値を量
子化した量子化値を基準とすることによって,埋め込み
対象画素に最も近い量子化値を基準として画素値又は成
分値を変更することができ,画素値又は成分値の変更を
小さく抑えることができる。
【0019】さらに,隣接する前記量子化値の間で前記
埋め込み対象画素の画素値又は成分値の変更方向を逆に
することが好ましい。量子化値の中央値付近に画素値又
は成分値を変更しても,検出率の低下を防止することが
できる。このため,画素値又は成分値の変更前の埋め込
み対象画素の画素値又は成分値が量子化値の中央付近で
あっても,画素値又は成分値の変更を小さく抑えること
ができる。
【0020】また,本発明の第2の観点によれば,電子
透かし検出方法が提供される。本発明の電子透かし検出
方法は,前記画素値又は成分値が変更された埋め込み対
象画素ごとに,基準となった前記量子化値からの差分に
応じた確信度を与え,検出値の別候補を前記確信度に基
づいて算出することを特徴とする。
【0021】かかる検出方法によれば,検出値を
「0」,「1」のみでなく,その値の確からしさを含め
て示すことができ,値の確からしさの高い順に検出値候
補を作成することができるため,検出時間を短縮するこ
とができる。また,確からしきの計算は差分の絶対値を
取るだけであり,計算量の増加はほとんどない。
【0022】また,本発明の他の電子透かし検出方法
は,前記画像は複数のフレームからなる動画であり,前
記各フレームについて,前記画素値又は成分値が変更さ
れた埋め込み対象画素ごとに,基準となった前記量子化
値からの差分に応じた確信度を与え,前記各フレームの
確信度の積算値に基づいて検出値の候補を算出すること
を特徴とする。
【0023】かかる方法によれば,単純なフレーム単位
での差分値の加算により,最終検出値と最終確信度を算
出することができる。そして,検出値の確信度がある一
定以上を超えた場合に,その値の確からしさが十分であ
るとして,検出処理を終了させることができ,検出時間
を短縮することができる。
【0024】また,本発明の他の電子透かし検出方法
は,前記画像には同じ電子透かしが複数回埋め込まれて
おり,前記各電子透かしについて,前記画素値又は成分
値が変更された埋め込み対象画素ごとに,基準となった
前記量子化値からの差分に応じた確信度を与え,前記各
電子透かしの確信度の積算値に基づいて検出値の候補を
算出することを特徴とする。
【0025】かかる方法によれば,埋め込まれた同じ電
子透かしについて,差分値の加算により,最終検出値と
最終確信度を算出することができる。そして,検出値の
確信度がある一定以上を超えた場合に,その値の確から
しさが十分であるとして,検出処理を終了させることが
でき,検出時間を短縮することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら,
本発明にかかる電子透かし埋め込み方法及び電子透かし
検出方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。
なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能
構成を有する構成要素については,同一の符号を付する
ことにより重複説明を省略する。
【0027】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかか
る電子透かし埋め込み方法を,画素値に適用したもので
ある。
【0028】図1において,画像401は電子透かし埋
め込み前の画像であり,各矩形は画素を表しており,矩
形内の値は画素値を表している。また,埋め込み対象画
素を中央の画素とし,平均対象画素を図中網掛けで示
す。画像402は画像401の埋め込み対象画素にデー
タ「0」を埋め込んだ画像であり,画像403は画像4
01の埋め込み対象画素にデータ「1」を埋め込んだ画
像である。
【0029】本実施の形態では,電子透かしの埋め込み
対象の画素(以下,「埋め込み対象画素」と称する。)
の画素値を変更するに当たり,埋め込み対象画素に近接
する2以上の画素(以下,「平均対象画素」と称す
る。)の画素値の平均値を基準として画素値を変更する
ことを特徴としている。そして,本実施の形態では,埋
め込み対象画素の上・下・左・右の4画素を平均対象画
素として説明する。埋め込み対象画素を画像401の中
央の画素とすると,平均対象画素の画素値の平均値xは
