JP2003233075A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003233075A
JP2003233075A JP2002032726A JP2002032726A JP2003233075A JP 2003233075 A JP2003233075 A JP 2003233075A JP 2002032726 A JP2002032726 A JP 2002032726A JP 2002032726 A JP2002032726 A JP 2002032726A JP 2003233075 A JP2003233075 A JP 2003233075A
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alignment film
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JP2002032726A
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Masanori Akiyama
雅則 秋山
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示のための構成で、不純物イオンを吸着さ
せるための別途の部品を用いることなく、不純物イオン
を表示領域を除く残余の領域に吸着させて、表示パター
ンの焼付きおよび残像を抑制することができる液晶表示
装置を提供する。 【解決手段】 第1配向膜11が、非表示領域4に配置
され、かつゲートバスライン12に積層される非表示配
線領域部分11cの膜厚と、表示領域3に配置される表
示領域部分11aの膜厚とが、相互に異なるように形成
される。非表示配線領域部分11cおよび表示領域部分
11aの膜厚が、相互に異なるように形成されることに
よって、液晶層7に存在する不純物イオンを、非表示配
線領域部分11cに選択的に、かつ効果的に吸着させ
て、不純物イオンが表示領域部分11aに吸着すること
を防止することができる。これによって表示領域3にお
ける表示パターンの焼付きおよび残像を抑制することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示パターンが表
示される表示領域における焼付きおよび残像の発生を防
止する構造を備える液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術の液晶表示装置は、ガラス基
板、制御用電極、対向電極、配向膜、シール材、液晶お
よび注入口封止材を含んで構成される。一方のガラス基
板には、制御用電極および配向膜が層状に形成される。
他方のガラス基板には、対向電極および配向膜が層状に
形成される。2枚のガラス基板は、一定の間隙を有する
ように、シール材によって貼り合わされ、これら2枚の
ガラス基板の間に液晶が封入される。
【0003】液晶は高抵抗であることが要求されるの
で、高純度の材料を用いて、材料汚染が極力小さくなる
ように製造プロセスが工夫されているが、不純物イオン
が液晶の層に混入してしまう場合がある。また液晶表示
装置を高温環境下で駆動することおよび制御用電極と対
向電極との間に生じる電界によって、不純物イオンが、
配向膜、シール材および注入口封止材から液晶の層に溶
出する。
【0004】液晶の層に不純物イオンが存在する状態
で、時間的に変化しない表示パターンを長時間にわたっ
て表示すると、電圧の極性を所定の時間毎に変えた直流
電圧が、制御用電極と対向電極との間に印加されるの
で、不純物イオンが配向膜に吸着して、表示された表示
パターンが画面表示領域に残る現象である残像および焼
付きが生じる。残像および焼付きによって、画面表示領
域には、表示不良が生じる。従来の技術の液晶表示装置
では、層変更する方法および基板の電極配置を変更する
方法によって、不純物イオンを画面表示領域以外の領
域、たとえば額縁に対応する領域に吸着させて、画面表
示領域に生じる表示不良を防止している。
【0005】層変更する方法、言換えると不純物イオン
を吸着させるための層を別途に設ける方法の具体例とし
て、特開平3−233428号公報に示される液晶表示
装置が挙げられる。基板の電極配置を変更する方法、言
換えると不純物イオンを吸着させるための電極を別途に
設ける方法の具体例として、特開平4−125617号
公報、特開平4−295824号公報、特開平8−20
1830号公報および特開平3−167529号公報に
示される液晶表示装置が挙げられる。
【0006】特開平3−233428号公報に示される
液晶表示装置は、吸着材を配向膜、液晶およびシール材
の少なくともいずれかに分散させて、不純物イオンを吸
着させる構成になっている。吸着材を上述の各部品のい
ずれかに分散させることによって、吸着材による層を別
途に設けて、不純物イオンを吸着材に吸着させる。
【0007】特開平4−125617号公報、特開平4
−295824号公報、特開平8−201830号公報
に示される液晶表示装置は、制御用電極の他に、不純物
イオン吸着用の電極をガラス基板に別途に設けて、その
電極による電界によって、不純物イオンを電極に引付け
て吸着させる構成になっている。
【0008】特開平3−167529号公報に示される
液晶表示装置は、画面表示領域内のゲートバスラインの
一部を、配向膜を介して液晶に接するようにすることに
よって、その一部を不純物イオン吸着用の電極として別
途に設けて、不純物イオンを表示領域内で吸着させる構
成になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−23342
8号公報に示される液晶表示装置に関して、配向膜、液
晶およびシール材は、液晶表示装置の表示品位を左右す
る重要な部品である。それらの部品に吸着材を分散させ
ると、透過率分布の均一性、配向特性の安定性および不
純物イオンを経時的に安定して吸着させた状態を保持さ
せることに問題が生じる。
【0010】特開平4−125617号公報、特開平4
−295824号公報および特開平8−201830号
公報に示される液晶表示装置では、不純物イオン吸着用
の電極を、画面表示領域以外の領域に別途に設けている
が、近年の液晶表示装置における高精細化および狭額縁
化に伴って、上述の電極を設けるための領域を確保する
ことが難しいという問題が生じる。
【0011】特開平3−167529号公報に示される
液晶表示装置では、ゲートバスラインには、ほとんどの
時間、負の電圧、言換えると制御用電極の電位が接地電
位よりも低くなる電圧が印加され、残りの時間、正の電
圧、言換えると制御用電極の電位が接地電位よりも高く
なる電圧が印加される。配向膜における不純物イオンの
遊離性が大きい場合、ゲートバスラインに正の電圧が、
短時間だけでも印加されると、ゲートバスライン付近に
集まった不純物イオンが離散してしまい、液晶の抵抗値
が小さくなり、各画素毎の表示動作に影響を及ぼすとい
う問題が生じる。
【0012】本発明の目的は、表示のための構成で、不
純物イオンを吸着させるための別途の部品を用いること
なく、不純物イオンを表示領域を除く残余の領域に吸着
させて、表示パターンの焼付きおよび残像を抑制するこ
とができる液晶表示装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極および電
極に連なる配線ならびに配向膜が設けられる2つの基板
間に液晶が封入される液晶表示装置であって、少なくと
も一方の基板に設けられる配向膜は、表示領域を除く残
余の領域に配置されかつ一方の基板に設けられる配線に
積層される非表示配線領域部分の膜厚と、表示領域に配
置される表示領域部分の膜厚とが、相互に異なることを
特徴とする液晶表示装置である。
【0014】本発明に従えば、電極および電極に連なる
配線ならびに配向膜が2つの基板にそれぞれ設けられる
とともに、液晶が2つの基板間に封入される。2つの基
板のうち、少なくとも一方の基板に設けられる配向膜
は、表示パターンが表示される表示領域に対応する表示
領域部分と、表示領域を除く残余の領域に配置され、か
つ一方の基板に設けられる配線に積層される非表示配線
領域部分とを有する。少なくとも一方の基板に設けられ
る配向膜は、非表示配線領域部分の膜厚と表示領域部分
の膜厚とが相互に異なる。
【0015】このように配向膜を、非表示配線領域部分
と表示領域部分との膜厚が異なるように構成することに
よって、2つの基板にそれぞれ設けられる電極間の電圧
を変化させて、液晶表示装置を駆動するときに、非表示
