JP2003232842A - 方位探知装置 - Google Patents

方位探知装置

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JP2003232842A
JP2003232842A JP2002034454A JP2002034454A JP2003232842A JP 2003232842 A JP2003232842 A JP 2003232842A JP 2002034454 A JP2002034454 A JP 2002034454A JP 2002034454 A JP2002034454 A JP 2002034454A JP 2003232842 A JP2003232842 A JP 2003232842A
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Japan
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azimuth
conical spiral
antennas
antenna
horizontal
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JP2002034454A
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Kazuhiro Nomura
和広 野村
Yasushi Hoshina
恭史 保科
Hiroyuki Uematsu
弘行 植松
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型の受信空中線で高い周波数の方位探知を
行うと、電波の到来方位によって到来電波の位相のずれ
θが±πの範囲を越える場合があり、この時に算出され
る方位にはアンビギュイティ(曖昧さ)が生じるという
問題があった。 【解決手段】 受信空中線部を構成する各アンテナでの
受信信号それぞれについてクロススペクトルを求め、ア
ンテナ間の到来時間差に基づいて電波の到来方位を求め
る方位探知装置において、受信空中線部に2個のコニカ
ルスパイラルアンテナ10,11を使用し、先端部側に
おいて中心軸をより近づけて、d/λ<0.5(d:受
信空中線間隔、λ:受信電波波長)となるように配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は方位探知装置に係り、
さらに詳しくは、アンテナ間における電波の到来時間差
を用いて、電波の到来方位を探知する方位探知装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、アンテナ間における
電波の到来時間差により方位を算出する方位探知装置
が、例えば特開平9−257902号公報に開示されて
いる。図34は、この様な従来の方位探知装置の構成を
示したブロック図である。
【0003】図中の1、2は到来電波を受信する受信ア
ンテナ、3、4は受信信号の増幅及びIF(中間周波
数)信号への周波数変換を行う受信機、5、6はIF信
号をデジタルデータに変換するA/D変換器、7はデジ
タルデータのクロススペクトルを計算するクロススペク
トル計算回路、8はクロススペクトルから電波の到来時
間差を求める時間差検出回路、9は到来時間差から電波
の到来方位を求める方位算出回路である。
【0004】クロススペクトル計算回路7は、入力され
た各受信信号を高速フーリエ変換するFFT(FastFour
ier Transform)回路7a、7b及びフーリエ変換され
た信号のクロススペクトルを計算する複素乗算回路7c
により構成される。
【0005】次に動作について説明する。図34の方位
探知装置に電波が到来した場合、到来電波は受信アンテ
ナ1,2で受信され、受信機3,4に出力される。受信
機3,4では入力された受信信号を増幅し、さらに所定
の周波数に変換してA/D変換器5,6に出力する。A
/D変換器5,6では所定のサンプリングタイミングで
入力した受信信号をデジタルデータに変換し、クロスス
ペクトル計算回路7に出力する。
【0006】クロススペクトル計算回路7では、まず入
力されたデジタル信号を高速フーリエ変換し、振幅と位
相が計算される。高速フーリエ変換して得られた信号を
それぞれXA,XBとすると、XA,XBは複素乗算回路7
cに入力され、XAと、XBの複素共役XB *を掛け算する
ことによりクロススペクトルが算出される。このように
して算出されるクロススペクトルのコヒーレンスを図3
5(a)に、位相を図35(b)に示す。
【0007】算出されたコヒーレンス及び位相は時間差
検出回路8に出力される。時間差検出回路8では、コヒ
ーレンスの高い周波数帯での位相の傾きを求め、位相の
傾きから到来時間差が算出され、方位算出回路9に出力
される。ここで、位相の傾きは、コヒーレンスの高い周
波数帯の両端における周波数及び位相から求めている。
方位算出回路9では、入力された到来時間差と受信アン
テナ1,2の間隔を用いて電波の到来方位を算出する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の方位探
知装置では、方位算出回路9において、到来時間差と受
信アンテナ1,2の受信時における位相中心間距離に基
づいて、電波の到来方向を算出している。この方位探知
装置のアンテナ1,2の外観を図36に示す。このアン
テナの場合、低い周波数の電波を受信するためには、受
信アンテナが大型になる。従って、受信アンテナ1,2
の間隔が大きくなり、受信時の位相中心間距離dが大き
くなるという問題があった。
【0009】一方、同じアンテナで高い周波数の電波を
受信する場合、2つのアンテナの位相中心間距離dは周
波数に関係なく固定であるので、受信電波波長をλとす
ると、d/λ≧0.5となるケースが発生する。d/λ
≧0.5となるケースでは、電波の到来方位によって、
到来電波の位相のずれθが±πの範囲を越え、θが、θ
+2nπ(n=1,2、・・)のいずれであるかが区別
できない場合があり、この様な場合に算出される方位に
は、アンビギュイティ(曖昧さ)が生じるという問題が
あった。さらに、従来の方法によって、このアンビギュ
イティを解決するためには、アンテナおよびアンテナに
対応する信号処理回路からなる受信系統の数を増やす必
要があるという問題点があった。
【0010】この発明は、上記のような問題を解消する
ためなされたもので、受信系統数を増やすことなく、広
い周波数範囲にわたってアンビギュイティを生じること
なく方位探知を行うことができる方位探知装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】また、この発明は、広い周波数範囲にわた
ってアンビギュイティを生じることなく方位探知するこ
とができるとともに、広い覆域について方位探知を行う
ことができ、小型化でき、あるいは、水平方位および垂
直方位について方位探知を行うことができる上記方位探
知装置を提供することを目的とする。
【0012】また、この発明は、広い周波数範囲にわた
ってアンビギュイティを生じることなく方位探知するこ
とができるとともに、到来電波が方位探知装置の水平面
に対して垂直方位角(仰角又は俯角)を持っている場合
に生じる水平方位の測定誤差を補正することができる方
位探知装置を提供することを目的とする。
【0013】また、この発明は、広い周波数範囲にわた
ってアンビギュイティを生じることなく方位探知するこ
とができるとともに、到来電波の周波数が広帯域あるい
は離散的となる場合にも方位探知することができる方位
探知装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による方位探知装置は、コニカルスパイラル受信空中線
部と、クロススペクトル計算部と、時間差検出部と、方
位算出部とを備えて構成される。コニカルスパイラル受
信空中線部は、先端部側において中心軸をより近づけて
配置された2個のコニカルスパイラルアンテナからな
る。クロススペクトル計算部は、各コニカルスパイラル
アンテナにおける受信信号それぞれについてクロススペ
クトルを求め、時間差検出部が、これらのクロススペク
トルに基づいて上記コニカルスパイラルアンテナ間にお
ける電波の到来時間差を求め、方位算出部が、電波の到
来時間差に基づいて電波の到来方位を求める。
【0015】コニカルスパイラルアンテナは、一般に円
錐等の形状からなり、電波受信時の位相中心は、受信電
波の波長と等しい円周長をもつ円錐底面に平行な断面の
中心点となる。このため、受信電波の周波数が高くなる
にしたがって、位相中心は中心軸上を後端部側(円錐形
の底面側)から先端部側(円錐形の頂点側)に移動す
る。
【0016】コニカルスパイラル受信空中線部を構成す
る2個のコニカルスパイラルアンテナを先端部側におい
て中心軸をより近づけるように配置し、その中心軸間の
距離を後端部側よりも先端部側において短くすることに
よって、高い周波数においてもアンビギュイティを生ず
るのを抑制し、より広い周波数範囲にわたってアンビギ
ュイティを生じさせることなく方位探知を行うことが出
来る。
【0017】請求項2に記載の本発明による方位探知装
置は、コニカルスパイラル受信空中線部が、受信帯域内
の各波長λに関して、電波受信時の位相中心間の距離d
がd/λ<0.5を満たすように、2個のコニカルスパ
イラルアンテナを配置して構成される。この様な構成に
より、受信帯域内の各波長λに関して、アンビギュイテ
ィを生じさせることなく方位探知を行うことが出来る。
【0018】請求項3に記載の本発明による方位探知装
置は、コニカルスパイラル受信空中線部が3個のコニカ
ルスパイラルアンテナからなる。隣接する第1および第
2のコニカルスパイラルアンテナが、先端部側の中心軸
をより近づけて配置されるとともに、隣接する第2およ
び第3のコニカルスパイラルアンテナが先端部側の中心
軸をより近づけて配置されている。第1および第2のコ
ニカルスパイラルアンテナによる覆域と、第2および第
3のコニカルスパイラルアンテナによる覆域について同
一平面内の方位探知が行われる。
【0019】クロススペクトル計算部は、第1および第
2のコニカルスパイラルアンテナにおける受信信号につ
いてクロススペクトルを求め、このクロススペクトルに
基づいて、時間差検出部が、これらのアンテナ間におけ
る電波の到来時間差を求める。また、クロススペクトル
計算部は、第2および第3のコニカルスパイラルアンテ
ナにおける受信信号についてクロススペクトルを求め、
このクロススペクトルに基づいて、時間差検出部が、こ
れらのアンテナ間における電波の到来時間差を求める。
【0020】方位算出部は、これらの到来時間差に基づ
いて、電波の到来方位を求める。第1および第2のコニ
カルスパイラル受信空中線部による覆域内であれば、第
1および第2のコニカルスパイラルアンテナ間における
到来時間差に基づいて電波の到来方向を求め、第2およ
び第3のコニカルスパイラル受信空中線部による覆域内
であれば、第2および第3のコニカルスパイラルアンテ
ナ間における到来時間差に基づいて電波の到来方向を求
める。なお、上記の異なる覆域は一部において重複して
いてもよく、重複する領域がある場合、当該重複領域内
では、いずれか一方又は両方の到来時間差に基づいて電
波の到来方位が求められる。
【0021】この様にして、同一平面内の方位に関する
2つの覆域において電波の到来方位を求めることによ
り、より広い覆域がカバーされる。また、1個のコニカ
ルスパイラルアンテナを2つの覆域について共用するこ
とにより、3個のコニカルスパイラルアンテナを用いて
2つの異なる覆域がカバーされる。
【0022】請求項4に記載の本発明による方位探知装
置は、水平方位を求めるための水平方位用コニカルスパ
イラル受信空中線部と、垂直方位を求めるための垂直方
位用コニカルスパイラル受信空中線部とを備えて構成さ
れる。
【0023】水平方位用コニカルスパイラル受信空中線
部、垂直方位用コニカルスパイラル受信空中線部は、い
ずれも2以上のコニカルスパイラルアンテナにより構成
される。各コニカルスパイラル受信空中線部は、先端部
側の中心軸をより近づけるようにコニカルスパイラルア
ンテナを配置して構成される。なお、水平方位用のコニ
カルスパイラル受信空中線部は、同じ到来電波につい
て、位相中心を結ぶ線が水平となるように2以上のコニ
カルスパイラルアンテナが配置される。また、垂直方位
用のコニカルスパイラル受信空中線部は、同じ到来電波
について、位相中心を結ぶ線が垂線となるように2以上
のコニカルスパイラルアンテナが配置される。
【0024】請求項5に記載の本発明による方位探知装
置は、垂直方位用コニカルスパイラル受信空中線部を用
いて方位算出部により求められた垂直方位に基づいて、
水平方位用コニカルスパイラル受信空中線部を用いて方
位算出部で求められた水平方位を補正する水平方位補正
部を備えて構成される。
【0025】電波が垂直方位角(仰角又は俯角)を有し
て到来する場合に、これに起因して水平方位に生ずる測
定誤差が生ずる。水平方位補正部は、測定された垂直方
位に基づいて、測定された水平方位を補正するため、電
波が垂直方位を有して到来する場合でも水平方位を正確
に検出することが出来る。
【0026】請求項6に記載の本発明による方位探知装
置は、水平方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、
先端部側の中心軸をより近づけて配置される第1および
第2のコニカルスパイラルアンテナからなり、垂直方位
用コニカルスパイラル受信空中線部が、先端部側の中心
軸をより近づけて配置される第3および第4のコニカル
スパイラルアンテナからなる。すなわち、4個のコニカ
ルスパイラルアンテナを備え、水平方位用コニカルスパ
イラル受信空中線部が、2個のコニカルスパイラルアン
テナからなり、垂直方位用コニカルスパイラル受信空中
線部が、残る2個のコニカルスパイラルアンテナからな
る。
【0027】時間差検出部は、水平方位用コニカルスパ
イラルアンテナにおける各受信信号のクロススペクトル
に基づいて、電波の到来時間差を求め、方位算出部がこ
の到来時間差に基づいて到来電波の水平方位を求める。
また、時間差検出部は、垂直方位用コニカルスパイラル
アンテナにおける各受信信号のクロススペクトルに基づ
いて、電波の到来時間差を求め、方位算出部がこの到来
時間差に基づいて到来電波の垂直方位を求める。
【0028】請求項7に記載の本発明による方位探知装
置は、水平方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、
先端部側の中心軸をより近づけて配置される第1および
第2のコニカルスパイラルアンテナからなり、垂直方位
用コニカルスパイラル受信空中線部が、先端部側の中心
軸をより近づけて配置される第2および第3のコニカル
スパイラルアンテナからなる。
【0029】この方位探知装置は、3個のコニカルスパ
イラルアンテナを備え、そのうち2個のコニカルスパイ
ラルアンテナが、水平方位用コニカルスパイラル受信空
中線部として使用される。また、残る1個のコニカルス
パイラルアンテナと、水平方位用に使用されるいずれか
1個のコニカルスパイラルアンテナが垂直方位用コニカ
ルスパイラル受信空中線部として使用される。つまり、
同じコニカルスパイラルアンテナを水平方位用コニカル
スパイラル受信空中線部と、垂直方位用コニカルスパイ
ラル受信空中線部で共用される。
【0030】時間差検出部は、水平方位を求めるための
時間差を第1および第2のコニカルスパイラルアンテナ
における受信信号のクロススペクトルに基づいて求め、
垂直方位を求めるための時間差を第2および第3のコニ
カルスパイラルアンテナにおける受信信号のクロススペ
