JP2003226567A - コンクリート組成物 - Google Patents

コンクリート組成物

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JP2003226567A JP2002029844A JP2002029844A JP2003226567A JP 2003226567 A JP2003226567 A JP 2003226567A JP 2002029844 A JP2002029844 A JP 2002029844A JP 2002029844 A JP2002029844 A JP 2002029844A JP 2003226567 A JP2003226567 A JP 2003226567A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート組成物製造時の混練時間延長に
ともなう空気量増加がなく、連行空気量を安定に保つこ
とができると共に、強度及び耐久性に優れたコンクリー
ト組成物を提供する。 【解決手段】 ポリオキシアルキレン系化合物、水、セ
メント、細骨材及び粗骨材を必須成分とするコンクリー
ト組成物であって、該ポリオキシアルキレン系化合物
は、分子内に少なくとも1つの窒素原子を有し、かつオ
キシアルキレン基におけるオキシエチレン基の合計付加
モル数をuとし、炭素数3以上のオキシアルキレン基の
合計付加モル数をvとすると、0.15<u/(u+
v)<0.65の関係を満たすものであるコンクリート
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート組成
物に関する。詳しくは、セメント、水、細骨材及び粗骨
材を必須成分とし、強度及び耐久性に優れた硬化物を与
えるコンクリート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート組成物は、セメント、水、
細骨材及び粗骨材を混合して製造され、セメント組成物
の中でもペーストやモルタルに比べて強度及び耐久性に
優れた硬化物を与えることから、建築物外壁材、建築物
構造体等の用途に広く好適に用いられている。このよう
なコンクリート組成物においては、その中に含まれる単
位水量を低減すると硬化物の性能が向上することになる
が、昨今のコンクリート業界では、コンクリート建造物
の強度及び耐久性の向上が強く求められていることか
ら、単位水量の低減が重要な課題となっている。
【0003】このようなコンクリート組成物には、通
常、空気連行性や流動性を高めるための混和剤が加えら
れている。コンクリート組成物における混和剤の任務
は、コンクリート組成物を減水しても充分の分散性を発
揮してその流動性及び施工性を確保でき、減水による耐
久性及び強度向上を実現すると同時に、経時的に安定し
た分散性を保持して良好なコンクリート組成物を獲得す
るところにある。このような混和剤に対して、近年、そ
の重要性が認識され、技術革新が盛んに行われている。
特にポリカルボン酸系の分散剤については、従来のナフ
タレン系等に比べて高い減水性能を発揮することから、
多くのものが検討されている。このような分散剤を用い
ると、空気連行性が高くなり、気泡径が大きくなること
から、微細な良質の気泡を連行させて凍結融解性を向上
させるためにAE剤を併用することが行われている。
【0004】しかしながら、ポリカルボン酸系の分散剤
とAE剤を併用する場合、コンクリートを混練しつづけ
ると連行空気量がしだいに増大するため、所望のコンク
リート強度を得難いという欠点があった。従来の消泡剤
を用いて連行空気量を一時的に減らすことは可能である
が、この場合も混練を続けるとしだいに連行空気量が増
大する結果となっている。また、コンクリート打設直前
で消泡剤を添加することは、現場での作業性を考慮する
と困難であることから、コンクリート製造時に消泡剤を
入れることが求められている。特に凍結融解対策のため
AE剤の添加が必須の場合や、搬送時に長時間混練し続
ける場合では、連行空気量の増大の問題は深刻である。
【0005】ところで、コンクリート組成物等に、特定
の化合物のアルキレンオキシド付加体を用いることが検
討されている。特開昭60−27638号公報には、ア
ミン化合物に対しその活性水素1ケに対してエチレンオ
キシド及びプロピレンオキシドを必ず含むアルキレンオ
キシドを20〜300モル付加した分子長6,000〜
2,000,000のポリエーテルポリオール又はポリ
エーテルポリオール誘導体を必須成分とするセメント分
散剤に関し、ポリエチレンイミン、エチレンジアミン又
はジエチレントリアミンに、エチレンオキシド及びプロ
ピレンオキシド、又は、それに加えてスチレンオキシド
を付加したものを必須成分とするセメント分散剤が開示
されている。
【0006】国際公開第17128号パンフレット(2
000)には、セメント等の無機質建築材料用のポリカ
ルボン酸塩の液化剤と、脱気のために用いられるブトキ
シ化ポリアルキレンポリアミン又はその塩とを含む混合
物に関し、ブトキシ化ポリアルキレンポリアミン又はそ
の塩としてはポリエチレンイミンのブチレンオキシド付
加体が開示されている。
【0007】特開昭63−11557号公報には、一級
アミンの酸化エチレン誘導体(I)及び水溶性ポリカル
ボン酸系重合体(II)を特定の質量比率でセメントモ
ルタル又はコンクリート混練時に用いる連行空気量の調
整方法に関し、一級アミンの酸化エチレン誘導体(I)
としては、ラウリルアミンのエチレンオキシド付加体が
開示されている。
【0008】特開平8−73250号公報には、分子内
に6〜30個の炭素原子を有する1価アルコール、1価
メルカプタン、アルキルフェノール、アミンあるいはカ
ルボン酸に、アルキレンオキシドを10〜1000モル
付加したポリアルキレンオキシド誘導体からなる水溶性
高分子(a)、高性能減水剤(b)及び水硬性粉体
(c)を含有する水硬性組成物に関し、ステアリルアル
コールとセタノールの混合物のエチレンオキシド付加
体、ノニルフェノールのエチレンオキシド及びプロピレ
ンオキシド付加体、ドデシルメルカプタンのエチレンオ
キシド付加体、パルミチルアルコールのエチレンオキシ
ド付加体、ドデシルアミンのエチレンオキシド付加体、
ラウリン酸のエチレンオキシド付加体等が開示されてい
る。
【0009】しかしながら、これらの技術においては、
コンクリート組成物における連行空気量を安定に保つこ
とについては充分に検討されていないことから、この点
において優れた性能を発揮するうえに、強度及び耐久性
に優れた性能を発揮するコンクリート組成物となるよう
にアルキレンオキシド付加体の構造を工夫する余地があ
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、コンクリート組成物製造時
の混練時間延長にともなう空気量増加がなく、連行空気
量を安定に保つことができると共に、強度及び耐久性に
優れたコンクリート組成物を提供することを目的とする
ものである。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、コンクリー
ト組成物の連行空気量を安定に保つ混和剤について検討
するうち、ポリオキシアルキレン系化合物が消泡剤とし
ての作用を有し、このような化合物を含有するコンクリ
ート組成物が強度及び耐久性に優れた性能を発揮するこ
とに着目した。このようなコンクリート組成物において
は、ポリオキシアルキレン系化合物を含む混和剤が添加
され、水、セメント、細骨材及び粗骨材等と混合される
ことになるが、ポリオキシアルキレン系化合物が分子内
に少なくとも1つの窒素原子を有するようにすると共
に、ポリオキシアルキレン系化合物が有するオキシアル
キレン基におけるオキシエチレン基と炭素数3以上のオ
キシアルキレン基との付加モル数の割合を特定すると、
ポリオキシアルキレン系化合物が混和剤中において分離
しないで安定化するうえに、オキシエチレン基により親
水性が発現し、かつ炭素数3以上のオキシアルキレン基
により疎水性が発現して消泡性が持続することを見いだ
した。すなわち従来では、コンクリート組成物における
消泡剤としては疎水性が高いものがよいと考えられてい
たが、ポリオキシアルキレン系化合物を上記のように特
定すると、AE剤等により生じる泡を効果的に抑制し、
コンクリート組成物製造時の混練時間延長にともなう空
気量増加を抑制することを見いだし、上記課題をみごと
に解決することができることに想到した。また、ポリオ
キシアルキレン系化合物としては、分子内に炭素原子が
5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基を有す
るものが好適であることや、オキシアルキレン基におけ
るオキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキレン
基との付加モル数の割合をより適切に設定すると、上記
の作用効果をより充分に発揮することができることを見
いだし、本発明に到達したものである。
【0012】すなわち本発明は、ポリオキシアルキレン
系化合物、水、セメント、細骨材及び粗骨材を必須成分
とするコンクリート組成物であって、上記ポリオキシア
ルキレン系化合物は、分子内に少なくとも1つの窒素原
子を有し、かつオキシアルキレン基におけるオキシエチ
レン基の合計付加モル数をuとし、炭素数3以上のオキ
シアルキレン基の合計付加モル数をvとすると、0.1
5<u/(u+v)<0.65の関係を満たすものであ
るコンクリート組成物である。以下に、本発明を詳述す
る。
【0013】先ず、本発明のコンクリート組成物におけ
るポリオキシアルキレン系化合物について説明する。本
発明におけるポリオキシアルキレン系化合物は、分子内
に少なくとも1つの窒素原子を有し、かつオキシアルキ
レン基を有するものであるが、オキシアルキレン基とし
ては、オキシエチレン基と炭素数3以上のオキシアルキ
レン基とを必須とすることになる。本発明においては、
