JP2011123234A - 液晶表示装置 - Google Patents

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記久雄 小野
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Abstract

【課題】等方性液晶を用いてコントラストのよい液晶表示装置を製造コストの大幅な上昇を伴うこと無く実現する。
【解決手段】1画素内において、TFT基板100には、第1映像信号線と接続した第1TFT31と第2映像信号線と接続した第2TFT32と櫛歯状の第1画素電極41が形成されている。第2の基板には、櫛歯状の第2画素電極42が形成されている。第1画素電極41は第1TFT31と接続し、第2画素電極42は表面に導電膜301を有する柱状スペーサ300によって第2TFT32と接続している。第1映像信号線41と第2映像信号線42とに極性が異なり大きさが等しい映像信号を加えることによって、駆動電圧の高い液晶を駆動させるとともに、TFTの絶縁破壊を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は表示装置に係り、特に高コントラストな画像を表示できる液晶表示装置に関する。
近年の液晶パネル製造技術の進歩により、従来ブラウン管が大勢を占めていたテレビ用のディスプレイとして、液晶表示装置が用いられるようになっている。従来、液晶表示素子としては、コントラストや視野角特性を改善するための液晶表示素子の方式として、たとえばインプレーンスイッチング(横電界)表示方式(IPS方式)やバーチカルアライメント表示方式(以下VA方式)が知られている。これらの方式は、TN方式に比べて、視野角とコントラストを大幅に改善することが可能となる。
しかし、IPS方式、VA方式において液晶層は、光学的に一軸性の媒体であるため、そのままでは透過率に視野角の依存性が生じる。さらに、ネマチック液晶材料は分子の熱的揺らぎに起因される光散乱を示す。IPS方式、VA方式では電圧無印加時に黒表示するため、黒表示であっても原理的にこの光散乱に起因される光漏れにより、コントラストの低下が避けられない。これらのような光学異方性や光散乱と言った課題は、ネマチック液晶材料を用いた表示デバイスに固有の問題である。
このような問題に対して、近年、光学的に等方性を有する液晶(以下等方性液晶と呼ぶ)が散乱を低減し、コントラストが改善する液晶として知られてきた。この等方性液晶は、液晶層に対して電圧無印加時に液晶分子の配列が光学的に等方であり、電圧印加により、電圧印加方向に複屈折性が誘起される性質を有する。このような等方性液晶としては、コレステリックブルー相、スメクチックブルー相、あるいはキュービック相などが知られている。
「特許文献1」あるいは「特許文献2」に記載されるベントコア構造の液晶分子を配向させたような材料においても同様に、光学的に等方性を示す。等方性液晶を用いた液晶表示装置に関するものとして、「特許文献3」が挙げられる。「特許文献3」には、等方性液晶としていわゆるブルー相液晶が用いられている。
特許文献4には、くし歯電極を用いた液晶表示装置において、1画素に2個のTFTを配置し、それぞれのTFTにくし歯電極が接続され、一方のTFTからは画素電位、他方のTFTからは共通電位を印加、その差動の電圧で液晶を駆動する方式が記載されている。この方式は、外部の電圧に対して液晶に2倍の電圧を画素毎に独立に印加できるので駆動電圧を半減できるという回路構成を可能にしている。
特開2002−161277号公報 特開2007−70454号公報 特開2009−210695号公報 特開2005−77424号公報
ブルー相やベンドコアを持つ液晶相はコントラストを高くできるが、慣性力の小さい液晶材料であるため液晶層に横電界を印加して動作させる場合、透明のくし歯電極上を透過させるには液晶を駆動するくし歯電極をTFT基板と対向基板(カラーフィルタ基板)の両方に配置して、櫛歯電極上の液晶に高い横電界を加えることが必要である。
さらにブルー相やベンドコアを持つ液晶相は駆動電圧が高いので、1画素の2個のTFTを形成し、これを差動の画素回路を用いて駆動することが有効である。しかし、この差動方式と上下のくし歯電極方式を組み合わせた場合、TFT基板のみならずカラーフィルタ基板にもTFTを配置する必要が出てくる。TFTを形成する場合、薄膜に対するホトエッチング工程が多いので両方の基板にTFTを形成した場合、コストが大幅に増加するため安価な液晶表示装置を提供できないと言う問題がある。
