JP2003238134A - 中空状ナノファイバーの製造方法 - Google Patents
中空状ナノファイバーの製造方法Info
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Abstract
イトの再利用を可能にする炭素を主成分とする中空状ナ
ノファイバーの製造方法を提供する。 【解決手段】 膜状ゼオライトの表面に金属が担持され
ている触媒と炭素含有化合物とを500℃〜1200℃
で接触させることにより炭素を主成分とする中空状ナノ
ファイバーを生成する。
Description
ーの製造方法に関し、さらに詳しくは、高い表面積、高
ヤング率、高引張り強さ及び高導電性を有する、特にカ
ーボンノナチューブと定義される領域の中空状ナノファ
イバーの製造方法に関する。
の1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、一層に
巻いたものを単層カーボンナノチューブ、多層に巻いた
ものを多層カーボンナノチューブという。このカーボン
ナノチューブは、高い機械的強度、高い導電性を有する
ことから複合材料として、またナノサイズの空間を有す
ることから吸着材料として大きく期待されている。
法としては、アーク放電法及び化学蒸着法(以下、CV
Dという)による方法が知られている。
気体雰囲気中で炭素棒を電極として、高電圧・高電流の
アーク放電を行うことにより、カーボンナノチューブを
製造するようにしたものであって、カーボンナノチュー
ブは陰極堆積物中にグラファイト、カーボンナノパーテ
ィクルなどと一緒に得られる。後者のCVDによる方法
は、鉄、ニッケルなどの金属微粒子の存在下で原料ガス
を数百度で反応させることにより、カーボンナノチュー
ブを製造するようにしたものである。このときの原料ガ
スとしては、ベンゼン、トルエン、オルトメチルジアリ
ルケトン、アセチレン等が用いられる。
チューブは、グラファイト層の欠陥の少ないナノチュー
ブが得られるが、アモルファスカーボンなどの不純物が
多いという欠点がある。また、CVD法で作られたカー
ボンナノチューブは、不純物が少なく、しかも安価にカ
ーボンナノチューブを製造することができる利点がある
が、生成したカーボンナノチューブはグラファイト層に
欠陥が多いため、後処理として2900℃程度の熱処理
をしないと、欠陥の少ないグラファイト層が形成されな
いという欠点がある。
原らは、粉末状のY型ゼオライトにコバルトとバナジウ
ムを担持させた触媒を用いることにより、欠陥の少ない
多層カーボンナノチューブを製造可能にすることを報告
している(非特許文献1)。
オライトと付着した状態でカーボンナノチューブが得ら
れるため、ゼオライトを分離除去するためにフッ化水素
などでゼオライトを溶かし出す等の処理が必要であっ
た。したがって、一度触媒として使われたゼオライト
は、再使用することは出来なかった。しかし、ゼオライ
トは金属酸化物の中では高価な材料であるため、カーボ
ンナノチューブのコストを押し上げる要因になる。その
ためゼオライトとカーボンナノチューブを容易に分離可
能にし、ゼオライトをカーボンナノチューブの製造のた
め再利用可能にすることが大きな技術課題になってい
る。
末状で使用されている。しかし、粉末状ゼオライトを使
用すると、カーボンナノチューブが同時に様々な方向に
成長するため、ナノチューブ同士が互いに絡まり合った
状態になって生成し、そのためその絡合状態をほぐすた
めに多大な後処理作業が必要になるという問題があっ
た。
する方法として、P.M.Ajayanらはシリコン基
板上にNi等の金属をコートし、CVD法でカーボンナ
ノチューブを合成することを試みている(非特許文献
2)。しかし、基板がシリコンであることから、生成す
るカーボンナノチューブの直径、層数などの物性を制御
できず、多層カーボンナノチューブしか合成できないと
いった問題があった。
emical Physics Letters),303(1999) 117-124
金属の担体(支持体)に使用するゼオライトの再利用を
可能にする炭素を主成分とする中空状ナノファイバーの
