JP5017995B2 - リチウム二次電池用極板の製造方法、その製造法を用いたリチウム二次電池用極板とリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用極板の製造方法、その製造法を用いたリチウム二次電池用極板とリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池、リチウム二次電池用極板、特にリチウム二次電池用極板の製造方法に関する。
近年では、AV機器、ノート型パソコン、携帯型通信機器などの民生用電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に促進されており、これら電子機器の駆動用電源として従来は、ニッケルカドミウム蓄電池やニッケル水素蓄電池が主に用いられていたが、電子機器のポータブル化やコードレス化が進展して定着するに伴って、駆動用電源となる二次電池の高エネルギー密度化や小型軽量化の要望が益々強くなっている。
このような状況から、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な炭素材料を負極活物質とし、高い充放電電圧を示すリチウム含有複合酸化物、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)を正極活物質に用いてリチウムイオンの挿入、離脱を利用したリチウム二次電池が主流になりつつある。このリチウム二次電池は、小型および軽量でありながら急速充電が可能で、高エネルギー密度を有するという極めて顕著な特長を有しており、その要となる正極板と負極板は集電体上に電池電極のペーストを塗布乾燥させて合剤層を形成した後、所定の厚みと密度を得るために圧延し極板を作製している。
リチウム二次電池の高容量化の要望に伴い、従来に比べ、単位容積当たりに多くの活物質を充填した高密度の極板が求められている。しかし、極板を常温下で圧延しただけでは、要望されている密度に到達させることが極めて困難である。その理由は、合剤層中の結着剤が乾燥により硬化し、圧延しても合剤層を高密度化し難くなっていると考えられる。そこで、結着剤の軟化点以上に加熱した圧延ローラーを用いて圧延する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−233298号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、結着剤種や溶剤種が異なると軟化点が変わるために、結着剤種や溶剤種の軟化点に応じて圧延ローラーの温度を変える必要があった。つまり、結着剤種や溶剤種が異なると、それら種類に応じて圧延ローラーの温度を変更する必要性が生じ、生産効率を低下させる原因の一つとなっていた。
また、圧延ローラーの温度により、圧延ローラー自体の膨張率が変化することから、結着剤種や溶剤種が異なる極板を圧延する場合、高密度の極板にすることが困難であった。
一方、常温下での圧延において合剤層を高密度化するためには、圧延を数回繰り返す必要があった。その結果、極板が長さ方向に所定寸法から大きく伸びたり、圧延ローラーに合剤層が剥ぎ取られるという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、圧延を繰り返すことなく合剤層の高密度化を達成し、かつ、極板の伸びを抑制すると共に精度よく圧延することができ、さらには、合剤層の剥がれもなく品質的に優れたリチウム二次電池用極板の製造方法を提供するものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、活物質、第1の結着剤、導電剤、および第1の溶剤である水を有する合剤ペーストを集電体に塗着し、合剤層を形成する塗工工程と、前記合剤層を乾燥する第1の乾燥工程と、無機酸化物フィラー、第2の結着剤、および第2の溶剤を有する多孔膜ペーストを塗着し、多孔膜前駆体を形成する塗工工程と、前記合剤層と前記多孔層前駆体とを極板の前記第2の溶剤の残留量が100〜1000ppmとなるように乾燥する第2の乾燥工程と、前記合剤層を所定の厚みに圧延する圧延工程からなるリチウム二次電池用極板の製造方法である。
複合リチウム酸化物からなる正極と、リチウムを保持し得る材料からなる負極と、セパレータと、非水電解液を有するリチウム二次電池において、正極または負極の少なくともいずれか一方に、多孔膜層が形成されている。一般的に、合剤層を高密度にするために圧延すると合剤層表面が平滑化され、平滑化された合剤層表面と圧延ローラーとの密着性が上がる。その密着力が合剤層と集電体との結着力より勝ると合剤層が集電体から剥がれることがある。しかし、多孔膜層が形成されることにより、合剤層が集電体から剥がれるという課題を回避することができる。これは多孔膜層の主材料である無機酸化物フィラーは合剤層より硬く、厚みも合剤層と比較して極端に薄いため、極板表面の多孔膜層より合剤層が圧延され、多孔膜層は平滑化され難い。よって、極板表面の多孔膜層と圧延ローラーとの密着力が、合剤層と集電体との結着力より勝ることがなく、合剤層と集電体との剥がれを抑制することができる。
