JP2003222616A - ビート光共振による薄膜評価装置 - Google Patents
ビート光共振による薄膜評価装置Info
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 不透明薄膜の膜厚を測定するために、光励起
した超音波のエコー間隔を測定する方法がある。しか
し、繰り返されるエコー間隔の情報を有効に活用できな
い、またはマイクロメートル以下の薄膜に対応できない
等の問題を抱えていた。 【解決手段】 共振法で利用するレーザー励起光とし
て、波長の異なる2個のレーザー光を干渉させて作った
ビート光を利用する。これにより、非常に高い周波数で
強度変化する励起光を用意し、マイクロメートル以下の
薄膜測定に対応する。共振法の利用により、繰り返され
るエコー間隔の情報を有効に活用する。また、ビート光
を利用した共振法に適した振動測定手段も提案する。
した超音波のエコー間隔を測定する方法がある。しか
し、繰り返されるエコー間隔の情報を有効に活用できな
い、またはマイクロメートル以下の薄膜に対応できない
等の問題を抱えていた。 【解決手段】 共振法で利用するレーザー励起光とし
て、波長の異なる2個のレーザー光を干渉させて作った
ビート光を利用する。これにより、非常に高い周波数で
強度変化する励起光を用意し、マイクロメートル以下の
薄膜測定に対応する。共振法の利用により、繰り返され
るエコー間隔の情報を有効に活用する。また、ビート光
を利用した共振法に適した振動測定手段も提案する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーザー励起に
よる弾性波で薄膜試料を共振させ、その共振周波数を測
定することにより薄膜の膜厚、膜質、または薄膜中の音
速を測定する方法、及び装置に関する。特に、半導体製
品における薄膜の膜厚測定に利用される。また、半導体
製品以外であっても、薄膜が設けられている試料であれ
ば、この発明による測定対象となり得る。磁気記録テー
プ、磁気記録ディスク、光記録ディスク、コーティング
鋼板等が、その一例である。
よる弾性波で薄膜試料を共振させ、その共振周波数を測
定することにより薄膜の膜厚、膜質、または薄膜中の音
速を測定する方法、及び装置に関する。特に、半導体製
品における薄膜の膜厚測定に利用される。また、半導体
製品以外であっても、薄膜が設けられている試料であれ
ば、この発明による測定対象となり得る。磁気記録テー
プ、磁気記録ディスク、光記録ディスク、コーティング
鋼板等が、その一例である。
【0002】
【従来の技術】膜厚がマイクロメートル程度以下の不透
明薄膜の膜厚を非破壊で測定する方法として、ポンププ
ローブ法により薄膜中に弾性波を発生させ、薄膜界面で
反射した弾性波エコーが表面に戻ってくるまでの時間を
測定し、その時間に既知の音速を乗じて膜厚に換算する
方法が使われている。この方法は、古くから使われてい
るパルス法の特殊な例である。この方法の一例は、特開
平5−172739号公報に示されている。
明薄膜の膜厚を非破壊で測定する方法として、ポンププ
ローブ法により薄膜中に弾性波を発生させ、薄膜界面で
反射した弾性波エコーが表面に戻ってくるまでの時間を
測定し、その時間に既知の音速を乗じて膜厚に換算する
方法が使われている。この方法は、古くから使われてい
るパルス法の特殊な例である。この方法の一例は、特開
平5−172739号公報に示されている。
【0003】この方法の原理を以下に説明する。ポンプ
光が不透明薄膜に照射されると、試料が不透明であるが
ゆえに、最表面の限られた深さ範囲でのみポンプ光のエ
ネルギーが吸収される。また、パルス状のポンプ光を使
用するため、照射した一瞬にエネルギーが吸収される。
そのため、部分的に集中したエネルギーがパルス状の弾
性波となり、試料内部に進行していく。この弾性波は、
薄膜界面等の材質が不均一になる部分で一部が反射さ
れ、試料表面に向かい戻ってきて、エコーとなる。弾性
波が表面に到達すると、最表面の体積を伸縮させ、結果
として試料表面が変動する。試料表面まで到達した弾性
波は、再度、試料内部に向かって進行し、材質が不均一
な部分で反射し、2回目のエコーとなる。このようなエ
コーの到達周期を求めるために、試料表面位置の時間変
化を観測する。ポンププローブ法では、この時間変化を
求めるために、プローブ用パルス光を試料表面に照射
し、反射光を測定して試料表面位置を求める。プローブ
光がパルス状なので、そのパルス幅での短時間サンプリ
ング測定となる。したがって、ポンプ光照射からプロー
ブ光照射までのタイミングを変えて多くのサンプリング
結果を集めて、試料表面位置の時間変化を再構成する必
要がある。タイミングを変えるために、プローブ光源と
試料の間の光路長を変化させるための遅延光路が設けら
れる。
光が不透明薄膜に照射されると、試料が不透明であるが
ゆえに、最表面の限られた深さ範囲でのみポンプ光のエ
ネルギーが吸収される。また、パルス状のポンプ光を使
用するため、照射した一瞬にエネルギーが吸収される。
そのため、部分的に集中したエネルギーがパルス状の弾
性波となり、試料内部に進行していく。この弾性波は、
薄膜界面等の材質が不均一になる部分で一部が反射さ
れ、試料表面に向かい戻ってきて、エコーとなる。弾性
波が表面に到達すると、最表面の体積を伸縮させ、結果
として試料表面が変動する。試料表面まで到達した弾性
波は、再度、試料内部に向かって進行し、材質が不均一
な部分で反射し、2回目のエコーとなる。このようなエ
コーの到達周期を求めるために、試料表面位置の時間変
化を観測する。ポンププローブ法では、この時間変化を
求めるために、プローブ用パルス光を試料表面に照射
し、反射光を測定して試料表面位置を求める。プローブ
光がパルス状なので、そのパルス幅での短時間サンプリ
ング測定となる。したがって、ポンプ光照射からプロー
ブ光照射までのタイミングを変えて多くのサンプリング
結果を集めて、試料表面位置の時間変化を再構成する必
要がある。タイミングを変えるために、プローブ光源と
試料の間の光路長を変化させるための遅延光路が設けら
れる。
【0004】図2を用いて上記の従来技術に関して説明
する。2分の1波長板24を用いてパルスレーザー23
の偏光方向を変え、偏光ビームスプリッター25により
分離されるポンプ光21とプローブ光22の割合を調節
する。超音波励起用のポンプ光21は、ミラー9で反射
された後、レンズ10により試料表面に集光される。一
方、プローブ光22は、ポンプ光照射時からのタイミン
グを変えるための遅延光路26、ミラー27と通過し
て、ビームスプリッター11により、試料13、及びミ
ラー14の方向に分離される。試料13に向かう光は、
レンズ12により試料表面に集光され、振動する表面で
反射される。試料表面の振動の影響を受けた反射光は、
ビームスプリッター11により、ミラー14で反射され
て戻ってきた参照光と重ねあわされて検出器15に導か
れる。また、AOM8を使用してポンプ光21の光路を
周期的に開閉し、この周期と位相に同期させて、ロック
インアンプ19による測定を行なう。周期と位相を同期
させるために、ドライバー18からAOM8、及びロッ
クインアンプ19に、同一の周期信号を送る。ロックイ
ンアンプ19の利用により、ポンプ光21が試料に届か
ない状態での測定値をバックグランド信号として、ポン
プ光21が届く時の測定結果から引き、S/N比を向上
させる。データ収集システム20により、ロックインア
ンプ19からの出力を記録する。
する。2分の1波長板24を用いてパルスレーザー23
の偏光方向を変え、偏光ビームスプリッター25により
分離されるポンプ光21とプローブ光22の割合を調節
する。超音波励起用のポンプ光21は、ミラー9で反射
された後、レンズ10により試料表面に集光される。一
方、プローブ光22は、ポンプ光照射時からのタイミン
グを変えるための遅延光路26、ミラー27と通過し
て、ビームスプリッター11により、試料13、及びミ
ラー14の方向に分離される。試料13に向かう光は、
レンズ12により試料表面に集光され、振動する表面で
反射される。試料表面の振動の影響を受けた反射光は、
ビームスプリッター11により、ミラー14で反射され
て戻ってきた参照光と重ねあわされて検出器15に導か
れる。また、AOM8を使用してポンプ光21の光路を
周期的に開閉し、この周期と位相に同期させて、ロック
インアンプ19による測定を行なう。周期と位相を同期
させるために、ドライバー18からAOM8、及びロッ
クインアンプ19に、同一の周期信号を送る。ロックイ
ンアンプ19の利用により、ポンプ光21が試料に届か
ない状態での測定値をバックグランド信号として、ポン
プ光21が届く時の測定結果から引き、S/N比を向上
させる。データ収集システム20により、ロックインア
ンプ19からの出力を記録する。
【0005】不透明薄膜の膜厚を測定する他の方法とし
て、パルス光ではなく、周期的な強度変調光を弾性波の
励起源とした共振法も使われている。この方法の一例
は、特開平4−191652号公報に示されている。
て、パルス光ではなく、周期的な強度変調光を弾性波の
励起源とした共振法も使われている。この方法の一例
は、特開平4−191652号公報に示されている。
【0006】この方法の原理を以下に説明する。ポンプ
光により弾性波が発生する仕組みは上記ポンププローブ
法とほぼ同様だが、ポンプ光が単発のパルス光ではな
く、周期光である点が異なる。このため、エコー間隔と
ポンプ光周期がある関係を満たした時に共振状態とな
り、非共振状態と比較して試料表面の振動振幅が大きく
なる。ここで満たすべき関係は、薄膜界面が固定端か、
自由端かによって異なる。共振時の振動周期に既知の音
速を乗じて膜厚に換算する。ポンプ光の周波数変化に対
する試料表面の振動振幅の変化は、プローブ光によって
測定する。上記ポンププローブ法とは異なり、ここで使
用するプローブ光は連続光である。このように、上記ポ
ンププローブ法ではプローブ光の光路長を走査するのに
対し、共振法ではポンプ光の変調周期を走査する。
光により弾性波が発生する仕組みは上記ポンププローブ
法とほぼ同様だが、ポンプ光が単発のパルス光ではな
く、周期光である点が異なる。このため、エコー間隔と
ポンプ光周期がある関係を満たした時に共振状態とな
り、非共振状態と比較して試料表面の振動振幅が大きく
なる。ここで満たすべき関係は、薄膜界面が固定端か、
