JP2003233464A - タッチパネル装置 - Google Patents

タッチパネル装置

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JP2003233464A
JP2003233464A JP2002031251A JP2002031251A JP2003233464A JP 2003233464 A JP2003233464 A JP 2003233464A JP 2002031251 A JP2002031251 A JP 2002031251A JP 2002031251 A JP2002031251 A JP 2002031251A JP 2003233464 A JP2003233464 A JP 2003233464A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タッチ位置の連続的な移動、導電膜の特性の経
時的な変化等の外的要因、タッチパネル装置固有の要因
に起因するタッチ位置検出精度低下を防止することがで
きる、タッチ位置検出精度に優れたタッチパネル装置を
提供する。 【解決手段】本発明の装置は、タッチパネル面上の導電
膜外周部の電極と、電極に交流電流を供給する交流電流
発生手段との一端間に設けられたスイッチを介した抵抗
器、電極と交流電流発生手段の間に設けられた電流計測
手段を備え、タッチ信号に基づくタッチ位置計算値に対
して、オフセット電圧Vf、導電膜の抵抗値の経時的な
変化を補正するためのスイッチオンにおける電流計測手
段の両端の電圧V0等を基に求められる自己補正値を用
いて補正を行う機能(〜ステップS80)に加えて、タ
ッチ信号が連続的に検出される場合に、タッチしきい値
の適正化を含むタッチ位置の検出精度を向上させる機能
(ステップS87)を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の表面に導電
膜を備えるタッチパネルを有するタッチパネル装置に関
し、タッチパネル表面におけるタッチ位置の検出精度に
優れた、ディスプレイ(CRT、液晶パネル等)表面上
の項目の選択用、特に描画用および手書き入力用等に好
適なタッチパネル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】タッチパネル入力装置は、入力可能なエ
リアが任意であること、画面表示を自由に設計できるこ
と、手書き入力が可能なこと等の長所がある。この装置
に用いられるタッチパネルは、ガラスあるいはフィルム
等の基板と、その表面に設けられた導電膜で構成されて
いる。そして、タッチパネルの表面に、人の指、タッチ
ペンなどが接触すると、導電膜に電流が流れ、検出され
た電流値を基に、タッチされた位置が判別できるよう
に、電気回路が構成されている。タッチ位置の検出原理
は、次のとおりである。
【0003】図14は、従来のタッチパネル装置に採用
されている回路図であり、タッチ位置の検出原理を説明
するための図である。なお、タッチパネルの形状は四角
形とし、タッチ位置はX座標とY座標で表示されるもの
として説明する。図14において、Roは、タッチパネ
ルが備える導電膜のX軸方向またはY軸方向における、
電気抵抗値(以下、単に抵抗値と記す)を意味する。X
軸、Y軸の各方向の導電膜の両端には、導電膜よりも抵
抗値が低い電極が設けられている。また、RK、RKは電
流計測用抵抗器であり、それぞれの抵抗器の一端が電極
に接続されている。一方、電流計測用抵抗器の他端は、
いずれも交流電源eに接続されており、交流電源eの他
端は接地されている。Zは、導電膜上の任意の位置にタ
ッチされる、指や導電性のペン等のインピーダンスを持
つものを表しており、それらの他端は接地された状態に
ある。
【0004】ここで、タッチ位置と、X軸またはY軸方
向の一方の電極との間の導電膜の抵抗値をRL、他方の
電極との間の導電膜の抵抗値をRH、導電膜の全抵抗は
前述のようにRoとする。さらに、両側の電極に接続さ
れている電流計測用抵抗器の抵抗値を、それぞれ同じ抵
抗値RKとし、タッチパネルに指等がタッチされた場合
の抵抗器両端の電圧をそれぞれV1、V2とする。
【0005】図14に示した回路構成および上記の条件
の場合、オームの法則を基に、次の(1)式が導かれ
る。
【0006】
【数1】
【0007】(1)式において、電圧VlおよびV2は計
測により求められる値であり、また、(1)式中のRO
/RKは(2)式において、V01およびV02を計測するこ
とによって求められる値である。
【0008】したがって、電圧VlおよびV2を計測する
ことにより、RL/RO、すなわち、電極間の幅(RO
相当)に対する一方の電極からの距離(RLに相当)の
割合、換言すれば幅方向の位置を求めることができる。
X軸とY軸の両方について、同様な計測を行うことによ
り、X−Y座標におけるタッチ位置(座標)を求めるこ
とができる。
【0009】このような従来のタッチパネル装置は、例
えば、特表昭56−500230号公報(「タッチパネ
ルシステム及び方法」)、特開昭63−108423号
公報に(「指タッチ式座標出力装置」)などに開示され
ている。
【0010】タッチパネル装置は、前述のような長所が
ある反面、導電膜の特性(抵抗値)の経時的な変化、使
用環境の変化等の影響を受け、タッチ位置の検出精度が
低下するという欠点がある。このような問題を解決する
ための対策として、例えば、特開平5−80922号公
報には、自動的にキャリブレーションを行う方法が開示
されている。この方法では、タッチパネルの押下回数の
累積値を記憶するようにして、押下回数に応じて自動的
に位置補正を行う対策が採られている。この方法によ
り、ある程度の位置補正は可能と考えられる。しかし、
使用回数などに伴って変化した状態の導電膜の抵抗値そ
のものが求められていないので、間接的な位置補正とな
っている。また、位置補正に、使用環境の変化が反映で
きないという欠点がある。
【0011】この他、タッチパネルには、製造の際に生
じるタッチパネル面内における導電膜の抵抗値の不均一
性に起因するタッチ位置の検出精度不良、導電膜の外周
に設けられた抵抗値の低い導電性材料で構成された電極
が抵抗を持っていることに起因するタッチ位置検出精度
不良などの問題もある。
【0012】なお、この後者の電極の抵抗に起因する誤
差は、次の理由による。すなわち、X軸またはY軸の両
端におけるRL/RO値は、コーナ部では0または1とな
り、コーナ部以外の辺部では、0または1からずれた値
となる。コーナー部以外の辺部では、コーナー部から辺
部までの電極の抵抗に比例した電圧降下が生じるからで
ある。そのため、上記(1)式では検出精度が著しく低
い。 また、タッチパネルのタッチ位置検出に対して
は、タッチパネル装置の電源や周辺の機器から放射され
るノイズによる検出精度の低下がある。このようなノイ
ズや装置固有の誤差に起因するデータのばらつきを補正
する方法として、特開平10−333835号公報に
は、複数のタッチデータを検出し、その内の最大値と最
小値を除き、残りのデータの平均値を求める方法が開示
されている。この場合には、測定時に発生するノイズに
起因する誤差を補正することはある程度可能と考えられ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】タッチパネルに描画や
手書き入力が行われる場合のように、タッチ位置が連続
的に移動する場合には、一連の動きの中で、移動に従っ
てタッチ圧が低下する傾向がある。例えば、指がタッチ
パネル上を移動する場合、移動とともにタッチ圧が低下
しタッチパネルに対する接触面積が小さくなる。このよ
うにタッチ圧が低下するとタッチ電圧が低下するので、
タッチ信号か否かの判定条件によっては、タッチとして
認識されないことが起こる。したがって、タッチ位置が
連続的に移動する場合には、タッチ位置の検出精度が低
下しやすいことが分かった。
【0014】この他、前述のように、ノイズの影響を防
止するためには、前述の特開平10−333835号公
報に開示されているような平均値を求める方法がある。
しかし、連続的に移動するタッチ位置の検出に平均値を
求める方法を応用する場合、平均値を求めるためのデー
タの母数を多くすると、タッチ位置の検出を時間的に追