配線領域部分に不純物イオンを吸着させやすくすること
ができる。
【0016】吸着材を用いて、不純物イオン吸着用の層
を別途に設ける必要がないので、液晶における透過率分
布の均一性、配向膜における配向特性の安定性を保持す
ることができ、不純物イオンを経時的に安定して非表示
配線領域部分に吸着させることができる。イオン吸着用
の電極を別途に設ける必要がないので、余分な配線が要
らず、液晶表示装置の高精細化および狭額縁化を実現す
ることができる。表示領域内の配線の一部を絶縁膜で覆
わずに、不純物イオン吸着用の電極として別途に設ける
必要がないので、表示領域で凹凸が生じないように、平
坦な配向膜を基板に配置することができ、配向処理の精
度を向上させ、表示パターンを精細に表示させることが
できる。
【0017】上述のように配向膜の表示領域部分および
非表示配線領域部分の膜厚が異なるようにすることによ
って、表示のための構成で、不純物イオンを吸着させる
ための部品を別途に設けることなく、不純物イオンを非
表示配線領域部分に選択的に、かつ効果的に吸着させる
ことができる。不純物イオンを非表示配線領域部分に吸
着させることによって、表示領域部分における焼付きお
よび残像の発生を抑制することができる。
【0018】また本発明は、電極および電極に連なる配
線ならびに配向膜が設けられる2つの基板間に液晶が封
入される液晶表示装置であって、少なくとも一方の基板
に設けられる配向膜は、表示領域を除く残余の領域に配
置されかつ一方の基板に設けられる配線に積層される非
表示配線領域部分のプレチルト角と、表示領域に配置さ
れる表示領域部分のプレチルト角とが、相互に異なるこ
とを特徴とする液晶表示装置である。
【0019】本発明に従えば、電極および電極に連なる
配線ならびに配向膜が2つの基板にそれぞれ設けられる
とともに、液晶が2つの基板間に封入される。2つの基
板のうち、少なくとも一方の基板に設けられる配向膜
は、表示パターンが表示される表示領域に対応する表示
領域部分と、表示領域を除く残余の領域に配置され、か
つ一方の基板に設けられる配線に積層される非表示配線
領域部分とを有する。少なくとも一方の基板に設けられ
る配向膜は、非表示配線領域部分のプレチルト角と表示
領域部分のプレチルト角とが相互に異なる。
【0020】このように配向膜を、非表示配線領域部分
と表示領域部分とのプレチルト角が異なるように構成す
ることによって、2つの基板にそれぞれ設けられる電極
間の電圧を変化させて、液晶表示装置を駆動するとき
に、非表示配線領域部分に不純物イオンを吸着させやす
くすることができる。
【0021】吸着材を用いて、不純物イオン吸着用の層
を別途に設ける必要がないので、液晶における透過率分
布の均一性、配向膜における配向特性の安定性を保持す
ることができ、不純物イオンを経時的に安定して非表示
配線領域部分に吸着させることができる。イオン吸着用
の電極を別途に設ける必要がないので、余分な配線が要
らず、液晶表示装置の高精細化および狭額縁化を実現す
ることができる。表示領域内の配線の一部を絶縁膜で覆
わずに、不純物イオン吸着用の電極として別途に設ける
必要がないので、表示領域で凹凸が生じないように、平
坦な配向膜を基板に配置することができ、配向処理の精
度を向上させ、表示パターンを精細に表示させることが
できる。
【0022】上述のように配向膜の表示領域部分および
非表示配線領域部分の膜厚が異なるように構成すること
によって、表示のための構成で、不純物イオンを吸着さ
せるための部品を別途に設けることなく、不純物イオン
を非表示配線領域部分に選択的に、かつ効果的に吸着さ
せることができる。不純物イオンを非表示領域部分に吸
着させることによって、表示領域部分における焼付きお
よび残像の発生を抑制することができる。
【0023】また本発明は、前記少なくとも一方の基板
に設けられる配向膜は、非表示配線領域部分と表示領域
部分とが、別体に形成されることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、少なくとも一方の基板に
設けられる配向膜は、非表示配線領域部分と表示領域部
分とが、別体に形成される。配向膜の非表示配線領域部
分と表示領域部分とを別体に形成することによって、膜
厚が相互に異なる2つの部分を有する配向膜を容易に形
成することができる。
【0025】また本発明は、電極および電極に連なる配
線ならびに配向膜が設けられる2つの基板間に液晶が封
入される液晶表示装置であって、少なくとも一方の基板
に設けられる配向膜は、表示領域を除く残余の領域に配
置されかつ一方の基板に設けられる駆動回路に積層され
る非表示回路配置領域部分の膜厚と、表示領域に配置さ
れる表示領域部分の膜厚とが、相互に異なることを特徴
とする液晶表示装置である。
【0026】本発明に従えば、電極および電極に連なる
配線ならびに配向膜が2つの基板にそれぞれ設けられる
とともに、液晶が2つの基板間に封入される。2つの基
板のうち、少なくとも一方の基板に設けられる配向膜
は、表示パターンが表示される表示領域に対応する表示
領域部分と、表示領域を除く残余の領域に配置され、か
つ一方の基板に設けられる駆動回路に積層される非表示
回路配置領域部分とを有する。少なくとも一方の基板に
設けられる配向膜は、非表示回路配置領域部分の膜厚と
表示領域部分の膜厚とが相互に異なる。
【0027】このように配向膜を、非表示回路配置領域
部分と表示領域部分との膜厚が異なるように構成するこ
とによって、2つの基板にそれぞれ設けられる電極間の
電圧を変化させて、液晶表示装置を駆動するときに、非
表示回路配置領域部分に不純物イオンを吸着させやすく
することができる。
【0028】吸着材を用いて、不純物イオン吸着用の層
を別途に設ける必要がないので、液晶における透過率分
布の均一性、配向膜における配向特性の安定性を保持す
ることができ、不純物イオンを経時的に安定して非表示
回路配置領域部分に吸着させることができる。イオン吸
着用の電極を別途に設ける必要がないので、余分な配線
が要らず、液晶表示装置の高精細化および狭額縁化を実
現することができる。表示領域内の配線の一部を絶縁膜
で覆わずに、不純物イオン吸着用の電極として別途に設
ける必要がないので、表示領域で凹凸が生じないよう
に、平坦な配向膜を基板に配置することができ、配向処
理の精度を向上させ、表示パターンを精細に表示させる
ことができる。
【0029】上述のように配向膜の表示領域部分および
非表示回路配置領域部分の膜厚が異なるように構成する
ことによって、表示のための構成で、不純物イオンを吸
着させるための部品を別途に設けることなく、不純物イ
オンを非表示回路配置領域部分に選択的に、かつ効果的
に吸着させることができる。不純物イオンを非表示回路
配置領域部分に吸着させることによって、表示領域部分
における焼付きおよび残像の発生を抑制することができ
る。
【0030】また本発明は、電極および電極に連なる配
線ならびに配向膜が設けられる2つの基板間に液晶が封
入される液晶表示装置であって、少なくとも一方の基板
に設けられる配向膜は、表示領域を除く残余の領域に配
置されかつ一方の基板に設けられる駆動回路に積層され
る非表示回路配置領域部分のプレチルト角と、表示領域
に配置される表示領域部分のプレチルト角とが、相互に
異なることを特徴とする液晶表示装置である。
【0031】本発明に従えば、電極および電極に連なる
配線ならびに配向膜が2つの基板にそれぞれ設けられる
とともに、液晶が2つの基板間に封入される。2つの基
板のうち、少なくとも一方の基板に設けられる配向膜
は、表示パターンが表示される表示領域に対応する表示
領域部分と、表示領域を除く残余の領域に配置され、か
つ一方の基板に設けられる駆動回路に積層される非表示
回路配置領域部分とを有する。少なくとも一方の基板に
設けられる配向膜は、非表示回路配置領域部分のプレチ
ルト角と表示領域部分のプレチルト角とが相互に異な
る。
【0032】このように配向膜を、非表示回路配置領域
部分と表示領域部分とのプレチルト角が異なるように構
成することによって、2つの基板にそれぞれ設けられる
電極間の電圧を変化させて、液晶表示装置を駆動すると
きに、非表示回路配置領域部分に不純物イオンを吸着さ
せやすくすることができる。
【0033】吸着材を用いて、不純物イオン吸着用の層
を別途に設ける必要がないので、液晶における透過率分
布の均一性、配向膜における配向特性の安定性を保持す
ることができ、不純物イオンを経時的に安定して非表示
回路配置領域部分に吸着させることができる。イオン吸
