JP2003224094A - 研磨工具 - Google Patents
研磨工具Info
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- JP2003224094A JP2003224094A JP2002020033A JP2002020033A JP2003224094A JP 2003224094 A JP2003224094 A JP 2003224094A JP 2002020033 A JP2002020033 A JP 2002020033A JP 2002020033 A JP2002020033 A JP 2002020033A JP 2003224094 A JP2003224094 A JP 2003224094A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polishing
- polishing tool
- glass transition
- transition temperature
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 研磨速度の安定性、良好な平坦性、段差特性
が得られると共に、半導体ウエーハの研磨対象物の研磨
面に発生する欠陥(スクラッチ)の低減等を各種の研磨
対象物に対して良好に発揮できる研磨工具を提供する 【解決手段】 研磨対象物を押圧しつつ摺動すること
で、研磨を行う研磨工具であって、研磨工具1は主とし
て熱可塑性樹脂により構成され、その平均ガラス転移温
度(Tg)が270K以上400K以下である。また、熱
可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が320K以下であ
る低ガラス転移温度(Tg)相が10重量%以上で90重
量%以下と、ガラス転移温度(Tg)が320K以上であ
る高ガラス転移温度(Tg)相が90重量%以下で10重
量%以上とからなること、熱可塑性樹脂が芳香族ビニル
系単量体0重量%以上80重量%以下と、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体0重量%以上100重量%以下
と、およびこれらと共重合可能なビニル系単量体0重量
%以上50重量%以下とからなり、重量平均分子量が
5,000以上5,000,000以下であることが好
ましい。
が得られると共に、半導体ウエーハの研磨対象物の研磨
面に発生する欠陥(スクラッチ)の低減等を各種の研磨
対象物に対して良好に発揮できる研磨工具を提供する 【解決手段】 研磨対象物を押圧しつつ摺動すること
で、研磨を行う研磨工具であって、研磨工具1は主とし
て熱可塑性樹脂により構成され、その平均ガラス転移温
度(Tg)が270K以上400K以下である。また、熱
可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が320K以下であ
る低ガラス転移温度(Tg)相が10重量%以上で90重
量%以下と、ガラス転移温度(Tg)が320K以上であ
る高ガラス転移温度(Tg)相が90重量%以下で10重
量%以上とからなること、熱可塑性樹脂が芳香族ビニル
系単量体0重量%以上80重量%以下と、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体0重量%以上100重量%以下
と、およびこれらと共重合可能なビニル系単量体0重量
%以上50重量%以下とからなり、重量平均分子量が
5,000以上5,000,000以下であることが好
ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエーハ等
の研磨対象物を平坦かつ鏡面状に研磨する研磨装置に用
いる研磨工具に係り、特に、固定砥粒研磨工具または研
磨パッド等の研磨工具に関する。
の研磨対象物を平坦かつ鏡面状に研磨する研磨装置に用
いる研磨工具に係り、特に、固定砥粒研磨工具または研
磨パッド等の研磨工具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの高集積化が進む
につれて、回路の配線が微細化し、集積されるデバイス
の寸法もより微細化されつつある。そこで、半導体ウエ
ーハの表面に形成された被膜を研磨により除去して表面
を平坦化する工程が必要となる場合があるが、この平坦
化法の手法として、化学・機械研磨(CMP)装置によ
り研磨することが行われている。この種の化学・機械研
磨(CMP)装置は、研磨布(パッド)を貼ったターン
テーブルとトップリングとを有し、ターンテーブルとト
ップリングとの間に研磨対象物を介在させて、トツブリ
ングが一定の圧力をターンテーブルに与えつつ両者が回
転し、研磨布に砥液(スラリ)を供給しつつ研磨対象物
の表面を平坦かつ鏡面状に研磨している。
につれて、回路の配線が微細化し、集積されるデバイス
の寸法もより微細化されつつある。そこで、半導体ウエ
ーハの表面に形成された被膜を研磨により除去して表面
を平坦化する工程が必要となる場合があるが、この平坦
化法の手法として、化学・機械研磨(CMP)装置によ
り研磨することが行われている。この種の化学・機械研
磨(CMP)装置は、研磨布(パッド)を貼ったターン
テーブルとトップリングとを有し、ターンテーブルとト
ップリングとの間に研磨対象物を介在させて、トツブリ
ングが一定の圧力をターンテーブルに与えつつ両者が回
転し、研磨布に砥液(スラリ)を供給しつつ研磨対象物
の表面を平坦かつ鏡面状に研磨している。
【0003】このような化学・機械研磨(CMP)にお
いては、比較的軟らかな研磨布に研磨砥粒を多量に含む
砥液(スラリ)を供給しつつ研磨するので、パターン依
存性に問題がある。パターン依存性とは研磨前に存在す
る半導体ウエーハ上の凹凸パターンにより研磨後にもそ
の凹凸に起因した緩やかな凹凸が形成され、完全な平坦
度が得られにくいことである。即ち、細かなピッチの凹
凸の部分は研磨速度が早く、大きなピッチの凹凸の部分
は研磨速度が遅くなり、また、凸部の割合(密度)が低
い部分は研磨速度が早く、高い部分は遅くなる。これら
により研磨速度の早い部分と研磨速度の遅い部分とで緩
やかな凹凸が形成されるという問題である。
いては、比較的軟らかな研磨布に研磨砥粒を多量に含む
砥液(スラリ)を供給しつつ研磨するので、パターン依
存性に問題がある。パターン依存性とは研磨前に存在す
る半導体ウエーハ上の凹凸パターンにより研磨後にもそ
の凹凸に起因した緩やかな凹凸が形成され、完全な平坦
度が得られにくいことである。即ち、細かなピッチの凹
凸の部分は研磨速度が早く、大きなピッチの凹凸の部分
は研磨速度が遅くなり、また、凸部の割合(密度)が低
い部分は研磨速度が早く、高い部分は遅くなる。これら
により研磨速度の早い部分と研磨速度の遅い部分とで緩
やかな凹凸が形成されるという問題である。
【0004】また、近年には固定砥粒を用いたプロセス
が発表されている。固定砥粒プロセスは、砥粒をバイン
ダ材である樹脂体内に固定した固定砥粒を用いて、半導
体ウェハ等の表面の研磨を行うプロセスである。従っ
て、研磨に際して、基本的に砥液(スラリ)の供給を必
要とせず、研磨はバインダ材から離脱した砥粒により主
として行われる。固定砥粒プロセスでは、その基本的な
