JP2003238736A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

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JP2003238736A
JP2003238736A JP2002038586A JP2002038586A JP2003238736A JP 2003238736 A JP2003238736 A JP 2003238736A JP 2002038586 A JP2002038586 A JP 2002038586A JP 2002038586 A JP2002038586 A JP 2002038586A JP 2003238736 A JP2003238736 A JP 2003238736A
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rubber
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JP2002038586A
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Daisuke Nohara
大輔 野原
Akinori Oka
昭範 岡
Takeshi Sonoki
健 園木
Shuichi Kijima
秀一 木島
Jun Igarashi
潤 五十嵐
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Bridgestone Corp
Otsuka Chemical Holdings Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Corp
Otsuka Chemical Holdings Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性を損なうことなく、かつ優れたグリッ
プ性能を発揮するゴム組成物、及びそれを用いた空気入
りタイヤを提供すること。 【解決手段】 天然ゴム及び/又は合成ゴムからなるゴ
ム成分100重量部と、一般式(I) 【化1】 (R1は水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基又はア
ミノ基、R2及びR3は、それぞれ水素原子、炭素数1〜
18の炭化水素基又はヘテロ環式基を示す。)で表され
るヒドラジド誘導体0.1〜50重量部と、プロトン酸
0.1〜50重量部を配合してなるゴム組成物、並びに
このゴム組成物を部材に用いてなる空気入りタイヤであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物及びそ
れを用いた空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、
本発明は、生産性を損なうことなくグリップ性能が改良
されたゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いてなる高
速走行などでのグリップ性能が改善された空気入りタイ
ヤに関するものである。
【0001】
【従来の技術】近年、自動車の性能向上、道路の舗装化
及び高速道路網の発達に伴い、高運動性能を備えた空気
入りタイヤの要求が強まっている。この特性が高いほ
ど、より高速で正確かつ安全に走行することが可能とな
る。とりわけ、加速性能や制動性能に代表されるグリッ
プ性能は、重要な要求特性である。従来より、高グリッ
プ性能を得る方法として、タイヤトレッド用ゴム組成物
に、ガラス転移温度の高いゴムである高スチレン含有率
のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを使用する方法が
知られている。しかしながら、この方法によると、常温
付近でのグリップ性能は向上するものの、走行によるゴ
ム温度の上昇と共に、tanδ値が低下し、グリップ性
能が低下するという不都合があった。
【0002】また、温度上昇に伴うグリップ性能の低下
を改良するために、1,3−ブタジエン、スチレン又は
イソプレンなどのモノマーと、ジフェニル−2−メタク
リロイルオキシエチルホスフェート又はジフェニル−2
−アクリロイルオキシエチルホスフェートなどのジフェ
ニルホスフェート基を有する(メタ)アクリレート化合
物を共重合して得られる共重体ゴムを使用する技術が開
示されている(特開昭59−187011号公報)。し
かしながら、この場合、天然ゴムに適用できないばかり
でなく、製造条件によっては、ポリマー、例えばスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴムが本
来有すべき性質を損なうという不都合があった。一方、
プロセスオイル及びカーボンブラックを高充填した配合
系を使用することにより、ゴム組成物のtanδ値を大
きくする方法が知られているが、この方法によると、グ
リップ性能は向上するものの、充填量が多すぎると破壊
特性や耐摩耗性の著しい低下のために、高充填には限界
があり、所望の高グリップ性能が得られにくいという問
題があった。
【0003】さらに、ゴム成分に、特定のイミダゾール
化合物及び/又はイミダゾリン化合物と、特定のプロト
ン酸誘導体を所定の割合で配合することにより、高温領
域におけるtanδ値を大きくし、このゴム組成物をタ
イヤのトレッドに使用して、グリップ性能を改善する技
術が開示されている(特開昭63−139931号公
報)。しかしながら、この技術においては、生産性が不
充分であり、実用面で問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術が有する問題を解決し、生産性を損なうことな
く、かつ優れたグリップ性能を発揮するゴム組成物、及
びこのゴム組成物を用いてなる高速走行などでのグリッ
プ性能が改善された空気入りタイヤを提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を
有するヒドラジド誘導体とプロトン酸を、それぞれ特定
の割合でゴム成分に配合してなる組成物により、その目
的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見
に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
(1)天然ゴム及び/又は合成ゴムからなるゴム成分1
00重量部と、一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1は水素原子、炭素数1〜18
の炭化水素基又はアミノ基、R2及びR 3は、それぞれ水
素原子、炭素数1〜18の炭化水素基又はヘテロ環式基
を示し、R2とR3はたがいに同一でも異なっていてもよ
いし、たがいに結合して環構造を形成していてもよ
い。)で表されるヒドラジド誘導体0.1〜50重量部
とプロトン酸0.1〜50重量部を配合してなることを
特徴とするゴム組成物を提供するものである。本発明は
また、前記ゴム組成物をゴム部材、特にトレッドゴムに
用いたことを特徴とする空気入りタイヤをも提供するも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物におけるゴム
成分としては、天然ゴム及び/又は合成ゴムが用いられ
る。ここで合成ゴムとしては、ジエン系ゴムが好まし
く、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴ
ム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ム(NBR)などが挙げられ、その他ブチルゴム(II
R)、エチレン−プロピレン共重合体ゴムなどが挙げら
れる。また、例えば四塩化スズのような多官能変性剤を
用いて得られる、分岐構造を有しているものも用いるこ
とができる。これらの天然ゴムや合成ゴムは、一種を単
独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。本発明のゴム組成物においては、一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1は水素原子、炭素数1〜18
の炭化水素基又はアミノ基、R2及びR 3は、それぞれ水
素原子、炭素数1〜18の炭化水素基又はヘテロ環式基
を示し、R2とR3はたがいに同一でも異なっていてもよ
いし、たがいに結合して環構造を形成していてもよ
い。)で表されるヒドラジド誘導体が用いられる。前記
一般式(I)において、R1のうちの炭素数1〜18の炭
化水素基及びR2、R3のうちの炭素数1〜18の炭化水
素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基及
び炭素数7〜18のアラルキル基を挙げることができ
る。ここで、前記の炭素数1〜18のアルキル基及び炭
素数2〜18のアルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状、
環状のいずれであってもよい。前記のアルキル基及びア
ルケニル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチ
ル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル
基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサ
デシル基、各種オクタデシル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、
オレイル基などを挙げることができる。
【0011】また、前記炭素6〜18のアリール基及び
炭素数7〜18のアラルキル基は、環上に、炭素原子、
硫黄原子、窒素原子及び酸素原子の中から選ばれる少な
くとも一種の原子を含む置換基1個以上が導入されてい
てもよく、任意の位置が水酸基で置換されていてもよ
い。このアリール基及びアラルキル基の例としては、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アント
リル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル
基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基など
を挙げることができる。さらに、R2、R3のうちのヘテ
ロ環式基は、環上に炭素原子、硫黄原子、窒素原子及び
酸素原子の中から選ばれる少なくとも一種の原子を含む
置換基1個以上が導入されていてもよい。このヘテロ環
式基の環を構成するヘテロ原子としては、硫黄原子、窒
素原子及び酸素原子の中から選ばれる少なくとも一種が
挙げられ、また、環の員数は3〜10程度である。この
ようなヘテロ環式基の例としては、フリル基、チエニル
基、ピロリル基、オキサゾリル基、チアジル基、イミダ
ゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル
基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、
モルホリニル基、キノリル基、キノキサリニル基、イン
ドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基な
どを挙げることができる。
【0012】また、R2、R3は互いに同一であっても、
異なっていてもよいし、互いに結合して環構造、例えば
シクロヘキシリデン基などを形成していてもよい。前記
一般式(I)で表わされるヒドラジド誘導体としては、
例えばN’−(1−メチルエチリデン)安息香酸ヒドラ
ジド,N’−(1−メチルプロピリデン)安息香酸ヒド
ラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)安息香
酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)安息香酸ヒドラ
ジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチリデ
ン)安息香酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニ
ルメチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(4−ヒド
ロキシフェニルメチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’
−(1−フェニルエチリデン)安息香酸ヒドラジド,
N’−(1−フェニルベンジリデン)安息香酸ヒドラジ
ド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベ
ンジリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(2−フリル
メチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(1−メチル
エチリデン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,
N’−(1−メチルプロピリデン)−1−ナフタレンカ
ルボン酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリ
デン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−
(ベンジリデン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジ
ド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチリデン)
−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(4−
メトキシフェニルメチリデン)−1−ナフタレンカルボ
ン酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチ
リデン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’
−(1−フェニルエチリデン)−1−ナフタレンカルボ
ン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルベンジリデン)
−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(1−
(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン)−1
−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(2−フリ
ルメチリデン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジ
ド,N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフタレン
カルボン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデ
ン)−2−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−
(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフタレンカル
ボン酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)−2−ナフ
タレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチルア
ミノフェニルメチリデン)−2−ナフタレンカルボン酸
ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメチリデ
ン)−2−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−
(4−ヒドロキシフェニルメチリデン)−2−ナフタレ
ンカルボン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルエチリ
デン)−2−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−
(1−フェニルベンジリデン)−2−ナフタレンカルボ
ン酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシ
フェニル)ベンジリデン)−2−ナフタレンカルボン酸
ヒドラジド,N’−(2−フリルメチリデン)−2−ナ
フタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエ
チリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−メチ
ルプロピリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−
(1,3−ジメチルブチリデン)プロピオン酸ヒドラジ
ド,N’−(ベンジリデン)プロピオン酸ヒドラジド,
N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチリデン)プロ
ピオン酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメ
チリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ヒド
ロキシフェニルメチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,
N’−(1−フェニルエチリデン)プロピオン酸ヒドラ
ジド,N’−(1−フェニルベンジリデン)プロピオン
酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフ
ェニル)ベンジリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’
−(2−フリルメチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,
N’−(1−メチルエチリデン)2−メチルプロピオン
酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)2−
メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメ
チルブチリデン)−2−メチルプロピオン酸ヒドラジ
ド,N’−(ベンジリデン)2−メチルプロピオン酸ヒ
ドラジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチレ
ン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−
メトキシフェニルメチリデン)−2−メチルプロピオン
酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチレ
ン)−2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1
−フェニルエチリデン)−2−メチルプロピオン酸ヒド
ラジド,N’−(1−フェニルベンジリデン)−2−メ
チルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−
ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン)2−メチルプロ
ピオン酸ヒドラジド,N’−(2−フリルメチリデン)
−2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−メ
チルエチリデン)−2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒ
ドラジド,N’−(1−メチルプロビリデン)2,2’
−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1,3−
ジメチルブチリデン)−2,2’−ジメチルプロピオン
酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)−2,2’−ジ
メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチル
アミノフェニルメチリデン)−2,2’−ジメチルプロ
ピオン酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメ
チリデン)−2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒドラジ
ド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチリデン)−
2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−
(1−フェニルエチリデン)−2,2’−ジメチルプロ
ピオン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルベンジリデ
ン)−2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,
N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジ
リデン)−2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒドラジ
ド、N’−(2−フリルメチリデン)−2,2’−ジメ
チルプロピオン酸ヒドラジド、N’−(1−メチルエチ
リデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1−メチルプ
ロピリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1,3−
ジメチルブチリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−
(ベンジリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(4−
ジメチルアミノフェニルメチリデン)オクタン酸ヒドラ
ジド、N’−(4−メトキシフェニルメチリデン)オク
タン酸ヒドラジド、N’−(4−ヒドロキシフェニルメ
チリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1−フェニ
ルエチリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1−フ
ェニルベンジリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−
(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジリデ
ン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(2−フリルメチリ
デン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1−メチルエチ
リデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’−(1−メチル
プロピリデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’−(1,
3−ジメチルブチリデン)ステアリン酸ヒドラジド、
N’−(ベンジリデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’
−(4−ジメチルアミノフェニルメチリデン)ステアリ
ン酸ヒドラジド、N’−(4−メトキシフェニルメチリ
デン)ステアリン酸ヒドラジド、N’−(4−ヒドロキ
シフェニルメチリデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’
−(1−フェニルエチリデン)ステアリン酸ヒドラジ
ド、N’−(1−フェニルベンジリデン)ステアリン酸
ヒドラジド、N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェ
ニル)ベンジリデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’−
(2−フリルメチリデン)ステアリン酸ヒドラジド、
N’−(1−メチルエチリデン)サリチル酸ヒドラジ
ド、N’−(1−メチルプロピリデン)サリチル酸ヒド
ラジド、N’−(1,3−ジメチルブチリデン)サリチ
ル酸ヒドラジド、N’−(2−フリルメチレン)サリチ
ル酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1−メチル
エチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロ
キシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフト
エ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジ
メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−
ヒドロキシ−N’−(2−フリルメチレン)−2−ナフ
トエ酸ヒドラジドなどが挙げられる。
【0013】これらのヒドラジド誘導体の中で、グリッ
プ性能を向上させる能力、原料コスト等を考慮すると、
好ましいものは、N’−(ジフェニルメチリデン)安息
香酸ヒドラジド、N’−(1−メチルエチリデン)安息
香酸ヒドラジド、N’−(1−メチルプロピリデン)安
息香酸ヒドラジド、N’−(1,3−ジメチルブチリデ
ン)安息香酸ヒドラジド、N’−(ベンジリデン)安息
香酸ヒドラジド、N’−(1−フェニルエチリデン)安
息香酸ヒドラジド、N’−(1−フェニルベンジリデ
ン)安息香酸ヒドラジド及びN’−(2−フリルメチリ
デン)安息香酸ヒドラジドである。これらのヒドラジド
誘導体は、カルボン酸ヒドラジドに対応するアルデヒド
又はケトンを反応させることにより、容易に製造するこ
とができる。本発明においては、前記ヒドラジド誘導体
を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。また、その配合量は、前記ゴム成分100重量
部に対して、0.1〜50重量部の範囲で選定される。
この量が0.1〜50重量部の範囲で特に効果を発揮
し、50重量部以下であれば、加硫後の物性に悪影響を
及ぼすこともない。このような理由から、その好ましい
配合量は0.5〜30重量部の範囲であり、特に1〜2
0重量部の範囲が好ましい。
【0014】本発明のゴム組成物においては、プロトン
酸が用いられる。このプロトン酸としては、例えば炭素
数2〜20の脂肪族モノ又はポリカルボン酸、炭素数7
〜20の芳香族モノ又はポリカルボン酸、これらの酸無
水物及びフェノール誘導体の中から選ばれる少なくとも
一種を挙げることができる。前記炭素数2〜20の脂肪
族モノ又はポリカルボン酸は、飽和、不飽和のいずれで
あってもよく、その例としては、酢酸、プロピオン酸、
コハク酸、オレイン酸、ロジン酸、マレイン酸などが挙
げられる。また、炭素数7〜20の芳香族モノ又はポリ
カルボン酸の例としては、安息香酸、p−メトキシ安息
香酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、ケイ
皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナ
フトエ酸などが挙げられる。さらに、これらのカルボン
酸の酸無水物の例としては、無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸などが挙げられる。一方、フェノール誘導体と
は、フェノールの核置換されたものをいい、分子量20
00以下のものが好ましく、特にビスフェノール化合物
が好ましい。具体的には1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン及び4,4’−ブチリデンビ
ス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)な
どを好ましく挙げることができる。
【0015】本発明においては、前記プロトン酸を単独
で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、その配合量は、前記ゴム成分100重量部に対し
て、0.1〜50重量部の範囲で選定される。この量が
0.1〜50重量部で特に効果が発揮される上、50重
量部以下では、その他の物性に悪影響を及ぼすことがな
い。このような理由から、その好ましい配合量は0.5
〜30重量部の範囲であり、特に1〜20重量部の範囲
が好ましい。本発明のゴム組成物においては、さらに補
強性充填材を用いることができる。この補強性充填材と
しては、従来ゴム補強用として公知のもの、例えばカー
ボンブラック、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、酸化チタンなどが挙げられ、これ
らは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。これらの中で、特にカーボンブラック
が好適である。該カーボンブラックとしては特に制限は
なく、従来ゴムの補強性充填材として慣用されているも
のの中から任意のものを選択して用いることができる。
このカーボンブラックとしては、例えばFEF,SR
F,HAF,ISAF,SAF等が挙げられる。好まし
くはヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上で、か
つ、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ミリリ
ットル/100g以上のカーボンブラックである。この
カーボンブラックを用いることにより、諸物性の改良効
果は大きくなるが、特に、耐摩耗性に優れるHAF,I
SAF,SAFが好ましい。
【0016】この補強性充填剤の配合量は、前記ゴム成
分100重量部に対して、20〜120重量部であるこ
とが好ましい。補強性充填剤の配合量が、前記ゴム成分
に対し、20重量部以上であると特に、補強性や他の物
性の改良効果が充分に発揮され、また、120重量部以
