JP2003235167A - 過充電防止方法、充電回路、電子機器および時計 - Google Patents

過充電防止方法、充電回路、電子機器および時計

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JP2003235167A
JP2003235167A JP2002381878A JP2002381878A JP2003235167A JP 2003235167 A JP2003235167 A JP 2003235167A JP 2002381878 A JP2002381878 A JP 2002381878A JP 2002381878 A JP2002381878 A JP 2002381878A JP 2003235167 A JP2003235167 A JP 2003235167A
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voltage
charging
circuit
short
input terminal
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JP2002381878A
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Teruhiko Fujisawa
照彦 藤沢
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で、確実に過充電を防止すること
が可能な過充電防止方法等を提供する。 【解決手段】 交流電圧が給電される各入力端子の一方
の端子電圧に応じて、他方の入力端子と第1の電源ライ
ンとを接続するか否かが制御される第1および第2のス
イッチユニットと、各入力端子と第2の電源ラインとの
間に各々接続された第1および第2のダイオードと、第
1および第2の電源ライン間に接続される充電素子とを
備え、交流電圧を整流して充電素子に電力を充電する充
電回路において、充電素子の充電電圧を検出し、検出さ
れた充電電圧を予め定められた基準電圧と比較し、充電
電圧が基準電圧を上回る場合には、一方の入力端子から
流れ込む発電電流を、第1および第2のダイオードを通
らない経路で他方の入力端子に供給するように構成して
いるので、複数のコンパレータを用いる必要なしに回路
を構成することが可能となり、回路規模を小さくするこ
とができ、しかも低消費電力を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過充電を防止する
のに好適な過充電防止方法、充電回路および過充電防止
方法および充電回路を用いた電子機器および時計に関す
る。
【0002】
【従来の技術】発電機によって発電された交流電圧を大
容量コンデンサに充電する充電回路として、ダイオード
ブリッジ回路が知られている。ダイオードブリッジ回路
では、ダイオード2個分の電圧降下だけ損失が発生する
ので、小振幅の交流電圧を充電するのには向かない。
【0003】このため、ダイオードの替わりにトランジ
スタを用いた充電回路が開発されている。例えば、図1
5は、従来の充電回路の回路図である。この充電回路に
おいては、発電機AGの出力端子A,Bの電圧と電源Vd
dの電圧とを比較するコンパレータCOM1,COM2、発電機
AGの出力端子A,Bの電圧とグランドGNDの電圧を比
較するコンパレータCOM3,COM4、および充電電流を蓄電
する大容量のコンデンサCが各々設けらている。そし
て、各コンパレータCOM1〜COM4の出力によって、Pチャ
ンネルFETP1,P2およびNチャンネルFETN1,N2の
オン・オフが制御される。
【0004】ここで、出力端子Aの電圧がグランドGND
の電圧以下になると、コンパレータCOM3によってNチャ
ンネルFETN1がオン状態となり、出力端子Aが接地さ
れる。また、出力端子Bの電圧が電源Vddの電圧を越え
ると、コンパレータCOM2によって、PチャンネルFET
P2がオン状態となり、電荷が矢印の経路でコンデンサC
に充電される。この場合、出力端子Bの電圧が電源Vdd
の電圧を越えない限り、PチャンネルFETP2はオン状
態とならないので、矢印と逆の経路で電流が流れて、充
電効率が低下するといった不都合が生じないようになっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
充電回路にあっては、コンパレータCOM1〜COM4によって
各電界効果トランジスタのオン・オフを制御しているの
で、構成が複雑となり、回路規模が増大するとともに、
コンパレータCOM1〜COM4により消費電流が増大してしま
う。一方、大容量コンデンサには耐圧が存在し、充電電
圧が所定電圧を越えると、過充電の状態となり、大容量
コンデンサが劣化して却って充電効率が落ちてしまう。
【0006】本発明の目的は、簡易な構成で、確実に過
充電を防止することが可能な過充電防止方法および確実
に過充電を防止することが可能な充電回路を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、この充電回路を
電子機器や腕時計に適用することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の整流素
子を有し、一対の入力端子を介して外部の交流電源より
入力される交流を直流に変換して出力する整流回路を用
い、充電素子に電力を充電する充電回路に用いられる過
充電防止方法であって、前記充電素子の充電電圧を検出
し、検出された充電電圧が予め定めた所定の電圧を上回
る場合には、前記複数の整流素子を介さない経路で前記
一対の入力端子を短絡させることを特徴としている。
【0008】また、本発明は、複数の整流素子を有し、
一対の入力端子を介して外部の交流電源より入力される
交流を直流に変換して出力する整流回路を用い、充電素
子に電力を充電する充電回路に用いられる過充電防止方
法であって、充電素子の充電電圧を検出し、検出された
充電電圧を予め定められた基準電圧と比較し、充電電圧
が基準電圧を上回る場合には、複数の整流素子を介さな
い経路で一対の入力端子を短絡させることを特徴として
いる。
【0009】また、本発明は、交流電圧が給電される各
入力端子の一方の端子電圧に応じて、他方の入力端子と
第1の電源ラインとを接続するか否かが制御される第1
および第2のスイッチユニットと、各入力端子と第2の
電源ラインとの間に各々接続された第1および第2のダ
イオードと、第1および第2の電源ライン間に接続され
る充電素子とを備え、交流電圧を整流して充電素子に電
力を充電する充電回路に用いられる過充電防止方法であ
って、充電素子の充電電圧を検出し、検出された充電電
圧を予め定められた基準電圧と比較し、充電電圧が基準
電圧を上回る場合には、一方の入力端子から流れ込む発
電電流を、第1および第2のダイオードを通らない経路
で他方の入力端子に供給することを特徴としている。
【0010】また、本発明は、充電電圧が基準電圧を上
回る場合には、両入力端子を短絡させることによって、
一方の入力端子から流れ込む発電電流を、第1および第
2のダイオードを通らない経路で他方の入力端子に供給
することを特徴としている。また、本発明は、複数の整
流素子を有し、一対の入力端子を介して外部の交流電源
より入力される交流を直流に変換して出力する整流回路
を用い、充電素子に電力を充電する充電回路において、
充電素子の充電電圧を検出する充電電圧検出ユニット
と、充電電圧検出ユニットにより検出された充電電圧が
予め定めた所定の電圧を上回る場合には、複数の整流素
子を介さない経路で一対の入力端子を短絡させる短絡ユ
ニットと、を備えたことを特徴としている。
【0011】また、本発明は、複数の整流素子を有し、
一対の入力端子を介して外部の交流電源より入力される
交流を直流に変換して出力する整流回路を用い、充電素
子に電力を充電する充電回路において、充電素子の充電
電圧を検出する充電電圧検出ユニットと、充電電圧検出
ユニットにより検出された充電電圧を予め定められた基
準電圧と比較する比較ユニットと、比較ユニットの比較
結果に基づいて充電電圧が基準電圧を上回る場合には、
複数の整流素子を介さない経路で一対の入力端子を短絡
させる短絡ユニットと、を備えたことを特徴としてい
る。
【0012】また、本発明は、第1および第2の入力端
子に給電される交流電圧を整流して第1および第2の電
源ラインの間に設けられた充電素子に電荷を充電する充
電回路において、第1の入力端子と第1の電源ラインと
の間に設けられ、第2の入力端子の電圧に基づいてオン
・オフが制御される第1のスイッチユニットと、第2の
