JP2003234408A - 昇圧回路を備えた半導体装置 - Google Patents

昇圧回路を備えた半導体装置

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JP2003234408A JP2002031944A JP2002031944A JP2003234408A JP 2003234408 A JP2003234408 A JP 2003234408A JP 2002031944 A JP2002031944 A JP 2002031944A JP 2002031944 A JP2002031944 A JP 2002031944A JP 2003234408 A JP2003234408 A JP 2003234408A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MOSトランジスタの閾値電圧による昇圧制
限をなくし或いは低減し、必要な高電圧の出力を、少な
いチャージポンプユニット数で得ることができる、昇圧
回路を備えた半導体装置を提供すること。 【解決手段】 チャージポンプユニットのNMOSトラ
ンジスタをウエル分離形式のNMOSトランジスタと
し、その分離用のN型ウエルが、そのN型ウエルとP型
基板との間及びそのN型ウエルとP型ウエルとの間が逆
バイアスされるように、高電位点に接続する。これによ
り、直列接続されているいずれのチャージポンプユニッ
トにおいても、P型ウエルの電位はそのソース電位と同
電位にし、その閾値電圧Vthを一定の低い値とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高い昇圧効率をも
つ昇圧回路を備えた半導体装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、EEPROMやフラッシュメ
モリなどの半導体装置(以下、IC)の単一電源化に伴
って、そのICの内部で必要な電圧を得るように、電源
電圧の昇圧が行われるようになってきている。このため
に、チャージポンプ回路などの昇圧回路がICに備えら
れる。 【0003】図5は従来の昇圧回路の構成を示す図であ
る。図5において、初段のチャージポンプユニットU1
から出力段のチャージポンプユニットUnまでN段のチ
ャージポンプユニット(以下、ユニットと称することが
ある。)が直列に接続されている。初段のユニットU1
に電源電圧Vcc(例えば、2Vや3Vなど)がダイオ
ード接続されたN型MOS(以下、NMOS)トランジ
スタQ0を介して供給される。また、出力段のユニット
Unからの出力は、出力用キャパシタCoに充電される
とともに、所定の出力電圧Vout(例えば、10V)
で出力される。 【0004】各ユニットU1〜Unは、同様の構成であ
り、例えばユニットU1を例に説明すると、NMOSト
ランジスタQ1とキャパシタC1とを備えている。NM
OSトランジスタQ1のソースSは、NMOSトランジ
スタQ0を介して電源電圧Vccに接続されるととも
に、ゲートGに接続されており、いわゆるダイオード接
続とされている。また、そのドレインDは次段のユニッ
トU2に接続されている。また、キャパシタC1は一端
がソースSに接続され、他端がクロックライン(この場
合は、クロックCLK1のクロックライン)に接続され
る。なお、各ユニットのキャパシタは、奇数番のユニッ
トU1,U3などではクロックCLK1のクロックライ
ンに接続され、偶数番のユニットU2,U4などではク
ロックCLK2のクロックラインに接続される。 【0005】クロックCLK1及びクロックCLK2
は、例えば、電源電圧Vccと同じ振幅電圧で所定の周
波数を持ち、ほぼ逆位相の状態で変化する二相クロック
である。 【0006】この図5の昇圧回路においては、クロック
CLK1、CLK2を動作させると、電源電圧Vccが
各ユニット毎に順次チャージアップされ、昇圧された出
力電圧Voutが出力される。この出力電圧Vout
が、EEPROMなどの所定の端子に供給される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】各ユニットのNMOS
トランジスタは、そのドレインD、ソースS等が形成さ
れるP型基板がグランド電位に接続されており、また、