下であると加工性などが良好になるという利点がある。
補強性や他の物性及び加工性などを考慮すると、その配
合量は、30〜100重量部の範囲が特に好ましい。
【0017】本発明のゴム組成物には、本発明の目的が
損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用
いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセ
ス油、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、シランカップリ
ング剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを
配合することができる。上記加硫剤としては、硫黄等が
挙げられ、その使用量は、前記ゴム成分100重量部に
対し、硫黄分として0.1〜10.0重量部が好まし
く、さらに好ましくは1.0〜5.0重量部である。
0.1重量部以上であると、加硫ゴムの破壊強度、耐摩
耗性、低発熱性が特に良好であり、10.0重量部以下
であるとゴム弾性が良好となる利点がある。
【0018】本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限
定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプト
ベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフ
ィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDP
G(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促
進剤等を挙げることができ、その使用量は、前記ゴム成
分100重量部に対し、0.1〜5.0重量部が好まし
く、さらに好ましくは0.2〜3.0重量部である。
【0019】また、本発明のゴム組成物で使用できるプ
ロセス油としては、例えばパラフィン系、ナフテン系、
アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐
摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリ
シスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又は
パラフィン系が用いられる。その使用量は、前記ゴム成
分100重量部に対して、0〜100重量部が好まし
く、100重量部以下で、加硫ゴムの引張強度、低発熱
性が特に良好である。
【0020】本発明のゴム組成物は、オープンロール、
バンバリーミキサー、ニーダー、エクストルーダー等の
インターナルミキサー(密閉式混練機)等の混練機を用
いて混練することによって得られ、成形加工後、加硫を
行い、ゴム物品を得る。本発明のゴム組成物はタイヤト
レッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォー
ル、ビード部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム、ベル
ト、ホースその他の工業品等の用途にも用いることがで
きるが、特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用さ
れる。
【0021】本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム
組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわ
ち、必要に応じて、上記のように各種薬品を配合した本
発明のゴム組成物が未加硫の段階で例えばトレッドなど
の部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法
により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この
生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られ
る。
【0022】この空気入りタイヤにおいて、タイヤ内に
充填する気体としては、空気や窒素などの不活性なガス
が挙げられる。本発明のゴム組成物をトレッドに用いた
空気入りタイヤは、特にグリップ性能に優れている。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、組成物のムーニースコーチ時
間及び加硫物のtanδ値は、以下に示す方法に従って
測定した。 (1)組成物のムーニースコーチ時間(ML1+4) JIS 6300−1994に準拠し、130℃におけ
るムーニースコーチ時間(ML1+4)を測定し、指数表
示した。数値が大きいほど、ムーニースコーチ時間が長
く、生産性が良いことを示す。 (2)加硫物のtanδ 上島製作所社製粘弾性測定試験機を用い、動的歪1%の
条件下、50℃におけるtanδ値を測定し、コントロ
ールを100として指数表示した。数値が大きいほど、
tanδ値が大きく、得られるタイヤのグリップ性能が
良好となる。
【0024】比較例1 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム100重量部に対
し、アロマチックオイル80重量部、SAFカーボンブ
ラック80重量部、亜鉛華1.5重量部、ステアリン酸
2重量部、老化防止剤6C〔N−(1,3−ジメチルブ
チル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン〕
1.5重量部、パラフィンワックス1.5重量部、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン5
重量部を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛
華1.5重量部、加硫促進剤DM(メルカプトベンゾチ
アジルジスルフィド)1.5重量部、加硫促進剤CZ
(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェニ
ンアミド)2.5重量部及び硫黄1.5重量部を配合し
てゴム組成物を調製した。
【0025】次いで、この組成物を160℃、20分間
の条件で加硫して加硫ゴムを得た。未加硫ゴム組成物の
ムーニースコーチ時間及び加硫ゴムのtanδ値を測定
し、コントロールとした。 実施例1〜5及び比較例2 比較例1におけるマスターバッチの調製において、さら
に第1表に示す種類の化合物5重量部を配合した以外
は、比較例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】(注) A:1−ベンジル−2−メチルイミダゾール B:N’−(ジフェニルメチリデン)安息香酸ヒドラジ
ド C:N’−(1−フェニルベンジリデン)安息香酸ヒド
ラジド D:N’−(ジ−o−トリルメチリデン)安息香酸ヒド
ラジド E:N’−(ジフェニルメチリデン)−o−メチル安息
香酸ヒドラジド F:N’−(ジフェニルメチリデン)−o−ヒドロキシ
安息香酸ヒドラジド
【0028】比較例3 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム100重量部に対
し、アロマチックオイル80重量部、SAFカーボンブ
ラック80重量部、亜鉛華1.5重量部、ステアリン酸
2重量部、老化防止剤6C(前出)1.5重量部、パラ
フィンワックス1.5重量部、N’−(ジフェニルメチ
リデン)安息香酸ヒドラジド5重量部を配合してマスタ
ーバッチを調製し、さらに亜鉛華1.5重量部、加硫促
進剤DM(前出)1.5重量部、加硫促進剤CZ(前
出)2.5重量部及び硫黄1.5重量部を配合してゴム
組成物を調製した。次いで、この組成物を、160℃、
20分間の条件で加硫して加硫ゴムを得た。未加硫ゴム
のムーニースコーチ時間及び加硫物のtanδ値を測定
した。結果を第2表に示す。
【0029】実施例6〜9 比較例3におけるマスターバッチの調製において、さら
に第2表に示す種類のプロトン酸5重量部を配合した以
外は、比較例3と同様に実施した。結果を第2表に示
す。
【0030】
【表2】
【0031】(注) G:4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール) H:安息香酸 I:ナフトエ酸 J:ロジン酸
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム成分に特定の構造
のヒドラジド誘導体とプロトン酸とを組み合わせて特定
量配合することにより、グリップ領域(50℃付近)に
おけるゴム組成物(加硫物)のtanδ値を大きくする
ことができる。その結果、前記ゴム組成物をトレッド部
に使用したタイヤは、走行によるタイヤ温度上昇に伴う
tanδ値の低下を抑え、高速走行などでのグッリプ性
能が改善されるという優れた効果を奏する。また、好適
なヒドラジド誘導体及びプロトン酸を使用することで、
ムーニースコーチ時間を延ばすことができ、生産性の向
上につなげることができる。
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月9日(2002.4.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ゴム組成物及びそれを用いた空気入り
タイヤ
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基
又はアミノ基、R2及びR 3は、それぞれ水素原子、炭素
数1〜18の炭化水素基又はヘテロ環式基を示し、R2
とR3はたがいに同一でも異なっていてもよいし、たが
いに結合して環構造を形成していてもよい。)で表され
るヒドラジド誘導体0.1〜50重量部とプロトン酸
0.1〜50重量部を配合してなることを特徴とするゴ
ム組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物及びそ
れを用いた空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、
本発明は、生産性を損なうことなくグリップ性能が改良
されたゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いてなる高
速走行などでのグリップ性能が改善された空気入りタイ
ヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の性能向上、道路の舗装化
及び高速道路網の発達に伴い、高運動性能を備えた空気
入りタイヤの要求が強まっている。この特性が高いほ
ど、より高速で正確かつ安全に走行することが可能とな
る。とりわけ、加速性能や制動性能に代表されるグリッ
プ性能は、重要な要求特性である。従来より、高グリッ
プ性能を得る方法として、タイヤトレッド用ゴム組成物
に、ガラス転移温度の高いゴムである高スチレン含有率
のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを使用する方法が
知られている。しかしながら、この方法によると、常温
付近でのグリップ性能は向上するものの、走行によるゴ
ム温度の上昇と共に、tanδ値が低下し、グリップ性
能が低下するという不都合があった。
【0003】また、温度上昇に伴うグリップ性能の低下
を改良するために、1,3−ブタジエン、スチレン又は
イソプレンなどのモノマーと、ジフェニル−2−メタク
リロイルオキシエチルホスフェート又はジフェニル−2
−アクリロイルオキシエチルホスフェートなどのジフェ
ニルホスフェート基を有する(メタ)アクリレート化合
物を共重合して得られる共重体ゴムを使用する技術が開
示されている(特開昭59−187011号公報)。し
かしながら、この場合、天然ゴムに適用できないばかり
でなく、製造条件によっては、ポリマー、例えばスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴムが本
来有すべき性質を損なうという不都合があった。一方、
プロセスオイル及びカーボンブラックを高充填した配合
系を使用することにより、ゴム組成物のtanδ値を大
きくする方法が知られているが、この方法によると、グ
リップ性能は向上するものの、充填量が多すぎると破壊
特性や耐摩耗性の著しい低下のために、高充填には限界
があり、所望の高グリップ性能が得られにくいという問
題があった。
【0004】さらに、ゴム成分に、特定のイミダゾール
化合物及び/又はイミダゾリン化合物と、特定のプロト
ン酸誘導体を所定の割合で配合することにより、高温領
域におけるtanδ値を大きくし、このゴム組成物をタ
イヤのトレッドに使用して、グリップ性能を改善する技
術が開示されている(特開昭63−139931号公
報)。しかしながら、この技術においては、生産性が不
充分であり、実用面で問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術が有する問題を解決し、生産性を損なうことな
く、かつ優れたグリップ性能を発揮するゴム組成物、及
びこのゴム組成物を用いてなる高速走行などでのグリッ
プ性能が改善された空気入りタイヤを提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を
有するヒドラジド誘導体とプロトン酸を、それぞれ特定
の割合でゴム成分に配合してなる組成物により、その目
的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見
に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
(1)天然ゴム及び/又は合成ゴムからなるゴム成分1
00重量部と、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1は水素原子、炭素数1〜18
の炭化水素基又はアミノ基、R2及びR 3は、それぞれ水
素原子、炭素数1〜18の炭化水素基又はヘテロ環式基
を示し、R2とR3はたがいに同一でも異なっていてもよ
いし、たがいに結合して環構造を形成していてもよ
い。)で表されるヒドラジド誘導体0.1〜50重量部
とプロトン酸0.1〜50重量部を配合してなることを
特徴とするゴム組成物を提供するものである。本発明は
また、前記ゴム組成物をゴム部材、特にトレッドゴムに
用いたことを特徴とする空気入りタイヤをも提供するも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物におけるゴム
成分としては、天然ゴム及び/又は合成ゴムが用いられ
る。ここで合成ゴムとしては、ジエン系ゴムが好まし
く、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴ
ム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ム(NBR)などが挙げられ、その他ブチルゴム(II
R)、エチレン−プロピレン共重合体ゴムなどが挙げら
れる。また、例えば四塩化スズのような多官能変性剤を
用いて得られる、分岐構造を有しているものも用いるこ
とができる。これらの天然ゴムや合成ゴムは、一種を単
独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。本発明のゴム組成物においては、一般式(I)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1は水素原子、炭素数1〜18
の炭化水素基又はアミノ基、R2及びR 3は、それぞれ水
素原子、炭素数1〜18の炭化水素基又はヘテロ環式基
を示し、R2とR3はたがいに同一でも異なっていてもよ
いし、たがいに結合して環構造を形成していてもよ
い。)で表されるヒドラジド誘導体が用いられる。前記
一般式(I)において、R1のうちの炭素数1〜18の炭
化水素基及びR2、R3のうちの炭素数1〜18の炭化水
素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2
〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基及
び炭素数7〜18のアラルキル基を挙げることができ
る。ここで、前記の炭素数1〜18のアルキル基及び炭
素数2〜18のアルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状、
環状のいずれであってもよい。前記のアルキル基及びア
ルケニル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチ
ル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル
基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサ
デシル基、各種オクタデシル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、
オレイル基などを挙げることができる。
【0012】また、前記炭素6〜18のアリール基及び
炭素数7〜18のアラルキル基は、環上に、炭素原子、
硫黄原子、窒素原子及び酸素原子の中から選ばれる少な
くとも一種の原子を含む置換基1個以上が導入されてい
てもよく、任意の位置が水酸基で置換されていてもよ
い。このアリール基及びアラルキル基の例としては、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アント
リル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル
基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基など
を挙げることができる。さらに、R2、R3のうちのヘテ
ロ環式基は、環上に炭素原子、硫黄原子、窒素原子及び
酸素原子の中から選ばれる少なくとも一種の原子を含む
置換基1個以上が導入されていてもよい。このヘテロ環
式基の環を構成するヘテロ原子としては、硫黄原子、窒
素原子及び酸素原子の中から選ばれる少なくとも一種が
挙げられ、また、環の員数は3〜10程度である。この
ようなヘテロ環式基の例としては、フリル基、チエニル
基、ピロリル基、オキサゾリル基、チアジル基、イミダ
ゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル
基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、
モルホリニル基、キノリル基、キノキサリニル基、イン
ドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基な
どを挙げることができる。
【0013】また、R2、R3は互いに同一であっても、
異なっていてもよいし、互いに結合して環構造、例えば
シクロヘキシリデン基などを形成していてもよい。前記
一般式(I)で表わされるヒドラジド誘導体としては、
例えばN’−(1−メチルエチリデン)安息香酸ヒドラ
ジド,N’−(1−メチルプロピリデン)安息香酸ヒド
ラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリデン)安息香
酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)安息香酸ヒドラ
ジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチリデ
ン)安息香酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニ
ルメチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(4−ヒド
ロキシフェニルメチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’
−(1−フェニルエチリデン)安息香酸ヒドラジド,
N’−(1−フェニルベンジリデン)安息香酸ヒドラジ
ド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベ
ンジリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(2−フリル
