JP2003226656A - 膏体及びこれを用いた外用貼付剤 - Google Patents

膏体及びこれを用いた外用貼付剤

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JP2003226656A
JP2003226656A JP2002021881A JP2002021881A JP2003226656A JP 2003226656 A JP2003226656 A JP 2003226656A JP 2002021881 A JP2002021881 A JP 2002021881A JP 2002021881 A JP2002021881 A JP 2002021881A JP 2003226656 A JP2003226656 A JP 2003226656A
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hydrophilic polymer
polymer material
plaster
paste
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JP2002021881A
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English (en)
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Mikio Uchida
幹雄 内田
Norihisa Yokota
昇久 横田
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TAKAMITSU KK
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TAKAMITSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、取り扱い性が至極良好で塗膏性に
優れ、製造工程やパイプ輸送時においてポンプやモータ
ー等に過度の負荷を与えることがない上、製造時や塗膏
の際の「もどり現象」がなく、塗擦面や支持体に対し均
等な厚さに分布、展延することができる膏体及びこれを
用いた外用貼付剤を提供することを目的とする。 【構成】 粒子表面に撥水剤が担持されて水和速度が制
御されている親水性高分子に水を加えてなる含水ゲルを
主成分とすることを特徴とする膏体及びこれを用いた外
用貼付剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体の適用部位に塗
擦、貼着したり、或いは支持体に塗布、積層して人体の
適用部位に貼付するための貼付剤を構成する膏体に関
し、塗膏性に優れ、製造時や塗膏の際の「もどり現象」
がなく、塗擦面や支持体に対し均等な厚さに分布、展延
することができる膏体及びこれを用いた外用貼付剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】スポーツや運動中の負傷、或いは作業中
の不慮の事故等により、人体の局部、例えば、腕、足又
は腰部における関節、筋肉又は靱帯等において、打ち
身、捻挫等のけがが発生した場合や、リューマチ、肩こ
り等の慢性疼痛に対しては、通常、患部に膏薬、湿布薬
又は塗り薬等の膏体を塗擦したり、或いは湿布剤や冷熱
シート等の貼付剤を貼付する治療方法が用いられてい
る。
【0003】一般的に、膏薬、湿布薬又は塗り薬等の膏
体とは、粘性や流動性を有するゼリー状ないしゲル状の
基剤中に必要に応じた薬物や湿布剤を含有してなるもの
をいう。
【0004】一方、貼付剤とは、フィルム状ないしシー
ト状の支持体の片側面に、外皮に貼付させるためのゼリ
ー状ないしゲル状の基剤を塗布、積層した粘着剤層を設
けてなり、必要に応じて、この粘着剤層中に種々の薬物
を含有してなるものをいう。
【0005】更に詳しくは、貼付剤のうちの湿布剤は、
フィルム状ないしシート状の支持体の片側面に、湿布効
果を発現する湿布薬を含有させた粘着剤層を積層してな
るものであり、人体の局部の炎症等や慢性疼痛を湿布、
緩和するために用いられるものである。
【0006】又、冷熱シートは、風邪等の疾病に伴う発
熱、或いは勤務中や日常生活において、使用者に快適感