自由端かによって異なる。共振時の振動周期に既知の音
速を乗じて膜厚に換算する。ポンプ光の周波数変化に対
する試料表面の振動振幅の変化は、プローブ光によって
測定する。上記ポンププローブ法とは異なり、ここで使
用するプローブ光は連続光である。このように、上記ポ
ンププローブ法ではプローブ光の光路長を走査するのに
対し、共振法ではポンプ光の変調周期を走査する。
【0007】図3を用いて上記の従来技術に関して説明
する。ただし、図2と共通する部分に関する説明は割愛
する。光変調器28を用いて連続レーザー1の強度を周
期的に変化させ、それを超音波励起用のポンプ光21と
して使用する。この周期を変化させながら、薄膜の共振
状態を測定する。ポンプ光21は、ミラー29とミラー
9で反射された後、レンズ10により試料表面に集光さ
れる。一方、連続レーザー3から出たプローブ光22
は、偏光ビームスプリッター30を通過後、試料13で
反射され、偏光ビームスプリッター30に戻ってくる。
それまでに4分の1波長板31を2回、通過するために
偏光方向が90度、変化している。そのため、試料13
から戻って来た反射光は偏光ビームスプリッター30で
反射してファブリーペロー干渉計32に向かって進む。
ドップラーシフト成分のみがファブリーペロー干渉計3
2を通過して、検出器15に到達する。
する。ただし、図2と共通する部分に関する説明は割愛
する。光変調器28を用いて連続レーザー1の強度を周
期的に変化させ、それを超音波励起用のポンプ光21と
して使用する。この周期を変化させながら、薄膜の共振
状態を測定する。ポンプ光21は、ミラー29とミラー
9で反射された後、レンズ10により試料表面に集光さ
れる。一方、連続レーザー3から出たプローブ光22
は、偏光ビームスプリッター30を通過後、試料13で
反射され、偏光ビームスプリッター30に戻ってくる。
それまでに4分の1波長板31を2回、通過するために
偏光方向が90度、変化している。そのため、試料13
から戻って来た反射光は偏光ビームスプリッター30で
反射してファブリーペロー干渉計32に向かって進む。
ドップラーシフト成分のみがファブリーペロー干渉計3
2を通過して、検出器15に到達する。
【0008】上記2例では既知の音速を用いて時間を膜
厚に換算する例を説明したが、これらは他の方法で実測
した膜厚をエコー周期で除して薄膜中の音速を求める方
法として、またはその音速から薄膜の物性を評価する方
法としても使われる。また、エコー強度等のエコー周期
以外の情報から薄膜表面、または界面の情報を得ること
もできる。
厚に換算する例を説明したが、これらは他の方法で実測
した膜厚をエコー周期で除して薄膜中の音速を求める方
法として、またはその音速から薄膜の物性を評価する方
法としても使われる。また、エコー強度等のエコー周期
以外の情報から薄膜表面、または界面の情報を得ること
もできる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来技術にて示
した膜厚測定方法では、それぞれ、以下のような問題点
があった。
した膜厚測定方法では、それぞれ、以下のような問題点
があった。
【0010】ポンププローブ法においては、遅延光路の
長さに制限が生じる。例えば、1マイクロメートルの膜
厚の薄膜を測定する場合、膜中の音速を5000m/秒
と仮定すると、1回目のエコーを観測するためには12
cmの遅延光路長が必要になる。複数個のエコーを観測
するためにはさらに複数倍の遅延光路長が必要となり、
装置寸法からの制限が生じる。光ファイバー等で光路長
を伸ばす方法もあるが、光路長を可変にする方法が難し
く、光ファイバー中でパルス形状が劣化するという問題
も生じる。したがって、ポンプ光の照射時から1回目の
エコーまでの時間だけからエコー間隔を求めざるを得な
い場合も生じ、膜厚に換算した時の精度が良くないとい
う問題があった。
長さに制限が生じる。例えば、1マイクロメートルの膜
厚の薄膜を測定する場合、膜中の音速を5000m/秒
と仮定すると、1回目のエコーを観測するためには12
cmの遅延光路長が必要になる。複数個のエコーを観測
するためにはさらに複数倍の遅延光路長が必要となり、
装置寸法からの制限が生じる。光ファイバー等で光路長
を伸ばす方法もあるが、光路長を可変にする方法が難し
く、光ファイバー中でパルス形状が劣化するという問題
も生じる。したがって、ポンプ光の照射時から1回目の
エコーまでの時間だけからエコー間隔を求めざるを得な
い場合も生じ、膜厚に換算した時の精度が良くないとい
う問題があった。
【0011】上記の共振法においては、1個の連続レー
ザーを強度変調して使用するために、電気的な周波数制
御に限界があり、ポンプ光の変調周波数に制限が生じ
る。マイクロメートル程度以下の薄膜測定には、ギガヘ
ルツ以上、またはテラヘルツ程度の非常に高い変調周波
数が必要であり、実用的ではないという問題があった。
ザーを強度変調して使用するために、電気的な周波数制
御に限界があり、ポンプ光の変調周波数に制限が生じ
る。マイクロメートル程度以下の薄膜測定には、ギガヘ
ルツ以上、またはテラヘルツ程度の非常に高い変調周波
数が必要であり、実用的ではないという問題があった。
【0012】この発明は、上記問題点を解決し、マイク
ロメートル程度以下の薄膜に対する膜厚測定を高精度で
行う方法を実現することを課題とする。
ロメートル程度以下の薄膜に対する膜厚測定を高精度で
行う方法を実現することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、共振法で利用するレーザー励起光と
して、波長の異なる2個のレーザー光を干渉させて作っ
たビート光を利用する。これにより、非常に高い周波数
で強度変化する励起光を用意することができ、マイクロ
メートル程度以下の薄膜測定に対して共振法を利用する
ことができる。同時に、共振法の利用により、ポンププ
ローブ法における測定精度の問題を解決することができ
る。また、ビート光を利用した共振法に適した振動測定
手段も提案する。
めに、本発明では、共振法で利用するレーザー励起光と
して、波長の異なる2個のレーザー光を干渉させて作っ
たビート光を利用する。これにより、非常に高い周波数
で強度変化する励起光を用意することができ、マイクロ
メートル程度以下の薄膜測定に対して共振法を利用する
ことができる。同時に、共振法の利用により、ポンププ
ローブ法における測定精度の問題を解決することができ
る。また、ビート光を利用した共振法に適した振動測定
手段も提案する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、超音波励起用の複数
の連続レーザー、薄膜共振観測用の連続レーザー、これ
らのレーザーを試料表面に導く光学回路、検出器、及び
試料で反射した観測用レーザーの反射光を検出器に導く
光学回路を使用する。
の連続レーザー、薄膜共振観測用の連続レーザー、これ
らのレーザーを試料表面に導く光学回路、検出器、及び
試料で反射した観測用レーザーの反射光を検出器に導く
光学回路を使用する。
【0015】ここでは、超音波励起用の複数の連続レー
ザーから2個のレーザーを選択し、それらの光を干渉さ
せ、ビート光を作り出す。必要とする周波数で強度変化
するビート光を得られるように、2個のレーザーが選択
される。対象とする測定膜厚の範囲、要求する測定精度
に合わせて、周波数の異なるレーザーを多数用意する必
要がある。
ザーから2個のレーザーを選択し、それらの光を干渉さ
せ、ビート光を作り出す。必要とする周波数で強度変化
するビート光を得られるように、2個のレーザーが選択
される。対象とする測定膜厚の範囲、要求する測定精度
に合わせて、周波数の異なるレーザーを多数用意する必
要がある。
【0016】必要なレーザーの個数を減らすためには、
周波数が連続可変なレーザーを利用する方法が考えられ
る。この場合、最少でも2個のレーザーを使用し、少な
くとも1個のレーザーは周波数が連続可変でなければな
らない。レーザーを2個だけ使用し、その一方が周波数
連続可変の場合、1GHzから1THz程度の周波数可
変幅が必要となる。この目的のためには、レーザー共振
器の片方のミラー位置を微調整する方法が考えられる。
周波数が連続可変なレーザーを利用する方法が考えられ
る。この場合、最少でも2個のレーザーを使用し、少な
くとも1個のレーザーは周波数が連続可変でなければな
らない。レーザーを2個だけ使用し、その一方が周波数
連続可変の場合、1GHzから1THz程度の周波数可
変幅が必要となる。この目的のためには、レーザー共振
器の片方のミラー位置を微調整する方法が考えられる。
【0017】以下の説明において、「2個の励起用レー
ザー」等の記述に関しては、複数の励起用連続レーザー
から目的の周波数のビート光を作成するために選択され
た2個のレーザーを示すものとする。また、2個の励起
用レーザーに観測用レーザーを加えて「3個のレーザ
ー」等として記述する場合もある。
ザー」等の記述に関しては、複数の励起用連続レーザー
から目的の周波数のビート光を作成するために選択され
た2個のレーザーを示すものとする。また、2個の励起
用レーザーに観測用レーザーを加えて「3個のレーザ
ー」等として記述する場合もある。
【0018】レーザーを試料表面に導く光学回路によ
り、3個全てのレーザーは測定試料の同じ点に集光され
る。2個の励起用レーザーは、強度、偏光、及び光軸を
そろえて、試料に照射されることが望ましい。各レーザ
ー光をAsin(ω1t−κ1x)、及びAsin(ω2
t−κ2x)と表すと、両光の干渉光の強度Iは、以下の
ように表される。
り、3個全てのレーザーは測定試料の同じ点に集光され
る。2個の励起用レーザーは、強度、偏光、及び光軸を
そろえて、試料に照射されることが望ましい。各レーザ
ー光をAsin(ω1t−κ1x)、及びAsin(ω2
t−κ2x)と表すと、両光の干渉光の強度Iは、以下の
ように表される。
【0019】
I = (Asin(ω1t−κ1x) + Asin(ω2t−κ2x))2
= A2sin2(ω1t−κ1x) + A2sin2(ω2t−κ2x) +
2A2sin(ω1t−κ1x)sin(ω2t−κ2x)
時間平均して0になる項を除くと、以下の解を得る。た
だし、(ω1−ω2)tの項は、周期が長いので式中に残
す。
だし、(ω1−ω2)tの項は、周期が長いので式中に残
す。
【0020】I = A2 + A2cos((ω1−