入力端子と第1の電源ラインとの間に設けられ、第1入
力端子の電圧に基づいてオン・オフが制御される第2の
スイッチユニットと、第1の入力端子と第2の電源ライ
ンとの間に設けられる第1のダイオードと、第2の入力
端子と第2の電源ラインとの間に設けられる第2のダイ
オードと、充電素子の充電電圧を検出し、検出された充
電電圧と予め定められた基準電圧とを比較する比較ユニ
ットと、比較ユニットの比較結果に基づいて、一方の入
力端子から流れ込む発電電流を、第1および第2のダイ
オードを通らない経路で他方の入力端子に供給すること
によって、第1の入力端子と第2の入力端子とを短絡さ
せる短絡ユニットと、を備えたことを特徴としている。
【0013】さらに、短絡ユニットは、第1の入力端子
と第2の入力端子との間に設けられたトランジスタであ
るようにしてもよい。さらにまた、短絡ユニットは、第
1の入力端子に一端が接続される第3のダイオードと、
第2の入力端子に一端が接続される第4のダイオード
と、第3および第4のダイオードの他端と接続されると
ともに第1または第2の電源ラインと接続されるトラン
ジスタとを備えて構成するようにしてもよい。
【0014】また、本発明は、第1および第2の入力端
子に給電される交流電圧を整流して高電位側電源ライン
および低電位側電源ラインの間に設けられた充電素子に
電力を充電する充電回路において、第1の入力端子にア
ノードが接続され、高電位側電源ラインにカソードが接
続される第1のダイオードと、第2の入力端子にアノー
ドが接続され、高電位側電源ラインにカソードが接続さ
れる第2のダイオードと、第1の入力端子にドレインが
接続され、低電位側電源ラインにソースが接続され、第
2の入力端子にゲートが接続される第1のNチャンネル
電界効果トランジスタと、第2の入力端子にドレインが
接続され、低電位側電源ラインにソースが接続され、第
1の入力端子にゲートが接続される第2のNチャンネル
電界効果トランジスタと、充電素子の充電電圧と予め定
められた基準電圧とを比較するコンパレータと、 第1
および第2の入力端子の間に設けられ、コンパレータの
比較結果に基づいてオン・オフが制御されるトランスミ
ッションゲートと、を備えたことを特徴としている。
【0015】また、本発明は、第1および第2の入力端
子に給電される交流電圧を整流して高電位側電源ライン
および低電位側電源ラインの間に設けられた充電素子に
電力を充電する充電回路において、第1の入力端子にカ
ソードが接続され、低電位側電源ラインにアノードが接
続される第1のダイオードと、第2の入力端子にカソー
ドが接続され、低電位側電源ラインにアノードが接続さ
れる第2のダイオードと、第1の入力端子にドレインが
接続され、高電位側電源ラインにソースが接続され、第
2の入力端子にゲートが接続される第1のPチャンネル
電界効果トランジスタと、第2の入力端子にドレインが
接続され、高電位側電源ラインにソースが接続され、第
1の入力端子にゲートが接続される第2のPチャンネル
電界効果トランジスタと、充電素子の充電電圧と予め定
められた基準電圧とを比較するコンパレータと、第1お
よび第2の入力端子の間に設けられ、コンパレータの比
較結果に基づいてオン・オフが制御されるトランスミッ
ションゲートと、を備えたことを特徴としている。
【0016】また、本発明は、第1および第2の入力端
子に給電される交流電圧を整流して高電位側電源ライン
および低電位側電源ラインの間に設けられた充電素子に
電力を充電する充電回路において、第1の入力端子にア
ノードが接続され、高電位側電源ラインにカソードが接
続される第1のダイオードと、第2の入力端子にアノー
ドが接続され、高電位側電源ラインにカソードが接続さ
れる第2のダイオードと、第1の入力端子にドレインが
接続され、低電位側電源ラインにソースが接続され、第
2の入力端子にゲートが接続される第1のNチャンネル
電界効果トランジスタと、第2の入力端子にドレインが
接続され、低電位側電源ラインにソースが接続され、第
1の入力端子にゲートが接続される第2のNチャンネル
電界効果トランジスタと、充電素子の充電電圧と予め定
められた基準電圧とを比較するコンパレータと、第1の
入力端子にアノードが接続される第3のダイオードと、
第2の入力端子にアノードが接続される第4のダイオー
ドと、第3および第4のダイオードのカソードとドレイ
ンが接続され、低電位側電源ラインとソースが接続さ
れ、コンパレータの比較結果がゲートに供給される第3
のNチャンネル電界効果トランジスタと、を備えたこと
を特徴としている。
【0017】また、本発明は、第1および第2の入力端
子に給電される交流電圧を整流して高電位側電源ライン
および低電位側電源ラインの間に設けられた充電素子に
電力を充電する充電回路において、第1の入力端子にカ
ソードが接続され、低電位側電源ラインにアノードが接
続される第1のダイオードと、第2の入力端子にカソー
ドが接続され、低電位側電源ラインにアノードが接続さ
れる第2のダイオードと、第1の入力端子にドレインが
接続され、高電位側電源ラインにソースが接続され、第
2の入力端子にゲートが接続される第1のPチャンネル
電界効果トランジスタと、第2の入力端子にドレインが
接続され、高電位側電源ラインにソースが接続され、第
1の入力端子にゲートが接続される第2のPチャンネル
電界効果トランジスタと、充電素子の充電電圧と予め定
められた基準電圧とを比較するコンパレータと、第1の
入力端子にカソードが接続される第3のダイオードと、
第2の入力端子にカソードが接続される第4のダイオー
ドと、第3および第4のダイオードのアノードとドレイ
ンが接続され、高電位側電源ラインとソースが接続さ
れ、コンパレータの比較結果がゲートに供給される第3
のPチャンネル電界効果トランジスタと、を備えたこと
を特徴としている。
【0018】また、本発明は、第1および第2の入力端
子に給電される交流電圧を整流して高電位側電源ライン
および低電位側電源ラインの間に設けられた充電素子に
電力を充電する充電回路において、第1の入力端子にア
ノードが接続され、高電位側電源ラインにカソードが接
続される第1のダイオードと、第2の入力端子にアノー
ドが接続され、高電位側電源ラインにカソードが接続さ
れる第2のダイオードと、第1の入力端子にドレインが
接続され、低電位側電源ラインにソースが接続され、第
2の入力端子にゲートが接続される第1のNチャンネル
電界効果トランジスタと、第2の入力端子にドレインが
接続され、低電位側電源ラインにソースが接続され、第
1の入力端子にゲートが接続される第2のNチャンネル
電界効果トランジスタと、充電素子の充電電圧と予め定
められた基準電圧とを比較するコンパレータと、第1の
入力端子にドレインが接続され、低電位側電源ラインに
ソースが接続され、コンパレータの出力端子にゲートが
接続される第3のNチャンネル電界効果トランジスタ
と、第2の入力端子にドレインが接続され、低電位側電
源ラインにソースが接続され、コンパレータの出力端子
にゲートが接続される第4のNチャンネル電界効果トラ
ンジスタと、を備えたことを特徴としている。
【0019】また、本発明の電子機器は、上記各態様の
充電回路を内蔵するとともに、充電回路から給電される
電力によって、動作することを特徴としている。また、
本発明の時計は、上記各態様の充電回路を内蔵するとと
もに、充電回路から給電される電力によって時刻を計測
する時計回路とを備えたことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0021】[1] 本発明の原理 図1は、本発明の過充電防止方法を説明するための充電
回路の概要構成を示す回路図である。図2は、本発明に
よる過充電防止方法の基本的な動作を説明するためのタ
イミングチャートである。なお、図1では、一部構成要
件(コンパレータ)を省略しているが、前述した図23
と同一の構成であり、対応する部分には同一の符号を付
けて説明を省略する。
【0022】本発明による充電回路100は、大容量コ
ンデンサCへの過充電を防止するために、大容量コンデ
ンサCへの充電電流iを所定の方法により遮断するリミ
ッタ回路を備える。すなわち、リミッタ回路は、大容量
コンデンサCの充電電圧が所定のしきい値に達すると、
PチャンネルFETMP1,MP2をオン状態とするこ
とにより、通常の充電経路とは異なる閉ループ経路(図
1を参照)を形成し、発電機AGの交流電流を該矢印で
示す閉ループ経路を流すことにより、大容量コンデンサ
Cへの過充電を防止する。
【0023】しかしながら、図1に示す構成において、
リミッタ回路によりPチャンネルFETMP1,MP2
をオン状態とさせた際に、図2に示すように、Nチャン
ネルFETMN1またはMN2がオン状態にあると(斜