を感じさせるために、人体の適宜箇所を冷却するもので
あり、この冷熱シートとしては支持体の片側面に、水或
いは水と清涼感を与える薬物、又は更に解熱剤を含有さ
せた粘着剤層が積層されて形成されてなり、人体の適用
部位を冷却(解熱)したり、使用者に清涼感や快適感を
与えるものが挙げられる。
【0007】即ち、膏体及び貼付剤は、ゼリー状ないし
ゲル状の基剤中に、種々の薬効成分を含有する点におい
て共通しており、従来、このゼリー状ないしゲル状の基
剤としては、パラフィン、ニカワ、ふのり等の半液体状
ないしは半固体状のものを用いていた。
【0008】最近では、人体への適応性や使用感或いは
投錨性等の観点から、前記ゼリー状ないしゲル状の材質
として、親水性高分子に水を加えてなる含水ゲルが最も
一般的に用いられており、この種含水ゲルを用いた膏体
や貼付剤が市場にも多く流通している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、親水性
高分子材料に水を加えてなる含水ゲルを用いて膏体や貼
付剤を製造する場合にあっては、製造時において、当該
含水ゲルをポンプ輸送したり、ヘッド等に供給したり、
ヘッド等から押し出す際に、当該含水ゲルから水分が流
出、分離したり、ポンプに大きな負担がかかり、モータ
ーが発熱したり、モーターが停止したりするなどの問題
が発生する。
【0010】又、前記含水ゲルをコーターから支持体上
へ塗布、展延する塗膏工程においては、支持体上へ塗
膏、展延した含水ゲルが縮んだり、めくれあがったりす
る、いわゆる「もどり現象」が生じ、支持体上への均一
な塗膏が阻害され、最終製品の物性のバラツキが生ずる
という問題も発生している。
【0011】この問題については、親水性高分子材料に
水を加えた際に発生する、含水ゲルの初期の著しい「流
動性」の低下及び「粘弾性」の増加に起因するものとい
われており、つまり、含水ゲルの初期流動性が悪いた
め、当該含水ゲルをポンプ輸送したり、ヘッドやコータ
ーに供給し、ヘッドからシート状に押し出す際に、非常
に大きな力が必要となり、このためモーターに負担がか
かり、モーターが発熱したり、ストップしたりする上、
含水ゲルから水分が絞り出される結果、定量性にバラツ
キが生じ、製造された膏体や貼付剤の物性にも影響を与
えていたのである。
【0012】又、含水ゲルの初期粘弾性が高いため、支
持体上へ含水ゲルを塗膏、展延しても、含水ゲル自身の
粘弾性により、縮んだり、捲れ上がったりするため、前
記「もどり現象」が生ずるのである。
【0013】更に詳しくは、含水ゲルを製造するために
親水性高分子材料に水を加えると、まず水に接触した親
水性高分子材料から順に水和することになるが、水和し
た親水性高分子材料が膨潤することにより、まだ水と接
触していない親水性高分子材料の水和を妨げることにな
る。
【0014】その結果、系全体への均一な水の分散が阻
害され、親水性高分子材料と水を混合した後、すぐに含
水ゲルの著しい粘弾性の増加及び流動性の低下が生じ、
前記問題が発生するのである。
【0015】この問題に対しては、流動性を高めるため
に親水性高分子材料として低粘度物を用いたり、親水性
高分子材料の添加量を減じたりする方法もあるが、粘着
性の低下や膏体強度の低下を招き実用上の製剤化が困難
になることが多い。
【0016】又、最近では、親水性高分子材料にカオリ
ンの如き非水和性物質や、当該親水性高分子材料と水和
速度の異なる物質を加えることによって、水の均一な分
散化を図る方法も提案されている。
【0017】しかしながら、この問題は親水性高分子材
料の性質そのものに起因して発生するものであることか
ら、前記手段では不十分であり、従って、現在に至るま
で、前記問題を解決する良好な手段は開発されていな
い。
【0018】そこで本発明者は、前記技術的課題を解決
するために鋭意検討を重ねたところ、親水性高分子材料
として、その粒子表面に撥水剤が担持されて水和速度が
制御されているものを用いることにより、前述の問題が
解消するとの知見を得たのである。
【0019】即ち、本発明者は、撥水剤が粒子表面に担
持されている親水性高分子材料を用いることにより、系
全体への水の均一な分散が可能となり、含水ゲルの初期
の流動性を高めることができる上、製造工程やパイプ輸
送時においてポンプやモーターに過度の負担を与えるこ
とがなくなるとの知見を得たのである。