随させることが難しく、逆に母数が少ないと平均値を求
める効果が得られないことが確認された。
【0015】また、本発明者らは、タッチパネル装置の
検出精度に及ぼす要因を検討した結果、上記の問題に加
えて、個々のタッチパネル装置が持つ浮遊容量、すなわ
ち、タッチパネル装置の導電膜、電極、引き回し線など
と、大地(接地)またはタッチパネル装置を組み込んだ
筐体との間に生じる浮遊容量が、タッチ位置の検出精度
を低下させるという問題があることを見いだした。
【0016】図1は、本発明者らによって確認された、
タッチパネル装置表面の導電膜、電極、引き回し配線な
どと、大地(接地)またはタッチパネル装置を組み込ん
だ筐体との間に生じる浮遊容量(C1およびC2)によ
り、人の指やタッチペンが導電膜にタッチされていない
状態でも、電流計測用抵抗器RK、RKの両端に、電圧
(オフセット電圧)が発生することを説明するための回
路図である。
【0017】タッチパネル装置におけるタッチ位置検出
には、導電膜に人の指やタッチペンがタッチされていな
い場合には、電流計測用抵抗器RK、RKの両端に電圧が
発生することがなく、タッチされた時にはじめて電圧が
発生することが前提条件である。したがって、上記のよ
うなオフセット電圧の存在は、検出精度の低下を引き起
こす直接的な要因となる。
【0018】図1(a)に示したように、上記の浮遊容
量は、タッチパネル装置の基本回路においては、C1
よびC2として表すことができる。このC1およびC2
存在により、電流計測用抵抗器RK、RKの両端に、オフ
セット電圧(Vf1、Vf2)が発生することになる。導電
膜に人の指やタッチペンがタッチされた場合にも、電流
計測用抵抗器RK、RKの両端の電圧には、このオフセッ
ト電圧が含まれる。したがって、オフセット電圧の影響
を取り除くことができなければ、正確にタッチ位置を検
出することができないと言える。
【0019】上記の検討結果を考慮すると、前述の導電
膜の経時的な変化、使用環境の変化等に起因するタッチ
位置の検出精度低下および上記のタッチパネル装置固有
の浮遊容量に起因するタッチ位置の検出精度低下の両者
の問題を同時に解決しなければ、タッチパネル装置のタ
ッチ位置の検出精度を向上させることができないことを
確認した。
【0020】本発明は、上記の問題を解決することがで
きるタッチパネル装置、すなわち、タッチパネル装置の
電源や周辺の機器から発生するノイズ、タッチ位置が連
続的に移動する場合のタッチ圧の変動に起因するタッチ
検出精度の低下の問題を解決することができる、製造コ
ストが安いタッチパネル装置を提供することを目的とす
る。さらに、本発明は、上記の問題の解決に加えて、タ
ッチパネルに設けられた導電膜の特性の経時的な変化、
タッチパネル装置の使用環境の変化などに起因するタッ
チ位置の検出精度低下およびタッチパネル装置固有の浮
遊容量に起因するタッチ位置検出精度低下、等の問題を
すべて解決することができる、タッチ位置検出精度に優
れ、製造コストが安いタッチパネル装置を提供すること
を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタッチパネ
ル装置(請求項1に記載の装置)は、基板の表面に導電
膜を備えるタッチパネルと、該タッチパネルの外周部に
配置された第1の電極および第2の電極と、前記第1の
電極および第2の電極に交流電流を供給する交流電流発
生手段と、前記第1の電極と前記交流電流発生手段との
間および前記第2の電極と前記交流電流発生手段との間
にそれぞれ配置され、第1の電極側の電流および第2の
電極側の電流を計測する電流計測手段とを備え、計測さ
れた前記第1の電極側の電流および前記第2の電極側の
電流からタッチ位置を算出するタッチパネル装置におい
て、前記算出されたタッチ位置を基に、前記タッチパネ
ルにタッチされた状態が連続的か否かを判定するタッチ
状態判定手段と、前記タッチ位置が前回のタッチ位置に
対して移動したか否かを判定するタッチ位置移動判定手
段と、該タッチ位置移動判定手段による判定結果に応じ
てタッチ判定用しきい値を設定するしきい値設定手段
と、前記タッチ位置移動判定手段による判定結果に応じ
て、最新のタッチ位置データを設定するタッチ位置デー
タ設定手段と、該最新のタッチ位置データおよび前回ま
でのタッチ位置判定結果を基に、今回のタッチ位置を判
定する第2のタッチ位置判定手段とを備えることを特徴
とする。
【0022】上述の本発明に係るタッチパネル装置(請
求項1に記載の装置)は、タッチ状態が連続的な場合に
は、今回のタッチ位置検出値と前回のタッチ位置判定値
とを基に移動量を判定し、移動量に応じてタッチしきい
値を決定するとともに、前回までのタッチ位置判定結果
を利用して今回のタッチ位置を判定する手段を備えてい
る。そのために、連続的にタッチされている状態でタッ
チ圧が変動し、タッチされているか否かの判定が難しい
ような場合でも、精度よくタッチ位置を判定することが
可能である。それとともに、タッチ位置移動判定手段に
より、タッチ信号とノイズとを精度よく判別し、タッチ
位置の判定からノイズを排除するようにしているので、
タッチ位置の判定に対するノイズの影響を小さく抑える
ことができる。さらに、前回までのタッチ位置判定結果
が、すでに平均化された精度の高い値であるので、平均
値を求めるのに必要なデータの母数を少なくすることが
できるために、タッチ位置の判定結果を求めるのに要す
る時間が短い。したがって、タッチパネルに描画などが
行われる場合であっても、精度よく、かつ追随性よくタ
ッチ位置の判定を行うことができる。
【0023】本発明に係る別のタッチパネル装置(請求
項2に記載の装置)は、基板の表面に導電膜を備えるタ
ッチパネルと、該タッチパネルの外周部に配置された第
1の電極および第2の電極とからなる2つの電極と、前
記第1の電極および第2の電極に交流電流を供給する交
流電流発生手段と、前記第1の電極と前記交流電流発生
手段との間および前記第2の電極と前記交流電流発生手
段との間に配置され、第1の電極側の電流または第2の
電極側の電流を計測する電流計測手段とを備え、計測さ
れた前記第1の電極側の電流および前記第2の電極側の
電流からタッチ位置を算出するタッチパネル装置におい
て、前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少な
くとも一方の電極と前記交流発生手段の一端との間に、
スイッチを介した抵抗器を備え、前記第1の電極側と第
2の電極側毎にオフセット電圧V fを判定するVf値判定
手段と、前記第1の電極側と第2の電極側毎に前記スイ
ッチオンにおける前記電流計測手段の両端の電圧V0
判定するV0値判定手段と、前記電圧VfおよびV0値を
基に、タッチ位置検出値に対する自己補正値を求める自
己補正値判定手段と、前記スイッチがオフで、タッチパ
ネルにタッチされた状態における前記電流計測手段の両
端の電圧Vtを判定するVt値判定手段と、前記自己補正
値およびVt値を基に、タッチパネル上のタッチ位置を
判定する第1のタッチ位置判定手段と、該第1のタッチ
位置判定手段によって求められたタッチ位置を基に、前
記タッチパネルにタッチされた状態が連続的か否かを判
定するタッチ状態判定手段と、前記タッチ位置が前回の
タッチ位置に対して移動したか否かを判定するタッチ位
置移動判定手段と、該タッチ位置移動判定手段による判
定結果に応じてタッチ判定用しきい値を設定するしきい
値設定手段と、前記タッチ位置移動判定手段による判定
結果に応じて、最新のタッチ位置データを設定するタッ
チ位置データ設定手段と、該最新のタッチ位置データお
よび前回までのタッチ位置判定結果を基に、今回のタッ
チ位置を判定する第2のタッチ位置判定手段とを備える
ことを特徴とする。
【0024】また、上記のタッチパネル装置において、
前記外周部に配置された電極の数が3以上であり、電極
を結ぶ2以上の軸を座標軸とし、各座標軸方向毎に、前
記タッチ位置を判定する前記第1のタッチ位置判定手段
および前記第2のタッチ位置判定手段を有することが望
ましい。
【0025】さらに、前記各座標軸に対応する2つの電
極に対して、前記電流計測手段の接続を切り替えるため
の切り替え手段を備えることが望ましい。
【0026】上記のタッチパネル装置においては、前記