そのゲートGがソースSに直接接続されている。そし
て、そのゲートGとドレインD間に閾値電圧(スレッシ
ョルド電圧)Vthが存在するから、各ユニットのドレ
イン電位はソース電位から閾値電圧Vthだけ低い電位
になる。即ち、各ユニットで昇圧される電圧は、[Vc
c−Vth]にとどまることになる。 【0008】ここで、各ユニットでのNMOSトランジ
スタの閾値電圧Vthは、基板バイアス効果によって、
そのソース電位と基板電位(即ち、グランド電位)との
電位差が大きくなるにつれて大きくなる。したがって、
初段ユニットU1から出力段ユニットUnに近づくほ
ど、ユニット当たりの昇圧される電圧は少なくなってし
まう。 【0009】このことから、電源電圧Vccからある程
度高い出力電圧を得ようとする場合には、より多くのチ
ャージポンプユニットを直列に接続する必要が生じる。
また、電源電圧Vccより閾値電圧Vthが高くなるよ
うな場合には、昇圧動作そのものができなくなってしま
うことになる。 【0010】このような、昇圧動作に関する問題は、電
源電圧Vccが低いほど顕著に現れるから、電源電圧が
低電圧化する傾向にある最近の集積回路装置では、特
に、解決が望まれている。 【0011】そこで、本発明は、MOSトランジスタの
閾値電圧による昇圧制限をなくし或いは低減し、必要な
高電圧の出力を、より少ないチャージポンプユニット数
で得ることができる、昇圧回路を備えた半導体装置を提
供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の昇圧
回路を備えた半導体装置は、第2導電型(以下、N型)
MOSトランジスタとキャパシタを有するチャージポン
プユニットが直列接続され、クロックにしたがって電源
電圧を昇圧する半導体装置において、前記N型MOSト
ランジスタが、第1導電型(以下、P型)基板に形成さ
れたN型ウエルと、このN型ウエル中に形成されたP型
ウエルと、このP型ウエル中に形成されたN型のソース
領域、このソース領域とチャネル領域を隔てて形成され
たN型ドレイン領域、前記チャネル上方に絶縁物を介し
て形成されたゲートとを備えたウエル分離形式であり、
前記N型ウエルは、前記P型基板との間、及び前記P型
ウエルとの間が、逆バイアスされるように高電位点に接
続されることを特徴とする。 【0013】この請求項1記載の昇圧回路を備えた半導
体装置によれば、チャージポンプユニットのNMOSト
ランジスタがウエル分離形式のNMOSトランジスタで
あり、その分離用のN型ウエルが、そのN型ウエルとP
型基板との間及びそのN型ウエルとP型ウエルとの間が
逆バイアスされるように、高電位点に接続される。これ
により、直列接続されているいずれのチャージポンプユ
ニットにおいても、P型ウエルの電位はそのソース電位
と同電位にすることができる。 【0014】したがって、いずれのチャージポンプユニ
ットにおけるMOSトランジスタの閾値電圧Vthも一
定の低い値となるから、少ないチャージポンプユニット
数で高電圧を出力することができる。 【0015】更に、チャージポンプユニット当たりの昇
圧電圧が高く維持できるから、電流駆動能力を高くする
ことができ、昇圧動作の高速化を図ることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の昇圧回路を備えた
半導体装置実施の形態について、図1〜図4を参照して
説明する。 【0017】図1は本発明の第1の実施の形態に係る、
NMOS型のウエル分離形式のMOSトランジスタを用
いた、4相クロック駆動方式の昇圧回路を示す図であ
る。図2は、そのNMOS型のウエル分離形式のMOS
トランジスタの断面構造を示す図であり、また、図3は
4相クロックのタイミングを示す図である。 【0018】図1において、初段のチャージポンプユニ
ットU11から出力段のチャージポンプユニットU1n
までN段のチャージポンプユニット(以下、ユニット)
が直列に接続されている。 【0019】初段のユニットU11に電源電圧Vcc
(例えば、2Vや3Vなど)が電源スイッチSW10を
介して供給される。このスイッチSW10は、通常のN
MOSトランジスタでよい。このNMOSトランジスタ
Q10は、そのゲートに昇圧回路を駆動するためのイネ
ーブル信号ENが印加されるとオンされる。なお、イネ
