JP2003241392A - スケール製作方法及びその装置 - Google Patents

スケール製作方法及びその装置

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JP2003241392A
JP2003241392A JP2002042544A JP2002042544A JP2003241392A JP 2003241392 A JP2003241392 A JP 2003241392A JP 2002042544 A JP2002042544 A JP 2002042544A JP 2002042544 A JP2002042544 A JP 2002042544A JP 2003241392 A JP2003241392 A JP 2003241392A
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Japan
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scale
pattern
resist
plating
forming step
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Application number
JP2002042544A
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English (en)
Inventor
Tetsuto Takahashi
哲人 高橋
Toshihiro Komi
利洋 小見
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、変位検出装置に用いられる
スケールを、高い精度で簡単に製作することのできるス
ケール製作方法を提供することにある。 【解決手段】 変位検出装置に用いられるスケールの製
作方法において、剛性が高く、環境変化に対する寸法変
化が少ない基板112に対し、形成を予定しているスケ
ールパターンの間隙に対応する部分をマスクするレジス
トパターン118を、該形成を予定しているスケールパ
ターンの厚さよりも厚く形成するレジストパターン形成
工程(S116,S118)と、該レジストパターン形
成工程(S116,S118)後のマスクしていない部
分にめっきにより金属114を、該形成を予定している
スケールパターンの厚さまで積み上げるスケールパター
ン形成工程(S120)と、を備えたことを特徴とする
スケール製作方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスケール製作方法及
びその装置、特に光学式、電磁誘導式の変位検出装置に
用いられるスケールを、高い精度で簡単に製作すること
のできる手法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種測定器、工作機械、さら
に最近は、各種情報機械などにも相対移動する二つの部
材の変位量を検出するため、各種変位検出装置が用いら
れておいる。例えば高精度測定には光学式変位検出装置
等、また水、油、クーラント液により汚染される可能性
のある環境では、電磁誘導式変位検出装置等が汎用され
ている。変位検出装置は、送信パターン及び受信パター
ンが形成される検出ヘッドと、スケールパターンが形成
され、該検出ヘッドに対し相対移動可能に並列配置され
るスケールを備える。そして、前記検出ヘッドとスケー
ルとの相対移動による受信パターンでの検出信号の変化
を検出することにより、該検出ヘッドとスケールの相対
移動量を検出している。
【0003】ところで、変位検出装置用のスケール10
は、例えば図8に示すように構成される。同図に示すス
ケール10は、基板12と、該基板12上に形成される
スケールパターン14と、保護層16を備える。従来、
このような変位検出装置用スケール10の製作方法とし
ては、基板12として一般的な銅貼りガラスエポキシ樹
脂基板にフォトリソ技術で、パターン14を作成する方
法を採用していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記光
学式、電磁誘導式の変位検出装置に用いられるスケール
の製作方法として、前記従来方法をそのまま用いたので
は、高分解能化を図る際の製作容易性、完成したスケー
ルを変位検出装置に用いた時の検出精度等は、改善の余
地が残されていた。本発明は前記従来技術の課題に鑑み
なされたものであり、その目的は変位検出装置に用いら
れるスケールを、高い精度で簡単に製作することのでき
るスケール製作方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、前記光学
式、電磁誘導式の変位検出装置に用いられるスケール
を、高い精度で簡単に製作することのできる手法につい
て鋭意検討を行った結果、これらの変位検出装置に用い
られるスケールには、一般的なプリント配線板等とは異
なる特性が求められ、その特性として次のようなものが
非常に重要であるとの知見に至った。スケールに形成
されるスケールパターンのエッジ部分がだれることなく
シャープに形成されていること。基板が温度、湿度の
変化に対して影響されずに寸法精度が安定しているこ
と。
【0006】光学式、電磁誘導式の変位検出装置に用い
られるスケールは、これらの特性を満足することが非常
に重要である。このために基板として数ある材質の中か
らガラス或いはセラミックス素材を採用し、かつパター
ン形成方法として数ある方法の中からめっきを積み上げ
る方法を組合せることが、光学式、電磁誘導式変位検出
装置用スケールの製作では、非常に重要であることを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、プリント
配線板として求められる特性は、単にパターンに電気を
流すことであり、その厚さは電気負荷搬送能力等を考慮
しても、2μm程度である。このために、電磁誘導式変
位検出装置に用いられるスケールのように、パターンを