タッチパネル装置への電源投入時、またはタッチパネル
にタッチ信号がない時に随時、自己補正値判定を実行す
る機能を有することが望ましい。
【0027】また、上記のタッチパネル装置において、
前記第1のタッチ位置判定手段または前記第2のタッチ
位置判定手段によって求められたタッチ位置座標と、標
準のタッチパネルで実測された座標との関係を基に予め
作成された補正表とを備え、タッチ信号に基づいて、前
記第1のタッチ位置判定手段または前記第2のタッチ位
置判定手段によって計算されたタッチ位置座標と、補正
表の該当する座標とを照合し、前記補正表により、前記
タッチ位置座標の補正を行う機能を備えることが望まし
い。
【0028】上記の補正表による補正を行う装置に代え
て、前記第1のタッチ位置判定手段または前記第2のタ
ッチ位置判定手段によって求められたタッチ位置座標
と、標準のタッチパネルで実測された座標との関係を基
に、予め求められた補正演算手段を備え、前記第1のタ
ッチ位置判定手段または前記第2のタッチ位置判定手段
によって求められたタッチ位置座標に対して、前記補正
演算手段を用いて補正を行う機能を備える装置としても
よい。
【0029】本発明に係るタッチパネル装置において
は、前記タッチパネルが四角形以上の多角形で、前記座
標軸が2軸以上であることが望ましい。
【0030】上述のように、本発明に係る別のタッチパ
ネル装置は、上記の従来の装置構成に加えて、第1の電
極および第2の電極のうちの少なくとも一方の電極と交
流電流発生手段との一端間に、スイッチを介した抵抗器
を備えており、このスイッチがオンの状態で、Vo値判
定手段により、電流計測手段の両端の電圧Voが判定で
きるようになっている。そのために、タッチパネルの導
電膜の抵抗値の経時的な変化や使用環境に起因する変化
を検出し、導電膜の抵抗値を補正することができる。さ
らに、Vf値判定手段により、第1の電極側と第2の電
極側毎に、タッチパネル装置固有の浮遊容量に起因する
電圧Vfを検出することができる。
【0031】したがって、本発明に係る別のタッチパネ
ル装置は、導電膜の抵抗値の経時的な変化および装置自
体の持つ浮遊容量に起因するオフセット電圧を基に、タ
ッチ位置の自己補正を行うことができるように構成され
ている。そして、この自己補正値の計算が、装置への電
源投入時、特定の時間周期等、随時実行されるようにな
っている。さらに、前者の本発明に係るタッチパネル装
置(請求項1に記載の装置)の持つ、前述の特性を合わ
せ備えているので、従来のタッチパネル装置に比べて、
タッチ位置が連続的に移動するような場合でも、タッチ
位置の検出精度に極めて優れている。なお、本発明に係
る自己補正により、タッチ位置の検出精度が向上する理
由については後述する。
【0032】また、本発明に係る装置に用いられるタッ
チパネルの形状は、円形、楕円形、多角形等を含み、特
に制限されるものではない。このタッチパネルの形状が
三角形の場合には、第1の電極と第2の電極に該当する
電極とは、隣り合う辺に設けられた電極を意味する。ま
た、他の多角形の場合には、第1の電極と第2の電極
は、必ずしも正対する辺に設けられた電極同士である必
要はない。ただし、正対する辺同士を選ぶことが望まし
い。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、請求項2に記載した発明を
基に、本発明に係る好ましい実施の形態を詳細に説明す
る。請求項1に記載した発明は、請求項2に記載した発
明の構成の一部を省略したものであるので、以下の実施
の形態の説明の後にその要旨を説明する。
【0034】図2は、本発明に係るタッチパネル装置に
おける、導電膜の抵抗値の経時的な変化、使用環境によ
る変化の補正に関する原理を説明するための回路図であ
る。なお、ここでは、浮遊容量に起因するオフセット電
圧については、考慮しないことにする。導電膜(全幅の
抵抗値RO)の両端の電極には、それぞれ電流計測用抵
抗器RK、RKの一端が接続されており、電流計測用抵抗
器RK、RKの他端は、共通接続点を介して、交流電源e
に接続されている。この交流電源eの他端は接地されて
いる。導電膜の一端(電極)とこの電極に接続された電
流計測用抵抗器RKの接続点に、スイッチSを介して抵
抗器RZが接続されており、抵抗器RZの他端は接地され
ている。
【0035】この回路において、タッチパネルに指等が
タッチされた状態で、スイッチSがオフの場合と、スイ
ッチSがオンの場合について、電流計測用抵抗器RK
Kの両端の電圧が計測されたとする。スイッチSがオ
フの場合は、図14に示した場合と同じ状態である。こ
の時の電流計測用抵抗器RK、RKの両端の電圧を、それ
ぞれV1、V2とする。また、図2に示したように、タッ
チパネルに指等がタッチされていない状態で、スイッチ
Sがオンの場合については、電流計測用抵抗器R K、RK
の両端の電圧を、それぞれVO1、VO2とする。オームの
法則により、図14の状態から前記の(1)式が導か
れ、図2の状態から下記の(2)式が導かれる。
【0036】
【数2】
【0037】この(2)式を前記の(1)式に代入する
と、(3)式が得られる。
【0038】
【数3】
【0039】(3)式において、VO1、VO2、V1、V2
は、いずれも計測値であり、これらの値を(3)式に代
入することにより、RLとROの比、RL/ROを求めるこ
とができる。すなわち、タッチ時における導電膜全幅
(電極間の間隔)に対するタッチ位置(一方の電極から
の距離)の割合が求められる。この操作を、X軸とY軸
について行うことにより、タッチ位置の座標を求めるこ
とができる。
【0040】このように、電流計測用抵抗器RKの接続
点に、スイッチSを介して抵抗器RZを設けることによ
り、タッチ時における導電膜の真の抵抗値を検出した場
合とほぼ同等の精度を持つ、タッチ位置の検出が可能で
ある。この方法、装置によれば、導電膜の抵抗値の経時
的な変化や使用環境(温度、湿度等)による変化を補正
することができる。ここで、前記の(2)式で表される
K/ROは、この補正値(自己補正値)に相当する。
【0041】図1(b)に、本発明に係るタッチパネル
装置において、タッチパネル装置固有の浮遊容量に起因
するオフセット電圧がタッチ位置に及ぼす影響と、オフ
セット電圧の影響を補正する方法を説明するための回路
図を示した。
【0042】タッチパネルに人の指等がタッチされてい
ない状態における、電流計測用抵抗器RK、RKの両端の
オフセット電圧を、それぞれVf1、Vf2とする。タッチ
パネルに人の指等がタッチされた際に、電流計測用抵抗
器RK、RKの両端に発生する電圧を、それぞれV1'、V
2'とし、タッチパネルにタッチされたことに起因する電
圧をV1、V2とする。V1'、V2'には、それぞれ、導電
膜へのタッチに起因する電圧V1、V2と、オフセット電
圧Vf1、Vf2とが含まれるので、V1'、V2'は次の
(7)式、V1、V2は次の(8)式のように表される。
【0043】
【数7】
【0044】
【数8】
【0045】したがって、オフセット電圧を考慮した場
合には、前出の(3)式は、下記の(4)式、すなわち
下記の(5)式となる。
【0046】
【数4】
【0047】
【数5】
【0048】同様に、前出の(2)式は、(6)式のよ
うに表される。本発明においては、(6)式で求められ
るRK/ROを自己補正値と呼ぶ。
【0049】
【数6】
【0050】これらの(5)式および(6)式を用いる
ことにより、タッチパネル装置固有のオフセット電圧の
タッチ位置検出に及ぼす影響を補正することが可能で、
オフセット電圧に起因するタッチ位置検出精度の低下を
防止することができる。
【0051】本発明においては、上述の経時的な変化等
に起因するタッチ位置検出精度の低下およびオフセット
電圧に起因するタッチ位置の検出精度の低下という2つ
の重要な問題を解決するために、上記の説明からも明ら
かなように、具体的には、次の2つの対策を講じる。
【0052】その第1は、タッチパネルにタッチされて
いない状態で、オフセット電圧を計測し、タッチ位置の
計算または装置に関する自己補正(自己補正値の計算)
に反映させること、その第2は、導電膜の周囲の電極と
交流発生手段との間に抵抗器を設け、抵抗器を利用する
ことにより、導電膜の経時変化等の補正を可能にするこ
