JP2003233336A - 像が形成された再帰反射性物品およびその製造方法 - Google Patents

像が形成された再帰反射性物品およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 平坦な第1面をもつ第1層と,鏡面反射層が露出してい
る第2面をもつ再帰反射素子層を含んでなる第2層から
なる再帰反射性物品をもちいて,鏡面反射層の露出部分
をその場で非鏡面化することにより像が形成された再帰
反射物品および像を形成する方法。 【課題】再帰反射物品に設置された像の視認性と耐久性
の問題点を改善するために,鏡面反射層の部分的除去鏡
面反射層の部分的な非鏡面化により像が形成された新規
な再帰反射性物品およびその製造方法の提供すること。 【解決手段】鏡面反射層が露出している面をもつ再帰反
射素子層を含んでなる再帰反射性物品を用いて、 A.第2面の鏡面反射層上に光反応性樹脂層を設置する工
程 B.選択的光照射により光反応性樹脂を部分的に反応させ
る工程 C.光反応性樹脂層の選択領域を部分的に除去をする工程 D.鏡面反射層の露出部分をその場で非鏡面化することに
より像を形成する工程により像を形成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0002】
【産業上の利用分野】
【0003】本発明は,像が形成された再帰反射性物品およ
びその製造方法に関し,鏡面反射層の部分的な非鏡面化
により像が形成された再帰反射性物品およびその製造方
法に関する。
【0004】詳しくは,本発明は,道路標識,工事標識等の
標識類,自動車やオートバイ等の車両のナンバープレー
ト類,衣料,救命具等の安全資材類,看板等のマーキン
グ,可視光,レーザー光あるいは赤外光反射型センサー
類の反射板等において有用な再帰反射素子の鏡面反射層
の部分的な非鏡面化により像が形成された再帰反射性物
品およびその製造方法に関する。
【0005】特に詳しくは、さらに,薄層アンテナ付の非接
触型IC通信装置が積層された再帰反射物品において有
用な、再帰反射素子の鏡面反射層の部分的な非鏡面化に
より電波透過部分が形成された再帰反射性物品およびそ
の製造方法に関する。
【0006】さらに詳しくは,平坦な第1面をもつ実質的に
透明な層を含んでなる第1層と,鏡面反射層が露出して
いる第2面をもつ再帰反射素子層を含んでなる第2層と
からなる再帰反射性物品を用いて, A.第2面の鏡面反射層上に光反応性樹脂層を設置する工
程 B.選択的光照射により光反応性樹脂を部分的に反応させ
る工程 C.光反応性樹脂層の非反応領域を部分的に除去をする工
程 D.鏡面反射層の露出部分をその場で非鏡面化することに
より像を形成する工程 により像が形成された再帰反射性物品およびその製造方
法に関する。
【0007】
【従来の技術】
【0008】従来より,再帰反射物品に像を形成する方法と
してはさまざまな方法が提案されている。
【0009】従来公知の像を形成する方法としては,表面保
護層の表面(第1面)や内面などに印刷インキを用いて
印刷法により像を形成する方法が一般的であった。印刷
法による方法としては米国特許第3,154,872号,第3,80
1,183号,第4,082,426号(特開昭53-068596号),第4,0
97,838号が開示されている。ここでは,この文献の引用
をもって,この具体的記述に代える。
【0010】さらに,像を再帰反射素子上に直接設置する方
法も知られている。
【0011】ライトルの特表平10-500230号再帰反射製品お
よびその製造においては, (a)微小球の層をキャリヤー上で支持すること; (b)微小球の層の第1部分がその後方に機能的にコー
ティングされた反射性金属層を有し,且つ,第2部分が
そのような反射性金属層を有しないように,支持された
微小球の層に反射性金属層を選択的に蒸着すること; (c)微小球の層をバインダー層の第1主要表面に部分
的に埋め込むこと; (d)微小球の層がバインダー層の第1主要表面に部分
的に埋め込まれたまま残って第1及び第2セグメントを
有する再帰反射製品が形成されるように微小球の層から
キャリヤーを除去すること,但し,前記第1セグメント
は微小球の埋め込まれた部分の後方に機能的に配置され
た蒸着された反射性金属層を有する;と言う方法が開示
されている。
【0012】マーチンの特開平4-229244号においては,逆反
射マイクロプリズム面上に形成された金属付着層に部分
的に接着層を形成し,接着層により保護されていない金
属層を引き剥がすことにより,部分的に金属層の設置さ
れていない逆反射マイクロプリズムシートの形成方法が
開示されている。また,部分的に設置する接着剤層(保
護コーティング材)は後工程における溶剤処理段階にて
甚だしい悪影響を受けない感圧接着剤であるのが望まし
いと記載されている。さらに,設置する方法としては印
刷法が記載されている。
【0013】さらに,マーチンの特開平1-231004号において
は,逆反射マイクロプリズム面上に形成された金属付着
層に部分的に接着層を形成し,接着層により保護されて
いない金属層を引き剥がすことにより,部分的に金属層
の設置されていない逆反射マイクロプリズムシートの形
成方法と,逆反射マイクロプリズム面上に部分的に被覆
材料を設置した後に,金属蒸着をほどこし,しかる後
に,部分的に被覆した材料を除去することにより部分的
に金属層の設置されていない逆反射マイクロプリズムシ
ートの形成方法が開示されている。
【0014】また,レーザーにより蒸着層を除去する方法も
一般的に用いられている。
【0015】ガラノス(Galanos)による米国特許第4,200,875
号には,露出レンズ型再帰反射シートに,あらかじめ決
められたパターンでレーザー法により像を形成する方法
が開示されている。
【発明が解決すべき課題】
【0016】本発明の目的は,像が形成された再帰反射性物
品およびその製造方法に関し,鏡面反射層の部分的な非
鏡面化により像が形成された新規な再帰反射性物品およ
びその製造方法に関する。
【0017】従来公知の像を形成する方法としては,表面保
護層の表面(第1面)や内面などに印刷インキを用いて
印刷法により像を形成する方法が一般的であった。しか
しながらこのような印刷インキを用いる方法においては
像を形成する樹脂層が外部からの光や水の侵入によって
劣化が促進されやすく,耐久性の優れた像を得ることが
困難であった。
【0018】さらに,マーチンの特開平4-229244号や特開平
1-231004号に開示されているような,逆反射マイクロプ
リズム面上に形成された金属付着層に部分的に接着層を
形成し,接着層により保護されていない金属層を引き剥
がすことにより,部分的に金属層の設置されていない逆
反射マイクロプリズムシートの形成方法においては,接
着剤層を印刷法などで部分的に設置する必要があるため
にプリズム間の溝に沿って溶剤を含んだ接着剤が流れ出
して鮮明な像が形成しづらいという問題点があった。さ
らに,溶剤によりプリズムが変形を起こし再帰反射性能
が低下するという問題点もあった。
【0019】また,レーザーにより蒸着層を除去する方法も
一般的に用いられている。しかしながら,レーザー法に
よる像の形成方法は反射素子である微小硝子球やプリズ
ムの部分的破壊を起こすために,再帰反射性能を低下さ
せるという問題点があった。さらに,用いることのでき
るレーザー光線の径が小さいために形成しうる像は微小
点の集合像として得られるために,鮮明な像が得られに
くく,広範囲の像を形成するのが困難であった。
【0020】本発明の目的は,上記の従来公知技術の問題点
を改善するために,鏡面反射層の部分的な非鏡面化によ
り像が形成された新規な再帰反射性物品およびその製造
方法の提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
【0022】本発明は,平坦な第1面をもつ実質的に透明な
層を含んでなる第1層と,鏡面反射層が露出している第
2面をもつ再帰反射素子層を含んでなる第2層とからな
る再帰反射性物品を用いて, A.第2面の鏡面反射層上に光反応性樹脂層を設置する工
程 B.選択的光照射により光反応性樹脂を部分的に反応させ
る工程 C.光反応性樹脂層の選択領域を部分的に除去する工程 D.鏡面反射層の露出部分をその場で非鏡面化することに
より像を形成する工程 により像が形成された再帰反射性物品およびその製造方
