JP2003220549A - 磁気ヘッドの製造装置及び製造方法 - Google Patents
磁気ヘッドの製造装置及び製造方法Info
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- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
Abstract
易に、且つ被研磨物であるバーの研磨面の平面度を維持
しながら、バー上の各素子に対して、精度良くスロート
ハイト等を得る。 【解決手段】 複数の磁気ヘッドが長手方向に連接され
てなるバーにおいて、磁気ヘッド中のMR素子等に所定
の特性値を付与する際に、被研磨面とは反対側の面にお
いてこれを略平板状の治具40の所定面に接着し、研磨
用定盤25表面に対して被研磨面を接触させ、治具の所
定面とは反対側の面と対向する平面において、長さ方向
における特定位置において流体を噴出もしくはその一部
を停止させ、これにより治具の所定面に対して特定位置
に応じた圧力分布を有する静圧荷重を負荷し、治具を介
して静圧荷重により被研磨面を研磨用定盤に押圧し、圧
力分布に応じた被研磨面の研磨を行うこととした。
Description
装置(以下HDD)に用いられる磁気ヘッドに関し、特
に高い記録密度を有する磁気記録媒体に対応した薄膜磁
気ヘッドの製造装置及び製造方法に関する。
られる外部記憶装置の一つとして、HDD(ハードディ
スクドライブ装置)がある。HDDは、その小型化及び
記憶量の大容量化の要望に応じて高記録密度化が進めら
れている。HDDの構成要素の一つとして、磁気記録媒
体と所定距離をおいて浮上し、磁気記録媒体に対して情
報の書き込み及び読み取りを行う磁気ヘッドがある。こ
の磁気ヘッドには、いわゆるMRヘッド、GMRヘッド
等がある。
ドの高性能化も要求されるが、これには、前述の各素子
及び磁気記録媒体とを組み合わせた上での、磁気ヘッド
の入出力特性の向上とその安定化が含まれる。この安定
化等を図る上で、磁気記録媒体と磁気ヘッド中の素子端
部との間隔をどの様に制御するかが重要となる。当該間
隔の制御のために、磁気記録媒体回転時に発生する風圧
等により、磁気ヘッドが所定高さで安定して浮上するよ
うに、磁気ヘッドの媒体対向面(いわゆるABS面)に
対して高精度な平面仕上げ、および溝形成、クラウン形
成のための加工等を施している。
は、これらを規定する各素子のパラメータであるいわゆ
るスロートハイト及びMRハイトの値が高精度で得られ
る加工技術を用い、各素子間での特性の安定化を図って
いる。これら値を適正値とすることにより、各素子に対
して所望の特性値を付与することができる。
技術に代表される薄膜形成、加工技術を用いて、ウェハ
状のセラミック基板上に多数個同時に形成される。素子
形成後、当該ウェハは各素子が形成された列毎に各々棒
状に切断される。セラミック基板より切り出された各々
の棒状の素材は、一般にバー或いはローバーと呼ばれ、
HDD組立時に、この切断面の一方が磁気記録媒体との
対向面(ABS面)となる。この切断面に対して研削等
による粗加工を施した後、ラッピングまたはポリッシン
グと呼ばれる研磨加工を施し、バー上の各素子のスロー
トハイト及びMRハイトを各々所定範囲の値とする。
毎に当該バーを切断し、これらを磁気ヘッドにおけるコ
ア(磁気ヘッドスライダ)として用いる。すなわち、当
該バーは、磁気ヘッドスライダが連接されて構成される
といえる。なお、ここではバー上には磁気ヘッドスライ
ダが一列に並置されることとして述べたが、磁気ヘッド
スライダが複数列並置されたバーを用いる場合もある。
基板切断あるいは基板の研削等によって生じた歪みや曲
がりを有している。また、素子部形成時において、例え
ばパターニング時の位置ずれ等によって素子が切断面か
ら各々異なる位置に形成される場合も考えられる。本出
願人は、これら曲がり、素子の位置ずれ等を修正しつつ
所定のスロートハイト等を得る研磨方法あるいは装置を
特開平11−16124あるいは特開平11−4252
5等に開示している。
断後のバーは、接着剤等によって、例えば特開平11−
42525に開示されている加工用治具における素材保
持部に固定される。セラミック接着後の加工用治具は、
上述の特開平11−16124に開示される装置等に固
定される。加工用治具は、当該装置により上方向あるい
は下方向への負荷を加えることによって、加工用治具、
特にその素材保持部に対して曲げ変形を加えることが可
能となっている。
素子について、所定のスロートハイト等を得るために切
断面(ABS面または端面)から除去すべき量を求めて
おく。そして、各素子毎の要除去量に応じて素材保持部
を変形させる。具体的には、要除去量が多い部分が下方
向(研磨用の定盤表面)に向けて凸となるような変形を
素材保持部に与える。この状態で研磨加工を行うこと
で、各素子毎に、所定の誤差以内となるスロートハイト
等の値を得ている。
