JP2003225070A - 魚栄養食品及びその製造方法並びに魚ペースト含有調味料 - Google Patents

魚栄養食品及びその製造方法並びに魚ペースト含有調味料

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JP2003225070A
JP2003225070A JP2002324615A JP2002324615A JP2003225070A JP 2003225070 A JP2003225070 A JP 2003225070A JP 2002324615 A JP2002324615 A JP 2002324615A JP 2002324615 A JP2002324615 A JP 2002324615A JP 2003225070 A JP2003225070 A JP 2003225070A
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正記 江崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日常の食事で不足しがちな、健康のために不
可欠なカルシウム等のミネラル類、コラーゲン(膠
質)、ビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、E
PA(イコサペンタエン酸)などの栄養素を豊富に含
み、特に、酒の肴、つまみ、調味料、お茶漬け等として
好適な魚栄養食品、その製造方法及び魚ペースト含有調
味料の提供。 【解決手段】 身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒ
レ、皮、軟骨等の残部を、少なくとも水を加えて柔らか
くなるまで煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕
して得られたペースト状物を冷却固化してなる魚栄養食
品及びこれを含む魚ペースト含有調味料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚栄養食品に関
し、更に詳述すると、日常の食事で不足しがちな、健康
のために不可欠であるカルシウム等のミネラル類、コラ
ーゲン(膠質)、ビタミン類、DHA(ドコサヘキサエ
ン酸)、EPA(イコサペンタエン酸)などの栄養素を
豊富に含み、特に、酒の肴、つまみ、調味料、お茶漬け
等として好適な魚栄養食品及びその製造方法並びに魚ペ
ースト含有調味料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、栄養面で不足しているといわれて
いるものとして、子供の骨格をもろくしたり、女性や老
人の骨粗鬆症の原因といわれているカルシウム不足が挙
げられる。また、骨格の代謝に必要な栄養素としては、
カルシウム以外にもリン、ビタミンD、コラーゲン(膠
質)、ミネラル類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、E
PA(イコサペンタエン酸)などが必要であり、これら
成分をバランス良く毎日摂取することが必要であるとい
われているが、強化食品、薬又はその他の形で摂ること
は、上記栄養素のバランス、食習慣などから望ましい対
策とは言えなかった。
【0003】一方、カルシウムを豊富に含む魚骨は、水
産物の加工時に副産物として大量に産生されるが、従
来、食品のカルシウム強化源としては十分に利用されて
いなかった。その理由としては、魚骨自体が堅くそのま
までは食することができないこと、缶詰加工、酢酸浸漬
などにより軟化させて、初めて食することができる素材
となるが、その工程が複雑であること、また、それを利
用した食品の種類は限られており、かつ比較的摂食頻度
の低いものであったことが挙げられる。
【0004】また、魚骨を乾燥粉末化し魚骨粉として利
用する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び
2参照)が、50〜60%を占める水分を乾燥除去する
には多大なエネルギーを必要としている。また、魚骨を
ペースト化する例が提案されている(例えば、特許文献
3参照)が、これは加熱しない中骨を筋肉蛋白質が付着
したままで原料としたペーストの製造方法であり、例え
ば、練り製品を製造する際には、ペーストに含まれる筋
肉蛋白質及び骨由来の蛋白質分解酵素の影響による弾力
の低下が見られるという問題がある。
【0005】更に、カツオ、アジ、イワシ、サバ、マグ
ロ等の青魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EP
A(イコサペンタエン酸)などが多量に含まれているこ
とが知られているが、魚嫌いの人が容易に食することが
できる食品は提供されていなかった。
【0006】
【特許文献1】特開平2−231059号公報
