JP2003238676A - 熱硬化性ppeのオリゴマー体 - Google Patents

熱硬化性ppeのオリゴマー体

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JP2003238676A JP2002040063A JP2002040063A JP2003238676A JP 2003238676 A JP2003238676 A JP 2003238676A JP 2002040063 A JP2002040063 A JP 2002040063A JP 2002040063 A JP2002040063 A JP 2002040063A JP 2003238676 A JP2003238676 A JP 2003238676A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】PPEの優れた電気特性・強靱性を有し、他樹
脂との相溶性、成形加工性を改善した熱硬化性樹脂を提
案し、さらに、エレクトロニクス分野をはじめとする多
種多様な用途に幅広く利用できる形にすること。 【解決手段】ビスフェノール核を有する2官能性PPE
オリゴマーの両末端を熱硬化性官能基に変換すること
で、PPEの優れた電気特性・強靱性を引継いだ活性の
高い熱硬化性樹脂を作り得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両末端に熱硬化性
官能基を有する2官能型フェニレンエーテルのオリゴマ
ー体に関するもので、低誘電率、低誘電正接、高タフネ
スが要求されるエレクトロニクス分野をはじめとし、塗
装、接着、成形用など多種多様な用途に用いられる熱硬
化性樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途の材料には、伝送信号の
高速化に伴い高周波(ギガヘルツ帯)の利用のために、時
間遅延を小さくする低誘電率化、そして損失を小さくす
る低誘電正接化が望まれる。また、熱衝撃で発生すると
考えられているマイクロクラックを抑制し高い信頼性を
得るために高タフネス化も望まれる。これらの要望に対
し、諸特性を持ち合わせる改質ポリマーとして、ポリフ
ェニレンエーテル(PPE)などのエンジニアリングプラス
チックスを配合する試みが行われている。しかし、熱硬
化性樹脂に熱可塑性樹脂を直接配合することに起因し
て、樹脂同士の相溶性や成形加工性に課題が残る。
【0003】相溶性改善のためには、相溶化剤として他
の樹脂とのブレンドにより改善する方法や、PPEとシア
ネート樹脂の擬似IPN構造化の検討(特開平11-21452等)
がなされているが、成形加工性・耐熱性までは解決され
ていない。また、成形性改善のためには、高分子PPEを
低分子にする方法等の検討がなされている。例えば、高
分子PPEとポリフェノール類をラジカル触媒下で再分配
させる方法(特開平9-291148等)等が知られている。さら
に、強靭性を得るためには、2価のフェノールと1価のフ
ェノールを酸化重合しシアン酸エステル基を有する熱硬
化性樹脂にする方法(特公平8-011747)等が知られてい
る。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、PPEの優
れた電気特性・強靭性を有し、他樹脂との相溶性、成形
加工性を改善した熱硬化性樹脂を提供することである。
さらに、エレクトロニクス分野をはじめとする多種多様
な用途に幅広く利用できる形にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、PPEの優
れた強靭性を引継ぎ、さらに低誘電特性を有する熱硬化
性樹脂について鋭意検討を重ねた結果、2価のフェノー
ルと1価のフェノールとを酸化共重合して得られる構造
式(6)で示される2官能型PPEを、クロロシアン等のハロ
ゲン化シアンと、塩基の存在下で、脱ハロゲン化水素反
応させて得られるシアネート樹脂が上記の目的を満たす
ことを見出し、本発明を完成するに至った。以下に、本
発明を詳細に説明する。
【0006】本発明は、フェノール類の酸化重合におい
て、2価のフェノールと1価のフェノールを共重合するこ
とで、2官能型のPPEを効率良く合成し、さらに活性が高
く、樹脂組成の中でネットワークに組み込まれる熱硬化
性樹脂(シアネート体)にすることを特徴とする。ここ
で、原料に用いる2価のフェノールには、酸化速度が遅
く、少なくとも2,6置換のビスフェノール類を用い、ま
た1価のフェノールには、酸化重合反応に必要とされて
いる2,6位に置換基を有するもの、またさらに、3位に置
換基を導入した化合物を原料に用いることで、本発明を
完成するに至った。これらの共重合により、フェニレン
エーテル構造の影響とメチル基増加の影響により、PPE
の優れた電気特性を引継ぐ樹脂の開発が達成された。す
なわち、2官能型のPPEが、本発明にとって非常に重要な
ことを見出したのである。
【0007】本発明の中間体である2官能PPEのオリゴマ
ー体とは、下記の構造式(6)に示す様な構造を有し、-X-
が構造式(2)で示され、-(O-Y)-は構造式(3)で定義され
る1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以
上の構造がランダムに配列したものである。式中、R1,R
2,R3,R7,R8は、同一または異なってもよく、ハロゲン原
子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基で
ある。R4,R5,R6は、同一または異なってもよく、水素原
子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基また
はフェニル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状ある
いは、分岐状の炭化水素あるいはフェニル基あるいは、
環状の炭化水素を有する有機基である。-(O-Y)-は構造
式(3)で示され、R9,R10は、同一または異なってもよ