ω2)t−(κ1−κ2)x) 上式は、両レーザーの差周波数(ビート周波数)で強度
変化するビート光が試料に照射されることを意味する。
試料に対する励起光の進入深さが浅いほど、短波長の超
音波を発生させ、より薄い薄膜に対応することが可能に
なる。そのために、励起光を試料に対して斜めに照射す
る方法も考えられる。ただし、試料表面で吸収されずに
反射されてしまう成分が増加して励起強度の点で不利に
なるため、試料膜厚に合わせて最適な照射角度で照射す
ることが望ましい。観測用レーザーのスポット径は、励
起用レーザーのスポット径よりも小さいことが望まし
い。観測用レーザーは、測定スポット径を小さくするた
めに、試料に対して垂直に照射することが望ましい。ま
た、3個すべてのレーザーを同じ測定点に集光するに
は、すべての光軸をそろえて、ひとつの集光レンズを用
いて、試料に対して垂直に照射する方法が有利である。
ω2)t−(κ1−κ2)x) 上式は、両レーザーの差周波数(ビート周波数)で強度
変化するビート光が試料に照射されることを意味する。
試料に対する励起光の進入深さが浅いほど、短波長の超
音波を発生させ、より薄い薄膜に対応することが可能に
なる。そのために、励起光を試料に対して斜めに照射す
る方法も考えられる。ただし、試料表面で吸収されずに
反射されてしまう成分が増加して励起強度の点で不利に
なるため、試料膜厚に合わせて最適な照射角度で照射す
ることが望ましい。観測用レーザーのスポット径は、励
起用レーザーのスポット径よりも小さいことが望まし
い。観測用レーザーは、測定スポット径を小さくするた
めに、試料に対して垂直に照射することが望ましい。ま
た、3個すべてのレーザーを同じ測定点に集光するに
は、すべての光軸をそろえて、ひとつの集光レンズを用
いて、試料に対して垂直に照射する方法が有利である。
【0021】プローブ光をAsin(ωt)、表面振動
をUsin(ωst)、κU<<1とすると、反射光は
以下のように表される。ここで、κはプローブ光の波数
ベクトル、rは反射率である。また、共振時の表面振動
の周波数は照射ビート光のビート周波数に等しく、ωs
/2π=(ω1−ω2)/2πである。
をUsin(ωst)、κU<<1とすると、反射光は
以下のように表される。ここで、κはプローブ光の波数
ベクトル、rは反射率である。また、共振時の表面振動
の周波数は照射ビート光のビート周波数に等しく、ωs
/2π=(ω1−ω2)/2πである。
【0022】
rAsin(ωt−2κUsin(ωst))
= rAsin(ωt)cos(2κUsin(ωst))−
rAcos(ωt)sin(2κUsin(ωst))
≒ rAsin(ωt) − 2rAκUcos(ωt)sin(ωst)
= rAsin(ωt) − rAκUsin(ωt+ωst) +
rAκUsin(ωt−ωst)
この式より、反射光は、元の周波数成分と周波数が±ω
s/2πだけずれたドップラーシフト成分の計3種の光
で構成されていることが分かる。また、ドップラーシフ
ト成分の大きさは、試料表面の振動振幅に比例すること
が分かる。
s/2πだけずれたドップラーシフト成分の計3種の光
で構成されていることが分かる。また、ドップラーシフ
ト成分の大きさは、試料表面の振動振幅に比例すること
が分かる。
【0023】上記の反射光をBsin(ωt+ΔP)で
表される参照光と干渉させる。ここで、ΔPは反射光と
の位相差を表す。この時、干渉後の強度Iは以下のよう
になる。
表される参照光と干渉させる。ここで、ΔPは反射光と
の位相差を表す。この時、干渉後の強度Iは以下のよう
になる。
【0024】I=( Bsin(ωt+ΔP) +rA
sin(ωt−2κUsin(ωst)) )2 時間平均して0になる項を除くと、以下の解を得る。
sin(ωt−2κUsin(ωst)) )2 時間平均して0になる項を除くと、以下の解を得る。
【0025】I=( B2/2 + (rA)2/2 +
BrAcos(ΔP) −BrA(κU)2cos
(ΔP) ) 右辺のうち、表面振動を表す第4項に対して第1項、2
項、及び3項が最小になるように、つまりS/N比が最
良になるように、B=rA、及びΔP=πとなる参照光
を使用することが望ましい。上記信号強度Iが常に最低
になるように参照光、または反射光の光路長を調整する
ことで、ΔPをπに保つことができる。この条件のと
き、干渉光の強度は以下のようになる。
BrAcos(ΔP) −BrA(κU)2cos
(ΔP) ) 右辺のうち、表面振動を表す第4項に対して第1項、2
項、及び3項が最小になるように、つまりS/N比が最
良になるように、B=rA、及びΔP=πとなる参照光
を使用することが望ましい。上記信号強度Iが常に最低
になるように参照光、または反射光の光路長を調整する
ことで、ΔPをπに保つことができる。この条件のと
き、干渉光の強度は以下のようになる。
【0026】I=(rAκU)2
したがって、表面振動の振幅Uが大きいほど、干渉光強
度が大きくなる。つまり、ビート光のビート周波数を変
化させながら検出信号強度をプロットすると、ビート周
波数が薄膜の超音波共振周波数と等しくなる点で、信号
強度が最大となる(図4を参照)。
度が大きくなる。つまり、ビート光のビート周波数を変
化させながら検出信号強度をプロットすると、ビート周
波数が薄膜の超音波共振周波数と等しくなる点で、信号
強度が最大となる(図4を参照)。
【0027】また、干渉光の測定信号に重みを付けるこ
とにより、効率よく信号を取り出すことができる。その
ような第2、第3の方法について、以下にまとめる。
とにより、効率よく信号を取り出すことができる。その
ような第2、第3の方法について、以下にまとめる。
【0028】第2の方法では、検出後の信号に対してs
in(ωst)という重み関数をかけ合わせる。
in(ωst)という重み関数をかけ合わせる。
【0029】ここでは、干渉光が電気信号に変換される
時、または変換後の電気信号に重み関数がかけ合わされ
るので、非常に高速な信号処理が必要になる。この重み
関数は、ビート光のビート周波数を利用して作り出す。
これにより、以下のような信号を得ることができる。
時、または変換後の電気信号に重み関数がかけ合わされ
るので、非常に高速な信号処理が必要になる。この重み
関数は、ビート光のビート周波数を利用して作り出す。
これにより、以下のような信号を得ることができる。
【0030】I=sin(ωst)×(Bsin(ωt
+ΔP)+ rAsin(ωt)−rAκUsin(ω
t+ωst) + rAκUsin(ωt−ωst))2 時間平均して0になる項を除くと、以下の解を得る。
+ΔP)+ rAsin(ωt)−rAκUsin(ω
t+ωst) + rAκUsin(ωt−ωst))2 時間平均して0になる項を除くと、以下の解を得る。
【0031】I=−rABκUsin(ΔP)
感度が最大となるように、ΔP=π/2、または−π/
2となる参照光を使用することが望ましい。重み付けす
る前の信号強度が常に最大値の半分になるように、また
は重み付けした後の上記信号強度Iの絶対値が常に最大
になるように参照光、または反射光の光路長を調整する
ことで、ΔPをπ/2、または−π/2に保つことがで
きる。この条件のとき、干渉光の強度は以下のようにな
る。
2となる参照光を使用することが望ましい。重み付けす
る前の信号強度が常に最大値の半分になるように、また
は重み付けした後の上記信号強度Iの絶対値が常に最大
になるように参照光、または反射光の光路長を調整する
ことで、ΔPをπ/2、または−π/2に保つことがで
きる。この条件のとき、干渉光の強度は以下のようにな
る。
【0032】I=−rABκU、またはrABκU
上式より、この第2の検出方法は、r、A、B、及びΔ
Pの微少変化による悪影響を減らした方法であることが
わかる。ここで示した重み関数はひとつの例であって、
これに限定する必要はない。周波数ωs/2πで変化す
る関数であれば、同様の効果を期待することができる。
Pの微少変化による悪影響を減らした方法であることが
わかる。ここで示した重み関数はひとつの例であって、
これに限定する必要はない。周波数ωs/2πで変化す
る関数であれば、同様の効果を期待することができる。
【0033】第3の方法では、検出前の光に対して(1
−sin(ωst))/2という重み関数をかけ合わせ
る。周波数ωs/2πで透過率の変化する光学素子を検
出器より前に設置することで、この重み関数の働きをさ
せることができる。これにより、周波数ωs/2πで強
度変化するプローブ光とポンプ光を用意したことにな
る。観測用レーザーによる試料への影響を抑えるために
は、プローブ光がこの光学素子を通過してから試料に届
くようにするほうが望ましい。
−sin(ωst))/2という重み関数をかけ合わせ
る。周波数ωs/2πで透過率の変化する光学素子を検
出器より前に設置することで、この重み関数の働きをさ
せることができる。これにより、周波数ωs/2πで強
度変化するプローブ光とポンプ光を用意したことにな
る。観測用レーザーによる試料への影響を抑えるために
は、プローブ光がこの光学素子を通過してから試料に届
くようにするほうが望ましい。
【0034】これにより、以下のような信号を得ること
ができる。
ができる。
【0035】I=((1−sin(ωst))/2×B
sin(ωt+ΔP) +(1−sin(ωst))/
2×(rAsin(ωt) −rAκUsin(ωt+
ωst)+rAκUsin(ωt−ωst) ))2 時間平均して0になる項を除くと、以下の解を得る。
sin(ωt+ΔP) +(1−sin(ωst))/
2×(rAsin(ωt) −rAκUsin(ωt+
ωst)+rAκUsin(ωt−ωst) ))2 時間平均して0になる項を除くと、以下の解を得る。
【0036】I=3/16×( B2 + (rA)2
+ 2BrAcos(ΔP) )−7/16×BrA
(κU)2cos(ΔP) +1/2×BrA(κU)s
in(ΔP) 感度が最大となるように、ΔP=π/2、または−π/
2となる参照光を使用することが望ましい。上記信号強
度が常に最大値の半分になるように参照光、または反射
光の光路長を調整することで、ΔPをπ/2、または−
π/2に保つことができる。
+ 2BrAcos(ΔP) )−7/16×BrA
(κU)2cos(ΔP) +1/2×BrA(κU)s
in(ΔP) 感度が最大となるように、ΔP=π/2、または−π/