クトルに基づいて求める。この様にして、1個のコニカ
ルスパイラルアンテナを、水平方位用および垂直方位用
に共用することにより、3個のコニカルスパイラルアン
テナを用いて、水平方位および垂直方位が求められる。
【0031】請求項8に記載の本発明による方位探知装
置は、水平方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、
隣接するコニカルスパイラルアンテナの先端部側の中心
軸をより近づけて配置される第1、第2および第3のコ
ニカルスパイラルアンテナからなり、垂直方位用コニカ
ルスパイラル受信空中線部が、隣接するコニカルスパイ
ラルアンテナの先端部側の中心軸をより近づけて配置さ
れる第4、第5および第6のコニカルスパイラルアンテ
ナからなる。
【0032】第1および第2のコニカルスパイラルアン
テナからなるコニカルスパイラル受信空中線部と、第2
および第3のコニカルスパイラルアンテナからなるコニ
カルスパイラル受信空中線部が、それぞれ水平方位にお
ける異なる覆域をカバーする。また、第4および第5の
コニカルスパイラルアンテナからなるコニカルスパイラ
ル受信空中線部と、第5および第6のコニカルスパイラ
ルアンテナからなるコニカルスパイラル受信空中線部と
が、垂直方位における異なる覆域をカバーする。
【0033】水平方位および垂直方位のそれぞれについ
て、2つの覆域において電波の到来方位を求めることに
より、それぞれについて、より広い覆域がカバーされ
る。また、1個のコニカルスパイラルアンテナを、2つ
の覆域について共用することにより、3個のコニカルス
パイラルアンテナを用いて広い覆域がカバーできる。
【0034】請求項9に記載の本発明による方位探知装
置は、水平方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、
隣接するコニカルスパイラルアンテナの先端部側の中心
軸をより近づけて配置される第1、第2および第3のコ
ニカルスパイラルアンテナからなる。また、垂直方位用
コニカルスパイラル受信空中線部が、隣接するコニカル
スパイラルアンテナの先端部側の中心軸をより近づけて
配置される第2、第4および第5のコニカルスパイラル
アンテナからなる。
【0035】つまり、5個のコニカルスパイラルアンテ
ナを備え、水平方位用、垂直方位用のコニカルスパイラ
ル受信空中線部が、それぞれ3個のコニカルスパイラル
アンテナからなり、水平方位用、垂直方位用で1個のコ
ニカルスパイラルアンテナを共用している。
【0036】時間差検出部は、第1、第2および第3の
コニカルスパイラルアンテナについて、隣接する2個の
アンテナ間における電波の到来時間差をそれぞれ求め、
方位算出部が、これらの時間差に基づいて水平方位を求
める。また、時間差検出部は、第2、第4および第5の
コニカルスパイラルアンテナについて、隣接する2個の
アンテナ間における電波の到来時間差をそれぞれ求め、
方位算出部が、これらの時間差に基づいて垂直方位を求
める。
【0037】請求項10に記載の本発明による方位探知
装置は、ログペリオディック受信空中線部と、クロスス
ペクトル計算部と、時間差検出部と、方位算出部とを備
えて構成される。ログペリオディック受信空中線部は、
先端部側において中心軸をより近づけて配置された2個
のログペリオディックアンテナからなる。クロススペク
トル計算部は、各ログペリオディックアンテナにおける
受信信号それぞれについてクロススペクトルを求め、時
間差検出部が、これらのクロススペクトルに基づいて上
記ログペリオディックアンテナ間における電波の到来時
間差を求め、方位算出部が、電波の到来時間差に基づい
て電波の到来方位を求める。
【0038】ログペリオディックアンテナは、一般に複
数の素子からなる素子列を備えて形成され、電波はその
波長の1/2に等しい素子長の素子により受信され、位
相中心は受信素子の中心となる。また、素子長は、先端
部側ほど短いため、受信電波の周波数が高くなるにした
がって、位相中心は中心軸上を後端部側から先端部側に
移動する。
【0039】受信空中線部を構成する2個のログペリオ
ディックアンテナを先端部側において中心軸をより近づ
けるように配置し、その中心軸間の距離を後端部側より
も先端部側において短くすることによって、高い周波数
においてもアンビギュイティを生ずるのを抑制し、より
広い周波数範囲にわたってアンビギュイティを生じさせ
ることなく方位探知を行うことが出来る。
【0040】請求項11に記載の本発明による方位探知
装置は、ログペリオディック受信空中線部が、受信帯域
内の各波長λに関して、電波受信時の位相中心間の距離
dがd/λ<0.5を満たすように、2個のログペリオ
ディックアンテナを配置して構成される。この様な構成
により、受信帯域内の各波長λに関して、アンビギュイ
ティを生じさせることなく方位探知を行うことが出来
る。
【0041】請求項12に記載の本発明による方位探知
装置は、ログペリオディック受信空中線部が3個のログ
ペリオディックアンテナからなる。隣接する第1および
第2のログペリオディックアンテナが、先端部側の中心
軸をより近づけて配置されるとともに、隣接する第2お
よび第3のログペリオディックアンテナが先端部側の中
心軸をより近づけて配置されている。第1および第2の
ログペリオディックアンテナによる覆域と、第2および
第3のログペリオディックアンテナによる覆域について
同一平面内の方位探知が行われる。
【0042】クロススペクトル計算部は、第1および第
2のログペリオディックアンテナにおける受信信号につ
いてクロススペクトルを求め、このクロススペクトルに
基づいて、時間差検出部が、これらのアンテナ間におけ
る電波の到来時間差を求める。また、クロススペクトル
計算部は、第2および第3のログペリオディックアンテ
ナにおける受信信号についてクロススペクトルを求め、
このクロススペクトルに基づいて、時間差検出部が、こ
れらのアンテナ間における電波の到来時間差を求める。
【0043】方位算出部は、これらの到来時間差に基づ
いて、電波の到来方位を求める。第1および第2のログ
ペリオディックアンテナによる覆域内であれば、第1お
よび第2のログペリオディックアンテナ間における到来
時間差に基づいて電波の到来方向を求め、第2および第
3のログペリオディックアンテナによる覆域内であれ
ば、第2および第3のログペリオディックアンテナ間に
おける到来時間差に基づいて電波の到来方向を求める。
なお、上記の異なる覆域は一部において重複していても
よく、重複する領域がある場合、当該重複領域内では、
いずれか一方又は両方の到来時間差に基づいて電波の到
来方位が求められる。
【0044】この様にして、同一平面内の方位に関する
2つの覆域において電波の到来方位を求めることによ
り、より広い覆域がカバーされる。また、1個のログペ
リオディックアンテナを2つの覆域について共用するこ
とにより、3個のログペリオディックアンテナを用いて
2つの異なる覆域がカバーされる。
【0045】請求項13に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位を求めるための水平方位用ログペリオ
ディック受信空中線部と、垂直方位を求めるための垂直
方位用ログペリオディック受信空中線部とを備えて構成
される。
【0046】水平方位用ログペリオディック受信空中線
部、垂直方位用ログペリオディック受信空中線部は、い
ずれも2以上のログペリオディックアンテナにより構成
される。各ログペリオディック受信空中線部は、先端部
側の中心軸をより近づけるようにログペリオディックア
ンテナを配置して構成される。なお、水平方位用のログ
ペリオディック受信空中線部は、同じ到来電波につい
て、位相中心を結ぶ線が水平となるように2以上のログ
ペリオディックアンテナが配置される。また、垂直方位
用のログペリオディック受信空中線部は、同じ到来電波
について、位相中心を結ぶ線が垂線となるように2以上
のログペリオディックアンテナが配置される。
【0047】請求項14に記載の本発明による方位探知
装置は、垂直方位用ログペリオディック受信空中線部を
用いて方位算出部により求められた垂直方位に基づい
て、水平方位用ログペリオディック受信空中線部を用い
て方位算出部で求められた水平方位を補正する水平方位
補正部を備えて構成される。
【0048】電波が垂直方位角(仰角又は俯角)を有し
て到来する場合に、これに起因して水平方位に生ずる測
定誤差が生ずる。水平方位補正部は、測定された垂直方
位に基づいて、測定された水平方位を補正するため、電
波が垂直方位を有して到来する場合でも水平方位を正確
に検出することが出来る。
【0049】請求項15に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位用ログペリオディック受信空中線部
が、先端部側の中心軸をより近づけて配置される第1お
よび第2のログペリオディックアンテナからなり、垂直
方位用ログペリオディック受信空中線部が、先端部側の
中心軸をより近づけて配置される第3および第4のログ
ペリオディックアンテナからなる。すなわち、4個のロ
グペリオディックアンテナを備え、水平方位用ログペリ
オディック受信空中線部が、2個のログペリオディック
アンテナからなり、垂直方位用ログペリオディック受信
空中線部が、残る2個のログペリオディックアンテナか
らなる。
【0050】時間差検出部は、水平方位用ログペリオデ
ィック受信空中線部における各受信信号のクロススペク
トルに基づいて、電波の到来時間差を求め、方位算出部
がこの到来時間差に基づいて到来電波の水平方位を求め
る。また、時間差検出部は、垂直方位用ログペリオディ
ック受信空中線部における各受信信号のクロススペクト
ルに基づいて、電波の到来時間差を求め、方位算出部が
この到来時間差に基づいて到来電波の垂直方位を求め
る。
【0051】請求項16に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位用ログペリオディック受信空中線部
が、先端部側の中心軸をより近づけて配置される第1お
よび第2のログペリオディックアンテナからなり、垂直
方位用ログペリオディック受信空中線部が、先端部側の
中心軸をより近づけて配置される第2および第3のログ
ペリオディックアンテナからなる。
【0052】この方位探知装置は、3個のログペリオデ
ィックアンテナを備え、そのうち2個のログペリオディ
ックアンテナが、水平方位用ログペリオディック受信空
中線部として使用される。また、残る1個のログペリオ
ディックアンテナと、水平方位用に使用されるいずれか
1個のログペリオディックアンテナが垂直方位用ログペ
リオディック受信空中線部として使用される。つまり、
同じログペリオディックアンテナを水平方位用ログペリ
オディック受信空中線部と、垂直方位用ログペリオディ
ック受信空中線部で共用される。
【0053】時間差検出部は、水平方位を求めるための
時間差を第1および第2のログペリオディックアンテナ
における各受信信号のクロススペクトルに基づいて求
め、垂直方位を求めるための時間差を第2および第3の
ログペリオディックアンテナにおける各受信信号のクロ
ススペクトルに基づいて求める。この様にして、1個の
ログペリオディックアンテナを、水平方位用および垂直
方位用に共用することにより、3個のログペリオディッ
クアンテナを用いて、水平方位および垂直方位が求めら
れる。
【0054】請求項17に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位用ログペリオディック受信空中線部
が、隣接するログペリオディックアンテナの先端部側の
中心軸をより近づけて配置される第1、第2および第3
のログペリオディックアンテナからなり、垂直方位用ロ
グペリオディック受信空中線部が、隣接するログペリオ
ディックアンテナの先端部側の中心軸をより近づけて配
置される第4、第5および第6のログペリオディックア
ンテナからなる。
【0055】第1および第2のログペリオディックアン
テナからなるログペリオディック受信空中線部と、第2
および第3のログペリオディックアンテナからなるログ
ペリオディック受信空中線部が、それぞれ水平方位にお
ける異なる覆域をカバーする。また、第4および第5の
ログペリオディックアンテナからなるログペリオディッ
ク受信空中線部と、第5および第6のログペリオディッ
クアンテナからなるログペリオディック受信空中線部と
が、垂直方位における異なる覆域をカバーする。
【0056】水平方位および垂直方位のそれぞれについ
て、2つの覆域において電波の到来方位を求めることに
より、それぞれについて、より広い覆域がカバーされ
る。また、1個のログペリオディックアンテナを、2つ
の覆域について共用することにより、3個のログペリオ
ディックアンテナを用いて広い覆域がカバーされる。
【0057】請求項18に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位用ログペリオディック受信空中線部
が、隣接するログペリオディックアンテナの先端部側の
中心軸をより近づけて配置される第1、第2および第3
のログペリオディックアンテナからなる。また、垂直方
位用ログペリオディック受信空中線部が、隣接するログ
ペリオディックアンテナの先端部側の中心軸をより近づ
けて配置される第2、第4および第5のログペリオディ
ックアンテナからなる。
【0058】つまり、5個のログペリオディックアンテ
ナを備え、水平方位用、垂直方位用のログペリオディッ
ク受信空中線部が、それぞれ3個のログペリオディック
アンテナからなり、水平方位用、垂直方位用で1個のロ
グペリオディックアンテナを共用している。
【0059】時間差検出部は、第1、第2および第3の
ログペリオディックアンテナについて、隣接する2個の
アンテナ間における電波の到来時間差をそれぞれ求め、
方位算出部が、これらの時間差に基づいて水平方位を求
める。また、時間差検出部は、第2、第4および第5の
ログペリオディックアンテナについて、隣接する2個の
アンテナ間における電波の到来時間差をそれぞれ求め、
方位算出部が、これらの時間差に基づいて垂直方位を求
める。
【0060】請求項19に記載の本発明による方位探知
装置は、受信電波の波長が短くなるに従って位相中心が
より先端部側となる2個のアンテナからなる受信空中線
部と、各アンテナにおける受信信号それぞれについてク
ロススペクトルを求めるクロススペクトル計算部と、各
クロススペクトルに基づいて上記アンテナ間における電
波の到来時間差を求める時間差検出部と、各アンテナで
の電波の到来時間差に基づいて電波の到来方位を求める
方位算出部とを備えている。また、上記受信空中線部
は、位相中心間の距離が先端部側においてより短くなる
ように上記アンテナを配置して構成される。
【0061】位相中心の位置が受信波長に依存し、波長
が短くなるほど位相中心がアンテナの中心軸上で先端部
側に移動するアンテナを受信空中線部として使用する場
合、位相中心が先端部に行くほどアンビギュイティが生
じやすくなる。
【0062】従って、この様な2個のアンテナの位相中
心間の距離が、後端部よりも先端部側において短くなる
ように配置することによって、短い波長についてもアン
ビギュイティを生ずるのを抑制することでき、より広い
周波数範囲にわたってアンビギュイティを生ずることな
く方位探知を行うことが出来る。
【0063】請求項20に記載の本発明による方位探知
装置は、受信空中線部が、受信帯域内の各波長λに関し
て、電波受信時の位相中心間の距離dがd/λ<0.5
を満たすようにアンテナが配置される。この様な構成に
より、受信帯域内の各波長λに関して、アンビギュイテ
ィを生じさせることなく方位探知を行うことが出来る。