線部)、大容量コンデンサCが短絡し、該大容量コンデ
ンサCからの逆流電流(ショート電流)が発生するた
め、大容量コンデンサCに蓄えられた電力が無駄に消費
され、さらには大容量コンデンサC自体および回路部7
にダメージを与えてしまう。そこで、本発明では、Pチ
ャンネルFETMP1またはMP2のオン/オフ制御を
行うことにより大容量コンデンサCの過充電を防止し、
さらに、NチャンネルFETMN1,MN2をオン/オ
フ制御することにより、大容量コンデンサCによるショ
ート電流の発生を防止するのである。
【0024】A.第1実施形態 1.第1実施形態の原理構成 図1は、第1実施形態に係わる腕時計に使用される充電
回路の原理説明図である。充電回路100の主要部は、
交流発電機AGの発電電圧を整流する整流部10、充電
電流を蓄電する大容量コンデンサ20、大容量コンデン
サ20の充電電圧Vaを検出し、検出した充電電圧Vaに
基づいて入力端子AG1,AG2を短絡するか否かを制御する
ための制御信号CSを出力する電圧検出判別部30Aと、
検出結果に基づいて入力端子AG1,AG2を短絡する短絡部
40から構成されている。なお、図中に示すdは、寄生
ダイオードである。
【0025】1−1:過充電防止動作 次に、過充電防止動作について、その概略を説明する。
充電が行われると、大容量コンデンサ20に充電電流i
が流れ込むので、その充電電圧Vaが次第に上昇する。
この場合において、電圧検出判別部30Aは、充電電圧
Vaが予め定めた電圧を超過した場合に、入力端子AG1,
AG2を短絡するための制御信号CSが出力されるように構
成され、あるいは、充電電圧Vaが予め定めた電圧を超
過したか否かを判別し、超過していると判別した場合に
入力端子AG1,AG2を短絡するための制御信号CSが出力さ
れるように構成されている。これにより、短絡部40が
動作し、入力端子AG1,AG2が短絡され、例えば、端子電
圧AG1(V1)が上昇し、端子電圧AG2(V2)が下降した
場合は、図中の矢印Xで示す経路でリミッタ電流ILIMが
流れる。従って、大容量コンデンサ20に充電電流iが
流れ込むことがなくなり、過充電を防止できるのであ
る。
【0026】2.第1実施形態の構成 図2は、第1実施形態に係わる腕時計に使用される充電
回路の回路図である。充電回路100の主要部は、交流
発電機AGの発電電圧を整流する整流部10、充電電流
を蓄電する大容量コンデンサ20、および大容量コンデ
ンサ20の充電電圧Vaを検出し、充電電圧Vaを基準電
圧Vrefと比較する比較部30(=電圧検出判別部)、
比較部30の比較結果に基づいて入力端子AG1,AG2を短
絡する短絡部40から構成されている。なお、図中に示
すdは、寄生ダイオードである。まず、整流部10は、
ブリッジ型の全波整流回路として構成されており、入力
端子AG1,AG2に交流発電機AGの発電電圧が給電される
ようになっている。入力端子AG1,AG2は、カソードが高
電位側電源ラインVDDに接続されるダイオードD1,D2の
アノードと各々接続されている。このため、入力端子AG
1,AG2の端子電圧V1,V2が、充電電圧Vaとダイオー
ドD1,D2の降下電圧Vfとの合計値を上回ると、ダイオ
ードD1,D2はオン状態になる。
【0027】また、入力端子AG1,AG2と低電位側電源ラ
インVSSの間には、エンハンスメント型のNチャンネル
FETN1,N2が設けられている。ここで、Nチャンネル
FETN1のゲートは入力端子AG2に接続されており、一
方、NチャンネルFETN2のゲートは入力端子AG1に接
続されている。NチャンネルFETN1,N2は同一の電気
的特性を有しており、それらの閾値電圧はVtとなって
いる。したがって、交流発電機AGから発電電圧が給電
され、端子電圧V2が端子電圧V1を上回り、端子電圧V
2が閾値電圧Vtを越えると、NチャンネルFETN1がオ
ン状態になる。このとき、NチャンネルFETN2はオフ
状態である。また、発電電圧の振幅がごく小さければダ
イオードD2はオフ状態となっている。ここで、発電電圧
が次第に大きくなり、端子電圧V2が、充電電圧Vaとダ
イオードD2の降下電圧Vfとの合計値を上回ると、ダイ
オードD2がオン状態になる。すると、充電電流iが「入
力端子AG2→ダイオードD2→高電位側電源ラインVDD→
大容量コンデンサ20→低電位側電源ラインVSS→Nチ
ャンネルFETN1→入力端子AG1」の経路で流れ、大容
量コンデンサ20に電荷が充電される。また、逆に端子
電圧V1が端子電圧V2を上回る場合には、「入力端子AG
1→ダイオードD1→高電位側電源ラインVDD→大容量コ
ンデンサ20→低電位側電源ラインVSS→Nチャンネル
FETN2→入力端子AG2」の経路で充電電流iが流れ、
大容量コンデンサ20に電荷が充電される。
【0028】この整流部10は、図15に示す従来の充
電回路のようにコンパレータCOM1〜COM4を必要としない
ので、充電回路の回路規模が小さいという利点があり、
また、ダイオードブリッジ回路と比較して、電圧損失が
少ないので、発電電圧の振幅が小さくても効率良く充電
できるという利点がある。次に、大容量コンデンサ20
は例えば充電可能な二次電池から構成されており、一定
の耐圧を有する。仮に、耐圧を越えて充電を行うと、過
充電の状態となり大容量コンデンサ20が劣化して充電
効率が低下する。
【0029】次に、比較部30は、コンパレータCOM、
充電電圧Vaを分圧する抵抗R1,R2、および基準電圧
Vrefを発生する基準電圧発生回路31から構成されて
いる。コンパレータCOMの正入力端子には基準電圧Vref
が供給され、一方、その負入力端子には、抵抗R1,R2
によって分圧された電圧Va'(=Va・R2/(R1+R2))
が供給されている。コンパレータCOMは、基準電圧Vref
と電圧Va'とを比較して制御信号CSを生成する。電圧V
a'が基準電圧Vrefを上回るならば制御信号CSはローレ
ベルになり、一方、電圧Va'が基準電圧Vrefを下回る
ならば制御信号CSはハイレベルになる。ここで、基準電
圧Vrefは、大容量コンデンサ20の耐圧を考慮して、
大容量コンデンサ20が過充電にならないように設定す
る。なお、充電電圧Vaを基準電圧Vrefと直接比較せず
に、電圧Va'と比較するようにしたのは基準電圧Vref
の作り易さを考慮したためである。
【0030】次に、短絡部40は、リミッタトランジス
タLIMTrで構成されている。リミッタトランジスタLIMTr
としては、Pチャンネルエンハスメント型のトランスミ
ッションゲートトランジスタが用いられ、入力端子AG
1,AG2に接続されている。トランスミッションゲートト
ランジスタは、そのゲート電圧によってオン・オフが制
御され入出力に双方向性がある。この例では、Pチャン
ネルで構成されているので、制御信号CSがローレベルの
ときオン状態(接続)、制御信号CSがハイレベルのとき
オフ状態(開放)となる。したがって、充電電圧Vaが
所定電圧を上回ると、入力端子AG1,AG2が接続されリミ
ッタ電流ILIMが流れ、大容量コンデンサ20には充電電
流iが流れ込まないようになる。
【0031】次に、交流発電機AGとその周辺機構の構
成を説明する。図3は交流発電機AGとその周辺機構の
構成を示す斜視図である。図示のように、交流発電機A
Gは、ロータ14とステータ15を備えており、2極磁
化されたディスク状のロータ14が回転するとステータ
15の出力用コイル16に起電力が発生し、交流出力が
取り出せるようになっている。また、図において、13
は腕時計本体ケース内で旋回運動を行う回転錘であり、
11は回転錘13の回転運動を発電機AGに伝達する輪
列機構である。回転錘13は腕時計を装着した人の腕の
振りに応じて回転し、これに伴って交流発電機AGから
起電力が得られるようになっている。交流発電機AGか
ら出力された交流は、充電回路100で整流され、処理
装置9に供給される。処理装置9は、充電回路100か
ら放電される電力によって時計装置7を駆動する。な
お、交流発電機AGが非発電状態であっても、大容量コン
デンサ20から供給される電力によって処理装置9およ
び時計装置7が駆動される。この時計装置7は、水晶発
振器やカウンタ回路等で構成されており、水晶発振器で
生成されるマスタクロック信号をカウンタ回路で分周
し、この分周結果に基づいて時刻を計測している。
【0032】3.第1実施形態の動作 次に、第1実施形態に係わる腕時計の動作を図面を参照
しつつ説明する。 3−1:充電動作 図4は、充電回路の充電動作を示すタイミングチャート
である。交流発電機AGが発電を開始すると、発電電圧
が両入力端子AG1,AG2に給電される。この場合、入力端
子AG1の端子電圧V1と入力端子AG2の端子電圧V2は、図
