JP2003231911A - 上吹きランスとそれを用いた転炉操業方法 - Google Patents
上吹きランスとそれを用いた転炉操業方法Info
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Abstract
ソフトブロー化によって2次燃焼率を向上するととも
に、ランスチップの傾角を変更する等の機械的手段を加
えることなく酸化性ガスの噴射方向を変位させて、転炉
の炉壁全域にわたって地金を溶解し、かつ地金の付着を
抑制できる上吹きランス、およびその上吹きランスを用
いた転炉の操業方法を提供する。 【解決手段】 2個以上のガス噴射ノズルを有する上吹
きランスを用いて、 ガス噴射ノズルのうちの少なくとも
1個から噴射される酸化性ガスの噴射方向を、ガス噴射
ノズルの噴射口中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直
線に交叉する方向に沿って変位させる。
Description
の脱炭精錬を行なう際に酸化性ガスを転炉内に供給する
上吹きランス、およびその上吹きランスを用いた転炉の
操業方法に関する。
て酸化性ガスを供給することによって脱炭精錬を行なう
ことが公知の技術として利用されている。 酸化性ガスと
して酸素を含有するガスを使用するが、工業的には酸素
ガスが広く使用されている。こうして酸化性ガスを転炉
内に供給することによって、転炉内に収容された溶鋼中
のCと酸化性ガス中のO又はO2 とを反応させて脱炭処
理を行なう。
ように溶鋼中のCと酸化性ガス中のO又はO2 とが反応
してCOを生成させる反応(以下、 1次燃焼という)、
および1次燃焼によって生成したCOと酸化性ガス中の
O又はO2 とが反応してCO 2 を生成させる下記の (2)
式の反応(以下、 2次燃焼という)が進行する。なお、
以下の式中では酸化性ガス中のOも便宜上1/2O2 と
表記する。
のうち、2次燃焼に寄与する割合を2次燃焼率として下
記の (3)式で定義する。(但し、右辺のCO2,COは
それぞれ排ガス中のCO2 ,COの体積である。) 2次燃焼率=CO2 /(CO+CO2 ) ・・・ (3) 1次燃焼によって生じる反応熱と2次燃焼によって生じ
る反応熱とを比べると、2次燃焼の方が1次燃焼の約
2.5倍である。したがって2次燃焼率が低下すると、転
炉上部の炉壁の温度が低下するので、炉壁上部に地金が
付着しやすくなる。この状態で転炉の操業を継続すると
地金が蓄積されて、炉内容積が減少するばかりでなく、
出鋼歩留りが低下する。 一方、 2次燃焼率を高めると発
熱量が増大して炉内の温度が上昇するので、溶鋼への着
熱が可能となり、地金を溶解することが可能となる。
くつか提案されている。たとえば特許文献1には、上吹
きランスから上底吹き転炉に酸素ガスを吹き込む際に、
上吹き酸素ガス流量を底吹き酸素ガス流量の60%以下と
し、上吹き酸素ガスによって生じる溶鋼凹部の深さを20
〜200mm とすることによって、2次燃焼率を向上させる
技術が開示されている。
間で上吹きランスから供給される酸素量を全酸素量の30
%以下にすることによって、2次燃焼率を向上させる技
術が開示されている。
献1および特許文献2に開示された技術では、 上吹きラ
ンスから供給される酸素ガスの噴流の制御を行なってい
ないので、2次燃焼が転炉内で均一に進行しない。その
結果、炉壁に付着した地金を均一に溶解できず、地金に
凹凸が生じる可能性が残されている。
は、上吹きランスから供給される酸素ガスの噴流の制御
する必要がある。 そこで、特許文献3には、上吹きラン