製造方法を提供することにある。
ノファイバーと触媒との分離を容易にし、かつ中空状ナ
ノファイバーが生成する際に絡み合いを生じないように
する炭素を主成分とする中空状ナノファイバーの製造方
法を提供することにある。
状ナノファイバーの直径および長さを制御可能にする中
空状ナノファイバーの製造方法を提供することにある。
明の中空状ナノファイバーの製造方法は、膜状ゼオライ
トの表面に金属が担持されている触媒と炭素含有化合物
とを500℃〜1200℃で接触させることにより炭素
を主成分とする中空状ナノファイバーを生成することを
特徴とするものである。
ンの生成が少なく、グラファイト層の欠陥が少ない良質
の中空状ナノファイバー(カーボンナノチューブ)を生
成することができる。しかも、生成後の中空状ナノファ
イバーとゼオライトを容易に分離することができる。ま
た、ナノファイバーを分離した後のゼオライトは減量が
ほとんどないため、次の中空状ナノファイバーの製造の
ために繰り返し再利用することができる。
ト層の欠陥が少ない中空状ナノファイバーを直接生成す
ることができるため、従来の製法のように費用のかかる
温度約2900℃の黒鉛化処理が不要になり、低コストの生
産を可能にする。
ば、配向された膜状ゼオライトの結晶面に金属触媒を担
持させて使用することにより、生成される中空状ナノフ
ァイバーの直径の制御を容易にし、外径50nm以下、内
径0.3nm以上10nm以下の中空状ナノファイバーを得
やすくすることができる。また、結晶面が配向している
膜状ゼオライトを使用することにより、生成される中空
状ナノファイバーを均質に配向させ、絡まり合いのない
状態にすることができる。また、生成する中空状ナノフ
ァイバーの長さを平均長さ±10%以内に制御すること
ができる。
分子サイズの細孔径を有する結晶性無機酸化物からな
る。ここに分子サイズとは、世の中に存在する分子のサ
イズの範囲であり、一般的には、0.2nmから2nm
程度の範囲を意味する。さらに具体的には、結晶性シリ
ケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリ
ケート、結晶性アルミノフォスフェート、あるいは結晶
性メタロアルミノフォスフェート等で構成された結晶性
マイクロポーラス物質のことである。
ート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミノフォス
フェート、結晶性メタロアルミノフォスフェートは、特
に種類は限定されるものでない。例えば、アトラス オ
ブ ゼオライト ストラクチュア タイプス(マイヤ
ー、オルソン、バエロチャー、ゼオライツ、17(1/
2)、1996)(Atlas of Zeolite Structure types
(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlocher, Zeolite
s, 17(1/2), 1996) )に掲載されている構造をもつ結晶
性無機多孔性物質を挙げることができる。
晶が連続的にコーティングされたものである。ゼオライ
トだけでは通常充分な強度の膜状物質が得られないの
で、一般的には支持体の上にコーティングする。支持体
は、膜状ゼオライトの補強の目的で使用されので、触っ
て壊れない程度の強度があればよい。支持体の形状は、
特に限定されるものではなく、繊維状、粒子状、平板
状、チューブ状、ハニカム状、およびモノリス状など、
いずれであってもよい。
ーティングされたものが好ましい。ゼオライトが支持体
に平行な方向に連続的に敷き詰められ、ゼオライト同士
の隙間が少なくなっているほどよい。支持体の表面に対
して垂直な方向は、薄いほど好ましい。ゼオライトの厚
さは薄いほど、ゼオライトの利用効率を高くすることが
できるので好ましい。その厚さとしては、好ましくは1
0μm以下、さらに好ましくは5μm以下、特に好まし
くは1μm以下にするとよい。
返し再使用するので、強度は強いほどよい。膜状ゼオラ
イトの強度を向上させるためには、ゼオライトと親和性
の高い支持体を用いることが好ましい。ゼオライト自体
が金属酸化物であるので、金属酸化物が特に親和性が高