【特許文献2】特開平4−121166号公報
【特許文献3】特開平4−190768号公報
【0007】このように、日常の食事で不足しがちな、
健康のために不可欠なカルシウム等のミネラル類、コラ
ーゲン(膠質)、ビタミン類、DHA(ドコサヘキサエ
ン酸)、EPA(イコサペンタエン酸)などの栄養素を
豊富に含み、摂取し易い栄養食品はほとんど提供されて
いないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記問題を解決し、以下の課題を解決することを目的
とする。即ち、本発明は、従来、食品として利用される
ことが少なかった魚骨などを有効利用することができ、
日常の食事で不足しがちな、健康のために不可欠なカル
シウム等のミネラル類、コラーゲン(膠質)、ビタミン
類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(イコサペ
ンタエン酸)などの栄養素を豊富に含み、保存安定性に
優れ、特に、酒の肴、つまみ、調味料、お茶漬け等とし
て好適な魚栄養食品、その製造方法及び魚ペースト含有
調味料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、身部分を切り取っ
た魚の頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等の残部から作製し
たペースト状物を冷却固化することにより、保存安定性
に優れ、日常の食事で不足しがちな、健康のために不可
欠であるカルシウム等のミネラル類、コラーゲン(膠
質)、ビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、E
PA(イコサペンタエン酸)などの栄養素を豊富に含
み、特に、酒の肴、つまみ、調味料、お茶漬け等として
好適な魚栄養食品が得られることを知見し、本発明をな
すに至った。
【0010】即ち、前記課題を解決するための手段とし
ては、下記の通りである。 <1> 身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒレ、
皮、軟骨等の残部を、少なくとも水を加えて柔らかくな
るまで煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕して
得られたペースト状物を冷却固化してなることを特徴と
する魚栄養食品である。 <2> 前記魚が、アナゴ、ウナギ、ハモ、タチウオ、
カツオ、アジ、イワシ、サバ及びマグロから選ばれる前
記<1>に記載の魚栄養食品である。 <3> 前記魚栄養食品に対し野菜及び果物の少なくと
もいずれかを添加した前記<1>又は<2>に記載の魚
栄養食品である。 <4> 前記野菜及び果物が、かぼちゃ、にんじん、ほ
うれん草、グリーンピース、コーン、りんご、たまねぎ
及びバナナから選ばれる1種又は2種以上である前記<
3>に記載の魚栄養食品である。 <5> 魚栄養食品中に魚の柔らかくなった小骨片が残
存している前記<1>から<4>のいずれかに記載の魚
栄養食品である。 <6> カルシウム含有量が1質量%以上である前記<
1>から<5>のいずれかに記載の魚栄養食品である。 <7> 身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒレ、
皮、軟骨等の残部を、少なくとも水を加えて柔らかくな
るまで煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕して
得られたペースト状物を冷却固化することを特徴とする
魚栄養食品の製造方法である。 <8> アナゴ、ウナギ、ハモ、タチウオ、カツオ、ア
ジ、イワシ、サバ及びマグロから選ばれる魚の身部分を
切り取った頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等の残部を、調
味料を加えた水で柔らかくなるまで90℃以上で1〜1
0時間煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕して
得られたペースト状物を冷却固化する前記<7>に記載
の魚栄養食品の製造方法である。 <9> 身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒレ、
皮、軟骨等の残部を、少なくとも水を加えて柔らかくな
るまで煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕して
得られたペースト状物と、調味料とを含むことを特徴と
する魚ペースト含有調味料である。
【0011】本発明においては、更に以下の態様も好ま
しい。 <10> 野菜及び果物を裏ごしして、ピューレ状にし
たものに寒天及び前記<1>から<6>のいずれかに記
載の魚栄養食品を混合し、羊羹状にすることを特徴とす