着用の電極を別途に設ける必要がないので、余分な配線
が要らず、液晶表示装置の高精細化および狭額縁化を実
現することができる。表示領域内の配線の一部を絶縁膜
で覆わずに、不純物イオン吸着用の電極として別途に設
ける必要がないので、表示領域で凹凸が生じないよう
に、平坦な配向膜を基板に配置することができ、配向処
理の精度を向上させ、表示パターンを精細に表示させる
ことができる。
【0034】上述のように配向膜の表示領域部分および
非表示回路配置領域部分の膜厚が異なるように構成する
ことによって、表示のための構成で、不純物イオンを吸
着させるための部品を別途に設けることなく、不純物イ
オンを非表示回路配置領域部分に選択的に、かつ効果的
に吸着させることができる。不純物イオンを非表示回路
配置領域部分に吸着させることによって、表示領域部分
における焼付きおよび残像の発生を抑制することができ
る。
【0035】また本発明は、前記少なくとも一方の基板
に設けられる配向膜は、非表示回路配置領域部分と表示
領域部分とが、別体に形成されることを特徴とする。
【0036】本発明に従えば、少なくとも一方の基板に
設けられる配向膜は、非表示回路配置領域部分と表示領
域部分とが、別体に形成される。配向膜の非表示回路配
置領域部分と表示領域部分とを別体に形成することによ
って、膜厚が相互に異なる2つの部分を有する配向膜を
容易に形成することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の第1の形
態である液晶表示装置1に含まれる液晶パネル部2の一
部を示す断面図である。図2は、液晶パネル部2を示す
正面図である。図1と図2とを合わせて説明する。液晶
表示装置1は、具体的には三端子素子である薄膜トラン
ジスタをスイッチング素子として用いるアクティブマト
リクス駆動方式を採用している。液晶表示装置1は、液
晶パネル部2を含んで構成される。
【0038】液晶パネル部2は、薄膜トランジスタによ
って電極に印加する電圧を制御して、表示パターンを表
示する。液晶パネル部2は、第1基板5、第2基板6、
液晶層7、シール樹脂8および注入口封止材9を含んで
構成される。
【0039】第1基板5および第2基板6は、相互に平
行に、間隔をあけて配置される。第1基板5および第2
基板6のうち少なくとも一方は、透光性を有する。液晶
層7は、第1基板5と第2基板6との間に封入される液
晶によって形成される。
【0040】シール樹脂8は、第1基板5と第2基板6
との間に介在されて、液晶層7の側部を封止している。
シール樹脂8は、第1基板5に対する第2基板6の位置
を固定し、液晶層7の厚みを均一化する。さらにシール
樹脂8は、外界からの環境変化に対して液晶層7を保護
する。注入口封止材9は、第1基板5と第2基板6との
間に液晶を封入した後、液晶が、液晶層7の側部に設け
られる注入口17から流出しないように、注入口17を
封止する。
【0041】第1基板5は、平板状であって、液晶駆動
用電極10、第1配向膜11、ゲートバスライン12、
ソースバスライン13および絶縁膜14を含んで構成さ
れる。液晶駆動用電極10は、インジウム錫酸化物(In
dium Tin Oxide:略称ITO)から成り、透光性を有す
る電極であって、第1基板5の厚み方向V一方側の面5
aに対して平行な仮想平面上に配置される。液晶駆動用
電極10は、第1基板5と液晶層7との間に複数個配置
され、表示領域3内の各画素の数に対応する。本実施の
形態において、表示領域3は、表示パターンが表示され
る領域を示す。
【0042】第1配向膜11は、第1基板5と液晶層7
との間に配置されるとともに、第1基板5と液晶層7と
の間に配置される部品のうちで液晶層7に最も近接して
いる。第1配向膜11は、液晶層7の液晶分子が界面規
則力をもつように、チルト角および配向角を規制する。
【0043】ゲートバスライン12は、薄膜トランジス
タを介して液晶駆動用電極10に連なり、表示領域3か
ら非表示領域4にわたって、第1基板5に配置される。
ゲートバスライン12は、帯状の配線であって複数本用
意されており、長手方向Xが、相互に平行になり、かつ
隣合う2つのゲートバスライン12の間に所定の間隔が
空くように、第1基板5の法線方向V一方側の面5a上
に配置される。
【0044】ソースバスライン13は、薄膜トランジス
タを介して液晶駆動用電極10に連なり、表示領域3か
ら非表示領域4にわたって、第1基板5に配置される。
ソースバスライン13は、帯状の配線であって複数本用
意されており、長手方向Yが相互に平行になり、かつ隣
合う2つのソースバスライン13の間に所定の間隔が空
くように、第1基板5の厚み方向V一方側の面5aに対
して平行な仮想平面上に配置される。ソースバスライン
13の長手方向Yは、ゲートバスライン12の長手方向
Xに対して垂直である。
【0045】絶縁膜14は、第1基板5と液晶層7との
間に配置されるとともに、ゲートバスライン12とソー
スバスライン13とが電気的に導電しないように、ゲー
トバスライン12とソースバスライン13とを覆うよう
にして第1基板5に配置される。
【0046】第2基板6は、平板状であって、対向電極
15および第2配向膜16を含んで構成される。第2基
板6は、その厚み方向が第1基板5の厚み方向Vに対し
て平行になるように、かつ第1基板5に対向するように
配置される。対向電極15は、インジウム錫酸化物(In
dium Tin Oxide:略称ITO)から成り、透光性を有す
る電極であって、液晶層を介して第1電極に対向するよ
うに、第2基板6の厚み方向一方側の面6aと平行な仮
想平面上に配置される。液晶表示装置1内部において、
第1基板5の厚み方向一方側の面5aに対して垂直な法
線方向Vから見て、液晶駆動用電極10が対向電極15
と重なる部分が、それぞれ液晶表示装置1の画素にな
る。
【0047】第2配向膜16は、第2基板6と液晶層7
との間に配置されるとともに、第2基板6と液晶層7と
の間に配置される部品のうちで液晶層7に最も近接して
いる。第2配向膜16は、液晶層7の液晶分子が界面規
則力をもつように、チルト角および配向角を規制する。
図1の例における液晶層7は、具体的には、第1配向膜
11と第2配向膜15との間に液晶が封入されて形成さ
れる。
【0048】図1の例では、第1基板5および第2基板
6が、第1基板5の厚み方向V一方側の面5aと、第2
基板6の厚み方向一方側の面6aとが対向するように配
置される。第1基板5における表示領域3では、ゲート
バスライン12が第1基板5に最も近接するように、第
1基板5の厚み方向V一方側に配置される。ソースバス
ライン13が絶縁膜14に覆われ、かつゲートバスライ
ン12に電気的に導電しないように、ゲートバスライン
12と液晶層7との間に配置される。さらに液晶駆動用
電極10が、絶縁膜14上に配置され、言換えると絶縁
膜14と第1配向膜11との間に配置される。各画素毎
に配置される液晶駆動用電極10は、各ソースバスライ
ン13にそれぞれ対向するようにして配置される。そし
て第1配向膜11が、液晶駆動用電極10を覆うように
して、液晶層7に最も近接するように、第1基板5と液
晶層7との間に配置される。
【0049】第1基板5における非表示領域4では、ゲ
ートバスライン12が第1基板5に最も近接するよう
に、第1基板5の厚み方向V一方側に配置され、絶縁膜
14がゲートバスライン12に最も近接するように、第
1基板5の厚み方向V一方側に配置される。そして第1
配向膜11が、液晶層7に最も近接するように、第1基
板5と液晶層7との間に配置される。本実施の形態にお
いて、非表示領域4は、表示領域3を除く残余の領域を
示す。
【0050】液晶表示装置1は、図示しない偏光板およ
び駆動回路をさらに含む。偏光板は、所定の振動面を有
する光だけを取出す。偏光板は、第1基板5の厚み方向
V他方側の面5bと、第2基板6の厚み方向他方側の面
6bとにそれぞれ配置される。たとえば第1基板5に配
置される偏光板を、光源からの光が入射する入射側偏光
板と設定し、第2基板6に配置される偏光板を、液晶層
7を通過した光が入射する出射側偏光板と設定した場
合、2枚の偏光板は、光の偏光方向がたとえば90度の
角度をなすように設定される。
【0051】駆動回路は、所定の電圧をゲートバスライ
ン12を介して薄膜トランジスタに印加するための電源
回路と、ゲートバスライン12が選択状態および非選択
状態のいずれであるかを選択制御するためのゲート電極
回路と、所定の電圧をソースバスライン13を介して液
晶駆動用電極10に印加するソース電極回路とを含んで