法に関する。
【0023】本発明で用いることのできる再帰反射性物品の
種類は,平坦な第1面をもつ実質的に透明な層を含んで
なる第1層と,鏡面反射層が露出している第2面をもつ
再帰反射素子層を含んでなる第2層とからなる再帰反射
性物品であれば適宜選択することができるが,再帰反射
素子層が封入レンズ型,カプセルレンズ型および鏡面反
射式プリズム型再帰反射素子の群より選ばれた再帰反射
素子より構成されてなる再帰反射性物品が好ましい。
【0024】封入型の再帰反射素子の例としては,再帰反射
部分を構成する再帰反射素子の直径が30〜500μmの微小
硝子球型再帰反射素子よりなる再帰反射シートが好まし
く,表面が平滑で透明な表面保護層により覆われてい
る。30μm未満の直径の反射素子においては,回折効果
による光の発散が過大となり再帰反射性能が低下し好ま
しくなく,500μmを超える直径の反射素子においてはシ
ートの厚さが過大となり,また,形成される像の鮮明度
が低下するので好ましくない。
【0025】カプセルレンズ型再帰反射素子の例としては,
再帰反射部分を構成する再帰反射素子の直径が30〜500
μmの微小硝子球型再帰反射素子よりなる再帰反射シー
トが好ましく,表面保護層を構成するプラスチックフイ
ルムは表面が平滑で透明である。封入レンズ型再帰反射
シートと同様に30μm未満の直径の反射素子において
は,回折効果による光の発散が過大となり再帰反射性能
が低下し好ましくなく,500μmを超える直径の反射素子
においてはシートの厚さが過大となり,また,形成され
る像の鮮明度が低下するので好ましくない。
【0026】鏡面反射式プリズム型素子の例としては,再帰
反射部分を構成する再帰反射素子の高さが50〜500μmの
キューブコーナー型再帰反射素子よりなる再帰反射シー
トであって,素子の反射表面が金属薄膜により鏡面処理
化されて鏡面反射層が形成されている再帰反射シートが
あげられる。素子の高さが50μm未満のキューブコーナ
ー反射素子においては回折効果による光の発散が過大と
なり再帰反射性能が低下し好ましくなく,500μmを超え
る高さのキューブコーナー反射素子においてはシートの
厚さが過大となり,また,形成される像の鮮明度が低下
するので好ましくない。
【0027】鏡面反射式プリズム型素子の好適な実施態様と
しては,断面が実質的に対称型のV字状の溝が互いに交
叉することにより形成される底面が三角形であり,3つ
の略直角に交叉する側面によって区切られた一対の鏡面
反射式三角錐型プリズム型素子が好ましい。
【0028】また,鏡面反射式プリズム型素子のもつ光学軸
は,再帰反射時の入射角特性を改善するために傾斜する
ことができる。傾斜する角度は0.5〜12度,好まし
くは0.6〜10度,さらに好ましくは0.7〜1.5
度であり,傾斜する方向はお互いに対峙する一対の鏡面
反射式三角錐型プリズム型素子の光学軸が互いに近づく
方向でも,遠ざかる方向のいずれでもよい。
【0029】好ましい鏡面反射式三角錐型プリズム型素子の
例としては,共通する一底面(X−X′)上に突出した
三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が,互いに該底
面(X−X′)上の一つの底辺を共有して,相対峙して
該底面上に最密充填状に配置されており,該底面(X−
X′)は該三角錐型反射素子が共有する多数の該底辺
(x,x,....)を包含する共通の一平面であり,相対
峙する二つの該三角錐型反射素子は該底面(X−X′)
上の共有する底辺(x,x,....)を含む該底面に垂直
な平面(Y−Y′,Y−Y′,....)に対してそれぞれ
対称となるように向き合った実質的に同一形状の素子対
をなしており,該三角錐型反射素子は該共有する底辺
(x,x,....)を一辺とする実質的に同一の五角形状
の傾斜面(c1,c2)と,該三角錐型反射素子の頂点
(H)を起点とする前記c1面又はc2面の上部の二辺
をそれぞれ一辺とし,該三角錐型反射素子の一つの稜線
を共有して,これを一辺とする該c1面又はc2面と直
角に交叉する実質的に同一の四角形状の傾斜面(a1
面,b1面;a2面,b2面)から成り,該三角錐型反
射素子の頂点(H)から,該三角錐型反射素子の五角形
状の傾斜面(c1,c2)の底辺(x,x,....)を含
む該底面(X−X′)までの高さ(h)が,該三角錐型
反射素子の頂点(H)から,該三角錐型反射素子の他の
傾斜面(a1面,b1面;a2面,b2面)の底辺
(z,w)を包含する実質的に水平の面(仮想面Z−
Z′)までの高さ(h′)よりも実質的に大であること
を特徴とする鏡面反射式プリズム型素子をあげることが
できる。このような素子を含む三角錐型キューブコーナ
ー再帰反射シートについては,国際公開特許第WO 01/5
7560A1号に記載されており,ここでは,この文献の引
用をもって,この具体的記述に代える。
【0030】さらに好ましい鏡面反射式プリズム型素子の例
としては,該三角錐型キューブコーナー再帰反射素子
が,断面が実質的に対称形のV字状の溝が互いに交叉す
ることにより, 3つの互いに略直角に交叉する側面(a
1面, b1面, c1面;a2面, b2面, c2面;…),
によって区切られた一対の三角錐型キューブコーナー再
帰反射素子が共通する一底面(S-S’)上の一方の側に
突出するように最密充填状に配置されており, 該一対
の三角錐型再帰反射素子は, 互いに向かい合った側面
(c1面, c2面)が一つの底辺(x)を共有して対をな
しており, 該底面(S-S’)は, 該一対の三角錐型再
帰反射素子の一方の側面(a1面, a2面)の底辺(z,
z)および他方の側面(b1面, b2面)の底辺(y,
y)とを共に包含する共通の一平面であって, 該底辺
(x)を共有する該一対の三角錐型再帰反射素子は, 互
いに向かい合った側面(c1面, c2面)が異なる形状を
有し, かつ, 該平面(S-S’)からの頂点までの高さ
が互いに異なることを特徴とする鏡面反射式プリズム型
素子をあげることができる。このような素子を含む三角
錐型キューブコーナー再帰反射シートについては,日本
国公開特許公報2001−264525号に記載されて
おり,ここでは,この文献の引用をもって,この具体的
記述に代える。
【0031】再帰反射素子の鏡面反射層を構成する物質は,
アルミニウム,アルミニウム−マグネシウム合金、アル
ミニウム−マンガン合金,銀、銅、ニッケルから選ばれ
る金属皮膜をそれぞれ単独に,あるいは複合して設置す
ることができる。鏡面反射層を設置する方法としては,
蒸着法,スパッタリング法,電気メッキ法,化学メッキ
法または金属光沢調の外観をもつインキまたは塗料によ
る金属調樹脂層設置法などを適宜採用することができ
る。また,設置する鏡面反射層の厚さは,0.2〜2μ
m,好ましくは0.5〜1.5μmの厚さを例示するこ
とができる。
【0032】上記の鏡面反射層は特にアルミニウム鏡面反射
層が好ましい。アルミニウム鏡面反射層の連続蒸着処理
装置は、真空度が7〜9×10−4mmHg程度に維持
できる真空容器、その中に設置された基体シート及びそ
の光入射側表面上に積層された表面保護層からなるプリ
ズム原反シートを繰り出す巻き出し装置、蒸着処理され
たプリズム原反シートを巻き取る巻き取り装置、並びに
それらの間にあって、黒鉛坩堝中で電熱ヒーターにより
アルミニウムを溶融させることが可能な加熱装置よりな
っている。黒鉛坩堝中には純度が99.99重量%以上
の純アルミニウムペレットが投入され、例えば、交流電
圧350〜360V、電流が115〜120A、処理速
度が30〜70m/分の条件で、溶融され蒸気化された
アルミニウム原子によって再帰反射素子の表面に鏡面反
射層を例えば0.2〜2μmの厚さで蒸着処理すること
ができる。
【0033】本発明における,平坦な第1面をもつ実質的に
透明な層を含んでなる第1層は,封入型の再帰反射素子
の場合は再帰反射部分を構成する再帰反射素子の直径が
30〜500μmの微小硝子球型再帰反射素子と直接接触して
おり,カプセルレンズ型再帰反射素子の場合には部分的
な密封封入構造を介して空気層で隔たれている。また,
鏡面反射式プリズム型素子の場合には反射素子層と密着
するように独立した層として構成されていてもよく,あ
るいは,プリズム型素子を構成する樹脂層と同一の層と
して構成されていてもよい。
【0034】本発明における第1層の厚さは,本発明の目的
である形成された像の視認性を妨げない範囲で適宜選択