く、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基また
はフェニル基である。R11,R12は、同一または異なって
もよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下の
アルキル基またはフェニル基である。-(O-Y)-は、構造
式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で定
義される2種類以上の構造がランダムに配列したもので
ある。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子を含
むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でな
い、0〜300の整数を示す。iは、それぞれ独立に0または
1の整数を示す。R1,R2,R3,R7,R8,R9,R10が水素原子でな
いことが必須のPPEのオリゴマー体である。好ましく
は、-X-が構造式(2)の通り、少なくともR1,R2,R3,R5,R
7,R8がメチル基、その他が水素原子であり、-(O-Y)-がR
9,R10,R11がメチル基、R12が水素原子である構造式(4)
で示される単独あるいは、R9,R10がメチル基、R11,R12
が水素原子である構造式(5)で示される単独あるいは、
構造式(4)と構造式(5)がランダムに配列をした構造を有
することが望ましい。
【0008】
【化3】
【0009】本発明の中間体である2官能PPEオリゴマー
体について説明する。構造式(6)で示されるPPEのオリゴ
マー体は、構造式(7)で示される2価のフェノールと、構
造式(8)で定義される1価のフェノールの単独または混合
物を、トルエン-アルコールあるいはケトンあるいはエ
ーテル溶媒中で酸化重合することで、効率的に製造する
ことができる。
【0010】
【化4】 ここで、構造式(7)の2価のフェノールとは、R1,R2,R3,R
7,R8は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子また
は炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R
4,R5,R6は、同一または異なってもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェ
ニル基であり、Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、
分岐状の炭化水素あるいはフェニル基あるいは、環状の
炭化水素を有する有機基である。R1,R2,R7,R8が水素原
子でないことが必須の2価のフェノールであり、4,4'-メ
チレンビス(2,3,6-トリメチルフェノール)、4,4'-(フェ
ニルメチレン)ビス-2,3,6-トリメチルフェノール、4,4'
-(4-メチルフェニルエチリデン)ビス[2,3,6-トリメチル
フェノール]、4,4'-[1,4-フェニレンビスメチレン]ビス
[2,3,6-トリメチルフェノール]、4,4'-(4-メトキシフェ
ニルメチレン)ビス[2,3,6-トリメチルフェノール]、4,
4'-[4-(1-メチルエチル)フェニルメチレン]ビス[2,3,6-
トリメチルフェノール]、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-
メチルエチリデン)]ビス[2,3,6-トリメチルフェノール]
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0011】次に、構造式(8)の1価のフェノールとは、
R9,R10は同一または異なってもよく、ハロゲン原子また
は炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R
11,R12は同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲ
ン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル
基である。特に、2,6位に置換基を有するもの単独、ま
たはこれと3位あるいは3,5位に置換基を有するものが併
用されることが好ましい。さらに好ましくは、単独では
2,6-ジメチルフェノール、2,3,6-トリメチルフェノール
がよく、併用では2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリ
メチルフェノールがよい。
【0012】酸化の方法については直接酸素ガスあるい
は空気を使用する方法がある。また、電極酸化の方法も
ある。いずれの方法でも良く、特に限定されない。安全
性および設備投資が安価であることから空気酸化が好ま
しい。
【0013】酸素ガスあるいは、空気を用いて酸化重合
をする場合の触媒としては、CuCl、CuBr、Cu2SO4、CuCl
2、CuBr2、CuSO4、CuI等の銅塩等の一種または二種以上
が用いられ、上記触媒に加えて、モノ-及びジメチルア
ミン、モノ-及びジエチルアミン、モノ-及びジプロピル
アミン、モノ-及びジ-n-ブチルアミン、モノ-及びジ-s
ec-ジプロピルアミン、モノ-及びジベンジルアミン、モ
ノ-及びジシクロヘキシルアミン、モノ-及びジエタノー
ルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミ
ン、ブチルジメチルアミン、アリルエチルアミン、メチ
ルシクロヘキシルアミン、モルホリン、メチル-n-ブチ
ルアミン、エチルイソプロピルアミン、ベンジルメチル
アミン、オクチルベンジルアミン、オクチル−クロロベ
ンジルアミン、メチル(フェニルエチル)アミン、ベン
ジルエチルアミン、N-n-ブチルジメチルアミン、N,N'-
ジ-tert-ブチルエチレンジアミン、ジ(クロロフェニル
エチル)アミン、1-メチルアミノ‐4‐ペンテン、ピ
リジン、メチルピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、
ピペリジン等を一種または二種以上のアミンが併用され
