JP2003242969A - 非水電解液二次電池用極板の製造方法 - Google Patents
非水電解液二次電池用極板の製造方法Info
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Abstract
ダイコーターを用いて塗工し乾燥することによって活物
質層を形成する極板の製造方法において、未塗工部寸法
の長手方向の寸法バラツキ、およびその寸法の表裏差の
バラツキを小さくする製造方法を提供する。 【解決手段】 集電体1の一端11を走行ライン制御セ
ンサ9で測定し、測定位置と基準位置のズレ幅分だけ、
ダイノズル6を集電体の進行方向に対して垂直方向に移
動させる。
Description
池用極板の製造方法に関し、詳しくは集電体上に形成さ
れる活物質層の位置精度を高めた極板の製造方法に関す
る。
機器の性能は、搭載される半導体素子、電子回路だけで
なく、充放電可能な二次電池の性能にも大きく依存して
おり、搭載される二次電池の容量アップと共に、軽量・
コンパクト化も同時に実現することが望まれている。こ
れらの要望に応える二次電池として、リチウムイオン電
池が主流になっている。
レータを介して渦巻状に巻回や積層された極板群を電池
ケースに収容し、非水電解液を注液し、かしめ封口やレ
ーザー封口することによって構成されている。そして、
前記正極、負極に用いられる極板は、アルミニウムおよ
び銅の金属箔、ラス加工を施した箔、或いはエッチング
加工を施した箔に対して、導電剤、結着剤(バインダ
ー)等を含む活物質層を形成し、所定の寸法形状にスリ
ットすることで得られる。具体的には、活物質、及び結
着剤を溶剤に混練、分散し、ペースト状合剤を作製する
工程、この合剤を集電体の片面もしくは両面に塗工する
工程、乾燥、圧延を施す工程、これらの工程後に集電体
を所定幅に分断する工程からなる製造方法を採用してい
る。
成によって異なる。金属箔を集電体に用いた場合には、
ダイコーターあるいはコンマコーターを用いてあらかじ
め集電体の一方の面に塗工、乾燥した後、もう一方の面
に塗工、乾燥して活物質層を形成する。一方、ラス加工
を施した箔、またはエッチング加工を施した箔を集電体
に用いた場合は、ダイコーターを用いて一方面よりペー
スト状合剤を塗工すると、集電体の空隙を通じて、他方
面へ廻ることで両面に一度に塗工し、乾燥して活物質層
を形成する。
化、高エネルギー密度化の進展に伴い、極板に占める活
物質量を高めると同時に高い信頼性が要求されている。
このため、上述した製造方法において集電体の所定位置
に均一な厚みの活物質層を形成する必要があり、塗工さ
れる活物質ペーストの厚みと集電体の幅方向の精度を高
める提案がなされている。厚み精度を高める方法として
は、電極剤を塗布する一対のダイコーティングヘッドを
用い、下側のダイコーティングヘッドの先端部にて集電
体の位置制御ガイドする方法(特開平11−33978
5号公報)が提案されている。また、集電体の幅方向の
精度を高める方法としては、走行位置制御センサーを取
り付け、集電体が接するバックアップロールやテンショ
ンロールを移動させることで、集電体の幅方向の走行ズ
レを矯正する方法が周知である。
アップロール、及びテンションロールは、迅速且つ正確
な移動が難しく、集電体の走行ズレに対応してズレを矯
正するのは非常に困難であった。このため、前記走行ズ
レに起因して集電体上に均一、且つ特定位置に活物質層
が形成されないという問題点を有している。特に、集電
体の両面に、片面ずつ活物質層を逐次形成する方法で
は、図4から明らかなように集電体の表裏面における活
物質層の端部に位置ずれを生じてしまう。このような位
置ズレが生じた集電体にスリットを施し、極板を所定寸
法に打ち抜いた後に、図5(a)に示すように極板内の
有効面積部分に活物質層の欠落部分が存在する事にな
り、電池容量の低下の原因になる。また、図5(b)に
示すようにリード部分に活物質層がはみ出した部分も存
在し、リード線を抵抗溶接等で接続する際に前記部分が
溶接不良を生ずる要因となっていた。
各ロールにより付加されるテンションを高める方法も提
案されている。上述の通り集電体には、アルミニウムお
よび銅の金属箔やラス加工を施した箔、またはエッチン
グ加工を施した箔が用いられ、その厚みは20μm以下
(好ましくは8μm〜15μm)と非常に薄くなってい
ることから、集電体の切断、延び等の不具合を招いてし
まう。このように、走行ズレは、幅方向への塗工精度を
悪化させる主因となっているにもかかわらず、充分な解
決策が講じられているとは言えない状況にある。
てなされたものであり、活物質ペーストの塗工位置を制