x=(4+3+9+0)÷4=16÷4=4である。
【0030】電子透かしの検出時に,「埋め込み対象画
素の画素値<x」の場合にデータ「0」が埋め込まれて
おり,「埋め込み対象画素の画素値>x」の場合にデー
タ「1」が埋め込まれていると判断するとする。平均値
からの変化量を1とすると,画像401の埋め込み対象
画素(画素値=4)にデータ「0」を埋め込んだ後の画
素値は3となる。このようにして,画像402が生成で
きる。また,データ「1」を埋め込んだ後の画素値は5
となる。このようにして,画像403が生成できる。
【0031】なお,上記例において,平均値からの変化
量は1に限定されるものではない。一般に,画素値の変
化量が小さいほど画像の見た目に与える影響が小さく,
また,画素値の変化量が大きいほど,圧縮や平滑化,階
調変換といった画素値単位の変化を生じる各種画像処理
に対する耐性が強くなるという性質があるため,平均値
からの変化量は,画像の特性に応じて適宜変更すること
が好ましい。なお,このような性質から,平均値からの
変化量は,(電子透かしの)埋め込み強度とも言われ
る。
【0032】図2は,本実施の形態にかかる電子透かし
埋め込み方法を,n階層LL成分に適用したものであ
る。
【0033】図2において,画像501は電子透かし埋
め込み前の画像であり,各矩形はn階層LL成分を表し
ており,矩形内の値はLL成分値を表している。また,
埋め込み対象LL成分を中央のLL成分とし,平均対象
LL成分を図中網掛けで示す。画像502は画像501
の埋め込み対象LL成分にデータ「0」を埋め込んだ画
像であり,画像503は画像501の埋め込み対象LL
成分にデータ「1」を埋め込んだ画像である。
【0034】埋め込み対象LL成分の上・下・左・右の
4LL成分を平均対象LL成分とし,埋め込み対象LL
成分を画像501の中央のLL成分とすると,平均対象
LL成分のLL成分値の平均値xはx=(127+12
9+126+130)÷4=512÷4=128であ
る。
【0035】電子透かしの検出時に,「埋め込み対象L
L成分のLL成分値<x」の場合にデータ「0」が埋め
込まれており,「埋め込み対象LL成分のLL成分値>
x」の場合にデータ「1」が埋め込まれていると判断す
るとする。平均値からの変化量を1とすると,画像50
1の埋め込み対象LL成分(LL成分値=128)にデ
ータ「0」を埋め込んだ後のLL成分値は127とな
る。このようにして,画像502が生成できる。また,
データ「1」を埋め込んだ後のLL成分値は129とな
る。このようにして,画像503が生成できる。
【0036】上記例では,電子透かしの埋め込み対象画
素(埋め込み対象LL成分)の周囲画素として,上・下
・左・右の4画素を参照する場合について説明したが,
本発明はこれに限定されない。以下に,図3を参照しな
がら,電子透かしの各種埋め込みパターンにおける,埋
め込み対象画素(図中,網掛けの「埋」で示す)と対応
する平均対象画素(図中,網掛けで示す。),及び,埋
め込み対象画素となり得る画素(図中,「埋」で示す)
について説明する。
【0037】(a)埋め込み対象画素の周囲8画素(上
・下・左・右・左上・左下・右上・右下)を平均対象画
素とする場合である。5×5の画像601,602にお
いて,平均値を算出するにあたり,周囲8値(3値必
須)の平均を利用する。電子透かしの埋め込み対象とな
りうる画素は最大8画素である。全画素に対する埋め込
み対象画素の率(以下「埋め込み率」と称する。)は,
8/25=32(%)である。 (b)埋め込み対象画素の周囲4画素(上・下・左・
右)を平均対象画素とする場合である。5×5の画像6
11,612において,平均値を算出するにあたり,周
囲4値(2値必須)の平均を利用する。電子透かしの埋
め込み対象となる画素は最大13画素である。埋め込み
率は,13/25=52(%)である。 (c)埋め込み対象画素の周囲4画素(左上・左下・右
上・右下)を平均対象画素とする場合である。5×5の
画像621,622において,平均値を算出するにあた
り,周囲4値(2値必須)の平均を利用する。電子透か
しの埋め込み対象となる画素は最大10画素である。埋
め込み率は,10/25=40(%)である。
【0038】図4は,本実施の形態に対し,一様輝度変
化攻撃を加えた状態を示す説明図である。図4の符号9
02は,図2において,埋め込み対象画素にデータ
「0」を埋め込んだ画像502に対して一様輝度変化攻