することができるが,好ましい厚さとしてはいずれのタ
イプの素子においても,10〜2000μm,さらに好
ましくは,20〜100μmが例示される。
【0035】さらに,第1層に用いることのできる樹脂は,
再帰反射性能や像の視認性を向上するために透明性の優
れたものを用いることが望ましい。本発明に用いる第1
層の透明性としては,着色されていない無色の樹脂の場
合には,光線透過率が50〜98%,好ましくは,60
〜97%のものを用いることができる。本発明における
光線透過率の測定方法としてはJIS Z8722の物
体色測定法に基づいてスガ試験機株式会社製のSC−2
−CH型試験機を用いた。
【0036】本発明における,平坦な第1面をもつ実質的に
透明な層を含んでなる第1層に用いることのできる樹脂
といては,各種の透明プラスチック樹脂を用いることが
でき,例えば,ポリカーボネート樹脂,塩化ビニル樹
脂,(メタ)アクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリスチレ
ン樹脂,ポリエステル樹脂,フッ素樹脂,ポリエチレン
樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂,
セルロース系樹脂及びポリウレタン樹脂などをそれぞれ
単独又は組み合わせて用いることができる。組み合わせ
て用いる具体的な方法としては、それぞれの樹脂を製造
するのに用いる単量体を用いて共重合樹脂としたり、混
合して用いたり、積層して用いることができる。
【0037】さらに、耐候性を向上する目的で紫外線吸収
剤、光安定剤及び酸化防止剤などをそれぞれ単独あるい
は組み合わせて用いることができる。さらに着色剤とし
て各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、染料および蛍
光染料などを含有させることができる。
【0038】つぎに,本発明において,平坦な第1面をもつ
実質的に透明な層を含んでなる第1層と,鏡面反射層が
露出している第2面をもつ再帰反射素子層を含んでなる
第2層とからなる再帰反射性物品を用いて, A.第2面の鏡面反射層上に光反応性樹脂層を設置する工
程 B.選択的光照射により光反応性樹脂を部分的に反応させ
る工程 C.光反応性樹脂層の選択領域を部分的に除去する工程 D.鏡面反射層の露出部分をその場で非鏡面化することに
より像を形成する工程 により像が形成する工程を以下に説明する。
【0039】工程Aにおける第2面の鏡面反射層上に光反応
性樹脂層を設置する工程としては,鏡面反射層が露出し
ている第2面に連続または枚様でのスクリーン印刷法,
グラビア印刷法,各種のコーティング法,スプレー法な
どで直接塗工する方法が採用できる。
【0040】この際に,あらかじめ光反応性樹脂を設置する
領域を限定して,印刷法やコーティング法などによって
部分的に設置することもできる。その際には、鮮明な像
が形成されるように適正な粘度になるように適宜粘度を
調整する必要がある。好ましい粘度としては例えば50
00〜10000cpsが例示できる。また、用いる樹
脂に応じて素子を侵さないような溶剤が使われるべきで
ある。
【0041】または,シート状の光反応性樹脂を鏡面反射層
に熱ロールで圧力をかけて積層する方法も採用すること
ができる。
【0042】本発明において,第2面の鏡面反射層上に設置
する、像を形成する部分の光反応性樹脂層の厚みが10
〜200μmであることが望ましい。さらに好ましくは
30〜100μmが望ましい。
【0043】10μm未満の場合には鏡面反射層を部分的に
除去する際に,鏡面反射層を除去する薬剤が光反応性樹
脂層を通じて浸透して鏡面反射層と反応するので好まし
くない。また,200μmを超える場合には,選択的に
光反応を行う際に光反応性樹脂層の内部において光の散
乱が起こりやすく,鮮明な像の形成が困難になるので好
ましくない。さらに,鏡面反射層を部分的に非鏡面化す
る際に,鏡面反射層を処理する薬剤の進入が困難になり
鏡面反射層を除去が困難になり,やはり,鮮明な像の形
成が困難になるので好ましくない。また,光反応性樹脂
層の厚さが過大となり柔軟なシート製品を得にくいので
好ましくない。
【0044】本発明において,第2面の鏡面反射層上に設置
する光反応性樹脂層は光重合性,光縮合成,光架橋性お
よび光分解性の樹脂を適宜用いることができる。これら
の樹脂は光の照射により溶解性の変化,液体から固体へ
の相変化および接着性の変化などの物理的性質変化を起
こし部分的な像の形成を可能とする。
【0045】本発明に用いることのできる光反応性樹脂の第
1の例としては,いわゆる,UV硬化型インキとして用
いられるようなアクリルプレポリマーをビヒクルとし
て,これに反応性モノマー,光重合開始剤および助剤類
を加えたUV硬化型樹脂を用いることができる。ビヒク
ルとしては重量平均分子量が1000〜5000程度の
ポリエステルアクリラート,エポキシアクリラート,ウ
レタンアクリラートなどのアクリルポリマー類やアクリ
ロイル基が導入された変性アルキッド樹脂などを用いる
ことができる。
【0046】ポリエステルアクリラートの例としてはアジピ
ン酸と1,6−ヘキサンジオールより得られるポリエス
テル樹脂の両末端にアクリロイル基を導入したプレポリ
マーなどが上げられる。エポキシアクリラートの例とし
てはエポキシ樹脂の両末端のグリシジル基とアクリル酸
とを反応させたプレポリマーなどを用いることができ
る。ポリウレタンアクリラートの例としてはアジピン酸
と1,6−ヘキサンジオールより得られるポリエステル
樹脂の両末端をトリレンジイソシアネート樹脂で反応さ
せた後に,引き続いて,2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートで反応させたプレポリマーなどを用いることができ
る。
【0047】用いることのできる反応性モノマーの例として
は,ジエチレングリコールジアクリレート,ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリ
レート,ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの
多官能性アクリラート類を用いることができる。
【0048】上記の光反応性樹脂に用いることのできる光重
合開始剤としては,UV光を吸収して重合反応に有効な
ラジカルを効率よく発生するものが好ましい。たとえ
ば,各種のベンゾイン誘導体,2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン,水素供与体の存在下でUV
光照射により水素引き抜き反応を起こしてラジカルを発
生するベンゾフェノン,チオキサントンなどの芳香族カ
ルボニル化合物を用いることができる。さらに,アミン
類を添加することによりラジカルの発生を効率的にする
こともできる。
【0049】さらに,各種の顔料,チキソトロピー付与剤,
熱重合禁止剤,ワックス類などを添加することもでき
る。
【0050】これらの,UV硬化型の樹脂は各種の印刷法,
たとえば,スクリーン印刷法,グラビア印刷,さらに,
各種のコーティング法により鏡面反射層上に設置するこ
とができる。
【0051】本発明に用いることのできる光反応性樹脂の第
2の例としては,p−ジアゾフェニルアミンをパラホル
ムアルデヒドで縮合して芳香族スルホン酸塩とすること
で得られる,いわゆるネガ型のジアゾ樹脂感光材料を用
いることができる。
【0052】上記の芳香族スルホン酸塩は2−エチルヒドロ
キシメタクリラート−メチルメタクリラート共重合樹脂
などのバインダーポリマーと混合して用いることが好ま
しい。このような光反応性の樹脂は光照射によりジアゾ
基が分解して不溶化することができる。
【0053】本発明に用いることのできる光反応性樹脂の第
3の例としては,側鎖にアリール基が導入されたアクリ
ルポリマーバインダー,多官能性アクリラートモノマー
および光重合開始剤から構成されている光重合型フォト
ポリマーを用いることができる。
【0054】側鎖にアリール基が導入されたアクリルポリマ
ーバインダーに用いることのできるアクリルモノマーの
例としては各種のアクリル酸,メタクリル酸,アクリル
酸エステル類,メタクリル酸エステル類およびアリール
メタクリレートなどを用いることができる。
【0055】本発明に用いることのできる多官能性アクリラ
ートモノマーの例としては,ジエチレングリコールジア
クリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,トリメチロ
ールプロパントリアクリレート,ペンタエリスリトール
トリアクリレートなどを用いることができる。
【0056】本発明に用いることのできる光重合開始剤の例
としては,各種の有機過酸化物,ジフェニルヨウドニウ
ム塩,N−フェニルグリシン,トリクロロメチルトリア
ジンおよび鉄アレーン錯体などを用いることができ,さ
らに,チオピリリウム塩,ケトクマリン色素,チオキサ
ンテン色素などの光増感剤と併用して用いることが好ま
しい。
【0057】本発明で用いることのできる第4の光反応性樹
脂の例としては,一般的にフォトレジスト材料として光
照射により耐エッチング性の薄膜を形成して金属の部分
的なエッチング処理を行うために用いられるレジスト用
光反応性樹脂をあげることができる。
【0058】レジスト用光反応性樹脂の具体的な例として
は,オルト−ナフトキノンジアゾスルフォン酸をノボラ
ック樹脂,2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン
あるいはテトラヒドロキシベンゾフェノンなどにエステ
ル化した感光剤と,クレゾール型ノボラック樹脂とを混
合したポジ型のフォトレジスト樹脂をあげることができ
る。
【0059】オルト−ナフトキノンジアジド化合物は光照射
により分解して,カルベン,ケテン構造を経由して,ア
ルカリ可溶な3−インデンカルボン酸型化合物に変化す
る。光照射前にはオルト−ナフトキノンジアジドスルフ
ォニル基は,ノボラック樹脂に対して溶解抑制剤として
作用するが,光分解後には溶解促進剤として作用するの
で,アルカリ水溶液に対する光照射部分の溶解性が増大
して,露光部分のみが溶解除去されてポジ型の像が形成
される。
【0060】上記のようなタイプのポジ型のフォトレジスト
樹脂は,紫外線領域から可視光領域にわたって優れた解
像度と耐アルカリ性を持つのでエッチング適性に優れて
おり,本発明の像の形成された再帰反射物品の形成に好
ましい。
【0061】水溶性のフォトレジスト材料例としては,カゼ
イン,グルー,ポリビニールアルコールなどの水溶性高
分子に2〜9%の重クロム酸塩を添加した材料をあげる
ことができる。
【0062】また,ケイ皮酸系レジスト材料も用いることが
できる。このレジスト材料はポリビニールアルコール
に,光二量化型の感光基をもつケイ皮酸クロリドを反応
させたものであり,230〜450nmの紫外線を照射
することにより不溶の樹脂を生成する。さらに,光増感
剤として5−ニトロアセナフテンや1,2−ベンズアン
トラキノンなどを添加することが好ましい。
【0063】さらに,ゴム系のレジスト材料も用いることが
できる。このレジスト材料は,たとえば,天然ゴム,環
化ポリイソプレン,ポリブタジエンなどのゴムに感光剤
としてビスアジド化合物を添加したものである。光照射
によりアジド基が分解して反応性のニトレン中間体とな
り,これがゴムと反応して不溶化する。
【0064】これらゴム系のレジスト材料に用いるビスアジ
ド化合物としては,2,6−ジ−(4’−アジドベンジ
リデン)シクロヘキサンや2,6−ジ−(4’−アジド
ベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサンなどをあげ
ることができる。
【0065】これらのゴム系のレジスト材料は耐薬品性,耐
久性および解像度に優れているので,本発明の像の形成
された再帰反射物品の形成に好ましい。
【0066】本発明で用いることのできる第5の光反応性樹
脂の好適な例としては,一般にドライフイルムフォトレ
ジストとして電子機器にもちいるプリント配線の形成等
の用途に製品として販売されているシート状の光反応性
樹脂である。通常は両面に保護フイルムをサンドイッチ
された形状で販売されており,保護フイルムを剥離しな
がら本発明に用いる再帰反射物品の鏡面反射層と加熱圧
着してラミネートする。
【0067】ドライフイルムフォトレジストに用いる材料は
バインダーポリマー,多官能性モノマー,重合開始剤,
熱重合禁止剤,密着付与剤および可塑剤などで構成され
ている。バインダーポリマーの例としてはメチルメタア
クリラートを主成分とする(メタ)アクリラート樹脂,
または,スチレン,アクリロニトリルと(メタ)アクリ
ル酸共重合物を用いることができる。重合開始剤として
はベンゾイン誘導体や2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノンなどを用いることができる。
【0068】このドライフイルムフォトレジストは紫外線の
照射によりアルカリ現像液に不溶となる。用いることの
できるシートの厚みとしては,10〜100μm,好ま
しくは10〜50μmを例示することができる。このよ
うなシート状の光反応性樹脂は,均一な膜形成が可能で
あるために解像度に優れており,本発明の像の形成され
た再帰反射物品の形成にとくに好ましい。また,溶剤を
用いないために再帰反射物品の鏡面反射層を通じて再帰
反射素子の溶剤による変形が起こらないために,ポリカ
ーボネート樹脂や塩化ビニル樹脂などを用いたプリズム
型再帰反射物品の場合にとくに好ましい。
【0069】ドライフイルムフォトレジストと再帰反射物品
の鏡面反射層と加熱圧着してラミネートするさいには,
熱による素子の変形が起こらないように注意する必要が
ある。たとえば,プリズム層にポリカーボネート樹脂を
用いた鏡面反射式プリズム型再帰反射物品の場合には,
加熱温度50〜90度で加圧力2kg/cmの条件を
例示することができる。加熱温度が低い場合には鏡面反
射層との密着が不十分となり現像液の浸入がおこり好ま
しくなく,高すぎる場合にはプリズム素子の変形により
再帰反射性能が低下して好ましくない。この圧着温度と
圧力は再帰反射物品に用いられている樹脂とレジストフ
イルムの熱変形温度により適宜選択されるべきである。
【0070】上記のようにして設置された光反応性樹脂は,
工程Bとして選択的に光を照射することにより,光重
合,光縮合,光架橋および光分解を行なわれ,所望の像
に一致したパターンで光反応性樹脂層を除去することが
できる。
【0071】選択的な光の照射法としては,像パターンが印
刷又はくり抜かれた光遮蔽マスクを用いる方法,レーザ
ービームなどを用いて像を連続的に形成する方法などを
用いることができる。用いるレーザービームとしては可
視光レーザーである波長436nmのg線,紫外線レー
ザーとしては波長365nmのi線やKrFによる発生
される波長248nmのエキシマレーザー線などを用い
ることができる。
【0072】本発明において,光反応性樹脂の反応に用いる
光とは,光重合,光縮合,光架橋および光分解を行うこ
とができれば,特に可視光に限定されるものではなく,
紫外線光,赤外線光、遠赤外線あるいはX線などの電磁
波も含まれる。
【0073】上記で記載した選択的に光反応を行った光反応
性樹脂は,工程Cとして各種の溶剤などを用いて,光重
合性,光縮合性,ネガ型の光架橋性樹脂の場合には光を
照射しなかった非反応部分を,また,ポジ型の光分解性
樹脂の場合には光を照射した分解反応部分を部分的に除
去する。
【0074】光反応をおこなった後に,可溶性部分として残
った部分は各種の溶剤で除去される。用いることのでき
る除去溶剤としては用いる光反応性樹脂の溶解性に合わ
せて適宜選択できるが,たとえば,水系のエマルジョン
タイプ樹脂の場合には水や酸性水溶液,アルカリ性水溶
液を用いることができ,また,各種の有機溶剤を用いて
もよい。
【0075】ついで,工程Dとして部分的に光反応性樹脂を
除去して鏡面反射層が露出している再帰反射性物品を部
分的に非鏡面化する。
【0076】鏡面反射層の露出部分を非鏡面化する手段とし
ては酸化金属化処理、陽極酸化皮膜処理、クロム酸塩皮
膜処理、リン酸塩皮膜処理などの手段により、金属層を
酸化物、水酸化物、クロム酸塩およびリン酸塩などの無
機塩化合物およびシュウ酸塩などの有機塩化合物に変え
ることにより非鏡面化されて反射性能が失われて、その
部分が像として形成される。
【0077】本発明に用いることのできる非鏡面化の手段と
しては、アルミニウムおよびアルミニウム合金類からな
る鏡面反射層の酸化金属処理が好ましい。アルミニウム
は両性金属であるために、各種の無機酸、有機酸および
アルカリ類が酸化処理剤として用いることができるが、
