JP2003242697A - 光磁気記録媒体に記録された情報の再生方法及び光磁気記録再生装置 - Google Patents

光磁気記録媒体に記録された情報の再生方法及び光磁気記録再生装置

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JP2003242697A
JP2003242697A JP2003032678A JP2003032678A JP2003242697A JP 2003242697 A JP2003242697 A JP 2003242697A JP 2003032678 A JP2003032678 A JP 2003032678A JP 2003032678 A JP2003032678 A JP 2003032678A JP 2003242697 A JP2003242697 A JP 2003242697A
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Koji Matsumoto
幸治 松本
Keiji Shono
敬二 庄野
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光磁気記録媒体上に高密度記録さ
れた情報を正確に再生可能な情報の再生方法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 光磁気記録媒体上に記録された情報の再
生方法であって、光磁気記録媒体は磁性再生層18´
と、磁性再生層18´上に積層された磁性制御層20´
と、磁性制御層20´上に積層された磁性記録層22と
を含んでいる。情報の再生方法は、バイアス磁界を印加
しながら記録媒体にレーザビームを照射して、記録層の
キュリー温度以下に記録媒体を加熱するステップを含ん
でいる。これにより、ビームスポット内に再生層の磁化
がバイアス磁界方向を向く第1領域と、記録層の磁化状
態が交換結合によって制御層と再生層に転写される第2
領域と、制御層がキュリー温度以上となり再生層の磁化
方向がバイアス磁界方向を向く第3領域とからなる温度
分布が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度光磁気記録媒
体に記録された情報の再生方法及び光磁気記録再生装置
に関する。
【0002】光磁気ディスクは高密度記録媒体として知
られているが、情報量の増大に伴いさらなる高密度化が
要望されている。高密度化は記録マークの間隔を詰める
ことによって実現できるが、その記録、再生は、媒体上
の光ビームの大きさ(ビームスポット)によって制限さ
れる。
【0003】ビームスポット内に一つの記録マークしか
存在しないように設定した場合、記録マークがあるかな
いかによって“1”,“0”に対応する出力波形が再生
信号として観測できる。
【0004】しかし、記録マークの間隔を詰めてビーム
スポット内に複数個存在するようにすると、媒体上のビ
ームスポットが移動しても再生出力に変化が生じないた
め、出力波形は直線となって記録マークの有り無しを識
別できなくなる。
【0005】このようなビームスポット以下の周期を持
つ小さな記録マークを再生するためには、ビームスポッ
トを小さく絞れば良いが、ビームスポットの大きさは光
源の波長λと対物レンズの開口数NAとで制約され、十
分に小さく絞ることはできない。
【0006】
【従来の技術】最近、現行の光学系をそのまま利用して
ビームスポット以下の記録マークを再生する磁気誘導超
解像技術を利用した再生方法が提案されている。これ
は、ビームスポット内の一つのマークを再生していると
き他のマークをマスクすることで再生分解能を上げた再
生方法である。
【0007】このため超解像ディスク媒体には、マーク
を記録するための記録層以外に信号再生時に一つのマー
クのみが再生されるように他のマークを隠しておくため
のマスク層又は再生層が最低必要となる。
【0008】再生層に垂直磁化膜を用いた光磁気記録媒
体が特開平3−88156号で提案されている。しか
し、この公開公報に記載された従来技術では、再生層を
