JP2003241573A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2003241573A
JP2003241573A JP2002042889A JP2002042889A JP2003241573A JP 2003241573 A JP2003241573 A JP 2003241573A JP 2002042889 A JP2002042889 A JP 2002042889A JP 2002042889 A JP2002042889 A JP 2002042889A JP 2003241573 A JP2003241573 A JP 2003241573A
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resin
flange
helical gear
photosensitive member
electrophotographic
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JP2002042889A
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English (en)
Inventor
Motoi Ebizuka
基 海老塚
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Fuji Electric Imaging Device Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Imaging Device Co Ltd
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Publication date
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的な優位性を確保した上で、斜歯ギヤに
よる回転駆動力の伝達時に、高解像度であってカラー画
像での色ズレ障害への影響が小さい高精度な斜歯ギヤで
あって、回転駆動力の伝達時のギヤのたわみによる解像
度の劣化やカラー画像での色ズレ障害への影響を少なく
した斜歯ギヤ付きフランジを有する電子写真感光体の提
供。 【解決手段】 感光ドラムと、この感光ドラムの開口端
部内に嵌合される嵌合部と円形壁部と回転駆動力および
軸方向応力を前記ドラムに伝達する斜歯ギヤ部とを有
し、この斜歯ギヤ部の内側に放射状リブを設けることな
しに一体成形されてなる樹脂フランジとを備える電子写
真感光体において、前記樹脂フランジの斜歯ギヤ部が、
この斜歯ギヤ部の直径方向に5000gの荷重をかけた
時のたわみ量(T)mmとして、 T≦D/100 30≦D≦60 D: 樹脂フランジの斜歯ギヤ部の直径(mm) で表される強度を有する電子写真感光体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円筒状基体の外周面
に有機材料を主成分とする感光層が形成され、その開口
端部にはギヤ付き樹脂フランジが圧入された電子写真感
光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は円筒状の導電性基体上
に光導電性を有する感光層を備えた感光ドラムとこのド
ラムの両端にそれぞれギヤ無しフランジ、平歯または斜
歯ギヤ付きフランジ等を強固に結合させたものからな
る。
【0003】この電子写真感光体は、複写機、プリン
タ、ファクシミリなどの電子写真装置またはこれらの装
置に搭載されるプロセスカートリッジに装着されて画像
形成を行う際に、前記ギヤ(歯車)を介して装置側の回
転駆動力が感光ドラムに安定して繰り返し伝達される必
要があるため、ギヤの脱落または結合のゆるみがないよ
うに一体成形されたフランジとギヤは感光ドラムの両端
に強固に結合される。
【0004】この電子写真感光体は円滑な回転を可能に
するためにフランジに設けられた中心孔により回転軸を
支持するように装置に装着される。また、感光ドラムの
両端に結合されたフランジのいずれか一方を斜歯ギヤと
することにより、回転駆動力と共に軸方向へ働く外力の
