JP2003241111A - 撮影機能付双眼鏡 - Google Patents

撮影機能付双眼鏡

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JP2003241111A
JP2003241111A JP2002046091A JP2002046091A JP2003241111A JP 2003241111 A JP2003241111 A JP 2003241111A JP 2002046091 A JP2002046091 A JP 2002046091A JP 2002046091 A JP2002046091 A JP 2002046091A JP 2003241111 A JP2003241111 A JP 2003241111A
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observation optical
binoculars
optical system
pair
optical systems
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JP2002046091A
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Atsumi Kaneko
敦美 金子
Ken Hirunuma
謙 蛭沼
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Pentax Corp
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Pentax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影光学系と、撮像手段と、この撮像手段を
電子的に制御する制御手段とを具備する撮影機能付双眼
鏡であって、制御手段の電源スイッチの不用意な操作が
確実に回避され得るように構成された撮影機能付双眼鏡
を提供する。 【解決手段】 撮影機能付双眼鏡は、一対の観察光学系
(12R、12L)と、撮影光学系(68、70)と、
そこに組み合わされた撮像手段74と、この撮像手段を
電子的に制御する制御手段(72、82、84)と、該
制御手段に対する給電を制御する電源スイッチ手段(9
8、99)とを具備し、一対の観察光学系を合焦させる
べくその一部分がその他の部分に対して相対的に移動可
能な可動部分(16R、18R;16L、18L)とさ
れる。可動部分が最小位置にあるとき、電源スイッチ手
段はオフ状態とされ、可動部分が収納位置から最大拡張
位置に向かって移動させられると、電源スイッチ手段が
オフ状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影光学系と、こ
の撮影光学系に組み合わされた撮像手段と、この撮像手
段を電子的に制御する電子的制御手段とを具備して成る
撮影機能付双眼鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、双眼鏡は例えばスポーツ
観戦や野鳥観察等に利用される。このような場合、観戦
者及び観察者は写真として記録したい場面に屡々遭遇す
るが、しかし双眼鏡をカメラに持ち替える間にシャッタ
チャンスを逃すことは容易に想像し得る。そこで、双眼
鏡で観戦或いは観察中にシャッタチャンスを逃すことな
く直ちに撮影を行えるように、双眼鏡に撮影機能を搭載
することが既に提案されている。例えば、実開平6-2330
号公報には双眼鏡の上部に単にカメラ部を搭載したタイ
プの撮影機能付双眼鏡が開示されている。このような撮
影機能付双眼鏡には、当然、観察対象物を拡大して観察
するための一対の観察光学系と、該観察対象物を撮影す
るための撮影光学系とが設けられる。
【0003】双眼鏡に撮影機能を与えるためには、撮影
光学系に撮像手段を組み合わせることが必要となる。撮
像手段としては、銀塩フィルムを使用するタイプのもの
であってあってもよいし、或いは固体撮像素子を使用す
る所謂デジタルカメラのタイプのものであってもよい。
撮像手段が銀塩フィルムを使用するタイプのものとされ
るとき、該撮像手段については純粋に機械的に構成する
ことが可能であるが、しかし測光及び露光時間等を電子
的に制御するためには電子的制御手段が必要となる。一
方、撮像手段が固体撮像素子を使用する所謂デジタルカ
メラのタイプのものとされる場合には、該撮像手段にと
って電子的制御手段は不可欠のものとなる。いずれにし
ても、本発明は電子的制御手段を必要とする撮影機能付
双眼鏡に向けられ、このため撮影機能付双眼鏡には電子
的制御手段に給電するためのバッテリ電源を搭載するこ
とが当然必要となる。
【0004】撮影機能付双眼鏡の一対の観察光学系につ
いては無限遠の遠景だけに合焦が得られるような簡便な
双眼鏡機能としてもよいが、近景についても拡大観察し
得るようにするためには、一対の観察光学系に合焦機構
を組み込むことが要求される。勿論、一対の観察光学系
に合焦機構を与えるためには、各観察光学系の一部につ
いてはその他の部分に対して可動部分として構成するこ
とが必要となる。この場合、各観察光学系の可動部分は
無限遠景合焦位置と最近景合焦位置との間で移動自在と
され、このとき該観察光学系の全体配置は無限遠景合焦
位置で最もコンパクトな形態となり、最近景合焦位置で
最も拡張された形態となる。
【0005】一方、撮影機能付双眼鏡も通常の双眼鏡の
場合と同様に携帯性が重要視され、このため携帯時には
撮影機能付双眼鏡は最もコンパクトな形態とされること
が望まれる。かくして、撮影機能付双眼鏡の携帯時には
一対の観察光学系の双方の可動部分は無限遠合焦位置に
位置決めされた状態とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べたような撮
影機能付双眼鏡の撮影機能を使用するためには、先ず、
電源スイッチをオンにして、撮像手段に組み合わされた
電子的制御手段に給電することが必要となる。電源スイ
ッチについては、通常は、撮影機能付双眼鏡のケーシン
グの外部の適当な箇所に設けられる。しかしながら、そ
のような場合、撮影機能付双眼鏡の携帯時、例えば撮影
機能付双眼鏡を洋服のポケットやバッグ等の入れて持ち
運ぶときに、電源スイッチが不用意にオンされると、撮
影機能付双眼鏡のバッテリ電源が無駄に消費されるとい
うことになる。
【0007】従って、本発明の目的は、撮影光学系と、
この撮影光学系に組み合わされた撮像手段と、この撮像
