JP2003231197A - 多層通気性発泡体およびその製造方法 - Google Patents

多層通気性発泡体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003231197A
JP2003231197A JP2002031306A JP2002031306A JP2003231197A JP 2003231197 A JP2003231197 A JP 2003231197A JP 2002031306 A JP2002031306 A JP 2002031306A JP 2002031306 A JP2002031306 A JP 2002031306A JP 2003231197 A JP2003231197 A JP 2003231197A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
soluble
breathable foam
multilayer breathable
foam according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002031306A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Nishimura
浩之 西村
Naoko Yamagata
奈緒子 山縣
Naoya Okumura
直也 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Inoac Technical Center Co Ltd
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
Inoac Technical Center Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoue MTP KK, Inoac Corp, Inoac Technical Center Co Ltd filed Critical Inoue MTP KK
Priority to JP2002031306A priority Critical patent/JP2003231197A/ja
Publication of JP2003231197A publication Critical patent/JP2003231197A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抽出法により発泡体となる複数種類の混合物
を加熱下に積層さて抽出を行なうことで、相溶性の発現
により隣接し合う該混合物から得られる夫々の発泡体は
面接合がなされ、接合境界面を越えて3次元連通気泡構
造が形成され、所定の通気性が発現される多層通気性発
泡体と、該多層通気性発泡体の製造方法とを提供する。 【解決手段】 少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、該
樹脂の熱溶融温度において熱的に安定で形状を維持し得
る水溶性気泡形成材と、滑材として作用する水溶性高分
子化合物とを加熱下に混合して所定の相溶性と物性とを
具有させるようにした複数種類の混合物を、多重に積層
させて隣接し合う各混合物が面接合させた後、夫々の混
合物から水溶性物質を抽出除去し、隣接し合う接合境界
面を越えた3次元連通気泡構造を形成した多層通気性発
泡体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多層通気性発泡
体およびその製造方法に関し、更に詳細には、各種の熱
可塑性樹脂から水抽出法により得られる3次元連通気泡
構造を有すると共に、物性の異なる複数種類の発泡体が
互いに隣接し合う接合境界面を越えた3次元連通気泡構
造を形成して通気性を発現し得る多層通気性発泡体と、
該多層通気性発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば化粧用パフの如き化粧用素材の分
野において、触感に優れ、所要の弾性、硬度、強度等の
各種物性を発現すると共に、使用時や廃棄時に人体や環
境に対して過大な負荷を掛けない素材が望まれている。
また最近では、使用するファンデーション等の液状また
は粉体状といった化粧材の性状により、より使用に適し
た化粧用素材が夫々個別に使用されている。
【0003】前述の化粧用素材として好適な物性等を示
す材質として、抽出法による発泡体が挙げられる。前記
抽出法により得られる発泡体は、弾性、硬度および強度
等の制御に加えて、気泡径も制御可能であり、制御され
た該気泡径を有する各気泡により、使用されるファンデ
ーションの性状に良好に対応し得る化粧用素材が得られ
る。すなわち使用するファンデーションにあった掻き取
り性および顔、鼻頭および額等への付与性と該化粧材の
ケーキング現象(化粧材の油分等による硬化)の回避とを
両立している。
【0004】通常、前述のような抽出法で製造される化
粧用素材は、その制御された気泡径等の物性により特定
の化粧材に好適に対応し得るものである。しかし、例え
ばより強い整色効果を発現する液状ファンデーション
と、整色効果は薄いもののベタつき等が抑制され、良好
な肌触りを発現する粉体状ファンデーションとでは、前
述のように性状の違いがあり、単一の化粧用素材で同時
に他種類のファンデーションに好適に対応し得ることは
困難であった。
【0005】このため、使用するファンデーション等の
化粧材の性状に好適な化粧用素材を夫々個別に用意、す
なわち複数の化粧用素材を持ち歩くことが一般的であっ
た。しかしこの場合、使用場所を特定されず必要に応じ
ていつでも使用されるという化粧品の使用形態から、常
に数種類の化粧用素材を身の回り品として、携行する必
要があり、またその都度出し入れをしなければならない
といった煩雑さが問題となっていた。この問題を解決す
べく、昨今では、2種類の化粧用素材を互いに貼り付け
る等して一体化した化粧用素材が注目を集めている。
【0006】2種類の化粧用素材を一体化する手段とし
ては、接着剤等の接着成分を介することで両素材を接
着する方法や、該素材の材質が熱可塑性樹脂等の熱溶融
が可能なものであれば、熱溶着による方法が採用され
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述の各方法の
場合、以下の問題が指摘される。すなわち、接着成分
により接着的に一体化した場合には、該接着成分が硬化
することで接着がなされるものであるので、2種類の化
粧用素材の間に硬度の高い剛性体を介在させたような状
態となってしまう。すなわち、全体としての柔軟性が大
きく低下して取り扱い性が大きく悪化し、殊にその厚さ
が15mm以下程度と薄い化粧用素材の場合には、表面
の硬度にも悪影響を及ぼすと共に、使用後の廃棄時にパ
フと接着成分との分別が難しく、将来的に採用が考えら
れているリサイクルも容易ではない。熱溶着によって
一体化した場合には、同質の材質だけからの作製が可能
であるので分別に関する問題は回避されるが、熱溶着の
際の溶融により材質内に固定化されている気泡がつぶれ
て多孔度が低下してソリッド体に近づく、すなわち硬度
が大きく上昇してしまい、肌触り等の触感が大きく悪化
してしまう。殊にこの問題はその厚さが薄いときに顕著
となり、温度および時間等の熱溶融条件の好適な設定範
囲が限られてしまい、その結果、コストの大幅な上昇が
懸念される。
【0008】更に、前述の何れの方法であっても、互い
に一体化される側の表面、すなわち接合境界面の気泡
は、接着成分または熱溶融によって塞がれてしまい、前
記2種類の化粧用素材の間における通気性は皆無となっ
てしまう。その結果、前記接合境界面付近の洗浄は甚だ
困難となり、使用したファンデーション等の化粧材のク
リーニング等が事実上不可能となり、使用頻度に応じて
衛生上の問題が大きくなってくる。これは殊に化粧用素
材の如き、直接肌に接触的に使用する物品においては致
命的といえる欠点である。この他、夫々異なる物性を有
する化粧用素材を後工程での加工が必要となるため手間
が増える点も問題である。
【0009】
【発明の目的】この発明は、従来の発泡体の多層化に際
して顕在化する前記問題に鑑み、これを好適に解決する
べく提案されたものであって、抽出法により発泡体とな
る複数種類の混合物を加熱下に積層させた後に抽出を行
なうことにより、相溶性の発現により互いに隣接し合う
該混合物から得られる夫々の発泡体は面接合がなされる
と共に、接合境界面を越えて3次元連通気泡構造が形成
され、所定の通気性を発現するようにした多層通気性発
泡体と、該多層通気性発泡体の製造方法とを提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明に係る多層通気性発泡体
は、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹
脂の熱溶融温度において熱的に安定で形状を維持し得る
水溶性気泡形成材と、滑材として作用する水溶性高分子
化合物とを加熱下に混合して所定の相溶性と物性とを具
有させるようにした複数種類の混合物を、多重に積層し
てなる積層体であって、互いに隣接し合う各混合物は、
相溶性の発現による面接合がなされると共に、夫々の混
合物から前記水溶性気泡形成材および水溶性高分子化合
物が水により抽出除去されて、互いに隣接し合う接合境
界面を越えた3次元連通気泡構造が形成されていること
を特徴とする。
【0011】同じく前記課題を克服し、所期の目的を達
成するため、本願の別の発明に係る多層通気性発泡体の
製造方法は、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、該熱
可塑性樹脂の熱溶融温度において熱的に安定で形状を維
持し得る水溶性気泡形成材と、滑材として作用する水溶
性高分子化合物とを加熱下に混合して、所定の相溶性と
物性とを具有する複数種類の混合物を製造し、これら複
数種類の混合物を加熱下に多重に積層させることで、前
記相溶性の発現により面接合がなされた積層体とした
後、この多重に積層している積層体を水に接触させて、
該積層体から前記水溶性気泡形成材および水溶性高分子
化合物を抽出除去することで、前記複数種類の混合物か
ら得られる夫々の発泡体は互いに隣接し合っている接合
境界面を越えて3次元連通気泡構造を形成するようにし
たことを特徴とする。
【0012】同じく前記課題を克服し、所期の目的を達
成するため、本願の更に別の発明に係る多層通気性発泡
体の製造方法は、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、
該熱可塑性樹脂の熱溶融温度において熱的に安定で形状
を維持し得る水溶性気泡形成材と、滑材として作用する
水溶性高分子化合物と、最終製品たる発泡体に所期の機
能を付与する機能性物質とを加熱下に混合して、所定の
相溶性と物性とを具有する複数種類の混合物を製造し、
これら複数種類の混合物を加熱下に多重に積層させるこ
とで、前記相溶性の発現により面接合がなされた積層体
とした後、この多重に積層している積層体を水に接触さ
せて、該積層体から前記水溶性気泡形成材および水溶性
高分子化合物を抽出除去することで、前記複数種類の混
合物から得られる夫々の発泡体は互いに隣接し合う接合
境界面を越えて3次元連通気泡構造を形成すると共に、
前記機能性物質を均一に分散させるようにしたことを特
徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る互いに隣接し
合っている接合境界面を越えて3次元連通気泡構造を形
成する複数種類の発泡体からなる多層通気性発泡体およ
びその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図
面を参照しながら以下説明する。本願の発明者は、任意
の配合割合とした熱可塑性樹脂、水溶性気泡形成材およ
び水溶性高分子化合物(必要に応じて更に最終製品たる
発泡体に所期の機能を付与する機能性物質)を加熱状態
下で混練・混合した混合物を複数種類作製して、これを
加熱下に積層して得られた積層体を水に浸漬して該水溶
性気泡形成材および水溶性高分子化合物を抽出・除去す
ることで、例えばシート状とされた該混合物から得られ
る夫々の発泡体は互いに隣接し合う接合境界面を越え
て、微細な気泡が3次元的に連通した構造を有する多孔
体、所謂3次元連通気泡構造を有する多層通気性発泡体
が得られることを知見したものである。また前記混合物
内に機能性物質を混練することで、3次元連通気泡構造
を有して所定の通気性を発現すると共に、発泡体内に該
機能性物質を均一に分散させ得ることを知見したもので
ある。
【0014】前記多層通気性発泡体として、図1に示す
ような互いに気泡径および硬度等の物性の異なり、かつ
所要の機能性物質16が夫々均一に分散されている2種
類の発泡体12,14を積層・一体化した化粧用素材と
しての化粧用パフ10を挙げて以下説明する。
【0015】前記化粧用パフ10は、前述の如く、互い
に異なる物性を有する2種類の発泡体12,14から構
成される。前記発泡体12,14の接合境界面付近を図
2を参考にして説明すると、該発泡体12,14内に形
成されている夫々の気泡が該接合境界面付近において
も、大きく変形したりまたは閉塞したりすることなく開
口した状態となっている。これは前記発泡体12,14
の発泡方法が、後述する製造方法(抽出法)によるもので
あるためである。このような内部構造を有することによ
り、前記発泡体12および14の夫々面接合していない
外部に面した両表面間に通気性が発現するものである。
【0016】前記化粧用パフ10を構成する2種類の発
泡体12,14は、夫々使用されるファンデーションの
如き化粧材の使用に最適な気泡径を有し、また積層され
た化粧用パフ10全体として、優れた使用感をもたらす
15mm以下程度の厚さおよび良好な肌触り等の触感を
提供するアスカーF硬度で60〜80の範囲内に設定さ
れる硬度を有している。
【0017】前記気泡径については、前述の如く、使用
される化粧材を良好に掻き取りかつ顔、鼻頭および額等
への付与が良好であることが必要であり、該化粧材によ
って10μm〜数百μmといった範囲で設定可能である
ことが必要とされる。本発明に係る多層通気性発泡体か
らなる化粧用パフ10は、抽出法により作製される発泡
体であるので、後述する水溶性物質(水溶性気泡形成材
および水溶性高分子化合物)の除去跡がそのまま気泡と
なるものであり、該水溶性物質の粒径を所望の値とする
ことで容易に前記気泡径を制御し得る。
【0018】その硬度については、前述の如く、アスカ
ーF硬度による60〜80程度に設定される。この値が
60未満となると使用する際に容易に変形してしまい、
取り扱い性が悪化し、また80を越えると肌触り等の触
感が悪化するため問題を生じてしまう。またこの硬度は
基本的には、発泡体12,14を構成する主材料である
熱可塑性樹脂自体の物性値に大きく依存し、該熱可塑性
樹脂として硬度の低いものを使用すれば、問題なく前述
の硬度を達成し得る。また使用される熱可塑性樹脂自体
の硬度が高い場合であっても、前記発泡体12,14と
される際には、後述([0028])する如く、該熱可塑性
樹脂の混合割合を体積百分率で20%以下とすること
で、得られる発泡体12,14としての硬度を低下させ
ることも可能である。
【0019】得られる化粧用パフ10の厚さ(15mm
以下程度)は、一般に使用されている化粧用パフのよう
なハンドリング性および携行性を考慮したものであり、
他の用途の場合や携行性等を考慮しない場合は殊に問題
とならない。殊に本発明の多層通気性発泡体に係る製造
方法(後述[0039])を使用することで、2種類の異な
るシート発泡体12,14を6〜8mm程度と非常に薄
い状態としつつ、かつその厚さ比率を均一とした良好な
化粧用パフ10を製造し得る。
【0020】また前記化粧用パフ10の両外側表面間に
発現する通気性については、該パフ10を構成する前記
発泡体12,14の内、低い通気性と同様となるもので
ある。すなわち前記発泡体12および14の間の接合境
界面において、通気性を阻害する要素は一切ないことに
なる。従って前記化粧用パフ10が発現する通気性は、
前記前記発泡体12,14が発現する通気性だけに依存
するものとなる。
【0021】前記化粧用パフ10をなす発泡体12,1
4の骨格を形成する熱可塑性樹脂としては、TPE(ポ
リエステル系、ポリエーテル系、ポリエーテルポリエス
テル系、スチレン系およびポリアミド系他)、オレフィ
ン樹脂(PE(LD-PE、HD-PE、LL-PE、αオ
レフィン化PE)、PPおよびTPO)、TPU、ポリア
ミド、ポリイミドまたはポリアセタールその他加熱する
ことで溶融する樹脂であれば、如何なる樹脂であっても
使用可能である。また予めポリオールおよびイソシアネ
ートを混合したプレポリマー等の反応性樹脂も使用可能
である。
【0022】最終的に積層することで多層通気性発泡体
を形成する前記発泡体12,14は、加熱下に積層させ
て互いに強固に接合・一体化させるために、互いに所定
の相溶性を示す必要がある。具体的には、夫々の発泡体
12,14を形成する主材料である熱可塑性樹脂の溶解
度パラメータの差が1.0以下であることが必要とされ
る。前記溶解度パラメータの差が1.0を超える値であ
ると、積層による面接合が加熱溶融によるアンカー効果
等の物理的現象だけでなされ、強固に接合されない状
態、すなわち容易に剥離が生じてしまう状態となってし
まう。
【0023】ここで用いられている溶解度パラメータ
(δ値)は、化合置換基の分子引力定数により、化合物の
分子構造と密度とから算出することができる(黄 慶雲
著「接着の化学と実際」21〜26頁、1962年発行
高分子刊行会)。また分子引力定数については、ピー.