【0020】又、本発明者は、系全体への水の均一な分
散が可能となることから、含水ゲルの初期の粘弾性が低
くなり、塗膏の際の「もどり現象」が解消され、膏体や
貼付剤の品質を向上することができるとの知見を得たの
である。
【0021】本発明は、前記知見に基づき完成されたも
のであり、取り扱い性が至極良好で塗膏性に優れ、製造
工程やパイプ輸送時においてポンプやモーター等に過度
の負荷を与えることがない上、製造時や塗膏の際の「も
どり現象」がなく、塗擦面や支持体に対し均等な厚さに
分布、展延することができる膏体及びこれを用いた外用
貼付剤を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係る膏体は、前
記目的を達成するため、撥水剤が粒子表面に担持されて
水和速度が制御されている親水性高分子材料に水を加え
てなる含水ゲルを主成分とすることを特徴とするもので
ある。
【0023】一般的に親水性高分子材料は、1種ないし
2種以上のモノマー(単量体)を重合して製造される
が、通常、その後の運搬性や取り扱い性を考慮して、重
合反応後に乾燥し、粉末状に粉砕したものが流通過程に
供される。
【0024】そして、この粉末状の親水性高分子材料を
購入したユーザーが、工場内等で水を加えて含水ゲルを
製造するのであるが、親水性高分子材料が粉末状である
ため、先に水に接触した親水性高分子材料のみが水和、
膨潤し、一種の塊やバリヤーを形成するのである。
【0025】これにより、まだ水と接触していない親水
性高分子材料の水和を妨げることになり、即ち、系全体
への均一な水の分散が阻害され、含水ゲル中の水分濃度
にバラツキが生じ、親水性高分子材料と水とを混合した
後、すぐに含水ゲルの著しい粘弾性の増加及び流動性の
低下が生じるのである。
【0026】ところが、本発明においては、粒子表面に
撥水剤が担持されている親水性高分子材料を用いるた
め、当該親水性高分子材料の急激な水和、膨潤を制御す
ることができ、系全体に水を分散することができる上、
含水ゲルの初期の流動性を向上させ、且つ粘弾性の増加
を抑制することができるのである。
【0027】そして、含水ゲルの初期の流動性が高まる
結果、ポンプやモーターに過度の負担を与えることな
く、パイプ輸送等が可能となるのであり、又、含水ゲル
の初期の粘弾性が低くなる結果、塗膏の際の「もどり現
象」が解消され、膏体や貼付剤の品質を向上することが
できるのである。
【0028】なお、前述のごとく、撥水剤が粒子表面に
担持されて水和速度が制御されている親水性高分子材料
に水を加えた含水ゲルは、初期の流動性は高く、又、初
期の粘弾性は低いものであるが、時間の経過と共に、親
水性高分子の水和、膨潤が進み、それに応じて流動性が
低下し、粘弾性が増加するため、粘着性の低下や膏体強
度の低下といった問題は生じないのである。
【0029】即ち、本発明は、親水性高分子材料とし
て、その表面に撥水剤が担持されたものを用いることに
より、水和、膨潤の速度を制御し、製造工程時において
は取り扱い性に優れ、製品化した後は、十分な粘着性や
膏体強度を有する膏体や外用貼付剤となるのである。以
下、本発明について更に詳細に説明する。
【0030】本発明で用いられる親水性高分子材料とし
ては、主として水を円滑、且つ大量に吸水する高分子材
料であれば特に制限されるものではなく、既知の親水性
高分子材料を好適に使用することができるが、具体的に
は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリル酸及びその塩、無水マレイン酸共重合物など
の合成高分子系親水性高分子材料、デキストリン、プル
ラン、ゼラチンなどの如き天然系親水性高分子材料、メ
チルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチル
セルロースの如き半合成系化合物に可塑剤、例えばグリ
セリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどを添加したものが挙げられるのであり、本発明に
おいては、これらの親水性高分子材料から選ばれた1種
ないしは2種以上を適宜用いることができる。
【0031】なお、前述のごとく、本発明は、親水性高
分子材料の急激な水和、膨潤を制御するものであること
から、水和、膨潤の速度が速い親水性高分子材料に対し