いため、金属酸化物を主成分とする支持体を使用するこ
とが好ましい。支持体に使用する金属酸化物とは、例え
ば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタニウム、酸
化ジルコニウムなどである。ムライト、コージェライ
ト、シリカアルミナなどの複合酸化物であってもよい。
ないが、例えば、ゼオライト結晶を含むアルカリ性スラ
リー、ゾルまたは溶液を、予め酸を付着、含浸、または
塗布した支持体に対して接触させることにより非常に均
一にゼオライトをコーティングすることができる。更
に、膜状ゼオライトの強度を高める方法としては、例え
ば予めゼオライトが膜状にコーティングされたものにゼ
オライト前駆体を塗布し、それを水蒸気で処理したり、
或いは予めゼオライトが膜状にコーティングされたもの
をゼオライト前駆体液に含浸し、水熱処理するとよい。
このような処理により、コーティングされたゼオライト
粒子が互いに結晶成長し、緻密になることにより強度が
向上する。
とが好ましい。膜状ゼオライトの結晶面が配向している
ことにより、生成するカーボンナノチューブも均質にな
り、配向して絡まり合わない状態にすることができる。
膜状ゼオライトの結晶面が配向しているとは、粉末ゼオ
ライトのX線回折図と比べてピーク位置は同じである
が、ピーク強度比が違うことをいう。すなわち、或る任
意の2つのピークを取り出してピーク強度比をとったと
き、そのピーク強度比が粉末ゼオライトのものに比べて
20%以上違っていれば、それを配向していると本発明
では定義する。
結晶表面に金属が担持されているものを使用する。金属
の種類は、特に限定されないが、好ましくは3〜12族
の金属、特に好ましくは、5〜11族が使用される。中
でも、V,Mo,Fe,Co,Ni,Pd等が特に好ま
しい。金属は1種類だけが担持されても、或いは2種類
以上が担持されていてもよいが、より好ましくは2種類
以上を担持させるとよい。
方法は、特に限定されない。例えば、担持したい金属の
塩を溶解させた非水溶液中(例えばエタノール溶液)
に、膜状ゼオライトを含浸し、充分に分散混合した後に
乾燥させ、不活性ガス中で高温(300〜600℃)で
加熱することにより、耐熱性ゼオライトの結晶表面に金
属を担持させることができる。又は、金属塩の水溶液に
耐熱性ゼオライトを含浸させ、乾燥したのち空気中で焼
成して金属酸化物にした後、水素を使用して還元するこ
とにより、耐熱性ゼオライトの結晶表面に金属を担持さ
せることができる。勿論、スパッタ法や化学蒸着法によ
って膜状ゼオライトに金属を担持させることも出来る。
は、数nm〜数10nmの範囲である。好ましくは1nm〜2
0nm、特に好ましくは1〜10nmにするとよい。金属の
大きさは、金属塩溶液の濃度を制御することによって制
御することが可能である。金属の大きさは、触媒サンプ
ルを超薄切片法で切り出し、透過型電子顕微鏡で観察す
ることにより測定できる。金属の担持量は、特に限定さ
れないが、金属重量として、1〜20%、好ましくは2
〜12%にするのがよい。
金属が担持されている触媒と接触させる炭素含有化合物
は、特に限定されないが、好ましくは炭化水素及び一酸
化炭素を挙げることができる。
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベ
ンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ナフ
タレン、フェナントレン、アントラセン又はこれらの混
合物であってよい。或いは、非芳香族炭化水素、例え
ば、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン
もしくはアセチレン又はこれらの混合物であってもよ
い。また、前記炭化水素はまた酸素を含むもの、例え
ば、メタノールもしくはエタノールのごときアルコー
ル、アセトンのごときケトン、及びホルムアルデヒドも
しくはアセトアルデヒドのごときアルデヒド、又はこれ
らの混合物であってもよい。
接触させるときの温度は、500〜1200℃であり、
好ましくは600℃〜1000℃である。温度が500