エス.スモール(P.S.Small)により応用化学ジャ
ーナル(Journal Applied Chemistry、第3巻71〜8
0頁、1953年発行)に記載がなされている。本発明
においては、主材料と該主材料中に均一に混合された後
に抽出されることで、気泡を形成する気泡形成材または
/および増粘材との間の溶解度合いを表す指標として用
いている。
【0024】前記水溶性気泡形成材としては、水に可溶
性であって、かつ前記熱可塑性樹脂が熱溶融する際にも
熱的に安定な物質であれば何れも使える。例えば無機物
しては、NaCl、KCl、CaCl2、NH4Cl、N
aNO3、NaNO2等が挙げられる。有機物としては、
TME(トリメチロールエタン)、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールブタン、しょ糖、可溶性でんぷん、
ソルビトール、グリシンまたは各有機酸(リンゴ酸、ク
エン酸、グルタミン酸またはコハク酸)のナトリウム塩
等が挙げられる。
【0025】前記水溶性高分子化合物としては、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチ
レングリコールジアセテート等のポリエチレングリコー
ル誘導体その他、水に溶解し、樹脂に対して粘度を低下
させる働きをする化合物であれば如何なるものであって
も使用可能である。殊にポリエチレングリコールは、メ
ルトフローが高く、かつ水溶性が高いので好適に使用し
得る。また水溶性気泡形成材として有機系物質を選択し
た場合は、該水溶性気泡形成材の抽出・除去を促進する
作用も確認されている。更に成形を押出成形方法で行な
う場合、前記ポリエチレングリコールの分子量は2,0
00〜30,000、好ましくは5,000〜25,00
0、更に好ましくは15,000〜25,000の範囲が
好適であるとの知見が得られている。
【0026】本実施例のような化粧用パフ10に使用さ
れる機能性物質16としては、ナイロン、レーヨン、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ
エステル等の各種合成繊維、シルク、コットン、シノ
ン、ウールまたは麻等の天然物質からなる各種繊維或い
はオイルコーティングまたは表面研磨がなされた熱可塑
性樹脂等が使用可能である。また本発明における各原料
成分の混合は、乾式法、すなわち加熱下での溶融した、
所謂粘性の高い状態で強い攪拌力等により強制的に行な
われるので、比重等に拘わらず大量の前記機能性物質1
6を容易かつ均一な混合が可能である。このため前述の
各繊維状物の他、粉体等の比重の非常に小さい物質も容
易かつ均一に混合可能である。なお前記機能性物質16
が天然繊維等の天然素材の場合は、これを体積百分率で
50%以上含有することにより可燃ゴミとして廃棄可能
である。また熱処理によるリサイクルも可能であり、こ
の場合、主材料である熱可塑性樹脂が回収可能である。
【0027】なお、その使用用途が化粧用基材に限定さ
れない場合、前記機能性物質16としては、制電性物
質、導電性物質または超電導物質、磁性物質,抗菌物
質、抗菌・防臭物質、消臭物質、形態安定・形状記憶物
質、透湿・吸水物質,透湿抑制・防水物質、感温・保温
・蓄熟・発熱・吸収物質、発光・蛍光物質或いは撥水・
吸油物質等が挙げられ、発現させる機能に応じて適宜選
択される。また形状としては、前記熱可塑性樹脂中に混
合できるものであれば何れのものでも採用可能である
が、押出成形等により所要形状に成形を施す場合には、
粉体または繊維状物の採用が好適である。
【0028】前記熱可塑性樹脂と、その他の成分との混
合割合は、体積混合比で10:90〜40:60の範囲
内が好適である。前記熱可塑性樹脂が体積百分率で10
%未満の場合には、水溶性物質の抽出・除去時に発泡体
自体が崩壊してしまう。一方、前記熱可塑性樹脂が体積
百分率で40%以上の場合、すなわち該熱可塑性樹脂以
外の前記水溶性物質が体積百分率で60%未満の場合に
は、発泡体内に充分な数の気泡が形成されなくなってし
まう。殊に化粧用パフ10としての使用を考えた場合に
は、柔軟な肌触り、すなわち低い硬度が必要であり、前
記熱可塑性樹脂と、その他の成分との混合割合は、得ら
れる発泡体12,14の硬度を考えて体積混合比で1
0:90〜20:80の範囲内が好適である。
【0029】前記水溶性気泡形成材と、その他の成分と
の混合割合は、体積混合比で25:75〜80:20の
範囲内が好適である。前記水溶性気泡形成材の割合が体
積百分率で25%未満の場合には、3次元的に連通した
多孔体構造が得られなくなったり、少ない量の該水溶性
気泡形成材が前記熱可塑性樹脂12に被覆されて抽出除
去が困難になることが考えられる。また体積百分率が8
0%を越える場合には成形性が低下してしまう。
【0030】前記水溶性高分子化合物と、その他の成分
との混合割合は、体積混合比で10:90〜25:75
の範囲内が好適である。前記水溶性高分子化合物が体積
百分率で10%未満の場合には、主材料である前記熱可
塑性樹脂12の滑りが悪化し、結果として成形性が低下
してしまい、25%を越える場合には、該水溶性高分子
化合物過多のために、加熱時に混合物の粘度が低下して
やはり成形が困難となってしまう。
【0031】前記機能性物質16と、その他の成分との
混合割合は、体積混合比で1:99〜50:50の範囲
内、殊に20:80〜30:70の範囲内が好適であ
る。また同時に100重量部の前記熱可塑性樹脂に対し
て、体積百分率で10〜100重量部の範囲となるよう
に設定される。これは得られる発泡体12,14を構成
する前記熱可塑性樹脂と機能性物質16との材質によっ
て変動する比重等の物性を考慮した結果であり、前述の
何れかの条件が達成されていれば該発泡体12,14の
成形は可能である。すなわち前記機能性物質16とその
他の成分との混合割合が体積百分率で50%を越える、
または100重量部の熱可塑性樹脂12に対して100
重量部以上の機能性物質16が混合されると、得られる
発泡体12,14の成形性が確保できない。殊に化粧用
パフ10としての使用を考えた場合には柔軟性等の低下
が顕在化してしまう。
【0032】また前記発泡体12,14において、前記
機能性物質16が少なくとも体積百分率で10%程度含
有されていれば、該機能性物質16により所期の機能の
発現が確認されることが経験的に確認されている。なお
前記機能性物質16の混合割合が体積百分率で30%を
越える場合には、前述の成形性を充分に確保することを
目的として、該機能性物質16を1mm以上の繊維状物
とすることで、発泡体の骨格部分を形成する熱可塑性樹
脂の崩壊を防止してその結合力、すなわち成形性を高め
ることが可能である。前述の繊維長については、長すぎ
ると押出等の製造時に歩留まりが低下することがあるの
で注意が必要である。
【0033】前記熱可塑性樹脂、水溶性気泡形成材、水
溶性高分子化合物および機能性物質16の混合割合を上
述の範囲に設定した場合、これらの混合物からなる発泡
体12,14を水等に浸漬させることで、該水溶性気泡
形成材および水溶性高分子化合物の容易かつ充分な抽出
・除去が可能である。すなわち主材料である前記熱可塑
性樹脂および所要の機能を発現させる機能性物質16を
均一に混合し、気泡径および硬度等の物性を備える発泡
体12,14が得られる。前述の水溶性気泡形成材およ
び水溶性高分子化合物の抽出・除去は、前記発泡体1
2,14が物理的に面接合したことによっても阻害され
ることはないので、該発泡体12,14が積層・一体化
した化粧用パフ10からも容易かつ充分に行ない得る。
【0034】また前述の各成分の混合割合を前述の好適
な範囲に設定することで、500μm以下の気泡径を有
し、かつその気泡率が体積百分率で75〜85%以上の
発泡体を得ることも可能である。更に前記3者の混合割
合を更に好適化することで、30μm以下の気泡径を有
する発泡体も製造し得る。この際、前記気泡径は、水溶
性気泡形成材の抽出により形成されるものであるので、
前記機能性物質16が原料内に存在していても形成され
る気泡径には影響されない。
【0035】なお前記機能性物質16として繊維状物が
採用され、かつ後述する製造方法において押出成形が行
なわれる場合、得られる積層体内に分散されている該機
能性物質16が該成形時に押出方向に沿って配向され
る。このため、例えば磁性物質の繊維状物を使用した際
には、最終的に得られる多層通気性発泡体により強い磁
性を発現させ、また形態安定・形状記憶物質の繊維状物
を使用した際には、押出方向に沿った形状安定・形状記
憶性を獲得し得る。
【0036】また前記機能性物質16として繊維状物が
採用されると共に、後述する製造方法において押出成形
が行なわれ、かつ化粧用パフ10の如き化粧用素材とし
