JP2003235413A - 釣り用リールのギア部品 - Google Patents

釣り用リールのギア部品

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JP2003235413A
JP2003235413A JP2002042881A JP2002042881A JP2003235413A JP 2003235413 A JP2003235413 A JP 2003235413A JP 2002042881 A JP2002042881 A JP 2002042881A JP 2002042881 A JP2002042881 A JP 2002042881A JP 2003235413 A JP2003235413 A JP 2003235413A
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gear
shaft
spool
resistant coating
component
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JP2002042881A
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Kouji Takikura
恒治 滝倉
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Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 釣り用リールのギア部品において、耐食性を
向上させる。 【解決手段】 釣り用リールのギア機構を構成するメイ
ンギア、ピニオンギア及びギアは、快削系の金属により
形成された部品本体70と、部品本体70上に高耐食性
材料により形成された高耐食性被膜71とを有してい
る。部品本体70は、たとえばSUS303、SUS4
30F及びSUS416のいずれかの快削系のステンレ
ス合金により形成されている。高耐食性被膜71はクロ
ム酸化物を含有するクロム酸化被膜である。高耐食性被
膜71の膜厚Aは0.02μm以上になるように形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ギア部品、特に、
釣り用リールの各種機構を駆動させるためのギア部品に
関する。
【0002】
【従来の技術】スピニングリールや両軸受リール等の釣
り用リールには、リール本体や他の部品に対して相対回
転するスプール、ロータ、ハンドル及びレベルワインド
機構等の回転部品が多く用いられている。このような回
転部品には、ギア部品が連結され、他の回転部品からの
回転が伝達される。この種のギア部品には、たとえばハ
ンドルの回転をロータやスプールに伝達するマスターギ
ア及びピニオンギアや、ハンドルの回転をオシレーティ
ング機構やレベルワインド機構の螺軸に回転を伝達する
回転ギア等がある。
【0003】このようなギア部品は、従来、加工精度を
高く維持するために、材質として快削性金属が使用され
ている。快削性金属としては、たとえばジュラルミン等
のアルミニウム合金や、黄銅等の銅合金や、SUS30
3、SUS430F、SUS416等の快削系のステン
レス合金が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の快削系の金
属により形成されたギア部品において、特に、SUS3
03、SUS430F、SUS416等の快削系のステ
ンレス合金には硫黄が多く含まれている。このようにス
テンレス合金に硫黄が多く含まれると、硫黄がステンレ
ス合金内部で硫化物として残留し、その部分が腐食の起
点となりやすい。このため、ギア部品に快削系のステン
レス合金を用いると、他のステンレス合金を使用した場
合に比して、ギア部品の耐食性が低下するおそれがあ
る。
【0005】本発明の課題は、釣り用リールのギア部品
において、耐食性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明1に係る釣り用リー
ルのギア部品は、釣り用リールの各種機構を駆動させる
ためのギア部品であって、快削系金属製の部品本体と、
部品本体上に高耐食性材料により形成された高耐食性被
膜とを備えている。このギア部品では、釣り用リールの
マスターギア及びピニオンギア等の部品本体を快削系金
属で形成し、部品本体上に高耐食性被膜をさらに形成し
ている。ここでは、部品本体を耐食性の低い快削系金属
で形成しても、部品本体上に高耐食性被膜が形成されて
