JP2003222426A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JP2003222426A
JP2003222426A JP2002024138A JP2002024138A JP2003222426A JP 2003222426 A JP2003222426 A JP 2003222426A JP 2002024138 A JP2002024138 A JP 2002024138A JP 2002024138 A JP2002024138 A JP 2002024138A JP 2003222426 A JP2003222426 A JP 2003222426A
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Japan
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thermoelectric conversion
heat exchanger
primary side
conversion module
heat exchange
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JP2002024138A
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Inventor
Kazuhiko Kubota
和彦 久保田
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1次側(熱電変換モジュールによって温調制
御される側)の熱抵抗が2次側の熱抵抗よりも大きい場
合において効率の高い熱交換器を提供する。 【解決手段】 この熱交換器は、1次側と2次側との間
で熱交換を行うことにより、1次側の温度を制御するた
めに用いられる熱交換器であって、導電性を有する1次
側熱交換体3と、1次側熱交換体の所定の面に一体的に
形成された第1の絶縁被膜16と、第1の絶縁被膜上に
一体的に形成された金属被膜17と、金属被膜に電気的
に接続され、複数の熱電変換素子を有する熱電変換モジ
ュール2と、熱電変換モジュールを介して1次側熱交換
体に対向し、導電性を有する2次側熱交換体4と、2次
側熱交換体の所定の面に一体的に形成された第2の絶縁
被膜16とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2種類の熱電変換
素子を組み合わせて構成される熱電変換モジュールを使
用して熱交換を行う熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱エネルギーと電気エネルギ
ーを相互に変換する熱電変換素子を使用して冷媒や薬液
等の温度を制御するための熱交換器が知られている。熱
電変換素子は、ペルチェ効果、トムソン効果、ゼーベッ
ク効果と呼ばれる熱電効果を応用したものであり、半導
体材料を用いる場合には、P型の熱電変換素子とN型の
熱電変換素子とを組み合わせて熱電変換モジュールが構
成される。このような熱電変換素子は、構造が簡単かつ
取り扱いが容易で安定な特性を維持できることから、広
範囲にわたる利用が注目されている。特に、電子冷却素
子としては、局所冷却や室温付近の精密な温調制御が可
能であることから、オプトエレクトロニクス用デバイス
や半導体レーザ等の温度調節、並びに、小型冷蔵庫等へ
の適用に向けて、広く研究が進められている。
【0003】図7は、特開平8−242022号公報に
開示された熱交換器の断面図である。図7において、熱
交換器100は、アルミニウムからなる吸熱体103
と、放熱フィン119と、吸熱体103及び放熱フィン
119の間に介挿された電子冷却素子群200(以下、
熱電変換モジュールという)とを備えている。熱電変換
モジュール2は、多数個のP型熱電変換素子112とN
型熱電変換素子113とを、例えば銅製の吸熱側電極1
20及び放熱側電極114で互いに接続して構成されて
いる。
【0004】吸熱体103及び放熱フィン119の熱電
変換モジュール2と対向する面には、複数の吸熱側電極
120間及び複数の放熱側電極114間を絶縁するため
に、それぞれアルマイトからなる複数の薄い絶縁層11
6が、陽極酸化法等によって形成されている。そして、
