JP2003221361A - 易重合性化合物の製造方法 - Google Patents

易重合性化合物の製造方法

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JP2003221361A
JP2003221361A JP2002017846A JP2002017846A JP2003221361A JP 2003221361 A JP2003221361 A JP 2003221361A JP 2002017846 A JP2002017846 A JP 2002017846A JP 2002017846 A JP2002017846 A JP 2002017846A JP 2003221361 A JP2003221361 A JP 2003221361A
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liquid
temperature
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Shuhei Yada
修平 矢田
Yasuyuki Ogawa
寧之 小川
Masayasu Goriki
正康 強力
Yoshiro Suzuki
芳郎 鈴木
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル酸等の製造プラントから排出する製
品のオフスペック品を、有価物を回収する目的で一時的
にタンクに貯蔵する際、当該オフスペック品をそのまま
タンクに移送するとタンク内の温度が上昇し、アクリル
酸の重合が発生したり、不純物との反応が発生し、有価
物が減少すると云う問題を解決し有価物を高効率で回収
することを可能とした易重合性化合物の製造方法を提供
する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸類である易重合性化
合物を製造するプロセスにおいて、オフスペック品とし
て排出される(メタ)アクリル酸類を含有する液を貯蔵
タンクへ供給する際の温度を、当該貯蔵タンク内に貯蔵
されたオフスペック液の温度以下に制御することを特徴
とする易重合性化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸類である易重合性化合物を製造する方法に係り、特に
アクリル酸等の製造プラントから排出する製品のオフス
ペック品を、有価物を回収する目的で一時的にタンクに
貯蔵する際、当該オフスペック品をタンクに移送する前
に冷却することにより有価物を高効率で回収することを
可能にした易重合性化合物の製造方法である。なお、本
発明で使用する(メタ)アクリル酸類とはアクリル酸及
びメタクリル酸(以下「(メタ)アクリル酸」と云
う。)と当該(メタ)アクリル酸のエステルを含めた用
語である。
【0002】
【従来の技術】易重合物質として知られている(メタ)
アクリル酸類は、接触気相酸化によって(メタ)アクリ
ル酸類を製造するプロセスにおいて、(メタ)アクリル
酸類を分離、或いは精製し、一般には最終の精製塔(蒸
留塔)で塔頂より製品が得られる。(メタ)アクリル酸
類は極めて重合し易いため製造工程中の例えば蒸留塔内
部で重合が発生し、(メタ)アクリル酸類の製造プラン
ト全体を停止することがある。また、法定点検、或いは
市場状況により(メタ)アクリル酸類の製造プラント全
体を停止することがある。停止時には、プラント内部に
存在していたプロセス液は、有価物を含むため廃棄され
ず、一般には回収の目的でオフスペック品貯槽タンクに
保管し次の運転時に有価物が回収されたりプラントで利
用されたりする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】易重合性物質である
(メタ)アクリル酸類を製造する場合において、プラン
トの運転開始時、運転停止時、或いはプラントを構成す
る一部機器の運転不調によってオフスペック液が発生す
る。このオフスペック液を保管する際に、重合防止、爆
鳴気形成回避、さらにアクリル酸においてはアクリル酸
の2量体(ダイマー)の生成抑制のため、比較的低温に
維持することが必要である。このため、オフスペック品
貯蔵タンクの温度管理(主に冷却状態の維持)のための