とである。
【0053】これらの2つの対策を実現することができ
る、本発明に係るタッチパネル装置について、以下に具
体的に説明する。
【0054】図3は、本発明の一実施の形態に係るタッ
チパネル装置の全体構成を示すブロック図である。ま
た、図4は、図3に示したタッチパネル装置に用いられ
るタッチパネルの構成例を示す図である。
【0055】図4に示したタッチパネルは、パネルの形
状が四角形、すなわち、座標軸がXとYの2つであり、
もっともよく用いられる形状の例である。
【0056】タッチパネル1は、長方形のガラス、樹脂
製のフィルム等の基板2と、その表面に形成された導電
膜3と、導電膜3の外周部、すなわち4つの辺部に設け
られた電極4a、4b、4cおよび4dを備えている。
これらの電極のうち、X軸またはY軸方向で対向する電
極が第1の電極と第2の電極の組み合わせとなる。な
お、タッチパネル用の基板2は、透明である必要はな
く、適用する装置により適宜選択すればよい。
【0057】ここで、「タッチパネル面の相対する辺
部」とは、図4に示したタッチパネルの例においては、
X軸方向は左側の辺部と右側の辺部、Y軸方向は上側の
辺部と下側の辺部を意味する。四角形を超える多角形の
場合についても、同様に相互に相対する辺部に位置する
関係を表す。
【0058】導電膜の抵抗値は数百Ω〜数kΩ/方形が
望ましい。また、電極4a、4b、4cおよび4dとし
ては、数Ω〜数100Ωが望ましく、導電膜よりも低い抵
抗値でなければならない。実際のタッチパネルでは、電
極は低い抵抗値ではあるが抵抗を有している。そのた
め、X軸またはY軸の両辺では、RL/ROの値は、コーナ
部では0または1となり、コーナ部以外の辺部では0ま
たは1からずれた値となる。パネル辺部で起こる曲線現
象は、導電膜の抵抗値および電極の抵抗値を上記抵抗値
の範囲内において調整することにより、ある程度直線化
することが可能である。また、導電膜の表面には、タッ
チパネルの耐久性を向上させるために、絶縁性保護コー
トまたは保護用フィルムを設けてもよい。
【0059】なお、ここでは、おもに人の指で導電膜3
がタッチされる場合を想定しているが、人の指以外の導
電性リード線付きのタッチペン等を用いてもよいことは
言うまでもない。この場合、リード線は大地に接続され
ていることが望ましいが、回路上の接地(GND)への
接続でも差し支えない。
【0060】タッチパネル表面の導電膜3の外周部の4
辺に設けられている電極4a、4b、4cおよび4dに
は、それぞれ外部接続用のリード部5a、5b、5cお
よび5dが接続されている。これらのリード部と交流電
源への接続は、切り替え手段による電極の組み合わせの
選択により、導電膜におけるX軸方向の計測とY軸方向
の計測とを切り替えることができる。すなわち、リード
部5bと5dとの組み合わせにより、X軸方向の電極4
bと4dとの間の計測、リード部5aと5cとの組み合
わせにより、Y軸方向の電極4aと4cとの間の計測を
行うことができる。
【0061】図3に示したように、本発明の実施の形態
に係るタッチパネル装置は、タッチパネル1、X−Y切
り替え回路12、交流電流発生手段である交流電源e、
抵抗器RZ、そのオン、オフを行うためのスイッチAと
B、交流電源とのオン、オフを行うためのスイッチC、
電流計測手段である2つの電流計測用抵抗器RK、RK
差動装置回路15と16、バンドパスフィルタ17と1
8、全波整流回路19と20、A/Dコンバータ21、
比較回路22、A/Dコンバータ21、制御手段である
マイコン13を備えている。
【0062】この装置において、タッチパネル1の外部
接続用リード部5a、5b、5cおよび5dは、X−Y
切り替え回路12に接続されており、マイコン13から
の切り替え信号XYCによって、X軸方向の計測と、Y
軸方向の計測とが切り替えられるように構成されてい
る。X−Y切り替え回路12の2つの出力端には、それ
ぞれ電流計測用抵抗器RK、RKの一端が接続されてお
り、抵抗器RK、RKの他端は共通接続点を有し、スイッ
チCを介して、一端が接地された交流電源eに、電気的
に接続されている。そして、マイコン13からのオン、
オフ信号OSCによって、交流電源のオン、オフ(スイ
ッチCのオン、オフ)が行われる。
【0063】X−Y切り替え回路12の2つの出力端と
電流計測用抵抗器RKとの接続点には、それぞれスイッ
チA、Bの一端が接続され、スイッチA、Bの他端は共
通接続点を有し、抵抗器RZが接続されており、RZの他
端は接地されている。スイッチAおよびBは、それぞれ
マイコン13からのオン、オフ信号LG、HGによって
オン、オフされる。
【0064】2つの抵抗器RKの両端の電圧は、それぞ
れ差動増幅回路15、16に入力され、差動装置回路1
5、16の出力は、それぞれバンドパスフィルタ17、
18に入力され、ノイズ成分が除去された後、全波整流
回路19、20に出力される。ここで交流が直流に変換
され、A/Dコンバータ21に入力されて、アナログ信
号がディジタル信号に変換されて、比較回路22に出力
される。A/Dコンバータ21でデジタル値に変換され
た出力値は、抵抗器RKの両端の電圧としてマイコン1
3に入力され、後述する演算法により、タッチ位置が計
算される。比較回路22は、全波整流回路19、20か
らの入力に応じて、タッチ判定用信号V Tをマイコン1
3に出力する。比較回路22は、V1、V2のどちらかの
信号がある規定値を超えて検出された時、タッチ有りと
認識して、マイコン13に信号を伝達する。
【0065】このような構成を持つタッチパネル装置に
より、浮遊容量に起因するオフセット電圧:Vf値判定
手段、各座標軸毎の導電膜の抵抗値の自己補正に用いら
れる電圧:Vo値判定手段、Vf値、VO値を基にした自
己補正値判定手段、タッチパネルにタッチされた際の電
圧:Vt値判定手段、これらのデータを基にした、タッ
チ位置判定手段等を実現することが可能である。
【0066】次に、本発明に係るタッチパネル装置内で
実行される動作について、フローチャートを用いて具体
的に説明する。全体のフローを図5〜図11に分けて示
す。図5は、オフセット電圧を取得する過程(Vf値判
定手段に関する動作等)、図6は、X軸方向に関するオ
フセット電圧の補正を含めた自己補正値の計算と計算結
果の記憶手段への格納の過程(Vo値判定手段、自己補
正値判定手段に関する動作等)、図7は、Y軸方向に関
するオフセット電圧の補正を含めた自己補正値の計算と
計算結果の記憶手段への格納の過程(Vo値判定手段、
自己補正値判定手段に関する動作等)、図8は、タッチ
信号を検知した際に、タッチ位置を計算し出力する過程
(Vt値判定手段、第1のタッチ位置判定手段などに関
する動作等)を示すフローチャートである。
【0067】また、図9は、図8に示したフローチャー
トの内のD−E部、すなわち、タッチ状態が連続的な場
合におけるタッチ位置移動判定手段、第2のタッチ位置
判定手段などに関する動作等を、図10は、図9に示し
たフローチャートの内のF−G部、すなわち、連続的に
検出されるタッチ信号が定常的な平均値を計算するため
の信号数に満たない場合の動作を示すフローチャートで
ある。
【0068】さらに、図11は、図5に示されているデ
ータ設定の初期化過程を詳細に示したフローチャートで
ある。
【0069】図5は、装置固有の浮遊容量に起因するオ
フセット電圧を取得する過程のフローチャートである。
まず、マイコン内部のRAMのクリアおよびマイコン内
部のデータ設定の初期化を行う(ステップS50)。
【0070】次に、オフセット電圧が計測する。はじめ
に、X−Y切り替え回路12によりX軸方向の計測に切
り替える(ステップS51)。その状態で、タッチ判定
用信号VTに関する判断を行い(ステップS52)、タ
ッチ信号ではない(VT:“L”)と確認した場合に
は、図3に示したブロック図におけるスイッチAおよび
Bをオフ、スイッチCをオンに設定する(ステップS5
3)。さらに、タッチパネルに何もタッチされていない
状態で、2つの電流計測用抵抗器RK、RKの両端の電圧
(X軸方向のオフセット電圧)、それぞれVf1X、Vf2X
を計測し、取得する(ステップS54)。続いて、Y軸
方向の計測に切り替え(ステップS55)、X軸方向の
場合と同様の手順で、タッチ信号か否かの判断(ステッ