絶縁層116と吸熱側電極120との間、及び、絶縁層
116と放熱側電極114との間には、それぞれ高熱伝
導性のシリコングリース121又は接着剤が介在してい
る。
【0005】この熱交換器100は、熱電変換モジュー
ル200に電流を流すことにより、熱電変換モジュール
200の電極114、120間に温度差を生じさせ、吸
熱体103と放熱フィン119との間で熱交換を行って
いる。
【0006】しかしながら、このような従来の熱交換器
においては、次のような問題がある。即ち、絶縁層11
6と吸熱側電極120との間、及び、絶縁層116と放
熱側電極114との間に介在しているシリコングリース
121又は接着剤は、通常のものよりも熱伝導率が高い
とはいうものの、絶縁層116や金属に比較すると熱抵
抗が大きいために熱伝導率が低くなり、熱交換を行う際
に熱損失が起きて熱交換の効率が低くなる。従って、熱
交換器の性能が低下し、冷媒や薬液を所望の温度に制御
できなかったり、又は、所望の温度に制御するためによ
り多くの電力を必要としたりするという問題がある。
【0007】これを改善するために、特開平11−36
4531号公報には、階層状に配置された放熱側熱交換
体及び吸熱側熱交換体と、放熱側熱交換体及び吸熱側熱
交換体の間に絶縁被膜を介して介挿され、複数の熱電変
換素子を有する熱電変換モジュールとを備え、放熱側熱
交換体と吸熱側熱交換体との間で熱交換を行う熱交換器
において、絶縁被膜が、放熱側熱交換体又は吸熱側熱交
換体の少なくともいずれか一方の面に一体的に形成さ
れ、この絶縁被膜上に、熱電変換素子の放熱側又は吸熱
側のいずれかの面が電気的に接触する金属被膜が一体的
に形成されている熱交換器が開示されている。
【0008】この熱交換器においては、少なくとも一方
の熱交換体の面に、絶縁被膜と金属被膜とを一体的に形
成し、これに熱電変換素子を電気的に接触させているの
で、熱交換体と熱電変換素子との接触面にグリース等の
熱伝導率の低い物質を通過することがなく、しかも、両
者間の密着性も向上するので熱抵抗が小さくなる。
【0009】ここで、熱電変換モジュールによって温調
制御される側(以下においては「1次側」ともいう)の
熱交換体と、この温調制御の際に熱電変換モジュールか
ら流れ出す熱を放出したり熱電変換モジュールに流れ込
む熱を供給する側(以下においては「2次側」ともい
う)の熱交換体との内のいずれか一方の熱交換体の面に
絶縁被膜と金属被膜とを一体的に形成する場合として、
2次側熱交換体と2次側電極とをハンダ付けによって固
着し、1次側熱交換体と1次側電極との間に高熱伝導性
のグリースを介在させて密着することが記載されてい
る。このような熱交換器によれば、1次側の熱抵抗と2
次側の熱抵抗とが同等であって、かつ、熱電変換モジュ
ールの運転により発生する熱量を通過させるには熱抵抗
があまり小さくない場合には、熱交換器の性能向上が実
現できた。
【0010】しかしながら、1次側において、温調制御
されるべき流体等との間の熱抵抗が2次側の熱抵抗と比
較して著しく大きい場合、例えば、1次側熱交換体の熱
電変換モジュールに対向する面の材質が著しく熱伝導率
の低い材質である場合等には、2次側の熱抵抗を低減し
ても熱交換器としての性能向上が効果として十分現れな
い場合があった。加えて、2次側の熱抵抗が、熱電変換
モジュールの運転により発生する熱量を通過させるため
に十分小さい場合には、さらにこの傾向が顕著であっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記の点に鑑
み、本発明は、1次側(熱電変換モジュールによって温
調制御される側)の熱抵抗が2次側の熱抵抗よりも大き
い場合において効率の高い熱交換器を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用効果】以上の課題
を解決するため、本発明の第1の観点に係る熱交換器
は、1次側と2次側との間で熱交換を行うことにより、
1次側の温度を制御するために用いられる熱交換器であ
って、導電性を有する1次側熱交換体と、1次側熱交換
体の所定の面に一体的に形成された第1の絶縁被膜と、
第1の絶縁被膜上に一体的に形成された金属被膜と、金
属被膜に電気的に接続され、複数の熱電変換素子を有す
る熱電変換モジュールと、熱電変換モジュールを介して