また、多孔膜ペースト用の第2の溶剤が、合剤層に浸透し乾燥後も100〜1000ppm残留することによって、合剤層中の第1の結着剤が軟化する。第1の結着剤を軟化させた状態で圧延することにより、圧延回数を重ねることなく、極板の合剤層を高密度にし易くできるようになる。
本発明によると、合剤層が集電体から剥がれることなく、圧延を繰り返さなくても高密度のリチウム二次電池用極板を得ることができる。
本発明の実施形態におけるリチウム二次電池用極板の製造方法は、活物質、第1の結着剤、導電剤、および第1の溶剤を有する合剤ペーストを集電体に塗着し、合剤層を形成する第1の塗工工程と、前記合剤層を乾燥する第1の乾燥工程と、無機酸化物フィラー、第2の結着剤、および第2の溶剤を有する多孔膜ペーストを塗着し、多孔膜層前駆体を形成する第2の塗工工程と、前記合剤層と前記多孔膜層前駆体とを極板の残留溶剤量が100〜1000ppmとなる用に乾燥する第2の乾燥工程と、前記合剤層を所定の厚みに圧延する圧延工程からなることを特徴とする製造方法である。
第1の塗工工程の目的は、正極の場合は集電体上にリチウム酸化物を有する合剤ペーストを、負極の場合はリチウムを保持し得る材料を有する合剤ペーストを塗工することである。塗工方法には、ダイ塗工方式、グラビア塗工方式等の方法がある。極板の合剤層を高密度で、かつ密度バラツキの少ない塗工方法はダイ塗工方式が望ましい。
第1の乾燥工程の目的は、前述した第1の塗工工程で塗工した合剤ペーストを乾燥し、溶剤を除去することである。乾燥方法には、熱風乾燥、赤外線ヒーター、および電気ヒーター等の方法がある。第1の結着剤のマイグレーション(溶剤の乾燥に伴って、第1の結着剤が極板の表層に局在化すること)を抑制し、かつ塗工速度を上げても十分に乾燥する方法として赤外線ヒーターと熱風乾燥の共用が望ましい。
第2の塗工工程の目的は、合剤層の上に無機酸化物フィラー等からなる多孔膜ペーストを均一に薄く塗工することである。塗工方法は、上述した第1塗工工程と同様に、ダイ塗
工方式、グラビア塗工方式等の方法がある。均一に薄く塗工するのが目的なためグラビア塗工方式が望ましい。
第2の乾燥工程の目的は、前述した第2の塗工工程で塗工した多孔膜ペーストを乾燥し、溶剤を除去することである。乾燥方法には、上述した第1の乾燥工程の方法と同様に、熱風乾燥、赤外線ヒーター、および電気ヒーター等の方法がある。薄い多孔膜層はどの方法でも乾燥することができるが、生産性や設備コストの点から熱風乾燥が望ましい。
この多孔膜層を形成することにより、極板表面の多孔膜層と圧延ローラーとの密着力が、合剤層と集電体との結着力より勝ることがなく、合剤層と集電体との剥がれを抑制することができる。この理由は、必ずしも発明者の理論に拘束されるのを好むものではないが、発明者は次のように推察している。多孔膜層の主材料の無機酸化物フィラーは極板の合剤層より硬く、多孔膜層は合剤層の厚みに比べて極端に薄いため、多孔膜層が圧延されるよりも先に合剤層が圧延され、多孔膜層が圧延で平滑化され難いと考えている。
次に、圧延工程の目的は、極板を所定の厚みにすることである。圧延方法には、2本の金属性ロールの隙間に極板を通して圧延する方法が主流である。その方法において、金属性ロールを所定の温度にした熱ロールを用いる方法、複数の金属性ロールの間を連続して流して圧延する方法等がある。本発明の場合、2本の金属性ロールの隙間に極板を通して圧延するだけで良い。
リチウム二次電池の性能は、第1の塗工工程と乾燥工程における合剤層の形成によって決定される。第2の塗工工程と乾燥工程が本発明の効果を得ることができる工程である。これらの工程を導入することにより、従来の圧延工程だけでは到達し得なかった高密度の極板を得ることができる。また、このような工程を経ることにより、高密度の極板を合剤層が集電体から剥がれることがなく作成することができる。
本発明の好ましい実施形態におけるリチウム二次電池用極板の製造方法として、第2の溶剤が100〜1000ppm、後のリチウム二次電池極板に残留するように第2の乾燥工程の条件を決めている。こうすることにより、合剤層中の第1の結着剤が第2の溶剤に溶解し、活物質や導電剤をつなげている第1の結着剤の結合力が緩むようになる。第1の結着剤の結合力が緩んだ状態で圧延することによって、高密度の極板を得るにすることができるようになる。残溶剤量が100ppmより小さい場合、第1の結着剤の結合力を緩ませるには不十分であるため好ましくない。1000ppmを超えた場合、圧延時に極板中の溶剤が極板表面ににじみ出てくる。この溶剤がにじみ出てくることにより、極板表面と圧延ローラーの密着性が上がり、合剤層が集電体から剥がれる原因となるため好ましくない。よって、100〜1000ppm残留している状態で使用するのが好ましい。
