JP2003226352A - キャップライナー用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

キャップライナー用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品

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JP2003226352A
JP2003226352A JP2002025469A JP2002025469A JP2003226352A JP 2003226352 A JP2003226352 A JP 2003226352A JP 2002025469 A JP2002025469 A JP 2002025469A JP 2002025469 A JP2002025469 A JP 2002025469A JP 2003226352 A JP2003226352 A JP 2003226352A
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Yoshiharu Fujita
義治 藤田
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Wacker Asahikasei Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温殺菌工程においてもシール特性を失わ
ず、かつ架橋工程で発生する衛生性に影響を及ぼす不純
物を含有しない食品用途、医療用途に適したシール材、
特に容器キャップのシールに用いられるキャップライナ
ーに最適のキャップライナー用ポリオレフィン系樹脂組
成物及びその成形品を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂と特定粘度の付加
反応硬化型液状シリコーンゴム組成物を可塑化混練装置
に供給し、可塑化混練装置内部で付加反応硬化型液状シ
リコーンゴム組成物を動的に架橋させて得られるポリオ
レフィン系樹脂組成物及びその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、120℃以上の高
温殺菌工程においてもシール特性を失わず、かつ架橋工
程で発生する衛生性に影響を及ぼす不純物を含有しない
食品用途、医療用途に適したシール材、特に容器キャッ
プのシールに用いられるキャップライナーに最適のキャ
ップライナー用ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成
形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂は成形性、加工
性、耐薬品性が優れ、透明性、水蒸気遮蔽性が良好であ
ることから各種の食品用途、医療用途のシール材に広く
利用されている。しかしながら、清涼飲料容器、ビール
容器、薬液容器などの容器キャップのキャップライナー
にポリオレフィン系樹脂を用いる場合には、ポリオレフ
ィン系樹脂にゴム弾性がないため、容器にキャップを取
り付けた状態で120℃以上の高温殺菌を施すと、シー
ル性が低下して気密性が損なわれるという欠点があっ
た。
【0003】そこで、シール材、パッキング材に用いら
れるゴム材料をポリオレフィン系樹脂に添加する検討が
行われている。例えば、粉状シリコーンゴムを配合した
ポリオレフィン系樹脂組成物(特公平5−24183号
公報、特開平8−259742号公報)やポリオレフィ
ン系樹脂に有機過酸化物架橋型シリコーンゴム組成物と
特定の両末端に二重結合を有する炭化水素化合物を配合
した組成物が提案されている(特許第2704649号
公報)。しかしながら、これらは120℃以上のシール
性を改良するために検討されたものではなく、シール特
性の指標、すなわち120℃以上の耐圧縮永久ひずみ性
が十分ではなかった。
【0004】なお、圧縮永久ひずみとは、ゴムの圧縮方
向の永久ひずみをいい、試験片を一定の圧縮割合で圧縮
し、規定温度に規定時間保持した後荷重を除き、規定時
間放置し、減少した厚さの圧縮変形の厚さに対する百分
率で表わしたものであり、数値が小さいほどシール性が
優れる。
【0005】また、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂の連続相
に付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物の疑似相互
侵入高分子網目(疑似IPN)を形成したシリコーン含
有組成物の製法に関する提案、並びにポリオレフィン系
樹脂又はポリブチレンテレフタレート樹脂に固体状の付
加反応硬化型シリコーンゴム組成物を混合して付加反応
硬化型液状シリコーンゴム組成物を動的に架橋し熱可塑
性シリコーンエラストマーを製造する提案も行われてい
る(米国再発行特許第Re.33,070号公報、米国
特許第6,013,715号公報)。しかしながら、こ
れらの提案には、食品用途、医療用途のシール材として
必須の特性である高温殺菌下におけるシール特性の指
標、すなわち耐圧縮永久ひずみ性の改善は示唆されてい
ない。
【0006】さらに、無菌充填びん詰製品の樹脂製容器
キャップのライナーにエチレン系重合体の連続相とエチ