1次側熱交換体に対向し、導電性を有する2次側熱交換
体と、2次側熱交換体の所定の面に一体的に形成された
第2の絶縁被膜とを具備する。
【0013】本発明によれば、1次側熱交換体の所定の
面に第1の絶縁被膜と金属被膜とを一体的に形成し、こ
の金属被膜に熱電変換素子を電気的に接続しているの
で、1次側熱交換体と熱電変換素子との間にグリース等
の熱伝導率の低い物質が介在しておらず、1次側熱交換
体と熱電変換素子との間の熱抵抗を小さくすることがで
きる。これにより、熱交換器の効率が向上して、小さな
消費電力で効果的に熱交換を行うことが可能となる。ま
た、同じ仕事をする場合には、1次側と2次側との間の
ジャンクション温度差が小さくなる。さらに、このよう
な熱交換器を用いて温調制御を行うことにより、正確に
温度を制御することが可能となる。
【0014】ここで、熱電変換モジュールが、ハンダ付
けによって金属被膜に固着され、第2の絶縁被膜が、グ
リースを介在させて熱電変換モジュールに密着すること
が望ましい。このようにすれば、熱電変換モジュール
は、1次側において金属被膜に確実に固着されると共
に、2次側においてグリースを介して第2の絶縁被膜と
接するので、1次側と2次側との温度差によって生じる
熱応力による破損や変形を防止することができる。その
結果、1次側と2次側との温度差を従来より大きくして
も、熱電変換モジュールの破損や変形による性能低下が
ないので、温度の制御範囲を広げることができる。
【0015】本発明の第2の観点に係る熱交換器は、1
次側と2次側との間で熱交換を行うことにより、1次側
の温度を制御するために用いられる熱交換器であって、
導電性を有する1次側熱交換体と、1次側熱交換体の所
定の面に一体的に形成された第1の絶縁被膜と、第1の
絶縁被膜に固着され、複数の熱電変換素子を有する熱電
変換モジュールと、熱電変換モジュールを介して1次側
熱交換体に対向し、導電性を有する2次側熱交換体と、
2次側熱交換体の所定の面に一体的に形成された第2の
絶縁被膜とを具備する。このようにすれば、金属被膜を
省略して、1次側の熱抵抗をさらに低下させることがで
きる。
【0016】ここで、熱電変換モジュールが、ハンダ付
けによって第1の絶縁被膜に固着され、第2の絶縁被膜
が、グリースを介在させて熱電変換モジュールに密着す
ることが望ましい。このようにすれば、熱電変換モジュ
ールは、1次側において第1の絶縁被膜に確実に固着さ
れると共に、2次側においてグリースを介して第2の絶
縁被膜と接するので、1次側と2次側との温度差によっ
て生じる熱応力による破損や変形を防止することができ
る。その結果、1次側と2次側との温度差を従来より大
きくしても、熱電変換モジュールの破損や変形による性
能低下がないので、温度の制御範囲を広げることができ
る。
【0017】本発明の第3の観点に係る熱交換器は、1
次側と2次側との間で熱交換を行うことにより、1次側
の温度を制御するために用いられる熱交換器であって、
絶縁性を有する1次側熱交換体と、1次側熱交換体の所
定の面に一体的に形成された金属被膜と、金属被膜に電
気的に接続され、複数の熱電変換素子を有する熱電変換
モジュールと、熱電変換モジュールを介して1次側熱交
換体に対向し、絶縁性を有する2次側熱交換体とを具備
する。このようにすれば、1次側熱交換体に流れる薬液
等が金属を溶かすために1次側熱交換体としてセラミッ
クやアモルファスカーボンを用いる場合にも、1次側の
熱抵抗を低下させることができる。
【0018】ここで、熱電変換モジュールが、ハンダ付
けによって金属被膜に固着され、2次側熱交換体が、グ
リースを介在させて熱電変換モジュールに密着すること
が望ましい。このようにすれば、熱電変換モジュール
は、1次側において金属被膜に確実に固着されると共
に、2次側においてグリースを介して2次側熱交換体と
接するので、1次側と2次側との温度差によって生じる
熱応力による破損や変形を防止することができる。その
結果、1次側と2次側との温度差を従来より大きくして
も、熱電変換モジュールの破損や変形による性能低下が
ないので、温度の制御範囲を広げることができる。
【0019】本発明の第4の観点に係る熱交換器は、1
次側と2次側との間で熱交換を行うことにより、1次側
の温度を制御するために用いられる熱交換器であって、
絶縁性を有する1次側熱交換体と、1次側熱交換体に固
着され、複数の熱電変換素子を有する熱電変換モジュー
