JP2003226714A - ポリビニルアセタール樹脂の製法 - Google Patents
ポリビニルアセタール樹脂の製法Info
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Abstract
セタール樹脂、及び、その製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコールとアルデヒドと酸
触媒を密閉反応器内に連続的に供給してアセタール化反
応を進行させ、生成したポリビニルアセタールのアセタ
ール化度が少なくとも10モル%に達した後に、該密閉
反応器内から反応物を連続的に排出する工程を有するポ
リビニルアセタール樹脂の製造方法であり、比表面積が
1.50〜3.50m2/gであるポリビニルアセター
ル樹脂を含有する粉粒体である。
Description
ール樹脂の製造方法、及び比表面積が大きいポリビニル
アセタール樹脂に関する。さらに詳しくは、密閉容器内
に連続的に原料を供給し、所定のアセタール化度に到達
した反応物を、連続的に排出する工程を有することを特
徴とするポリビニルアセタール樹脂の製造方法、及び洗
浄性に優れ、不純物含有量が少ない比表面積が大きいポ
リビニルアセタール樹脂に関する。
ろいろな塗料、接着剤、バインダー、及び成形体等に用
いられている。従来、ポリビニルアセタール樹脂は、水
溶液中のポリビニルアルコールとアルデヒドを酸触媒の
存在下で反応させ、生成するポリビニルアセタールの樹
脂スラリーをアルカリで中和し、脱水、洗浄した後に乾
燥して粉粒状の形態として製造する方法が一般的であ
る。さらに、水溶液中のポリビニルアルコールとアルデ
ヒドを、酸触媒の存在下、一工程で所望する最終アセタ
ール化度まで反応させ、得られた樹脂スラリーをアルカ
リで中和し、脱水、洗浄した後に乾燥して粉粒状の形態
として製造される方法が一般的である。
どのアルカリ中和剤は酸触媒と反応して金属塩が生成す
る。この金属塩や、未反応のアルカリ中和剤及び未反応
の酸触媒(以下、金属成分と称する)は、ポリビニルア
セタール樹脂の粒子中に取り込まれたり、樹脂粒子表面
に付着する。こうした金属成分は水洗を繰り返すことに
より、ある程度除去できるが、通常、樹脂粒子中に取り
込まれた金属成分を完全に除去することは困難である。
例えばアルカリ金属は、ポリビニルアセタール樹脂の特
性、例えば、透明性、耐湿性、電気絶縁性などを損なわ
せ、特に、透明性や耐湿性が高度に要求される成形体
や、電気絶縁性が要求される電子材料用接着剤用途で品
質上問題となり改善が要求されている。
湿性、電気絶縁性などの品質問題を解決するために、反
応処方や製造方法の観点から種々の提案がなされてき
た。例えば、所定のアセタール化度に到達した時点でア
ルキレンオキサイドを添加し、残存酸触媒と反応させて
アセタール化反応を停止する方法(特開平4−5540
4)、高撹拌混合下でアセタール化反応、析出を行う方
法(特開平11−349629)、ループ状反応器を用
いる方法(特開平5−59117など)、平滑表面を有
する反応器を用いる方法(特開平4−275310)、
耐腐食性材料からなる反応器を用いる方法(特開平5−
140216)、反応物スラリーを超音波振動させなが
ら中和する方法(特開平5−97919)、反応物スラ
リーを粉粒状に析出させて電気透析により精製する方法
(特開平12−38456)などがある。
ら公知の方法や、上記の種々提案されている方法で合成
したポリビニルブチラール樹脂は、まだ樹脂中の金属成
分の洗浄除去性は十分とは言えず、金属成分の洗浄除去
性が優れた新たなポリビニルアセタール樹脂、及び、そ
の製造方法の開発が望まれていた。本発明は、かかる市
場の要求に応えるべく鋭意研究開発を行った結果、樹脂
中に残存する金属成分の洗浄除去性が、特に優れたポリ
ビニルアセタール樹脂を製造する方法を見出し、かつ、
特定の比表面積を有するポリビニルアセタール樹脂粉粒