手段を電子的に制御する電子的制御手段とを具備して成
る撮影機能付双眼鏡であって、その電源スイッチの不用
意な操作が確実に回避され得るように構成された撮影機
能付双眼鏡を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による撮影機能付
双眼鏡は、一対の観察光学系と、撮影光学系と、この撮
影光学系に組み合わされた撮像手段と、この撮像手段を
電子的に制御する電子的制御手段と、この電子的制御手
段に対する給電を制御する電源スイッチ手段とを具備す
る。一対の観察光学系を合焦させるべく各観察光学系の
一部分がその他の部分に対して相対的に移動可能な可動
部分とされ、各観察光学系の可動部分が該観察光学系の
全体配置を最もコンパクトな形態とするような最小位置
と該観察光学系の全体配置を最も拡張された形態とする
ような最大拡張位置との間で移動自在とされる。本発明
によれば、このような撮影機能付双眼鏡において、各観
察光学系の可動部分がその収容位置に置かれたとき、電
源スイッチ手段がオフ状態とされて電子的制御手段に対
する給電が停止され、各観察光学系の可動部分が位置か
ら最大拡張位置に向かって移動させられたとき、電源ス
イッチ手段がオフ状態からオン状態に移行して電子的制
御手段に対する給電が開始されることが特徴とされる。
【0009】本発明の好適な実施形態では、各観察光学
系の可動部分はその最小位置から電源スイッチ手段をオ
フ状態からオン状態に移行させるオフ/オン移行位置ま
で移動させられたとき、該観察光学系が無限遠の遠景に
対して合焦させられ、各観察光学系の可動部分がそのオ
フ/オン移行位置と最大拡張位置との間で移動させるこ
とにより、近景に対する該観察光学系の合焦が行われ
る。
【0010】本発明の別の好適な実施形態では、一対の
観察光学系に合焦を行わせるための転輪部が該一対の観
察光学系の間に配置され、該転輪部の回転運動を一対の
観察光学系の双方の可動部分の相対的移動に変換させる
運動変換機構が設けられる。一方、電源スイッチ手段は
観察光学系のその他の部分に対して不動に設けられた電
源スイッチと、この電源スイッチを操作するためのスイ
ッチ操作部とから成る。スイッチ操作部については。運
動変換機構の一部分であって、一対の観察光学系の双方
の可動部分と同期して移動する部分とされてもよいし、
或いは一対の観察光学系の双方の可動部分と共に同期し
て移動する部材とされてもよい。
【0011】本発明の更に別の好適な実施形態では、転
輪部は転輪軸筒の周囲拡張部として一体的に形成され、
転輪軸筒内には撮影光学系が設置され、これにより撮影
機能付双眼鏡の全体的な構成をコンパクトな形態とする
ことができる。好ましくは、撮影光学系を合焦させるべ
く転輪軸筒の回転運動を該撮影光学系の直線運動に変換
させる合焦機構が設けられる。
【0012】本発明の更に別の好適な実施形態では、少
なくとも一対の観察光学系を収容するためのケーシング
が設けられ、このケーシングが互いに相対的に移動可能
な2つのケーシング部分から構成され、ケーシング部分
の一方には一対の観察光学系の一方が収容され、ケーシ
ング部分の他方には前記一対の観察光学系の他方が収容
され、ケーシング部分を互いに相対的に移動させること
により一対の観察光学系の光軸間距離即ち眼幅が調整さ
れる。好ましくは、一対の観察光学系の光軸が所定の平
面内で移動するような態様で2つのケーシング部分が相
対的に平行運動させられ、これにより該一対の観察光学
系の光軸間距離の調整が行われる。
【0013】好ましくは、各観察光学系の可動部が上述
の最小位置に置かれたとき、一対の観察光学系はケーシ
ング内に収納さえた状態となる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発
明による撮影機能付双眼鏡の一実施形態について説明す
る。
【0015】先ず、図1を参照すると、本発明による撮
影機能付双眼鏡の内部構造が示され、図2を参照する
と、図1のII-II線に沿う断面図が示されている。本実
施形態では、撮影機能付双眼鏡は略直方形を呈するケー
シング10を具備し、このケーシング10はケーシング
本体部分10Aと可動ケーシング部分10Bとから成
る。
【0016】ケーシング10内には一対の観察光学系1
2R及び12Lが設けられ、この一対の観察光学系12
R及び12Lは左右対象な構成を有し、それぞれ右眼観
察用及び左眼観察用として使用される。右側観察光学系
12Rはケーシング本体部分10Aに組み込まれ、この
右側観察光学系12Rには対物レンズ系14R、正立プ
リズム系16R及び接眼レンズ系18Rが含まれる。ケ
ーシング本体部分10Aの前方壁には観察窓19Rが形
成され、この観察窓19Rは右側観察光学系12Rの対
物レンズ系14Rと整列させられる。また、左側観察光
学系12Lは可動ケーシング部分10B側に組み込ま
れ、この左側観察光学系12Lには対物レンズ系14
L、正立プリズム系16L及び接眼レンズ系18Lが含
まれる。可動ケーシング部分10Bの前方壁には観察窓
19Lが形成され、この観察窓19Lは左側観察光学系
12Lの対物レンズ系14Lと整列させられる。
【0017】なお、以下の記載では、説明の便宜上、前
方側及び後方側とはそれぞれ撮影機能付双眼鏡の観察光
学系(12R、12L)に対して対物側及び接眼側とし
て定義される。
【0018】可動ケーシング部分10Bはケーシング本
体部分10Aから左方側に引き出し得るように該ケーシ
ング本体部分10Aに対して摺動自在に係合させられ
る。即ち、可動ケーシング部分10Bは図2に示す収納
位置と図3に示す最大引出し位置との間で左右方向に移
動自在とされる。可動ケーシング部分10Bとケーシン
グ本体部分10Aとの間の摺動係合面には或る程度の摩
擦力が働くようになっており、このためケーシング本体
部分10Aに対して可動ケーシング部分10Bを移動さ
せる際には双方の部分10A及び10B間に所定以上の
引出し力或いは押込み力を及ぼすことが必要となる。要
するに、可動ケーシング部分10Bはその収納位置(図
2)と最大引出し位置(図3)との間の任意の位置で摩
擦力で留めておくことが可能である。
【0019】図2及び図3の比較から明らかなように、
可動ケーシング部分10Bがケーシング本体部分10A
から引き出されたとき、左側観察光学系12Lは可動ケ
ーシング部分10Bと共に移動するが、しかし右側観察
光学系12Rはケーシング本体部分10A側に留められ
る。即ち、可動ケーシング部分10Bをケーシング本体
部分10Aに対して任意の引出し位置に位置決めするこ
とにより、右側観察光学系12Rの接眼レンズ系18R