本発明は、高コントラストな画像を得られる等方性液晶を用いた液晶表示装置を現実的な製造コストによって実現することである。別な言い方をすると、本発明の課題は、従来行われてきたTN方式、IPS方式等の製造プロセスと比較して大きなプロセスの変化を行わずに、駆動電圧が高い液晶分子を駆動することが可能な液晶表示装置を実現することである。
本発明は上記課題を解決するものであり、具体的な手段は次のとおりである。
(1)第1の基板と第2の基板の間に液晶が挟持されている液晶表示装置であって、前記第1の基板には、第1映像信号線と第2映像信号線のペアが第1の方向に延在して第2の方向に配列し、走査線が前記第2の方向に延在して前記第1の方向に配列し、前記第1映像信号線と前記第2映像信号線の前記ペアと前記走査線とで囲まれた領域に櫛歯状の第1画素電極が形成され、前記第1の基板には第1TFTと第2TFTが形成され、前記第1映像信号線には前記第1TFTが接続し、前記第2映像信号線には前記第2TFTが接続し、前記第1画素電極と前記第1TFTが接続し、
前記第2の基板には、櫛歯状の第2画素電極が形成され、前記第2画素電極と前記第2TFTとは、前記第2の基板に形成されて表面に導電膜が被着した柱状スペーサによって接続していることを特徴とする液晶表示装置。
(2)前記柱状スペーサの表面に形成されている導電膜は、前記第2画素電極と同じ材料で同時に形成されることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
(3)前記第1映像信号線と前記第2映像信号線には、極性が異なり大きさが等しい電圧が印加されることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
(4)前記液晶はベンドコアを有する液晶相であることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
(5)前記液晶はブルー相液晶であることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
(6)第1の基板と第2の基板の間に液晶が挟持されている液晶表示装置であって、前記第1の基板には、第1映像信号線と第2映像信号線のペアが第1の方向に延在して第2の方向に配列し、走査線が前記第2の方向に延在して前記第1の方向に配列し、前記第1映像信号線と前記第2映像信号線の前記ペアと前記走査線とで囲まれた領域に櫛歯状の第1画素電極が形成され、前記第1の基板には第1TFTと第2TFTが形成され、前記第1映像信号線には前記第1TFTが接続し、前記第2映像信号線には前記第2TFTが接続し、前記第1画素電極と前記第1TFTが接続し、
前記第2の基板には、櫛歯状の第2画素電極が形成され、前記第2画素電極と前記第2TFTとは、前記第1の基板に形成されて表面に導電膜が被着した柱状スペーサによって接続していることを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、駆動電圧が高いが、高いコントラストを得られる、ブルー相液晶、ベンドコアを持つ液晶相等の等方性液晶を駆動することが可能になり、高品質な液晶表示装置を実現することが出来る。また、このような液晶表示装置を、従来のTN方式、IPS方式等のネマチック液晶を用いた液晶表示装置と同様な製造プロセスで製造することが出来る。
本発明を示す断面図である。 画素部における駆動回路である。 柱状スペーサの詳細断面図である。 液晶表示装置の概略を示すブロック図である。 画素部の模式平面図である。 画素部の詳細平面図である。 図6のA−A断面図である。 図6のB−B断面図である。
以下に実施例によって本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の液晶表示パネル1を示す断面模式図である。図1において、第1TFT31、第2TFT32、第1画素電極41等が形成されたTFT基板100と、カラーフィルタ202、第2画素電極42等が形成された対向基板200との間に液晶400が挟持されている。図1における液晶は、例えば高いコントラストを実現できるが、駆動電圧が高いブルー相の液晶、あるいはベンドコアを持つ液晶相(いわゆるバナナ型液晶)等である。しかし、以下で説明する構造は、従来のIPS方式の液晶表示装置等についても適用することが出来る。すなわち、以下に述べる構造は、TFT基板100から対向基板200に至る液晶層400全体にわたって均一な電界を維持できるので、IPS方式においてもより高いコントラストを得ることが出来る。