ーブル信号ENは電源電圧Vccとする。このNMOS
トランジスタQ10をスイッチSW10として用いるこ
とにより、そのオン時にダイオードとして機能し、その
オフ時には電源電圧Vccからチャージポンプ回路への
電流の流れる経路を完全にオフする。 【0020】また、出力段のユニットU1nからの昇圧
された出力は、出力用キャパシタCoに充電されるとと
もに、出力電圧Vout(例えば、10V)として出力
される。 【0021】各ユニットU11〜U1nは、同様の構成
であるので、以下、ユニットU11を例に説明する。ユ
ニットU11は、ウエル分離形式の主たるNMOSトラ
ンジスタQ11−1と主キャパシタC11−1とを備え
ている。この主たるNMOSトランジスタQ11−1と
主キャパシタC11−1は、従来の図5のNMOSトラ
ンジスタQ1とキャパシタC1に対応する。 【0022】この第1の実施の形態では更に、ウエル分
離形式のNMOSトランジスタQ11−1のゲートGと
ソースS間に、ウエル分離形式の副のNMOSトランジ
スタQ11−2を接続している。そのNMOSトランジ
スタQ11−2のゲートは、NMOSトランジスタQ1
1−1のドレインDに接続されている。また、NMOS
トランジスタQ11−1のゲートGは、副キャパシタC
11−2の一端に接続されている。この副キャパシタC
11−2はゲート電圧制御用であるので、主キャパシタ
C11−1に比して、小さい容量でよい。主キャパシタ
C11−1の他端は、第1クロックCLK1のラインに
接続され、副キャパシタC11−2の他端は、第2クロ
ックCLK2のラインに接続される。 【0023】図3に示されるように、第1クロックCL
K1と第3クロックCLK3とはほぼ逆位相の関係にあ
り、そのLレベル(ローレベル)が重ならないようにな
っている。また、第2クロックCLK2と第4クロック
CLK4とはほぼ逆位相の関係にあり、そのHレベル
(ハイレベル)が重ならないようになっている。第1ク
ロックCLK1と第2クロックCLK2は奇数番のユニ
ットU11、U13等に使用され、また、第3クロック
CLK3と第4クロックCLK4は偶数番のユニットU
12、U14等に使用される。なお、これらクロックC
LK1〜CLK4のHレベルの電圧値は、任意の値で良
いが、例えば電源電圧Vccと同じとするのが回路構成
上望ましい。 【0024】ウエル分離形式のNMOSトランジスタQ
11−1〜Q1n−2の構成を、図2を参照して、説明
する。 【0025】P型基板PsubにN型ウエルNwell
を形成する。このN型ウエルNwell中にP型ウエル
Pwellを形成する。このP型ウエルPwell中に
+のドレイン領域と、これとチャネル領域を隔ててn+
のソース領域を形成し、そのチャネル領域上方に絶縁膜
を介してゲートGを設ける。各領域にはそれぞれコンタ
クトを設けて、ソースS及びドレインDを形成する。 【0026】また、P型基板Psubには、p+のコン
タクト領域を形成して、コンタクトを設けて、グランド
電位に接続するようにする。N型ウエルNwellに
は、n +のコンタクト領域を形成して、コンタクトを設
けて、N型ウエル端子nwとする。P型ウエルPwel
lには、p+のコンタクト領域を形成して、コンタクト
を設けて、P型ウエル端子pwとする。このP型ウエル
端子pwを、ソースSに接続するようにする。N型ウエ
ル端子nwを、高い電位点、例えばP型ウエル端子pw
に接続するようにしている。 【0027】このように構成されるウエル分離形式のN
MOSトランジスタQ11−1〜Q1n−2では、分離
用のN型ウエルNwellが高電位点に接続されるか
ら、P型基板Psubとの間及びP型ウエルPwell
との間がそれぞれ逆バイアスされる。したがって、図中
に破線で示すように形成されるPN接合部のダイオード
は、導通が阻止されるから、P型ウエルPwellはP
型基板Psubから電気的に分離される。なお、N型ウ
エル端子nwを、P型ウエル端子pwに接続する場合に
は、N型ウエルNwellはP型ウエルPwellと同
電位になる。 【0028】これにより、P型ウエルPwellの電位
は、P型基板Psubの電位とは関係なく、ソースSの
電位により決定されることになる。したがって、ソース
Sの電位が高くなっても、基板バイアス効果による閾値
電圧Vthは何ら影響されることなく、低い一定値を保