モーメントを発生させ、回転時に感光体が軸方向にブレ
ることを防いでいる。
【0005】一方、電子写真装置における画像形成機能
は電子写真感光体を回転させながら、その外周面近傍上
に設けられる電子写真プロセス部材の機能、すなわち、
感光体表面の帯電、露光、現像、転写、(定着)、クリ
ーニング、除電等を1サイクルとする電子写真プロセス
機能を順に奏することにより実行される。さらにこれら
の電子写真プロセス機能が障害無く実行されるには、ア
ルミニウム合金などからなる感光体ドラムの基体をアー
ス電位に落とす必要があり、装置側のアース電位に接続
された回転軸と前記基体の導通をとる必要がある。その
ためにフランジは導電性を備える必要がある。従来はフ
ランジの材料として、アルミニウムなどの金属材料が使
われていたので、問題がなかったが、コストダウンの目
的のために絶縁樹脂を使うと前述の導電性機能を付加す
るために、図4に示すように樹脂フランジに金属板(ア
ース板)6を組み合わせて導電性機能を付加する必要が
発生した。
【0006】前記各電子写真プロセスは1サイクルが終
了すると、最初の帯電プロセスに戻るので、円筒状の感
光体を連続的に回転させることにより、繰り返し連続し
て画像を形成することができる。この画像形成プロセス
が繰り返し良好に行われるには装置側の回転駆動力が繰
り返し良好に感光体に伝達されることが必要であること
は言うまでもない。
【0007】たとえば、感光ドラムに結合されている前
記フランジがドラムから脱落またはゆるみなどによって
結合異常の状態になると、回転停止および装置の機能停
止もしくは停止にならない場合でもジッタなどの画像障
害発生という重大事故となるので、フランジと感光ドラ
ムの結合状態の異常事態は装置の長期信頼性を確保する
上で、あってはならない重要な技術的課題である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子写
真装置や電子写真感光体のコストダウンへの要望から、
従来フランジの材料として多く採用されていたアルミニ
ウム合金材料から、安価であるが、絶縁性の樹脂材料へ
切り替えられるようになってきている。
【0009】安価なフランジの樹脂材料として価格、機
械的強度、寸法精度などの点から、ポリカーボネート
(PC)樹脂またはポリオキシメチレン(POM)樹脂
などの絶縁樹脂を用い、金属板(アース板)等の導電性
材料を組み合わせて導電性機能を確保したものまたは導
電性樹脂からなるフランジが多く採用される。前記PC
樹脂とPOM樹脂ではPOM樹脂がPC樹脂より機械的
強度の点では低いがより安価であるので、多く採用され
る。POM樹脂の機械的強度が低い点については、図2
の従来例のギヤ付きフランジ((a)は軸方向に直角の
方向から見た断面図、(b)は軸方向のドラムの基体1
内部11側から見た平面図、(c)は軸方向のドラムの
基体1外側から見た平面図)に示すように構造的にフラ
ンジの中心孔5と外周のギヤ部3内面とを繋ぐリブ(補
強的支柱)10を放射状に設けることにより補うことが
可能である。しかし、このようなリブ10を設けると、
リブ10と繋がる外周円部分では、いわゆる、「ひけ」
と言う現象により、ギヤの寸法精度が悪くなり易く、好
ましくない。
【0010】感光ドラムの両端には、そのいずれか一方
の端部にギヤ無しフランジまたは平歯付きフランジが圧
入され、他端部には斜歯ギヤ付きフランジが圧入され
る。斜歯ギヤには駆動力を回転軸方向にも作用させる機
能を有しているので、軸方向モーメント分だけより大き
い回転駆動力を必要とする結果、斜歯ギヤ付きフランジ
では感光ドラムとの結合力や斜歯ギヤ部の機械的強度が
特に問題となり易く、特に、高解像度であって、カラー
画像用の電子写真装置に搭載された場合、色ズレ障害等
の問題が発生し易い。
【0011】以上説明した問題点に鑑み、本発明の目的
は、経済的な優位性を確保した上で、斜歯ギヤによる回
転駆動力の伝達時に、高解像度であって、カラー画像に
おける色ズレ障害への影響が小さい高精度な斜歯ギヤで
あって、回転駆動力の伝達時のギヤのたわみによる解像
度の劣化やカラー画像における色ズレ障害への影響を少
なくした斜歯ギヤ付きフランジを有する電子写真感光体
の提供である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