初期化するために数キロエールステッド程度の初期化磁
界が必要であるため、装置を小型化できないという問題
がある。
【0009】一方、再生層に室温で面内方向に磁化容易
軸を有し所定温度以上では垂直方向の磁化容易軸を有す
る磁性膜を用いた光磁気記録媒体が特開平5−8171
7号で提案されている。
【0010】この従来技術の再生原理を図7を参照して
簡単に説明する。図7(C)に示すように、光磁気ディ
スク2は透明基板4上に磁性再生層6及び磁性記録層8
を積層して構成されている。
【0011】磁性再生層6は室温では面内方向に磁化容
易軸を有しているが、再生パワーが照射されて所定温度
以上になると磁化容易軸が垂直方向に変化する。磁性記
録層8は垂直磁化膜である。符号10は光ビームを示し
ている。
【0012】光ビームの強度分布は図7(A)に示すよ
うにガウス分布をしているため、ディスクが静止してい
る場合にはディスク上の温度分布も中心部分が周辺部分
よりも高温となっている。
【0013】しかし実際には、ディスク2が矢印R方向
に回転しているため、ディスク上の温度分布は図7
(B)に示すようにビームスポット内のディスク移動方
向前方側が高温となっている。
【0014】このように温度分布が生じているため、ビ
ームスポット内の温度が低い領域では磁性再生層6の磁
化容易軸が面内方向を向いているので、反射光のカー回
転角は殆ど零となる。高温領域では、磁性再生層6の磁
化容易軸は面内方向から垂直方向へと変化する。
【0015】このとき磁性再生層6の垂直磁化は、磁性
記録層8の磁化と交換力によって結合し磁性記録層8の
磁化方向に揃うため、磁性記録層8に記録した磁化を磁
性再生層6に転写することができる。この転写領域の広
さは、再生レーザビームパワー或いはディスクの回転に
よって変えることができる。
【0016】このように磁性再生層のマスクの大きさを
一つの記録マークだけを再生できるように制御すること
によって、ビームスポットの面積を実質的に縮小したの
と同じ効果を得ることができ、解像度が向上し高密度記
録・再生を実現できる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ディ
スク2に照射されるレーザビーム10の強度分布はガウ
ス分布をしており、ディスク2は矢印R方向に回転して
いるため、磁性再生層6上には低温領域と高温領域が生
じ、高温領域はディスク上に形成されたビームスポット
の下流側即ち後方側にシフトする。
【0018】このように情報を再生するビームスポット
内の高温領域が下流側にシフトするため、レーザビーム
の強度が相対的に弱くなり、特開平5−81717号に
記載された従来技術では大きな光磁気信号を得られない
という問題がある。
【0019】また、光学マスクがビームスポット内の上
流側にのみ形成されるので、情報を再生する開口部の大
きさを余り小さく絞ることができない。
【0020】よって本発明の目的は、光磁気記録媒体上
に高密度記録された情報を正確に再生可能な情報の再生
方法及び光磁気記録再生装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明によると、膜面に
対して垂直方向の磁化容易軸を有する再生層と、該再生
層上に設けられた室温で面内方向に磁化容易軸を示し、
希土類の磁気モーメントが優勢で、かつ少なくとも希土
類金属としてGdを含み遷移金属としてFeを含みキュ
リー温度まで補償温度を有さず、さらにSiからなる非
磁性材料を10〜60at%含む制御層と、該制御層上
に設けられた膜面に対して垂直方向の磁化容易軸を有す
る記録層とを具備し、前記再生層、制御層、記録層のキ
ュリー温度をそれぞれTc1,Tc2,Tc3とし、室
温における前記再生層及び記録層の保磁力をそれぞれH
c1,Hc3とするとき、各磁性層のキュリー温度が、
Tc1>Tc2及びTc3>Tc2の関係を満たし、前
記再生層と前記記録層の室温における保磁力が、Hc3
>Hc1関係を満たす光磁気記録媒体に記録された情報
の再生方法であって、バイアス磁界を印加しながら前記