ての用途に使用される場合、得られる積層体内に分散さ
れている該機能性物質16が成形時に押出方向に沿って
配向される。このため最終的に製造される多層通気性発
泡体としての化粧用パフ10の表面には、図3および図
4に示す如く、前記機能性物質16が一方向に配向した
状態で表面から大きく突出することなく、すなわち該機
能性物質16が最大でその繊維径だけ突出するように存
在することになる。
【0037】このため前記化粧用パフ10に連通的に存
在する気泡によらず、該機能性物質16の突出部分によ
りファンデーションの如き化粧材を掻き取りが可能とな
る(図4参照)。殊に使用される化粧材が粉状物である場
合、前記気泡は掻き取り機能を備える必要がなくなるの
で、基材としての物性、すなわち弾性、硬度および強度
等だけを考えて微細なものとしてもよく、その結果、ケ
ーキング並びに顔、鼻頭および額等への付与の際のスジ
むらの発生を効果的に防止し得る。
【0038】更に前記機能性物質16を構成する繊維状
物として、図5に示す如く、その断面形状や太さが異な
る複数の、例えば綿およびポリエステルを複合して混紡
した状態のものを用いることも可能である。この場合、
粉状ファンデーションの如き化粧材の掻き取り時におけ
る絡み具合に変化を持たせ、その結果、異なる触感を併
有することで独特の触感を提供したり、顔、鼻頭および
額等への付与の際のスジむらの発生を抑えつつ、一度の
掻き取りでより広い部位への付与を可能とし得る。
【0039】
【製造方法】本実施例に係る化粧用パフ10の如き多層
通気性発泡体を製造する工程は、図6に示す如く、先ず
原料となる熱可塑性樹脂、水溶解性気泡形成材、水溶解
性高分子化合物および機能性物質を所定の機器を使用し
て、加熱下に混合・混練して所定の相溶性と物性とを具
有する複数種類の混合物を作製する混合物作製工程S1
と、得られた複数種類の混合物を加熱下に多重に積層さ
せることで、前記相溶性の発現により面接合がなされた
積層体とする加熱積層工程S2と、該積層体を水または
所定温度の温水に浸漬することで、該積層体から前記水
溶性気泡形成材および水溶性高分子化合物を抽出除去す
る抽出工程S3とからなる。前記複数種類の混合物から
得られる夫々の発泡体は互いに隣接し合う接合境界面を
越えて3次元連通気泡構造を形成すると共に、熱可塑性
樹脂および機能性物質16からなり、この機能性物質1
6により所期の機能を発揮し得る発泡体を得るものであ
る。またここでの混合が高い粘性等により困難である場
合には、該混合に先立ち予混合を施すようにしてもよ
い。
【0040】前述の熱可塑性樹脂、水溶性気泡形成材、
水溶性高分子化合物および機能性物質の混合・混練を実
施する混合物作製工程S1は、1軸式または2軸式押出
機、ニーダ、加圧式ニーダ、コニーダ、バンバリーミキ
サ、ヘンシェル型ミキサ或いはロータ型ミキサその他の
混練機等の、殊に機能性物質を均一に分散させ得るもの
により好適に実施される。この混練について、特殊な装
置は必要なく、また混練速度等も限定されない。混練時
の温度は、使用する熱可塑性樹脂等の熱溶融点によって
適宜設定されるが、本発明においては、この熱可塑性樹
脂の熱溶融温度で前記水溶性気泡形成材が溶融または昇
華することがないので、如何なる温度であっても設定可
能となっている。混練時間は各種混合物の物性により左
右されるが、該混合物が充分に混合・混練されればよ
く、通常では30〜40分程度で充分である。この際に
余りの長時間の混練は、主材料である熱可塑性樹脂の劣
化を引き起こす原因となるので注意が必要である。そし
て個別に混練された複数種類の混合物は、押出または熱
プレス等により加熱下に所定厚さのシート状物にされつ
つ積層・一体化される。
【0041】前記混合物の積層・一体化を実施する加熱
積層工程S2について、図1に示した所要の機能性物質
16が均一に分散された2種類の混合物から得られる発
泡体12,14からなる化粧用素材としての化粧用パフ
10を挙げて以下説明する。
【0042】得られた2種類の混合物は、例えば図7に
示すようなフィードブロック36を有する押出機構30
により所要厚さのシート状物にされると共に、加熱下に
積層・一体化される加熱積層工程S2が実施される。前
記押出機構30は、基本的に得られた一方の混合物から
シート状の発泡体12を作製する第1押出機32と、他
方の混合物からシート状の発泡体14を作製する第2押
出機34と、押し出されて所要厚のシート状とされたた
2種類の混合物を加熱下に積層するフィードブロック3
6と、該フィードブロック36から供給される積層され
た混合物を所要形状に押し出すTダイ38とから構成さ
れる。
【0043】前記両押出機32,34およびフィードブ
ロック36としては、従来公知のものが適宜選択して好
適に使用されており、該両押出機32,34に対して夫
々混合物を順次供給することで、加熱下に溶融状態とさ
れた該混合物がフィードブロック36に押し出され、該
フィードブロック36内でシート状にされると共に、加
熱下に積層体とされる。なお本実施例では、2種類の混
合物を積層する、最も簡単な例を挙げているが、使用す
る押出機の個数およびフィードブロックを積層される混
合物の数に合わせることで、多層の積層体の作製にも容
易に対応が可能である。
【0044】また図8に示す如く、熱プレスによっても
同様に積層化が実施可能である。すなわち、得るべき化
粧用パフ10の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を
有するプレス成形型40内に一方の混合物を所定量注入
すると共に、所定厚さのシート状物とする(図8(a)参
照)。次にシート状とされた前記一方の混合物が溶融状
態を維持している間に、その上に他方の混合物を注入し
て同様にシート状とする(図8(b)参照)。そして更に上
方から加熱下にプレスを行ない(図8(c)参照)、前記他
方の混合物を所要厚さのシート状として、冷却後に前記
プレス成形型40から取り出せば、化粧用パフ10の基
となる積層体が得られる(図8(d)参照)。殊にここで述
べた熱プレス法により積層体を得るようにすれば、微妙
な凸凹形状や、曲線からなる化粧用パフ10(多層通気
性発泡体)とすることも可能となる。
【0045】本加熱積層工程S2においては、押出また
は熱プレスといった方法が好適に採用され、該方法の実
施に際しては何れの場合も所要の圧力下に製造がなされ
る。従って、この圧力に対して充分に対抗、すなわち変
形量が小さいほど、最終的に得られる化粧用パフ10
(多層通気性発泡体)の寸法精度は高いことになる。本発
明に係る製造方法では、後述の抽出を実施するまで、す
なわち前述の圧力下での製造に際して各混合物は発泡さ
れていない、所謂ソリッド体であるので前述した変形量
はほぼゼロであり問題が生じることはない。従って、そ
の厚さが15mm以下と非常に薄い化粧用パフ用途等の
場合であっても、該化粧用パフ10を構成する各シート
状の発泡体12,14を高い寸法精度により製造可能と
している。また従来の加熱溶着の際には、該加熱後の冷
却による収縮等も問題とされたが、本発明の場合には、
該冷却時にも前述の如くソリッド体であるので回避可能
である。
【0046】前記抽出工程S3は、これまでの工程を経
て作製された各混合物の積層体内に混合されている前記
水溶性気泡形成材および水溶性高分子化合物を、溶媒で
ある水に所定時間(例えば24〜48時間、積層体の形
状・厚さ等にもよる)浸漬させることで抽出・除去する
工程である。この際の浸漬は、どのような方法であって
もよいが、前記混合物全体を水に接触させる水中浸漬に
よる抽出・除去が好適である。このとき使用される水の
温度についても、殊に限定がなく室温程度のものであっ
てもよいが、前記水溶性物質の効率的な除去のために、
15〜60℃の温水を利用してもよい。
【0047】最終的に前述の各工程S1〜S3を経て製
造された化粧用パフ等の多層通気性発泡体は、使用され
るべき用途に合わせた研磨等の後加工や検査等を経るこ
とで完成品とされる。
【0048】なお本実施例では、本発明に係る多層通気
性発泡体の特徴が良好に利用される化粧用パフを例に挙
げて説明したが、該多層通気性発泡体の利用分野はこれ
に限定されるものではなく、所要の通気性を必要とし、
表面側と裏面側で異なる物性の発現を必要とするような
使用用途、例えば手足の指等の骨折時に該骨折箇所を固
定するギブス等に利用可能である。前記ギブスへの使用
の場合、全体として発現する通気性により内部のムレを
防止すると共に、内部(裏面側)の直接人体に接触する部
分については触感を良好にすべく低硬度に設定した発泡
体を、表面側についてはギブスとしての固定力を発揮さ
せるべく高い硬度に設定した発泡体を夫々採用するよう
にすればよい。この他、内部および外部で気泡径が異な