コイルとして必要な厚さ例えば18μm等まで厚く考慮
する必要がない。しかもプリント配線板では、パターン
間隙の絶縁が保たれているだけで十分であるので、光学
式、電磁誘導式の変位検出装置に用いられるスケールの
ように、スケールパターンの根元部分の形状を考慮する
必要がない。
【0007】また変位検出装置に用いられるスケールと
しては、その他に光電式等のものがあるが、該光電式で
は、パターンの表面積が重要であり、光学式、電磁誘導
式のようにスケールパターンの根元部分の形状を考慮す
る必要がなく、また電磁誘導式のようにパターンの厚さ
を考慮する必要がない。これに対し、電磁誘導式では、
コイルを形成するため、パターンがコイルとして必要な
厚さまで厚く、しかも高分解能化のためにはパターンが
単に厚いだけでは足りず、前記光学式と同様、スケール
に形成されるスケールパターンのエッジ部分がだれるこ
となくシャープに形成されていることが非常に重要であ
る。また光学式、電磁誘導式の変位検出装置用スケール
では、パターンを形成する銅箔の表面に凹凸があると、
この凹凸の影響(表皮効果)により表面が滑らかなもの
に比べて検出される信号が減衰してしまう。
【0008】ここで、光学式、電磁誘導式の変位検出装
置に用いられるスケールの製作方法として、従来方法、
つまり銅貼りガラスエポキシ樹脂基板にレジストパター
ンを形成し、エッチングにより結合コイルのパターンを
形成していたのでは、図9に示すように、エッチング後
にレジストパターン18の下部に位置するスケールパタ
ーン14の導体部分は、断面形状が略富士山となってし
まう。これは、高い分解能化を図るために導体間隙を小
さくしようとする際、一般的なプリント配線板等のパタ
ーンの厚さ程度ではあまり問題とはならないが、電磁誘
導式変位検出装置用スケールのようにコイルとして必要
な厚さでは、パターンの根元部分のエッジがきちんと立
ち上がっていないと、隣り合うパターンが干渉してしま
うので、分解能を上げる際の障害となる。
【0009】このように本発明は、一般的なプリント配
線板等に求められる特性とは異なる光学式、電磁誘導式
の変位検出装置の特性を考慮し、パターンのエッジをき
ちんと立ち上げると同時に、基板が温度、湿度の変化に
対して影響されずに寸法精度を安定させるために、スケ
ールパターン形成方法として数ある方法の中から、めっ
きを積み上げる方法を採用している。ここで、単にめっ
きを積み上げる方法を採用しても、製作時に基板にうね
りがあると、設計通りのパターンの厚さとエッジ形状が
得られないことがある。このめっきを積み上げる方法の
効果を十分に発揮させるためには、組み合わせる基板の
選択も重要である。
【0010】また測定精度を向上させるためには、スケ
ールと検出ヘッドとのギャップをいかに一定に保てるか
が重要である。ギャップを一定に保つためには、やはり
基板のうねりをできる限り小さくすることが重要である
との知見に至った。このように本発明者らは、一般的な
プリント配線板等とは異なる特性を得るために、つまり
めっきを積み上げる方法の効果を十分に発揮させると同
時に、測定精度をより向上させるためにも、基板とし
て、温度、湿度の変化に対して影響されずに寸法精度が
安定している、特に窓ガラス等に用いられる青板ガラ
ス、或いは電子用セラミックス素材を採用することが、
コスト対前記効果も考慮すると最適であると考える。
【0011】そして、このめっきを積み上げる方法を、
ガラス或いはセラミックス基板に対し採用することは、
一般的なプリント配線板等とは異なる目的、つまりスケ
ールの高精度化と、検出ヘッドでの電気的負担とのトレ
ードオフを容易にするためにも重要である。すなわち、
光学式、電磁誘導式の変位検出装置では、スケールは検
出ヘッドと組合わせて検出に用いられ、分解能を上げる
手法としては、まずスケールの高精度化と、検出ヘッド
での電気的負担のかけ方により、2種類の考え方があ
る。
【0012】第一は、スケールを従来方法で製作し、検
出ヘッドでの電気的負担を重くすることにより、高い分
解能化を実現しようとする考え方である。第二は、スケ
ールを本発明を用いて高い精度で製作することにより、
検出ヘッドでの電気的負担を第一の考え方に比較し軽く
することにより、高分解能化を実現しようとする考え方
である。
【0013】しかしながら、第一の考え方では、スケー
ル自体が温度、湿度等の環境変化に対して伸び縮みし、
該スケールと組合せた検出ヘッドからの信号が、素性の
悪いものとなるので、検出ヘッドでの電気処理の負担を
いくら大きくしても、読取り精度を高めることができな
い。これに対し、第二の考え方のように、スケールを予
め高い精度で製作しておけば、該スケールと組合せた検
出ヘッドからの信号は素性のよいものとなる。これによ
り、検出ヘッドでの電気処理の負担を重くしたり軽くし
たりすることにより、読取り精度も高めたり、適当な精
度まで落としたりすることができる。ここで、予めスケ
ールを予め高い精度で製作しておくことにより、検出ヘ
ッドでの電気的負担を軽くすることは、作り手には楽で
あるので、第二の考え方を重要と考える。
【0014】ここで、第二の考え方であっても、スケー
ルの高精度化と検出ヘッドの電気的負担の違いにより、
基板の種類とスケールパターンの形成方法を変えていた
のでは、基板の調達、製作装置の変更等が必要なため、
コスト高、作業の複雑化が考えられる。そこで、本実施
形態では、予めスケールの高精度化と検出ヘッドの電気
的負担のかけ方の違いにも柔軟に対応できるようにして
いる。例えばスケールを予め高い精度で製作しておき、
該スケールと組合せた検出ヘッドからの素性の良い信号
を取っておくことにより、電気的な負担を軽くすること
ができるようにしている。このためにも、光学式、電磁
誘導式の変位検出装置に用いられるスケールでは、めっ
きを行う基板の選択は非常に重要であり、前述のような
理由により予め青板ガラス、或いは電子用セラミックス
素材を採用しておくことが、コスト対前記効果も考慮す
ると最適であると考える。
【0015】このように本発明者らは、前述のような理