プS56)を行い、タッチ信号ではない場合には、Y軸
方向のオフセット電圧Vf1Y、Vf2Yを計測し、取得する
(ステップS57)。
【0071】なお、ステップS52、ステップS56
で、タッチ信号である(VT:“H”)と判断した場合
(符号:NO)には、それぞれステップS52、ステッ
プS56を繰り返す。これらの計測により、装置固有の
浮遊容量の補正に必要なオフセット電圧に関するデータ
が得られ、これらの取得されたオフセット電圧Vf1X
f2XおよびVf1Y、Vf2Yを、いずれもマイコン13内
の記憶手段(RAM)に格納する。
【0072】ここで、タッチ判定用信号VTとは、タッ
チ信号であるか否かを識別する信号である。この信号
は、電流計測用抵抗器RK、RKの両端の電圧の電圧
1、V2が、比較回路22に入力され、予め設定されて
いるしきい値と比較され、しきい値より高ければ
“H”、低ければ“L”と区別されて発信される信号で
ある。すなわち、タッチ判定用信号が“H”であればタ
ッチ信号、“L”であればタッチ信号ではないと識別で
きる信号である。タッチ信号であるかの判断は、上記の
ようなしきい値を用いてもよいが、信号の出力の立ち上
がりを、時間で微分するような方法を採用することもで
きる。
【0073】次に、図6に示したフローチャートに従っ
て、X軸方向について、導電膜の経時変化等の補正に必
要なデータを取得し、これらのデータおよびオフセット
電圧のデータを用いて、自己補正値を計算し、求められ
た自己補正値をマイコン内の記憶手段(RAM)に格納
する。
【0074】まず、計測方向をX軸方向に切り替える
(ステップS61)。その状態で、タッチ判定用信号V
Tに対する判断を行い(ステップS62)、タッチ信号
ではない(VT:“L”)と判断した場合には、図3に
示したブロック図におけるスイッチAまたはBがオン、
スイッチCをオンに設定する(ステップS63)。人の
指等がタッチパネルにタッチされていない状態で、電流
計測用抵抗器Rk、Rkの両端の電圧VO1X'、VO2X'(オ
フセット電圧を含む電圧)を計測し、オフセット電圧V
f1X、Vf2Xを差し引くことにより、オフセット電圧を含
まないRk、Rkの両端の電圧VO1X、VO2Xを求める(ス
テップS64)。これらの得られた値を基に、(6)式
により、X軸方向の自己補正値を計算する(ステップS
65)。
【0075】この段階で、スイッチAおよびBをオフ、
スイッチCをオンに設定し(ステップS66)、タッチ
判定用信号VTに対する判断を行い(ステップS6
7)、タッチ信号ではないこと(VT:“L”)を確認
すれば、X軸方向の自己補正値RK/ROXとして、マイ
コン内の記憶手段(RAM)に格納し、保存する。な
お、ステップS67で、タッチ信号と判断した場合に
は、今回求められた自己補正値を破棄し、ステップS6
1に戻って、同じ操作を繰り返す。また、ステップS6
2で、タッチ信号と判断した場合にも、ステップS61
に戻る。
【0076】図7は、Y軸方向について、導電膜の経時
変化等の補正に必要なデータを取得し、これらのデータ
およびオフセット電圧のデータを用いて、自己補正値を
計算し、求められた自己補正値をマイコン内に保存する
過程を示すフローチャートである。図7の場合には、上
述のX軸方向について自己補正値を求める場合に比べ
て、計測方向がY軸方向という相違があるだけであるの
で、詳細な説明は省略する。
【0077】図5〜図7に示した過程に従って、X軸方
向の自己補正値RK/ROX、Y軸方向の自己補正値RK
OYが求められる。これらの自己補正値には、タッチパ
ネル装置固有の浮遊容量に起因するオフセット電圧、導
電膜の抵抗値の経時変化、使用環境の変化等、タッチ位
置以外の外的要因に起因する、タッチ位置の検出精度を
低下させる要因の補正が含まれている。したがって、タ
ッチ信号が検知された際には、(5)式における自己補
正値として、上記の過程で求められ、マイコン内に格納
されている自己補正値を用いて、タッチ位置を演算すれ
ばよい。
【0078】上述の図5〜図7の過程に従って求められ
る、オフセット電圧Vf1X、Vf2XおよびVf1Y、Vf2Y
らびに導電膜の経時変化とオフセット電圧の影響を含む
電圧VO1X'、VO2X'は、タッチパネル装置が使用されて
いない任意の時間帯に計測することが可能である。した
がって、自己補正値は、随時求めることができる。例え
ば、空き時間を利用して、一定の時間周期でこれらの計
測を行い、自己補正値を計算し、常に最新の値を記憶手
段に保存しておいてもよいし、タッチパネル装置の起動
時に自己補正値を計算し記憶手段に保存しておいてもよ
く、これらを併用してもよい。この自己補正値を更新す
るための制御は、マイコン等を利用すればよい。
【0079】図8は、タッチ信号が検知された際に、タ
ッチ位置を計算し、出力する過程を示すフローチャート
である。ステップS76の段階で、スイッチAおよびB
がオフ、スイッチCがオンに設定されているので、タッ
チ信号を検知できる状態にある。
【0080】タッチ位置の計測方向がX軸に切り替えら
れている状態で(ステップS80)、タッチ判定用信号
Tが入力されるのを待つ。タッチ判定用信号VTを検知
すると、タッチ信号であるか否かを判断する(ステップ
S81)。
【0081】ここで、以後の説明では、タッチ信号であ
るか否かを判定するためのしきい値を操作し変更するの
で、しきい値をγVTで表示するものとし、ベースとする
しきい値をγVT・0とする。先に記したVT:“H”はVT
>γVT・0を意味し、VT:“L”はVT≦γVT・0を意味す
る。
【0082】タッチ信号(VT>γVT・0)であれば、電
流計測用抵抗器RK、RKの両端の電圧、V1X'、V2X'を
取得し、(8)式によりV1X、V2Xを計算する(ステッ
プS82)。これらのデータおよびマイコン等に格納さ
れているX軸方向の自己補正値RKX/ROXを基に、
(5)式により、X軸方向のタッチ位置RLX/ROXを計
算する(ステップS83)。
【0083】次に、計測方向をY軸方向に切り替え(ス
テップS84)、X軸の場合と同様な手順を経て、
(5)式により、Y軸方向のタッチ位置RLY/ROYを計
算する(ステップS85、S86)。上記のステップS
80〜86により、タッチ位置の座標(RLX/ROX、R
LY/ROY)が求められたことになる。この段階で求めら
れるのが、第1のタッチ位置判定手段によって決定され
る第1のタッチ位置判定値である。
【0084】次に、タッチ状態が連続的か否か、タッチ
状態の判断を行う(ステップS87)。タッチ状態が連
続的か否かの判断は、前回のタッチ信号VTの検出から
今回の検出までに、所定の時間間隔、例えば10μse
c程度の時間があれば非連続と判定し、その時間に満た
ない場合には連続と判断する。この他、一定の時間間隔
でクロックを発生させ、そのクロックに応じてタッチ信
号が検出されれば連続、検出されなければ非連続と判断
してもよい。
【0085】タッチ状態が非連続と判断された場合に
は、ステップS88−1へ進み、第1のタッチ位置判定
手段によるタッチ位置判定値RLX/ROX(=XP・C)、
LY/ROY(=YP・C)を、いったん記憶装置に格納す
る。次に、タッチ状態が非連続的な場合には、しきい値
を変更する必要がないので、しきい値γVT・PをγVT・0
設定する(ステップS88−2)。
【0086】その後、ステップS89において、タッチ
信号であるか否かを再確認し、タッチ信号であれば、タ
ッチ位置判定値を出力し(ステップS90−1)、タッ
チ信号でないと判断された場合には、今回の判定値を破
棄する(ステップS90−2)。
【0087】ステップS87において、タッチ状態を連
続的と判断した場合には、図8に示されているDに進
み、タッチ信号が連続的な場合について、第2のタッチ
位置判定を行う。本発明に関する重要な特徴は、このD
〜E間にあり、本発明では、このステップを経ることに
より、タッチパネルで描画が行われる場合のようなタッ
チ圧低下などの変動が検出精度に及ぼす影響を抑制する
とともにノイズ等の影響を排除することにより、検出精
度の向上を図っている。
【0088】図9は、図8に示したD〜E間における、
第2のタッチ位置判定を行うための詳細な動作を示すフ
ローチャートである。まず、前回までの連続するタッチ