いるので、耐食性を向上させることができる。
【0007】発明2に係るギア部品は、発明1のギア部
品において、高耐食性被膜の膜厚は0.02μm以上で
ある。この場合、高耐食性被膜の膜厚が0.02μm以
上になるように形成することにより、ギア部品の耐食性
をさらに向上できる。発明3に係るギア部品は、発明1
又は2のギア部品において、高耐食性被膜はクロム酸化
物を含有するクロム酸化被膜である。この場合、高耐食
性被膜は、耐食性の強いクロム酸化物を含んでいるの
で、ギア部品の耐食性をより向上できる。
【0008】発明4に係るギア部品は、発明1から3の
いずれかのギア部品において、部品本体はステンレス合
金製である。この場合、部品本体にステンレス合金を用
いることにより、比較的耐食性の低いステンレス合金で
あっても、部品本体に高耐食性被膜を形成することによ
り、耐食性を向上できる。発明5に係るギア部品は、発
明4のギア部品において、高耐食性被膜はステンレス合
金の表面を改質して形成されている。この場合、ステン
レス合金の表面を改質して高耐食性被膜が形成されてい
るので、高耐食性被膜が剥離しにくくなる。
【0009】発明6に係るギア部品は、発明4又は5の
ギア部品において、部品本体は、SUS303、SUS
430F及びSUS416のいずれかのステンレス合金
により形成されている。この場合、部品本体として快削
系のステンレス合金であるSUS303、SUS430
F及びSUS416を用いることにより、加工精度を高
く維持しながら、耐食性を向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕本発明の第1実
施形態が採用された両軸受リールは、図1及び図2に示
すように、ベイトキャスト用のロープロフィール型のリ
ールである。このリールは、リール本体1と、リール本
体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、
リール本体1の内部に回転自在かつ着脱自在に装着され
た糸巻き用のスプール12とを備えている。ハンドル2
のリール本体1側には、ドラグ調整用のスタードラグ3
が設けられている。
【0011】ハンドル2は、板状のハンドルアーム2a
と、ハンドルアーム2aの両端に回転自在に装着された
把手部2bとを有するダブルハンドル形のものである。
ハンドルアーム2aは、図3に示すように、ナット2d
によりハンドル軸30の先端に回転不能に固定された座
板2cに2本のビス2eにより固定されている。このナ
ット2dは、ハンドルアーム2aの内部に収納されて回
り止めされている。このため、ハンドルアーム2aの外
側面つなぎ目がない滑らかな面で構成することができ、
釣り糸が絡みにくい構造となっている。
【0012】図3に示すように、リール本体1は、フレ
ーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバ
ー6a及び第2側カバー6bとを有している。また、リ
ール本体1は、図1及び図2に示すように、前方を覆う
前カバー7と、上部を覆うサムレスト8とを有してい
る。フレーム5は、図3に示すように所定の間隔をあけ
て互いに対向するように配置された1対の第1側板5a
及び第2側板5bと、これらの第1側板5a及び第2側
板5bを連結する複数の連結部5c(図5参照)とを有
している。下側の2つの連結部5cには、図4及び図5
に示すように、リールを釣竿Rに装着するための前後に
長い、たとえばステンレス等の金属製の装着脚部4がね
じ止めされている。
【0013】第1側カバー6aは、スプール12の着脱
を可能にするためにフレーム5に揺動自在に装着されフ
レーム5に対して開閉可能である。第2側カバー6b
は、フレーム5にねじ止めされている。前カバー7は、
図4及び図5に示すように、リール本体1の前部におい
て第1側板5a及び第2側板5b間に装着されている。
前カバー7は、その上方に配置されたサムレスト8との
間で前部に形成された開口9を有している。開口9は、
釣り糸が通過し得るように横長に形成されている。しか
し、従来の両軸受リールのようにガイドリングが開口9
に面して配置されていないので、上下の幅が狭くなって
いる。開口9の内周面のうち上下面、つまりサムレスト
8の前側下部と前カバー7の上面とには、たとえば窒化
珪素やジルコニア等の硬質で表面が滑らかなセラミック
ス製の上下の第1カバー部材10a及び第2カバー部材
10bがそれぞれ装着されている。第1カバー部材10
a及び第2カバー部材10bは、上下の幅が狭い開口9
に釣り糸が接触したときに開口9が傷つかないようにす
