JP2003243219A - 低損失酸化物磁性材料 - Google Patents

低損失酸化物磁性材料

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JP2003243219A
JP2003243219A JP2002036601A JP2002036601A JP2003243219A JP 2003243219 A JP2003243219 A JP 2003243219A JP 2002036601 A JP2002036601 A JP 2002036601A JP 2002036601 A JP2002036601 A JP 2002036601A JP 2003243219 A JP2003243219 A JP 2003243219A
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JP
Japan
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low
loss
magnetic material
oxide magnetic
loss oxide
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JP2002036601A
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English (en)
Inventor
Koichi Kondo
幸一 近藤
Tatsuya Chiba
龍矢 千葉
Eikichi Yoshida
栄吉 吉田
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Tokin Corp
Original Assignee
NEC Tokin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比抵抗が高く、巻線の直巻きが可能であり、
かつ低損失であり、コストの低減が図れる低損失酸化物
磁性材料を得る。 【解決手段】 NiZnフェライト粉末をプレス成形
し、前記成形体内部の空隙を水溶液中でフェライトめっ
き法により埋めることを特徴とする低損失酸化物磁性材
料であって、前記低損失酸化物磁性材料の組成が48.
5〜49.8mo1%Fe−26.0〜35.0m
o1%ZnO−残部NiOである低損失酸化物磁性材料
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源用トランスま
たチョークコイル用材料に好適な低損失酸化物磁性材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯機器をはじめとして、近年、電子機
器の小型化が急速に進歩している。電源の中でトランス
は、体積的にも、電力損失においても大きな位置を占め
るため、その小型化、高効率化が求められている。トラ
ンス材料の損失が大きいと電源としての効率が悪いだけ
でなく、自己発熱による熱暴走の危険が生じる。電源用
トランス材料としては、主に比較的飽和磁束密度が高く
電力損失が小さいMnZnフェライトが用いられてい
る。
【0003】MnZnフェライトは、直流比抵抗が10
〜10Ωcmと低い。そこで、短絡等の不具合をなく
すため、通常、これらの磁芯にボビンを介して巻線を行
っている。一方、NiZnフェライトは、一般に直流比
抵抗が10〜1010Ωcmと高く、巻線をする際に
ボビンを必要としない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】MnZnフェライトで
は、磁芯にボビンを介して巻線を行っているので、小型
化、軽量化および低コスト化を進める上での障害となっ
ていた。また、Ni−Znフェライトは、電力損失がM
nZnフェライトに比べて著しく高ので、その結果、N
iZnフェライトを用いると発熱が多く、周辺の回路部
品の寿命を短くするなどの不具合が発生する可能性があ
り、信頼性が低く、また、電気製品の省エネルギー化の
障害となっていた。
【0005】本発明の目的は、比抵抗が高く、巻線の直
巻きが可能であり、かつ低損失であり、コストの低減が
図れる低損失酸化物磁性材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】NiZnフェライトは、
一般に粉末冶金法で作製される。つまり、Fe
NiO、ZnOを所定の量秤量し、アトライターを用い
て混合した後、スプレードライアーで造粒し、造粒した
粉末を仮焼し、得られた粉末をアトライターを用いて粉
砕し、スプレードライアーにて造粒し、プレスし、焼成
する。このように、粉末冶金法で作製されたNiZnフ
ェライトは、多数の気孔を含有し、その気孔が電力損失
を劣化させると考えられている。
【0007】種々の検討を行った結果、NiZnフェラ
イト粉末をプレス成形し、その成形体内部の空隙を水溶
液中でフェライトめっき法により埋めることを特徴とす
る低損失酸化物磁性材料を用いることによって、上記間
題点を解決できることを見出した。
【0008】即ち、本発明は、NiZnフェライト粉末
をプレス成形し、前記成形体内部の空隙を水溶液中でフ
ェライトめっき法により埋める低損失酸化物磁性材料で
ある。
【0009】また、本発明は、前記低損失酸化物磁性材
料の組成が、48.5〜49.8mo1%Fe−2
6.0〜35.0mo1%ZnO−残部NiOとする低損
失酸化物磁性材料である。
【0010】また、本発明は、前記低損失酸化物磁性材
料の気孔率が、2.0%以下とする低損失酸化物磁性材
料である。
【0011】
【作用】フェライトの磁気損失(Pcv)は、ヒステリ
シス損失、渦電流損失および残留損失、渦電流損失は無
視できるほど小さい。ヒステリシス損失は、主に結晶組
織と結晶磁気異方性エネルギー(K1)に依存し、磁壁