よれば、前記目的は、導電性円筒状基体の外周面に光導
電性材料を含む感光層が形成された感光ドラムと、この
感光ドラムの開口端部内に接着圧入される嵌合部と回転
軸を支持する中心孔を有する円形壁部と前記開口端部外
に位置し回転駆動力および軸方向外力を前記ドラムに伝
達する斜歯ギヤ部とを有し、この斜歯ギヤ部の内側に放
射状リブ(補強的支柱)を設けることなしに一体成形さ
れてなる樹脂フランジとを備える電子写真感光体におい
て、前記樹脂フランジの斜歯ギヤ部が、この斜歯ギヤ部
の直径方向に5000gの荷重をかけた時のたわみ量
(T)mmとして、 T≦D/100 30≦D≦60 D: 樹脂フランジの斜歯ギヤ部の直径(mm) で表される強度を有する電子写真感光体とすることによ
り、達成される。
【0013】請求項2記載の本発明によれば、樹脂フラ
ンジがポリカーボネート樹脂又はポリオキシメチレン樹
脂を主成分とする請求項1記載の電子写真感光体とする
ことが好ましい。
【0014】請求項3記載の本発明によれば、円形壁部
が斜歯ギヤ部内の略中間部に設けられている請求項1ま
たは2記載の電子写真感光体とすることが望ましい。
【0015】請求項4記載の本発明によれば、円形壁部
が斜歯ギヤ部の開口側端部から5mm以内の内部に設け
られている請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電
子写真感光体とすることがいっそう望ましい。
【0016】請求項5記載の本発明によれば、プロセス
カートリッジに装着される請求項1ないし4のいずれか
一項に記載の電子写真感光体とすることがより好まし
い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真感光体に
関し、図1、図3〜図5を用いて詳細に説明する。本発
明は以下、説明する実施例に限定されるものではない。
【0018】図1は本発明にかかる電子写真感光体の一
部破断斜視図、図3は本発明にかかる電子写真感光体の
いずれか一方の開口端部に圧入される斜歯ギヤ付きフラ
ンジの断面図を示す。(a)は軸方向に直角の方向から
見たフランジであって、感光ドラムに嵌合したことを示
す断面図、(b)は軸方向の感光ドラム内部側から見た
フランジの平面図で、(c)は(b)と逆方向の感光ド
ラム外側から見たフランジの平面図、図4は図3の斜歯
ギヤ付きフランジに金属板(アース板)6を取りつけた
ことを示す断面図で、(a)、(b)はそれぞれ図3の
(a)、(b)に対応する。図5は本発明にかかる斜歯
ギヤ付きフランジのギヤ部に荷重をかけてたわみ量を測
定する装置の概略図で、(a)は軸方向に直角の方向か
ら見た断面図、(b)は軸方向の感光ドラム内部側から
見た平面図である。
【0019】この電子写真感光体は、電子写真プロセス
部材が予め搭載されたプロセスカートリッジに装着され
て、さらにプリンタなどの電子写真装置に取り付け、取
り外し可能に搭載されて使用される。電子写真感光体を
一旦、プロセスカートリッジに装着するのは電子写真用
感光体等の消耗部材の交換を容易にするためである。
【0020】図1に示す電子写真感光体において、破断
線12により囲まれる破断部では円筒状の導電性材料か
らなる円筒状基体1の外周面に感光層2を被覆した感光
ドラムの内部および断面を示す。この円筒状基体1は感
光体の電極としての役目と同時に感光層の支持体となっ
ており、材料としてはアルミニウム、ステンレス鋼、ニ
ッケルなどの金属、あるいはガラス、樹脂等に導電処理
を施したものなどを採用することができる。
【0021】この円筒状基体1の外周面に被覆される感
光層としては、単層感光層または電荷発生層および電荷
輸送層等を積層した積層感光層があるが、必要に応じ
て、円筒状基体1と感光層2の間にはさらに下引層を設
けても良い。この下引層は円筒状基体から感光層への不
要な電荷の注入防止、基体表面の欠陥被覆、感光層の接
着性の向上等の目的で必要に応じて設けられる。下引層
に用いられる樹脂バインダーとして、環状エーテルまた
は低級アルコールに可溶な、ガゼイン、アクリル樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン
樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリアミド樹脂およびこれらの共重合体などがそれ
ぞれ単独または適宜組み合わせて使用される。また前記
樹脂バインダー中に分散させる金属酸化物微粒子はそれ
自体に導電性の無いものとして、SiO、TiO
In、ZrO、Al等を用いることが可
能である。またこれら金属酸化物微粒子は樹脂バインダ
ー中での分散安定性や感光特性向上のためにポリシロキ
サンやアルコキシシランやシランカップリング剤で表面
処理された微粒子を用いることもできる。
【0022】電荷発生層としては電荷発生物質を真空蒸
着または有機光導電性物質の粒子を樹脂バインダー中に
分散させた塗液を塗布して形成され、光を受容し電荷を
発生する。また電荷発生層は電荷発生効率が高いことと
同時に発生した電荷の電荷輸送層への注入性に電界依存
性が少なく低電界でも注入効率の良いことが望まれ、電
荷発生物質を主体としてこれに電荷輸送物質などを添加
して使用することもある。
【0023】電荷発生物質としては無金属フタロシアニ
ン、チタニルフタロシアニン、スズフタロシアニン等の
フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、アントアントロン顔
料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、スクアリリウム顔
料、チアピリリウム顔料、キナクリドン顔料などを用い
ることができ、またこれらの顔料を組み合わせて用いて
もよい。
【0024】樹脂バインダ−としては、ポリカ−ボネ−
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル系樹脂、フェノ
キシ樹脂、シリコン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂お
よびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用する
ことが可能である。
【0025】電荷輸送層としては電荷輸送物質と樹脂バ
インダーを溶剤に溶解させた塗布液をシールコート法も
しくは浸漬塗布法により成膜することで構成される。電
荷輸送物質の一例としては、ヒドラゾン化合物、スチリ
ル化合物、ピラゾリン化合物、ピラゾロン化合物、オキ
サジアゾール化合物、アリールアミン化合物、ベンジジ
ン化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物及びポ
リビニルカルバゾールなどの電荷輸送性ポリマーおよび
樹脂バインダーと電荷輸送物質の共重合体ポリマー等を
使用することが可能である。また樹脂バインダーとして
は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリス
チレン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体および共重
合体などを含んでもよく、電荷輸送層との相溶性が良く
なる組み合わせとし、かつ機械的、化学的および電気的
安定性、密着性が確保されるように電荷輸送層を形成す
る。また電荷輸送層の膜厚は実用的に有効な表面電位を
維持するために10〜50μmの範囲が好ましい。
【0026】この感光ドラム両端の開口端部には図1、
4に示すように、感光ドラムと回転軸との電気的導通を
確保するために、回転軸とドラム内面とにそれぞれ接触
部8,9にて接触するアース板6が取り付けられた斜歯
ギヤ付き樹脂フランジ15と、平歯ギヤ31付き樹脂フ
ランジがそれぞれ嵌合部4を円筒状基体1内部に圧入し
て強固に接着圧入されている。
【0027】樹脂フランジ15としては、成形性、成形
精度、機械的強度、価格等を考慮するとポリオキシメチ
レン樹脂またはポリカーボネート樹脂の射出成形による
一体成形が好ましい。この樹脂フランジ15と組み合わ
されるアース板は、リン青銅板またはステンレス鋼板等
の打ち抜きにより成形され、樹脂フランジ15に固着さ
れる。このようにして作製された樹脂フランジ15と前
述した感光ドラムは強固に接着圧入され、かつ電気的に
も接続されているので、装置側の回転駆動力がギヤに加
えられると、確実に感光ドラムに伝達され、また、感光