メチリデン)安息香酸ヒドラジド,N’−(1−メチル
エチリデン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,
N’−(1−メチルプロピリデン)−1−ナフタレンカ
ルボン酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメチルブチリ
デン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−
(ベンジリデン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジ
ド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチリデン)
−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(4−
メトキシフェニルメチリデン)−1−ナフタレンカルボ
ン酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチ
リデン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’
−(1−フェニルエチリデン)−1−ナフタレンカルボ
ン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルベンジリデン)
−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(1−
(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン)−1
−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(2−フリ
ルメチリデン)−1−ナフタレンカルボン酸ヒドラジ
ド,N’−(1−メチルエチリデン)−2−ナフタレン
カルボン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデ
ン)−2−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−
(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフタレンカル
ボン酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)−2−ナフ
タレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチルア
ミノフェニルメチリデン)−2−ナフタレンカルボン酸
ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメチリデ
ン)−2−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−
(4−ヒドロキシフェニルメチリデン)−2−ナフタレ
ンカルボン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルエチリ
デン)−2−ナフタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−
(1−フェニルベンジリデン)−2−ナフタレンカルボ
ン酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシ
フェニル)ベンジリデン)−2−ナフタレンカルボン酸
ヒドラジド,N’−(2−フリルメチリデン)−2−ナ
フタレンカルボン酸ヒドラジド,N’−(1−メチルエ
チリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−メチ
ルプロピリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−
(1,3−ジメチルブチリデン)プロピオン酸ヒドラジ
ド,N’−(ベンジリデン)プロピオン酸ヒドラジド,
N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチリデン)プロ
ピオン酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメ
チリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ヒド
ロキシフェニルメチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,
N’−(1−フェニルエチリデン)プロピオン酸ヒドラ
ジド,N’−(1−フェニルベンジリデン)プロピオン
酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフ
ェニル)ベンジリデン)プロピオン酸ヒドラジド,N’
−(2−フリルメチリデン)プロピオン酸ヒドラジド,
N’−(1−メチルエチリデン)2−メチルプロピオン
酸ヒドラジド,N’−(1−メチルプロピリデン)2−
メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1,3−ジメ
チルブチリデン)−2−メチルプロピオン酸ヒドラジ
ド,N’−(ベンジリデン)2−メチルプロピオン酸ヒ
ドラジド,N’−(4−ジメチルアミノフェニルメチレ
ン)2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−
メトキシフェニルメチリデン)−2−メチルプロピオン
酸ヒドラジド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチレ
ン)−2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1
−フェニルエチリデン)−2−メチルプロピオン酸ヒド
ラジド,N’−(1−フェニルベンジリデン)−2−メ
チルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−(2,4−
ジヒドロキシフェニル)ベンジリデン)2−メチルプロ
ピオン酸ヒドラジド,N’−(2−フリルメチリデン)
−2−メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1−メ
チルエチリデン)−2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒ
ドラジド,N’−(1−メチルプロビリデン)2,2’
−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(1,3−
ジメチルブチリデン)−2,2’−ジメチルプロピオン
酸ヒドラジド,N’−(ベンジリデン)−2,2’−ジ
メチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−(4−ジメチル
アミノフェニルメチリデン)−2,2’−ジメチルプロ
ピオン酸ヒドラジド,N’−(4−メトキシフェニルメ
チリデン)−2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒドラジ
ド,N’−(4−ヒドロキシフェニルメチリデン)−
2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,N’−
(1−フェニルエチリデン)−2,2’−ジメチルプロ
ピオン酸ヒドラジド,N’−(1−フェニルベンジリデ
ン)−2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド,
N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジ
リデン)−2,2’−ジメチルプロピオン酸ヒドラジ
ド、N’−(2−フリルメチリデン)−2,2’−ジメ
チルプロピオン酸ヒドラジド、N’−(1−メチルエチ
リデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1−メチルプ
ロピリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1,3−
ジメチルブチリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−
(ベンジリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(4−
ジメチルアミノフェニルメチリデン)オクタン酸ヒドラ
ジド、N’−(4−メトキシフェニルメチリデン)オク
タン酸ヒドラジド、N’−(4−ヒドロキシフェニルメ
チリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1−フェニ
ルエチリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1−フ
ェニルベンジリデン)オクタン酸ヒドラジド、N’−
(1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンジリデ
ン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(2−フリルメチリ
デン)オクタン酸ヒドラジド、N’−(1−メチルエチ
リデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’−(1−メチル
プロピリデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’−(1,
3−ジメチルブチリデン)ステアリン酸ヒドラジド、
N’−(ベンジリデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’
−(4−ジメチルアミノフェニルメチリデン)ステアリ
ン酸ヒドラジド、N’−(4−メトキシフェニルメチリ
デン)ステアリン酸ヒドラジド、N’−(4−ヒドロキ
シフェニルメチリデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’
−(1−フェニルエチリデン)ステアリン酸ヒドラジ
ド、N’−(1−フェニルベンジリデン)ステアリン酸
ヒドラジド、N’−(1−(2,4−ジヒドロキシフェ