て、特に効果があり、このことから、本発明において
は、水和、膨潤の速度が著しく速いポリアクリル酸ナト
リウム等のポリアクリル酸塩等に好適に用いのが望まし
い。
【0032】次に、本発明において用いられる撥水剤と
しては、前記親水性高分子材料の粒子表面に担持され、
その水和、膨潤の速度を制御し得るものであれば、特に
限定されるものではないが、具体的には例えば、塩化カ
ルシウム、塩化アルミニウム、ミョウバン、ケイ酸ナト
リウム、ヘキサフルオロケイ酸塩又はシリカ等から選ば
れた少なくとも1種以上を適宜用いることができる。
【0033】なお、本発明においては、撥水性が至極優
れる上、安定性及びコストの観点から、撥水剤としてシ
リカを用いることが好ましく、このシリカの具体例とし
ては、粉末状の二酸化ケイ素を主成分とするアモルファ
スシリカ、表面疎水化アモルファスシリカ等を挙げるこ
とができる。
【0034】そして、本発明の膏体においては、前記親
水性高分子材料の粒子表面に、前記撥水剤を担持させた
ものを用いるのであるが、前記親水性高分子材料の粒子
表面に前記撥水剤を担持させる方法としては、特に限定
されるものではないが、例えば、接着剤等を用いて撥水
剤の微粉末を接着する方法や蒸着等の手段を用いて撥水
剤被膜を形成する方法等を挙げることができる。
【0035】しかしながら、本発明においては、親水性
高分子材料の粒子表面に撥水剤を「強固に」担持させる
必要はないため、一般的には、親水性高分子材料の製造
工程における重合中や重合後、重合工程と乾燥工程との
間、乾燥から粉砕の一連の工程中に、撥水剤の微粉末を
添加し、親水性高分子材料の表面に撥水剤を付着させる
方法が用いられる。
【0036】なお、親水性高分子材料に対する撥水剤の
担持量としては、選択された親水性高分子材料及び撥水
剤の種類等により、適宜決定されるものであり、特に限
定されるものではないが、一般的には、親水性高分子材
料100重量部に対して、撥水剤0.001〜5重量部
程度の担持量が好ましく、特に、0.005〜1重量部
程度が一層望ましい。
【0037】親水性高分子材料100重量部に対する撥
水剤の担持量が0.001重量部未満だと、少なすぎ
て、所望の水和、膨潤速度の制御が困難となるため好ま
しくなく、一方、5重量部を超えると、多すぎて、親水
性高分子材料の親水性が著しく妨げられ、ゲル化できな
くなったりするため何れも好ましくない。
【0038】本発明の膏体は、撥水剤が粒子表面に担持
されて水和速度が制御されている親水性高分子材料に水
を加えてなる含水ゲルを「主成分とする」ものであり、
従って、必要に応じては、各種充填剤を添加したり、粘
度調整剤等を添加してもよいのである。
【0039】具体的には、前記充填剤としては、含水ゲ
ルの粘度を調節したり、架橋剤としての役割を果たして
保型性の向上を図ったり、増量剤としての役割を果たす
ものであり、具体的には、例えばカオリン、ベンナイ
ト、亜鉛華、二酸化チタン等の酸化チタン、タルク、塩
化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、水酸化アルミニウム、カリミョーバン、球状セルロ
ース等の有機球状体、ポリブテン、ポリイソブチレン、
アセトアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキザー
ル、ジアルデヒドデンプン、ジメチルケトン等が挙げら
れるのであり、これは1種ないし複数種を混合して用い
ることができる。
【0040】又、本発明においては、含水ゲルを増量し
たり、ゲルの粘度の調整等を目的として粘度調整剤を配
合することが特に好ましく、この粘度調整剤としては特
に制限されるものではないが、具体的には、例えば塩化
カルシウム等の無機混合物、エチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、或いはジエチレングリコー
ルモノアルキルエーテル(炭素数が1〜3のアルキル
基)[例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル又はジエチレングリコールモノエチルエーテルな
ど]、ジエチレングリコールジアルキルエーテル(炭素
数が1〜3のアルキル基)[ジエチレングリコールジメ
チルエーテル又はジエチレングリコールジエチルエーテ