つことになる。 【0029】さて、このように構成される本発明の昇圧
回路の動作を図1〜図3を参照しつつ説明する。 【0030】まず、イネーブル信号ENがスイッチ10
に印加されるとNMOSトランジスタQ10がオンし、
電源電圧Vccからその閾値電圧Vthだけ低下した電
圧が初段のユニットU11に供給される。これと同時
に、4相クロックCLK1〜CLK4が供給される。こ
れにより、昇圧回路が起動される。 【0031】図3のクロックタイミング図を参照して、
各タイミング区間i〜区間viiiごとに昇圧動作を説明す
る。 【0032】区間iでは、第1クロックCLK1はLレ
ベルにあり、主キャパシタC11−1は入力される電位
に向かって充電される。 【0033】区間iiでは、第1クロックCLK1がHレ
ベルである。したがって、NMOSトランジスタQ11
−1のソース電位は、電荷保存則により主キャパシタC
11−1に充電されている電圧にHレベル(即ち、電源
電圧Vcc)の電位が重畳された電位になる。このとき
のソース電位は、理想的には2Vcc−Vthである。
このソース電位は電源電圧Vccよりも高いが、NMO
SトランジスタQ10がダイオード接続と同じ状態にな
っており、逆流が阻止されるから、電源電圧Vccに向
かって逆に流れることはない。 【0034】また、ウエル分離形式のNMOSトランジ
スタQ11−1のP型ウエルPwellとドレインDと
の間にできる寄生ダイオードにより、第2段ユニットU
12の主キャパシタC12−1は、主キャパシタC11
−1に充電されている電荷により充電される。一方、そ
の主キャパシタC11−1の電位がNMOSトランジス
タQ11−2のゲートGに印加され、NMOSトランジ
スタQ11−2がオンされる。これにより副キャパシタ
C11−2が充電されるとともに、NMOSトランジス
タQ11−1のゲートGにゲート電圧が印加される。そ
して、このゲート電圧の印加により、NMOSトランジ
スタQ11−1がオンされる。 【0035】区間iiiでは、第3クロックCLK3がL
レベルになるから、オンされたNMOSトランジスタQ
11−1を通して、第2ユニットU12の主キャパシタ
C12−1が更に充電されることになる。 【0036】区間ivでは、第2クロックCLK2がHレ
ベルになる。したがって、NMOSトランジスタQ11
−1のゲートGの電位は、副キャパシタC11−2の充
電電圧にHレベルの電位が重畳された電位となる。これ
により、NMOSトランジスタQ11−1の導通度が良
くなり、ウエル分離形式のNMOSトランジスタQ11
−1の利点である閾値電圧Vthが一定であることと相
俟って、次段のユニットU12の主キャパシタC12−
1への充電がより高く、かつより早く行われる。 【0037】区間vでは、第2クロックCLK2がLレ
ベルに復帰して、主キャパシタC12−1から逆に充電
されることがないようにする。区間viでは、第3クロッ
クCLK3がHレベルになるから、ユニットU12のソ
ース電位は主キャパシタC12−1に充電されている電
圧にHレベルを重畳した電位となる。この時点ではNM
OSトランジスタQ12−2は既にオンされている。し
たがって、このソース電位が、NMOSトランジスタQ
12−2を介して、NMOSトランジスタQ12−1の
ゲートGに印加されるから、NMOSトランジスタQ1
2−1はオンする。したがって、ユニットU12の主キ
ャパシタC12−1に充電されている電荷は、NMOS
トランジスタQ12−1を通して、次段のユニットであ
るユニットU13(図示していない)に供給される。 【0038】また、この時のNMOSトランジスタQ1
2−1のソース電位、即ちNMOSトランジスタQ11
−1のドレイン電位は、NMOSトランジスタQ11−
1のソース電位よりも高くなっているが、NMOSトラ
ンジスタQ11−1により阻止されるから、逆に流れる
ことはない。 【0039】区間viiでは、第1クロックCLK1がL
レベルに復帰して、次段ユニットの主キャパシタから逆
に充電されることがないようにする。区間viiiでは、第
4クロックCLK4がHレベルになるから、NMOSト
ランジスタQ12−1のゲートGの電位は、副キャパシ
タC12−2の充電電圧にHレベルの電位が重畳された
電位となる。これにより、NMOSトランジスタQ12