スのノズル先端部に配置したチャンバーの側壁に導管を
配置し、その導管からガスを供給することによって酸素
ジェットの角度を変化させる技術が開示されている。し
かし特許文献3に開示された技術は、超音速の酸素ジェ
ットがメタル浴(すなわち溶融金属浴)の表面に衝突す
る衝撃点を遂時変化させて、メタル浴の攪拌を進行する
技術であり、 2次燃焼率の飛躍的な向上は期待できな
い。
急拡大ノズルを配設し、ノズルの側壁に作動ガス供給ノ
ズルを配して、 作動ガスの流量を調節することによって
ガス噴射の偏向角を制御する技術が開示されている。し
かし特許文献4に開示された技術は、 2次燃焼率の向上
は可能であるものの、ガス噴射を制御する方向がノズル
の半径方向であるために、転炉内全域に付着した地金の
溶解は困難である。
は、上吹きランスから噴射される酸化性ガスのソフトブ
ロー化によって2次燃焼率を向上するとともに、ランス
チップの傾角を変更する等の機械的手段を加えることな
く酸化性ガスの噴射方向を走査し、転炉の炉壁全域にわ
たって地金を溶解し、かつ地金の付着を抑制できる上吹
きランス、およびその上吹きランスを用いた転炉の操業
方法を提供することにある。
ズルを有する上吹きランスを用いて酸化性ガスを転炉内
に供給する転炉操業方法において、 ガス噴射ノズルのう
ちの少なくとも1個から噴射される酸化性ガスの噴射方
向を、ガス噴射ノズルの噴射口中心点とランス横断面の
中心点を結ぶ直線に交叉する方向に沿って走査する転炉
操業方法である。
第1の好適態様として、ガス噴射ノズルから噴射される
酸化性ガスの走査を周期的に行なうことが望ましい。さ
らに第2の好適態様として、その酸化性ガスを走査する
周期τ(sec )を 0.5 ≦τ≦5 とすることが好ましい。
は、第3の好適態様として、ガス噴射ノズルを用いて転
炉内に酸化性ガスを供給して、溶鋼の脱炭処理を行なう
とともに転炉の炉壁に付着した地金を溶解することが好
ましい。また第4の好適態様として、転炉が、酸化性ガ
スの底吹羽口を備えた転炉であることが好ましい。
かつオリフィスの下流側に拡大部を有するガス噴射ノズ
ルを2個以上配設した上吹きランスであって、前記ガス
噴射ノズルのうちの少なくとも1個の拡大部の壁面であ
りかつ噴射口中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線
に交叉する方向の壁面に作動ガス供給ノズルを配設する
上吹きランスである。
第1の好適態様として、オリフィスの中心軸が、ガス噴
射ノズルの中心軸に対して偏心して設けられることが好
ましい。
部にオリフィスを有し、 かつオリフィスの下流側に拡大
部を有するガス噴射ノズル(いわゆる急拡大ノズル)が
2個以上配設される。そして、 そのガス噴射ノズルのう
ちの少なくとも1個には、後述する作動ガス供給ノズル
が配設される。
噴射ノズルの例を模式的に示す断面図であり、 (a)は横
断面図、 (b)はA−A矢視の縦断面図である。このガス
噴射ノズル1は、酸化性ガス4の流れの下流側の一端を
開口した拡大部3を有し、拡大部3の他端(すなわち上
流側)にはオリフィス2が配設される。オリフィス2の
直径d(mm)は、拡大部3の直径D(mm)より小さくす
る。さらにオリフィス2の中心軸を拡大部3の中心軸に
対して偏心した位置に配設するのが好ましい。
4を噴射する際には、酸化性ガス4はオリフィス2を通
って拡大部3に流れ込む。このときオリフィス2出口か
ら拡大部3に流れ込んだ酸化性ガス4は、オリフィス2
の反対側の壁面近傍に循環流を形成する。その結果、 オ
リフィス2の反対側の壁面の圧力は、オリフィス2から