付帯設備が設けられている。当該貯蔵タンクの付帯設備
としてはタンク内に冷却コイルを内挿或いは外部に熱交
換器を設置して貯蔵タンクの温度管理を行っている。
【0004】しかしながら、例えばプラント停止時に
は、各工程に於ける種々の組成液が高温のままで大量に
オフスペック品貯蔵タンクにながれ込むため、冷却が追
いつかず易重合物質である(メタ)アクリル酸類の重合
の危険性が伴ったり、高温下の状態で長い時間さらされ
るためオフスペック液中に含まれる水、アルコール、
(メタ)アクリル酸類がミカエル付加反応で高沸物とな
る反応速度が速くなり高沸物が多く形成されてしまう。
【0005】そこで例えば対策の1つとして、オフスペ
ック品貯蔵タンクには付帯設備として設置される内部
(冷却)コイル、或いは外部に設置される熱交換器の冷
却能力を、上述のプラント停止時等に大量に発生する高
温液を十分に冷却する能力にしておくことで対処するこ
とができる。しかし、年1、2回のプラント停止に対応
した大きな熱交換器等を設置することは経済的に好まし
くなく何らかの対策が求められていた。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明は、上記問題を解決した
易重合性化合物の製造方法を提供するものであって、そ
の要旨は、 (1)(メタ)アクリル酸類である易重合性化合物を製
造するプロセスにおいて、オフスペック品として排出さ
れる(メタ)アクリル酸類を含有する液を貯蔵タンクへ
供給する際の温度を、当該貯蔵タンク内に貯蔵されたオ
フスペック液の温度以下に制御することを特徴とする易
重合性化合物の製造方法である。 (2)貯蔵タンク内に貯蔵されたオフスペック液の温度
が、0〜60℃であることを特徴とする上記(1)の易
重合性化合物の製造方法である。 (3)制御する前のオフスペック液の温度が、61〜2
00℃であることを特徴とする上記(1)〜(2)の易
重合性化合物の製造方法である。 (4)オフスペック液が、蒸発塔、蒸留塔、酸化反応器
或いは抽出塔から排出される塔底液又はこれを加熱した
液であることを特徴とする上記(1)〜(3)の易重合
性化合物の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の、易重合性化合物の製造
方法を添付図面に基づいて説明する。図1はアクリル酸
を製造するプロセスフロー図の一例である。図2はアク
リル酸を製造するプロセスフロー図の他の一例である。
図3はアクリル酸を製造するプロセスフロー図の更に他
の一例である。図4はアクリル酸エステルを製造するプ
ロセスフロー図の一例である。図5はオフスペック品貯
蔵タンクの一例の断面図である。
【0008】先ず最初に、図1に基づいて本発明の製造
方法の概要について説明する。Aはアクリル酸捕集塔で
あって、当該アクリル酸捕集塔Aにはライン4からプロ
ピレン及び/又はアクロレインを分子状酸素含有ガスを
用いて接触気相酸化して得たアクリル酸含有ガスが導入
され、ここで水と接触させアクリル酸水溶液を得る。な
お、6は排出ガスラインであって、アクリル酸捕集塔A
の塔頂に接続されている。
【0009】次に、アクリル酸水溶液はアクリル酸捕集
塔Aの底部に接続されたライン5によって脱水塔Bに送
られる。脱水塔Bでは共沸剤を供給し、塔頂から水及び
共沸剤からなる共沸混合物を留出させ、塔底からは酢酸
を含むアクリル酸を得る。塔頂から留出される水及び共
沸剤からなる共沸混合物は貯槽10に導入され、ここで
主として共沸剤からなる有機相と主として水からなる水
相とに分離される。有機相は脱水塔Bに循環されると共
に、水相はライン7を経てアクリル酸捕集塔Aに循環さ
せてアクリル酸含有ガスと接触させる捕集水として用い
ることにより有効に活用することが出来る。必要に応じ
て、ライン7の途中に接続されたライン8から水を補給
する。またライン7のプロセス液中の共沸剤を回収する
ため、共沸剤回収塔(図示せず)を経て、アクリル酸捕
集塔Aに循環させてもよい。
【0010】脱水塔Bの塔底に接続されたライン11か
ら抜き出された粗アクリル酸は、残存する酢酸を除去す
るために軽沸分離塔(酢酸分離塔)Cに導入される。こ
こで、酢酸は塔頂に接続されたライン12及び13を経