撃(+5)を行った画像である。埋め込み対象画素の画
素値が132と+5変化したのに対し,平均対象画素の
平均値xもx=(132+134+131+135)÷
4=532÷4=133と+5変化している。よって,
132<x(=133)であるから,電子透かしの検出
時において,埋め込まれたデータ「0」を検出すること
ができる。
【0039】同様に,図4の符号903は,図2におい
て,埋め込み対象画素にデータ「1」を埋め込んだ画像
503に対して一様輝度変化攻撃(+5)を行った画像
である。埋め込み対象画素の画素値が134と+5変化
したのに対し,平均対象画素の平均値xもx=(132
+134+131+135)÷4=532÷4=133
と+5変化している。よって,134>x(=133)
であるから,電子透かしの検出時において,埋め込まれ
たデータ「1」を検出することができる。
【0040】このように,本実施の形態では,電子透か
しの検出時においても平均値方式を採用するため,埋め
込み対象画素とその周囲画素の平均値との大小関係は変
わらない。このようにして,本実施の形態によれば,周
囲の平均値を基準として電子透かしを埋め込むことによ
り,一様輝度変化攻撃に対して,検出値が誤ることがな
く,耐性が強い電子透かしとなる。
【0041】また,埋め込み対象画素の画素値と平均対
象画素の画素値の平均値との大小関係に応じて,埋め込
み対象画素の画素値を変更することとしたので,計算量
を増加させることもない。
【0042】(第2の実施の形態)上記第1の実施の形
態では,図3を参照しながら説明したように,埋め込み
率が30%〜50%程度であり,それほど高い水準とは
言えない。これは,画素値変更の順序に起因するもので
ある。すなわち,平均対象画素の画素値が後に変更され
てしまうと,電子透かしの検出の際に検出率が悪くなっ
てしまう。また,画素値変更処理を再度行うと処理時間
が膨大に増加してしまう。このため,平均対象画素とし
て利用できるのは,埋め込み対象画素でない画素,ある
いは,埋め込み処理済みの画素のみである。本実施の形
態では,画素値変更処理の順序を考慮に入れることによ
って,埋め込み処理済みの画素を平均対象画素として最
大限に利用することができ,これによって埋め込み対象
画素を増やす方法について説明する。
【0043】本実施の形態では,2以上の埋め込み対象
画素の画素値を変更するに当たり,画素値の変更順序を
予め設定しておく点に特徴がある。図5において,符号
700は,画素値の変更順序の一例である。左から右
に,かつ上から下に画素値の変更処理を行う。図5
(a)〜(c)は,埋め込み対象画素(図中,網掛けの
「埋」で示す)と対応する平均対象画素(図中,網掛け
で示す。),及び,埋め込み対象画素となり得る画素
(図中,「埋」で示す)の関係を示している。
【0044】(a)符号701に示したように,埋め込
み対象画素の周囲5画素(左2・上1・左上・上・左2
・左)を平均対象画素とする場合である。5×5の画像
702において,平均値を算出するにあたり,周囲5値
(5値必須)の平均を利用する。電子透かしの埋め込み
対象となりうる画素は最大12画素である。埋め込み率
は,12/25=48(%)である。 (b)符号711に示したように,埋め込み対象画素の
周囲5画素(左2・上1・左上・上・右上・左)を平均
対象画素とする場合である。5×5の画像712におい
て,平均値を算出するにあたり,周囲5値(4値必須)
の平均を利用する。電子透かしの埋め込み対象となりう
る画素は最大16画素である。埋め込み率は,16/2
5=64(%)である。 (c)符号721に示したように,埋め込み対象画素の
周囲4画素(左上・上・右上・左)を平均対象画素とす
る場合である。5×5の画像722において,平均値を
算出するにあたり,周囲4値(2値必須)の平均を利用
する。5×5の画像において,電子透かしの埋め込み対
象となりうる画素は最大12画素である。埋め込み率
は,12/25=48(%)である。
【0045】ただし,図3に示した例では,埋め込み率
は,画素数に関係なく30%〜50%程度で一定である
のに対し,図5に示した例では,画素数が増加すれば,
埋め込み率は100%に限りなく近づく。例えば,図5
(b)の場合,10×10の画像では埋め込み率は81
%,20×20の画像では埋め込み率は90.25%で
ある。
【0046】そして,符号700に示した画素値の変更