由により、光学式、電磁誘導式の変位検出装置に用いら
れるスケールの製作には、前記基板の選択と前記スケー
ルパターンの形成方法との組合せが、非常に重要である
ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
前記目的を達成するために本発明にかかるスケール製作
方法は、スケールパターンが形成されたスケールと、該
スケールに対向配置されると共に相対移動可能な相対変
位量を検出する検出ヘッドと、を備えた変位検出装置に
用いられる前記スケールの製作方法において、レジスト
パターン形成工程と、スケールパターン形成工程と、を
備えることを特徴とする。
【0016】ここで、前記レジストパターン形成工程
は、剛性が高く、環境変化に対する寸法変化が少ない基
板に対して形成を予定しているスケールパターンの間隙
に対応する部分をマスクするレジストパターンを前記ス
ケールパターンの厚さよりも厚く形成する。また前記ス
ケールパターン形成工程は、前記レジストパターン形成
工程後のマスクしていない部分に、めっきにより金属
を、前記形成を予定しているスケールパターンの厚さま
で積み上げる。
【0017】ここにいう環境変化とは、例えば温度、湿
度等をいう。またここにいうスケールパターンとは、例
えば電磁誘導式では結合コイルをいい、光学式では光学
格子をいう。なお、本発明において、前記基板は、温
度、湿度等の環境変化の影響を受け難く寸法精度が安定
しているガラス基板又はセラミックス基板であることが
好適である。
【0018】また本発明においては、前処理工程と、中
間層めっき工程と、種層めっき工程と、前記レジストパ
ターン形成工程としてのレジスト膜生成工程及び露光・
現像工程と、前記結合パターン形成工程としてのめっき
工程と、レジスト剥離工程と、エッチング工程と、保護
膜形成工程と、を備えることが好適である。ここで、前
記前処理工程は、前記ガラス基板のスケールパターン形
成予定面に対し前処理を行う。
【0019】また前記中間層めっき工程は、前記前処理
工程後に、前記ガラス基板に対しめっきを行うことによ
り該ガラス基板上に中間層を設ける。前記種層めっき工
程は、前記中間層めっき工程後の前記中間層上に種層を
設ける。前記レジスト膜生成工程は、前記種層めっき工
程後の種層上にめっき用のレジスト膜を設ける。
【0020】前記露光・現像工程は、前記レジスト膜の
スケールパターン対応部に露光を行い、該露光後に該露
光において未露光部のレジスト膜を除去することによ
り、スケールパターン形成予定部に間隙が位置するめっ
き用のレジストパターンを形成する。前記めっき工程
は、前記露光・現像工程後に、無電解めっき及び電解め
っきを順に行うことにより、前記レジストパターンの間
隙に金属をスケールパターンとして必要な厚さまで積み
上げる。前記レジスト剥離工程は、前記めっき工程後に
前記レジストを剥離する。
【0021】前記エッチング工程は、前記レジスト剥離
工程後に前記種層及び前記中間層のエッチングを行う。
前記保護膜形成工程は、前記エッチング後に、少なくと
も前記スケールパターンに対し保護膜を形成する。また
本発明においては、前処理工程と、前記レジストパター
ン形成工程としてのレジスト膜生成工程及び露光・現像
工程と、前記結合パターン形成工程としてのめっき工程
と、レジスト剥離工程と、保護膜形成工程と、を備える
ことが好適である。
【0022】ここで、前記前処理工程は、前記セラミッ
クス基板のパターン形成予定面に対し前処理を行う。ま
た前記レジスト膜生成工程は、前記前処理工程後に、前
記セラミックス基板上にめっき用のレジスト膜を設け
る。前記露光・現像工程は、前記レジスト膜のスケール
パターン対応部に露光を行い、該露光後に該露光におい
て未露光部のレジスト膜を除去することにより、スケー
ルパターン形成予定部に間隙が位置するめっき用のレジ
ストパターンを形成する。
【0023】前記めっき工程は、前記露光・現像工程後
の前記セラミックス基板上に無電解めっき及び電解めっ
きを順に行うことにより、金属を前記レジストパターン
の間隙に沿って、スケールパターンとして必要な厚さま
で積み上げる。前記レジスト剥離工程は、前記めっき工
程後に前記レジストを剥離する。前記保護膜形成工程
は、前記レジスト剥離工程後に、少なくとも前記スケー
ルパターンに対し保護膜を形成する。
【0024】また本発明においては、結合コイルとして
のスケールパターンを備えた前記スケールと、送信コイ
ルとしての送信パターン及び受信コイルとしての受信パ
ターンを備えた検出ヘッドと、を備えた変位検出装置に
用いられる前記スケールの製作方法において、前記レジ
ストパターン形成工程は、剛性が高く、環境変化に対す
る寸法変化が少ない絶縁基板に対し、形成を予定してい
るスケールパターンの間隙部分をマスクするレジストパ
ターンを前記スケールパターンの厚さより厚く形成す
る。
【0025】また前記スケールパターン形成工程は、前
記レジストパターン形成工程後のマスクしていない部分
に、めっきにより金属を、前記形成を予定しているスケ
ールパターンの厚さまで積み上げることが好適である。
なお、ここにいう形成を予定している結合コイルの厚さ
とは、結合コイルとして必要な厚さ以上の厚さをいう。
【0026】また前記目的を達成するために本発明にか
かるスケール製作装置は、スケールパターンが形成され
たスケールと、該スケールに対向配置されると共に相対
移動可能な相対変位量を検出する検出ヘッドと、を備え
た変位検出装置に用いられる前記スケールの製作装置に
おいて、レジストパターン形成手段と、スケールパター
ン形成手段と、を備えることを特徴とする。ここで、前
記レジストパターン形成手段は、剛性が高く、環境変化
に対する寸法変化が少ない基板に対し、形成を予定して
いるスケールパターンの間隙部分をマスクするレジスト
パターンを前記スケールパターンの厚さよりも厚く形成
する。
【0027】また前記スケールパターン形成手段は、前
記レジストパターン形成後のマスクしていない部分に、
めっきにより金属を、前記形成を予定しているスケール