構成される。選択状態は、薄膜トランジスタをオン状態
にさせる電圧が、ゲートバスライン12を介して、薄膜
トランジスタに印加される状態を示し、非選択状態は、
薄膜トランジスタをオフ状態にさせる電圧が、ゲートバ
スライン12を介して、薄膜トランジスタに印加される
状態を示す。オン状態は、液晶駆動用電極10とソース
電極回路とが、薄膜トランジスタによって電気的に導電
している状態を示し、オフ状態は、液晶駆動用電極10
とソース電極回路とが、薄膜トランジスタによって電気
的に導電していない状態を示す。
【0052】液晶表示装置1は、第1基板5と第2基板
6との間に液晶を封入した状態で、配向処理された配向
膜によって、液晶層7の液晶分子を所定の配向角とチル
ト角とを有するように配向させる。たとえば第1基板5
の厚み方向V他方側の面5bに対向する光源から、光が
照射される。薄膜トランジスタをオフ状態にさせる負の
電圧、言換えるとゲートバスライン12の電位が接地電
位よりも低くなる電圧が、電源回路によって、ゲートバ
スライン12を介して薄膜トランジスタに印加される場
合、ゲートバスライン12は非選択状態になっており、
各画素に対応する液晶駆動用電極10と対向電極15と
の間には、ソースバスライン13を介して所定の電圧が
印加されない。薄膜トランジスタがオフ状態では、液晶
駆動用電極10と対向電極15との間に電位差が生じ
ず、電界が液晶層7に生じていないので、液晶層7を通
過する光は液晶分子の配向によって、旋光して光の偏波
面が90度変わり、光が出射側偏光板を通過する。
【0053】さらに薄膜トランジスタをオン状態にさせ
る充分な正の電圧、言換えるとゲートバスライン12の
電位が接地電位よりも高くなる電圧が、電源回路によっ
て、ゲートバスライン12を介して薄膜トランジスタに
印加される場合、ゲートバスライン12は選択状態にな
っており、各画素に対応する液晶駆動用電極10と対向
電極15との間には、ソースバスライン13を介してソ
ース電極回路によって所定の電圧が印加される。薄膜ト
ランジスタがオン状態では、液晶駆動用電極10と対向
電極15との間に電位差が生じ、液晶層7に電界が生じ
るので、液晶分子が第1基板5の厚み方向Vに沿って並
ぶので、旋光が行われず、光の振動面は、入射側偏光板
を通過したときの振動面と同一であるので、光が出射側
偏光板によって遮断される。上述のように薄膜トランジ
スタによって、液晶駆動用電極10と対向電極15との
間に印加される電圧を制御することによって、液晶層7
の液晶分子の配向状態が制御されて、液晶層7を通過す
る光の量の差によって現れる表示パターンが液晶パネル
部2に表示される。
【0054】ゲートバスライン12は、そのゲートバス
ライン12が選択状態であるときだけ、ゲートバスライ
ン12の電位が、接地電位よりも高くなる正の電圧が印
加され、残りの時間、ゲートバスライン12の電位が、
接地電位よりも低くなる負の電圧が印加される。これに
よって絶縁膜14および誘電体である第1および第2配
向膜11,16を介して、弱いながらも、時間的に一方
に偏った電界、たとえば正の点電荷が、第2基板6から
第1基板5に向けて移動するように力が働く電界が液晶
層7に生じる。たとえば正の点電荷が、第2基板6から
第1基板5に向けて移動するように力が働く電界が液晶
層7に生じている状態では、液晶層7に存在する不純物
イオンが、第1配向膜11に集まりやすい。上述の不純
物イオンは、主に液晶表示装置1の製造時に、液晶層7
に混入したイオン物質と、高温などの環境および電界に
よって、第1配向膜11、第2配向膜16およびシール
樹脂8といった液晶周辺部品から溶出するイオン物質と
を含む。
【0055】不純物イオンが液晶層7に存在する状態で
は、液晶層7の抵抗値が低下するとともに、長時間にわ
たる表示駆動によって、不純物イオンが第1および第2
配向膜5,6における表示領域3に吸着することによっ
て、残像および焼付きが発生し、表示領域3で表示不良
を発生する。残像は、液晶表示装置1の応答速度が遅い
場合に、前の表示パターンが短時間残る現象であって、
焼付きは、同一の表示パターンを長時間表示しつづけた
場合、画面を切換えても、前の表示パターンが長時間残
る現象である。本発明における液晶表示装置1は、この
ような問題を解決する構成になっている。
【0056】第1基板5に設けられる第1配向膜11お
よび第2基板6に設けられる第2配向膜16のうち少な
くとも一方の配向膜は、表示領域3に配置される表示領
域部分と、表示領域3を除く残余の領域に配置され、か
つ一方の基板に設けられる配線に積層される非表示配線
領域部分とを有するように形成される。第1配向膜11
および第2配向膜16のうち少なくとも一方の配向膜
は、非表示配線領域部分の膜厚と、表示領域部分の膜厚
とが、相互に異なる。
【0057】本実施の形態では、第1配向膜11は、表
示領域3に配置される表示領域部分11aと、表示領域
3を除く残余の領域に配置される非表示領域部分11b
とを有する。非表示領域部分11bは、非表示配線領域
部分11cと非表示無配線領域部分11dとを有する。
非表示配線領域部分11cは、ゲートバスライン12が
並んでいる領域に配置され、対向電極15が第1基板5
の厚み方向Vに対向する領域に配置され、ゲートバスラ
イン12の長手方向Xに関して、表示領域3の外側の領
域に配置される。非表示無配線領域部分11dは、非表
示領域4に配置され、非表示領域部分11bおよび非表
示配線領域部分11cを除く残余の領域に配置される。
非表示配線領域部分11cの膜厚は、非表示無配線領域
部分11dの膜厚よりも大きいT2になっている。
【0058】上述のように非表示領域部分11bにおい
て、非表示配線領域部分11cの膜厚が、非表示無配線
領域部分11dの膜厚よりも大きくなるように構成され
ることによって、非表示領域部分11bの膜厚が一様に
T2になるように構成される場合に比べて、不純物イオ
ンを非表示領域部分11bに吸着させやすくなってい
る。
【0059】第1配向膜11は、非表示領域部分11b
に含まれる非表示配線領域部分11cの膜厚T2と、表
示領域部分11aの膜厚T1とが相互に異なるように構
成されるとともに、非表示領域部分11bと表示領域部
分11aとが、別体に形成される。
【0060】第1基板5を製造する過程において、表示
領域3とシール樹脂が配置される領域を除く非表示領域
4とを含む領域全体に、配向膜材料を第1基板5に一度
印刷する。その後、印刷版を変更し、配向膜材料が非表
示領域4に含まれるゲートバスライン12上にさらに印
刷される。1度目の印刷において、表示領域部分11a
と非表示領域部分11bとは、別体に形成される。この
後、約220度で焼成して、配向膜が形成される。たと
えば第1配向膜は、膜厚T1が50nmである表示領域
部分11aと、膜厚T2が80nmである非表示配線領
域部分11cを含む非表示領域部分11bとを有するよ
うに形成される。
【0061】上述のように非表示配線領域部分11cの
膜厚T2が、表示領域部分11aの膜厚T1よりも大き
く形成されることによって、第1配向膜11の非表示領
域部分11bは、ソースバスライン13の長手方向Yか
ら見て、非表示配線領域部分11cが非表示無配線領域
部分11dに比べて、第1基板5の厚み方向V一方側に
突出する凸状の断面形状を有する。
【0062】本件発明者は、上述のような膜厚T1,T
2を有する第1配向膜11を含む液晶表示装置1と同様
の構成を有する装置を用いて、70度の高温槽内で表示
駆動させる実験を行なった。70度の高温槽内で液晶表
示装置1を表示駆動させた結果、170時間後に、焼付
きが非表示領域部分11bの非表示配線領域部分11c
に発生した。表示領域部分11aでは、実験を開始して
から1000時間経過しても、残像および焼付きが発生
せず、その結果、表示領域3における表示パターンの表
示不良は発生しなかった。実験に用いられた装置に対し
て、従来構造を有する液晶表示装置では、70度の高温
槽内で表示駆動させた結果、500時間後に、残像およ
び焼付きが表示領域内に発生した。
【0063】さらに第1配向膜11に蓄積する電荷蓄積
量は、上述の実験を開始すると、非表示領域部分11b
の非表示配線領域部分11cで増加して、実験を開始し
てから1000時間後に、透過率異常が非表示配線領域
部分11cで見られ、その結果、焼付きが発生すること
が分かった。表示領域部分11aでは、透過率異常が見
られず、表示領域3における表示パターンの表示不良は
発生しなかった。このように第1配向膜11の非表示領
域部分11bが、60nm以上の膜厚を有する非表示配
線領域部分11cを含む場合、液晶層7に存在する不純