レン系重合体−オルガノポリシロキサン共重合体の分散
相からなる樹脂組成物の成形体を用いることが提案され
ている(特開平9―315451号公報)。この提案に
よれば、エチレン系重合体−オルガノポリシロキサン共
重合体の分散相が表面に露出することにより、滑性が付
与されキャップの開栓トルクが適正な範囲に維持され
る。しかしながら、有機過酸化物によるグラフト処理を
行うため、有機過酸化物の分解副生成物が残存してしま
い、ライナーに臭気が残るという欠点があった。また、
120℃以上の耐圧縮永久ひずみ性も十分ではなかっ
た。
【0007】以上、ポリオレフィン系樹脂にシリコーン
ゴムを添加する検討は種々行われているものの、120
℃以上の高温殺菌工程においてもシール特性を失わず、
かつ架橋工程で発生する衛生性に影響を及ぼす不純物を
含有しない食品用途、医療用途に適したシール材、特に
容器キャップのシールに用いられるキャップライナーに
最適のポリオレフィン系樹脂組成物は未だ開発されてお
らず、その開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情を鑑
みなされたもので、120℃以上の高温殺菌工程におい
てもシール特性を失わず、かつ架橋工程で発生する衛生
性に影響を及ぼす不純物を含有しない食品用途及び医療
用途に適したシール材、特に容器キャップのシールに用
いられるキャップライナーに最適のキャップライナー用
ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形品を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン系樹
脂と特定粘度の付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成
物を可塑化混練装置に供給し、可塑化混練装置内部で付
加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物を動的に架橋さ
せて得られるポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形
品が上記目的を達成することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0010】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は(A)成分の
ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、(B)25
℃、せん断速度0.9s−1における粘度が1〜10,
000Pa・sの付加反応硬化型液状シリコーンゴム組
成物1〜400重量部を可塑化混練装置に供給し、可塑
化混練装置内部で(B)成分を動的に架橋させて得られ
ることを特徴とするキャップライナー用ポリオレフィン
系樹脂組成物及びその成形品を提供するものである。以
下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明(A)成分のポリオレフィン系樹脂
は、通常使用されているものであれば特に限定されない
が、具体例を挙げるなら、例えば、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブチレン、ヘキセン、1,4−メ
チル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1
−ノネン、1−デセンのホモポリマー、エチレン−プロ
ピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマー、
エチレン−1−ヘキセンコポリマー、エチレン−1−オ
クテンコポリマーなどのエチレンベースコポリマーが挙
げられ、これらは単独であるいは混合して使用される
が、好ましくはポリエチレン又はポリプロピレン単独あ
るいはポリエチレン及び/又はプロピレンを主たる構成
成分とするランダムもしくはブロックコポリマーであ
る。
【0012】また、これらのポリオレフィン系樹脂に酸
無水物基、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシ基
などの官能基を有する化合物をグラフト化した変性ポリ
オレフィン系樹脂も好ましく使用される。
【0013】本発明(B)成分の付加反応硬化型液状シ
リコーンゴム組成物は、通常使用されているものであれ
ば特に限定はなく、下記一般式(1)、 R SiO(4−a)/2 (1) (式(1)中のRは同一又は異なる、置換又は非置換
の一価炭化水素基を表わし、そのRの0.01〜10
モル%はアルケニル基であり、aは1.9〜2.4の正
数である。)で示されるケイ素原子に結合したアルケニ
ル基を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン
と、
【0014】下記一般式(2)、 R SiO(4−b−c)/2 (2) (式(2)中のRは同一又は異なる、置換又は非置換
の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、
cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.
