JP2003227462A - 電磁ポンプ及びその電磁ポンプを使用した燃料供給装置 - Google Patents

電磁ポンプ及びその電磁ポンプを使用した燃料供給装置

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JP2003227462A
JP2003227462A JP2002026480A JP2002026480A JP2003227462A JP 2003227462 A JP2003227462 A JP 2003227462A JP 2002026480 A JP2002026480 A JP 2002026480A JP 2002026480 A JP2002026480 A JP 2002026480A JP 2003227462 A JP2003227462 A JP 2003227462A
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Japan
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electromagnetic pump
fluid
fuel
discharge valve
valve
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JP2002026480A
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English (en)
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Yoshiaki Nishioka
義彰 西岡
Hisaya Kuribayashi
久也 栗林
Keiji Kawanishi
惠治 川西
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Silver Co Ltd
Original Assignee
Silver Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁ポンプ及びそれを使用した燃料供給装置
において、電磁ポンプの逆さ取付けを実現し、騒音の発
生を抑え、配管長の短縮を図る。 【解決手段】 流体吸入口を上方とする逆さ取付け電磁
弁において、吐出弁5を、すり鉢状の吐出弁座50と凸
状球面の吐出弁体51で構成し、流体の流れ方向に対し
て弁座50と弁体51が傾斜した斜面を有するようにす
る。さらに、吐出弁体51に吐出弁コイルばね52のコ
イル内部からの泡抜き用溝Gを設ける。電磁ポンプを弾
性体を介して取付ベースに固定する。これらにより、吐
出弁体51のぶれをなくし、開弁圧を安定させ、閉止時
の衝撃音を和らげることができる。気泡に起因する騒音
発生及び電磁ポンプの騒音の外部への伝達が抑えられ、
電磁ポンプの逆さ取付けにより配管長の短縮ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク内の石
油、灯油などの燃料流体を汲み上げて、燃焼機器に供給
する電磁ポンプ及びその電磁ポンプを使用した燃料供給
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁ポンプの一例を図8に示す。
電磁ポンプ101は、流路を形成するシリンダ2と、同
じく流路を形成しこのシリンダ2に内装された磁性体で
あるプランジャ3と、このプランジャ3に内装された吸
入弁4と、シリンダ2の流体吐出口2bの部位に流体の
逆流を防ぐ吐出弁105と、シリンダ2に周設された電
磁コイル6とを備え、さらに、電磁ポンプ101を配管
流路に組み込むための接続部材として、シリンダ2の流
体吸入口2aの部位に吸入筒21を、流体吐出口2bの
部位に吐出筒22をそれぞれOリング21aとOリング
22aによりシールした状態で備えて構成されている。
この電磁ポンプ101は、下方から上方に向けて矢印F
Lの方向に流体を輸送するために用いられる。
【0003】上記プランジャ3は、外形寸法がシリンダ
2の内径寸法より若干小さめに寸法設定されている。ま
た、ともに圧縮状態でプランジャ3の上下を押圧してシ
リンダ2内に内装された2つのプランジャコイルばね3