ドラムの電位は回転軸を介して装置側のアース電位に落
とされる。
【0028】
【実施例】(感光ドラムの作製)JIS6063に規定
されるアルミニウム合金からなり、外径30mmφ、内
径28.5mmφ、長さ260.5mmおよび外径40
mmφ、内径38.5mmφと外径60mmφ、内径5
8.5mmφで長さがそれぞれ315mmの3種類から
なる円筒状基体の外周面にそれぞれ下引層として、アル
コール可溶性ポリアミド系樹脂(CM−8000 東レ
(株)製)にアミノシラン処理された酸化チタン微粒子
をメタノール/ジクロロメタン混合溶剤で分散させた塗
布液からの浸漬塗布膜を100℃で30分乾燥して1μ
m厚に形成した。
【0029】電荷発生層は、チタニルフタロシアニンを
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学製 BX−1)に
ジクロロメタン溶剤にて分散させた塗布液から浸漬塗布
により成膜し、80℃で15分乾燥して、0.2μmと
した。
【0030】電荷輸送層は、下記化学式(1)で示され
るスチリル化合物1重量部および下記化学式(2)に示
されるポリカーボネート樹脂(パンライトL1225、
帝人化成(株)製)1重量部をジクロロメタン10重量
部に溶解し、この溶液を上記電荷発生層上に塗布し、乾
燥することにより、電荷輸送層を形成した。乾燥後の膜
厚は20μmであった。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】なお、本発明では、円筒状基体と感光層の
材料については、感光体として求められる種々の電気特
性を満たすようにさまざまに変更することができるので
あって、上記の材料にのみ限定されるものではない。
【0034】(樹脂フランジの作製)ポリオキシメチレ
ン(POM)樹脂材料の射出成形により、図3に示す形
状の樹脂フランジ15を一体成形により作製した。この
樹脂フランジ15は外径28.5mmφの嵌合部4と外
径が30.0mmφの斜歯ギヤ部3と外径6mmφの回
転軸が通る中心孔5を備えるものと、外径38.5mm
φの嵌合部4と外径が40.0mmφの斜歯ギヤ部3と
外径10mmφの回転軸が通る中心孔5を備えるものお
よび外径58.5mmφの嵌合部4と外径が60.0m
mφの斜歯ギヤ部3と外径10mmφの回転軸が通る中
心孔5を備えるものの3種類を作製した。
【0035】また、斜歯ギヤ部3の軸方向長さを10m
mとし、斜歯ギヤ部3の内側の円形壁部14の位置を斜
歯ギヤ部3の最外側に設けたものと、外側から5mm内
側(この場合は中間部でもある)の位置と、斜歯ギヤ部
3の最も内側の位置(図2に示される円形壁部の位置と
同じ)のフランジをそれぞれ作製し、それぞれAタイ
プ、Bタイプ、Cタイプとした。
【0036】このように作製した前記樹脂フランジに、
図4に示すように、別途作製されたリン青銅を主成分と
するアース板6を取り付けた。具体的には、このアース
板6に形成されている固定用孔7に、予め前記各樹脂フ
ランジ15に形成されている樹脂突起を挿入し、熱圧着
してアース板6と樹脂フランジ15を固定する。この固
定部は必要に応じて、その位置や数を変えてもよい。
【0037】前記アース板6は0.2mm厚のバネ弾性
を有するリン青銅板を材料として、打ち抜きにより作製
した。アース板6の材料としては、リン青銅板の他にス
テンレス鋼板を用いてもよい。
【0038】樹脂フランジ15の樹脂材料としては、上
記のPOM樹脂の他に、ポリカーネート樹脂を用いるこ
ともできる。
【0039】(電子写真感光体の組み立て)上記実施例
で作製した感光ドラムとA、B、Cの各タイプのフラン
ジを用いて、下記実験例に示すように、寸法精度とギヤ
部のたわみ量の異なる斜歯付きフランジをシアノアクリ
レート系接着剤(ロックタイト403、日本ロックタイ
ト社製)をそれぞれ同量塗布して接着圧入させ、24時
間常温常湿で放置することにより、電子写真感光体を各
実験毎に各10本づつ作製し、市販のプリンター(24
枚/分機)に搭載されているプロセスカートリッジに前
記感光体を装着して、初期および10000枚印刷後
に、25%のハーフトーンを印字し、ジッタなどの画像
障害の発生有無を調べた。実機内での実使用上に必要な
感光体の駆動トルクは3.9N・mである。たわみの測
