JP2003239874A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
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Abstract
とするスクロール圧縮機において、自転防止部材、静止
部材に設けられたキーとキー溝の摺動面に潤滑油を供給
し、キーとキー溝の接触を防止してスクロール圧縮機の
信頼性を向上する。 【解決手段】 HFC系等の塩素を含まない冷媒を作動
流体とするスクロール圧縮機において、自転防止部材の
キーの静止部材のキー溝に対して摺動する面の両端部
は、10μm以上の曲率半径一定の曲線からなるように
する。
Description
ール圧縮機に係わり、特に冷媒としてHFC系、HC
系、CO2、NH3等の塩素を含まない冷媒を用いた場合
の旋回スクロール自転防止機構改良に好適なスクロール
圧縮機に関するものである。
自転防止部材の構造、作動原理は特開昭60−8822
6号公報、特開昭58−174101号公報に開示され
ている。また自転防止部材のキー摺動面の潤滑性改善に
関する技術は、特開平11−82339号公報に開示さ
れている。
の作動流体として使用されてきたR22等の冷媒は、分
子中に塩素を持つため、一たん大気中に放出されるとオ
ゾン層破壊の問題が生じる。この冷媒の代替として用い
られるHFC系等の分子中に塩素を持たない冷媒では、
オゾン層破壊の問題はなくなるが、冷媒と潤滑油である
鉱油の組合せに対し摺動部での信頼性が低下し、実用に
耐えない等の問題点を発生させることとなった。
ではガス圧縮の反力を受け面圧が高く、往復運動のため
油膜が形成されにくい条件のため、HFC系等の分子中
に塩素を持たない冷媒では、従来の冷媒のように該冷媒
中に含まれる塩素が摺動面の金属と反応して皮膜を生成
し、金属との接触を妨げる極圧効果が得られず、摺動部
の潤滑状態が厳しくなり、キーやキー溝の摩耗等の信頼
性低下の問題点が発生することとなった。
問題点を解決し、塩素を含まないHFC系や自然系冷媒
環境下において、自転防止部材のキー摺動部の潤滑状態
を改善し、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供するこ
とにある。
め、本発明によるスクロール圧縮機は、特許請求の範囲
の各請求項に記載されたところを特徴とするものである
が、特に独立項としての請求項1に係る第1発明による
スクロール圧縮機は、渦巻状のラップを有する固定スク
ロール及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部
と、前記旋回スクロールに設けたキー溝及び静止部材に
設けたキー溝に係合するキーを有する自転防止部材とを
備え、冷媒として塩素を含まない一種あるいは二種以上
のHFC系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスク
ロール圧縮機において、前記自転防止部材の前記キーの
前記キー溝に対して摺動する面の両端部は、10μm以
上の曲率半径一定の曲線からなることを特徴とするもの
である。
クロール圧縮機は、渦巻状のラップを有する固定スクロ
ール及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、
前記旋回スクロールに設けたキー溝及び静止部材に設け
たキー溝に係合するキーを有する自転防止部材とを備
え、冷媒として塩素を含まない一種あるいは二種以上の
HFC系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスクロ
ール圧縮機において、前記自転防止部材の前記キーの前
記キー溝に対して摺動する面の両端部は、曲線で形成さ
れ、該摺動面に接する該曲線の曲率半径が10μmより
充分大きくて、かつ前記摺動面から端面方向に向け曲率
半径を連続的に減じ、最終的に10μm以上の曲率半径
の形状からなることを特徴とするものである。
クロール圧縮機は、渦巻状のラップを有する固定スクロ
ール及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、
前記旋回スクロールに設けたキー溝及び静止部材に設け
たキー溝に係合するキーを有する自転防止部材とを備
え、冷媒として塩素を含まない一種あるいは二種以上の
HFC系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスクロ
ール圧縮機において、前記自転防止部材の前記キーの前
記キー溝に対して摺動する面の両端部は、該摺動面から
10μm以上の曲率半径の曲線で前記摺動面から10μ
m以上の高さまで形成され、さらに該曲線と自転防止部
材外周面または内周面との間が滑らかに直線で連繋され
ることを特徴とするものである。