a、3bが、プランジャ3をシリンダ2内において釣合
位置に保持している。これによって、プランジャ3は、
シリンダ2内で円滑に上下動し得るとともに、負荷に応
じて行程長が変化する、いわゆるフリーピストンの機能
を有するものになっている。
【0004】次に、上記吸入弁4について説明する。吸
入弁座40は、プランジャ3の略下半分の軸心位置に上
下方向に延びるように設けられた平面断面視で円形の凹
部端に内装されている。この吸入弁座40には球形の吸
入弁体41が、吸入弁コイルばね42により付勢され、
押接されている。上記球形の吸入弁体41は、液体燃料
を流通させ得るように前記円形の凹部の内径寸法より若
干小さい径寸法を有している。
【0005】上記吐出弁105の吐出弁座150は、O
リング22aによりシリンダ2と吐出筒22の接続部に
固定されいる。また、この吐出弁座150のシール面S
に、平面状のシール面を持つ吐出弁体151が吐出弁コ
イルばね152により押接されている。
【0006】上記電磁コイル6のコイル62は、所定の
線材を円筒状の非磁性体からなるコイルボビン61に巻
き付けて形成されている。かかるコイルボビン61は、
シリンダ2との間に環状間隙を有しており、この環状間
隙には、下部から円筒状の下部磁性体64、上部から円
筒状の上部磁性体65が嵌め込まれ、各磁性体64,6
5には、側面視でコ字状をした磁性材料からなるヨーク
63が外嵌されている。このヨーク63は、外部磁路を
形成するとともに電磁ポンプ101の構成材としての役
割を担っている。
【0007】このように構成された電磁ポンプ101に
おいて、電磁コイル6に駆動パルス電流が供給される
と、磁性体64,65間に磁界が形成されて、プランジ
ャ3が上下運動を繰り返す。プランジャ3が下降すると
きは、吸入弁4が開通され、吐出弁105は閉止状態に
なり、流体はシリンダ2内に流入する。また、プランジ
ャ3が上昇するときは、吸入弁4が閉止され、吐出弁1
05は開通状態になり、流体はシリンダ2外上方に送出
される。
【0008】次に、従来の燃料供給装置201について
図9乃至図11を用いて説明する。燃料供給装置201
は、図9に示すように、上記従来の電磁ポンプ101を
用いてカートリッジ式の燃料タンク7から燃料FUを汲
み出して、燃焼機器に供給する装置である。燃料タンク
7は、正立型タンクであり、従来の倒立型タンクと異な
り、上方に給油口71、把手73、燃料汲出し部72が
あり、常に正立状態で使用するものである。このためタ
ンク内部に吸入配管74を有し、この配管はタンク上方
の汲出し部72の配管に接続される。この燃料タンク7
は、燃料供給装置201に載置すると燃料供給装置20
1の筐体80に設けられた取付ベース81との嵌合部8
1aにおいてOリングによりシールされて燃料供給装置
201本体の配管系に接続される。電磁ポンプ101
は、筐体80に設けた取付台80aに正立状態で取付け
られており、その吸入側は取付ベース81の下部から延
長された吸入配管74aと接続され、吐出側は吐出配管
82と接続されて、燃料タンク7の燃料FUを矢印FL
方向に送出し、燃料FUを燃焼機器へと供給する。
【0009】ところで、倒立型タンクは、タンク下部
に、ねじ蓋に弁構造を持たせて給油口と燃料汲出し口と
を兼用させ、給油時にはタンク倒立状態でねじ蓋を開け
てタンクに給油し、使用時には正立させて燃焼機器に載
置することで閉止弁が開状態となり、タンク下部から燃
料汲出しを行うものである。これに対し、上記非倒立型
の燃料タンク7は、倒立型タンクの安全上の問題が指摘
されて提案されているものである。そして、電磁ポンプ
101が、従来の使用方法である吸入側を下方とした正
立状態で取り付けられており、このため、吸入配管74
aが必要となっている。
【0010】上記の吸入配管74aを使わないで電磁ポ
ンプ201を直接、取付ベース81に接続したのが図1
0に示す燃料供給装置201である。その接続部の詳細
は、図11に示されるように、取付ベース81に設けら
れた凹部83に電磁ポンプ101の吸入筒21を挿入し
てOリング21bでシールして流路を接続し、電磁ポン
プ101のヨーク延伸部63aを利用して、ねじ12に
より電磁ポンプ101を取付ベース81に固定するよう
になっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図8に示される電磁ポンプ101を逆さ取付けした図