るために、一般的にはボイスコイルモータ、あるいはエ
アシリンダ等の荷重付加手段が用いられている。また、
各素子毎のスロートハイトの研磨精度を高くするため
に、素材保持部を複雑に且つ精密に変形できるように、
できるだけ多くの荷重付加手段を配置すべく装置構成に
工夫が加えられている。
治具の変形を要するために大きな付加荷重の変化が必要
となる。2)荷重付加手段を複数要するために、加工用
治具を取り付ける部分が大型化し、装置構成が複雑且つ
高価なものとなる。3)加工用治具の取付部が大きく複
雑なため、この部分を研磨用定盤の表面に対して大きく
揺動することが困難であり、大きな研磨用定盤表面のご
く一部しか使用することができない。4)弾性的な変形
すなわちたわみを高精度に制御し易くするために、セラ
ミック等からなる加工用治具は複雑な形状を有し、これ
自体が高価である。5)加工用治具の取付が容易ではな
く、自動化が困難である。等が将来的に改善されるべき
課題として指摘されている。
におけるバーの保持面が研磨加工における基準面となる
ために、研磨後のバーの平面度が微視的に安定せず、加
工精度が加工時毎に不安定になる恐れがある。さらに、
研磨時に、研磨用定盤面に対して凸に変形された場合の
頂部となる部分のみが選択的に研磨される状態が生じ、
研磨用定盤に対してバーが揺れてしまい、研磨面に縞状
痕、スクラッチ、凹状欠陥が生じ易くなる、あるいは研
磨面の平面度が低下する恐れもある。また、研磨面の平
面精度は、研磨用定盤面の平面性の精度に依存するもの
であるが、従来法においてはこの定盤面の傷等による表
面状態の劣化が生じやすく、また定盤面の一部しか研磨
に使用しないために定盤の摩耗が部分的なものとなり研
磨用定盤全体の平面度が劣化するなど、平面性を所定の
高精度の状態に維持できる期間が短かった。
であり、簡単な構成からなる加工用治具を用いて、容易
に、且つ研磨用定盤表面の平面度等を維持しながら、当
該バー上の各素子に対して、精度良くスロートハイト等
を得ることを可能とする研磨装置あるいは方法、さらに
は当該方法を用いた磁気ヘッドの製造方法を提供するも
のである。
に、本発明に係る磁気ヘッドの製造装置は、複数の磁気
ヘッドスライダが長手方向に一列または複数列にわたり
連接されてなる、ウエハを切断して得られるバーに対し
て、バーの被研磨面を研磨して磁気ヘッドスライダ各々
に所定の特性値を付与する磁気ヘッドの製造装置であっ
て、バー、あるいはバーにおける被研磨面とは反対側の
面と接合面にて接合された治具、の何れかからなる被研
磨物を保持するキーパー本体を含むキーパー部と、被研
磨面に接触してこれを研磨する研磨用定盤とからなり、
キーパー本体は、被研磨面を研磨用定盤に押し付けるた
め、被研磨物における被研磨面とは反対側の面に負荷さ
れる荷重を生成するための流体を導入する流体導入ライ
ンを複数有し、流体導入ラインは、長手方向に並設され
ることを特徴としている。
圧力室をさらに有し、キーパー本体は圧力室を形成する
変形可能な隔壁おいて保持され、被研磨面を研磨用定盤
に押し付ける際の付加荷重の主たる成分が圧力室内部の
圧力によることが好ましい。また、流体は、被研磨面と
反対側の面に対して静圧荷重を付加することが好まし
い。また、流体導入ラインは、被研磨物を、被研磨面と
は反対側の面にて吸着可能とするように、真空装置に接
続されたラインを含むことが好ましい。また、キーパー
本体は、被研磨物における被研磨面と反対側の面と対向
する所定面に流体導入ラインの開口部を有することが好
ましい。
る被研磨面と反対側の面と対向する所定面において、流
体導入ラインの開口部の全てまたは一部を通り長手方向
に延在する溝を有することが好ましい。また、キーパー
本体は、所定面において、開口部とは異なる位置であっ
て且つ溝の延在方向とは異なる方向に延在する圧力勾配
発生溝とを有することが好ましい。
に於いてキーパー本体を略囲むように配置されたリテー
ナ部をさらに有し、研磨用定盤の表面に対するリテーナ
の平均的な加工荷重の生成と、研磨用定盤の表面に対す
るキーパー本体の接触および加圧の操作とは独立して行
われることが好ましい。また、キーパー本体とリテーナ
部とはフレキシブルダイアフラムによって接続されてお
り、キーパー本体、リテーナ部およびフレキシブルダイ
アフラムは圧力室の隔壁を構成し、研磨用定盤の表面に
対するキーパー本体およびリテーナ部各々の加工荷重の
生成あるいは接触、加圧の操作は、所定圧力を有する流
体の導入及び排出によって為されることが好ましい。ま
た、当該装置は、キーパー部を研磨用定盤の表面に対し
て垂直な軸を中心に回転するための回転機構、およびキ
ーパー部を研磨用定盤の表面に対して平行に揺動するた
めの駆動機構の少なくとも一方を有することが好まし
い。
明に係る研磨装置は、所定方向に長い被研磨物の被研磨
面を研磨する装置であって、被研磨物を保持するキーパ
ー本体を含むキーパー部と、被研磨面に接触してこれを