クロール圧縮機は、渦巻状のラップを有する固定スクロ
ール及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、
前記旋回スクロールに設けたキー及び静止部材に設けた
キーに係合するキー溝部を有する自転防止部材を備え、
冷媒として塩素を含まない一種あるいは二種以上のHF
C系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスクロール
圧縮機において、前記自転防止部材の前記キー溝の前記
キーに対して摺動する面の両端部は、曲線形状からなる
ことを特徴とするものである。
クロール圧縮機は、渦巻状のラップを有する固定スクロ
ール及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、
前記旋回スクロールに設けたキー溝及び静止部材に設け
たキー溝に係合するキー部を有する自転防止部材を備
え、冷媒として塩素を含まないHC系冷媒、CO2、N
H3等の自然系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられる
スクロール圧縮機において、前記自転防止部材の前記キ
ーの前記キー溝に対して摺動する面の両端部は、該摺動
面から10μm以上の曲率半径の曲線で前記摺動面から
10μm以上の高さまで形成され、さらに該曲線と自転
防止部材外周面または内周面との間が滑らかに直線で連
繋されることを特徴とするものである。
ないし図9により説明する。図1に本発明を実施するス
クロール圧縮機の縦断面図の例を示す。密閉容器1内の
上部に圧縮機構部、下部に電動機部8が収納され、低部
に潤滑油7を溜めた貯溜部が設けられている。圧縮機構
部は、固定スクロール2、旋回スクロール3、フレーム
4及び自転防止部材5を主要構成要素としている。
は、それぞれの台板面に直立する渦巻状ラップ面をそれ
ぞれ互いに内側に向けて噛み合わせ圧縮室を形成してい
る。旋回スクロール3は、電動機部8とクランク軸6を
介して連結され旋回運動を行う。
ボルトにより固定され、旋回スクロール3は自転防止部
材5によりフレーム4に支承され、固定スクロール2に
対し自転することなく旋回運動を行う。
は、自転防止部材5を上方から示した図である。自転防
止部材5は、環状部材の上側に位置する旋回スクロール
3側のキー5aが180°方向に対をなし、キー5aに
対して90°の方向で環状部材の下側に位置するフレー
ム4側の一対のキー5bを有する。
溝3a(図1参照)と自転防止部材5のキー5aが係合
し、フレーム4のキー溝4a(図1参照)と自転防止部
材5のキー5bが係合して構成され、キー溝とキーは直
線的な往復運動を行う。
のキーの拡大図で、図9は従来技術、図2及び図3は本
発明の実施例を示す。
は、キー5a,5bが係合するキー溝3a,4a内を往
復運動する際、自転防止部材5の外周面あるいは内周面
と摺動面とを結ぶ直線形状部5cと摺動面との角部によ
り、キー溝3a,4aの摺動面の潤滑油7がかきとら
れ、冷媒中の塩素による極圧効果の期待できない塩素を
含まないHFC系冷媒等の冷媒環境下では、キー5a,
5bとキー溝3a,4aの摺動面の接触が起こり、キー
5a,5bあるいはキー溝3a,4aの摺動面の摩耗が
起こる可能性がある。
に示した自転防止部材では、キー5a,5bの摺動面端
部を摺動面から10μm以上の曲率半径一定の曲線5d
で円滑に連繋することにより、キー5a,5bの摺動面
端部によるキー溝3a,4aの摺動面の潤滑油7のかき
とりを防ぎ、キー5a,5bの摺動面端部の曲線5dに
沿ってキー5a,5bとキー溝3a,4aの間の摺動面
に潤滑油7を流入させることができる。潤滑油7の油膜
は、経験的に数μmとされており、曲率半径を10μm
以上とすれば摺動面の潤滑油のかきとりを防ぐことがで
きる。これにより、塩素を含まないHFC系冷媒等の冷
媒環境下においてもキー5a,5bとキー溝3a,4a
の接触を防止できる。
a,5bの摺動面端部の曲線の曲率半径を10μmより
充分大きくとりかつ可変とし、キー端部に向けて曲率半
径を減じ最終的に10μm以上の曲率半径の形状とした
例である。これによりキー溝3a,4aの摺動面の潤滑
油7をキー5a,5bとキー溝3a,4aの間の摺動面
に流入させ、キー5a,5bとキー溝3a,4aの接触
を防止でき、さらにキー5a,5bの有効摺動長さを確
保できる。
動面から10μm以上の曲率半径の曲線で摺動面から1
0μm以上の高さまで形成し、該曲線と自転防止部材5
の外周面あるいは内周面とを滑らかに直線で繋いだ例で
ある。
して直線部を形成し、第2工程で摺動面側の角部をR加
工する。この方法であれば、最も容易に本形状を実現す
ることができる。
えるためキー5a,5bの摺動面の長さをl1とした場
合の摺動面両端部の曲線部分の曲率半径Rの最大値0.