2となる参照光を使用することが望ましい。上記信号強
度が常に最大値の半分になるように参照光、または反射
光の光路長を調整することで、ΔPをπ/2、または−
π/2に保つことができる。
【0037】ΔP=π/2の時の干渉光の強度をI1で
表すと、以下のようになる。
表すと、以下のようになる。
【0038】I1=3/16×( B2 + (rA)2
) + 1/2×BrA(κU) ΔP=−π/2の時の干渉光の強度をI2で表すと、以
下のようになる。
) + 1/2×BrA(κU) ΔP=−π/2の時の干渉光の強度をI2で表すと、以
下のようになる。
【0039】I2=3/16×( B2 + (rA)2
) − 1/2×BrA(κU) ここで、I2からI1を引くとBrA(κU)となり、第
2の検出方法と同様の結果を得ることができる。したが
って、(I2−I1)の絶対値が常に最大になるように参
照光、または反射光の光路長を調整することでも、ΔP
をπ/2、または−π/2に保つことができる。上式よ
り、この第3の検出方法は、第2の検出方法と同様に、
r、A、B、及びΔPの微少変化による悪影響を減らし
た方法であることがわかる。ここで示した重み関数はひ
とつの例であって、これに限定する必要はない。sin
(ωst)の代わりに周波数ωs/2πで変化する他の関
数を用いても、同様の効果を期待することができる。
) − 1/2×BrA(κU) ここで、I2からI1を引くとBrA(κU)となり、第
2の検出方法と同様の結果を得ることができる。したが
って、(I2−I1)の絶対値が常に最大になるように参
照光、または反射光の光路長を調整することでも、ΔP
をπ/2、または−π/2に保つことができる。上式よ
り、この第3の検出方法は、第2の検出方法と同様に、
r、A、B、及びΔPの微少変化による悪影響を減らし
た方法であることがわかる。ここで示した重み関数はひ
とつの例であって、これに限定する必要はない。sin
(ωst)の代わりに周波数ωs/2πで変化する他の関
数を用いても、同様の効果を期待することができる。
【0040】上記第3の方法における励起用レーザーと
観測用レーザーの関係を入れ替えた第4の方法につい
て、以下にまとめる。この方法では、プローブ光として
2個のレーザーによるビート光を用いる。同時に、この
観測用ビート光のビート周波数と同じ周波数ωs/2π
で透過率の変化する光学素子を励起用レーザーの光路途
中に設置する。これにより、周波数ωs/2πで強度変
化するプローブ光とポンプ光を用意したことになり、上
記第3の方法と同様の結果を得ることができる。
観測用レーザーの関係を入れ替えた第4の方法につい
て、以下にまとめる。この方法では、プローブ光として
2個のレーザーによるビート光を用いる。同時に、この
観測用ビート光のビート周波数と同じ周波数ωs/2π
で透過率の変化する光学素子を励起用レーザーの光路途
中に設置する。これにより、周波数ωs/2πで強度変
化するプローブ光とポンプ光を用意したことになり、上
記第3の方法と同様の結果を得ることができる。
【0041】上記第3の方法と同様に、感度が最大とな
るように、ΔP=π/2、または−π/2となる参照光
を使用することが望ましい。検出信号強度が常に最大値
の半分になるように参照光、または反射光の光路長を調
整することで、ΔPをπ/2、または−π/2に保つこ
とができる。ΔP=π/2の時の干渉光の強度I1とΔ
P=−π/2の時の干渉光の強度をI2の差の絶対値が
常に最大になるように参照光、または反射光の光路長を
調整することでも、ΔPをπ/2、または−π/2に保
つことができる。
るように、ΔP=π/2、または−π/2となる参照光
を使用することが望ましい。検出信号強度が常に最大値
の半分になるように参照光、または反射光の光路長を調
整することで、ΔPをπ/2、または−π/2に保つこ
とができる。ΔP=π/2の時の干渉光の強度I1とΔ
P=−π/2の時の干渉光の強度をI2の差の絶対値が
常に最大になるように参照光、または反射光の光路長を
調整することでも、ΔPをπ/2、または−π/2に保
つことができる。
【0042】上記第3、及び第4の方法を簡素化した第
5の方法について、以下にまとめる。この方法では、2
個のレーザーによるビート光を分割して、プローブ光と
ポンプ光の両方に用いる。プローブ光とポンプ光に異な
る周波数の光を用いないので、それぞれに対して最適な
周波数を選択できないが、レーザー、及び光学素子を減
らした簡素なシステムを構築することができる。
5の方法について、以下にまとめる。この方法では、2
個のレーザーによるビート光を分割して、プローブ光と
ポンプ光の両方に用いる。プローブ光とポンプ光に異な
る周波数の光を用いないので、それぞれに対して最適な
周波数を選択できないが、レーザー、及び光学素子を減
らした簡素なシステムを構築することができる。
【0043】上記第3、及び第4の方法と同様に、感度
が最大となるように、ΔP=π/2、または−π/2と
なる参照光を使用することが望ましい。検出信号強度が
常に最大値の半分になるように参照光、または反射光の
光路長を調整することで、ΔPをπ/2、または−π/
2に保つことができる。ΔP=π/2の時の干渉光の強
度I1とΔP=−π/2の時の干渉光の強度をI2の差の
絶対値が常に最大になるように参照光、または反射光の
光路長を調整することでも、ΔPをπ/2、または−π
/2に保つことができる。
が最大となるように、ΔP=π/2、または−π/2と
なる参照光を使用することが望ましい。検出信号強度が
常に最大値の半分になるように参照光、または反射光の
光路長を調整することで、ΔPをπ/2、または−π/
2に保つことができる。ΔP=π/2の時の干渉光の強
度I1とΔP=−π/2の時の干渉光の強度をI2の差の
絶対値が常に最大になるように参照光、または反射光の
光路長を調整することでも、ΔPをπ/2、または−π
/2に保つことができる。
【0044】上記第5の方法をさらに簡素化した第6の
方法について、以下にまとめる。この方法では、2個の
レーザーによるビート光をプローブ光として用い、その
プローブ光にポンプ光としての役割も持たせる。つま
り、ビート光で励起した表面振動が、そのビート光自身
の反射光にドップラーシフト成分として反映されるの
で、その反射光を参照光と干渉させて測定する。ビート
光をプローブ光とポンプ光に分割する必要がなくなるの
で、上記第5の方法より簡素なシステムを構築すること
ができる。
方法について、以下にまとめる。この方法では、2個の
レーザーによるビート光をプローブ光として用い、その
プローブ光にポンプ光としての役割も持たせる。つま
り、ビート光で励起した表面振動が、そのビート光自身
の反射光にドップラーシフト成分として反映されるの
で、その反射光を参照光と干渉させて測定する。ビート
光をプローブ光とポンプ光に分割する必要がなくなるの
で、上記第5の方法より簡素なシステムを構築すること
ができる。
【0045】上記第3、第4、及び第5の方法と同様
に、感度が最大となるように、ΔP=π/2、または−
π/2となる参照光を使用することが望ましい。検出信
号強度が常に最大値の半分になるように参照光、または
反射光の光路長を調整することで、ΔPをπ/2、また
は−π/2に保つことができる。ΔP=π/2の時の干
渉光の強度I1とΔP=−π/2の時の干渉光の強度を
I2の差の絶対値が常に最大になるように参照光、また
は反射光の光路長を調整することでも、ΔPをπ/2、
または−π/2に保つことができる。
に、感度が最大となるように、ΔP=π/2、または−
π/2となる参照光を使用することが望ましい。検出信
号強度が常に最大値の半分になるように参照光、または
反射光の光路長を調整することで、ΔPをπ/2、また
は−π/2に保つことができる。ΔP=π/2の時の干
渉光の強度I1とΔP=−π/2の時の干渉光の強度を
I2の差の絶対値が常に最大になるように参照光、また
は反射光の光路長を調整することでも、ΔPをπ/2、
または−π/2に保つことができる。
【0046】上記6種の方法での参照光と反射光の干渉
方法として、マイケルソン干渉計、マッハツェンダー干
渉計、ファブリーペロー干渉計等、多種の干渉計が利用
できる。また、同じ波長のプローブ光と参照光を使って
干渉光を測定しているが、両光の波長を少しずらしてヘ
テロダイン干渉測定を行うことも可能である。その場
合、プローブ光と参照光によるビート周波数、ポンプ光
のビート周波数、及び重み関数の周波数の3種の周波数
間に特定の関係を保つように設定することで、高効率な
測定が可能となる。
方法として、マイケルソン干渉計、マッハツェンダー干
渉計、ファブリーペロー干渉計等、多種の干渉計が利用
できる。また、同じ波長のプローブ光と参照光を使って
干渉光を測定しているが、両光の波長を少しずらしてヘ
テロダイン干渉測定を行うことも可能である。その場
合、プローブ光と参照光によるビート周波数、ポンプ光
のビート周波数、及び重み関数の周波数の3種の周波数
間に特定の関係を保つように設定することで、高効率な
測定が可能となる。
【0047】上記6種の方法とは異なり、参照光を利用
しない第7の方法について、以下にまとめる。この方法
では、試料表面による反射光を分光してドップラーシフ
ト成分を抽出し、その強度を測定する。ここで使用する
分光器としては、回折格子、ファブリーペロー干渉計、
周波数フィルター等が考えられる。また、薄膜の膜厚が
薄いほど超音波共振周波数が高くなり、分光器に対する
要求は緩くなる。また、上記5種の方法とは異なり参照
光を利用しないため、参照光と反射光の位相をある値に
保つ必要がない。
しない第7の方法について、以下にまとめる。この方法
では、試料表面による反射光を分光してドップラーシフ
ト成分を抽出し、その強度を測定する。ここで使用する
分光器としては、回折格子、ファブリーペロー干渉計、
周波数フィルター等が考えられる。また、薄膜の膜厚が
薄いほど超音波共振周波数が高くなり、分光器に対する
要求は緩くなる。また、上記5種の方法とは異なり参照
光を利用しないため、参照光と反射光の位相をある値に
保つ必要がない。
【0048】仮に、高周波数側のドップラーシフト成分
rAκUsin(ωt+ωst)を抽出した場合、その
強度は以下のようになる。
rAκUsin(ωt+ωst)を抽出した場合、その
強度は以下のようになる。
【0049】I=(rAκU)2/2
したがって、表面振動の振幅Uが大きいほど、信号強度
が大きくなる。