℃よりも低いと、ナノファイバーの収率が悪くなり、温
度が1200℃よりも高いと、使用する反応器の材質に
制限が出ると共に、ナノファイバー同士の接合が始ま
り、ナノファイバーの形状のコントロールが困難にな
る。
は、特に限定されないが、例えば、管状炉に設置された
石英製の反応管内に、膜状ゼオライトに担持させた触媒
を置き、上記500〜1200℃の範囲の加熱下に炭素
含有化合物ガスを流すことにより達成することができ
る。このような接触を行うとき、炭素含有化合物以外の
ガスを、希釈ガスとして好ましく使用することができ
る。使用可能な希釈ガスとしては、窒素、アルゴン、水
素、ヘリウム等を例示することができる。これらの希釈
ガスは、炭素含有化合物ガスの濃度のコントロールやキ
ャリヤガスとして効果がある。水素は、特に触媒金属の
活性化に効果があるため特に好ましく用いられる。
ァイバーは、中空状であれば特に制限されない。生成さ
れたナノファイバーが中空状になっていることは、透過
型電子顕微鏡で確認することができる。どのような太さ
のナノファイバーが生成するかは、反応条件によるが、
本発明による膜状ゼオライトの結晶面に担持させた触媒
を用いれば、外径が50nm以下で、内径が0.3nm以上
10nm以下である中空状ナノファイバーを得やすくする
ことができる。特に、中空状ナノファイバーの壁が、比
較的欠陥の少ないグラファイト層によって形成されてい
ることを、高分解能透過型電子顕微鏡によって確認する
ことができる。これら中空状ナノファイバーは、一般的
にはカーボンナノチューブと定義されるものである。多
層カーボンナノチューブ、単層カーボンナノチューブと
もに炭素を主成分とする中空状ナノファイバーに含まれ
る。
ーを生成する場合、反応時間を変えることで中空状ナノ
ファイバーの長さを制御することができる。中空状ナノ
ファイバーの長さは電子顕微鏡で観察することができ
る。まず、任意に選択した複数の中空状ナノファイバー
の長さを測定し、その平均値を導く。任意に選択した中
空状ナノファイバーの長さを平均値と比較したとき、本
手法を用いて生成した中空状ナノファイバーでは、生成
した中空状ナノファイバーの80%以上を平均長さの±
10%以内とすることができる。特に、ゼオライト膜上
に生成した中空状ナノファイバーは、上述の通り、その
外径や内径を制御できることから、本手法を用いること
で、外径、内径及び長さを制御した中空状ナノファイバ
ーを生成することができる。
さを制御することができれば、その用途展開の上で有利
である。たとえば、フィールドエミッションディスプレ
イ用途では、細いカーボンナノチューブが求められる
が、細いカーボンナノチューブで長さが制御できる製造
方法は今まで知られていなかった。本用途では、カーボ
ンナノチューブが長すぎると、負電極上でカーボンナノ
チューブが倒れ、有効な電子放出能が得られない。ま
た、カーボンナノチューブが短すぎると、電界集中が起
こりにくくなる。このようなことから、本発明で製造し
た1μm〜10μmの範囲で長さを制御した細いカーボ
ンナノチューブが、フィールドエミッション用途で有効
である。
ポリマーによりカーボンナノチューブに求められる長さ
が異なる。例えば、導電性や強度向上の目的に用いられ
る場合、1μm以上の長いカーボンナノチューブが求め
られる。一方、有機半導体の半導体性を有効に利用する
用途では、1μm以下の短いカーボンナノチューブが求
められる。これら用途に対し、本発明にある中空状ナノ
ファイバーの製造方法を用いることで、中空状ナノファ
イバーの長さを制御でき、各種ナノコンポジット用途に
最適なナノファイバーを提供することができる。
に説明するが、下記の実施例は例示のために示すもので
あって、いかなる意味においても限定的に解釈してはな
らない。
ンモニウムハイドロオキサイド(TPAOH)の20〜
25%水溶液(東京化成社製20〜25%水溶液)に、
0.28gの水酸化ナトリウム(片山化学社製試薬1
級)を添加して攪拌した。さらに、それに5gのヒュー
ムドシリカ(アルドリッチ)を添加し、80℃に加熱し
透明な水溶液を得た。
ートクレーブに入れ、125℃で8時間加熱したとこ