る。銅塩及びアミンであれば、特にこれらに限定される
ものではない。
【0014】反応溶媒としては、トルエン、ベンゼン、
キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、エチレンクロライ
ド、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
系溶剤等に加えて、アルコール系溶剤あるいはケトン系
溶剤あるいはエーテル系溶剤などと併用することができ
る。アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、プロパノール、メチルプロピレンジグ
リコール、ジエチレングリコールエチルエーテル、ブチ
ルプロピレングリコール、プロピルプロピレングリコー
ル等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、その他には
テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0015】反応温度については、特には限定されない
が、25〜60℃が好ましい。酸化重合が発熱反応のため、
60℃以上では温度制御が困難で分子量制御が困難とな
る。25℃以下では反応速度が極端に遅くなるために、効
率的な製造ができなくなる。
【0016】本発明の熱硬化性PPEのオリゴマー体は、
構造式(1)に示される。すなわち、-X-は構造式(2)で示
され、R1,R2,R3,R7,R8は、同一または異なってもよく、
ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフ
ェニル基である。R4,R5,R6は、同一または異なってもよ
く、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアル
キル基またはフェニル基である。Aは、炭素数20以下の
直鎖状あるいは、分岐状の炭化水素あるいはフェニル基
あるいは、環状の炭化水素を有する有機基である。-(O-
Y)-は構造式(3)で示され、R9,R10は、同一または異なっ
てもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基である。R11,R12は、同一または異
なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6
以下のアルキル基またはフェニル基である。-(O-Y)-は
構造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)
で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したも
のである。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子
を含むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0
でない、0〜300の整数を示す。iは、それぞれ独立に0ま
たは1の整数を示す。
【0017】Z部には、炭素数1以上で酸素原子を含んで
もよい有機基をおくことができる。例示すると、-(-CH2
-)-、-(CH2-CH2-)-、-(-CH2-Ar-O-)-などであるが、こ
れらに限定されることはない。付加する方法は、構造式
(6)で示される中間体に直接付加する方法や、誘導体合
成時に炭素鎖の長いハロゲン化物を使用する方法がある
が、これらに限定されることはない。
【0018】以下の説明は、便宜上、最も単純構造であ
る構造式(6)で示される中間体からの誘導体について、
説明する。熱硬化性PPEのオリゴマー体を製造するため
の中間体には、上述の構造式(6)で示される2官能PPEの
オリゴマーを用いるが、反応液から分離した粉末または
反応液に溶解した形のどちらでも用いることができる。
【0019】本発明のシアネート体の製造方法について
例示する。中間体として上述の構造式(6)で示される2官
能型で末端にフェノール性水酸基を有する化合物をクロ
ロシアン、ブロモシアン等のハロゲン化シアンと、塩基
の存在下、脱ハロゲン化水素反応させて合成することが
できる。
【0020】塩基としては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルアニリン、
ピリジンなどの三級アミンおよび、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、重炭酸ナトリウムなどが代表的なものであり、
これらに限定されるものではない。
【0021】反応溶媒としては、トルエン、キシレン、
クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロベン
ゼン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、テトラヒドロフランおよびジオキサ
ン、水などが代表的なものであり、これらに限定される
ものではない。
【0022】反応温度は、クロロシアンを用いる場合は
-30℃と+13℃(沸点)の間で行うことが好ましい。また、
ブロモシアンを用いる場合は-30℃と+65℃の間で行うこ
とが好ましい。
【0023】本発明の熱硬化性PPEのオリゴマー体は、
単独あるいは他のシアネート化合物、エポキシ化合物、
他の重合可能な化合物もしくは触媒を混合した樹脂組成
物として硬化することができる。
【0024】硬化の方法は、公知の方法がすべて適用可
能である。上記の他のシアネート化合物を例示すると、
m-あるいはp-フェニレンビスシアネート、1,3,5-トリシ
アネートベンゼン、4,4'-ジシアネートビフェニル、3,
3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ジシアネートビフェニル、
2,3,3',5,5'-ペンタメチル-4,4'-ジシアネートビフェニ
ル、2,2'3,3',5,5'-ヘキサメチル-4,4'-ジシアネートビ
フェニル、ビス(4-シアネートフェニル)メタン、1-(2,