ることで、例えば一方向に対してだけ流体の流れを許容
する逆止弁として作用するチューブや、目詰まり防止チ
ューブ等の材質としても好適である。
【0049】
【実験例】以下に、本発明に係る多層通気性発泡体が好
適に使用される化粧用パフの実験例を示す。なおここで
は、化粧用パフを好適な一例として採用し、各物性値を
測定等する実験を実施しているが、本発明に係る多層通
気性発泡体はこれに限定されるものではない。
【0050】(実験1) 本発明に係る製造方法により得
られる化粧用パフの各物性値等 実験1に供される実施例1および2に係る化粧用パフの
試験片は、予め選択された熱可塑性樹脂、水溶性気泡形
成材、水溶性高分子化合物および機能性物質を表1に示
す所定割合で混合した2種類の混合物を、図7に示すよ
うなフィードブロックおよび2台の汎用押出機からなる
押出機構を使用して幅250mm、厚さ14mm(一方
の発泡体(第1層)および他方の発泡体(第2層)の厚さは
夫々7mm)の積層体を得て、これを300mm毎に切
断した後、水による48時間以上の抽出処理および熱風
乾燥機による乾燥処理を施して得られるものである。得
られた各試験片について、目視または各種測定機器を使
用して、通気性(後述)、引張強度(MPa)、伸び率(%)お
よびアスカーF硬度を夫々測定し、また発泡体の剥離を
目視により○・×で評価し、更にこれらの物性値と後述
する「パフの如き化粧用素材に要求される基本物性値」
(表2に記載)とを比較して化粧用素材としての使用性を
含む総合評価を◎〜×で評価した。なお比較例1として
実施例2に係る第1層および第2層を形成する発泡体を
汎用の接着剤で積層した積層発泡体の各物性値を、参考
例1〜4として前記実施例1および2の化粧用パフを構
成する第1層および第2層を形成する各発泡体の各物性
値を夫々記載した。なお発泡体の剥離については、2種
類の発泡体に対し、0.98×10-1MPa程度の力を
夫々離間する方向にかけた後の状態から判断した。
【0051】(使用した各原料および使用機器) ・熱可塑性樹脂:汎用のポリエチレン樹脂 ・水溶性気泡形成材:NaCl(市販されている食用塩) ・水溶性高分子化合物:汎用のポリエチレングリコール
ジアクリレート ・機能性物質:表1に記載 ・使用機器:押出機ラボプラストミル(東洋精機製)
【0052】また通気性に対応する物性値として、以下
に説明する通気測定法(cm3/cm2/sec)を使用した。本試
験は、フラジミール型通気試験方法を採用している。具
体的にはマノメータを使用した汎用のフラジミール型通
気試験機にを使用し、各実験により得られた積層発泡体
から厚さ10mm×縦100mm×横100mmの試験
片を作製し、所定径のオリフィスを介して該試験片に空
気を流通させ、該オリフィスの径および空気流通時のマ
ノメータの読みから通気性を示す値を算出するものであ
る。なお、本試験方法は基本的にJIS L 1004に
準拠する。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】(実験1の結果)実験1の結果を上記の表1
に併記する。この表1に記載された各物性値から、引張
強度、伸び率および硬度については、積層に供される各
発泡体の物性と殆ど変わらないことが確認され、また通
気性についても該発泡体単体から得られる結果とほぼ変
化がなく、通気性を損なうことなく積層されていること
が併せて確認された。更に比較例1として製造した化粧
用パフのように積層されている各発泡体が剥離すること
もなかった。
【0056】(実験2) 溶解度パラメータ(SP値)と、
各発泡体の剥離との関係 前記実験1に係る実施例1を基準として、下記の表3に
示す如く、第1層をそのまま使用すると共に、第2層を
構成する熱可塑性樹脂として異なる物質を使用すること
で、該第1層および第2層間の溶解度パラメータを変化
させ、その際に得られる化粧用パフにおける該第1層お
よび第2層の剥離について確認した。なお剥離について
の評価は前記実験1と同様の方法で行なった。
【0057】
【表3】
【0058】(実験2の結果)実験2の結果を上記の表3
に併記する。この表3に記載された剥離の結果から、溶
解度パラメータが1を越える(所謂相溶性がない)場合に
は、本発明に係る製造方法によっても、積層状態にある
発泡体には剥離が確認された。
【0059】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る多層
通気性発泡体およびその製造方法によれば、所定の相溶
性と物性とを具有させるようにした複数種類の混合物を
加熱下に積層させて抽出を行なうことにより、該相溶性
の発現により互いに隣接し合う該混合物から得られる発
泡体は面接合がなされると共に、接合境界面を越えて3
次元連通気泡構造が形成されることで両側表面間に通気
性を有する多層通気性発泡体を製造可能となった。また
この際、発泡体の原料中に所望の機能性物質を混合する
ことで、肌触り等の触感を向上させたりする等の有益な
機能を付与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な多層通気性発泡体の実施例の一
例である化粧用パフを示す概略斜視図である。
【図2】実施例に係る化粧用パフを構成する2種類の発
泡体の面接合部分を拡大して示す縦断断面図である。
【図3】押出成形により製造された化粧用パフ内の機能
性物質の分布状態を示す状態図である。
【図4】押出成形により製造された化粧用素材の掻き取
り時等の表面状態を断面で示す状態図である。
【図5】異なる断面形状を有する異なる種類の繊維状の
機能性物質を使用した化粧用素材を示す縦断斜視図であ
る。
【図6】実施例に係る化粧用素材の製造方法を示す工程
図である。
【図7】各混合物をシート状にしつつ加熱下に積層する
ための装置の一例であるフィードブロックを有する押出
機構を示す概略図である。
【図8】各混合物をシート状にしつつ加熱下にプレスを
施して積層する装置および工程を概略的に示す工程図で
ある。
【符号の説明】
12 発泡体 14 発泡体 16 機能性物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75/04 C08L 75/04 101/00 101/00 (72)発明者 西村 浩之 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 (72)発明者 山縣 奈緒子 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 (72)発明者 奥村 直也 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 Fターム(参考) 4F100 AJ01A AJ01B AJ01C AJ01D AJ01E AJ04A AJ04B AJ04C AJ04D AJ04E AK01A AK01B AK01C AK01D AK01E AK07A AK07B AK07C AK07D AK07E AK41A AK41B AK41C AK41D AK41E AK51A AK51B AK51C AK51D AK51E AK54A AK54B AK54C AK54D AK54E AL05A AL05B AL05C AL05D AL05E AL09A AL09B AL09C AL09D AL09E BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10A BA10B BA10C BA10D BA10E BA13 CA13 CA19 DG01A DG01B DG01C DG01D DG01E DJ01 DJ01A DJ01B DJ01C DJ01D DJ01E EC03 EC032 EH20 EH202 EJ19 EJ192 EJ42 EJ422 GB66 GB90 JB09A JB09B JB09C JB09D JB09E JB16A JB16B JB16C JB16D JB16E JD02 YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E 4J002 AB01W AD03W BB03X BB05X BB11W BB11X CB00X CF00X CF06W CF10X CH00X CK02X CL00X CL01W CL03W CM04X FA04W FD01W FD096 FD116 FD186 FD206 GC00 GF00

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、該
    熱可塑性樹脂の熱溶融温度において熱的に安定で形状を
    維持し得る水溶性気泡形成材と、滑材として作用する水
    溶性高分子化合物とを加熱下に混合して所定の相溶性と
