JP2003231347A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2003231347A
JP2003231347A JP2002033818A JP2002033818A JP2003231347A JP 2003231347 A JP2003231347 A JP 2003231347A JP 2002033818 A JP2002033818 A JP 2002033818A JP 2002033818 A JP2002033818 A JP 2002033818A JP 2003231347 A JP2003231347 A JP 2003231347A
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JP
Japan
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group
recording sheet
receiving layer
acid
ink jet
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Application number
JP2002033818A
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English (en)
Inventor
Kozo Nagata
幸三 永田
Masanobu Takashima
正伸 高島
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢度、印画濃度に優れたインクジェット記
録用シートを提供する。 【解決手段】 支持体上に色材受容層を有するインクジ
ェット記録用シートであって、前記色材受容層が、下記
一般式(1)で示される化合物及びその塩、並びにそれ
らの互変異性体の少なくとも1種と、1級、2級若しく
は3級のアミノ基又はアンモニウム塩基を有する有機媒
染剤と、無機微粒子と、水溶性樹脂と、該水溶性樹脂を
架橋する架橋剤と、を含有し、かつpHが4.0以下に
調整された塗布液を塗布することにより形成されるイン
クジェット記録用シートである〔R 1、R2、R3、R4
5、R6:水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環式
基、等〕。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク(色材
として染料又は顔料を用いたもの)、油性インク等の液
状インクや、常温では固体であり、溶融液状化させて印
画に供する固体状インク等を用いたインクジェット記録
に適した被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、その情報システムに
適した記録方法および装置も開発され、各々実用化され
ている。上記記録方法の中で、インクジェット記録方法
は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)
が比較的安価であること、コンパクトであること、静粛
性に優れること等の点から、オフィスは勿論、いわゆる
ホームユースにおいても広く用いられてきている。
【0003】また、近年のインクジェットプリンタの高
解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を
得ることも可能になっており、このようなハード(装
置)の発展に伴って、インクジェット記録用の記録シー
トも各種開発されてきている。上記インクジェット記録
用の記録シートに要求される特性としては、一般的に、
(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこ
と)、(2)インクドットの径が適正で均一であること
(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であるこ
と、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が
高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこ
と)、(7)印画部の耐光性、耐水性が良好なこと、
(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シー
トの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさ
ないこと)、(10)変形しにくく、寸法安定性が良好
であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハー
ド走行性が良好であること等が挙げられる。更に、いわ
ゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられる
フォト光沢紙の用途としては、上記特性に加えて、光沢
性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い
等も要求される。
【0004】このようなインクジェット記録用シートと
して、特公平4−34953号公報、及び特開平7−3
14883号公報に、特定のチオウレア化合物(本発明
における一般式(1)で表される化合物と異なる)を添
加したインクジェット記録用シートが開示されている。
また、前記特公平4−34953号公報においては、好
ましい形態として4級アンモニウム塩化合物(有機媒染
剤)を併用した例が示されている。しかしながら、上記
特定のチオウレア化合物を添加することや、4級アンモ
ニウム塩化合物を併用することでは、十分な光沢度及び
印画濃度を得ることがことができず、さらなる改良が望
まれている。
【0005】更に、特開平2001−260519号公
報には、スルフィン酸化合物、チオスルフィン酸化合
物、及びチオスルホン酸化合物から選ばれる少なくとも
一種の化合物を含有する多孔質インク受像層を有する記
録シートが開示されている。そして、チオウレア化合物
等を上記化合物と組み合わせて含有させることで、画像
保存性を改良している。しかし、これらの組み合わせで
も、十分な光沢度及び印画濃度を得ることがことができ
ず、上記同様更なる改良が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、上記一般式(1)
で示される特定の化合物とアミノ基若しくはアンモニウ
ム塩基を有する有機媒染剤等を特定のpHを有する同一
溶液に含有させた塗布液を用いて色材受容層を塗布形成
する場合でも、塗布液が増粘せずかつ前記諸問題を解決
することが可能な製造方法を見出し本発明に到った。以
上の内容を踏まえ、本発明は、光沢度及び印画濃度の十
分に高いインクジェット記録用シートを提供することを
目的とし、該目的を達成することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。 <1> 支持体上に色材受容層を有するインクジェット
記録用シートであって、前記色材受容層が、下記一般式
(1)で示される化合物、及びその塩、並びにそれらの
互変異性体の少なくとも1種と、1級、2級若しくは3
級のアミノ基又はアンモニウム塩基を有する有機媒染剤
と、無機微粒子と、水溶性樹脂と、該水溶性樹脂を架橋
する架橋剤と、を含有し、かつpHが4.0以下に調整
された色材受容層用塗布液を塗布することにより形成さ
れることを特徴とするインクジェット記録用シートであ
る。
【0008】
【化2】
【0009】前記一般式(1)中、R1、R2、R3
4、R5、及びR6は、それぞれ独立に水素原子、脂肪
族基、芳香族基、複素環式基、R1112N−、R1314
C=N−、R15−OCO−、R16−CO−、R17−CS
−、R18−SO2−、R1920N−CO−、R2122
−CS−、R2324N−C(=NR25)−を示し、R11
〜R25はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族
基、又は複素環式基を示す。
【0010】<2> 前記無機微粒子が、BET法によ
る比表面積が200m2/g以上の気相法シリカ、又は
平均細孔半径が1〜10nmの擬ベーマイトである前記
<1>に記載のインクジェット記録用シートである。 <3> 前記無機微粒子が、カチオン変性シリカを1質
量%以上含有する前記<1>又は<2>に記載のインク
ジェット記録用シートである。 <4> 前記水溶性樹脂が、カチオン変性ポリビニルア
ルコールを前記水溶性樹脂の全質量に対して1質量%以
上含む前記<1>〜<3>のいずれかに記載のインクジ
ェット記録用シートである。
【0011】<5> 前記有機媒染剤が、重量平均分子
量が3000〜200000のポリマーである前記<1
>〜<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用シ
ートである。 <6> 前記有機媒染剤が、ポリアリルアミン、ポリビ
ニルアミン、及びそれらの誘導体の少なくとも1種であ
る前記<1>〜<5>のいずれかに記載のインクジェッ
ト記録用シートである。 <7> 前記色材受容層用塗布液が、更にポリ塩化アル
ミニウムを含有する前記<1>〜<5>のいずれかに記
載のインクジェット記録用シートである。
【0012】
【発明の実施の形態】《インクジェット記録用シート》
本発明のインクジェット記録用シートは、支持体上に色
材受容層を有するインクジェット記録用シートであっ
て、前記色材受容層が、下記一般式(1)で示される化
合物及びその塩、並びにそれらの互変異性体の少なくと
も1種(以下、一般式(1)で示される化合物類と称
す。)と、1級、2級若しくは3級のアミノ基又はアン
モニウム塩基を有する有機媒染剤と、無機微粒子と、水
溶性樹脂と、該水溶性樹脂を架橋する架橋剤と、を含有
し、かつpHが4.0以下に調整された色材受容層用塗
布液を塗布することにより形成されることを特徴とす
る。
【0013】前記塗布液のpHは、4.0以下であるこ
とが必要であり、3.8以下であることが好ましく、
3.5〜3.0であることがより好ましい。前記塗布液
のpHが4.0を超えると、塗布液が増粘し色材受容層
の形成が困難となる。pH調整は、pH調整剤(酸)を
添加することにより適宜行うことができ、該酸として
は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、クエン
酸、リンゴ酸、グリコール酸、メトキシ酢酸、等を挙げ
ることができ、これらの中でも、液安定性の点で、メト
キシ酢酸、塩酸、リン酸がより好ましい。なお、前記塗
布液には、さらに、界面活性剤、高沸点有機溶剤等を含
有してもよい。
【0014】<色材受容層>本発明のインクジェット記
録用シートにおいては、色材受容層が、一般式(1)で
示される化合物類、1級、2級若しくは3級のアミノ基
又はアンモニウム塩基を有する有機媒染剤、無機微粒
子、水溶性樹脂、及び該水溶性樹脂を架橋する架橋剤を
含有する塗布液を塗布して支持体上に形成されるので、
光沢度及び印画濃度の向上を図ることができる。また、
一つの塗布液を塗布することにより色材受容層の形成を
行うことができるので、容易にインクジェット記録用シ
ートを製造することができる。
【0015】(一般式(1)で示される化合物類)
【化3】
【0016】前記一般式(1)中、R1、R2、R3
4、R5、及びR6はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族
基、芳香族基、複素環式基、R1112N−、R1314
=N−、R15−OCO−、R16−CO−、R17−CS
−、R18−SO2−、R1920N−CO−、R2122
−CS−、R2324N−C(=NR25)−を示し、R11
〜R 25はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族
基、又は複素環式基を示す。
【0017】R1〜R6及びR11〜R25が脂肪族基を表す
場合、該脂肪族基としては、例えば、アルキル基、置換
アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキ
ニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、又は置換ア
ラルキル基等が挙げられ、中でも、アルキル基、置換ア
ルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキ
ル基、又は置換アラルキル基が好ましく、アルキル基、
置換アルキル基が特に好ましい。また、前記脂肪族基
は、環状脂肪族基でも鎖状脂肪族基でもよい。鎖状脂肪
族基は分岐を有していてもよい。
【0018】前記R1〜R6及びR11〜R25が脂肪族基を