本発明の好ましい実施形態におけるリチウム二次電池用極板の製造方法は、第2の溶剤が、アセトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す)、およびメチルエチルケトン(以下、MEKと略す)からなる少なくとも1種の有機溶剤である。
アセトン、シクロヘキサノン、NMP、およびMEKからなる少なくとも1種の有機溶剤とした理由は、第1の結着剤(例えば、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略す)の場合、有機溶剤にはNMPを、フッ化ビニリデン(以下、VDFと略す)とヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPと略す)の共重合体P(VDF−HFP)の場合、有機溶剤にはアセトンを用いるとよい)とのSP(溶解度パラメーターのこと)値の近い溶剤だからである。リチウム二次電池に使用する第1の結着剤と非水電解液のSP値を考慮して決めるのが望ましい。この理由は、非水電解液のSP値が有機溶剤のSP値と近い場合、有機溶剤が非水電解液に溶け出し電池特性に悪影響を及ぼす可能性があるためである。
多孔膜層のフィラーとして用いられるのは無機酸化物が好ましい。各種樹脂微粒子もフィラーとしては一般的であるが、リチウム二次電池の使用範囲内で電気化学的に安定である必要があり、これら要件を満たしつつ塗料化に適する材料としては無機酸化物が好ましいためである。また、この無機酸化物は電気化学的安定性の点からアルミナであり、それの多孔膜層に占める含有率が50〜99重量部であることが好ましい。第2の結着剤が50重量部を上回るような過多な場合、アルミナ粒子同士の隙間で構成される細孔構造の制御が困難になるため好ましくない。第2の結着剤が1重量部を下回るような過少な場合、多孔膜層と合剤層との密着性が低下し、多孔膜層の脱落による機能の損失が引き起こされるため好ましくない。この無機酸化物は複数種を混合あるいは多層化して用いても良い。特に、メディアン径の異なる同一種の無機酸化物を混合して用いることにより緻密な多孔膜層を得ることができる。
この多孔膜層の厚みは特に限定されないが、多孔膜層の効用を発揮しつつ、高容量を確保する点から0.5〜20μmが好ましい。
正極については、活物質として、コバルト酸リチウム(LiCoO)やその変性体(アルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)を共晶させたものなど)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)やその変性体(一部のニッケル(Ni)をコバルト(Co)に置換したものなど)、マンガン酸リチウム(LiMnO)やその変性体などの複合酸化物を挙げることができる。第1の結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や変性アクリロニトリルゴム粒子バインダー(日本ゼオン(株)製BM−500Bなど)と、増粘効果のあるカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略す)、ポリエチレンオキシド(PEO)、および可溶性変性アクリロニトリルゴム(日本ゼオン(株)製BM−720Hなど)と組み合わせても良い。また、結着性と増粘性の両特徴を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)やその変性体を単独または組み合わせて用いても良い。導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、および各種グラファイトを単独あるいは組み合わせて用いて良い。
負極については、活物質として、各種天然黒鉛、人造黒鉛、シリサイドなどのシリコン系複合材料、および各種合金組成材料を用いることができる。第1の結着剤としてはPVDF、その変性体をはじめ各種バインダーを用いることができる。しかし、前述のようにリチウムイオン受入れ性向上の点から、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)系樹脂やその変性体を、CMCを始めとするセルロース系樹脂と併用したり、少量添加するのがより好ましい。