御する事で、活物質層が集電体の所定位置に高精度で形
成される極板の製造方法を提供することを主たる目的と
する。
に本発明の製造方法は、集電体をバックアップロールと
ダイコータとの間隙を通過させて前記集電体にペースト
状合剤を塗工し、活物質層を形成するものであり、前記
バックアップロールに供給される集電体の端部位置を走
行ライン制御センサにて測定し、測定された端部位置と
基準位置とのズレ幅を検出し、このズレ幅に対応させて
前記ダイコータのノズル位置を前記集電体の進行方向に
対して垂直方向に移動させ、前記集電体の端部と活物質
層の端部との距離を一定に保持することを特徴とする。
アップロールへの供給側近傍に設けるのが好ましい。こ
れにより、バックアップロールに対面するダイコーダの
ノズル位置を直近で制御することが可能にあるため、塗
工精度を向上させることができる。一方、前記センサを
バックアップロールと距離を設けて設置した場合には、
集電体が前記距離の移動に要する時間を考慮し、ノズル
位置の制御を行うことで、高い塗工精度を得ることがで
きる。すなわち、本発明は、バックアップロールへの供
給側に設置された走行ライン制御センサにて、集電体の
端部位置を検出し、ノズル位置を制御することで塗工精
度を向上させるものである。これに対して、塗工後の活
物質層の位置を検出し、ノズル位置を制御する方法であ
っても、本発明と同様に塗工精度を確保することができ
る。しかし、活物質層の位置は画像認識等の手段を用い
て検出する必要があることから、設備の大型化、高度化
を必要とする。また、ラス加工、エッチング加工を施し
た箔では、活物質層の端部位置の検出が困難であること
から、位置精度の悪化を招く要因になりうる。従って、
センサは、バックアップロールの供給側に配置するのが
好適である。
に走行ズレが生じた場合でも、このズレに対応させてダ
イコーダもノズル位置を移動させることで、ペースト状
合剤は集電体の所定位置に塗工され、形成される活物質
層の位置ズレを招くことが無く、高い塗工精度を得るこ
とができる。また、スリット精度の低下に起因する集電
体の蛇行が生じた場合でも、蛇行に対応してノズル位置
を移動させることで、上記と同様の効果を得ることがで
きる。特に、集電体の両側に塗膜を形成した極板では、
集電体の表裏面における活物質層の位置精度が大幅に向
上する。活物質層が形成された集電体をスリットする際
も、活物質層の位置精度が高いことから、極めて高い精
度で集電体を所定幅に分割する事が可能になり、活物質
層の欠落部分を生じない。さらに、活物質層の位置精度
の向上と同時に未塗工部分の位置精度も向上することか
ら、集電体の未塗工部分にスリット加工を施した後、極
板を打ち抜く際にも、未塗工部分への活物質層のはみ出
しが少ない。このため、未塗工部分をリード端子に活用
する極板においては、リード端子の溶接不良を防止する
ことができる。
走行ズレが大きい場合であっても集電体がノズル位置か
ら外れることがなく、ノズルと集電体が常時接触した状
態にあるため、未塗工のペースト状合剤が集電体の端部
からはみ出すことがなく、工程管理の面で有利な効果を
奏する。
いて、図面に基づいて説明する。
き、極板の製造装置の構成を示す模式図である。
の巻き出し部4より巻き出された集電体1の端部11の
走行位置をバックアップロール直前にセットされた走行
ライン制御センサ9(LPC)で測定し、走行基準位置
とのズレを算出し、このズレ幅分だけ、集電体1がバッ
クアップロール7とダイコーター6のダイノズル10
(以下、ダイノズル)の隙間を通過時に、ダイノズル1
0の位置を集電体1の進行方向に対して垂直方向にエア
ーシリンダーやオイルシリンダーを用いて移動させ、塗
工される活物質層の端部が集電体1の端部から常に一定
の距離に位置するように制御しながら塗工する。そし
て、乾燥炉8を通して、ペースト状合剤中の溶剤を乾燥
させ、これを巻取り部5で巻き取り、フープ状の極板を
製造する。
2を形成した場合には、巻き取ったフープ状の極板を再
び巻き出し部4にセットし、上記と同様の方法にて、集
電体1のもう一方の面にペースト状合剤を塗工乾燥し
て、フープ状の極板を製造する。
場合はアルミ箔、負極の場合は銅箔を用いる。これらの
集電体1にペースト状合剤を直接塗工しても良いが、導
電性被膜を集電体1上に形成しておいても良い。導電性
被膜材料としては、例えば、アセチレンブラック、カー
ボンブラックまたはグラファイト等の炭素系導電剤と結
着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)の混合物
からなる導電性被膜が好ましい。
しては、例えばアセチレンブラックをPVDFのN−メ
チルピロリドン(NMP)溶液中に分散させたものを集