4(a)、(b)に示すように、位相が反転している。
なお、図中のVtは、NチャンネルFETN1,N2の閾値
電圧である。
【0033】図に示すように端子電圧V1が時刻T1で閾
値電圧Vtを越えると、NチャンネルFETN2がオン状
態となる。この後、端子電圧V1が上昇し、時刻T2で高
電位側電源ラインVDDの電圧を越え、さらにダイオード
D1の降下電圧Vfだけ上昇すると(時刻T3)、ダイオード
D1がオン状態となる。このとき、端子電圧V2は閾値電
圧Vtを下回っているので、NチャンネルFETN1はオ
フ状態になっている。したがって、ダイオードD1がオン
状態となる期間Ta(T3〜T4)において、「入力端子AG1
→ダイオードD1→高電位側電源ラインVDD→大容量コン
デンサ20→低電位側電源ラインVSS→NチャンネルF
ETN2」の経路で充電電流iが流れ、大容量コンデンサ
20に電荷が充電される。
【0034】この後、端子電圧V1が下降すると逆に端
子電圧V2が上昇し、端子電圧V2は時刻T5において閾
値電圧Vtを越える。すると、NチャンネルFETN1が
オン状態となる。この後、端子電圧V2が上昇し、時刻
T6で高電位側電源ラインVDDの電圧を越え、さらにダ
イオードD2の降下電圧Vfだけ上昇すると(時刻T7)、ダ
イオードD2がオン状態となる。このとき、端子電圧V1
は閾値電圧Vtを下回っているので、NチャンネルFE
TN2はオフ状態になっている。したがって、ダイオード
D2がオン状態となる期間Tb(T7〜T8)において、「入
力端子AG2→ダイオードD2→高電位側電源ラインVDD→
大容量コンデンサ20→低電位側電源ラインVSS→Nチ
ャンネルFETN1」の経路で充電電流iが流れ、大容量
コンデンサ20に電荷が充電される。これにより、発電
電圧は全波整流され、図4(c)に示す充電電流iが得
られることになる。
【0035】3−2:過充電防止動作 次に、過充電防止動作について、図2および図5の処理
フローチャートを参照しつつ説明する。上述した充電が
行われると、大容量コンデンサ20に充電電流iが流れ
込むので、その充電電圧Vaが次第に上昇する。比較部
30のコンパレータCOMは、充電電圧Vaを抵抗R1,R2
で分圧した電圧Va'(=Va・R2/(R1+R2))と基準電
圧Vrefとを比較して(ステップS1)、前者が後者を
上回ると制御信号CSをローレベルにする。
【0036】これにより、リミッタトランジスタLIMTr
がオフ状態からオン状態に移行するため(ステップS
2)、入力端子AG1,AG2が短絡され、例えば、端子電圧
AG1(V1)が上昇し、端子電圧AG2(V2)が下降した場
合は、図中の矢印Xで示す経路でリミッタ電流ILIMが流
れる。過電圧検出は、常時検出していない場合であって
も、サンプリング的に検出動作を行っても良い。具体的
には、コンパレータCOMおよび抵抗R1、R2はトラ
ンジスタスイッチで電源供給を停止するように構成し、
数秒周期でトランジスタスイッチをONしてコンパレータ
COMと抵抗R1、R2に電源供給して過電圧検出を行
うことで検出動作に拘わる消費電流を削減することがで
きる。また、その場合は、サンプリング周期の間、コン
パレータ出力信号を保持しておくためにコンパレータ出
力にラッチ回路を設けておくと良い。
【0037】リミッタ電流ILIMが交流発電機AGに流れ
ると、そのロータ14の回転に電磁ブレーキがかかる。
したがって、腕時計を激しく動かしてもロータ14には
負荷がかかるので回転数が減少し、端子電圧V1,V2が
低下する。換言すれば、この充電回路100は、短絡す
る経路を形成することによってリミッタ電流ILIMが小さ
くなるという自己制御特性を有している。ところで、過
充電を防止する方法としては、リミッタトランジスタLI
MTrを整流部10と大容量コンデンサ20との間に設
け、充電電圧Vaが所定の電圧を越える場合にリミッタ
トランジスタLIMTrをオフ状態にして、整流部10と大
容量コンデンサ20を切断することも考えられる。しか
しながら、そのように構成すると、入力端子AG1,AG2に
は大きな発電電圧が発生し、リミッタトランジスタLIMT
rの耐圧を大きくする必要があるが、腕時計のように小
型携帯機器の充電回路では、耐圧の小さいトランジスタ
を用いてIC化するので、大きな耐圧のリミッタトラン
ジスタLIMTrはIC化に適さない。この点、本実施形態
では充電電圧Vaが所定電圧を越えると入力端子AG1,AG
2を短絡するように構成したので、リミッタトランジス
タLIMTrとして耐圧の低いものを使用することができ、
容易にIC化できるという利点がある。
【0038】以上、説明したように第1実施形態によれ
ば、整流部10をコンパレータを用いることなく構成し
たので、回路規模を小さくすることができ、しかも消費
電流を低減することができる。また、短絡部40をトラ
ンスミッションゲートを用いて構成し、充電電圧Vaを
分圧した電圧Va'が基準電圧Vrefを上回ると、トラン
スミッションゲートがオン状態になるように制御したの
で、充電電圧Vaが大容量コンデンサ20の耐圧を越え
ることが無く、大容量コンデンサ20の過充電を防止で
きる。この場合、短絡部40は、整流部10と大容量コ
ンデンサ20を切断するのではなく、ダイオードD1,D2
を通らない経路で発電電流を流すようにしたので、短絡
部40に用いられるトランジスタに耐圧の低いものを使
用でき、IC化が容易になる。また、入力端子AG1,AG2
を短絡した場合には、ショートブレーキが掛かるので、
端子電圧V1,V2の振幅を自動的に下げることができ
る。
【0039】B.第2実施形態 上述した第1実施形態においては、発電時にリミッタト
ランジスタLIMTrのソース電位がボディ電位よりもダイ
オードD1,D2の降下電圧Vfだけ上がるので、リミッタ
トランジスタの閾値電圧Vtがバックゲート効果によっ
て低下する。例えば、図16は一般的なエンハンスメン
ト型PチャネルFETのIDS-VGS特性を示したもので
ある。この図から、ボディ電位Vsubがソース電位Vsに
対して低下するとIDS-VGS特性が変化し、閾値電圧Vt
(ゲート・ソース間の絶対値)が下がることがわかる。
このため、充電電圧Vaが所定電圧に達しておらず、リ
ミッタトランジスタLIMTrが本来オフ状態にあるべき期
間において、リミッタトランジスタLIMTrのソース・ゲ
ート間の抵抗値が減少して、小さなリミッタ電流ILIMが
流れる場合がある。特に、発電電流が大きく降下電圧V
fが大きくなる場合に問題となる。また、時計用ICで
は、MOSFETの閾値電圧Vtを0.5V程度と低電
圧に設定するため、バックゲート効果の影響が大きい。
【0040】第2実施形態は、このような点に鑑みてな
されたものであり、充電電圧Vaが基準電圧Vrefに達し
ていない場合に、入力端子AG1,AG2の短絡経路を確実に
開放するものである。
【0041】1.第2実施形態の構成 図6は、第2実施形態に係わる腕時計に使用される充電
回路の回路図である。充電回路101は、第1実施形態
の整流部10の替わりに低電位側電源ラインVSSと高電
位側電源ラインVDDと逆転させた整流部10’を用いる
点、短絡部40’を用いる点を除いて、図2に示す第1
実施形態の充電回路100と同様に構成されている。ま
た、交流発電機AGとその周辺機構の構成も図3に示す
第1実施形態のものと同様である。
【0042】まず、整流部10’において、入力端子AG
1,AG2はダイオードD1,D2を介して低電位側電源ライン
VSSに接続されている。また、入力端子AG1,AG2と高電
位側電源ラインVDDの間には、エンハンスメント型のP
チャンネルFETP1,P2が設けられている。ここで、P
チャンネルFETP1のゲートは入力端子AG2に接続され
ており、一方、PチャンネルFETP2のゲートは入力端
子AG1に接続されている。したがって、入力端子AG1の電
圧が入力端子AG2の電圧を下回り、PチャンネルFETP
2のゲートソース間電圧Vgsが一定値を越えると、Pチ
ャンネルFETP2がオン状態になる。さらに、入力端子
AG1の電圧が低下して低電位側電源ラインVSSの電圧値
よりもダイオードD1の降下電圧Vfだけ下回ると、ダイ
オードD1がオン状態になる。すると、充電電流が、「入
力端子AG2→PチャンネルFETP2→高電位側電源ライ
ンVDD→大容量コンデンサ20→ダイオードD1→入力端
子AG1」の経路で流れ、大容量コンデンサ20に電荷が
充電される。
【0043】次に、短絡部40’は、Pチャンネルエン
ハンスメント型のリミッタトランジスタLIMTrおよびダ
イオードD3,D4から構成されている。リミッタトランジ
スタLIMTrのソースとボディは高電位側電源ラインVDD
に、また、そのドレインはダイオードD3,D4の各アノー
