JP2010152170A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Masakatsu Kitani
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Abstract

【課題】 対向基板や偏光板の帯電を速やかに除電することができ、DC成分の印加による焼き付きを軽減することが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 共通電極14と当該共通電極14上に透明絶縁膜16を介して形成される画素電極15とを有するアレイ基板11と、カラーフィルター層17及びブラックマトリックス層18が形成された対向基板12とを備え、これらアレイ基板11と対向基板12の間に液晶層13が挟持されている。共通電極14と画素電極15との間に発生する電界により液晶層13の液晶分子の配向方向が制御される。対向基板12の液晶層13とは反対側の面には導電膜20が形成され、導電膜20の電位は共通電極14の電位と略同電位とされている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、IPS(In Plane Swiching)方式やFFS(Fringe Field Swiching)方式の液晶表示装置に関するものであり、特に、対向基板に除電用の導電膜が形成された液晶表示装置における焼き付きを軽減するための技術に関する。
液晶表示装置における液晶層の配向制御方式としては、液晶分子を初期状態で垂直に配向させ、電圧印加により液晶分子を倒すことで透過状態(白)と非透過状態(黒)を表現するVA(Vertical Alignment)方式や、基板の面方向に電界(横電界)を加え、液晶分子を基板と平行な面内で回転させることで光をスイッチングするIPS方式及びFFS方式等が代表的である。これらの中で、IPS方式やFFS方式の液晶表示装置は、視野角が広い等の利点を有し、各方面で改良が進められている。
例えば、特許文献1には、液晶層に対して実質的に基板と平行に電界を印加するように構成されたアクティブマトリクス型液晶表示装置において、表示画素が設置されている基板と対向した透明基板の液晶の配向膜の下層に任意の電位を与えることのできる透明電極を付設することが開示されている。前記透明電極を設けることで、外部帯電による液晶配向の乱れを抑制し、表示ムラを低減するようにしている。
また、特許文献2には、互いに対向して設けられた第1及び第2の基板と、第1及び第2の基板間に挟持された液晶分子からなる液晶層とを備え、液晶分子のディレクタを主として基板に平行な面内で変化させることにより、表示動作を行う液晶表示装置において、液晶分子として負の誘電率異方性を有するものを用い、且つ、画素電極と共通電極との間に生じさせる電界として基板に垂直な成分を多く含むものを発生させることとし、その電界と画素電極と対向基板に設けられる電極との間に生じる電界とを重ね合わせた結果得られる合成電界により、液晶分子を基板に水平な面内において駆動するように制御することが開示されている。特許文献2記載の液晶表示装置では、液晶を駆動するための電界が、対向基板内及びそれに設けられるカラーフィルター層(CF層)等の層に対し、影響を及ぼすことを防ぐことができ、また、画素電極の開口部近傍において、比較的強い電界を生じさせることが可能となるため、液晶の回転方向の制御を安定化することができる。
特許文献3記載の発明では、さらにアレイ基板側の共通電極(第1電極)、画素電極(第2電極)、及び対向基板の液晶層側に形成された電極(第3電極)の動作時における電位を適正化することで、輝度やコントラストの低下を解消することが提案されている。特許文献3に記載される構成を採用することにより、第3電極による静電遮蔽機能が得られるのに加えて、応答速度を向上させることができる。
特開平10−319434号公報 特開2000−356786号公報 特開2007−334177号公報
ところで、IPS方式やFFS方式の液晶表示装置では、横電界を乱す縦電界を発生させないことが好ましく、前述の各特許文献記載の発明のように、対向基板の液晶層側に導電性膜を付与することは好ましいものではない。しかしながら、対向基板に導電性膜を付与しないと、対向基板や、対向基板上に重ねて設置される偏光板が帯電した場合、蓄積した電荷を取り除くことが困難になるという問題がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、対向基板や偏光板の帯電により蓄積した電荷を速やかに除電することができ、しかも横電界を乱す縦電界を発生させることなく、例えばDC成分の印加による焼き付き等を解消することが可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、共通電極と当該共通電極上に透明絶縁膜を介して形成される画素電極とを有する第1の基板と、カラーフィルター層及びブラックマトリックスが形成された第2の基板とを備え、これら第1の基板と第2の基板の間に液晶層が挟持され、前記共通電極と画素電極との間に発生する電界により液晶層の配向方向が制御される液晶表示装置であって、前記第2の基板の液晶層とは反対側の面に導電膜が形成され、前記導電膜の電位が前記共通電極の電位と略同電位とされていることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置では、第2の基板(対向基板)の液晶層とは反対側の面に導電膜が形成されているので、第2の基板やこの上に設置される偏光板等が帯電した場合、蓄積した電荷が前記導電膜を介して速やかに除電される。また、第1の基板に形成される共通電極と第2の基板に形成される導電膜とが略同電位に設定されているので、これら共通電極と導電膜との間に発生する電界(縦電界)が抑制され、焼き付きの原因となるDC成分が抑制される。