酸性水溶液中ではアルミニウムイオンAl3+として溶
解し、アルカリ性溶液中ではアルミン酸イオンAlO
として溶解してしまうので、酸化金属皮膜の条件とし
てはpHが4〜8の中性領域で行って溶解性の少ない状
態、すなわち、不動態化することが重要である。
【0078】用いることのできる酸化金属皮膜剤としては酢
酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、水酸化アンモニウム、
炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液が好ま
しい。とくに、酢酸、珪酸ソーダ、アンモニア水は幅広
いpH条件が採用できるので好ましい。形成する酸化金
属皮膜はバヤライト、ベーマイトなどの酸化アルミニウ
ムの水和物と信じられる。
【0079】上記の酸化金属処理は、アルミニウム以外の金
属においても採用できる。その際には、用いる金属の性
質に合わせて、適宜酸及びアルカリを選択する必要があ
る。
【0080】また、本発明に用いることのできる他の酸化金
属処理による非鏡面化の手段としては熱水処理によるア
ルミニウムおよびアルミニウム合金類からなる鏡面反射
層のベーマイト処理が好ましい。
【0081】ベーマイト処理の方法としては、アルミニウム
及びアルミニウム合金を水中で熱処理する方法があげら
れる。このさいに、水中にアンモニアやアミン類を添加
すると安定な皮膜を形成できるので好ましい。
【0082】さらに、アルミニウム及びアルミニウム合金の
無機クロム酸塩処理の方法としては、クロム酸塩皮膜処
理、リン酸塩皮膜処理などのいわゆる化成皮膜による非
鏡面化も可能である。
【0083】リン酸処理の方法としては、リン酸亜鉛溶液に
リン酸カルシウムを加えた溶液をもちいて、浸漬法によ
りリン酸化成皮膜化により非鏡面化することができる。
さらに、リン酸マンガン系皮膜も採用できる。
【0084】アルミニウム及びアルミニウム合金のクロム酸
塩処理の方法としては、クロム酸およびクロム酸塩を主
成分としてフッ化物、酸化剤、塩化物あるいはリン酸塩
を含む処理液で処理を行うことによりクロム酸皮膜、い
わゆるクロメート皮膜を形成して非鏡面化することがで
きる。処理の方法としてはアルミニウム合金の組成や用
いる処理液の組成にもよるが、室温から70℃、数秒か
ら10分程度の浸漬やスプレー法で行うことができる。
【0085】また、本発明に用いることのできるアルミニウ
ム及びアルミニウム合金類の非鏡面化の他の手段として
は陽極酸化皮膜処理が好ましい。
【0086】本発明における陽極酸化皮膜処理としては、金
属鏡面反射層を陽極として硫酸、シュウ酸、リン酸、ク
ロム酸などの溶液を用いて電解処理すること、いわゆる
アルマイト化により非鏡面化されうる。これらの処理方
法の具体的な方法としては日本工業規格のJIS H9
500に定められる硫酸陽極酸化処理技術基準やJIS
H9501 に定められるシュウ酸陽極酸化処理技術
基準に記載されているので、ここでは,これらの文献の
引用をもって具体的記述に代える。
【0087】上記の工程Dにおいて,光反応性樹脂や鏡面反
射層の部分的な非鏡面化処理するのに用いたアルカリや
酸は,中和剤や水を用いて洗浄を行い,近接する鏡面反
射層の残留部分が犯されないようにするのが好ましい。
【0088】残留した光反応性樹脂層はそのまま残しても、
残さなくても構わない。光反応性樹脂層を除去するに
は,さらに強力な溶剤などを用いて除去したり,粘着剤
シートを積層した後に光反応性樹脂層と共に引き剥がす
などの方法を用いることができる。
【0089】本発明においては鏡面反射層の露出部分をその
場で非鏡面化したのちに、染料や顔料による含侵による
着色法または二次電解着色法により非鏡面化部分を着色
することも可能である。着色する方法としては各種の染
料や顔料などを含有した着色樹脂を含侵させる方法や二
次電解着色法などが採用できる。
【0090】さらに、工程Dにおいて生成させたクロメート
塩、リン酸塩などでは生成物そのものが着色されていて
像を形成しない鏡面反射部分と区別できるようにしても
よい。ベーマイト処理においても適宜処理条件を変更す
ることにより、白から黒までの色に像の色調を変えるこ
とができる。具体的なベーマイトの処理条件としては、
熱水中で処理を行いアルミニウムをAl・H
(ベーマイト)とすることができるが、アルミニウムの
溶解を抑制するために抑制剤としてフッ化水素、クロム
酸、酒石酸、リン酸などの酸類やクロム酸塩、リン酸塩
などのアルカリ化合物を添加するのが好ましい。さら
に、クロム酸塩と炭酸ソーダを用いるMBV法を採用す
ることもできる。生成するベーマイト皮膜はこれらの添
加物により白から黒までの色に像の色調を変えることが
できる。
【0091】さらに、部分的に非鏡面化部分を染料や顔料に
よる含侵による着色法としては、各種の顔料や染料など
をスプレーしたり、浸漬することができる。用いること
のできる染料としては各種の直接染料(コンゴーレッド
など)、酸性染料(オレンジH、ローズレッドなど)、
塩基性染料(マラカイトグリーン、オーラミンなど)
を、タンニン酸、没食子酸、フェノールなどの媒染剤類
と併用して用いることが好ましい。このような染料や顔
料による着色方法はアルミニウムを工程Dで処理して酸
化物や水酸化物に変化させた非鏡面化部分において特に
好ましい。
【0092】アルミニウム酸化物の染色を行う具体的な方法
としては、それ自体公知の各種の無機塩や有機染料の混
合水溶液を用いて、黒、灰、褐色、黄色、赤色、青色な
どのさまざまな色に染色することができ、これらの染色
像は視認性や耐侯性に優れていて特に好ましい。
【0093】アルミニウム酸化物を黒色に染色する方法とし
ては、モリブデン酸アンモニウムと塩化アンモニウム水
溶液を用いる方法、モリブデン酸アンモニウムと硝酸ア
ンモニウム水溶液を用いる方法などを採用することがで
きる。
【0094】アルミニウム酸化物を褐色に染色する方法とし
ては、硫酸カリウム、硫酸バナジウム、重クロム酸カリ
ウムおよびアリザリン染料の水溶液を用いる方法、過マ
ンガン酸カリウムと硫酸マンガンの水溶液を用いる方法
などが採用できる。
【0095】また、アルミニウム酸化物を褐色に黄色する方
法としては、硫酸カリウムとモーリン染料の水溶液を用
いる方法などが採用できる。
【0096】さらに、アルミニウムにより形成された鏡面反
射層の場合には、いわゆる、二次電解着色法により黒、
暗灰、暗黄色、暗赤色、暗青色などの色に着色すること
ができる。この方法により着色された像は化学的に安定
な像として形成されるので耐久性、耐侯性に優れており
好ましい。
【0097】二次電解着色法による像の着色方法としては、
工程Dにおいて陽極酸化皮膜処理によりアルミニウム製
の鏡面反射層をいわゆるアルマイト化した後に、引き続
いて、それ自体公知の方法で二次電解着色することがで
きる。
【0098】上記のようにして作成した像の形成された再帰
反射製物品は,アルミニウム、鉄、プラスチック、ガラ
ス、紙や木板などに積層する目的で接着剤や粘着剤を積
層することができる。積層する方法としては接着剤と剥
離ライナーを積層した接着剤ライナーと再帰反射物品と
を圧着ロールで必要に応じて熱をかけながら圧着する方
法が採用できる。
【0099】本発明の再帰反射シートに用いることのできる
接着剤としては、感圧型接着剤、感熱型接着剤、架橋型
接着剤などを適宜選択できる。感圧接着剤としてはブチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イ
ソオクチルアクリレート、ノニルアクリレートなどアク
リル酸エステルをメタアクリル酸、酢酸ビニルなどと共
重合して得られるポリアクリル酸エステル粘着剤やシリ
コン樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤などを用いることがで
きる。感熱型接着剤としてはアクリル系、ポリエステル
系、エポキシ系樹脂、オレフイン系樹脂などを用いるこ
とができる。
【0100】次に図によって本発明をより詳しく説明する。
【0101】図1は従来技術に基づく封入型再帰反射物品を
説明する断面図である。印刷層3が印刷法により設置さ
れて像が形成されている。鏡面反射層7が焦点層6を介
して微小硝子球5に設置された再帰反射素子を形成し,
固着層を介して平坦で透明な表面層2に積層されてい
る。さらに,鏡面反射層には接着剤層8および剥離材層