信号の検出数Pが、第2のタッチ位置判定手段による判
定値を求める際に平均値を計算するのに必要な母数nに
達しているか否かを判断し(ステップS91)、n未満
の場合には後に説明するFへ進み、n以上の場合にはス
テップS92に進む。ここで、今回のタッチ位置(最新
のタッチ位置)は、第1のタッチ位置判定手段によって
決定された値とし、XP・C、YP・Cにより表示するものと
する。なお、X P・C、YP・Cは、座標名XP、YPに格納さ
れている座標値(計算値)とする。
【0089】ステップS92では、前回のタッチ位置判
定値(後述の第2のタッチ位置判定値)であるX
AV・(p-1)、YAV・(p-1)と今回の計算で求められた
P・C、YP・Cとから、(9)式、(10)式により、移
動量ΔXP・C、ΔYP・Cを計算する。 ΔXP・C=XP・C−XAV・(p-1) (9)式 ΔYP・C=YP・C−YAV・(p-1) (10)式 次に、X軸について、移動量ΔXP・Cが所定の値αXを超
えているか否かを判断し(ステップS93)、超えてい
ない場合にはXP・C値を前回のタッチ位置判定値X
AV・(p-1)に設定する(ステップS94)。なお、移動量
ΔXP・Cが所定の値αXを超えている場合にはXP・Cをそ
のままの値としておく。Y軸についても、X軸の場合と
同様な処理を行う(ステップS95、S96)。
【0090】ここで、αXとαYは、座標分解能程度の1
%前後でよい。この方法では、タッチ位置座標は、厳密
にはαxとαyを基準として段階状に変化することにな
るが、座標分解能程度の1%前後であれば、実用上十分
な精度で、移動量ΔXP・Cを採用すべきか否かの判断を
行うことができる。なお、分解能1%とは、パネル面に
おける長さの割合をに相当し、例えば画面の幅が100
mmの場合は1mmを意味する。
【0091】上記の判断の結果、今回のX軸のタッチ位
置計算値XP・C(最新のタッチ位置データと記す)の値
は、移動量ΔXP・Cが所定の値αXを超えている場合には
P・ C、ΔXP・CがαX以下の場合にはXAV・(p-1)とな
る。Y軸の今回のタッチ位置計算値YP・Cの値も同様で
ある。
【0092】このように、上記のステップS96までの
動作により、タッチ位置XPC、およびYPCを決定して
最新のタッチ位置データとして設定する。
【0093】ここで、タッチ判定用しきい値の設定を行
う。ステップS93およびS95でYESの場合、すな
わち、ΔXP・C>αX、ΔYP・C>αYの場合には、タッチ
位置が連続的に移動していることが明らかであり、タッ
チ圧が低下していくことが予想されるので、タッチ判定
用しきい値を低くする。この操作がステップS97であ
り、しきい値γVT・Pを、γVT・(P-1)×A(係数)に置き換
える。すなわち、しきい値γVT・Pを、(11)式により
設定する(ステップS97)。 γVT・P=γVT・(P-1)×A (11)式 一方、ΔXP・C、ΔYP・Cのうちのいずれかが、ΔXP・C
≦αX、ΔYP・C≦αYの場合には、タッチ位置が移動し
ていないと判断し、しきい値γVT・Pはそのままの値γ
VT・(P-1)とする(ステップS98)。
【0094】なお、上記の係数Aについては、0.5〜
0.9の範囲が望ましく、0.6〜0.7の範囲がさら
に望ましい。
【0095】次に、ステップS96までに求めた最新の
タッチ位置データXP・C、YP・Cを、記憶手段に格納し
(ステップS99)、その後ステップS100におい
て、前回までのタッチ位置XAV・(p-n)〜XAV・(p-1)、Y
AV・(p-n)〜YAV・(p-1)および最新のタッチ位置データX
P・C、YP・Cを用いて、下記の(12)式および(13)
式により、今回のタッチ位置座標(XAV・p、YAV・p)を
計算する。なお、このステップS100で求められるの
が、第2のタッチ位置判定手段によって決定されるタッ
チ位置判定値であり、いったん記憶手段に格納する(ス
テップS101)。
【0096】
【数9】
【0097】図12は、ステップS93〜S100の間
における第2のタッチ位置判定手段による第2のタッチ
位置判定値XAV・pの計算方法例を説明するための図であ
る。図12に示した方法は、X軸に関する第2のタッチ
位置判定値XAV・pを決定するのに、前回までのn個のX
P値を基に移動平均を行う方法である。計算式は上記
(12)式であり、図中にも示した。
【0098】図12(a)に示されているように、読み
取り回数Pに対応する座標名XPには、座標値として、
Pが7、9、12の場合には、XAV・7、XAV・9、X
AV・12が格納されている。これは、上記のステップS9
3〜S96で説明したように、X P・Cが所定の値αXを超
えなかったからである。このような値を含むそれぞれの
座標XPにおける座標値XP・C値を用いて、図12(b)
に示したような方法で移動平均値を求めて、第2のタッ
チ位置判定値XAV・Pとする。Y軸に関する第2のタッチ
位置判定方法も同様である。
【0099】移動平均値を求めるための母数nについて
は、タッチパネル装置の特性、使用環境、時間に関する
追随性等を考慮して決定するのがよい。通常、母数n
は、5〜15程度の範囲が望ましく、8程度がもっとも
実用的である。
【0100】上記のようなステップを経て、第2のタッ
チ位置判定手段による判定結果が求められる。なお、R
AMなどの記憶手段には、上記のXP・C、YP・C(最新の
タッチ位置データ)および第2のタッチ位置判定値X
AV・P、YAV・Pの両者を格納するのがよい。ただし、記憶
手段には、少なくとも第2のタッチ位置判定値XAV・P
AV・Pを格納する(ステップS101)。
【0101】図10は、説明を後回しにした図9におけ
るF〜Gの間の動作を示すフローチャートである。F〜
G間は、タッチ状態が連続的ではあるが初期の段階であ
り、移動平均値を求めるためのタッチ位置データの母数
が、所定の数nに満たない場合である。図10に示した
方法は、タッチ位置データの数Pがnに達するまでの間
は、それまでに検出したXP・C、YP・Cを加重平均し、今
回のタッチ位置データとする方法である。加重平均にお
ける加重のかけ方は、図10に示した(14)式、(1
5)式のように、今回のタッチ位置データに時間的に近
いデータほど加重が大きくなるようにするのがよい。
【0102】なお、加重のかけ方は、(14)、(1
5)式以外の方法でも差し支えない。ただし、今回のデ
ータに近いほど、加重を大きくするのが望ましい。
【0103】現実的には、タッチ信号の検出回数、すな
わちタッチ位置データが、前述のステップS102〜S
105における計算に必要な母数nに達するまでの時間
は極めて短い。したがって、この間のタッチ位置データ
を無視したとしても、タッチ信号の検出条件によって
は、視覚的にはほとんど見分けられない程度の場合があ
る。
【0104】このために、上述のように、加重平均を取
らずに、単にそれまでのデータの平均値を用いるように
することもできる。さらに、タッチ信号の検出条件によ
っては、必要なn数に達した後に、前述のステップS9
2以降に進むように設定することも可能である。
【0105】また、図9に示したフローチャートの場合
には、連続するタッチ信号として、初回のタッチ信号か
ら採用することになる。タッチ位置判定の精度を向上さ
せる必要がある場合には、始めのいくつかのデータ、例
えば2〜3個をステップS92以降の計算から除外する
ようにしてもよい。
【0106】図8に戻り、ステップS88が終わった段
階で、タッチ位置計算に用いられた信号がタッチ信号で
あること(VT>γVT・P)を再確認する(ステップS8
9)。タッチ信号であれば、タッチ状態が非連続的な場
合にはタッチ位置の座標(R LX/ROX、RLY/ROY)、
すなわち(XP・C、YP・C)を出力し、タッチ状態が連続
的な場合にはタッチ位置の座標(XAV・P、YAV・P)を出
力する(ステップS90−1)。タッチ信号ではない
(VT≦γVT)場合には、タッチ位置計算が正しく行わ
れていないことになるので、今回求められたタッチ位置
座標を破棄する(ステップS90−2)。その後、ステ
ップS80に戻り、待機状態(タッチ判定用信号VT
しきい値γVT・0を超えるのを待つ)となり、タッチ信号
の検知に備える。
【0107】なお、ステップS87でタッチ状態が非連