研磨する研磨用定盤とからなり、キーパー本体は、被研
磨面を研磨用定盤に押し付けるため、被研磨物における
被研磨面とは反対側の面に負荷される荷重を生成するた
めの流体を導入する流体導入ラインを複数有し、流体導
入ラインは、所定方向に並設されて被研磨面とは反対の
面に対して静圧荷重を付加することを特徴としている。
明に係る製造方法は、複数の磁気ヘッドスライダが長手
方向に一列または複数列にわたり連接されてなる、ウエ
ハを切断して得られるバーに対して、バーの被研磨面を
研磨してスライダ各々に所定の特性値を付与する磁気ヘ
ッドの製造方法であって、バーにおける被研磨面とは反
対側の面において、バーを治具の接合面に接合し、研磨
用定盤表面に対して被研磨面を接触させ、治具の接合面
とは反対側の面と対向する所定平面において、長手方向
における特定位置において所定圧力に制御された流体を
噴出させ、治具の接合面とは反対の面と所定平面との間
にエアギャップを形成し、これにより治具の接合面とは
反対の面に対して長手方向に略均一な静圧荷重を負荷
し、静圧荷重により、治具を介して被研磨面を研磨用定
盤に押圧し、被研磨面全体を略均等に研磨し、被研磨面
全体を略均等に研磨した後に、特定位置あるいは特定位
置とは異なる位置の何れかより所定圧力とは異なる圧力
に制御された流体を噴出させることによりエアギャップ
において静圧分布を生じさせ、これにより治具の接合面
とは反対の面に対して長手方向に分布を有する静圧荷重
を負荷し、分布を有する静圧荷重により、治具を介して
被研磨面を研磨用定盤に押圧し、被研磨面を前記静圧荷
重の分布に応じて研磨することを特徴としている。
明に係る製造方法は、複数の磁気ヘッドスライダが長手
方向に一列または複数列にわたり連接されてなる、ウエ
ハを切断して得られるバーに対して、バーの被研磨面を
研磨してスライダ各々に所定の特性値を付与する磁気ヘ
ッドの製造方法であって、バーにおける被研磨面とは反
対側の面において、バーを治具の接合面に接合し、研磨
用定盤表面に対して被研磨面を接触させ、治具の接合面
とは反対側の面と対向する所定平面において、長手方向
における特定位置において所定圧力に制御された流体を
噴出させ、治具の接合面とは反対の面と所定平面との間
にエアギャップを形成し、これにより治具の接合面とは
反対の面に対して長手方向に略均一な静圧荷重を負荷
し、且つ、治具の接合面とは反対の面に対して静圧荷重
を付加する際に、特定位置からの流体および特定位置と
は異なる位置から所定圧力とは異なる圧力に制御された
流体を噴出もしくは停止させることによりエアギャップ
において静圧分布を生じさせ、これにより治具の接合面
とは反対の面に対して長手方向に分布を有する静圧荷重
を負荷し、分布を有する静圧荷重により、治具を介して
被研磨面を研磨用定盤に押圧し、被研磨面を静圧荷重の
分布に応じて研磨することを特徴としている。
面を接触させる際に、治具は所定面に対して吸着され、
研磨用定盤表面上に搬送されることが好ましい。また、
被研磨面の研磨が終了後、治具を所定面に吸着させるこ
とにより、被研磨面を研磨用定盤表面より離間させて、
あるいは加工荷重の付加を停止させて研磨を停止させる
ことが好ましい。また、所定方向における静圧荷重の分
布の制御は、所定平面において、特定位置あるいは特定
位置とは異なる位置とは更に異なる位置であって且つ長
手方向とは異なる方向に形成される溝によっても為され
ることが好ましい。また、被研磨面の研磨を行う際に、
バーの略周囲に配置されたリテーナの研磨も同時に行う
ことが好ましい。また、被研磨面を研磨用定盤に対して
押圧して研磨を行う際に、研磨用定盤の表面に対して垂
直な軸を中心にバーを回転させる操作、および研磨用定
盤の表面に対して平行にバーを揺動させる操作の少なく
とも一方の操作を同時に行うことが好ましい。
明に係る研磨方法は、所定方向に長い被研磨物の被研磨
面を研磨する方法であって、被研磨物における被研磨面
とは反対側の特定面において、被研磨物を治具の接合面
に接合し、研磨用定盤表面に対して被研磨面を接触さ
せ、治具の接合面とは反対側の面と対向する所定平面に
おいて、所定方向における特定位置において流体を噴出
させ、これにより治具の接合面とは反対の面に所定方向
に分布を有する静圧荷重を付加し、治具を介して静圧荷
重により被研磨面を研磨用定盤に押圧し、静圧荷重の分
布に応じて被研磨面の研磨を行うことを特徴としてい
る。
ける縦断面の概略を図1に示す。また、バーを保持して
実際に研磨を行う当該研磨装置のキーパー部に関して、
その拡大図を図2に、軸方向における断面概略であっ
て、図1の断面に対して垂直な方向から見た構成の概略
を図3に示す。以下、これら図面を参照し、本発明に係
る研磨装置について詳述する。
加工荷重を付与する機構を有するキーパー部30、キー
パー部30と連結され且つこれを支持して回転等の駆動
が為される主軸1、研磨用定盤25、主軸1を回転可能