パターンの厚さまで積み上げる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の好適
な一実施形態について説明する。第一実施形態 図1には本発明の第一実施形態にかかるスケール製作装
置の概略構成が示されている。本実施形態では、絶縁基
板として青板ガラス素材を用いて、電磁誘導式変位検出
装置用のスケールを製作する例について説明する。同図
に示すスケール製作装置120は、前処理手段122
と、中間層めっき手段124と、種層めっき手段126
と、レジスト膜生成手段(レジストパターン形成手段)
128と、レジストパターン形成手段130と、配線用
めっき手段(スケールパターン形成手段)132と、レ
ジスト剥離手段134と、エッチング手段136と、保
護膜形成手段138と、搬送手段140を備える。
【0029】前記前処理手段122は、剛性が高く、温
度、湿度等の環境変化に対する伸び縮みが少ない、青板
ガラス素材よりなるガラス基板(絶縁基板)112の表
面(スケールパターン形成予定面)に対し、例えば粗化
等の前処理を行う。前記中間層めっき手段124は、前
記前処理後のガラス基板112の表面に対し、例えば無
電解ニッケルめっきを行うことにより、前記ガラス基板
112上にニッケル層(中間層)を設ける。
【0030】前記種層めっき手段126は、例えば前記
中間層めっき後のガラス基板112に対し、フラッシュ
銅めっきを行うことにより、前記ニッケル層上に種層と
しての銅層を設ける。前記レジスト膜生成手段128
は、前記種層銅めっき後のガラス基板112に対し、例
えばめっきレジストをコーティング、或いはめっき用感
光性フィルム等をラミネートすることにより、前記銅層
上にレジスト膜を設ける。このレジスト膜の厚さは、形
成を予定しているスケールパターンの銅の厚さより厚く
設ける。
【0031】前記レジストパターン形成手段130は、
例えば露光部142と、現像部144等よりなる。露光
部142は、前記レジスト膜のスケールパターン対応部
に露光を行う。現像部144は前記露光において未露光
部のレジストを除去することにより、スケールパターン
形成予定部に間隙が位置するめっきレジストパターンを
形成する。前記配線用めっき手段132は、前記めっき
レジストパターン形成後のガラス基板112に対し、薄
い無電解銅めっきを行い、その後、厚い電解銅めっきを
行うことにより、レジストパターンの間隙に銅(金属)
を結合コイルとして必要な厚さまで積み上げる。
【0032】前記レジスト剥離手段134は、前記配線
用めっき後の前記レジストを剥離する。前記エッチング
手段136は、前記レジスト剥離後の前記種層としての
銅層、中間層としてのニッケル層のエッチングを行う。
前記保護膜形成手段138は、前記エッチング後のガラ
ス基板112に対し、フィルム等の保護膜を設けると、
スケールを完成する。前記搬送手段140は、例えばベ
ルトコンベア等よりなり、前記各作業の終了毎に前記ガ
ラス基板112を後段の前記手段に搬送していく。
【0033】本実施形態にかかるスケール製作装置12
0は概略以上のように構成され、以下にその作用につい
て説明する。図2に示すように本実施形態にかかるスケ
ール製作方法は、前処理工程(S110)と、中間層め
っき工程(S112)と、種層めっき工程(S114)
と、レジスト膜生成工程(S116)と、レジストパタ
ーン形成工程(S118)と、配線用めっき工程(スケ
ールパターン形成工程)(S120)と、レジスト剥離
工程(S122)と、エッチング工程(S124)と、
保護膜形成工程(S126)を備える。
【0034】前記前処理工程(S110)は、青板ガラ
ス素材等よりなるガラス基板112の表面に対し、例え
ば粗化等の前処理を行う。例えば同図(A)に示すよう
なガラス基板112の表面に対し、微細な凹凸をつける
ことにより、後述するめっきとの密着性を向上させる。
ここで、本実施形態では、一般的なプリント配線板等に
求められる特性とは異なる、前記電磁誘導式変位検出装
置用スケールに求められる特性,を同時に満たした
いために、また前記スケールの高精度化と検出ヘッドの
電気的負担とのトレードオフを容易にしたいために、後
述するスケールパターン形成を行う絶縁基板として、例
えば窓板ガラス等に汎用されている青板ガラス素材より
なるガラス基板112を採用している。
【0035】前記中間層めっき工程(S112)は、前
記前処理工程(S110)後のガラス基板112の表面
に対し、例えば無電解ニッケルめっきを行うことによ
り、同図(B)に示すように前記ガラス基板112上に
ニッケル層146を設ける。前記種層めっき工程(S1
14)は、例えば前記中間層めっき工程(S112)後
のガラス基板112に対し、フラッシュ銅めっきを行う
ことにより、同図(C)に示すように前記ニッケル層1
46上に種層としての銅層148を設ける。前記レジス
ト膜生成工程(S116)は、前記種層銅めっき工程
(S114)後のガラス基板112に対し、例えばめっ
きレジストをコーティング、或いはめっき用感光性フィ
ルム等をラミネートすることにより、同図(D)に示す
ように前記銅層148上に、めっき用のレジスト膜15
0を設ける。
【0036】このとき、本実施形態では、後段でのめっ
きがこぼれないように、前記レジスト膜150の厚さ
を、形成を予定している銅めっきの厚さより厚くしてい
る。前記レジストパターン形成工程(S118)は、前
記レジスト膜150のスケールパターン対応部に露光を
行い、その後、前記露光において未露光部のレジスト膜
150を除去することにより、スケールパターン形成予
定部に間隙が位置する、同図(E)に示すような、めっ
き用のレジストパターン118を形成する。前記配線用
めっき工程(S120)は、前記レジストパターン形成
工程(S118)後のガラス基板112に対し、薄い無
電解銅めっきを行い、その後、厚い電解銅めっきを行う
ことにより、同図(F)に示すようにレジストパターン
118の間隙に銅114を結合コイルとして必要な厚さ
まで積み上げる。
【0037】ここで、本実施形態では、一般的なプリン
ト配線板等に求められる特性とは異なる前記特性,