このようなポリオキシアルキレン系化合物の1種又は2
種以上を用いることができる。なお、ポリオキシアルキ
レン系化合物は、オキシアルキレン基、及び/又は、2
個以上のアルキレンオキシドが付加した形態となってい
るオキシアルキレン基(ポリアルキレングリコール鎖)
を複数有していてもよいものである。
【0014】上記ポリオキシアルキレン系化合物は、窒
素原子を、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸又は酢酸、プロ
ピオン酸、(メタ)アクリル酸等の酸性物質で中和して
用いてもよい。このようなポリオキシアルキレン系化合
物と、後述する遊離のカルボキシル基を有するポリカル
ボン酸系重合体とをブレンドすると、ポリオキシアルキ
レン系化合物中の窒素原子によりポリカルボン酸重合体
の遊離のカルボキシル基が中和されて塩を形成するため
に水溶性が向上し、ポリオキシアルキレン系化合物とポ
リカルボン系重合体のブレンド物の水媒体液における保
存安定性は非常に良好なものとなる。
【0015】上記ポリオキシアルキレン系化合物におけ
るオキシアルキレン基は、オキシエチレン基の合計付加
モル数をuとし、炭素数3以上のオキシアルキレン基の
合計付加モル数をvとすると、0.15<u/(u+
v)<0.65の関係を満たすものである。0.65以
上であると、親水性が強くなり消泡性が充分ではなくな
り、また、ポリオキシアルキレン化合物の添加量を多く
する必要が生じ、0.15以下であると、消泡性を持続
することができなくなり、いずれの場合にも硬化物の強
度が低下することになる。u/(u+v)の値として
は、0.35を超えることが好ましい。すなわちu及び
vが0.35<u/(u+v)<0.65の関係を満た
すものであることが好ましい。より好ましくは、0.4
を超えることである。なお本発明においては、ポリオキ
シアルキレン系化合物がオキシアルキレン基を複数有す
る場合、個々のオキシアルキレン基がすべて上記の関係
を満たすことを意味するのではなく、すべてのオキシア
ルキレン基におけるオキシエチレン基の合計付加モル数
をuとし、炭素数3以上のオキシアルキレン基の合計付
加モル数をvとすると、0.15<u/(u+v)<
0.65の関係を満たすことを意味する。
【0016】上記オキシアルキレン基において、炭素数
3以上のオキシアルキレン基としては、炭素数が8以下
であることが好ましい。より好ましくは、6以下であ
り、更に好ましくは、4以下である。また、2種類以上
のアルキレンオキシド、すなわちエチレンオキシドと、
炭素数3以上のアルキレンオキシドとが付加した形態と
なっているオキシアルキレン基の付加形態としては、ラ
ンダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれであっ
ても良い。好ましい形態としては、オキシエチレン基−
炭素数3以上のオキシアルキレン基がブロック状に付加
しているものである。
【0017】上記ポリオキシアルキレン系化合物におい
て、オキシアルキレン基の平均付加モル数としては、1
〜300であることが好ましい。より好ましくは、2以
上であり、更に好ましくは、5以上であり、特に好まし
くは、10以上である。また、200以下が好ましい。
より好ましくは、100以下であり、更に好ましくは、
50以下であり、特に好ましくは、40以下である。な
お、平均付加モル数とは、ポリオキシアルキレン系化合
物が有するポリアルキレングリコール鎖1モル中におい
て付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を
意味する。なおポリオキシアルキレン系化合物におい
て、2種類以上のアルキレンオキシドが付加した形態と
なっているオキシアルキレン基の付加形態としては、ラ
ンダム状、ブロック状、交互付加等のいずれであっても
よい。また、ポリオキシアルキレン系化合物としては、
後述するように活性水素を有する化合物残基にオキシア
ルキレン基が付加した形態のものが好ましいが、この場
合における付加形態としては、オキシエチレン基と炭素
数3以上のオキシアルキレン基がブロック状に付加して
いる形態が好ましい。
【0018】上記ポリオキシアルキレン系化合物は、分
子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪族
炭化水素基を有することが好ましい。このような脂肪族
炭化水素基における連続して結合している炭素原子の数
としては、8個以上がより好ましく、10個以上が更に
好ましい。また、30個以下がより好ましく、22個以
下が更に好ましい。
【0019】本発明におけるポリオキシアルキレン系化
合物としては、下記一般式(1); X−〔(AO)n−R〕k (1) (式中、Xは、活性水素を有する化合物残基を表す。R
1は、同一若しくは異なって、水素原子、炭化水素基、
−Y−NR23、−COR4又は−CH2CH2NHCO
−R5を表す。Yは、炭素数1〜10のアルキレン基を
表す。R2及びR3は、同一若しくは異なって、水素原子
又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R4及びR
5は、炭素数1〜30の炭化水素基又は少なくとも1個
以上のカルボキシル基若しくはスルホニル基又はこれら
の塩を有する基を表す。AOは、同一若しくは異なっ
て、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n
は、同一若しくは異なって、オキシアルキレン基の平均
付加モル数を表し、1〜300である。kは、1〜30
0である。上記オキシアルキレン基におけるオキシエチ
レン基の合計付加モル数をuとし、炭素数3以上のオキ
シアルキレン基の合計付加モル数をvとすると、0.1
5<u/(u+v)<0.65、1<u+v<300の
関係を満たす。kは、1〜300である。)で表される
化合物を用いることが好適である。なお、一般式(1)
で表されるポリオキシアルキレン系化合物では、Xで表
される基及び/又はR1で表される基が窒素原子を有す
ることになる。
【0020】上記一般式(1)において、Xは、活性水
素を有する化合物残基を表す。活性水素を有する化合物
残基とは、活性水素を有する化合物から活性水素を除い
た構造を有する基を意味するが、活性水素を有する化合
物との反応により形成される基に特に限定されるもので
はない。また、ポリオキシアルキレン系化合物におい
て、活性水素を有する化合物残基は、1種であってもよ
く、2種以上であってもよい。このような基としては、
アルコールの水酸基から活性水素を除いた構造を有する
アルコールの残基、カルボン酸のカルボキシル基から活
性水素を除いた構造を有するカルボン酸の残基、アミン
のアミノ基から活性水素を除いた構造を有するアミンの
残基、イミンのイミノ基から活性水素を除いた構造を有
するイミンの残基、チオールのチオール基から活性水素
を除いた構造を有する残基が好適である。これらの中で
も、アルコールの残基やアミン、イミンの残基であるこ
とが好ましい。また、活性水素を有する化合物残基の形
態としては、鎖状、分岐状、三次元状に架橋された構造
のいずれであってもよい。上記活性水素を有する化合物
残基の好ましい形態において、アルコールの残基として
は、一価アルコールや、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ポリグリセリンやソルビトール等の
多価アルコールから活性水素を除いた構造を有する残基
が好適であり、アミンの残基としては、一価アミンや多
価アミンから活性水素を除いた構造を有する残基が好適
であり、イミンの残基としては、ジエチレンイミンやポ
リエチレンイミンから活性水素を除いた構造を有する残
基が好適である。
【0021】上記一般式(1)において、R1は、同一
若しくは異なって、水素原子、炭化水素基、−Y−NR
23、−COR4又は−CH2CH2NHCO−R5を表
す。炭化水素基としては、炭素数1〜30の直鎖又は分
岐アルキル基;炭素数6〜30のフェニル基、アルキル
フェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニ
ル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン
環を有する芳香族基;炭素数2〜30のアルケニル基;
炭素数2〜30のアルキニル基が好適である。また、炭
化水素基の炭素数は1以上であるが、ポリオキシアルキ
レン系化合物が高い消泡性能を有するためには、2以上
が好ましい。より好ましくは、5以上である。また、3
0以下が好ましい。より好ましくは、22以下であり、
更に好ましくは、18以下である。更に、炭化水素基の
中でも、直鎖、分岐アルキル基、アルケニル基が特に好
ましい。
【0022】上記Yは、炭素数1〜10のアルキレン基
を表すが、炭素数としては、2以上が好ましく、また、
8以下が好ましい。上記R2及びR3は、水素原子又は炭
素数1〜30の炭化水素基を表すが、一般式(1)中の
X又はAOに炭素原子が5個以上結合している脂肪族炭
化水素基がない場合は、R2及びR3における炭化水素基
の炭素数としては、5以上が好ましい。より好ましく
は、8以上であり、更に好ましくは、10以上である。
また、22以下が好ましい。また、逆にX又はAOに炭
素原子が5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素
基が存在する場合は、R2及びR3は水素原子が好まし
い。R4及びR5は、炭素数1〜30の炭化水素基又は少
なくとも1個以上のカルボキシル基若しくはスルホニル
基又はこれらの塩を有する基を表すが、一般式(1)中
のX又はAOに炭素原子が5個以上連続して結合してい
る脂肪族炭化水素基がない場合は、炭素数5以上の炭化
水素基が好ましい。また、逆にX又はAOに炭素原子が
5個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基が存在