ニル)ベンジリデン)ステアリン酸ヒドラジド、N’−
(2−フリルメチリデン)ステアリン酸ヒドラジド、
N’−(1−メチルエチリデン)サリチル酸ヒドラジ
ド、N’−(1−メチルプロピリデン)サリチル酸ヒド
ラジド、N’−(1,3−ジメチルブチリデン)サリチ
ル酸ヒドラジド、N’−(2−フリルメチレン)サリチ
ル酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1−メチル
エチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−ヒドロ
キシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−2−ナフト
エ酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジ
メチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド、3−
ヒドロキシ−N’−(2−フリルメチレン)−2−ナフ
トエ酸ヒドラジドなどが挙げられる。
【0014】これらのヒドラジド誘導体の中で、グリッ
プ性能を向上させる能力、原料コスト等を考慮すると、
好ましいものは、N’−(ジフェニルメチリデン)安息
香酸ヒドラジド、N’−(1−メチルエチリデン)安息
香酸ヒドラジド、N’−(1−メチルプロピリデン)安
息香酸ヒドラジド、N’−(1,3−ジメチルブチリデ
ン)安息香酸ヒドラジド、N’−(ベンジリデン)安息
香酸ヒドラジド、N’−(1−フェニルエチリデン)安
息香酸ヒドラジド、N’−(1−フェニルベンジリデ
ン)安息香酸ヒドラジド及びN’−(2−フリルメチリ
デン)安息香酸ヒドラジドである。これらのヒドラジド
誘導体は、カルボン酸ヒドラジドに対応するアルデヒド
又はケトンを反応させることにより、容易に製造するこ
とができる。本発明においては、前記ヒドラジド誘導体
を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。また、その配合量は、前記ゴム成分100重量
部に対して、0.1〜50重量部の範囲で選定される。
この量が0.1〜50重量部の範囲で特に効果を発揮
し、50重量部以下であれば、加硫後の物性に悪影響を
及ぼすこともない。このような理由から、その好ましい
配合量は0.5〜30重量部の範囲であり、特に1〜2
0重量部の範囲が好ましい。
【0015】本発明のゴム組成物においては、プロトン
酸が用いられる。このプロトン酸としては、例えば炭素
数2〜20の脂肪族モノ又はポリカルボン酸、炭素数7
〜20の芳香族モノ又はポリカルボン酸、これらの酸無
水物及びフェノール誘導体の中から選ばれる少なくとも
一種を挙げることができる。前記炭素数2〜20の脂肪
族モノ又はポリカルボン酸は、飽和、不飽和のいずれで
あってもよく、その例としては、酢酸、プロピオン酸、
コハク酸、オレイン酸、ロジン酸、マレイン酸などが挙
げられる。また、炭素数7〜20の芳香族モノ又はポリ
カルボン酸の例としては、安息香酸、p−メトキシ安息
香酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、ケイ
皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナ
フトエ酸などが挙げられる。さらに、これらのカルボン
酸の酸無水物の例としては、無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸などが挙げられる。一方、フェノール誘導体と
は、フェノールの核置換されたものをいい、分子量20
00以下のものが好ましく、特にビスフェノール化合物
が好ましい。具体的には1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン及び4,4’−ブチリデンビ
ス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)な
どを好ましく挙げることができる。
【0016】本発明においては、前記プロトン酸を単独
で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、その配合量は、前記ゴム成分100重量部に対し
て、0.1〜50重量部の範囲で選定される。この量が
0.1〜50重量部で特に効果が発揮される上、50重
量部以下では、その他の物性に悪影響を及ぼすことがな
い。このような理由から、その好ましい配合量は0.5
〜30重量部の範囲であり、特に1〜20重量部の範囲
が好ましい。本発明のゴム組成物においては、さらに補
強性充填材を用いることができる。この補強性充填材と
しては、従来ゴム補強用として公知のもの、例えばカー
ボンブラック、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、酸化チタンなどが挙げられ、これ
らは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。これらの中で、特にカーボンブラック
が好適である。該カーボンブラックとしては特に制限は
なく、従来ゴムの補強性充填材として慣用されているも
のの中から任意のものを選択して用いることができる。
このカーボンブラックとしては、例えばFEF,SR
F,HAF,ISAF,SAF等が挙げられる。好まし
くはヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上で、か
つ、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ミリリ
ットル/100g以上のカーボンブラックである。この
カーボンブラックを用いることにより、諸物性の改良効
果は大きくなるが、特に、耐摩耗性に優れるHAF,I
SAF,SAFが好ましい。
【0017】この補強性充填剤の配合量は、前記ゴム成
分100重量部に対して、20〜120重量部であるこ
とが好ましい。補強性充填剤の配合量が、前記ゴム成分
に対し、20重量部以上であると特に、補強性や他の物
性の改良効果が充分に発揮され、また、120重量部以
下であると加工性などが良好になるという利点がある。
補強性や他の物性及び加工性などを考慮すると、その配
合量は、30〜100重量部の範囲が特に好ましい。
【0018】本発明のゴム組成物には、本発明の目的が
損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用
いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセ
ス油、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、シランカップリ
ング剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを
配合することができる。上記加硫剤としては、硫黄等が
挙げられ、その使用量は、前記ゴム成分100重量部に
対し、硫黄分として0.1〜10.0重量部が好まし
く、さらに好ましくは1.0〜5.0重量部である。
0.1重量部以上であると、加硫ゴムの破壊強度、耐摩
耗性、低発熱性が特に良好であり、10.0重量部以下
であるとゴム弾性が良好となる利点がある。
【0019】本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限
定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプト
ベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフ
ィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDP
G(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促
進剤等を挙げることができ、その使用量は、前記ゴム成
分100重量部に対し、0.1〜5.0重量部が好まし
く、さらに好ましくは0.2〜3.0重量部である。
【0020】また、本発明のゴム組成物で使用できるプ
ロセス油としては、例えばパラフィン系、ナフテン系、
アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐
摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリ
シスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又は
パラフィン系が用いられる。その使用量は、前記ゴム成
分100重量部に対して、0〜100重量部が好まし
く、100重量部以下で、加硫ゴムの引張強度、低発熱
性が特に良好である。
【0021】本発明のゴム組成物は、オープンロール、
バンバリーミキサー、ニーダー、エクストルーダー等の
インターナルミキサー(密閉式混練機)等の混練機を用
いて混練することによって得られ、成形加工後、加硫を
行い、ゴム物品を得る。本発明のゴム組成物はタイヤト
レッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォー
ル、ビード部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム、ベル
ト、ホースその他の工業品等の用途にも用いることがで
きるが、特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用さ
れる。
【0022】本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム
組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわ
ち、必要に応じて、上記のように各種薬品を配合した本
発明のゴム組成物が未加硫の段階で例えばトレッドなど
の部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法
により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この