図1は1個の画素を示す断面図である。図1において、TFT基板100側には、第1画素電極41が形成され、対向基板200側には第2画素電極42が形成されている。第1画素電極41も第2画素電極42も櫛歯状電極によって形成されている。第1画素電極41は第1TFT31のソース電極と接続し、第2画素電極42は、第2TFT32のソース電極と接続している。以後第1TFT31のソース電極を第1ソース電極105、第2TFT32のソース電極を第2ソース電極106という。
第1TFT31のドレイン電極は、後で説明する第1映像信号線21から分岐したものである。第2TFT32基板のドレイン電極は後で説明する第2映像信号線22から分岐したものである。第1TFT31のドレイン電極を第1ドレイン電極104、第2TFT32のドレイン電極を第2ドレイン電極107という。
第2TFT32のソース電極は、第1画素電極41と同時に形成されたITO(Indiumu Tin Oxide)によって形成された接続電極43と、柱状スペーサ300の表面に形成された、ITOによる導電膜301を介して対向基板200に形成された第2画素電極42と接続している。
図1において、第1TFT31と第2TFT32が形成されているが、構造は同一である。したがって、TFTの構造の説明は、第1TFT31、第2TFT32と区別せずに行う。図1において、TFT基板100にはゲート電極10が形成されている。ゲート電極10は後で述べるように、走査線10が兼用している。ゲート電極10を覆ってゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102の上で、かつゲート電極10の上に半導体層103が形成されている。図1における半導体層103はa−Siである。a−Siの上に、ドレイン電極とソース電極が配置されている。a−Siにおいてドレイン電極とソース電極の間がチャネル領域となっている。このような構成によってTFTが形成されている。
TFTを覆ってSiNによってパッシベーション膜108が形成されている。パッシベーション膜108にスルーホールを形成してTFTのソース電極と画素電極とを接続している。本発明が従来の液晶表示パネル1と異なるところは1画素中にTFTが2個形成され、第1TFT31は、TFT基板100に形成された第1画素電極41と接続し、第2TFT32は対向基板200に形成された第2画素電極42を接続していることである。
図1の対向基板200において、画像を形成する光が通過しない部分にはブラックマトリクス201が形成され、画像のコントラストを向上させている。また、第1画素電極41、第2画素電極42と対応する部分にはカラーフィルタ202が形成されている。カラーフィルタ202を覆って、オーバーコート膜203が形成されている。表面を平らにするためと、カラーフィルタ202を構成する物質が液晶を汚染しないようにするためである。そして、第2画素電極42がオーバーコート膜203上に形成されている。
図1において、櫛歯状に形成された第1画素電極41と第2画素電極42との間に電圧が印加されると、図1の矢印のような斜め電界が生ずる。この斜め電界によって、液晶層400の液晶分子が状態を変化させ、バックライトからの光の透過率を変化させて画像を形成する。
図1における斜め電界の角度は、櫛歯電極のピッチおよび液晶層400の厚さ、すなわち、TFT基板100と対向基板200のギャップによって決められる。図1においては、例えば、液晶層400の厚さは4μm、第1画素電極41あるいは第2画素電極42のピッチは、8〜15μmである。なお、第1画素電極41あるいは第2画素電極42の櫛歯電極の電極幅は3〜5μm、電極間の幅は5〜10μmである。
ブルー相あるいは、ベンドコアを有する液晶相は駆動するために60V程度の高い電圧を必要とする。この場合、単一のTFTによってスイッチングしようとすると、TFTの耐電圧が問題となる。そこで、図1に示す本発明では、1画素当たり2個のTFTを用い、これを差動方式で使用することによって、高い駆動電圧を可能としている。