10及び図11に示されるような燃料供給装置において
は、大きな騒音がするという問題がある。この騒音は、
電磁ポンプに異常振動が発生し、その振動が取付ベース
81を介して外部に漏れてくるものである。異常振動
は、電磁ポンプ101内における気泡の存在が吐出弁1
05の動作を不安定にする、あるいは、プランジャ3の
往復運動を不規則にすることにより発生すると考えられ
る。電磁ポンプ101の逆さ取付けにおいて気泡が問題
になるのは、正立取付けでは、気泡は流体の流れと共に
浮力により上方に流れて速やかに排出されるのに対し、
逆さ取付けでは、流体の流れは下方向であり、気泡が電
磁ポンプ内に滞留するからであると考えられる。気泡が
滞留する様子を図12に示す。気泡Bには浮力が働くた
め上方に移動しようとするため、図12(a)に示すよ
うに吐出弁105の閉止状態において、流れに対向する
面をもつ箇所や流れに対して陰となる箇所に気泡が滞留
する。この気泡Bは、吐出弁105が開となり流体の流
れが発生しても、流れの方向と、浮力の方向が反対であ
るため、図12(b)に示すように排出されずに残るこ
とになる。
【0012】このことを確認するため、電磁ポンプ単体
の動作試験を行い、騒音の測定を行った結果を図13
(b)に示す。図13は、電磁ポンプを動作させた時の
発生音について、騒音強度に対応する量を縦軸に、時間
を横軸にとり、プランジャ3が往復動作を2回する間の
騒音の時間変化を示したものである。従来の電磁ポンプ
の正立取付けの場合の結果である図13(b)−1に対
し、逆さ取付けの場合である図13(b)−2では、騒
音強度が大きく、また、往復動作の中で新たな騒音が発
生していることが分かる。
【0013】また、電磁ポンプ101の取付方法の違い
についても、前記図9の正立取付けでは、筐体80から
張り出した取付台80aに取付けられているため電磁ポ
ンプ101の発生音が筐体80に伝わりにくいのに対
し、図10の逆さ取付けでは、取付ベース80に直接固
定されているため共振して騒音が大きくなると考えられ
る。
【0014】本発明は、上記の課題を解消するものであ
って、簡単な構成により騒音の発生を抑えて逆さ取付け
を実現でき、配管長の短縮を図るこができる電磁ポンプ
及びそれを使用した騒音の小さい燃料供給装置を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、請求項1の発明は、流路を形成すると共に上流部
に流体吸入口を、下流部に流体吐出口を有するシリンダ
にプランジャが内装され、このプランジャは、電磁コイ
ルに供給される駆動パルス信号による繰り返しの磁力の
発生で付勢手段の付勢力に抗して軸心方向に向けて往復
動し、流体吸入口から吸入した流体を流体吐出口から吐
出するように構成され、流体吐出口の部位には流体の逆
流を規制する吐出弁が設けられてなる電磁ポンプにおい
て、吐出弁は弁座と弁体とこの弁体を弁座に向けて付勢
する付勢手段とから成り、弁座をすり鉢形状とし、弁体
のシール面を凸状球面とし、弁体の側面に該弁体の流路
下流側からシール面直前に至る泡抜き用溝を形成したも
のである。
【0016】上記構成の電磁ポンプにおいては、すり鉢
状の弁座と凸状球面の弁体により弁体のぶれをなくし、
開弁圧を安定させ、閉止時の衝撃音を和らげることがで
きる。また、逆さ取付けしたとしても、流体の流れ方向
に対して弁座と弁体が傾斜した斜面を有するため、気泡
の滞留部が無くなり、逆さ取付け時の泡抜けが良くな
り、さらに、吐出弁体に設けた泡抜き用溝により、吐出
弁コイルばねのコイル内部からの泡抜けが効率的に行わ
れる。これらのため、逆さ取付け時において、電磁ポン
プ内の泡が速やかに排出され、気泡に起因する騒音発生
を抑えることができる。
【0017】請求項2の発明は、請求項1記載の電磁ポ
ンプを備え、燃料タンクから燃料を汲出して燃焼機器に
供給する燃料供給装置において、電磁ポンプは燃焼機器
の筐体に取付ベースを介して流体吸入口側を上方に、流
体吐出口側を下方にした逆さ取付けとされているもので
ある。この構成の燃料供給装置においては、電磁ポンプ
を逆さにして取付ベースに取付けたため、取付ベースと
電磁ポンプ間の配管をなくし、簡単な構成とすることが
できる。