に支持する支持軸3、支持軸3と連結して支持軸3を軸
Cに沿って上下駆動させると共に軸Cを中心に支持軸3
を揺動させる駆動機構5、主軸1に固定された第一のプ
ーリ7、第一のプーリ7とベルト8によって連結される
第2のプーリ9、第二のプーリ9と連結されてこれを回
転させる回転機構10とから構成される。なお、軸C
(いわゆるオスカー軸)に関して主軸1と支持軸3とを
移動させる駆動機構5、及び減速器とモータとから構成
される回転機構10には、公知の機構が各々用いられる
ため、ここでの説明は省略する。
ーパー本体固定部材34、リテーナ部35、フレキシブ
ルダイアフラム28、第1および第2のキーパーケース
21、22から構成される。また、キーパー本体固定部
材34とキーパー本体31の上面31dとが、レキシブ
ルダイアフラム28を挟持することにより、キーパー本
体31はフレキシブルダイアフラム28に対して固定さ
れている。キーパー本体31は、研磨用定盤25と対向
する下面に、バー38あるいはバー38が接着剤等によ
り接合された治具40を位置決めし、収納するための収
納溝32を有している。
の対向面)における中心線が治具40の中心線と一致
し、且つその外周部が、治具40の外周より僅かに大き
くなるように構成されている。キーパー本体31の上面
から収納溝底面32aまでつながる貫通穴31bが、底
面32aの中心線に沿って、長手方向の中央部A0およ
びこの両側に所定の間隔を空けたA1〜A4の位置にそ
れぞれ設けられている(図4参照)。
リテーナ支持部36に対してその下方(研磨用定盤方
向)に固定された、セラミック或いはプラスチック等か
らなるリテーナ37、およびリテーナ固定部材33から
構成されている。また、リテーナ部35は、リテーナ支
持部36とリテーナ固定部材33とは、フレキシブルダ
イアフラム28を挟持することによって、フレキシブル
ダイアフラムに対して固定される。
いて、研磨用定盤25表面の研磨面25aと実際に接触
し、バー38と同時にリテーナ37の研磨も行われる。
これによりバー38の研磨時の姿勢を安定させる、ある
いは研磨用定盤表面25aの平面性について、その劣化
防止等を為すことが可能となる。また、収納溝32にバ
ー38および治具40を収容することにより、当該バー
38等が外部に飛び出すことを防止する。
ース21は、第2のキーパーケース22とによってダイ
アフラム28の外周部を挟持し、このダイアフラム28
を支持している。これにより、第1のキーパーケース2
1を介して、リテーナ部35、キーパー本体31等が主
軸1に支持されることとなる。その際、ダイアフラム2
8、キーパー本体31、リテーナ部35等とにより、圧
力室17の隔壁が構成され、ダイアフラム28等によっ
てこの圧力室17を形成するためシールの作用が為され
る。
述する流体導入ラインPWに接続されている。後述する
ようにこのダイアフラム28を介して、キーパー本体3
1とリテーナ部35とは独立して変位することが可能で
あることが好ましく、従って当該ダイアフラムには大き
な弾性変形能が求められる。一般的に、これら弾性変形
能等とシール性を単一材料にて得ることは困難であるた
め、弾性変形能等を板バネ等の素材により得ることと
し、シール性を例えば厚さ0.5mm以下の薄いプラスチ
ックシート等の柔軟性を擁する素材により得ることとす
るように、複数種類の素材にてダイアフラム28を構成
することが好ましい。
れない場合には、板バネに予め蛇腹を形成するあるいは
スリットを形成する等の加工を施すと良く、プラスチッ
クシートに関してはこれを複数枚用いること等を為すと
良い。本実施例においては、ダイアフラム28の上下両
面に、シートパッキン29としてプラスチックシートを
配置し、シール性を確保することとしている。
場合、ダイアフラム28の剛性が不足してキーパー本体
31およびリテーナ部35を支持し得ない、具体的に
は、キーパー本体31等の重量によってダイアフラム2
8の弾性域を越えた変形が生じ、下に凸の状態から回復
しなくなる場合も考えられる。この場合には、ダイアフ
ラム28の回復可能限界となる変形量以下に弾性変形を
規制するために、不図示のピンあるいは引っかけ金具等
を配してキーパー本体およびリテーナ部の下降量を機械
的に規制すると良い。
5とは、それぞれ独立してダイヤフラム28に固定され
ているため、圧力室17に加えられる圧力により、その
受圧面積に応じて、各々が独立して駆動することが可能
である。この場合、各部材の駆動方向に付加される圧力
のみを考慮すればよい。従って、ダイヤフラム28を境
界として、圧力室17内部におけるリテーナ固定部材3
3の上面33cと、リテーナ37の下面37aとの比率
に対し任意の差を設けることによって、リテーナ37の
定盤表面25aに対する加工荷重を調節することが可能
となる。
介して流体導入・真空ラインP0が、ロータリージョイ
ント13を介して流体導入ラインPWが、さらにロータ