特徴である高硬度のため、非常に高い平坦性が得られて
いる。しかし、その反面、研磨対象であるウエーハにス
クラッチすなわち傷が生じやすい欠点があった。
が発表されている。固定砥粒プロセスは、砥粒をバイン
ダ材である樹脂体内に固定した固定砥粒を用いて、半導
体ウェハ等の表面の研磨を行うプロセスである。従っ
て、研磨に際して、基本的に砥液(スラリ)の供給を必
要とせず、研磨はバインダ材から離脱した砥粒により主
として行われる。固定砥粒プロセスでは、その基本的な
特徴である高硬度のため、非常に高い平坦性が得られて
いる。しかし、その反面、研磨対象であるウエーハにス
クラッチすなわち傷が生じやすい欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した事情
に鑑みて為されたもので、研磨速度の安定性、良好な平
坦性、段差特性が得られると共に、半導体ウエーハの研
磨対象物の研磨面に発生する欠陥(スクラッチ)の低減
等を各種の研磨対象物に対して良好に発揮できる研磨工
具を提供することを目的とする。
に鑑みて為されたもので、研磨速度の安定性、良好な平
坦性、段差特性が得られると共に、半導体ウエーハの研
磨対象物の研磨面に発生する欠陥(スクラッチ)の低減
等を各種の研磨対象物に対して良好に発揮できる研磨工
具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、研磨対象物を
押圧しつつ摺動することで、研磨を行う研磨工具であっ
て、前記研磨工具は主として熱可塑性樹脂により構成さ
れ、その平均ガラス転移温度(Tg)が270K以上40
0K以下であることを特徴とする。ここで、平均ガラス
転移温度(Tg)は、熱可塑性樹脂を構成する単量体重量
比から後述するFoxの式(段落0030参照)によって
求めた計算値である。
押圧しつつ摺動することで、研磨を行う研磨工具であっ
て、前記研磨工具は主として熱可塑性樹脂により構成さ
れ、その平均ガラス転移温度(Tg)が270K以上40
0K以下であることを特徴とする。ここで、平均ガラス
転移温度(Tg)は、熱可塑性樹脂を構成する単量体重量
比から後述するFoxの式(段落0030参照)によって
求めた計算値である。
【0007】この研磨工具は、前記熱可塑性樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)が320K(47℃)以下である低ガ
ラス転移温度(Tg)相が10重量%以上で90重量%以
下と、ガラス転移温度(Tg)が320K(47℃)以上
である高ガラス転移温度(Tg)相が90重量%以下で1
0重量%以上とからなる多相構造を有していることが好
ましい。ここで、高ガラス転移温度相または低ガラス転
移温度相が複数種類のモノマからなる場合には、上記ガ
ラス転移温度(Tg)は、その平均ガラス転移温度であ
る。
ス転移温度(Tg)が320K(47℃)以下である低ガ
ラス転移温度(Tg)相が10重量%以上で90重量%以
下と、ガラス転移温度(Tg)が320K(47℃)以上
である高ガラス転移温度(Tg)相が90重量%以下で1
0重量%以上とからなる多相構造を有していることが好
ましい。ここで、高ガラス転移温度相または低ガラス転
移温度相が複数種類のモノマからなる場合には、上記ガ
ラス転移温度(Tg)は、その平均ガラス転移温度であ
る。
【0008】望ましくは、この研磨工具は、ガラス転移
温度(Tg)が310K(37℃)以下である低ガラス転移
温度(Tg)相が20重量%以上80重量%以下と、ガラ
ス転移温度(Tg)が330K(57℃)以上である高ガ
ラス転移温度(Tg)相が80重量%以下20重量%以上
とからなる。さらに望ましくは、ガラス転移温度(Tg)
が300K(27℃)以下である低ガラス転移温度(T
g)相が20重量%以上80重量%以下と、ガラス転移
温度(Tg)が340K(67℃)以上である高ガラス転
移温度(Tg)相80重量%以下20重量%以上とからな
る。
温度(Tg)が310K(37℃)以下である低ガラス転移
温度(Tg)相が20重量%以上80重量%以下と、ガラ
ス転移温度(Tg)が330K(57℃)以上である高ガ
ラス転移温度(Tg)相が80重量%以下20重量%以上
とからなる。さらに望ましくは、ガラス転移温度(Tg)
が300K(27℃)以下である低ガラス転移温度(T
g)相が20重量%以上80重量%以下と、ガラス転移
温度(Tg)が340K(67℃)以上である高ガラス転
移温度(Tg)相80重量%以下20重量%以上とからな
る。
【0009】また、この研磨工具は前記熱可塑性樹脂が
芳香族ビニル系単量体0重量%以上80重量%と、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体0重量%以上100重
量%以下と、およびこれらと共重合可能なビニル系単量
体0重量%以上50重量%以下とからなり、該研磨工具
を構成する高分子物質の重量平均分子量が5,000以
上5,000,000以下であることが好ましい。前記
高分子物質の重量平均分子量は、好ましくは10,00
0以上3,000,000以下である。ただし、重量平
均分子量としては、標準ポリスチレンによって構成され
たゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測
定されるポリスチレン換算値を用いるものとする。
芳香族ビニル系単量体0重量%以上80重量%と、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体0重量%以上100重
量%以下と、およびこれらと共重合可能なビニル系単量
体0重量%以上50重量%以下とからなり、該研磨工具
を構成する高分子物質の重量平均分子量が5,000以
上5,000,000以下であることが好ましい。前記
高分子物質の重量平均分子量は、好ましくは10,00
0以上3,000,000以下である。ただし、重量平
均分子量としては、標準ポリスチレンによって構成され
たゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測
定されるポリスチレン換算値を用いるものとする。
【0010】また、この研磨工具の平均ガラス転移温度
(Tg)は、300K以上380K以下とすることが好ま
しく、310K以上360K以下とすることがさらに好
ましい。
(Tg)は、300K以上380K以下とすることが好ま
しく、310K以上360K以下とすることがさらに好
ましい。
【0011】これまで、半導体ウエーハ等の研磨に用い
る研磨工具は、PVAやフェノール樹脂、エポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂が一般に広く用いられてきた。上記本
発明によれば、熱硬化性樹脂に代えて熱可塑性樹脂、特
に平均ガラス転移温度が270K以上400K以下の複
数相の熱可塑性樹脂を用いることにより、従来の研磨工
具以上の性能を有する研磨工具を実現できる。
る研磨工具は、PVAやフェノール樹脂、エポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂が一般に広く用いられてきた。上記本
発明によれば、熱硬化性樹脂に代えて熱可塑性樹脂、特