記録媒体にレーザビームを照射して、前記記録層のキュ
リー温度以下に前記記録媒体を加熱し、ビームスポット
内に前記再生層の磁化がバイアス磁界方法を向く第1領
域と、前記記録層の磁化状態が交換結合によって前記制
御層と前記再生層に転写される第2領域と、前記制御層
がキュリー温度以上となり前記再生層の磁化方向がバイ
アス磁界方向を向く第3領域とからなる温度分布を形成
することを特徴とする光磁気記録媒体に記録された情報
の再生方法が提供される。
【0022】再生層、制御層及び記録層を有する本発明
の光磁気記録媒体に記録された情報を再生する場合、記
録媒体上に形成されたビームスポット内で生じる温度勾
配を利用し、より小さなマークを正確に再生することを
特徴としている。
【0023】ビームスポット内で温度が低い領域(第1
領域)では再生層の磁化は再生バイアス磁界方向を向い
てアップスピンマスク又はダウンスピンマスクが形成さ
れ、制御層のキュリー温度以上の高温領域(第3領域)
では制御層の磁化が消滅し、再生層の磁化が再生バイア
ス磁界方向を向いてアップスピンマスク又はダウンスピ
ンマスクが形成される。
【0024】中間温度領域(第2領域)では、記録層の
磁化方向が制御層を介して再生層に転写され、記録層に
記録された情報を再生することができる。
【0025】即ち、磁気光学的出力を差動検出した場
合、ビームスポット内において温度の低い領域と高い領
域はマスクとして働き、この部分での光磁気信号を読み
出すことはなく、中間温度領域だけの光磁気信号を読み
出すことができる。従って、レーザ波長の回折限界以下
の大きさのマークを正確に読み出すことができる。
【0026】本発明の他の側面によると、光磁気記録媒
体に情報を記録再生する光磁気記録再生装置であって、
バイアス磁界を前記光磁気記録媒体に印加する手段と、
レーザビームを前記光磁気記録媒体に照射する光学ヘッ
ドと、前記光磁気記録媒体で反射された反射光から再生
信号を生成する光検出器とを具備し、前記光磁気記録媒
体は、膜面に対して垂直方向の磁化容易軸を有する再生
層と、該再生層上に設けられた室温で面内方向に磁化容
易軸を示し、希土類の磁気モーメントが優勢で、かつ少
なくとも希土類金属としてGdを含み遷移金属としてF
eを含みキュリー温度まで補償温度を有さず、さらにS
iからなる非磁性材料を10〜60at%含む制御層
と、該制御層上に設けられた膜面に対して垂直方向の磁
化容易軸を有する記録層とを具備し、前記再生層、制御
層、記録層のキュリー温度をそれぞれTc1,Tc2,
Tc3とし、室温における前記再生層及び記録層の保磁
力をそれぞれHc1,Hc3とするとき、各磁性層のキ
ュリー温度が、Tc1>Tc2Tc3>Tc2関係を満
たし、前記再生層と前記記録層の室温における保磁力
が、Hc3>Hc1関係を満たすことを特徴とする光磁
気記録再生装置が提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明実施形態
の光磁気記録媒体の構成を説明する。12dは光磁気記
録媒体であり、通常はディスク形状をしている。ガラス
等の透明基板14上に例えばスパッタリングによりSi
N等からなる誘電体層16が積層されている。誘電体層
16はその上に積層される磁性層の酸化及び腐食を防止
する。
【0028】透明基板14としては、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレ
フィン等の樹脂が採用可能である。また、誘電体層16
としては、AlN等の金属窒化物、SiO2,Al2O
3等の金属酸化物及びZnS等の金属硫化物が採用可能
である。
【0029】誘電体層16上にはGdFeCo等の希土
類−遷移金属非晶質合金膜から形成された磁性再生層1
8′が積層されている。磁性再生層18′は基板14に
対して垂直方向に磁化容易軸を有している。
【0030】磁性再生層18′上にはGdFeCo等の
希土類−遷移金属非晶質合金膜から形成された磁性制御
層20′が積層されている。磁性制御層20′は、室温
では面内方向に磁化容易軸を有している。
【0031】磁性制御層20´上にはTbFeCo等の
