JP2003226717A - ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法 - Google Patents

ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体を経済的に効率良く提供する。 【解決手段】 下記一般式(1): CH=CRCOO−R−O−CH=CH−R (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R
有機残基を表し、Rは水素原子または有機残基を表
す。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル類を含む単量体組成物[組成物(A)]の
少なくとも一部、および/または、ラジカル重合開始剤
組成物[組成物(B)]の少なくとも一部を反応系に添
加することによりビニルエーテル基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ビニルエーテル基
含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法に
関するものである。さらに詳しくは、ゲル化することな
くビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系
重合体を製造する方法に関するものである。 【0002】本発明により得られるビニルエーテル基含
有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、医農薬原
料、合成中間体、架橋剤、粉体塗料用樹脂、さらに重合
性材料として広範囲に用いられる有用な化合物である。 【0003】 【従来の技術】ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル
酸エステル系重合体の製造方法としては、ビニルエーテ
ル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の(メタ)アク
リロイル基を選択的にラジカルまたはアニオン重合する
方法が知られている。しかしながら、アニオン重合はわ
ずかな水分の影響をうける等の理由により工業的に有利
でない。また、ラジカル重合の場合、(メタ)アクリロ
イル基のみならずビニルエーテル基までも重合し、架橋
したゲル状重合体が生成する可能性がある。 【0004】このような架橋反応を抑制した重合方法と
して、特開平6−100628号公報に低い単量体濃度
での重合方法が開示されている。また、特開平6−25
6426号公報にラジカル連鎖移動剤の存在下での重合
方法が開示されている。 【0005】しかしながら上記従来の方法は、用いる溶
媒の量が多く効率が悪い、ラジカル連鎖移動剤が高価で
ある、ラジカル連鎖移動剤が生成ポリマーの物性に影響
を与えるといった問題点を有している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のごとき
状況に鑑みてなされたものであり、ビニルエーテル基含
有(メタ)アクリル酸エステル系重合体をビニルエーテ
ル基の架橋によりゲル化することなく経済的に効率良く
提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本願発明者らは、ビニル
エーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体を
ビニルエーテル基の架橋によりゲル化することなく経済
的に効率良く製造する方法を提供するため、鋭意検討を
重ねた結果、組成物(A)の少なくとも一部、および/
または、組成物(B)の少なくとも一部を反応系に添加
することによって、ビニルエーテル基含有(メタ)アク
リル酸エステル系重合体を経済的に効率良く製造できる
ことを見い出した。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明にかかる組成物(A)と
は、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル
類を0.1重量%以上含むものであればよく、他の重合
性単量体、溶媒、ラジカル連鎖移動剤などを含んでいて
もよい。 【0009】本発明にかかる組成物(B)とは、ラジカ
ル重合開始剤を0.1重量%以上含むものであればよ
く、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル
類以外の単量体、溶媒、ラジカル連鎖移動剤などを含ん
でいてもよい。 【0010】本発明にかかるビニルエーテル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル類は前記一般式(1)で表され
るものであり、式中のRで示される置換基が水素原子
またはメチル基であり、Rで示される置換基が有機残
基であり、Rで示される置換基が水素原子または有機
残基である。 【0011】前記一般式(1)中のRで示される有機
残基とは、例えば炭素数2〜20の直鎖状、分枝状また
は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合および/
またはエステル結合により酸素原子を有する炭素数2〜
20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていて
もよい芳香族基等が挙げられる。 【0012】これらのうち、炭素数2〜6のアルキレン
基、構造中にエーテル結合により酸素原子を有する炭素
数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。 【0013】前記一般式(1)中のRで示される有機
残基とは、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分枝状また
は環状のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化(例え
ば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、炭素数
6〜11の芳香族基等が挙げられる。これらのうち、炭