表す場合のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状
のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素原子数と
しては、1〜30が好ましく、1〜20がより好まし
い。置換アルキル基のアルキル部分の炭素原子数の好ま
しい範囲については、アルキル基の場合と同様である。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オ
クタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、
ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙
げられる。
【0019】前記置換アルキル基の置換基としては、カ
ルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ
基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキ
ルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニル
アミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニ
ル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエト
キシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のア
ルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、
ドデシルチオ基等)、炭素数30以下のアリールオキシ
基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−
ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素
数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ
基、アリールオキシカルボニルオキシ基、
【0020】炭素数30以下のアシルオキシ基(例え
ば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭
素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピ
オニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル
基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基
等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、
N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホ
ニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下
のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニ
ル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置
換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジ
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミ
ノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホス
ホノ基、複素環基、アミド基、エーテル基等が挙げられ
る。ここで、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ
基、ホスホノ基は、塩の状態であってもよい。
【0021】その際、塩を形成するカチオンとしては、
有機カチオン性化合物、遷移金属配位錯体カチオン(特
許2791143号公報に記載の化合物等)又は金属カ
チオン(例えば、Na+、K+、Li+、Ag+、Fe2+
Fe3+、Cu+、Cu2+、Zn2+、Al3+、1/2Ca
2+等)が好ましい。前記有機カチオン性化合物として
は、例えば、4級アンモニウムカチオン、4級ピリジニ
ウムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニウ
ムカチオン、ヨードニウムカチオン、スルホニウムカチ
オン、色素カチオン等が挙げられる。
【0022】前記4級アンモニウムカチオンとしては、
テトラアルキルアンモニウムカチオン(例えば、テトラ
メチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウ
ムカチオン)、テトラアリールアンモニウムカチオン
(例えば、テトラフェニルアンモニウムカチオン)、ト
リエチルベンジルアンモニウムカチオン等が挙げられ
る。前記4級ピリジニウムカチオンとしては、N−アル
キルピリジニウムカチオン(例えば、N−メチルピリジ
ニウムカチオン)、N−アリールピリジニウムカチオン
(例えば、N−フェニルピリジニウムカチオン)、N−
アルコキシピリジニウムカチオン(例えば、4−フェニ
ル−N−メトキシ−ピリジニウムカチオン)、N−ベン
ゾイルピリジニウムカチオン等が挙げられる。前記4級
キノリニウムカチオンとしては、N−アルキルキノリニ
ウムカチオン(例えば、N−メチルキノリニウムカチオ
ン)、N−アリールキノリニウムカチオン(例えば、N
−フェニルキノリニウムカチオン)等が挙げられる。前
記ホスホニウムカチオンとしては、テトラアリールホス
ホニウムカチオン(例えば、テトラフェニルホスホニウ
ムカチオン)等が挙げられる。前記ヨードニウムカチオ
ンとしては、ジアリールヨードニウムカチオン(例え
ば、ジフェニルヨードニウムカチオン)等が挙げられ
る。前記スルホニウムカチオンとしては、トリアリール
スルホニウムカチオン(例えば、トリフェニルスルホニ
ウムカチオン)等が挙げられる。
【0023】更に、塩を形成するカチオンとして、特開
平9−188686号公報の段落[0020]〜[00
38]に記載の化合物等も挙げることができる。
【0024】上記に例示した各カチオン性化合物におい
て、そのアルキル基としては、炭素数が1〜30のアル
キル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の無
置換アルキル基や、R1〜R6及びR11〜R25が表す前記
置換アルキル基が好ましい。中でも特に、炭素数1〜1
2のアルキル基が好ましい。また、上記に例示した各カ
チオン性化合物において、そのアリール基としては、例
えば、フェニル基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子)
置換フェニル基、アルキル(例えば、メチル基)置換フ
ェニル基、アルコキシ(例えば、メトキシ基)置換フェ
ニル基が好ましい。
【0025】前記R1〜R6及びR11〜R25が脂肪族基を
表す場合のアルケニル基としては、直鎖状、分岐状、環
状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の炭素原
子数としては、2〜30が好ましく、2〜20がより好
ましい。また、該アルケニル基は、置換基を有する置換
アルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれであって
もよく、置換アルケニル基のアルケニル部分の炭素原子
数の好ましい範囲はアルケニル基の場合と同様である。
前記置換アルケニル基の置換基としては、前記置換アル
キル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0026】前記R1〜R6及びR11〜R25が脂肪族基を
表す場合のアルキニル基としては、直鎖状、分岐状、環
状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の炭素原
子数としては、2〜30が好ましく、2〜20がより好
ましい。また、該アルキニル基は、置換基を有する置換
アルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれであって
もよく、置換アルキニル基のアルキニル部分の炭素原子
数の好ましい範囲はアルキニル基の場合と同様である。
置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル
基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0027】前記R1〜R6及びR11〜R25が脂肪族基を
表す場合のアラルキル基としては、直鎖状、分岐状、環
状のアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の炭素原
子数としては、7〜35が好ましく、7〜25がより好
ましい。また、該アラルキル基は、置換基を有する置換
アラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれであって
もよく、置換アラルキル基のアラルキル部分の炭素原子
数の好ましい範囲はアラルキル基の場合と同様である。
置換アラルキル基の置換基としては、前記置換アルキル
基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0028】また、前記R1〜R6及びR11〜R25が芳香
族基を表す場合、該芳香族基としては、例えば、アリー
ル基、置換アリール基が挙げられる。アリール基の炭素
原子数としては、6〜30が好ましく、6〜20がより
好ましい。置換アリール基のアリール部分の好ましい炭
素原子数の範囲としては、アリール基と同様である。前
記アリール基としては、例えば、フェニル基、α−ナフ
チル基、β−ナフチル基等が挙げられる。置換アリール
基の置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様
の置換基が挙げられる。
【0029】また、前記R1〜R6及びR11〜R25が複素
環式基を表す場合、該複素環式基としては、N、O又は
Sを含む複素環式基、たとえば、フリル基、チエニル
基、ピリジル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、
イソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、
チアゾリル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル
基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、キノリル基、ベ
ンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミ
ダゾリル基、イソキノリル基、チアジアゾリル基、モル
ホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、インドリル
基、イソインドリル基等が挙げられる。これら複素環式
基は置換基を有していてもよい。置換複素環式基の置換
基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基
が挙げられる。
【0030】以下、本発明における一般式(1)で示さ
れる化合物の具体例(例示化合物4−1〜4−33)を
示す。
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】本発明においては、上述のように、これら
の化合物の塩や、これらの互変異性体構造で示される化
合物を含有してもよい。これらの化合物の塩としては、
各種の酸との塩が挙げられる。ここで使用することので
きる酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、カルボン酸
(酢酸、プロピオン酸、(メタ)アクリル酸、安息香
酸、桂皮酸など)、スルホン酸(メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スチレンスル
ホン酸など)などが挙げられる。本発明のインクジェッ
ト記録用シートにおいては、これらの化合物、及びその
塩、並びにそれらの互変異性体は、1種含有してもよい
し、2種以上含有してもよい。
【0035】一般式(1)で示される化合物類のインク
ジェット記録用シートにおける好ましい総含有量として
は、0.1〜5g/m2が好ましく、0.2〜3g/m2
が更に好ましい。総含有量が0.1g/m2以上である
ことによりインクジェット記録用シートにより十分な耐