に平均ガラス転移温度が270K以上400K以下の複
数相の熱可塑性樹脂を用いることにより、従来の研磨工
具以上の性能を有する研磨工具を実現できる。
【0012】半導体ウエーハ等の研磨においては研磨中
に発熱が生じる。固定砥粒研磨工具または研磨パッド等
の研磨工具において、実際の研磨時の温度より低い平均
ガラス転移温度(Tg)を有する熱可塑性樹脂を用いるこ
とで、研磨中に当該樹脂が発熱すると、平均ガラス転移
温度を超えて、研磨工具が柔軟性を呈することになる。
これにより軟らかな研磨面による研磨が可能となり、ス
クラッチ(キズ)の発生を抑えることが可能になる。
に発熱が生じる。固定砥粒研磨工具または研磨パッド等
の研磨工具において、実際の研磨時の温度より低い平均
ガラス転移温度(Tg)を有する熱可塑性樹脂を用いるこ
とで、研磨中に当該樹脂が発熱すると、平均ガラス転移
温度を超えて、研磨工具が柔軟性を呈することになる。
これにより軟らかな研磨面による研磨が可能となり、ス
クラッチ(キズ)の発生を抑えることが可能になる。
【0013】また、立体架橋を多く有する樹脂である場
合、未使用の砥粒を含む新生面(非劣化面)を表出させ
るためには、化学結合を切断することになる。一方、実
質的に架橋構造を含まない線状高分子の場合、化学結合
よりも低いエネルギーである分子間力を主に分断すれば
よく、効率的に新生面を表出できるので好ましい。
合、未使用の砥粒を含む新生面(非劣化面)を表出させ
るためには、化学結合を切断することになる。一方、実
質的に架橋構造を含まない線状高分子の場合、化学結合
よりも低いエネルギーである分子間力を主に分断すれば
よく、効率的に新生面を表出できるので好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本発明の対象とする研磨工具は、半導体ウエ
ーハ等の研磨対象物を押圧しつつ摺動することで、精密
な研磨を行う研磨工具であって、その研磨工具の樹脂体
内に砥粒を含む固定砥粒研磨工具、または非固定砥粒の
研磨パッドである。
説明する。本発明の対象とする研磨工具は、半導体ウエ
ーハ等の研磨対象物を押圧しつつ摺動することで、精密
な研磨を行う研磨工具であって、その研磨工具の樹脂体
内に砥粒を含む固定砥粒研磨工具、または非固定砥粒の
研磨パッドである。
【0015】まず、本発明の研磨工具に用いる樹脂の組
成について説明する。この研磨工具は、主として熱可塑
性樹脂により構成され、研磨工具を構成する樹脂の50
%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90
%以上を熱可塑性樹脂が占めている。なお、この研磨工
具は主として熱可塑性樹脂により構成されているので、
残りは熱硬化性樹脂を含んでもよい。ここで、熱可塑性
樹脂は、線状高分子からなることが好ましい。線状高分
子は、その結合が主鎖が絡み合っただけであり、砥粒を
樹脂体内に固定する固定砥粒において、研磨時に研磨面
の再生が起こりやすく、研磨工具を構成する樹脂体とし
て好適である。
成について説明する。この研磨工具は、主として熱可塑
性樹脂により構成され、研磨工具を構成する樹脂の50
%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90
%以上を熱可塑性樹脂が占めている。なお、この研磨工
具は主として熱可塑性樹脂により構成されているので、
残りは熱硬化性樹脂を含んでもよい。ここで、熱可塑性
樹脂は、線状高分子からなることが好ましい。線状高分
子は、その結合が主鎖が絡み合っただけであり、砥粒を
樹脂体内に固定する固定砥粒において、研磨時に研磨面
の再生が起こりやすく、研磨工具を構成する樹脂体とし
て好適である。
【0016】ここで、熱可塑性樹脂の平均ガラス転移温
度が270K以上400K以下である。これにより、研
磨により樹脂体が発熱すると、その温度が上昇し、熱可
塑性樹脂がその平均ガラス転移温度以上となり、研磨工
具が柔軟性を有することになる。従って、軟らかな研磨
面による研磨が可能となり、スクラッチ(傷)の発生を
抑えることが可能となる。
度が270K以上400K以下である。これにより、研
磨により樹脂体が発熱すると、その温度が上昇し、熱可
塑性樹脂がその平均ガラス転移温度以上となり、研磨工
具が柔軟性を有することになる。従って、軟らかな研磨
面による研磨が可能となり、スクラッチ(傷)の発生を
抑えることが可能となる。
【0017】この研磨工具は、熱可塑性樹脂のガラス転
移温度が高い相と、ガラス転移温度が低い相とを含有
し、平均ガラス転移温度が上述した領域に入ることが好
ましい。特にガラス転移温度(Tg)が320K以下であ
る低ガラス転移温度(Tg)相が10重量%以上90重量
%以下と、ガラス転移温度(Tg)が320K以上である
高ガラス転移温度(Tg)相が90重量%以下で10重量
%以上とからなることが好ましい。また、望ましくは、
310K以下の低ガラス転移温度(Tg)相が20重量%
以上80重量%以下で、330K以上の高ガラス転移温
度(Tg)相が80重量%以下で20重量%以上である。
さらに望ましくは、300K以下の低ガラス転移温度
(Tg)相が20重量%以上80重量%以下であり、34
0K以上の高ガラス転移温度(Tg)相が80重量%以下
で20重量%以上とからなる。そして、これらの平均ガ
ラス転移温度(Tg)が270K(−3℃)以上400K
(127℃)以下となるように材料の比率を調整する。
平均ガラス転移温度(Tg)は、300K以上380K以
下とすることがより好ましく、さらに310K以上36
0K以下とすることが好ましい。また、上記線状高分子
は、270K以上400K以下の温度範囲で熱分解等の
劣化を起こさない樹脂となるように、材料の比率を調整
する。
移温度が高い相と、ガラス転移温度が低い相とを含有
し、平均ガラス転移温度が上述した領域に入ることが好
ましい。特にガラス転移温度(Tg)が320K以下であ
る低ガラス転移温度(Tg)相が10重量%以上90重量
%以下と、ガラス転移温度(Tg)が320K以上である
高ガラス転移温度(Tg)相が90重量%以下で10重量
%以上とからなることが好ましい。また、望ましくは、
310K以下の低ガラス転移温度(Tg)相が20重量%
以上80重量%以下で、330K以上の高ガラス転移温
度(Tg)相が80重量%以下で20重量%以上である。
さらに望ましくは、300K以下の低ガラス転移温度
(Tg)相が20重量%以上80重量%以下であり、34
0K以上の高ガラス転移温度(Tg)相が80重量%以下
で20重量%以上とからなる。そして、これらの平均ガ
ラス転移温度(Tg)が270K(−3℃)以上400K
(127℃)以下となるように材料の比率を調整する。
平均ガラス転移温度(Tg)は、300K以上380K以
下とすることがより好ましく、さらに310K以上36
0K以下とすることが好ましい。また、上記線状高分子
は、270K以上400K以下の温度範囲で熱分解等の
劣化を起こさない樹脂となるように、材料の比率を調整
する。
【0018】上記のように高ガラス転移温度相と低ガラ
ス転移温度相とを併せ持つことにより、研磨面から遠く
常温に近い場所では、硬質な構造体としての役割を果た
し、研磨面近傍の摩擦によって温度が上昇する場所にお
いては、少なくとも低ガラス転移温度相のガラス転移温