希土類−遷移金属非晶質合金膜から形成された磁性記録
層22が積層されている。磁性記録層22は基板14に
対して垂直方向に磁化容易軸を有している。
【0032】再生層18′,制御層20′及び記録層2
2のキュリー温度をそれぞれTc1,Tc2,Tc3と
すると、各磁性層のキュリー温度はTc2<Tc1及び
Tc2<Tc3の関係を満たしている。
【0033】また再生層18′及び記録層22の室温に
おける保磁力をHc1及びHc3とすると、Hc1<H
c3の関係を満たす必要がある。
【0034】再生層18′はTbGdFeCoの非晶質
合金膜から形成することができ、制御層20′はGdF
eの非晶質合金膜から形成することが可能である。ま
た、好ましくは、制御層20′にはSi,Al,Tiか
らなる群から選択される非磁性材料が添加される。
【0035】磁性記録層22上には保護膜24が積層さ
れて光磁気記録媒体12dが完成する。この保護膜24
は、空気中からの水や酸素或いはハロゲン元素のような
物質の侵入を防止し、磁性記録層22を保護する目的で
設けられる。
【0036】保護膜24は、SiN,AlN等の金属窒
化物、SiO2,Al2O3等の金属酸化物及びZnS
等の金属硫化物から形成される。
【0037】図2を参照すると、本発明の情報の再生方
法に採用可能な光磁気ディスク装置の概略図が示されて
いる。光磁気ディスク30は透明基板14上に3層膜の
磁性層28を積層して構成されている。光磁気ディスク
30はスピンドルモータ32により回転される。
【0038】符号34は電磁石駆動回路36により駆動
される電磁石であり、所定方向のバイアス磁界を光磁気
ディスク30に印加する。バイアス磁界の方向は電磁石
34に流す電流の方向によって上向きと下向きの間で切
り替えられる。
【0039】或いは、34は、数百エルステッド程度の
磁界を発生する小型の永久磁石で代用することも可能で
ある。この場合、バイアス磁界の方向は磁石のS,N極
を180°回転させることによって切り替えられる。
【0040】信号発生回路38で書き込むべきデータ信
号が発生され、レーザ駆動回路40に入力される。これ
により、レーザ駆動回路40はレーザダイオード42を
データ信号に応じて変調駆動する。
【0041】レーザダイオード42で発生されたレーザ
ビームはコリメータレンズ44でコリメートされてか
ら、ビームスプリッタ46を透過して対物レンズ48に
より光磁気ディスク30の磁性層28上にフォーカスさ
れる。
【0042】電磁石34により所定方向にバイアス磁界
を印加しながら、レーザダイオード42を駆動してレー
ザビームを光磁気ディスク30の磁性層28に照射する
ことにより、データ信号がディスク30に書き込まれ
る。
【0043】一方、光磁気ディスク30に記録された情
報(データ信号)を再生する場合には、電磁石34で所
定方向のバイアス磁界を印加しながら、レーザダイオー
ド42を駆動して光磁気ディスク30に再生ビームパワ
ーを照射する。
【0044】光磁気ディスク30からの反射光は対物レ
ンズ48でコリメートされてから、ビームスプリッタ4
6で反射され、検光子50を通過してレンズ52により
光検出器54に集光され、光磁気ディスク30に記録さ
れた情報が電気信号として再生される。
【0045】次に図3を参照して、本実施形態のデータ
の消去方法を説明する。バイアス磁界Hbを下向きに印
加しながらレーザビームを記録媒体に照射し、記録層2
2のキュリー温度以上に昇温することによって記録層2
2の磁化方向を下向きにする。
【0046】レーザビームから遠ざかると、記録媒体は
室温まで降温される。室温では制御層20′は面内磁化
膜となり、再生層18′と記録層22は磁気的に結合し
ていない状態になる。従って、再生層18′の磁化は消
去用バイアス磁界程度の小さな磁界で下向きに揃う。
【0047】次に図4を参照して、本実施形態のデータ
の書き込み方法について説明する。バイアス磁界Hbを
消去方向とは逆向き、即ち上向きに印加しながら、記録
部分にのみ強いレーザビームを照射すると、データが記
録された部分の磁化のみ上向きになる。