    物性とを具有させるようにした複数種類の混合物を、多
    重に積層してなる積層体であって、 互いに隣接し合う各混合物は、相溶性の発現による面接
    合がなされると共に、夫々の混合物から前記水溶性気泡
    形成材および水溶性高分子化合物が水により抽出除去さ
    れて、互いに隣接し合う接合境界面を越えた3次元連通
    気泡構造が形成されていることを特徴とする多層通気性
    発泡体。
  2. 【請求項2】 前記複数種類の混合物は、その構成要素
    である前記熱可塑性樹脂の種類または/および混合量が
    異なっており、これにより異なる物性を呈するようにさ
    れている請求項1記載の多層通気性発泡体。
  3. 【請求項3】 前記複数種類の混合物は、抽出によって
    除去される構成要素である前記水溶性気泡形成材の種
    類、混合量または/および大きさが異なっており、これ
    により異なる物性を呈するようにされている請求項1ま
    たは2記載の多層通気性発泡体。
  4. 【請求項4】 互いに隣接し合う混合物を夫々構成する
    前記熱可塑性樹脂の相溶性を表す溶解度パラメータの差
    は、1.0以内に設定される請求項1〜3の何れかに記
    載の多層通気性発泡体。
  5. 【請求項5】 前記夫々の混合物には、最終製品たる発
    泡体に所期の機能を付与する機能性物質(16)が加熱下に
    混合して均一に分散されている請求項1〜4の何れかに
    記載の多層通気性発泡体。
  6. 【請求項6】 前記複数種類の混合物は、その構成要素
    である前記機能性物質(16)の種類または/および混合量
    が異なっており、これにより異なる物性を呈するように
    されている請求項5記載の多層通気性発泡体。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂として、プレポリマー
    等の反応性樹脂が使用される請求項1〜6の何れかに記
    載の多層通気性発泡体。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂として、熱可塑性ポリ
    ウレタンが使用される請求項1〜6の何れかに記載の多
    層通気性発泡体。
  9. 【請求項9】 前記機能性物質(16)として、例えば顔料
    の如き色材が使用される請求項1〜8の何れかに記載の
    多層通気性発泡体。
  10. 【請求項10】 前記機能性物質(16)として、シルク、
    コットン、シノン、ウールまたは麻等の各種天然繊維或
    いはナイロン、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレ
    ンテレフタレートまたはポリエステル等の化学合成繊維
    が使用される請求項1〜9の何れかに記載の多層通気性
    発泡体。
  11. 【請求項11】 前記機能性物質(16)として、夫々断面
    形状が異なる複数の繊維が複合して使用される請求項1
    0記載の多層通気性発泡体。
  12. 【請求項12】 前記3次元連通気泡構造における気泡
    の径は500μm以下で、気泡率は体積百分率で75%
    以上である請求項1〜11の何れかに記載の多層通気性
    発泡体。
  13. 【請求項13】 最終的に得られる発泡体は、化粧用パ
    フの如き化粧用素材として使用される請求項1〜12の
    何れかに記載の多層通気性発泡体。
  14. 【請求項14】 化粧用素材として使用される発泡体
    は、その厚さが15mm以下の範囲に設定され、硬度が
    アスカーF硬度60〜80の範囲に設定される請求項1
    3記載の多層通気性発泡体。
  15. 【請求項15】 少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、
    該熱可塑性樹脂の熱溶融温度において熱的に安定で形状
    を維持し得る水溶性気泡形成材と、滑材として作用する
    水溶性高分子化合物とを加熱下に混合して、所定の相溶
    性と物性とを具有する複数種類の混合物を製造し、 これら複数種類の混合物を加熱下に多重に積層させるこ
    とで、前記相溶性の発現により面接合がなされた積層体
    とした後、 この多重に積層している積層体を水に接触させて、該積
    層体から前記水溶性気泡形成材および水溶性高分子化合
    物を抽出除去することで、前記複数種類の混合物から得
    られる夫々の発泡体(12,14)は互いに隣接し合っている
    接合境界面を越えて3次元連通気泡構造を形成するよう
    にしたことを特徴とする多層通気性発泡体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記複数種類の混合物は、加熱下にプ
    レスされて積層される請求項15記載の多層通気性発泡
    体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記複数種類の混合物は、押出成形時
    に加熱下に積層される請求項15記載の多層通気性発泡
    体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記水溶性気泡形成材は、無機物であ
    る請求項15〜17の何れかに記載の多層通気性発泡体
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記水溶性気泡形成材は、トリメチロ
    ールエタンである請求項15〜17の何れかに記載の多
    層通気性発泡体の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記水溶性高分子化合物は、ポリエチ
    レングリコールである請求項15〜19の何れかに記載
    の多層通気性発泡体の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記熱可塑性樹脂と、前記水溶性気泡
    形成材および水溶性高分子化合物との体積混合比は、1
    0:90〜40:60の間に設定される請求項15〜2
    0の何れかに記載の多層通気性発泡体の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記水溶性気泡形成材および水溶性高
    分子化合物を抽出除去するのに使用される水は、15〜
    60℃である請求項15〜21の何れかに記載の多層通
    気性発泡体の製造方法。
  23. 【請求項23】 少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、
    該熱可塑性樹脂の熱溶融温度において熱的に安定で形状
    を維持し得る水溶性気泡形成材と、滑材として作用する
    水溶性高分子化合物と、最終製品たる発泡体に所期の機
    能を付与する機能性物質(16)とを加熱下に混合して、所
    定の相溶性と物性とを具有する複数種類の混合物を製造
    し、 これら複数種類の混合物を加熱下に多重に積層させるこ
    とで、前記相溶性の発現により面接合がなされた積層体
    とした後、 この多重に積層している積層体を水に接触させて、該積
    層体から前記水溶性気泡形成材および水溶性高分子化合
    物を抽出除去することで、前記複数種類の混合物から得
    られる夫々の発泡体(12,14)は互いに隣接し合う接合境
    界面を越えて3次元連通気泡構造を形成すると共に、前
    記機能性物質(16)を均一に分散させるようにしたことを
    特徴とする多層通気性発泡体の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記複数種類の混合物は、加熱下にプ
    レスされて積層される請求項23記載の多層通気性発泡
    体の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記複数種類の混合物は、押出成形時
    に加熱下に積層される請求項23記載の多層通気性発泡
    体の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記混合物は押出により積層されるこ
    とで、前記機能性物質(16)が一定方向に配向して均一に
    分散される請求項25記載の多層通気性発泡体の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 前記水溶性気泡形成材は、無機物であ
    る請求項23〜26の何れかに記載の多層通気性発泡体