素数1〜2のアルキル基が好適に用いられる。 【0014】前記一般式(1)で表されるビニルエーテ
ル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、具体
的には、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、
(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−
ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビ
ニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシ
メチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−
ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸
2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アク
リル酸2−[2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキ
シ]エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシ
プロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−
ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、
(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニ
ルエーテル等が挙げられる。 【0015】本発明にかかるラジカル重合開始剤として
は、具体的には、2,2’−アゾビス−(2−メチルブ
チロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、2.2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸
メチル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,
2’アゾビス−2−メチルバレロニトリル、1,1’−
アゾビス−1−シクロヘプタンニトリル、1,1’−ア
ゾビス−1−フェニルエタン、フェニルアゾトリフェニ
ルメタン等のアゾ系開始剤類;過酸化ベンゾイル、過酸
化アセチル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニ
ル、過酸化ラウロイル、過酢酸tert−ブチル、過安息香
酸tert−ブチル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、te
rt−ブチルペルオキシピバレート、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート等の過酸化物系開始剤類;等が挙げられる。これら
のうち、アゾ系開始剤類が特に好ましい。 【0016】上記ラジカル重合開始剤の使用量は、重合
性単量体の総重量に対して好ましくは0.001重量%
以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ま
しくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量
%以上であり、好ましくは30重量%以下、より好まし
くは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以
下、特に好ましくは10重量%以下である。前記ラジカ
ル重合開始剤の使用量が、収率の点、経済性の点で好ま
しい。 【0017】本発明にかかるビニルエーテル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法において、
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類以
外の重合性単量体を用いてもよい。具体的には、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレー
ト、sec−ブチル(メタ)アクリレート、 プロピル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、2−(アセトアセト
キシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の酸
性官能基含有重合性単量体類;ジビニルベンゼン、酢酸
ビニル、塩化ビニル等のビニル化合物類;ビニルトリク
ロルシラン、ビニルトリエトキシシラン等の珪素含有重
合性単量体類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等の
ハロゲン含有重合性単量体類;(メタ)アクリルアミ
ド、t−ブチルアクリルアミド、 N,N’−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリ
ドン、N−フェニルマレイミド等の窒素原子含有重合性
単量体類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4
−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性重合
性単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート、α−メ
チルグリシジルアクリレート等のエポキシ基含有重合性
単量体類;2−メタクロイルオキシエチルイソシアネー
ト、メタクロイルイソシアネート、m−イソプロペニル
−α、αジメチルベンジルイソシアネート等のイソシア
ネート基含有重合性単量体類;4−(メタ)アクリロイ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン等の紫外線安定性重合性単量体
類;等の重合性単量体が挙げられる。これらの重合性単