【0064】請求項21に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位を求めるための水平方位用受信空中線
部と、垂直方位を求めるための垂直方位用受信空中線部
と、垂直方位用受信空中線部を用いて方位算出部により
求められた垂直方位に基づいて、水平方位用受信空中線
部を用いて方位算出部で求められた水平方位を補正する
水平方位補正部を備えて構成される。
【0065】電波が垂直方位角(仰角又は俯角)を有し
て到来する場合に、これに起因して水平方位に生ずる測
定誤差が生ずる。水平方位補正部は、測定された垂直方
位に基づいて、測定された水平方位を補正するため、電
波が垂直方位を有して到来する場合でも水平方位を正確
に検出することが出来る。
【0066】請求項22に記載の本発明による方位探知
装置は、2以上の到来時間差の平均値を求める平均値算
出部を備え、時間差検出部が、クロススペクトル計算部
において求められた各クロススペクトルに基づいて2以
上の到来時間差を求め、上記方位算出部が、到来時間差
の平均値に基づいて電波の到来方位を求めるように構成
される。
【0067】クロススペクトルにおいてコヒーレンスが
離散的となる場合ような電波が到来した場合であって
も、時間差検出部が、2以上の到来時間差を求め、平均
値算出部が、2以上の到来時間差の平均値を求め、方位
算出部が、到来時間差の平均値に基づいて電波の到来方
位を求めることにより、電波の到来方位を求めることが
出来る。
【0068】請求項23に記載の本発明による方位探知
装置は、時間差検出部が、クロススペクトルのコヒーレ
ンスが所定の閾値を越える2以上の周波数のそれぞれに
ついて、位相値から到来時間差を求めるように構成され
る。
【0069】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の
実施の形態1による方位探知装置の一構成例を示したブ
ロック図である。図中の10,11はコニカルスパイラ
ルアンテナ、3,4は受信機、5,6はA/D変換器、
7はクロススペクトル計算回路、8は時間差検出回路、
9は方位算出回路である。
【0070】コニカルスパイラルアンテナ10,11
は、同じ特性を持つ2個のアンテナであり、それぞれが
到来電波を受信してRF信号を出力する。これらのコニ
カルスパイラルアンテナ10,11は、後述する相対的
関係にて配置され、コニカルスパイラル受信空中線部を
構成している。
【0071】受信機3,4及びA/D変換器5,6は、
各コニカルスパイラルアンテナ10,11ごとに設けら
れている。コニカルスパイラルアンテナ10による受信
信号は、受信機3において増幅及び周波数変換されてI
F信号となり、A/D変換器5において所定のサンプリ
ングタイミングでデジタルデータに変換される。同様に
して、コニカルスパイラルアンテナ11による受信信号
は、受信機4において増幅及び周波数変換され、A/D
変換器6においてデジタルデータに変換される。
【0072】クロススペクトル計算回路7は、入力され
た2つの受信信号をそれぞれ高速フーリエ変換するFF
T(Fast Fourier Transform)回路7a、7bと、フー
リエ変換された信号のクロススペクトルを計算する複素
乗算回路7cにより構成される。FFT回路7a、7b
によりフーリエ変換して得られた信号をそれぞれXA
Bとすると、XA、XBは複素乗算回路7cに入力さ
れ、XAと、XBの複素共役XB *との掛け算によりクロス
スペクトルが算出される。
【0073】時間差検出回路8は、クロススペクトルの
コヒーレンスを所定のコヒーレンス閾値と比較して、コ
ヒーレンス閾値を越える周波数と、その周波数における
クロススペクトルの位相値を抽出する。この様にして抽
出された周波数および位相値から、コニカルスパイラル
アンテナ10,11間における電波の到来時間差を計算
する。到来時間差は、コヒーレンスがコヒーレンス閾値
よりも高い周波数帯における位相の傾きに基づいて求め
られる。方位算出回路9は、時間差検出回路8で求めら
れた到来時間差と、コニカルスパイラルアンテナ10,
11における位相中心間の距離と、電波伝搬速度に基づ
いて電波の到来方位を算出する。
【0074】図2は、コニカルスパイラル受信空中線部
10,11の一構成例の概略を示した図である。図中の
(a)は、コニカルスパイラル受信空中線部を略正面か
ら見た図、(b)は、その平面図である。
【0075】コニカルスパイラル受信空中線部は、1組
のコニカルスパイラルアンテナ10,11を取り付け筐
体に配設して構成される。方位探知装置により所定の平
面内における方位角を求める場合、コニカルスパイラル
アンテナ10,11は、互いの位相中心を結ぶ線が当該
平面と平行となるように配置される。例えば、水平方位
を求める場合には位相中心を結ぶ線が水平となるように
配置され、垂直方位を求める場合には位相中心を結ぶ線
が垂線となるように配置される。
【0076】コニカルスパイラルアンテナ10,11
は、それぞれの後端部側(円錐形状の底面側)が取り付
け筐体に取り付けられる。その際、先端部(円錐形状の
頂点側)が互いに内向きとなるように角度を有して取り
付けられる。すなわち、コニカルスパイラルアンテナ1
0,11の中心軸(円錐形状の中心線)間の距離は、後
端部側と比較して、先端部側ではより短くなっている。
【0077】図3は、各コニカルスパイラルアンテナ1
0,11の位相中心について説明するための説明図であ
る。コニカルスパイラルアンテナは、一般に、円錐(あ
るいは円錐台等)の形状からなる誘電体の側面にスパイ
ラル状に導体を配置して形成される。電波受信時の位相
中心は、円錐底面に平行な断面のうち、その円周長が波
長に等しい断面の中心点となる。つまり、位相中心は、
コニカルスパイラルアンテナ10,11の中心軸上の波
長に応じた位置となり、周波数が高いほど先端部側に移
動し、周波数が低いほど後端部側に移動する。
【0078】図4は、図2に示したコニカルスパイラル
受信空中線部10,11の一構成例について詳細に説明
するための説明図である。この図では、周波数の異なる
電波A,B,Cを受信した場合の例が示されている。受
信電波A,B,Cは、それぞれの波長λA,λB,λC
λA<λB<λCの関係にあるものとする。電波A,B,
Cが、各コニカルスパイラルアンテナ10,11によっ
て受信可能であれば、円周長が各波長λA,λB,λC
等しくなるアンテナ底面に平行な円錐断面SA,S B,S
Cが存在する。この円錐断面の中心点が電波A,B,C
を受信した時の位相中心となる。
【0079】図中のLA,LB,LCは、それぞれ受信電
波A,B,Cに関する、各コニカルスパイラルアンテナ
10,11の位相中心間の距離である。方位探知におい
てアンビギュイティが生じる条件は、d/λ≧0.5
(d:位相中心間距離、λ:到来電波の波長)であるこ
とから、電波A,B,Cについてアンビギュイティが生
じないための条件は、それぞれについて、 LA/λA<0.5 LB/λB<0.5 LC/λC<0.5 となる。λA<λB<λCの関係から、電波Aを受信した
場合が最もアンビギュイティが生じやすい。つまり、高
周波数の場合ほどアンビギュイティが生じやすく、位相
中心が先端部側にあるほどアンビギュイティが生じやす
いことになる。
【0080】このため、広い周波数帯域においてアンビ
ギュイティを生ずることなく方位探知を実施したい場
合、コニカルスパイラルアンテナ10,11の中心軸間
の距離は、先端部側ほど短くすることが求められる。つ
まり、同じ特性を持つコニカルスパイラルアンテナ1
0,11の先端部を後端部よりも近づけ、内向きに角度
をつけて配置すれば、アンビギュイティが生ずるのを抑
制することが出来る。
【0081】特に、コニカルスパイラル空中線10,1
1の受信帯域内の各周波数について、位相中心間の距離
が、それぞれの位相中心での断面円周(つまり波長)の
1/2未満となるように、コニカルスパイラルアンテナ
10,11を配置すれば、クロススペクトル計算回路7
の出力するクロススペクトルの位相の値は常に±πの間
に存在することになり、受信可能な全ての受信電波につ
いてアンビギュイティを生ずることなく方位探知を行う
ことが出来る。
【0082】図1の方位探知装置に電波が到来した場
合、到来電波は、コニカルスパイラルアンテナ10,1
1で受信され、受信機3,4に出力される。受信機3,
4では、入力された受信信号を増幅し、さらに所定の周
波数に変換してA/D変換器5,6へ出力する。A/D
変換器5,6では所定のサンプリングタイミングで入力
した受信信号をデジタルデータに変換し、クロススペク
トル計算回路7に出力する。
【0083】クロススペクトル計算回路7では、まず入
力されたデジタル信号を高速フーリエ変換し、振幅と位
相が計算される。高速フーリエ変換して得られた信号を
それぞれXA,XBとすると、XA,XBは複素乗算回路7
cに入力され、XAと、XBの複素共役XB *を掛け算する
ことによりクロススペクトルが算出される。算出された
コヒーレンス及び位相は時間差検出回路8に出力され
る。
【0084】時間差検出回路8では、コヒーレンスが所
定のコヒーレンス閾値と比較され、コヒーレンスの高い
周波数帯における位相の傾きが求められ、位相の傾きか
ら到来時間差が算出され、方位算出回路9に出力され
る。方位算出回路9では、入力された到来時間差から
と、コニカルスパイラルアンテナ10,11で受信され
たときの位相中心間の距離を用いて電波の到来方位が算
出される。
【0085】本実施の形態によれば、方位探知装置の受
信空中線部として先端部側において中心軸をより近づけ
て配置された2個のコニカルスパイラルアンテナを用い
ることにより、コニカルスパイラルアンテナの数を増大
させることなく、受信帯域内の広い周波数帯域において
アンビギュイティを生ずることなく方位探知を行うこと
が出来る。特に、受信可能な全ての周波数について受信
電波の波長が位相中心間の距離の1/2となるように、
コニカルスパイラルアンテナを配置することによって、
全ての受信帯域内において到来方位にアンビギュイティ
が生じない方位探知を行うことが出来る。
【0086】実施の形態2.上記実施の形態1では、所
定の平面内における電波の到来した方位角(通常は水平
方位角(AZ))を探知する場合について述べた。とこ
ろが、到来電波の水平方位を探知する場合に、当該電波
が方位探知装置の水平面に対して垂直方位角(EL、つ
まり仰角又は俯角)を持って到来することが考えられ
る。この様な場合、AZ測定用の測定系では本来測定す
るべき水平方位AZとは異なる角度を測定し、水平方位
AZの測定結果に誤差が生ずる。
【0087】このため、本実施の形態は、AZ測定用の
測定系とは別にEL測定用の測定系を使用し、水平方位
AZおよび垂直方位ELをともに探知し、さらに垂直方
位ELを用いて、水平方位AZの測定誤差を補正する方
位探知装置の例について説明する。
【0088】図5は、本発明の実施の形態2による方位
探知装置の一構成例を示したブロック図である。図中の
10〜13は到来電波を受信するためのコニカルスパイ
ラルアンテナ、3,4,14,15は受信信号の増幅及
び周波数変換を行う受信機、5,6,16,17は増幅
され周波数変換されたIF信号をデジタルデータに変換
するA/D変換器、7,18はデジタルデータのクロス
スペクトルを計算するクロススペクトル計算回路、8,
19は時間差検出回路、9,20は方位算出回路、21
は水平方位AZを補正するための方位測定誤差補正回路
である。
【0089】コニカルスパイラルアンテナ10〜13
は、同じ特性をもつアンテナであり、コニカルスパイラ
ルアンテナ10,11は、到来電波の水平方位AZを測
定するための受信空中線部を構成し、コニカルスパイラ
ルアンテナ12,13は垂直方位ELを測定するための
受信空中線部を構成する。
【0090】受信機3,4から方位算出回路9までの信
号処理回路は、コニカルスパイラルアンテナ10,11
の受信信号に基づいて水平方位AZを求めている。受信
機12,13から方位算出回路20までの信号処理回路
も、AZ測定用の上記信号処理回路と同様の機能を有
し、コニカルスパイラルアンテナ12,13の受信信号
に基づいて垂直方位ELを求めている。
【0091】方位測定誤差補正回路21は、方位算出回
路9,20で求められた水平方位AZおよび垂直方位E
Lが入力され、正しい水平方位AZおよび垂直方位EL
を出力する。到来電波が水平面に対して垂直方位角を持
って到来した場合、方位算出回路9で求められる水平方
位AZには後述する様な誤差が生じる。このため、方位
測定誤差補正回路21が、方位算出回路20で求められ
た垂直方位ELを用いて、方位算出回路9で求められた
水平方位AZを補正し、正しい水平方位AZを求めてい
る。
【0092】図6は、コニカルスパイラル受信空中線部
10,11およびコニカルスパイラル受信空中線部1
2,13の一構成例の概略を示した図である。図中の
(a)は、AZ測定用の受信空中線部10,11を略正
面から略正面から見た図、(b)は、EL測定用の受信
空中線部12,13を略正面から見た図である。
【0093】受信空中線部10,11により水平方位A
Zを探知するために、コニカルスパイラルアンテナ1
0,11は、位相中心を結ぶ線が水平となるように配置
されている。なお、コニカルスパイラルアンテナ10,
11は、実施の形態1の場合と同様にして、先端部側に
おいて中心軸をより近づけて配置される。
【0094】また、受信空中線部12,13により垂直
方位ELを探知するために、コニカルスパイラルアンテ
ナ12,13は、位相中心を結ぶ線が垂線となるように
配置されている。なお、コニカルスパイラルアンテナ1
2,13は、実施の形態1の場合と同様にして、先端部
側において中心軸をより近づけて配置される。
【0095】図7は、座標軸上におけるコニカルスパイ
ラルアンテナの配置例を示した図である。受信空中線部
の正面をx軸、水平方向をy軸、垂直方向をz軸にとっ
た座標軸上に、各コニカルスパイラルアンテナ10〜1
3の位置が示されている。AZ測定用のコニカルスパイ
ラルアンテナ10,11は、y軸上で原点について対称
な位置に配置され、EL測定用のコニカルスパイラルア
ンテナ12,13は、z軸上で原点について対称な位置
に配置される。
【0096】図8は、測定すべき水平方位AZおよび垂
直方位ELを図7の座標上で示した図である。方位測定
装置が測定すべき水平方位AZは、電波到来方向と受信
空中線部の正面方向とが、水平面(xy平面)上でなす
角度θAZである。また、方位測定装置が測定すべき垂直
方位ELは、電波到来方向と受信空中線部の水平面とが
なす角度θELである。
【0097】図9は、実際に測定される水平方位AZお
よび垂直方位ELを図7の座標上で示した図である。図
中の(a)には、実際に測定される水平方位角φAZが示
されている。y軸を中心とする同一円周上へ到来する電
波については、常に同じ水平方位AZが測定される。す
なわち、上記円周と方位探知装置の水平面が平面上でな
す角度φAZが水平方位角となる。図示した到来電波に対
して、測定すべき水平方位角はθAZであるが、方位算出
回路9によって求められる水平方位角はφAZとなり、到
来電波が垂直方位角を有することに起因する誤差が生じ
ている。
【0098】一方、図中の(b)には、実際に測定され
垂直方位角φELが示されている。z軸を中心とする同一
円周上へ到来する電波については、常に同じ垂直方位E
Lが測定される。つまり、方位算出回路20により求め
られる垂直方位角φELは測定すべき垂直方位角θELに一
致し、水平方位角の影響を受けない。
【0099】次に、方位測定誤差補正回路21における
補正方法について説明する。方位測定誤差補正回路21
では、上述した通り、AZの測定誤差を補正し、誤差補
正後の水平方位AZと、測定された垂直方位ELを出力
する。測定すべき到来電波の水平方位AZ及び垂直方位