離れるにつれて低下する。一方、 オリフィス2側の壁面
では、酸化性ガス4の流速の上昇に起因して圧力が低下
する。
ノズル1の噴射口)では、酸化性ガス4の急激な膨張が
起こり、 オリフィス2側の壁面およびオリフィス2の反
対側の壁面の双方で酸化性ガス4の流速が低下し、ソフ
トブロー化が達成される。ここでオリフィス2の反対側
でかつ下流側の壁面からガス6(以下、作動ガスとい
う)を拡大部3に供給すると、オリフィス2の反対側の
壁面近傍で形成される循環流が一層強化されるので、酸
化性ガス4の圧力低下が促進される。しかも作動ガス6
の供給量に応じて、噴射口から噴射される酸化性ガス4
の噴射方向を走査することも可能である。そこでオリフ
ィス2の反対側でかつ下流側の壁面に作動ガス供給ノズ
ル5を配設する。
量に対して作動ガス6流量を1 vol%の割合で供給する
と、酸化性ガス4の噴射方向が1°変位するという知見
が得られている。なお、本発明においては、作動ガス6
は、酸化性ガス4を変質しない成分のガスを使用する。
したがって作動ガス6として、酸化性ガス4と同一成分
のガスあるいは不活性ガスを使用するのが好ましい。 特
に酸化性ガス4として酸素ガスを使用し、かつ作動ガス
6として酸素ガスを用いると、転炉内に供給される酸素
量が増大するので一層好ましい。
提案した作動ガス供給ノズル5を有するガス噴射ノズル
1を配設した上吹きランス7の先端部の例を模式的に示
す半径方向の縦断面図である。一方、 図3は本発明のガ
ス噴射ノズル1の噴射口8,オリフィス2,作動ガス供
給ノズル5の配置の例を示す平面配置図である。なお図
3には、ガス噴射ノズル1を4個配設する例を示す。
の4ケ所の中心点9がランスの外周円と同心の円形c
(以下、ピッチサークルという)を形成するように配設
されている。ここで着目すべき点は、ガス噴射ノズル1
に配設される作動ガス供給ノズル5の位置である。すな
わち少なくとも1個の噴射口8において、その噴射口8
の中心点9(以下、噴射口中心点という)とランス横断
面の中心点pを結ぶ直線lに交叉する方向tに位置する
拡大部3壁面に作動ガス供給ノズル5を配設することで
ある。
(すなわち直交)であるのが最も好ましいが、後述する
本発明の効果を損なわない程度であれば90゜からずれて
いても構わない。例えば90±10゜の範囲が好ましく使用
できるが、これに限定するものではない。また、上述の
例では、各ガス噴射ノズルは、それらの噴射口中心がラ
ンスの外周円と同心の一つのピッチサークルを形成する
ように配置されているが、本発明は特にこのような配置
に限定されるものではない。たとえば、ピッチサークル
を形成しない配置、ピッチサークルを形成してもランス
の外周円から偏芯した配置、複数のグループのノズルが
異なるピッチサークルに属するような配置など、どのよ
うな配置でもよい。
て作動ガス供給ノズル5を配設する例を示したが、 本発
明では必ずしも全てのガス噴射ノズル1に作動ガス供給
ノズル5を配設する必要はない。 ガス噴射ノズル1のう
ちの少なくとも1個に作動ガス供給ノズル5を配設すれ
ばよい。このように配置することによって、作動ガス供
給ノズル5を配設したガス噴射ノズル1(すなわち4個
のガス噴射ノズル1のうちの少なくとも1個)から噴射
される酸化性ガス4の噴射方向を、その噴射口8の中心
点9とランス横断面の中心pを結ぶ直線lと交叉する方
向tに沿って走査することが可能となる。その結果、 従
来の上吹きランスを用いて酸化性ガス4を噴射する場合
には幾何学的に到達し得ない領域まで酸化性ガス4を供
給することが可能となる。
リフィス2の開口部中心点10)を、ガス噴射ノズル1の