順序において,平均対象画素を図5(a)〜(c)に示
したパターンとすることにより,平均対象画素となる画
素は,画素値が変更されない画素か,あるいは,すでに
画素値が変更された画素である。従って,ある画素値の
変更が他の画素値の変更に影響を与えることはない。
【0047】以上説明したように,本実施の形態によれ
ば,処理の順序を考慮に入れることによって,埋め込み
処理済みの画素を平均対象画素として最大限に利用する
ことができ,これによって,埋め込み対象画素数,及
び,必須平均対象画素数を増やすことが可能である。そ
して,埋め込み対象画素数を増やすことによって,電子
透かしと埋め込める情報量を増やすことができ,さら
に,必須平均画素数を増やすことによって,電子透かし
の検出率を上げることができる。
【0048】(第3の実施の形態)上記第1,第2の実
施の形態の方法では,画素値の具体的な値について特に
限定はない。ところが,実際には,平均対象画素の画素
値と埋め込み対象画素の画素値との差が大きい場合に,
埋め込み対象画素の画素値の変化が大きくなる場合があ
る。かかる場合は,画素値の変化が大きいのを承知で埋
め込むか,あるいは,画素値を変化させない(電子透か
しを埋め込まない)ことで対処することになる。画素値
の変化が大きいと画像の見た目に影響を与えるおそれが
あり,画素値を変化させないことは,すなわち,埋め込
める情報量が減ることを意味する。このような問題点を
解決するために,平均対象画素の画素値の平均値を基準
に埋め込み強度で量子化した量子化値を利用する方法に
ついて説明する。
【0049】図6は,本実施の形態にかかる電子透かし
埋め込み方法を,画像を直交変換によって得られた成
分,例えばウェーブレット変換によって得られたn階層
LL成分に適用したものである。
【0050】図6において,画像1001は電子透かし
埋め込み前の画像であり,各矩形はLL成分を表してお
り,矩形内の値はLL成分値を表している。また,埋め
込み対象LL成分を中央のLL成分とし,平均対象LL
成分を図中網掛けで示す。画像1010は画像1001
の埋め込み対象LL成分にデータ「0」を埋め込んだ画
像であり,画像1011は画像1001の埋め込み対象
LL成分にデータ「1」を埋め込んだ画像である。
【0051】上記実施の形態と同様に,埋め込み対象L
L成分の上・下・左・右の4LL成分を平均対象LL成
分とし,埋め込み対象LL成分を画像1001の中央の
LL成分とすると,平均対象LL成分のLL成分値の平
均値xはx=(139+141+138+142)÷4
=560÷4=140である。
【0052】上記実施の形態と同様の方法により画素値
を変換するとすれば,この平均値140を基準とし,平
均値からの変化量を1とすると,画像1001の埋め込
み対象LL成分(LL成分値=128)にデータ「0」
を埋め込んだ後のLL成分値は139であり,データ
「1」を埋め込んだ後のLL成分値は141である。こ
のように,上記実施の形態と同様の方法により画素値を
変換するとすれば,埋め込み対象画素の画素値と平均対
象画素の画素値との差が大きい場合に,画素値の変化が
大きく,画像の見た目に影響を与えるおそれがある。
【0053】そこで,本実施の形態では,平均値140
をそのまま基準とするのではなく,平均値140を所定
の埋め込み強度で量子化した量子化値を基準として,埋
め込み対象画素の画素値を変更することを特徴とする。
【0054】例えば,埋め込み強度Q=5の場合,平均
値140の値を基準に,2Qで量子化した値は・・・,
120,130,140,150,・・・である。ここ
で,2Qで量子化したのは,量子化値を基準として,例
えば,負の方向にデータ「0」を,正の方向にデータ
「1」を,各量子化値に割り当てるためである。いずれ
の量子化値を基準としてもよいが,画像の見た目に与え
る影響を最小にするためには,埋め込みLL成分の成分
値に最も近い量子化値(以下,「最近接量子化値」と称
する。)を基準とすることが好ましい。
【0055】本実施の形態における,埋め込み対象LL
成分の成分値128の最近接量子化値は130である。
そこで,基準となる量子化値y=130とし,電子透か
しの検出時に,「埋め込み対象LL成分の成分値<y」
の場合にデータ「0」が埋め込まれており,「埋め込み
対象LL成分の成分値>y」の場合にデータ「1」が埋
め込まれていると判断するとする。すなわち,量子化値
y=130を基準とすると,埋め込み対象LL成分にデ