を同時に満たしたいために、前記スケールの高精度化と
検出ヘッドの電気的負担とのトレードオフを容易にした
いために、ガラス基板112に対するスケールパターン
形成方法として、めっきを積み上げる方法を採用してい
る。前記レジスト剥離工程(S122)は、同図(G)
に示すように前記配線用めっき工程(S120)後に前
記レジスト118を剥離する。前記エッチング工程(S
124)は、同図(H)に示すように前記レジスト剥離
工程(S122)後に前記種層としての銅層148、中
間層としてのニッケル層146のエッチングを行う。前
記保護膜形成工程(S126)は、前記エッチング工程
(S124)後のガラス基板112に対し、同図(I)
に示すようにフィルム等の保護膜152を設けると、電
磁誘導式変位検出装置用のスケール110を完成する。
【0038】この結果、本実施形態では、図3に示すよ
うにガラス基板112上に中間層としてのニッケル層1
46,種層としての銅層148、及び銅層114よりな
るパターンが、根元部分のエッジがきっちりと立ち上が
った状態で形成される。以上のように本実施形態は、レ
ジストパターン形成後のガラス基板に対し、銅をめっき
により結合コイルとして必要な厚さまで積み上げるスケ
ールパターン形成手段を組み合わせることによりはじめ
て、一般的なプリント配線板等に求められる特性とは異
なる前記電磁誘導式変位検出装置の特性を同時に満たす
ことができる。したがって、本実施形態は、電磁誘導式
変位検出装置用スケールを高い精度で簡単に製作するこ
とができる。これによりスケールの高精度化と検出ヘッ
ドの電気的負担とのトレードオフを容易に行うこともで
きる。
【0039】第二実施形態 図4には本発明の第二実施形態にかかるスケール製作装
置の概略構成が示されている。本実施形態では、絶縁基
板としてセラミックス素材を用いて、電磁誘導式変位検
出装置用スケールを製作する例について説明する。な
お、前記第一実施形態と対応する部分には符号100を
加えて示し説明を省略する。同図に示すスケール製作装
置220は、前処理手段222と、レジスト膜生成手段
224と、レジストパターン形成手段230と、第一の
配線用めっき手段(スケールパターン形成手段)232
aと、第二の配線用めっき手段(スケールパターン形成
手段)232bと、レジスト剥離手段234を備える。
【0040】前記前処理手段222は、例えばセラミッ
クス基板212の表面の平面度の調整等の前処理を行
う。前記レジスト膜生成手段224は、例えば前記前処
理後のセラミックス基板212上にめっき用のレジスト
膜を設ける。前記レジストパターン形成手段230は、
スケールパターン形成予定部に間隙が位置するめっき用
のレジストパターンを形成する。前記第一の配線用めっ
き手段232aは、例えばレジストパターン形成後のセ
ラミックス基板212を、無電解銅めっき浴に浸せきす
ることにより、前記セラミックス基板212上のレジス
トパターンの間隙に、銅を薄く析出させる。
【0041】前記第二の配線用めっき手段232bは、
例えば前記第一配線用めっき後のセラミックス基板21
2を、電解銅めっき浴に浸せきすることにより、前記セ
ラミックス基板212上のレジストパターンの間隙に銅
を厚く析出させる。これにより銅を結合コイルとして必
要な厚さまで積み上げる。前記レジスト剥離手段234
は、前記配線用めっき後の前記レジストを剥離する。そ
して、前記レジスト剥離後に保護膜を形成すると、電磁
誘導式変位検出装置用のスケールを完成する。
【0042】本実施形態にかかるスケール製作装置22
0は概略以上のように構成され、以下にその作用につい
て説明する。図5に示すように本実施形態にかかるスケ
ール製作方法は、前処理工程(S210)と、レジスト
膜生成工程(S212)と、レジストパターン形成工程
(S218)と、第一の配線用めっき工程(スケールパ
ターン形成工程,S220a)と、第二の配線用めっき
工程(スケールパターン形成工程,S220b)と、レ
ジスト剥離工程(S222)を備える。
【0043】前記前処理工程(S210)は、例えば同
図(A)に示すようなセラミックス基板212の表面
(スケールパターン形成予定面)の平面度の調整等の前
処理を行う。ここで、本実施形態では、セラミックス基
板212の採用理由として、一般的なプリント配線板等
における、単に絶縁基板にめっきが載り易い等の理由と
は異なり、前記電磁誘導式変位検出装置用スケールに求
められる特性を同時に満たしたいために、またスケール
の高精度化と検出ヘッドの電気的負担とのトレードオフ
を容易にしたいためにも、後述するスケールパターン形
成を行う絶縁基板として、セラミックス基板212を採
用している。
【0044】また本実施形態であっても、セラミックス
基板212の面は元々粗く、めっきが載り易いので、前
記第一実施形態に比較し、基板表面(スケールパターン
形成予定面)の粗化等の前処理を省略することができ
る。前記レジスト膜生成工程(S212)は、例えば同
図(B)に示すように前記前処理後のセラミックス基板
212上に、めっき用のレジスト膜250を設ける。前
記レジストパターン形成工程(S218)は、同図
(C)に示すようにセラミックス基板212のスケール
パターン形成予定部に間隙が位置する、めっき用のレジ
ストパターン218を形成する。前記第一の配線用めっ
き工程(S220a)は、例えばレジストパターン形成
後のセラミックス基板212を、無電解銅めっき浴に浸
せきすることにより、同図(D)に示すように前記セラ
ミックス基板212上に銅214aを、レジストパター
ン218の間隙に沿って薄く析出させる。
【0045】前記第二の配線用めっき工程(S220
b)は、例えば前記第一配線用めっき後のセラミックス
基板212を、電解銅めっき浴に浸せきすることによ
り、同図(E)に示すように前記セラミックス基板21
2の薄い銅214a上に銅214bを、レジストパター
ン218の間隙に沿って厚く析出させる。これにより銅
214bを結合コイル(スケールパターン)として必要
な厚さまで積み上げる。このように本実施形態では、前
記一般的なプリント配線板等に求められる特性とは異な