3,5-トリメチル-4-シアネートフェニル)-1-(3,5-ジメチ
ル-4-シアネートフェニル)メタン、ビス(2,3,5-トリメ
チル-4-ジシアネートフェニル)メタン、1,1-ビス(4-シ
アネートフェニル)エタン、1-(2,3,5-トリメチル-4-シ
アネートフェニル)-1-(3,5-ジメチル-4-シアネートフェ
ニル)エタン、1,1-ビス(2,3,5-トリメチル-4-ジシアネ
ートフェニル)エタン、2,2-ビス(4-シアネートフェニ
ル)プロパン、2-(2,3,5-トリメチル-4-シアネートフェ
ニル)-2-(3,5-ジメチル-4-シアネートフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(2,3,5-トリメチル-4-ジシアネートフェニ
ル)プロパン、ビス(4-シアネートフェニル)エーテル、
ビス(4-シアネートフェニル)スルホン、ビス(4-シアネ
ートフェニル)スルフィド、4,4'-ジシアネートベンゾフ
ェノン、トリス(4-シアネートフェニル)メタンの様な、
シアネート基を持つ芳香環が直接結合しているビフェノ
ールあるいは橋状部によって結合しているビスあるいは
ポリシアネート化合物、およびこれらシアネート化合物
のプレポリマー、これらシアネート化合物とジアミン類
とのプレポリマー、およびフェノール、o-クレゾール等
のフェノール類とホルムアルデヒドの反応生成物である
ノボラック樹脂から誘導されるシアネート基含有ノボラ
ック型フェノール系樹脂等の一種または二種以上を挙げ
ることができる。
【0025】他の重合可能な化合物としては、ビスマレ
イミドやエポキシ樹脂などがあり、それらを混合系とし
て用いることも可能である。
【0026】上記のビスマレイミドを例示すると、N,N'
-ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N'-フェニレンビ
スマレイミド、N,N'-ジフェニルエーテルビスマレイミ
ド、N,N'-ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、N,
N'-キシレンビスマレイミド、N,N'-ジフェニルスルホン
ビスマレイミド、N,N'-トリレンビマレイミド、N,N'-キ
シリレンビスマレイミド、N,N'-ジフェニルシクロヘキ
サンビスマレイミド、N,N'-ジクロロ-ジフェニルメタン
ビスマレイミド、N,N'-ジフェニルシクロヘキサンビス
マレイミド、N,N'-ジフェニルメタンビスメチルマレイ
ミド、N,N'-ジフェニルエーテルビスメチルマレイミ
ド、N,N'-ジフェニルスルホンビスメチルマレイミド、
N,N'-エチレンビスマレイミド、N,N'-ヘキサメチレンビ
スメチルマレイミド、およびこれらN,N'-ビスマレイミ
ド化合物のプレポリマー、これらビスマレイミド化合物
とジアミン類とのプレポリマーおよびアニリン・ホルマ
リン重縮合物のマレイミド化物またはメチルマレイミド
化物を挙げることができる。
【0027】また、上記のエポキシ樹脂を例示すると、
ビフェノールおよびその2,2',3,3',5,5'位のいずれか一
つ以上をハロゲン原子あるいは炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基に置換してあるもの、ビスフェノー
ルAおよびその2,3,5位のいずれか一つ以上をハロゲン原
子あるいは炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基
に置換してあるもの、ビスフェノールFおよびその2,3,5
位のいずれか一つ以上をハロゲン原子あるいは炭素数6
以下のアルキル基またはフェニル基に置換してあるも
の、ハイドロキノン、レゾルシン、トリス-4-(ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,2,2-テロラキス(4-ヒドロキシ
フェニル)エタン等の2価あるいは3価以上のフェノール
類から誘導されるグリシジルエーテル化合物、フェノー
ル、o-クレゾール等のフェノール類とホルムアルデヒド
の反応生成物であるノボラック樹脂から誘導されるノボ
ラック型エポキシ樹脂、アニリン、p-アミノフェノー
ル、m-アミノフェノール、4-アミノ-m-クレゾール、6-
アミノ-m-クレゾール、4,4'-ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジ
フェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテ
ル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパ
ン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,
4-トルエンジアミン、2,6-トルエンジアミン、p-キシリ
レンジアミン、m-キシリレンジアミン、1,4-シクロヘキ
サン-ビス(メチルアミン)、5-アミノ-1-(4'-アミノフェ
ニル)-1,3,3-トリメチルインダン、6-アミノ-1-(4'-ア
ミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン等から誘導さ
れるアミン系エポキシ樹脂、p-オキシ安息香酸、m-オキ
シ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カ
ルボン酸から誘導されるグリシジルエステル系化合物、
5,5-ジメチル・ヒダントイン等から誘導されるヒダント
イン系エポキシ樹脂、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘ
キシル)プロパン、2,2-ビス[4-(2,3-エポキシプロピル)
シクロヘキシル]プロパン、ビニルシクロヘキセンジオ
キサイド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エ
ポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポ
キシ樹脂、その他、トリグリシジルイソシアヌレート、
2,4,6-トリグリシドキシ-S-トリアジン等の一種または
二種以上を挙げることができる。
【0028】また、上記の樹脂組成物に、それぞれの成
分に対応する硬化剤を組み合わせることもできる。本発
明のエポキシ体あるいは組成中にエポキシ樹脂を含む場
合の硬化剤としては、ジシアンジアミド、テトラメチル
グアニジン、芳香族アミン、フェノールノボラック樹
脂、クレゾールノボラック樹脂、酸無水物、その他脂肪
族、脂環族の各種アミン等の一種または二種以上が用い
られる。芳香族アミンとしては前記の芳香族ジアミンが
代表的なものである。組成物中にシアネート化合物、ビ
スマレイミドを含む場合の硬化剤としては、上記芳香族
ジアミンおよび脂環族ジアミンが代表的である。これら
の硬化剤は単独に樹脂組成物中に配合しても、あるいは
それぞれ対応する成分のプレポリマーの形で組成物中に
配合させることもできる。
【0029】上記の樹脂組成物は、触媒を含まなくても
比較的短時間で熱硬化することができるが、触媒を使用
することにより、成形温度を下げられ、また時間をより
短縮させることができる。このような触媒として、N,N-
ジメチルアニリン、トリエチレンジアミン、トリ-n-ブ
チルアミン等のアミン類、2-メチルイミダゾール、2-エ
チル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、フェ
ノール、レゾルシン等のフェノール類、ナフテン酸コバ
ルト、ステアリン酸鉛、オレイン酸錫、オクチル酸錫、
オクチル酸亜鉛、チタンブチレート等の有機金属塩、塩
化アルミニウム、塩化錫、塩化亜鉛等の塩化物、金属キ
レート類などを挙げることができ、これらの触媒は、単
独もしくは二種以上の組み合わせでも使用することがで
きる。
【0030】上記の組成物は、必要に応じて増量剤、充
填剤(有機・無機フィラーを含む)、補強剤あるいは顔料
などが併用される。例示すると、シリカ、炭酸カルシウ
ム、三酸化アンチモン、カオリン、二酸化チタン、酸化
亜鉛、雲母、バライト、カーボンブラック、ポリエチレ
ン粉、ポリプロピレン粉、ガラス粉、アルミニウム粉、
鉄粉、銅粉、ガラス繊維、炭酸繊維、アルミナ繊維、ア
スベスト繊維、アラミド繊維、ガラス織布、ガラス不織
布、アラミド不織布、液晶ポリエステル不織布等の一種
または二種以上が挙げられる。
【0031】さらに、これらを用いた組成物は、成形、
積層、接着剤、銅張積層板等の複合材料等の用途に用い
られる。シアネート体を単独もしくは組み合わせ用いた
場合、樹脂を半硬化させたプリプレグ、このプリプレグ
を硬化させた積層板の利用例が代表的に挙げられる。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により特に限定される
ものではない。なお、数平均分子量および重量平均分子
量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GP
C)法により求めた。誘電率および誘電正接は、空洞共振
摂動法により求めた。
【0033】(実施例1) (2官能PPEオリゴマー体の製法)撹拌装置、温度計、空気
導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl 1.3g
(0.013 mol)、ジ-n-ブチルアミン79.5g(0.62 mo
l)、トルエン 400gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌
を行い、あらかじめ400gのメチルエチルケトンと400g
のテトラヒドロフランに溶解させた2価のフェノール4,
4’-メチレンビス[2,3,6-トリメチルフェノール]42.6
g(0.15mol)と2,6-ジメチルフェノール73.3g(0.60
mol)の混合溶液(構造式(7)で示される2価のフェノール
と構造式(8)で示される1価のフェノールのモル比率1:4)
を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて
滴下し、さらに滴下終了後60分間、2 L/minの空気のバ
ブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジ
アミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を
停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行っ
た後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエ
バポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、113.2
gを得た。このものの数平均分子量は1050、重量平均分
子量1490、水酸基当量が550であった。(以下この樹脂
を「イ」と記す)
【0034】(シアネート体の製法)撹拌装置、温度計、
滴下漏斗のついた反応器を-10℃まで冷却し、クロロシ
アン(0.144mol)の塩化メチレン溶液を200ml仕込んだ。
その後、あらかじめメチルエチルケトン250gに「イ」5
2.8g(水酸基0.096mol)とトリエチルアミン14.6g(0.144m
ol)を溶解した溶液を滴下漏斗から、反応液の温度が10
℃以下になるように60分かけて滴下し、さらに滴下終了
後60分間撹拌を行った。その後、0.1Mの塩酸水溶液で3
回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生
成塩と不純物を除去した。得られた溶液から塩化メチレ
ンおよびメチルエチルケトンを留去し、さらに減圧乾燥
を行い、シアネート体53.0gを得た。得られたものは、I
Rの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm
-1)が消滅し、シアネート基由来の吸収ピーク(2250cm-
1)が発現していることから、100%の官能基変換を確認し
た。このように得られたシアネート体100部に対し、オ