定には藤井精機(株)の微小バネ試験機FST−55D
を用いた。その概略を図5に示す。樹脂フランジの軸方
向に垂直でギヤ部3の直径方向に図5の矢印で示すよう
に鋼板13を介して5000gの荷重をかけた時のたわ
み量を測定した。
【0040】下記表1、2にたわみ量とジッタ画像の発
生数との関係を示す。各項目のうち、たわみ量はそれぞ
れ各10本の平均値であり、ジッタ画像発生数は10本
の電子写真感光体中のジッタ画像の発生数の結果であ
る。
【0041】(実験例1〜3)円形壁部の位置に関して
は前記A、B、Cタイプの各フランジであって、外径3
0.0mmφの斜歯ギヤ部3のフランジのギヤ部内に中
央孔と外周部を繋ぐリブを形成せずに、ギヤ部の肉厚を
3.6mmの一定値にしたものについて、前記図5に示
す測定装置によりたわみ量を測定するとともに、感光ド
ラムに圧入して電子写真感光体を作製した後、プロセス
カートリッジに装着し、プリンタに搭載して画像評価を
行った。その結果を表1の実験例1、2、3に示す。
【0042】下記表1にたわみ量とジッタ画像の発生数
の関係を示す。各項目はそれぞれ各10本の電子写真感
光体のたわみ量の平均値と同10本についてのジッタ画
像の発生結果である。
【0043】(実験例4〜9)実施例1〜3と同様に外
径30.0mmφの斜歯ギヤ部内に中央孔と外周部を繋
ぐリブを形成せずに、Cタイプの円形壁部の位置にした
フランジのギヤ部の肉厚を変えて前記図5に示す測定装
置により測定したギヤ部の直径方向のたわみ量が0.2
5mm、0.30mm、0.35mm、0.40mm、
0.45mm、0.50mmのフランジをそれぞれ作製
した。樹脂材料としてはPOM樹脂を用いた。POM樹
脂の場合のギヤ部の樹脂の肉厚(ギヤの歯の高さを含
む)は、それぞれ3.6mm、3.4mm、3.2m
m、3.0mm、2.8mm、2.6mm(それぞれ実
験例4、5、6、7、8、9とする)であった。実験例
4〜9の結果を表2にそれぞれ示す。
【0044】(実験例10、11)肉厚がそれぞれ3.
6mmで、斜歯ギヤ部の外径がそれぞれ40mmφと6
0mmφでリブ無しでCタイプの円形壁部を有するフラ
ンジを射出成形で作り、前述と同様の条件でたわみ量を
測定すると共に、このフランジに対応する感光ドラムに
圧入して電子写真感光体を作製した他は前記実験例4〜
9と同様にした。さらに市販の対応するプリンタ用プロ
セスカートリッジに装着してプリンタに搭載して画像を
形成し、評価した。その結果を表2の実験例10、11
に示す。
【0045】本発明に含まれないギヤ部の肉厚が3.6
mmで、ギヤ部内に中央孔と外周部を繋ぐリブを形成し
た樹脂フランジのたわみ量は0.10mm以下であり、
強度的には問題なかったが、リブによる「ひけ」の発生
のため、寸法精度の点で、リブを設けないフランジに比
べて問題があり、画像評価においてもジッタ画像が発生
した。さらに、リブを形成すると、樹脂の使用量も多く
なり、コストも上昇することが問題であった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表2より、斜歯ギヤ部の直径が30mmφ
の斜歯ギヤ付きフランジではギヤ部のたわみ量が荷重5
000gのときに0.3mm以下である場合にジッタ画
像が発生せず、高品質な画像の得られることがわかる。
また、同直径が40mmφと60mmφのフランジでは
同たわみ量がそれぞれ0.35mmと0.55mmであ
るが、これらのたわみ量は前記各直径(mm)に100
分の1をかけた値の0.4mmと0.6mmよりそれぞ
れ小さいので、ジッタ画像は発生せず、良好であった。
【0049】表1から、斜歯ギヤ部内の円形壁部の位置
については、いずれの位置においてもたわみ量は0.3
mm以下であり、画像評価の結果も良好である。円形壁
部の位置が斜歯ギヤ部の最外側にあるAタイプのフラン
ジではたわみ量については0.2mmと良好であった
が、1万枚後のジッタ画像について10個中、1個の発
生があった。これは円形壁部によるいわゆる「ひけ」の
影響があったのではないかと推測される。しかし、この
Aタイプについては前記「ひけ」の影響を避けるように
最外側から少し内側の位置にすれば良いことは容易に理
解される。
【0050】また、この表1からは円形壁部の位置は斜