リージョイント14を介して流体導入ラインPCがそれ
ぞれ接続されている。流体導入・真空ラインP0には、
所定圧力の流体、および流体導入ラインPCと同じに圧
力制御が為された流体それぞれが導入可能とされてお
り、さらに不図示の真空(発生)装置にも接続されてお
り当該ラインを真空ラインとしての使用することが可能
となっている。また、流体導入ラインPWは、中空部2
に接続されており、中空部2を介して圧力室17への流
体の導入が可能となっている。
Cは、ジョイントを介した後に分岐し、ピエゾ式のバル
ブV1〜V4にそれぞれ接続される。なお、図面におい
ては、ジョイント14から貫通穴31bまでの流体導入
系の理解を容易にするために、図2においてバルブV4
のみを示すこととしている。しかし、実際には圧力室1
7内部に各バルブV1〜V3も配置されており、図2中
において4つに分岐後の各ラインは各々のバルブに接続
され、その後対応する貫通穴31bに接続されている。
ンP0に導入される流体としては、例えば圧力を制御さ
れると共に温度調整、除湿等がなされ、さらに不純物、
ダスト等が除去されたクリーンエア、窒素ガス等が考え
られる。このクリーンエア等は、単一の供給源より供給
されている。この供給ラインは、流体導入・真空ライン
P0向けのP0系、および流体導入ラインPC向けのP
C系の各系に向けて分岐される。分岐後、各系における
流体の圧力は、各々専用のレギュレータによって所望の
圧力に制御され、圧力制御後の当該流体が流体導入・真
空ライン等において用いられる。なお、流体導入ライン
PWに導入される流体は、前述のようなクリーンエア等
である必要はなく、圧力制御が施された空気であれば良
い。
空部2に設けられたポリウレタン製、フッ素樹脂製等の
チューブ等からなる導通管51を介して、A0の位置に
空けられた穴31bには流体導入・真空ラインP0が接
続され、その他の位置A1〜A4に空けられた穴31b
には、分岐してバルブV1〜V4を介した後の流体導入
ラインPCがそれぞれ接続されている(図8参照)。な
お、図に示す各ラインは導通管51と同じチューブから
構成されており、キーパー本体31とチューブとの接続
部等には公知の継ぎ手を用いているが、継ぎ手に関する
説明は本発明と直接関係がないためここでの説明は省略
する。
研磨面38aとは反対側の面で、治具40の接合面40
bに接着剤等によって接合、固定されている。キーパー
本体31は、流体導入・真空ラインP0を真空ラインと
して用いることにより、A0位置の穴31bにおいて、
治具40を介してバー38を吸着保持することが可能で
ある。また、キーパー本体31は、A0〜A4の何れか
の位置に設けられた穴31bより流体を導入すること
で、治具におけるバー38との接着面40aとは反対側
の面40bと収納溝32の底面32aとの間にエアギャ
ップ69を形成する。当該エアギャップ69より面40
aに付加される静圧力によって、被研磨面38aを研磨
用定盤表面25aに対して押圧する。
た、貫通穴31bにおける開口位置A0〜A4、溝4
2、圧力勾配発生溝43について、底面32aを下方か
ら見た状態を示す図4を参照して述べる。貫通穴31b
の開口は径0.1〜2mmの大きさで、その開口位置は底
面32aの中心線に沿って、等間隔となるように配置さ
れている。
0.1〜2mm、深さ0.05〜0.5mmの溝42が形成
されており、溝42上に、溝42とは垂直な方向に、ラ
ビリンス溝効果等の流体計算に基づく幅と深さ等からな
る圧力勾配発生溝43が形成されている。圧力勾配発生
溝43は貫通穴31bの開口中心から所定の間隔を空け
て六本形成されている。なお、図4に示した溝42およ
び圧力勾配発生溝43の配置はあくまで一例であり、例
えば図5A〜5Dに示すような配置としても良く、さら
にはこれを無くすこととしても良い。
に素子等が形成されたバーを被研磨物38として研磨す
る手順について以下に述べる。なお、本発明に係る研磨
装置あるいは研磨方法を用いた研磨工程に取りかかる前
に、当該バーに対して、必要に応じて、研削、ラッピン
グ等の粗加工を施すことが好ましい。その後、本発明に
係る研磨装置あるいは方法を用いて、MRハイト等を所
定値とする研磨工程を行う。以下、研磨工程に関する記
述は、図1乃至3を参照として行う。
ける被研磨面38aとは反対の面に於いて、治具40に
対して接着剤等によって接合、固定され、被研磨面38
aが下方に向くようにして、所定位置に配置される。研
磨工程においては、先ず、駆動機構5によって、主軸1
と共にキーパー部30が持ち上げられ、治具40及びバ
ー38が置かれた所定位置まで移動される。治具40の
直上に、キーパー本体31に設けられた収納溝32を位
置決めさせた後、これを治具40に接近させる。
以下となった段階で、不図示の真空ポンプにより、流体
導入・真空ラインP0を真空ラインとして作動させる。
この操作によって、流体導入・真空ラインP0と接続さ
れた位置A0における貫通穴31bを介して、治具40