て排出され分離除去される。ライン13の酢酸はアクリ
ル酸を含むので、一部もしくは全量をプロセスへ戻され
る場合がある。
【0011】軽沸分離塔(酢酸分離塔)Cの塔底に接続
されたライン14から抜き出された溶液は実質的に酢酸
を含まないアクリル酸が得られる。このアクリル酸は相
当に純度が高いのでそのままアクリル酸エステルの原料
として使用することもでき、場合によりライン15を経
て製品とすることができる。
【0012】軽沸分離塔(酢酸分離塔)Cで得たアクリ
ル酸を更に高純度のアクリル酸を得るためには、当該分
離塔C塔底に接続されたライン14及びライン16を経
て高沸分離塔(アクリル酸精製塔)Dに導入し、高沸物
を当該高沸分離塔Dの塔底に接続したライン17より分
離除去する。高沸分離塔Dで精製された高純度のアクリ
ル酸は当該塔頂に接続されたライン18を経てライン1
9から抜き出して得られる。
【0013】ライン17の高沸物は高沸分解反応器Eに
導かれ、その一部はアクリル酸として当該反応器Eの頂
部に接続されたライン20よりプロセスへ回収される。
また、高沸物は当該反応器Eの塔底に接続されたライン
21より分離除去される。
【0014】本プロセスにおいて、脱水塔B、軽沸分離
塔(酢酸分離塔)C及び高沸分離塔(アクリル酸精製
塔)Dの塔頂より導入される重合防止剤を含有する液体
はライン1〜3の何れか1つ、又は複数のラインから供
給される。また当該重合防止剤とは、安定なラジカル物
質、又はラジカルと付加して安定なラジカルを生成す
る、もしくは生成しやすい物質を総称するものである。
場合によっては、目的に応じて重合抑止剤、重合禁止
剤、重合停止剤、重合速度低下剤などと呼称することが
あるが、本発明では重合防止剤と呼称する。
【0015】61〜65はプラントの抜き出しラインで
あって、当該各ラインはライン5、11、14、17及
び21に開閉弁を介在させて接続されている。そしてこ
れら抜き出しラインは集合された後、オフスペック液温
度調整熱交換器Tに接続されている。
【0016】上述のプロセスにおいては、運転開始時に
プロセス液は各機器の運転設計値に達して、接続する次
の機器へ供給できるまでプラントの抜き出しラインより
オフスペック液温度調整熱交換器Tを経由してライン6
6によって、後述するオフスペック品貯蔵タンクUへ抜
き出される。また、運転停止時にはそれぞれの機器に滞
留していた液はプラントの抜き出しラインよりオフスペ
ック液温度調整熱交換器Tを経由してオフスペック品貯
蔵タンクUに抜き出される。図中に示すように、プラン
トの抜き出しライン5、11、14、17及び21中に
は通常、開閉弁が設置さており、当該弁は通常運転中は
閉止の状態にある。
【0017】本発明で使用されるオフスペック液温度調
整熱交換器Tの機種は特に限定されない。例えば、固定
管板式熱交換器、スパイラル式熱交換器、コンパブロッ
ク型熱交換器、プレート型熱交換器等が使用できる。固
定管板式熱交換器の場合は、シェル側に熱媒体、管側に
オフスペック液を供給することがよい。当該オフスペッ
ク液は重合物及び重合防止剤等の固形物を含有する場合
があり、これにより汚れが発生した場合に管側の方が清
掃除去し易い。
【0018】当該温度調整熱交換器Tに使用される温度
調整用熱媒体は、上水、工業用水、ボイラー水、スチー
ムコンデンセート水等に代表される水、海水、有機媒体
等の1種以上を使用することができる。また、当該温度
調整用熱媒体の温度は、0〜40℃が好ましく、0℃未
満或いは40℃を超える場合でも使用できるが、0℃未
満の場合はこの熱媒体を新たに製造する必要があり、ま
たこの温度が40℃を超える場合は熱交換器Tの所要の
伝熱面積が大きくなるので何れも経済的に好ましくな
い。
【0019】オフスペック液温度調整熱交換器Tで温度
調整される前のオフスペック液の温度は、一般的には6
1〜200℃である。(メタ)アクリル酸類のオフスペ
ック品貯蔵タンクUの管理温度は種別によって最適値が
異なるものの一般的には0〜60℃、更に好ましくは0
〜40℃であり、当該温度にオフスペック液温度調整熱
交換器Tの出口温度を一致させることが好ましい。この
温度が0℃未満の場合は、タンク内で水が凍結する場合
があり、また60℃を超えるとオフスペック液に含まれ
ている水、アルコール、(メタ)アクリル酸類等がミカ