続と判断された場合には、しきい値に変更がないため、
γVT・PにはγVT・0をそのまま用いる(ステップS88−
2)。 また、上記の説明では、タッチ状態が非連続の
場合には第1のタッチ位置判定結果を出力し、タッチ位
置が移動することを想定した、タッチ状態が連続の場合
には第2のタッチ位置判定を行い、前回までのタッチ位
置判定値を利用して平均値を求め、その結果を出力する
方法を説明した。しかし、タッチパネルが実用される際
には、タッチ位置が移動しない場合でも、ある程度の時
間同じ位置におけるタッチ信号が検出されるようなタッ
チのされ方がある。そのような場合には、タッチ位置が
移動しない場合でも、タッチ状態が連続的であるとして
タッチ信号を処理することにより、タッチ位置の判定精
度を向上させることが可能である。本発明に係る装置
も、そのような設定にすることができる。
【0108】図11は、図5におけるステップS50に
示した、データ設定の初期化に関する手順を説明するた
めのフローチャートである。自己補正値の計算やタッチ
位置の計算・出力に先立って、タッチパネル装置の調整
を行っておく必要がある。ただし、この調整は、各タッ
チパネル装置について、一度だけ行なっておけばよい。
【0109】先ず、初期化(ステップS111)を行っ
た後、スイッチA、Bをオン(ステップS112)、ス
イッチCをオフ(ステップS113)に設定し、全波整
流回路19および20のオフセットを0に調整する(ス
テップS114)。次に、スイッチCをオン(ステップ
S115)、スイッチAをオン、スイッチBをオフにし
て(ステップS116)、全波整流回路19の増幅率G
1を調整し(ステップS117)、スイッチAをオフ、
スイッチBをオンにして(ステップS118)、全波整
流回路20の増幅率G2を調整し(ステップS11
9)、全波整流回路19、20の出力V1、V2が等しく
なるようにする。最後にスイッチBをオフにする(ステ
ップS120)。もちろん、増幅率の調整は、差動増幅
回路15、16で行ってもよい。
【0110】上述の本発明の好ましい実施の形態に係る
タッチパネル装置においては、上記のような動作が行わ
れるので、導電膜の抵抗値の経時的な変化、使用環境、
装置固有の浮遊容量に起因するオフセット電圧等、タッ
チ位置検出に及ぼす外的要因の影響が補正されたタッチ
位置が検出される。したがって、十分な検出精度を持っ
ているが、次に述べる補正表に基づく補正または演算補
正式に基づく補正を行うことにより、タッチ位置の検出
精度をさらに向上させることができる。
【0111】図13に、タッチパネル面におけるタッチ
位置検出座標(X、Y)に対応する補正表を示す。補正
表に示されているX0、X1、X2、……、Xn、Y0
l、Y 2、……、Yn は、前述のタッチ位置の計算で求
められたX軸、Y軸に対応する値RLX/ROX、RLY/R
OYであり、この値に対する実際のタッチパネル上での位
置座標を標準のタッチパネルで実測することにより、補
正表は作成される。この補正表の情報をタッチパネル装
置内の記憶手段(RAM)に格納しておく。そして、人
の指等がタッチパネルにタッチされた際に、前述のタッ
チ位置の計算により、X=RLX/ROX及びY=RLY/R
OY、またはX=XP・C及びYP・Cが求められると、その
X、Yに対応したタッチ座標(X、Y)を補正表から読
み取り、タッチ位置座標として出力する。
【0112】タッチパネル装置が大型で、タッチパネル
の面積が大きい場合には、タッチ位置座標の数が多くな
り、タッチパネル装置内の記憶手段の記憶容量を大きく
する必要が生じる。そのような場合には、補正表のX
軸、Y軸方向の分割間隔を大きくして座標数を減らし、
記憶する容量を小さくしてもよい。その場合には、補正
表にはないX、Y(Xn-lとXnとの間、Yn-lとYnとの
間)については、補間法等によりXとYの値を計算する
ようにしてもよい。
【0113】また、上記の補正表によらずに、標準のタ
ッチパネルにおける実測による座標と、前述のタッチ位
置の計算方法で求められたX=RLX/ROX及びY=RLY
/R OYの値またはX=XP・C及びYP・Cとの関係から、演
算補正手段である演算補正式(近似式)を求め、この式
を用いてマイコン等で補正処理を行い、タッチ位置座標
として出力するようにしてもよい。
【0114】なお、以上具体的な例として、X軸とY軸
の2軸の場合について説明したが、本発明に係るタッチ
パネル装置は、タッチパネル形状として、細長い形や多
角形や曲線で囲まれた形状を含んでいる。したがって、
軸数が1の場合、3軸以上の場合がある。軸数が1の場
合には、前述の本発明に係る実施の形態で説明したX軸
およびY軸のうちの一方のみの動作が実行されるように
設定すればよい。軸数が多い場合には、それぞれの軸に
ついて、前述のX軸方向、Y軸方向の場合と同様な動作
が実行されるように、装置を構成すればよい。
【0115】以上、本発明に係る好ましい実施の形態に
ついて、請求項2に記載した発明について詳細に説明し
た。請求項1に記載した本発明は、タッチパネル装置に
連続的にタッチされる場合のタッチ検出精度を向上させ
ることができる発明であり、その場合には、タッチが連
続的か否か、タッチ信号であるか否かを正確に判断でき
ればよい。したがって、、図5に示したステップS50
〜S52,図6に示したステップS61、S62および
図7に示したステップS71、72の後、(3)式によ
り、タッチ位置を計算し、次に、図8に示したステップ
S80、S81、S87〜S90−2、図9に示したス
テップS91〜101により、タッチ位置を判定すれば
よい。
【0116】また、本発明のタッチパネル装置は、上述
のように、1枚のパネルで1軸以上の方向の電極間の抵
抗値を検出する方式に対して適用可能である。したがっ
て、複層式のタッチパネルであっても、そのうちの1枚
で1軸以上の方向の検出を行うパネルを備えるタッチパ
ネル装置においても、同様な効果を得ることができる。
【0117】
【発明の効果】本発明に係るタッチパネル装着によれ
ば、下記のような優れた効果が得られる。 (1)描画等の連続的なタッチが行われる場合にも、複
数のデータを用いることにより、迅速かつ精度よくタッ
チ位置を検出することができるとともに、タッチ検出精
度に対する装置の電源や周囲の装置から発生するノイズ
等外的要因の影響を防止することができる。さらに、タ
ッチ位置検出に及ぼす導電膜の抵抗値の経時的な変化の
影響、使用環境の影響、装置固有の浮遊容量に起因する
オフセット電圧の影響等、外的要因の影響が補正された
タッチ位置が検出されるので、タッチ位置の検出精度が
極めて高い。したがって、信頼性の高いタッチパネル装
置が得られる。また、従来の装置に比べて、特殊な機構
等を必要としないので、タッチパネル装置が安価であ
る。 (2)本発明に係るタッチパネル装置では、装置内で実
行される自己補正値の計算を、装置が使用されていない
空き時間帯、または装置の起動時等、随時行うことがで
きる。したがって、常に自己補正値の更新が可能であ
り、最良の値が保持されるので、タッチ位置の検出精度
を常に最良の状態に置いておくことができる。また、タ
ッチ信号が入力された場合にも、遅滞なく、タッチ位置
を計算し、出力することができる。 (3)本発明に係るタッチパネル装置は、タッチ位置の
座標に関する計算値と実測値との関係から求められた補
正表を備えることができ、タッチ位置の計算値に対し
て、この補正表による補正を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタッチパネル装置において、タッ
チパネル装置固有の浮遊容量に起因するオフセット電圧
がタッチ位置の検出に及ぼす影響を説明するための回路
図である。
【図2】本発明に係るタッチパネル装置における、導電
膜の経時的な変化、使用環境による変化等の補正に関す
る原理を説明するための回路図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るタッチパネル装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るタッチパネル装置に用いられるタ
ッチパネルの構成例を示す図である。
【図5】タッチパネル装置固有の浮遊容量に起因するオ
フセット電圧を取得する過程を示すフローチャートであ