ルと、熱電変換モジュールを介して1次側熱交換体に対
向し、絶縁性を有する2次側熱交換体とを具備する。こ
のようにすれば、金属被膜を省略して、1次側の熱抵抗
をさらに低下させることができる。
【0020】ここで、熱電変換モジュールが、ハンダ付
けによって1次側熱交換体に固着され、2次側熱交換体
が、グリースを介在させて熱電変換モジュールに密着す
ることが望ましい。このようにすれば、熱電変換モジュ
ールは、1次側において1次側熱交換体に確実に固着さ
れると共に、2次側においてグリースを介して2次側熱
交換体と接するので、1次側と2次側との温度差によっ
て生じる熱応力による破損や変形を防止することができ
る。その結果、1次側と2次側との温度差を従来より大
きくしても、熱電変換モジュールの破損や変形による性
能低下がないので、温度の制御範囲を広げることができ
る。
【0021】なお、1次側熱交換体と熱電変換モジュー
ルと2次側熱交換体とが、階層状に複数配置されるよう
にしても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素に
は同一の参照番号を付して、説明を省略する。本発明に
係る熱交換器は、1次側と2次側との間で熱交換を行う
ことにより、1次側の温度を制御するために用いられ
る。ここで、熱交換器が冷却動作を行う場合(冷却モー
ド)においては、1次側が吸熱側となり、2次側が放熱
側となる。一方、熱交換器が加熱動作を行う場合(加熱
モード)においては、1次側が放熱側となり、2次側が
吸熱側となる。
【0023】図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱
交換器の側面図であり、図2は、図1に示す熱交換器の
R部の詳細な断面図である。
【0024】図1に示すように、熱交換器1において
は、1次側熱交換体3と2次側熱交換体4とが、階層状
に交互に配置されている。図2に示すように、1次側熱
交換体3には、内部に薬液等が流れる1次側流路5が形
成されており、2次側熱交換体4には、内部に冷却水等
が流れる2次側流路6が形成されている。1次側熱交換
体3は、銅や銅合金製の熱伝導率の高い金属のブロック
3Aとプレート3Bとを含んでおり、ブロック3Aの表
面に形成された溝にプレート3Bを被せて塞ぐことによ
り、流路5を形成している。同様に、2次側熱交換体4
は、銅や銅合金製の熱伝導率の高い金属のブロック4A
とプレート4Bとを含んでおり、ブロック4Aの表面に
形成された溝にプレート4Bを被せて塞ぐことにより、
流路6を形成している。
【0025】1次側熱交換体3と2次側熱交換体4との
間には、熱電変換素子12、13を複数個配置してモジ
ュール化した熱電変換素子モジュール2が介挿されてい
る。熱電変換素子モジュール2は、多数のP型熱電変換
素子12とN型熱電変換素子13とを、例えば銅のプレ
ートからなる1次側電極14及び2次側電極15にハン
ダ付け等で電気的に接続して構成されている。そして、
図示しない制御回路から電流を流すことにより、1次側
電極14と2次側電極15との間に温度差を生じさせ、
1次側熱交換体3と2次側熱交換体4との間で熱交換を
行わせる。
【0026】1次側熱交換体3の熱電変換素子モジュー
ル2側の表面には、絶縁体であるアルミナの薄い絶縁被
膜16が、例えばプラズマ溶射によって形成されてい
る。この絶縁被膜16は、複数の1次側電極14の間の
短絡を避けるために形成されるものである。プラズマ溶
射は、例えば粉末状の材料(本実施形態においてはアル
ミナを用いている)を溶融してプラズマジェット化し、
ブロック3Aやプレート3Bの金属表面に衝突させるも
ので、材料が金属上で冷えて固化して被膜を形成する。
金属と被膜とは、アンカー効果や金属結合等によって強
固に結合される。
【0027】絶縁被膜16の表面には、薄い銅、銅合
金、又はニッケルの金属被膜17が、上記プラズマ溶
射、あるいは銅のペーストを表面上で過熱して溶融させ
る等のメタライズ手段によって形成されている。本実施
形態においては、絶縁被膜16を1次側電極14の所定
の面に広く形成し、金属被膜17は1次側電極14が当
接する箇所に合わせて形成している。
【0028】次に、1次側熱交換体3の所定の面に絶縁
被膜16を介して形成された金属被膜17に、熱電変換
素子モジュール2の1次側電極14をハンダ付けによっ