るとともに、接触した釣り糸に作用する抵抗を少なくす
るために設けられている。第1カバー部材10a及び第
2カバー部材10bはボルトによりサムレスト8及び前
カバー7にそれぞれ固定されている。
【0014】サムレスト8は、図1、図2及び図4に示
すように、平面視コ字状にリール本体1の上部に装着さ
れている。このサムレスト8の前部8aに釣竿を持つ手
H(図1参照)の親指を置くことでパーミングを行え
る。サムレスト8の上面はそれぞれ上方に凸に湾曲した
曲面で構成されている。このサムレスト8の前部の装着
脚部4からの高さh(図4参照)は従来の両軸受リール
より低くなっている。
【0015】フレーム5内には、図3に示すように、釣
竿Rと直交する方向に配置されたスプール12と、スプ
ール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド
機構15と、サミングを行う場合の親指の当てとなる、
クラッチレバー17とが配置されている。またフレーム
5と第2側カバー6bとの間には、ハンドル2からの回
転力をスプール12及びレベルワインド機構15に伝え
るためのギア機構18と、クラッチ機構13と、クラッ
チ機構13の係脱を行うためのクラッチ係脱機構19
と、クラッチレバー17の操作に応じてクラッチ機構1
3の係脱を制御するための係脱制御機構20と、ドラグ
機構21と、スプール12の回転時の抵抗力を調整する
ためのキャスティングコントロール機構22とが配置さ
れている。また、フレーム5と第1側カバー6aとの間
には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるため
の遠心ブレーキ機構23が配置されている。
【0016】スプール12は、図3及び図6に示すよう
に、両側部に皿状のフランジ部12aを有しており、両
フランジ部12aの間に筒状の糸巻胴部12bを有して
いる。また、スプール12は、糸巻胴部12bの内周側
の軸方向の中央部に一体で形成された筒状のボス部12
cを有しており、ボス部12cを貫通するスプール軸1
6に回転不能に固定されている。
【0017】スプール軸16は、図3及び図6に示すよ
うに、第2側板5bを貫通して第2側カバー6bの外方
に延びている。その延びた一端は第2側カバー6bに形
成されたボス部6cに軸受24aにより回転自在に支持
されている。またスプール軸16の他端は、遠心ブレー
キ機構23内で軸受24bにより回転自在に支持されて
いる。軸受24a、24bは、それぞれ外輪34aと内
輪34bと複数の転動体34cとリテーナ34dを有し
ている。軸受24aの外輪34aはボス部6cに装着さ
れ、内輪34bはスプール軸16に装着されている。軸
受24bの外輪34aはブレーキケース65に装着さ
れ、内輪34bはスプール軸16に装着されている。転
動体34cは鋼球であり、外輪34aと内輪34bとに
接触した状態で周方向に間隔を隔てて配置されている。
リテーナ34dは、転動体34cを周方向に間隔を隔て
て転動自在に保持するものである。
【0018】スプール軸16の大径部分16aの右端
は、第2側板5bの貫通部部分に配置されており、そこ
にはクラッチ機構13を構成する係合ピン16bが固定
されている。係合ピン16bは、直径に沿って大径部分
16aを貫通しており、その両端が径方向に突出してい
る。レベルワインド機構15は、図3及び図7に示すよ
うに、第1側板5a及び第2側板5b間に固定されたガ
イド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に支持された
螺軸26と、ラインガイド27とを有している。ガイド
筒25は、後部周面が全長にわたり切り欠かれた円筒状
の部材であり、ラインガイド27をスプール軸16の軸
方向(釣竿Rと直交する方向)に案内する。
【0019】螺軸26は、図7に示すように、ラインガ
イド27をスプール軸16の軸方向に往復移動させるた
めの軸である。螺軸26の両端は、第1側板5a及び第
2側板5bに設けられたボス部54a、54bに軸受3
9a、39bにより回転自在に支持されている。軸受3
9a、39bの外方、つまり内方の液体浸入方向の逆側
には、ゴム製のシール部材53a、53bがボス部54
a、54bにそれぞれ装着されている。螺軸26の端部
には、ギア機構18を構成するギア28aが固定されて
いる。また螺軸26には交差する螺旋状の溝26aが形
成されている。
【0020】ラインガイド27は、図5に示すように、
ガイド本体27aと、ガイド本体27aに回転自在に装
着された係止軸27bと、ガイド本体27aの上部に上