ータ「0」を埋め込んだ値は126〜129,データ
「1」を埋め込んだ値は131〜134となる。なお,
整数値のみを考慮している。
【0056】図6に示した画像1001において,画像
1001の見た目への影響を最小限にするため,成分値
の変化量を最小にしつつ電子透かしを埋め込むことを考
える。埋め込み前の埋め込み対象LL成分の成分値12
8から成分値の変化量を最小にしつつ成分値に変更する
とすれば,データ「0」を埋め込んだ値は128とな
る。このようにして,画像1010が生成できる。ま
た,データ「1」を埋め込んだ後のLL成分値は131
となる。このようにして,画像1011が生成できる。
【0057】なお,応用例として,図6に示した画像1
001において,耐性が強い電子透かしを埋め込むた
め,成分値の変化量を最大にしつつ電子透かしを埋め込
むことを考える。埋め込み前の埋め込み対象LL成分の
成分値128から成分値の変化量を最大にしつつ成分値
に変更するとすれば,データ「0」を埋め込んだ値は1
26となる。また,データ「1」を埋め込んだ後のLL
成分値は134となる。
【0058】以上説明したように,本実施の形態によれ
ば,量子化値を利用する埋め込みによって,平均値と埋
め込み対象画素の画素値が大きく異なる場合でも一定値
以下の変化量で埋め込むことができるため,平均値付近
しか埋め込まなかった場合に比べて埋め込み可能対象を
増やすことができる,もしくは対象値の変化量を小さく
抑えることができる。
【0059】(第4の実施の形態)上記第3の実施の形
態では,平均対象画素の平均値を基準に量子化し,量子
化値を基準として,負の方向にデータ「0」を,正の方
向にデータ「1」を,各量子化値に割り当てていた。し
かしながら,量子化値からの埋め込み方向を同じにする
と,量子化値と量子化値の中間の値(図6の例では12
5,135,以下,中間値と称する。)が利用できず,
また画像変化の際に中間値付近の値の検出値が反転しや
すいという欠点がある。
【0060】上記欠点を補う方法について,図7を参照
しながら説明する。中間値も利用できるようにし,中間
値付近で埋め込み値の反転が起きないようにするため
に,本実施の形態では,隣接する量子化値の間で埋め込
み対象画素の画素値(埋め込み対象LL成分の成分値)
の変更方向を逆にすることを特徴としている。
【0061】図7は,埋め込み強度Q=5とし,平均対
象画素の平均値x=130を基準とし,2Qで量子化し
たものである。したがって,量子化値は,・・・,12
0,130,140,・・・である。ここで,例えば,
量子化値130を基準とした場合,負の方向にデータ
「0」を,正の方向にデータ「1」を割り当てたとす
る。このとき,量子化値130に隣接する量子化値12
0あるいは140を基準とした場合,正の方向にデータ
「0」を,負の方向にデータ「1」を割り当てる。
【0062】本実施の形態によれば,電子透かしの埋め
込みの方向を隣り合う量子化値で逆にすることにより,
中間値付近での対象値の変化で検出値が変化することが
なくなり,検出値が反転する場所を半分にでき,また中
間値を利用できるようにできるため検出率を向上させる
ことができる。
【0063】(第5の実施の形態)上記実施の形態によ
る電子透かし埋め込み方法によっても,画像の圧縮や画
像操作によって,画像がかなり変化し,対象値が大きく
変化する場合がある。そのような場合は正しい検出値が
検出できるとは限らない。例えば,上記第3,第4の実
施の形態における電子透かし埋め込み方法では,埋め込
み値は,基準となる量子化値付近で反転する可能性があ
る。そして,検出値が埋め込み値の反転値である可能
性,すなわち,検出値が誤りである可能性は,量子化値
付近が一番高く,量子化値から遠ざかるほどその可能性
が低いと言える。
【0064】このような観点から,本実施の形態では,
検出値を,検出対象となる画素(検出対象画素と称す
る。)の画素値と量子化値との大小関係による「0」,
「1」だけでなく,検出対象画素の画素値と量子化値と
の差分の絶対値をその値の確からしき(確信度と称す
る。)として示す検出方法について説明する。
【0065】図8,図9は,本実施の形態にかかる電子
透かし検出方法を,静止画あるいは動画の1フレームに
適用したものである。
【0066】図8は,図7に示した上記第4の実施の形
態と同様の方法により基準値を量子化したものである。
