JP2003239987A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2003239987A JP2002043561A JP2002043561A JP2003239987A JP 2003239987 A JP2003239987 A JP 2003239987A JP 2002043561 A JP2002043561 A JP 2002043561A JP 2002043561 A JP2002043561 A JP 2002043561A JP 2003239987 A JP2003239987 A JP 2003239987A
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Tomohiro Haruta
知宏 春田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非導電性材料または難導電性材料からなる転
動体を備えた転がり軸受において、当該軸受の帯電を十
分に抑制することができ、よって帯電に起因する軸受性
能の低下などを防ぐことができる転がり軸受を提供す
る。 【解決手段】 内輪2、外輪3、及び保持器5を導電性
材料により構成する。さらに、保持器5が偏芯したとき
に、内輪2の外周面2a及び外輪3の内周面3aにそれ
ぞれ接触する第1及び第2の楕円形状部5d,5fの短
径部分5d1及び長径部分5e1(通電部)を、当該保
持器5の内周側及び外周側に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ(HDD)装置などの磁気記録装置等に用いら
れ、ディスク媒体等の回転体を支承する転がり軸受に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例えば
HDD装置に使用される転がり軸受では、スピンドルモ
ータなどによる磁気ディスクの高速回転を高精度に支承
するため、回転・音響性能や耐フレッチング性能、耐摩
耗性能等に優れたセラミックス材料からなる転動体を使
用することがある。このセラミックス材料は、一般的
に、窒化ケイ素又はジルコニアなどの非導電性材料、す
なわち絶縁材であり、従って、この従来の転がり軸受の
内外輪間は電気的に絶縁されている。それゆえ、この従
来の転がり軸受をHDD装置に用いた場合、外輪(回転
輪)と共に回転する磁気ディスク上の電荷は逃げ場が無
く、蓄積される。その結果、帯電した磁気ディスクによ
り電気的にヘッドが引き付けられて接触するヘッドクラ
ッシュ等の不具合を生じる恐れがあった。このようなヘ
ッドクラッシュ等を防ぐために、アース手段としての磁
性流体シールを軸受や装置に取り付け、帯電した電荷を
逃がすことが提案されているが、磁性流体シールだけで
は帯電防止に不十分なことがあり、さらには軸受や装置
構成が複雑なものとなった。また、導電性材料を添加
し、一定の導電性を付与したセラミックス材料も提案さ
れているが、十分な導電性と耐フレッチング、耐摩耗性
等の強度を両立させるのは困難であり、後者を優先した
場合には、絶縁材とは言えないまでも、難導電材であ
り、上記ヘッドクラッシュ等の不具合を解消するには至
らない。ここで、上記難導電材とは、体積抵抗率(JI
S、K6911に記載)が106Ω・cmより大きいも
のとする。
【0003】また、上記のような従来の転がり軸受で
は、近年、ポリアミド樹脂などの合成樹脂製の保持器が
使用されている。ところが、この合成樹脂自体が元々帯
電し易い材料であるため、保持器の帯電量、ひいては軸
受の帯電量を増加させる。この結果、軸受は、帯電した
電荷によって大気中の塵埃等の異物を吸着し易くなり、
軸受回転時に異音(ゴミ音)を生じ、その音響特性を著
しく低下させることがあった。
【0004】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、非導電性材料または難導電性材料からなる転動体を
備えた転がり軸受において、当該軸受の帯電を十分に抑
制することができ、よって帯電に起因する軸受性能の低
下などを防ぐことができる転がり軸受を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり軸受は、
内輪及び外輪と、前記内輪と外輪との間に転動自在に設
けられた複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向に
沿って所定間隔に保持する円環状の保持器とを備えた転
がり軸受であって、前記内輪、外輪、及び保持器が導電
性材料により構成され、かつ前記転動体が非導電性材料
または難導電性材料により構成されているとともに、前
記保持器の内周側及び外周側に、当該保持器の偏芯に伴
って前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面にそれぞれ