て固着する。これにより、金属被膜17と1次側電極1
4との間には、ハンダ層18が形成される。
【0029】また、2次側熱交換体4の熱電変換素子モ
ジュール2側の表面には、アルミナの絶縁被膜16がプ
ラズマ溶射によって形成されている。そして、2次側電
極15と絶縁被膜16との間に高熱伝導率のグリース1
9を介在させ、密着度を高めて両者を対向させている。
グリース19としては、例えばセラミックや金属の粉や
繊維等を混合して熱伝導率を高めたものを使用すること
が望ましい。
【0030】1次側熱交換体3と2次側熱交換体4との
間の温度差が大きくなると、少なくとも一方の熱交換体
が大きく膨張又は縮小する。そのため、もし1次側熱交
換体3と熱電変換素子モジュール2と2次側熱交換体4
との間を全て固着するならば、熱交換体の膨張又は縮小
によって熱電変換素子モジュールが歪んだりハンダ付け
が剥れたりするといった現象が起きてしまう。これを避
けるために、2次側熱交換体4と熱電変換素子モジュー
ル2との間にはグリース19を介在させて摺動自在と
し、密着はしても固着しないようにしている。なお、本
実施形態においては、グリース19が、絶縁被膜16の
全面に形成されている。
【0031】図1に示すように、外側の2つの2次側熱
交換体4に2つの固定板10を当接させ、締付ボルト1
1で2つの固定板同士を締めつけて固定する。これによ
り、1次側熱交換体3と熱電変換素子モジュール2と2
次側熱交換体4との間の密着性を向上させて熱伝導率を
高め、熱交換が効率よく行われるようにしている。
【0032】また、図1及び図2に示すように、熱電変
換素子モジュール2の外周には、Oリング21を装着し
た枠20が全周にわたって配置されており、Oリング2
1によって熱電変換素子モジュール2の周囲の空間を密
閉し、熱電変換素子モジュール2が結露によって短絡す
るのを防止している。
【0033】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、例えばアルミナのプラズマ溶射によって、1次側熱
交換体3及び2次側熱交換体4上に絶縁被膜16を一体
的に形成している。これにより、1次側熱交換体3及び
2次側熱交換体4と絶縁被膜16との間の接触熱抵抗が
小さくなる。また、絶縁被膜16上には、プラズマ溶射
又は銅ペーストの溶融によって、金属被膜17を一体的
に形成している。これにより、絶縁被膜16と金属被膜
17との間の接触熱抵抗も小さくなる。
【0034】さらに、金属被膜17と1次側電極14と
の間をハンダ付けしているので、両者の間が強固に固着
され、接触熱抵抗が小さくなる。しかも、ハンダ付け
は、200℃程度の比較的低い温度で行うことが可能で
あり、1次側熱交換体3の熱による変形や、1次側熱交
換体3内部のろう付けの剥離等を起こすことがない。な
お、十分な熱伝導が得られ、かつ、十分な接合強度と耐
熱性が得られる方法があれば、ハンダ付け以外の方法に
よって金属被膜17と1次側電極14とを固着しても良
い。
【0035】このように、1次側熱交換体3と1次側電
極14との間には、絶縁被膜16、金属被膜17、及
び、ハンダ層18といった高熱伝導率の材質のみが介在
しており、グリース等の比較的熱伝導率の低い物質が介
在しない。これにより、熱電変換素子モジュール2と1
次側熱交換体3との間において熱抵抗が非常に小さくな
り、少ない消費電力で熱交換を効率よく行うことができ
る。
【0036】次に、本発明の第2の実施形態に係る熱交
換器について説明する。図3は、本発明の第2の実施形
態に係る熱交換器の一部の詳細な断面図である。本実施
形態においては、1次側熱交換体3の熱電変換素子モジ
ュール2側の表面において、アルミナの薄い絶縁被膜1
6が、1次側電極14が当接する箇所に合わせて形成さ
れている。また、2次側熱交換体4の熱電変換素子モジ
ュール2側の表面においても、アルミナの絶縁被膜16
が、2次側電極15が当接する箇所に合わせて形成され
ている。その他の点に関しては、第1の実施形態と同様
である。
【0037】次に、本発明の第3の実施形態に係る熱交
換器について説明する。図4は、本発明の第3の実施形
態に係る熱交換器の一部の詳細な断面図である。本実施
形態においては、第1の実施形態における金属被膜17
を省略して、1次側熱交換体3上に一体的に形成された