本発明の液晶表示装置によれば、第2の基板の液晶層とは反対側の面に導電膜が形成されているので、第2の基板や偏光板等の帯電により蓄積した電荷を除電することができ、前記帯電による悪影響を確実に排除することができる。また、本発明の液晶表示装置によれば、前記第2の基板に形成される導電膜と第1の基板に形成される共通電極とを略同電位としているので、液晶層等にDC成分が印加されることによる焼き付きを軽減することができる。
以下、本発明を適用した液晶表示装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の液晶表示装置は、FFS方式の液晶表示装置である。そこで、先ず、FFS方式について説明する。図1は、FFS方式の液晶表示装置における液晶分子の駆動の様子を模式的に示すものである。
FFS方式の液晶表示装置は、基本的には一対の基板(第1の基板であるアレイ基板1と第2の基板である対向基板2)の間に液晶層3を挟み込み、フリンジ電界Fによって液晶層3を構成する液晶分子LCの向きを変え、スイッチングを行うものである。
アレイ基板1には、共通電極4が面状電極として形成されるとともに、各画素に対応して画素電極5が透明絶縁膜6を介して共通電極4上に形成されている。対向基板2には、液晶層3の液晶分子LCを制御するための電極は形成されていない。また、アレイ基板1と対向基板2の液晶層3とは反対側の面には、偏光軸が互いに直交するように、それぞれ偏光板7,8が設置されている。
前記構成を有するFFS方式の液晶表示装置では、図1の左側に示すように、画素電極5がオフ状態では、フリンジ電界Fが発生せず、液晶分子LCは一定の方向(ここでは紙面に垂直な方向)に揃っており、アレイ基板1の背面側から照射される光は、偏光方向が変わらず、対向基板2側の偏光板8によって遮断される。すわなち、オフ状態では光は非透過(黒)である。
一方、図1の右側に示すように、画素電極5がオン状態では、概ね横方向のフリンジ電界Fが発生し、液晶層3の液晶分子LCがこれに倣って配向する。これによって、アレイ基板1の背面側から照射される光は対向基板2側の偏光板8を透過する。すなわち、オン状態では光は透過(白)である。
前述のFFS方式の液晶表示装置では、対向基板2側には電極が形成されていないので、対向基板2自体が帯電した場合、あるいは偏光板8が帯電した場合、蓄積した電荷によって液晶層3に不用意に電界が加わり、画像品質に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本実施形態の液晶表示装置では、対向基板2側に導電膜を形成することで、前記帯電を防止する構成としている。以下、本実施形態の液晶表示装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態の液晶表示装置の概略構成を示すものである。先にも述べたように、本実施形態の液晶表示装置は、FFS方式の液晶表示装置であり、アレイ基板11と対向基板12の間に液晶層13を挟み込み、アレイ基板11に形成された共通電極14と画素電極15との間に発生するフリンジ電界Fによって液晶層13の液晶分子の配向を制御するものである。
アレイ基板11や対向基板12には、例えばガラス基板等の透明基板が使用され、それぞれ液晶層13と反対側の面に偏光板(図示は省略する。)が設置される。アレイ基板11上には、共通電極14が透明導電膜により面状のいわゆるベタ電極として形成されており、その上に透明絶縁膜16が形成され、さらにその上に画素電極15が形成されている。画素電極15は、例えばくし型形状を有するくし型電極として形成されている。
アレイ基板11上には、前記共通電極14や画素電極15に加えて、マトリクス状の信号線、ゲート線及び薄膜トランジスタ(TFT素子)(いずれも図示は省略する。)が形成されており、各サブピクセル単位の画素電極15を駆動する。共通電極14は、アレイ基板11上のコモン配線によって一定の電位に接続されており、表示画素領域全域に形成されることで、各画素電極15間において共通の電極として寄与している。
一方、対向基板12の液晶層13側の面には、カラーフィルター層17やブラックマトリックス層18、さらにはこれらを保護する平坦化保護膜19が形成されている。カラーフィルター層17は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色であり、これらを組み合わせることで、フルカラー表示が可能となる。また、ブラックマトリックス層18は、コントラストの改善に寄与する。
以上の構成を有するFFS方式の液晶表示装置では、対向電極12側には液晶層13の液晶分子を制御するための電極は形成されていないので、対向基板12自体の帯電や偏光板の帯電を解消することができない。そこで、本実施形態の液晶表示装置では、対向基板12の液晶層13とは反対側の面に導電膜20を形成し、この導電膜20を介して除電を行うことで、前記帯電を解消するようにしている。
前記導電膜20は、例えばITO等の透明導電材料により形成され、対向基板12の液晶層13とは反対側の面に、ほぼ全面に面状に形成する。ここで、前記導電膜20を対向基板12の液晶層13側の面に形成することも考えられるが、横電界を乱す縦電界を発生させるおそれがあること、帯電し易い偏光板の帯電を効率的に除電する必要があること等の理由から、対向基板12の液晶層13とは反対側の面に設ける。
ところで、前述のように対向基板12の液晶層13とは反対側の面に導電膜20を形成した液晶表示装置において、対向基板12や偏光板が帯電した場合、前記導電膜20を利用して電荷を取り除く。この時、例えば図3(a)に示すように、導電膜20を0V電位に接地し、対向基板12や偏光板等の除電を行うことが考えられる。