ドに接続されており、さらに、ゲートには制御信号CSが
供給されるようになっている。また、ダイオードD3,D4
のカソードは、入力端子AG1,AG2に接続されている。こ
こで、リミッタトランジスタLIMTrのボディはソースと
同電位になるので、バックゲート効果によって、オフ状
態における抵抗値が減少するといった不都合はない。し
たがって、短絡部40’は、大容量コンデンサ20に対
して充電を行う場合にリミッタ電流ILIMを流すことがな
いので、効率良く充電することが可能となる。
【0044】この例の短絡部40’にあっては、ダイオ
ードD3,D4が設けられているので、リミッタトランジス
タLIMTrがオン状態になったとしても直ちにリミッタ電
流ILIMが流れるのではなく、以下の式1、式2で与えら
れる条件を満たすことが必要とされる。ただし、リミッ
タトランジスタLIMTrのドレイン-ソース間電圧をVds'
とし、ダイオードD3,D4の降下電圧をVfとする。 V2<Va−Vds'−Vf …式1 V1<Va−Vds'−Vf …式2
【0045】2.第2実施形態の動作 次に、第2実施形態に係わる腕時計の動作を図面を参照
しつつ説明する。 2−1:充電動作 図7は、充電回路の充電動作を示すタイミングチャート
である。なお、図中のVtは、PチャンネルFETP1,P
2の閾値電圧である。図に示すように端子電圧V1が時刻
T1で閾値電圧Vtを下回ると、PチャンネルFETP2が
オン状態となる。この後、端子電圧V1が下降し、時刻
T2で低電位側電源ラインVSSを下回り、さらにダイオ
ードD1の降下電圧Vfだけ下降すると(時刻T3)、ダイオ
ードD1がオン状態となる。このとき、端子電圧V2は閾
値電圧Vtを上回っているので、PチャンネルFETP1
はオフ状態になっている。したがって、ダイオードD1が
オン状態となる期間Ta(T3〜T4)において、「入力端
子AG2→PチャンネルFETP2→高電位側電源ラインVD
D→大容量コンデンサ20→低電位側電源ラインVSS→
ダイオードD1」の経路で充電電流が流れ、大容量コンデ
ンサ20に電荷が充電される。
【0046】この後、端子電圧V1が上昇すると逆に端
子電圧V2が下降し、端子電圧V2は時刻T5において閾
値電圧Vtを下回る。すると、PチャンネルFETP1が
オン状態となる。この後、端子電圧V2が下降し、時刻
T6で低電位側電源ラインVSSの電圧を下回り、さらに
ダイオードD2の降下電圧Vfだけ下降すると(時刻T7)、
ダイオードD2がオン状態となる。このとき、端子電圧V
1は閾値電圧Vtを上回っているので、PチャンネルFE
TP2はオフ状態になっている。したがって、ダイオード
D2がオン状態となる期間Tb(T7〜T8)において、「入
力端子AG1→PチャンネルFETP1→高電位側電源ライ
ンVDD→大容量コンデンサ20→低電位側電源ラインV
SS→ダイオードD2」の経路で充電電流が流れ、大容量コ
ンデンサ20に電荷が充電される。これにより、発電電
圧は全波整流され、図4(c)に示す充電電流が得られ
ることになる。
【0047】2−2:過充電防止動作 次に、過充電防止動作について、図6を参照しつつ説明
する。上述した充電が行われると、大容量コンデンサ2
0に充電電流iが流れ込むので、その充電電圧Vaが次
第に上昇する。比較部30のコンパレータCOMは、充電
電圧Vaを抵抗R1,R2で充電電圧Vaを分圧した電圧V
a'(=Va・R2/(R1 +R2))と基準電圧Vrefとを常時
比較して、前者が後者を上回ると制御信号CSをローレベ
ルにする。すると、リミッタトランジスタLIMTrがオフ
状態からオン状態に移行する。ここで、端子電圧V2が
下降して、閾値電圧Vtを下回るとPチャンネルFETP
1がオン状態になり、さらに端子電圧V2が上述した式2
の条件を満たすと、図中の矢印X1に示す経路でリミッ
タ電流ILIMが流れる。一方、端子電圧V1が下降してP
チャンネルFETP2がオン状態となり、さらに端子電圧
V1が上述した式1の条件を満たすと、図中の矢印X2
に示す経路でリミッタ電流ILIMが流れる。これにより、
入力端子AG1,AG2が短絡され、端子電圧V1,V2が充電
電圧Vaを上回ったとしても大容量コンデンサ20に充
電電流iが流れ込まなくなり、大容量コンデンサ20の
過充電を回避することが可能となる。なお、この例にお
いても第1実施形態と同様に、リミッタ電流ILIMが交流
発電機AGに流れるとロータ14に電磁ブレーキがかか
るので、充電回路101は自己制御特性を有している。
【0048】3.第2実施形態の効果 以上、説明したように第2実施形態によれば、リミッタ
トランジスタLIMTrのソースとボディは高電位側電源ラ
インVDDに接続するので、ボディ電位がソース電位を上
回るといったことがないので、バックゲート効果に起因
して通常動作時にリミッタ電流ILIMが流れるといったこ
とがなくなる。この結果、充電効率をより一層高めるこ
とができる。
【0049】C.第3実施形態 1.第3実施形態の構成 図8は、第3実施形態に係わる腕時計に使用される充電
回路の回路図である。図8において、図2と同様の部分
には同一の符号を付す。本第3実施形態の充電回路10
0”が第1実施形態の充電回路100と異なる点は、短
絡部40として機能するリミッタトランジスタLIMTrに
代えて、入力端子AG1と低電位側電源ラインVSSとの間
にNチャンネルFETN1と並列に接続され、ゲート端子
がコンパレータCOMの出力端子に接続されたエンハン
スメント型のNチャンネルFETであるリミッタトラン
ジスタLIMTr1と、入力端子AG2と低電位側電源ラインVS
Sとの間にNチャンネルFETN2と並列に接続され、ゲ
ート端子がコンパレータCOMの出力端子に接続された
エンハンスメント型のNチャンネルFETであるリミッ
タトランジスタLIMTr2と、を備えた点である。
【0050】リミッタトランジスタLIMTr1と、リミッタ
トランジスタLIMTr2とは、同一の電気的特性を有してお
り、この例では、Nチャンネルで構成されているので、
制御信号CSがローレベルのときオフ状態(開放)、制御
信号CSがハイレベルのときオン状態(接続)となる。し
たがって、充電電圧Vaが所定電圧を上回ると、入力端
子AG1,AG2が接続されリミッタ電流ILIMが流れ、大容量
コンデンサ20には充電電流iが流れ込まないようにな
る。
【0051】2.第3実施形態の動作 本第3実施形態の充電時の動作は、基本的に第1実施形
態と同様であるので、過充電防止動作について図8を参
照して説明する。充電が行われると、大容量コンデンサ
20に充電電流iが流れ込むので、その充電電圧Vaが
次第に上昇する。比較部30のコンパレータCOMは、充
電電圧Vaを抵抗R1,R2で分圧した電圧Va'(=Va・
R2/(R1+R2))と基準電圧Vrefとを比較して、前者
が後者を上回ると制御信号CSをハイレベルにする。する
と、リミッタトランジスタLIMTr1およびリミッタトラン
ジスタLI MTr2が同時にオフ状態からオン状態に移行す
るため、入力端子AG1,AG2が短絡され、図中の矢印X’
で示す経路でリミッタ電流ILIMが流れる。
【0052】なお、過電圧検出は、常時検出していない
場合であっても、サンプリング的に検出動作を行っても
良い。具体的には、コンパレータCOMおよび抵抗R
1、R2はトランジスタスイッチで電源供給を停止する
ように構成し、数秒周期でトランジスタスイッチをONし
てコンパレータCOMと抵抗R1、R2に電源供給して
過電圧検出を行うことで検出動作に拘わる消費電流を削
減することができる。また、その場合は、サンプリング
周期の間、コンパレータ出力信号を保持しておくために
コンパレータ出力にラッチ回路を設けておくと良い。
【0053】リミッタ電流ILIMが交流発電機AGに流れ
ると、そのロータ14の回転に電磁ブレーキがかかる。
したがって、腕時計を激しく動かしてもロータ14には
負荷がかかるので回転数が減少し、端子電圧V1,V2が
低下する。換言すれば、この充電回路100”は、短絡
する経路を形成することによってリミッタ電流ILIMが小
さくなるという自己制御特性を有している。以上、説明
したように第3実施形態によれば、整流部10をコンパ
レータを用いることなく構成したので、回路規模を小さ
くすることができ、しかも消費電流を低減することがで
きる。
【0054】また、短絡部40を二つのNチャンネルF
ETであるリミッタトランジスタLIMTr1およびリミッタ
トランジスタLIMTr2により構成し、充電電圧Vaを分圧
した電圧Va'が基準電圧Vrefを上回ると、リミッタト
ランジスタLIMTr1およびリミッタトランジスタLIMTr2が
同時にオン状態になるように制御したので、充電電圧V