ELをそれぞれθAZ及びθELとし、実際に測定される水
平方位AZ及び垂直方位ELをそれぞれφAZ及びφEL
する。
【0100】まず、垂直方位ELについては、上述した
ようにAZの影響を受けないため、実際に測定されるφ
ELは誤差を含まない。よって(1)式に示すとおりとな
る。 θELEL (1)
【0101】電波の到来方向の単位ベクトルにおけるy
座標の値をθAZ及びθELで表すと(2)式に示すとおり
となる。 y=cosθEL sinθAZ (2)
【0102】また、同じy座標の値をφAZ及びφELで表
すと(3)式に示すとおりになる。 y=sinφAZ (3)
【0103】(3)式を(2)式に代入すると(4)式
の関係が成り立ち、(1)式及び(4)式より到来電波
の測定されるべき水平方位AZであるθAZは(5)式に
示すとおりとなる。 sinφAZ=cosθEL sinθAZ (4) θAZ=sin-1(sinφAZ/cosθEL) = sin-1(sinφAZ/cosφEL) (5)
【0104】方位測定誤差補正回路21は、(5)式を
使用することにより、方位算出回路20により求められ
た垂直方位ELに基づいて、方位算出回路9により求め
られた水平方位AZの誤差を補正することができる。
【0105】本実施の形態によれば、水平方位を求める
ための受信空中線部10,11と、垂直方位を求めるた
めの受信空中線部12,13を備えることにより、水平
方位AZだけでなく、垂直方位ELについても方位探知
を行うことができる。また、測定された垂直方位に基づ
いて、測定された水平方位を補正する方位測定誤差補正
部21を備えることにより、到来電波が垂直方位ELを
有する場合であっても、水平方位AZに生じる測定誤差
を補正して正確な水平方位AZを求めることが出来る。
【0106】実施の形態3.上記実施の形態2では、水
平方位AZ及び垂直方位ELについての方位探知を行う
ために、AZ測定用とEL測定用で合計4系列の測定系
(コニカルスパイラルアンテナからA/D変換器まで)
を使用する場合について説明したが、本実施の形態で
は、AZ測定用とEL測定用の系列の一部を共用化し、
合計3系列の測定系により実施の形態2と同様の方位探
知を行う場合の例について説明する。
【0107】図10は、本発明の実施の形態3による方
位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図中
の10〜12は到来電波を受信するためのコニカルスパ
イラルアンテナ、3,4,14は受信信号の増幅及び周
波数変換を行う受信機、5,6,16は増幅され周波数
変換されたIF信号をデジタルデータに変換するA/D
変換器、7,18はデジタルデータのクロススペクトル
を計算するクロススペクトル計算回路、8,19は時間
差検出回路、9,20は方位算出回路、21は水平方位
AZを補正するための方位測定誤差補正回路である。
【0108】コニカルスパイラルアンテナ10〜12
は、同じ特性をもつアンテナであり、コニカルスパイラ
ルアンテナ11が、水平方位AZを探知するための受信
空中線部および垂直方位ELを探知するための受信空中
線部で共用される。すなわち、コニカルスパイラルアン
テナ10および11は、到来電波の水平方位AZを測定
するための受信空中線部を構成し、コニカルスパイラル
アンテナ11および12は垂直方位ELを測定するため
の受信空中線部を構成している。
【0109】水平方位を求めるためのクロススペクトル
計算回路7と、垂直方位を求めるためのクロススペクト
ル計算回路18は、FFT回路7bを共用している。す
なわち、クロススペクトル計算回路7は、A/D変換器
5,6からのデジタルデータをそれぞれ高速フーリエ変
換するFFT回路7a、7bと、フーリエ変換された信
号のクロススペクトルを計算する複素乗算回路7cによ
り構成される。また、クロススペクトル計算回路18
は、A/D変換器6,16からのデジタルデータをそれ
ぞれ高速フーリエ変換するFFT回路7b,18aと、
フーリエ変換された信号のクロススペクトルを計算する
複素乗算回路18cにより構成される。
【0110】図11は、コニカルスパイラル受信空中線
部10〜12の一構成例の概略を示した図であり、受信
空中線部の略正面から見た図である。この受信空中線部
は、取り付け筐体に3個のコニカルスパイラルアンテナ
10〜12を配設して構成される。
【0111】コニカルスパイラル受信空中線部10,1
1により水平方位AZを探知するために、コニカルスパ
イラルアンテナ10,11は、位相中心を結ぶ線が水平
となるように配置されている。このとき、コニカルスパ
イラルアンテナ10,11は、実施の形態1の場合と同
様にして、先端部側において中心軸をより近づけて配置
される。
【0112】また、コニカルスパイラル受信空中線部1
1,12により垂直方位ELを探知するために、コニカ
ルスパイラルアンテナ11,12は、位相中心を結ぶ線
が垂線となるように配置されている。このとき、コニカ
ルスパイラルアンテナ11,12は、実施の形態1の場
合と同様にして、先端部側において中心軸をより近づけ
て配置される。
【0113】次に動作について説明する。方位探知装置
の水平面に対して垂直方位角を持った電波が到来した場
合、この到来電波は、コニカルスパイラルアンテナ1
0,11,12において受信され、それぞれ受信機3,
4,14に出力される。受信機3,4,14では入力さ
れた受信信号を増幅し、さらに所定の周波数に変換して
A/D変換器5,6,16に出力する。A/D変換器
5,6,16では所定のサンプリングタイミングで入力
した受信信号をデジタルデータに変換し、クロススペク
トル計算回路7,18に出力する。
【0114】クロススペクトル計算回路7では、A/D
変換器5,6から入力されたデジタル信号を高速フーリ
エ変換し、両者のクロススペクトルが算出される。算出
されたコヒーレンス及び位相は時間差検出回路8に出力
される。一方、クロススペクトル計算回路18では、A
/D変換器6,7から入力されたデジタル信号を高速フ
ーリエ変換し、両者のクロススペクトルが算出される。
算出されたコヒーレンス及び位相は時間差検出回路19
に出力される。
【0115】時間差検出回路8では、クロススペクトル
計算回路7からのクロススペクトルに基づいて、コヒー
レンスの高い周波数帯での位相の傾きを求め、位相の傾
きから到来時間差を算出して、方位算出回路9に出力す
る。同様にして、時間差検出回路19では、クロススペ
クトル計算回路18からのクロススペクトルに基づい
て、コヒーレンスの高い周波数帯での位相の傾きを求
め、位相の傾きから到来時間差を算出して、方位算出回
路20に出力する。
【0116】方位算出回路9では、入力された到来時間
差とコニカルスパイラル受信空中線部10,11で受信
された位相中心間距離を用いて到来電波の水平方位AZ
が算出され、方位測定誤差補正回路21に出力される。
同様にして、方位算出回路20では、入力された到来時
間差とコニカルスパイラル受信空中線部11,12で受
信された位相中心間距離を用いて到来電波の垂直方位E
Lが算出され、方位測定誤差補正回路21に出力され
る。
【0117】方位測定誤差補正回路21では、入力され
た水平方位AZおよび垂直方位ELの測定値に基づい
て、(5)式を使用してAZの誤差を補正し、誤差補正
後の水平方位AZおよび垂直方位ELを出力する。
【0118】本実施の形態によれば、水平方位を測定す
るためのコニカルスパイラル受信空中線部と、垂直方位
を測定するためのコニカルスパイラル受信空中線部で、
同じコニカルスパイラルアンテナを共用することによ
り、少ないコニカルスパイラルアンテナで水平方位およ
び垂直方位を測定する方位探知装置を構成することが出
来る。このため、実施の形態2に比べて、コニカルスパ
イラルアンテナや、コニカルスパイラルアンテナごとに
設けられる回路、例えば受信機、A/D変換器、高速フ
ーリエ変換器の数を低減して方位探知装置を小型化する
ことが出来る。
【0119】実施の形態4.上記実施の形態1では、電
波の到来方位を2系列の測定系を使用して測定する方位
探知装置について説明したが、本実施の形態では3系列
の測定系を使用することにより、より広い覆域に対して
方位探知を行う方位探知装置の例について説明する。
【0120】図12は、本発明の実施の形態4による方
位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図中
の10〜12は到来電波を受信するためのコニカルスパ
イラルアンテナ、3,4,14は受信信号の増幅及び周
波数変換を行う受信機、5,6,16は増幅され周波数
変換されたIF信号をデジタルデータに変換するA/D
変換器、7,18はデジタルデータのクロススペクトル
を計算するクロススペクトル計算回路、8,19は時間
差検出回路、9は方位算出回路である。
【0121】コニカルスパイラルアンテナ10〜12
は、同じ特性をもつアンテナであり、同一平面内におけ
る電波の到来方位を測定する2つのコニカルスパイラル
受信空中線部を構成し、各コニカルスパイラル受信空中
線部は、異なる覆域をカバーする。また、同じコニカル
スパイラルアンテナが、これらのコニカルスパイラル受
信空中線部に共用される。すなわち、コニカルスパイラ
ルアンテナ10および11が、一方のコニカルスパイラ
ル受信空中線部を構成し、コニカルスパイラルアンテナ
11および12が、他方のコニカルスパイラル受信空中
線部を構成している。
【0122】一方の覆域において電波の到来方位を求め
るためのクロススペクトル計算回路7と、他方の覆域に
おいて電波の到来方位を求めるためのクロススペクトル
計算回路18は、FFT(Fast Fourier Transform)回
路7bを共用している。すなわち、クロススペクトル計
算回路7は、A/D変換器5,6からのデジタルデータ
をそれぞれ高速フーリエ変換するFFT(FastFourier
Transform)回路7a、7bと、フーリエ変換された信
号のクロススペクトルを計算する複素乗算回路7cによ
り構成される。また、クロススペクトル計算回路18
は、A/D変換器6,16からのデジタルデータをそれ
ぞれ高速フーリエ変換するFFT(FastFourier Transf
orm)回路7b,18aと、フーリエ変換された信号の
クロススペクトルを計算する複素乗算回路18cにより
構成される。
【0123】図13は、コニカルスパイラル受信空中線
部10〜12の一構成例の概略を示した図である。図中
の(a)は、コニカルスパイラル受信空中線部を略正面
から略正面から見た図、(b)は、その平面図である。
コニカルスパイラル受信空中線部は、3個のコニカルス
パイラルアンテナ10〜12を取り付け筐体に配設して
構成される。
【0124】コニカルスパイラルアンテナ10,11
は、互いの位相中心を結ぶ線が所定の平面(例えば水平
面)と平行となるように配置される。このとき、コニカ
ルスパイラルアンテナ10,11は、実施の形態1の場
合と同様にして、先端部側において中心軸をより近づけ
て配置される。
【0125】また、コニカルスパイラルアンテナ11,
12も、互いの位相中心を結ぶ線が上記平面と平行とな
るように配置される。このとき、コニカルスパイラルア
ンテナ10,11は、実施の形態1の場合と同様にし
て、先端部側において中心軸をより近づけて配置され
る。
【0126】次に動作について説明する。方位探知装置
に電波が到来した場合、図13に示すようにコニカルス
パイラルアンテナ10,11とコニカルスパイラルアン
テナ11,12が、それぞれによって受信可能な覆域か
らの電波を受信し、受信信号を受信機3,4,14へ出
力する。受信機3,4,14では入力された受信信号を
増幅し、さらに所定の周波数に変換してA/D変換器
5,6,16に出力する。A/D変換器5,6,16で
は所定のサンプリングタイミングで入力した受信信号を
デジタルデータに変換し、クロススペクトル計算回路
7,18に出力する。
【0127】クロススペクトル計算回路7では、A/D
変換器5,6から入力されたデジタル信号を高速フーリ
エ変換し、両者のクロススペクトルが算出される。算出
されたコヒーレンス及び位相は時間差検出回路8に出力
される。一方、クロススペクトル計算回路18では、A
/D変換器6,16から入力されたデジタル信号を高速
フーリエ変換し、両者のクロススペクトルが算出され
る。算出されたコヒーレンス及び位相は時間差検出回路
19に出力される。
【0128】時間差検出回路8,19では、クロススペ
クトルからコヒーレンスの高い周波数帯での位相の傾き
を求め、位相の傾きから到来時間差が算出され、方位算
出回路9に出力される。方位算出回路9では、入力され
た図13に示された2つ覆域それぞれに関する到来時間
差、コニカルスパイラルアンテナ10,11,12で受
信された位相中心間距離及びそれぞれの覆域に基づいて
電波の到来方位が算出される。
【0129】いずれか一方の覆域のみから方位が算出さ
れた場合には、当該方位を電波の到来方位として選択
し、2つの覆域が重複した方位からの電波の到来方位に
ついてはいずれか一方の覆域から算出されたの到来方位
のみを選択して出力する。あるいは、算出された2つの
方位に基づいて到来方位を演算により求めることもでき
る。
【0130】本実施の形態によれば、同一平面内の方位
に関し、2つの異なる覆域をカバーすることにより、方
位探知装置の覆域を拡大することが出来る。また、3個
のコニカルスパイラルアンテナを用いて、1個のコニカ
ルスパイラルアンテナを、2つの覆域に共用することに
より、コニカルスパイラルアンテナおよびコニカルスパ
イラルアンテナごとに設けられる回路、例えば受信機、
A/D変換器、高速フーリエ変換器の数を低減して方位
探知装置を小型化することが出来る。
【0131】実施の形態5.上記実施の形態4では、到
来電波の同一平面内における方位(例えば水平方位A
Z)について覆域を拡大して方位探知する場合について
述べた。ところが、到来電波の水平方位を探知する場合
に、当該電波が方位探知装置の水平面に対して垂直方位
角(EL、つまり仰角又は俯角)を持って到来すること
が考えられる。この様な場合、AZ測定用の測定系では
本来測定するべき水平方位AZとは異なる角度を測定
し、水平方位AZの測定結果に誤差が生ずる。
【0132】このため、本実施の形態では、AZ測定用
の測定系とは別にEL測定用の測定系を使用し、EL測
定用の測定系についても覆域を拡大するとともに、垂直
方位ELを用いて、水平方位AZの測定誤差を補正する
方位探知装置の例について説明する。
【0133】図14は、本発明の実施の形態5による方
位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図中
の10〜13,22,23は到来電波を受信するための
コニカルスパイラルアンテナ、3,4,14,15,2
4,25は受信信号の増幅及び周波数変換を行う受信
機、5,6,16,17,26,27は増幅され周波数
変換されたIF信号をデジタルデータに変換するA/D
変換器、7,18,28,29はデジタルデータのクロ
ススペクトルを計算するクロススペクトル計算回路、
8,19,30,31は時間差検出回路、9,20は方
位算出回路、21は方位測定誤差補正回路である。
【0134】コニカルスパイラルアンテナ10〜13,
22,23は、同じ特性をもつアンテナであり、コニカ
ルスパイラルアンテナ10〜12は、到来電波の水平方
位AZを測定するための受信空中線部を構成し、コニカ
ルスパイラルアンテナ13,22,23は垂直方位EL
を測定するための受信空中線部を構成する。
【0135】水平方位用の受信空中線部10〜12は、
実施の形態4と同様、ともに水平方位を測定する覆域の
異なる2組のコニカルスパイラル受信空中線部からな
る。また、コニカルスパイラルアンテナ11が、これら