と左側観察光学系12Lの接眼レンズ系18Lとの光軸
間距離即ち眼幅を調節することが可能である。勿論、可
動ケーシング部分10Bがケーシング本体部分10Aに
対して収納位置に置かれたとき、右側及び左側観察光学
系12R及び12Lの光軸間距離は最小値となり(図
2)、可動ケーシング部分10Bがケーシング本体部分
10Aに対して最大引出し位置に置かれたとき、右側及
び左側観察光学系12R及び12Lの光軸間距離は最大
値となる図3)。
【0020】本実施形態においては、右側観察光学系1
2Rの対物レンズ系14Rはケーシング本体部分10A
に対して固定位置に設置されるが、その正立プリズム系
16R及び接眼レンズ系18Rは対物レンズ系14Rに
対して前後方向に移動可能であり、これにより右側観察
光学系12Rの合焦(フォーカシング)が行われる。詳
述すると、正立プリズム系16R及び接眼レンズ系18
Rは、図1に示す位置即ち接眼レンズ系18Rがケーシ
ング本体部分10Aの後方壁部から突出した突出位置
と、図4に示す位置即ち接眼レンズ系18Rがケーシン
グ本体部分10Aに完全に収納された収納位置との間で
移動可能である。要するに、右側観察光学系12Rの正
立プリズム系16R及び接眼レンズ系18Rは該右側観
察光学系12Rの合焦のためにその対物レンズ系14R
に対して可動部分となる。
【0021】同様に、左側観察光学系12Lの対物レン
ズ系14Lは可動ケーシング部分10Bに対して固定位
置に設置されるが、その正立プリズム系16L及び接眼
レンズ系18Lは対物レンズ系14Lに対して前後方向
に移動可能であり、これにより左側観察光学系12Lの
合焦(フォーカシング)が行われる。詳述すると、正立
プリズム系16L及び接眼レンズ系18Lは、図1に示
す位置即ち接眼レンズ系18Lが可動ケーシング部分1
0Bの後方壁部から突出した突出位置と、図4に示す位
置即ち接眼レンズ系18Lが可動ケーシング部分10B
に完全に収納された収納位置との間で移動可能である。
要するに、左側観察光学系12Lの正立プリズム系16
L及び接眼レンズ系18Lは該左側観察光学系12Lの
合焦のためにその対物レンズ系14Lに対して可動部分
となる。
【0022】図1では、右側及び左側観察光学系12R
及び12Lの可動部分(16R、18R;16L、18
L)は最も近景に対して合焦された最近景合焦位置にあ
り、このとき接眼レンズ系18R及び18Lはケーシン
グ本体部分10A及び可動ケーシング部分10Bのそれ
ぞれの後方壁部から突出させられて最も拡張した形態と
なる。一方、図4では、右側及び左側観察光学系12R
及び12Lの接眼レンズ系18R及び18Lはそれぞれ
ケーシング本体部分10A及び可動ケーシング部分10
B内に完全に収納させられて最もコンパクトな形態とな
る。
【0023】なお、本実施形態では、後述するように、
右側及び左側観察光学系12R及び12Lの可動部分
(16R、18R;16L、18L)が図4に示す収納
位置から後方側に幾分後退させられた位置に置かれたと
き、右側及び左側観察光学系12R及び12Lは無限遠
景に対して合焦させられ、その無限遠合焦位置と図1の
最近景合焦位置との間で近景に対する合焦が行われる。
【0024】以上で述べたような眼幅調節及び合焦動作
を行わせるために、ケーシング10の底部側には図5に
示すような支持板構造体20が設けられる。なお、図1
及び図4では、図示の複雑化を避けるために支持板構造
体20は省かれている。
【0025】支持板構造体20は、ケーシング本体部分
10Aに対して適宜固定された矩形状固定板20Aと、
この矩形状固定板20A上に摺動自在に配置されかつ可
動ケーシング部分10Bに対して適宜固定されたスライ
ド板20Bとから成る。スライド板20Bは矩形状固定
板20Aの前後方向の幅にほぼ等しい幅を持つ矩形状部
22と、この矩形状部22から右方側に一体的に延在し
た延在部24とから成る。右側観察光学系12Rの対物
レンズ系14Rは矩形状固定板20A上の所定位置に固
定設置され、左側観察光学系12Lの対物レンズ系14
Lはスライド板20B上の所定位置に固定設置させられ
る。
【0026】スライド板20Bの矩形状部22には一対
の案内スロット26が形成され、またその延在部24に
は案内スロット27が形成される。一方、固定板22に
は、一対の案内スロット26に摺動自在に受け入れるよ
うになった一対の案内ピン26′と、案内スロット27
に摺動自在に受け入れるようになった案内ピン27′と
が植設される。各案内スロット(26、27)は左右方
向に同じ長さだけ延び、その長さはケーシング本体部分
10Aに対する可動ケーシング部分10Bの移動距離、
即ち可動ケーシング部分10Bの収納位置(図2)と可
動ケーシング部分10Bの最大引出し位置(図3)との
間の距離に対応する。
【0027】図2及び図3から明らかなように、支持板
構造体20はケーシング10内にその底部から適当な間
隔を空けて設置され、このとき矩形状固定板20Aはケ
ーシング本体部分10A側に適宜固定され、またスライ
ド板20Bは可動ケーシング部分10B側に適宜固定さ
れる。なお、図示の実施形態では、可動ケーシング部分
10Bに対するスライド板20Bの固定のために、その
矩形状部22の左辺縁の一部に沿って取付片28が設け
られ、この取付片28が可動ケーシング部分10Bの仕
切り壁29に適宜固着される。
【0028】図6を参照すると、右側観察光学系12R
の正立プリズム系16Rを搭載するための右側マウント
板30Rと、左側観察光学系12Lの正立プリズム系1
6Lを搭載するための左側マウント板30Lが示され
る。図6及び図7から明らかなように、右側マウント板
30R及び左側マウント板30Lのそれぞれの後方側縁
辺に沿って直立板32R及び32Lが設けられる。図1
に示すように、右側直立板32Rは右側接眼レンズ系1
8Rの取付座として用いられ、左側直立板32Lは左側
接眼レンズ系18Lの取付座として用いられる。
【0029】図6及び図7から明らかなように、右側マ
ウント板30Rの底面にはその右側縁辺のほぼ中央に沿
って案内シュー34Rが固着され、この案内シュー34
Rには図2及び図3に示すように矩形状固定板20Aの
右側端縁を摺動自在に受け入れる溝36Rが形成され
る。また、右側マウント板30Rの左側縁辺に沿って側
壁38Rが設けられ、この側壁38Rの底部側は肥大部
40Rとして形成され、この肥大部40Rには案内ロッ
ド42Rを摺動自在に挿通させるボアが形成される。案
内ロッド42Rの両端は矩形状固定板20Aの前方側縁
辺及び後方側縁辺にそれぞれ一体的に形成された一対の