9が設置されており,入射光1を光の入射した方向に再
帰反射するように作られている。
【0102】つぎに,図2〜図7によって本発明における像
が形成された封入型再帰反射物品の形成方法を詳細に説
明する。
【0103】図2は本発明に用いる出発原料として用いるた
めの、従来技術により形成された像の形成されていない
封入型再帰反射物品の断面図である。第1面は平坦で透
明な表面層2をもち,第2面は鏡面反射層7が焦点層6
を介して微小硝子球5に設置された再帰反射素子が露出
している。
【0104】図3は露出した鏡面反射層7の上に光反応性樹
脂10が積層されている工程Aを説明する図である。
【0105】図4は積層された光反応性樹脂10の上に,光
遮蔽マスク11を設置し,光を照射して選択的な光反応
を行う工程Bを説明する図である。選択的な光反応は図
4に示されるようなマスクを用いずにレーザービーム法
により選択的に光を照射することにより達成することも
出来る。
【0106】図5は選択的光反応により形成された光反応部
分を各種の溶剤などを用いて,光重合性,光縮合性のネ
ガ型の光架橋性樹脂の場合には光を照射しなかった非反
応部分を,また,ポジ型の光分解性樹脂の場合には光を
照射した分解反応部分を部分的に除去する工程Cを説明
する図である。光反応性樹脂層10は像を形成する部分
が除去されており,鏡面反射層が露出している。
【0107】図6は図5の工程で露出した鏡面反射層7を、
その場で非鏡面化する工程Dを経由して、その部分に像
が形成された再帰反射物品である。
【0108】図7は図6における像が形成された再帰反射物
品を,各種の基材に貼り付けるために接着剤層8を設置
した図である。
【0109】図8は従来技術に基づき,印刷法により像3が
形成された鏡面反射式プリズム型再帰反射物品を説明す
る断面図である。第1面は透明で平坦な表面層2をも
ち,プリズム層12におけるプリズム素子の反射表面に
は鏡面反射層7があり,さらに,接着剤層8および剥離
材層9が設置されている。
【0110】つぎに,図9〜図12によって本発明における
像が形成された鏡面反射式プリズム型再帰反射物品の形
成方法を詳細に説明する。
【0111】図9は光反応性樹脂10が鏡面反射層7上に設
置されたプリズム型再帰反射物品に光遮蔽マスク11を
設置し(工程A),光を照射して選択的な光反応を行う
工程Bを説明する図である。選択的な光反応は図9に示
されるようなマスクを用いずにレーザービーム法により
選択的に光を照射することにより達成することも出来
る。
【0112】図10は選択的光反応により形成された光反応
部分を各種の溶剤などを用いて,光重合性,光縮合性の
ネガ型の光架橋性樹脂の場合には光を照射しなかった非
反応部分を,また,ポジ型の光分解性樹脂の場合には光
を照射した分解反応部分を部分的に除去する工程Cを説
明する図である。光反応性樹脂層10は像を形成する部
分が除去されており,鏡面反射層が露出している。
【0113】図11は図10の工程で露出した鏡面反射層7
を,その場で非鏡面化する工程Dを経由して,その部分
に像が形成された再帰反射物品である。
【0114】図12は図11における像が形成された再帰反
射物品を,各種の基材に貼り付けるために接着剤層8を
設置した図である。
【0115】
【発明の効果】
【0116】本発明による方法で形成された像は、反射素子
に直接構成されており、像そのものが印刷インキなどに
よる着色剤や有機バインダー樹脂などの本質的に光や水
などの浸入により分解しやすい構成物を含まず、化学的
に安定な金属酸化物などの形態に変化させているために
耐侯性や耐久性の優れた像を形成することができる。
【0117】従来公知の像を形成する方法である表面保護層
の表面(第1面)や内面などに印刷インキを用いて印刷
法により像を形成する方法においては,樹脂層が外部か
らの光の暴露や水の侵入によって劣化が促進されやす
く,耐久性の優れた像を得ることが困難であった。しか
しながら,本発明による鏡面反射層の部分的な非鏡面化
による像の形成方法においては,生成される像を形成す
る物質は化学的に安定な金属酸化物や各種の金属塩であ
るために、像として用いる印刷インキの劣化という不具
合が発生しえないので耐久性に優れた像が形成される。
【0118】さらに,マーチンの特開平4-229244号や特開平
1-231004号に開示されているような,逆反射マイクロ
プリズム面上に形成された金属付着層に部分的に接着層
を形成し,接着層により保護されていない金属層を引き
剥がすことにより,部分的に金属層の設置されていない
逆反射マイクロプリズムシートの形成方法においては,
接着剤層を印刷法などで設置する必要があるためにプリ
ズム間の溝に沿って溶剤を含んだ接着剤が流れ出して鮮
明な像が形成できないという問題点があった。さらに,
溶剤によりプリズムが変形を起こし再帰反射性能が低下
するという問題点がおこりがちであった。しかしなが
ら,本発明による鏡面反射層の部分的なその場における
非鏡面化による像の形成方法においては,上記のような
不具合がおこらず鮮明な像の形成が可能である。
【0119】また,レーザー法による像の形成方法は反射素
子である微小硝子球やプリズムの部分的破壊を起こすた
めに,再帰反射性能を低下させるという問題点があっ
た。さらに,用いることのできるレーザー光線の径が小
さいために形成しうる像は微小点の集合像として得られ
るために,鮮明な像が得られにくく,広範囲の像を形成
するのが困難であったが,本発明による鏡面反射層の部
分的なその場における非鏡面化による像の形成方法にお
いては,上記のような不具合が発生しにくく鮮明で広範
な像の形成が可能である。
【0120】さらに、本発明においては、形成された金属酸
化物や金属塩に各種の着色剤を用いて色をつけることが
できる。これらの着色層はインキなど必要な有機物質に
よるバインダーを必要とせず、耐久性に優れている。ま
た、本発明においては鏡面反射層の露出部分をその場で
非鏡面化したのちに、染料や顔料による含侵による着色
法または二次電解着色法により非鏡面化部分を着色する
ことも可能であるために、化学的に安定着色像の形成が
可能である。
【0121】さらに,薄層アンテナ付の非接触型IC通信装
置が積層された再帰反射物品においては,アルミニウ
ム,アルミニウム−マグネシウム合金、アルミニウム−
マンガン合金,銀、ニッケルなどの金属皮膜が設置され
ていると電波の反射により通信が阻害されてしまうとい
う問題が生じる。しかしながら、本発明による鏡面反射
層を部分的に非鏡面化した場合には、鏡面反射層の導電
性をなくして電波の反射により阻害されないようにし
て,その反射素子層の下面に設置した情報通信用の薄層
アンテナの受信感度を向上することに最適である。
【0122】以下,実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。
【実施例】
【0123】<実施例1>日本カーバイド工業株式会社製の
鏡面反射式プリズム型再帰反射シート、ニッカライトク
リスタルグレード#96502タイプの粘着材層を設置
する前の、鏡面反射層が露出している第2面をもつ再帰
反射シートを出発原料(出発原料1)として、下記の工
程により像が形成された再帰反射シートを作成した。以
下に、この製造工程を詳細に説明する。
【0124】この実施例でもちいた出発原料1は、図8に示
される従来公知の鏡面反射式プリズム型再帰反射シート
の印刷層3、粘着剤層8および剥離材層9がない構造で
あり、第1面は平坦で透明な厚さ50μmのアクリル樹
脂製の表面層2であり、ポリカーボネート製のプリズム
層12におけるプリズム素子の反射表面には厚さ0.8
μmのアルミニウム製の鏡面反射層7が真空蒸着法によ
り設置されて露出している。
【0125】光反応性樹脂として、ドライフイルムフォトレ
ジストタイプの日立化成工業株式会社製アルカリ現像型
感光性フイルム「フォテック」H2300を用いた。こ
のドライフイルムレジストは膜厚が48μmであり、光
透過性のキャリアフイルムと保護フイルムにより両面が
保護されていた。
【0126】一対の加熱圧着ロールを用いて、上記の出発原
料1にドライフイルムレジストの保護フイルムを剥離し
ながら鏡面反射層の露出した側の面に空気が残留しない
ようにして積層を行い、出発原料1、ドライフイルムレ
ジストおよびキャリアフイルムが積層された工程品1A
を得た。