【0018】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、電磁ポンプは取付ベースに対して鉛直方向の振動を
吸収する弾性体を介して取付けられると共に、該電磁ポ
ンプの流体吸入側端が取付ベース又は燃料タンクからの
燃料汲出し用配管流路に対して鉛直方向に移動可能な状
態でシールされているものである。この構成の燃料供給
装置においては、電磁ポンプの振動が取付ベースを介し
て外部に伝わるのを抑えることができる。
【0019】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、電磁ポンプの吸入側配管に内径を絞った配管抵抗部
を設けたものである。この構成の燃料供給装置において
は、燃料の消費に伴う燃料タンク内の液面の変動による
電磁ポンプの負荷の変動を抑えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
電磁ポンプについて、図1乃至図3を参照して説明す
る。図面中の共通する部材には同一符号を付して重複説
明を省略する。電磁ポンプ100は、図1に示されるよ
うに、流路を形成するシリンダ2と、同じく流路を形成
しこのシリンダ2に内装された磁性体であるプランジャ
3と、このプランジャ3に内装された吸入弁4と、シリ
ンダ2の流体吐出口2bの部位に流体の逆流を防ぐ吐出
弁5と、シリンダ2に周設された電磁コイル6とを備
え、さらに、電磁ポンプ100を配管流路に組み込むた
めの接続部材として、シリンダ2の流体吸入口2aの部
位に吸入筒21を、流体吐出口2bの部位に吐出筒22
をそれぞれOリング21aとOリング22aによりシー
ルした状態で備えて構成されている。この電磁ポンプ1
は、上方から下方に向けて矢印FLの方向に流体を輸送
するために用いられる。
【0021】上記プランジャ3は、外形寸法がシリンダ
2の内径寸法より若干小さめに寸法設定されている。ま
た、ともに圧縮状態でプランジャ3の上下を押圧してシ
リンダ2内に内装された2つのプランジャコイルばね3
a、3bが、プランジャ3をシリンダ2内において釣合
位置に保持している。これによって、プランジャ3は、
シリンダ2内で円滑に上下動し得るとともに、負荷に応
じて行程長が変化する、いわゆるフリーピストンの機能
を有するものになっている。
【0022】次に、上記吸入弁4について説明する。前
記吸入弁座40は、プランジャ3の略上半分の軸心位置
に上下方向に延びるように設けられた平面断面視で円形
の凹部端に内装されている。この吸入弁座40には吸入
弁コイルばね42により付勢された球形の吸入弁体41
が押接されている。上記球形の吸入弁体41は、液体燃
料を流通させ得るように前記円形の凹部の内径寸法より
若干小さい径寸法を有している。
【0023】上記吐出弁5の吐出弁座50は、Oリング
22aによりシリンダ2と吐出筒22の接続部に固定さ
れいる。また、この吐出弁座50のシール面は、すり鉢
状の形状を有している。このシール面に対向する吐出弁
体51は、吐出弁座50に向う凸状となる球面形状を有
しており、そのシール面Sは、吐出弁コイルばね52に
より吐出弁座50の前記シール面S斜面に押接されてい
る。
【0024】次に、図1に示される上記電磁コイル6の
コイル62は、所定の線材を円筒状の非磁性体からなる
コイルボビン61に巻き付けて形成されている。かかる
コイルボビン61は、シリンダ2との間に環状間隙を有
しており、この環状隙間には、上部から円筒状の下部磁
性体64、下部から円筒状の上部磁性体65が嵌め込ま
れ、各磁性体64,65には、側面視でコ字状をした磁
性材料からなるヨーク63が外嵌されている。このヨー
ク63は、外部磁路を形成するとともに電磁ポンプ10
0の構成材としての役割を担っている。
【0025】このように構成された電磁ポンプ100に
おいて、電磁コイル6に駆動パルス電流が供給される
と、磁性体64,65間に磁界が形成されて、プランジ
ャ3が上下運動を繰り返す。プランジャ3が下降すると
き、吸入弁4の上流側が下流側よりも低圧となって図示
しない燃料タンクからこの下降した空間に燃料が吸入さ
れると共に、吸入弁4の下部空間にあった燃料は下方向
に送り出される。次に、プランジャが上昇するとき、適
切に調整された吸入弁ばね42が燃料流体の抵抗により