る電磁誘導式変位検出装置の特性を同時に満たしたいた
めに、また前記スケールの高精度化と検出ヘッドの電気
的負担とのトレードオフを容易にしたいためにも、前記
セラミックス基板に対するスケールパターン形成方法と
して、めっきを積み上げる方法を採用している。
【0046】しかも、本実施形態では、電磁誘導式変位
検出装置用スケールの絶縁基板として、セラミックスを
採用しているので無電解銅めっきが容易に付く。前記レ
ジスト剥離工程(S222)は、同図(F)に示すよう
に前記配線用めっき後に前記レジスト218を剥離す
る。そして、前記レジスト剥離後に保護膜を形成する
と、スケールを完成する。この結果、本実施形態では、
前記第一実施形態と同様、絶縁基板上に銅パターンが、
根元部分のエッジがきっちりと立ち上がった状態で形成
される。
【0047】以上のように本実施形態では、前記第一実
施形態と同じ理由により、電磁誘導式変位検出装置用ス
ケールの絶縁基板としてセラミックス基板を採用し、ま
たレジストパターンを形成するレジストパターン形成手
段と、前記レジストパターン形成後に銅をめっきにより
積み上げるスケールパターン形成手段を備えることとし
た。この結果、本実施形態は、一般的なプリント配線板
等に求められる特性とは異なる電磁誘導式変位検出装置
の特性,を同時に満たすことができる。
【0048】したがって、本実施形態は、前記第一実施
形態と同様、電磁誘導式変位検出装置のスケールを高い
精度で簡単に製作することができる。これにより前記ス
ケールの高精度化と検出ヘッドの電気的負担とのトレー
ドオフを容易に行うことができる。さらに、本実施形態
は、セラミックス基板の表面は元々粗く、めっきが載り
やすいので、前記第一実施形態に比較し、該絶縁基板の
表面の粗化、中間層めっき、種層めっき等の工程を省略
することができるので、スケールの製作がより簡単とな
る。
【0049】<導体幅>前記一般的なプリント配線板等
に求められる特性とは異なる電磁誘導式変位検出装置の
特性、前記スケールの高精度化と、検出ヘッドの電気的
負担とのトレードオフを容易に行えるようにするため等
の理由のほかに、特に結合コイルの導体幅が100μm
以下(導体厚さ(h)と導体幅(w)の比(h/w)
が、1/5以下)、導体間隙が100μm以下の電磁誘
導式変位検出装置用スケールを製作する際は、青板ガラ
ス素材或いはセラミックスに対し、パターン形成方法と
してめっきにより導体を積み上げる方法を採用せざるを
得ない。すなわち、電磁誘導式変位検出装置用スケール
の結合コイルのスケールパターンとして、現状は例えば
導体厚さが20μm、導体幅が120μm、導体間隙が
120μmが一例として挙げられるが、更に分解能を高
めるためには、導体幅、導体間隙を小さくする必要があ
る。
【0050】このとき、例えば導体幅が約100μm以
下(導体厚さ(h)と導体幅(w)の比(h/w)が、
1/5以下)、導体間隙が約100μm以下に、導体
幅、導体間隙を小さくするのに、前記従来方法を用いた
のでは、前記スケールパターンの根元部分の断面形状が
略富士山となってしまい、隣り合う導体が干渉してしま
う問題が顕著に現れてしまうので、高分解能化が困難と
なってしまう。そこで、本実施形態では、導体幅が約1
00μm以下(導体厚さ(h)と導体幅(w)の比(h
/w)が、1/5以下)、導体間隙が100μm以下に
電磁誘導式変位検出装置用スケールを製作する際におい
ても、パターン形成方法として数ある方法の中からめっ
きにより導体を積み上げる方法を採用し、これを青板ガ
ラス素材或いはセラミックスの絶縁基板に組合せること
が、特に好ましい。
【0051】<電磁誘導式変位検出装置>本実施形態に
より製作されたスケールを、例えば図6に示すような電
磁誘導式変位検出装置のスケールとして使用することが
可能である。図6には電磁誘導式位置検出装置354の
概略構成が示されている。同図に示す電磁誘導式位置検
出装置354は、検出ヘッド356と、該検出ヘッド3
56に対しエアギャップを設け、本実施形態により製作
され図中左右方向に相対移動可能に並列配置されたスケ
ール310を備える。
【0052】前記検出ヘッド356は、矩形の第一送信
コイル358及び第二送信コイル360と、受信コイル
362が形成されている。前記スケール310は、送信
コイル358,360からの発生磁束を変調する閉ルー
プコイル等の結合コイル314が図中左右方向に形成さ
れている。この結合コイル314は、第一結合コイル3
64と、第二結合コイル366を備える。
【0053】第一結合コイル364は、検出ヘッド35
6の第一送信コイル358と磁気結合する駆動側ループ
部364aと、検出ヘッド356の受信コイル362と
磁気結合する受信側ループ部364bを備える。同様に
第二結合コイル366は、検出ヘッド356の第二送信
コイル360と磁気結合する駆動側ループ部366a
と、検出ヘッド356の受信コイル362と磁気結合す
る受信側ループ部366bを備える。そして、信号発生
手段368より単相交流の送信信号が送信コイル35
8,360に供給されると、ある時刻では第一送信コイ
ル358には反時計回りの電流が流れ、第二送信コイル
360には時計回りの電流が流れる。
【0054】この結果、第一送信コイル358には、ス
ケール310から検出ヘッド356方向の一次変動磁束
が発生し、スケール310の第一結合コイル364の駆
動側ループ部364aと鎖交すると、電磁誘導により該
コイル364の受信側ループ部364bには時計回りの
電流が生じる。すると、該受信側ループ部364bに
は、検出ヘッド356からスケール310方向の二次変
動磁束が発生する。また第二送信コイル360には、検
出ヘッド356からスケール310方向の一次変動磁束
が発生し、スケール310の第二結合コイル366の駆
動側ループ部366aと鎖交すると、電磁誘導により該
コイル366の受信側ループ部366bには反時計回り
の電流が生じる。すると、該受信側ループ部366bに
は、スケール310から検出ヘッド356方向の二次変
動磁束が発生する。
【0055】したがって、これらの結合コイル364,