    の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記水溶性気泡形成材は、トリメチロ
    ールエタンである請求項23〜26の何れかに記載の多
    層通気性発泡体の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記水溶性高分子化合物は、ポリエチ
    レングリコールである請求項23〜28の何れかに記載
    の多層通気性発泡体の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記熱可塑性樹脂と、前記水溶性気泡
    形成材および水溶性高分子化合物との体積混合比は、1
    0:90〜40:60の間に設定される請求項23〜2
    9の何れかに記載の多層通気性発泡体の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記機能性物質(16)と、熱可塑性樹
    脂、水溶性気泡形成材および水溶性高分子化合物との体
    積混合比は、1:99〜50:50の範囲に設定される
    請求項23〜30の何れかに記載の多層通気性発泡体の
    製造方法。
  32. 【請求項32】 前記水溶性気泡形成材および水溶性高
    分子化合物を抽出除去するのに使用される水は、15〜
    60℃である請求項23〜31の何れかに記載の多層通
    気性発泡体の製造方法。
JP2002031306A 2002-02-07 2002-02-07 多層通気性発泡体およびその製造方法 Pending JP2003231197A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002031306A JP2003231197A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 多層通気性発泡体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002031306A JP2003231197A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 多層通気性発泡体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003231197A true JP2003231197A (ja) 2003-08-19

Family

ID=27774751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002031306A Pending JP2003231197A (ja) 2002-02-07 2002-02-07 多層通気性発泡体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003231197A (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003267040A (ja) * 2002-03-13 2003-09-25 Toyoda Gosei Co Ltd 車両用換気装置
JP2005111170A (ja) * 2003-10-10 2005-04-28 Inoac Corp 化粧用スポンジの設計方法
JP2006314422A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Inoac Corp 化粧用パフ
JP2011025521A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Kaneka Corp 断熱性能に優れた押出発泡成形体
WO2013105804A1 (ko) * 2012-01-13 2013-07-18 (주)아모레퍼시픽 발포 우레탄의 층 구조를 포함하는 화장료 조성물 담체
JP2013181144A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Korea Inst Of Energy Research 炭素ナノ物質でコーティングされた天然纎維補強材と高分子とを含むナノバイオ複合体
JP2014028047A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Inoac Corp 化粧用塗布具およびその製造方法
WO2014046400A1 (ko) * 2012-09-21 2014-03-27 (주)아모레퍼시픽 화장료 조성물이 함침된 우레탄 폼
JP2014117465A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Inoac Corp 化粧用塗布具の製造方法
JP2015512742A (ja) * 2012-04-13 2015-04-30 株式会社アモーレパシフィックAmorepacific Corporation フォームを含む化粧料組成物容器
WO2016163730A1 (ko) * 2015-04-08 2016-10-13 (주)아모레퍼시픽 층 구조를 갖는 일체형 스펀지를 포함하는 화장료 조성물 담체
KR20170045172A (ko) * 2017-04-17 2017-04-26 주식회사 휴비스 기능성 첨가제가 분산된 영역을 포함하는 면상 적층체
KR20170136488A (ko) * 2017-12-04 2017-12-11 주식회사 엘지생활건강 개선된 함침재를 구비한 메이크업 화장품
KR101876929B1 (ko) * 2017-04-17 2018-07-10 주식회사 휴비스 기능성 첨가제가 분산된 영역을 포함하는 발포수지 접합체
CN108602302A (zh) * 2016-02-12 2018-09-28 株式会社爱茉莉太平洋 传递特性上升的化妆工具
KR101922399B1 (ko) * 2017-01-17 2018-12-03 (주)에스디생명공학 화장료 함침재
WO2019103385A1 (ko) * 2017-11-21 2019-05-31 (주)아모레퍼시픽 화장료 조성물 담체 및 이를 포함하는 화장품
US10603254B2 (en) 2011-03-24 2020-03-31 Amorepacific Corporation Urethane foam for use in impregnating cosmetic composition
KR200491489Y1 (ko) * 2019-12-17 2020-04-13 주식회사 이노코아 그린오일이 함침된 폴리에테르 기반의 중합 발포폼 퍼프
KR200491490Y1 (ko) * 2019-12-17 2020-04-13 주식회사 이노코아 그린오일이 함침된 폴리에테르 기반의 중합 발포폼 함침재
USRE48906E1 (en) 2012-04-12 2022-02-01 Amorepacific Corporation Foam having improved feeling during use

Cited By (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003267040A (ja) * 2002-03-13 2003-09-25 Toyoda Gosei Co Ltd 車両用換気装置
JP2005111170A (ja) * 2003-10-10 2005-04-28 Inoac Corp 化粧用スポンジの設計方法
JP2006314422A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Inoac Corp 化粧用パフ
JP2011025521A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Kaneka Corp 断熱性能に優れた押出発泡成形体
US10603254B2 (en) 2011-03-24 2020-03-31 Amorepacific Corporation Urethane foam for use in impregnating cosmetic composition
US10925812B2 (en) 2011-03-24 2021-02-23 Amorepacific Corporation Urethane foam for use in impregnating cosmetic composition
KR101351769B1 (ko) * 2012-01-13 2014-01-28 (주)아모레퍼시픽 발포 우레탄의 층 구조를 포함하는 화장료 조성물 담체