が大きくなる。
【0050】ωsが小さいために反射光の主成分からド
ップラーシフト成分を完全には分光できない場合は、ω
sに合わせた補正が必要になる。
ップラーシフト成分を完全には分光できない場合は、ω
sに合わせた補正が必要になる。
【0051】次に、薄膜の膜厚を求める方法について説
明する。共振状態でのビート周波数をν=ω/2π、薄
膜中の音速をV、薄膜の膜厚をDとすると、以下の関係式
が成り立つ。
明する。共振状態でのビート周波数をν=ω/2π、薄
膜中の音速をV、薄膜の膜厚をDとすると、以下の関係式
が成り立つ。
【0052】2Dν/n=V
ここで、nは界面が固定端か自由端かにより異なる数値
を用いる。界面を固定端とした場合は、n=0.5、
1.5、2.5等の時に共振状態になる(図5(A)を
参照)。界面を自由端とした場合は、n=1、2、3等
の時に共振状態になる(図5(B)を参照)。どちらの
場合も、表面は自由端として扱う。音速Vを仮定すれ
ば、D=nV/2νより薄膜の膜厚を求めることができ
る。また、隣接するnに対するνを測定しνn、及びν
n+1とすると、Dを以下のように表すこともできる。
を用いる。界面を固定端とした場合は、n=0.5、
1.5、2.5等の時に共振状態になる(図5(A)を
参照)。界面を自由端とした場合は、n=1、2、3等
の時に共振状態になる(図5(B)を参照)。どちらの
場合も、表面は自由端として扱う。音速Vを仮定すれ
ば、D=nV/2νより薄膜の膜厚を求めることができ
る。また、隣接するnに対するνを測定しνn、及びν
n+1とすると、Dを以下のように表すこともできる。
【0053】D = V/2(νn+1−νn)この場合、
nの値が不明でも、Dを求めることができる。
nの値が不明でも、Dを求めることができる。
【0054】また、膜厚がわかっている場合には、上記
関係式より薄膜中の音速を求めることができる。
関係式より薄膜中の音速を求めることができる。
【0055】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。た
だし、以下の実施例は、本発明を限定するものではな
い。実際に、光学部品の配置順、または各種光の分離方
向を変更したり、光学部品を一部変更したり、追加する
ことにより、同様の機能を持つ多種の光学回路が実現可
能である。また、実施例のように、ひとつの平面上に全
ての光路を構成する必要もない。また、実際の装置では
適切な光路長を設けるため、または各機能間を結ぶ光路
の向きを合わせるために、見かけ上の光路が複雑になる
場合がある。
だし、以下の実施例は、本発明を限定するものではな
い。実際に、光学部品の配置順、または各種光の分離方
向を変更したり、光学部品を一部変更したり、追加する
ことにより、同様の機能を持つ多種の光学回路が実現可
能である。また、実施例のように、ひとつの平面上に全
ての光路を構成する必要もない。また、実際の装置では
適切な光路長を設けるため、または各機能間を結ぶ光路
の向きを合わせるために、見かけ上の光路が複雑になる
場合がある。
【0056】図1は、本発明の第1の実施例である。超
音波励起用の連続レーザー1と連続レーザー2、及び表
面振動観測用の連続レーザー3の計3個のレーザーを使
用する。連続レーザー1と連続レーザー2のうち、少な
くとも一方は周波数が連続可変である。その周波数を変
化させるために、可変レーザー内の共振器の片方のミラ
ー位置を微調整する。連続レーザー1から出た光と連続
レーザー2から出た光が同じ偏光状態になるように、両
レーザーは配置される。連続レーザー1から出てビーム
スプリッター4で反射された光と、連続レーザー2から
出てビームスプリッター5とミラー6で反射された光
は、ビームスプリッター7で同軸に重ねられ、干渉した
ビート光となり、超音波励起用に利用される。干渉する
両方の光の強度が同じ、かつ安定であるように、検出器
16、及び検出器17により両レーザー光の強度をモニ
ターし、レーザーを自動調節する。超音波励起用のポン
プ光21は、ミラー9で反射された後、レンズ10によ
り試料表面に集光される。一方、連続レーザー3から出
た光はプローブ光22として利用される。プローブ光2
2は、ビームスプリッター11により、試料13、及び
ミラー14の方向に分離される。試料13に向かう光
は、レンズ12により試料表面に集光され、振動する表
面で反射される。試料表面の振動の影響を受けた反射光
は、ビームスプリッター11により、ミラー14で反射
されて戻ってきた参照光と重ねあわされて検出器15に
導かれる。この結果、表面振動の大きさの二乗に比例し
た信号が得られる。また、試料13で反射された反射光
とミラー14で反射された参照光の位相が180度ずれ
るように、ミラー14の位置を微調整する。そのために
は、検出器15での測定強度が常に最低になるようにす
る。また、AOM8を使用してポンプ光21の光路を周
期的に開閉し、この周期と位相に同期させて、ロックイ
ンアンプ19による測定を行なう。周期と位相を同期さ
せるために、ドライバー18からAOM8、及びロック
インアンプ19に、同一の周期信号を送る。ロックイン
アンプ19の利用により、ポンプ光21が試料に届かな
い状態での測定値をバックグランド信号として、ポンプ
光21が届く時の測定結果から引き、S/N比を向上さ
せる。データ収集システム20により、ロックインアン
プ19からの出力を記録する。
音波励起用の連続レーザー1と連続レーザー2、及び表
面振動観測用の連続レーザー3の計3個のレーザーを使
用する。連続レーザー1と連続レーザー2のうち、少な
くとも一方は周波数が連続可変である。その周波数を変
化させるために、可変レーザー内の共振器の片方のミラ
ー位置を微調整する。連続レーザー1から出た光と連続
レーザー2から出た光が同じ偏光状態になるように、両
レーザーは配置される。連続レーザー1から出てビーム
スプリッター4で反射された光と、連続レーザー2から
出てビームスプリッター5とミラー6で反射された光
は、ビームスプリッター7で同軸に重ねられ、干渉した
ビート光となり、超音波励起用に利用される。干渉する
両方の光の強度が同じ、かつ安定であるように、検出器
16、及び検出器17により両レーザー光の強度をモニ
ターし、レーザーを自動調節する。超音波励起用のポン
プ光21は、ミラー9で反射された後、レンズ10によ
り試料表面に集光される。一方、連続レーザー3から出
た光はプローブ光22として利用される。プローブ光2
2は、ビームスプリッター11により、試料13、及び
ミラー14の方向に分離される。試料13に向かう光
は、レンズ12により試料表面に集光され、振動する表
面で反射される。試料表面の振動の影響を受けた反射光
は、ビームスプリッター11により、ミラー14で反射
されて戻ってきた参照光と重ねあわされて検出器15に
導かれる。この結果、表面振動の大きさの二乗に比例し
た信号が得られる。また、試料13で反射された反射光
とミラー14で反射された参照光の位相が180度ずれ
るように、ミラー14の位置を微調整する。そのために
は、検出器15での測定強度が常に最低になるようにす
る。また、AOM8を使用してポンプ光21の光路を周
期的に開閉し、この周期と位相に同期させて、ロックイ
ンアンプ19による測定を行なう。周期と位相を同期さ
せるために、ドライバー18からAOM8、及びロック
インアンプ19に、同一の周期信号を送る。ロックイン
アンプ19の利用により、ポンプ光21が試料に届かな
い状態での測定値をバックグランド信号として、ポンプ
光21が届く時の測定結果から引き、S/N比を向上さ
せる。データ収集システム20により、ロックインアン
プ19からの出力を記録する。
【0057】図6は、本発明の第2の実施例である。図
1と共通する部分に関する説明は割愛して、この実施例
に特有な部分に関してのみ説明する。この例では、ポン
プ光21と同様のビート光がビームスプリッター7から
ポンプ光21とは異なる向きにも取り出される。この光
は、ミラー33、ミラー34と通過した後、検出器35
で検出される。また、遅延光路39により、この光の強
度変化の位相を調整する。検出器35の出力と検出器1
5の出力を乗算器36によりかけ合わせると、表面振動
の大きさに比例した信号が得られる。また、試料13で
反射された反射光とミラー14で反射された参照光の位
相が90度、またはマイナス90度ずれるように、ミラ
ー14の位置を微調整する。そのためには、検出器15
での測定強度が常に最大値の半分になるように、または
乗算器36の出力の絶対値が常に最大になるようにす
る。
1と共通する部分に関する説明は割愛して、この実施例
に特有な部分に関してのみ説明する。この例では、ポン
プ光21と同様のビート光がビームスプリッター7から
ポンプ光21とは異なる向きにも取り出される。この光
は、ミラー33、ミラー34と通過した後、検出器35
で検出される。また、遅延光路39により、この光の強
度変化の位相を調整する。検出器35の出力と検出器1
5の出力を乗算器36によりかけ合わせると、表面振動
の大きさに比例した信号が得られる。また、試料13で
反射された反射光とミラー14で反射された参照光の位
相が90度、またはマイナス90度ずれるように、ミラ
ー14の位置を微調整する。そのためには、検出器15
での測定強度が常に最大値の半分になるように、または
乗算器36の出力の絶対値が常に最大になるようにす
る。
【0058】図7は、本発明の第3の実施例である。図
1と共通する部分に関する説明は割愛して、この実施例
に特有な部分に関してのみ説明する。この例では、ポン
プ光21と同様のビート光がビームスプリッター7から
ポンプ光21とは異なる向きに取り出され、ゲート光4
9として利用される。ゲート光49は、図7の紙面に対
して垂直な軸を持つ偏光板40により偏光方向を制限さ
れた後、カー・セル41に照射される。これにより、図
7の紙面に対して45度傾けた軸を持つ偏光板42、カ
ー・セル41、及び図7の紙面に対してマイナス45度
傾けた軸を持つ偏光板43の組み合わせで、プローブ光
22に対して周波数ωs/2πで透過率が変化するカー
ゲートが構成される。また、遅延光路39により、ゲー
ト光の強度変化の位相を調整する。プローブ光22は、
このカーゲートを通過して周波数ωs/2πで強度変化
する光となり、偏光ビームスプリッター30により強度
が等しく、偏光方向の異なる2本の光に分離される。分