る魚栄養食品である。 <11> 真空包装処理してなる前記<1>から<6>
のいずれかに記載の魚栄養食品である。 <12> 真空包装処理してなる前記<9>に記載の魚
ペースト含有調味料である。 <13> DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量が
0.5質量%以上である前記<1>から<6>のいずれ
かに記載の魚栄養食品である。 <14> EPA(イコサペンタエン酸)の含有量が
0.1質量%以上である前記<1>から<6>のいずれ
かに記載の魚栄養食品である。
【0012】本発明の魚栄養食品によれば、日常の食事
で不足しがちな、健康のために不可欠であるカルシウム
等のミネラル類、コラーゲン(膠質)、ビタミン類、D
HA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(イコサペンタエ
ン酸)などの栄養素を、酒の肴、つまみ、調味料、お茶
漬け等として手軽に摂取することができるものである。
【0013】また、本発明の魚栄養食品の製造方法によ
れば、従来は捨てられており、ほとんど利用されていな
かった魚の頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等の残部を原料
として、簡単な方法により、効率良く、栄養価の高い魚
栄養食品を製造することができる。
【0014】更に、本発明の魚栄養食品又は魚ペースト
含有調味料は、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA
(イコサペンタエン酸)などの必須脂肪酸を含む場合に
は、血栓予防、脳の活性化、ボケ防止、癌の抑制、アレ
ルギー疾患の改善に効果を有するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】<魚栄養食品>本発明の魚栄養食
品は、身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒレ、皮、
軟骨等の残部を、少なくとも水、好ましくは水と調味料
を加えて柔らかくなるまで煮込み、煮汁を除去した後、
ミキサーで粉砕して得られたペースト状物を冷却固化し
て得られるものである。
【0016】前記調味料としては、特に制限はなく、適
宜選択することができるが、例えば、酒、みりん、醤
油、砂糖などが挙げられ、これら調味料は、魚の種類、
量に応じて適当量添加して用いられる。
【0017】本発明の魚栄養食品の原料に用いる魚とし
ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができるが、特に長ものの魚が好適であり、例えば、ア
ナゴ、ウナギ、ハモ、タチウオ、カツオ、アジ、イワ
シ、サバ、マグロなどが挙げられ、これらの中でも、ア
ナゴ、ウナギ、マグロの頭部が好ましい。なお、原料と
なる魚は、魚自体の持つ独特の風味を失わせないため、
複数種類の魚を用いず、1種を単独で用いることが好ま
しい。
【0018】本発明においては、前記魚の身部分を切り
取った頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等の残部を原料とし
て用いることができ、これらの中でも、ゼラチン質、カ
ルシウムなどを豊富に含む頭部、骨部が好適である。な
お、原料として魚の身部分をある程度含んでいても構わ
ない。これらの原料は、従来、ほとんど捨てられてお
り、食品として利用されることが少なかったものであ
り、本発明は、これら魚の残部の有効利用が図れるもの
である。
【0019】前記身部分を切り取った魚の頭部、骨部、
ヒレ、皮、軟骨等の残部を水洗し、水及び調味料を加え
て柔らかくなるまで十分に煮込む。
【0020】前記魚の頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等の
残部が充分に浸かる量の調味料を加えた水を鍋中に入
れ、前記魚の残部が柔らかくなるまで十分に煮込む。な
お、煮込む際の条件は、魚の頭部、骨部、ヒレ、皮、軟
骨等の残部が軟らかくなる程度であれば特に制限されな
いが、90℃以上で1〜10時間、好ましくは95℃以
上で5〜10時間である。また、圧力鍋を用いることに
より短時間で煮込むことができる。更に、マグロなどの
大型の魚を用いる場合にも圧力鍋で煮込むことが好まし
い。
【0021】次に、煮汁を除去した後、柔らかくなった
魚の頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等の残部をミキサーで
粉砕することによりペースト状物が得られる。
【0022】前記煮汁の除去は、厳密に行う必要はな
く、ザルなどを用いて煮汁を軽く除く程度で充分であ
り、ある程度煮汁が残存していても構わない。なお、得
られる煮汁は、これを集めて更に煮詰めることにより、