方に突出して配置されたガイドリング27cとを有して
いる。ガイド本体27aにはガイド筒25が貫通するU
字状の貫通孔がスプール軸16に平行に形成されてお
り、ガイド本体27aは、ガイド筒25に軸方向に移動
自在に支持されている。係止軸27bは、ガイド本体2
7aの後部に略前後に沿って配置され先端が螺軸26の
溝26aに係止されている。係止軸27bは、螺軸26
の回動により溝26aに沿って回動しガイド本体27a
を往復移動させる。ガイドリング27cは、たとえばス
テンレス製の線材を上部を凸にヘアピン状に曲げて形成
されており、内周側に長孔が形成されている。ガイドリ
ング27cは、下部がガイド本体27aの後部上面に差
し込まれて固定されている。ガイドリング27cの表面
は、たとえば窒化チタン等の金属やSiC等のセラミッ
クスでコーティングされており、表面が滑らかで硬くな
っている。なお、このガイドリング27cは、開口9と
スプール12との間にスプール12に近接して配置され
ている。ガイドリング27cの上部は、下部にガイド溝
が形成されたガイド軸25aによりスプール軸16に平
行に案内されている。このガイド軸25aは、ガイド筒
25の上方にガイド筒25と平行に配置されており、両
端が第1側板5a及び第2側板5bに固定されている。
【0021】このレベルワインド機構15では、ギア機
構18を介して螺軸26が回転させられることにより、
ラインガイド27がガイド筒25に沿って往復動する。
このラインガイド27のガイドリング27c内に釣り糸
が挿通されて釣り糸がスプール12に均一に巻き付けら
れる。ギア機構18は、図3に示すように、ハンドル軸
30と、ハンドル軸30に固定されたメインギア31
と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32
と、前述の螺軸26端部に固定されたギア28aと、ハ
ンドル軸30に回転不能に固定され、ギア28aに噛み
合うギア28bとを有している。
【0022】ギア機構18を構成するメインギア31、
ピニオンギア32、ギア28a及びギア28bは、図1
3に示すように、快削系の金属により形成された部品本
体70と、部品本体70上に高耐食性材料により形成さ
れた高耐食性被膜71とを有している。部品本体70
は、たとえばSUS303、SUS430F及びSUS
416のいずれかの快削系のステンレス合金により形成
されている。高耐食性被膜71はクロム酸化物を含有す
るクロム酸化被膜である。高耐食性被膜71の膜厚Aは
0.02μm以上になるように形成されている。
【0023】このギア機構18のハンドル軸30の上下
位置は、サムレスト8の高さを低くするために、従来の
位置より低い。このため、ギア機構18を収納する第2
側板5b及び第2側カバー6bの下部は、第1側板5a
及び第1側カバー6aの下部より下方に位置している。
ハンドル軸30の先端部は縮径されており、先端部の大
径部及び小径部には平行な面取り部30aと雄ねじ部3
0bとがそれぞれが形成されている。ハンドル軸30の
基端は、図6に示すように、軸受57により第1側板5
aに支持されている。軸受57のハンドル軸30側に
は、シール部材58が配置されている。
【0024】ピニオンギア32は、図3及び図6に示す
ように、第2側板5bの外方から内方に延び、中心にス
プール軸16が貫通する筒状部材であり、スプール軸1
6に軸方向に移動自在に装着されている。また、ピニオ
ンギア32の端部は、軸受43により第2側板5bに回
転自在かつ軸方向移動自在に支持されている。軸受43
にはシール部材59が装着されている。
【0025】ピニオンギア32は、図3及び図6に示す
ように、外周部に形成されメインギア31に噛合する歯
部32aと、他端側に形成された噛合部32bと、歯部
32aと噛合部32bとの間に形成されたくびれ部32
cとを有している。噛合部32bは、ピニオンギア32
の端面に直径に沿って形成された凹溝からなり、そこに
スプール軸16を貫通して固定された係合ピン16bが
係止される。ここではピニオンギア32が外方に移動し
てその噛合部32bとスプール軸16の係合ピン16b
とが離脱すると、ハンドル軸30からの回転力はスプー
ル12に伝達されない。この噛合部32bと係合ピン1
6bとによりクラッチ機構13が構成される。
【0026】クラッチレバー17は、図2及び図3に示
すように、第1側板5a及び第2側板5b間の後部でス
プール12後方に配置されている。フレーム5の第1側
板5a及び第2側板5bには、図示しない長孔が形成さ
れており、クラッチレバー17の回転軸17a(図3参
照)がこの長孔に回転自在に支持されている。このた