クチル酸錫0.1部を加えて、160℃で溶融・脱気・成形
し、230℃で3時間硬化を行い、硬化物を得た。この硬化
物は、動的粘弾性の測定(DMA)より、ガラス転移温度が2
35℃であった。また、1GHzでの誘電率は2.72、誘電正接
は0.0063が得られた。
【0035】(実施例2) (2官能PPEオリゴマー体の製法)撹拌装置、温度計、空気
導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl 1.3g
(0.013 mol)、ジ-n-ブチルアミン79.5g(0.62 mo
l)、トルエン 400gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌
を行い、あらかじめ400gのメチルエチルケトンと400g
のテトラヒドロフランに溶解させた2価のフェノール4,
4’-メチレンビス[2,3,6-トリメチルフェノール]42.6
g(0.15mol)と2,6-ジメチルフェノール55.0g(0.45
mol)と2,3,6-トリメチルフェノール20.4g(0.15 mol)の
混合溶液(構造式(7)で示される2価のフェノールと構造
式(8)で示される1価のフェノールのモル比率1:4)を2 L/
minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下
し、さらに滴下終了後60分間、2 L/minの空気のバブリ
ングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミ
ン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止
した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った
後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバ
ポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、116.5g
を得た。このものの数平均分子量は1020、重量平均分子
量1450、水酸基当量が540であった。(以下この樹脂を
「ロ」と記す)
【0036】(シアネート体の製法)撹拌装置、温度計、
滴下漏斗のついた反応器を-10℃まで冷却し、クロロシ
アン(0.144mol)の塩化メチレン溶液を200ml仕込んだ。
その後、あらかじめメチルエチルケトン250gに「ロ」5
1.8g(水酸基0.096mol)とトリエチルアミン14.6g(0.144m
ol)を溶解した溶液を滴下漏斗から、反応液の温度が10
℃以下になるように60分かけて滴下し、さらに滴下終了
後60分間撹拌を行った。その後、0.1Mの塩酸水溶液で3
回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生
成塩と不純物を除去した。得られた溶液から塩化メチレ
ンおよびメチルエチルケトンを留去し、さらに減圧乾燥
を行い、シアネート体53.3gを得た。得られたものは、I
Rの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm
-1)が消滅し、シアネート基由来の吸収ピーク(2250cm-
1)が発現していることから、100%の官能基変換を確認し
た。このように得られたシアネート体100部に対し、オ
クチル酸錫0.1部を加えて、160℃で溶融・脱気・成形
し、230℃で3時間硬化を行い、硬化物を得た。この硬化
物は、動的粘弾性の測定(DMA)より、ガラス転移温度が2
45℃であった。また、1GHzでの誘電率は2.70、誘電正接
は0.0055が得られた。
【0037】(実施例3) 2官能PPEオリゴマー体の製法 撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2L
の縦長反応器にCuCl 1.3g(0.013 mol)、ジ-n-ブチルア
ミン79.5g(0.62 mol)、トルエン 400gを仕込み、反
応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ400gのメチル
エチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’-(1,4-
フェニレンビスメチレン)ビス(2,3,6-トリメチルフェノ
ール)56.1g(0.15mol)と2,6-ジメチルフェノール73.3
g(0.60 mol)の混合溶液(構造式(7)で示される2価の
フェノールと構造式(8)で示される1価のフェノールのモ
ル比率1:4)を2 L/minの空気のバブリングを行いながら1
20分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、2 L/min
の空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これに
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加
え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回
洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られ
た溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行
い、128.2gを得た。このものの数平均分子量は1120、
重量平均分子量1580、水酸基当量が560であった。(以
下この樹脂を「ト」と記す)
【0038】(シアネート体の製法)撹拌装置、温度計、
滴下漏斗のついた反応器を-10℃まで冷却し、クロロシ
アン(0.144mol)の塩化メチレン溶液を200ml仕込んだ。
その後、あらかじめメチルエチルケトン250gに「ト」5
3.8g(水酸基0.096mol)とトリエチルアミン14.6g(0.144m
ol)を溶解した溶液を滴下漏斗から、反応液の温度が10