光性、耐オゾン性を付与することができ、5g/m2
満であることによりこれらの化合物の析出を抑制して、
面状の悪化やインク吸収性の悪化をより十分に抑制する
ことができる。
【0036】(1級、2級若しくは3級のアミノ基、又
はアンモニウム塩基を有する有機媒染剤)1級、2級若
しくは3級アミノ基を有する化合物(有機媒染剤)とし
ては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリア
リルアミン、ポリ(ジアルキルアミノエチル(メタ)ア
クリレート)、ポリ(ジアルキルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド)、ポリ(ジアルキルアミノプロピル
(メタ)アクリレート)、ポリ(ジアルキルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド)や、これらの誘導体、そ
の他の共重合可能なモノマーとの共重合体が挙げられ
る。これらの中でも特にポリビニルアミン、ポリアリル
アミン、あるいはその誘導体が好ましい。このような化
合物としては、例えば下記構造式(2)〜(4)で示さ
れる単位を有する化合物などが挙げられる。
【0037】
【化7】
【0038】構造式中、R7a、R8a、R9aは水素、ある
いは置換基を有してもよい有機基、R11aは水素、又は
メチル基を、R12aはCOOR13a、CN、CONR13a
14aを、R13a、R14aは水素、アルキル基(分岐、環
状構造でも良く、また不飽和結合、置換基を有していて
もよい)、アリール基(置換基を有してもよい)、アラ
ルキル基(置換基を有してもよい)、nは0又は1を表
わす。ここで、有機基とは、炭化水素部位、及び/又は
ハロゲン化水素部位を有する基であり、これ以外に水
素、炭素、窒素、酸素、硫黄、リン、ケイ素、ホウ素、
ハロゲンなどの元素、及び/又はこれらの組み合わせか
らなる官能基を含んでいてもよい。このような例として
は、例えば、(置換)アルキル基、(置換)アラルキル
基、(置換)アリール基、(置換)アシル基、(置換)
スルホニル基、ヘテロ環類などが挙げられる。
【0039】R7a、R8a、及びR9aとしては、具体的に
はアルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シ
クロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル
基、n−デシル基、n−ドデシル基、オクタデシル基、
1,3−ブタジエニル基、1,3−ペンタジエニル基な
ど)、アラルキル基(例えばベンジル基、フェニルエチ
ル基、ビニルベンジル基、1−フェニルビニル基、2−
フェニルビニル基など)、アリール基(例えばフェニル
基、ナフチル基、トリル基、ビニルフェニル基など)等
が挙げられる。
【0040】R7a、R8a、及びR9aにおいて、置換基を
有するものとしては、フロロエチル基、トリフロロエチ
ル基、メトキシエチル基、フェノキシエチル基、ヒドロ
キシフェニルメチル基、クロロフェニル基、ジクロロフ
ェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、
ヨードフェニル基、フロロフェニル基、ヒドロキシフェ
ニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、
アセトキシフェニル基、シアノフェニル基等が挙げられ
る。R7a、R8a、及びR9aにおいて、置換基として−O
H基を有するものとしては、
【0041】
【化8】
【0042】等が挙げられる。また、R7a、R8a、及び
9aとしては、−CR21a22a−COOR23a(R21a
22a、R23aとしては例えばメチル基、エチル基、ブチ
ル基、ベンジル基、フェニル基など。)、−CO―R
24a―COOH(R24aとしては例えば−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、−CH=CH−、
【0043】
【化9】
【0044】)、−COR25a、−COOR26a、−CO
NHR27a、−CSNHR28a、−SO 229a、−P(=
O)(OR30a2(R25a、R26a、R27a、R28a、R
29a、R3 0aとしては、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、オクタデシル基、ベンジル基、フェ
ニル基、−CH=CH−Phなどが挙げられる。)等が
挙げられる。
【0045】また、前記構造式(4)中、R11aは水
素、又はメチル基を表す。前記構造式(4)中、R12a
はCOOR13a、CN、CONR13a14aを表し、
13a、R14aは水素、アルキル基(分岐、環状構造でも
良く、また不飽和結合、置換基を有していてもよい)、
アリール基(置換基を有してもよい)、アラルキル基
(置換基を有してもよい)を示す。R13a、R14aの具体
例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル
基、n−デシル基、n−ドデシル基、オクタデシル基、
アリル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、ビフ
ェニル基、1,1,1−トリフロロエチル基、2−ヒド
ロキシ−3−クロロプロピル基等が挙げられる。
【0046】ポリアリルアミン又はポリビニルアミンの
誘導体の構造は特に限定されず、得られた重合体は水溶
性、あるいは水と混和性の有機溶媒に可溶である方が好
ましいが、水分散性のラテックス粒子の形でも使用する
ことができる。ポリアリルアミンの誘導体、あるいはポ
リビニルアミンの誘導体は、それぞれ相当するモノマー
の重合によっても得られるが、例えばポリアリルアミ
ン、及び/又はポリビニルアミンの繰り返し単位を有す
る重合体の高分子反応によっても得られる。なお、一般
にアリル系のモノマーはその重合性が十分ではないこ
と、ビニルアミンの場合は相当するモノマーが無いので
その前駆体(例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルアセトアミドなど)を重合後に加水分解することなど
から、ポリアリルアミンの誘導体、あるいはポリビニル
アミンの誘導体の製造適性、合成上の自由度を考慮する
と、むしろ後者の高分子反応を利用する方が好ましい。
【0047】この高分子反応としてはポリアリルアミ
ン、及び/又はポリビニルアミンの繰り返し単位を有す
る重合体に対して、例えばハロゲン含有化合物、エポキ
シ含有化合物、酸無水物含有化合物、酸ハライド含有化
合物、イソシアネート含有化合物、チオイソシアネート
含有化合物、ハロギ酸エステル、アルデヒド含有化合
物、及びCH2=CR11a12aで示される化合物よりな
る群から選ばれる化合物の何れか1種以上とを反応させ
る方法がある。
【0048】このような化合物の具体例としては、下記
のようなものが挙げられる。ハロゲン含有化合物として
は、例えば、ヨードメタン、ブロモエタン、ブロモブタ
ン、ブロモオクタン、クロロオクタン、ブロモドデカ
ン、ベンジルブロミド、ベンジルクロリド、メトキシベ
ンジルクロリド、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸ブチ
ル、クロロギ酸フェニルなどが挙げられる。但し、これ
らの化合物を反応させた場合にはアンモニウム塩が生じ
るので、これらの脱塩処理を行なう、あるいは変性率を
アミノ基の20mol%以下にするなどの対策が望まし
い。
【0049】前記エポキシ含有化合物としては、例えば
ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、フェニ
ルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、シ
クロヘキセンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられ
る。前記酸無水物含有化合物としては、例えば無水酢
酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、
無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シ
クロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0050】前記酸ハライド含有化合物としては、例え
ば、酢酸ハライド、(メタ)アクリル酸ハライド、ソル
ビン酸ハライド、安息香酸ハライド、桂皮酸ハライド、
吉草酸ハライド、オレイン酸ハライド等が挙げられる。
但し、これらの化合物を反応させた場合にはアンモニウ
ム塩が生じるので、これらの脱塩処理を行なう、あるい
は変性率をアミノ基の20mol%以下にするなどの対
策が望ましい。
【0051】前記イソシアネート含有化合物としては、
例えばブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシア
ネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。チオ
イソシアネート含有化合物としては、例えばブチルチオ
イソシアネート、シクロヘキシルチオイソシアネート、
フェニルチオイソシアネート等が挙げられる。前記ハロ
ギ酸エステル化合物としては、例えばクロロギ酸メチ
ル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸ブチル、クロロギ
酸フェニル等が挙げられる。但し、これらの化合物を反
応させた場合にはアンモニウム塩が生じるので、これら
の脱塩処理を行なう、あるいは変性率をアミノ基の20
mol%以下にするなどの対策が望ましい。
【0052】前記アルデヒド含有化合物としては、例え
ばアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデ
ヒド、サリチルアルデヒド、桂皮アルデヒド等が挙げら
れる。CH2=CR11a12aで示される化合物として
は、例えばアクリレート類(例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フ
ェニルアクリレートなど)、メタクリレート類(例えば
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート
など)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド類(例えばアクリルアミド、ジメチルアクリ
ルアミド、i−プロピルアクリルアミド、t−ブチルア
クリルアミド、フェニルアクリルアミドなど)、メタク
リルアミド類(例えばメタクリルアミド、ジメチルメタ
クリルアミド、i−プロピルメタクリルアミド、t−ブ
チルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミドな
ど)等が挙げられる。
【0053】また、これら以外でもアミノ基と反応性を
有する化合物であれば特に限定はされず、前述の化合物
以外でもメチルエチルケトンなどのケトン類、ベンゼン
スルホン酸クロライドなどのスルホン酸ハライド類であ
ってもよい。これらの高分子反応の原料として用いるポ
リアリルアミン、及び/又はポリビニルアミンの繰り返
し単位を有する重合体としては、例えば実質的にポリア
リルアミン、ポリビニルアミン単位のみからなる重合体
が挙げられる。これらはポリアリルアミン、ポリビニル
アミンとして容易に入手が可能であるので、これらの化
合物を出発原料として用いることが製造適性の面から好
ましい。ポリアリルアミンはアリルアミン又はこれらの
塩の重合体の脱塩処理により得られる。また、ポリビニ
ルアミンはビニルアミンの前駆体(例えばN−ビニルホ
ルムアミド、N−ビニルアセトアミドなど)をモノマー
として重合したのちに加水分解などにより得られる。ま
た、構造式(2)〜(4)で示される繰り返し単位以外
に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の共重合可
能なモノマーとの共重合体としてもよい。
【0054】これらの単位と共重合が可能な単位として
は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例
えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(アルキル基の炭素数が1〜18)など)、(メタ)ア
クリル酸シクロアルキルエステル((メタ)アクリル酸
シクロヘキシルなど)、(メタ)アクリル酸アリールエ
ステル((メタ)アクリル酸フェニルなど)、アラルキ
ルエステル((メタ)アクリル酸ベンジルなど)、置換
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど)、(メタ)