対向直立支持片44Rに形成された孔に挿通させられて
適宜固定される。
【0030】一方、左側マウント板30Lの底面にはそ
の左側縁辺のほぼ中央に沿って案内シュー34Lが固着
され、この案内シュー34Lには図2及び図3に示すよ
うにスライド板20Bの左側端縁を摺動自在に受け入れ
る溝36Lが形成される。また、左側マウント板30L
の右側縁辺に沿って側壁38Lが設けられ、この側壁3
8Lの底部側は肥大部40Lとして形成され、この肥大
部40Lには案内ロッド42Lを摺動自在に挿通させる
ボアが形成される。案内ロッド42Lの両端はスライド
板20Bの前方側縁辺及び後方側縁辺にそれぞれ一体的
に形成された一対の対向直立支持片44Lに形成された
孔に挿通させられて適宜固定される。
【0031】なお、上述したように、支持板構造体20
は図1及び図4では省かれているが、一対の対向直立支
持片44Rと一対の対向直立支持片44Lとについては
図示されている。
【0032】右側観察光学系12Rの対物レンズ系14
Rは右側マウント板30Rの前方側に配置されているの
で、右側マウント板30Rを案内ロッド42Rに沿って
前後に移動させることにより、対物レンズ系14Rと正
立プリズム系16Rとの距離が調節させられ、このため
右側観察光学系12Rの合焦動作が行われることにな
る。同様に、左側観察光学系12Lの対物レンズ系14
Lは左側マウント板30Lの前方側に配置されているの
で、左側マウント板30Lを案内ロッド42Lに沿って
前後に移動させることにより、対物レンズ系14Lと正
立プリズム系16Lとの距離が調節させられ、このため
左側観察光学系12Lの合焦動作が行われることにな
る。
【0033】右側マウント板30R及び左側マウント板
30Lをそれぞれの案内ロッド42R及び42Lに沿っ
て同期して移動させると共に右側マウント板30Rに対
する左側マウント板30Lの左右方向の移動を許容させ
るために、図6に最もよく示すように、右側マウント板
30R及び左側マウント板30Lは伸縮自在の連結手段
46によって互いに連結させられる。
【0034】詳述すると、本実施形態では、連結手段4
6は、右側マウント板30Rの側壁40Rの肥大部42
Rの前方端部から左方側に延びた横断面矩形状のロッド
部材46Aと、このロッド部材46Aを摺動自在に受け
入れる二股部材46Bとから成る。ロッド部材46A及
び二股部材46Bの長さについては、可動ケーシング部
分10Bが収納位置(図2)から最大引出し位置(図
3)まで引き出された際にもロッド部材46Aと二股部
材46Bとの摺動係合が維持される。かくして、可動ケ
ーシング部分10Bがケーシング本体部分10Aに対し
てどのような引出し位置にあっても、右側マウント板3
0R及び左側マウント板30Lはそれぞれの案内ロッド
42R及び42Lに沿って同期して移動することができ
る。なお、ロッド部材46Aには横断面矩形状の孔47
が形成されるが、この孔47の機能については後で説明
する。
【0035】図8を参照すると、図1のVIII-VIII線に
沿って切断された縦断面図が示される。図1及び図8か
ら明らかなように、ケーシング本体部分10Aの前方壁
面には円形開口部48が形成され、この円形開口部48
は可動ケーシング部分10Bがケーシング本体部分10
Aに対して収納位置に置かれているときケーシング10
の前方壁の中央に位置させられる。
【0036】ケーシング本体部分10Aの前方側壁の内
側壁面からは円形開口部48を取り囲むように前方スリ
ーブ部材50が一体的に突出させられ、この前方スリー
ブ部材50の頂部側は図8に示すようにケーシング本体
部分10Aと一体化させられる。一方、前方スリーブ部
材50から後方側に所定の間隔を置いて後方スリーブ部
材52が配置させられ、この後方スリーブ部材52はケ
ーシング本体部分10Aの頂部壁の内側壁面から吊下す
るような態様で一体成形される。
【0037】前方スリーブ部材50と後方スリーブ部材
52とは互いに整列させられ、その間には転輪軸筒54
が回転自在に適宜保持される。転輪軸筒54の周囲には
転輪部56が後方スリーブ部材52に接近して設けら
れ、この転輪部56は転輪軸筒54の周囲拡張部として
一体的に形成される。図8に示すように、転輪部56の
一部はケーシング本体部分10Aの頂部壁に形成された
矩形開口部58を通して外部に露出させられる。なお、
一対の観察光学系12R及び12Lの合焦動作時、転輪
部56の露出部分は本発明による撮影機能付双眼鏡の観
察者の例えば人指し指によって回転させられるようにな
っている。
【0038】転輪軸筒54にはその前方端と転輪部56
との間に雄ねじ60が形成され、この雄ねじ60には環
状体62が螺着される。図2、図4及び図7から明らか
なように、環状体62には半径方向外側に突出する突起
部64が形成され、この突起部64の先端は連結手段4
6のロッド部材46Aに形成された横断面矩形状の孔4
7に嵌入させられる。従って、転輪部56が回転させら
れると、環状体62は転輪軸筒54の雄ねじ60と螺着
されているためにその長手軸線方向に沿って移動させら
れ、その移動方向は転輪部56の回転方向に依存する。
要するに、転輪軸筒54と環状体62とは転輪軸筒54
の回転運動を環状体62の直線運動に変換させる運動変
換機構を形成する。
【0039】環状体62の突起部64の先端は連結手段
46のロッド部材46Aの孔47に嵌入されているの
で、環状体62の移動に伴い、右マウント板30R及び
左マウント板30Lも移動させられる。要するに、転輪
部56の回転により、対物レンズ系14R及び14Lの
それぞれに対する正立プリズム系16R及び16Lの距
離が調整され、このため一対の観察光学系12R及び1
2Lの合焦動作が行われることになる。
【0040】環状体62が両対物レンズ系14R及び1
4Lに最も近い位置にあるとき、即ち右側及び左側観察
光学系12R及び12Lの可動部分(16R、18R;
16L、18L)が両対物レンズ系14R及び14Lに
最も近い位置にあるとき、両接眼レンズ系18R及び1
8Lはそれぞれケーシング本体部分10A及び可動ケー
シング部分10B内に完全に収納された収納位置にあ
り、撮影機能付双眼鏡は最もコンパクトな状態となる。
撮影機能付双眼鏡の使用時では、転輪部56を操作し
て、右側及び左側観察光学系12R及び12Lの可動部
分(16R、18R;16L、18L)は収納位置から
幾分後方側の無限遠景合焦位置まで移動させられ、この
とき右側及び左側観察光学系12R及び12Lは無限遠
景に対して合焦された状態となる。要するに、撮影機能
付双眼鏡はその非使用時ではユーザが転輪部56を回転