すなわち,埋め込み強度Q=5とし,平均対象画素の平
均値x=130を基準とし,2Qで量子化したものであ
る。したがって,量子化値は,・・・,120,13
0,140,・・・である。そして,量子化値130を
基準とした場合,負の方向にデータ「0」を,正の方向
にデータ「1」を割り当てる。このとき,量子化値13
0に隣接する量子化値120あるいは140を基準とし
た場合,正の方向にデータ「0」を,負の方向にデータ
「1」を割り当てる。
【0067】量子化値130を基準とした場合について
考えると,検出対象画素の画素値が量子化値130より
も小さい場合にデータ「0」が,大きい場合にデータ
「1」が埋め込まれていたと判断できる。なお,検出対
象画素の画素値が130の場合,検出値は「不定」とす
る。ここまでは,第4の実施の形態と同様である。
【0068】本実施の形態では,さらに,検出対象画素
の画素値と量子化値との差分の絶対値を検出値の確信度
として検出する。なお,検出値が「不定」の場合,確信
度は0とする。図8に示した一例では,5ビットの検出
対象画素X0〜X4について,検出値と確信度は以下の
ように検出される。 X0(画素値=130):検出値「不定」,確信度0 X1(画素値=126):検出値「0」,確信度4 X2(画素値=129):検出値「0」,確信度1 X3(画素値=132):検出値「1」,確信度2 X4(画素値=135):検出値「1」,確信度5
【0069】この場合,「不定」は「0」か「1」のど
ちらかであるため,埋め込まれた5ビットの電子透かし
(X0,X1,X2,X3,X4)の候補は, 候補1:(0,0,0,1,1) 候補2:(1,0,0,1,1) である。
【0070】この2つの候補が,登録されているデータ
中にないということがわかるような場合,他候補を挙げ
ることができると有益な場合がある。かかる場合,第4
の実施の形態を用いることによって,確信度が低い方か
ら高い順に反転ビットを選択して確からしさの高い順に
他候補を挙げて,登録されている値に早く到達できる。
【0071】図9は,別候補作成方法を図示したもので
ある。候補1は不定(確信度も一番低い)のビット0を
「0」または「1」に固定した値である。候補2は次に
確信度が低いビット2を反転した値,候補3は次に確信
度が低いビット3を反転した値である。
【0072】以上のように,本実施の形態によれば,検
出値を「0」,「1」のみでなく,その値の確からしさ
を含めて示すことができ,値の確からしさの高い順に検
出値候補を作成することができるため,検出時間を短縮
することができる。また,確からしきの計算は差分の絶
対値を取るだけであり,計算量の増加はほとんどない。
【0073】なお,本実施の形態では,確信度として差
分の絶対値そのものを採用したが,本発明はこれに限定
されず,差分の絶対値の増加とともに確信度が増加する
任意の関数(狭義の単調増加関数)を採用することがで
きる。
【0074】(第6の実施の形態)本実施の形態は,上
記第5の実施の形態を,複数フレームからなる動画に適
用したものである。一例として,図10を参照しなが
ら,5フレームからなる動画について説明する。
【0075】上記第5の実施の形態と同様に,フレーム
1〜フレーム5に対して,差分値(=検出対象値−量子
化値)を算出する。そして,差分値を積算する。例え
ば,フレーム3までの積算値は,フレーム1〜フレーム
3までの差分値を積算した値であり,ビット0について
は,(フレーム1のビット0の差分)+(フレーム2の
ビット0の差分)+(フレーム3のビット0の差分)=
0+1+3=4となる。他のビットについても同様に積
算値を算出していく。
【0076】差分値をそのまま確信度として用いる場合
を考えると,すべてのビットの確信度が所定の値以上に
なった時点で,最終検出値と最終確信度を求めることが
できる。例えば,確信度が5以上で十分だとすると,図
中の積算値のうち丸囲みで示したものは,積算値の絶対
値が5以上であり,確信度が十分であると判断できる。
図10の例では,フレーム4を処理した時点で,確信度
がすべて5以上になっており,フレーム5を処理するこ
となく,この時点で処理を終了することができる。
【0077】複数フレームからなる動画から電子透かし
を検出する場合,一般的には,処理時間または処理フレ
ーム数を決定し,その間検出処理を行い,最終的な検出
結果を求める。しかしながら,処理時間と処理フレーム
数とはトレードオフの関係にあり,適当な結果を得られ