体が、このような特徴を有することを見出し、本発明を
完成するに至った。
ルコールとアルデヒドと酸触媒を密閉反応器内に連続的
に供給してアセタール化反応を進行させ、生成したポリ
ビニルアセタールのアセタール化度が少なくとも10モ
ル%に達した後に、該密閉反応器内から反応物を連続的
に排出する工程を有することを特徴とするポリビニルア
セタール樹脂の製造方法であり、密閉反応器内から連続
的に排出した反応物を、別の反応器内でさらに熟成反応
させ、ポリビニルアセタールのアセタール化度が少なく
とも60モル%に達した後に、このポリビニルアセター
ルを中和、水洗、脱水、乾燥する工程を有することを特
徴とするポリビニルアセタール樹脂の製造方法であり、
密閉反応器内の反応温度が20〜50℃の範囲であるポ
リビニルアセタール樹脂の製造方法であり、比表面積が
1.50〜3.50m2/gであるポリビニルアセター
ル樹脂を含有する粉粒体であり、嵩密度が0.12〜
0.19g/cm3であるポリビニルアセタール樹脂の
粉粒体であり、平均粒径が0.5〜2.5μmであるポ
リビニルアセタール樹脂の粉粒体であり、金属含有率が
1〜80ppmの範囲であるポリビニルアセタール樹脂
の粉粒体であり、可塑剤とポリビニルアセタール樹脂を
含有する組成物の粉粒体であることを特徴としている。
使用する原料のポリビニルアルコールとしては、平均重
合度200〜4000、ケン化度が80%以上のものを
用いる。また、本発明において、ポリビニルアルコール
は、密閉反応器に連続的に供給するために3〜15重量
%の水溶液として使用する。
ヒドとしては、通常のポリビニルアセタール樹脂の合成
に用いられる原料であるアルデヒドを用いることがで
き、一例を示せば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、t
ert−ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシ
ルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒドなどの脂
肪族アルデヒド類、シクロヘキシルアルデヒド、フルフ
ラールなどの脂環族アルデヒド類、ベンズアルデヒド、
アルキル置換ベンズアルデヒド、ハロゲン置換ベンズア
ルデヒド、フェニル置換アルキルアルデヒドなどの芳香
族アルデヒド類などがある。これらの中で、アセトアル
デヒド、ブチルアルデヒドが好ましく用いられる。これ
らのアルデヒドは単独で用いてもよく、二種以上併用し
てもよい。
ば、塩酸、リン酸、硫酸、クエン酸、パラトルエンスル
ホン酸などを、一種で、あるいは、二種以上混合して用
いる。これらの酸触媒は、一般に反応液のpHが0.3
〜2.0となるように適量添加する。
はポリビニルアルコールとアルデヒドと酸触媒を密閉反
応器内に連続的に供給してアセタール化反応を進行さ
せ、アセタール化度が少なくとも10%に達した後に該
反応物を連続的に排出し、次に別の反応器内で熟成反応
させた後に、中和、水洗、脱水、乾燥することによって
製造できる。
ヒド、酸触媒の反応方法に特徴がある。すなわち、原料
供給口の付いた密閉反応器内に、ポリビニルアルコー
ル、アルデヒド、酸触媒の三原料を供給し、反応開始
後、アセタール化度が少なくとも10モル%に達した後
に、反応器内から反応液を連続的に排出させることを特
徴としている。すなわち、このように、反応液を反応系
内から連続的に排出することにより、反応生成物(以
下、反応物と言い換える)が際だった多孔性を有するも
のとなる。その後、さらに反応液を、熟成用反応器に移
し、そこで反応を完結させることにより、従来にはない
多孔性を有する、金属成分の洗浄除去性に優れたポリビ
ニルアセタール樹脂を得ることができる。
三種類を別々の供給口から供給する方法、ポリビニ
ルアルコールと酸触媒を予め混合し、ポリビニルアルコ
ールと酸触媒の混合液と、アルデヒドとを別々に供給口