する場合は、少なくとも1個以上のカルボキシル基若し
くはスルホニル基又はこれらの塩を有する基であること
が好ましい。炭化水素基の中でも直鎖、分岐アルキル
基、アルケニル基が特に好ましい。
【0023】上記AOは、炭素数2〜18のオキシアル
キレン基を表すが、炭素数としては、8以下が好まし
い。より好ましくは、6以下であり、更に好ましくは、
4以下である。オキシエチレン基と炭素数3以上のオキ
シアルキレン基の付加形態としては、ランダム状、ブロ
ック状、交互付加等のいずれであってもよい。より好ま
しい形態としては、ブロック状である。また、上記u及
びvは、それぞれオキシエチレン基の合計付加モル数及
び炭素数3以上のオキシアルキレン基の合計付加モル数
を表し、0.15<u/(u+v)<0.65、1<u
+v<300の関係を満たすことが好ましい。(u+
v)は、5を超えることがより好ましく、10を超える
ことが更に好ましい。また、200未満が好ましく、1
50未満がより好ましく、100未満が更に好ましく、
80未満が特に好ましく、50未満が最も好ましい。オ
キシエチレン基の合計付加モル数uのアルキレンオキシ
ド総付加モル数(u+v)に対するu/(u+v)は、
0.2を超えることがより好ましく、0.35を超える
ことが更に好ましい。なお一般式(1)において、平均
付加モル数nは、〔(AO)n−R〕で表される単位
のうち同一の単位1モル中において付加しているオキシ
アルキレン基のモル数の平均値を意味する。
【0024】上記kは、1〜300であるが、200以
下が好ましい。より好ましくは、100以下である。k
が2以上の場合、すなわちXに−〔(AO)n−R
で表される基が複数結合する場合、−〔(AO)n−R
〕で表される基は、同一であってもよく異なっていて
もよい。
【0025】上記一般式(1)におけるポリオキシアル
キレン系化合物が、分子内に炭素原子が5個以上連続し
て結合している脂肪族炭化水素基を少なくとも一つ有す
る場合には、一般式(1)において、ポリオキシアルキ
レン系化合物を構成するR1、X、R1−AO及びAOで
表される構造の少なくとも1つにおいて、炭素原子が5
個以上連続して結合している脂肪族炭化水素基が存在す
ることになる。また、このような脂肪族炭化水素基とし
ては、炭素原子が8個以上連続して結合しているものが
より好ましい。また、10個以上が更に好ましい。ま
た、30個以下が好ましい。より好ましくは、22個以
下である。
【0026】本発明におけるポリオキシアルキレン系化
合物の分子量は、10000以下であることが好まし
い。より好ましくは、5000以下である。また、10
0以上であることが好ましい。より好ましくは、200
以上である。
【0027】上記一般式(1)で表される化合物として
は、(ジ)メチルアミン、(ジ)エチルアミン、(ジ)
プロピルアミン、(ジ)ブチルアミン、(ジ)ペンチル
アミン、(ジ)ヘキシルアミン、(ジ)ヘプチルアミ
ン、(ジ)オクチルアミン、(ジ)ノニルアミン、
(ジ)デカアミン、(ジ)ウンデカアミン、(ジ)ドデ
カアミン、(ジ)テトラデカアミン、(ジ)ペンタデカ
アミン、(ジ)ヘキサデカアミン、(ジ)ヘプタデカア
ミン、(ジ)オクタデカアミン、(ジ)ノナデカアミ
ン、(ジ)イコサンアミン等の炭素数1〜30の直鎖、
分岐アルキル基を有する1級アミン、同種類のアルキル
基、又は異なる種類のアルキル基を有する2級アミン
類;ヤシ油から得られる脂肪酸由来の1級アミン、オレ
イン酸由来の1級アミン、大豆油から得られる脂肪酸由
来の1級アミン、牛脂から得られる脂肪酸由来の1級ア
ミン、硬化牛脂から得られる脂肪酸由来の1級アミン等
の炭素数1〜30の直鎖、分岐アルキル基を有し、かつ
異なる種類のアルキル基が混合された1級アミン類;ヤ
シ油から得られる脂肪酸由来の2級アミン、オレイン酸
由来の2級アミン、大豆油から得られる脂肪酸由来の2
級アミン、牛脂から得られる脂肪酸由来の2級アミン、
硬化牛脂から得られる脂肪酸由来の2級アミン等の炭素
数1〜30の直鎖、分岐アルキル基を有し、かつ異なる
種類のアルキル基が混合された2級アミン類;炭素数6
〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルア
ルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニ
ル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基、炭
素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキ
ニル基を有する1級又は2級アミン類;モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
のアルカノールアミン類等のアミン類にエチレンオキシ
ドと炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得
られる付加物が好適である。
【0028】また、一般式(1)で表される化合物のう
ち、窒素原子が2以上の化合物としては、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、テト
ラプロピレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン
類と酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油から得られる脂肪
酸、大豆油から得られる脂肪酸、牛脂から得られる脂肪
酸、硬化牛脂から得られる脂肪酸等の脂肪酸類と脱水縮
合して得られるアミドアミン類のエチレンオキシド及び
炭素数3〜18のアルキレンオキシド付加物;エチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミ
ン、テトラプロピレンペンタミン等のポリアルキレンポ
リアミン類と酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウ
リン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油から得られ
る脂肪酸、大豆油から得られる脂肪酸、牛脂から得られ
る脂肪酸、硬化牛脂から得られる脂肪酸等の脂肪酸類と
脱水縮合して得られるアミドアミン類を更に脱水して得
られるイミダゾリン類のエチレンオキシド及び炭素数3
〜18のアルキレンオキシド付加物;エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、テトラ
プロピレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン類
のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオ
キシド付加物;炭素数1〜30の炭化水素基で変性され
たエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレント
リアミン、テトラプロピレンペンタミン等のポリアルキ
レンポリアミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜1
8のアルキレンオキシド付加物;エチレンイミン、プロ
ピレンイミン等のアルキレンイミンを重合して得られた
ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリア
ルキレンイミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜1
8のアルキレンオキシド付加物;炭素数1〜30の炭化
水素基で変性されたエチレンイミン、プロピレンイミン
等のアルキレンイミンを重合して得られたポリエチレン
イミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミ
ン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレ
ンオキシド付加物;炭素数1〜30の炭化水素基を有す
る1級アミンや2級アミン類にアクリロニトリルを付加
させた後に還元して得られるようなアルキルアミノプロ
ピルアミン類のエチレンオキシド及び炭素数3〜18の
アルキレンオキシド付加物が好適である。
【0029】また、本発明における窒素原子含有ポリオ
キシアルキレン系化合物としては、下記に記載する化合
物も好適である。炭素数1〜30の炭化水素基を有する
1価アルコール類にエチレンオキシド及び炭素数3〜1
8のアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシ
アルキレン類にアミノ基を導入したアミン類;両末端に
水酸基を有するポリオキシエチレンポリオキシアルキレ
ン類にアミノ基を導入したアミン類;分子内に3個以上
の水酸基を有する多価アルコールにエチレンオキシド及
び炭素数3〜18のアルキレンオキシドを付加して得ら
れるポリオキシアルキレン類にアミノ基を導入したアミ
ン類;分子内にアセチレン基を有するアルコール類にエ
チレンオキシド及び炭素数3〜18のアルキレンオキシ
ドを付加して得られるポリオキシアルキレン類にアミノ
基を導入したアミン類。アミノ基の導入方法にはいろい
ろのものが考えられるが、水酸基自身を種々のアミノ化
試薬でアミノ基へ変換する方法や、水酸基へエチレンイ
ミンやプロピレンイミン等のアルキレンイミンを付加さ
せる方法が好適である。
【0030】上記炭素数1〜30の炭化水素基を有する
1価アルコール類としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノール、オクタノール、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、炭素
数12〜14の直鎖、分岐アルコール等の直鎖、分岐飽
和アルコール類;アリルアルコール、メタリルアルコー