図2は、2個のTFTを差動型で用いる場合の回路図である。図2において、第1TFT31は第1映像信号線21に接続し、第2TFT32は第2映像信号線22に接続している。第1TFT31のソース電極はTFT基板100に形成される第1画素電極41に接続し、第2TFT32のソース電極は対向基板200に形成されている第2画素電極42に接続している。図2における第1画素電極41と第2画素電極42の間に液晶層400が挟持されている。
図2において、点線で示す第2画素電極42は対向基板200に形成されている。点線で示す第2画素電極42とTFT基板100に形成された第2TFT32のソース電極との間は、図1に示す表面に導電膜301が形成された柱状スペーサ300によって電気的に接続されている。
図2において、例えば、第1映像信号線21に+30Vの電圧が印加される場合は、第2映像信号線22に−30Vの電圧が印加される。第1TFT31と第2TFT32は、同一の走査線10に接続し、同時にON−OFF動作を行う。第1TFT31と第2TFT32がONとなったときは、図2に示す第1画素電極41と第2画素電極42の間の液晶層400には第1映像信号線21と第2映像信号線22の電圧の差である、60Vの電圧が印加され、液晶分子を駆動することが出来る。一方、第1TFT31と第2TFT32がOFFとなった場合は、60Vの電圧は、第1TFT31と第2TFT32で分圧される。
なお、液晶駆動回路においては、プラスの駆動電圧を発生する場合は、同時にマイナスの駆動電圧も発生するので、以上の動作を行うために、極性の異なる電圧を新たに形成する必要は無い。このように、本発明で使用する差動型の駆動方式は、通常の液晶表示装置の駆動のように、画素電極に映像信号による画素電圧を印加し、コモン電極に一定値であるコモン電圧を印加して駆動するのではなく、液晶を駆動するための2つの電圧は、いずれも映像信号によって変化する。
本発明の特徴は、第2画素電極42を対向基板200に形成するが、第2画素電極42と接続する第2TFT32はTFT基板100に形成されているということである。そして、第2画素電極42と第2TFT32とは、表面に導電膜301が形成された柱状スペーサ300によって接続されている。これによって、複雑なプロセスと、高温プロセスを必要とするTFTはTFT基板100のみに形成すればよいので、液晶表示パネル1の製造コストを大幅に低減することが出来る。しかも、1画素あたり、TFTを1個作る場合も、2個作る場合もプロセスは本質的には同一なので、TFT基板100の製造コスト自体も増加することは無い。
図1は模式図であるので、柱状スペーサ300はいわゆる柱のように描かれているが、実際の断面は、図3に示すような、逆台形となっている。すなわち、柱状スペーサ300は対向基板200にアクリル等の感光性の透明樹脂を例えば、4μm程度コーティングし、これを露光し、現像して形成する。現像するときに、柱状スペーサ300の側面は必然的に、図3に示すような傾斜が生ずる。
対向基板200に第2画素電極42を形成する場合は、対向基板200に柱状スペーサ300を形成した後に、オーバーコート膜203の上に透明導電膜であるITOをスパッタリングによって形成し、このITO膜をフォトリソグラフィによってパターニングする。ITOはスパッタリングによってオーバーコート膜203の上と同時に、柱状スペーサ300の上及び側壁にも被着する。つまり、柱状スペーサ300の側壁は、図3に示すようにテーパとなっているので、この部分にもITOが被着する。したがって、柱状スペーサ300によって、TFT基板100に形成された第2TFT32のソース電極と対向基板200に形成された第2画素電極42の導通をとることが出来る。
高コントラストを可能にするブルー相の液晶は配向膜を必要としない。したがって、以上説明した図1の構成によって動作することが出来る。一方、同様に高いコントラストを可能にするベンドコアを有する液晶相は初期配向をさせる必要があるので、配向膜を必要とする。配向膜は、TFT基板100に第1画素電極41が形成された後、あるいは、対向基板200に第2画素電極42が形成された後、塗布される。
配向膜は絶縁物であるので、TFT基板100における接続電極43あるいは、柱状スペーサ300の表面の導電膜301を覆うと、第2TFT32と第2画素電極42の導通をとることが出来なくなる。これを防止するために、TFT基板100における導通電極部分および対向基板200における柱状スペーサ300を覆う導電膜301部分にいわゆる疎水処理を施しておく。疎水処理を施した場所には配向膜は付着しないので、これらの膜の表面は導電性を維持することが出来る。疎水処理はインクジェットによっておこなうことが出来る。また、配向膜もインクジェットによって行うことが出来る。したがって、まず、インクジェットによって必要な部分に疎水処理を行い、その後、配向膜をインクジェットによって形成することが出来る。