たれ(つめ)として利用することができる。
【0023】前記ミキサーとしては、特に制限はなく、
目的に応じて適宜選択することができるが、一般的な食
品に使用される粉砕器、摩砕機などを用いることができ
る。
【0024】また、ミキサーにかける時間、強さを調整
することにより、前記魚栄養食品中に柔らかくなった魚
の小骨片を残存させることができ、食感を高めることが
できる。更に、前記魚栄養食品を各種食品に添加する場
合には、ミキサーに繰り返してかけて、魚栄養食品の粒
子を小さくすることが好ましい。
【0025】前記ミキサーにかけて得られるペースト状
物は、冷却することにより容易に固まり、ゲル状(ゼリ
ー状)の魚栄養食品が得られ、固形であり液状でないた
め取扱いが便利である。
【0026】また、前記魚栄養食品は、冷蔵庫で3ヵ月
程度保存することが可能なものである。更に、前記魚栄
養食品は、ペースト状物を包装袋に入れて冷凍庫で冷凍
した場合には、約1年間程度の長期間に亘って保存でき
るものである。更に、本発明の魚栄養食品は、真空包装
処理することにより、長期間に亘って保存できる。
【0027】前記魚栄養食品は、日常の食事で不足しが
ちな、健康のために不可欠なカルシウムを1質量%以
上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは3〜20
質量%含有する。ここで、カルシウムの含有量は、例え
ば、原子吸光光度法で測定することができる。また、本
発明の魚栄養食品は、カルシウム以外にも、コラーゲン
(膠質)、ビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン
酸)、EPA(イコサペンタエン酸)などを豊富に含ん
でおり、これら栄養素の補給に好適なものである。前記
DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量は0.5質量%
以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。前
記EPA(イコサペンタエン酸)の含有量は0.1質量
%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。
【0028】次に、本発明の魚栄養食品の製造方法は、
身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等
の残部を、少なくとも水を加えて柔らかくなるまで煮込
み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕して得られたペ
ースト状物を冷却固化するものである。
【0029】この場合、アナゴ、ウナギ、ハモ、タチウ
オ、カツオ、アジ、イワシ、サバ及びマグロから選ばれ
る魚の身部分を切り取った頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨
等の残部を、酒、みりん、醤油及び砂糖を加えた水で柔
らかくなるまで、90℃以上で1〜10時間、特に95
℃以上で5〜10時間程度煮込むことが好ましい。ま
た、煮汁の除去は、厳密に行わなくてもよく、ある程度
煮汁が残った状態であっても構わない。
【0030】このようにして得られる本発明の魚栄養食
品は、そのまま酒の肴にしたり、スライスしてキュウリ
に挟んでお摘みにしたり、パンに直接塗ったり、お茶漬
けとして食することができる。また、本発明の魚栄養食
品は、カルシウム等のミネラル類、コラーゲン(膠
質)、ビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、E
PA(イコサペンタエン酸)などの栄養素の補給源とし
て各種食品に添加して好適に用いることができる。
【0031】前記添加可能な各種食品としては、特に限
定されないが、例えば、中華麺、即席麺等の麺類;スナ
ック菓子、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ちくわ、ハ
ム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;種々の形態の
健康・栄養補助食品;その他、スープ、シチュー、サラ
ダ、惣菜、漬物などが挙げられる。
【0032】前記魚栄養食品は、野菜及び果物の少なく
ともいずれかを裏ごしして、ピューレ状にしたものに寒
天を加えて混合し羊羹状の魚栄養食品を得ることができ
る。前記野菜及び果物としては、特に限定はなく、目的
に応じて適宜選定することができ、例えば、かぼちゃ、
にんじん、ほうれん草、グリーンピース、コーン、りん
ご、たまねぎ、バナナなどが挙げられる。上記のように
野菜及び果物のいずれかを魚栄養食品に添加すると、魚
栄養食品の臭みが消え、味がまろやかになる。
【0033】前記のようにして得られる羊羹状の魚栄養
食品はそのまま酒の肴にしたり、おやつにしたり、菓子