ル、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル
−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−
2−オール、オレイルアルコール等の不飽和アルコール
類;フェノール、ノニルフェノール、ベンジルアルコー
ル等の芳香族アルコールが好適である。
【0031】上記両末端に水酸基を有するポリオキシエ
チレンポリオキシアルキレン類としては、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリ
オキシブチレン等のAB型ブロックタイプ;ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレン、ポ
リオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレン、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンポリオ
キシエチレン等のABAブロックタイプが好適である。
【0032】上記分子内に3個以上の水酸基を有する多
価アルコールとしはて、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ポリグリセリンやソルビトールが好
適である。
【0033】上記分子内にアセチレン基を有するアルコ
ール類としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−
デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘ
キシン−2,5−ジオール、3−メチル1−ブチン−3
−オールが好適である。
【0034】なお、上記のポリオキシアルキレン系化合
物の中で、分子内に炭素原子が5個以上連続して結合し
ている脂肪族炭化水素基が一切含まれていない場合は、
合成中又は合成後に、炭素数5以上のアルキレンオキサ
イドを一部付加させたり、炭素数5以上のアルキルハラ
イドを反応させたりすることで、脂肪族炭化水素基を適
宜導入することもできる。
【0035】また、これまでに述べてきたポリオキシア
ルキレン系化合物の末端官能基に、更にエチレンオキシ
ド等のようなアルキレンオキシド類やエチレンイミン等
のようなアルキレンイミン類を更に付加させて得られる
化合物も、本発明におけるポリオキシアルキレン系化合
物として用いることができる。
【0036】更に、これまでに述べてきたポリオキシア
ルキレン系化合物の末端官能基に、無水酢酸、無水酪酸
等の酸無水物を反応させて得られる化合物も、本発明に
おけるポリオキシアルキレン系化合物として用いること
ができる。
【0037】また、本発明におけるポリオキシアルキレ
ン系化合物としては、下記のようなものも好適である。
これまでに述べてきたポリオキシアルキレン系化合物
と、2個以上のカルボキシル基を有する化合物とが、少
なくとも1個のカルボキシル基を残してエステル結合し
た化合物;上記ポリオキシアルキレン系化合物と、カル
ボキシル基とスルホニル基とを有する化合物とが、少な
くとも1個のスルホニル基を残してエステル結合した化
合物;上記ポリオキシアルキレン系化合物と、2個以上
のカルボキシル基を有する化合物とが、少なくとも1個
のカルボキシル基を残してアミド結合した化合物;上記
ポリオキシアルキレン系化合物と、カルボキシル基とス
ルホニル基とを有する化合物とが、少なくとも1個のス
ルホニル基を残してアミド結合した化合物。このような
ポリオキシアルキレン系化合物において、残されたカル
ボキシル基又はスルホニル基は、水酸化ナトリウム、水
酸化カルシウム等の塩基で中和されたナトリウム塩やカ
ルシウム塩等の各種金属塩、アンモニウム塩、アミン塩
等でもよい。
【0038】上記2個以上のカルボキシル基を有する化
合物としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イタ
コン酸等の不飽和ジカルボン酸類及びそれらの金属塩、
アンモニウム塩、アミン塩;コハク酸、マロン酸、グル
タル酸、アジピン酸等の飽和ジカルボン酸類及びそれら
の金属塩、アンモニウム塩、アミン塩;アクリル酸オリ
ゴマー、メタクリル酸オリゴマー、マレイン酸オリゴマ
ー等の不飽和モノカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸類
の低分子量の重合体及びそれらの金属塩、アンモニウム
塩、アミン塩が好適である。
【0039】上記ポリオキシアルキレン系化合物は、例
えば、水酸基を末端に有するポリオキシアルキレン系化
合物と、無水マレイン酸又は無水コハク酸等の酸無水物
を無溶媒中又は適当な溶媒中で反応させることで得るこ
とができる。このとき適当な塩基触媒を用いると好まし
い。その他に、水酸基を末端に有するポリオキシアルキ
レン系化合物とカルボン酸との脱水反応によるエステル
化、また、水酸基を末端に有するポリオキシアルキレン
系化合物とエステル化合物とのエステル交換反応によっ
ても得ることができる。
【0040】本発明においては、一般式(1)で表され
るポリオキシアルキレン系化合物の中でも、R1が水素
原子の場合や、Xが−OHや−NH2を有する場合、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸
とエステル化又はアミド化を行うことにより、消泡性を
有する不飽和単量体を合成することができる。この消泡
性を有する不飽和単量体を後述する一般式(2)、一般
式(3)、一般式(4)や一般式(5)で表される構成
単位を与える単量体と共重合することにより重合体骨格
に消泡成分を組み込むことができる。このような重合体
も本発明の実施形態の1つである。
【0041】次に、本発明のコンクリート組成物におけ
る他の必須成分について説明する。本発明におけるセメ
ントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強、超
早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ
形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメン
ト、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメ
ント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカ
ー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン
酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井
セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フ
ライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高
含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化
材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の
一種以上を原料として製造されたセメント)が好適であ
り、更に、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッ
シュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒ
ューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添
加してもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0042】本発明における細骨材としては、砂が好適
であり、粗骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再
生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイア
ルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ
質、マグネシア質等の耐火骨材が使用可能である。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】本発明のコンクリート組成物において、そ
の1m3あたりの単位水量、セメント使用量、粗骨材量
及び水/セメント比としては、単位水量100〜185
kg/m3、使用セメント量250〜800kg/m3
単位粗骨材量500〜1500kg/m3、水/セメン
ト比(質量比)=0.1〜0.7とすることが好まし
い。単位水量は、120kg/m3以上がより好まし
く、また、175kg/m3以下がより好ましい。使用
セメント量は、270kg/m3以上がより好ましく、
また、800kg/m3以下がより好ましい。単位粗骨
材量は、600kg/m3以上がより好ましく、更に好
ましくは800kg/m3以上であり、また、1300
kg/m3以下がより好ましく、更に好ましくは、12
00kg/m3以下である。水/セメント比(質量比)
は、0.2以上がより好ましく、また、0.65以下が
より好ましい。本発明のコンクリート組成物は、貧配合
〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量の
多い高強度コンクリート、単位セメント量が300kg
/m3以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効であ
る。
【0044】本発明のコンクリート組成物における上記
ポリオキシアルキレン系化合物の配合割合としては、セ
メント質量の0.0001質量%以上が好ましく、ま
た、1.0質量%以下が好ましい。上記配合割合が0.