度以上となることから、弾性体的性質を帯びる。このた
め、研磨面近傍で高い衝撃吸収作用を持ち、スクラッチ
を低減できる。また、高ガラス転移温度相があるため
に、研磨面近傍の高温部においても軟質化しすぎて研磨
速度が低下することを防ぐことができ、効果的な研磨と
スクラッチの防止という一見して相反する性能を両立で
きる。
ス転移温度相とを併せ持つことにより、研磨面から遠く
常温に近い場所では、硬質な構造体としての役割を果た
し、研磨面近傍の摩擦によって温度が上昇する場所にお
いては、少なくとも低ガラス転移温度相のガラス転移温
度以上となることから、弾性体的性質を帯びる。このた
め、研磨面近傍で高い衝撃吸収作用を持ち、スクラッチ
を低減できる。また、高ガラス転移温度相があるため
に、研磨面近傍の高温部においても軟質化しすぎて研磨
速度が低下することを防ぐことができ、効果的な研磨と
スクラッチの防止という一見して相反する性能を両立で
きる。
【0019】本発明の研磨工具は、これを構成する線状
高分子の重量平均分子量が5,000以上5,000,
000以下であり、好ましくは10,000以上3,0
00,000以下である。分子量が小さい、すなわち主
鎖が短い場合には、線状高分子同士の絡み合う交点が少
なく、結合が弱いため、樹脂成形体(線状高分子の成形
体)の表面は崩れやすい性質を有すると考えられる。
高分子の重量平均分子量が5,000以上5,000,
000以下であり、好ましくは10,000以上3,0
00,000以下である。分子量が小さい、すなわち主
鎖が短い場合には、線状高分子同士の絡み合う交点が少
なく、結合が弱いため、樹脂成形体(線状高分子の成形
体)の表面は崩れやすい性質を有すると考えられる。
【0020】樹脂成形体を研磨工具として用いた場合、
研磨中に外力を受けた際に研磨作用面の最表面が剥がれ
落ち、下層の新生面(非劣化面)が表出する。このと
き、固定砥粒研磨工具の場合、樹脂表面の砥粒が遊離
し、樹脂に内包されている新たな砥粒粒子が内部から最
表面に現れる。すなわち、加工に寄与する作用砥粒数が
多くなり高い加工能率が実現できる。また、分子量が大
きい、すなわち主鎖が長い場合(例えば分子量5,00
0,000超)には、研磨工具の作用面最表面は結合が
強く、研磨作用後の劣化した砥粒が多く残り、加工能率
が低くなり、望ましくない。しかしながら、分子量が著
しく小さい場合には、高分子としての物性や加工性が失
われるので、ある程度の分子量(100以上)が必要で
ある。よって、線状高分子の分子量は、重量平均分子量
で5,000以上5,000,000以下であり、好ま
しくは10,000以上3,000,000以下である
ことが望ましい。
研磨中に外力を受けた際に研磨作用面の最表面が剥がれ
落ち、下層の新生面(非劣化面)が表出する。このと
き、固定砥粒研磨工具の場合、樹脂表面の砥粒が遊離
し、樹脂に内包されている新たな砥粒粒子が内部から最
表面に現れる。すなわち、加工に寄与する作用砥粒数が
多くなり高い加工能率が実現できる。また、分子量が大
きい、すなわち主鎖が長い場合(例えば分子量5,00
0,000超)には、研磨工具の作用面最表面は結合が
強く、研磨作用後の劣化した砥粒が多く残り、加工能率
が低くなり、望ましくない。しかしながら、分子量が著
しく小さい場合には、高分子としての物性や加工性が失
われるので、ある程度の分子量(100以上)が必要で
ある。よって、線状高分子の分子量は、重量平均分子量
で5,000以上5,000,000以下であり、好ま
しくは10,000以上3,000,000以下である
ことが望ましい。
【0021】また、熱可塑性樹脂としては、付加重合系
では、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポ
リブタジエン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹
脂、アクリル系樹脂等のビニル系単量体に基づく樹脂を
例示でき、重縮合系では、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン
オキサイド系樹脂等を例示でき、重付加系では、熱可塑
性ポリウレタン系樹脂を例示でき、開環重合系では、ポ
リアセタール系樹脂を例示できる。上述の条件を満たせ
ば、これらから選ばれる二種以上を混合することもでき
るし、これらの樹脂の単量体成分を共重合させることも
できる。ガラス転移温度や分子量の調整の容易さから、
これらのうち、ビニル系単量体に基づく熱可塑性樹脂が
好ましく、とりわけ、芳香族ビニル系単量体0重量%以
上80重量%以下、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体0重量%以上100重量%以下およびこれらと共重合
可能なビニル系単量体0重量%以上50重量%以下で、
重量平均分子量が5,000以上で5,000,000
以下である線状高分子が好ましい。さらに好ましくは、
芳香族ビニル系単量体10重量%以上60重量%以下、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体40重量%以上1
00重量%以下、およびこれらと共重合可能なビニル系
単量体0重量%以上50重量%以下とからなり、重量平
均分子量が5,000以上5,000,000以下であ
り、特に好ましくは10,000以上3,000,00
0以下である。
では、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポ
リブタジエン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹
脂、アクリル系樹脂等のビニル系単量体に基づく樹脂を
例示でき、重縮合系では、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレン
オキサイド系樹脂等を例示でき、重付加系では、熱可塑
性ポリウレタン系樹脂を例示でき、開環重合系では、ポ
リアセタール系樹脂を例示できる。上述の条件を満たせ
ば、これらから選ばれる二種以上を混合することもでき
るし、これらの樹脂の単量体成分を共重合させることも
できる。ガラス転移温度や分子量の調整の容易さから、
これらのうち、ビニル系単量体に基づく熱可塑性樹脂が
好ましく、とりわけ、芳香族ビニル系単量体0重量%以
上80重量%以下、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体0重量%以上100重量%以下およびこれらと共重合
可能なビニル系単量体0重量%以上50重量%以下で、
重量平均分子量が5,000以上で5,000,000
以下である線状高分子が好ましい。さらに好ましくは、
芳香族ビニル系単量体10重量%以上60重量%以下、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体40重量%以上1
00重量%以下、およびこれらと共重合可能なビニル系
単量体0重量%以上50重量%以下とからなり、重量平
均分子量が5,000以上5,000,000以下であ
り、特に好ましくは10,000以上3,000,00
0以下である。
【0022】芳香族ビニル系単量体として、たとえばス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエ
ン、メチル−α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、
1,1−ジフェニルスチレン、ビニルキシレン、N,N
−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエ
チル−p−アミノメチルスチレン、ビニルピリジン、ビ
ニルトルエン、ビニルナフタレン等が挙げられる。好ま
しくは、スチレンが用いられる。
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエ
ン、メチル−α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、
1,1−ジフェニルスチレン、ビニルキシレン、N,N
−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエ
チル−p−アミノメチルスチレン、ビニルピリジン、ビ
ニルトルエン、ビニルナフタレン等が挙げられる。好ま
しくは、スチレンが用いられる。
【0023】(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
ては、(1)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル
等のアクリル酸アルキルエステル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロ
キシルエチルや、(2)メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデ
シル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等
のメタクリル酸アルキルエステル、メタアクリル酸グリ
シジル、メタアクリル酸ヒドロキシルエチル等が挙げら
れ、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸ブチルが好ましく用いられる。
ては、(1)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル
等のアクリル酸アルキルエステル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロ
キシルエチルや、(2)メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデ
シル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等
のメタクリル酸アルキルエステル、メタアクリル酸グリ
シジル、メタアクリル酸ヒドロキシルエチル等が挙げら
れ、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸ブチルが好ましく用いられる。
【0024】また、上記単量体と共重合可能なビニル系
単量体としては、アクリロニトリル(AN)、メタクリロニ
トリル、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタク
リル酸等を例示できる。必要に応じて、メタクリル酸ア
リル、1,3−ブタンジオール、ジビニルベンゼン等の
多官能性単量体を用いることもできるが、好ましい重量
平均分子量の線状高分子を得る上で、添加しないか、あ
るいは少量の添加にとどめることが好ましい。
単量体としては、アクリロニトリル(AN)、メタクリロニ
トリル、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタク
リル酸等を例示できる。必要に応じて、メタクリル酸ア
リル、1,3−ブタンジオール、ジビニルベンゼン等の
多官能性単量体を用いることもできるが、好ましい重量
平均分子量の線状高分子を得る上で、添加しないか、あ
るいは少量の添加にとどめることが好ましい。
【0025】上述のような熱可塑性樹脂を得る方法は特
に制限されず、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化
重合法、溶液重合法等の公知の重合方法を使用できる。
また、これらによって得られた重合体を混合して使用す
ることもできる。重合開始剤、分子量調整剤等も特に制
限されず公知のものを使用することができる。懸濁重合
法、乳化重合法等を採用した際に使用される分散剤、乳
化剤等も特に制限されず公知のものを使用できる。
に制限されず、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化
重合法、溶液重合法等の公知の重合方法を使用できる。
また、これらによって得られた重合体を混合して使用す
ることもできる。重合開始剤、分子量調整剤等も特に制
限されず公知のものを使用することができる。懸濁重合
法、乳化重合法等を採用した際に使用される分散剤、乳
化剤等も特に制限されず公知のものを使用できる。
【0026】不純物を低減するために無乳化剤乳化重合
法を採用することもできる。複数相を有する熱可塑性樹
脂を得る方法も特に制限されないが、予め得られた複数
の樹脂を公知の方法によって混合する方法、重合時に多
相構造を有するように制御する方法等を例示できる。採
用する方法によって、相構造やその相単位は様々であ
り、相単位が数μm以上であるマクロ相構造や数十nm
以上数μm以下であるミクロ相構造あるいは数十nm以
下の単位をもつもの(ブロック共重合体を例示できる)
が例示でき、1μm以下の相単位を持つものが好まし
く、使用される砥粒の平均粒子径と同程度かそれよりも
小さいことがさらに好ましい。
法を採用することもできる。複数相を有する熱可塑性樹
脂を得る方法も特に制限されないが、予め得られた複数
の樹脂を公知の方法によって混合する方法、重合時に多
相構造を有するように制御する方法等を例示できる。採
用する方法によって、相構造やその相単位は様々であ
り、相単位が数μm以上であるマクロ相構造や数十nm
以上数μm以下であるミクロ相構造あるいは数十nm以
下の単位をもつもの(ブロック共重合体を例示できる)
が例示でき、1μm以下の相単位を持つものが好まし
く、使用される砥粒の平均粒子径と同程度かそれよりも
小さいことがさらに好ましい。
【0027】つぎに、この研磨工具の性質について説明
する。研磨温度より低いガラス転移温度(Tg)を有する
熱可塑性樹脂からなる研磨工具は、ウエーハ研磨の際に
は、ゴム状態となり、その柔軟性、衝撃吸収性が高くな
るため、ウエーハ研磨の際にスクラッチが発生しにく
い。しかしながら、ガラス転移温度(Tg)が常温(25
℃)以下の樹脂は、常温でゴム状の性質を有し、軟質の
性質を有する。そのため、スクラッチの発生を抑えるこ
とは出来ても固定砥粒の特徴である高い平坦化性能を発
現しにくくなり、さらに工具耐久性がよくない。従っ
て、高いガラス転移温度(Tg)の樹脂相と低いガラス転
移温度(Tg)の樹脂相とを含有する樹脂を用いることに
より、平均ガラス転移温度(Tg)は常温付近にあり、研
磨作用面を微視的に見たときに研磨時の温度上昇による
ゴム状の性質、スクラッチ抑制効果が発現される。同時