ルなど]、トリエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル(炭素数が1〜3のアルキル基)[トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコール
モノエチルエーテルなど]、トリエチレングリコールジ
アルキルエーテル(炭素数が1〜3のアルキル基)[ト
リエチレングリコールジメチルエーテル又はトリエチレ
ングリコールジエチルエーテルなど]、又は、一般式R
1−(O−R2)n−O−CO−R3(但し、R1又は
R3は炭素数が1〜3のアルキル基、R2は炭素数が1
又は2のアルキレン基、nは1〜5、特に1〜3の整
数)で示されるグリコールエーテル酢酸アルキルエステ
ル等の有機化合物が挙げられる。
【0041】加えて、本発明においては、所望により、
染料や顔料を配合して含水ゲルを所望の色に着色しても
良く、この色分けによって等級を変えても良いのであ
る。
【0042】本発明の膏体において、前記含水ゲルには
水が含まれていることから、発熱等に対する冷熱剤等と
してそのままでも十分に用いることができる。
【0043】しかしながら、その他人体の適用部位、例
えば、腕、足、腰部における関節、筋肉、靱帯等におけ
る、打ち身、捻挫等のけがや、リューマチ、肩こり等の
慢性疼痛に対しても用いられるものであることから、前
記含水ゲルに、これらの疾患を緩和等するための薬効成
分等を配合することは、当然に予定されているところで
ある。
【0044】本発明において、この薬効成分等として
は、例えば、湿布剤、化粧料、経皮吸収性薬剤、脂肪分
解成分、遠赤外線放射体、マイナスイオン発生体、竹酢
液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を挙げるこ
とができる。
【0045】湿布剤としては、一般に湿布剤として使用
されているホウ酸水、生理的食塩水、硫苦水、アルコー
ル水、亜麻仁油、石灰水、肝油、オリーブ油、リバノー
ル水、過マンガン酸カリ液、メンタ水、クレオソート、
カラシ等を挙げることができるが、本発明においてはこ
れらが水分を含むことは必須ではなく、これらの有効成
分を微粉末ないし顆粒にした固形のものを用いることも
できる。
【0046】又、化粧料についても特に限定されるもの
ではなく、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、
容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つため
に身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用
されることが目的とされているもので、人に対する作用
が緩和な一般的な化粧料を適宜選択して用いることがで
きるが、具体的には、抗炎症剤、収れん剤、清涼化剤、
ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤等の肌荒れ防
止用薬剤、皮脂抑制剤、角質剥離、溶解剤等のニキビ用
薬剤、アロエエキス、人参エキス、カンゾウエキス等の
動植物抽出物、アミノ酸類の如き栄養剤等を挙げること
ができる。
【0047】次に、経皮吸収性の薬剤としては特に限定
されるものではなく、公知のものを適宜選択して用いる
ことができるが、具体的には、例えばコルチコステロイ
ド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精
神安定剤、降圧剤、抗生物質、抗菌性物質、ビタミン
類、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、抗
真菌物質等を好適に用いることができる。
【0048】又、昇華性結晶やハッカ油、ユーカリ油、
ラベンダー油等が必要に応じて添加することも好ましい
態様の一つとなる。
【0049】更に、脂肪分解成分としては、新陳代謝を
高めたりして、脂肪の分解を促進する作用等を有する物
資であれば特に限定されるものではなく、具体的には例
えば、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン、トウガ
ラシ、オデオル、セイヨウキズタ等を好適に用いること
ができる。
【0050】次に、遠赤外線放射体としては、遠赤外線