操作して接眼レンズ系18R,18Lをケーシング10
内に完全に収納させられて最もコンパクトな状態で携行
できるように構成されている。
【0041】本実施形態では、一対の観察光学系12R
及び12Lについては、例えば、それらの可動部分(1
6R、18R;16L、18L)が無限遠景合焦位置に
あるときに40メール先から無限遠までの観察対象物の合
焦が得られるようなレンズ設計とされ、2メートル先か
ら40メートル先までの観察対象物(近景)を観察すると
き、転輪軸筒54の回転により正立プリズム系16R及
び16Lをそれぞれ対物レンズ系14R及び14Lから
引き離して観察対象物の合焦が行われる。勿論、正立プ
リズム系16R及び16Lがそれぞれ対物レンズ系14
R及び14Lから最大距離まで引き離されたとき(図
1)、2メートル先の観察対象物(最近景)の合焦が得
られることになる。
【0042】転輪軸筒54内にはレンズ鏡筒66が設置
させられ、このレンズ鏡筒66内には第1レンズ群68
と第2レンズ群70とから成る撮影光学系が保持され
る。一方、ケーシング本体部分10Aの後方側壁の内側
壁面には回路基板72が取り付けられ、この回路基板7
2上には固体撮像素子例えばCCD(charge-coupled de
vice)撮像素子74が搭載され、このCCD撮像素子7
4はその受光面が撮影光学系(68、70)と整列する
ように配置される。後方スリーブ部材52の後方端面側
には内側フランジ部が形成され、その内側フランジ部に
は光学的ローパスフィルタ76が支持される。要する
に、本実施形態では、撮影機能付双眼鏡には所謂デジタ
ルカメラとしての撮影機能が与えられ、被写体は撮影光
学系(68、70)によって光学的ローパスフィルタ7
6を通してCCD撮像素子74の受光面に結像させられ
る。なお、CCD搭載用回路基板72上にはCCD駆動
回路も搭載される。
【0043】図1ないし図3では、撮影光学系(68、
70)の光軸は参照符号OSで示され、また右側及び左
側観察光学系12R及び12Lのそれぞれの光軸が参照
符号OR及びOLで示される。勿論、右側及び左側観察
光学系12R及び12Lの光軸OR及びOLは互いに平
行であり、しかも撮影光学系(68、70)の光軸OS
とも平行である。図2及び図3に示すように、右側及び
左側観察光学系12R及び12Lの光軸OR及びOLは
いずれも撮影光学系(68、70)の光軸OSに平行な
平面P内にあり、右側及び左側観察光学系12R及び1
2Lは該平面Pに対して平行に移動することによりその
光軸間距離即ち眼幅の調節がなされる。
【0044】もし撮影光学系(68、70)が適当な距
離の近景被写体から無限遠の遠景被写体までの合焦が得
られるようなレンズ設計とされ、しかもその合焦可能範
囲内だけで撮影を行うことが前提とされている場合に
は、レンズ鏡筒66に合焦機構を組み込むことは必要と
されない。しかしながら、本発明による撮影機能付双眼
鏡を通常のデジタルカメラの場合と同様に、例えば2メ
ール先の近景被写体についても撮影することが望まれる
場合には、レンズ鏡筒66にも合焦機構が必要となる。
【0045】そこで、本実施形態では、転輪軸筒54の
内周壁面には雌ねじが形成され、一方レンズ鏡筒66の
外周壁面には雄ねじが形成され、これによりレンズ鏡筒
66は転輪軸筒54内で螺着される。レンズ鏡筒66の
前方端部は前方スリーブ部材50内に挿入させられ、該
前方端部には図8に示すように一対のキー溝78が直径
方向に形成され、各キー溝78はレンズ鏡筒66の前方
端縁からその長手軸線方向に沿って所定長さだけ延び
る。一方、前方スリーブ部材50の後方側端面に接近し
た箇所には一対のボアが直径方向に形成され、各ボアに
はキー溝78に係合するようになったピン要素80が植
設される。要するに、キー溝78とピン要素80との係
合により、レンズ鏡筒66の回転が阻止される。
【0046】かくして、転輪軸筒54がその転輪部56
の操作により回転させられると、レンズ鏡筒66はその
光軸に沿って移動させられる。即ち、転輪軸筒54の内
周壁面に形成された雌ねじとレンズ鏡筒66の外周壁面
に形成された雄ねじとは該転輪軸筒54の回転運動をレ
ンズ鏡筒66の直線運動に変換するための運動変換機能
を形成し、この運動変換機構はレンズ鏡筒66の合焦機
構として機能させられる。
【0047】転輪軸筒54の外周壁面に形成される雄ね
じ60とその内周壁面に形成される雌ねじとは互いに逆
向きとされ、このため転輪軸筒54が光学プリズム系1
6R及び16Lをそれぞれ対物レンズ系14R及び14
Lから引き離すように回転させられたとき、レンズ鏡筒
66はCCD撮像素子74から遠のくように移動させら
れ、かくして上述の合焦可能範囲から外れた前景被写体
がCCD撮像素子74の受光面に合焦された状態で結像
される。勿論、転輪軸筒54の外周壁面の雄ねじピッチ
及びその内周壁面の雌ねじピッチのそれぞれについて
は、一対の観察光学系12R及び12Lの光学特性及び
撮影光学系(68、70)の光学特性に応じて異なった
ものとされる。
【0048】図2、図3及び図8に示すように、ケーシ
ング本体部分10Aの底部壁の下側壁面には三脚の雲台
の雄ねじと螺着するようになった雌ねじ孔81が形成さ
れる。図2から明らかなように、可動ケーシング部分1
0Bがケーシング本体部分10Aに対して収納位置にあ
るとき、雌ねじ孔81はケーシング10の左右長のほぼ
中央に位置し、その位置は撮影光学系(68、70)の
光軸の直下となる。また、図8から明らかなように、雌
ねじ孔81はケーシング本体部分10Aの前方側縁辺に
近接して配置される。
【0049】図1、図2及び図3に示すように、ケーシ
ング本体部分10Aの右側端部内には電源回路基板82
が設けられ、この電源回路基板82はケーシング本体部
分10Aに対して適宜保持される。また、図2及び図3
に示すように、ケーシング本体部分10Aの底部壁と支
持板構造体20との間には主制御回路基板84が設けら
れ、この主制御回路基板84はケーシング本体部分10
Aの底部壁によって適宜支持される。主制御回路基板8
4にはマイクロコンピュータやメモリ等の電子部品が搭
載され、CCD搭載用回路基板72及び電源回路基板8
2は平坦なフレキシブル配線コード(図示されない)を
介して主制御回路基板84に適宜接続される。
【0050】本実施形態では、図2、図3及び図8に示
すように、ケーシング本体部分10Aの頂部壁の外側壁
面にはLCD(liquid crystal display)表示器86が配
置され、このLCD表示86は平坦な矩形状を呈する。
矩形状LCD表示器86はその一方の対向側辺が撮影光