から供給する方法、ポリビニルアルコールとアルデヒ
ドを予め混合し、ポリビニルアルコールとアルデヒドの
混合液と、酸触媒とを別々に供給口から供給する方法な
どが採用できる。これらのうち、反応制御の観点から、
、が好ましい。
う。この際、反応物が反応器排出口付近や排出配管など
に、局所的あるいはマクロ的に停滞しない様、配管部と
反応器の溶接部や配管内壁は平滑な表面仕上げを実施し
たものを使用することが好ましい。さらに具体的には、
反応器上部から原料を導入し、反応器下部から連続的に
排出する方法、反応器上部から挿入管を用いて反応器の
下部下層部に原料を供給し、反応器上部から連続的に排
出する方法、反応器下部から原料を供給し、反応器上部
から連続的に排出する方法などが好ましい方法である。
また、予め、反応器内に水を満たしておき、次に、原料
を供給する方法は、反応器内へのエアー溜まりを防ぐ方
法として有効である。
せる観点から、撹拌機構の付いた公知の槽状反応器、あ
るいは管型反応器が好ましい。撹拌条件としては、十分
な混合撹拌を発現させる観点から、単位体積当たりの撹
拌動力が0.4kW/m3以上となるように実施するこ
とが好ましい。
撹拌翼は、公知のものが使用できる。一例を挙げれば、
三枚後退翼、パドル翼、アンカー翼、マックスブレンド
翼、フルゾーン翼などがある。混合を十分に達成させる
観点からは、マックスブレンド翼、フルゾーン翼などの
いわゆる大型翼を使用することが好ましい。
0〜90℃の範囲に設定される。しかしながら、通常ア
セタール化反応は、この中温付近(20〜50℃)で行
われることは一般的ではなく、むしろ、洗浄性に優れた
樹脂を得るために、10℃以下の低温、あるいは、逆に
意図的に60℃以上の高温で行うことが一般に行われて
いる。一方、本発明においては、アセタール化反応は1
0〜60℃、好ましくは20〜50℃が選定される。こ
のように、20〜50℃の”中温”における反応によっ
て、洗浄性のよい多孔質の(比表面積が大きい)樹脂が
得られることも本発明の特徴の一つである。
反応器内に供給した原料が排出されるまで反応器内に留
まる時間(平均滞留時間)も重要である。この反応時間
は、アセタール化度が少なくとも10モル%以上、好ま
しくは、15モル%以上、更に好ましくは20モル%以
上となるように、各反応温度条件毎に選定される。反応
温度により、所望するアセタール化度に達する時間は異
なるが、目安としては10秒〜7分の範囲を選定するこ
とができる。
反応器に移して熟成反応を行う。熟成の反応温度は室温
〜90℃、好ましくは30〜70℃の範囲であり、反応
時間はアセタール化反応が所望するアセタール化度まで
到達、完結する様に設定され、通常1〜24時間、好ま
しくは1〜10時間の範囲内に設定する。この熟成反応
により目標とするアセタール化度は60モル%以上、好
ましくは65モル%以上が選定される。
リーと言い換える)は、酸触媒により酸性を呈してい
る。このスラリーを中和するために、水酸化ナトリウム
や重炭酸ナトリウムなどのアルカリ中和剤を添加する。
通常、pHが7〜11となるように調整する。
空隙や表面に残留している金属成分を除去する。この
他、残留する酸触媒、アルデヒドなどの反応残さも除去
する。
一般には、40℃以上が好ましいが、本発明による樹脂
粉粒体は比表面積が大きいので、室温での水洗浄でも十
分な洗浄性を有する。
く、例えば、真空乾燥法、熱風流動乾燥法などの公知の
方法を採用できる。
脂は、比表面積が大きいことを特徴としている。本発明
のポリビニルアセタール樹脂は水銀圧入法で測定した樹
脂粉粒体の比表面積が1.5〜3.5m2/g、好まし
くは、1.7〜3.0m2/gの範囲である。1.5m2
/g未満では、一般のポリビニルアセタール樹脂粉粒体
の特性と近似し、3.5m2/gを超える場合は浮遊し
やすくなり、洗浄、脱水工程でのロスが多くなり好まし
くない。また、本発明のポリビニルアセタール樹脂の嵩
密度は0.12〜0.19g/cm3、好ましくは0.