ろ、シリカライトの微粒子(平均粒径約80nm)が得ら
れた。これに、蒸留水を加えて0.05wt%シリカライ
ト含有のシリカライトコロイドとした。
のα−アルミナの多孔質支持体(日本碍子社製のセラミ
ックス膜(100mm×100mm×3mm)をこの大きさに
切断したもの:片面のみアルミナ微粒子を厚さ約50μ
m分コーティングされたもの、平均細孔径は0.1μ
m)を乳酸(片山化学製、特級)液中に5分間浸した。
その後、支持体を取り出し微粒子のアルミナがコーティ
ングされた面を上にしてペーパータオルに乗せ、支持体
表面から支持体内部に乳酸が染み込み、表面からその液
滴が消失するまで放置した。
ロイドに水を加えて0.05wt%溶液とした。乳酸を染
み込ませた支持体上に、このゾル0.24gをなるべく
均一に滴下してコーティングした。その後、室温で風乾
した後、550℃で3時間焼成し、アルミナ支持体にコ
ーティングされた膜状ゼオライト1を得た。
子顕微鏡による断面観察の結果、0.5μmであること
がわかった。膜厚が薄く、X線回折図の強度が定量性が
あるほど充分に出てはいないが、下記膜状ゼオライト2
のX線回折図(図1)のA,Bに相当するピークの強度
比は、A/B=0.97であった。 (実施例2) [強度を向上した膜状ゼオライト2の合成]膜状ゼオラ
イトを40SiO2 :12TPAOH(テトラプロピル
アンモニウムハイドロオキサイド):430H2 Oの組
成のゾル約20gの中に20分間浸した。なお、SiO
2 源にはLudox HS−40(Du Pont 製)を用い
た。支持体を取り出し、支持体表面に過剰に付着したゾ
ルが下に垂れ落ちるまで待ち、乾燥空気下で24時間放
置した。これを150℃で24時間、水蒸気に曝した。
水洗、乾燥後、550℃で24時間焼成した。なお、焼
成時の昇温速度を、0.6℃/min.とし、降温速度を
1.2℃/min.とした。
多孔質支持体上に、シリカライトの薄膜が形成している
ことを確認した。これを膜状ゼオライト2とする。
微鏡による断面観察の結果、2.0μmであることがわ
かった。そのX線回折図を図1に示す。
ライトのX線回折(Zeolites, 16,1996, p525) と比較
すると、図中に示したピークA,Bの強度比が粉末と膜
とで逆転しており、膜が配向していることがわかる。ピ
ークA,Bの強度比は、図1ではA/B=0.68、図
2ではA/B=1.22である。 (実施例3) [膜状ゼオライト3の合成:Y型ゼオライト]蒸留水3
0gにテトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド
(TPAOH)の20〜25%水溶液(東京化成社製2
0〜25%水溶液)をpH11〜12になるように加
え、NaY型ゼオライト粉末(東ソー社製) 0.3gを
投入して超音波洗浄機で分散させた。
アルミナの多孔質支持体(日本碍子社製のセラミックス
膜(100mm×100mm×3mm)をこの大きさに切断し
たもの:片面のみアルミナ微粒子を厚さ約50μm分コ
ーティングされたもの、平均細孔径は0.1μm)を乳
酸(片山化学製、特級)液中に5分間浸した。その後、
支持体を取り出し微粒子のアルミナがコーティングされ
た面を上にしてペーパータオルに乗せ、支持体表面から
支持体内部に乳酸が染み込み、表面からその液滴が消失
するまで放置した。
分散させたY型ゼオライト液0.24gをなるべく均一
に滴下してコーティングした。その後、室温で風乾した
後、600℃で2時間焼成して種結晶付き支持体を得
た。
製)0.8gと水酸化ナトリウム(片山化学社製)3.
9gを蒸留水28gに入れ、70℃で90分間加熱攪拌
した。ケイ酸ナトリウム溶液1号(キシダ化学社製)
8.2gを蒸留水26gに溶かし、70℃で1時間攪拌
した。両者を混合して攪拌し、白濁のアルミノシリケー
ト溶液を得た。
ートクレーブに上記種結晶付き支持体を入れ、得られた
アルミノシリケート溶液を3mlを加えて80℃で24時
間加熱した。支持体を取り出し、支持体表面を蒸留水で
洗浄し、50℃で2時間乾燥した後、400℃で2時間
焼成した。なお、焼成時の昇温速度を、0.6℃/min.