物イオンを非表示配線領域部分11cに吸着させやすく
なり、非表示配線領域部分11cにおける電荷蓄積量が
増加して、焼付きが発生しやすくなる。
【0064】第1配向膜10の膜厚を変えることによっ
て、表示領域3の液晶駆動用電極10と対向電極15と
の間の各誘電体各層、たとえば液晶層7、第1配向膜1
0および第2配向膜16の各部品間の電界緩和時間の相
違状態と、非表示領域4のゲートバスライン12または
駆動回路と対向電極15との間の前記各誘電体各層間の
電界緩和時間の相違状態とが、異なることになり、相対
的に非表示領域4の第1配向膜10界面の電荷が残りや
すくなるためと考えられる。これには表示領域3にかか
る電界が、焼付きを防止することを目的として、定期的
に正負反転して駆動されるのに対し、非表示領域4で
は、主に一方的な方向の電界がかかることも影響してい
るものと思われる。上述の理由によって、液晶層7に存
在する不純物イオンが吸着しやすくなる。
【0065】上述のように非表示領域部分11bにおい
て、残像および焼付きが発生することによって、非表示
領域部分11bの非表示配線領域部分11cに吸着した
不純物イオンが、非表示配線領域部分11cから離散し
て、表示領域部分11aに吸着することを防止して、各
画素毎の表示動作に影響を及ぼすことを防止することも
できる。
【0066】さらに本実施の形態における液晶表示装置
1と同様の構成を有する装置を用いて、上述のような実
験をした結果、非表示領域部分11bの非表示配線領域
部分11cでは、非表示領域部分11bが表示領域部分
11aと同一の膜厚T1を一様に有する場合に比べて、
残留直流電圧が増加することが分かった。残留直流電圧
は、液晶駆動用電極10と対向電圧15との間に、電圧
を印加することを解除した後も、非表示領域部分11b
に吸着した不純物イオンによる擬似電界に応じて発生す
る電圧である。このように非表示配線領域部分11cと
表示領域部分11aとの膜厚が、相互に異なるように構
成することによって、非表示配線領域部分11cにおけ
る残留直流電圧が増加することからも、不純物イオンの
吸着性が増大し、不純物イオンを非表示配線領域部分1
1cに吸着させやすくなっていることが分かる。
【0067】液晶層7の不純物イオンを、非表示領域部
分11bの非表示配線領域部分11cに選択的に、かつ
効果的に吸着させることによって、液晶層7を高抵抗に
保持することができるとともに、不純物イオンが、表示
領域部分11aに吸着することを防止することができ
る。したがって液晶層7を高抵抗に保持し、かつ不純物
イオンが表示領域部分11aに吸着することを防止する
ことによって、表示領域3における残像および焼付きの
発生を抑制することができるので、表示パターンの表示
不良を抑制することができるとともに、液晶表示装置1
を好適に動作させることができる。
【0068】本実施の形態において、層変更する、言換
えると吸着材を用いて、不純物イオン吸着用の層を別途
に設ける必要がないので、液晶層7における透過率分布
の均一性、第1配向膜11および第2配向膜16におけ
る配向特性の安定性を保持することができ、不純物イオ
ンを経時的に安定して吸着させることができるので、液
晶表示装置1を好適に動作させることができる。
【0069】イオン吸着用の電極を別途に設ける必要が
ないので、余分な配線が要らず、液晶表示装置1の高精
細化および狭額縁化を実現することができる。表示領域
3において、配線であるゲートバスライン12およびソ
ースバスライン13の一部を、絶縁膜14で覆わずに、
不純物イオン吸着用の電極として別途に設ける必要がな
い。これによって表示領域3で凹凸が生じないように、
平坦な第1および第2配向膜11,16を形成すること
ができ、配向処理の精度を向上させ、表示パターンを精
細に表示させることができる。
【0070】上述のように表示のための構成で、不純物
イオンを吸着させるための別途の部品を用いることな
く、液晶層7に存在する不純物イオンを非表示領域部分
11bの非表示配線領域部分11cに吸着させて、表示
領域3における残像および焼付きの発生を防止すること
ができる。
【0071】また非表示配線領域部分11cと表示領域
部分11aとを別体に形成することによって、膜厚が相
互に異なる2つの部分を有する第1配向膜11を容易に
形成することができる。
【0072】上述のように非表示配線領域部分11cと
表示領域部分11aとを別体に形成することによって、
非表示配線領域部分11cにおいて、不純物イオンを選
択的に吸着させ、焼付きを発生させる部分を作成するこ
とができるので、配線上に配線によって形成される寄生
容量、たとえばゲートバスライン12と対向電極15と
の間に生じる寄生容量を制御することができ、電圧降下
の防止を図ることができる。
【0073】上述の実施の形態は、本発明の例示にすぎ
ず、本発明の範囲内において、構成を変更することがで
きる。たとえばソースバスライン13が並んでいる領域
にあって、対向電極15が第1基板5の厚み方向Vに対
向する領域にあって、ソースバスライン13の長手方向
Yに関して、表示領域3の外側の領域にある部分の膜厚
と、表示領域に配置される表示領域部分の膜厚とが異な
るようにしてもよい。また第1配向膜11および第2配
向膜16のうち少なくとも一方の配向膜は、非表示配線
領域部分と表示領域部分とが、別体に形成されていても
よい。第1配向膜11の表示領域部分11aと非表示領
域部分11bとが、同一体に形成されてもよい。
【0074】また第1および第2基板5,6の製造工程
において、第1基板5および第2基板6に膜厚の異なる
配向膜を形成する方法として、フレキソ印刷法、二層形
成する方法およびフォトリソによるパターンニングを用
いてもよい。フレキソ印刷法では、配向膜パターンを印
刷版から転写して、第1配向膜11の層が形成し、さら
に表示領域部分11aと非表示配線領域部分11cとに
関して、版の開口率が、相互に異なるように設定するこ
とによって、膜厚の異なる第1および第2配向膜11,
12が形成される。フレキソ印刷法では、版材に弾性物
質を用いて、第1および第2配向膜11,12が形成さ
れる。二層形成する方法では、異なる版を用いることに
よって、第1および第2配向膜11,12が形成され
る。またフォトリソによるパターンニングでは、スピン
コート法で配向膜材料を塗布した後に、パターンニング
を用いて第1および第2配向膜11,12が形成され
る。
【0075】図3は、本発明の実施の第2の形態におけ
る液晶パネル部18の一部を示す断面図である。本発明
の実施の第2の形態として、少なくとも一方の基板に設
けられる配向膜は、表示領域3を除く残余の領域に配置
され、かつ一方の基板に設けられる配線に積層される非
表示領域部分のプレチルト角と、表示領域に配置される
表示領域部分のプレチルト角とが、相互に異なる構成に
してもよい。本実施の形態におけるその他の構成は、本
発明の実施の第1の形態における液晶表示装置1の構成
と同様である。同様の構成については、説明を省略し、
同様の参照符号を付す。プレチルト角は、液晶駆動用電
極10と対向電極15との間に、電圧が印加されていな
い状態において、液晶分子の長軸と基板とが成す角であ
る。
【0076】本実施の形態では、第1配向膜20は、表
示領域3に配置される表示領域部分20aと、表示領域
3を除く残余の領域に配置される非表示領域部分20b
とを有する。非表示領域部分20bは、非表示配線領域
部分20cと非表示無配線領域部分20dとを含む。非
表示配線領域部分20cは、ゲートバスライン12が並
んでいる領域に配置され、対向電極15が第1基板5の
厚み方向Vに対向する領域に配置され、ゲートバスライ
ン12の長手方向Xに関して、表示領域3の外側の領域
に配置される。
【0077】非表示無配線領域部分20dは、非表示領
域4に配置され、非表示領域部分20bおよび非表示配
線領域部分20cを除く残余の領域に配置される。非表
示配線領域部分20cのプレチルト角は、非表示無配線
領域部分11dのプレチルト角よりも大きいθ2になっ
ている。非表示配線領域部分20cにおけるプレチルト
角は、第1基板5および第2基板6のいずれかと、非表
示配線領域部分20cが厚み方向Vに対向する領域内の
液晶分子の長軸とが成す角である。非表示無配線領域部
分20dにおけるプレチルト角は、第1基板5および第
2基板6のいずれかと、非表示無配線領域部分20dが
厚み方向Vに対向する領域内の液晶分子の長軸とが成す
角である。
【0078】上述のように非表示領域部分20bにおい
て、非表示配線領域部分20cのプレチルト角が、非表