エル付加反応で高沸物となる反応速度が速くなり、高沸
物が多く形成されので好ましくない。
【0020】図5はオフスペック品貯蔵タンクUであっ
て、当該貯蔵タンクU内にオフスペック液温度調整熱交
換器Tで温度調整されたオフスペック液がライン66に
よって移送される。オフスペック品貯蔵タンクUの液温
を所定の管理温度に維持するために、当該タンクU内に
液温調整コイルW或いは外部に液温調整用熱交換器Vを
適宜有している。そしてオフスペック品貯蔵タンクUの
液体はライン72から通常、その組成に応じて決定され
る図1〜4のプロセス中のライン又は塔槽類へ供給され
るが、このような回収・リサイクルができない場合は焼
却設備や廃水処理設備(図示せず)に移送されることも
ある。
【0021】図2はアクリル酸を製造するプロセスフロ
ー図の他の一例であって、図1における脱水塔Bと軽沸
分離塔(酢酸分離塔)Cを一塔の蒸留塔Fに纏めたプロ
セスであり、物質の流れは基本的に図1と同じである。
【0022】図3はアクリル酸を製造するプロセスフロ
ー図の更に他の一例である。Aはアクリル酸捕集塔であ
って、当該アクリル酸捕集塔Aにはライン4からプロピ
レン及び/又はアクロレインを分子状酸素含有ガスを用
いて接触気相酸化して得たアクリル酸含有ガスが導入さ
れて、ここで溶剤と接触させてアクリル酸含有溶液を得
る。なお、6は排出ガスラインであって、アクリル酸捕
集塔Aの塔頂に接続されている。
【0023】次に、アクリル酸含有溶液はアクリル酸捕
集塔Aの底部に接続されたライン5によって放散塔Gに
送られる。放散塔Gではライン6−1よりガス(アクリ
ル酸捕集塔Aの塔頂より排出されるライン6のガス、或
いはライン6のガス中の有機物を酸化して除去した後の
ガス等)を供給し、塔頂から留出した水及び酢酸はライ
ン9によってアクリル酸捕集塔Aに導入される。
【0024】一方、放散塔Gの塔底に接続されたライン
14からは溶剤を含むアクリル酸を抜き出し、これを高
純度のアクリル酸を得るために高沸分離塔(アクリル酸
精製塔)Dに導入し、高沸点物を当該高沸分離塔Dの塔
底に接続したライン17より分離除去する。高沸分離塔
Dで精製された高純度のアクリル酸は当該塔頂に接続さ
れたライン18を経てライン19から抜き出して得られ
る。
【0025】ライン17の高沸点物は具体的には無水マ
レイン酸、ベンズアルデヒド等であり、これを高沸除去
塔Hに導き、当該高沸除去塔Hの塔頂に接続されたライ
ン20を経てライン21より排出される。
【0026】高沸除去塔Hの塔底に接続したライン22
より抜き出された溶液は溶剤精製塔Kに導かれる。溶剤
精製塔Kで回収された溶剤は、その塔頂に接続されたラ
イン7を経てアクリル酸捕集塔Aに戻される。なお、ラ
イン22の溶液の一部又は大部分をライン7により直接
アクリル酸捕集塔Aに返送してもよい。溶剤精製塔Kの
塔底より当該塔底に接続されたライン23を経て、更な
る高沸物が分離除去される。
【0027】本プロセスにおいて、放散塔G、高沸分離
塔(アクリル酸精製塔)D及び高沸除去塔Hに導入され
る重合防止剤を含有する液体はライン1〜3の何れか1
つ、又は複数のラインから供給される。
【0028】67〜71はプラントの抜き出しラインで
あって、当該各ラインはライン5、14、17、22及
び23に開閉弁を介在させて接続されている。そしてこ
れら抜き出しラインは集合された後、オフスペック液温
度調整熱交換器Tに接続されている。そして、ライン6
7〜71より抜き出されたオフスペック液は、オフスペ
ック液温度調整熱交換器Tで所定の温度に調整された
後、ライン66によって図5に示すオフスペック品貯蔵
タンクUに移送され図1と同様のプロセスを経る。
【0029】図4はアクリル酸エステルを製造するプロ
セスフロー図の一例である。Lはエステル化反応器であ
って、当該エステル化反応器Lにはライン31からアク
リル酸を、ライン32からアルコールを、ライン35か
ら循環アクリル酸を、及びライン48から循環アルコー
ルをそれぞれ供給される。そして当該エステル化反応器
Lには強酸性イオン交換樹脂などの触媒が充填されてい
る。
【0030】Mはアクリル酸分離塔であって、当該アク
リル酸分離塔Mにはエステル化反応器Lの塔頂に接続さ
れたライン33によって生成エステル、未反応アクリル