US9492370B2 (en) 2012-01-13 2016-11-15 Amorepacific Corporation Cosmetic composition carrier containing urethane foam layer structure
WO2013105804A1 (ko) * 2012-01-13 2013-07-18 (주)아모레퍼시픽 발포 우레탄의 층 구조를 포함하는 화장료 조성물 담체
JP2013181144A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Korea Inst Of Energy Research 炭素ナノ物質でコーティングされた天然纎維補強材と高分子とを含むナノバイオ複合体
USRE49062E1 (en) 2012-04-12 2022-05-10 Amorepacific Corporation Foam having improved feeling during use
USRE48906E1 (en) 2012-04-12 2022-02-01 Amorepacific Corporation Foam having improved feeling during use
JP2015512742A (ja) * 2012-04-13 2015-04-30 株式会社アモーレパシフィックAmorepacific Corporation フォームを含む化粧料組成物容器
JP2014028047A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Inoac Corp 化粧用塗布具およびその製造方法
WO2014046400A1 (ko) * 2012-09-21 2014-03-27 (주)아모레퍼시픽 화장료 조성물이 함침된 우레탄 폼
JP2014117465A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Inoac Corp 化粧用塗布具の製造方法
US10493004B2 (en) 2015-04-08 2019-12-03 Amorepacific Corporation Cosmetic composition carrier comprising integrated sponge having layered structure
EP3281618B1 (en) * 2015-04-08 2023-07-05 Amorepacific Corporation Cosmetic composition carrier comprising integrated sponge having layered structure
EP3281618A4 (en) * 2015-04-08 2018-11-21 Amorepacific Corporation Cosmetic composition carrier comprising integrated sponge having layered structure
WO2016163730A1 (ko) * 2015-04-08 2016-10-13 (주)아모레퍼시픽 층 구조를 갖는 일체형 스펀지를 포함하는 화장료 조성물 담체
CN107580490A (zh) * 2015-04-08 2018-01-12 株式会社爱茉莉太平洋 包括具有层结构的一体型海绵的化妆品组合物载体
CN108602302A (zh) * 2016-02-12 2018-09-28 株式会社爱茉莉太平洋 传递特性上升的化妆工具
KR101922399B1 (ko) * 2017-01-17 2018-12-03 (주)에스디생명공학 화장료 함침재
KR101880904B1 (ko) 2017-04-17 2018-07-23 주식회사 휴비스 기능성 첨가제가 분산된 영역을 포함하는 면상 적층체
KR20170045172A (ko) * 2017-04-17 2017-04-26 주식회사 휴비스 기능성 첨가제가 분산된 영역을 포함하는 면상 적층체
KR101876929B1 (ko) * 2017-04-17 2018-07-10 주식회사 휴비스 기능성 첨가제가 분산된 영역을 포함하는 발포수지 접합체
WO2019103385A1 (ko) * 2017-11-21 2019-05-31 (주)아모레퍼시픽 화장료 조성물 담체 및 이를 포함하는 화장품
CN111315255A (zh) * 2017-11-21 2020-06-19 株式会社爱茉莉太平洋 化妆料组合物载体以及包含其的化妆品
CN111315255B (zh) * 2017-11-21 2023-02-10 株式会社爱茉莉太平洋 化妆料组合物载体以及包含其的化妆品
KR101920923B1 (ko) 2017-12-04 2018-11-21 주식회사 엘지생활건강 개선된 함침재를 구비한 메이크업 화장품
KR20170136488A (ko) * 2017-12-04 2017-12-11 주식회사 엘지생활건강 개선된 함침재를 구비한 메이크업 화장품
KR200491490Y1 (ko) * 2019-12-17 2020-04-13 주식회사 이노코아 그린오일이 함침된 폴리에테르 기반의 중합 발포폼 함침재
KR200491489Y1 (ko) * 2019-12-17 2020-04-13 주식회사 이노코아 그린오일이 함침된 폴리에테르 기반의 중합 발포폼 퍼프

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003231197A (ja) 多層通気性発泡体およびその製造方法
US20190039309A1 (en) Methods of 3d printing articles with particles
CN102602087B (zh) 弹性体层压体及其制造方法
CN101175629B (zh) 具有脆性不粘连表面的弹性膜
CN105025751B (zh) 化妆用海绵、聚氨酯弹性体的制造方法、以及化妆料涂布用具
CN107124873A (zh) 膨胀聚酰胺粒料
CN104827735A (zh) 共挤薄膜以及用于制备共挤薄膜的方法
JP2017061143A (ja) マイクロ波成形品およびその製造方法
US4575471A (en) Structure of dual-face artificial leather and method of manufacture thereof
EP3845369A1 (en) Shoe sole or insole having sheet-type coated cork coupled thereto, and method for manufacturing same
BRPI0502853B1 (pt) reforços para uso em calçados
KR20170018580A (ko) 폴리에스터를 이용한 인조피혁 및 이의 제조 방법
JPH07504366A (ja) 多層成形体の製造方法
JP5986975B2 (ja) 不織布及び強化積層体
KR101827843B1 (ko) 하이브리드 마스크 시트의 제조방법
JP5728293B2 (ja) 合成樹脂表皮材の製造方法
EP2803478B1 (de) Kunststoff-Mehrschichtfolie
JP2004267277A (ja) 化粧用スポンジとその製造方法
JP2009220491A (ja) 積層体およびその製造方法
JP3693458B2 (ja) 発泡性ポリウレタン組成物および発泡体
TWI471222B (zh) Production method of cyclohexanediol copolyester, tiles of copolyester using copolyester of cyclohexanediol and method for producing the same
KR20200066158A (ko) 화장료 조성물 담체
JP3990664B2 (ja) ポリウレタン発泡体およびポリウレタン発泡体層を有する積層体
JP2004169211A (ja) ダウンジャケット
CN101954699A (zh) 一体成膜发泡型材的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050203

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070126

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070626