示無配線領域部分20dのプレチルト角よりも大きくな
るように構成されることによって、非表示領域部分20
bのプレチルト角を一様にθ2になるように構成した場
合に比べて、不純物イオンを非表示領域部分20bに吸
着させやすくなっている。
【0079】本実施の形態では、第1配向膜20は、非
表示領域部分20bに含まれる非表示配線領域部分20
cのプレチルト角θ2と、表示領域部分20aのプレチ
ルト角θ1とが相互に異なるように構成されるととも
に、表示領域部分20aと非表示領域部分20bとが同
一体に形成される。具体的には、紫外線が表示領域部分
20aに照射されることによって、表示領域部分20a
のプレチルト角θ1が、非表示配線領域部分20cのプ
レチルト角θ2よりも小さくなるように、表示領域部分
20aが改質される。表示領域部分20aにおけるプレ
チルト角は、第1基板5および第2基板6のいずれか
と、表示領域部分20aが厚み方向Vに対向する領域内
の液晶分子の長軸とが成す角である。
【0080】非表示領域部分20bに含まれる非表示配
線領域部分20cのプレチルト角θ2を、表示領域部分
20aのプレチルト角θ1よりも大きくすることによっ
て、不純物イオンを非表示領域部分20bに吸着させや
すくなっている。
【0081】プレチルト角は、各配向膜10,16の膜
水平方向のミクロな分極および立体構造と、液晶分子の
ミクロな分極および立体構造との相互作用によって生じ
ていると推定されている。プレチルト角が大きい、つま
り上述の相互作用が小さい場合、界面による液晶分子層
の拘束力よりも、液晶分子配列の動きが、電界の影響を
受けやすくなることが考えられる。これによって液晶層
7内に溶け込んでいるイオン物質が、電界によって配列
した液晶分子に沿って、電界によってプレチルト角が大
きい配向膜の部分の界面に集まりやすいと推定される。
上述の理由によって、液晶層7に存在する不純物イオン
が吸着しやすくなる。
【0082】さらに非表示領域部分20bの非表示配線
領域部分20cのプレチルト角θ2が、表示領域部分2
0aのプレチルト角θ1よりも大きくなるように構成す
ることによって、液晶層7と非表示配線領域部分20c
との界面において、液晶層7の不純物イオンが効果的に
動きやすくなり、電界による効果が得られやすくなる。
これによって不純物イオンが、非表示配線領域部分20
cにさらに吸着しやすくなっている。
【0083】本実施の形態における液晶表示装置1と同
様の構成を有する装置を用いて、第1の形態における実
験をした場合、非表示領域部分20bの非表示配線領域
部分20cでは、表示領域部分20aと同一のプレチル
ト角θ1を有する場合に比べて、残留直流電圧が増加す
ることが実験で分かった。このように非表示領域部分2
0bの非表示配線領域部分20cと表示領域部分20a
とのプレチルト角が、相互に異なるように構成すること
によって、非表示配線領域部分20cにおける残留直流
電圧が増加することからも、不純物イオンの吸着性が増
大し、不純物イオンを非表示配線領域部分20cに吸着
させやすくなっていることが分かる。
【0084】不純物イオンを非表示領域部分20bの非
表示配線領域部分20cに選択的に、かつ効果的に吸着
させることによって、液晶層7を高抵抗に保持すること
ができるとともに、不純物イオンが表示領域部分20a
に吸着することを防止することができる。液晶層7を高
抵抗に保持し、かつ不純物イオンが表示領域部分20a
に吸着することを防止することによって、表示領域3に
おける残像および焼付きの発生を抑制することができる
ので、表示パターンの表示不良を抑制することができる
とともに、液晶表示装置1を好適に動作させることがで
きる。
【0085】本実施の形態において、吸着材を用いる必
要がないので、液晶層7における透過率分布の均一性、
第1配向膜20および第2配向膜16における配向特性
の安定性を保持することができ、不純物イオンを経時的
に安定して非表示配線領域部分20cに吸着させること
ができるので、液晶表示装置1を好適に動作させること
ができる。
【0086】イオン吸着用の電極を別途に設ける必要が
ないので、余分な配線が要らず、液晶表示装置1の高精
細化および狭額縁化を実現することができる。表示領域
3において、配線であるゲートバスライン12およびソ
ースバスライン13の一部を、絶縁膜14で覆わずに、
不純物イオン吸着用の電極として別途に設ける必要がな
い。これによって表示領域3で凹凸が生じないように、
平坦な第1および第2配向膜20,16を形成すること
ができ、配向処理の精度を向上させ、表示パターンを精
細に表示させることができる。
【0087】上述の実施の形態は、本発明の例示にすぎ
ず、本発明の範囲内において、構成を変更することがで
きる。たとえば第1配向膜20および第2配向膜16の
うち少なくともいずれかの配向膜に関して、非表示配線
領域部分と表示領域部分とが、別体に形成されてもよ
い。
【0088】図4は、本発明の実施の第3の形態におけ
る液晶パネル部23の一部を示す断面図である。本発明
の実施の第3の形態として、少なくとも一方の基板に設
けられる配向膜は、表示領域3を除く残余の領域に配置
され、かつ一方の基板に設けられる駆動回路に積層され
る非表示回路配置領域部分の膜厚と、表示領域に配置さ
れる表示領域部分の膜厚とが、相互に異なる構成になっ
ている。本実施の形態におけるその他の構成は、本発明
の実施の第1の形態における液晶表示装置1の構成と同
様である。同様の構成については、説明を省略し、同様
の参照符号を付す。
【0089】駆動回路24は、第1基板5に配置され、
かつ表示領域3を除く残余の領域に配置される。第1配
向膜25は、表示領域3に配置される表示領域部分25
aと、表示領域3を除く残余の領域に配置される非表示
領域部分25bとを有する。非表示領域部分25bは、
非表示回路配置領域部分25cと非表示無回路配置領域
部分25dとを有する。非表示回路配置領域部分25c
は、駆動回路24が第1基板5に設けられる領域に配置
され、対向電極15が第1基板5の厚み方向Vに対向す
る領域に配置され、ゲートバスライン12の長手方向X
に関して、表示領域3の外側の領域に配置される。非表
示無回路配置領域部分25dは、非表示領域4に配置さ
れ、非表示領域部分25bおよび非表示回路配置領域部
分25cを除く残余の領域に配置される。非表示回路配
置領域部分25cの膜厚は、非表示無回路配置領域部分
25dの膜厚よりも大きいT2になっている。
【0090】上述のように非表示領域部分25bにおい
て、非表示回路配置領域部分25cの膜厚が、非表示無
回路配置領域部分25dの膜厚よりも構成されることに
よって、非表示領域部分25bの膜厚を一様にT2にな
るように構成した場合に比べて、不純物イオンを非表示
領域部分25bに吸着させやすくなっている。
【0091】本実施の形態では、第1配向膜25は、非
表示領域部分25bの非表示回路配置領域部分25cの
膜厚T2と、表示領域部分25aの膜厚T1とが相互に
異なるように構成されるとともに、表示領域部分25a
と非表示領域部分25bとが、同一体に形成される。非
表示回路配置領域部分25cおよび表示領域部分25a
の膜厚が相互に異なるように構成されることによって、
不純物イオンを非表示回路配置領域部分25cに吸着さ
せやすくなっている。
【0092】本実施の形態における液晶表示装置1と同
様の構成を有する装置を用いて、上述の第1の形態にお
ける実験をした場合、非表示領域部分25bの非表示回
路配置領域部分25cでは、表示領域部分25aと同一
の膜厚T1を有する場合に比べて、残留直流電圧が増加
することが分かった。このように非表示回路配置領域部
分25cと表示領域部分25aとの膜厚が、相互に異な
るように構成することによって、非表示回路配置領域部
分25cでの残留直流電圧が増加することからも、不純
物イオンの吸着性が増大し、不純物イオンを非表示回路
配置領域部分25cに吸着させやすくなっていることが
分かる。
【0093】液晶層7の不純物イオンを、非表示領域部
分25bの非表示回路配置領域部分25cに選択的に、
かつ効果的に吸着させることによって、液晶層7を高抵
抗に保持することができるとともに、不純物イオンが、
表示領域部分25aに吸着することを防止することがで
きる。したがって液晶層7を高抵抗に保持し、かつ不純
物イオンが表示領域部分25aに吸着することを防止す
ることによって、表示領域3における残像および焼付き
の発生を抑制することができるので、表示パターンの表
示不良を抑制することができるとともに、液晶表示装置
1を好適に動作させることができる。
