JP2003238468A - 4,4’−ビフェノールの製造方法 - Google Patents

4,4’−ビフェノールの製造方法

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JP2003238468A
JP2003238468A JP2002023210A JP2002023210A JP2003238468A JP 2003238468 A JP2003238468 A JP 2003238468A JP 2002023210 A JP2002023210 A JP 2002023210A JP 2002023210 A JP2002023210 A JP 2002023210A JP 2003238468 A JP2003238468 A JP 2003238468A
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biphenol
alkyl
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biphenols
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Atsushi Higo
篤 肥後
Masaaki Toma
正明 当麻
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相の良好な4,4’−ビフェノールの製法
を提供する。 【解決手段】下記(a)及び(b)の工程を含むことを
特徴とする4,4’−ビフェノールの製法: (a)工程;式(2) 【化1】 [式中、Tは炭素数3〜8のアルキル基を、m及びnは
それぞれ0、1又は2を表すが、m及びnの和は1〜4
である。]で示されるアルキル−4,4’−ビフェノー
ル類を、フェノール、モノアルキルフェノール、ジアル
キルフェノール及びトリアルキルフェノールからなる群
から選ばれるフェノール類の存在下に脱アルキル化反応
させるに際し、減圧下に反応させるか、又はモノアルキ
ル−4,4’−ビフェノール類の生成量が4,4’−ビ
フェノールの100重量部当り5〜20重量部の範囲に
なるまで大気圧下に反応させて、4,4’−ビフェノー
ルを含む反応液を得る工程、 (b)工程;上記(a)工程で得た反応液から、4,
4’−ビフェノールを析出させて分離する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジニアリングプ
ラスチック等の原料化合物として有用な4,4’−ビフ
ェノールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下記式(1)
【0003】
【化2】
【0004】で示される4,4’−ビフェノールの製造
方法としては、例えば、3,3’,5,5’−テトラ−
t−ブチル−4,4’−ビフェノールをフェノール類の
存在下に大気圧下で脱アルキル化反応させて、4,4’
−ビフェノールを生成せしめた後、フェノール類の融点
を越えて且つ80℃以下の温度で析出した4,4’−ビ
フェノールを濾過により分離する方法が公知である(特
開昭58−189127号公報を参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知方法では、得られる4,4’−ビフェノールの色相が
必ずしも満足できるものではないという問題点があっ
た。本発明は、色相の良好な4,4’−ビフェノールの
製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−
4,4’−ビフェノール等のアルキル−4,4’−ビフ
ェノール類を脱アルキル化して4,4’−ビフェノール
を製造するに際し、下記(a)及び(b)の工程からな
る方法を採用すると、色相の良好な4,4’−ビフェノ
ールを製造できることを見出して、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、次の(a)及び(b)の
工程を含むことを特徴とする4,4’−ビフェノールの
製造方法を提供するものである。 (a)工程:下記式(2)
【0008】
【化3】
【0009】[式中、Tは炭素数3〜8のアルキル基を
表す。m及びnは互いに0、1又は2を表すが、m及び
nの和は1〜4である。]で示されるアルキル−4,
4’−ビフェノール類を、フェノール、モノアルキルフ
ェノール、ジアルキルフェノール及びトリアルキルフェ
ノールからなる群から選ばれるフェノール類の存在下に
脱アルキル化反応させるに際し、減圧下に反応させる
か、又はモノアルキル−4,4’−ビフェノール類の生
成量が4,4’−ビフェノールの100重量部当り5〜
20重量部の範囲になるまで大気圧下に反応させて、
4,4’−ビフェノールを含む反応液を得る工程、
(b)上記(a)工程で得た反応液から、4,4’−ビ
フェノールを析出させて分離する工程。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における工程(a)で原料