学系(68、70)の光軸に対して直角となるように配
置され、しかもその前方側縁辺に沿う回動軸88のまわ
りで回動自在とされる。矩形状LCD表示器86は通常
は図8に実線で示す収納位置に置かれ、このとき矩形状
LCD表示器86の液晶表示画面はケーシング本体部分
10Aの頂部壁の上側壁面に対して直接対向しかつ平行
となるような姿勢とされるので、その液晶表示画面はモ
ニタされ得ない。CCD撮像素子74によって撮影作動
が行われるとき、LCD表示器86はその収納位置から
図8で破線で部分的に示すような表示位置まで手動操作
により回動させられ、このときLCD表示器86の液晶
表示画面が接眼レンズ系18R及び18Lの側からモニ
タされ得るようになっている。
【0051】図1、図2及び図3から明らかなように、
可動ケーシング部分10Bの左側端部内は仕切り壁29
によって仕切られ、その内部はバッテリ充填室90とし
て郭成される。バッテリ充填室90には二本のバッテリ
92が充填され、電源回路基板82は給電配線コード
(図示されない)を介してバッテリ92から給電を受
け、CCD搭載用回路基板72上のCCD撮像素子7
4、主制御回路基板84上のマイクロコンピュータやメ
モリ等の電子部品及びLCD表示器86は電源回路基板
82から給電される。
【0052】図2及び図3に最もよく示すように、電源
回路基板82には2つの接続コネクタ、即ちビデオ出力
端子コネクタ出力94とUSB出力端子コネクタ95と
が上下方向に並んで搭載され、これら接続コネクタ94
及び95は例えば画像処理コンピュータ(図示されな
い)との接続ために用いられる。電源回路基板82は接
続コネクタ94及び95と共にシールドカバー96によ
って覆われ、シールドカバー96については適当な導体
材料例えば適当な厚さの鋼板から形成することができ
る。
【0053】また、図2及び図3に示すように、主制御
回路基板84の下側にはCFカードホルダ97が設けら
れ、このCFカードホルダ97にはCFカードがメモリ
カードとして抜差し自在に挿入し得るようになってい
る。
【0054】上述したように、電源回路基板82はバッ
テリ92から一旦給電を受け、次いでCCD搭載用回路
基板72上のCCD撮像素子74、主制御回路基板84
上のマイクロコンピュータやメモリ等の電子部品及びL
CD表示器86は電源回路基板82から給電される。バ
ッテリ92から電源回路基板82への給電を制御するた
めにその間には電源スイッチ98が介在させられ、この
電源スイッチ98は図9及び図10に示すように前方ス
リーブ部材50の後方側環状端面の右側に固着支持され
る。なお、図9及び図10はそれぞれ図1及び図4に図
示された電源スイッチ98を拡大して示す部分拡大図で
ある。
【0055】図9及び図10から明らかなように、電源
スイッチ98には適当なばね手段によりばね附勢された
自己復帰型のスイッチ釦99が設けられ、このスイッチ
釦99は図1及び図9に示すように環状体62によって
操作される。即ち、本実施形態では、環状体62がスイ
ッチ操作部として機能させられ、このスイッチ操作部と
電源スイッチ98とにより、バッテリ92から電源回路
基板82への給電を制御するために電源スイッチ手段が
構成される。
【0056】図11を参照すると、上述した撮影機能付
双眼鏡に組み込まれる電子回路が概略的に示される。同
図において、参照符号72CはCCD搭載用回路基板7
2に搭載されるCCD駆動回路を示し、参照符号82C
は電源回路基板82に搭載される電源回路を示し、参照
符号84Cは主制御回路基板84に搭載される主制御回
路を示す。なお、先に述べたように、主制御回路84C
にはマイクロコンピュータやメモリ等の電子部品が含ま
れる。また、図11では、バッテリ96及び電源スイッ
チ98は記号化して図示され、LCD表示器86はブロ
ックとして示される。
【0057】環状体62が両対物レンズ系14R及び1
4Lに最も近い位置にあるとき、即ち右側及び左側観察
光学系12R及び12Lの可動部分(16R、18R;
16L、18L)が完全収納位置にあるとき(図1及び
図9)、スイッチ釦99はそのばね附勢に抗して環状体
62によって押下させられ、このとき電源スイッチ98
は図11に示すようにオフ状態とされる。環状体62が
後方側に向かって移動させられて所定位置に到達する
と、スイッチ釦99は環状体62から開放され、このと
きスイッチ釦99はそのばね附勢によって突出させられ
て電源スイッチ98が閉成されてオン状態となる。
【0058】本実施形態では、かかる所定位置は右側及
び左側観察光学系12R及び12Lの可動部分(16
R、18R;16L、18L)の無限遠景合焦位置に対
応する位置となる。即ち、右側及び左側観察光学系12
R及び12Lの可動部分(16R、18R;16L、1
8L)が図1に示す完全収納位置から幾分後方側に移動
させられて上述の無限遠景合焦位置に到達すると、電源
スイッチ98はオフ状態からオン状態に移行させられ、
該可動部分(16R、18R;16L、18L)が無限
遠景合焦位置と図4に示す最近景合焦位置との間に置か
れている限り、電源スイッチ98のオン状態は維持され
て撮影機能付双眼鏡の撮影機能の利用が可能となる。要
するに、右側及び左側観察光学系12R及び12Lの可
動部分(16R、18R;16L、18L)の無限遠景
合焦位置は電源スイッチ98がオフ状態からオン状態に
移行するオフ/オン移行位置に対応した位置となる。
【0059】なお、ここで注目すべきことは、右側及び
左側観察光学系12R及び12Lの可動部分(16R、
18R;16L、18L)の無限遠景合焦位置とはその
双方の観察光学系の光学設計で定義される光学位置であ
る。かくして、観察者が撮影機能付双眼鏡の撮影機能を
使用することなく無限遠景だけを観察する場合には、電
源スイッチ98をオフにした儘で即ちバッテリ92の電
力を何等消費することなく、その双眼鏡としての機能だ
け使用することが可能である。
【0060】電源スイッチ98がオンされると、電源回
路82Cはバッテリ92から給電を受け、このときCC
D駆動回路72C及び主制御回路84Cに含まれる個々
の電子部品はそれぞれに必要とされる電圧で電源回路8
2Cから給電を受け、かくしてCCD駆動回路72C及
び主制御回路84Cはそれぞれ動作させられる。また、
LCD表示器86は主制御回路84Cを介して給電を受
けて、主制御回路84Cの制御下で動作させられる。
【0061】図示はされないが、ケーシング本体部分1
0Aの頂部壁の上側壁面上にはレリーズスイッチ、被写
体像表示スイッチ、メニュー表示スイッチ及び方向スイ