0である。)で示される、1分子中に少なくとも2個の
ケイ素原子に結合した水素原子を有する常温で液体のオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化
触媒を主成分にして構成されたものが用いられる。
【0015】式(1)のオルガノポリシロキサンにおい
て、Rは、好ましくは炭素数1〜12の置換又は非置
換の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチ
ル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基など
のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基などのシクロアルキル基、ビニル基、
アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル
基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル
基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリ
ル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基、ベ
ンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メ
チルベンジル基などのアラルキル基や、これらの炭化水
素基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、シア
ノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロ
モエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3
−クロロプロピル基、シアノエチル基などのハロゲン置
換アルキル基やシアノ置換アルキル基などが挙げられ
る。特に好ましいR1はメチル基、ビニル基、フェニル
基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0016】なお、アルケニル基含有オルガノポリシロ
キサンは、全R中の0.01〜10モル%がアルケニ
ル基、好ましくは0.02〜2モル%がアルケニル基で
あり、1分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を
含むことが必要である。このアルケニル基は、分子鎖末
端のケイ素原子あるいは分子鎖途中のケイ素原子のいず
れに結合したものであっても、あるいはこの両方に結合
したものであってもよいが、シリコーンゴム硬化物の物
性などの点から少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に
結合したアルケニル基を有するものであることが好まし
い。
【0017】また、全R中の70〜99.99モル%
がメチル基であることが好ましく、特に好ましくは90
〜99.98モル%である。メチル基が70モル%より
少ない場合には、耐候性などが損なわれるという欠点が
ある。
【0018】式(1)において、aは1.9〜2.4、
好ましくは1.98〜2.05の正数であり、このアル
ケニル基含有オルガノポリシロキサンは直鎖状であって
も、分岐状であってもよいが、通常は、直鎖状のポリジ
オルガノシロキサンである。このアルケニル基含有オル
ガノポリシロキサンは当業者にとって公知の方法によっ
て製造される。また、種々異なるアルケニル基含有オル
ガノポリシロキサンの混合物を使用することもできる。
【0019】式(2)のオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンにおいて、Rは同一又は異なる、置換又は非
置換の一価炭化水素基であり、具体的にはRで例示し
たものと同じものであるが、脂肪族不飽和結合を有しな
いものであることが好ましく、特にメチル基、フェニル
基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であることが
好ましい。bは0.7〜2.1、好ましくは0.9〜
2、cは0.001〜1.0、好ましくは0.01〜1
で、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくは0.9〜
2.5である。
【0020】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンは、架橋剤として作用するもので、1分子中に3個以
上のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を含有するも