接触して内外輪間を電気的に導通させる第1及び第2の
通電部を設けたことを特徴とするものである(請求項
1)。
【0006】上記のように構成された転がり軸受では、
内外輪及び保持器が導電性材料により構成され、かつ保
持器に設けた上記第1及び第2の通電部がその保持器の
偏芯に伴って内輪の外周面及び外輪の内周面にそれぞれ
接触したときに、当該保持器を介して内外輪間が電気的
に導通する。従って、転動体が鋼製の場合とほぼ同様な
帯電防止効果が得られ、軸受の帯電を十分に抑制するこ
とができる。また、導電性材料によって保持器を構成し
ていることから、合成樹脂からなる従来例と異なり、保
持器自体の帯電を防止し、軸受の帯電量の増加を防ぐこ
とができ、帯電による異物の吸着を抑えることができ
る。
【0007】また、上記転がり軸受(請求項1)におい
て、前記保持器が、環状の基部と、この基部から周方向
に沿って所定間隔に突設された複数の柱部と、前記柱部
の相互間に設けられ、前記複数の転動体をそれぞれ保持
する複数のポケットとを備え、前記基部の内周及び外周
を互いに位相が異なる楕円形状に形成するとともに、前
記基部内周の楕円形状での短径部分を前記第1の通電部
として構成し、かつ前記基部外周の楕円形状での長径部
分を前記第2の通電部として構成してもよい(請求項
2)。この場合、上記短径部分及び長径部分がそれぞれ
内輪外周面及び外輪内周面に接触することにより、保持
器を介して内外輪間を電気的に導通させる。
【0008】また、上記転がり軸受(請求項1)におい
て、前記第1の通電部が、前記保持器の内周面から径方
向内方側に突出した第1の突起部により構成され、かつ
前記第2の通電部が、前記保持器の外周面から径方向外
方側に突出した第2の突起部により構成されてもよい
(請求項3)。この場合、上記各突起部が対応する内輪
外周面及び外輪内周面に接触することにより、保持器を
介して内外輪間を電気的に導通させる。
【0009】また、本発明の転がり軸受は、内輪及び外
輪と、前記内輪と外輪との間に転動自在に設けられた複
数の転動体と、前記複数の転動体を周方向に沿って所定
間隔に保持する円環状の保持器とを備えた転がり軸受で
あって、前記内輪、外輪、及び保持器が導電性材料によ
り構成され、かつ前記転動体が非導電性材料または難導
電性材料により構成されているとともに、前記保持器の
内周側または内輪の外周側に、その保持器の偏芯に伴っ
て前記内輪の外周面または保持器の内周面にそれぞれ接
触する第1の通電部を設け、かつ前記保持器の外周側ま
たは外輪の内周側に、その保持器の偏芯に伴って前記外
輪の内周面または保持器の外周面にそれぞれ接触する第
2の通電部を設け、これらの第1及び第2の通電部によ
り内外輪間を電気的に導通させることを特徴とするもの
である(請求項4)。
【0010】上記のように構成された転がり軸受(請求
項4)では、内外輪及び保持器が導電性材料により構成
され、上記第1の通電部が保持器の偏芯に伴って当該保
持器と内輪との間を電気的に導通し、かつ上記第2の通
電部が保持器の偏芯に伴って当該保持器と外輪との間を
電気的に導通して内外輪間を電気的に導通させる。従っ
て、転動体が鋼製の場合とほぼ同様な帯電防止効果が得
られ、軸受の帯電を十分に抑制することができる。ま
た、導電性材料によって保持器を構成していることか
ら、合成樹脂からなる従来例と異なり、保持器自体の帯
電を防止し、軸受の帯電量の増加を防ぐことができ、帯
電による異物の吸着を抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の転がり軸受の好ま
しい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
尚、以下の説明では、HDD装置に適用した場合につい
て説明する。図1は本発明の一実施形態による玉軸受を
示す断面図であり、図2は図1のII−II線断面図であ
る。但し、図2では、ボール4の図示は省略している。
図において、本実施形態の玉軸受1では、固定輪として
の内輪2及び回転輪としての外輪3と、これらの内外輪
の間に転動自在に配列した転動体としての複数のボール
4と、ボール4をそれぞれ保持する複数のポケット5a
を備えた円環状の保持器5と、上記内外輪間の環状開口
部をシールするシール板6とを備えている。上記内輪2
及び外輪3は、例えばスピンドルモータのスピンドル軸
10及び磁気ディスクを一体回転可能に搭載したモータ
ハブ(図示せず)にそれぞれ取り付けられており、モー
タによるディスク回転を円滑に支承する。尚、上記スピ
ンドル軸10及びモータハブは金属等の導電体であり、
また、スピンドル軸10は金属製のモータベース(図示
せず)に軸支されており、このベースを介して接地され
るようになっている。
【0012】上記内輪2及び外輪3は、軸受用鋼(例え
ば、SUJ2)等の導電性材料により構成されている。
上記ボール4は、非導電性材料、例えば窒化ケイ素系又