【0048】レーザビームから遠ざかると、記録媒体は
室温まで降温される。室温では、制御層20′は面内磁
化膜となり、再生層18′と記録層22は磁気的に結合
していない状態になる。従って、再生層18′の磁化は
バイアス磁界程度の小さな磁界で上向きに揃う。
【0049】次に図5を参照して、本実施形態における
データのシングルマスク再生方法について説明する。ト
ラック64上に照射されたビームスポット58内には温
度がTcopy以下の低温領域と、Tcopy以上で制御層2
0′のキュリー温度Tc2以下の高温領域が形成され
る。
【0050】ビームスポット58内の低温領域ではアッ
プスピンマスク60が形成され、高温領域では開口部6
2が形成される。この状態は上述した特開平5−817
17号のデータ再生時の状態に類似しており、開口部6
2を介して光磁気信号を読み出すことができる。
【0051】再生レーザパワーを更に上げると、図6に
示したようにビームスポット58内に再生層18′の磁
化が再生バイアス磁界Hr方向を向く低温領域と、記録
層22の磁化が交換結合によって制御層20′及び再生
層18′に転写される中間温度領域と、制御層20′の
キュリー温度Tc2以上の高温領域が形成される。
【0052】低温領域及び高温領域では、再生層18′
の磁化方向がバイアス磁界Hrに揃うアップスピンマス
ク60,68が形成され、2つのアップスピンマスク6
0,68の間の中間温度領域に開口部62が形成され
る。
【0053】アップスピンマスク部68では、記録媒体
が制御層20′のキュリー温度Tc2以上に加熱されて
いるため、制御層20′の磁化が無くなり、再生層1
8′と記録層22は磁気的に結合していない状態であ
る。
【0054】従って、再生層18′は室温で保磁力が小
さいことからその磁化方向は再生用バイアス磁界Hrの
方向を向くことになる。即ち、制御層20′のキュリー
温度以上の温度領域では、再生層18′の磁化は常に上
向きとなり、光磁気信号は出力されず一種のマスクとし
て機能する。
【0055】従って、特開平5−81717号に記載さ
れた従来方法に比較して非常に小さな開口部62を形成
することができる。更に、ビームスポットの端に比べて
相対的にレーザ強度が強いビームスポット中心部に開口
部62が形成されるので、大きな光磁気信号を得ること
ができる。
【0056】実施例1 スパッタリング装置内にTbFeCo、第1のGdFe
Co、第2のGdFeCo及びSiのターゲットと1.
2μmのトラックピッチを有するポリカーボネート基板
をセットし、スパッタリング装置のチャンバー内を10
-5Paまで真空引きした。
【0057】次に、以下の条件で基板上に膜厚70nm
の窒化珪素をDCスパッタリング法で製膜した。この膜
は磁性層を酸化から保護する役目だけでなく、光磁気信
号を増大させるエンハンス効果も有している。
【0058】ガス圧:0.3Pa スパッタガス:アルゴン、窒素 分圧:アルゴン:窒素=6:4 投入電力:0.8kW 次に、再びチャンバー内を10-5Paまで真空引きし、
以下の条件で上記窒化珪素膜の上に第1のGdFeC
o、第2のGdFeCo、TbFeCoの順にDCスパ
ッタリング法で連続的に製膜した。
【0059】ガス圧:0.5Pa スパッタガス:アルゴン 投入電力:1kW 各磁性層の組成、膜厚及び磁気特性は表1に示す通りで
ある。
【0060】
【表1】
【0061】表1で補償温度「−」はキュリー温度以下
に補償温度を有していないことを示している。
【0062】更に、記録層の上に100nmの膜厚を有
する窒化珪素膜を上記と同様の方法で製膜した。窒化珪
素膜は磁性膜を酸化から防止する役目をする。
【0063】このようにして製造した光磁気ディスクの
記録特性を図2に示した装置を用いて調べた。使用した
レーザの波長は780nmである。まず、光磁気ディス
クを全面消去、即ち初期化した。このときのレーザパワ
ーは9mWとし、下向きのバイアス磁界を印加した。
【0064】情報の記録はディスクを線速3m/sec
で回転させながら初期化のときと反対方向の上向きのバ
イアス磁界を印加して、記録パワー4mW、周波数7.