に高いガラス転移温度(Tg)の樹脂の特徴である粘着性
が低く、取り扱い性に優れた樹脂の特徴が発揮され、平
坦研磨性が発現される。
する。研磨温度より低いガラス転移温度(Tg)を有する
熱可塑性樹脂からなる研磨工具は、ウエーハ研磨の際に
は、ゴム状態となり、その柔軟性、衝撃吸収性が高くな
るため、ウエーハ研磨の際にスクラッチが発生しにく
い。しかしながら、ガラス転移温度(Tg)が常温(25
℃)以下の樹脂は、常温でゴム状の性質を有し、軟質の
性質を有する。そのため、スクラッチの発生を抑えるこ
とは出来ても固定砥粒の特徴である高い平坦化性能を発
現しにくくなり、さらに工具耐久性がよくない。従っ
て、高いガラス転移温度(Tg)の樹脂相と低いガラス転
移温度(Tg)の樹脂相とを含有する樹脂を用いることに
より、平均ガラス転移温度(Tg)は常温付近にあり、研
磨作用面を微視的に見たときに研磨時の温度上昇による
ゴム状の性質、スクラッチ抑制効果が発現される。同時
に高いガラス転移温度(Tg)の樹脂の特徴である粘着性
が低く、取り扱い性に優れた樹脂の特徴が発揮され、平
坦研磨性が発現される。
【0028】本発明の研磨工具では、デバイスパターン
を備えた半導体ウエーハを押圧しつつ摺動することで、
研磨を行う。よって、以上のような熱可塑性の線状高分
子を使用した研磨工具は、きわめて傷の少ない研磨を行
え、半導体ウエーハの研磨に対して良好な研磨特性を実
現できると同時に、研磨工具の製作が容易である。これ
まで、半導体ウエーハ等の研磨工具は、PVAやフェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が一般に広く
用いられてきた。本発明では、熱硬化性樹脂に代えて熱
可塑性樹脂を用い、特に平均ガラス転移温度が270K
以上400K以下となるように調整した樹脂を用いるこ
とにより、従来の研磨工具以上の性能を有する研磨工具
を実現できる。なお、研磨工具は、その研磨工具内に砥
粒を含む固定砥粒研磨工具、または、非固定砥粒の研磨
パッドとして具現化される。
を備えた半導体ウエーハを押圧しつつ摺動することで、
研磨を行う。よって、以上のような熱可塑性の線状高分
子を使用した研磨工具は、きわめて傷の少ない研磨を行
え、半導体ウエーハの研磨に対して良好な研磨特性を実
現できると同時に、研磨工具の製作が容易である。これ
まで、半導体ウエーハ等の研磨工具は、PVAやフェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が一般に広く
用いられてきた。本発明では、熱硬化性樹脂に代えて熱
可塑性樹脂を用い、特に平均ガラス転移温度が270K
以上400K以下となるように調整した樹脂を用いるこ
とにより、従来の研磨工具以上の性能を有する研磨工具
を実現できる。なお、研磨工具は、その研磨工具内に砥
粒を含む固定砥粒研磨工具、または、非固定砥粒の研磨
パッドとして具現化される。
【0029】この研磨工具には、固定砥粒研磨工具の場
合、砥粒が含まれ、砥粒原料として酸化セリウム(Ce
02)、アルミナ(Al203)、炭化珪素(Si
C)、酸化珪素(Si02)、ジルコニア(Zr
02)、酸化鉄(Fe0、Fe304)、酸化マンガン
(Mn02、Mn203)、酸化マグネシウム(Mg
O)、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(Ba
0)、酸化亜鉛(ZnO)、炭酸バリウム(BaC
O3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、ダイヤモンド
(C)、またはこれらの複合材料が用いられる。また、
この砥粒原料は、粉末原料とスラリ原料のどちらでもよ
いが、均質な固定砥粒を製作するためには、微細砥粒と
して安定に存在するスラリ状砥粒を用いることが望まし
い。さらに望ましくは、粒径10nm以上10μm以下
の砥粒を使用することが望ましい。さらに半導体加工用
途の研磨工具とするため、砥粒原料に含まれる金属の混
入量を出来るだけ少なくすることが望ましい。
合、砥粒が含まれ、砥粒原料として酸化セリウム(Ce
02)、アルミナ(Al203)、炭化珪素(Si
C)、酸化珪素(Si02)、ジルコニア(Zr
02)、酸化鉄(Fe0、Fe304)、酸化マンガン
(Mn02、Mn203)、酸化マグネシウム(Mg
O)、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(Ba
0)、酸化亜鉛(ZnO)、炭酸バリウム(BaC
O3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、ダイヤモンド
(C)、またはこれらの複合材料が用いられる。また、
この砥粒原料は、粉末原料とスラリ原料のどちらでもよ
いが、均質な固定砥粒を製作するためには、微細砥粒と
して安定に存在するスラリ状砥粒を用いることが望まし
い。さらに望ましくは、粒径10nm以上10μm以下
の砥粒を使用することが望ましい。さらに半導体加工用
途の研磨工具とするため、砥粒原料に含まれる金属の混
入量を出来るだけ少なくすることが望ましい。
【0030】次に、本発明の研磨工具の実施例について
説明する。芳香族ビニル系単量体として、スチレン(S
t)を用い、(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
て、メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸ブチル(B
A)、メタクリル酸ブチル(BMA)を用いている。このと
きの単量体混合比は、次のとおりである。 St:MMA:BA:BMA=34:33:29:4 (重量部) なお、各単量体から得られる単独重合体のガラス転移温
度(Tg)は、表1に示すとおりである。
説明する。芳香族ビニル系単量体として、スチレン(S
t)を用い、(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
て、メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸ブチル(B
A)、メタクリル酸ブチル(BMA)を用いている。このと
きの単量体混合比は、次のとおりである。 St:MMA:BA:BMA=34:33:29:4 (重量部) なお、各単量体から得られる単独重合体のガラス転移温
度(Tg)は、表1に示すとおりである。
【表1】
【0031】上記単量体混合物を公知の方法に基づき乳
化重合し、得られた重合体を分離した。平均ガラス転移
温度(Tg−ave)は Foxの式、 Tg[K]=100/Σ(i){W(i)/Tg(i)} [K] により求められる。この式に代入して計算すると、 Tg[K]= 100/Σ(i){W(i)/Tg(i)} [K] =100/(34/373+29/219+33/378+4/293) [K] =100/(0.32452637) [K] =308[K] =35[℃] ただし、W(i)は、高分子(i)の重量%、Tg(i)は高分子
(i)のガラス転移温度Tg[K]である。
化重合し、得られた重合体を分離した。平均ガラス転移