圧縮されて吸入弁体41が開状態となり、吸入弁4の上
部空間にあった燃料が下部空間に取り込まれる。このよ
うにして連続的に燃料タンクからの燃料汲出しと燃焼機
器への送出が行われる。
【0026】次に、吐出弁5の詳細を説明する。図2に
示すように、吐出弁体51は、弁体の側面に弁体の流路
下流側からシール面Sの直前に至る泡抜き用溝Gを2方
向に設けている。吐出弁5が閉の状態を図3(a)に、
開の状態を(b)に示す。燃料流体中の気泡は、配管が
空状態のときに充満していた空気、もともと燃料中にと
け込んでいた気泡、稼働部分の表面から発生した気泡な
どが大きな気泡に成長したものであり、その発生状況は
燃料の状態、ポンプや配管系の使用状態などに依存する
ものである。このような気泡に対し、弁体51の取付け
状態において、泡抜き用溝Gがあるため、吐出弁コイル
ばね52と吐出弁体51の接触部は一周しておらず、吐
出弁5が開状態において、矢印FBで示すように、吐出
弁体51の下流側から吐出コイルばね52の内部と泡抜
き用溝Gを通り、上流側に向かって気泡が滞留すること
なく排出される。さらに、すり鉢状のシール面をもった
吐出弁座50の斜面、及び上方に凸状球面のシール面を
もった吐出弁体51の表面には気泡が滞留する部分がな
く、気泡は浮力により矢印FBで示す経路のごとく上方
に排出される。
【0027】このため、図1の電磁ポンプ100は、逆
さ取付け状態(図1の状態での取付け)においても、騒
音の発生の原因となる気泡が効率よく排出されるため、
騒音の問題が解消される。このことを実証するため、電
磁ポンプ単体の動作試験を行い、騒音の測定を行った結
果を図13(a)に示す。図13は、前述したように、
プランジャ3が往復動作を2回する間の騒音の時間変化
を示したものである。本発明の電磁ポンプを逆さ取付け
した場合の結果である図13(a)−2は、正立取付け
の場合の結果である図13(a)−1に対し、騒音強度
が同等であることを示している。
【0028】次に、本発明の一実施形態に係る燃料供給
装置について、図4乃至図7を参照して説明する。燃料
供給装置200は、図4に示すように、上記本発明の電
磁ポンプ100を用いてカートリッジ式の燃料タンク7
から燃料FUを汲み出して、燃焼機器に供給する装置で
ある。燃料タンク7は、前述した従来装置のものと同等
のものであり、上方に給油口71、把手73、燃料汲出
し部72があり、常に正立状態で使用するものである。
このためタンク内部に吸入配管74を有し、この配管は
タンク上方の汲出し部72の配管に接続される。この燃
料タンク7が、燃料供給装置200に載置されると、燃
焼機器の筐体80に設けられた取付ベース81との嵌合
部81aにおいてOリングによりシールされて燃料供給
装置200の配管系に接続される。電磁ポンプ100
は、後述するように、取付ベース81の下部に配管を介
さずに逆さ取付けされている。吐出側は吐出配管82に
接続されて、燃料タンク7の燃料FUを矢印FL方向に
送出し、燃料FUを燃焼機器へと供給する。
【0029】上記における電磁ポンプ100の逆さ取付
部の詳細は、図5(a)に示すように、取付ベース81
に設けられた凹部83に電磁ポンプ100の吸入筒21
を挿入してOリング21bでシールして流路を接続する
ようになっている。この嵌合部は、凹部83と吸入筒2
1が側壁部で接触せずに、また、電磁ポンプ100の稼
働時において電磁ポンプ100が上下に移動しても、シ
ールが保持され、上下面で接触しない状態で構成されて
いる。また、その固定方法は、固定用治具として樹脂製
のサーキットボードスペーサ(弾性体)9を用い、電磁
ポンプ100のヨーク延伸部63aと取付ベース81の
張り出し部の間に間隙を設け、電磁ポンプ100が取付
ベース81と接触しない構成になっている。サーキット
ボードスペーサ9は、図5(b)に示すように、X−X
断面部分とZ−Z断面部分の弾力構造により、電磁ポン
プ100の前後及び左右の振動を吸収する構造になって
いる。なお、この固定用治具は樹脂製のサーキットボー
ドスペーサに限らず、弾性をもった構造または材料で所
定の強度を有するものであればよい。以上のように電磁
ポンプ100の構成部材が取付ベース81に接触しない
状態で逆さ取付けされることにより、電磁ポンプ100
の振動が、取付ベース80に伝わるのを抑制でき、騒音