図4は液晶表示装置の概略を示すブロック図である。図4において、液晶表示パネル1の表示領域7には、走査線10が横方向に延在して縦方向に配列し、また、映像信号線20が縦方向に延在して横方向に配列している。走査線10は走査線駆動回路3によって駆動され、映像信号線20は映像信号線20駆動回路2によって駆動される。
図4では省略しているが、映像信号線20は、1画素あたり、第1映像信号線21と第2映像信号線22がペアで延在している。また、映像信号線駆動回路2は、第1映像信号線21と第2映像信号線22のペアを駆動する。走査線駆動回路3、映像信号線駆動回路2は、タイミングコントローラ等を含む制御回路5によって制御される。また、制御回路5は、液晶表示パネル1の背後に配置されるバックライトの駆動回路4も制御する。
図5は1画素の構成を示す、模式平面図である。図5において、第1映像信号線21と第2映像信号線22がペアになって縦方向に延在している。また、走査線10が横方向に延在している。第1映像信号線21と第2映像信号線22のペアと走査線10で囲まれた部分に画素が形成される。画素内には第1TFT31と第2TFT32が形成され、第1TFT31と第1画素電極41が接続し、第2TFT32と第2画素電極42が接続している。第1画素電極41も第2画素電極42も櫛歯状電極である。
図5において、第1映像信号線21、第2映像信号線22、走査線10、第1画素電極41、第1TFT31、第2TFT32、等はTFT基板100に形成される。一方、第2画素電極42は対向基板200に形成される。そして、第2画素電極42と第2TFT32とは、図1に示す表面が導電膜301によって覆われた柱状スペーサ300によって導通を取っている。このように、第2画素電極42を対向基板200に形成していても、複雑なプロセスを必要とする要素はTFT基板100側に形成されている。したがって、製造コストの上昇を抑制することが出来る。
図6は1画素の詳細を示す平面図である。構成は図5と同じであるが、配線パターンを詳細に記載している。図6において、第1映像信号線21と第2映像信号線22がペアで縦方向に延在している。また、幅の広い走査線10が横方向に延在している。第1映像信号線21と第2映像信号線22のペアと走査線10によって囲まれた部分に画素が形成されている。
画素内には、櫛歯状の第1画素電極41と櫛歯状の第2画素電極42が対向して配置されている。しかし、第1画素電極41と第2画素電極42は同一平面上に形成されているのではなく、第1画素電極41はTFT基板100に形成され、第2画素電極42は対向基板200に形成され、液晶層400を介して対向して配置している。
図6において、幅広く形成された走査線10の上に第1TFT31と第2TFT32が配置している。したがって、第1TFT31と第2TFT32のゲート電極10は走査線10が兼用している。ゲート電極10の上には、図示しないゲート絶縁膜102が形成され、ゲート絶縁膜102の上にa−Siによって形成された半導体層103が形成されている。
第1TFT31のドレイン電極は第1映像信号線21から分岐した第1ドレイン電極104によって形成されている。第1ドレイン電極104はコの字型であり、第1ソース電極105を囲む形となっている。TFTのON抵抗を小さくするためである。第1ドレイン電極104と第1ソース電極105の上には図示しないパッシベーション膜108がSiNによって形成されている。パッシベーション膜108に形成された第1スルーホール109によって第1画素電極41と第1ソース電極105とが導通している。
一方、第2TFT32のドレイン電極は第2映像信号線22から分岐した第2ドレイン電極107によって形成されている。第2ドレイン電極107はコの字型であり、第2ソース電極106を囲む形となっている。TFTのON抵抗を小さくするためである。第2ドレイン電極107と第2ソース電極106の上には図示しないパッシベーション膜108がSiNによって形成されている。パッシベーション膜108に形成された第2スルーホール110によってパッシベーション膜108の上に形成された接続電極43と第2ソース電極106の導通を取っている。なお、接続電極43は第1画素電極41と同時に形成される。