温度(Tg−ave)は Foxの式、 Tg[K]=100/Σ(i){W(i)/Tg(i)} [K] により求められる。この式に代入して計算すると、 Tg[K]= 100/Σ(i){W(i)/Tg(i)} [K] =100/(34/373+29/219+33/378+4/293) [K] =100/(0.32452637) [K] =308[K] =35[℃] ただし、W(i)は、高分子(i)の重量%、Tg(i)は高分子
(i)のガラス転移温度Tg[K]である。
【0032】上記材料比の場合の平均ガラス転移温度
(Tg−ave)は、308K(35℃)であるので、 270K(−3℃)<Tg−ave<400K(127℃) であり、上述した条件を満足する第2の実施例として、
芳香族ビニル系単量体として、スチレン(St)を用い、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、メタクリ
ル酸メチル(MMA)、アクリル酸ブチル(BA)、メタク
リル酸ブチル(BMA)を用い、重量部を下記のように変
更した例を示す。即ち、 St:MMA:BA:BMA=18:3:29:0 (重量部) の単量体混合物に適量のn−オクチルメルカプタンを分
子量調整剤として添加した上でシード粒子を重合し、そ
のシード粒子存在下で St:MMA:BA:BMA=16:30:0:4 (重量部) の滴下用単量体混合物に適量のn−オクチルメルカプタ
ンを分子量調整剤として添加した上で滴下し、重合し
た。50重量%のシード粒子が低ガラス転移温度相(T
g=265K)をなし、50重量%の滴下用単量体混合
物の重合体が高ガラス転移温度相(Tg=368K)を
なし、重合体全体の平均ガラス転移温度が308Kであ
る多相重合体を得た。この多相重合体は、実質的に架橋
構造を持たない線状高分子であり、その重量平均分子量
は100,000であった。
(Tg−ave)は、308K(35℃)であるので、 270K(−3℃)<Tg−ave<400K(127℃) であり、上述した条件を満足する第2の実施例として、
芳香族ビニル系単量体として、スチレン(St)を用い、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、メタクリ
ル酸メチル(MMA)、アクリル酸ブチル(BA)、メタク
リル酸ブチル(BMA)を用い、重量部を下記のように変
更した例を示す。即ち、 St:MMA:BA:BMA=18:3:29:0 (重量部) の単量体混合物に適量のn−オクチルメルカプタンを分
子量調整剤として添加した上でシード粒子を重合し、そ
のシード粒子存在下で St:MMA:BA:BMA=16:30:0:4 (重量部) の滴下用単量体混合物に適量のn−オクチルメルカプタ
ンを分子量調整剤として添加した上で滴下し、重合し
た。50重量%のシード粒子が低ガラス転移温度相(T
g=265K)をなし、50重量%の滴下用単量体混合
物の重合体が高ガラス転移温度相(Tg=368K)を
なし、重合体全体の平均ガラス転移温度が308Kであ
る多相重合体を得た。この多相重合体は、実質的に架橋
構造を持たない線状高分子であり、その重量平均分子量
は100,000であった。
【0033】次に、得られた重合体を用いて製造した固
定砥粒研磨工具を使用した場合の研磨性能について説明
する。研磨速度として、一例として約2000Å/分が
得られ、平坦性では極めて優良で、均一性は良好であっ
た。スクラッチの発生程度では、1ウエーハ当たり、2
15個という結果が得られ、従来の標準的な研磨パッド
(SS−25)と標準的な研磨砥液(IC1000/SUBA400)の組
み合わせで行う化学・機械研磨(CMP)の性能と比較し
て、同等以上の性能が得られた。
定砥粒研磨工具を使用した場合の研磨性能について説明
する。研磨速度として、一例として約2000Å/分が
得られ、平坦性では極めて優良で、均一性は良好であっ
た。スクラッチの発生程度では、1ウエーハ当たり、2
15個という結果が得られ、従来の標準的な研磨パッド
(SS−25)と標準的な研磨砥液(IC1000/SUBA400)の組
み合わせで行う化学・機械研磨(CMP)の性能と比較し
て、同等以上の性能が得られた。
【0034】次に、この研磨工具の製造方法の概略につ
いて説明する。熱可塑性樹脂(ポリマ)は単量体(モノ
マ)を重合させて製作する。その際に有機金属化合物や
無機金属化合物に代表される重合触媒、重合抑制剤、分
散剤、活性剤、溶媒、触媒不活性化剤、安定化剤、乳化
剤、酸化防止剤など様々な薬剤及び水が使用され、複雑
な工程を経て高分子化合物となる。この研磨工具に用い
る高分子材料の金属元素の混入を少なくするため、前述
の様々な重合工程で使用される薬品及び水の金属化合物
を低減することが望ましく、使用する水や溶剤において
は、純水、超純水、高純度溶剤を使用することが望まし
い。
いて説明する。熱可塑性樹脂(ポリマ)は単量体(モノ
マ)を重合させて製作する。その際に有機金属化合物や
無機金属化合物に代表される重合触媒、重合抑制剤、分
散剤、活性剤、溶媒、触媒不活性化剤、安定化剤、乳化
剤、酸化防止剤など様々な薬剤及び水が使用され、複雑
な工程を経て高分子化合物となる。この研磨工具に用い
る高分子材料の金属元素の混入を少なくするため、前述
の様々な重合工程で使用される薬品及び水の金属化合物
を低減することが望ましく、使用する水や溶剤において
は、純水、超純水、高純度溶剤を使用することが望まし
い。
【0035】また、高分子材料の形態は、粉末原料、液
状原料どちらでもよいが、中間生成物である造粒粉の組
成比を均質にし、さらには固定砥粒研磨工具の場合に
は、砥粒の分散均質性を向上するために、液体に砥粒が
均質に分散しているラテックス懸濁液の使用が望まし
い。さらに、半導体加工用途のため、すなわち金属汚染
の少ないウエーハ研磨を実現するために、該高分子材料
に含まれる金属混入量を出来るだけ少なくすることが望
ましい。
状原料どちらでもよいが、中間生成物である造粒粉の組
成比を均質にし、さらには固定砥粒研磨工具の場合に
は、砥粒の分散均質性を向上するために、液体に砥粒が
均質に分散しているラテックス懸濁液の使用が望まし
い。さらに、半導体加工用途のため、すなわち金属汚染
の少ないウエーハ研磨を実現するために、該高分子材料
に含まれる金属混入量を出来るだけ少なくすることが望
ましい。
【0036】上記重合体の製造には、種々の乳化重合法
が利用できる。例えば、シード重合法が知られている。
まず、単量体または単量体混合物を初期添加用単量体と
滴下用単量体とに分割する。次いで、水媒体中にホウ酸
や炭酸ナトリウム等のpH緩衝剤を添加し、この水媒体
を70℃以上85℃以下に加温し、不活性雰囲気下で撹
拌しながら過硫酸カリウム等の過硫酸塩重合開始剤を添
加した後、上記初期添加用単量体を一括添加後、一定時
間保持してシード(種)粒子を形成する。続いて、この
重合系に再度、過硫酸塩重合開始剤を添加した後、直ち
に上記滴下用単量体を一定時間かけて滴下し一定時間保
持する。またこのとき、初期添加用単量体と滴下用単量
体の組成を変えることにより、異なるガラス転移点を有
する多相重合体を得ることもできる。
が利用できる。例えば、シード重合法が知られている。
まず、単量体または単量体混合物を初期添加用単量体と
滴下用単量体とに分割する。次いで、水媒体中にホウ酸
や炭酸ナトリウム等のpH緩衝剤を添加し、この水媒体
を70℃以上85℃以下に加温し、不活性雰囲気下で撹