としても食することができる。また、本発明の魚栄養食
品は、カルシウム等のミネラル類、コラーゲン(膠
質)、ビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、E
PA(イコサペンタエン酸)などの栄養素の補給源とし
て各種食品に添加して好適に用いることができる。
【0034】<魚ペースト含有調味料>本発明の魚ペー
スト含有調味料は、身部分を切り取った魚の頭部、骨
部、ヒレ、皮、軟骨等の残部を、少なくとも水を加えて
柔らかくなるまで煮込み、煮汁を除去した後、ミキサー
で粉砕して得られたペースト状物と、調味料とを含有す
る。前記調味料としては、例えば、みりん、しょうゆ、
米酢、食用植物油、塩、みそ、わさび、マヨネーズなど
が挙げられる。
【0035】このようにして得られる魚ペースト含有調
味料は、ドレッシングとしてサラダにかけて食したり、
おにぎりの中に入れたり、カレーの中に入れて煮込んだ
り、たれとして焼き肉につけたりして食することができ
る。なお、本発明の魚ペースト含有調味料は、カルシウ
ム等のミネラル類、コラーゲン(膠質)、ビタミン類、
DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(イコサペンタ
エン酸)などの栄養素の補給源として各種食品に添加し
て好適に用いることができる。
【0036】前記添加可能な各種食品としては、特に限
定されないが、例えば、サラダ、中華麺、即席麺等の麺
類;スナック菓子、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ち
くわ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;種々
の形態の健康・栄養補助食品;その他、スープ、シチュ
ー、惣菜、漬物などが挙げられる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は下記実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0038】〔実施例1〕アナゴの身部分を除いた頭部
及び骨部の約1kgを、十分量の水に酒、みりん、醤油
を適量加えた鍋中で柔らかくなるまで約95℃で約8時
間煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーを2回かけて粉
砕した。得られたペースト状物を冷蔵庫中で冷却固化す
ることにより、実施例1の魚栄養食品を調製した。この
魚栄養食品の分析結果は以下の表1に示した通りであ
る。
【0039】
【表1】 ※1:エネルギー換算係数 粗タンパク質:4、粗脂
肪:9、炭水化物:4 ※2:100−(水分+粗タンパク質+粗脂肪+灰分)
【0040】〔実施例2〕ウナギの身部分を除いた頭部
及び骨部の約1kgを、十分量の水に酒、みりん、醤油
を適量加えた鍋中で柔らかくなるまで約95℃で約9時
間煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーを2回かけて粉
砕した。得られたペースト状物を冷蔵庫中で冷却固化す
ることにより、実施例2の魚栄養食品を調製した。この
魚栄養食品の分析結果は以下の表2に示した通りであ
る。
【0041】
【表2】 ※1:エネルギー換算係数 粗タンパク質:4、粗脂
肪:9、炭水化物:4 ※2:100−(水分+粗タンパク質+粗脂肪+灰分)
【0042】〔実施例3〕マグロの頭部 約1kgを、
十分量の水に酒、みりん、醤油を適量加えた鍋中で柔ら
かくなるまで約95℃で約10時間煮込み、煮汁を除去
した後、ミキサーを3回かけて粉砕した。得られたペー
スト状物を冷蔵庫中で冷却固化することにより、実施例
3の魚栄養食品を調製した。この魚栄養食品の分析結果
は以下の表3に示した通りである。
【0043】
【表3】 ※1:エネルギー換算係数 粗タンパク質:4、粗脂
肪:9、炭水化物(糖質+食物繊維):4 ※2:100−(水分+粗タンパク質+粗脂肪+食物繊
維+灰分) DHA:ドコサヘキサエン酸 EPA:イコサペンタエン酸
【0044】〔実施例4〕実施例3の魚栄養食品に、す
りおろしたりんごを加えた以外は実施例3と同様の方法
により実施例4の魚栄養食品を調製した。
【0045】〔実施例5〕かぼちゃを裏ごしして、ピュ
ーレ状のしたものを得た後、寒天及び実施例3の魚栄養
食品を十分に混合攪拌することにより羊羹状の実施例5
の魚栄養食品を調製した。
【0046】〔実施例6〕実施例3の魚栄養食品に米
酢、食用植物油、マヨネーズ及び塩を加えることにより
実施例6の魚ペースト含有調味料を調製した。この魚ペ
ースト含有調味料の分析結果は以下の表4に示した通り
である。
【0047】
【表4】 DHA:ドコサヘキサエン酸
【0048】<保存安定性>実施例1〜5の各魚栄養食