5MHz、発光デューティ比26%で行った。ディスク
上に記録されたマークの長さは約0.4μmである。
【0065】次に、この光磁気ディスクの再生特性を調
べた。このとき印加する再生用バイアス磁界は上向きと
した。再生パワー1.5mWでは、先に記録された信号
に対する光磁気信号の出力は得られなかった。これは再
生層18′の全域がアップスピンマスクを形成している
ためと思われる。
【0066】再生パワー1.6mWでは、記録層22の
磁化方向が制御層20′を介して再生層18′に転写さ
れ、光磁気信号の出力を得ることができた。これは、ビ
ームスポット内で記録層22の磁化方向が制御層20′
を介して再生層18′に転写される温度以上の領域がで
きたために、アップスピンマスクと開口部が形成された
ためと思われる。このときの信号とノイズの比(C/
N)は42dBであった。
【0067】再生パワー1.7mWでは、記録層22の
磁化はバイアス磁界の方向、即ち上方向に向き、制御層
20′が記録層22と交換結合する領域(開口部)の直
径が0.4μm程度となったために、46dBのC/N
を得ることができた。
【0068】次に、再生層18′の組成を他の組成でも
十分使用できるか否かについて検討を行った。その結
果、再生層18′がTbFeCoまたはDyFeCoか
らなる材料では、保磁力が大きくなるため、バイアス磁
界程度の大きさでは再生層18′の磁化方向を初期化で
きず、超解像再生を行うことができなかった。
【0069】実施例2 実施例1では再生層18′としてGdFeCoからなる
材料を使用した。しかし、GdFeCo膜は垂直磁気異
方性を示す組成マージンは広くなく、組成制御が難しい
場合がある。そこで本実施例では、GdFeCoに垂直
磁気異方性を大きくできるTbをわずかに添加すること
を試みた。実験は以下のように行った。
【0070】スパッタリング装置内にTbFeCo、T
bGdFeCo、GdFeCo及びSiのターゲットと
1.2μmのトラックピッチを有するポリカーボネート
基板をセットし、スパッタリング装置のチャンバー内を
10-5Paまで真空引きした。
【0071】次に、以下の条件で基板上に膜厚70nm
の窒化珪素をDCスパッタリング法で製膜した。この膜
は磁性膜を酸化から保護する役目だけでなく、光磁気信
号を増大させるエンハンス効果も有している。
【0072】ガス圧:0.3Pa スパッタガス:アルゴン、窒素 分圧:アルゴン:窒素=6:4 投入電力:0.8kW 次に、再びチャンバー内を10-5Paまで真空引きし、
以下の条件で上記窒化珪素膜の上にTbGdFeCo、
GdFeCo、TbFeCoの順にDCスパッタリング
法で連続的に製膜した。
【0073】ガス圧:0.5Pa スパッタガス:アルゴン 投入電力:1kW 各磁性層の組成、膜厚及び磁気特性は表2に示す通りで
ある。
【0074】
【表2】
【0075】更に、記録層の上に100nmの膜厚を有
する窒化珪素膜を上記と同様の方法で製膜した。この窒
化珪素膜は磁性膜を酸化から防止する役目をする。
【0076】このようにして製造した光磁気ディスクの
再生特性を実施例1と同様な条件で調べた。この時印加
した再生用バイアス磁界は上向きとした。再生パワー
1.4mWでは、先に記録された信号に対する光磁気信
号の出力は得られなかった。これは、再生層18′全域
がアップスピンマスクを形成しているためと思われる。
【0077】再生パワー1.5mWでは、記録層22の
磁化方向が制御層20′を介して再生層18′に転写さ
れ、光磁気信号の出力を得ることができた。これは、ビ
ームスポット内で記録層22の磁化方向が制御層20′
を介して再生層18′に転写される温度以上の領域がで
きたために、アップスピンマスクと開口部が形成された
ためと思われる。このときの信号とノイズの比(C/
N)は42dBであった。