と収納溝底面32aとの間に負圧(真空)を発生させ
る。治具40は、この負圧によって収納溝底面32aに
よって吸着され、その結果、治具40がバー38と一体
で収納溝32に収容される。その後、駆動機構5に、こ
こまでと逆の動作を行わせ、キーパー部30を研磨用定
盤表面25aの上方の所定位置に移動させ、低速で下降
させる。
5aに接触し、移動時に下方に向いて凸の状態にあった
ダイアフラム28が定盤表面25aとほぼ平行となった
時点において、主軸1の降下が停止される。停止後、流
体導入・真空ラインP0による治具40の吸着を停止す
る。なお、この段階では、治具40はリンギングにより
溝部底面32aに密着保持されている。ここで、流体導
入・真空ラインP0より、所定圧力に制御されたクリー
ンエア等の流体を導入し、治具40を溝部底面32aよ
り離脱させて、被研磨面38aが研磨用定盤表面25a
に接触した状態とする。
7内部に所定圧力の流体を導入し、流体の導入に伴って
圧力室17内部の圧力を増加させ、圧力室17内部を所
定圧力とする。ラインPWからの流体の導入は研磨加工
中も継続され、圧力室17内部は加工中も所定圧力に維
持され続ける。この操作によって、バー38に対する主
たる加工荷重が付加されることとなる。その際、バーの
欠け等の観点から、リテーナ下面にのみ荷重が付加され
た状態で、不図示の駆動装置により研磨用定盤の回転運
動を行うことが好ましい。
空ラインP0からの流体導入後に、流体導入ラインPW
からの流体の導入を行うこととしているが、これら順序
は逆になっても良い。また、本実施例においては、この
状態において、溝部底面32aと治具40の上面40a
の間に、数10〜数100μmのエアギャップ69が形
成される。この状態で、バー38の研磨を行うことによ
り、被研磨面38a全面がほぼ均等に研磨される。
すなわちキーパー部30に回転(自転)運動をさせるこ
とが可能である。この回転運動を同時に行うことによ
り、従来技術において課題とされていた、被研磨面の平
面性および平滑性の向上や研磨痕の発生の防止等、ある
いは定盤上面の平面精度を高精度状態に長い期間維持す
ることが可能となる。また、主軸1の軸心回りの回転運
動を行うことが可能であるために、小さな研磨用定盤の
使用が可能となる。さらに、本発明においては、同時に
主軸1にC軸回りの揺動運動を行わせることも可能であ
る。当該揺動運動も同時に実施することにより、研磨用
定盤表面25aを全面にわたって効率よく使用すること
が可能となる。
入・真空ラインP0からの所定圧力とされた流体の導入
を停止する。その後、被研磨面38a上の各部分におけ
る要研磨量に応じて、例えば、流体導入ラインPCと同
圧力に制御された流体の位置A0に対しての導入あるい
は停止をバルブV0の開閉によって行う、あるいは位置
A1〜A4への流体の導入あるいは停止をバルブV1〜
V4の開閉によって行う等の操作が為される。なお、要
研磨量は、後述するように、素子におけるMR値等の種
々の値に基づいて検出される。
体導入・真空ラインのバルブを開とすることにより、当
該ラインに対応する位置A0〜A4それぞれに設けられ
た貫通穴31bの開口より、所定圧力の流体が治具上面
40aに供給され、エアギャップ69に所定の分布を有
する静圧が生じ、静圧荷重が治具上面40aに付加され
る。この静圧荷重は、治具40を介して、バー38の研
磨用定盤表面25aに対する加工荷重として作用する。
ここで、例として、特定ラインに対応するバルブの開閉
を行った場合における図4中の線A−A上での、治具4
0上の各対応点における静圧荷重の分布を図6および7
に示す。
バー38に付加される研磨用定盤表面25aに対する加
工荷重、特に各バー上に形成された素子部分近傍での加
工荷重に対応する。図6は、流体導入ラインPW、およ
び流体導入・真空ラインP0より流体を導入した状態で
の静圧分布を示し、図7は、流体導入ラインPW、およ
び流体導入ラインPCより位置A1およびA3に流体を
導入した状態での静圧分布をする。
より導入された、所定圧力に制御された流体によって、
A0と対応した位置において治具40が押圧され、この
位置に対応する部位に於いて被研磨面38aが研磨用定
盤表面25aに押し付けられる。さらに、治具上面40
aと溝部底面32aとの間のエアギャップ69の厚さに
対して、溝42の幅及び深さは充分に大きいため、導入
された流体はその大部分が溝42に沿って治具40の両
端方向に流れ、溝42の内部が当該流体により満たされ
る。
しての流体の流出が生じることから、その流出状態は治
具40の長さ方向においてほぼ均一な状態となる。その
結果、溝部42及び貫通穴31bの周辺及び外周部を除
く溝部底面32a上の全域において、ほぼ均一な静圧力
からなる静圧流体軸受面が形成される。治具40は当該
静圧軸受面から受ける静圧力によって、被研磨面38a
を、研磨用定盤表面25aに対してほぼ均等に押し付け