品を冷蔵庫(4℃)に入れ、3箇月間保存した後の風味
を評価したところ、作製時と変わらない良好な味を有し
ていた。また、各ペースト状物を包装袋に入れ、−20
℃の冷凍庫に冷蔵保存した場合、6箇月後でも、作製時
と変わらない良好な味を有していた。更に、各ペースト
状物を真空処理し包装袋に入れ、−20℃の冷凍庫に冷
蔵保存した場合、1年後でも、作製時と変わらない良好
な味を有していた。
【0049】次に、実施例1〜3の魚栄養食品をスライ
スして、キュウリに挟んだお摘みを、男女各5名のパネ
ラーに食してもらったところ、良好な食感と魚自体の風
味を有しているとの評価が得られた。また、実施例4及
び5の魚栄養食品は野菜又は果物を添加したことによ
り、魚独特の臭みが消え、味がまろやかになったという
評価が得られた。また、実施例6の魚ペースト含有調味
料をドレッシングとしてサラダに添加して前記と同様に
男女各5名のパネラーに食してもらったところ魚自体の
風味を有しているとの評価が得られた。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、日常の食事で不足しが
ちな、健康のために不可欠であるカルシウム等のミネラ
ル類、コラーゲン(膠質)、ビタミン類、DHA(ドコ
サヘキサエン酸)、EPA(イコサペンタエン酸)など
の栄養素の補給を図ることができると共に、従来、ほと
んど捨てられており、食品として利用されることが少な
かった魚の頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等の残部の有効
利用が図れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B018 LE04 MD52 MD53 MD73 MD74 ME05 MF01 MF04 MF05 MF07 4B042 AC04 AC09 AD39 AE08 AG12 AG25 AG26 AG27 AG30 AH03 AH04 AK11 AP03 AP15 AP18 AP20 4B047 LB02 LB09 LE01 LG38 LG39 LG54 LP01 LP05 LP06 LP08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒ
    レ、皮、軟骨等の残部を、少なくとも水を加えて柔らか
    くなるまで煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕
    して得られたペースト状物を冷却固化してなることを特
    徴とする魚栄養食品。
  2. 【請求項2】 前記魚が、アナゴ、ウナギ、ハモ、タチ
    ウオ、カツオ、アジ、イワシ、サバ及びマグロから選ば
    れる請求項1に記載の魚栄養食品。
  3. 【請求項3】 前記魚栄養食品に対し野菜及び果物の少
    なくともいずれかを添加した請求項1又は2に記載の魚
    栄養食品。
  4. 【請求項4】 前記野菜及び果物が、かぼちゃ、にんじ
    ん、ほうれん草、グリーンピース、コーン、りんご、た
    まねぎ及びバナナから選ばれる1種又は2種以上である
    請求項3に記載の魚栄養食品。
  5. 【請求項5】 魚栄養食品中に魚の柔らかくなった小骨
    片が残存している請求項1から4のいずれかに記載の魚
    栄養食品。
  6. 【請求項6】 カルシウム含有量が1質量%以上である
    請求項1から5のいずれかに記載の魚栄養食品。
  7. 【請求項7】 身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒ
    レ、皮、軟骨等の残部を、少なくとも水を加えて柔らか
    くなるまで煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕
    して得られたペースト状物を冷却固化することを特徴と
    する魚栄養食品の製造方法。
  8. 【請求項8】 アナゴ、ウナギ、ハモ、タチウオ、カツ
    オ、アジ、イワシ、サバ及びマグロから選ばれる魚の身
    部分を切り取った頭部、骨部、ヒレ、皮、軟骨等の残部
    を、酒、みりん、醤油及び砂糖を加えた水で柔らかくな
    るまで90℃以上で1〜10時間煮込み、煮汁を除去し
    た後、ミキサーで粉砕して得られたペースト状物を冷却
    固化する請求項7に記載の魚栄養食品の製造方法。
  9. 【請求項9】 身部分を切り取った魚の頭部、骨部、ヒ
    レ、皮、軟骨等の残部を、少なくとも水を加えて柔らか
    くなるまで煮込み、煮汁を除去した後、ミキサーで粉砕
    して得られたペースト状物と、調味料とを含むことを特
    徴とする魚ペースト含有調味料。
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