絶縁被膜6に、熱電変換素子モジュール2の1次側電極
14をハンダ付けにより固着している。ここで、絶縁被
膜6の材質としては、ハンダ層18との固着性が良く、
十分な強度及び耐熱性が得られる材質が用いられてい
る。このようにすれば、金属被膜17を省略することに
より、1次側の熱抵抗をさらに低下させることができ
る。
【0038】次に、本発明の第4の実施形態に係る熱交
換器について説明する。図5は、本発明の第4の実施形
態に係る熱交換器の一部の詳細な断面図である。1次側
流路に流れる薬液等が金属を溶かす場合には、ブロック
やプレートの材料として、セラミックやアモルファスカ
ーボンを用いる必要がある。本実施形態においては、1
次側熱交換体23を構成するブロック23Aとプレート
23Bの材料として、セラミックやアモルファスカーボ
ン等の絶縁性を有する材料を用いている。このような場
合には、1次側熱交換体の熱伝導率が、金属を用いる場
合よりも大きくなってしまうので、本発明により1次側
の熱抵抗を下げることが非常に有効である。
【0039】1次側熱交換体23の熱電変換素子モジュ
ール2側の表面には、薄い銅、銅合金、又はニッケルの
被膜17(以下、金属被膜と言う)が、プラズマ溶射、
あるいは銅のペーストを表面上で過熱して溶融させる等
のメタライズ手段によって形成されている。ここで、金
属被膜17は、1次側電極14が当接する箇所に合わせ
て形成される。
【0040】次に、1次側熱交換体23上に形成された
金属被膜17に、1次側電極14をハンダ付けによって
固着する。これにより、金属被膜17と1次側電極14
との間には、ハンダ層18が形成される。
【0041】一方、2次側熱交換体4の熱電変換素子モ
ジュール2側の表面には、アルミナの絶縁被膜16がプ
ラズマ溶射によって形成されている。そして、2次側電
極15と絶縁被膜16との間に高熱伝導率のグリース1
9を介在させ、密着度を高めて両者を対向させている。
グリース19としては、例えばセラミックや金属の粉や
繊維等を混合して熱伝導率を高めたものを使用すること
が望ましい。
【0042】1次側熱交換体23と2次側熱交換体4と
の間の温度差が大きくなると、少なくとも一方の熱交換
体が大きく膨張又は縮小する。そのため、もし1次側熱
交換体23と熱電変換素子モジュール2と2次側熱交換
体4との間を全て固着するならば、熱交換体の膨張又は
縮小によって熱電変換素子モジュールが歪んだりハンダ
付けが剥れたりするといった現象が起きてしまう。これ
を避けるために、2次側熱交換体4と熱電変換素子モジ
ュール2との間にはグリース19を介在させて摺動自在
とし、密着はしても固着しないようにしている。
【0043】次に、本発明の第5の実施形態に係る熱交
換器について説明する。図6は、本発明の第5の実施形
態に係る熱交換器の一部の詳細な断面図である。本実施
形態においても、1次側熱交換体23を構成するブロッ
ク23Aとプレート23Bの材料として、セラミックや
アモルファスカーボン等の絶縁性を有する材料を用いて
いる。さらに、本実施形態においては、第4の実施形態
における金属被膜17を省略して、1次側熱交換体23
上に、熱電変換モジュール2の1次側電極14をハンダ
付けにより固着している。ここで、1次側熱交換体23
の材質としては、ハンダ層18との固着性が良く、十分
な強度及び耐熱性が得られる材質が用いられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る熱交換器の側面
図である。
【図2】図1に示す熱交換器のR部の詳細な断面図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る熱交換器の一部
の詳細な断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る熱交換器の一部
の詳細な断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る熱交換器の一部
の詳細な断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る熱交換器の一部
の詳細な断面図である。