366の受信側ループ部364b,366bによる、互
いに向き及び周期が異なる二の磁気パターンが形成さ
れ、受信コイル362に磁気結合される。すると、受信
コイル362は、スケール310との相対位置により変
動する受信信号を受信信号処理手段370に出力する。
受信信号処理手段370は受信コイル362からの受信
信号に基づき位相情報を制御手段372に出力する。制
御手段372は、受信信号処理手段370からの位相情
報に基づきスケール310と検出ヘッド356の図中左
右方向の相対移動量を求める。
【0056】前述のようにして、本実施形態により製作
されたスケールが組み込まれた変位検出装置より求めら
れた相対移動量は、該本実施形態のスケールが組み込ま
れていないものに比較し、測定精度が高くなる。また本
発明は、前記電磁誘導式変位検出装置に用いられるスケ
ールの製作に限定されるものではなく、光学式変位検出
装置に用いられるスケールの製作方法としても好まし
い。
【0057】<光学式変位検出装置>本実施形態により
製作した光学格子(スケールパターン)を備えたスケー
ルを、例えば図7に示すような反射型の光学式変位検出
装置474のスケール410として使用することも好ま
しい。同図に示す光学式変位検出装置474は、検出ヘ
ッド456と、該検出ヘッド456に対しエアギャップ
を設け、図中左右方向に相対移動可能に並列配置された
スケール410を備える。前記検出ヘッド456は、送
信パターンとしての発光側光学格子(図示省略)及び受
信パターンとしての受光側光学格子(図示省略)が平行
配置される。前記スケール410は、スケールパターン
としての光学格子476が形成される。
【0058】また検出ヘッド456は、前記各格子の重
なりあいの変化より、検出ヘッド456とスケール41
0との相対変位量を検出するための発光素子、受光素子
(図示省略)を備える。そして、発光素子から出射され
た光は、検出ヘッド456の発光側光学格子、スケール
410の光学格子476、該検出ヘッド456の受光側
光学格子を介して受光素子に至り、該受光素子は、前記
各格子で制限された照射光を光電変換し、検出信号を得
る。
【0059】ここで、光学格子476が、発光側光学格
子、受光側光学格子に対し相対移動すると、発光素子か
らの照射光の前記各格子により遮蔽される光量が徐々に
変化し、受光素子での検出信号は略正弦波として出力さ
れる。そして、前記光学格子476のピッチと前記検出
信号のピッチが対応するので、カウンタ478により検
出ヘッド456の受光素子からの検出信号の波数等をカ
ウントすることにより、検出ヘッド456とスケール4
10との相対移動量を測定するものである。このような
光学式変位検出装置474を、例えばNC工作機械48
0の移動テーブル等に設けると、該移動テーブル等の送
り量情報を正確に得ることができる。
【0060】また本実施形態により製作された光学格子
476を備えたスケール410は、細かいラインとスペ
ースで光学格子476を製造しても、そのエッジ部分が
きれいに立ち、エッチングが進み過ぎて、凹凸ができた
りエッジが乱れることがない。このため、該スケール4
10が組み込まれた同図に示す光学式変位検出装置47
4では、エッジの乱れによる変位検出精度の劣化を効果
的に防止することができる。なお、同図に示す光学式変
位検出装置474では、基板としてセラミックス基板を
用いたので、光反射型としたが、ガラス基板を用いるこ
とにより、光透過型、光反射型のどちらの型にも適用す
ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるスケ
ール製作方法及び装置によれば、剛性が高く、環境変化
に対する伸び縮みが少ない基板に対しレジストパターン
を形成するレジストパターン形成工程(手段)と、前記
レジストパターン形成後のマスクしていない部分に対し
めっきにより金属を積み上げるパターン形成工程(手
段)を備えることとした。この結果、本発明において
は、変位検出装置用スケールを高い精度で簡単に製作す
ることができる。また本発明において、前記基板は環境
変化の影響を受け難く寸法精度が安定している点で非常
に優れたガラス基板又はセラミックス基板であることに
より、変位検出装置用スケールを、より高い精度で、よ
り簡単に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態にかかるスケール製作装
置の概略構成の説明図である。
【図2】図1に示した製作装置により製作されていくス
ケールの様子の説明図である。
【図3】本発明により製作されたスケールの改善点であ
る導体のエッジ形状の説明図である。
【図4】本発明の第二実施形態にかかるスケール製作装
置の概略構成の説明図である。
【図5】図4に示した製作装置により製作されていくス
ケールの様子の説明図である。
【図6】本発明によって製造したスケールを適用するこ
とのできる電磁誘導式変位検出装置の概略構成の説明図
である。
【図7】本発明によって製造したスケールを適用するこ
とのできる光学式変位検出装置の概略構成の説明図であ
る。
【図8】変位検出装置に用いられるスケールの断面図で
ある。
【図9】従来方法を用いて製作されたスケールの問題点
である導体のエッジ形状の説明図である。
【符号の説明】
110,210 スケール 112 ガラス基板(絶縁基板) 114,214 銅パターン(スケールパターン,結合
コイル) 212 セラミックス基板(絶縁基板) 124,224 レジスト膜生成手段(レジストパター
ン形成手段) 130,230 レジストパターン形成手段 132,232a,232b めっき手段(スケールパ
ターン形成手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F077 AA25 CC02 NN05 NN08 NN09 NN10 NN16 PP10 VV02 VV12 VV33 2F103 BA01 BA08 CA03 DA01 EA05 EA15 EA19 EA20 EB01 EB11 EB32 ED21 2H097 LA09 LA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スケールパターンが形成されたスケール