【0094】本実施の形態において、吸着材を用いる必
要がないので、液晶層7における透過率分布の均一性、
第1配向膜25および第2配向膜16における配向特性
の安定性を保持することができ、不純物イオンを経時的
に安定して非表示回路配置領域部分25cに吸着させる
ことができるので、液晶表示装置1を好適に動作させる
ことができる。
【0095】イオン吸着用の電極を別途に設ける必要が
ないので、余分な配線が要らず、液晶表示装置1の高精
細化および狭額縁化を実現することができる。表示領域
3において、配線であるゲートバスライン12およびソ
ースバスライン13の一部を、絶縁膜14で覆わずに、
不純物イオン吸着用の電極として別途に設ける必要がな
いので、表示領域3で凹凸が生じないように、平坦な第
1および第2配向膜25,16を形成することができ、
配向処理の精度を向上させ、表示パターンを精細に表示
させることができる。
【0096】上述の実施の形態は、本発明の例示にすぎ
ず、本発明の範囲内において、構成を変更することがで
きる。たとえば第1配向膜25および第2配向膜16の
うち少なくともいずれかの配向膜に関して、非表示回路
配置領域部分と表示領域部分とが、別体に形成されても
よい。
【0097】図5は、本発明の実施の第4の形態におけ
る液晶パネル部29の一部を示す断面図である。本発明
の実施の第4の形態として、少なくとも一方の基板に設
けられる配向膜は、表示領域3を除く残余の領域に配置
されかつ一方の基板に設けられる駆動回路に積層される
非表示回路配置領域部分のプレチルト角と、表示領域3
に配置される表示領域部分のプレチルト角とが、相互に
異なる構成であってもよい。本実施の形態におけるその
他の構成は、本発明の実施の第1の形態における液晶表
示装置1の構成と同様である。同様の構成については、
説明を省略し、同様の参照符号を付す。
【0098】本実施の形態では、第1配向膜30は、表
示領域3に配置される表示領域部分30aと、表示領域
3を除く残余の領域に配置される非表示領域部分30b
とを有する。非表示領域部分30bは、非表示回路配置
領域部分30cと非表示無回路配置領域部分30dとを
有する。非表示回路配置領域部分30cは、駆動回路2
4が第1基板5に設けられる領域に配置され、対向電極
15が第1基板5の厚み方向Vに対向する領域に配置さ
れ、ゲートバスライン12の長手方向Xに関して、表示
領域3の外側の領域に配置される。
【0099】非表示無回路配置領域部分30dは、非表
示領域4に配置され、非表示領域部分30bおよび非表
示回路配置領域部分30cを除く残余の領域に配置され
る。非表示回路配置領域部分30cのプレチルト角は、
非表示無回路配置領域部分30dのプレチルト角よりも
大きいθ2になっている。非表示回路配置領域部分30
cにおけるプレチルト角は、第1基板5および第2基板
6のいずれかと、非表示回路配置領域部分30cが厚み
方向Vに対向する領域内の液晶分子の長軸とが成す角で
ある。非表示無回路配置領域部分30dにおけるプレチ
ルト角は、第1基板5および第2基板6のいずれかと、
非表示無回路配置領域部分30dが厚み方向Vに対向す
る領域内の液晶分子の長軸とが成す角である。
【0100】上述のように非表示領域部分30bにおい
て、非表示回路配置領域部分30cのプレチルト角が、
非表示無回路配置領域部分30dのプレチルト角よりも
大きくなるように構成されることによって、非表示領域
部分30bのプレチルト角を一様にθ2になるように構
成した場合に比べて、不純物イオンを非表示領域部分3
0bに吸着させやすくなっている。
【0101】本実施の形態では、第1配向膜30は、非
表示回路配置領域部分30cのプレチルト角θ2と、表
示領域部分30aのプレチルト角θ1とが、相互に異な
るように構成されるとともに、表示領域部分30aと非
表示領域部分30bとが同一体に形成される。具体的に
は、紫外線が表示領域部分30aに照射されることによ
って、表示領域部分30aのプレチルト角θ1が、非表
示回路配置領域部分30cのプレチルト角θ2よりも小
さくなるように、表示領域部分30aが改質される。表
示領域部分30aにおけるプレチルト角は、第1基板5
および第2基板6のいずれかと、表示領域部分30aが
厚み方向Vに対向する液晶分子の長軸とが成す角であ
る。
【0102】非表示回路配置領域部分30cのプレチル
ト角θ2が、表示領域部分30aのプレチルト角θ1よ
りも大きくなるように構成することによって、液晶層7
と非表示回路配置領域部分30cとの界面において、液
晶層7の不純物イオンが効果的に動きやすくなり、電界
による効果が得られやすくなる。これによって不純物イ
オンが、非表示回路配置領域部分30cにさらに吸着し
やすくなっている。
【0103】本実施の形態における液晶表示装置1と同
様の構成を有する装置を用いて、上述のような実験をし
た場合、非表示領域部分30bの非表示回路配置領域部
分30cでは、表示領域部分30aと同一のプレチルト
角θ1を有する場合に比べて、残留直流電圧が増加する
ことが分かった。このように非表示回路配置領域部分3
0cと表示領域部分30aとのプレチルト角が、相互に
異なるように構成することによって、非表示回路配置領
域部分30cにおける残留直流電圧が増加することから
も、不純物イオンの吸着性が増大し、不純物イオンを非
表示回路配置領域部分30cに吸着させやすくなってい
ることが分かる。
【0104】液晶層7の不純物イオンを非表示領域部分
30bの非表示回路配置領域部分30cに選択的に、か
つ効果的に吸着させることによって、液晶層7を高抵抗
に保持することができるとともに、不純物イオンが、表
示領域部分30aに吸着することを防止することができ
る。液晶層7を高抵抗に保持し、かつ不純物イオンが表
示領域部分30aに吸着することを防止することによっ
て、表示領域3における残像および焼付きの発生を抑制
することができるので、表示パターンの表示不良を抑制
することができるとともに、液晶表示装置1を好適に動
作させることができる。
【0105】本実施の形態において、吸着材を用いる必
要がないので、液晶層7における透過率分布の均一性、
第1配向膜30および第2配向膜16における配向特性
の安定性を保持することができ、不純物イオンを経時的
に安定して非表示領域部分30bの非表示回路配置領域
部分30cに吸着させることができるので、液晶表示装
置1を好適に動作させることができる。
【0106】イオン吸着用の電極を別途に設ける必要が
ないので、余分な配線が要らず、液晶表示装置1の高精
細化および狭額縁化を実現することができる。表示領域
3において、配線であるゲートバスライン12およびソ
ースバスライン13の一部を、絶縁膜14で覆わずに、
不純物イオン吸着用の電極として別途に設ける必要がな
い。これによって表示領域3で凹凸が生じないように、
平坦な第1および第2配向膜30,16を形成すること
ができ、配向処理の精度を向上させ、表示パターンを精
細に表示させることができる。
【0107】上述の実施の形態は、本発明の例示にすぎ
ず、本発明の範囲内において、構成を変更することがで
きる。たとえば第1配向膜30および第2配向膜16の
少なくともいずれかの配向膜に関して、非表示回路配置
領域部分と表示領域部分とが、別体に形成されてもよ
い。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも一方の基板
に設けられる配向膜に関して、表示領域を除く残余の領
域に配置され、かつ一方の基板に設けられる配線に積層
される非表示配線領域部分の膜厚と、表示領域部分に配
置される膜厚とが、相互に異なる。長期間の高温環境下
で液晶表示装置を用いた場合であっても、液晶に存在す
る不純物イオンを、配向膜の非表示配線領域部分に効果
的に集めて、吸着させることによって、不純物イオンが
表示領域部分に吸着することを防止することができる。
さらに液晶の絶縁性が、不純物イオンによって低下する
ことがないので、液晶を高抵抗に保持することができ
る。不純物イオンが表示領域部分に吸着することを防止
し、液晶を高抵抗に保持することによって、表示領域部
分における焼付きおよび残像の発生を抑制して、液晶表
示装置を好適に動作させることができる。
【0109】また本発明によれば、少なくとも一方の基
板に設けられる配向膜に関して、表示領域を除く残余の
領域に配置され、かつ一方の基板に設けられる配線に積
層される非表示配線領域部分のプレチルト角と、表示領
域部分に配置されるプレチルト角とが、相互に異なる。
長期間の高温環境下で液晶表示装置を用いた場合であっ