−1の導通度が良くなり、ウエル分離形式のNMOSト
ランジスタQ12−1の利点である閾値電圧Vthが一
定であることと相俟って、次段のユニットU12の主キ
ャパシタC12−1への充電がより高く、かつより早く
行われる。 【0040】以上、初段のユニットU11及び第2段の
ユニットU12のチャージポンプによる昇圧動作を、ク
ロックタイミングの区間i〜区間viii毎に説明した。こ
の区間i〜区間viiiのような動作が、クロックCLK1
〜CLK4の変化に合わせて、各ユニットU11〜U1
nで、継続して行われる。その結果、電源電圧Vcc
(例えば、2Vや3v)が、昇圧されて出力電圧Vou
t(例えば、10v)として出力される。 【0041】この第1の実施の形態では、各ユニットの
主たるNMOSトランジスタQ11−1〜Q1n−1と
して、ウエル分離形式のNMOSトランジスタを用い、
その分離用のN型ウエルNwellを高電位点(例え
ば、P型ウエル端子pw)に接続している。これによ
り、昇圧回路中のどのユニットにおいても、主たるNM
OSトランジスタの閾値電圧Vthは、低い一定の値と
なる。したがって、従来のように、出力段ユニットUn
に近づくほど、ユニット当たりの昇圧される電圧が少な
くなるという問題は解決されている。これにより、より
少ないユニット数で所要の電圧に昇圧することができ
る。 【0042】さらに、副のウエル分離形式のNMOSト
ランジスタQ11−2〜Q1n−2及び副キャパシタC
11−2〜C1n−2を備えて4相クロック駆動型とし
て、主たるNMOSトランジスタQ11−1〜Q1n−
1のゲート電位を高くしている。これにより、主たるN
MOSトランジスタQ11−1〜Q1n−1として、ウ
エル分離形式のNMOSトランジスタを用いることと相
俟って、各ユニットの出力電圧から閾値電圧Vthの影
響を実質的に取り去ることができる。したがって、昇圧
効率をより高くできるとともに、昇圧速度を早くするこ
とができる。 【0043】図4は本発明の第2の実施の形態に係る、
NMOS型のウエル分離形式のMOSトランジスタを用
いた、2相クロック駆動方式の昇圧回路を示す図であ
る。 【0044】図4において、初段のユニットU21から
出力段のユニットU2nまでN段のユニットが直列に接
続されている。 【0045】初段のユニットU21に電源電圧Vccが
電源スイッチSW20を介して供給される。このスイッ
チSW20は、図1の第1の実施の形態におけるスイッ
チ10と同様であり、やはり通常のNMOSトランジス
タQ20を用いている。 【0046】また、出力段のユニットU2nからの昇圧
された出力は、出力用キャパシタCoに充電されるとと
もに、出力電圧Vout(例えば、10V)として出力
される。 【0047】各ユニットU21〜U2nは、同様の構成
であるので、以下、ユニットU11を例に説明する。ユ
ニットU21は、ウエル分離形式のNMOSトランジス
タQ21とキャパシタC21とを備えている。このNM
OSトランジスタQ21とキャパシタC21は、従来の
図5のNMOSトランジスタQ1とキャパシタC1に対
応する。 【0048】つまり、この第2の実施の形態では、各ユ
ニットU21〜U2nのNMOSトランジスタとして、
図2で説明した、ウエル分離形式のNMOSトランジス
タQ21〜Q2nを用いている。そして、直列接続され
た各ユニットU21〜U2nにより、電源電圧Vccが
順次昇圧され、出力電圧Voutが出力される。 【0049】このときに、各NMOSトランジスタQ2
1〜Q2nのソースSの電位が高くなるが、P型ウエル
Pwellの電位はP型基板Psubの電位とは関係な
く、ソースSの電位により決定される。したがって、ソ
ースSの電位が高くなっても、基板バイアス効果によっ
ては閾値電圧Vthは何ら影響されない。したがって、
各ユニットでの閾値電圧Vthは低い一定値を保つか
ら、各ユニットでは同じ電圧値の昇圧が行われる。 【0050】この第2の実施の形態では、昇圧回路中の
どのユニットにおいても、NMOSトランジスタの閾値
電圧Vthは低い一定の値となる。したがって、従来の
ように、出力段ユニットUnに近づくほど、ユニット当
たりの昇圧される電圧は少なくなるという問題は解決さ
れる。これにより、より少ないユニット数で所要の電圧
に昇圧することができる。例えば、電源電圧Vcc=3