化合物として用いられるアルキル−4,4’−ビフェノ
ール類(2)としては、直鎖状又は分枝状の炭素数3〜
8のアルキル基を1〜4個有する化合物が挙げられる。
好ましいアルキル−4,4’−ビフェノール類(2)と
しては、Tが炭素数3〜8のアルキルであり、且つベン
ゼン環に置換した炭素原子が3級又は4級であるアルキ
ル基を有する分枝状アルキル−4,4’−ビフェノール
類が好ましい。好ましい分枝状アルキル−4,4’−ビ
フェノール類としては、例えば、3−i−プロピル−
4,4’−ビフェノールや3−t−ブチル−4,4’−
ビフェノール等のモノ−分枝状アルキル−4,4’−ビ
フェノール類、3,5−ジ−i−プロピル−4,4’−
ビフェノール、3,3’−ジ−i−プロピル−4,4’
−ビフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4,4’−
ビフェノールや3,3’−ジ−t−ブチル−4,4’−
ビフェノール等のジ−分枝状アルキル−4,4’−ビフ
ェノール類、3,3’,5−トリ−i−プロピル−4,
4’−ビフェノールや3,3’,5−トリ−t−ブチル
−4,4’−ビフェノール等のトリ−分枝状アルキル−
4,4’−ビフェノール類、又は3,3’,5,5’−
テトラ−i−プロピル−4,4’−ビフェノールや3,
3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ビフ
ェノール等のテトラ−分枝状アルキル−4,4’−ビフ
ェノール類のような化合物が挙げられる。特に好ましい
アルキル−4,4’−ビフェノール類(2)としては、
例えば3,3',5,5'−テトラ−i−プロピル−4,
4'−ビフェノールや3,3',5,5'−テトラ−t−
ブチル−4,4'−ビフェノール等が挙げられる。上記
のアルキル−4,4’−ビフェノール類は、特開平3−
123747号公報等に記載の方法により製造すること
ができる。例えば、フェノール及びt−ブチルフェノー
ル類を2量化反応させることによって3−t−ブチル−
4,4’−ビフェノールや3,5−ジ−t−ブチル−
4,4’−ビフェノール等が得られ、t−ブチルフェノ
ール類を2量化反応させることによって3,3’−ジ−
t−ブチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5−
トリ−t−ブチル−4,4’−ビフェノールや3,
3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ビフ
ェノール等が得られる。このような2量化反応により得
たアルキル−4,4’−ビフェノール類は、2量化反応
混合物から取出すことなく脱アルキル化してもよいし、
2量化反応混合物から取出したアルキル−4,4’−ビ
フェノール類を脱アルキル化してもよいし、又、2量化
反応混合物から取出後、精製してから脱アルキル化して
もよい。
【0011】本発明における工程(a)の脱アルキル化
反応はフェノール類の存在下に行なわれる。フェノール
類としては、フェノール;2−i−プロピルフェノー
ル、2−t−ブチルフェノール、3−i−プロピルフェ
ノール、3−t−ブチルフェノール、4−i−プロピル
フェノール、4−t−ブチルフェノールやクレゾール等
のモノアルキルフェノール;2,6−ジ−i−プロピル
フェノールや2,6−ジ−t−ブチルフェノール等のジ
アルキルフェノール;2,4,6−トリ−i−プロピル
フェノールや2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール
等のトリアルキルフェノール等が挙げられる。上記のフ
ェノール類は、アルキル−4,4’−ビフェノール類製
造の原料化合物として用いられた化合物であって、未反
応のまま反応混合物に含有されているフェノール、i−
プロピルフェノール類やt−ブチルフェノール類であっ
てもよい。又、前記のフェノール類は、アルキル−4,
4’−ビフェノール類の製造において副生したフェノー
ル類であってもよい。かかるフェノール類は、単独でも
よいし、又、2種以上の混合物でもよい。本発明におけ
る工程(a)では、アルキル−4,4’−ビフェノール
類の1モルに対して、好ましくは上記単独又は混合物の
フェノール類を0.1〜10モルの範囲で使用し、より
好ましくは前記単独又は混合物のフェノール類を0.5
〜5モルの範囲で使用する。
【0012】工程(a)におけるアルキル−4,4’−
ビフェノール類の脱アルキル化反応は、脱アルキル化触
媒の存在下に行われることが好ましい。脱アルキル化触
媒としては、例えば硫酸やp−トルエンスルホン酸等の
無機酸又は有機酸が好ましく用いられる。脱アルキル化
触媒の使用量は、アルキル−4,4’−ビフェノール類
の1モルに対して、好ましくは0.001〜0.5モル
の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.1モルの
範囲である。脱アルキル化の好ましい反応温度は0〜3