電体1上に塗布し、溶剤のNMPを乾燥除去した後、1
60℃で熱処理を行い、PVDFの結晶化度を高ること
で耐電解液性を有する導電性被膜を形成することができ
る。
活物質、結着剤、導電剤、必要に応じて増粘剤を溶剤に
混練分散させることによって作製する。
オンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属
化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニ
ッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少な
くとも一種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物、L
iCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi
(1-x)O2(0<x<1)、LiCrO2、αLiFe
O2、LiVO2等が好ましい。
対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具
体例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フ
ッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン
(HFP)の共重合体(P(VDF−HFP))、ポリ
テトラフルオロエチレン、スチレン・ブタジエンゴム、
イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピ
レンジエタンポリマー等を挙げることができる。
ファイト、炭素繊維等の単独、或いは二種類以上の混合
物が好ましい。また、増粘剤としては、カルボシキメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、
酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等を挙げる
ことができる。
一に分散できる溶剤が適切で、有機系結着剤の場合は、
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホ
ルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチル
ケトン等の有機溶剤を単独またはこれらを混合した混合
溶剤が好ましく、水系結着剤の場合は水や温水が好まし
い。
質、結着剤、必要に応じて導電助剤、増粘剤を溶剤に混
練分散させることによって作製する。
ではないが、例えば、有機高分子化合物(フェノール樹
脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成する
ことにより得られる炭素材料、コークスやピッチを焼成
することにより得られる炭素材料、或いは人造グラファ
イト、天然グラファイト等を、その形状としては、球
状、鱗片状、塊状のものを用いることができる。
とができる導電剤、増粘剤は正極と同様のものを使用す
ることができる。
時に、各種分散剤、界面活性剤、安定剤等を必要に応じ
て添加することも可能である。
イコーターを用いた箔集電体1への製造方法を開示した
が、縦型のダイコーターを用いた場合、穴を有する集電
体1を用いてその両面に同時塗工して極板を製造する場
合、前記導電性被膜を形成する場合にも容易に実施する
ことができる。
るが、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術
的範囲を限定するものではない。
00mm、厚さ15μmのアルミニウム箔を取り付け
た。巻き出し部4より巻き出された集電体1の走行方向
に向かって左側から25mmの位置から塗工幅が250
mmとなるように、集電体1の端部11の走行位置をバ
ックアップロール直前の集電体1の進行方向に向かって
左側にセットされた走行ライン制御センサ9で測定し、
走行基準位置とのズレを算出し、このズレ幅分だけ、集
電体1がバックアップロール7とダイコーター6のダイ
ノズル10間の隙間を通過時に、ダイノズル10の位置
を集電体1の進行方向に対して垂直方向にオイルシリン
ダーを用いて移動させ、ダイノズル10より正極のペー
スト状合剤を吐出させ集電体1の片面に塗工した。そし
て、120℃の雰囲気に設定した乾燥炉8を5分間通し
て、ペースト状合剤中の溶剤を乾燥させ、これを巻取り
部5で巻き取り、フープ状の極板を製造した。
巻き出し部4にセットし、前記と同様の方法にて、集電
体1のもう一方の面にも活物質層2を形成し、集電体1