め、クラッチレバー17は長孔に沿って上下方向にスラ
イドすることも可能である。
【0027】クラッチ係脱機構19は、図3及び図6に
示すように、クラッチヨーク40を有している。クラッ
チヨーク40は、スプール軸16の外周側に配置されて
おり、2本のピン41によってスプール軸16の軸芯と
平行に移動可能に支持されている。なお、スプール軸1
6はクラッチヨーク40に対して相対回転が可能であ
る。すなわち、スプール軸16が回転してもクラッチヨ
ーク40は回転しないようになっている。またクラッチ
ヨーク40はその中央部にピニオンギア32のくびれ部
32cに係合する係合部40aを有している。またクラ
ッチヨーク40を支持する各ピン41の外周で、クラッ
チヨーク40と第2側カバー6bとの間にはスプリング
42が配置されており、クラッチヨーク40はスプリン
グ42によって常に内方に付勢されている。
【0028】このような構成で、通常状態では、ピニオ
ンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、
その噛合部32bとスプール軸16の係合ピン16bと
が係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラ
ッチヨーク40によってピニオンギア32が外方に移動
した場合には、噛合部32bと係合ピン16bとの係合
が外れクラッチオフ状態となる。
【0029】ドラグ機構21は、図3に示すように、ド
ラグ力を調整操作するためのスタードラグ3と、メイン
ギア31に押圧される摩擦プレート45と、スタードラ
グ3の回転操作によって摩擦プレート45をメインギア
31に所定の力で押圧するための押圧プレート46とを
有している。スタードラグ3は、回転操作すると発音す
る構成となっている。
【0030】キャスティングコントロール機構22は、
図3及び図6に示すように、スプール軸16の両端を挟
むように配置された複数の摩擦プレート51と、摩擦プ
レート51によるスプール軸16の挟持力を調節するた
めの制動キャップ52とを有している。右側の摩擦プレ
ート51は、制動キャップ52内に装着され、左側の摩
擦プレート51は、ブレーキケース65内に装着されて
いる。制動キャップ52は回転操作すると発音機構53
を有している。
【0031】遠心ブレーキ機構23は、図3及び図6に
示すように、ブレーキケース65と、ブレーキケース6
5内に設けられた回転部材66と、回転部材66に周方
向に間隔を隔てて配置され径方向に移動自在に装着され
た摺動子67とを有している。ブレーキケース65の内
周面には摺動子67に接触可能な筒状のブレーキライナ
ー65aが固定されている。ブレーキケース65は、第
1側板5aに形成された円形の開口5dに着脱自在に装
着されており、第1側カバー6aとともに揺動する。
【0032】この両軸受リールのギア機構18を構成す
るメインギア31、ピニオンギア32、ギア28a及び
ギア28bには、部品本体70上に高耐食性被膜71が
形成されているので、耐食性を向上できる。 〔第2実施形態〕前記第1実施形態では釣り用リールと
して両軸受リールを例示したが、スピニングリール等の
他の釣り用リールにも本発明は適用できる。図8におい
て、本発明の第2実施形態を採用したスピニングリール
は、ハンドル101と、ハンドル101を回転自在に支
持するリール本体102と、ロータ103と、スプール
104とを備えている。ロータ103は、リール本体1
02の前部に回転自在に支持されている。スプール10
4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ1
03の前部に前後移動自在に配置されている。
【0033】ハンドル101は、図8から図10に示す
ように、T字状の把手部101aと、先端に把手部10
1aが回転自在に装着されたL字状のクランクアーム1
01bと、クランクアーム101bの基端に固定された
軸部101cとを有している。クランクアーム101b
は、基端側においてワンタッチで折れ曲がり可能であ
る。軸部101cは、図9に示すように断面が矩形の棒
状部材である。なお、ハンドル101は、図8に示す右
位置と、図10に示す左位置との左右どちらの装着位置
でもリール本体102に装着可能である。
【0034】リール本体102は、側部に開口102c
を有するリールボディ102aと、リールボディ102
aから斜め上前方に一体で延びるT字状の竿取付脚10
2bと、リールボディ102aの開口102cを閉塞す
るための蓋体102dとを有している。リールボディ1