ッチ等が設けられ、これらスイッチの各々が操作される
と、所定の信号が発生させられて主制御回路84Cに入
力される。主制御回路84Cでは各スイッチの入力状態
に基づいて、各スイッチ操作に割り当てられた動作が行
われる。上述した種々のスイッチの操作は電源スイッチ
98のオフ状態では無効であり、電源スイッチ98のオ
ン後に有効となる。
【0062】レリーズスイッチは撮影動作を開始させる
スイッチであり、レリーズスイッチの操作により撮影作
動が開始される。
【0063】被写体像表示スイッチはLCD表示器86
の液晶表示画面に被写体像を動画として表示させるか否
かを選択する切替スイッチである。電源スイッチ98の
オン直後では、LCD表示器86の液晶表示画面は何も
表示されていない無表示状態とされる。被写体像表示ス
イッチが押下されると、即ち被写体像表示スイッチのオ
ン操作が行われると、LCD表示器86の液晶表示画面
に被写体像が動画として表示される。被写体像表示スイ
ッチが再び押下されると、即ち被写体像表示スイッチの
オフ操作が行われると、LCD表示器86の液晶表示画
面は無表示状態に戻る。要するに、撮影機能付双眼鏡の
電源スイッチ98がオン状態で被写体像表示スイッチが
押下される度毎に、そのオン操作及びオフ操作が繰り返
され、オン操作時にLCD表示器86での動画表示が行
われ、オフ操作時にLCD表示器86での動画表示が解
除されて無表示状態となる。
【0064】メニュー表示スイッチはLCD表示器86
の液晶表示画面にメニュー選択画面を表示させるか否か
を選択する切替スイッチである。電源スイッチ98のオ
ン直後では、LCD表示器86の液晶表示画面は何も表
示されていない無表示状態とされる。メニュー表示スイ
ッチが押下されると、LCD表示器86の液晶表示画面
には種々の設定項目を含むメニュー選択画面が表示され
る。このとき方向スイッチを操作することにより、設定
項目が反転表示により選択されて確定される。メニュー
表示スイッチが再び押下されると、液晶表示画面は無表
示状態に戻る。
【0065】電源スイッチ98のオン後に被写体像表示
スイッチが押下されると、CCD撮像素子74の受光面
に結像された被写体像は一フレーム分の画像データに光
電変換され、その一フレーム分の画像信号は所定の時間
間隔で順次読み出されて適宜画像処理された後に一フレ
ーム分のデジタル画像データに変換される。次いで、一
フレーム分の画像データは主制御回路基板84上のフレ
ームメモリに一旦書き込まれ、そのフレームメモリから
デジタルビデオ信号として読み出される。続いて、デジ
タルビデオ信号はアナログビデオ信号に変換された後に
適宜画像処理されてLCD表示器86に送られ、これに
よりLCD表示器86の液晶表示画面には被写体像が動
画として再現表示される。勿論、被写体像表示スイッチ
が再び押下されると、LCD表示器86の液晶表示画面
は無表示状態に戻る。
【0066】レリーズスイッチがオンされると、上述の
フレームメモリに書き込まれた一フレーム分の画像デー
タが静止画像データとして読み出されて、主制御回路基
板84上のマイクロコンピュータ内のメモリに取り込ま
れ、そこで適宜画像処理された後にCFカードホルダ9
7内のCFカード(メモリカード)に所定のフォーマッ
トに従って書き込まれる。CFカードは必要に応じてC
Fカードホルダ97から取り出され、例えば画像処理コ
ンピュータのCFカード用ドライバに装填され、そこで
一フレーム分の画像データは適宜処理された後に例えば
プリンタによって撮影画像として出力される。一方、撮
影機能付双眼鏡が例えばUSB出力端子コネクタ95を
介して画像処理コンピュータに接続されている場合に
は、CFカードをCFカードホルダ97に装填された儘
でその画像データを画像処理コンピュータに転送するこ
とも可能である。
【0067】上述の実施形態では、電源スイッチ98の
スイッチ釦99を操作するためのスイッチ操作部として
環状体62が利用されているが、右側及び左側観察光学
系12R及び12Lの可動部分(16R、18R;16
L、18L)と同期して移動する部材であれば、どのよ
うな部材であってもスイッチ操作部として利用すること
が可能である。例えば、右側及び左側マウント板30R
及び30Lのいずれか一方をスイッチ操作部として利用
することが可能であり、この場合には電源スイッチ98
は矩形状固定板20A或いはスライド板20B上の適当
な固定位置に設置させられる。
【0068】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
による撮影機能付双眼鏡にあっては、一対の観察光学系
の可動部分がその完全収納位置から所定位置まで移動さ
せられたとき、電源スイッチが始めてオンされるので、
撮影機能付双眼鏡の携帯時、例えば撮影機能付双眼鏡を
洋服のポケットやバッグ等の入れて持ち運ぶときに、電
源スイッチが不用意にオンされるという事態は回避され
るので、バッテリ電源が無駄に消費されることはなく、
バッテリ電源を有効に消費することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮影機能付双眼鏡の一実施形態を
示す水平面断面図であって、一対の観察光学系を最近景
合焦状態で示す図である。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図であって、撮影機
能付双眼鏡の可動ケーシング部分を収納位置で示す図で
ある。
【図3】図2の同様な断面図であって、撮影機能付双眼
鏡の可動ケーシング部分を最大引出し位置で示す図であ
る。
【図4】図1と同様な水平面断面図であって、一対の観
察光学系を完全収納状態で示す図である。
【図5】撮影機能付双眼鏡のケーシング内に設けられる
支持板構造体の平面図である。
【図6】図5に示す支持板構造体上に設置される右側マ
ウント板及び左側マウント板の平面図である。
【図7】図6のVII-VII線に沿う矢視図である。
【図8】図1のVIII-VIII線に沿う縦断面図である。
【図9】図1に示す電源スイッチを拡大して示す部分拡
大図である。
【図10】図4に示す電源スイッチを拡大して示す部分
拡大図である。
【図11】撮影機能付双眼鏡に組み込まれる電子回路の
概略図である。
【符号の説明】
10 ケーシング 10A ケーシング本体部分 10B 可動ケーシング部分 12R 右側観察光学系 12L 左側観察光学系 20 支持板構造体 20A 矩形状固定板 20B スライド板 30R 右側マウント板 30L 左側マウント板 46 連結手段 46A ロッド部材 46B 二股部材 50 前方スリーブ部材 52 後方スリーブ部材 54 転輪軸筒 56 転輪部 62 環状体 66 レンズ鏡筒 68 第1レンズ群 70 第2レンズ群 72 CCD搭載用基板 74 CCD撮像素子 76 光学的ローパスフィルタ 82 電源回路基板 84 主制御回路基板 86 LCD表示器 98 電源スイッチ 99 操作釦