℃以下になるように60分かけて滴下し、さらに滴下終了
後60分間撹拌を行った。その後、0.1Mの塩酸水溶液で3
回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生
成塩と不純物を除去した。得られた溶液から塩化メチレ
ンおよびメチルエチルケトンを留去し、さらに減圧乾燥
を行い、シアネート体54.2gを得た。得られたものは、I
Rの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm
-1)が消滅し、シアネート基由来の吸収ピーク(2250cm-
1)が発現していることから、100%の官能基変換を確認し
た。このように得られたシアネート体100部に対し、オ
クチル酸錫0.1部を加えて、160℃で溶融・脱気・成形
し、230℃で3時間硬化を行い、硬化物を得た。この硬化
物は、動的粘弾性の測定(DMA)より、ガラス転移温度が2
41℃であった。また、1GHzでの誘電率は2.72、誘電正接
は0.0065が得られた。
【0039】(実施例4) 2官能PPEオリゴマー体の製法 撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2L
の縦長反応器にCuCl 1.1g(0.011mol)、ジ-n-ブチルア
ミン66.3g(0.51mol)、トルエン 500gを仕込み、反応
温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ600gのメタノー
ルに溶解させた2価のフェノール4,4’‐[1,4‐フェニ
レンビス(1‐メチルエチリデン)]ビス(2,3,6-トリメ
チルフェノール)33.1g(0.077mol)と2,6-ジメチルフ
ェノール75.6g(0.62mol)の混合溶液(構造式(7)で示
される2価のフェノールと構造式(8)で示される1価のフ
ェノールのモル比率1:8)を2 L/minの空気のバブリング
を行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30
分間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を
行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリ
ウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩
酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を
行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さら
に減圧乾燥を行い、114.8gを得た。(以下この溶液を
「リ」と記す。)このものの数平均分子量は1600、重量
平均分子量2280、水酸基当量が780であった。
【0040】(シアネート体の製法)撹拌装置、温度計、
滴下漏斗のついた反応器を-10℃まで冷却し、クロロシ
アン(0.144mol)の塩化メチレン溶液を200ml仕込んだ。
その後、あらかじめメチルエチルケトン250gに「リ」7
4.9g(水酸基0.096mol)とトリエチルアミン14.6g(0.144m
ol)を溶解した溶液を滴下漏斗から、反応液の温度が10
℃以下になるように60分かけて滴下し、さらに滴下終了
後60分間撹拌を行った。その後、0.1Mの塩酸水溶液で3
回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生
成塩と不純物を除去した。得られた溶液から塩化メチレ
ンおよびメチルエチルケトンを留去し、さらに減圧乾燥
を行い、シアネート体75.3gを得た。得られたものは、I
Rの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm
-1)が消滅し、シアネート基由来の吸収ピーク(2250cm-
1)が発現していることから、100%の官能基変換を確認し
た。このように得られたシアネート体100部に対し、オ
クチル酸錫0.1部を加えて、160℃で溶融・脱気・成形
し、230℃で3時間硬化を行い、硬化物を得た。この硬化
物は、動的粘弾性の測定(DMA)より、ガラス転移温度が2
34℃であった。また、1GHzでの誘電率は2.74、誘電正接
は0.0055が得られた。
【0041】(比較例1) (比較例1) 2官能PPEオリゴマー体の製法 撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2L
の縦長反応器にCuCl 1.3g(0.013 mol)、ジ-n-ブチルア
ミン79.5g(0.62 mol)、トルエン 400gを仕込み、反
応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ400gのメチル
エチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’-(1-メ
チルエチリデン)ビス(2,6-ジメチルフェノール)42.6g
(0.15mol)と2,6-ジメチルフェノール73.3g(0.60 mo
l)の混合溶液(構造式(7)で示される2価のフェノールと
構造式(8)で示される1価のフェノールのモル比率1:4)を
2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴
下し、さらに滴下終了後60分間、2 L/minの空気のバブ
リングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジア
ミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停
止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った
後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバ
ポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、113.1g