ない。この点,本実施の形態の検出方法によれば,確信
度が十分であると認められる所定の値を超えた場合,処
理をその時点で終了することが可能である。
【0078】以上のように,本実施の形態によれば,動
画のように複数フレームからなる画像において,単純な
フレーム単位での差分値の加算により,最終検出値と最
終確信度を算出することができる。そして,検出値の確
信度がある一定以上を超えた場合に,その値の確からし
さが十分であるとして,検出処理を終了させることがで
き,検出時間を短縮することができる。
【0079】本実施の形態の考え方は,静止画もしくは
動画の1フレームに対する電子透かしの埋め込み/検出
方法にも適用することが可能である。すなわち,図11
に示したように,埋め込むデータ(図11の例では,5
ビット)に対して,画像(図11の例では,5×5画素
の画像1101)が十分大きい場合,一つの画像に同じ
データを複数回埋め込むことができる。図11の例で
は,データ1(D01〜D41),データ2(D02〜
D42),データ3(D03〜D43),データ4(D
04〜D44),データ5(D05〜D45)をすべて
同じデータとして,5回埋め込めることになる。検出時
にはすべてのデータから検出値と確信度を計算すること
によって,検出値の精度を上げることができる。さら
に,この1フレームに同じデータを繰り返し埋め込む方
法を,複数フレームからなる動画の各フレームに適用す
ることも可能である。
【0080】以上,添付図面を参照しながら本発明にか
かる電子透かし埋め込み方法及び電子透かし検出方法の
好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例
に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記
載された技術的思想の範疇内において各種の変更例また
は修正例に想到し得ることは明らかであり,それらにつ
いても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解さ
れる。
【0081】例えば,上記実施の形態では,画素,ある
いは,ウェーブレット変換後のn階層LL成分に適用し
た例を説明したが,本発明はこれに限定されず,ウェー
ブレット変換後のn階層LH成分,n階層HL成分,n
階層HH成分や,DCT係数についても,同様に本発明
を適用可能である。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
平均対象画素の画素値の平均値を基準とすることによっ
て,一様輝度変化攻撃によっても,平均対象画素の画素
値の平均値と埋め込み対象画素の画素値との相対的な関
係(例えば,大小関係など)は変わらない。このため,
一様輝度変化攻撃に対しての耐性を高めることが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる電子透かし埋め込み
方法を画素値に適用した場合を示す説明図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる電子透かし埋め込み
方法をウェーブレットLL成分に適用した場合を示す説
明図である。
【図3】第1の実施の形態における平均対象画素と埋め
込み対象画素と埋め込み可能対象画素の関係を示す説明
図である。
【図4】一様輝度変化攻撃の説明図である。
【図5】第2の実施の形態における平均対象画素と埋め
込み対象画素と埋め込み可能対象画素の関係を示す説明
図である。
【図6】量子化値を基準とした電子透かし埋め込み方法
を示す説明図である。
【図7】隣り合う量子化値で埋め込み方向を逆にした例
を示す説明図である。
【図8】確信度の算出方法を示す説明図である。
【図9】確信度の高い順に別の検出値の候補を作成する
手順を示す説明図である。
【図10】複数フレームの場合の電子透かし検出方法を
示す説明図である。
【図11】繰り返し埋め込まれた電子透かしの検出方法
を示す説明図である。
【図12】画素値直接操作方式の説明図である。
【図13】ウェーブレット変換のサブバンド表現の説明
図である。
【図14】LL成分への電子透かし埋め込み例の説明図
である。
【図15】一様輝度変化攻撃の説明図である。
【符号の説明】
401 電子透かし埋め込み前の画像 402 埋め込み対象画素に「0」を埋め込んだ画像 403 埋め込み対象画素に「1」を埋め込んだ画像
フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 CB19 CE08 CE09 CG05 CG07 CH08 5C059 KK43 MA24 PP01 RC35 5C063 AC01 AC10 CA11 CA23 CA29 CA36 CA40 DA01 DA03 DA07 DA13 5C076 AA14 BA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像に対する電子透かし埋め込み方法で
    あって,電子透かしの埋め込み対象となる埋め込み対象
    画素の画素値又は成分値を変更するに当たり,前記埋め
    込み対象画素に近接する2以上の画素を平均対象画素と
    し,前記近接する2以上の平均対象画素の画素値又は成
    分値の平均値を基準として,前記埋め込み対象画素の画
    素値又は成分値を変更することを特徴とする,電子透か
    し埋め込み方法。
  2. 【請求項2】 前記埋め込み対象画素の画素値又は成分
    値と前記平均対象画素の画素値又は成分値の平均値との
    大小関係に応じて,該埋め込み対象画素の画素値又は成
    分値を変更することを特徴とする,請求項1に記載の電
    子透かし埋め込み方法。
  3. 【請求項3】 2以上の前記埋め込み対象画素の画素値
    又は成分値を変更するに当たり,画素値又は成分値の変
    更順序を予め設定しておき,いまだ画素値又は成分値が
    変更されていない前記埋め込み対象画素の画素値又は成
    分値を変更するにあたり,すでに画素値又は成分値が変
    更された前記埋め込み対象画素を前記平均対象画素とし
    て参照することを特徴とする,請求項1または2に記載
    の電子透かし埋め込み方法。
  4. 【請求項4】 前記平均対象画素の画素値又は成分値の
    平均値を量子化した量子化値を基準として,前記埋め込
    み対象画素の画素値又は成分値を変更することを特徴と
    する,請求項1,2または3のいずれかに記載の電子透
    かし埋め込み方法。
  5. 【請求項5】 隣接する前記量子化値の間で前記埋め込
    み対象画素の画素値又は成分値の変更方向を逆にするこ
    とを特徴とする,請求項4に記載の電子透かし埋め込み
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の電子透かし埋
    め込み方法により埋め込まれた電子透かしの検出方法で
    あって,前記画素値又は成分値が変更された埋め込み対
    象画素ごとに,基準となった前記量子化値からの差分に
    応じた確信度を与え,前記確信度に基づいて検出値の候
    補を算出することを特徴とする,電子透かし検出方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載の電子透かし埋
    め込み方法により埋め込まれた電子透かしの検出方法で
    あって,前記画像は複数のフレームからなる動画であ
    り,前記各フレームについて,前記画素値又は成分値が
    変更された埋め込み対象画素ごとに,基準となった前記
    量子化値からの差分に応じた確信度を与え,前記各フレ
    ームの確信度の積算値に基づいて検出値の候補を算出す
    ることを特徴とする,電子透かし検出方法。
  8. 【請求項8】 請求項4または5に記載の電子透かし埋
    め込み方法により埋め込まれた電子透かしの検出方法で
    あって,前記画像には同じ電子透かしが複数回埋め込ま
    れており,前記各電子透かしについて,前記画素値又は
    成分値が変更された埋め込み対象画素ごとに,基準とな
    った前記量子化値からの差分に応じた確信度を与え,前
    記各電子透かしの確信度の積算値に基づいて検出値の候
    補を算出することを特徴とする,電子透かし検出方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107256530A (zh) * 2017-05-19 2017-10-17 努比亚技术有限公司 图片水印的添加方法、移动终端及可读存储介质

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