歯ギヤ部の中間部に設けたBタイプがジッタ画像評価で
は差が出ないものの、たわみ量が小さいので、A、Cの
各タイプより好ましいことが分かる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、円筒状導電性基体の外
周面に光導電性材料を含む感光層が形成された感光ドラ
ムと、この感光ドラムの開口端部内に接着圧入される嵌
合部と回転軸を支持する中心孔を有する円形壁部と前記
開口端部外に位置し回転駆動力および軸方向外力を前記
ドラムに伝達する斜歯ギヤ部とを有し、この斜歯ギヤ部
の内側に放射状リブを設けることなしに一体成形されて
なる樹脂フランジとを備える電子写真感光体において、
前記樹脂フランジの斜歯ギヤ部が、この斜歯ギヤ部の直
径方向に5000gの荷重をかけた時のたわみ量(T)
mmとして、 T≦D/100 30≦D≦60 D: 樹脂フランジの斜歯ギヤ部の直径(mm) で表される強度を有する電子写真感光体とすることによ
り、ギヤによる回転駆動力の伝達時に、高解像度であっ
て、カラー画像における色ズレ障害への影響が小さい高
精度な斜歯ギヤであって、回転駆動力の伝達時のギヤの
たわみによる解像度の劣化やカラー画像における色ズレ
障害への影響を少なくした斜歯ギヤを有する電子写真感
光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電子写真感光体の一部破断斜視
【図2】従来の電子写真感光体に圧入される斜歯ギヤ付
きフランジの断面図
【図3】本発明にかかる電子写真感光体に圧入される斜
歯ギヤ付きフランジの断面図
【図4】本発明にかかる電子写真感光体に圧入されるア
ース板付き斜歯ギヤ付きフランジの断面図
【図5】本発明にかかる斜歯ギヤ付きフランジのギヤ部
のたわみ量の測定装置の概略図
【符号の説明】
1 導電性円筒状基体 2 感光層 3 斜歯ギヤ部 4 嵌合部 5 中心孔 10 リブ 14 円形壁部 15 樹脂フランジ 31 平歯ギヤ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性円筒状基体の外周面に光導電性材
    料を含む感光層が形成された感光ドラムと、この感光ド
    ラムの開口端部内に圧入される嵌合部と回転軸を支持す
    る中心孔を有する円形壁部と前記開口端部外に位置し回
    転駆動力および軸方向外力を前記ドラムに伝達する斜歯
    ギヤ部とを有し、この斜歯ギヤ部の内側に放射状リブを
    設けることなしに一体成形されてなる樹脂フランジとを
    備える電子写真感光体において、前記樹脂フランジの斜
    歯ギヤ部が、この斜歯ギヤ部の直径方向に5000gの
    荷重をかけた時のたわみ量(T)mmとして、 T≦D/100 30≦D≦60 D: 樹脂フランジの斜歯ギヤ部の直径(mm) で表される強度を有することを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 樹脂フランジがポリカーボネート樹脂又
    はポリオキシメチレン樹脂を主成分とすることを特徴と
    する請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 円形壁部が斜歯ギヤ部内の略中間部に設
    けられていることを特徴とする請求項1または2記載の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 円形壁部が斜歯ギヤ部の開口側端部から
    5mm以内の内部に設けられていることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれか一項に記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 プロセスカートリッジに装着されること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の
    電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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