    と、該スケールに対向配置されると共に相対移動可能な
    相対変位量を検出する検出ヘッドと、を備えた変位検出
    装置に用いられる前記スケールの製作方法において、 剛性が高く、環境変化に対する寸法変化が少ない基板に
    対して形成を予定しているスケールパターンの間隙に対
    応する部分をマスクするレジストパターンを前記スケー
    ルパターンの厚さよりも厚く形成するレジストパターン
    形成工程と、 前記レジストパターン形成工程後のマスクしていない部
    分に、めっきにより金属を、前記形成を予定しているス
    ケールパターンの厚さまで積み上げるスケールパターン
    形成工程と、 を備えたことを特徴とするスケール製作方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスケール製作方法におい
    て、 前記基板は、ガラス基板又はセラミックス基板であるこ
    とを特徴とするスケール製作方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のスケール製作方法におい
    て、 前記ガラス基板のスケールパターン形成予定面に対し前
    処理を行う前処理工程と、 前記前処理工程後に、前記ガラス基板に対しめっきを行
    うことにより該ガラス基板上に中間層を設ける中間層め
    っき工程と、 前記中間層めっき工程後の前記中間層上に種層を設ける
    種層めっき工程と、 前記種層めっき工程後の種層上にめっき用のレジスト膜
    を設ける、前記レジストパターン形成工程としてのレジ
    スト膜生成工程と、 前記レジスト膜のスケールパターン対応部に露光を行
    い、該露光後に該露光において未露光部のレジスト膜を
    除去することにより、スケールパターン形成予定部に間
    隙が位置するめっき用のレジストパターンを形成する、
    前記レジストパターン形成工程としての露光・現像工程
    と、 前記露光・現像工程後に、無電解めっき及び電解めっき
    を順に行うことにより、前記レジストパターンの間隙に
    金属をスケールパターンとして必要な厚さまで積み上げ
    る、前記スケールパターン形成工程としてのめっき工程
    と、 前記めっき工程後に前記レジストを剥離するレジスト剥
    離工程と、 前記レジスト剥離工程後に前記種層及び前記中間層のエ
    ッチングを行うエッチング工程と、 前記エッチング後に、少なくとも前記スケールパターン
    に対し保護膜を形成する保護膜形成工程と、 を備えたことを特徴とするスケール製作方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のスケール製作方法におい
    て、 前記セラミックス基板のパターン形成予定面に対し前処
    理を行う前処理工程と、 前記前処理工程後に、前記セ
    ラミックス基板上にめっき用のレジスト膜を設ける、前
    記レジストパターン形成工程としてのレジスト膜生成工
    程と、 前記レジスト膜のスケールパターン対応部に露光を行
    い、該露光後に該露光において未露光部のレジスト膜を
    除去することにより、スケールパターン形成予定部に間
    隙が位置するめっき用のレジストパターンを形成する、
    前記レジストパターン形成工程としての露光・現像工程
    と、 前記露光・現像工程後の前記セラミックス基板上に無電
    解めっき及び電解めっきを順に行うことにより、金属を
    前記レジストパターンの間隙に沿って、スケールパター
    ンとして必要な厚さまで積み上げる、前記スケールパタ
    ーン形成工程としてのめっき工程と、 前記めっき工程後に前記レジストを剥離するレジスト剥
    離工程と、 前記レジスト剥離工程後に、少なくとも前記スケールパ
    ターンに対し保護膜を形成する保護膜形成工程と、 を備えたことを特徴とするスケール製作方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のスケー
    ル製作方法において、結合コイルとしてのスケールパタ
    ーンを備えた前記スケールと、送信コイルとしての送信
    パターン及び受信コイルとしての受信パターンを備えた
    検出ヘッドと、を備えた変位検出装置に用いられる前記
    スケールの製作方法において、 前記レジストパターン形成工程は、剛性が高く、環境変
    化に対する寸法変化が少ない絶縁基板に対し、形成を予
    定しているスケールパターンの間隙部分をマスクするレ
    ジストパターンを前記スケールパターンの厚さより厚く
    形成し、 前記スケールパターン形成工程は、前記レジストパター
    ン形成工程後のマスクしていない部分に、めっきにより
    金属を、前記形成を予定しているスケールパターンの厚
    さまで積み上げることを特徴とするスケール製作方法。
  6. 【請求項6】 スケールパターンが形成されたスケール
    と、該スケールに対向配置されると共に相対移動可能な
    相対変位量を検出する検出ヘッドと、を備えた変位検出
    装置に用いられる前記スケールの製作装置において、 剛性が高く、環境変化に対する寸法変化が少ない基板に
    対し、形成を予定しているスケールパターンの間隙部分
    をマスクするレジストパターンを前記スケールパターン
    の厚さよりも厚く形成するレジストパターン形成手段
    と、 前記レジストパターン形成後のマスクしていない部分
    に、めっきにより金属を、前記形成を予定しているスケ
    ールパターンの厚さまで積み上げるスケールパターン形
    成手段と、 を備えたことを特徴とするスケール製作装置。
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