酸、未反応アルコール、及び生成水からなるエステル化
反応混合物が供給される。そして、当該アクリル酸分離
塔Mの塔底に接続されたライン34によって未反応アク
リル酸の実質的全量を含む塔底液を抜き出し、ライン3
5を経て循環液としてエステル化反応器Lへ供給する。
【0031】Nは高沸分解反応器であって、当該高沸分
解反応器Nにはアクリル酸分離塔Mの塔底に接続された
ライン34及びライン36を経て当該アクリル酸分離塔
Mの塔底液の一部が供給される。そして当該高沸分解反
応器N内で分解され得られた有価物は頂部に接続された
ライン40を経てプロセスに循環される。この循環され
るプロセス内の場所はプロセス条件によって異なる。ま
た、重合物などの高沸点不純物は高沸分解反応器Nの底
部に接続されたライン37より系外に除去される。
【0032】Qはアルコール抽出塔であって、当該アル
コール抽出塔Qにはアクリル酸分離塔Mの塔頂より留出
された生成エステル、未反応アルコール、及び生成水を
ライン38及びライン39によって導入される。なおこ
れら留出物の一部は還流液としてアクリル酸分離塔Mに
循環される。またアルコール抽出塔Qにライン41によ
ってアルコール抽出の為の水が供給される。
【0033】Pはアルコール回収塔であって、アルコー
ル回収塔Pにはアルコール抽出塔Qの塔底に接続された
ライン42によりアルコールを含む水が導入される。そ
してここで回収されたアルコールはライン48−1を経
てエステル化反応器Lに循環される。また当該アルコー
ル回収塔P内の水は塔底に接続されたライン49から系
外に除去される。
【0034】Rは軽沸分離塔であって、当該軽沸分離塔
Rにはアルコール抽出塔Qの塔頂に接続されたライン4
3によって粗アクリル酸エステルが供給される。軽沸分
離塔Rの塔頂に接続されたライン44によりアクリル酸
エスエルを含む軽沸物が抜き出され、プロセス内へ循環
される。この循環されるプロセス内の場所はプロセス条
件によって異なる。
【0035】Sはアクリル酸エステル製品精製塔であっ
て、当該アクリル酸エステル製品精製塔Sには軽沸分離
塔Rの塔底に接続されたライン45によって軽沸物が除
去された粗アクリル酸エステルが供給される。アクリル
酸エステル製品精製塔Sの塔頂に接続されたライン46
より高純度のアクリル酸エステルが得られる。また当該
精製塔Sの塔底に接続されたライン47からは若干の高
沸物を含むアクリル酸エステルが抜き出されプロセス内
に循環される。この循環されるプロセス内の場所はプロ
セス条件によって異なる。
【0036】本プロセスにおいて、アクリル酸分離塔
M、軽沸分離塔R及びアクリル酸エステル製品精製塔S
に導入される重合防止剤を含有する液体はライン1〜3
の何れか1つ、又は複数のラインから供給される。
【0037】72〜77はプラントの抜き出しラインで
あって、当該各ラインはライン33、34、37、4
9、45及び47に開閉弁を介在させて接続されてい
る。そしてこれら抜き出しライン、集合された後、オフ
スペック液温度調整熱交換器Tに接続されている。ライ
ン72〜77より抜き出されたオフスペック液は、オフ
スペック液温度調整熱交換器Tで所定の温度に調整され
た後、ライン66によって図5に示すオフスペック品貯
蔵タンクUに移送され図1と同様のプロセスを経る。
【0038】
【実施例】実施例1 図1のアクリル酸プロセスを使用して、年産8万tのプ
ラントで、伝熱面積186m2のオフスペック液温度調
整熱交換器Tを設置した。当該オフスペック液温度調整
熱交換器Tに用いた冷却用熱媒体は再冷水で温度27
℃、流量251t/hであった。またオフスペック品貯
槽タンクUには伝熱面積18m2の冷却用熱交換器Vを
設置した。当該冷却用熱交換器Vを経由してタンクUの
循環量は19t/hであった。この冷却用熱交換器Vに
使用した冷却用熱媒体は冷水で温度15℃、流量5t/
hであった。年1回の定期保全作業に伴い、プラントを
停止した。停止作業で、プラント系内より発生した温度
90℃のオフスペック液は、79t/h(比重0.9
5)でオフスペック液温度調整熱交換器Tへ供給され、
40℃に冷却された後、オフスペック品貯蔵タンクUに
260m3貯蔵された。オフスペック液中に含まれるア
クリル酸のダイマーへの生成量は、40℃で貯蔵を開始