のが好ましい。1分子中にSiH基を2個有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンを使用する場合には、
1分子中に少なくとも3個のアルケニル基を有するアル
ケニル基含有オルガノポリシロキサンを使用することが
推奨される。このSiH基は分子鎖の末端、分子鎖途中
のいずれに位置するものであっても、また両方に位置す
るものであってもよい。また、1分子中のケイ素原子数
は3〜600個、好ましくは4〜200個である。さら
に、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造は線
状、分岐状、環状又は網状であってもよい。このオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンは当業者にとって公知
の方法によって製造される。
【0021】オルガノハイドロジェンポリシロキサンの
配合量は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン中
のケイ素原子に結合したアルケニル基に対するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル比が
0.5〜5.0、好ましくは1.0〜3.0になる量で
ある。
【0022】本発明(B)成分の付加反応硬化型液状シ
リコーンゴム組成物を硬化するためのヒドロシリル化触
媒としては通常使用されるものであり、金属及びその化
合物としては、例えば、白金、ロジウム、パラジウム、
ルテニウム、及びイリジウム、有利には白金を使用する
ことができる。金属は場合により微粒子状の担体材料
(例えば、活性炭、酸化アルミニウム、酸化ケイ素)に
固定する。ヒドロシリル化触媒としては、白金及び白金
化合物を使用することが好ましい。
【0023】白金化合物としては、白金ハロゲン化物
(例えば、PtCl4、H2PtCl4・6H2O、Na2
PtCl4・4H2O、H2PtCl4・6H2Oとシクロ
ヘキサンからなる反応生成物)、白金−オレフィン錯
体、白金−アルコール錯体、白金−アルコラート錯体、
白金−エーテル錯体、白金−アルデヒド錯体、白金−ケ
トン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、白金
−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン錯体、ビス−(γ−ピコリン)−白金ジクロ
ライド、トリメチレンジピリジン−白金ジクロライド、
ジシクロペンタジエン−白金ジクロライド、シクロオク
タジエン−白金ジクロライド、シクロペンタジエン−白
金ジクロライド)が挙げられる。また、ヒドロシリル化
触媒はマイクロカプセル化した形で使用することもでき
る。この場合触媒を含有し、かつオルガノポリシロキサ
ン中に不溶の微粒子固体は、例えば、熱可塑性樹脂(例
えば、ポリエステル樹脂又はシリコーン樹脂)である。
また、ヒドロシリル化触媒は包接化合物の形で、例え
ば、シクロデキストリン内で使用することも可能であ
る。ヒドロシリル化触媒の添加量は触媒量であり、白金
触媒を使用する場合、シリコーンゴム組成物中の白金金
属として0.1〜500ppm、特に1〜100ppm
の範囲である。
【0024】なお、本発明(B)成分の付加反応硬化型
液状シリコーンゴム組成物には、その硬化物の機械特性
を向上させるためにシリカ微粉末を添加することが好ま
しい。シリカ微粉末は、その種類に特に限定はなく、従
来のシリコーンゴム組成物に使用されているものを使用
できる。このようなシリカ微粉末としては、BET法に
よる表面積が少なくとも50m2/g以上が必須であ
り、特に50〜400m2/gの沈降性シリカ、ヒュー
ムドシリカ、焼成シリカや、平均粒径が50μm以下、
特に0.1〜20μmの粉砕石英、珪藻土などが好適に
使用される。なお、これらのシリカ微粉末はそのまま用
いてもよいが、オルガノシロキサン又はステアリン酸で
処理することにより、又はヒドロキシル基をアルコキシ
基にエーテル化することにより、疎水化されていてもよ
い。
【0025】シリカ微粉末の配合量は、オルガノポリシ
ロキサン100重量部に対して1〜100重量部が好適
であり、1部未満では機械的強度が弱く、100重量部
を超えると作業性が悪くなる。好ましくは2〜50重量
部の範囲である。
【0026】また、本発明(B)成分の付加反応硬化型
液状シリコーンゴム組成物には、上記成分以外に任意成
分としてエチニルシクロヘキサノールなどのアセチレン
アルコール化合物などの付加反応制御剤などを本発明の
効果を妨げない範囲で添加することができる。
【0027】本発明(B)成分の付加反応硬化型液状シ
リコーンゴム組成物の好ましい粘度は25℃、せん断速
度0.9s−1において1〜10,000Pa・s、特
に好ましい粘度は25℃、せん断速度0.9s−1にお
いて10〜7,000Pa・s、最も好ましい粘度は2