離された光は、それぞれ、試料13、及びミラー14で
反射され、偏光ビームスプリッター30に戻ってくる。
それまでに両光とも4分の1波長板31、または44を
2回、通過するために偏光方向が90度、変化してい
る。そのため、試料13から戻って来た反射光は偏光ビ
ームスプリッター30で反射して偏光ビームスプリッタ
ー45に向かって進み、ミラー14から戻ってきた参照
光は偏光ビームスプリッター30を透過して偏光ビーム
スプリッター45に向かって進む。この2種の光は偏光
方向が直行しているため、このままでは干渉しないが、
図7の紙面に対して45度傾けた偏光ビームスプリッタ
ー45を通過することにより、干渉光50と干渉光51
になる。干渉光51は、ミラー46で反射後、検出器4
7へ向かう。検出器15の信号から検出器47の信号を
引くと、表面振動の振幅に比例した信号が得られる。ま
た、干渉光50が位相差90度の反射光と参照光で構成
されるように、同時に干渉光51が位相差マイナス90
度の反射光と参照光で構成されるように、ミラー14の
位置を微調整する。そのためには、検出器15、または
47での測定強度が常に最大値の半分になるように、ま
たは減算器48の出力の絶対値が常に最大になるように
する。
1と共通する部分に関する説明は割愛して、この実施例
に特有な部分に関してのみ説明する。この例では、ポン
プ光21と同様のビート光がビームスプリッター7から
ポンプ光21とは異なる向きに取り出され、ゲート光4
9として利用される。ゲート光49は、図7の紙面に対
して垂直な軸を持つ偏光板40により偏光方向を制限さ
れた後、カー・セル41に照射される。これにより、図
7の紙面に対して45度傾けた軸を持つ偏光板42、カ
ー・セル41、及び図7の紙面に対してマイナス45度
傾けた軸を持つ偏光板43の組み合わせで、プローブ光
22に対して周波数ωs/2πで透過率が変化するカー
ゲートが構成される。また、遅延光路39により、ゲー
ト光の強度変化の位相を調整する。プローブ光22は、
このカーゲートを通過して周波数ωs/2πで強度変化
する光となり、偏光ビームスプリッター30により強度
が等しく、偏光方向の異なる2本の光に分離される。分
離された光は、それぞれ、試料13、及びミラー14で
反射され、偏光ビームスプリッター30に戻ってくる。
それまでに両光とも4分の1波長板31、または44を
2回、通過するために偏光方向が90度、変化してい
る。そのため、試料13から戻って来た反射光は偏光ビ
ームスプリッター30で反射して偏光ビームスプリッタ
ー45に向かって進み、ミラー14から戻ってきた参照
光は偏光ビームスプリッター30を透過して偏光ビーム
スプリッター45に向かって進む。この2種の光は偏光
方向が直行しているため、このままでは干渉しないが、
図7の紙面に対して45度傾けた偏光ビームスプリッタ
ー45を通過することにより、干渉光50と干渉光51
になる。干渉光51は、ミラー46で反射後、検出器4
7へ向かう。検出器15の信号から検出器47の信号を
引くと、表面振動の振幅に比例した信号が得られる。ま
た、干渉光50が位相差90度の反射光と参照光で構成
されるように、同時に干渉光51が位相差マイナス90
度の反射光と参照光で構成されるように、ミラー14の
位置を微調整する。そのためには、検出器15、または
47での測定強度が常に最大値の半分になるように、ま
たは減算器48の出力の絶対値が常に最大になるように
する。
【0059】図8は、本発明の第4の実施例である。図
1、及び図7と共通する部分に関する説明は割愛して、
この実施例に特有な部分に関してのみ説明する。この例
では、連続レーザー1と連続レーザー2から作り出され
たビート光が、ビームスプリッター7によりプローブ光
22とゲート光49に分離される。ゲート光49は図8
の紙面に対して垂直な軸を持つ偏光板40により偏光方
向を制限された後、カー・セル41に照射される。これ
により、図8の紙面に対して45度傾けた軸を持つ偏光
板42、カー・セル41、及び図8の紙面に対してマイ
ナス45度傾けた軸を持つ偏光板43の組み合わせで、
励起用レーザー3からの光に対して周波数ωs/2πで
透過率が変化するカーゲートが構成される。また、遅延
光路39により、ゲート光の強度変化の位相を調整す
る。励起用レーザー3からの光は、このカーゲートを通
過して周波数ωs/2πで強度変化するポンプ光21と
なる。一方、プローブ光22は、2分の1波長板52に
より偏光方向を図8の紙面に対して45度に向けられ、
偏光ビームスプリッター30により強度が等しく、偏光
方向の異なる2本の光に分離される。これ以降のプロー
ブ光の振る舞い、及びその検出方法は、図7と同様であ
る。
1、及び図7と共通する部分に関する説明は割愛して、
この実施例に特有な部分に関してのみ説明する。この例
では、連続レーザー1と連続レーザー2から作り出され
たビート光が、ビームスプリッター7によりプローブ光
22とゲート光49に分離される。ゲート光49は図8
の紙面に対して垂直な軸を持つ偏光板40により偏光方
向を制限された後、カー・セル41に照射される。これ
により、図8の紙面に対して45度傾けた軸を持つ偏光
板42、カー・セル41、及び図8の紙面に対してマイ
ナス45度傾けた軸を持つ偏光板43の組み合わせで、
励起用レーザー3からの光に対して周波数ωs/2πで
透過率が変化するカーゲートが構成される。また、遅延
光路39により、ゲート光の強度変化の位相を調整す
る。励起用レーザー3からの光は、このカーゲートを通
過して周波数ωs/2πで強度変化するポンプ光21と
なる。一方、プローブ光22は、2分の1波長板52に
より偏光方向を図8の紙面に対して45度に向けられ、
偏光ビームスプリッター30により強度が等しく、偏光
方向の異なる2本の光に分離される。これ以降のプロー
ブ光の振る舞い、及びその検出方法は、図7と同様であ
る。
【0060】図9は、本発明の第5の実施例である。図
1、及び図7と共通する部分に関する説明は割愛して、
この実施例に特有な部分に関してのみ説明する。この例
では、ポンプ光21と同様のビート光がビームスプリッ
ター7からポンプ光21とは異なる向きに取り出され、
プローブ光22として利用される。また、遅延光路39
により、プローブ光の強度変化の位相を調整する。プロ
ーブ光22は、ミラー55で反射後、2分の1波長板5
2により偏光方向を図9の紙面に対して45度に向けら
れ、偏光ビームスプリッター30により強度が等しく、
偏光方向の異なる2本の光に分離される。これ以降のプ
ローブ光の振る舞い、及びその検出方法は、図7と同様
である。
1、及び図7と共通する部分に関する説明は割愛して、
この実施例に特有な部分に関してのみ説明する。この例
では、ポンプ光21と同様のビート光がビームスプリッ
ター7からポンプ光21とは異なる向きに取り出され、
プローブ光22として利用される。また、遅延光路39
により、プローブ光の強度変化の位相を調整する。プロ
ーブ光22は、ミラー55で反射後、2分の1波長板5
2により偏光方向を図9の紙面に対して45度に向けら
れ、偏光ビームスプリッター30により強度が等しく、
偏光方向の異なる2本の光に分離される。これ以降のプ
ローブ光の振る舞い、及びその検出方法は、図7と同様
である。
【0061】図10は、本発明の第6の実施例である。
図1、及び図7と共通する部分に関する説明は割愛し
て、この実施例に特有な部分に関してのみ説明する。こ
の例では、プローブ光22がポンプ光21の役割も兼ね
るため、両者を明確に区別することはできない。プロー
ブ光22は、2分の1波長板52により偏光方向を図9
の紙面に対して45度に向けられ、偏光ビームスプリッ
ター30により強度が等しく、偏光方向の異なる2本の
光に分離される。これ以降のプローブ光の振る舞い、及
びその検出方法は、図7と同様である。ただし、この例
では、ロックインアンプを使用せず、単なるアンプ55
を使用する。
図1、及び図7と共通する部分に関する説明は割愛し
て、この実施例に特有な部分に関してのみ説明する。こ
の例では、プローブ光22がポンプ光21の役割も兼ね
るため、両者を明確に区別することはできない。プロー
ブ光22は、2分の1波長板52により偏光方向を図9
の紙面に対して45度に向けられ、偏光ビームスプリッ
ター30により強度が等しく、偏光方向の異なる2本の
光に分離される。これ以降のプローブ光の振る舞い、及
びその検出方法は、図7と同様である。ただし、この例
では、ロックインアンプを使用せず、単なるアンプ55
を使用する。
【0062】図11は、本発明の第7の実施例である。
図1と共通する部分に関する説明は割愛して、この実施
例に特有な部分に関してのみ説明する。偏光ビームスプ
リッター30を通過したプローブ光は、試料13で反射
され、偏光ビームスプリッター30に戻ってくる。それ
までに4分の1波長板31を2回、通過するために偏光
方向が90度、変化している。そのため、試料13から
戻って来た反射光は偏光ビームスプリッター30で反射
して分光器53に向かって進む。ドップラーシフト成分
54のみが分光器53を通過して、検出器15に到達す
る。この結果、表面振動の大きさの二乗に比例した信号
が得られる。
図1と共通する部分に関する説明は割愛して、この実施
例に特有な部分に関してのみ説明する。偏光ビームスプ
リッター30を通過したプローブ光は、試料13で反射
され、偏光ビームスプリッター30に戻ってくる。それ
までに4分の1波長板31を2回、通過するために偏光
方向が90度、変化している。そのため、試料13から
戻って来た反射光は偏光ビームスプリッター30で反射
して分光器53に向かって進む。ドップラーシフト成分
54のみが分光器53を通過して、検出器15に到達す
る。この結果、表面振動の大きさの二乗に比例した信号
が得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0064】共振法で利用するレーザー励起光として、
波長の異なる2個のレーザー光を干渉させて作ったビー
ト周波数ωs/2πのビート光を利用する。これによ
り、非常に高い周波数で強度が変化する励起光を用意す
ることができ、マイクロメートル程度以下の薄膜評価に
対して共振法を利用することができる。同時に、共振法
の利用により、繰り返されるエコーの情報を有効利用
し、測定精度を向上させることができる。
波長の異なる2個のレーザー光を干渉させて作ったビー
ト周波数ωs/2πのビート光を利用する。これによ