【図7】従来の熱交換器の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 熱交換器 2 熱電変換モジュール 3、23 1次側熱交換体 4 2次側熱交換体 5 1次側流路 6 2次側流路 10 固定板 11 締付ボルト 12 P型熱電素子 13 N型熱電素子 14 1次側電極 15 2次側電極 16 絶縁被膜 17 金属被膜 18 ハンダ層 19 グリース 20 枠 21 Oリング

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次側と2次側との間で熱交換を行うこ
    とにより、1次側の温度を制御するために用いられる熱
    交換器であって、 導電性を有する1次側熱交換体と、 前記1次側熱交換体の所定の面に一体的に形成された第
    1の絶縁被膜と、 前記第1の絶縁被膜上に一体的に形成された金属被膜
    と、 前記金属被膜に電気的に接続され、複数の熱電変換素子
    を有する熱電変換モジュールと、 前記熱電変換モジュールを介して前記1次側熱交換体に
    対向し、導電性を有する2次側熱交換体と、 前記2次側熱交換体の所定の面に一体的に形成された第
    2の絶縁被膜と、を具備する熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記熱電変換モジュールが、ハンダ付け
    によって前記金属被膜に固着され、 前記第2の絶縁被膜が、グリースを介在させて前記熱電
    変換モジュールに密着している、請求項1記載の熱交換
    器。
  3. 【請求項3】 1次側と2次側との間で熱交換を行うこ
    とにより、1次側の温度を制御するために用いられる熱
    交換器であって、 導電性を有する1次側熱交換体と、 前記1次側熱交換体の所定の面に一体的に形成された第
    1の絶縁被膜と、 前記第1の絶縁被膜に固着され、複数の熱電変換素子を
    有する熱電変換モジュールと、 前記熱電変換モジュールを介して前記1次側熱交換体に
    対向し、導電性を有する2次側熱交換体と、 前記2次側熱交換体の所定の面に一体的に形成された第
    2の絶縁被膜と、を具備する熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記熱電変換モジュールが、ハンダ付け
    によって前記第1の絶縁被膜に固着され、 前記第2の絶縁被膜が、グリースを介在させて前記熱電
    変換モジュールに密着している、請求項3記載の熱交換
    器。
  5. 【請求項5】 1次側と2次側との間で熱交換を行うこ
    とにより、1次側の温度を制御するために用いられる熱
    交換器であって、 絶縁性を有する1次側熱交換体と、 前記1次側熱交換体の所定の面に一体的に形成された金
    属被膜と、 前記金属被膜に電気的に接続され、複数の熱電変換素子
    を有する熱電変換モジュールと、 前記熱電変換モジュールを介して前記1次側熱交換体に
    対向し、絶縁性を有する2次側熱交換体と、を具備する
    熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記熱電変換モジュールが、ハンダ付け
    によって前記金属被膜に固着され、 前記2次側熱交換体が、グリースを介在させて前記熱電
    変換モジュールに密着している、請求項5記載の熱交換
    器。
  7. 【請求項7】 1次側と2次側との間で熱交換を行うこ
    とにより、1次側の温度を制御するために用いられる熱
    交換器であって、 絶縁性を有する1次側熱交換体と、 前記1次側熱交換体に固着され、複数の熱電変換素子を
    有する熱電変換モジュールと、 前記熱電変換モジュールを介して前記1次側熱交換体に
    対向し、絶縁性を有する2次側熱交換体と、を具備する
    熱交換器。
  8. 【請求項8】 前記熱電変換モジュールが、ハンダ付け
    によって前記1次側熱交換体に固着され、 前記2次側熱交換体が、グリースを介在させて前記熱電
    変換モジュールに密着している、請求項7記載の熱交換
    器。
  9. 【請求項9】 前記1次側熱交換体と前記熱電変換モジ
    ュールと前記2次側熱交換体とが、階層状に複数配置さ
    れている、請求項1〜8のいずれか1項記載の熱交換
    器。
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