量体は、単独でも2種類以上を組み合わせてもよい。 【0018】重合性単量体総量に対するビニルエーテル
基含有(メタ)アクリル酸エステル類の含有割合は、下
限値は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重
量%以上、特に好ましくは5重量%以上であり、上限値
は、好ましくは100重量%以下、より好ましくは80
重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。前
記含有割合が、反応効率の面、物性の面で好ましい。 【0019】本発明にかかるビニルエーテル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法において、
溶媒を使用することがゲル化を防止するうえで好まし
い。好ましい溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ
ステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系溶媒;イソプロピルアルコール、n
−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒;エチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキ
ルエーテル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル系溶媒;等の有機溶媒や水が挙げ
られる。 【0020】上記有機溶媒や水の使用量は、重合性単量
体の総重量が(溶媒+重合性単量体)の総和に対して、
好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%
以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましく
は80重量%以下になるように供給すればよい。 【0021】本発明によって製造されるビニルエーテル
基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重合度は、
数平均分子量が、下限値は、好ましくは1,000以
上、より好ましくは2,000以上、特に好ましくは
3,000以上であり、上限値は、好ましくは20,0
00,000以下、より好ましくは10,000,00
0以下、特に好ましくは5,000,000以下であ
る。 【0022】添加とは、反応開始後(加温を始めた時
点)以降に、組成物(A)及び/又は、組成物(B)を
加えることを指す。 【0023】組成物(A)、および/または、組成物
(B)を反応系に添加する方法としては、(a)反応系
中に全量を添加する方法、(b)一部を反応系中にあら
かじめ仕込み、残りを反応系中に添加する方法があげら
れる。 【0024】組成物(A)と組成物(B)の両方を反応
系に添加する場合は、別々に添加してもよいし、あらか
じめ混合して添加してもよい。 【0025】組成物(A)の少なくとも一部、および/
または、組成物(B)の少なくとも一部を反応系に添加
する時間としては、全反応時間に対して好ましくは5%
以上、より好ましくは10%以上、特に好ましくは20
%以上であり、連続的に添加してもよいし、間欠的に添
加してもよい。 【0026】重合させる際の反応温度は、好ましくは0
℃以上、より好ましくは20℃以上、特に好ましくは4
0℃以上であり、好ましくは150℃以下、より好まし
くは125℃以下、特に好ましくは100℃以下であ
る。 【0027】本発明にかかるビニルエーテル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法において、
反応溶液中および滴下溶液中の溶存酸素濃度を20pp
m以下にすることがゲル化防止の面で好ましい。 【0028】反応溶液中および滴下溶液中の溶存酸素濃
度は、好ましくは20ppm以下であり、より好ましく
は10ppm以下であり、さらに好ましくは5ppm以
下であり、特に好ましくは3ppm以下である。 【0029】溶存酸素濃度を20ppm以下にする方法
としては、窒素などの不活性ガスを十分にバブリングす
る方法、減圧と不活性ガス置換を十分に繰り返す方法、
不活性ガスによる加圧と開圧を十分に繰り返す方法等が
挙げられる。これらの方法は、単独で実施してもよい
し、組み合わせて実施してもよい。 【0030】本発明にしたがって製造されたビニルエー
テル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、反
応溶液を精製することによって得ることができる。上記
精製手段としては、製造されたビニルエーテル基含有
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の貧溶媒に再沈殿
し、ろ過後減圧乾燥させる方法、未反応の単量体や溶媒
を蒸発させる方法およびGPC分取による方法等が挙げ
られる。これらの方法は組み合わせて実施してもよい。 【0031】 【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。 【0032】溶存酸素濃度は、溶存酸素計(セントラル
科学株式会社製 UC−12−SOL型)を用いて測定
した。ゲル化の有無はテトラヒドロフラン(THF)1
00重量部に対して、重合体0.1重量部を加えて、3
0℃で混合し、不溶分の有無で判断する。 【0033】実施例1(反応系に組成物(A)を添加す
ることによるビニルエーテル基含有メタクリル酸エステ
ル系重合体の製造方法) 攪拌装置、温度計、冷却装置、滴下装置および窒素ガス
導入管を取付けた四つ口フラスコに2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル(以下、「AIBN」と呼ぶ)
1.1g、ベンゼン 44.0gを仕込み、攪拌しなが
ら窒素ガスを十分にバブリングした(溶存酸素濃度
4.0ppm)。60℃まで昇温し、温度が一定になっ
た後、窒素ガスを十分にバブリングしたメタクリル酸2
−(ビニロキシエトキシ)エチル(以下、「VEEM」
と呼ぶ)4.0g、メタクリル酸メチル(以下、「MM
A」と呼ぶ) 18.2g、ベンゼン 22.0gの混合