のコニカルスパイラル受信空中線部に共用される。すな
わち、コニカルスパイラルアンテナ10および11が、
一方のコニカルスパイラル受信空中線部を構成し、コニ
カルスパイラルアンテナ11および12が、他方のコニ
カルスパイラル受信空中線部を構成している。
【0136】同様にして、垂直方位用の受信空中線部1
3,22,23は、ともに垂直方位を測定する覆域の異
なる2組のコニカルスパイラル受信空中線部からなる。
また、コニカルスパイラルアンテナ22が、これらのコ
ニカルスパイラル受信空中線部に共用される。すなわ
ち、コニカルスパイラルアンテナ13および22が、一
方のコニカルスパイラル受信空中線部を構成し、コニカ
ルスパイラルアンテナ22および23が、他方のコニカ
ルスパイラル受信空中線部を構成している。
【0137】受信機3,4,14から方位算出回路9ま
での信号処理回路は、コニカルスパイラルアンテナ10
〜12の受信信号に基づいて水平方位AZを求めてい
る。受信機15,24,25から方位算出回路20まで
の信号処理回路も、AZ測定用の上記信号処理回路と同
様の機能を有し、コニカルスパイラルアンテナ13,2
2、23の受信信号に基づいて垂直方位ELを求めてい
る。
【0138】水平方位AZを求めるためのクロススペク
トル計算回路7,18は、FFT回路7bを共用してい
る。すなわち、クロススペクトル計算回路7は、A/D
変換器5,6からのデジタルデータをそれぞれ高速フー
リエ変換するFFT回路7a、7bと、フーリエ変換さ
れた信号のクロススペクトルを計算する複素乗算回路7
cにより構成される。また、クロススペクトル計算回路
18は、A/D変換器6,16からのデジタルデータを
それぞれ高速フーリエ変換するFFT回路7b,18a
と、フーリエ変換された信号のクロススペクトルを計算
する複素乗算回路18cにより構成される。
【0139】同様にして、垂直方位ELを求めるための
クロススペクトル計算回路28,29は、FFT回路2
8bを共用している。すなわち、クロススペクトル計算
回路28は、A/D変換器17,26からのデジタルデ
ータをそれぞれ高速フーリエ変換するFFT回路28
a、28bと、フーリエ変換された信号のクロススペク
トルを計算する複素乗算回路28cにより構成される。
また、クロススペクトル計算回路29は、A/D変換器
26,27からのデジタルデータをそれぞれ高速フーリ
エ変換するFFT回路28b,29aと、フーリエ変換
された信号のクロススペクトルを計算する複素乗算回路
29cにより構成される。
【0140】方位測定誤差補正回路21は、方位算出回
路9,20で求められた水平方位AZおよび垂直方位E
Lが入力され、正しい水平方位AZおよび垂直方位EL
を出力する。到来電波が水平面に対して垂直方位角を持
って到来した場合、方位算出回路9で求められる水平方
位AZには、実施の形態2で説明した誤差が生じる。こ
のため、方位測定誤差補正回路21が、方位算出回路2
0で求められた垂直方位ELを用いて、方位算出回路9
で求められた水平方位AZを補正し、正しい水平方位A
Zを求めている。
【0141】図15は、コニカルスパイラル受信空中線
部10〜12および垂直方位用コニカルスパイラル受信
空中線部13,22,23の一構成例の概略を示した図
である。図中の(a)は、AZ測定用の受信空中線部1
0〜12を略正面から略正面から見た図、(b)は、E
L測定用の受信空中線部13,22、23を略正面から
見た図である。
【0142】AZ測定用のコニカルスパイラル受信空中
線部10〜12は、3個のコニカルスパイラルアンテナ
10〜12を取り付け筐体に配設して構成される。コニ
カルスパイラルアンテナ10,11は、互いの位相中心
を結ぶ線が水平となるように配置される。このとき、コ
ニカルスパイラルアンテナ10,11は、実施の形態1
の場合と同様にして、先端部側において中心軸をより近
づけて配置される。また、コニカルスパイラルアンテナ
11,12は、互いの位相中心を結ぶ線が水平となるよ
うに配置される。このとき、コニカルスパイラルアンテ
ナ11,12は、実施の形態1の場合と同様にして、先
端部側において中心軸をより近づけて配置される。
【0143】同様にしてEL測定用のコニカルスパイラ
ル受信空中線部13,22,23は、3個のコニカルス
パイラルアンテナ13,22,23を取り付け筐体に配
設して構成される。コニカルスパイラルアンテナ13,
22は、互いの位相中心を結ぶ線が垂線となるように配
置される。このとき、コニカルスパイラルアンテナ1
3,22は、実施の形態1の場合と同様にして、先端部
側において中心軸をより近づけて配置される。また、コ
ニカルスパイラルアンテナ22,23は、互いの位相中
心を結ぶ線が垂線となるように配置される。このとき、
コニカルスパイラルアンテナ22,23は、実施の形態
1の場合と同様にして、先端部側において中心軸をより
近づけて配置される。
【0144】次に動作について説明する。方位探知装置
の水平面に対して垂直方位角を持った到来電波が到来し
た場合、AZ測定用であるコニカルスパイラル受信空中
線部10,11,12及びEL測定用であるコニカルス
パイラル受信空中線部13,22,23でそれぞれ受信
され、それぞれについて、その後、実施の形態4と同様
の動作を行う。
【0145】実施の形態4で述べた方法によって、方位
算出回路9では、到来電波の水平方位AZが算出され、
方位算出回路20では、到来電波の垂直方位ELが算出
され、ともに方位測定誤差補正回路21に出力される。
方位測定誤差補正回路21では、入力された水平方位A
Zおよび垂直方位ELの測定値に基づいて、実施の形態
2で述べた誤差補正を行って、誤差補正後の水平方位A
Zおよび垂直方位ELを出力する。
【0146】本実施の形態では、水平方位用コニカルス
パイラル受信空中線部が、3個のコニカルスパイラルア
ンテナからなり、水平方位について2つの異なる覆域を
カバーしている。また、垂直方位用コニカルスパイラル
受信空中線部が、3個のコニカルスパイラルアンテナか
らなり、垂直方位について2つの異なる覆域をカバーし
ている。このため、水平方位および垂直方位を探知する
場合に、それぞれの覆域を拡大させることが出来る。ま
た、拡大された覆域にて測定された垂直方位にて、拡大
された覆域にて測定された水平方位を補正することが出
来る。
【0147】実施の形態6.上記実施の形態5では、広
覆域な水平方位AZ及び垂直方位ELについて方位探知
を行うために、AZ測定用とEL測定用の合計6系列の
測定系(コニカルスパイラルアンテナからA/D変換器
まで)を使用する場合について説明したが、本実施の形
態では、AZ測定用とEL測定用の系列の一部を共用化
し、合計5系列の測定系により実施の形態5と同様の方
位探知を行う場合の例について説明する。
【0148】図16は、本発明の実施の形態6による方
位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図中
の10〜13,23は到来電波を受信するためのコニカ
ルスパイラルアンテナ、3,4,14,15,25は受
信信号の増幅及び周波数変換を行う受信機、5,6,1
6,17,27は増幅され周波数変換されたIF信号を
デジタルデータに変換するA/D変換器、7,18,2
8,29はデジタルデータのクロススペクトルを計算す
るクロススペクトル計算回路、8,19,30,31は
時間差検出回路、9,20は方位算出回路、21は方位
測定誤差補正回路である。
【0149】コニカルスパイラルアンテナ10〜13,
23は、同じ特性をもつアンテナであり、コニカルスパ
イラルアンテナ10〜12は、到来電波の水平方位AZ
を広覆域で測定するための受信空中線部を構成し、コニ
カルスパイラルアンテナ13,11,23は垂直方位E
Lを広覆域で測定するための受信空中線部を構成し、コ
ニカルスパイラルアンテナ11が、水平方位用および垂
直方位用の受信空中線部に共用化されている。
【0150】受信機3,4,14から方位算出回路9ま
での信号処理回路は、コニカルスパイラル受信空中線部
10〜12の受信信号に基づいて水平方位AZを求めて
いる。受信機15,4,25から方位算出回路20まで
の信号処理回路も、AZ測定用の上記信号処理回路と同
様の機能を有し、コニカルスパイラル受信空中線部1
3,11、23の受信信号に基づいて垂直方位ELを求
めている。
【0151】クロススペクトル計算回路7,18,2
8,29は、いずれもFFT回路7bを共用している。
すなわち、クロススペクトル計算回路7は、A/D変換
器5,6からのデジタルデータをそれぞれ高速フーリエ
変換するFFT回路7a、7bと、フーリエ変換された
信号のクロススペクトルを計算する複素乗算回路7cに
より構成される。また、クロススペクトル計算回路18
は、A/D変換器6,16からのデジタルデータをそれ
ぞれ高速フーリエ変換するFFT回路7b,18aと、
フーリエ変換された信号のクロススペクトルを計算する
複素乗算回路18cにより構成される。
【0152】同様にして、クロススペクトル計算回路2
8は、A/D変換器6,17からのデジタルデータをそ
れぞれ高速フーリエ変換するFFT回路7b,28a
と、フーリエ変換された信号のクロススペクトルを計算
する複素乗算回路28cにより構成される。また、クロ
ススペクトル計算回路29は、A/D変換器6,27か
らのデジタルデータをそれぞれ高速フーリエ変換するF
FT回路7b,29aと、フーリエ変換された信号のク
ロススペクトルを計算する複素乗算回路29cにより構
成される。
【0153】図17は、コニカルスパイラル受信空中線
部の一構成例の概略を示した図であり、コニカルスパイ
ラル受信空中線部を略正面から見た図である。このコニ
カルスパイラル受信空中線部は、取り付け筐体に5個の
コニカルスパイラルアンテナ10〜13,23が配設さ
れている。
【0154】水平方位用の受信空中線部10〜12は、
実施の形態4と同様、ともに水平方位を測定する覆域の
異なる2つのコニカルスパイラル受信空中線部からな
り、コニカルスパイラルアンテナ11が、これらのコニ
カルスパイラル受信空中線部に共用される。また、垂直
方位用の受信空中線部13,11,23は、実施の形態
4と同様、ともに垂直方位を測定する覆域の異なる2組
のコニカルスパイラル受信空中線部からなり、コニカル
スパイラルアンテナ11が、これらのコニカルスパイラ
ル受信空中線部に共用される。つまり、コニカルスパイ
ラルアンテナ11は、水平方位用および垂直方位用のそ
れぞれ2つ、合計4つの受信空中線部で共用されてい
る。
【0155】次に動作について説明する。方位探知装置
の水平面に対して垂直方位角を持った電波が到来した場
合、到来電波はコニカルスパイラルアンテナ10,1
1,12,13,23で受信され、それぞれ受信機3,
4,14,15,25に出力される。受信機3,4,1
4,15,25では入力された受信信号を増幅し、さら
に所定の周波数に変換してA/D変換器5,6,16,
17,27に出力する。A/D変換器5,6,16,1
7,27では所定のサンプリングタイミングで入力した
受信信号をデジタルデータに変換し、クロススペクトル
計算回路7,18,28,29に出力する。
【0156】クロススペクトル計算回路7では、まずA
/D変換器5,6から入力されたデジタル信号を高速フ
ーリエ変換し、両者のクロススペクトルが算出される。
算出されたコヒーレンス及び位相は時間差検出回路8に
出力される。同様にして、クロススペクトル計算回路1
8ではA/D変換器6,16からの入力、クロススペク
トル計算回路28ではA/D変換器6,17からの入
力、クロススペクトル計算回路29ではA/D変換器
6,27からの入力に対してクロススペクトルを計算す
る。
【0157】求められたクロススペクトルは、クロスス
ペクトル計算回路7が時間差検出回路8に、クロススペ
クトル計算回路18が時間差検出回路19に、クロスス
ペクトル計算回路28が時間差検出回路30に、クロス
スペクトル計算回路29が時間差検出回路31にそれぞ
れ出力する。
【0158】時間差検出回路8,19,30,31で
は、コヒーレンスの高い周波数帯での位相の傾きを求
め、位相の傾きから到来時間差が算出され、時間差検出
回路8,19からは方位算出回路9に、時間差検出回路
30,31からは方位算出回路20に、それぞれ出力さ
れる。方位算出回路9,20では、実施の形態4で述べ
た方法で、それぞれ到来電波の水平方位AZ、垂直方位
ELが算出され、方位測定誤差補正回路21に出力され
る。方位測定誤差補正回路21では、入力された水平方
位AZおよび垂直方位ELの測定値から、実施の形態2
で述べた誤差補正を行い、水平方位AZ、垂直方位EL
を出力する。
【0159】本実施の形態によれば、1個のコニカルス
パイラルアンテナを水平方向の2つの覆域および垂直方
向の2つの覆域における測定に共用することによって、
5個のコニカルスパイラルアンテナを用いて、水平方位
および垂直方位について覆域を拡大させた方位探知を行
うことが出来る。このため、実施の形態5に比べて、コ
ニカルスパイラルアンテナや、コニカルスパイラルアン
テナごとに設けられる回路、例えば受信機、A/D変換
器、高速フーリエ変換器の数を低減して方位探知装置を
小型化することが出来る。
【0160】実施の形態7.上記実施の形態1では、コ
ニカルスパイラルアンテナを先端部側において中心軸を
より近づけて配置して、到来電波の方位探知を行う場合
について説明したが、本実施の形態では、コニカルスパ
イラルアンテナに代えてログペリオディックアンテナを
用いる方位探知装置の例について説明する。
【0161】図18は、本発明の実施の形態7による方
位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図中
の32,33はログペリオディックアンテナであり、そ
の他の構成は実施の形態1の場合と同様である。
【0162】ログペリオディックアンテナ32,33
は、同じ特性を持つ2個のアンテナであり、それぞれが
到来電波を受信してRF信号を出力する。これらのログ
ペリオディックアンテナ32,33は、後述する相対的
関係にて配置され、ログペリオディック受信空中線部を
構成している。
【0163】図19は、ログペリオディック受信空中線
部32,33の一構成例の概略を示した図であり、図中
の(a)は、ログペリオディック受信空中線部を略正面
から見た図、(b)は、その平面図である。
【0164】ログペリオディック受信空中線部は、2個
のコニカルスパイラルアンテナ32,33を取り付け筐
体に配設して構成される。方位探知装置により所定の平
面内における方位角を求める場合、ログペリオディック
アンテナ32,33は、互いの位相中心を結ぶ線が当該
平面と平行となるように配置される。例えば、水平方位
を求める場合には位相中心を結ぶ線が水平となるように
配置され、垂直方位を求める場合には位相中心を結ぶ線
が垂線となるように配置される。
【0165】ログペリオディックアンテナ32,33
は、それぞれの後端部側が取り付け筐体に取り付けられ
る。その際、先端部が互いに内向きとなるように角度を
有して取り付けられる。すなわち、ログペリオディック
アンテナ32,33の中心軸間の距離は、後端部側と比
較して、先端部側ではより短くなっている。
【0166】図20は、各ログペリオディックアンテナ
32,33の位相中心について説明するための説明図で
ある。ログペリオディックアンテナ32,33は、一般
に、長さの異なる多数の素子列を配置して形成される。
電波はその波長に応じた素子長の素子により受信され、
位相中心は受信素子の中心となる。すなわち、電波受信
時の位相中心は、素子長が受信電波の波長の1/2に等
しくなる素子の中心点となる。素子長は、後端部側から
先端部側へ順に短くなっており、位相中心は、ログペリ
オディックアンテナ32,33の中心軸上の波長に応じ