はジルコニア系のセラミックス材料により構成されてお
り、内外輪2,3間を電気的に絶縁した状態で、内輪2
の外周面2aに形成された軌道溝2a1及び外輪3の内
周面3aに形成された軌道溝3a1上を転走する。尚、
この説明以外に、106Ω・cmより大きい体積抵抗率
(JIS、K6911に記載)を有する難導電性材料に
より、ボール4を構成してもよい。
【0013】上記保持器5は、環状の基部5bと、この
基部5bから周方向に沿って所定間隔に突設された複数
の柱部5cと、これらの柱部5cの相互間に、上記ポケ
ット5aを配置した冠型の環状体であり、導電性材料に
より構成されている。この導電性材料は、ポリアミド樹
脂やフッ素樹脂等の合成樹脂に、導電性を付与するため
の添加物を加えたものである。添加物は、カーボンファ
イバー等の導電性繊維、アルミニウム合金や銅等の金属
粉末、あるいは黒鉛等の導電性無機粉末を用いる。保持
器5は、導電性付与物を添加した合成樹脂を、射出成形
法によって一体成形することにより形成されている。こ
のように導電性付与物を含んだ合成樹脂を一体成形して
いるので、保持器5を高精度に形成することができる。
【0014】上記ポケット5aは、ボール4との隙間を
適切な値とした真円状の断面形状を有している(図2を
参照)。つまり、ポケット5aは、上記隙間を適切な値
とすることにより、当該ポケット5a内でのボール詰ま
りを防止して軸受に回転不良が発生するのを防ぐととも
に、ポケット5a内でのボール4の移動量を規制してボ
ール4の周方向での不等配量が大きくなるのを防いで、
回転非同期振れの発生、及び保持器音や振動が増大する
のを防止している。尚、上記隙間は、ボール転走面に供
給されるグリース等の潤滑剤溜めとしても機能してお
り、潤滑不良の発生を抑えるようになっている。
【0015】また、上記保持器5の基部5bには、図2
に示すように、その基部内周を楕円形状に形成した第1
の楕円形状部5d(図2の内輪2側のクロスハッチ部に
て図示)と、その基部外周を楕円形状に形成した第2の
楕円形状部5e(図2の外輪3側のクロスハッチ部にて
図示)とが設けられている。これらの楕円形状部5d,
5eは、例えば周方向の全周にわたって、上記柱部5c
の内周面5c1及び外周面5c2よりもそれぞれ径方向
内方側及び径方向外方側に膨れ出るように形成されてい
る。また、楕円形状部5d,5eは、図2に示すよう
に、互いに位相が異なるように形成されており、保持器
5が例えば図2の矢印Wにて示す方向に偏芯したとき
に、楕円形状部5d,5eは同時に内輪2の外周面2a
及び外輪3の内周面3aにそれぞれ接触するように構成
されている。詳細には、楕円形状部5dには、保持器5
の偏芯に伴って内輪2の外周面2aに接触する第1の通
電部としての短径部分5d1(保持器内周面5cから最
も径方向内方に膨れ出た部分)が設けられ、楕円形状部
5eには、保持器5の偏芯に伴って外輪3の内周面3a
に接触する第2の通電部としての長径部分5e1(保持
器外周面5eから最も径方向外方に膨れ出た部分)が設
けられている。これらの短径部分5d1及び長径部分5
e1は、図2に示すように、互いに位相が90゜異なる
よう形成されており、例えば軸受回転時に、保持器5が
がたつくことにより、上記短径部分5d1が内輪2の外
周面2aの肩部に接触し、同時に上記長径部分5e1が
外輪3の内周面3aの肩部に接触するようになってい
る。
【0016】以上のように構成された本実施形態の玉軸
受1では、内外輪2,3及び保持器5を導電性材料によ
り構成するとともに、内輪2の外周面2a及び外輪3の
内周面3aにそれぞれ接触可能な第1及び第2の楕円形
状部5d,5eを保持器5の内周側及び外周側に設けて
いる。これらの楕円形状部5d,5eの短径部分5d1
及び長径部分5e1が対応する内輪外周面2a及び外輪
内周面3aに接触したときに、内輪2と外輪3とが保持
器5を介して電気的に導通する。従って、ボール4が鋼
製の場合とほぼ同様な帯電防止効果を得ることができ、
軸受の帯電を十分に抑制することができる。また、導電
性材料からなる保持器5を用いたことから、合成樹脂か
らなる従来例と異なり、保持器自体の帯電を防止でき、
ひいては軸受の帯電量の増加を防ぐことができる。従っ
て、塵埃などの異物を大気中から吸着するのを抑えるこ
とができ、異物による異音の発生を防いで、軸受の音響
特性が低下するのを防止することができる。
【0017】さらに、本実施形態の玉軸受1を用いたH
DD装置では、外輪3と共に回転する磁気ディスクの電
荷を、当該軸受を介して逃がすことができることから、
上記従来例と異なり、磁気ディスクに電荷が蓄積される
のを防ぐことができる。この結果、蓄積された電荷によ
る、帯電した磁気ディスクとヘッドとが衝突するヘッド
クラッシュ等の不具合を防止することができる。しか
も、磁性流体シールや常時接触式の導電性部材等のアー
ス手段を軸受やHDD装置に設ける必要がないので、軸