溶液(溶存酸素濃度 3.2ppm)を5時間かけて滴
下した。その後さらに同温で3時間攪拌し重合体を得
た。これをヘキサン1Lを用いて再沈殿し、ろ過後減圧
乾燥することにより精製した。得られた重合体の収量は
21.4gであった。得られた重合体はTHFに完全に
溶解した。 【0034】また、得られた重合体をHLC−8120
型ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株
式会社製、溶離液 テトラヒドロフラン;以下「GP
C」と呼ぶ)および 400MHz UNITY−PLU
S型核磁気共鳴装置(バリアン社製、溶媒 重クロロホ
ルム;以下「NMR」と呼ぶ)により分析した結果、数
平均分子量(GPCより算出、ポリスチレン換算)は4
800、共重合体組成比(重合体のNMRより算出)は
VEEM/MMA=9.4/90.6(mol%)であっ
た。 【0035】実施例2(反応系に組成物(B)を添加す
ることによるビニルエーテル基含有メタクリル酸エステ
ル系重合体の製造方法) 実施例1と同様の装置に、VEEM 4.0g、MMA
18.0g、AIBN0.45g、ベンゼン31.8g
を仕込み、窒素ガスを十分にバブリングした(溶存酸素
濃度 3.0ppm)。60℃まで昇温し、温度が一定
になった後、窒素ガスを十分にバブリングしたAIBN
1.8g、ベンゼン 34.2gの混合溶液(溶存酸素
濃度 1.8ppm)を6時間かけて滴下した。その
後、同温で2時間攪拌し重合体を得た。これをヘキサン
1Lを用いて再沈殿し、ろ過後減圧乾燥することにより
精製した。得られた重合体の収量は20.8gであっ
た。得られた重合体はTHFに完全に溶解した。 【0036】また、得られた重合体をGPCおよびNM
Rで分析した結果、数平均分子量は4500、共重合体
組成比はVEEM/MMA=9.7/90.3(mol
%)であった。 【0037】実施例3(反応系に組成物(A)および組
成物(B)を添加することによるビニルエーテル基含有
メタクリル酸エステル系重合体の製造方法) 実施例1と同様の装置に、AIBN 1.1g、ベンゼ
ン 32.5gを仕込み、窒素ガスを十分にバブリング
した(溶存酸素濃度 3.0ppm)。60℃まで昇温
し、温度が一定になった後、十分に窒素ガスをバブリン
グしたVEEM 4.0g、MMA 18.2g、ベンゼ
ン 11.5gの混合溶液(溶存酸素濃度2.5pp
m)、および、十分に窒素ガスをバブリングしたAIB
N 1.1g、ベンゼン 22.0gの混合溶液(溶存酸
素濃度 2.1ppm)を6時間かけて滴下した。その
後、同温で2時間攪拌し重合体を得た。これをヘキサン
1Lを用いて再沈殿し、ろ過後減圧乾燥することにより
精製した。得られた共重合体の収量は17.8gであっ
た。得られた重合体はTHFに完全に溶解した。 【0038】また、得られた共重合体をGPCおよび
NMRにより分析した結果、数平均分子量は4300、
共重合体組成比はVEEM/MMA=9.3/90.7
(mol%)であった。 【0039】実施例4(反応系に組成物(A)を添加す
ることによるビニルエーテル基含有アクリル酸エステル
系重合体の製造方法) 実施例1と同様の装置にAIBN 2.2g、ベンゼン
43.1gを仕込み、攪拌しながら窒素ガスを十分にバ
ブリングした(溶存酸素濃度 3.5ppm)。60℃
まで昇温し、温度が一定になった後、窒素ガスを十分に
バブリングしたアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)
エチル(以下、「VEEA」と呼ぶ)3.7g、アクリ
ル酸エチル(以下、「EA」と呼ぶ) 18.0g、ベ
ンゼン 22.0gの混合溶液(溶存酸素濃度 2.2p
pm)を5時間かけて滴下した。その後さらに同温で3
時間攪拌し重合体を得た。これをヘキサン1Lを用いて
再沈殿し、ろ過後減圧乾燥することにより精製した。得
られた重合体の収量は18.5gであった。得られた重
合体はTHFに完全に溶解した。 【0040】また、得られた重合体をGPCおよびNM
Rにより分析した結果、数平均分子量は4200、共重
合体組成比はVEEA/EA=9.2/90.8(mol
%)であった。 【0041】比較例1(一括仕込みによるビニルエーテ
ル基含有メタクリル酸エステル系重合体の製造方法) 実施例1と同様の装置に、VEEM 4.0g、MMA
18.0g、AIBN2.2g、ベンゼン 66.0 g
を仕込み、窒素ガスを十分にバブリングした(溶存酸素
濃度 3.8ppm)。60℃まで昇温し温度が一定に
なった後、同温で7時間攪拌すると、ゲル状重合体が生
成した。このゲル状重合体はテトラヒドロフランおよび
クロロホルムに溶解しなかった。 【0042】 【発明の効果】本発明に従えば、ビニルエーテル基含有
(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造するにあた
り、ゲル化を回避し、経済的に効率良く製造できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル
    酸エステル系重合体の製造方法であって、下記一般式
    (1): CH=CRCOO−R−O−CH=CH−R (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R
    有機残基を表し、Rは水素原子または有機残基を表
    す。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリ
    ル酸エステル類を含む単量体組成物[組成物(A)]の
    少なくとも一部、および/または、ラジカル重合開始剤
    組成物[組成物(B)]の少なくとも一部を反応系に添
    加することを特徴とするビニルエーテル基含有(メタ)ア
    クリル酸エステル系重合体の製造方法。
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JP2004037726A (ja) * 2002-07-02 2004-02-05 Nippon Shokubai Co Ltd 画像形成用感光性樹脂組成物
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