り、非常に高い周波数で強度が変化する励起光を用意す
ることができ、マイクロメートル程度以下の薄膜評価に
対して共振法を利用することができる。同時に、共振法
の利用により、繰り返されるエコーの情報を有効利用
し、測定精度を向上させることができる。
【0065】上記のビート光を利用した薄膜評価法に対
して、参照光と反射光の位相差を180度にすること
で、表面振動の情報を持つ成分に対するバックグランド
成分を最小に抑えた測定を行うことができる。検出器か
らの信号強度が常に最低になるように調整することで、
参照光と反射光の位相差を180度に保つことができ
る。
して、参照光と反射光の位相差を180度にすること
で、表面振動の情報を持つ成分に対するバックグランド
成分を最小に抑えた測定を行うことができる。検出器か
らの信号強度が常に最低になるように調整することで、
参照光と反射光の位相差を180度に保つことができ
る。
【0066】上記のビート光を利用した薄膜評価法に対
して、参照光と反射光の位相差を90度、またはマイナ
ス90度にし、かつ周波数ωs/2πで変化する関数に
より検出信号に重み付けすることで、表面振動の情報を
持つ成分に対するバックグランド成分を最小に抑え、か
つ表面振動の振幅に比例した信号を得ることができる。
同時に、参照光と反射光の位相差の変動、各光の強度変
動による悪影響を減らした方法を実現することができ
る。参照光と反射光の干渉光の信号強度が常に最大値の
半分になるように、または重み付け後の出力の絶対値が
常に最大になるように調整することで、参照光と反射光
の位相差を90度、またはマイナス90度に保つことが
できる。
して、参照光と反射光の位相差を90度、またはマイナ
ス90度にし、かつ周波数ωs/2πで変化する関数に
より検出信号に重み付けすることで、表面振動の情報を
持つ成分に対するバックグランド成分を最小に抑え、か
つ表面振動の振幅に比例した信号を得ることができる。
同時に、参照光と反射光の位相差の変動、各光の強度変
動による悪影響を減らした方法を実現することができ
る。参照光と反射光の干渉光の信号強度が常に最大値の
半分になるように、または重み付け後の出力の絶対値が
常に最大になるように調整することで、参照光と反射光
の位相差を90度、またはマイナス90度に保つことが
できる。
【0067】上記のビート光を利用した薄膜評価法に対
して、参照光と反射光の位相差を90度、またはマイナ
ス90度にし、かつ周波数ωs/2πで開閉するゲート
により検出前の光に重み付けすることで、表面振動の情
報を持つ成分に対するバックグランド成分を最小に抑え
た測定を行うことができる。検出器からの信号強度が常
に最大値の半分になるように調整することで、参照光と
反射光の位相差を90度、またはマイナス90度に保つ
ことができる。また、このようにして検出した位相差9
0度の干渉光の信号とマイナス90度の干渉光の信号の
差をとることで、表面振動の大きさに比例した信号を得
ることができる。同時に、参照光と反射光の位相差の変
動、各光の強度変動による悪影響を減らした方法を実現
することができる。この場合、減算器からの出力の絶対
値が常に最大になるように調整することでも、参照光と
反射光の位相差を90度、またはマイナス90度に保つ
ことができる。
して、参照光と反射光の位相差を90度、またはマイナ
ス90度にし、かつ周波数ωs/2πで開閉するゲート
により検出前の光に重み付けすることで、表面振動の情
報を持つ成分に対するバックグランド成分を最小に抑え
た測定を行うことができる。検出器からの信号強度が常
に最大値の半分になるように調整することで、参照光と
反射光の位相差を90度、またはマイナス90度に保つ
ことができる。また、このようにして検出した位相差9
0度の干渉光の信号とマイナス90度の干渉光の信号の
差をとることで、表面振動の大きさに比例した信号を得
ることができる。同時に、参照光と反射光の位相差の変
動、各光の強度変動による悪影響を減らした方法を実現
することができる。この場合、減算器からの出力の絶対
値が常に最大になるように調整することでも、参照光と
反射光の位相差を90度、またはマイナス90度に保つ
ことができる。
【0068】上記のビート光を利用した薄膜評価法に対
して、励起光として作ったビート光の一部をプローブ光
としても利用することで、レーザー、及び光学素子を減
らした簡素なシステムを構築することができる。参照光
と反射光の位相差を90度、またはマイナス90度にす
ることで、表面振動の情報を持つ成分に対するバックグ
ランド成分を最小に抑えた測定を行うことができる。検
出器からの信号強度が常に最大値の半分になるように調
整することで、参照光と反射光の位相差を90度、また
はマイナス90度に保つことができる。また、このよう
にして検出した位相差90度の干渉光の信号とマイナス
90度の干渉光の信号の差をとることで、表面振動の大
きさに比例した信号を得ることができる。同時に、参照
光と反射光の位相差の変動、各光の強度変動による悪影
響を減らした方法を実現することができる。この場合、
減算器からの出力の絶対値が常に最大になるように調整
することでも、参照光と反射光の位相差を90度、また
はマイナス90度に保つことができる。
して、励起光として作ったビート光の一部をプローブ光
としても利用することで、レーザー、及び光学素子を減
らした簡素なシステムを構築することができる。参照光
と反射光の位相差を90度、またはマイナス90度にす
ることで、表面振動の情報を持つ成分に対するバックグ
ランド成分を最小に抑えた測定を行うことができる。検
出器からの信号強度が常に最大値の半分になるように調
整することで、参照光と反射光の位相差を90度、また
はマイナス90度に保つことができる。また、このよう
にして検出した位相差90度の干渉光の信号とマイナス
90度の干渉光の信号の差をとることで、表面振動の大
きさに比例した信号を得ることができる。同時に、参照
光と反射光の位相差の変動、各光の強度変動による悪影
響を減らした方法を実現することができる。この場合、
減算器からの出力の絶対値が常に最大になるように調整
することでも、参照光と反射光の位相差を90度、また
はマイナス90度に保つことができる。
【0069】上記のビート光を利用した薄膜評価法に対
して、作ったビート光をプローブ光として利用し、その
プローブ光にポンプ光としての役割もさせることで、レ
ーザー、及び光学素子を減らした簡素なシステムを構築
することができる。参照光と反射光の位相差を90度、
またはマイナス90度にすることで、表面振動の情報を
持つ成分に対するバックグランド成分を最小に抑えた測
定を行うことができる。検出器からの信号強度が常に最
大値の半分になるように調整することで、参照光と反射
光の位相差を90度、またはマイナス90度に保つこと
ができる。また、このようにして検出した位相差90度
の干渉光の信号とマイナス90度の干渉光の信号の差を
とることで、表面振動の大きさに比例した信号を得るこ
とができる。同時に、参照光と反射光の位相差の変動、
各光の強度変動による悪影響を減らした方法を実現する
ことができる。この場合、減算器からの出力の絶対値が
常に最大になるように調整することでも、参照光と反射
光の位相差を90度、またはマイナス90度に保つこと
ができる。
して、作ったビート光をプローブ光として利用し、その
プローブ光にポンプ光としての役割もさせることで、レ
ーザー、及び光学素子を減らした簡素なシステムを構築
することができる。参照光と反射光の位相差を90度、
またはマイナス90度にすることで、表面振動の情報を
持つ成分に対するバックグランド成分を最小に抑えた測
定を行うことができる。検出器からの信号強度が常に最
大値の半分になるように調整することで、参照光と反射
光の位相差を90度、またはマイナス90度に保つこと
ができる。また、このようにして検出した位相差90度
の干渉光の信号とマイナス90度の干渉光の信号の差を
とることで、表面振動の大きさに比例した信号を得るこ
とができる。同時に、参照光と反射光の位相差の変動、
各光の強度変動による悪影響を減らした方法を実現する
ことができる。この場合、減算器からの出力の絶対値が
常に最大になるように調整することでも、参照光と反射
光の位相差を90度、またはマイナス90度に保つこと
ができる。
【0070】上記のビート光を利用した薄膜評価法に対
して、反射光を分光してドップラーシフト成分を抽出す
ることで、参照光との干渉を利用せずに測定を行うこと
ができる。したがって、反射光と参照光の位相差をある
値に保つための手段が不要になる。また、薄膜の膜厚が
薄いほど超音波共振周波数が高くなり、分光器に対する
要求は緩くなるので、試料のさらなる薄膜化に対応しや
すい。
して、反射光を分光してドップラーシフト成分を抽出す
ることで、参照光との干渉を利用せずに測定を行うこと
ができる。したがって、反射光と参照光の位相差をある
値に保つための手段が不要になる。また、薄膜の膜厚が
薄いほど超音波共振周波数が高くなり、分光器に対する
要求は緩くなるので、試料のさらなる薄膜化に対応しや
すい。
【0071】プローブ光として波長の異なる2個のレー
ザー光を干渉させて作ったビート光を利用し、さらにそ
のビート周波数に合わせて励起用レーザーを強度変化さ
せる。これにより、非常に高い周波数で強度が変化する
励起光を用意することができ、マイクロメートル程度以
下の薄膜評価に対して共振法を利用することができる。
同時に、共振法の利用により、繰り返されるエコーの情
報を有効利用し、測定精度を向上させることができる。
また、参照光と反射光の位相差を90度、またはマイナ
ス90度にすることで、表面振動の情報を持つ成分に対
するバックグランド成分を最小に抑えた測定を行うこと
ができる。検出器からの信号強度が常に最大値の半分に
なるように調整することで、参照光と反射光の位相差を
90度、またはマイナス90度に保つことができる。ま
た、このようにして検出した位相差90度の干渉光の信
号とマイナス90度の干渉光の信号の差をとることで、
表面振動の大きさに比例した信号を得ることができる。
同時に、参照光と反射光の位相差の変動、各光の強度変
動による悪影響を減らした方法を実現することができ
る。この場合、減算器からの出力の絶対値が常に最大に
なるように調整することで、参照光と反射光の位相差を
90度、またはマイナス90度に保つことができる。
ザー光を干渉させて作ったビート光を利用し、さらにそ