しかしながら、導電膜20を0V電位に接地すると、アレイ基板11上の共通電極14との間に電位差が生じ、液晶層13にDC電圧が印加されることになる。このように液晶層13にDC電圧が印加されると、アレイ基板12に導電膜20を形成しない場合と比較して、液晶表示装置の焼き付きが悪化する。
そこで、本実施形態の液晶表示装置では、図3(b)に示すように、対向基板12上に形成されている導電膜20を、例えば液晶モジュールのベゼルを介して一定の電位(アレイ基板11上の共通電極14と同じ電位)に接続し、前述の焼き付きを軽減するようにしている。前述の通り、共通電極14は、アレイ基板11上のコモン配線によって一定の電位に接続されているが、例えば共通電極14の電位が5Vである場合、前記導電膜20の接続電位も共通電極14と同じ5Vとする。
このように導電膜20の電位を共通電極14の電位と同じにすることにより、導電膜20と共通電極14の間の電位差がなくなり、焼き付きの原因となるDC成分を抑制することができる。
以上の説明からも明らかな通り、前述の構成を有する本実施形態の液晶表示装置では、対向基板の液晶層とは反対側の面に導電膜を設け、共通電極と同電位に接続しているので、対向基板や偏光板に蓄積した電荷を速やかに除電することができ、さらに、横電界を乱す縦電界を発生させることなく、焼き付きを軽減することが可能である。
なお、本発明が前述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、先の実施形態では、FFS方式の液晶表示装置を例に挙げて説明したが、IPS方式の液晶表示装置にも適用可能である。
図4は、IPS方式の液晶表示装置における液晶分子の駆動の様子を模式的に示すものである。
IPS方式の液晶表示装置は、一対の基板(第1の基板であるアレイ基板21と第2の基板である対向基板22)の間に液晶層23を挟み込み、横電界Sによって液晶層23を構成する液晶分子LCを基板21と平行な面内で回転させ、スイッチングを行うものである。
IPS方式の液晶表示装置においては、アレイ基板21には、共通電極24と画素電極25が透明絶縁膜26を介して所定の間隔をもって形成されている。対向基板22には、液晶層23の液晶分子LCを制御するための電極は形成されていない。また、アレイ基板21と対向基板22の液晶層23とは反対側の面には、偏光軸が互いに直交するように、それぞれ偏光板27,28が設置されている。
前記構成を有するIPS方式の液晶表示装置では、図4の左側に示すように、画素電極25がオフ状態では、横電界Sが発生せず、液晶分子LCは一定の方向(ここでは紙面に垂直な方向)に揃っており、アレイ基板21の背面側から照射される光は、偏光方向が変わらず、対向基板22側の偏光板28によって遮断される。すなわち、オフ状態では光は非透過(黒)である。
一方、図4の右側に示すように、画素電極25がオン状態では、離間した共通電極24と画素電極25の間に基板面に平行な横電界Sが発生し、液晶層23の液晶分子LCが基板面と平行な面内で回転する。これによって、アレイ基板21の背面側から照射される光は対向基板22側の偏光板28を透過する。すなわち、オン状態では光は透過(白)である。
以上の構成を有するIPS方式の液晶表示装置においても、対向基板22の液晶層23とは反対側の面に導電膜29を設けることで、対向基板22や偏光板28に蓄積した電荷を速やかに除電することができる。また、導電膜29の電位を共通電極24の電位と同じに設定することで、共通電極24と導電膜29の間に印加されるDC成分を抑制することができ、焼き付き悪化を軽減することができる。
FFS方式の液晶表示装置における液晶分子の駆動の様子を模式的に示す図である。 本発明を適用したFFS方式の液晶表示装置の構成例を示す概略断面図である。 対向基板の液晶層とは反対側の面に形成された導電膜の接続例を示すもので、(a)は0V電位に接続された状態の概略断面図、(b)は共通電極と同じ電位(5V)に接続された状態の概略断面図である。 本発明を適用したIPS方式の液晶表示装置における液晶分子の駆動の様子を模式的に示す図である。
符号の説明
1,11,21 アレイ基板(第1の基板)、2,12,22 対向基板(第2の基板)、3,13,23 液晶層、4,14,24 共通電極、5,15,25 画素電極、6,16,26 透明絶縁膜、7,8,27,28 偏光板、17 カラーフィルター層、18 ブラックマトリックス層、20,29 導電膜

Claims (3)

  1. 共通電極と当該共通電極上に透明絶縁膜を介して形成される画素電極とを有する第1の基板と、カラーフィルター層及びブラックマトリックスが形成された第2の基板とを備え、これら第1の基板と第2の基板の間に液晶層が挟持され、前記共通電極と画素電極との間に発生する電界により液晶層の配向方向が制御される液晶表示装置であって、
    前記第2の基板の液晶層とは反対側の面に導電膜が形成され、前記導電膜の電位が前記共通電極の電位と略同電位とされていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記画素電極は、くし型形状を有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記共通電極と画素電極との間に発生するフリンジ電界により液晶層の配向方向が制御されることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
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