中心軸(すなわちガス噴射ノズル1の噴射口中心点9)
に対して偏心した位置に配設し、さらに作動ガス供給ノ
ズル5の開口部中心点,ガス噴射ノズル1の噴射口中心
点9およびオリフィス2の開口部中心点10を方向tに沿
って配置することが好ましい。 その理由は、酸化性ガス
4の噴射方向を方向tに沿って走査する精度が向上する
ばかりでなく、拡大部3の出口(すなわち噴射口8)に
おける酸化性ガス4の圧力低下を促進して、ソフトブロ
ー化の効果が顕著に発揮されるからである。
リフィス2の直径d(mm)の比(すなわちD/d値)
は、特に限定していないが、拡大部3の出口(すなわち
ガス噴射ノズル1の噴射口8)における酸化性ガス4の
流速を低下させるために、D/d値をできり限り大きく
することが望ましい。 さらに拡大部3の長さL(mm)と
オリフィス2の直径d(mm)の比(すなわちL/d値)
が大きいほど、酸化性ガス4の流速は小さくなる。なお
L/d値は、L/d>4.5 を満足する範囲が望ましい。
5の開閉を行ない、 作動ガス6を断続的に拡大部3内に
供給することによって非定常噴流を形成すると、噴射口
8から噴射される酸化性ガス4の乱流強度が上昇し、 転
炉内の雰囲気ガスの巻き込み量が増加する。その結果、
酸化性ガス4のソフトブロー化がさらに促進され、2次
燃焼率が一層向上する。
弁の連続開閉を行ない、2次燃焼率に及ぼす作動ガス供
給ノズルの開閉周期の影響を調査した。その結果、図4
に表わされるように、開閉周期が 0.5〜5秒の範囲で2
次燃焼率が大きく向上することを見出した。この現象
は、周期 0.5秒未満では噴出時間が短すぎて十分なガス
供給が行なわれないためであり、周期5秒を超えると噴
出時間が長くなり炉内雰囲気の巻込み量が低減するため
である。
えて、作動ガス6を用いて酸化性ガス4の噴射方向を方
向tに沿って走査することによって、転炉の炉壁に付着
した地金を溶解し、さらに地金の付着を抑制することが
可能である。このようにして地金を除去する熱源は (2)
式で表わされる2次燃焼の反応熱であるから、転炉に溶
鋼を収容して (1)式で表わされる1次燃焼を生じさせる
必要がある。
し、あるいは地金の付着を抑制する際には、上吹きラン
ス7から転炉内に供給される酸化性ガス4中のO(酸素
分)又はO2 をできる限り2次燃焼に活用して、その反
応熱を増加させる必要がある。そこで、上吹きランス7
のガス噴射ノズル1から噴射された酸化性ガス4が溶鋼
に直接到達しないように、上吹きランス7の位置を調整
する。なお上吹きランス7の位置は、転炉の炉口から上
吹きランス7の下端までの距離が炉内高さ(炉内溶鋼の
静止浴面から炉口までの高さ)の1/3〜1/15程度に
なるように設定するのが好ましい。
ノズルのうち酸化性ガスの噴射方向を走査可能なノズル
から恒常的ないしは経時的に走査されつつ噴射される酸
化性ガスによって炉内のCOガスを二次燃焼させ、それ
によって発生する熱によって、炉壁に付着した地金を溶
解したり、地金の付着そのものを抑制するものである。
このCOガスは炉内における溶鋼の脱炭反応によって発
生するものを利用する。脱炭反応は上吹きランスまた
は、酸化性ガスの底吹き羽口から炉内の溶鋼に供給する
酸化性ガスによって行う。上吹きランスによって供給す
る場合、本発明のランスの一部のノズル(例えばランス
の中心に設けたノズルなど)から酸化性ガスを走査する
ことなく溶鋼浴面上に供給する。この場合、他のノズル
からは本発明に従って噴射方向を走査しつつ酸化性ガス
を噴射する。一方、酸化性ガスの底吹き羽口を備えた転
炉にあっては、脱炭用の酸化性ガスの全部または大部分