のビート周波数に合わせて励起用レーザーを強度変化さ
せる。これにより、非常に高い周波数で強度が変化する
励起光を用意することができ、マイクロメートル程度以
下の薄膜評価に対して共振法を利用することができる。
同時に、共振法の利用により、繰り返されるエコーの情
報を有効利用し、測定精度を向上させることができる。
また、参照光と反射光の位相差を90度、またはマイナ
ス90度にすることで、表面振動の情報を持つ成分に対
するバックグランド成分を最小に抑えた測定を行うこと
ができる。検出器からの信号強度が常に最大値の半分に
なるように調整することで、参照光と反射光の位相差を
90度、またはマイナス90度に保つことができる。ま
た、このようにして検出した位相差90度の干渉光の信
号とマイナス90度の干渉光の信号の差をとることで、
表面振動の大きさに比例した信号を得ることができる。
同時に、参照光と反射光の位相差の変動、各光の強度変
動による悪影響を減らした方法を実現することができ
る。この場合、減算器からの出力の絶対値が常に最大に
なるように調整することで、参照光と反射光の位相差を
90度、またはマイナス90度に保つことができる。
【図1】本発明における第1の実施例を示す図である。
【図2】従来のポンププローブ法による薄膜評価装置の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図3】従来の共振法による薄膜評価装置の例を示す図
である。
である。
【図4】本発明における測定結果を示す図である。
【図5】(A)は、薄膜界面が固定端の場合の共振状態
を示す図である。(B)は、薄膜界面が自由端の場合の
共振状態を示す図である。
を示す図である。(B)は、薄膜界面が自由端の場合の
共振状態を示す図である。
【図6】本発明における第2の実施例を示す図である。
【図7】本発明における第3の実施例を示す図である。
【図8】本発明における第4の実施例を示す図である。
【図9】本発明における第5の実施例を示す図である。
【図10】本発明における第6の実施例を示す図であ
る。
る。
【図11】本発明における第7の実施例を示す図であ
る。
る。
1、2、3 連続レーザー
4、5、7、11 ビームスプリッター
6、9、14、27、29、33、34、46、55
ミラー 8 AOM、またはチョッパー 10、12 レンズ 13 試料 15、16、17、35、47 検出器 18 ドライバー 19 ロックインアンプ 20 データ収集システム 21 ポンプ光 22 プローブ光 23 短パルスレーザー 24、52 2分の1波長板 25、30、45 偏光ビームスプリッター 26、39 遅延光路 28 光変調器 31、44 4分の1波長板 32 ファブリーペロー干渉計 36 乗算器 40、42、43 偏光板 41 カー・セル 48 減算器 49 ゲート光 50、51 干渉光 53 分光器 54 ドップラーシフト成分 55 アンプ
ミラー 8 AOM、またはチョッパー 10、12 レンズ 13 試料 15、16、17、35、47 検出器 18 ドライバー 19 ロックインアンプ 20 データ収集システム 21 ポンプ光 22 プローブ光 23 短パルスレーザー 24、52 2分の1波長板 25、30、45 偏光ビームスプリッター 26、39 遅延光路 28 光変調器 31、44 4分の1波長板 32 ファブリーペロー干渉計 36 乗算器 40、42、43 偏光板 41 カー・セル 48 減算器 49 ゲート光 50、51 干渉光 53 分光器 54 ドップラーシフト成分 55 アンプ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2F065 AA30 BB01 BB17 CC31 FF51
GG04 HH01 HH13 LL12 UU07
2F068 AA28 BB01 BB15 FF12 FF25
GG07 TT07
2G020 CA12 CA15 CB05 CB23
2G047 AB05 BA04 BC02 BC18 BC20
CA04 EA10 GD01
Claims (13)
- 【請求項1】 試料薄膜に超音波共振を発生させ、その
表面振動を測定するための、超音波励起用の複数の連続
レーザーと、薄膜共振観測用の連続レーザーと、これら
のレーザーを試料表面に導く光学回路と、及び検出器と
で構成され、前記超音波励起用の連続レーザーのうちの
2個のレーザーからビート光を発生させる手段と、その
ビート光のビート周波数を変化させる手段と、及び前記
観測用レーザーから参照光を分離し、試料による反射光
と干渉させ前記検出器に導く手段を含む薄膜評価装置。 - 【請求項2】 参照光と反射光の干渉光の信号強度を常
に最低になるように調整し、参照光と反射光の位相差を
180度に保つ手段を含む請求項1記載の薄膜評価装
置。 - 【請求項3】 ビート光のビート周波数と同じ周波数で
変化する関数により検出信号に重み付けする手段、及び
参照光と反射光の干渉光の信号強度を常にその最大値の
半分になるように、または重み付け後の信号強度を常に
その絶対値が最大となるように調整し、参照光と反射光
の位相差を90度、またはマイナス90度に保つ手段を
含む請求項1記載の薄膜評価装置。 - 【請求項4】 ビート光のビート周波数と同じ周波数で
変化する関数により検出前の光に重み付けする手段、及
び参照光と反射光の位相差を90度、またはマイナス9
0度に保つ手段を含む請求項1記載の薄膜評価装置。 - 【請求項5】 参照光と反射光の干渉光の信号強度を常
にその最大値の半分になるように調整する手段を含む請
求項4記載の薄膜評価装置。 - 【請求項6】 位相差90度の干渉光の信号強度から位
相差マイナス90度の干渉光の信号強度の差をとる減算
手段、及び減算後の信号強度を常にその絶対値が最大と
なるように調整する手段を含む請求項4記載の薄膜評価
装置。 - 【請求項7】 試料薄膜に超音波共振を発生させ、その
表面振動を測定するための、複数の連続レーザー、これ
らのレーザーを試料表面に導く光学回路、及び検出器で
構成され、連続レーザーのうちの2個のレーザーからビ
ート光を発生させ超音波励起用と薄膜共振観測用に共用
する手段、そのビート光のビート周波数を変化させる手
段、観測用ビート光から参照光を分離し、試料による反
射光と干渉させ検出器に導く手段、及び参照光と反射光
の位相差を90度、またはマイナス90度に保つ手段を
含む薄膜評価装置。 - 【請求項8】 参照光と反射光の干渉光の信号強度を常
にその最大値の半分になるように調整する手段を含む請
求項7記載の薄膜評価装置。 - 【請求項9】 位相差90度の干渉光の信号強度から位
相差マイナス90度の干渉光の信号強度の差をとる減算
手段、及び減算後の信号強度を常にその絶対値が最大と
なるように調整する手段を含む請求項7記載の薄膜評価
装置。 - 【請求項10】 試料薄膜に超音波共振を発生させ、そ
の表面振動を測定するための、薄膜共振観測用の複数の
連続レーザー、超音波励起用の連続レーザー、これらの
レーザーを試料表面に導く光学回路、及び検出器で構成
され、薄膜共振観測用の連続レーザーのうちの2個のレ
ーザーからビート光を発生させる手段、そのビート光の
ビート周波数を変化させる手段、そのビート光のビート
周波数と同じ周波数で超音波励起用レーザーを強度変化
させる手段、及び参照光と反射光の位相差を90度、ま
たはマイナス90度に保つ手段を含む薄膜評価装置。 - 【請求項11】 参照光と反射光の干渉光の信号強度を
常にその最大値の半分になるように調整する手段を含む
請求項10記載の薄膜評価装置。 - 【請求項12】 位相差90度の干渉光の信号強度から
位相差マイナス90度の干渉光の信号強度の差をとる減
算手段、及び減算後の信号強度を常にその絶対値が最大
となるように調整する手段を含む請求項10記載の薄膜
評価装置。 - 【請求項13】 試料薄膜に超音波共振を発生させ、そ
の表面振動を測定するための、超音波励起用の複数の連
続レーザー、薄膜共振観測用の連続レーザー、これらの
レーザーを試料表面に導く光学回路、及び検出器で構成
され、超音波励起用の連続レーザーのうちの2個のレー
ザーからビート光を発生させる手段、そのビート光のビ
ート周波数を変化させる手段、及び試料による反射光を
分光し、ビート周波数の変化に対するドップラーシフト
成分の変化を測定する手段を含む薄膜評価装置。
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---|---|---|---|
JP2002022244A JP2003222616A (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | ビート光共振による薄膜評価装置 |
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JP2002022244A JP2003222616A (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | ビート光共振による薄膜評価装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003222616A true JP2003222616A (ja) | 2003-08-08 |
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Family Applications (1)
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JP2002022244A Pending JP2003222616A (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | ビート光共振による薄膜評価装置 |
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---|---|
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- 2002-01-30 JP JP2002022244A patent/JP2003222616A/ja active Pending
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