0001質量%未満であると、性能的に不充分となるお
それがあり、1.0質量%を超える多量を使用しても、
その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利と
なるおそれがある。より好ましくは0.0005質量%
以上であり、更に好ましくは0.001質量%以上であ
る。また、より好ましくは0.5質量%以下であり、更
に好ましくは0.1質量%以下であり、このような比率
となる量を添加すればよい。この添加により、単位水量
の低減、強度の増大、耐久性向上等の各種の好ましい諸
効果がもたらされることとなる。
【0045】本発明のコンクリート組成物はまた、セメ
ント分散剤を含むことが好ましく、これにより、コンク
リート組成物を混練中、常に安定した連行空気量のコン
クリート組成物が得られることになる。また、混練後に
静置した場合にも常に安定した連行空気量のコンクリー
ト組成物が得られることになる。従来、セメント分散剤
に消泡成分として混入されているものは水への溶解性が
悪く、セメント分散剤液と混ぜておくと貯蔵時に消泡成
分が分離してくる問題があるが、本発明におけるポリオ
キシアルキレン系化合物は親水性が高いためセメント分
散剤液中でも比較的均一になっており、分離することな
く安定に貯蔵することができる。このように、コンクリ
ート組成物が上記ポリオキシアルキレン系化合物とセメ
ント分散剤とを必須成分とすることは、本発明の好まし
い形態の1つである。
【0046】上記セメント分散剤としては、コンクリー
ト組成物において減水性能を発揮することができるもの
であればよく、1種又は2種以上用いることができる
が、側鎖にポリアルキレングリコールを有するポリカル
ボン酸系重合体が好適である。このようなポリカルボン
酸系重合体は、セメント分散剤の必須成分とすることが
できるものであり、ポリカルボン酸系セメント分散剤や
減水剤と呼ばれるものである。このようなセメント分散
剤は、上記ポリカルボン酸系重合体のみにより構成され
ていてもよく、その他のものを含んでいてもよいが、ポ
リカルボン酸系重合体を主成分とすることが好ましい。
上記ポリカルボン酸系重合体としては、下記一般式
(2);
【0047】
【化1】
【0048】(式中、R6、R7及びR8は、同一若しく
は異なって、水素原子又はメチル基を表す。R9Oは、
同一若しくは異なって、炭素数2〜18のオキシアルキ
レン基を表す。aは、オキシアルキレン基の平均付加モ
ル数を表し、2〜300の数である。R10は、水素原子
又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表される
ポリオキシアルキレンエステル系構成単位(I)と、下
記一般式(3);
【0049】
【化2】
【0050】(式中、R11、R12及びR13は、同一若し
くは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Mは、
水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム又は有機
アミンを表す。)で表されるカルボン酸系構成単位(I
I)を有するポリカルボン酸系重合体(A−1)が好ま
しい。
【0051】また上記ポリカルボン酸系重合体として
は、下記一般式(4);
【0052】
【化3】
【0053】(式中、R14、R15及びR16は、同一若し
くは異なって、水素原子又はメチル基を表す。R17は、
炭素数1〜5の炭化水素基を表す。R18Oは、同一若し
くは異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を
表す。bは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表
し、2〜300の数である。R19は、水素原子又は炭素
数1〜30の炭化水素基を表す。)で表されるポリオキ
シアルキレンエーテル系構成単位(III)と、下記一
般式(5);
【0054】
【化4】
【0055】(式中、R20及びR21は、同一若しくは異
なって、水素原子、メチル基又は−COOM3を表す。
ただしR20及びR21は、同時に−COOM3を表さな
い。R22は、水素原子、メチル基又は−CH2COOM4
を表す。R22が−CH2COOM4のときR20及びR
21は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を
表す。M 2、M3及びM4は、水素原子、一価金属、二価
金属、アンモニウム又は有機アミンを表す。)で表され
るカルボン酸系構成単位(IV)を有するポリカルボン
酸系重合体(A−2)が好ましい。すなわち上記セメン
ト分散剤は、上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)及
び/又は上記ポリカルボン酸系重合体(A−2)を含む
ことが好ましい。
【0056】上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)及
び(A−2)は、上記必須の構成単位(繰り返し単位)
を有することを特徴とし、後述の単量体(e)に由来す
る構成単位(V)を更に有するものであってもよい。こ
れらの構成単位はそれぞれ1種であってもよく、2種以
上であってもよい。
【0057】上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)
は、構成単位(I)を与える単量体(例えば、後述の単
量体(a))、構成単位(II)を与える単量体(例え
ば、後述の単量体(b))を必須成分として含む単量体
成分を共重合して製造することができる。このような単
量体成分は、構成単位(V)を与える単量体(例えば、
後述の単量体(e))を更に含むものでもよい。なお、
各構成単位がそれぞれ1種の場合には、各構成単位を与
える単量体をそれぞれ1種用いればよく、各構成単位が
それぞれ2種以上の場合には、各構成単位を与える単量
体をそれぞれ2種以上用いればよい。
【0058】上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)を
構成する各構成単位の比率としては、質量比で、構成単
位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=1〜9
9/99〜1/0〜50であることが好ましい。より好
ましくは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位
(V)=50〜99/50〜1/0〜49、更に好まし
くは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位
(V)=60〜95/40〜5/0〜30、最も好まし
くは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位
(V)=70〜95/30〜5/0〜10である。ただ
し、構成単位(I)、構成単位(II)及び構成単位
(V)の合計は、100質量%である。
【0059】また上記ポリカルボン酸系重合体(A−
1)は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不
飽和モノカルボン酸系単量体と構成単位(II)を与え
る単量体(例えば、後述の単量体(b))とを必須成分
として含む単量体成分を共重合して得られる重合体のカ
ルボキシル基の少なくとも一部に対して、アルコキシポ
リアルキレングリコールを直接エステル化して製造して
もよい。
【0060】上記一般式(2)において、R10における
炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素原子数1〜
30のアルキル基、炭素原子数6〜30のフェニル基、
アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキ
ル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等
のベンゼン環を有する芳香族基、炭素原子数2〜30の
アルケニル基が好適である。また、オキシアルキレン基
の平均付加モル数aは、2〜300以下の数であるが、
5以上であることが好ましい。より好ましくは10以上
であり、更に好ましくは15以上であり、最も好ましく
は20以上である。また、最も好ましくは200以下で
ある。更に、R10の炭素原子数としては、1以上である
が、22以下が好ましい。より好ましくは18以下であ
り、更に好ましくは12以下であり、更に特に好ましく
は6以下であり、特に好ましくは5以下であり、最も好
ましくは3以下である。
【0061】上記一般式(2)におけるオキシアルキレ
ン基R9Oの炭素原子数としては、2〜18が適当であ
るが、8以下が好ましい。より好ましくは、4以下であ
る。また、構成単位(I)として1種類となる場合に
は、親水性と疎水性のバランス確保のため、オキシアル
キレン基中にオキシエチレン基を必須として有すること
が好ましく、より好ましくは50モル%以上、特に好ま
しくは60モル%以上がオキシエチレン基であることで
ある。一方、構成単位(I)として2種類以上となる場
合には、何れか1種類の構成単位(I)のオキシアルキ
レン基中にオキシエチレン基を必須として有することが
好ましい。
【0062】上記構成単位(I)を与える単量体(a)
としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸又は脂肪酸
の脱水素(酸化)反応物への炭素原子数2〜18のアル
キレンオキシドの付加物、又は、メタノール、エタノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノ
ール、1−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−
1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭
素原子数1〜30の飽和脂肪族アルコール類、アリルア
ルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、
オレイルアルコール等の炭素原子数3〜30の不飽和脂
肪族アルコール類、シクロヘキサノール等の炭素原子数
3〜30の脂環族アルコール類、フェノール、フェニル
メタノール(ベンジルアルコール)、メチルフェノール
(クレゾール)、p−エチルフェノール、ジメチルフェ
ノール(キシレノール)、p−t−ブチルフェノール、
ノニルフェノール、ドデシルフェノール、フェニルフェ
ノール、ナフトール等の炭素原子数6〜30の芳香族ア
ルコール類のいずれかに炭素原子数2〜18のアルキレ
ンオキシドを付加することによって得られるアルコキシ
ポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸又
はクロトン酸とのエステル化合物等が好適であるが、一
般式(3)において、R10が炭化水素基となる場合に相
当する、アルコキシポリアルキレングリコール類と、
(メタ)アクリル酸又はクロトン酸とのエステル化合物
が好ましい。
【0063】上記単量体(a)の具体的な化学名として
は、下記のものが好適である。メトキシポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポ
キシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、2−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、1−ブトキシポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、2−ブトキシポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−
1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、2−メチル−2−プロポキシポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ペンチルオ
キシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、1−ヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−オクチ
ルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、2−エチル−1−ヘキシルオキシポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルアルコキシ
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラ
ウリルアルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、セチルアルコキシポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ステアリルアルコキシポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェ
ノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、フェニルメトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メチルフェノキシポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、p−エチルフェノキ
シポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ジメチルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、p−t−ブチルフェノキシポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェ
ノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ドデシルフェノキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ナフトキシポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチ
レンオキシドを付加させた(メタ)アリルアルコールと
(メタ)アクリル酸とのエステル化物、エチレンオキシ
ドを付加させたクロチルアルコールと(メタ)アクリル
酸とのエステル化物等の各種アルコキシポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート類。
【0064】メトキシポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プ
ロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、1−ブトキシポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドを付加させ