【0078】再生パワー1.6mWでは、再生層18′
の磁化はバイアス磁界の方向、即ち上方向に向き、制御
層20′が記録層22と交換結合する領域(開口部)の
直径が0.4μm程度となったために46dBのC/N
を得ることができた。
【0079】このC/Nは実施例1とは変わらなかっ
た。これは、再生層18′にTbを添加することによっ
て、磁気異方性が増大しノイズが低減した反面、GdF
eCoにTbを添加したことで磁気光学効果が低下した
ためと考えられる。
【0080】そして、これらの効果が相殺して実施例1
と同様な結果が得られたためと思われる。しかし、Tb
を添加することによって、再生層18′の組成マージン
を広げることができる。
【0081】実施例3 制御層20′の組成を検討するために、制御層20′の
組成をそれぞれ面内磁化を示すTbFeCo、DyFe
Co、GdFeCoと変化させた三層膜記録媒体を試作
し、その記録再生特性を調べた。ここで、記録条件は実
施例1と同様である。その結果を表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】これは、制御層20′をTbFeCo又は
DyFeCoから形成した場合、記録再生特性がよくな
いことを示しており、制御層20′の組成としてGdF
eCoが適していることが判明した。
【0084】更に、制御層20′に適しているGdFe
Co組成を検討した。制御層20′をGdFeCoとし
た時の、Coの含有量を変化させた場合の再生特性を実
施例12と同様な方法で測定を行った。その結果を表4
に示す。
【0085】
【表4】
【0086】この結果から、Coの含有量が0〜5at
%でC/Nがよくなっていることがわかる。これは、制
御層20′のキュリー温度が低下し、レーザビームのス
ポットの後縁にもマスクが形成されたためにダブルマス
クとなり、分解能が上がったためであると考えられる。
【0087】実施例4 実施例3から制御層20′のキュリー温度を下げるとダ
ブルマスクが形成され、C/Nが向上することが判明し
た。そこで、制御層20′のキュリー温度を下げること
を目的として制御層20′に非磁性金属を添加すること
を試みた。
【0088】GdFeCoに非磁性元素を添加した制御
層20′を有する光磁気記録媒体を試作し、再生特性を
調べた。再生特性は実施例1と同様な方法で測定を行っ
た。その結果を表5に示す。
【0089】
【表5】
【0090】以上の結果から制御層20′に非磁性材料
を添加することが有効であることが判明した。次に、制
御層20′に添加する非磁性材料をSiとし、Siの添
加量の変化に対する再生特性の変化について検討した。
【0091】ここで、再生層18′、制御層20′及び
記録層22の組成や膜厚は実施例1と同様である。即
ち、制御層20′の組成はGd39Fe56Co5 で
ある。この組成にSiを添加することにした。Siの量
はGdFeCoからなる制御層20′のターゲット上に
置くSiチップの数を変えることによって行った。その
結果を表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】この結果から、Siの含有量が10〜60
at%の広い範囲で高いC/Nが得られることが判明し
た。また、Siの含有量が70at%以上では、再生層
18′と記録層22の交換結合力が小さくなるためにC
/Nが低下する。
【0094】
【発明の効果】本発明によると、光磁気記録媒体上に高
密度記録された情報を正確に再生可能な情報の再生方法
を提供することができ、さらに再生すべきマークに隣接
するマークを完全にマスクして再生出力の向上を図るこ
とができるという効果を奏する。また、クロストークも
改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態の光磁気記録媒体の構成図であ
る。