2l1を示したものである。上記の図2、図3の曲線部
分の曲率半径はこの値以下であればよい。
た場合の自転防止部材の例で、旋回スクロール3側のキ
ー5aと同じ自転防止部材の上側に固定スクロール2の
キー溝に設けたキー溝に係合するキー5eを配した構造
である。
にキーを設けた場合の自転防止部材の例で、旋回スクロ
ール3及びフレーム4に設けたキーと係合するキー溝5
fを自転防止部材に設けたものである。
C系等の塩素を含まない冷媒下でも、自転防止部材、静
止部材に設けられたキーとキー溝の摺動面間に潤滑油を
流入させ、キーとキー溝の接触による摩擦摩耗を防止
し、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することがで
きる。
る。
る。
曲線の曲率半径の説明図である。
ある。
Claims (7)
- 【請求項1】 渦巻状のラップを有する固定スクロール
及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、前記
旋回スクロールに設けたキー溝及び静止部材に設けたキ
ー溝に係合するキーを有する自転防止部材とを備え、冷
媒として塩素を含まない一種あるいは二種以上のHFC
系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスクロール圧
縮機において、 前記自転防止部材の前記キーの前記キー溝に対して摺動
する面の両端部は、10μm以上の曲率半径一定の曲線
からなることを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項2】 渦巻状のラップを有する固定スクロール
及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、前記
旋回スクロールに設けたキー溝及び静止部材に設けたキ
ー溝に係合するキーを有する自転防止部材とを備え、冷
媒として塩素を含まない一種あるいは二種以上のHFC
系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスクロール圧
縮機において、 前記自転防止部材の前記キーの前記キー溝に対して摺動
する面の両端部は、曲線で形成され、該摺動面に接する
該曲線の曲率半径が10μmより充分大きくて、かつ前
記摺動面から端面方向に向け曲率半径を連続的に減じ、
最終的に10μm以上の曲率半径の形状からなることを
特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項3】 渦巻状のラップを有する固定スクロール
及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、前記
旋回スクロールに設けたキー溝及び静止部材に設けたキ
ー溝に係合するキーを有する自転防止部材とを備え、冷
媒として塩素を含まない一種あるいは二種以上のHFC
系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスクロール圧
縮機において、 前記自転防止部材の前記キーの前記キー溝に対して摺動
する面の両端部は、該摺動面から10μm以上の曲率半
径の曲線で前記摺動面から10μm以上の高さまで形成
され、さらに該曲線と自転防止部材外周面または内周面
との間が滑らかに直線で連繋されることを特徴とするス
クロール圧縮機。 - 【請求項4】 渦巻状のラップを有する固定スクロール
及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、前記
旋回スクロールに設けたキー及び静止部材に設けたキー
に係合するキー溝部を有する自転防止部材を備え、冷媒
として塩素を含まない一種あるいは二種以上のHFC系
冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスクロール圧縮
機において、 前記自転防止部材の前記キー溝の前記キーに対して摺動
する面の両端部は、曲線形状からなることを特徴とする
スクロール圧縮機。 - 【請求項5】 渦巻状のラップを有する固定スクロール
及び旋回スクロールを組み合わせた圧縮機構部と、前記
旋回スクロールに設けたキー溝及び静止部材に設けたキ
ー溝に係合するキー部を有する自転防止部材を備え、冷
媒として塩素を含まないHC系冷媒、CO2、NH3等の
自然系冷媒を用い、該冷媒の圧縮に用いられるスクロー
ル圧縮機において、 前記自転防止部材の前記キーの前記キー溝に対して摺動
する面の両端部は、該摺動面から10μm以上の曲率半
径の曲線で前記摺動面から10μm以上の高さまで形成
され、さらに該曲線と自転防止部材外周面または内周面
との間が滑らかに直線で連繋されることを特徴とするス
クロール圧縮機。 - 【請求項6】 前記静止部材が、フレームあるいは固定
スクロールであることを特徴とする請求項1ないし5の
いずれかに記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項7】 前記自転防止部材は、金属あるいは金属
と樹脂の複合材にて形成されていることを特徴とする請
求項1ないし6のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001169049A JP3851111B2 (ja) | 2001-06-05 | 2001-06-05 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001169049A JP3851111B2 (ja) | 2001-06-05 | 2001-06-05 | スクロール圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003239874A true JP2003239874A (ja) | 2003-08-27 |
JP3851111B2 JP3851111B2 (ja) | 2006-11-29 |
Family
ID=27773273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001169049A Expired - Lifetime JP3851111B2 (ja) | 2001-06-05 | 2001-06-05 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3851111B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008035690A1 (fr) * | 2006-09-21 | 2008-03-27 | Daikin Industries, Ltd. | Élément empêchant la rotation et compresseur à spirale |
WO2008038622A1 (fr) * | 2006-09-26 | 2008-04-03 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Machine hydraulique |
JP2008163876A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Daikin Ind Ltd | ロータリー圧縮機 |
US8241022B2 (en) | 2006-09-21 | 2012-08-14 | Daikin Industries, Ltd. | Rotation-preventing member and scroll compressor |
WO2016046877A1 (ja) * | 2014-09-22 | 2016-03-31 | 三菱電機株式会社 | スクロール圧縮機 |
US11199188B2 (en) * | 2019-10-22 | 2021-12-14 | Lg Electronics Inc. | Scroll compressor having anti-rotation ring |
-
2001
- 2001-06-05 JP JP2001169049A patent/JP3851111B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (9)
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US8628315B2 (en) | 2006-09-26 | 2014-01-14 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Fluid machine |
JP2008163876A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Daikin Ind Ltd | ロータリー圧縮機 |
JP4613908B2 (ja) * | 2006-12-28 | 2011-01-19 | ダイキン工業株式会社 | ロータリー圧縮機 |
WO2016046877A1 (ja) * | 2014-09-22 | 2016-03-31 | 三菱電機株式会社 | スクロール圧縮機 |
JPWO2016046877A1 (ja) * | 2014-09-22 | 2017-04-27 | 三菱電機株式会社 | スクロール圧縮機 |
US11199188B2 (en) * | 2019-10-22 | 2021-12-14 | Lg Electronics Inc. | Scroll compressor having anti-rotation ring |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3851111B2 (ja) | 2006-11-29 |
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