aが大容量コンデンサ20の耐圧を越えることが無く、
大容量コンデンサ20の過充電を防止できる。この場
合、短絡部40は、整流部10と大容量コンデンサ20
を切断するのではなく、ダイオードD1,D2を通らない経
路で発電電流を流すようにしたので、短絡部40に用い
られるトランジスタに耐圧の低いものを使用でき、IC
化が容易になる。また、入力端子AG1,AG2を短絡した場
合には、ショートブレーキが掛かるので、端子電圧V
1,V2の振幅を自動的に下げることができる。
【0055】3.第3実施形態の効果 以上、説明したように第3実施形態によれば、リミッタ
トランジスタLIMTrのソースとボディは高電位側電源ラ
インVDDに接続するので、ボディ電位がソース電位を上
回るといったことがないので、バックゲート効果に起因
して通常動作時にリミッタ電流ILIMが流れるといったこ
とがなくなる。この結果、充電効率をより一層高めるこ
とができる。さらに第2実施形態と比較して、外付け素
子であるリミッタ用のダイオードD3、D4を省くこと
が可能となり、集積回路内に回路を形成することが可能
となる。
【0056】D.第4実施形態 1.第4実施形態の構成 図9は、第4実施形態に係わる腕時計に使用される充電
回路の回路図である。図9において、図2の第1実施形
態と同様の部分には同一の符号を付す。充電回路10
0”’の主要部は、交流発電機AGの発電電圧を整流す
る整流部10、充電電流を蓄電する大容量コンデンサ2
0、および大容量コンデンサ20の充電電圧Vaを検出
し、充電電圧Vaを基準電圧Vrefと比較する比較部3
0、比較部30の比較結果に基づいて高電位側電源ライ
ンVDDと低電位側電源ラインVSSとを短絡する短絡部4
0と、逆電流を防止するための逆電流防止ダイオードD
RPと、から構成されている。なお、図中に示すdは、寄
生ダイオードである。この場合において、整流部10、
大容量コンデンサ20及び比較部30の構成は第1実施
形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0057】次に短絡部40の構成について説明する。
短絡部40は、リミッタトランジスタLIMTrで構成され
ている。リミッタトランジスタLIMTrとしては、Pチャ
ンネルエンハスメント型トランジスタが用いられ、電源
ラインVDD,VSSに接続されている。この例では、Pチ
ャンネルで構成されているので、制御信号CSがローレベ
ルのときオン状態(接続)、制御信号CSがハイレベルの
ときオフ状態(開放)となる。したがって、充電電圧V
aが所定電圧を上回ると、高電位側電源ラインVDDと低
電位側電源ラインVSSとを短絡させてリミッタ電流ILIM
が流れ、大容量コンデンサ20には充電電流iが流れ込
まないようになる。このとき、逆電流防止ダイオードD
RPは、リミッタ電流ILIMが充電電流iとして大容量コン
デンサ20に流れ込むのを防止している。
【0058】2.第4実施形態の動作 次に、第4実施形態に係わる腕時計の動作を図4を参照
しつつ説明する。 2−1:充電動作 交流発電機AGが発電を開始すると、発電電圧が両入力
端子AG1,AG2に給電される。この場合、入力端子AG1の
端子電圧V1と入力端子AG2の端子電圧V2は、図4
(a)、(b)に示すように、位相が反転している。な
お、図中のVtは、NチャンネルFETN1,N2の閾値電
圧である。
【0059】図に示すように端子電圧V1が時刻T1で閾
値電圧Vtを越えると、NチャンネルFETN2がオン状
態となる。この後、端子電圧V1が上昇し、時刻T2で高
電位側電源ラインVDDの電圧を越え、さらにダイオード
D1の降下電圧Vfだけ上昇すると(時刻T3)、ダイオード
D1がオン状態となる。このとき、端子電圧V2は閾値電
圧Vtを下回っているので、NチャンネルFETN1はオ
フ状態になっている。したがって、ダイオードD1がオン
状態となる期間Ta(T3〜T4)において、「入力端子AG1
→ダイオードD1→高電位側電源ラインVDD→大容量コン
デンサ20→逆流防止ダイオードDRP→低電位側電源ラ
インVSS→NチャンネルFETN2」の経路で充電電流i
が流れ、大容量コンデンサ20に電荷が充電される。
【0060】この後、端子電圧V1が下降すると逆に端
子電圧V2が上昇し、端子電圧V2は時刻T5において閾
値電圧Vtを越える。すると、NチャンネルFETN1が
オン状態となる。この後、端子電圧V2が上昇し、時刻
T6で高電位側電源ラインVDDの電圧を越え、さらにダ
イオードD2の降下電圧Vfだけ上昇すると(時刻T7)、ダ
イオードD2がオン状態となる。このとき、端子電圧V1
は閾値電圧Vtを下回っているので、NチャンネルFE
TN2はオフ状態になっている。したがって、ダイオード
D2がオン状態となる期間Tb (T7〜T8)において、「入
力端子AG2→ダイオードD2→高電位側電源ラインVDD→
大容量コンデンサ20→低電位側電源ラインVSS→逆流
防止ダイオードDRP→NチャンネルFETN1」の経路で
充電電流iが流れ、大容量コンデンサ20に電荷が充電
される。これにより、発電電圧は全波整流され、図4
(c)に示す充電電流iが得られることになる。
【0061】2−2:過充電防止動作 次に、過充電防止動作について、再び図2および図5の
処理フローチャートを参照しつつ説明する。上述した充
電が行われると、大容量コンデンサ20に充電電流iが
流れ込むので、その充電電圧Vaが次第に上昇する。比
較部30のコンパレータCOMは、充電電圧Vaを抵抗R
1,R2で分圧した電圧Va'(=Va・R2/(R1+R2))と
基準電圧Vrefとを比較して(ステップS1)、前者が
後者を上回ると制御信号CSをローレベルにする。
【0062】これにより、リミッタトランジスタLIMTr
がオフ状態からオン状態に移行するため(ステップS
2)、高電位側電源ラインVDDと低電位側電源ラインV
SSとが短絡され、例えば、端子電圧AG1(V1)が上昇
し、端子電圧AG2(V2)が下降した場合は、図中の矢印
Xで示す経路でリミッタ電流ILIMが流れる。リミッタ電
流ILIMが交流発電機AGに流れると、そのロータ14の
回転に電磁ブレーキがかかる。したがって、腕時計を激
しく動かしてもロータ14には負荷がかかるので回転数
が減少し、端子電圧V1,V2が低下する。換言すれば、
この充電回路100は、短絡する経路を形成することに
よってリミッタ電流ILIMが小さくなるという自己制御特
性を有している。
【0063】以上、説明したように第4実施形態によれ
ば、整流部10をコンパレータを用いることなく構成し
たので、回路規模を小さくすることができ、しかも消費
電流を低減することができる。また、短絡部40を電界
効果トランジスタを用いて構成し、充電電圧Vaを分圧
した電圧Va'が基準電圧Vrefを上回ると、リミッタト
ランジスタがオン状態になるように制御したので、充電
電圧Vaが大容量コンデンサ20の耐圧を越えることが
無く、大容量コンデンサ20の過充電を防止できる。
【0064】E.第5実施形態 1.第5実施形態の構成 図18は、第1実施形態の電圧検出判別部の他の実施形
態である電圧検出判別部の回路図である。図18におい
て、図1の第1実施形態と同様の部分には同一の符号を
付す。
【0065】電圧検出判別部30Aは、一端が電源VDD
に接続された定電流源CCNSTと、定電流源CCNSTの他端
にドレインD及びゲートGが共通接続されたトランジス
タQ1と、トランジスタQ1のソースSにドレインD及び
ゲートGが共通接続されたトランジスタQ2と、一端が
電源VDDに接続されたプルダウン抵抗RPDと、プルダウ
ン抵抗RPDの他端に入力端子が接続された第1インバー
タINV1と、第1インバータINV1の出力端子に入力
端子が接続され、制御信号CSを出力する第2インバータ
INV2と、トランジスタQ2のソースS及びプルダウン
抵抗RPDの他端並びに電源VSSの間に接続されたカレン
トミラー回路CMCと、を備えて構成されている。
【0066】カレントミラー回路CMCは、トランジス
タQ2のソースSにドレインD及びゲートGが共通接続
され、ソースSが電源VSSに接続されたトランジスタQ
Dと、プルダウン抵抗RPDの他端にドレインDが接続さ
れ、トランジスタQDのゲートGにゲートGが接続さ
れ、ソースSが電源VSSに接続されたトランジスタQC
と、を備えて構成されている。
【0067】2.第5実施形態の動作 次に第5実施形態の電圧検出判別部30Aの動作を図1
及び図18を参照して説明する。電源電圧(VDD−VS
S)が低いうち、すなわち、図18においては、トラン
ジスタQ1、トランジスタQ2及びトランジスタQDのし
きい値電圧の合計電圧未満の場合には、定電流源CCNST