アクリアミド類(例えば、(メタ)アクリルアミド、ジ
メチ(メタ)アクリルアミドなど)、芳香族ビニル類
(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンな
ど)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、バーサチック酸ビニルなど)、アリルエステル類
(酢酸アリルなど)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリ
デン、塩化ビニルなど)、シアン化ビニル((メタ)ア
クリロニトリルなど)、オレフィン類(エチレン、プロ
ピレンなど)などの非イオン性単量体が挙げられる。
【0055】また、特にn=0で示される単位を有する
重合体はビニルアミンの重合ではなく通常はN−ビニル
ホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどの重合体を
加水分解させて得られることが多いので、これらの単位
が残存していてもよい。
【0056】また、塩基性の単位を有する単量体を用い
ることもできる。例えば、ジアルキルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジアルキルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド(これらに示したジアルキル基としてはジメチ
ル、ジエチル、ジブチル、メチルベンジル等が挙げられ
る)等を挙げることができる。これらの共重合可能な成
分は1種でも、又は2種以上組合せてもよい。また、共
重合体を用いる場合、その共重合体中のポリアリルアミ
ン、ポリビニルアミン、構造式(2)〜(4)で示され
る繰り返し単位の総含有率は、50mol%以上が好ま
しく、80mol%以上が更に好ましい。該総含有率が
50mol%以上であることにより、インク(染料)の
固着が十分となって、より十分な解像度、経時ニジミの
防止効果、耐光性、耐オゾン性を得ることができる。
【0057】この高分子反応は公知の方法を用いること
が可能であるが、一般的にはポリアリルアミン、ポリビ
ニルアミンの繰り返し単位を有する重合体と高分子反応
させる試薬とを溶媒中で混合し、必要に応じて触媒等を
併用して反応させる。反応に用いる溶媒は反応を大きく
阻害することが無ければ特に限定はされないが、水、メ
タノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、テ
トラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどやこれらの混合
溶媒系などが利用できる。中でも製造適性からは水、あ
るいはこれと混和性の有機溶媒との混合溶媒系などが好
ましい。但し、イソシアネートや酸ハライド類など水、
アルコール類との反応性も有する化合物を用いる場合に
はこれらに非活性な溶媒(例えばアセトン、アセトニト
リル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)を用
いることが望ましい。
【0058】前記アンモニウム塩基を有する有機媒染剤
としては、前述の1級、2級若しくは3級のアミノ基を
有する化合物(有機媒染剤)の塩化物等が挙げられる。
【0059】上記の1級、2級若しくは3級のアミノ基
又はアンモニウム塩基を有する有機媒染剤、特に好まし
い化合物であるポリアリルアミン、ポリビニルアミン、
あるいはそれらの誘導体の分子量は、重量平均分子量と
して3000〜200000程度であることが好まし
く、5000〜30000であることがより好ましい。
分子量が3000以上であることにより、より十分な耐
水性を得ることができ、200000以下であることに
より粘度の過剰な上昇を抑制してハンドリング適性をよ
り良好にすることができる。
【0060】また、1級、2級若しくは3級のアミノ基
又はアンモニウム塩基を有する有機媒染剤、特に好まし
い化合物であるポリアリルアミン、ポリビニルアミン、
あるいはそれらの誘導体のインクジェット記録用シート
における好ましい総含有量としては、0.1〜5g/m
2が好ましく、0.2〜3g/m2が更に好ましい。総含
有量が0.1g/m2以上であることにより、経時ニジ
ミをより十分に抑制し、かつより十分な耐オゾン性を得
ることができ、また、5g/m2未満であることによ
り、インク吸収性の低下をより十分に抑制することがで
きる。
【0061】またこれ以外に、インクジェット記録用シ
ートとしての特性を損なわない範囲で、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化マ
グネシウムなどの非ポリマー系の媒染剤を併用してもよ
く、特に、ポリ塩化アルミニウムを併用することが好ま
しい。即ち、上記1級、2級、又は3級アミノ基を有す
る有機媒染剤とポリ塩化アルミニウムを併用することに
より、本発明の効果をより十分に発揮することができ
る。前記ポリ塩化アルミニウムの具体例としては、多木
化学(株)製のタキバイン、PAC#1000などが挙
げられる。本発明のインクジェット記録用シートにおけ
る前記ポリ塩化アルミニウムの含有量としては、塗膜の
全固形分(質量)に対して、0.1〜90質量%である
ことが好ましく、1〜30質量%であることがより好ま
しい。
【0062】(無機微粒子)本発明のインクジェット記
録用シートにおいては、特にインク吸収性の観点から無
機微粒子を含有する態様、これから得られる多孔質状の
色材受容層を設ける態様が好ましい。
【0063】前記無機微粒子としては、例えば、シリカ
微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロ
イサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、硫酸カルシウム、ベーマイト等を挙げることが
できる。中でも、シリカ微粒子が特に好ましい。無機微
粒子、特にシリカ微粒子の平均一次粒子径は、20nm
以下であることが好ましく、10nm以下がより好まし
く、3〜10nmが特に好ましい。
【0064】前記シリカ微粒子は、比表面積が特に大き
いので、インクの吸収と保持の効率が高く、その上、屈
折率が低いので、微細な粒子径まで分散をおこなえば、
色材受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発
色性が得られる。色材受容層が透明であることは、OH
P等の透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光
沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度
と良好な発色性を得る観点から重要な特性である。
【0065】前記シリカ微粒子は、その表面にシラノー
ル基を有し、該シラノール基による水素結合によって、
微粒子同士が結び付く傾向がある。上記のように平均一
次粒子径が20nm以下の場合には、空隙率の大きい構
造を形成することができる。これにより、インク吸収特
性を顕著に向上させることができる。
【0066】尚、シリカ微粒子は、その製造法によっ
て、湿式法粒子と乾式法粒子とに大別される。該湿式法
では、ケイ酸塩の酸分解によって活性シリカを生成し、
これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る
方法が主流である。一方、前記乾式法は、ハロゲン化珪
素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)
や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加
熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)
によって無水シリカを得る方法が主流である(このよう
な方法で得られた無水シリカを気相法シリカとい
う。)。
【0067】上述の方法で得られる含水シリカ及び無水
シリカは、表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に
相違があるため、それぞれ異なった性質を示す。特に、
無水シリカ(無水珪酸)は、空隙率が高い三次元構造を
形成しやすいため好ましい。この理由は明らかではない
が、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノ
ール基の密度が5〜8個/nm2と多く、シリカ微粒子
が密に凝集(アグリゲート)しやすい。一方、無水シリ
カの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度
が2〜3個/nm2と適度に少ないため、疎な軟凝集
(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構
造になるものと推定される。従って、本発明において
は、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個
/nm2であるシリカ微粒子を用いることが好ましい。
【0068】また、前記気相法シリカは、BET法によ
る比表面積が200m2/g以上であることが好まし
く、220m2/g以上であることがより好ましく、2
00m2/g以上であることがさらに好ましい。BET
法による比表面積が300m2/g以上であることによ
り、インク吸収能及びインク保持能を大幅に向上するこ
とができる。なお、上記BET法とは、「日本アエロジ
ル(株)技術資料No.10」の2,2項等に記載の、
一次粒径の平均径を測定するための方法である。
【0069】また、本発明のインクジェット記録用シー
トにおいては、全無機微粒子中、カチオン変性シリカを
1質量%以上含有することが好ましく、10質量%以上
含有することがより好ましく、50〜100質量%以上
含有することがさらに好ましい。
【0070】前記カチオン変性シリカとは、カチオン性
有機化合物若しくはアルミニウムイオン等の多価金属イ
オンの化合物をシリカ表面や内部に含有させることによ
り、シリカ表面をカチオン性に帯電させたものであり、
塩基性アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛によりカチオ
ン化されたシリカが好ましい。
【0071】また、前記無機微粒子としては、インクの
吸収性が良好であると共に、色素を選択的によく吸着す
るため、擬ベーマイト構造を有することが好ましい。こ
こで、擬ベーマイト構造とは、AlOOHの組成式で表
されるアルミナ水和物であり、擬ベーマイトからなる多
孔質層は、細孔構造を有する凝集体である。
【0072】擬ベーマイト多孔質層としては、その細孔
構造が実質的に半径が1〜10nmの細孔からなること
が好ましく、細孔容積が0.3〜1.0cc/gである
ことが、十分な吸収性を有しかつ透明性もあるので好ま
しい。この範囲の細孔構造を有する擬ベーマイト多孔質
層を用いれば、基材が透明である場合には、記録用シー
トも透明なものが得られる。基材が不透明である場合に
は、基材の質感を損なわずにインクの吸収性等の必要と
される物性を記録用シートに付与することが可能であ
る。また、擬ベーマイト多孔質層の平均細孔半径が3〜
7nmの範囲であればさらに好ましい。なお、細孔径分
布の測定は、窒素吸脱着法により測定される。
【0073】上記のような細孔構造を有する擬ベーマイ
ト多孔質層を作製するには、アルミニウムのアルコキシ
ドを加水分解して得たベーマイトゾルを用いるのが好ま
しい。擬ベーマイト多孔質層を基材上に塗布する手段と
しては、ベーマイトゾルに、好ましくはバインダーを加
えてスラリー状とし、ロールコーター、エアナイフコー
ター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコータ
ーなどを用いて基材上に塗布し、乾燥する方法を好まし
く採用できる。
【0074】多孔質層に用いられるバインダーとして
は、でんぷんやその変性物、ポリビニルアルコールおよ
びその変性物、SBR(ブタジエンスチレンゴム)ラテ
ックス、NBR(ブタジエンアクリロニトリルゴム)ラ
テックス、ヒドロキシセルロース、ポリビニルピロリド
ン等の有機物を用いることができる。バインダーの使用
量は、少ないと多孔質層の強度が不十分になるおそれが
あり、逆に多すぎるとインクの吸収量や色素の担持量が
低くなるおそれがあるので、無機粒子の5〜50質量%
程度が好ましい。
【0075】(水溶性樹脂)水溶性樹脂としては、例え
ば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂
である、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変
性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアル
コール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース
(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチ
ルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース
(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;エ
ーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキサイド
(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポ
リエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル
(PVE);アミド基又はアミド結合を有する樹脂であ
るポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリ
ドン(PVP)等が挙げられる。
【0076】また、解離性基としてカルボキシル基を有
する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸
塩、ゼラチン類等も挙げることができる。これらの中で
も、特にポリビニルアルコール、及びカチオン変性ポリ
ビニルアルコールが好ましく、カチオン変性ポリビニル
アルコールがより好ましい。前記カチオン変性ポリビニ
ルアルコールは、全水溶性樹脂に対して、1質量%以上
含有することが好ましく、10質量%以上含有すること
がより好ましく、50〜100質量%含有することがさ
らに好ましい。
【0077】前記カチオン性ポリビニルアルコールは、
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビ
ニルとの共重合体をケン化することにより得ることがで
きる。カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、N−ビニル−2−メチルイミダゾー
ル、N−ビニルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルト
リメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−
アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウ
ムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−
3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、
トリメチル−(−メタクリルアミドプロピル)アンモニ
ウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチ
ルアミノプロピル)アクリルアミド、等が挙げられる。
【0078】なお、カチオン変性ポリビニルアルコール
のカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対
して0.1〜10モル%であることが好ましく、0.2
〜5モル%であることが好ましい。また、カチオン変性
ポリビニルアルコールの重量平均重合度としては500
〜4000であることが好ましく、1000〜4000
であることがより好ましい。また、酢酸ビニル基のケン
化度は、60〜100モル%であることが好ましく、7
0〜99モル%であることがより好ましい。
【0079】水溶性樹脂の含有量としては、色材受容層
の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、
16〜33質量%がより好ましい。水溶性樹脂の含有量
が、9〜40質量%の範囲内にあると、膜強度が強靭で
あるので、乾燥時でもひび割れの発生を防止し、かつ、
樹脂によって空隙が塞がりにくいため、空隙率の減少に
よるインク吸収性の低下を来すことがない。
【0080】本発明の色材受容層の主成分を構成する、
上記無機微粒子と上記水溶性樹脂とは、それぞれ単一素
材であってもよいし、複数の素材の混合系を使用しても
よい。
【0081】尚、透明性の観点からは、シリカ微粒子に
組み合わされる前記水溶性樹脂の種類が重要となる。従
って、前記気相法シリカを用いる場合には、該水溶性樹
脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)が好まし
く、その中でも、鹸化度70〜99%のPVAがより好
ましく、鹸化度70〜90%のPVAが特に好ましい。
【0082】前記ポリビニルアルコール(PVA)は、
その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基と前記シ
リカ微粒子の表面シラノール基とが水素結合を形成する
ため、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次
元網目構造を形成しやすくなる。この三次元網目構造の
形成によって、空隙率が高く十分な強度のある多孔質構
造の色材受容層を形成できると考えられる。
【0083】インクジェット記録において、上述のよう
にして得られた多孔質の色材受容層は、毛細管現象によ
って急速にインクを吸収し、インク滲みの生じない真円
性の良好なドットを形成することができる。
【0084】−無機微粒子と水溶性樹脂との含有比− 無機微粒子(x)と水溶性樹脂(y)との質量含有比
〔PB比(x/y)〕は、前記色材受容層の膜構造及び
膜強度にも大きな影響を与える。即ち、質量含有比が大
きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当
り)が大きくなるが、密度や強度は低下する傾向にあ
る。
【0085】本発明に係る色材受容層は、前記無機微粒
子(x)と前記水溶性樹脂(y)とを、質量比(x/
y)1.5〜10の範囲で構成成分として含む三次元網
目構造であることが好ましい。該質量比が1.5以上で
あることにより、樹脂によって空隙が塞がれることを抑
制してより高いインク吸収性を保持することができ、ま
た、10未満であることにより、膜強度の低下を防止し
て、乾燥時のひび割れをより十分に防止することができ
る。
【0086】インクジェットプリンタの搬送系を通過す
る場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、
色材受容層には十分な膜強度を有していることが必要で
ある。又、シート状に裁断加工する場合、色材受容層の
割れ、剥がれ等を防止する上でも、色材受容層には十分
な膜強度を有していることが必要である。これらの場合
を考慮すると、前記質量比(x/y)としては、5以下
が好ましく、一方インクジェットプリンタで、高速イン
ク吸収性をも確保する観点からは、2以上であることが
好ましい。
【0087】例えば、平均一次粒子径が20nm以下の
無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とを、質量比(x/y)
2〜5で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に
塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次
粒子を網目鎖とする三次元網目構造が形成され、平均細
孔径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比
容積0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以
上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができ
る。本発明のインクジェット記録用シートにおける色材
受容層は、好ましくは空隙率50〜80%の三次元網目
構造を有するため、インク吸収性を向上させることがで
きる。
【0088】(架橋剤)本発明のインクジェット記録用
シートにおける色材受容層は、前記無機微粒子及び前記
水溶性樹脂を含む塗布層(多孔質層)に、架橋剤を含有
する。該架橋剤と前記水溶性樹脂との反応により、水溶
性樹脂をゲル化(硬化)させ、色材受容塗布層の膜強度
を向上することができる。
【0089】水溶性樹脂を架橋させる上記架橋剤として
は、色材受容層に用いられる前記水溶性樹脂の架橋性と
の関係で、好適な物を適宜選択すればよいが、中でも、
該架橋反応が迅速である点から、ホウ素化合物が好まし
く、例えば、硼砂、ホウ酸、ホウ酸塩(例えば、オルト
ホウ酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaB
3、Mg3(BO32、Co3(BO32、二ホウ酸塩
(例えば、Mg225、Co225)、メタホウ酸塩
(例えば、LiBO2、Ca(BO22、NaBO 2、K
BO2)、四ホウ酸塩(例えば、Na247・10H2
O)、五ホウ酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2
611・7H2O、CsB55)、グリオキザール、メ
ラミン・ホルムアルデヒド(例えば、メチロールメラミ
ン、アルキル化メチロールメラミン)、メチロール尿
素、レゾール樹脂、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂
等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を
誘起させる点で、硼酸又は硼酸塩が好ましく、更に、水
溶性樹脂としてポリビニルアルコールと組合わせて使用
することが、特に好ましい。
【0090】前記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場
合には、ゼラチンの硬膜剤として知られている下記化合
物を架橋剤として用いることができる。例えば、ホルム
アルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等
のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジ
オン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿
素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5
−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン
・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスル
ホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノー
ル、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタ
ミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル
尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロ
ール化合物;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第301
7280号、同第2983611号に記載のアジリジン
系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載の
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチ
レン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等の
ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム
明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等
が挙げられる。尚、前記架橋剤は、1種単独でも、2種
以上を組合わせてもよい。なお、これらの硬膜剤は、前
記ゼラチン以外の水溶性樹脂の架橋剤としても使用する
ことができる。
【0091】インクジェット記録用シートにおける架橋
剤の含有量としては、架橋剤が0.01〜10g/m2
含有されていることが一般的であり、0.05〜5g/
2含有されていることが好ましい。
【0092】架橋剤含有溶液は、架橋剤を水及び/又は
有機溶剤に溶解して調製するのが好ましい。架橋剤含有
溶液中の架橋剤の濃度としては、架橋剤含有溶液の固形
質量に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.