【0127】この工程品1Aのキャリアフイルム側の面に、
黒色インキにより文字像が印刷された厚さ75μmのポ
リエステル樹脂製のマスクフイルムを設置して、ランプ
入力80w/cmの高圧水銀ランプタイプの紫外線照射
装置(ウシオ電機社製)を用いて20秒間露光処理をおこ
ない、選択的光照射により光反応性樹脂を部分的に反応
させる工程品1Bを得た。なお、用いたマスクフイルム
には視認性の評価を目的として文字大きさ11ポイント
で文字体がCenturyのアルファベット文字“AB
C”が印刷されていた。
【0128】ついで、上記の工程品1−2のキャリアフイル
ムを取り除いた後に、pHが8に調整された10%炭酸
ナトリウム水溶液を現像液として用いて、温度60℃の
条件で未反応部分の光反応性樹脂を取り除いたのちに、
水洗浄を行って部分的に鏡面層が露出した工程品1Cの
作成を行った。
【0129】引き続いて、上記の工程品1Cを同じくpHが
8に調整された10%炭酸ナトリウム水溶液中で温度6
0℃の条件で酸化処理を行って部分的に露出したアルミ
ニウム鏡面反射層を非鏡面化して像を形成して工程品1
Dを作成した。
【0130】上記の工程品1Dの、像が形成された側の第2
面に厚さ50μmのアクリル樹脂製の粘着剤(日本カー
バイド工業株式会社製ニッセツKP1818)と厚さ80
μmの大倉工業株式会社製ポリプロピレン製の剥離材を
積層して、像が形成された再帰反射シート(試作品1)
を作成した。
【0131】<実施例2>実施例1で作成した工程品1Cを
用いて、下記のクロメート処理液を用いて温度70℃の
条件で、露出した鏡面層をクロメート処理して非鏡面化
し、工程品2Dを作成した。 <クロメート処理液> 2%炭酸ナトリウム 0.2%酸性リン酸ソーダ 2%重クロム酸カリウム 2%過マンガン酸カリウム
【0132】さらに、この工程品2Dを実施例1と同様に像
が形成された側の第2面に厚さ50μmのアクリル樹脂
製の粘着剤(日本カーバイド工業株式会社製ニッセツK
P1818)と厚さ80μmの大倉工業株式会社製ポリプ
ロピレン製の剥離材を積層して、像が形成された再帰反
射シート(試作品2)を作成した。
【0133】<実施例3>実施例1で作成した工程品1Cを
用いて、工程3Cとして純水中で温度95℃の条件で熱
水処理を行い、露出した鏡面層をベーマイト処理により
非鏡面化し、工程品3Dを作成した。
【0134】さらに、この工程品3Dを実施例1と同様に像
が形成された側の第2面に厚さ50μmのアクリル樹脂
製の粘着剤(日本カーバイド工業株式会社製ニッセツK
P1818)と厚さ80μmの大倉工業株式会社製ポリプ
ロピレン製の剥離材を積層して、像が形成された再帰反
射シート(試作品3)を作成した。
【0135】<実施例4>実施例2で作成した工程品1Dを
用いて、非鏡面化した部分に染色処理を行った。染色の
方法としては、純水1リットルに25gの硫酸カリウ
ム、0.5gの硫酸バナジウム、0.5gの重クロム酸
カリウムおよび1gのアリザリン染料を溶解させた染色
液中に浸漬させて、褐色の染色を行った。
【0136】<実施例5>実施例1で用いた出発原料1にか
わり、日本カーバイド工業株式会社製の封入レンズ型再
帰反射シート、ニッカライトSEGタイプの粘着材層を
設置する前の、鏡面反射層が露出している第2面をもつ
再帰反射シートを出発原料(出発原料5)としてもちい
た以外は、実施例1と同じ方法で、像が形成された再帰
反射シート(試作品5)を作成した。
【0137】実施例5でもちいた出発原料5は、図1に示さ
れる従来公知の封入レンズ型再帰反射シート、ニッカラ
イトSEGタイプの印刷層3、粘着剤層8および剥離材
層9がない構造をもつ。第2図に示されるように第1面
は平坦で透明な厚さ45μmのアクリル樹脂製の表面層
2であり、微小硝子球5には厚さ1μmのアルミニウム
製の鏡面反射層7が真空蒸着法により設置されて露出し
ている。
【0138】<実施例6>実施例5で用いた出発原料5をも
ちいて、実施例5に記載の工程品5Aを作成するのに用
いたドライフイルムレジストフイルムに代わり、東京応
化工業株式会社社製のポジ型g線レジスト樹脂OFPR
800を用いて、スクリーン印刷法で鏡面反射層が露出
している第2面の全面に積層後乾燥処理を行って厚さ4
0g/m の光反応性樹脂層を設置した以外は、実施例
5と同じ方法で像が形成された再帰反射シート(試作品
6)を得た。
【0139】実施例6で用いたレジスト樹脂はナフトキノン
ジアジド(NQD)化合物を溶解禁止剤として用いたノ
ボラック樹脂をバインダーとする組成として成り立って
いると信じられる。露光に用いた紫外線は波長365nm
の紫外線を用いた。また、露光液としてはpHが8で濃
度15重量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、温度6
0度の条件で未反応部分のレジスト樹脂を取り除いたの
ちに、水洗浄を行って工程品6Cの作成を行った。
【0140】引き続いて、上記の工程品6Cを同じくpHが
8に調整された15%炭酸ナトリウム水溶液中で温度6
0℃の条件で酸化処理を行って部分的に露出したアルミ
ニウム鏡面反射層を非鏡面化して像を形成して工程品6
Dを作成した。
【0141】さらに、実施例4と同じ方法で非鏡面化した部
分に染色処理を行った。染色の方法としては、純水1リ
ットルに25gの硫酸カリウム、0.5gの硫酸バナジ
ウム、0.5gの重クロム酸カリウムおよび1gのアリ
ザリン染料を溶解させた染色液中に浸漬させて、褐色の
染色を行った。
【0142】工程品6Dを染色した後に、像が形成された側
の第2面に厚さ50μmのアクリル樹脂製の粘着剤(日
本カーバイド工業株式会社製ニッセツKP1818)と厚
さ80μmの大倉工業株式会社製ポリプロピレン製の剥
離材を積層して、像が形成された再帰反射シート(試作
品6)を作成した。
【0143】<比較例>比較品として、実施例1で用いた出
発原料1にかわり、日本カーバイド工業株式会社製の封
入レンズ型再帰反射シート、ニッカライトSEGタイプ
に印刷像が形成された再帰反射シートを用いた。比較例
でもちいた再帰反射シートは、図1に示される従来公知
の封入レンズ型再帰反射シートに赤色の印刷層3がグラ
ビア印刷方で設置されている。第2図に示されるように
第1面は平坦で透明な厚さ45μmのアクリル樹脂製の
表面層2であり、微小硝子球5には厚さ1μmのアルミ
ニウム製の鏡面反射層7が真空蒸着法により設置されて
露出している。
【0144】<測定法1>視認性試験 文字像“ABC”が形成された試作品を水平に置き、高
さ1mの真上から蛍光灯の光を照射し、角度45度の観
察角で距離45cmの条件で形成された像の視認性を目
視で判断して以下のように評価を行った。 A:像“ABC”の存在が鮮明に確認できる。 B:像“ABC”の存在が確認できる。 C:像“ABC”の存在がかすかに確認できる。 D:像“ABC”の存在が確認できない。
【0145】<測定法2>耐侯性試験後の視認性 耐候性試験機として、アトラスエレクトリックデバイス
社製CXW−B−812501500を用いて、暴露時
間を3000時間とした以外は、JIS Z−9117
に準じて、耐候性試験を行った。促進耐侯性試験後の像
の視認性を測定法1に規定の視認性試験法に基づいて評
価を行った。
【0146】<測定法3>耐侯性前の再帰反射性能の測定 再帰反射性能測定器として、アドバンスト・レトロ・テ
クノロジー社製「モデル920」を用い、促進耐侯性試
験前の100mm×100mmの試作品の再帰反射性能
をJIS Z−9117に準じて、観測角0.2°、入
射角5°により適宜の5点について測定し、その平均値
をもって再帰反射シートの再帰反射性能とした。
【0147】<測定法4>耐侯性後の再帰反射性能の測定 測定法3と同じく,再帰反射性能測定器としてアドバン
スト・レトロ・テクノロジー社製「モデル920」を用
い、促進耐侯性試験後の100mm×100mmの試作
品の再帰反射性能をJIS Z−9117に準じて、観
測角0.2°、入射角5°により適宜の5点について測
定し、その平均値をもって再帰反射シートの促進耐侯性
評価後の再帰反射性能とした。
【0148】<測定法5>非鏡面化処理後の金属成分の分析 鏡面層金属が非鏡面化処理後にその場で残留して像が形
成していることの確認として、像形成部分の金属成分を
SEM−EDS法により分析を行った。測定に用いた分
析器は日本電子株式会社製のJSM−5900型分析装