受及びHDD装置の構成を簡素化することができる。ま
た、常時接触式のアース手段を用いるよりも、回転トル
クを小さくすることができるため、HDD装置のような
小型、高速回転の用途では特に好適である。
【0018】尚、上記の説明では、第1及び第2の通電
部として、上記第1及び第2の楕円形状部5d,5eの
短径部分5d1及び長径部分5e1をそれぞれ用いた構
成について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、保持器5の内周側及び外周側に設けられ、保
持器5の偏芯に伴って内輪2の外周面2a及び外輪3の
内周面3aにそれぞれ接触して内外輪2,3間を電気的
に導通させるものであれば何等限定されない。具体的に
は、図3に示すように、第1の通電部として、例えば基
部5bの内周面から径方向内方側に突出した第1の突起
部5fを、周方向に沿って例えば4箇所設け、第2の通
電部として、基部5bの外周面から径方向外方側に突出
した第2の突起部5gを、周方向に沿って例えば4箇所
設ける構成でもよい。このように構成した場合、保持器
5が例えば同図の矢印Wにて示す方向に偏芯したとき
に、同図右下の突起部5fが内輪外周面2aに接触し、
同時に、同図左上の突起部5gが外輪内周面3aに接触
することにより、内外輪2,3間は電気的に導通され
る。尚、これらの突起部5f,5gは、それぞれ内輪外
周面2a及び外輪内周面3aに接触するように、保持器
5の内周面及び外周面から径方向内方側及び径方向外方
側に突出したものであればよく、柱部5cの内周面5c
1及び外周面5c2に設けてもよい。
【0019】また、上記の説明では、保持器5の内周側
及び外周側に第1及び第2の通電部をそれぞれ設けた構
成について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、保持器5の内周側または内輪2の外周側に、
その保持器5の偏芯に伴って内輪2の外周面2aまたは
保持器5の内周面にそれぞれ接触する第1の通電部を設
け、かつ保持器5の外周側または外輪3の内周側に、そ
の保持器5の偏芯に伴って外輪3の内周面3aまたは保
持器5の外周面にそれぞれ接触する第2の通電部を設
け、これらの第1及び第2の通電部により内外輪2,3
間を電気的に導通させるものであればよい。具体的に
は、内輪2の外周面2aから径方向外方側に突出した突
起部を第1の通電部として内輪2の外周側に設け、かつ
外輪3の内周面3aから径方向内方側に突出した突起部
を第2の通電部として外輪3の内周側に設けて、保持器
5の偏芯に伴って各突起部を同時に保持器5の対応する
内周面及び外周面に接触させて、保持器5と内輪2との
間及び保持器5と外輪3との間を電気的にそれぞれ導通
して内外輪2,3間を電気的に導通させる構成でもよ
い。さらに、第1及び第2の通電部の一方を保持器5に
設け、他方を内輪2または外輪3に設けてもよい。
【0020】また、上記の説明では、転動体としてのボ
ール4を備えた玉軸受1をHDD装置に適用した場合に
ついて説明したが、本発明の転がり軸受は導電性材料か
らなる内外輪及び保持器と非導電性材料または難導電性
材料からなる転動体とを備え、内外輪及び保持器のうち
少なくとも保持器に設けた上記第1及び第2の通電部に
より内外輪間を電気的に導通させるものであれば、転動
体の形状等には何等限定されない。さらに、本発明は固
定体に対して回転体を回転させるものであれば、その固
定体と回転体との間の所定部に取り付けられて、回転体
を回転自在に支持する軸受として好適に使用することが
できる。また、上記の説明では、導電性を有する保持器
5として、導電性付与物を添加した合成樹脂を射出成形
したものを用いた場合について説明したが、導電性金属
を打抜加工したものや削り出したもの等を保持器5とし
て用いることもできる。
【0021】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。請求項1の転がり軸受によれば、上記第
1及び第2の通電部が内輪の外周面及び外輪の内周面に
それぞれ接触したときに、内輪と外輪とが保持器を介し
て電気的に導通するので、転動体が鋼製の場合とほぼ同
様な帯電防止効果が得られ、軸受の帯電を十分に抑制す
ることができる。また、保持器が導電性材料により構成
されているので、合成樹脂からなる従来例と異なり、保
持器自体の帯電を防止して軸受の帯電量の増加を防ぐこ
とができ、帯電による異物の吸着を抑えることができ
る。この結果、異物による異音の発生を防いで、軸受の
音響特性が低下するのを防止することができる。しか
も、軸受が組み込まれた装置において、回転輪と共に回
転する装置側の回転体の電荷を、当該軸受を介して逃が
すことができるので、上記ヘッドクラッシュ等の不具合
を防止することができるとともに、磁性流体シールなど
のアース手段を軸受や装置に設ける必要がないので、軸