移動に起因する損失である。結晶粒内または粒界に存在
する気孔は、磁壁移動の障害となり、ヒステリシス損失
を劣化させると考えられる。
【0012】本発明によれば、NiZnフェライト粉末
をプレス成形し、その成形体内部の空隙を水溶液中でフ
ェライトめっき法により埋めることによって、気孔率が
従来材よりも小さく2.0%以下である組織をもった低
損失の磁性材料が得られる。組成を26.0〜35.0m
ol%ZnOと規定したのは、ZnO量が35.0mo
l%を超えるとBsが著しく低下し、またZnO量が2
6.0mol%よりも少ないと損失が著しく増大するた
めである。48.5〜49.8mol%Fe と規定
したのは、Fe量が49.8mol%を超えると
比抵抗が著しく低下し、またFe量が48.5m
ol%よりも少ないと損失が著しく増大するためであ
る。
【0013】
【実施例】本発明の実施例による低損失酸化物磁性材料
について、以下に説明する。
【0014】主成分として、Fe、NiO、Zn
Oを所定の量秤量し、アトライターを用いて2時間混合
した。混合の後、スプレードライアーで造粒した。造粒
した粉末をロータリーキルンで仮焼した。得られた粉末
をアトライターを用いて粉砕した。粉砕後、スプレード
ライアーにて造粒し、トロイダル形状にプレスし、50
0℃で脱バインダー処理を行った。こうして得られた成
形体を80℃の水に入れ、温度を一定に保ちながらFe
Cl、NiCl、ZnClを所定の量加えた水溶
液にてフェライトめっきを行った。フェライトめっき
は、超音波ホーンにより超音波を加えることによって液
を激しく運動させながら、NaNOの酸化剤を徐々に
加えて酸化することによって進行させ、またPHコント
ローラにより、NHOHでpHを調整し、ほぼ中性の
反応液中で行った。
【0015】従来材として、Fe、NiO、Zn
Oを所定の量秤量し、アトライターを用いて2時間混合
し、スプレードライアーで造粒し、造粒した粉末をロー
タリーキルンで仮焼し、得られた粉末をアトライターを
用いて粉砕し、スプレードライアーにて造粒し、トロイ
ダル形状にプレスし1150〜1300℃−大気中で焼
成した試料も作製した。
【0016】表1に、フェライトめっきにより作製した
試料と通常通り1150〜1300℃−大気中で焼成し
た試料の気孔率、50kHz−150mT−80℃の損
失(Pcv)、Bsおよび比抵抗を示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1より、発明品は、従来品と比べて気孔
率が小さく、損失が低く、比抵抗およびBsも充分な値
である。また、発明品の気孔率は、2.0%以下である
ことが分かる。
【0019】表2に、フェライトめっきにより作製し、
Fe=49.5mol%一定とし、NiO/Zn
O比を変えた試料の気孔率、50kHz−150mT−
80℃の損失(Pcv)、Bsおよび比抵抗を示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2より、発明品は、ZnO=26.0〜
35.0mol%で得られている。ZnO量が35.0m
ol%を超えるとBsが著しく低下し、またZnO量が
26.0mol%よりも少ないと損失が著しく増大する
ことが分かる。また、発明品の気孔率は、2.0%以下
であることが分かる。
【0022】表3に、フェライトめっきにより作製し、
ZnO=30.0mol%一定とし、Fe量を変
えた試料の気孔率、50kHz−150mT−80℃の
損失(Pcv)、Bsおよび比抵抗を示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3より、発明品はFe=48.5
〜49.8mol%で得られている。Fe量が4
9.8mol%を超えると比抵抗が著しく低下し、また
Fe量が48.5mol%よりも少ないと損失が
著しく増大することが分かる。また、発明品の気孔率
は、2.0%以下であることが分かる。
【0025】
【発明の効果】以上、本発明によれば、比抵抗が高く、
巻線の直巻きが可能であり、かつ低損失であり、コスト
の低減が図れる低損失酸化物磁性材料を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G018 AA23 AA25 AC06 AC09 5E041 AB01 AB19 CA02 CA03 NN15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NiZnフェライト粉末をプレス成形
    し、前記成形体内部の空隙を水溶液中でフェライトめっ
    き法により埋めることを特徴とする低損失酸化物磁性材
    料。
  2. 【請求項2】 前記低損失酸化物磁性材料の組成が4
    8.5〜49.8mo1%Fe−26.0〜35.0
    mo1%ZnO−残部NiOであることを特徴とする請
    求項1に記載の低損失酸化物磁性材料。
  3. 【請求項3】 前記低損失酸化物磁性材料の気孔率が
    2.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    低損失酸化物磁性材料。
JP2002036601A 2002-02-14 2002-02-14 低損失酸化物磁性材料 Pending JP2003243219A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100811731B1 (ko) * 2005-09-29 2008-03-11 티디케이가부시기가이샤 비자성 Zn 페라이트 및 이를 이용한 복합 적층형 전자부품
JP2014516207A (ja) * 2011-05-09 2014-07-07 メタマグネティクス,インコーポレイテッド 工学設計された磁性結晶粒界フェライトコア材料

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