拌しながら過硫酸カリウム等の過硫酸塩重合開始剤を添
加した後、上記初期添加用単量体を一括添加後、一定時
間保持してシード(種)粒子を形成する。続いて、この
重合系に再度、過硫酸塩重合開始剤を添加した後、直ち
に上記滴下用単量体を一定時間かけて滴下し一定時間保
持する。またこのとき、初期添加用単量体と滴下用単量
体の組成を変えることにより、異なるガラス転移点を有
する多相重合体を得ることもできる。
【0037】各種材料を所要の比率で重合した混合液を
製作した後に、これを乾燥させ、混合粉を得る。乾燥処
理は、自然乾燥、加熱乾燥、凍結乾燥でもよいが、スプ
レードライヤを用いるのが好ましい。得られた混合粉を
適当な温度条件下で型により圧縮成型して所定形状の研
磨工具を製作する。上記乾燥手法の他に、凝集及び又は
沈殿作用を利用して混合粉を作成する方法を採ってもよ
い。上記粉体(混合粉)の製作は、必要に応じて混合後
の乾燥工程、又は乾燥後の混合工程、又はこれらを適宜
繰り返し行ってもよい。また、混合する材料により、複
数の材料の乾燥粉体を直接混合する工程をとってもよ
い。また、金属やその他の不純物の混入量を低減する目
的で、水あるいは有機溶媒によって洗浄する工程を上述
の工程中に採用することもできる。
製作した後に、これを乾燥させ、混合粉を得る。乾燥処
理は、自然乾燥、加熱乾燥、凍結乾燥でもよいが、スプ
レードライヤを用いるのが好ましい。得られた混合粉を
適当な温度条件下で型により圧縮成型して所定形状の研
磨工具を製作する。上記乾燥手法の他に、凝集及び又は
沈殿作用を利用して混合粉を作成する方法を採ってもよ
い。上記粉体(混合粉)の製作は、必要に応じて混合後
の乾燥工程、又は乾燥後の混合工程、又はこれらを適宜
繰り返し行ってもよい。また、混合する材料により、複
数の材料の乾燥粉体を直接混合する工程をとってもよ
い。また、金属やその他の不純物の混入量を低減する目
的で、水あるいは有機溶媒によって洗浄する工程を上述
の工程中に採用することもできる。
【0038】固定砥粒研磨工具の製造に際しては、樹脂
を重合する時に砥粒原料を均一に分散させればよい。砥
粒の分散均質性を向上するために、砥粒が液体に均質に
分散している懸濁液の使用が望ましい。その後、乾燥し
て混合粉を形成し、これを圧縮成型することで固定砥粒
研磨工具を製作することができる。
を重合する時に砥粒原料を均一に分散させればよい。砥
粒の分散均質性を向上するために、砥粒が液体に均質に
分散している懸濁液の使用が望ましい。その後、乾燥し
て混合粉を形成し、これを圧縮成型することで固定砥粒
研磨工具を製作することができる。
【0039】なお、本発明の研磨工具は、上述の実施例
にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高品位の
ポリッシング加工が可能な研磨工具が提供される。これ
により、精密で且つスクラッチの少ない研磨加工が行え
る。
ポリッシング加工が可能な研磨工具が提供される。これ
により、精密で且つスクラッチの少ない研磨加工が行え
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 坂部 宏
福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業
株式会社内
Fターム(参考) 3C058 AA07 AA09 DA17
3C063 AA02 BB07 BC03 BC10 EE10
FF23
Claims (6)
- 【請求項1】 研磨対象物を押圧しつつ摺動すること
で、研磨を行う研磨工具であって、前記研磨工具は主と
して熱可塑性樹脂により構成され、その平均ガラス転移
温度(Tg)が270K以上400K以下であることを特
徴とする研磨工具。 - 【請求項2】 研磨対象物を押圧しつつ摺動すること
で、研磨を行う研磨工具であって、前記研磨工具は主と
して熱可塑性樹脂により構成され、前記熱可塑性樹脂の
ガラス転移温度(Tg)が320K以下である低ガラス転
移温度(Tg)相が10重量%以上で90重量%以下と、
ガラス転移温度(Tg)が320K以上である高ガラス転
移温度(Tg)相が90重量%以下で10重量%以上とか
らなることを特徴とする研磨工具。 - 【請求項3】 研磨対象物を押圧しつつ摺動すること
で、研磨を行う研磨工具であって、前記研磨工具は主と
して熱可塑性樹脂により構成され、前記熱可塑性樹脂が
芳香族ビニル系単量体0重量%以上80重量%以下と、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体0重量%以上10
0重量%以下と、およびこれらと共重合可能なビニル系
単量体0重量%以上50重量%以下とからなり、重量平
均分子量が5,000以上5,000,000以下であ
ることを特徴とする研磨工具。 - 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂が、線状高分子である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の研
磨工具。 - 【請求項5】 前記研磨工具は、該研磨工具内に砥粒を
含む固定砥粒研磨工具であることを特徴とする請求項1
乃至3のいずれかに記載の研磨工具。 - 【請求項6】 前記研磨工具は、非固定砥粒の研磨パッ
ドであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載の研磨工具。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002020033A JP2003224094A (ja) | 2002-01-29 | 2002-01-29 | 研磨工具 |
US10/352,852 US6866565B2 (en) | 2002-01-29 | 2003-01-29 | Polishing tool and polishing apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002020033A JP2003224094A (ja) | 2002-01-29 | 2002-01-29 | 研磨工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003224094A true JP2003224094A (ja) | 2003-08-08 |
Family
ID=27743653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002020033A Pending JP2003224094A (ja) | 2002-01-29 | 2002-01-29 | 研磨工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003224094A (ja) |
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- 2002-01-29 JP JP2002020033A patent/JP2003224094A/ja active Pending
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