受及び装置構成を簡素化することができる。
【0022】また、請求項2または請求項3の転がり軸
受によれば、それぞれ上記短径部分及び長径部分または
各突起部が対応する内輪外周面及び外輪内周面に接触し
たときに、その内輪と外輪とが保持器を介して電気的に
導通するので、当該軸受の帯電を簡単な構成で十分に抑
制することができ、よって帯電に起因する軸受性能の低
下などを防ぐことができる。
【0023】また、請求項4の転がり軸受によれば、第
1及び第2の通電部が保持器の偏芯に伴って保持器と内
輪との間及び保持器と外輪との間を電気的にそれぞれ導
通して内外輪間を電気的に導通させるので、転動体が鋼
製の場合とほぼ同様な帯電防止効果が得られ、軸受の帯
電を十分に抑制することができる。また、導電性材料に
よって保持器を構成していることから、合成樹脂からな
る従来例と異なり、保持器自体の帯電を防止し、軸受の
帯電量の増加を防ぐことができ、帯電による異物の吸着
を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による玉軸受を示す断面図
である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1におけるII−II線断面に相当する、別の実
施形態の玉軸受を示す断面図である。
【符号の説明】
1 玉軸受 2 内輪 3 外輪 4 ボール 5 保持器 5a ポケット 5b 基部 5c 柱部 5d1 短径部分(第1の通電部) 5e1 長径部分(第2の通電部) 5g 第1の突起部(第1の通電部) 5h 第2の突起部(第2の通電部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J101 AA03 AA32 AA42 AA54 AA62 BA10 BA22 BA25 BA50 BA70 EA02 EA14 EA33 EA36 EA41 FA11 FA55

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内輪及び外輪と、前記内輪と外輪との間に
    転動自在に設けられた複数の転動体と、前記複数の転動
    体を周方向に沿って所定間隔に保持する円環状の保持器
    とを備えた転がり軸受であって、 前記内輪、外輪、及び保持器が導電性材料により構成さ
    れ、かつ前記転動体が非導電性材料または難導電性材料
    により構成されているとともに、 前記保持器の内周側及び外周側に、当該保持器の偏芯に
    伴って前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面にそれぞ
    れ接触して内外輪間を電気的に導通させる第1及び第2
    の通電部を設けたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 【請求項2】前記保持器が、環状の基部と、この基部か
    ら周方向に沿って所定間隔に突設された複数の柱部と、
    前記柱部の相互間に設けられ、前記複数の転動体をそれ
    ぞれ保持する複数のポケットとを備え、 前記基部の内周及び外周を互いに位相が異なる楕円形状
    に形成するとともに、 前記基部内周の楕円形状での短径部分を前記第1の通電
    部として構成し、かつ前記基部外周の楕円形状での長径
    部分を前記第2の通電部として構成したことを特徴とす
    る請求項1記載の転がり軸受。
  3. 【請求項3】前記第1の通電部が、前記保持器の内周面
    から径方向内方側に突出した第1の突起部により構成さ
    れ、かつ前記第2の通電部が、前記保持器の外周面から
    径方向外方側に突出した第2の突起部により構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
  4. 【請求項4】内輪及び外輪と、前記内輪と外輪との間に
    転動自在に設けられた複数の転動体と、前記複数の転動
    体を周方向に沿って所定間隔に保持する円環状の保持器
    とを備えた転がり軸受であって、前記内輪、外輪、及び
    保持器が導電性材料により構成され、かつ前記転動体が
    非導電性材料または難導電性材料により構成されている
    とともに、 前記保持器の内周側または内輪の外周側に、その保持器
    の偏芯に伴って前記内輪の外周面または保持器の内周面
    にそれぞれ接触する第1の通電部を設け、かつ前記保持
    器の外周側または外輪の内周側に、その保持器の偏芯に
    伴って前記外輪の内周面または保持器の外周面にそれぞ
    れ接触する第2の通電部を設け、これらの第1及び第2
    の通電部により内外輪間を電気的に導通させることを特
    徴とする転がり軸受。
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