非水電解液については、電解質塩として、LiPFやLiBFなどの各種リチウム化合物を用いることができる。また溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびメチルエチルカーボネート(MEC)を単独および組み合わせて用いることができる。また正負極上に良好な皮膜を形成させたり、過充電時の安定性を確保するために、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、およびその変性体を用いることも可能である。
セパレータについては、リチウム二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いるのが好ましい。このセパレータの厚みは特に限定しないが、多孔膜層の効用を発揮し、かつ高容量を確保する点から、セパレータの厚みは15〜30μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。
本発明の一実施形態であるリチウム二次電池用極板について説明する。
図1は本発明の実施形態におけるリチウム二次電池用極板の概略断面図である。正極板は正極集電体1の両面に正極合剤層2が形成されている。負極板は、負極集電体3の両面に負極合剤層4が形成され、更にその上に多孔膜層5が形成されている。この正極板と負極板の間にセパレータ6を介在させている。
以下に、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
人造黒鉛3kgを、第1の結着剤として日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子結着剤BM−400B(固形分40重量部)75g、CMC30gおよび第1の溶剤として適量の水と共に双腕式練合機にて攪拌し、負極ペーストを作製した。このペーストを10μm厚の銅箔に塗布乾燥(第1の乾燥)し、総厚が160μmとなるように圧延した。
次に、メディアン径0.3μmのアルミナ970gを、日本ゼオン(株)製ポリアクリロニトリル変性ゴム結着剤BM−720H(固形分8重量部)375gおよび第2の溶剤として適量のNMPとともに双腕式練合機にて攪拌し、多孔膜ペーストを作製した。このペーストを前記圧延後の負極板に片側4μmずつ塗布乾燥(第2の乾燥)し、所定の密度になるように圧延した後、幅45mmに裁断して約1000mの極板を得た。
この時、極板中のNMP残留溶剤量は300ppmであった。
(実施例2)
実施例1と同様に負極ペーストを集電体に塗布乾燥、圧延し、多孔膜ペーストを塗布した。その後、極板中のNMP残留量が100ppmになるように第2の乾燥をし、所定の密度になるように圧延した。
(実施例3)
実施例1と同様に負極ペーストを集電体に塗布乾燥、圧延し、多孔膜ペーストを塗布乾燥した。その後、極板中のNMP残留量が1000ppmになるように第2の乾燥をし、所定の密度になるように圧延した。
(比較例1)
極板中のNMP残留量が50ppmになるように第2の乾燥をした後、所定の密度になるように圧延した。
(比較例2)
極板中のNMP残留量が1500ppmになるように第2の乾燥をした後、所定の密度になるように圧延した。
(比較例3)
人造黒鉛3kgを、日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子結着剤BM−400B(固形分40重量部)75g、CMC30gおよび適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極ペーストを作製した。このペーストを10μm厚の銅箔に塗布、乾燥(第1の乾燥)し、多孔膜層は形成せず、所定の密度になるように圧延した。
本比較例においては、NMPを使用していないことからNMP残留量は必然的に0ppmとなる。
(比較例4)
実施例1と同様に負極ペーストを集電体に塗布、乾燥(第1の乾燥)した極板に多孔膜層を形成せず、温度120℃に加熱した圧延ローラーを用い所定の密度になるよう圧延した。
本比較例においても、NMPを使用していないことから、必然的にNMP残留量は0ppmとなる。
<評価方法および結果>
実施例1〜3と比較例1〜4における極板の剥がれの有無、極板の伸び率、および極板の厚み精度について評価した。以下にそれぞれの評価方法について記す。また、圧延回数は、実施例1〜3と比較例1〜4における極板が、それぞれ所定の密度に到達するまでの圧延回数である。
まず、極板の剥がれの評価方法は、圧延直後の極板表面を目視観察し、極板表面から合剤が剥がれていないか確認した。剥がれの判断基準としては、1mm×1mm以上、合剤が剥がれていたり、あるいは合剤が浮いていたりしたものは全て剥がれありとした。
極板の伸び率の評価方法は、極板の幅は実施例1〜3と比較例1〜4のそのままとし、長さを300mmに切り出したものをサンプルとした。そして、圧延前後の極板の長さを測定し、圧延後の極板長さを圧延前の極板長さで除し、極板の伸び率を算出した。