接続電極43は横方向に延在し、延在した部分に、表面に導電膜301がコートされた柱状スペーサ300が接触する。これによって対向基板200に形成された第2画素電極42とTFT基板に形成された第2TFT32との導通を取っている。なお、図6において、a−Siは第1TFT31あるいは第2TFT32のチャンネル部のみでなく、第1映像信号線21、第2映像信号線22、第1ドレイン電極104、第1ソース電極105、第2ドレイン電極107、第2ソース電極106の下にも形成されている。a−Siによって段差を和らげ、かつ、走査線10と他の配線あるいは電極との絶縁の信頼性を高めている。
図7は図6のA−A断面図である。図7において、TFT基板100の上には、走査線10が形成されている。走査線10は第1TFT31と第2TFT32のゲート電極10を兼ねている。走査線10の上にゲート絶縁膜102を介して半導体層103が形成され、半導体層103の上に第1ドレイン電極104と第1ソース電極105を配置して第1TFT31を形成している。同様に、半導体層103の上に、第2ドレイン電極107と第2ソース電極106を配置して第2TFT32を形成している。
第1TFT31および第2TFT32を覆ってパッシベーション膜108が形成されている。パッシベーション膜108の第1ソース電極105に対応した部分に第1スルーホール109を形成して第1画素電極41と第1ソース電極105を接続している。また、パッシベーション膜108の第2ソース電極106に対応した部分に第2スルーホール110を形成して第2ソース電極106と接続電極43を導通している。
図7において、対向基板200に形成された表面に導電膜301を有する柱状スペーサ300が接続電極43に接触して、対向基板200に形成された第2画素電極42と接続電極43および第2TFT32の第2ソース電極106と接続をしている。これによって第2画素電極42を第2TFT32によって制御することが出来る。
TFT基板100と対向基板200の間に液晶層400が存在している。液晶層400はTFT基板100に形成された第1画素電極41と対向基板200に形成された第2画素電極42によって駆動される。対向基板200の断面構成は図1において説明した通りなので、説明を省略する。なお、図7において、TFT基板100の下には下偏光板120が貼り付けられ、対向基板200の上には上偏光板220が貼り付けられている。
図8は図6のB−B断面図である。すなわち、図8は図6における画素領域の断面図である。図8において、TFT基板100のパッシベーション膜108の上には櫛歯状の第1画素電極41が形成されている。第1画素電極41は、図示しない第1TFT31と接続している。対向基板200のオーバーコート膜203の上には櫛歯状の第2画素電極42が形成されている。第2画素電極42は、TFT基板100に形成された図示しない第2TFT32と接続している。
図8において、TFT基板100と対向基板200との間には液晶層400が挟持され、櫛歯状の第1画素電極41と櫛歯状の第2画素電極42によって液晶分子が制御され、バックライトからの光の透過率を変化させて画像を形成する。TFT基板100と対向基板200のその他の構成は、図1あるいは図7で説明したとおりなので、説明を省略する。
図7および図8において、TFT基板100および対向基板200には配向膜は記載されていない。ブルー相の液晶を使用する場合は、配向膜は不要なので図7あるいは図8の構成をそのまま使用することが出来る。一方、ベンドコアを有する液晶相の場合は、配向膜を必要とするが、先に説明したように、図7におけるTFT基板100の接続電極43の上、および対向基板200における導電膜301を有する柱状スペーサ300の表面に疎水処理を施すことによって、これらの部分に配向膜が付着することを防止することが出来る。
以上は主として、駆動電圧の高いブルー相液晶あるいは、ベンドコアを有する液晶相を使用する場合について説明した。しかし、以上で説明した構造は、駆動電圧がそれほど高くない、IPS方式の液晶表示パネル1の場合についても効果的である。すなわち、一般のIPSは、TFT基板100に画素電極と対向電極が形成され、画素電極と対向電極の間に形成される横電界によって液晶を制御する。
したがって、横電界はTFT基板100の表面において強いが、対向基板200の近くでは弱くなっている。つまり、対向電極付近の液晶分子は、映像信号によって十分に制御されていないことになる。これに対して、本発明の構成をとれば、対向電極を対向基板200に形成することが出来る。したがって、対向基板200の表面にまで、液晶に対する電界を十分に印加することが出来るので、コントラストを向上させることが出来る。