た(メタ)アリルアルコールと(メタ)アクリル酸との
エステル化物、プロピレンオキシドを付加させたクロチ
ルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等
の各種アルコキシポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート類。
【0065】メトキシポリエチレンポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレ
ンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
エトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレンポリブチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポ
キシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレンポリブ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロ
ポキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレンポリブ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−ブト
キシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、1−ブトキシポリエチレンポリブチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオ
キシドとプロピレンオキシド又はエチレンオキシドとブ
チレンオキシドを付加させた(メタ)アリルアルコール
と(メタ)アクリル酸とのエステル化物、エチレンオキ
シドとプロピレンオキシド又はエチレンオキシドとブチ
レンオキシドを付加させたクロチルアルコールと(メ
タ)アクリル酸とのエステル化物等の2種類以上のアル
キレンオキシドを付加させたアルコールと(メタ)アク
リル酸とのエステル化物等の各種アルコキシポリアルキ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート類。
【0066】上記一般式(3)で表される構成単位(I
I)を与える単量体(b)としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウ
ム塩、アミン塩が好適である。特に(メタ)アクリル酸
及びこれらの塩が好ましい。
【0067】上記ポリカルボン酸系重合体(A−2)
は、構成単位(III)を与える単量体(例えば、後述
の単量体(c))、構成単位(IV)を与える単量体
(例えば、後述の単量体(d))を必須成分として含む
単量体成分を共重合して製造することができる。このよ
うな単量体成分は、構成単位(V)を与える単量体(例
えば、後述の単量体(e))を更に含むものでもよい。
【0068】上記ポリカルボン酸系重合体(A−2)を
構成する各構成単位の比率は、質量比で、構成単位(I
II)/構成単位(IV)/構成単位(V)=1〜99
/99〜1/0〜50であることが好ましい。より好ま
しくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単
位(V)=50〜99/50〜1/0〜49、更に好ま
しくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単
位(V)=60〜95/40〜5/0〜30、最も好ま
しくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単
位(V)=70〜95/30〜5/0〜10である。た
だし、構成単位(III)、構成単位(IV)及び構成
単位(V)の合計は100質量%である。
【0069】また上記ポリカルボン酸系重合体(A−
2)は、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−
メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブ
テン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オー
ル等の不飽和アルコールと構成単位(IV)を与える単
量体(例えば、後述の単量体(d))とを必須成分とし
て含む単量体成分を共重合して得られる重合体にアルキ
レンオキシドを平均2〜300モル付加するか、又は、
平均付加モル数2〜300のアルコキシポリアルキレン
グリコールを反応させる方法によっても得ることができ
る。
【0070】上記一般式(4)において、オキシアルキ
レン基の平均付加モル数bは、2〜300の数である
が、5以上が好ましい。より好ましくは、10以上であ
り、更に好ましくは、20以上であり、特に好ましく
は、25以上である。また、200以下が特に好まし
い。また、R19の炭素原子数としては、1以上が好まし
い。また、22以下が好ましい。より好ましくは、18
以下であり、更に好ましくは、12以下であり、更に特
に好ましくは、6以下であり、特に好ましくは、5以下
であり、最も好ましくは3以下である。更に、R17の炭
素原子数としては、1〜5であるが、4以下が好まし
い。より好ましくは、3以下であり、特に好ましくは−
CH2−、−(CH22−又は−C(CH32−の構造
である。
【0071】上記一般式(4)におけるオキシアルキレ
ン基R18Oの炭素数としては、2〜18であるが、8以
下が好ましい。より好ましくは、4以下である。また、
構成単位(III)として1種類となる場合には、親水
性と疎水性のバランス確保のため、オキシアルキレン基
中にオキシエチレン基を必須として有することが好まし
く、より好ましくは50モル%以上、特に好ましくは6
0モル%以上がオキシエチレン基であることである。
【0072】上記一般式(5)で表される構成単位(I
V)を与える単量体(d)としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウ
ム塩、アミン塩等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マ
レイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、又
は、これらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の不
飽和ジカルボン酸系単量体が好適である。更に、これら
の無水物も用いることができ、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸が好適である。中でも、R
20、R21及びR22が、同一若しくは異なって、水素原子
又はメチル基の場合に相当する、不飽和モノカルボン酸
系単量体を用いることが好ましく、特に(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸及びこれらの塩を用
いることが好ましい。
【0073】本発明で用いることができる構成単位
(V)を与える単量体(e)としては、他の単量体の少
なくとも1つと共重合可能な単量体であればよく、下記
のものが好適である。マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子
数1〜4のアルコールとのハーフエステル、ジエステ
ル;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30の
アミンとのハーフアミド、ジアミド;上記アルコールや
アミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1
〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレング
リコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステ
ル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子
数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加
モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハー
フエステル、ジエステル。
【0074】マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリ
コール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜300
のポリアルキレングリコールとのハーフアミド;トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチ
レングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ
(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ
レート等の二官能(メタ)アクリレート類;トリエチレ
ングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマ
レート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート
類。
【0075】ビニルスルホネート、(メタ)アリルスル
ホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネー
ト、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、
3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルス
ルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキ
シプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アク
リロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾ
エート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネー
ト、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メ
タ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロ
パンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスル
ホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びにそれらの一価金
属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等不飽和モノカ
ルボン酸系類、並びにそれらの金属塩、アンモニウム
塩、アミン塩。
【0076】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネート、
エチルクロトネート、プロピルクロトネート等の不飽和
モノカルボン酸類と炭素原子数1〜4のアルコールとの
エステル;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽
和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとの
アミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4
−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−
ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカ
ンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、
イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−ク
ロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アク
リルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)
アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不
飽和シアン類。
【0077】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽
和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メ
タ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチル
アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエ
チル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベ
ンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート
等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリ
シジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化
合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエ
ーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエ
ーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類。ポリ
ジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、
ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレイ
ンアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピ
ルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン
−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポ
リジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレ
ート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3