領域近辺の波長範囲を有する電磁波を好適に放射する機
能を有するものであれば特に限定されるものではない
が、中でも遠赤外線を放射する非金属の無機質固体(遠
赤外線放射セラミック)が好ましく、具体的には、金属
の酸化物、炭化物、窒化物及び炭酸塩から選ばれた少な
くとも1種以上を適宜選択して用いることができる。
【0051】なお、遠赤外線放射セラミックにおける前
記金属としては、特に制限されるものではないが、例え
ば、Al、Be、V、Fe、Y、Co、Cu、Ni、S
i、Sn、Ti、Cr、Ce、Zr、Ca、Ta及びN
b等から選ばれた金属或いは合金をフィルム状なしシー
ト状、粉状及び粒状に形成したものを挙げることができ
る。
【0052】又、マイナスイオン発生体の好ましい例と
してはトルマリンを挙げることができるのであり、この
トルマリンは電気石とも呼ばれ、細かく粉砕しても自発
的に結晶の両極に+極と−極が存在し、このトルマリン
の微弱電流が空気中の水分や人体の細胞に含まれる水分
に流れることによって水分がマイナスのヒドロキシルイ
オンと呼ばれる界面活性作用を持ったイオンに変化する
結果、神経系統への刺激となり視床下部の機能(体温調
節、ホルモン分泌、自律神経の調整)を高めて免疫力や
自然治癒の機能を活性化させる働きがある上、洗浄効
果、消臭効果及び除菌効果が得られるのである。
【0053】又、トルマリンは電子を半永久的に流し続
け、トルマリンの永久電極は、電気の導体である皮膚表
層やツボ(良導点)の部分に生体電流と同じレベルの数
十マイクロアンペアの電流を流し、この微弱電流は電流
刺激としての作用を生じ、その電気分解による発生させ
た活性水素が人体に悪影響を与える活性酸素を除去した
り、視床下部への働きを促進したり、人間の身体から放
出される熱を吸収し、遠赤外線を照射して人体の血液循
環が促進され新陳代謝が促進されたり、更に、トルマリ
ンから放出されるマイナスイオンは、心身をリラックス
させたり、疲労回復、血圧降下などの効果を発現するの
である。
【0054】このように、トルマリンの遠赤外線効果と
マイナスイオン効果によって、新陳代謝の活性化、血液
や細胞の活性、還元化、血行促進、肩こり、腰痛、冷え
性の改善、疲労回復、胃腸の強化、内臓疾患、水虫、ア
トピー、美肌効果、自律神経の安定(リラックス効
果)、免疫力の快復、身体の弱アルカリ化等、遠赤外線
効果とトルマリン特有のマイナスイオン効果などとの相
乗効果は極めて優れたものとなるのである。
【0055】又、木酢液や竹酢液は、木材や竹材を乾留
した際に得られる液体生成物のことをいい、防菌や防腐
作用を有するものである。
【0056】そして、これらの薬効成分等を配合するこ
とにより、本発明の膏体は、膏薬や、湿布薬又は塗り薬
等として有益に用いられるのであるが、本発明において
は、この膏体をそのまま用いるだけでなく、支持体に塗
布、積層することにより、湿布剤や冷熱シート等のいわ
ゆる外用貼付剤として用いることもできるのである。
【0057】本発明で用いられる支持体としてはフィル
ム状ないしシート状のものであれば特に限定されるもの
ではなく、通気性或いは非通気性のものが挙げられるの
であり、合成樹脂製の無孔フィルムないし無孔シート或
いは合成樹脂製の有孔フィルムないし有孔シート更に布
体が挙げられるのであり、又、この布体を構成する繊維
としては、特別のものを用いる必要はないのである。
【0058】即ち、本発明において、支持体としては、
特別の性質を有するものを用いる必要がないため、材料
コストや最終的な製品としての厚さ、坪量、通気度或い
は強度などを考慮して、最も適当な基材又は被覆材とし
ての布体を適宜選択することができる。
【0059】一般的には、本発明において、支持体とし
ては、天然繊維及び/又は人造繊維からなる布体を挙げ
ることができるのであり、前記天然繊維及び/又は人造
繊維から成る布体としては、一般的には、布地、タオル
地、毛布、キルト、編み物、不織布及び織布等を挙げる
ことができる。
【0060】又、前記天然繊維としては、例えば綿花、
カポック、亜麻、ラミー、大麻、黄麻、しゅろ、マニラ
麻、サイザル麻、コイヤー・ファイバー等の植物繊維、
家蚕絹、柞蚕絹、羊毛(緬羊)、カシミア毛、ラクダ
毛、アルパカ毛、モヘヤー、兎毛等の動物繊維が挙げら
れる。
【0061】更に、前記人造繊維としては、例えば人絹