00℃の範囲である。脱アルキル化触媒を加えた場合の
より好ましい反応温度は、150〜300℃の範囲であ
る。
【0013】フェノール、モノアルキルフェノール、ジ
アルキルフェノール及びトリアルキルフェノールからな
る群から選ばれるフェノール類の存在下に脱アルキル化
反応すると、副生したアルケンがフェノールと反応し
て、4−i−プロピルフェノール、4−t−ブチルフェ
ノール、2,4−ジ−i−プロピルフェノール、2,4
−ジ−t−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−i−
プロピルフェノールや2,4,6−トリ−t−ブチルフ
ェノール等のアルキルフェノール類が生成する。これら
の生成物は、後述する4,4’−ビフェノールの析出、
分離工程(b)により、4,4’−ビフェノールと分離
される。そして、分離されたアルキルフェノール類は、
例えば上記の2量化反応等により、i−プロピル−4,
4’−ビフェノール類やt−ブチル−4,4’−ビフェ
ノール類とすることができる。
【0014】脱アルキル化反応は、減圧下に反応させる
か、又は反応液中のモノ−アルキル−4,4’−ビフェ
ノール類の生成量が4,4’−ビフェノールの100重
量部に対して5〜20重量部の範囲になる迄大気圧下に
反応させる。減圧下における脱アルキル化反応は、好ま
しくは0.0006〜0.095MPaの範囲、より好
ましくは0.06〜0.07MPaの範囲で行われる。
反応液中のモノ−アルキル−4,4’−ビフェノール類
の生成量が4,4’−ビフェノールの100重量部に対
して5〜20重量部の範囲になる迄大気圧下に脱アルキ
ル化反応させる場合は、例えば反応液を冷却すること等
によって脱アルキル化反応を途中で停止させることがで
きる。モノ−アルキル−4,4’−ビフェノール類とし
ては、例えばモノ−t−ブチル−4,4’−ビフェノー
ルやモノ−i−プロピル−4,4’−ビフェノール等を
挙げることができる。工程(a)における脱アルキル化
反応は回分式又は連続式で行われる。
【0015】本発明においては、工程(a)で得た反応
液を芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒又は脂肪
族ケトン溶媒と混合した後に、4,4’−ビフェノール
の析出、分離工程(b)を行ってもよい。芳香族炭化水
素溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベ
ンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニ
ソール、ニトロベンゼン、クメンやシメン等が挙げられ
る。脂肪族炭化水素溶媒としては、例えばペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン
やジイソブチレン等が挙げられる。脂肪族ケトン溶媒と
しては、例えばアセトンやシクロヘキサノン等が挙げら
れる。芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒や脂肪
族ケトン溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上を混合し
て用いられる。アルキル−4,4’−ビフェノール類1
重量部当りの上記の炭化水素溶媒やケトン溶媒の使用量
は、好ましくは0.1〜10重量部の範囲であり、より
好ましくは0.2〜2重量部の範囲である。工程(a)
で得た反応液と混合する芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭
化水素溶媒又は脂肪族ケトン溶媒の温度は、通常、沸点
未満且つ凝固点を越える範囲であり、好ましくは0〜2
00℃の範囲である。一方、反応液は、脱アルキル化反
応時の温度でもよいし、適宜冷却した状態でもよい。工
程(a)で得た反応液に前記の炭化水素溶媒やケトン溶
媒を添加する場合、添加に要する時間は、好ましくは1
分〜30時間の範囲である。このように、芳香族炭化水
素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒又は脂肪族ケトン溶媒と工
程(a)で得た反応液を混合することにより、4,4’
−ビフェノールを析出させることができる。
【0016】工程(b)は、上記工程(a)の反応液か
ら析出した4,4’−ビフェノールを、濾過等により分
離する工程である。4,4’−ビフェノールの好ましい
分離温度は、芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒
又は脂肪族ケトン溶媒の沸点未満且つ凝固点を越える範
囲であり、より好ましい濾過温度は0〜200℃の範囲
である。濾上物として得た4,4’−ビフェノールを、
例えば水;芳香族炭化水素溶媒;脂肪族炭化水素溶媒;
アセトン等の脂肪族ケトン溶媒;メタノール、エタノー
ルやi−プロピルアルコール等の低級アルコール;及び