る。
【図6】X軸方向に関するオフセット電圧の補正を含め
た自己補正値の計算と計算結果の保存の過程を示すフロ
ーチャートである。
【図7】Y軸方向に関するオフセット電圧の補正を含め
た自己補正値の計算と計算結果の保存の過程を示すフロ
ーチャートである。
【図8】タッチ信号を検出した際に、タッチ位置を計算
し、出力する過程を示すフローチャートである。
【図9】図8に示したフローチャートの内のD−E部の
動作を詳細に示すフローチャートである。
【図10】図9に示したフローチャートの内のF−G部
の動作を示すフローチャートである。
【図11】タッチパネル装置におけるデータ設定の初期
化に関する手順を示すフローチャートである。
【図12】ステップS95〜S98およびステップS9
9の第2のタッチ位置判定手段による今回のタッチ位置
の計算方法を示す図である。
【図13】本発明に係るタッチパネル装置に適用するこ
とができる、補正表によるタッチ位置計算値の補正に用
いられる(X、Y)タッチ位置検出座標補正表である。
【図14】従来のタッチパネル装置に採用されている回
路図であり、タッチ位置の検出原理を説明するための図
である。
【符号の説明】
K、RK 電流計測用抵抗器 RO 導電膜の抵抗値 RZ 抵抗器 S スイッチ e 交流電源 1 タッチパネル 2 基板 3 導電膜 4a、4b、4c、4d 電極 5a、5b、5c、5d 外部接続用リード部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B068 AA04 BB04 BB05 BE07 CC12 DD02 DE11 DE12 5B087 AA02 AC01 AD00 AD02 BC27 BC33 CC36 CC41

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の表面に導電膜を備えるタッチパネル
    と、該タッチパネルの外周部に配置された第1の電極お
    よび第2の電極と、前記第1の電極および第2の電極に
    交流電流を供給する交流電流発生手段と、前記第1の電
    極と前記交流電流発生手段との間および前記第2の電極
    と前記交流電流発生手段との間にそれぞれ配置され、第
    1の電極側の電流および第2の電極側の電流を計測する
    電流計測手段とを備え、計測された前記第1の電極側の
    電流および前記第2の電極側の電流からタッチ位置を算
    出するタッチパネル装置において、 前記算出されたタッチ位置を基に、前記タッチパネルに
    タッチされた状態が連続的か否かを判定するタッチ状態
    判定手段と、 前記タッチ位置が前回のタッチ位置に対して移動したか
    否かを判定するタッチ位置移動判定手段と、 該タッチ位置移動判定手段による判定結果に応じてタッ
    チ判定用しきい値を設定するしきい値設定手段と、 前記タッチ位置移動判定手段による判定結果に応じて、
    最新のタッチ位置データを設定するタッチ位置データ設
    定手段と、 該最新のタッチ位置データおよび前回までのタッチ位置
    判定結果を基に、今回のタッチ位置を判定する第2のタ
    ッチ位置判定手段とを備えることを特徴とするタッチパ
    ネル装置。
  2. 【請求項2】基板の表面に導電膜を備えるタッチパネル
    と、該タッチパネルの外周部に配置された第1の電極お
    よび第2の電極と、前記第1の電極および第2の電極に
    交流電流を供給する交流電流発生手段と、前記第1の電
    極と前記交流電流発生手段との間および前記第2の電極
    と前記交流電流発生手段との間に配置され、第1の電極
    側の電流または第2の電極側の電流を計測する電流計測
    手段とを備え、計測された前記第1の電極側の電流およ
    び前記第2の電極側の電流からタッチ位置を算出するタ
    ッチパネル装置において、 前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少なくと
    も一方の電極と前記交流発生手段の一端との間に、スイ
    ッチを介した抵抗器を備え、前記第1の電極側と第2の
    電極側毎にオフセット電圧Vfを判定するVf値判定手段
    と、 前記第1の電極側と第2の電極側毎に前記スイッチオン
    における前記電流計測手段の両端の電圧V0を判定する
    0値判定手段と、 前記電圧VfおよびV0値を基に、タッチ位置検出値に対
    する自己補正値を求める自己補正値判定手段と、 前記スイッチがオフで、タッチパネルにタッチされた状
    態における前記電流計測手段の両端の電圧Vtを判定す
    るVt値判定手段と、 前記自己補正値およびVt値を基に、タッチパネル上の
    タッチ位置を判定する第1のタッチ位置判定手段と、 該第1のタッチ位置判定手段によって求められたタッチ
    位置を基に、前記タッチパネルにタッチされた状態が連
    続的か否かを判定するタッチ状態判定手段と、 前記タッチ位置が前回のタッチ位置に対して移動したか
    否かを判定するタッチ位置移動判定手段と、 該タッチ位置移動判定手段による判定結果に応じてタッ
    チ判定用しきい値を設定するしきい値設定手段と、 前記タッチ位置移動判定手段による判定結果に応じて、
    最新のタッチ位置データを設定するタッチ位置データ設
    定手段と、 該最新のタッチ位置データおよび前回までのタッチ位置
    判定結果を基に、今回のタッチ位置を判定する第2のタ
    ッチ位置判定手段とを備えることを特徴とするタッチパ
    ネル装置。
  3. 【請求項3】前記外周部に配置された電極の数が3以上
    であり、そのうちの2つの電極を結ぶ2以上の軸を座標
    軸とし、各座標軸方向毎に、前記タッチ位置を判定する
    前記第1のタッチ位置判定手段および前記第2のタッチ
    位置判定手段を有することを特徴とする請求項2に記載
    のタッチパネル装置。
  4. 【請求項4】前記各座標軸に対応する2つの電極に対し
    て、前記電流計測手段の接続を切り替えるための切り替
    え手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のタッ
    チパネル装置。
  5. 【請求項5】前記タッチパネル装置への電源投入時、ま
    たはタッチパネルにタッチ信号がない時に随時、自己補
    正値判定を実行する機能を有することを特徴とする請求
    項2〜4のいずれかの項に記載のタッチパネル装置。
  6. 【請求項6】前記第1のタッチ位置判定手段または前記
    第2のタッチ位置判定手段によって求められたタッチ位
    置座標と、標準のタッチパネルで実測された座標との関
    係を基に予め作成された補正表とを備え、タッチ信号に
    基づいて、前記第1のタッチ位置判定手段または前記第
    2のタッチ位置判定手段によって計算されたタッチ位置
    座標と、補正表の該当する座標とを照合し、前記補正表
    により、前記タッチ位置座標の補正を行う機能を備える
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかの項に記載の
    タッチパネル装置。
  7. 【請求項7】前記第1のタッチ位置判定手段または前記
    第2のタッチ位置判定手段によって求められたタッチ位
    置座標と、標準のタッチパネルで実測された座標との関
    係を基に、予め求められた補正演算手段を備え、前記第
    1のタッチ位置判定手段または前記第2のタッチ位置判
    定手段によって求められた前記タッチ位置座標に対し
    て、前記補正演算手段を用いて補正を行う機能を備える
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかの項に記載の
    タッチパネル装置。
  8. 【請求項8】前記タッチパネルが四角形以上の多角形
    で、前記座標軸が2軸以上であることを特徴とする請求
    項3〜7のいずれかの項に記載のタッチパネル装置。
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