た位置となり、周波数が高いほど先端部側に移動し、周
波数が低いほど後端部側に移動する。
【0167】図21は、図19に示したログペリオディ
ック受信空中線部32,33の一構成例について詳細に
説明するための説明図である。この図では、周波数の異
なる電波A,B,Cを受信した場合の例が示されてい
る。受信電波A,B,Cは、それぞれの波長λA,λB
λCがλA<λB<λCの関係にあるものとする。電波A,
B,Cが各ログペリオディックアンテナ32,33によ
って受信可能であれば、各波長λA,λB,λCの1/2
に等しくなる素子長の中心が電波A,B,Cを受信した
時の位相中心PA,PB,PCとなる。
【0168】図中のLA,LB,LCは、それぞれ受信電
波A,B,Cに関する、各ログペリオディックアンテナ
32,33の位相中心間の距離である。方位探知におい
てアンビギュイティが生じる条件は、d/λ≧0.5
(d:位相中心間距離、λ:到来電波の波長)であるこ
とから、電波A,B,Cについてアンビギュイティが生
じないための条件は、それぞれについて LA/λA<0.5 LB/λB<0.5 LC/λC<0.5 となる。λA<λB<λCの関係から、電波Aを受信した
場合が最もアンビギュイティが生じやすい。つまり、高
周波数の場合ほどアンビギュイティが生じやすく、位相
中心が先端部側にあるほどアンビギュイティが生じやす
いことになる。
【0169】このため、広い周波数帯域においてアンビ
ギュイティを生ずることなく方位探知を実施したい場
合、ログペリオディックアンテナ32,33の中心軸間
の距離は、先端部側ほど短くすることが求められる。つ
まり、同じ特性を持つログペリオディックアンテナ3
2,33の先端部を後端部よりも近づけ、内向きに角度
をつけて配置すれば、アンビギュイティが生ずるのを抑
制することが出来る。
【0170】特に、ログペリオディックアンテナ32,
33により受信可能な全ての周波数について、位相中心
間の距離が、それぞれの位相中心での素子長(つまり波
長)の1/2未満となるように、ログペリオディックア
ンテナ32,33を配置すれば、ロススペクトル計算回
路7の出力するクロススペクトルの位相の値は常に±π
の間に存在することになり、受信可能な全ての受信電波
についてアンビギュイティを生ずることなく方位探知を
行うことが出来る。
【0171】本実施の形態によれば、方位探知装置の受
信空中線部として先端部側において中心軸をより近づけ
て配置された2個のログペリオディックアンテナを用い
ることにより、ログペリオディックアンテナの数を増大
させることなく、受信帯域内の広い周波数帯域において
アンビギュイティを生ずることなく方位探知を行うこと
が出来る。特に、受信帯域内の全ての周波数において、
受信電波の波長が位相中心間の距離の1/2となるよう
にログペリオディックアンテナを配置することによっ
て、到来方位にアンビギュイティが生じない方位探知を
行うことが出来る。
【0172】実施の形態8.上記実施の形態2では、コ
ニカルスパイラルアンテナを使用して、AZ測定用の測
定系とは別にEL測定用の測定系を使用し、水平方位A
Zの測定誤差を補正するとともに、垂直方位ELについ
ても方位探知を行う場合について説明したが、本実施の
形態では、コニカルスパイラルアンテナに代えて、ログ
ペリオディックアンテナを使用し、同様の方位探知を行
う方位探知装置の例について説明する。
【0173】図22は、本発明の実施の形態8による方
位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図中
の32〜35は到来電波を受信するためのログペリオデ
ィックアンテナであり、その他の構成は、実施の形態2
の場合と同様である。
【0174】ログペリオディックアンテナ32〜35
は、同じ特性をもつアンテナであり、ログペリオディッ
クアンテナ32,33は、到来電波の水平方位AZを測
定するための受信空中線部を構成し、ログペリオディッ
クアンテナ34,35は垂直方位ELを測定するための
受信空中線部を構成する。
【0175】図23は、ログペリオディック受信空中線
部32,33およびログペリオディック受信空中線部3
3,34の一構成例の概略を示した図である。図中の
(a)は、AZ測定用の受信空中線部32,33を略正
面から略正面から見た図、(b)は、EL測定用の受信
空中線部34,35を略正面から見た図である。これら
の受信空中線部は、実施の形態2の場合と同様にして、
取り付け筐体にそれぞれ2個のログペリオディックアン
テナを配設して構成される。
【0176】次に動作について説明する。方位探知装置
の水平面に対して垂直方位角を持った到来電波が到来し
た場合、到来電波をAZ測定用であるログペリオディッ
ク受信空中線部32,33及びEL測定用であるログペ
リオディック受信空中線部34,35でそれぞれ受信さ
れた後、実施の形態2と同様の信号処理が行われる。
【0177】本実施の形態によれば、ログペリオディッ
クアンテナを用いて、水平方位AZだけでなく、垂直方
位ELについても方位探知を行うことができる。また、
測定された垂直方位に基づいて、測定された水平方位を
補正する水平方位補正部を備えることにより、到来電波
が垂直方位角を有する場合であっても、水平方位AZに
生じる測定誤差を補正して正確な水平方位AZを求める
ことが出来る。
【0178】実施の形態9.上記実施の形態3では、コ
ニカルスパイラルアンテナを使用して、AZ測定用とE
L測定用の系列の一部を共用化し合計3系列の測定系
で、実施の形態2と同様の方位探知を行うことにより装
置の小型化を実現する場合について述べたが、本実施の
形態では、コニカルスパイラルアンテナの代わりにログ
ペリオディックアンテナを使用して、同様の方位探知を
行う方位探知装置について説明する。
【0179】図24は、本発明の実施の形態9による方
位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図中
の32〜34は到来電波を受信するためのログペリオデ
ィックアンテナであり、その他の構成は、実施の形態3
の場合と同様である。
【0180】ログペリオディックアンテナ32〜34
は、同じ特性をもつアンテナであり、ログペリオディッ
クアンテナ33が、水平方位AZを探知するための受信
空中線部および垂直方位ELを探知するための受信空中
線部で共用される。すなわち、ログペリオディックアン
テナ32および33は、到来電波の水平方位AZを測定
するための受信空中線部を構成し、ログペリオディック
アンテナ33および34は垂直方位ELを測定するため
の受信空中線部を構成している。
【0181】図25は、ログペリオディック受信空中線
部32〜34の一構成例の概略を示した図であり、受信
空中線部の略正面から見た図である。これらの受信空中
線部は、実施の形態3の場合と同様にして、取り付け筐
体に3個のログペリオディックアンテナ32〜34を配
設して構成される。
【0182】次に動作について説明する。方位探知装置
の水平面に対して垂直方位角を持った電波が到来した場
合、到来電波は、ログペリオディック受信空中線部32
〜34で受信された後、実施の形態3と同様の処理が行
われる。
【0183】本実施の形態によれば、ログペリオディッ
クアンテナを用いて、少ないアンテナで水平方位および
垂直方位を測定する方位探知装置を構成することが出来
る。このため、実施の形態7に比べて、ログペリオディ
ックアンテナや、ログペリオディックアンテナごとに設
けられる回路、例えば受信機、A/D変換器、高速フー
リエ変換器の数を低減して方位探知装置を小型化するこ
とが出来る。
【0184】実施の形態10.上記実施の形態4では、
コニカルスパイラルアンテナを使用して、3系列の測定
系を使用することで、より広い覆域に対して方位探知を
行う場合について述べたが、本実施の形態では、コニカ
ルスパイラルアンテナに代えてログペリオディックアン
テナを使用し、同様の方位探知を行う方位探知装置につ
いて説明する。
【0185】図26は、本発明の実施の形態10による
方位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図
中の32〜34は到来電波を受信するためのログペリオ
ディックアンテナであり、その他の構成は、実施の形態
4の場合と同様である。
【0186】ログペリオディックアンテナ32〜34
は、同じ特性をもつアンテナであり、同一平面内におけ
る電波の到来方位を測定する2つのログペリオディック
受信空中線部を構成し、各ログペリオディック受信空中
線部は、異なる覆域をカバーする。また、同じログペリ
オディックアンテナ33が、これらのコニカルスパイラ
ル受信空中線部に共用される。
【0187】図27は、ログペリオディック受信空中線
部32〜34の一構成例の概略を示した図である。図中
の(a)は、ログペリオディック受信空中線部を略正面
から略正面から見た図、(b)は、その平面図である。
ログペリオディック受信空中線部は、実施の形態4の場
合と同様にして、3個のコニカルスパイラルアンテナ3
2〜34を取り付け筐体に配設して構成される。
【0188】次に動作について説明する。方位探知装置
に電波が到来した場合、図21に示すようにログペリオ
ディック受信空中線部32,33とログペリオディック
受信空中線部33,34がそれぞれにより受信可能な覆
域からの電波を受信した後、実施の形態4と同様の処理
が行われる。
【0189】本実施の形態によれば、ログペリオディッ
クアンテナを用いた方位探知装置の覆域を拡大すること
が出来る。また、3個のログペリオディックアンテナを
用いて、1個のログペリオディックアンテナを、2つの
覆域に共用することにより、ログペリオディックアンテ
ナおよびログペリオディックアンテナごとに設けられる
回路、例えば受信機、A/D変換器、高速フーリエ変換
器の数を低減して方位探知装置を小型化することが出来
る。
【0190】実施の形態11.上記実施の形態5では、
コニカルスパイラルアンテナを使用して、AZ測定用の
測定系とは別にEL測定用の測定系を使用し、水平方位
AZの測定誤差を補正するとともに、垂直方位ELにつ
いても、広覆域に方位探知を行う場合について述べた
が、本実施の形態では、コニカルスパイラルアンテナに
代えてログペリオディックアンテナを使用して同様の方
位探知を行う方位探知装置の例について説明する。
【0191】図28は、本発明の実施の形態11による
方位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図
中の32〜37は到来電波を受信するためのログペリオ
ディックアンテナであり、その他の構成は、実施の形態
5の場合と同様である。
【0192】ログペリオディックアンテナ32〜37
は、同じ特性をもつアンテナであり、ログペリオディッ
クアンテナ32〜34は、到来電波の水平方位AZを測
定するための受信空中線部を構成し、ログペリオディッ
クアンテナ35〜37は垂直方位ELを測定するための
受信空中線部を構成する。
【0193】図29は、ログペリオディック受信空中線
部32〜34および垂直方位用ログペリオディック受信
空中線部35〜37の一構成例の概略を示した図であ
る。図中の(a)は、AZ測定用の受信空中線部32〜
34を略正面から略正面から見た図、(b)は、EL測
定用の受信空中線部35〜37を略正面から見た図であ
る。これらの受信空中線部は、実施の形態5の場合と同
様にして、取り付け筐体にそれぞれ3個のログペリオデ
ィックアンテナを配設して構成される。
【0194】次に動作について説明する。方位探知装置
の水平面に対して垂直方位角を持った到来電波が到来し
た場合、到来電波はAZ測定用であるログペリオディッ
ク受信空中線部32〜34及びEL測定用であるログペ
リオディック受信空中線部35〜37でそれぞれ受信さ
れた後、実施の形態5と同様の処理が行われる。
【0195】本実施の形態によれば、ログペリオディッ
クアンテナを用いて、水平方位AZおよび垂直方位EL
を測定する際、それぞれについて覆域を拡大することが
出来る。また、拡大された覆域にて測定された垂直方位
にて、拡大された覆域にて測定された水平方位を補正す
ることが出来る。が出来る。
【0196】実施の形態12.上記実施の形態6では、
コニカルスパイラルアンテナを使用して、AZ測定用と
EL測定用の系列の一部を共用化し合計5系列の測定系
で、実施の形態5と同様の方位探知を行うことにより装
置の小型化を実現する場合について述べたが、本実施の
形態では、コニカルスパイラルアンテナに代えてログペ
リオディックアンテナを使用して、同様の方位探知を行
う方位探知装置の例について説明する。
【0197】図30は、本発明の実施の形態12による
方位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図
中の32〜35,37は到来電波を受信するためのログ
ペリオディックアンテナであり、その他の構成は、実施
の形態6の場合と同様である。
【0198】ログペリオディックアンテナ32〜35,
37は、同じ特性をもつアンテナであり、ログペリオデ
ィックアンテナ32〜34は、到来電波の水平方位AZ
を広覆域で測定するための受信空中線部を構成し、ログ
ペリオディックアンテナ35,33、37は垂直方位E
Lを広覆域で測定するための受信空中線部を構成し、ロ
グペリオディックアンテナ33が、水平方位用および垂
直方位用の受信空中線部で共用されている。
【0199】図31は、ログペリオディック受信空中線
部の一構成例の概略を示した図であり、ログペリオディ
ック受信空中線部を略正面から見た図である。これらの
受信空中線部は、実施の形態6と同様にして、取り付け
筐体に5個のログペリオディックアンテナ32〜35,
37が配設されている。
【0200】次に動作について説明する。方位探知装置
の水平面に対して垂直方位角を持った到来電波が到来し
た場合、到来電波はログペリオディックアンテナ32〜
35,37でそれぞれ受信された後、実施の形態6と同
様の処理が行われる。
【0201】本実施の形態によれば、5個のログペリオ
ディックアンテナを用いて、水平方位および垂直方位に
ついて覆域を拡大させた方位探知を行うことが出来る。
このため、実施の形態11に比べて、ログペリオディッ
クアンテナや、ログペリオディックアンテナごとに設け
られる回路、例えば受信機、A/D変換器、高速フーリ
エ変換器の数を低減して方位探知装置を小型化すること
が出来る。
【0202】実施の形態13.上記実施の形態1では、
到来電波の到来時間差を、時間差検出回路8においてコ
ヒーレンスのレベルの高い周波数での位相の傾きから算
出していた。しかしながら、例えば、到来する電波がパ
ルス波である場合や、広帯域の信号波である場合には、
コヒーレンスレベルの高い周波数が離散的となる。この
様な場合、従来の方位探知装置では、位相の傾きを求め
ることが困難となり、到来時間差の算出が困難であっ
た。
【0203】本実施の形態では、受信信号のクロススペ
クトルにおいて、ある一定値以上のコヒーレンスレベル
を持つ各周波数について、その位相値から受信信号の到
来時間差を計算し、各到来時間差の平均値を求めて方位
探知を行うことにより、コヒーレンスレベルの高い周波
数が離散的で位相の傾きを求めることが困難な受信信号
であっても、高精度に方位探知を行うものである。
【0204】図32は、本発明の実施の形態13による
方位探知装置の一構成例を示したブロック図である。図
中の10及び11はコニカルスパイラルアンテナ、3及
び4は受信機、5及び6はA/D変換器、7はクロスス
ペクトル計算回路、8は時間差検出回路、9は方位算出
回路、38は平均値算出回路である。
【0205】コニカルスパイラルアンテナ10,11
は、実施の形態1と同様、先端部側が互いに内向きとな