から電流は流れず、カレントミラー回路CMCのトラン
ジスタQD及びトランジスタQCはオフ状態であり、第1
インバータINV1の入力端子には、電源VDDをプルダ
ウン抵抗RPDによりプルダウンした電圧V1(=“H”
レベル相当)が印加され、第1インバータINV1は、
“L”レベルの信号を出力する。
【0068】これにより第2インバータINV2は、制
御信号CSを“H”レベルとするので、リミッタトランジ
スタ40は、オフ状態を保持する。一方、電源電圧(V
DD−VSS)が大きくなって、所定の電圧(図18におい
ては、トランジスタQ1、トランジスタQ2及びトランジ
スタQDのしきい値電圧の合計電圧)を超過すると、定
電流源CCNSTからトランジスタQ1、Q2、QDを介して
電源VSS側に電流が流れ、トランジスタQDのドレイン
D−ソースS間の電流と同じ大きさの電流がトランジス
タQCのドレインD−ソースS間を流れる。ここで、ト
ランジスタQCに流れる電流はプルダウン抵抗RPDに流
れ得る電流よりも大きくなるように設定されており、こ
の結果、電圧V1は“L”レベルに相当する電圧とな
る。
【0069】これにより、第1インバータINV1は、
“H”レベルの信号を出力し、第2インバータINV2
は、制御信号CSを“L”レベルとするので、リミッタト
ランジスタ40は、オン状態となり、リミッタ電流が流
れることとなる。このように本第5実施形態の電圧検出
判別部30A’は、電源電圧が低い場合には、ほとんど
電流を消費することがなく、電池駆動されている携帯用
電子機器などにおいて、過電圧を防止する回路として好
適となっている。
【0070】E.変形例 本発明は、上述した実施形態に限定されるものではな
く、例えば、以下に述べる各種の変形が可能である。
【0071】(1)上述した第1実施形態の充電回路1
00は、高電位側電源ラインVDDと低電位側電源ライン
VSSを逆転させ充電回路100’として構成してもよ
い。図10に充電回路100’の構成を示す。この場
合、充電回路100’は、整流部10の替わりに第2実
施形態で説明した整流部10’を用いる点を除いて、第
1実施形態の充電回路100と同様である。
【0072】(2)上述した第2実施形態の充電回路1
01は、高電位側電源ラインVDDと低電位側電源ライン
VSSを逆転させ充電回路101’として構成してもよ
い。この場合、単に整流部10’の替わりに第1実施形
態で説明した整流部10を適用すると、図11に示す回
路となる。ここで、端子電圧V1が端子電圧V2よりも大
きくなると、矢印Yの経路でリミッタ電流ILIMが流れ
る。しかし、端子電圧V1の上昇に伴って、Nチャンネ
ルFETN2がオン状態となるので、大容量コンデンサ2
0が短絡され矢印Zの経路で短絡電流が流れるという問
題がある。
【0073】そこで、充電回路101’は、図12に示
すように構成する必要がある。この充電回路101’
は、整流部10’の替わりに第1実施形態で説明した整
流部10を用い、リミッタトランジスタLIMTrとしてエ
ンハンスメント型のNチャンネルFETを用い、コンパ
レータCOMの正入力端子と負入力端子を逆転させた点を
除いて、第2実施形態の充電回路101と同様である。
つまり、発電電流を短絡させることにより得られるリミ
ッタ電流を整流用のダイオードD1およびダイオードD2
に流さないようにする必要がある。
【0074】この場合、充電電圧Vaを分圧した電圧V
a'が基準電圧Vrefが上回ると、コンパレータCOMは制御
信号CSをハイレベルにするので、リミッタトランジスタ
LIMTrはオン状態になる。ここで、端子電圧V1が上昇す
ると、図中、矢印Y’で示す経路でリミッタ電流ILIMが
流れ、大容量コンデンサ20の過充電が回避される。こ
こで、充電回路101’の過充電防止動作を図17に示
すタイミングチャートを用いて説明する。
【0075】図において制御信号CSがローレベルの期間
(〜T10,T20〜)においては、リミッタトランジスタL
IMTrはオフ状態になっているので、整流部10は、図4
と同様に通常の整流動作を行い、図17(d)に示す充
電電流iが大容量コンデンサ20に流れ込む。ここで、
図17(a)に示すように制御信号CSがハイレベルにな
ると、リミッタトランジスタLIMTrがオン状態になる。
【0076】この場合、入力端子AG1の端子電圧V1が、
図17(b)に示すようにダイオードD3の降下電圧Vf
とリミッタトランジスタLIMTrのドレイン・ソース間電
圧Vdsの合計だけ上昇すると、ダイオードD3がオン状
態になる。すると、「入力端子AG1→ダイオードD3→リ
ミッタトランジスタLIMTr→低電位側電源ラインVSS→
NチャンネルFETN2→入力端子AG2」の経路で、図1
7(e)に示すリミッタ電流ILIMが流れる。一方、入力
端子AG2の端子電圧V2が、図17(c)に示すように上
昇すると、ダイオードD4がオン状態となり、「入力端
子AG2→ダイオードD4→リミッタトランジスタLIMTr→
低電位側電源ラインVSS→NチャンネルFETN1→入力
端子AG1」の経路でリミッタ電流ILIMが流れる。したが
って、端子電圧V1,V2が上昇しても、ダイオードD1,
D2がオン状態になる前にダイオードD3,D4がオン状態
になるので、大容量コンデンサ20に充電電流iが流れ
込むことはなく、過充電を防止することができる。
【0077】(3)上述した各実施形態および変形例に
おいては、充電回路100,101を用いた電子機器の
一例として腕時計を取り上げ説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、例えば、置き時計、クロッ
ク等の時計、携帯型の血圧計、携帯電話機、ページャ、
万歩計、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、電子手
帳、携帯ラジオ等に適用することができる。要は電力を
消費する電子機器であればどのようなものに適用しても
よい。このような電子機器においては、電池がなくても
そこに内蔵される電子回路や機構系を継続して動作させ
ることができるので、何時でも電子機器を使用すること
ができ、また、煩わしい電池の交換を不要にできる。さ
らには、電池の廃棄に伴う問題が生ずることもない。
【0078】なお、蓄電作用のない電池と充電回路10
0,101とを兼用してもよく、この場合は、電子機器
を長時間持ち歩かなっかった場合に、電池からの電力に
より即座に電子機器を動作させることができ、その後、
使用者が電子機器を持ち歩くことによって、発電された
電力によって電子機器を動作させることができる。
【0079】(4)上述した各実施形態および変形例に
おいては、スイッチ手段の一例とし、PチャンネルFE
TP1,P2、NチャンネルFETN1,N2といったユニポー
ラトランジスタを例示したが、PチャンネルFETP1,
P2の替わりにPNP型のトランジスタ、NチャンネルF
ETN1,N2の替わりにNPN型のバイポーラトランジス
タを使用してもよい。ただし、これらのバイポーラトラ
ンジスタにあっては、エミッタ・コレクタ間の飽和電圧
が0.3V程度あるのが通常であるから、交流発電機A
Gの起電圧が小さい場合には、上述した実施形態のよう
にFETを使用することが望ましい。
【0080】(5)上述した各実施形態および変形例に
おいて、コンパレータCOMをFETを使用して構成し、
充電回路100、101全体を1チップのICに内蔵す
るようにしてもよい。また、ダイオードD1〜D4は、一方
向に電流を流す一方向性素子であればどのようなもので
あってもよく、その種類は問わない。例えば、ゲルマニ
ウムダイオードの他、ショットキーダイオードを使用し
てもよい。特に、ショットキーダイオードは、降下電圧
が0.3Vと小さいので、交流発電機AGの起電圧が小
さい場合に好適である。
【0081】(6)上述した各実施形態に係わる充電回
路100,101および変形例に係わる充電回路10
0’,101’は、ゼンマイ式発電機を備えた電子制御
機械時計に応用してもよい。図13は、電子制御機械時
計の機械構造を示す斜視図である。この腕時計におい
て、ゼンマイ110はリューズ(図示せず)に連結され
ており、リューズを巻くことによって、ゼンマイ110
に機械エネルギが蓄積されるようになっている。ゼンマ
イ110と発電機130のロータ131の間には、増速
輪列120が設けられている。増速輪列120は、分針
124が固定されている二番車121、三番車122、
および秒針125が固定されている四番車123等から
構成されている。そして、この増速輪列120によって
ゼンマイ110の運動が発電機130のロータ131に
伝達され、発電が行われるようになっている。ここで、
発電機130は電磁ブレーキとしても作用し、増速輪列