14〜0.17g/cm3であり、更に、アセタール化
度が60モル%以上である。
用いて測定できる。本発明においては、島津製作所
(株)製自動ポロシメータオートポアIV9500を用
い、以下の手順、条件で測定した。まず、試料約0.6
gを試料セルに取り、秤量した後、装置にセットし、次
に、装置内で50μmHg(6.7Pa)まで真空排気
処理した後、測定した。水銀注入圧力1psia(69
00Pa)、最大水銀頭圧力44500psia(29
0MPa)、平衡時間10秒の条件で行った。
型電子顕微鏡写真を基に、少なくともn=20以上の粒
子について計測し、これら測定結果から平均粒子径とし
て算出した。
重量既知の容積200mLのメスシリンダーの中に、ポ
リビニルアセタール樹脂粉粒体を入れ、正確に上面を合
わせた後に重量を測定した。前後の重量差(メスシリン
ダー内に存在する粉粒体の重量)をメスシリンダー容積
(200mL)で割り、算出した。
脂は比表面積が大きく、金属成分の洗浄除去性に優れる
ため、結果として樹脂中の金属成分含有量が極めて少な
く、いろいろな塗料、接着剤、バインダー、成形体など
の原料樹脂として好適に用いることができる。
脂には、可塑剤、滑剤、充填剤、安定剤などを適宜選
定、添加することができる。配合剤を配合する方法は、
通常、樹脂加工分野で用いる任意の方法が採用できる。
例えば、ミキシングロール、ニーダーなどの密閉混合
機、混練機能を有する押出機などが使用できる。
る。しかしながら、本発明は下記の実施例により限定さ
れるものではない。以下の説明において特に断りのない
限り部および%は質量基準で示す。
アルコール水溶液は以下の手順で調整した。30LのS
US製溶解槽に、純水9000部、及び、平均重合度1
700、ケン化度98モル%のポリビニルアルコール1
000部を投入し、加温してポリビニルアルコールを完
溶させた。
上部に一つの排出口を有する容積2Lの筒型ガラス製密
閉反応器を準備した。反応器内に純水を満たし、撹拌し
ながら(アンカー翼、400rpm)内温を30℃に保
持した。
の10重量%ポリビニルアルコール水溶液と、酸触媒と
して35%塩酸、アルデヒドとしてブチルアルデヒド
(純度99.5%)を準備し、各々の供給速度が60k
g/hr、1.9kg/hr、4.5kg/hrとなる
ように反応器下部からフィードし、アセタール化反応を
進行させた。生成したポリビニルアセタールのアセター
ル化度が少なくとも10モル%に達した後に、上記ポリ
ビニルアルコール水溶液、塩酸、ブチルアルデヒドを反
応器下部からフィードしながら、並行して反応器上部か
ら反応液を排出させた。
ーと言い換える)は、別に準備した10Lの熟成槽へ送
り(移送量5kg)、その後50℃で2時間熟成させ
た。
回転数は250rpmの条件を採用した。なお、この時
の反応器平均滞留時間は2分であり、密閉反応器からの
排出液をサンプリングし、測定した反応器排出口でのブ
チラール化度は41モル%であり、50℃で2時間熟成
後のブチラール化度は68モル%であった。
液を添加し、pH8に調整した。
分離器により含水率45重量%に脱水し、樹脂分に対し
て10倍量の水を添加して希釈し、30分間撹拌して水
洗した。
れたスラリーを再度脱水した後、乾燥して白色粉粒状の
ポリビニルブチラール樹脂を得た。なお、水洗に用いた
水の温度はいずれも25℃であった。
ラール化度は68モル%であった。
トポアIV9500を用いて測定した樹脂粉粒体単位重
量当たりの比表面積は2.6m2/gであった。
トリウム元素含有量は20ppmであった。
ブチラール化度、最終的に得られたポリビニルブチラー
ル樹脂のブチラール化度、ポロシメータで測定した樹脂
粉粒体の比表面積、かさ密度、粒子径、ICPで測定し
た樹脂中のナトリウム量の結果をまとめて表1に示し
た。
温度を20℃とし、その他の条件は、実施例1と同様に
実施した。
ブチラール化度は19モル%であった。
の三種原料の供給速度を二倍(つまり、平均滞留時間を
1分)とし、その他の条件は、実施例1と同様に実施し
た。
ブチラール化度は25モル%であった。
の三種原料のフィード方法を以下の様にし、その他の条
件は、実施例1と同様に実施した。
と35%塩酸を、所定の割合となるように事前に混合し
た。この混合液とブチルアルデヒドを、各々、61.9
kg/hrと4.5kg/hrなるように、反応器下部
の二つの供給口からフィードし、生成したポリビニルア