これらの混合溶媒等で洗浄してもよい。
【0017】
【実施例】以下、実施例等により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの例により限定されるもので
はない。
【0018】実施例1 粗3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’
−ビフェノール160g〔3,3’,5,5’−テトラ
−t−ブチル−4,4’−ビフェノール0.32モル及
び2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.12モルの混
合物〕、2,6−ジ−t−ブチルフェノール9g、4−
t−ブチルフェノール24g及び2,4,6−トリ−t
−ブチルフェノール42gの混合物を150℃に加熱
し、同温度でp−トルエンスルホン酸一水和物3gを加
えた。次いで、200℃まで加熱し、同温度で1時間反
応させて反応液を得た。この反応液をサンプリングし、
高速液体クロマトグラフィーによって分析したところ、
3−t−ブチル−4,4’−ビフェノールの含有量は、
4,4’−ビフェノールの100重量部に対して9重量
部の割合であった。上記サンプリング後、200℃の反
応液にトルエン65.5gを1時間で滴下した。滴下後
の混合物を100℃に冷却し、更に60℃まで冷却後、
得られた析出物を濾過した。濾上物をトルエン65.5
gで洗浄し、50重量%メタノール水溶液131gで洗
浄後、100℃で真空乾燥して、純度99.8%(面積
百分率)の4,4’−ビフェノール52.6gを得た
(収率88%)。得られた4,4’−ビフェノールの5
重量%メタノール溶液を調製し、その波長420nmに
おける吸光度を、島津製作所製のUV−160A(セル
の長さは1cm)を用いて測定したところ、0.057
であった。
【0019】実施例2 200℃まで加熱した後、同温度で2時間反応させる以
外は、実施例1と同様に操作して、反応液を得た。この
反応液をサンプリングし、高速液体クロマトグラフィー
によって分析したところ、3−t−ブチル−4,4’−
ビフェノールの含有量は、4,4’−ビフェノールの1
00重量部に対して13重量部の割合であった。上記サ
ンプリング後、200℃の反応液にトルエン65.5g
を1時間で滴下した。滴下後の混合物を100℃に冷却
し、更に60℃まで冷却後、得られた析出物を濾過し
た。濾上物をトルエン65.5gで洗浄し、50重量%
メタノール水溶液131gで洗浄後、100℃で真空乾
燥して、純度99.7%(面積百分率)の4,4’−ビ
フェノール52.1gを得た(収率87%)。得られた
4,4’−ビフェノールの5重量%メタノール溶液を調
製し、その波長420nmにおける吸光度を、島津製作
所製のUV−160A(セルの長さは1cm)を用いて
測定したところ、0.064であった。
【0020】比較例1 200℃まで加熱した後、同温度で20時間反応させる
以外は、実施例1と同様に操作して、反応液を得た。こ
の反応液をサンプリングし、高速液体クロマトグラフィ
ーによって分析したところ、3−t−ブチル−4,4’
−ビフェノールの含有量は、4,4’−ビフェノールの
100重量部に対して3重量部の割合であった。上記サ
ンプリング後、200℃の反応液にトルエン65.5g
を1時間で滴下した。滴下後の混合物を100℃に冷却
し、更に60℃まで冷却後、得られた析出物を濾過し
た。濾上物をトルエン65.5gで洗浄し、50重量%
メタノール水溶液131gで洗浄後、100℃で真空乾
燥して、純度99.8%(面積百分率)の4,4’−ビ
フェノール52.0gを得た(収率87%)。得られた
4,4’−ビフェノールの5重量%メタノール溶液を調
製し、その波長420nmにおける吸光度を、島津製作
所製のUV−160A(セルの長さは1cm)を用いて
測定したところ、0.215であった。
【0021】比較例2 200℃まで加熱した後、同温度で6時間反応させる以
外は、実施例1と同様に操作して、反応液を得た。この
反応液をサンプリングし、高速液体クロマトグラフィー
によって分析したところ、3−t−ブチル−4,4’−
ビフェノールの含有量は、4,4’−ビフェノールの1
00重量部に対して2重量部の割合であった。上記サン
プリング後、200℃の反応液にトルエン65.5gを
1時間で滴下した。滴下後の混合物を100℃に冷却
し、更に60℃まで冷却後、得られた析出物を濾過し
た。濾上物をトルエン65.5gで洗浄し、50重量%
メタノール水溶液131gで洗浄後、100℃で真空乾
燥して、純度99.7%(面積百分率)の4,4’−ビ
フェノール54.9gを得た(収率92%)。得られた
4,4’−ビフェノールの5重量%メタノール溶液を調
製し、その波長420nmにおける吸光度を、島津製作
所製のUV−160A(セルの長さは1cm)を用いて
測定したところ、0.174であった。
【0022】実施例3 粗3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’