−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−
(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシ
ロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレー
ト)等のシロキサン誘導体;2−アクリロイロキシエチ
ルホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルホスフ
ェート等の不飽和リン酸エステル類。
【0078】ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘ
キサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテ
トラミン、テトラプロピレンペンタミン等のポリアルキ
レンポリアミンとマロン酸、コハク酸、フマル酸、マレ
イン酸、アゼライン酸、セバチン酸、又はこれらと炭素
数1〜20のアルコールとのエステル化物等の二塩基酸
又は二塩基酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステ
ルとの縮合物に更に(メタ)アクリル酸又は(メタ)ア
クリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化
物、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジル
エーテル等の不飽和エポキシ化合物等とを特定の割合で
縮合させたポリアマイドポリアミンにアルキレンオキシ
ドを特定量付加させた化合物;ポリエチレンイミン、ポ
リプロピレンイミン等のポリアルキレンイミンの活性水
素にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキ
レンオキシドを付加した化合物と(メタ)アクリル酸又
は(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールと
のエステル化物又は(メタ)アクリル酸グリシジル、ア
リルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化物との縮
合物等の窒素原子を有するカチオン性単量体。
【0079】上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)や
(A−2)を得るには、重合開始剤を用いて上記単量体
成分を重合させればよい。重合は、溶媒中での重合や塊
状重合等の方法により行うことができる。溶媒中での重
合は回分式でも連続式でも行うことができ、その際使用
される溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルア
ルコール、2−プロパノール等の低級アルコール;ベン
ゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキ
サン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエ
ステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン化合物の1種又は2種以上が好適である。原料単量体
及び得られるポリカルボン酸系重合体(A−1)や(A
−2)の溶解性並びにポリカルボン酸系重合体(A−
1)や(A−2)の使用時の便宜性からは、水及び炭素
原子数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれた
少なくとも1種を用いることが好ましい。その場合、炭
素原子数1〜4の低級アルコールの中でも、メチルアル
コール、エチルアルコール、2−プロパノール等が特に
有効である。
【0080】上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)や
(A−2)を得るために水媒体中で重合を行うときに
は、重合開始剤としてアンモニウム若しくはアルカリ金
属の過硫酸塩又は過酸化水素等の水溶性の重合開始剤を
使用することが好ましい。この際、亜硫酸水素ナトリウ
ム、モール塩、アスコルビン酸(塩)、ロンガリット等
の促進剤を併用することもできる。また、低級アルコー
ル、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物
又はケトン化合物を溶媒とする重合には、ベンゾイルパ
ーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシ
ド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキ
シド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が
重合開始剤として用いることが好ましい。この際、アミ
ン化合物等の促進剤を併用することもできる。更に、水
−低級アルコール混合溶剤を用いる場合には、上記の種
々の重合開始剤又は重合開始剤と促進剤との組み合わせ
の中から適宜選択して用いることができる。重合温度
は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、
通常0〜120℃であり、30℃以上が好ましい。より
好ましくは50℃以上である。また、100℃以下が好
ましい。より好ましくは95℃以下である。
【0081】また塊状重合を行うときには、通常では重
合開始剤としてベンゾイルパーオキシドやラウロイルパ
ーオキシド等のパーオキシド;クメンハイドロパーオキ
シド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ化合物を用い、50〜200℃で行なわ
れる。
【0082】更に得られるポリカルボン酸系重合体(A
−1)や(A−2)の分子量調節のために、次亜リン酸
(塩)やチオール系連鎖移動剤を併用することもでき
る。この際に用いられるチオール系連鎖移動剤は、一般
式HS−R30−Eg(式中、R30は、炭素原子数1〜2
のアルキル基を表す。Eは、−OH、−COOM、−C
OOR31又はSO3M基を表す。Mは、水素原子、一価
金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表
す。R31は、炭素原子数1〜30のアルキル基を表す。
gは、1〜2の整数を表す。)で表され、メルカプトエ
タノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−
メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン
酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メ
ルカプトプロピオン酸オクチルが好適である。また、水
酸基やカルボキシル基等の官能基をもたない炭素数3以
上の炭化水素基をもつチオール化合物を連鎖移動剤とし
て用いてもよい。ブタンチオール、オクタンチオール、
デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオ
ール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノールが
そのようなチオール化合物として好適である。また、四
塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、
ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;α−メチル
スチレンダイマー、α−テルピネン、γ−テルピネン、
ジペンテン等の不飽和炭化水素化合物を連鎖移動剤とし
て用いてもよい。これらの1種又は2種以上を用いるこ
とができる。また、ポリカルボン酸系重合体(A−1)
や(A−2)の分子量調整のためには、単量体(e)と
して(メタ)アリルスルホン酸(塩)類等の連鎖移動性
の高い単量体を用いることも有効である。
【0083】上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)や
(A−2)は、そのままでも用いることができるが、水
に対する溶解性が不足するような場合には、水に対する
溶解性を向上させて有機溶媒を含まない水媒体液の形態
で取り扱うために、更に一価金属及び二価金属の水酸化
物、塩化物及び炭素塩等の無機物;アンモニア;有機ア
ミン等(好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等の一価金属の水酸化物)のアルカリ性物質で中和して
得られる重合体塩として用いることが好ましい。
【0084】上記ポリカルボン酸系重合体(A−1)や
(A−2)の重量平均分子量としては、例えば、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」と
いう)によるポリエチレングリコール換算で、5000
〜1000000が適当であるが、500000以下が
好ましい。より好ましくは10000以上である。ま
た、より好ましくは300000以下である。重量平均
分子量が5000未満であると、材料分離低減性能が低
下するおそれがあり、1000000を超えると、分散
性能が低下するおそれがある。
【0085】(重量平均分子量測定条件) 機種:Waters LCM1 検出器:Waters 410 示差屈折検出器 解析ソフト:Waters MILLENNIUM V
er.2.18 溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの
混合液に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶か
し、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に
調整した溶離液を用いる。 溶離液流速:0.8ml/min カラム温度:35℃ カラム:東ソー製 TSKgel GuardColu
mnSWXL+G4000SWXL+G3000SWX
L+G2000SWXL 標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量
(Mw)272500、219300、85000、4
6000、24000、12600、4250、710
0、1470
【0086】上記ポリカルボン酸系重合体として、(A
−1)や(A−2)以外に、カルボキシル基を側鎖にも
つポリオキシアルキレン化合物を用いることもできる。
該ポリカルボン酸系重合体は、ポリオキシアルキレン化
合物に不飽和カルボン酸系単量体をグラフト重合させる
ことによって得られる。ポリオキシアルキレン化合物と
しては、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンが好適である。また、不飽和カル
ボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、
イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、又は、これらの
金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の不飽和ジカルボ
ン酸系単量体が好適である。更に、これらの無水物も用
いることができ、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無
水シトラコン酸が好適である。中でも、(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸及びこれらの塩を用
いることが好ましい。
【0087】本発明のコンクリート組成物には、本発明
の作用効果を奏する限り、上記のもの以外にも、従来の
セメント分散剤、水溶性高分子、空気連行剤、セメント
湿潤剤、膨張材、防水剤、遅延剤、急結剤、水溶性高分
子物質、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進
剤、硬化促進剤等を併用してもよい。
【0088】本発明のコンクリート組成物においては、
アルキルエーテル型陰イオン界面活性剤タイプ、変性ロ
ジン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ、アルキルス
ルホン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ、高アルキ
ルカルボン酸塩系陰イオン界面活性剤タイプ、変性アル
キルカルボン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ等の
種々のAE剤、ヴィンソル(商品名、山宗化学社製)又
はMicro−Air(商品名、マスタービルダーズ社
製)等を併用してもよく、本発明の作用効果を減ずるも
のではない。また、ポリカルボン酸系以外のセメント分
散剤、収縮低減剤、分離低減剤、中性化防止剤、膨張
剤、防水剤、遅延剤、急結剤、効果促進剤、水溶性高分
子、増粘剤、凝集剤、セメント湿潤剤、防錆剤等の他の
コンクリート混和剤を併用してもその効果を減ずるもの
ではない。
【0089】本発明においてはまた、コンクリート組成
物に良質の空気を導入し、耐凍結融解性を向上させる場
合には、更にAE剤を含有させることが好ましい。この
場合、コンクリート組成物製造時に混練時間を延長して
使用するとき、すなわちコンクリート組成物の搬送時に
長時間混練し続けるようなときにも、上記コンクリート
組成物では連行空気量を安定に保って、その硬化物の耐
凍結融解性や、強度、耐久性を優れたものとすることが
できる。
【0090】本発明のセメント組成物は、ポリオキシア
ルキレン系化合物、セメント、水、細骨材及び粗骨材を
必須成分とする製造原料を混合する工程を含むコンクリ
ート組成物の製造方法により製造することができる。こ
の場合、本発明のコンクリート組成物を構成するものす
べての製造原料を混合する工程を含むことになる限り、
各製造原料の添加方法や順序等は特に限定されるもので
はない。このようなコンクリート組成物の製造方法は、
本発明の好ましい実施形態の一つである。
【0091】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、特に断りのない限り、「%」は、「質
量%」を意味するものとする。
【0092】製造例1 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器
を備えたガラス製反応容器に水339.6gを仕込み、
攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80
度まで加熱した。次に、メトキシポリエチレングリコー
ルモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モ
ル数25個)333.6g、メタクリル酸66.4g、
水100g、及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロ
ピオン酸3.5gを混合したモノマー水媒体液503.