を底吹き羽口から供給することが好ましい。
た転炉にあっては、底吹きガスによるスピッティングに
よって、炉体の絞り部や炉口部の耐火物表面に地金が形
成しやすいので、このような形式の転炉に本発明を適用
することは、地金付着の防止に大きな効果があり好まし
い。
転炉11を用いて溶鋼12の脱炭処理を行なうときの2次燃
焼挙動および出鋼歩留りを調査した。 なお溶鋼12は、溶
銑予備処理として脱燐処理を施し、温度が1200〜1260℃
のものを使用した。上吹きランス7は、ガス噴射ノズル
1を4個配設したものを使用した。ガス噴射ノズル1の
噴射口8,オリフィス2,作動ガス供給ノズル5,ピツ
チサークルcおよび方向tの配置は、図6に示す4種類
とした。また、作動ガス6として酸素ガスを使用し、 そ
の流量は作動ガス供給ノズル5の1個あたり 2.5Nm3
/min として脱炭処理を行なった。
量との組合せは表1に示す通りである。 なお使用した上
吹きランス7の記号I〜Vは、図6に示した(I)〜
(V)の平面配置図に対応する。
れも上吹きランス7の下端を転炉11の炉口の下方 0.5m
の位置(すなわち炉内高さの1/12.5に相当)に配置
し、酸化性ガス4として酸素ガスを使用し、流量 200N
m3 /min (すなわちガス噴射ノズル1の1個あたり50
Nm3 /min )で転炉11内に供給した。 酸素ガスの供給
時間は 7.5分間とした。
ランス外周円の横断面中心を結ぶ直線と90゜で交叉する
方向(図の例ではピッチサークルcの接線と一致)tの
方向から作動ガス6を供給する位置に作動ガス供給ノズ
ル5を配設した。したがってガス噴射ノズル1の噴射口
8から噴射される酸化性ガス4(すなわち酸素ガス)の
噴射方向を上記の方向tに沿って走査することができ
る。
ス噴射ノズル1を1個のみとした例である。発明例2
は、全て(すなわち4個)のガス噴射ノズル1で作動ガ
ス6を用いた例である。また、発明例1および2では作
動ガスを常時導入して脱炭処理を行なった水準であるの
に対して、発明例3では作動ガスの開閉を2秒周期とし
て、発明例4では作動ガスの開閉を10秒周期として脱炭
処理を行なった例である。
例である。比較例2は1個のガス噴射ノズルのみで、比
較例3は、全てのガス噴射ノズル1で作動ガス6を用
い、その場合作動ガスの供給をガス噴射ノズルの中心と
ランス外周円の横断面中心を結ぶ直線に一致する方向
(図の例ではピッチサークルcの半径方向(すなわち転
炉12の半径方向))からとした例である。
て、各々40〜50チャージの脱炭処理を行ない、 炉壁の地
金付着状況,2次燃焼率,鉄鉱石原単位(溶鋼1ton あ
たり),出鋼歩留りを調査した。転炉11炉壁の地金付着
状況は図7および図8に示す通りである。発明例1と比
較例1および2を比較すると、発明例1では一個のノズ
ルで作動ガスを用いたにも係わらず、図7(a)に示す
ように、酸化性ガスの変位によって炉内壁の円周方向の
広い範囲にわたって地金が溶解した。一方、作動ガスを
使用しない比較例1では図8(e)のようにノズルに対
応する位置の炉内壁では地金が溶解しているものの、そ
れ以外の範囲では地金が厚く付着していた。この結果、
発明例1では比較例1に対して溶鋼の歩留りが 1.4%増
加した。一方、作動ガスをピッチサークルの半径方向を
供給した比較例2では、図8(f)に示すように酸化性
ガスの変位によっても炉内壁の円周方向に関してはごく
狭い範囲でしか地金溶解の促進が生じなかった。そして
それによる歩留まりの増加も比較例1に対して 0.5%に
とどまった。
2では、図7(b)に示すように炉内壁のほぼ全周にわ