の両側に活物質層2を有する正極板を製造した。なお、
集電体のもう一方の面に塗工する場合は、片面への塗工
時と同じ側の端面を走行ライン制御センサ9で測定し、
ダイノズル10の位置を制御して製造した。
電体1の進行方向に向かって左側にセットされた走行ラ
イン制御センサ9を用い、バックアップロール7を左右
に移動させることによって、集電体1の走行ズレを押さ
え、活物質層2の端部が集電体の端部から25mmとな
るように塗工した以外は本実施例と同様にして、集電体
1の両側に活物質層2を有する正極板を製造した。
製造したフープ状極板の集電体における活物質層の位置
ズレは以下のように評価した。
御センサ9側に位置する集電体の端部11と、活物質層
の端部との寸法(以下、未塗工部寸法)を測定した。こ
の測定を、塗工開始部から10m毎に250mまでの範
囲で実施し、、フープ状極板の表裏面の各々で実施し
た。測定された未塗工部の寸法を表1に示す。また、表
1に示した表裏面の各寸法から表裏差を算出し、未塗工
部分の位置ズレを評価した。各測定点における表裏差の
変位を図3に示す。
塗工部の寸法が25.0mmを基準として、0.5mm
程度の範囲でバラツキを生じている。また、図3(b)
から明らかなように寸法の表裏差が1.8mmもあり、
測定部位によって表裏差は大きく変動している。これ
は、重量のあるテンションロールを左右に迅速、且つ精
度良く移動させるのが難しく、集電体の引張り強度が弱
いので強いテンションをかけることができなかった為で
ある。これに対して、実施例1のフープ状極板では、表
1より未塗工部のバラツキは0.1mmであり、図3
(a)から明らかなように表裏差も0.2mmまで低下
している。このことから、長尺方向に対しても安定して
いることがわかった。
電解質二次電池用極板の製造方法によれば、集電体の端
部を走行ライン制御センサで測定し、測定位置と基準位
置のズレ幅分だけ、ダイノズルを集電体の進行方向に対
して垂直方向に移動させることによって、未塗工部寸法
の長手方向の寸法バラツキ、およびその寸法の表裏差の
バラツキを小さくすることができる。
た場合、極板内の有効面積部分に活物質層の欠落部分が
存在し電池容量の低下の原因を招いたり、リード部分に
活物質層がはみ出しリード線を抵抗溶接等で接続する際
の不良を低減することができ、高容量でかつ不良率の低
い非水電解液二次電池用極板を提供することができ、そ
の工業的価値は大なるものである。
念図
す特性図 (b)比較例における未塗工部の表裏差を示す特性図
Claims (3)
- 【請求項1】 集電体をバックアップロールとダイコー
タとの間隙を通過させて前記集電体にペースト状合剤を
塗工し、活物質層を形成する極板の製造方法であって、
前記バックアップロールに供給される集電体の端部位置
を走行ライン制御センサにて測定し、測定された端部位
置と基準位置とのズレ幅を検出し、このズレ幅に対応さ
せて前記ダイコータのノズル位置を前記集電体の進行方
向に対して垂直方向に移動させ、前記集電体の端部と活
物質層の端部との距離を一定に保持することを特徴とす
る非水電解液二次電池用極板の製造方法。 - 【請求項2】 前記集電体が金属箔または導電性を有す
る基材である請求項1記載の非水電解液二次電池用極板
の製造方法。 - 【請求項3】 前記集電体が開口部を有するパンチング
メタルまたはエキスパンドメタルである請求項1または
2記載の非水電解液二次電池用極板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002043025A JP4259026B2 (ja) | 2002-02-20 | 2002-02-20 | 非水電解液二次電池用極板の製造方法 |
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JP4259026B2 JP4259026B2 (ja) | 2009-04-30 |
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JP2014226634A (ja) * | 2013-05-24 | 2014-12-08 | 富士機械工業株式会社 | 両面塗工システム |
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-
2002
- 2002-02-20 JP JP2002043025A patent/JP4259026B2/ja not_active Expired - Lifetime
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