の発生を抑えた燃料供給装置とすることができる。
【0030】また、電磁ポンプ100の逆さ取付けの他
の例を、図6に示す。固定治具としてゴムブッシュ(弾
性体)10を用いている他は上記と同じである。
【0031】次に、本発明の一実施形態に係る燃料供給
装置の他の例を図7に示す。燃料タンク7内に設けられ
た吸入配管74は、その所定の部分について内径を絞っ
た細管領域を設け、配管抵抗部Rを有している。上方汲
出し型の燃料タンク7では、燃料の消費とともに油面が
下がってポンプの吸入揚程が大きくなり、電磁ポンプ1
00の流量が減少する。電磁ポンプ100の吸入側配管
を構成している吸入配管74に、揚程変動に比べて大き
な配管抵抗を予め付加して、流量変動の対策を実現する
ものである。この予め付加する配管抵抗としては、吸入
側配管のいずれかの部分にオリフィスを設けたものでも
よい。ただし、ごみ詰まりや加工精度の点で、一カ所で
細孔とするオリフィスよりも、長距離に亘って内径を少
しだけ絞った細管の方が好適である。
【0032】なお、本発明は、上記構成に限られること
なく種々の変形が可能である。例えば、吐出弁体の泡抜
き用溝Gは左右に2カ所の構成を示したが、最低1カ所
でもよく、また、2カ所以上でもよい。また、燃料タン
ク7と取付ベース80との接続部のシール構成は、Oリ
ングによるだけでなく平パッキンなど他の形状のパッキ
ンでもよい。また、騒音を抑えるために吐出側配管を防
音材で囲ったものとしてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
すり鉢状の弁座と凸状球面のシール面を持つ弁体により
弁体のぶれをなくし、開弁圧を安定させ、閉止時の衝撃
音を和らげることができる。また、この電磁ポンプを逆
さ取付けしたとしても、流体の流れ方向に対して弁座と
弁体が傾斜した斜面を有するため、気泡の滞留部が無く
なり、逆さ取付け時の泡抜けが良くなる。また、吐出弁
体に設けた泡抜き用溝により、逆さ取付け状態におい
て、吐出弁コイルばねのコイル内部からの泡抜けが効率
的に行われる。これらのため、逆さ取付け状態としたと
しても、電磁ポンプ内の泡が速やかに排出され、気泡に
起因する騒音発生を抑えることができる。この結果、こ
の電磁ポンプは、正立取付けでも逆さ取付けでも使用可
能な汎用性の高いものとなる。
【0034】また、請求項2の発明によれば、流体吸入
口側を上方に、流体吐出口側を下方とした逆さ取付け状
態で電磁ポンプを取付ベースに直接取付けたため、取付
ベースと電磁ポンプ間の配管をなくし、配管を簡略化し
て簡単な構成とすることができる。そのときにおいて
も、電磁ポンプ内の泡が速やかに排出され、気泡に起因
する騒音発生を抑えた燃料供給装置とすることができ
る。
【0035】また、請求項3の発明によれば、防振構造
のポンプ取付構造としたため、電磁ポンプの振動が取付
ベースを介して外部に伝わるのを抑えることができ、騒
音の小さな燃料供給装置とすることができる。
【0036】また、請求項4の発明によれば、燃料の消
費に伴う燃料タンク内の液面位変動による電磁ポンプの
吸入揚程変動を抑えることができるため、安定した燃料
供給ができ、燃焼機器において安定した燃焼が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による電磁ポンプの断面
図。
【図2】 (a)は同ポンプの吐出弁体を示すI−I断
面図、(b)は同平面図、(c)はII−II断面図、
(d)は同側面図。
【図3】 (a)は同ポンプに上記吐出弁体を適用した
閉止状態の吐出弁部の部分断面図、(b)は同前の弁が
開状態の気泡の動きを説明する吐出弁部の部分断面図。
【図4】 本発明の一実施形態による燃料供給装置の断
面図。
【図5】 (a)は同上装置における電磁ポンプ取付部
の断面図、(b)は前記取付に使うスペーサの断面詳細
図。
【図6】 同上装置における他の方法による電磁ポンプ
取付部の断面図。
【図7】 同上装置の他の例を示す断面図。
【図8】 従来の電磁ポンプの断面図。
【図9】 従来の燃料供給装置の断面図。
【図10】 従来の燃料供給装置の断面図。
【図11】 同上装置における電磁ポンプ取付部の断面
図。
【図12】 (a)は同上装置の電磁ポンプの閉止状態
における吐出弁部の部分断面図、(b)は同前の開状態