とし、降温速度を1.2℃/min.とした。
果、多孔質支持体上に、Y型ゼオライトの薄膜が形成し
ていることを確認した。これを膜状ゼオライト3とす
る。
微鏡による断面観察の結果、1.0μmであることがわ
かった。X線回折ピークは、膜厚が薄いため定量性には
欠けるが、面間隔(d値)1.42〜1.45nmに相当
するピークと0.47〜0.50nmに相当するピークの
強度比は、0.22であった。粉末のゼオライトのX線
回折では、これに相当するピークの比は、2.9であ
る。
第一鉄(アルドリッチ社製)0.08gと酢酸コバルト
(ナカライテスク社製)0.11gをエタノール(ナカ
ライテスク社製)7mlに溶解した液に、上述のようにし
て得た3種類の膜状ゼオライト1〜3(実施例1〜3)
を30分間含浸させ、60℃で乾燥した。
径30mmの石英管の中央部の石英プレート上に金属塩を
担持した膜状ゼオライト1〜3を置き、窒素を30ml/
分で供給した。石英管を電気炉中に設置して中心温度を
600℃に加熱した。30分放置後、超高純度アセチレ
ンガス(高圧ガス工業製)を6ml/分で30分間供給し
た後、アセチレンガスの供給を止め、温度を室温まで冷
却した。
り、その形状を日本電子データム(株)走査電子顕微鏡
JSM−6301NFで測定したところ、外径が50nm
以下のナノファイバーが得られていることがわかった。
非晶質のカーボン質の堆積はほとんどなかった。
ろ、外径が30nm以下で内径が5nm程度の細い中空状ナ
ノファイバーが主成分であることがわかった。
状ナノファイバーを観察したところ、ナノファイバーの
壁はグラファイト層で構成されていた。膜状ゼオライト
1で得られたナノファイバーには、太さ数百nmの太いも
のが10%以上見られたが、膜状ゼオライト2,3で得
られたカーボンナノチューブでは、ほとんど数百nmの太
さのナノファイバーは見られなかった。膜状ゼオライト
2,3で生成したカーボンナノチューブはほとんど絡ま
っていなかった。膜状ゼオライト1で生成したカーボン
ナノチューブは一部絡まりはあったが、後述の比較例1
で得られたカーボンナノチューブに比べると絡まり方は
少なかった。
カーボンナノチューブを掻き取り、カーボンナノチュー
ブの元素分析を行って、ゼオライト含量を測定した。ま
た、後述の比較例1で生成したカーボンナノチューブ
は、掻き取ることが出来ないのでそのまま元素分析を行
った。
中のゼオライト含量は、膜状ゼオライト1では10%、
膜状ゼオライト2,3では検出限界以下、比較例1の粉
末ゼオライトでは50%であった。この結果は、膜状ゼ
オライトでカーボンナノファイバーの合成を行うと、そ
の後の生成が容易になることを示している。
イバーを掻き取った後の膜状ゼオライト2,3を、空気
中500℃で焼成した後、薄膜X線回折測定を行った結
果、ゼオライトに起因する回折図が得られた。 (実施例4) [長さを制御したナノファイバーの合成(800℃)]
内径30mmの石英管の中央部の石英プレート上に金属塩
を担持した膜状ゼオライト2を置き、アルゴンを60ml
/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して中心温度
を800℃に加熱した。30分放置後、超高純度アセチ
レンガス(高圧ガス工業製)を0.5ml/分で30分間
供給した後、アセチレンガスの供給を止め、温度を室温
まで冷却した。
り、その形状を日本電子データム(株)走査電子顕微鏡
JSM−6301NFで測定したところ、外径が50nm
以下のナノファイバーが得られていることがわかった。
非晶質のカーボン質の堆積はほとんどなかった。
ろ、外径が30nm以下で内径が5nm程度の細い中空状ナ
ノファイバーが主成分であることがわかった。
その長さを測定したところ、平均長さは約1μmであ
り、20本中18本が0.9μmから1.1μmの長さ
を有していた。 (実施例5) [長さを制御したナノファイバーの合成(800℃)]
内径30mmの石英管の中央部の石英プレート上に金属塩
を担持した膜状ゼオライト2を置き、アルゴンを60ml
/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して中心温度
を800℃に加熱した。30分放置後、超高純度アセチ
レンガス(高圧ガス工業製)を0.5ml/分で150分
間供給した後、アセチレンガスの供給を止め、温度を室
温まで冷却した。
り、その形状を日本電子データム(株)走査電子顕微鏡
JSM−6301NFで測定したところ、外径が50nm
以下のナノファイバーが得られていることがわかった。
非晶質のカーボン質の堆積はほとんどなかった。
ろ、外径が30nm以下で内径が5nm程度の細い中空状ナ
ノファイバーが主成分であることがわかった。