1〜7質量%がより好ましい。架橋剤含有溶液を構成す
る溶媒としては、一般に水が使用されるが、水と混和性
のある有機溶媒を含む水系混合溶媒であってもよい。
【0093】前記水と混和性のある有機溶剤としては、
架橋剤が溶解するものであれば任意に使用することがで
き、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、グリセリン等のアルコール;アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル等
のエステル;トルエン等の芳香族溶剤;テトラヒドロフ
ラン等のエーテル、及びジクロロメタン等のハロゲン化
炭素系溶剤等を挙げることができる。
【0094】(界面活性剤)本発明のインクジェット記
録用シートは、ノニオン若しくは両性界面活性剤を含有
することが好ましい。
【0095】上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリ
オキシアルキレンアルキルエーテルおよびポリオキシア
ルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリー
コールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシ
エチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソル
ビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウ
レート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレ
ート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、
ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリ
オキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例え
ば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロ
ールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレ
ングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリ
セリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポ
リエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレング
リコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキル
エーテル類が好ましい。
【0096】上記両性界面活性剤としては、アミノ酸
型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアン
モニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイ
ン型、イミダゾリウムベタイン型等が挙げられ、例え
ば、米国特許第3,843,368号明細書、特開昭5
9−49535号公報、同63−236546号公報、
特開平5−303205号公報、同8−262742号
公報、同10−282619号公報等に記載されている
ものを好適に使用できる。該両性界面活性剤としては、
アミノ酸型両性界面活性剤が好ましく、該アミノ酸型両
性界面活性剤としては、特開平5−303205号公報
に記載されているように、例えば、アミノ酸(グリシ
ン、グルタミン酸、ヒスチジン酸等)から誘導体化され
たものであり、長鎖のアシル基を導入したN−アミノア
シル酸およびその塩が挙げられる。上記両性界面活性剤
は1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、
さらに、上記ノニオン系界面活性剤と併用してもよい。
【0097】塗布液におけるノニオン若しくは両性界面
活性剤の含有量としては、0.01〜1質量%であるこ
とが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがよ
り好ましい。
【0098】(高沸点有機溶媒)塗布液に上記ノニオン
若しくは両性界面活性剤と高沸点有機溶剤とを含有させ
ることで、インクジェット記録用シートのカールを平坦
に保つことができる。上記高沸点有機溶剤は水溶性のも
のが好ましく、該水溶性の高沸点有機溶剤としては、例
えば、エチレングリコール、ポロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセ
リン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DE
GMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタ
ントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,
2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、
ポリエチレングリコール(重量平均分子量が400以
下)等のアルコール類が挙げられ、好ましくはジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)であ
る。
【0099】上記高沸点有機溶剤の塗布液中の含有量と
しては、0.05〜1質量%であることが好ましく、
0.1〜0.6質量%であることがより好ましい。
【0100】(その他の添加剤)本発明のインクジェッ
ト記録用シートは、その他の必要に応じて、さらに下記
の成分等を含んでいてもよい。例えば、色材の劣化を抑
制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重
項酸素クエンチャー等の耐光性向上剤を含んでいてもよ
い。
【0101】前記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導
体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノ
ール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェ
ニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノー
ル、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、
o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェ
ノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オ
クチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノー
ル化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少
なくとも2位又は6位のうち1ヵ所以上が分岐アルキル
基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
【0102】また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線
吸収剤等も使用できる。これらは、例えば、特開昭47
−10537号公報、同58−111942号公報、同
58−212844号公報、同59−19945号公
報、同59−46646号公報、同59−109055
号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10
466号公報、同42−26187号公報、同48−3
0492号公報、同48−31255号公報、同48−
41572号公報、同48−54965号公報、同50
−10726号公報、米国特許第2,719,086号
明細書、同3,707,375号明細書、同3,75
4,919号明細書、同4,220,711号明細書等
に記載されている。
【0103】蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用で
き、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具
体的には、特公昭45−4699号公報、同54−53
24号公報等に記載されている。
【0104】前記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開
特許第223739号公報、同309401号公報、同
309402号公報、同310551号公報、同第31
0552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開
特許第3435443号公報、特開昭54−48535
号公報、同60−107384号公報、同60−107
383号公報、同60−125470号公報、同60−
125471号公報、同60−125472号公報、同
60−287485号公報、同60−287486号公
報、同60−287487号公報、同60−28748
8号公報、同61−160287号公報、同61−18
5483号公報、同61−211079号公報、同62
−146678号公報、同62−146680号公報、
同62−146679号公報、同62−282885号
公報、同62−262047号公報、同63−0511
74号公報、同63−89877号公報、同63−88
380号公報、同66−88381号公報、同63−1
13536号公報、
【0105】同63−163351号公報、同63−2
03372号公報、同63−224989号公報、同6
3−251282号公報、同63−267594号公
報、同63−182484号公報、特開平1−2392
82号公報、特開平2−262654号公報、同2−7
1262号公報、同3−121449号公報、同4−2
91685号公報、同4−291684号公報、同5−
61166号公報、同5−119449号公報、同5−
188687号公報、同5−188686号公報、同5
−110490号公報、同5−1108437号公報、
同5−170361号公報、特公昭48−43295号
公報、同48−33212号公報、米国特許第4814
262号明細書、同第4980275号明細書等に記載
のものが挙げられる。
【0106】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒ
ドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0107】前記耐光性向上剤は、単独でも2種以上を
併用してもよい。この耐光性向上剤は、水溶性化、分
散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に
含ませることもできる。上記耐光性向上剤の添加量とし
ては、色材受容層用塗布液の0.01〜10質量%が好
ましい。
【0108】また、無機微粒子の分散性を高める目的
で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を
含んでいてもよい。更に、塗布適性や表面品質を高める
目的で、各種の界面活性剤を含んでいてもよく、表面の
摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、イオン導電性を
持つ界面活性剤や電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を
含んでいてもよく、表面の摩擦特性を低減する目的で、
各種のマット剤を含んでいてもよい。
【0109】<支持体>本発明のインクジェット記録用
シートにおいて、支持体として使用できる材料として
は、プラスチック等の透明材料を用いてもよいし、紙等
の不透明な材料を用いてもよい。本発明では、色材受容
層の透明性を生かす上で、支持体は透明支持体、又は高
光沢の不透明支持体であることが好ましい。
【0110】前記透明支持体として使用できる材料とし
ては、透明でOHPあるいはバックライトディスプレイ
で使用される時の輻射熱に耐える性質を有する材料が好
ましい。このような材料としては、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル類、ニトロセルロース、セル
ロースアセテート、又はセルロースアセテートブチレー
ト等のセルロースエステル類、そしてポリスルホン、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等を挙げることができる。これらの中で
も、ポリエステル類が好ましく、ポリエチレンフタレー
トがより好ましい。前記透明支持体の厚さについては、
特に制限はないが、50〜200μmのものが取り扱い
やすいため好ましい。
【0111】前記高光沢の不透明支持体としては、色材
受容層が設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有
するものが好ましい。前記光沢度は、JIS P−81
42(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載
の方法に従って測定することによって求められる値であ
る。
【0112】高光沢の不透明支持体の例としては、アー
ト紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体
等に使用されるバライタ紙等の高光沢の紙、ポリエチレ
ンテレフタレー卜(PET)等のポリエステル類、ニト
ロセルロース、セルロースアセテート及びセルロースア
セテートブチレート等のセルロースエステル類、あるい
はポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミ
ド、ポリカーボネート、又はポリアミド等のプラスチッ
クフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした高光
沢の(表面カレンダー処理等をおこなってもよい)フイ
ルム、あるいは上記各種紙、上記透明プラスチックフィ
ルム又は白色顔料等含有プラスチックフィルムの表面
に、白色顔料を含有するか、若しくは含有しないポリオ
レフィンの被覆層が設けられた支持体を挙げることがで
きる。さらに、白色顔料含有発泡ポリエステルフイルム