ここで、伸び率が0.5%を越えると極板走行時にしわが発生する原因になったり、電池組立て時に極板の巻きずれ不良原因となるため、品質上、不具合の発生しない伸び率0.5%以下を良品として判定した。
次に、極板の厚み精度の評価方法は、圧延直後の極板の厚みを測定し、極板の幅方向に5cm間隔に5点、長さ方向は50cmおきに10点、計50点測定した。厚み測定にはデジマイクロ(ニコン社製、型番MH−15M)を使用した。
このようにして測定した結果から工程能力指数(以下、Cpkと略す)を算出し、Cpkが1.33以上の場合を良品極板とした。
実施例1〜3と比較例1〜4における圧延時の圧延回数、極板の剥がれの有無、極板の伸び率、および極板の厚み精度の結果を表1に示す。
Figure 0005017995
(表1)より、NMP残留溶剤量が100〜1000ppmの範囲にある実施例1〜3
は、圧延回数が1回で所定の厚みにすることができた。一方、NMPを使用していない比較例3、とNMP残留量が50ppmの比較例1は、NMP残留量が少ないため極板の層間が緩まず、圧延回数を3回以上にしないと所定の厚みにすることができなかった。また、極板の伸び率も圧延回数が増えたことから0.5%を超える結果となった。
このことから、結着剤に柔軟性を持たせる意味で、適切な範囲でNMP残留量が必要であることが分った。
多孔膜層がない比較例3の極板は、多孔膜層を形成していない分だけ所定の厚みにするには余裕があった。しかし、多孔膜層がない影響から、1回の圧延で所定の厚みにすると極板表面が剥がれてしまう傾向にあった。そのため、低圧延条件にし圧延回数を多くして、極板表面が剥がれないように圧延しなければならなかった。その結果、伸び率も0.5%を超えた。
残留溶剤量が1500ppmの比較例2も1回の圧延で所定の厚みにすることができた。このことから、前述したように、結着剤に柔軟性を持たせる意味で、NMP残留量が圧延回数に影響を及ぼしていることが分った。
しかし、NMP残留量が過剰に多いと、圧延時にNMPが極板から滲み出て、圧延ロールに合剤層が張り付いて極板の剥がれが発生する結果となった。
また、比較例4はNMPを使用していないが、加熱ロールで圧延した影響で結着剤が軟化し、1回の圧延で所定の厚みにすることができた。しかし、加熱の影響で結着剤の軟化が著しく圧延ロールに結着剤が張り付き極板の剥がれが発生する結果となった。
比較例として本文には記載しないが、この現象を回避するために、圧延ロールの加熱温度を低下させていくと、極板の剥がれは軽減するが1回の圧延では所定の厚みにすることは困難となり、結局、圧延回数が増えていく結果となった。
なお、実施例では第2の溶剤としてNMPの場合について説明したが、第1の結着剤のSP値に近い第2の溶剤を適宜選択するのが好ましい。第1の結着剤がPVDFの場合にはNMPを、P(VDF−HFP)の場合にはアセトンを用いるとよい。
本発明によるリチウム二次電池用極板を用いたリチウム二次電池は、高容量で高信頼性を求められるポータブル電気機器用電源等として有用であり、自動車用の駆動電源やエレベータ等の住宅設備などの駆動用電源としても有用である。
本発明の実施形態におけるリチウム二次電池用極板の概略断面図
符号の説明
1 正極集電体
2 正極合剤層
3 負極集電体
4 負極合剤層
5 多孔膜層
6 セパレータ

Claims (4)

  1. 物質、第1の結着剤、導電剤、および第1の溶剤である水を有する合剤ペーストを集電体に塗着し、合剤層を形成する第1の塗工工程と、
    前記合剤層を乾燥する第1の乾燥工程と、
    無機酸化物フィラー、第2の結着剤、および第2の溶剤である有機溶剤を有する多孔膜ペーストを塗着し、多孔膜層前駆体を形成する第2の塗工工程と、
    前記合剤層と前記多孔膜層前駆体とを極板の前記第2の溶剤の残留量が100〜1000ppmとなるように乾燥する第2の乾燥工程と、
    前記合剤層を所定の厚みに圧延する際に、圧延温度を前記第1の結着剤の軟化点温度より低い温度で圧延する圧延工程からなるリチウム二次電池用極板の製造方法。
  2. 前記第2の溶剤が、アセトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、およびメチルエチルケトン(MEK)からなる少なくとも1種の有機溶剤である請求項1記載のリチウム二次電池用極板の製造方法。
  3. 請求項1〜2記載のリチウム二次電池用極板の製造方法により製造したリチウム二次電池用極板。
  4. 請求項3記載のリチウム二次電池用極板を用いたリチウム二次電池。
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