生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られ
る。
【0023】この空気入りタイヤにおいて、タイヤ内に
充填する気体としては、空気や窒素などの不活性なガス
が挙げられる。本発明のゴム組成物をトレッドに用いた
空気入りタイヤは、特にグリップ性能に優れている。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、組成物のムーニースコーチ時
間及び加硫物のtanδ値は、以下に示す方法に従って
測定した。 (1)組成物のムーニースコーチ時間(ML1+4) JIS 6300−1994に準拠し、130℃におけ
るムーニースコーチ時間(ML1+4)を測定し、指数表
示した。数値が大きいほど、ムーニースコーチ時間が長
く、生産性が良いことを示す。 (2)加硫物のtanδ 上島製作所社製粘弾性測定試験機を用い、動的歪1%の
条件下、50℃におけるtanδ値を測定し、コントロ
ールを100として指数表示した。数値が大きいほど、
tanδ値が大きく、得られるタイヤのグリップ性能が
良好となる。
【0025】比較例1 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム100重量部に対
し、アロマチックオイル80重量部、SAFカーボンブ
ラック80重量部、亜鉛華1.5重量部、ステアリン酸
2重量部、老化防止剤6C〔N−(1,3−ジメチルブ
チル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン〕
1.5重量部、パラフィンワックス1.5重量部、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン5
重量部を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛
華1.5重量部、加硫促進剤DM(メルカプトベンゾチ
アジルジスルフィド)1.5重量部、加硫促進剤CZ
(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェニ
ンアミド)2.5重量部及び硫黄1.5重量部を配合し
てゴム組成物を調製した。
【0026】次いで、この組成物を160℃、20分間
の条件で加硫して加硫ゴムを得た。未加硫ゴム組成物の
ムーニースコーチ時間及び加硫ゴムのtanδ値を測定
し、コントロールとした。 実施例1〜5及び比較例2 比較例1におけるマスターバッチの調製において、さら
に第1表に示す種類の化合物5重量部を配合した以外
は、比較例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
【0027】
【表1】
【0028】(注) A:1−ベンジル−2−メチルイミダゾール B:N’−(ジフェニルメチリデン)安息香酸ヒドラジ
ド C:N’−(1−フェニルベンジリデン)安息香酸ヒド
ラジド D:N’−(ジ−o−トリルメチリデン)安息香酸ヒド
ラジド E:N’−(ジフェニルメチリデン)−o−メチル安息
香酸ヒドラジド F:N’−(ジフェニルメチリデン)−o−ヒドロキシ
安息香酸ヒドラジド
【0029】比較例3 スチレン−ブタジエン共重合体ゴム100重量部に対
し、アロマチックオイル80重量部、SAFカーボンブ
ラック80重量部、亜鉛華1.5重量部、ステアリン酸
2重量部、老化防止剤6C(前出)1.5重量部、パラ
フィンワックス1.5重量部、N’−(ジフェニルメチ
リデン)安息香酸ヒドラジド5重量部を配合してマスタ
ーバッチを調製し、さらに亜鉛華1.5重量部、加硫促
進剤DM(前出)1.5重量部、加硫促進剤CZ(前
出)2.5重量部及び硫黄1.5重量部を配合してゴム
組成物を調製した。次いで、この組成物を、160℃、
20分間の条件で加硫して加硫ゴムを得た。未加硫ゴム
のムーニースコーチ時間及び加硫物のtanδ値を測定
した。結果を第2表に示す。
【0030】実施例6〜9 比較例3におけるマスターバッチの調製において、さら
に第2表に示す種類のプロトン酸5重量部を配合した以
外は、比較例3と同様に実施した。結果を第2表に示
す。
【0031】
【表2】
【0032】(注) G:4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール) H:安息香酸 I:ナフトエ酸 J:ロジン酸
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム成分に特定の構造
のヒドラジド誘導体とプロトン酸とを組み合わせて特定
量配合することにより、グリップ領域(50℃付近)に
おけるゴム組成物(加硫物)のtanδ値を大きくする
ことができる。その結果、前記ゴム組成物をトレッド部
に使用したタイヤは、走行によるタイヤ温度上昇に伴う
tanδ値の低下を抑え、高速走行などでのグッリプ性
能が改善されるという優れた効果を奏する。また、好適
なヒドラジド誘導体及びプロトン酸を使用することで、
ムーニースコーチ時間を延ばすことができ、生産性の向
上につなげることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/24 C08K 5/24 C08L 21/00 C08L 21/00 (72)発明者 岡 昭範 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内 (72)発明者 園木 健 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内 (72)発明者 木島 秀一 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内 (72)発明者 五十嵐 潤 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内 Fターム(参考) 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 BB151 BB181 DA038 DE138 DE148 DE238 DH018 EF037 EF067 EF077 EF097 EF117 EJ037 EQ026 FD018 FD020 FD150 GN01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム及び/又は合成ゴムからなるゴ
    ム成分100重量部と、一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基
    又はアミノ基、R2及びR 3は、それぞれ水素原子、炭素
    数1〜18の炭化水素基又はヘテロ環式基を示し、R2
    とR3はたがいに同一でも異なっていてもよいし、たが
    いに結合して環構造を形成していてもよい。)で表され
    るヒドラジド誘導体0.1〜50重量部とプロトン酸
    0.1〜50重量部を配合してなることを特徴とするゴ
    ム組成物。
  2. 【請求項2】 前記プロトン酸が、炭素数2〜20の脂
    肪族モノ又はポリカルボン酸、炭素数7〜20の芳香族
    モノ又はポリカルボン酸、これらの酸無水物及びフェノ
    ール誘導体の中から選ばれる少なくとも一種である請求
    項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記フェノール誘導体がビスフェノール
    化合物である請求項2記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記ビスフェノール化合物が、1,1ビ
    ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン又は4,
    4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブ
    チルフェノール)である請求項3記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 さらに補強性充填材20〜120重量部
    を含む請求項1ないし4のいずれかに記載のゴム組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記補強性充填材がカーボンブラックで
    ある請求項5記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のゴ
    ム組成物を部材に用いたことを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  8. 【請求項8】 前記部材がタイヤトレッドである請求項
    7記載の空気入りタイヤ。 【0001】
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006143859A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Bridgestone Corp 防振ゴム
JP2015205971A (ja) * 2014-04-18 2015-11-19 横浜ゴム株式会社 タイヤキャップトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2017031281A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 東洋ゴム工業株式会社 ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2018225478A1 (ja) * 2017-06-07 2018-12-13 株式会社ブリヂストン タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP7458247B2 (ja) 2020-06-17 2024-03-29 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、タイヤ用ゴム組成物、タイヤトレッド用ゴム組成物、タイヤ用架橋ゴム、タイヤトレッド及びタイヤ

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