るように角度を有して取り付けられ、受信空中線部を構
成している。また、受信機3,4からクロススペクトル
計算回路7までの信号処理回路は、実施の形態1の場合
と同様である。
【0206】次に動作について説明する。図32の方位
探知装置に周波数が広帯域にわたり、あるいは離散的で
ある電波が到来した場合について考える。到来電波はコ
ニカルスパイラルアンテナ10,11で受信され、受信
機3,4に出力される。受信機3,4では入力された受
信信号を増幅し、さらに所定の周波数に変換してA/D
変換器5,6に出力する。A/D変換器5,6では所定
のサンプリングタイミングで入力した受信信号をデジタ
ルデータに変換し、クロススペクトル計算回路7に出力
する。
【0207】クロススペクトル計算回路7では、まずF
FT回路7a,7bで入力されたデジタル信号を高速フ
ーリエ変換し、その振幅と位相が計算される。高速フー
リエ変換して得られた信号をそれぞれXA,XBとすると、
XA,XBは複素乗算回路7cに入力され、XAと、XBの複素
共役XB *とを掛け算することによりクロススペクトルが
算出される。
【0208】時間差検出回路8は、クロススペクトルの
コヒーレンスを所定のコヒーレンス閾値と比較して、コ
ヒーレンス閾値を越える周波数と、その周波数における
クロススペクトルの位相値を抽出する。さらに抽出した
周波数と位相値から入力された受信信号間の到来時間差
を計算する。例えば、抽出された周波数をf1とし、f
1における位相値をδ(f1)とすると、これらの値か
ら(6)式を用いて到来時間差Δt(f1)を求めるこ
とができる。 △t(f1)=δ/2πf1 (6)
【0209】時間差検出回路8は、抽出した全ての周波
数及び位相値について、それぞれ到来時間差△tを計算
する。すなわち、2以上の周波数において、コヒーレン
スが閾値を越えた場合、各周波数ごとに位相値を抽出し
て到来時間差を求め、2以上の到来時間差が求められ
る。
【0210】平均値算出回路38は、時間差検出回路8
において2以上の到来時間差が求められた場合に、これ
らの到来時間差の平均値を求める演算回路である。方位
算出回路9では、到来時間差平均値に基づいて電波の到
来方位を求めている。電波の到来方位をθ、到来時間差
平均値をΔtAVG、コニカルスパイラルアンテナ10,
11で受信された位相中心間の距離をd、電波の伝播速
度をcとすると(7)式が成り立つので、電波の到来方
位θを算出することができる。 sinθ=c△tAVG/d (7)
【0211】図33は、図32の方位探知装置の動作の
一例を示した図であり、(a)、(b)にはクロススペ
クトル計算回路7で求められるクロススペクトルのコヒ
ーレンス、位相値がそれぞれ示され、(c)には時間差
検出回路8で求められる到来時間差が示されている。
【0212】例えば、到来電波がパルス波であれば、そ
のクロススペクトルは、図33の(a)に示すようなコ
ヒーレンスレベルの高い周波数が離散的に現れる特性を
示す。時間差検出回路8は、まず、各周波数ごとのコヒ
ーレンスレベルを閾値Cthと比較し、閾値Cthを越
える周波数を抽出する。次に、抽出された周波数につい
て位相値を抽出する。
【0213】そして、これらの周波数及び位相値の組み
合わせごとに、式(6)を用いて図33の(c)に示す
ような2以上の到来時間差△tが求められる。平均値算
出回路38は、これらの到来時間差の平均値△tAVG
求め、この平均値に基づいて、方位算出回路9がパルス
波の到来方位を算出する。
【0214】本実施の形態によれば、受信帯域内の広い
周波数帯域においてアンビギュイティを生ずることなく
方位探知を行うことが出来るとともに、コヒーレンスレ
ベルの高い周波数が離散的で位相の傾きを求めることが
困難な場合においても方位探知を行うことが出来る。
【0215】なお、上記の各実施形態では、受信空中線
部として、コニカルスパイラルアンテナ又はログペリオ
ディックアンテナを用いる場合について説明したが、本
発明による方位探知装置は、これらのアンテナを用いる
ものに限定されない。すなわち、コニカルスパイラルア
ンテナ,ログペリオディックアンテナに代えて、受信電
波の波長が短くなるに従って位相中心が後端部側から先
端部側に移動するその他のアンテナを用いることも出来
る。
【0216】すなわち、隣接するアンテナの位相中心を
先端部側でより近づけるように配置して受信空中線を構
成すればよい。特に、受信電波の波長が短くなるに従っ
て位相中心がアンテナの中心軸上を先端部側に移動する
アンテナであれば、隣接するアンテナの中心軸を先端部
側でより近づけるように配置して受信空中線を構成すれ
ばよい。
【0217】また、上記の各実施の形態における水平、
垂直あるいは垂線とは、絶対的な意味で用いられる場合
の他に、方位探知装置において予め定められた面を基準
面(たとえば水平面)とした場合の相対的な意味で用い
られる場合も含まれる。
【0218】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明による方位探知
装置は、コニカルスパイラル受信空中線部が先端部側に
おいて中心軸をより近づけて配置された2個のコニカル
スパイラルアンテナにより構成される。このため、広い
周波数範囲にわたってアンビギュイティを生ずることな
く方位探知を行うことが出来る。
【0219】請求項2に記載の本発明による方位探知装
置は、コニカルスパイラル受信空中線部が、受信帯域内
の各波長λに関して、電波受信時の位相中心間の距離d
がd/λ<0.5を満たすように配置される。このた
め、受信可能な各周波数についてアンビギュイティを生
ずることなく方位探知を行うことが出来る。
【0220】請求項3に記載の本発明による方位探知装
置は、コニカルスパイラル受信空中線部が3個のコニカ
ルスパイラルアンテナからなり、同じコニカルスパイラ
ルアンテナを共用して、同一平面内の方位に関し、異な
る2つの覆域をカバーしている。このため、方位探知装
置の覆域を拡大することができるとともに、装置を小型
化することが出来る。
【0221】請求項4に記載の本発明による方位探知装
置は、水平方位を求めるための水平方位用コニカルスパ
イラル受信空中線部と、垂直方位を求めるための垂直方
位用コニカルスパイラル受信空中線部とを備えて構成さ
れる。このため、水平方位だけでなく、垂直方位につい
ても方位探知を行うことができる。
【0222】請求項5に記載の本発明による方位探知装
置は、測定された垂直方位に基づいて、測定された水平
方位を補正する水平方位補正部を備えて構成される。こ
のため、電波が垂直方位角を有して到来する場合におけ
る水平方位の検出精度を向上させることが出来る。
【0223】請求項6に記載の本発明による方位探知装
置は、水平方位用コニカルスパイラル受信空中線部、垂
直方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、それぞれ
2個のコニカルスパイラルアンテナからなる。このた
め、水平方位および垂直方位について方位探知を行うこ
とができる。
【0224】請求項7に記載の本発明による方位探知装
置は、1個のコニカルスパイラルアンテナを水平方位用
および垂直方位用コニカルスパイラル受信空中線部とし
て共用することにより、3個のコニカルスパイラルアン
テナを用いて、水平方位および垂直方位を求めている。
このため、水平方位および垂直方位を測定する方位探知
装置を小型化することが出来る。
【0225】請求項8に記載の本発明による方位探知装
置は、水平方位、垂直方位それぞれについて、コニカル
スパイラル受信空中線部が、3個のコニカルスパイラル
アンテナからなり、異なる2つの覆域をカバーしてい
る。このため、水平方位および垂直方位を探知する場合
に、それぞれの覆域を拡大させることが出来る。また、
拡大された覆域にて測定された垂直方位に基づいて、拡
大された覆域にて測定された水平方位を補正することが
出来る。
【0226】請求項9に記載の本発明による方位探知装
置は、それぞれ3個のコニカルスパイラルアンテナから
なる水平方位用および垂直方位用のコニカルスパイラル
受信空中線部において、1個のコニカルスパイラルアン
テナ共用している。このため、5個のコニカルスパイラ
ルアンテナを用いて、水平方位および垂直方位をともに
広い覆域で測定することができる。また、水平方位およ
び垂直方位をともに広い覆域にて測定する方位探知装置
を小型化することが出来る。
【0227】請求項10に記載の本発明による方位探知
装置は、ログペリオディック受信空中線部が先端部側に
おいて中心軸をより近づけて配置された2個のログペリ
オディックアンテナにより構成される。このため、広い
周波数範囲にわたってアンビギュイティを生ずることな
く方位探知を行うことが出来る。
【0228】請求項11に記載の本発明による方位探知
装置は、ログペリオディック受信空中線部が、受信帯域
内の各波長λに関して、電波受信時の位相中心間の距離
dがd/λ<0.5を満たすように配置される。このた
め、受信可能な各周波数についてアンビギュイティを生
ずることなく方位探知を行うことが出来る。
【0229】請求項12に記載の本発明による方位探知
装置は、ログペリオディック受信空中線部が3個のログ
ペリオディックアンテナからなり、同じログペリオディ
ックアンテナを共用して、同一平面内の方位に関し、異
なる2つの覆域をカバーしている。このため、方位探知
装置の覆域を拡大することができるとともに、装置を小
型化することが出来る。
【0230】請求項13に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位を求めるための水平方位用ログペリオ
ディック受信空中線部と、垂直方位を求めるための垂直
方位用ログペリオディック受信空中線部とを備えて構成
される。このため、水平方位だけでなく、垂直方位につ
いても方位探知を行うことができる。
【0231】請求項14に記載の本発明による方位探知
装置は、測定された垂直方位に基づいて、測定された水
平方位を補正する水平方位補正部を備えて構成される。
このため、電波が垂直方位角を有して到来する場合にお
ける水平方位の検出精度を向上させることが出来る。
【0232】請求項15に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位用ログペリオディック受信空中線部、
垂直方位用ログペリオディック受信空中線部が、それぞ
れ2個のログペリオディックアンテナからなる。このた
め、水平方位および垂直方位について方位探知を行うこ
とができる。
【0233】請求項16に記載の本発明による方位探知
装置は、1個のログペリオディックアンテナを水平方位
用および垂直方位用ログペリオディック受信空中線部と
して共用することにより、3個のログペリオディックア
ンテナを用いて、水平方位および垂直方位を求めてい
る。このため、水平方位および垂直方位を測定する方位
探知装置を小型化することが出来る。
【0234】請求項17に記載の本発明による方位探知
装置は、水平方位、垂直方位それぞれについて、ログペ
リオディック受信空中線部が、3個のログペリオディッ
クアンテナからなり、異なる2つの覆域をカバーしてい
る。このため、水平方位および垂直方位を探知する場合
に、それぞれの覆域を拡大させることが出来る。また、
拡大された覆域にて測定された垂直方位に基づいて、拡
大された覆域にて測定された水平方位を補正することが
出来る。
【0235】請求項18に記載の本発明による方位探知
装置は、それぞれ3個のログペリオディックアンテナか
らなる水平方位用および垂直方位用のログペリオディッ
ク受信空中線部において、1個のログペリオディックア
ンテナ共用している。このため、5個のログペリオディ
ックアンテナを用いて、水平方位および垂直方位をとも
に広い覆域で測定することができる。また、水平方位お
よび垂直方位をともに広い覆域にて測定する方位探知装
置を小型化することが出来る。
【0236】請求項19に記載の本発明による方位探知
装置は、受信空中線部が、受信電波の波長が短くなるに
従って位相中心がより先端部側となる2個のアンテナを
先端部側において中心位相をより近づけて配置されてい
る。このため、このため、受信帯域内において、広い周
波数範囲にわたってアンビギュイティを生ずることなく
方位探知を行うことが出来る。
【0237】請求項20に記載の本発明による方位探知
装置は、受信空中線部が、受信帯域内の各波長λに関し
て、電波受信時の位相中心間の距離dがd/λ<0.5
を満たすように配置される。このため、受信帯域内の各
周波数にわたってアンビギュイティを生ずることなく方
位探知を行うことが出来る。
【0238】請求項21に記載の本発明による方位探知
装置は、測定された垂直方位に基づいて、測定された水
平方位を補正する水平方位補正部を備えて構成される。
このため、電波が垂直方位角を有して到来する場合にお
ける水平方位の検出精度を向上させることが出来る。
【0239】請求項22に記載の本発明による方位探知
装置は、時間差検出部が、クロススペクトルに基づいて
2以上の到来時間差を求め、平均値算出部が、到来時間
差の平均値を求め、方位算出部が、到来時間差の平均値
に基づいて電波の到来方位を求める。このため、周波数
が広帯域にわたり、あるいは離散的となる電波が到来し
た場合であっても、電波の到来方位を求めることが出来
る。
【0240】請求項23に記載の本発明による方位探知
装置は、時間差検出部が、クロススペクトルのコヒーレ
ンスが所定の閾値を越える2以上の周波数のそれぞれに
ついて、位相値から到来時間差を求めるように構成され
る。このため、コヒーレンスレベルの高い周波数が離散
的となる場合でも方位探知を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による方位探知装置の
一構成例を示したブロック図である。
【図2】 コニカルスパイラル受信空中線部10,11
の一構成例の概略を示した図である。
【図3】 各コニカルスパイラルアンテナ10,11の
位相中心について説明するための説明図である。
【図4】 図2に示したコニカルスパイラル受信空中線
部10,11の一構成例について詳細に説明するための
説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態2による方位探知装置の
一構成例を示したブロック図である。
【図6】 コニカルスパイラル受信空中線部10,11
およびコニカルスパイラル受信空中線部12,13の一
構成例の概略を示した図である。
【図7】 座標軸上におけるコニカルスパイラル受信空
中線部の配置例を示した図である。
【図8】 測定すべき水平方位AZおよび垂直方位EL
を図7の座標上で示した図である。
【図9】 実際に測定される水平方位AZおよび垂直方
位ELを図7の座標上で示した図である。
【図10】 本発明の実施の形態3による方位探知装置
の一構成例を示したブロック図である。
【図11】 コニカルスパイラル受信空中線部10〜1
2の一構成例の概略を示した図である。
【図12】 本発明の実施の形態4による方位探知装置
の一構成例を示したブロック図である。
【図13】 コニカルスパイラル受信空中線部10〜1
2の一構成例の概略を示した図である。
【図14】 本発明の実施の形態5による方位探知装置
の一構成例を示したブロック図である。
【図15】 図15は、コニカルスパイラル受信空中
線部10〜12および垂直方位用コニカルスパイラル受
信空中線部13,22,23の一構成例の概略を示した
図である。
【図16】 本発明の実施の形態6による方位探知装置
の一構成例を示したブロック図である。
【図17】 コニカルスパイラル受信空中線部の一構成
例の概略を示した図である。
【図18】 本発明の実施の形態7による方位探知装置
の一構成例を示したブロック図である。