たって地金の付着が抑制され、溶鋼の歩留りも 4.5%向
上した。一方、比較例3では図8(g)に示すようにノ
ズルに対応する位置の炉内壁のみで地金厚みが薄くなっ
たものの、それ以外の場所では依然として厚い地金が付
着していた。そして溶鋼歩留りも 2.4%の増加にとどま
った。
作動ガスの開閉周期を10秒とした発明例4とを比べる
と、わずかではあるが発明例4の2次燃焼率,鉄鉱石原
単位および歩留りが勝っていた。しかし、作動ガスの開
閉周期を本発明のより好ましい範囲とした発明例3とそ
うではない発明例4とを比べると、発明例3の方が地金
溶解効果が大きく、2次燃焼率,鉱石原単位,歩留りと
も向上した。
たり)および出鋼歩留りは、表2に示す通りである。
燃焼率,鉄鉱石原単位,出鋼歩留りともに発明例1の方
が上回っている。また発明例2および比較例3は、2次
燃焼率,鉄鉱石原単位,出鋼歩留りともに比較例1,2
に比べて向上が見られたが、発明例2の方が増加量が大
きい。 よって2次燃焼率や出鋼歩留りを向上する上で、
本発明の優位性が確かめられた。
3の方が地金溶解効果が優れている。
転炉の炉壁に付着した地金を溶解し、かつ地金の付着を
抑制することによって、炉内容積を確保し、出鋼歩留り
を向上できる
ルの例を模式的に示す断面図であり、 (a)は横断面図、
(b)はA−A矢視の縦断面図である。
の先端部の例を模式的に示す縦断面図である。
ス,作動ガス供給ノズルの配置の例を示す平面配置図で
ある。
焼率と作動ガス開閉の周期との関係を示すグラフであ
る。
ある。
リフィス,作動ガス供給ノズルの配置を示す平面配置図
である。
直線と交叉する方向を表わす直線
Claims (7)
- 【請求項1】 2個以上のガス噴射ノズルを有する上吹
きランスを用いて酸化性ガスを転炉内に供給する転炉操
業方法において、 前記ガス噴射ノズルのうちの少なくと
も1個から噴射される前記酸化性ガスの噴射方向を、前
記ガス噴射ノズルの噴射口中心点とランス横断面の中心
点を結ぶ直線に交叉する方向に沿って走査することを特
徴とする転炉操業方法。 - 【請求項2】 前記ガス噴射ノズルから噴射される前記
酸化性ガスの走査を周期的に行なうことを特徴とする請
求項1に記載の転炉操業方法。 - 【請求項3】 前記酸化性ガスを走査する周期τ(sec
)を 0.5 ≦τ≦5 とすることを特徴とする請求項1または2に記載の転炉
操業方法。 - 【請求項4】 前記ガス噴射ノズルを用いて前記転炉内
に前記酸化性ガスを供給して、前記溶鋼の脱炭処理を行
なうとともに前記転炉の炉壁に付着した地金を溶解する
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の転炉操
業方法。 - 【請求項5】 前記転炉が、酸化性ガスの底吹き羽口を
備えた転炉であることを特徴とする請求項1、2、3ま
たは4に記載の転炉操業方法。 - 【請求項6】 入口部にオリフィスを有しかつ前記オリ
フィスの下流側に拡大部を有するガス噴射ノズルを2個
以上配設した上吹きランスであって、前記ガス噴射ノズ
ルのうちの少なくとも1個の前記拡大部の壁面でありか
つ前記噴射口中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線
に交叉する方向の壁面に作動ガス供給ノズルを配設する
ことを特徴とする上吹きランス。 - 【請求項7】 前記オリフィスの中心軸が、前記ガス噴
射ノズルの中心軸に対して偏心して設けられることを特
徴とする請求項6に記載の上吹きランス。
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