ても、液晶の層に存在する不純物イオンを、配向膜の非
表示配線領域部分に効果的に集めて、吸着させることに
よって、不純物イオンが表示領域部分に吸着することを
防止することができる。さらに液晶の絶縁性が、不純物
イオンによって低下することがないので、液晶を高抵抗
に保持することができる。不純物イオンが表示領域部分
に吸着することを防止し、液晶を高抵抗に保持すること
によって、表示領域部分における焼付きおよび残像の発
生を抑制して、液晶表示装置を好適に動作させることが
できる。
【0110】また本発明によれば、少なくとも一方の基
板に設けられる配向膜は、非表示配線領域部分と表示領
域部分とが、別体に形成される。配向膜の非表示配線領
域部分と表示領域部分とを別体に形成することによっ
て、膜厚が相互に異なる2つの部分を有する配向膜を容
易に形成することができる。非表示配線領域部分と表示
領域部分とを別体に形成し、膜厚が相互に異なる2つの
部分を有する配向膜を形成することによって、配向膜の
形成を容易にしたうえで、不純物イオンを非表示配線領
域部分に選択的に、かつ効果的に吸着させることができ
るとともに、液晶を高抵抗に保持することができる。不
純物イオンが表示領域部分に吸着することを防止し、液
晶を高抵抗に保持することによって、表示領域部分にお
ける焼付きおよび残像の発生を抑制して、液晶表示装置
を好適に動作させることができる。
【0111】また本発明によれば、少なくとも一方の基
板に設けられる配向膜に関して、表示領域を除く残余の
領域に配置され、かつ一方の基板に設けられる駆動回路
に積層される非表示回路配置領域部分の膜厚と、表示領
域部分に配置される膜厚とが、相互に異なる。長期間の
高温環境下で液晶表示装置を用いた場合であっても、液
晶の層に存在する不純物イオンを、配向膜の非表示回路
配置領域部分に効果的に集めて、吸着させることによっ
て、不純物イオンが表示領域部分に吸着することを防止
することができる。さらに液晶の絶縁性が、不純物イオ
ンによって低下することがないので、液晶を高抵抗に保
持することができる。不純物イオンが表示領域部分に吸
着することを防止し、液晶を高抵抗に保持することによ
って、表示領域部分における焼付きおよび残像の発生を
抑制して、液晶表示装置を好適に動作させることができ
る。
【0112】また本発明によれば、少なくとも一方の基
板に設けられる配向膜に関して、表示領域を除く残余の
領域に配置され、かつ一方の基板に設けられる駆動回路
に積層される非表示回路配置領域部分のプレチルト角
と、表示領域部分に配置されるプレチルト角とが、相互
に異なる。長期間の高温環境下で液晶表示装置を用いた
場合であっても、液晶の層に存在する不純物イオンを配
向膜の非表示回路配置領域部分に効果的に集めて、吸着
させることによって、不純物イオンが表示領域部分に吸
着することを防止することができる。さらに液晶の絶縁
性を、不純物イオンによって低下させることがないの
で、液晶を高抵抗に保持することができる。不純物イオ
ンが表示領域部分に吸着することを防止し、液晶を高抵
抗に保持することによって、表示領域部分における焼付
きおよび残像の発生を抑制して、液晶表示装置を好適に
動作させることができる。
【0113】また本発明によれば、少なくとも一方の基
板に設けられる配向膜は、非表示回路配置領域部分と表
示領域部分とが、別体に形成される。配向膜の非表示回
路配置領域部分と表示領域部分とを別体に形成すること
によって、膜厚が相互に異なる2つの部分を有する配向
膜を容易に形成することができる。非表示回路配置領域
部分と表示領域部分とを別体に形成し、膜厚が相互に異
なる2つの部分を有する配向膜を形成することによっ
て、配向膜の形成を容易にしたうえで、不純物イオンを
非表示回路配置領域部分に選択的に、かつ効果的に吸着
させることができるとともに、液晶を高抵抗に保持する
ことができる。不純物イオンが表示領域部分に吸着する
ことを防止し、液晶を高抵抗に保持することによって、
表示領域部分における焼付きおよび残像の発生を抑制し
て、液晶表示装置を好適に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態である液晶表示装置
1に含まれる液晶パネル部2の一部を示す断面図であ
る。
【図2】液晶パネル部2を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の第2の形態における液晶パネル
部18の一部を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の第3の形態における液晶パネル
部23の一部を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の第4の形態における液晶パネル
部29の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置 2,18,23,29 液晶パネル部 3 表示領域 4 非表示領域 5 第1基板 6 第2基板 7 液晶層 8 シール樹脂 9 注入口封止材 10 液晶駆動用電極 11,20,25,30 第1配向膜 11a,20a,25a,30a 表示領域部分 11b,20b,25b,30b 非表示領域部分 11c,20c 非表示配線領域部分 11d,20d 非表示無配線領域部分 12 ゲートバスライン 13 ソースバスライン 14 絶縁膜 15 対向電極 16 第2配向膜 17 注入口 24 駆動回路 25c,30c 非表示回路配置領域部分 25d,30d 非表示無回路配置領域部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極および電極に連なる配線ならびに配
    向膜が設けられる2つの基板間に液晶が封入される液晶
    表示装置であって、 少なくとも一方の基板に設けられる配向膜は、表示領域
    を除く残余の領域に配置されかつ一方の基板に設けられ
    る配線に積層される非表示配線領域部分の膜厚と、表示
    領域に配置される表示領域部分の膜厚とが、相互に異な
    ることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 電極および電極に連なる配線ならびに配
    向膜が設けられる2つの基板間に液晶が封入される液晶
    表示装置であって、 少なくとも一方の基板に設けられる配向膜は、表示領域
    を除く残余の領域に配置されかつ一方の基板に設けられ
    る配線に積層される非表示配線領域部分のプレチルト角
    と、表示領域に配置される表示領域部分のプレチルト角
    とが、相互に異なることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも一方の基板に設けられる
    配向膜は、非表示配線領域部分と表示領域部分とが、別
    体に形成されることを特徴とする請求項1または2記載
    の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 電極および電極に連なる配線ならびに配
    向膜が設けられる2つの基板間に液晶が封入される液晶
    表示装置であって、 少なくとも一方の基板に設けられる配向膜は、表示領域
    を除く残余の領域に配置されかつ一方の基板に設けられ
    る駆動回路に積層される非表示回路配置領域部分の膜厚
    と、表示領域に配置される表示領域部分の膜厚とが、相
    互に異なることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 電極および電極に連なる配線ならびに配
    向膜が設けられる2つの基板間に液晶が封入される液晶
    表示装置であって、 少なくとも一方の基板に設けられる配向膜は、表示領域
    を除く残余の領域に配置されかつ一方の基板に設けられ
    る駆動回路に積層される非表示回路配置領域部分のプレ
    チルト角と、表示領域に配置される表示領域部分のプレ
    チルト角とが、相互に異なることを特徴とする液晶表示
    装置。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも一方の基板に設けられる
    配向膜は、非表示回路配置領域部分と表示領域部分と
    が、別体に形成されることを特徴とする請求項4または
    5記載の液晶表示装置。
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