ることとなる。
び貫通穴31bの開口が、溝42上に存在する。これら
は、溝42を流れる流体に対してラビリンスとして作用
する。このため、流体の流路上、これら圧力勾配発生溝
43等の上流と下流とにおいて、流体の圧力の低下が生
じ、図6に示すような静圧分布が得られることとなる。
なお、実際の加工荷重の分布においては、流体導入ライ
ンPWから導入された流体により、A0位置から導入さ
れる流体から得られる静圧に比べて大きい加工荷重が、
圧力室17を介してキーパー本体31に付加されてい
る。従って、圧力室17よりキーパー本体31を介して
付加される圧力と、更に貫通穴13b各々より導入され
た流体より付加される静圧を加えた圧力とが合成され、
実際に治具40に対して加えられる加工荷重が形成され
る。
布は、これらプロファイルの理解を容易にするために加
工圧力の分布を強調した図である。一般に、研磨加工に
おける加工量Δは、Δ=kWV(k:比例常数、W:加
工荷重、V:研磨用定盤と被研磨物との相対速度)で示
される。本実施例においては、キーパー部30を回転運
動させることとしているため、A0近傍に対応する位置
と比較してバー38の両端部に近づくほど自転による周
速度が大きくなり、研磨用定盤に対する相対速度は大き
くなると考えられる。従って、図6に示す条件において
は、位置A0に対応する部分において、大きな加工荷重
が負荷され、且つその加工荷重がバー両端部に近づくほ
ど小さくなるように設定している。図6に示す静圧分布
を適切なものとするあるいは回転速度を適切なものとす
ることにより、被研磨面38aを全面にわたってほぼ均
等に研磨することが可能となる。
置に対応する部位に於いて、被研磨面38aの研磨用定
盤面25aに対する押しつけ圧が大きくなっている。な
お、本実施例におけるA1及びA3位置から導入される
流体は、流体導入ラインPCから分岐したものによるこ
とから、これら位置での静圧力のピーク値は互いに等し
くなっている。この状態で、研磨用定盤25を回転させ
続けて研磨を継続すると、図中における、位置A1及び
A3に対応した部分において、被研磨面38aが優先的
に研磨される。なお、当然のことながら、位置A1及び
A3に対応する部分の研磨速度に対しては、ここで述べ
た静圧荷重だけでなく、自転による周速差に基づいた対
応部分の研磨用定盤に対する相対速度の影響も付与され
ることとなる。
のおよびこの測定結果に基づく研磨工程の概略について
述べる。図8に、実際にバルブV1〜V4の開閉および
流体導入・真空ラインP0におけるPCラインと同圧力
に制御された流体の導入および停止を制御する際の、回
路構成の一例であるブロック図を示す。なお、同図中に
おいて、点線はいわゆる信号線を示し、実線は前述のP
0〜PCの各ラインに関する配管等を示している。例え
ば、実際に要研磨量を測定するための素子として、バー
38中に形成されたMR素子を用いる場合を考える。バ
ー38中に形成された複数のMR素子80各々に対し
て、不図示のコネクタを介してマルチプレクサ82が接
続される。なお、ここではMR素子としたが、当該素子
は、実素子であっても、要研磨量検出用の専用(いわゆ
るダミー)素子であっても良い。
御装置84とを選択的に接続し、当該制御装置84によ
って選択されたMR素子の現状における抵抗値が計測さ
れる。各々のMR素子の抵抗値を計測後、これら計測値
に基づいて各々のMR素子形成位置における要研磨量を
求める。更に、制御装置84は、求められた要研磨量の
分布を小さくするように、流体導入ラインPCにおける
バルブV1〜V4の開閉および流体導入・真空ラインP
0におけるバルブV0の開閉を行う。
時フィードバックしながら上述の研磨工程を実行するこ
とによって、バー38上に形成された各MR素子等を所
定の特性値に合致させることが可能となる。なお、研磨
時においては、スズなどの軟質金属あるいは合成樹脂か
らなる研磨用定盤表面25aは回転され、且つダイアモ
ンド等の研磨砥粒を含む研磨加工液がこの上に滴下され
ており、この状態の定盤表面25aに対して被研磨面3
8aを押し付けることで研磨が行われる。研磨終了後、
必要に応じて、磁気記録媒体回転時に磁気ヘッドを良好
に浮上させるためのレール等、所定形状の不図示の凹凸
部が、バー38上にさらに形成される。その後、被研磨
面等にDLC(ダイアモンド状炭素膜)等を保護膜として
形成し、素子部毎に切断され、切断後の個々の部材が磁
気ヘッドスライダとして用いられる。
に対する加工荷重を発生させる流体としてクリーンエア
を用いているが、本発明はこれに限定されず窒素等の種
々の気体、純水等の種々の液体等、一般的に流体と呼ば
れるものを用いることが可能である。また、当該流体を
バーの保持部に対して導入する際の位置(貫通穴の形成
位置)、開口径あるいは個数等、溝の幅、深さあるいは
溝の形成位置等、さらには圧力勾配発生溝の数、幅、深
さ、あるいはその形成位置等は、本実施例に限定されな