02aは、図9に示すように、内部に空間を有してお
り、その空間内には、ロータ103をハンドル101の
回転に連動して回転させるロータ駆動機構105と、ス
プール104を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取
るためのオシレーティング機構106とが設けられてい
る。
【0035】図10に示すように、リールボディ102
aの図4右側面には、筒状のボス部117aが形成され
ている。ボス部117aは、ハンドル軸110の図4右
端を支持する軸受116aを収納するためにリールボデ
ィ102aの内方に突出して形成されている。蓋体10
2dのボス部117aに対向する位置には、ボス部11
7bが形成されている。ボス部117bはハンドル軸1
10の図4左端を支持する軸受116bを収納するため
にリールボディ102aの外方に突出して形成されてい
る。ハンドル101が装着された側と逆側のボス部(図
4ではボス部117a)は、軸カバー119により閉塞
されている。ハンドル101が装着された側のボス部
(図4ではボス部117b)は、孔あきカバー119b
により水の浸入が防止されている。軸カバー119及び
孔あきカバー119bは、図8に示すように、楕円形の
部材であり、それぞれ2本のビス119aによりボス部
に取り付けられる。
【0036】ロータ駆動機構105は、ハンドル101
が回転不能に装着されたハンドル軸110と、ハンドル
軸110とともに回転するメインギア111と、このメ
インギア111に噛み合うピニオンギア112とを有し
ている。ハンドル軸110の両端は、軸受116a、1
16bを介してリールボディ102aに回転自在に支持
されている。ハンドル軸110の中心部には断面が矩形
の貫通孔110aが形成されており、この貫通孔110
aにハンドル101の軸部101cが回転不能に挿入さ
れる。軸部101cの先端面にはねじ孔101dが形成
されており、このねじ孔101dに螺合する取付ねじ1
20によりハンドル101がハンドル軸110に取り付
けられている。
【0037】ピニオンギア112は筒状に形成されてお
り、図9に示すように、その前部112aはロータ10
3の中心部を貫通しており、ナット113によりロータ
103と固定されている。ピニオンギア112は、その
軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受114a、
114bを介してリール本体102に回転自在に支持さ
れている。
【0038】オシレーティング機構106は、スプール
104の中心部にドラグ機構160を介して連結された
スプール軸115を前後方向に移動させてスプール10
4を同方向に移動させるための機構である。オシレーテ
ィング機構106は、スプール軸115の略直下方に平
行に配置された螺軸121と、螺軸121に沿って前後
方向に移動するスライダ122と、螺軸121の先端に
固定された中間ギア123とを有している。スライダ1
22にはスプール軸115の後端が回転不能に固定され
ている。中間ギア123は、ピニオンギア112に噛み
合っている。
【0039】ピニオンギア112及び中間ギア123
は、図13に示すように、快削系の金属により形成され
た部品本体170と、部品本体170上に高耐食性材料
により形成された高耐食性被膜171とを有している。
部品本体170は、たとえばSUS303、SUS43
0F及びSUS416のいずれかの快削系のステンレス
合金により形成されている。高耐食性被膜171はクロ
ム酸化物を含有するクロム酸化被膜である。高耐食性被
膜171の膜厚Aは0.02μm以上になるように形成
されている。
【0040】ロータ103は、図9に示すように、円筒
部130と、円筒部130の側方に互いに対向して設け
られた第1ロータアーム131及び第2ロータアーム1
32とを有している。円筒部130と第1ロータアーム
131及び第2ロータアーム132とは、たとえばアル
ミニウム合金製であり一体成形されている。円筒部13
0の前部には前壁133が形成されており、前壁133
の中央部にはボス部133aが形成されている。ボス部
133aの中心部には貫通孔が形成されており、この貫
通孔をピニオンギアの前部112a及びスプール軸11
5が貫通している。前壁133の前部にナット113が
配置されており、ナット113の内部にスプール軸11
5を回転自在に支持する軸受135が配置されている。
【0041】第1ロータアーム131の先端の外周側に
は、第1ベール支持部材140が揺動自在に装着されて
いる。第1ベール支持部材140は、第1ロータアーム