(例、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸によって
空隙を形成した発泡PET)も挙げることができる。
【0113】また、銀塩写真用支持体として一般的に使
用されているポリオレフィンコート紙(表面に白色顔料
含有ポリオレフィン層が設けられた紙支持体等)、ある
いは金属蒸着層等が設けられた特殊紙等を、好適に使用
することができる。特に白色顔料含有ポリオレフィン層
が設けられた銀塩写真用紙支持体、白色顔料含有ポリオ
レフィン層が設けられたポリエステル(好ましくはPE
T)フィルム、白色顔料含有ポリエステルフィルムある
いは白色顔料含有発泡ポリエステルフィルムが好まし
い。
【0114】前記不透明支持体の厚さは、特に制限はな
いが、50〜300μmのものが取り扱いやすく好まし
い。さらに、支持体としては、色材受容層との密着性を
付与するため、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎
処理、紫外線照射処理を施したものを使用してもよい。
【0115】《インクジェット記録用シートの作製》本
発明のインクジェット記録用シートは、支持体上に色材
受容層用の塗布液を塗布することにより、支持体上に色
材受容層を形成して作製することができる。本発明にお
いて、前記一般式(1)で示される化合物類と、1級、
2級若しくは3級のアミノ基又はアンモニウム塩基を有
する有機媒染剤と、無機微粒子と、水溶性樹脂と、該水
溶性樹脂を架橋する架橋剤と、を含有し、かつpHが
4.0以下に調整された色材受容層形成用の塗布液(色
材受容層用塗布液)は、例えば、以下のようにして調製
できる。
【0116】即ち、予め架橋剤を溶解した水中にシリカ
微粒子を添加し(例えば、10〜20質量%)、これに
更に媒染剤を加えて、高速回転湿式コロイドミル(例え
ば、クレアミックス(エム・テクニック(株)製))や
ナノマイザーLA31(ナノマイザー(株)製)を用い
て、例えば10000rpm(好ましくは5000〜2
0000rpm)の高速回転の条件で20分間(好まし
くは10〜30分間)分散させる(溶液1)。別途、水
中にグアニルチオウレア及び酸を溶解、混合する(溶液
2)。その後、前記溶液1に前記溶液2を混合し、ポリ
ビニルアルコール水溶液(例えば、シリカの1/3程度
の重量のPVAとなるように)を加えて、更に上記と同
じ回転条件で分散をおこなうことにより調製することが
できる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下記
塗布方法で支持体上に塗布形成することにより、三次元
網目構造を有する多孔質性の色材受容層を形成すること
ができる。
【0117】色材受容層用の塗布液の塗布は、例えば、
エクストルージョンダイコータ、エアードクターコー
タ、ブレッドコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、ス
クイズコータ、リバースロールコータ、バーコータ等の
公知の塗布方法によって行うことができる。
【0118】また、色材受容層用の塗布液の乾燥は、一
般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥
及び硬化が行われる。中でも、40〜150℃で1〜2
0分間加熱することが好ましい。
【0119】支持体上に色材受容層を形成した後、該色
材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレン
ダなどを用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカ
レンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、
透明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。し
かしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる
要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下
することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設
定して行う必要がある。
【0120】カレンダー処理を行う場合のロール温度と
しては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃が
より好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線
圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、10
0〜200kg/cmがより好ましい。
【0121】前記色材受容層の層厚としては、インクジ
ェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収
容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決
定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2
で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm
以上の膜が必要となる。
【0122】この点を考慮すると、インクジェット記録
の場合には、色材受容層の層厚としては、10〜50μ
mであることが好ましい。また、色材受容層の細孔径
は、メジアン径で0.005〜0.030μmであるこ
とが好ましく、0.01〜0.025μmであることが
より好ましい。上記空隙率及び細孔メジアン径は、水銀
ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC
2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができ
る。
【0123】また、色材受容層は、透明性に優れている
ことが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透
明フィルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30
%以下であることが好ましく、20%以下であることが
より好ましい。上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HG
M−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定すること
ができる。
【0124】支持体上には、前記色材受容層と支持体と
の間の接着性を高め、電気抵抗を調整する等の目的で、
下塗層を設けてもよい。
【0125】尚、前記色材受容層は、支持体の片面のみ
に設けてもよいし、カール等の変形を抑制する等の目的
で、支持体の両面に設けてもよい。OHP等で用いる場
合であって、前記色材受容層を支持体の片面のみに設け
る場合は、その反対側の表面、あるいはその両面に、光
透過性を高める目的で反射防止膜を設けることもでき
る。
【0126】また、前記色材受容層が形成される側の支
持体の表面に、ホウ酸又はホウ素化合物が塗工し、該表
面に色材受容層を形成することにより、色材受容層の光
沢性、表面平滑性を確保し、かつ高温高湿環境下におけ
る、印画後の画像の経時ニジミを抑制することができ
る。
【0127】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
実施例中の「部」および「%」は、特に指定しない限り
「質量部」および「質量%」を表し、「Mw」に続く数
字は「重量平均分子量」を表し、「重合度」は「重量平
均重合度」を表す。
【0128】[実施例1] −支持体の作製− LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスク
リファイナーによりカナディアンフリーネス300ml
まで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニ
オンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミ
ンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリル
アミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比
で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原
紙を抄造した。
【0129】上記原紙の表面サイズを調整するため、ポ
リビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(Whit
ex BB,住友化学工業(株)製)を0.04%添加
し、これを絶乾質量換算で0.5g/m2となるように
上記原紙に含浸させ、乾燥した後、さらにキャレンダー
処理を施して密度1.05に調整された基紙を得た。
【0130】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコ
ロナ放電処理をおこなった後、溶融押出機を用いて高密
度ポリエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティン
グし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂
層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層にさ
らにコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤とし
て、酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化学
工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、日
産化学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水に
分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるよ
うに塗布した。
【0131】更に、樹脂層の設けられていない側のフェ
ルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナタ
ーゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、および蛍光増
白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR
(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレン
を、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように溶
融押し出しし、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側
に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称す
る。)、支持体とした。
【0132】−色材受容層用塗布液の調製− 下記組成の化合物について、まず(2)イオン交換水
に、(4)ホウ酸を混合し、得られた水溶液に(1)気
相法シリカ微粒子を加え、更に(3)ポリアリルアミン
を加えて、ナノマイザーLA31(ナノマイザー(株)
製)により500kg/m2の圧力で2回処理を行い、
溶液Aを得た。また別に、(8)イオン交換水に、
(9)グアニルチオウレアと(10)酢酸とを混合して溶
液Bを得た。引き続き、更に前記溶液Aを60分間撹拌
しながら、前記溶液Bを添加した後、これに更に(5)
完全鹸化ポリビニルアルコール7%水溶液を加え、
(6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル及び(7)
ジエチレングリコールモノブチルエーテルを加えて、色
材受容層用塗布液を調製した。尚、得られた色材受容層
用塗布液のpHは、3.0であった。
【0133】 〔色材受容層用塗布液の組成〕 (1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子) …100部 (QS−30、(株)トクヤマ製 BET法による比表面積220m2/g) (2)イオン交換水 …579.5部 (3)ポリアリルアミン(有機媒染剤) …2部(固形分換算) (HAA−HCL−3L 日東紡(株)製) (4)ホウ酸(架橋剤) …4.0部 (5)完全鹸化ポリビニルアルコール7%水溶液(水溶性樹脂)…317.8部 (PVA124、(株)クラレ製、鹸化度98.5%、重合度2400) (6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) …7.2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製) (7)ジエチレングリコールモノブチルエーテル(高沸点有機溶剤) …0.3部 (8)イオン交換水 …100.0部 (9)グアニルチオウレア(一般式(1)で示される化合物) …3.1部 (10)酢酸 …1.6部
【0134】−インクジェット記録用シートの作製− 上記支持体のオモテ面にコロナ放電処理をおこなった
後、上記から得た色材受容層用塗布液を、支持体のオモ
テ面にエクストルージョンダイコーターを用いて180
ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥機
にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形分
濃度が20%になるまで乾燥させた。これより、乾燥膜
厚32μmの色材受容層が設けられた本発明のインクジ
ェット記録用シート(1)を作製した。
【0135】[実施例2]実施例1の色材受容層用塗布
液の組成中の酢酸1.6部に代えて、1N塩酸26.6
部を添加した以外は同様にして、本発明のインクジェッ
ト記録用シート(2)を作製した。
【0136】[実施例3]実施例1の色材受容層用塗布
液の組成中の酢酸1.6部に代えて、クエン酸5.1部
を添加した以外は同様にして、本発明のインクジェット
記録用シート(3)を作製した。
【0137】[実施例4]実施例1の色材受容層用塗布
液の組成中の酢酸1.6部に代えて、メトキシ酢酸2.