置であり、電圧1.5keVにおけるシグナル強度をも
ってアルミニウムの存在を確認した。
【0149】上記実施例に記載の試作品を上記の測定法によ
り対比した表1を以下に示す。
【0150】
【表1】
【0151】また、鏡面層金属が非鏡面化処理後にその場で
残留して像が形成していることの確認としてEPMA分
析法により、以下の試料の像部分の分析を行った。 分析試料1: 実施例1で用いた出発原料1の鏡面反射
層 分析試料2: 試料1を水酸化ナトリウムでエッチング
してアルミニウム層を除去した試料。 分析試料3: 実施例1で作成した試作品1の像形成部
【0152】図13〜15に分析試料1〜3の分析結果を図
示する。分析試料1にはアルミニウムが存在し反射素子
を覆っているが、1N−水酸化ナトリウム水溶液でエッ
チングした分析試料2にはアルミニウムが存在せず、像
の部分で反射素子が露出していることを示している。一
方、本発明の方法により像が形成された分析試料3にお
いては、像形成部分が非鏡面化されていることが目視に
より確認できるが、アルミニウムが残留しておりその場
で非鏡面化されていることを示している。
【0153】本発明の記載により像が形成された試作品1〜
6はいずれも優れた視認性と耐久性を示したが、比較例
に用いた印刷像は特に耐久性に劣っていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術による封入型再帰反射物品
【図2】 本発明の封入型再帰反射物品の工程を説明す
る図
【図3】 本発明の封入型再帰反射物品の工程を説明す
る図
【図4】 本発明の封入型再帰反射物品の工程を説明す
る図
【図5】 本発明の封入型再帰反射物品の工程を説明す
る図
【図6】 本発明の封入型再帰反射物品の工程を説明す
る図
【図7】 本発明の封入型再帰反射物品の工程を説明す
る図
【図8】 従来技術による鏡面反射式プリズム型再帰反
射物品
【図9】 本発明のプリズム型再帰反射物品の工程を説
明する図
【図10】 本発明のプリズム型再帰反射物品の工程を
説明する図
【図11】 本発明のプリズム型再帰反射物品の工程を
説明する図
【図12】 本発明のプリズム型再帰反射物品の工程を
説明する図
【図13】 分析試料1の金属分析結果
【図14】 分析試料2の金属分析結果
【図15】 分析試料3の金属分析結果
【符号の説明】
1 入射光 2 表面層 3 印刷層(像) 4 固着層 5 微小硝子球 6 焦点層 7 鏡面反射層 8 接着剤層 9 剥離材層 10 光反応性樹脂層 11 光遮蔽マスク 12 プリズム層 13 非鏡面化部分

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平坦な第1面をもつ実質的に透明な層を含
    んでなる第1層と,鏡面反射層が露出している第2面を
    もつ再帰反射素子層を含んでなる第2層とからなる再帰
    反射性物品を用いて, A. 第2面の鏡面反射層上に光反応性樹脂層を設置する
    工程 B. 選択的光照射により光反応性樹脂を部分的に反応さ
    せる工程 C. 光反応性樹脂層の選択領域を部分的に除去する工程 D. 鏡面反射層の露出部分をその場で非鏡面化すること
    により像を形成する工程 により像が形成された再帰反射性物品。
  2. 【請求項2】鏡面反射層を構成する物質がアルミニウ
    ム,アルミニウム−マグネシウム合金、アルミニウム−
    マンガン合金,銀、銅、ニッケルから選ばれる金属皮膜
    であり、鏡面反射層の露出部分を非鏡面化する手段が酸
    化金属化処理、陽極酸化皮膜処理、クロム酸塩皮膜処
    理、リン酸塩皮膜処理である請求項1に記載の像が形成
    された再帰反射性物品。
  3. 【請求項3】染色クレーム鏡面反射層の露出部分をその
    場で非鏡面化したのちに、染料、顔料による着色法また
    は二次電解着色法により非鏡面化部分を着色することに
    より像が形成された請求項1または2に記載の再帰反射
    性物品。
  4. 【請求項4】再帰反射素子層が封入レンズ型,カプセル
    レンズ型および鏡面反射式プリズム型再帰反射素子の群
    より選ばれた再帰反射素子より構成されてなる請求項1
    〜3に記載の像が形成された再帰反射性物品。
  5. 【請求項5】鏡面反射式プリズム型再帰反射素子を構成
    する再帰反射素子が,3方向から交差する断面が実質的
    に対称な平行V溝群により切取られて形成された三角錐
    型キューブコーナー型再帰反射素子対である請求項1〜
    4に記載の像が形成された再帰反射性物品。
  6. 【請求項6】鏡面反射式プリズム型再帰反射素子を構成
    する再帰反射素子が,3方向から交差する断面が実質的
    に対称な平行V溝群により切取られて形成された三角錐
    型キューブコーナー型再帰反射素子対であって,3方向
    のV溝の少なくとも1方向のV溝の深さが他の2方向の
    V溝の深さと異なっている請求項5に記載の像が形成さ
    れた再帰反射性物品。
  7. 【請求項7】第2面の鏡面反射層上に設置する光反応性
    樹脂層が光重合性,光縮合性,光架橋性および光分解性
    のいずれかである請求項1〜6のいずれかに記載の像が
    形成された再帰反射性物品。
  8. 【請求項8】第2面の鏡面反射層上に設置する光反応性
    樹脂層が光重合性,光縮合性,光架橋性および光分解性
    のいずれかであり,像を形成する部分の光反応性樹脂層
    の厚みが10〜200μmである請求項1〜7のいずれ
    かに記載の像が形成された再帰反射性物品。
  9. 【請求項9】第2面の鏡面反射層上に設置する光反応性
    樹脂層が、シート状の形態で供給される請求項1〜8の
    いずれかに記載の像が形成された再帰反射性物品。
  10. 【請求項10】選択的に光を照射する方法が光遮蔽マス
    ク法および/または光走査法である請求項1〜9のいず
    れかに記載の像が形成された再帰反射性物品。
  11. 【請求項11】平坦な第1面をもつ第1層と,鏡面反射
    層が露出している第2面をもつ再帰反射素子層を含んで
    なる第2層からなる再帰反射性物品を用いて, A.第2面の鏡面反射層上に光反応性樹脂層を設置する工
    程 B.選択的光照射により光反応性樹脂を部分的に反応させ
    る工程 C.光反応性樹脂層の選択領域を部分的に除去する工程 D.鏡面反射層の露出部分をその場で非鏡面化することに
    より像を形成する工程 により像を形成する方法。
  12. 【請求項12】鏡面反射層を構成する物質がアルミニウ
    ム,アルミニウム−マグネシウム合金、アルミニウム−
    マンガン合金,銀、銅、ニッケルから選ばれる金属皮膜
    であり、鏡面反射層の露出部分を非鏡面化する手段が酸
    化金属化処理、陽極酸化皮膜処理、クロム酸塩皮膜処
    理、リン酸塩皮膜処理である請求項11に記載の像を形
    成する方法。
  13. 【請求項13】鏡面反射層の露出部分をその場で非鏡面
    化したのちに、染料、顔料による着色法または二次電解
    着色法により非鏡面化部分を着色することにより像を形
    成する請求項11または12に記載の像を形成する方
    法。
  14. 【請求項14】第2面の鏡面反射層上に設置する光反応
    性樹脂層が光重合性,光縮合性,光架橋性および光分解
    性のいずれかである請求項11〜13に記載の像を形成
    する方法。
  15. 【請求項15】第2面の鏡面反射層上に設置する光反応
    性樹脂層が光重合性,光縮合性,光架橋性および光分解
    性のいずれかであり,像を形成する部分の光反応性樹脂
    層の厚みが10〜200μmである請求項11〜14に
    記載の像を形成する方法。
  16. 【請求項16】第2面の鏡面反射層上に設置する光反応
    性樹脂層が、シート状の形態で供給されて第2面の鏡面
    反射層上に設置される請求項11〜15のいずれかに記
    載の像を形成する方法。
  17. 【請求項17】選択的に光を照射する方法が光遮蔽マス
    ク法および/または光走査法である請求項11〜16の
    いずれかに記載の像を形成する方法。 【0001】
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