131にねじ込まれた取付ピンにより第1ロータアーム
131に取り付けられる。第1ベール支持部材140の
先端には、釣り糸をスプール104に案内するためのラ
インローラ141と、ラインローラ141を挟んで第1
ベール支持部材140に固定された固定軸カバー147
とが装着されている。ラインローラ141は、第1ベー
ル支持部材140の先端に回転自在に装着されている。
固定軸カバー147は、先端が尖った変形円錐形状であ
る。
【0042】固定軸カバー147の先端部と第2ベール
支持部材142との間には線材を略U状に湾曲させた形
状のベール143が固定されている。これらの第1ベー
ル支持部材140及び第2ベール支持部材142、ライ
ンローラ141、ベール143及び固定軸カバー147
により釣り糸をスプール104に案内するベールアーム
144が構成される。ベールアーム144は、図9に示
す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺
動自在である。
【0043】第1ベール支持部材140の外周側にはカ
バー145が装着されており、カバー145の内部には
ベールアーム144を糸開放姿勢から糸案内姿勢にロー
タ103の回転に連動して復帰させるとともに、両姿勢
でその状態を保持するベール反転機構146が配置され
ている。ロータ103の円筒部130の内部にはロータ
103の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構15
0が配置されている。逆転防止機構150は、内輪が遊
転するローラ型のワンウェイクラッチ151と、ワンウ
ェイクラッチ151を作動状態(逆転禁止状態)と非作
動状態(逆転許可状態)とに切り換える切換機構152
とを有している。
【0044】スプール104は、ロータ103の第1ロ
ータアーム131と第2ロータアーム132との間に配
置されており、スプール軸115の先端にドラグ機構1
60を介して装着されている。スプール104は、外周
に釣り糸が巻かれる糸巻胴部104aと、糸巻胴部10
4aの後部に一体で形成されたスカート部104bと、
糸巻胴部104aの前端に固定されたフランジ板104
cとを有している。糸巻胴部104aは、ストレートな
円筒状の部材であり、外周面はスプール軸115と平行
な周面で構成されている。糸巻胴部104aは、2つの
軸受156、157によりスプール軸115に回転自在
に装着されている。フランジ板104cは、糸巻胴部1
04aの内周面にねじ止めされたスプールリングカラー
155により糸巻胴部104aに固定されている。
【0045】このスピニングリールでは、ピニオンギア
112及び中間ギア123には、部品本体170上に高
耐食性被膜171が形成されているので、耐食性を向上
できる。 〔第3実施形態〕本発明の第3実施形態を採用した電動
リールは、図11及び図12に示すように、主にハンド
ル201が装着されたリール本体202と、リール本体
202に回転自在に装着されたスプール203と、スプ
ール203内に装着されたモータ204とを備えてい
る。リール本体202の上部には、水深表示等を行うた
めのカウンター205が装着されている。リール本体2
02の内部には、ハンドル201の回転をスプール20
3に伝達するとともにモータ204の回転をスプール2
03に伝達する回転伝達機構206が設けられている。
【0046】リール本体202は、図12に示すよう
に、フレーム210と、フレーム210の両側方を覆う
側カバー211、212とを有している。フレーム21
0は、アルミニウムダイカスト製の一体成形された部材
であり、左右1対の側板213、214と、側板21
3、214を複数箇所で連結する連結部材215とを有
している。下部の連結部材215には、釣竿を装着する
ための竿装着脚217が装着されている。
【0047】スプール203は、図12に示すように、
内部にモータ204を収納可能な筒状の糸巻胴部203
aと、糸巻胴部203aの外周部に間隔を隔てて形成さ
れた左右1対のフランジ部203bとを有している。ス
プール203の一端はフランジ部203bから外方に延
びており、その延びた端部の内周面に軸受225が配置
されている。スプール203の他端には、ギア板203
cが固定されている。ギア板203cは、図示しないレ
ベルワインド機構にスプール203の回転を伝達するた
めに設けられている。ギア板203cのスプール中心側
部において、ギア板203cと固定フレーム216との
間には玉軸受226が装着されている。この2つの玉軸
受225、226によりスプール203は、リール本体
202に回転自在に支持されている。