5℃、せん断速度0.9s−1において20〜5,00
0Pa・sである。
【0028】本発明(B)成分の付加反応硬化型液状シ
リコーンゴム組成物の配合量は、(A)成分のポリオレ
フィン系樹脂100重量部に対し、1〜400重量部が
好ましい。1重量部未満では、本発明のキャップライナ
ー用ポリオレフィン系樹脂組成物を成形したライナーの
耐圧縮永久ひずみ性が不十分である。一方、400重量
部を超えると、従来公知の合成樹脂の成形方法(注入成
形、圧縮成形、射出成形、押出成形、トランスファー成
形など)が困難になる。より好ましい配合量は10〜2
00重量部、特に好ましくは25〜150重量部であ
る。
【0029】本発明のキャップライナー用ポリオレフィ
ン系樹脂組成物中の架橋した(B)成分の付加反応硬化
型液状シリコーンゴム組成物の粒子径は300μm以下
であることが好ましく、0.1〜100μmがより好ま
しい。
【0030】さらに、本発明のキャップライナー用ポリ
オレフィン系樹脂組成物には、シリコーンオイル、例え
ば、直鎖状のジメチルポリシロキサン、水酸基含有ジメ
チルポリシロキサン、直鎖状のメチルフェニルポリシロ
キサンを添加することができ、また目的に応じて各種の
添加剤、例えば、無機質充填剤、カーボンブラック、顔
料、耐熱向上剤、老化防止剤、難燃剤、可塑剤、滑剤な
どを添加してもよい。なお、これら任意成分の添加量
は、本発明の効果を妨げない範囲の量である。
【0031】本発明のキャップライナー用ポリオレフィ
ン系樹脂組成物は、(A)成分のポリオレフィン系樹脂
の融点以上に加熱可能な可塑化混練装置、例えば、練り
ロール機、密閉式混合機(ニーダー、バンバリーミキサ
ーなど)、単軸押出機、二軸押出機などの混練装置で加
熱混練しながら、(B)成分の付加反応硬化型液状シリ
コーンゴム組成物を動的に架橋することによって製造で
きる。
【0032】本発明のキャップライナー用ポリオレフィ
ン系樹脂組成物の製法は特に限定されないが、生産性を
考慮する場合は、二軸押出機を用いて連続的に製造する
方法が好ましい。例えば、(A)成分のポリオレフィン
系樹脂と(B)成分の付加反応硬化型液状シリコーンゴ
ム組成物を二軸押出機に供給して、(A)成分が溶融し
た状態で、混練りを続行しながら(B)成分を動的に架
橋させ、押出機の末端から棒状、シート状、ペレット状
など形状で取り出す方法により製造することができる。
【0033】また、ニーダー、バンバリーミキサーなど
の密閉式混合機で(A)成分のポリオレフィン系樹脂と
(B)成分の付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物
を混合し、混合物を溶融状態のままフィーダールーダー
などを用いて二軸押出機へ供給する方法によって、本発
明のキャップライナー用ポリオレフィン系樹脂組成物を
製造してもよい。
【0034】なお、混練温度は、通常、ポリオレフィン
系樹脂の融点以上分解温度以下、好ましくはポリオレフ
ィン系樹脂の融点に10℃〜150℃を加えた温度範囲
である。また、混練時間は、構成成分の種類、量及び可
塑化混練装置に依存するため一概に論じられないが、可
塑化混練装置としてニーダー、バンバリーミキサーなど
を使用する場合には、通常、約5〜30分程度、二軸押
出機の場合は平均滞留時間30秒〜10分程度であり、
ローターやスクリュー回転数は高目が好ましい。
【0035】さらに、混練するにあたり、各成分を一括
混練してもよく、また任意の成分を混練した後、残りの
成分を添加し混練する多段分割混練法をとることもでき
る。特に好ましい混練法は、ポリオレフィン系樹脂を可
塑化混練装置内部で溶融した後、ビニル基含有ポリジメ
チルシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、フュームドシリカからなる組成物(付加反応硬化型
液状シリコーンゴム組成物のB材)を添加して混練し、
次いでビニル基含有ポリジメチルシロキサン、白金化合
物、ヒュームドシリカからなる組成物(付加反応硬化型
液状シリコーンゴム組成物のA材)を添加し混練する方
法である。なお、上記A材とB材の添加順序は、A材を
先に、次いでB材としてもよい。
【0036】生産性を考慮した場合に好ましい二軸押出
機を使用する場合の製造条件を具体的に例示するなら、
押出機のスクリュー長さ(L)と直径(D)との比(L
/D)が30以上であって、スクリュー回転数が300
rpm以上のものを選択し、例えば、ポリエチレン系樹
脂の場合は130〜250℃、ポリプロピレン系樹脂の
場合は150〜260℃のシリンダー温度で、スクリュ
ー回転数100rpm以上、好ましくは押出し条件は2
00rpm以上、平均滞留時間30〜300秒である。
(A)成分のポリオレフィン系樹脂をメインフィーダか
ら定量供給し、(B)成分の付加反応硬化型液状シリコ
ーンゴム組成物はサブフィーダーから定量供給する方法