4部を添加した以外は同様にして、本発明のインクジェ
ット記録用シート(4)を作製した。
【0138】[実施例5]実施例1の色材受容層用塗布
液の組成中の酢酸1.6部に代えて、グリコール酸2.
0部を添加した以外は同様にして、本発明のインクジェ
ット記録用シート(5)を作製した。
【0139】[実施例6]実施例1の色材受容層用塗布
液の組成中の酢酸1.6部に代えて、リン酸2.5部を
添加した以外は同様にして、本発明のインクジェット記
録用シート(6)を作製した。
【0140】[実施例7]実施例1の色材受容層用塗布
液の組成中の完全鹸化ポリビニルアルコール7%水溶液
317.8部に代えて、カチオン変性ポリビニルアルコ
ール(C118(株)クラレ製)7%水溶液317.8
部を添加した以外は同様にして、本発明のインクジェッ
ト記録用シート(7)を作製した。
【0141】[実施例8]実施例2の色材受容層用塗布
液の組成中の気相法シリカ微粒子(QS−30)100
部に代えて、気相法シリカ微粒子(QS−30)97
部、及びカチオン性コロイダルシリカ(CEP10AK
98022、CABOT社製)3部(固形分換算)を添
加した以外は、実施例2と同様にして、本発明のインク
ジェット記録用シート(8)を作製した。
【0142】[実施例9]実施例2の色材受容層用塗布
液の組成中の気相法シリカ微粒子(QS−30)100
部に代えて、気相法シリカ微粒子(QS−30)80
部、及びカチオン性コロイダルシリカ(CEP10AK
98022、CABOT社製)20部(固形分換算)を
添加した以外は、実施例2と同様にして、本発明のイン
クジェット記録用シート(9)を作製した。
【0143】[実施例10]実施例2の色材受容層用塗
布液の組成中の完全鹸化ポリビニルアルコール7%水溶
液317.8部に代えて、カチオン変性ポリビニルアル
コール(C118、(株)クラレ製)23部を添加し、
さらに、気相法シリカ微粒子(QS−30)100部に
代えて、気相法シリカ微粒子(QS−30)97部、及
びカチオン性コロイダルシリカ(CEP10AK980
22、CABOT社製)3部(固形分換算)を添加した
以外は、実施例2と同様にして、本発明のインクジェッ
ト記録用シート(10)を作製した。
【0144】[実施例11]実施例2の色材受容層用塗
布液の組成中のグアニルチオウレア3.1部に代えて、
既述の例示化合物4−3を3.3部添加した以外は、実
施例2と同様にして、本発明のインクジェット記録用シ
ート(11)を作製した。
【0145】[実施例12]実施例2の色材受容層用塗
布液の組成中のグアニルチオウレア3.1部に代えて、
既述の例示化合物4−4を3.3部添加した以外は、実
施例2と同様にして、本発明のインクジェット記録用シ
ート(12)を作製した。
【0146】[実施例13]実施例2の色材受容層用塗
布液の組成中のグアニルチオウレア3.1部に代えて、
既述の例示化合物4−6を3.3部添加した以外は、実
施例2と同様にして、本発明のインクジェット記録用シ
ート(13)を作製した。
【0147】[実施例14]実施例10において、ポリ
アリルアミンに代えて、ジアリルアミン塩酸塩(PAS
92、日東紡(株)製)を添加した以外は、実施例10
と同様にして、本発明のインクジェット記録用シート
(14)を作製した。
【0148】[実施例15]実施例10において、ポリ
アリルアミンに代えて、モノメチルジアリルアンモニウ
ムクロライド重合物(重量平均分子量20000、固形
分濃度60%、商品名:PAS−M−1、日東紡(株)
製)を添加した以外は、実施例10と同様にして、本発
明のインクジェット記録用シート(15)を作製した。
【0149】[比較例1]実施例1の色材受容層用塗布
液の組成中のグアニルチオウレア3.1部及び酢酸1.
6部を添加しない以外は同様にして、比較例のインクジ
ェット記録用シート(16)を作製した。 [比較例2]実施例1の色材受容層用塗布液の組成中の
酢酸1.6部を添加しない以外は同様にして、比較例の
インクジェット記録用シート(17)を作製した。
【0150】<測定及び評価>上記より得られた本発明
のインクジェット記録用シート(1)〜(15)、並び
に、比較用インクジェット記録用シート(16)〜(1
7)のそれぞれについて、以下の評価をおこなった。
【0151】(塗布面状態)塗布乾燥後の面上の凹凸や
ひび割れの発生状態を目視にて評価した。 ○:凹凸及びひび割れの発生がなく、実用可能なもので
あった。 ×:凹凸及び/又はひび割れの発生があり、実用不可能
なものであった。
【0152】(光沢度)印画前の記録シートの色材受容
層表面における60°光沢度を、デジタル変角光沢度計
(UGV−50DP,スガ試験機(株)製)にて測定し
た。
【0153】(印画濃度)インクジェットプリンター
(PM−900C、セイコーエプソン(株)製)によっ
て、インクジェット記録用シートにY(黄)、M(マゼ
ンタ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、G(緑)
およびR(赤)のベタ印画を行い、各濃度をX−rit
e濃度計(X−rite社製)により測定した。以上の
結果を下記表1に示す。
【0154】
【表1】
【0155】上記表1の結果から、実施例のインクジェ
ット記録用シート(1)〜(15)においては、塗布面
状態が良好であり、かつ高い光沢度及び印画濃度を示し
た。一方、グアニルチオウレアを用いない比較例のイン
クジェット記録用シート(16)においては、塗布面状
態は良好なものの、光沢度及び印画濃度の点において十
分なものではなかった。また、pHが4.0を超える比
較例のインクジェット記録用シート(17)において
は、塗布液が増粘し、色材受容層を形成することができ
なかった。
【0156】
【発明の効果】本発明によれば、ひび割れ等の発生がな
く強固で、光沢度及び印画濃度の十分に高いインクジェ
ット記録用シートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 EA06 FC06 2H086 BA01 BA15 BA33 BA35 BA37 BA41 BA48

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に色材受容層を有するインクジ
    ェット記録用シートであって、 前記色材受容層が、下記一般式(1)で示される化合
    物、及びその塩、並びにそれらの互変異性体の少なくと
    も1種と、1級、2級若しくは3級のアミノ基又はアン
    モニウム塩基を有する有機媒染剤と、無機微粒子と、水
    溶性樹脂と、該水溶性樹脂を架橋する架橋剤と、を含有
    し、かつpHが4.0以下に調整された色材受容層用塗
    布液を塗布することにより形成されることを特徴とする
    インクジェット記録用シート。 【化1】 (一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6
    は、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複
    素環式基、R1112N−、R1314C=N−、R 15−O
    CO−、R16−CO−、R17−CS−、R18−SO
    2−、R1920N−CO−、R2122N−CS−、R23
    24N−C(=NR25)−を示し、R11〜R25はそれぞ
    れ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は複素環式
    基を示す。)
  2. 【請求項2】 前記無機微粒子が、BET法による比表
    面積が200m2/g以上の気相法シリカ、又は平均細
    孔半径が1〜10nmの擬ベーマイトである請求項1に
    記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子が、カチオン変性シリカ
    を1質量%以上含有する請求項1又は2に記載のインク
    ジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 前記水溶性樹脂が、カチオン変性ポリビ
    ニルアルコールを前記水溶性樹脂の全質量に対して1質
    量%以上含む請求項1〜3のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 前記有機媒染剤が、重量平均分子量が3
    000〜200000のポリマーである請求項1〜4の
    いずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  6. 【請求項6】 前記有機媒染剤が、ポリアリルアミン、
    ポリビニルアミン、及びそれらの誘導体の少なくとも1
    種である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録用シート。
  7. 【請求項7】 前記色材受容層用塗布液が、更にポリ塩
    化アルミニウムを含有する請求項1〜6のいずれかに記
    載のインクジェット記録用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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