【図19】 ログペリオディック受信空中線部32,3
3の一構成例の概略を示した図である。
【図20】 各ログペリオディックアンテナ32,33
の位相中心について説明するための説明図である。
【図21】 図19に示したログペリオディック受信空
中線部32,33の一構成例について詳細に説明するた
めの説明図である。
【図22】 本発明の実施の形態8による方位探知装置
の一構成例を示したブロック図である。
【図23】 ログペリオディック受信空中線部32,3
3およびログペリオディック受信空中線部33,34の
一構成例の概略を示した図である。
【図24】 本発明の実施の形態9による方位探知装置
の一構成例を示したブロック図である。
【図25】 ログペリオディック受信空中線部32〜3
4の一構成例の概略を示した図である。
【図26】 本発明の実施の形態10による方位探知装
置の一構成例を示したブロック図である。
【図27】 ログペリオディック受信空中線部32〜3
4の一構成例の概略を示した図である。
【図28】 本発明の実施の形態11による方位探知装
置の一構成例を示したブロック図である。
【図29】 ログペリオディック受信空中線部32〜3
4および垂直方位用ログペリオディック受信空中線部3
5〜37の一構成例の概略を示した図である。
【図30】 本発明の実施の形態12による方位探知装
置の一構成例を示したブロック図である。
【図31】 ログペリオディック受信空中線部の一構成
例の概略を示した図である。
【図32】 本発明の実施の形態13による方位探知装
置の一構成例を示したブロック図である。
【図33】 図32の方位探知装置の動作の一例を示し
た図である。
【図34】 従来の方位探知装置の構成を示したブロッ
ク図である。
【図35】 従来の方位探知装置の動作を示した説明図
である。
【図36】 従来の方位探知装置のアンテナの外観を示
した図である。
【符号の説明】
1,2 アンテナ、3,4,14,15,24,25
受信機、5,6,16,17,26,27 A/D変
換器、7,18,28,29 クロススペクトル計算回
路、7a,7b,8a,8b,18a,18b,28
a,29a FFT回路、7c,8c,18c,28
c,29c 複素乗算回路、8,19,30,31 時
間差検出回路、9,20 方位算出回路、10,11,
12,13,22,23 コニカルスパイラルアンテ
ナ、21 方位測定誤差補正回路、32,33,34,
35,36,37 ログペリオディックアンテナ、38
平均値算出回路、Cth コヒーレンス閾値、PA
B,PC 位相中心、SA,SB,SC 円錐断
面、d 位相中心間距離 d 位相中心間の距離、λ,λA,λB,λC 波長 θAZ 測定すべき水平方位角、θEL 測定すべき垂直
方位角 φAZ 実際に測定される水平方位角、φEL 実際に測定
される垂直方位角
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 21/29 H01Q 21/29 (72)発明者 植松 弘行 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA06 AA08 AA11 AB02 CA06 DB03 EA04 FA05 FA17 FA20 FA21 FA29 FA32 GA02 HA04

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部側において中心軸をより近づけて
    配置された2個のコニカルスパイラルアンテナからなる
    コニカルスパイラル受信空中線部と、 各コニカルスパイラルアンテナにおける受信信号それぞ
    れについてクロススペクトルを求めるクロススペクトル
    計算部と、 各クロススペクトルに基づいて上記コニカルスパイラル
    アンテナ間における電波の到来時間差を求める時間差検
    出部と、 各コニカルスパイラルアンテナでの電波の到来時間差に
    基づいて電波の到来方位を求める方位算出部とを備えた
    ことを特徴とする方位探知装置。
  2. 【請求項2】 上記コニカルスパイラル受信空中線部
    は、受信帯域内の各波長λに関して、電波受信時の位相
    中心間の距離dがd/λ<0.5を満たすようにコニカ
    ルスパイラルアンテナが配置されることを特徴とする請
    求項1に記載の方位探知装置。
  3. 【請求項3】 上記コニカルスパイラル受信空中線部が
    3個のコニカルスパイラルアンテナからなり、 隣接する第1および第2のコニカルスパイラルアンテナ
    が先端部側の中心軸をより近づけて配置されるととも
    に、隣接する第2および第3のコニカルスパイラルアン
    テナが先端部側の中心軸をより近づけて配置され、 第1および第2のコニカルスパイラルアンテナによる覆
    域と、第2および第3のコニカルスパイラルアンテナに
    よる覆域について同一平面内の方位探知が行われること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の方位探知装置。
  4. 【請求項4】 水平方位を求めるための水平方位用コニ
    カルスパイラル受信空中線部と、垂直方位を求めるため
    の垂直方位用コニカルスパイラル受信空中線部とを備え
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載の方位探知装
    置。
  5. 【請求項5】 垂直方位用コニカルスパイラル受信空中
    線部を用いて方位算出部により求められた垂直方位に基
    づいて、水平方位用コニカルスパイラル受信空中線部を
    用いて方位算出部で求められた水平方位を補正する水平
    方位補正部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の
    方位探知装置。
  6. 【請求項6】 水平方位用コニカルスパイラル受信空中
    線部が、先端部側の中心軸をより近づけて配置される第
    1および第2のコニカルスパイラルアンテナからなり、 垂直方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、先端部
    側の中心軸をより近づけて配置される第3および第4の
    コニカルスパイラルアンテナからなることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の方位探知装置。
  7. 【請求項7】 水平方位用コニカルスパイラル受信空中
    線部が、先端部側の中心軸をより近づけて配置される第
    1および第2のコニカルスパイラルアンテナからなり、 垂直方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、先端部
    側の中心軸をより近づけて配置される第2および第3の
    コニカルスパイラルアンテナからなることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の方位探知装置。
  8. 【請求項8】 水平方位用コニカルスパイラル受信空中
    線部が、隣接するコニカルスパイラルアンテナの先端部
    側の中心軸をより近づけて配置される第1、第2および
    第3のコニカルスパイラルアンテナからなり、 垂直方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、隣接す
    るコニカルスパイラルアンテナの先端部側の中心軸をよ
    り近づけて配置される第4、第5および第6のコニカル
    スパイラルアンテナからなることを特徴とする請求項4
    又は5に記載の方位探知装置。
  9. 【請求項9】 水平方位用コニカルスパイラル受信空中
    線部が、隣接するコニカルスパイラルアンテナの先端部
    側の中心軸をより近づけて配置される第1、第2および
    第3のコニカルスパイラルアンテナからなり、 垂直方位用コニカルスパイラル受信空中線部が、隣接す
    るコニカルスパイラルアンテナの先端部側の中心軸をよ
    り近づけて配置される第2、第4および第5のコニカル
    スパイラルアンテナからなることを特徴とする請求項4
    又は5に記載の方位探知装置。
  10. 【請求項10】 先端部側において中心軸をより近づけ
    て配置された2個のログペリオディックアンテナからな
    るログペリオディック受信空中線部と、 各ログペリオディックアンテナにおける受信信号それぞ
    れについてクロススペクトルを求めるクロススペクトル
    計算部と、 各クロススペクトルに基づいて上記ログペリオディック
    アンテナ間における電波の到来時間差を求める時間差検
    出部と、 各ログペリオディックアンテナでの電波の到来時間差に
    基づいて電波の到来方位を求める方位算出部とを備えた
    ことを特徴とする方位探知装置。
  11. 【請求項11】 上記ログペリオディック受信空中線部
    は、受信帯域内の各波長λに関して、電波受信時の位相
    中心間の距離dがd/λ<0.5を満たすようにログペ
    リオディックアンテナが配置されることを特徴とする請
    求項10に記載の方位探知装置。
  12. 【請求項12】 上記ログペリオディック受信空中線部
    が3個のログペリオディックアンテナからなり、 隣接する第1および第2のログペリオディックアンテナ
    が先端部側の中心軸をより近づけて配置されるととも
    に、隣接する第2および第3のログペリオディックアン
    テナが先端部側の中心軸をより近づけて配置され、 第1および第2のログペリオディックアンテナによる覆
    域と、第2および第3のログペリオディックアンテナに
    よる覆域について同一平面内における方位探知が行われ
    ることを特徴とする請求項10又は11に記載の方位探
    知装置。
  13. 【請求項13】 水平方位を求めるための水平方位用ロ
    グペリオディック受信空中線部と、垂直方位を求めるた
    めの垂直方位用ログペリオディック受信空中線部とを備
    えたことを特徴とする請求項10又は11に記載の方位
    探知装置。
  14. 【請求項14】 垂直方位用ログペリオディック受信空
    中線部を用いて方位算出部により求められた垂直方位に
    基づいて、水平方位用ログペリオディック受信空中線部
    を用いて方位算出部で求められた水平方位を補正する水
    平方位補正部を備えたことを特徴とする請求項13に記
    載の方位探知装置。
  15. 【請求項15】 水平方位用ログペリオディック受信空
    中線部が、先端部側の中心軸をより近づけて配置される
    第1および第2のログペリオディックアンテナからな
    り、 垂直方位用ログペリオディック受信空中線部が、先端部
    側の中心軸をより近づけて配置される第3および第4の
    ログペリオディックアンテナからなることを特徴とする
    請求項13又は14に記載の方位探知装置。
  16. 【請求項16】 水平方位用ログペリオディック受信空
    中線部が、先端部側の中心軸をより近づけて配置される
    第1および第2のログペリオディックアンテナからな
    り、 垂直方位用ログペリオディック受信空中線部が、先端部
    側の中心軸をより近づけて配置される第2および第3の
    ログペリオディックアンテナからなることを特徴とする
    請求項13又は14に記載の方位探知装置。
  17. 【請求項17】 水平方位用ログペリオディック受信空
    中線部が、隣接するコニカルスパイラルアンテナの先端
    部側の中心軸をより近づけて配置される第1、第2およ
    び第3のログペリオディックアンテナからなり、 垂直方位用ログペリオディック受信空中線部が、隣接す
    るコニカルスパイラルアンテナの先端部側の中心軸をよ
    り近づけて配置される第4、第5および第6のログペリ
    オディックアンテナからなることを特徴とする請求項1
    3又は14に記載の方位探知装置。
  18. 【請求項18】 水平方位用ログペリオディック受信空
    中線部が、隣接するログペリオディックアンテナの先端
    部側の中心軸をより近づけて配置される第1、第2およ
    び第3のログペリオディックアンテナからなり、 垂直方位用ログペリオディック受信空中線部が、隣接す
    るログペリオディックアンテナの先端部側の中心軸をよ
    り近づけて配置される第2、第4および第5のログペリ
    オディックアンテナからなることを特徴とする請求項1
    3又は14に記載の方位探知装置。
  19. 【請求項19】 受信電波の波長が短くなるに従って位
    相中心がより先端部側となる2個のアンテナからなる受
    信空中線部と、 各アンテナにおける受信信号それぞれについてクロスス
    ペクトルを求めるクロススペクトル計算部と、 各クロススペクトルに基づいて上記アンテナ間における
    電波の到来時間差を求める時間差検出部と、 各アンテナでの電波の到来時間差に基づいて電波の到来
    方位を求める方位算出部とを備え、 上記受信空中線部は、位相中心間の距離が先端部側にお
    いてより短くなるように上記アンテナを配置して構成さ
    れることを特徴とする方位探知装置。
  20. 【請求項20】 上記受信空中線部は、受信帯域内の各
    波長λに関して、電波受信時の位相中心間の距離dがd
    /λ<0.5を満たすようにアンテナが配置されること
    を特徴とする請求項19に記載の方位探知装置。
  21. 【請求項21】 水平方位を求めるための水平方位用受
    信空中線部と、 垂直方位を求めるための垂直方位用受信空中線部と、 垂直方位用受信空中線部を用いて方位算出部により求め
    られた垂直方位に基づいて、水平方位用受信空中線部を
    用いて方位算出部で求められた水平方位を補正する水平
    方位補正部を備えたことを特徴とする請求項19に記載
    の方位探知装置。
  22. 【請求項22】 2以上の到来時間差の平均値を求める
    平均値算出部を備え、 上記時間差検出部が、クロススペクトル計算部において
    求められた各クロススペクトルに基づいて2以上の到来
    時間差を求め、 上記方位算出部が、到来時間差の平均値に基づいて電波
    の到来方位を求めることを特徴とする請求項1から9の
    いずれかに記載の方位探知装置。
  23. 【請求項23】 上記時間差検出部が、クロススペクト
    ルのコヒーレンスが所定の閾値を越える2以上の周波数
    のそれぞれについて、位相値から到来時間差を求めるこ
    とを特徴とする請求項22に記載の方位探知装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005308509A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Agilent Technol Inc 位相雑音を測定する方法および位相雑音測定装置
JP2005308511A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Agilent Technol Inc 位相雑音を測定する方法および位相雑音測定装置
JP2009287942A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Mitsubishi Electric Corp 方位探知装置

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