−ビフェノール160g〔3,3’,5,5’−テトラ
−t−ブチル−4,4’−ビフェノール0.32モル及
び2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.11モルの混
合物〕、4−t−ブチルフェノール24g及び2,4,
6−トリ−t−ブチルフェノール42gの混合物を15
1℃に加熱し、同温度でp−トルエンスルホン酸一水和
物3gを加えた。次いで、191℃まで加熱し、反応系
内を0.064MPaまで減圧した。同圧力で202℃
まで加熱し、3時間反応させて反応液を得た。この反応
液にトルエン66gを1時間かけて加え、得られた析出
物を60℃で濾過した。濾上物をトルエン66gで洗浄
し、50重量%メタノール水溶液132gで洗浄後、1
00℃で真空乾燥して、純度99.9%(面積百分率)
の4,4’−ビフェノール55.6gを得た(収率93
%)。得られた4,4’−ビフェノールの5重量%メタ
ノール溶液を調製し、その波長420nmにおける吸光
度を、島津製作所製のUV−160A(セルの長さは1
cm)を用いて測定したところ、0.093であった。
【0023】比較例3 粗3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’
−ビフェノール160g〔3,3’,5,5’−テトラ
−t−ブチル−4,4’−ビフェノール0.3モル及び
2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.14モルの混合
物〕、4−t−ブチルフェノール22.2g及び2,
4,6−トリ−t−ブチルフェノール38.8gの混合
物を150℃に加熱し、同温度でp−トルエンスルホン
酸一水和物2.8gを加えた。次いで、200℃まで加
熱し、同温度で16時間反応させて反応液を得た。この
反応液を100℃まで冷却し、トルエン60.7gを1
時間かけて加え、得られた析出物を60℃で濾過した。
濾上物をトルエン60.7gで洗浄し、50重量%メタ
ノール水溶液121.5gで洗浄後、100℃で真空乾
燥して、純度99.6%(面積百分率)の4,4’−ビ
フェノール48.6gを得た(収率88%)。得られた
4,4’−ビフェノールの5重量%メタノール溶液を調
製し、その波長420nmにおける吸光度を、島津製作
所製のUV−160A(セルの長さは1cm)を用いて
測定したところ、0.179であった。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、色相の良好な4,4’
−ビフェノールを工業的にも有利に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC29 AD15 BA52 BA66 BB11 BB14 BB16 BC10 BC11 BC31 BC34 BC51 FC52 FE13 4H039 CA41 CG50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)及び(b)の工程を含むことを
    特徴とする4,4’−ビフェノールの製造方法: (a)工程;下記式(2) 【化1】 [式中、Tは炭素数3〜8のアルキル基を表す。m及び
    nはそれぞれ0、1又は2を表すが、m及びnの和は1
    〜4である。]で示されるアルキル−4,4’−ビフェ
    ノール類を、フェノール、モノアルキルフェノール、ジ
    アルキルフェノール及びトリアルキルフェノールからな
    る群から選ばれるフェノール類の存在下に脱アルキル化
    反応させるに際し、減圧下に反応させるか、又はモノア
    ルキル−4,4’−ビフェノール類の生成量が4,4’
    −ビフェノールの100重量部当り5〜20重量部の範
    囲になるまで大気圧下に反応させて、4,4’−ビフェ
    ノールを含む反応液を得る工程、 (b)工程;上記(a)工程で得た反応液から、4,
    4’−ビフェノールを析出させて分離する工程。
  2. 【請求項2】フェノール類の量が、アルキル−4,4’
    −ビフェノール類の1モル当り、0.1〜10モルの範
    囲である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】アルキル−4,4’−ビフェノール類が、
    炭素数3〜8のアルキル基を2〜4個有する化合物であ
    る請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】触媒の存在下に、脱アルキル化反応させる
    請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
JP2002023210A 2001-01-31 2002-01-31 4,4’−ビフェノールの製造方法 Pending JP2003238468A (ja)

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