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/232 H04N 5/232 Z // H04N 101:00 101:00 Fターム(参考) 2H039 AA04 AB12 AB14 AB22 AB42 AC04 2H044 CA01 2H104 AA01 5C022 AA11 AC31 AC69 AC77

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の観察光学系と、撮影光学系と、こ
    の撮影光学系に組み合わされた撮像手段と、この撮像手
    段を電子的に制御する電子的制御手段と、この電子的制
    御手段に対する給電を制御する電源スイッチ手段とを具
    備し、前記一対の観察光学系を合焦させるべく各観察光
    学系の一部分がその他の部分に対して相対的に移動可能
    な可動部分とされ、前記各観察光学系の可動部分が該観
    察光学系の全体配置を最もコンパクトな形態とするよう
    な最小位置と該観察光学系の全体配置を最も拡張された
    形態とするような最大拡張位置との間で移動自在とされ
    る撮影機能付双眼鏡において、 前記各観察光学系の可動部分が前記最小位置に置かれた
    とき、前記電源スイッチ手段がオフ状態とされて前記電
    子的制御手段に対する給電が停止され、前記各観察光学
    系の可動部分が前記最小位置から最大拡張位置に向かっ
    て移動させられたとき、前記電源スイッチ手段がオフ状
    態からオン状態に移行して前記電子的制御手段に対する
    給電が開始されることを特徴とする撮影機能付双眼鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の撮影機能付双眼鏡にお
    いて、前記各観察光学系の可動部分が前記最小位置から
    前記電源スイッチ手段をオフ状態からオン状態に移行さ
    せるオフ/オン移行位置まで移動させられたとき、該観
    察光学系が無限遠の遠景に対して合焦させられ、前記各
    観察光学系の可動部分がそのオフ/オン移行位置と最大
    拡張位置との間で移動させることにより、近景に対する
    該観察光学系の合焦が行われることを特徴とする撮影機
    能付双眼鏡。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の撮影機能付双
    眼鏡において、前記一対の観察光学系に合焦を行わせる
    ための転輪部が該一対の観察光学系の間に配置され、前
    記転輪部の回転運動を前記一対の観察光学系の双方の可
    動部分の相対的移動に変換させる運動変換機構が設けら
    れ、前記電源スイッチ手段が前記観察光学系のその他の
    部分に対して固定設置された電源スイッチと、この電源
    スイッチを操作するためのスイッチ操作部とから成り、
    前記スイッチ操作部が前記運動変換機構の一部分であっ
    て、前記一対の観察光学系の双方の可動部分と同期して
    移動する部分とされることを特徴とする撮影機能付双眼
    鏡。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の撮影機能付双
    眼鏡において、前記一対の観察光学系に合焦を行わせる
    ための転輪部が該一対の観察光学系の間に配置され、前
    記転輪部の回転運動を前記一対の観察光学系の双方の可
    動部分の相対的移動に変換させる運動変換機構が設けら
    れ、前記電源スイッチ手段が前記観察光学系のその他の
    部分に対して固定設置された電源スイッチと、この電源
    スイッチを操作するためのスイッチ操作部とから成り、
    前記スイッチ操作部が前記一対の観察光学系の双方の可
    動部分と共に同期して移動する部材とされることを特徴
    とする撮影機能付双眼鏡。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の撮影機能付双
    眼鏡において、前記転輪部が転輪軸筒の周囲拡張部とし
    て一体的に形成され、前記転輪軸筒内には前記撮影光学
    系が設置されることを特徴とする撮影機能付双眼鏡。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の撮影機能付双眼鏡にお
    いて、前記撮影光学系を合焦させるべく前記転輪軸筒の
    回転運動を該撮影光学系の直線運動に変換させる合焦機
    構が設けられることを特徴とする撮影機能付双眼鏡。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれか1項に記
    載の撮影機能付双眼鏡において、少なくとも前記一対の
    観察光学系を収容するためのケーシングが設けられ、こ
    のケーシングが互いに相対的に移動可能な2つのケーシ
    ング部分から構成され、前記ケーシング部分の一方には
    前記一対の観察光学系の一方が収容され、前記ケーシン
    グ部分の他方には前記一対の観察光学系の他方が収容さ
    れ、前記ケーシング部分を互いに相対的に移動させるこ
    とにより前記一対の観察光学系の光軸間距離が調整され
    ることを特徴とする撮影機能付双眼鏡。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の撮影機能付双眼鏡にお
    いて、前記一対の観察光学系の光軸が所定の平面内で移
    動するような態様で前記2つのケーシング部分が相対的
    に平行運動させられ、これにより該一対の観察光学系の
    光軸間距離の調整が行われることを特徴とする撮影機能
    付双眼鏡。
  9. 【請求項9】 請求項1から8までのいずれか1項に記
    載の撮影機能付双眼鏡において、前記各観察光学系の可
    動部が前記最小位置に置かれたとき、前記観察光学系が
    前記ケーシング内に収納状態となることを特徴とする撮
    影機能付双眼鏡。
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