糸、スフ、ビスコース、ベンベルグ等の再生繊維、又は
ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊
維(テトロン、テリレン、デークロンなど)、ポリアク
リル系繊維(オーロン、エクスラン、ボンネル、カシミ
ロン、カネカロンなど)、ポリビニール・アルコール系
繊維(ビニロン)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエ
ート系繊維(ベンゾエート)、ポリウレタン系繊維(ポ
リウレタン)[スパンテックス]、ポリ塩化ビニリデン
系繊維(ビニリデン)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩
化ビニル)、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエチレ
ン系繊維(ポリエチレン)、ポリプロピレン系繊維(ポ
リプロピレン)、ポリクラール、ポリプロピレン系(パ
イレン)等の合成繊維、或いは酢酸人造繊維などのよう
に天然物質と合成物質とを共重合して製造した半合成繊
維等が挙げられる。
【0062】なお、本発明においては、これらの布体か
ら選ばれた少なくとも1種以上を積層したものを支持体
として用いてもよいのである。
【0063】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】(1)粒子表面に撥水剤が担持されている
親水性高分子材料の作成 アクリル酸ナトリウム単量体水溶液に、レドックス触媒
としての加硫酸アンモニウムを加え、重合することによ
り、ポリアクリル酸ナトリウムの水溶液を得た。次い
で、このポリアクリル酸ナトリウムの水溶液に、アモル
ファスシリカの微粉末を添加し、充分に攪拌した後に乾
燥し、粉砕することによって、粒子表面に撥水剤(シリ
カ)が担持されて水和速度が制御されている粉末状の親
水性高分子材料(ポリアクリル酸ナトリウム)を得た。
なお、この親水性高分子における撥水剤の担持量は、ポ
リアクリル酸ナトリウム100重量部に対し、シリカ約
0.1重量部であった。
【0065】(2)撥水剤が担持されていない親水性高
分子の作成 アクリル酸ナトリウム単量体水溶液に、レドックス触媒
としての加硫酸アンモニウムを加え、重合することによ
り、ポリアクリル酸ナトリウムの水溶液を得た。次い
で、このポリアクリル酸ナトリウムの水溶液を充分に攪
拌した後、乾燥し、粉砕することによって、粉末状の親
水性高分子材料(ポリアクリル酸ナトリウム)を得た。
【0066】実施例 500mlビーカーに、グリセリン33g、架橋剤とし
てのアルミニウムグリシナート0.66g及び前記
(1)の粒子表面に撥水剤が担持されて水和速度が制御
されている親水性高分子材料を投入し、攪拌機(スリー
ワンモーター、ピッチパドル翼75mm径)を用いて、
500rpmの回転数で攪拌した。1分間の攪拌の後、
イオン交換水279g及び酒石酸0.825gを投入
し、続けて、500rpmの回転数で30秒攪拌するこ
とにより、含水ゲルを得た。
【0067】比較例 前記(1)の粒子表面に撥水剤が担持されている親水性
高分子に代えて、前記(2)の撥水剤が担持されていな
い親水性高分子を用いた以外は、実施例と同様にして、
含水ゲルを得た。
【0068】実施例の含水ゲル及び比較例の含水ゲルに
対して、回転粘度計を用いてその粘度の変化を経時的に
測定した結果を表1に示し、又、実施例の含水ゲル及び
比較例の含水ゲルに対して、手で攪拌した際のその感触
の経時的な変化を評価した結果を表2に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】表1に示した結果より、実施例の含水ゲル
は、比較例の含水ゲルと比べて、作成後しばらくは粘度
が低いことから、作成後から初期の流動性が高いことが
確認された。
【0072】又、表2に示した結果より、実施例の含水
ゲルは、比較例の含水ゲルと比べて、作成後、かなりの
時間にわたって低い粘弾性を維持していることが確認さ
れた。
【0073】即ち、本発明の膏体の主成分となる含水ゲ
ルについて、初期の流動性が高く、且つ初期の粘弾性が
低いことが確認された。
【0074】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る膏