【図2】光磁気ディスク装置の概略構成図である。
【図3】データの消去を説明する図である。
【図4】データの書き込みを説明する図である。
【図5】シングルマスク再生方法を説明する図であり、
(A)が平面図を、(B)が記録媒体の縦断面図をそれ
ぞれ示している。
【図6】実施形態のデータの再生方法を説明する図であ
り、(A)が平面図を、(B)が記録媒体の縦断面図を
それぞれ示している。
【図7】従来例の再生原理を説明する図である。
【符号の説明】
14 透明基板 16 誘電体層 18′ 再生層 20′ 制御層 22 記録層 24 保護膜 58 ビームスポット 60 アップスピンマスク 62 開口部 68 アップスピンマスク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜面に対して垂直方向の磁化容易軸を有
    する再生層と、該再生層上に設けられた室温で面内方向
    に磁化容易軸を示し、希土類の磁気モーメントが優勢
    で、かつ少なくとも希土類金属としてGdを含み遷移金
    属としてFeを含みキュリー温度まで補償温度を有さ
    ず、さらにSiからなる非磁性材料を10〜60at%
    含む制御層と、該制御層上に設けられた膜面に対して垂
    直方向の磁化容易軸を有する記録層とを具備し、前記再
    生層、制御層、記録層のキュリー温度をそれぞれTc
    1,Tc2,Tc3とし、室温における前記再生層及び
    記録層の保磁力をそれぞれHc1,Hc3とするとき、
    各磁性層のキュリー温度が、Tc1>Tc2及びTc3
    >Tc2の関係を満たし、前記再生層と前記記録層の室
    温における保磁力が、Hc3>Hc1関係を満たす光磁
    気記録媒体に記録された情報の再生方法であって、 バイアス磁界を印加しながら前記記録媒体にレーザビー
    ムを照射して、前記記録層のキュリー温度以下に前記記
    録媒体を加熱し、 ビームスポット内に前記再生層の磁化がバイアス磁界方
    法を向く第1領域と、前記記録層の磁化状態が交換結合
    によって前記制御層と前記再生層に転写される第2領域
    と、前記制御層がキュリー温度以上となり前記再生層の
    磁化方向がバイアス磁界方向を向く第3領域とからなる
    温度分布を形成することを特徴とする光磁気記録媒体に
    記録された情報の再生方法。
  2. 【請求項2】 光磁気記録媒体に情報を記録再生する光
    磁気記録再生装置であって、 バイアス磁界を前記光磁気記録媒体に印加する手段と、 レーザビームを前記光磁気記録媒体に照射する光学ヘッ
    ドと、 前記光磁気記録媒体で反射された反射光から再生信号を
    生成する光検出器とを具備し、 前記光磁気記録媒体は、 膜面に対して垂直方向の磁化容易軸を有する再生層と、 該再生層上に設けられた室温で面内方向に磁化容易軸を
    示し、希土類の磁気モーメントが優勢で、かつ少なくと
    も希土類金属としてGdを含み遷移金属としてFeを含
    みキュリー温度まで補償温度を有さず、さらにSiから
    なる非磁性材料を10〜60at%含む制御層と、 該制御層上に設けられた膜面に対して垂直方向の磁化容
    易軸を有する記録層とを具備し、 前記再生層、制御層、記録層のキュリー温度をそれぞれ
    Tc1,Tc2,Tc3とし、室温における前記再生層
    及び記録層の保磁力をそれぞれHc1,Hc3とすると
    き、 各磁性層のキュリー温度が、 Tc1>Tc2 Tc3>Tc2 の関係を満たし、前記再生層と前記記録層の室温におけ
    る保磁力が、 Hc3>Hc1 の関係を満たすことを特徴とする光磁気記録再生装置。
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