vから出力電圧Vout=10vを発生させる場合につ
いて試算すると、図5の従来の昇圧回路では8段のユニ
ットを必要とするのに対して、この第2の実施の形態の
昇圧回路では4段のユニットで済ませることができる。
なお、同一の条件で、第1の実施の形態の昇圧回路につ
いて試算すると、3段のユニットで済ませることがで
き、かつ素早く昇圧可能である。 【0051】第1及び第2の実施の形態において、正の
電源電圧Vccから正の高電圧Voutに昇圧する例に
ついて説明したが、それら各実施の形態における昇圧回
路を用いて、次のように使用することにより負の高電圧
を得ることができる。 【0052】そのためには、図1及び図4の昇圧回路に
おいて出力電圧Voutの端子をグランド電位にする。
そして、クロックCLK1〜CLK4をグランド電位と
正電位(例えば、Vcc)とに変化させる。これによ
り、初段のユニットU11,U21のスイッチSW1
0、SW20側に、ユニット数に応じた負の高電位を発
生することができる。この場合の、作用及び効果につい
ても、第1及び第2の実施の形態で説明したのと同様で
ある。 【0053】 【発明の効果】請求項1記載の昇圧回路を備えた半導体
装置によれば、いずれのチャージポンプユニットにおけ
るMOSトランジスタの閾値電圧Vthも一定の低い値
となるから、より少ないチャージポンプユニット数で高
電圧を出力することができる。 【0054】更に、チャージポンプユニット当たりの昇
圧電圧が高く維持できるから、電流駆動能力を高くする
ことができ、高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施の形態に係る、ウエル分離
形式のNMOSトランジスタを用いた4相クロック駆動
方式の昇圧回路を示す図。 【図2】ウエル分離形式のNMOSトランジスタの断面
構造を示す図。 【図3】4相クロックのタイミングを示す図。 【図4】本発明の第2の実施の形態に係る、ウエル分離
形式のNMOSトランジスタを用いた、2相クロック駆
動方式の昇圧回路を示す図。 【図5】従来の昇圧回路の構成を示す図。 【符号の説明】 U11〜U1n、U21〜U2n チャージポンプユニ
ット Q11−1〜Q1n−2、Q21〜Q2n ウエル分離
形式NMOSトランジスタ SW10,SW20 電源スイッチ Q10、Q20 NMOSトランジスタ C11−1〜C1nー1 主キャパシタ C11−2〜C1n−2 副キャパシタ C21〜C2n キャパシタ CLK1〜CLK4 クロック Co 出力用キャパシタ Vout 出力電圧 S ソース D ドレイン G ゲート Psub P型基板 Nwell N型ウエル Pwell P型ウエル nw N型ウエル端子 pw P型ウエル端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥居 万展 京都市右京区西院溝崎町21番地 ローム株 式会社内 Fターム(参考) 5F038 AV06 BG03 BG05 CD04 CD06 EZ20 5F048 AB10 AC01 AC10 BB14 BE02 BE09 BF17 BF18 5H730 AA10 BB02 BB86

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 第2導電型MOSトランジスタとキャパ
    シタを有するチャージポンプユニットが直列接続され、
    クロックにしたがって電源電圧を昇圧する半導体装置に
    おいて、 前記第2導電型MOSトランジスタが、第1導電型基板
    に形成された第2導電型ウエルと、この第2導電型ウエ
    ル中に形成された第1導電型ウエルと、この第1導電型
    ウエル中に形成された第2導電型のソース領域、このソ
    ース領域とチャネル領域を隔てて形成された第2導電型
    ドレイン領域、前記チャネル上方に絶縁物を介して形成
    されたゲートとを備えたウエル分離形式であり、 前記第2導電型ウエルは、前記第1導電型基板との間、
    及び前記第1導電型ウエルとの間が、逆バイアスされる
    ように高電位点に接続されることを特徴とする昇圧回路
    を備えた半導体装置。
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