が好ましい。(B)成分の定量供給方法としては往復動
ポンプとギアポンプなどとを組み合わせた定量供給装置
を介して、(A)成分のポリオレフィン系樹脂が流動可
塑化状態になっているシリンダー部位に圧入されること
が好ましい。
【0037】また、(B)成分で使用されるヒドロシリ
ル化触媒と架橋剤として使用されるオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンとは、それぞれにアルケニル基含有
オルガノポリシロキサンに溶解希釈しておくことが好ま
しく、フィーダーを別系統にすることによって付加反応
硬化型液状シリコーンゴム組成物がポリオレフィン系樹
脂に十分分散する前に架橋してしまうという問題を防止
できる。シリンダー部位の区分けは、例えば、ベース樹
脂の圧縮可塑化ゾーンとしてL/D比にして5〜10、
中間に付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物の圧
入、硬化、分散ゾーンとしてL/D比にして10以上、
後段は揮発分回収、添加剤注入、混合ゾーンとしてL/
D比にして5以上にすることが好ましい。スクリューエ
レメントとしては、それぞれのゾーンに要求される形状
と長さから選択される。
【0038】本発明のキャップライナー用ポリオレフィ
ン系樹脂組成物のライナー成形方法は、該組成物の粘度
により自由に選択することができ、注入成形、圧縮成
形、射出成形、押出成形、トランスファー成形などいず
れの方法を採用してもよい。また、本発明のキャップラ
イナー用ポリオレフィン系樹脂組成物の製造機にダイを
取り付けて押出したり、射出システムを組み込んで金型
へ射出して該組成物の製造とライナー成形を一段で行っ
てもよい。
【0039】ライナー成形方法の具体的な例としては、
本発明のキャップライナー用ポリオレフィン系樹脂組成
物又は該組成物とニートのポリオレフィン系樹脂の混合
物を厚さ0.5〜1mmのシート状に成形した後、キャ
ップの形状に合った径に打ち抜き、キャップ内に挿入し
て接合する方法、押出機から押し出された一定量のキャ
ップライナー用ポリオレフィン系樹脂組成物又は該組成
物とニートのポリオレフィン系樹脂の混合物をカッター
で切断して樹脂又は金属のキャップの内側に落下させ、
冷却下に型押ししてライナー形状にする方法などが挙げ
らる。生産性を考慮する場合には、後者の方法がより好
ましい。
【0040】本発明のキャップライナー用ポリオレフィ
ン系樹脂組成物及びその成形品の最も好ましい実施形態
は、(A)成分のポリオレフィン系樹脂を可塑化混練装
置に供給して溶融混練した後、(B)付加反応硬化型液
状シリコーンゴム組成物を可塑化混練装置に供給し、可
塑化混練装置内部で(B)成分を動的に架橋させてキャ
ップライナー用ポリオレフィン系樹脂組成物を得る。次
いで、該組成物単独、もしくは該組成物とニートのポリ
オレフィン系樹脂の混合物をライナー形状に成形する方
法である。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明の実施
の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に
制限されるものではない。
【0042】
【実施例】実施例1 密度0.954g/cm,メルトフローレート(MF
R)8g/10分の低圧法高密度ポリエチレン(旭化成
株式会社製サンファイン〈登録商標〉:LH410)1
40gを、キャビテイ温度140℃に設定した東洋精機
株式会社製ラボプラストミルMR100型に供給して溶
融混練し、トルクが安定したところで混練を続けなが
ら、25℃、せん断速度0.9s−1の粘度が850P
a・sの付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物のB
材(ビニル基含有ジメチルポリシロキサン、メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン、フュームドシリカからなる
組成物)35gを加え、再びトルクが安定した約5分後
に、25℃、せん断速度0.9s−1の粘度が850P
a・sの付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物のA
材(ビニル基含有ジメチルポリシロキサン、白金化合
物、ヒュームドシリカからなる組成物)35gを加え
た。A材添加により混練トルクは急激に上昇したが、そ
のままトルクが安定するまで約15分混練を続けた後、
ロータを止めて、混練物を取り出した。なお、ロータ回
転数は混練の最初から終了まで50rpmに保持した。
冷却固化前の混合物は白色で均質な粘り強い餅状だっ
た。
【0043】混練物を厚さ0.1mmのポリエチレンテ
レフタレートシートに挟み、熱盤温度173℃の圧縮成
形機に供給して厚さ0.8mmのシートを得た。得られ
たシートからJIS K6251−1993に規定する