セタールのアセタール化度が少なくとも10モル%に達
した後に、上記ポリビニルアルコール水溶液、塩酸、ブ
チルアルデヒドを反応器下部からフィードしながら、並
行して反応器上部から反応液を排出させた。
ブチラール化度は39モル%であった。
ルアルコール水溶液と35%塩酸からなる混合液を、反
応器上部から挿入したノズルを通して、反応器内下部
(反応器の実高さをHとした時に、下からH/5の位置
にノズル先端をセット)に供給し、反応器上部の排出口
から排出させ、その他の条件は、実施例4と同様に実施
した。
ブチラール化度は35モル%であった。
ルアルコール水溶液と35%塩酸からなる混合液とブチ
ルアルデヒドを、反応器上部の二つの供給口からフィー
ドし、反応物を反応器底部から排出し、その他の条件
は、実施例4と同様に実施した。
ブチラール化度は37モル%であった。
撹拌翼としてマックスブレンド翼(住友重機械(株)
製、反応器内径に対する翼幅の比率が0.55)を用
い、その他の条件は、実施例4と同様に実施した。
ブチラール化度は43モル%であった。
撹拌翼として2枚パドル翼(反応器内径に対する翼幅の
比率が0.6)を用い、撹拌数120rpmの条件と
し、その他の条件は、実施例4と同様に実施した。
ブチラール化度は35モル%であった。
反応器下部に供給口が無い内容積2Lのガラス製反応器
を準備した。10重量%ポリビニルアルコール水溶液
と、35%塩酸、ブチルアルデヒドを、単位時間当たり
の反応器仕込量が実施例1と同じ比率となる条件、すな
わち、各々600g、19g、45g準備した。反応器
の撹拌翼を回転させた状態で、上記の三種原料を反応器
上部の別々の供給口から同時に添加した。2分間経過
後、すばやく、別に用意した熟成槽に移し替え、その
後、熟成させた。
のブチラール化度は49モル%であった。以下、実施例
1の手順に準拠し、最終的にポリビニルブチラール樹脂
粉粒体を得た。
%ポリビニルアルコール水溶液と35%塩酸からなる混
合液を作製し、この混合液619gとブチルアルデヒド
45gを添加した。
3.5m2/gのポリビニルアセタール樹脂粉粒体を得
ることができる。また、これにより金属成分の洗浄除去
性が改善され、樹脂中の金属成分の含有量が極めて少な
く、透明性、耐湿性及び気絶縁性に優れる樹脂を得るこ
とができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールとアルデヒドと酸
触媒を密閉反応器内に連続的に供給してアセタール化反
応を進行させ、生成したポリビニルアセタールのアセタ
ール化度が少なくとも10モル%に達した後に、該密閉
反応器内から反応物を連続的に排出する工程を有するこ
とを特徴とするポリビニルアセタール樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 密閉反応器内から連続的に排出した反応
物を、別の反応器内でさらに熟成反応させ、ポリビニル
アセタールのアセタール化度が少なくとも60モル%に
達した後に、このポリビニルアセタールを中和、水洗、
脱水、乾燥する工程を有することを特徴とする請求項1
記載のポリビニルアセタール樹脂の製造方法。 - 【請求項3】 密閉反応器内の反応温度が20〜50℃
の範囲である請求項1または2項に記載のポリビニルア
セタール樹脂の製造方法。 - 【請求項4】 比表面積が1.50〜3.50m2/g
であるポリビニルアセタール樹脂を含有する粉粒体。 - 【請求項5】 比表面積が1.50〜3.50m2/g
である請求項1、2または3項に記載の製造方法で製造
されたポリビニルアセタール樹脂を含有する粉粒体。 - 【請求項6】 嵩密度が0.12〜0.19g/cm3
である請求項4または5記載の粉粒体。 - 【請求項7】 平均粒径が0.5〜2.5μmである請
求項4,5または6記載の粉粒体。 - 【請求項8】 金属含有率が1〜80ppmの範囲であ
る請求項1、2または3項に記載の製造方法で製造され
たポリビニルアセタール樹脂、または請求項4〜7の1
項に記載の粉粒体。 - 【請求項9】 可塑剤を含有する、請求項1、2または
3項記載の製造方法で製造されたポリビニルアセタール
樹脂を含有する組成物、または請求項4〜8の1項に記
載の粉粒体。
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