における吐出弁部の部分断面図。
【図13】 (a)は本発明の一実施形態による電磁ポ
ンプの騒音の時間変化図、(b)は従来の電磁ポンプの
騒音の時間変化図。
【符号の説明】
100、101 電磁ポンプ 2 シリンダ 2a 流体吸入口 2b 流体吐出口 200,201 燃料供給装置 3 プランジャ 3a、3b プランジャばね(付勢手段) 4 吸入弁 5、105 吐出弁 50,150 吐出弁座 51,151 吐出弁体 52,152 吐出弁ばね(付勢手段) 6 電磁コイル 7 燃料タンク 80 燃焼機器の筐体 81 取付ベース 9、10 弾性体 S シール面 G 泡抜き用溝 R 配管抵抗部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04B 21/02 A (72)発明者 川西 惠治 大阪府八尾市北亀井町2丁目7番15号 シ ルバー株式会社内 Fターム(参考) 3H069 AA06 BB02 CC04 DD31 DD41 DD46 EE05 EE11 3H071 AA07 BB01 CC21 CC24 CC33 CC36 DD13 DD32 DD72 3K068 AA15 AB14 BB01 BB14 BB16 CA05 CA16 CB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路を形成すると共に上流部に流体吸入
    口を、下流部に流体吐出口を有するシリンダにプランジ
    ャが内装され、このプランジャは、電磁コイルに供給さ
    れる駆動パルス電流による繰り返しの磁力の発生で付勢
    手段の付勢力に抗して軸心方向に向けて往復動し、前記
    流体吸入口から吸入した流体を前記流体吐出口から吐出
    するように構成され、前記流体吐出口の部位には流体の
    逆流を規制する吐出弁が設けられてなる電磁ポンプにお
    いて、 前記吐出弁は弁座と弁体とこの弁体を前記弁座に向けて
    付勢する付勢手段とから成り、 前記弁座をすり鉢形状とし、前記弁体のシール面を凸状
    球面とし、前記弁体の側面に該弁体の流路下流側から前
    記シール面直前に至る泡抜き用溝を形成したことを特徴
    とする電磁ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁ポンプを備え、燃料
    タンクから燃料を汲出して燃焼機器に供給する燃料供給
    装置において、 前記電磁ポンプは燃焼機器の筐体に取付ベースを介して
    流体吸入口側を上方に、流体吐出口側を下方にした逆さ
    取付けとされていることを特徴とする燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁ポンプは前記取付ベースに対し
    て鉛直方向の振動を吸収する弾性体を介して取付けられ
    ると共に、該電磁ポンプの流体吸入側端が前記取付ベー
    ス又は燃料タンクからの燃料汲出し用配管流路に対して
    鉛直方向に移動可能な状態でシールされていることを特
    徴とする請求項2記載の燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 前記電磁ポンプの吸入側配管に内径を絞
    った配管抵抗部を設けたことを特徴とする請求項2記載
    の燃料供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100886204B1 (ko) 2005-07-08 2009-02-27 대양메카텍주식회사 솔레노이드 압력펌프
WO2012132668A1 (ja) * 2011-03-25 2012-10-04 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電磁ポンプ
CN102032142B (zh) * 2009-09-30 2013-04-03 王嘉 气泵用排气泄压装置
JP2016072055A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 アイシン精機株式会社 燃料電池システム

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