を得た。このものの数平均分子量は1030、重量平均分子
量1460、水酸基当量が540であった。(以下この樹脂を
「ヌ」と記す)
【0042】(シアネート体の製法)撹拌装置、温度計、
滴下漏斗のついた反応器を-10℃まで冷却し、クロロシ
アン(0.144mol)の塩化メチレン溶液を200ml仕込んだ。
その後、あらかじめメチルエチルケトン250gに「ヌ」5
1.8g(水酸基0.096mol)とトリエチルアミン14.6g(0.144m
ol)を溶解した溶液を滴下漏斗から、反応液の温度が10
℃以下になるように60分かけて滴下し、さらに滴下終了
後60分間撹拌を行った。その後、0.1Mの塩酸水溶液で3
回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生
成塩と不純物を除去した。得られた溶液から塩化メチレ
ンおよびメチルエチルケトンを留去し、さらに減圧乾燥
を行い、シアネート体53.2gを得た。得られたものは、I
Rの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm
-1)が消滅し、シアネート基由来の吸収ピーク(2250cm-
1)が発現していることから、100%の官能基変換を確認し
た。このように得られたシアネート体100部に対し、オ
クチル酸錫0.1部を加えて、160℃で溶融・脱気・成形
し、230℃で3時間硬化を行い、硬化物を得た。この硬化
物は、動的粘弾性の測定(DMA)より、ガラス転移温度が2
28℃であった。また、1GHzでの誘電率は2.83、誘電正接
は0.0079が得られた。
【0043】
【表1】 以上の結果を表1にまとめた。
【0044】
【発明の効果】本発明の熱硬化型PPEのオリゴマー体
は、PPEの優れた特性(低誘電特性、強靭性)を引継ぎつ
つ、他の熱硬化性樹脂との相溶性がよく、樹脂組成中の
ネットワークに組み込まれることが確認された。そのた
め、例えば、積層板のワニスが容易に調整でき、成形加
工性に優れる積層材料を製造する事ができる。また、単
独もしくは他樹脂と混合した硬化物においても、低誘電
特性が達成され、PPEポリマーの優れた特性を引継いだ
電気・電子材料となる。また、熱硬化型PPEのオリゴマ
ー体の原料に4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス(2,6-ジ
メチルフェノール) に2,6-ジメチルフェノールからなる
フェニレンエーテル構造を付加した化合物を用いた場合
よりも、構造式(2)で示されるR1,R2,R3,R7,R8がメチル
基を有する2価のフェノールに2,6-ジメチルフェノール
あるいは2,3,6-トリメチルフェノールからなるフェニレ
ンエーテル構造を付加した本発明化合物を用いた方が誘
電特性の向上に有用であることを見出した。
フロントページの続き (72)発明者 平松 聖生 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 (72)発明者 宮本 真 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 Fターム(参考) 4J005 AA24 BD05 4J043 PA02 QC14 RA47 SA13 SB01 UA141 UA151 UA161 UA171 UA181 UB121 VA041 ZA12 ZA43 ZB47

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の構造式(1)で示される熱硬化性樹
    脂。 【化1】 (式中、-X-は構造式(2)で示され、R1,R2,R3,R7,R8は、
    同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数
    6以下のアルキル基またはフェニル基である。R4,R5,R6
    は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原
    子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基で
    ある。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状の
    炭化水素あるいはフェニル基あるいは、環状の炭化水素
    を有する有機基である。-(O-Y)-は構造式(3)で示され、
    R9,R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子ま
    たは炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であ
    る。R11,R12は、同一または異なってもよく、水素原
    子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基また
    はフェニル基である。-(O-Y)-は、構造式(3)で定義され
    る1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以
    上の構造がランダムに配列したものである。Zは、炭素
    数1以上の有機基であり、酸素原子を含むこともある。
    a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整
    数を示す。iは、それぞれ独立に0または1の整数を示
    す。
  2. 【請求項2】-X-の構造式(2)において、少なくともR1,R
    2,R7,R8のメチル基が必須であり、さらにR3,R4,R5,R6の
    うち1つ以上がメチル基に置換され、-(O-Y)-が構造式
    (4)あるいは、構造式(5)あるいは、構造式(4)と構造式
    (5)がランダムに配列した構造を有することを特徴とす
    る請求項1記載の熱硬化性樹脂。 【化2】
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