したため、対アクリル酸で約900重量ppm/日の増
加であった。冷却用熱交換器Vで更に液温が低下してダ
イマーへの生成量は更に減少した。
【0039】比較例1 翌年、テストのために、実施例1でオフスペック液温度
調整熱交換器Tを経由しないでオフスペック品貯槽タン
クUにオフスペック液を送出した以外は、実施例1と同
様な操作を実施した。冷却用熱交換器Vを用いて冷却し
たが、40℃になるまでに42時間かかった。このため
実施例1の40℃時点でのダイマーの生成量は、対アク
リル酸で20重量%増加した。なお、アクリル酸のダイ
マーへの生成量は、90℃では対アクリル酸で約160
000ppm/日で増加する。
【0040】
【発明の効果】本発明は、アクリル酸等の製造プラント
から排出する製品のオフスペック品を、有価物を回収す
る目的で一時的にタンクに貯蔵する際、当該オフスペッ
ク品をタンクに移送する前に冷却することにより有価物
を高効率で回収することを可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクリル酸を製造するプロセスフロー図の一
例。
【図2】アクリル酸を製造するプロセスフロー図の他に
一例。
【図3】アクリル酸を製造するプロセスフロー図の更に
他に一例。
【図4】アクリル酸エステルを製造するプロセスフロー
図の一例。
【図5】オフスペック品貯蔵タンクの一例の断面図。
【符号の説明】
A…アクリル酸捕集塔、B…脱水塔、C…軽沸分離塔
(酢酸分離塔)、D…高沸分離塔(アクリル酸精製
塔)、E…高沸分解反応器、F…蒸留塔、G…放散塔、
H…高沸除去塔、K…溶剤精製塔、L…エステル化反応
器、M…アクリル酸分離塔、N…高沸分解反応器、P…
アルコール回収塔、Q…アルコール抽出塔、R…軽沸分
離塔、S…アクリル酸エステル製品精製塔、T…オフス
ペック液温度調整熱交換器、U…オフスペック品貯蔵タ
ンク、 V…液温調整用熱交換器、W…液温調整コイ
ル、4…アクリル酸含有ガスの供給ライン、31…アク
リル酸の供給ライン、32…アルコールの供給ライン、
35…循環アルコール酸の供給ライン、48…循環アル
コールの供給ライン、61〜65、67〜71及び72
〜77…プラントの抜き出しライン、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 強力 正康 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 鈴木 芳郎 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4D076 AA07 AA16 AA22 AA24 EA04Y EA04Z EA12Z FA12 HA11 JA02 4H006 AA02 BC51 BD21 BD84 BS10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸類である易重合性化
    合物を製造するプロセスにおいて、オフスペック品とし
    て排出される(メタ)アクリル酸類を含有する液を貯蔵
    タンクへ供給する際の温度を、当該貯蔵タンク内に貯蔵
    されたオフスペック液の温度以下に制御することを特徴
    とする易重合性化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 貯蔵タンク内に貯蔵されたオフスペック
    液の温度が、0〜60℃であることを特徴とする請求項
    1に記載の易重合性化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 制御する前のオフスペック液の温度が、
    61〜200℃であることを特徴とする請求項1〜2に
    記載の易重合性化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 オフスペック液が、蒸発塔、蒸留塔、酸
    化反応器或いは抽出塔から排出される塔底液またはこれ
    を加熱した液であることを特徴とする請求項1〜3に記
    載の易重合性化合物の製造方法。
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