その長さを測定したところ、平均長さは約15μmであ
り、20本中19本が4.5μmから5.5μmの長さ
を有していた。 (比較例1) [Y型ゼオライトへの金属塩の担持]酢酸第一鉄(アル
ドリッチ社製)0.08gと酢酸コバルト4水和物(ナ
カライテスク社製)0.11gをエタノール(ナカライ
テスク社製)7mlに加え、超音波洗浄機で10分間懸濁
した。この懸濁液に、1.0gのNa−Y型ゼオライト
粉末(東ソー製)を加え、超音波洗浄機で10分間処理
し、60℃恒温下でエタノールを除去して得た。
径30mmの石英管の中央部の石英プレート上に、金属塩
を担持したNa−Y型ゼオライト粉末を0.029g取
り、窒素を30ml/分で供給した。この石英管を電気炉
中に設置して中心温度を600℃に加熱した。超高純度
アセチレンガス(高圧ガス工業製)を6ml/分で30分
間供給した後、アセチレンガスの供給をやめ、温度を室
温まで冷却した。
日本電子データム(株)走査電子顕微鏡JSM−630
1NFで測定したところ、得られたファイバー状物質
は、互いに絡まり合っており、かつその中にゼオライト
も存在しているため、ゼオライトとナノファイバーとを
物理的に分離することは出来ない状態であった。
堆積がほとんど無く、非常に質の良い細い黒鉛質の中空
状ナノファイバーを得ることができるだけでなく、生成
後の中空状ナノファイバーと触媒との分離が容易にな
り、かつナノファイバーを分離回収した後の膜状ゼオラ
イトは減量が殆どないため、再使用が可能になる。
オライトの結晶面に担持させた金属触媒を使用する場合
には、中空状ナノファイバーの直径の制御を容易にする
ことができる。さらに中空状ナノファイバーを均質に配
向させ、絡まり合いのない状態に生成することができ
る。
X線回折図である。
のX線回折図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 膜状ゼオライトの表面に金属が担持され
ている触媒と炭素含有化合物とを500℃〜1200℃
で接触させることにより炭素を主成分とする中空状ナノ
ファイバーを生成することを特徴とする中空状ナノファ
イバーの製造方法。 - 【請求項2】 前記膜状ゼオライトが、支持体の表面に
ゼオライト結晶を連続的にコーティングしたものである
請求項1に記載の中空状ナノファイバーの製造方法。 - 【請求項3】 前記膜状ゼオライトの結晶面が配向して
いる請求項1または2に記載の中空状ナノファイバーの
製造方法。 - 【請求項4】 前記膜状ゼオライトの厚さが10μm以
下である請求項1,2または3に記載の中空状ナノファ
イバーの製造方法。 - 【請求項5】 前記炭素含有化合物が炭化水素又は一酸
化炭素である請求項1〜4のいずれかに記載の中空状ナ
ノファイバーの製造方法。 - 【請求項6】 生成後の中空状ナノファイバーの外径が
50nm以下、内径が0.3nm以上10nm以下である請求
項1〜5のいずれかに記載の中空状ナノファイバーの製
造方法。 - 【請求項7】 生成した中空状ナノファイバーの80%
以上が、平均長さ±10%以内にある請求項1〜6のい
ずれかに記載の中空状ナノファイバーの製造方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006022254A1 (ja) * | 2004-08-26 | 2006-03-02 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 電極用複合粒子およびその製造法、ならびに二次電池 |
WO2006067891A1 (ja) * | 2004-12-22 | 2006-06-29 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 複合負極活物質およびその製造法ならびに非水電解質二次電池 |
JP2010088992A (ja) * | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Ngk Insulators Ltd | ゼオライト膜の製造方法 |
JP2015189129A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | キヤノン株式会社 | ナノファイバ構造体とこれを用いた捕集装置、ナノファイバ構造体の製造方法 |
-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002352793A patent/JP3789110B2/ja not_active Expired - Fee Related
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