なお、この場合は、液晶分子に対して斜め方向の電界が印加されることになるが、電気力線の傾きは、図1に示すように、第1画素電極41あるいは第2画素電極42のピッチと液晶層400の厚さ、すなわち、TFT基板100と対向基板200のギャップによって設定することが出来る。
本実施例の基本構成は実施例1と同じである。画素の断面構造の一部が変更になった部分のみ図1を引用して説明する。図1の第1の実施例においては対向基板200に形成された第2の画素電極42は、柱状スペーサ300に被覆された透明導電膜301によりTFT基板100の接続電極43に接続されている。これにより第2TFT32のスイッチングにより映像電圧が第2画素電極に42に伝えられている。
本実施例では、この接続構造が異なる。すなわち、TFT基板100に柱状スペーサを形成する構成となる。これにより、製造工程の順序が変更され、まず柱状スペーサ300がTFT基板100に形成され、次に第1画素電極41、接続電極43、導電膜301の透明導電膜が形成される。すなわち、TFT基板100上に形成された柱状スペーサ300上あるいは側面に導電膜301が形成される。
これにより対向基板200上に形成された第2画素電極42と接続され、高コントラストで駆動電圧の低い液晶表示装置が提供できる。
1…液晶表示パネル、 2…映像信号線駆動回路、 3…走査線駆動回路、 4…バックライト駆動回路、 5…制御回路、 7…表示領域、 10…走査線、ゲート電極、 20…映像信号線、 21…第1映像信号線、 22…第2映像信号線、 31…第1TFT、 32…第2TFT、 41…第1画素電極、 42…第2画素電極、 43…接続電極、100…TFT基板、 102…ゲート絶縁膜、 103…半導体層、 104…第1ドレイン電極、 105…第1ソース電極、 106…第2ソース電極、 107…第2ドレイン電極、 108…パッシベーション膜、 109…第1スルーホール、 110…第2スルーホール、 120…下偏光板、 200…対向基板、 201…ブラックマトリクス、 202…カラーフィルタ、 203…オーバーコート膜、 220…上偏光板、 300…柱状スペーサ、 301…導電膜、 400…液晶層。

Claims (6)

  1. 第1の基板と第2の基板の間に液晶が挟持されている液晶表示装置であって、
    前記第1の基板には、第1映像信号線と第2映像信号線のペアが第1の方向に延在して第2の方向に配列し、走査線が前記第2の方向に延在して前記第1の方向に配列し、前記第1映像信号線と前記第2映像信号線の前記ペアと前記走査線とで囲まれた領域に櫛歯状の第1画素電極が形成され、
    前記第1の基板には第1TFTと第2TFTが形成され、前記第1映像信号線には前記第1TFTが接続し、前記第2映像信号線には前記第2TFTが接続し、
    前記第1画素電極と前記第1TFTが接続し、
    前記第2の基板には、櫛歯状の第2画素電極が形成され、前記第2画素電極と前記第2TFTとは、前記第1あるいは前記第2の基板に形成されて表面に導電膜が被着した柱状スペーサによって接続していることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記柱状スペーサの表面に形成されている導電膜は、前記第2画素電極と同じ材料で同時に形成されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1映像信号線と前記第2映像信号線には、極性が異なり大きさが等しい電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶はベンドコアを有する液晶相であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 前記液晶はブルー相液晶であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 前記柱状スペーサの表面に形成されている導電膜は、前記第1画素電極と同じ材料で同時に形成されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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