5gを4時間、並びにペルオキソ二硫酸アンモニウム
4.6gを溶かした水溶液46gを5時間かけて滴下し
た。その後、1時間引き続いて80度に温度を維持し、
重合反応を完結させ、重量平均分子量23800の共重
合体水媒体液からなる共重合体(1)を得た。
【0093】以下の実施例及び比較例で用いた消泡剤の
構造を、以下に示す。基本的な構造はアミン又はアルコ
ールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加
させたものである。ここで、エチレンオキシドをEOと
プロピレンオキシドをPOと記す。また、RaNは、炭
素数14〜18の硬化牛脂アミン残基(全アミン価=2
15.9)である。RbOは、炭素数12〜14の2級
アルコール残基である。 (消泡剤1)C1225N(EO)7(PO)5H (消泡剤2)C1225N(EO)7(PO)7H (消泡剤3)RaN(EO)7(PO)7H (比較消泡剤1)C817O(PO)20(EO)3H (比較消泡剤2)RbO(EO)9(PO)5H (比較消泡剤3)C1225N(EO)7(PO)3
【0094】実施例1〜3及び比較例1〜3 <コンクリート試験>コンクリート試験では、製造例1
で得た共重合体(1)水溶液を濃度30%の水酸化ナト
リウム水溶液でpH7に調整し、更にイオン交換水で希
釈し、固形分濃度40%に調整したものを使用した。セ
メントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメン
ト社製:比重3.16)、細骨材として大井川水系産陸
砂(比重2.62)、粗骨材として青梅産砕石(比重
2.58)及び水として横須賀市水道水を用い、以下に
示す2種類の配合で、練り混ぜ量が40Lとなるように
それぞれの材料を計量し、可傾式ミキサー(光洋機械産
業社製:KYCベビーミキサー)を用いて材料の混練を
行った。ミキサーの回転数は20回転/分に固定した。
【0095】<配合1> 単位セメント量:360.0kg/m3 単位水量:144.0kg/m3 単位細骨材量:767.1kg/m3 単位粗骨材量:1043.1kg/m3 水/セメント比:40% 細骨材率:42%
【0096】<配合2> 単位セメント量:350.0kg/m3 単位水量:161.0kg/m3 単位細骨材量:877.1kg/m3 単位粗骨材量:899.0kg/m3 水/セメント比:46% 細骨材率:49%
【0097】<混練方法> (1)細骨材のみをミキサーに投入し、30秒間空練り
した後、回転を止めた。 (2)セメントを投入し、更に30秒間空練りした。 (3)回転を止め、減水剤及び消泡剤を含む水(水の全
所定量の95%)を加え、更に90秒間混練した。 (4)回転を再度止め粗骨材を投入し、更にAE剤を含
む水(水の全所定量の5%)を加え、150秒間混練し
た。 (5)得られたコンクリートを一部ミキサーから取り出
し、スランプと空気量を測定した。スランプの測定は日
本工業規格JIS A 1101に、また空気量の測定
は日本工業規格JIS A 1128に準拠して行っ
た。この時点でのスランプ値をS1、空気量をA1とし
た。 (6)スランプと空気量の測定に用いたコンクリートを
ミキサーに戻し5分間混練した後、再度スランプと空気
量を測定した。この時点でのスランプ値をS2、空気量
をA2とした。 (7)再度測定に用いたコンクリートを戻し、5分間混
練した。得られたコンクリートのスランプと空気量を測
定した。この時点でのスランプ値をS3、空気量をA3
とした。 コンクリート試験結果を表1にまとめた。
【0098】
【表1】
【0099】表1について、説明する。AE剤におい
て、Micro−Air(商品名)とは、マスタービル
ダーズ社製のAE剤である。添加量(質量%/C)と
は、セメント固形分に対する質量割合である。空気量
(%)とは、コンクリート組成物における容積%であ
る。
【0100】<混和剤との相溶性試験>消泡剤(1)〜
(3)を所定量共重合体(1)の水溶液に加え、水酸化
ナトリウム水溶液でpHを調整し、更に固形分をイオン
交換水で40%に調整した。得られた水溶液の様子をま
ず室温にて観察した後、43℃に保った恒温室内に放置
し、1日後及び6ヶ月後の様子を観察した。比較消泡剤
(1)及び(2)の場合は、共重合体(1)の水溶液を
水酸化ナトリウムでpH7に調整した水溶液に対して、
所定量添加した。イオン交換水で固形分を40%に調整
した後、上記と同様の操作を行い、水溶液の様子を観察
した。結果を表2にまとめた。 (外観の評価基準) ◎:均一で透明 △:白濁 ×:層分離
【0101】
【表2】
【0102】表2について、以下に説明する。消泡剤の
構造において、RaNは、炭素数14〜18の硬化牛脂
アミン残基(全アミン価=215.9)であり、RbO
は、炭素数12〜14の2級アルコール残基である。固
形分濃度(%)とは、水溶液における固形分の質量%で
ある。
【0103】
【発明の効果】本発明のコンクリート組成物は、上述の
構成よりなり、コンクリート組成物製造時の混練時間延
長にともなう空気量増加がなく、連行空気量を安定に保
つことができると共に、強度及び耐久性に優れた硬化物
を形成することができるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシアルキレン系化合物、水、セ
    メント、細骨材及び粗骨材を必須成分とするコンクリー
    ト組成物であって、該ポリオキシアルキレン系化合物
    は、分子内に少なくとも1つの窒素原子を有し、かつオ
    キシアルキレン基におけるオキシエチレン基の合計付加
    モル数をuとし、炭素数3以上のオキシアルキレン基の
    合計付加モル数をvとすると、0.15<u/(u+
    v)<0.65の関係を満たすものであることを特徴と
    するコンクリート組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリオキシアルキレン系化合物は、
    分子内に炭素原子が5個以上連続して結合している脂肪
    族炭化水素基を有することを特徴とする請求項1記載の
    コンクリート組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリオキシアルキレン系化合物は、
    u及びvが0.35<u/(u+v)<0.65の関係
    を満たすものであることを特徴とする請求項1又は2記
    載のコンクリート組成物。
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