体においては、前記構成を有し、即ち、撥水剤が粒子表
面に担持されて水和速度が制御されている親水性高分子
に水を加えてなる含水ゲルを主成分とするものであるか
ら、親水性高分子材料の水和、膨潤速度を制御すること
ができる結果、以下に述べる格別顕著な効果を有するの
である。
【0075】即ち、本発明に係る膏体においては、撥水
剤が粒子表面に担持されて水和速度が制御されている親
水性高分子を用いることにより、系全体への水の均一な
分散が可能となり、含水ゲルの初期の流動性を高めるこ
とができ、製造工程やパイプ輸送時においてポンプやモ
ーターに過度の負担を与えることがなくなり、製造時の
取り扱い性が非常に良好となる効果を有するのである。
【0076】又、本発明に係る膏体においては、系全体
への水の均一な分散が可能となることから、含水ゲルの
初期の粘弾性が低くなり、塗膏の際の「もどり現象」が
解消されるので、膏体や貼付剤の品質を向上することが
できる効果も有するのである。
【0077】そして、本発明の膏体は、種々の薬効成分
等を配合することにより、膏薬や、湿布薬又は塗り薬等
として有益に用いられるのであり、又、支持体に塗布、
積層することにより、湿布剤や冷熱シート等のいわゆる
外用貼付剤として好適に用いることもできるなどの効果
を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 35/78 A61K 35/78 Y 47/04 47/04 A61N 1/00 A61N 1/00 A61P 3/02 101 A61P 3/02 101 5/44 5/44 9/10 103 9/10 103 9/12 9/12 23/02 23/02 25/08 25/08 25/20 25/20 25/22 25/22 29/00 29/00 31/04 31/04 31/10 31/10 43/00 113 43/00 113 A61J 1/00 370C (72)発明者 横田 昇久 名古屋市北区清水五丁目34番7号 第1志 賀コーポ25号 Fターム(参考) 4C053 AA10 4C076 AA74 BB31 CC01 CC04 CC11 CC22 CC32 CC37 DD29 EE09A FF70 4C088 AB11 AB76 MA32 MA63 ZB35 4C099 AA02 CA19 GA01 HA05 LA08 LA14 LA16 TA02 TA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水剤が粒子表面に担持されて水和速度
    が制御されている親水性高分子材料に水を加えてなる含
    水ゲルを主成分とすることを特徴とする膏体。
  2. 【請求項2】 親水性高分子材料がポリアクリル酸塩で
    ある請求項1に記載の膏体。
  3. 【請求項3】 撥水剤がシリカである請求項1又は2に
    記載の膏体。
  4. 【請求項4】 薬効成分が配合されてなる請求項1ない
    し3のいずれか1項に記載の膏体。
  5. 【請求項5】 薬効成分が、湿布剤、化粧料、経皮吸収
    性薬剤、脂肪分解成分、遠赤外放射物質、マイナスイオ
    ン発生体、竹酢液又は木酢液から選ばれた少なくとも1
    種以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    膏体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の膏体を支持体に塗布、積層してなることを特徴とする
    外用貼付剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014185104A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Phiten Co Ltd 顎関節症用外用剤

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JP2014185104A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Phiten Co Ltd 顎関節症用外用剤

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