120に固定された指針を定速で回転させている。この
意味において、発電機130は調速機としても機能す
る。
【0082】次に、図14は、第1実施形態の充電回路
100を適用した電子制御機械時計の電気的構成を示す
ブロック図である。図において、充電回路100は、発
電機130と整流回路140とによって構成されてい
る。発振回路160は水晶振動子161を用いてクロッ
ク信号C LKを生成している。調速回路170において、
検出回路102が発電機130の発電周波数を検出する
と、制御回路103は、この検出結果に基づいて、ロー
タ131の回転周期がクロック信号CLKの周期と合うよ
うに電磁ブレーキを調整してロータ131の回転速度を
一定にするように短絡部40を制御している。
【0083】ここで、発電機130の回転制御は、交流
発電機AGのコイル両端を短絡可能な短絡部40でオン
・オフすることで行っている。このスイッチは、上述し
た実施形態におけるリミッタトランジスタLIMTrが相当
する。このチョッパリングによって、スイッチをオンし
た時には、交流発電機AGにショートブレーキが掛か
り、かつ交流発電機AGのコイルに電気エネルギが蓄積
される。一方、スイッチをオフすると、交流発電機AG
が動作し、コイルに蓄積されていた電気エネルギが開放
され起電圧が生じる。この時の起電圧には、スイッチを
オフしていた時の電気エネルギが加わるので、その値を
高めることができる。このため、交流発電機AGをチョ
ッパリングで制御すると、ブレーキ時の発電電力の低下
をスイッチオフ時の起電圧の高まり分で補填でき、発電
電力を一定以上に保ちながら、制動トルクを増加でき、
持続時間の長い電子制御式機械時計を構成することがで
きる。この場合、チョッパリングに用いるスイッチと過
充電防止のために用いるリミッタトランジスタLIMTrと
を兼用することができるので、構成を簡易にすることが
できる。
【0084】(7)また、上述した各実施形態および変
形例における比較部30における比較動作は、常時行う
ものであったが、本発明はこれに限定されるものではな
く、サンプル周期毎に比較動作を実行するようにしても
よいし、あるいは、交流発電機AGの発電状態を検出
し、交流発電機AGが発電状態にある時のみ比較動作を
行うようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、充電電
圧が所定の電圧を越えると、一方の入力端子から出力さ
れる発電電流を第1および第2のダイオードを通らない
経路で他方の入力端子に供給するようにしたので、充電
素子の過充電を防止することができる。また、スイッチ
手段を制御するためにコンパレータを用いないので、回
路規模を小さくすることができ、しかも低消費電力を低
減することができる。
【0086】また、トランスミッションゲートを用いる
場合には、これにより両入力端子を短絡するので、簡易
な構成で充電素子の過充電を防止することができる。こ
の結果、製造コストを削減でき、さらに、省スペースの
要求が厳しい腕時計等の電子機器に充電回路を組み込む
ことが容易になる。
【0087】また、Nチャンネル電界効果トランジス
タ、あるいはPチャンネル電界効果トランジスタとダイ
オードを介して短絡経路を形成する場合には、バックゲ
ート効果によってオフ抵抗が低下しないので、充電電圧
が所定の電圧未満の場合にリミッタ電流が流れて充電効
率が下がるといったことがなく、確実に充電回路を動作
させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の原理説明図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係わる腕時計に使用
される充電回路の回路図である。
【図3】 同実施形態に係わる交流発電機とその周辺機
構の構成を示す斜視図である。
【図4】 同実施形態に係わる充電回路の充電動作を示
すタイミングチャートである。
【図5】 同実施形態に係わるリミッタトランジスタの
動作説明のための処理フローチャートである。
【図6】 本発明の第2実施形態に係わる腕時計に使用
される充電回路の回路図である。
【図7】 同実施形態に係わる充電回路の充電動作を示
すタイミングチャートである。
【図8】 本発明の第3実施形態に係わる腕時計に使用
される充電回路の回路図である。
【図9】 本発明の第4実施形態に係わる腕時計に使用
される充電回路の回路図である。
【図10】 第1実施形態の変形例に係わる充電回路の
構成を示す回路図である。
【図11】 第2実施形態の変形例に対する比較例に係
わる充電回路の構成を示す回路図である。
【図12】 第2実施形態の変形例に係わる充電回路の
構成を示す回路図である。
【図13】 変形例に係わる電子制御機械時計の機械構
造を示す斜視図である。
【図14】 変形例に係わる電子制御機械時計の電気的
構成を示すブロック図である。
【図15】 従来の充電回路の回路図である。
【図16】 バックゲート効果を説明するための図であ
る。
【図17】 第2実施形態の変形例に係わる充電回路の
タイミングチャートである。
【図18】 第5実施形態の電圧検出判別部を示す回路
図である。
【符号の説明】
100・・・充電回路、10・・・整流部、20・・・
大容量コンデンサ、30・・・比較部、40・・・短絡
部、AG1、AG2・・・入力端子、AG・・・交流発電機、
D1、D2・・・ダイオード、N1、N2・・・NチャンネルF
ET。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電圧が給電される各入力端子の一方
    の端子電圧に応じて、他方の入力端子と第1の電源ライ
    ンとを接続するか否かが制御される第1および第2のN
    チャンネル電界効果トランジスタと、各入力端子と第2
    の電源ラインとの間に各々接続された第1および第2の
    ダイオードと、前記第1および第2の電源ライン間に接
    続される充電素子とを備え、前記交流電圧を整流して前
    記充電素子に電力を充電する充電回路に用いられる過充
    電防止方法であって、前記充電回路には、前記各入力端
    子を短絡させる短絡経路が形成され、前記短絡経路上に
    は、該短絡経路をオン・オフするためのリミッタトラン
    ジスタが設けられ、 前記充電素子の充電電圧を検出し、検出された充電電圧
    が予め定めた所定の電圧を上回る場合には、前記リミッ
    タトランジスタによって前記短絡経路をオンとすること
    により、該短絡経路を介して前記一対の入力端子を短絡
    させることを特徴とする過充電防止方法。
  2. 【請求項2】 第1および第2の入力端子に給電される
    交流電圧を整流して第1および第2の電源ラインの間に
    設けられた充電素子に電荷を充電する充電回路におい
    て、当該充電回路には、前記第1及び第2の入力端子を
    短絡させる短絡経路が形成され、 前記第1の入力端子と前記第1の電源ラインとの間に設
    けられ、前記第2の入力端子の電圧に基づいてオン・オ
    フが制御される第1のNチャンネル電界効果トランジス
    タと、 前記第2の入力端子と前記第1の電源ラインとの間に設
    けられ、前記第1入力端子の電圧に基づいてオン・オフ
    が制御される第2のNチャンネル電界効果トランジスタ
    と、 前記第1の入力端子と前記第2の電源ラインとの間に設
    けられる第1のダイオードと、 前記第2の入力端子と前記第2の電源ラインとの間に設
    けられる第2のダイオードと、 前記充電素子の充電電圧を検出する充電電圧検出手段
    と、 前記短絡経路上に設けられ、該短絡経路をオン・オフす
    るためのリミッタトランジスタと、検出された充電電圧
    が予め定めた所定の電圧を上回る場合には、前記リミッ
    タトランジによって前記短絡経路をオンすることによ
    り、前記短絡経路を介して前記一対の入力端子を短絡さ
    せる短絡手段と、 を備えたことを特徴とする充電回路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の充電回路を内蔵すると
    ともに、前記充電回路から給電される電力によって、動
    作することを特徴とする電子機器。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の充電回路を内蔵すると
    ともに、前記充電回路から給電される電力によって時刻
    を計測する時計回路とを備えたことを特徴とする時計。
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