【0048】ハンドル201側の突出部には、回転伝達
機構206を構成する2段減速の遊星歯車機構206a
の2つの太陽ギア206b(図12参照)が並べて装着
されている。これらの太陽ギア206bは、図13に示
すように、快削系の金属により形成された部品本体27
0と、部品本体270上に高耐食性材料により形成され
た高耐食性被膜271とを有している。部品本体270
は、たとえばSUS303、SUS430F及びSUS
416のいずれかの快削系のステンレス合金により形成
されている。高耐食性被膜271はクロム酸化物を含有
するクロム酸化被膜である。高耐食性被膜271の膜厚
Aは0.02μm以上になるように形成されている。
【0049】このように構成された電動リールの回転伝
達機構206では、太陽ギア206bには、部品本体2
70上に高耐食性被膜271が形成されているので、耐
食性を向上できる。 〔他の実施形態〕 (a) 前記実施形態では、ベイト型両軸受リール、フ
ロントドラグ型スピニングリール及び電動リールを例に
あげて説明したが、本発明はこれらのリールに限定され
るものではなく、この他の全ての釣り用リールに本発明
を適用できる。
【0050】(b) 前記実施形態では、高耐食性被膜
71は部品本体70上に形成されていたが、部品本体7
0のステンレス合金の表面を改質して高耐食性被膜を形
成してもよい。この場合、高耐食性被膜が剥離しにくく
なる。 (c) 前記実施形態では、高耐食性被膜71の膜厚A
はは0.02μm以上になるように形成されていたが、
これに限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、釣り用リールのギア部
品において、ギア部品を構成する部品本体上に高耐食性
被膜を形成することにより、耐食性を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用した両軸受リール
の斜視図。
【図2】前記両軸受リールの平面図。
【図3】前記両軸受リールの横断面図。
【図4】前記両軸受リールの正面図。
【図5】図4のV−V断面図。
【図6】スプール軸周辺の断面拡大図。
【図7】螺軸周辺の断面拡大図。
【図8】本発明の第2実施形態を採用したスピニングリ
ールの側面図。
【図9】前記スピニングリールの断面図。
【図10】図8のX−X断面図。
【図11】本発明の第3実施形態を採用した電動リール
の斜視図。
【図12】前記電動リールの縦断面図。
【図13】部品本体の断面模式図。
【符号の説明】
28a、28b ギア 31、111 メインギア 32、112 ピニオンギア 70、170、270 部品本体 71、171、271 高耐食性被膜 123 中間ギア 206b 太陽ギア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】釣り用リールの各種機構を駆動させるため
    のギア部品であって、 快削系金属製の部品本体と、 前記部品本体上に高耐食性材料により形成された高耐食
    性被膜と、を備えた釣り用リールのギア部品。
  2. 【請求項2】前記高耐食性被膜の膜厚は0.02μm以
    上である、請求項1に記載の釣り用リールのギア部品。
  3. 【請求項3】前記高耐食性被膜はクロム酸化物を含有す
    るクロム酸化被膜である、請求項1又は2に記載の釣り
    用リールのギア部品。
  4. 【請求項4】前記部品本体はステンレス合金製である、
    請求項1から3のいずれかに記載の釣り用リールのギア
    部品。
  5. 【請求項5】前記高耐食性被膜は前記ステンレス合金の
    表面を改質して形成されている、請求項4に記載の釣り
    用リールのギア部品。
  6. 【請求項6】前記部品本体は、SUS303、SUS4
    30F及びSUS416のいずれかの前記ステンレス合
    金により形成されている、請求項4又は5に記載の釣り
    用リールのギア部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011147396A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Shimano Inc スピニングリールのスプール支持構造
EP2784353A1 (en) * 2013-03-29 2014-10-01 Shimano Inc. Reel part for fishing reel

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