ダンベル状3号試験片を打ち抜き、引張速度50mm/
分で引張強さ、伸びを測定した。結果を表1に示す。
【0044】上記シートから直径29mmの円盤を打ち
抜き、それを2枚重ねて約50%の厚さとなるまで圧縮
し、125℃で10分間保持した後、開放し、30分後
の圧縮永久ひずみを測定した。なお、圧縮永久ひずみ
は、JIS K6262−1997の5.5に従って計
算した。結果を表1に示す。
【0045】実施例2 低圧法高密度ポリエチレン140gを100g、付加反
応硬化型液状シリコーンゴム組成物のB材35gを50
g、付加反応硬化型液状シリコーンゴム組成物のA材3
5gを50gにする以外は実施例1と同様に処理し、混
合物を得た。さらに、該混合物から実施例1と同様に成
形し、実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示
す。
【0046】比較例1 実施例1記載の低圧法高密度ポリエチレン単体を実施例
1と同様に成形し、実施例1と同様の測定を行った。結
果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例3 低圧法高密度ポリエチレンの替わりにMFR7.5g/
10分のランダムコポリマータイプポリプロピレン(サ
ンアロマー株式会社製サンアロマー〈登録商標〉PC6
30S)、キャビテイ温度140℃を170℃にする以
外は実施例1と同様に処理し、混合物を得た。さらに、
圧縮成形機の熱盤温度を173℃から190℃にする以
外は実施例1と同様の圧縮成形法により厚さ0.8mm
のシートを作成し、実施例1と同じ方法で引張特性と圧
縮永久ひずみを測定した。結果を表2に示す。
【0049】比較例2 実施例3記載のランダムコポリマータイプポリプロピレ
ン単体を実施例3と同様に成形し、実施例3と同様の測
定を行った。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明のキャップライナー用ポリオレフ
ィン系樹脂組成物の成形品は耐圧縮永久ひずみ性が改善
されてシール特性が向上しているとともに、衛生性に影
響を及ぼす不純物を含有しないので、食品用途及び医療
用途のシール材、特に容器キャップのシールに用いられ
るキャップライナーに最適であり極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 15/10 F16J 15/10 A X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン系樹脂100重量
    部に対し、(B)25℃、せん断速度0.9s−1にお
    ける粘度が1〜10,000Pa・sの付加反応硬化型
    液状シリコーンゴム組成物1〜400重量部を可塑化混
    練装置に供給し、可塑化混練装置内部で(B)成分を動
    的に架橋させて得られることを特徴とするキャップライ
    ナー用ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分のポリオレフィン系樹脂がエ
    チレン及び/又はプロピレンを主成分とすることを特徴
    とする請求項1記載のキャップライナー用ポリオレフィ
    ン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)ポリオレフィン系樹脂100重量
    部に対し、(B)成分の付加反応硬化型液状シリコーン
    ゴム組成物が10〜200重量部であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のキャップライナー用ポリオレ
    フィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 金属又は樹脂製キャップの内側に用いる
    ライナーであり、該ライナーが請求項1〜3のいずれか
    に記載のキャップライナー用ポリオレフィン系樹脂組成
    物からなることを特徴とするキャップライナー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のキャッ
    プライナー用ポリオレフィン系樹脂組成物を金属又は樹
    脂製キャップに一体化させてなることを特徴とするキャ
    ップライナー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015523926A (ja) * 2012-06-11 2015-08-20 モーメンテイブ・パーフオーマンス・マテリアルズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング プラスチック複合成形体の製造方法

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