い。具体的には、エアギャップの厚さ、得ようとする静
圧の大きさ、あるいは流体の粘度、比重等の特性に基づ
く静圧軸受の理論計算に応じ随時変更されることが望ま
しい。
オフのバルブのみを用いる構成としているが、例えばP
0ラインやバルブV1〜V4以降のラインに対して圧力
調整器等を付加し、各ラインに対しての流体の導入時圧
力を調節することで、バー上の各部での押しつけ圧の調
整を行うこととしても良い。あるいは、流体導入ライン
PCにおける圧力調整器を2系統用にPCAおよびP
CB(不図示)を有するものとし、各々系統から別個に
流体をV0〜V4に供給可能とする構成としても良い。
当然のことながら、系統数等はこれら例示の構成に限定
されない。当該構成に限らず、バーに対する加工荷重を
効果的且つ正確に変化させることが可能なように、オン
オフ等に用いるバルブは、キーパー本体に極力近づけ
て、管路における圧力損失の影響を少なくする配置とす
ることが好ましい。この場合、制御部の軽量小型化を図
るために、バルブには小型のピエゾバルブ等を用いるこ
とが好ましい。
具に接着してこれらを被研磨物として取り扱い、治具4
0を介して加工荷重を負荷することとしている。しか
し、バー38の被研磨面と反対の面(治具との接合面)
にて、これを保持することが可能である場合には、治具
40を無くす構成としても良い。更に、本実施例におい
ては、まず被研磨面38a全面をほぼ均一に研磨した後
に、分布修正の研磨を行うこととしているが、本発明は
これに限定されず、当初から分布を修正しながら研磨を
行うこととしても良い。
ッドの製造装置及び製造方法においては、押しつけ圧を
発生させる圧力流体を直接受ける面の平坦度のみを高め
た平板状の治具を用いて、被研磨物(バー)の研磨加工
を行うことが可能である。従って、本発明によれば、複
雑な形状を有する高価な加工用治具は必要ない。
用定盤表面に押し付ける場合の押しつけ圧の発生に際し
て、従来技術のように複数のシリンダーあるいはアクチ
ュエータ等の複雑且つ大きな装置構成を要しない。この
ため、装置構成を簡単且つコンパクトなものとすること
が可能となり、従来装置では困難であった被研磨物の研
磨用定盤に対する自転、揺動等の駆動を行うことが可能
となる。さらに、同様の理由から、研磨用定盤自体も従
来構成と比較して小径のものを用いることが可能とな
る。また、リテーナを同時研磨することによって、定盤
表面の平面度を良好に保つことが可能となり、高い精度
を長期間維持しながら研磨加工を行うことが可能とな
る。さらに、被研磨面を基準として研磨工程が進行する
ことから、従来技術と比較して、被研磨物の平坦性の向
上が図れる。
周囲に対して陽圧となり、当該空間からその外部に向か
う加圧流体の流れが存在する。このため当該空間におけ
るダストあるいは研磨工程を経て劣化した懸濁液は、容
易にその外部に排出される。さらに、本発明によれば、
被研磨物は、治具を介して真空吸着によってキーパーに
保持することが可能であるため、研磨工程の自動化、お
よび複数のバーの同時取り扱いが可能となる。
造装置は、その構成がコンパクトであり、主軸すなわち
被研磨物の自転および揺動を容易に行えるという特性が
ある。従って、従来装置のように、一研磨用定盤につい
ては一被研磨物の研磨工程にしか対処し得ないという構
成ではなく、一研磨用定盤について複数の被研磨部の研
磨を同時に行うという構成を構築することが可能とな
る。当該構成について、以下図面を参照して述べる。
つのキーパー部30を対応させた例を示す。図は、研磨
用定盤25を含め、当該装置を上方より見た場合の構成
の概略を示している。同図に於いて、キーパー部30を
保持する主軸1が、各々別個の駆動機構5によって研磨
用定盤25上の異なる位置に揺動可能に支持されてい
る。当該構成とすることにより、複数の被研磨物を、単
一の研磨用定盤を用いて同時に研磨することが可能とな
る。なお、用いるキーパーの数は二つに限られず、揺動
時に主軸1各々が干渉することがなければ、さらに増や
すことが可能である。
に複数の被研磨物を保持することを可能とした構成を示
す。図は、主軸1に保持されたキーパー部30を、研磨
用定盤側から見た場合に観察される構成の概略を示して
いる。キーパー本体31に複数(図中では四つ)の収納
溝32を形成し、複数の被研磨物38の同時保持及び同
時研磨を可能としている。図に示すように、研磨用定盤
表面と接触するリテーナ37は、これら収納溝32全て
の外周を包み、且つ収納溝32各々の間にも存在して被
研磨物相互の干渉を防止する構成となっている。なお、
当該変形例のように四つのバーの研磨を同時に行った場
合、例えば、その内の一つだけが先に研磨が終了してし
まう場合がある。
のバーを保持する収納溝32に接続される流体導入・真
空ラインP0からの流体の導入を停止すると共に、流体
導入ラインにおけるバルブV0〜V4を閉じて流体の導
入を停止しする。続いて、さらに流体導入・真空ライン
P0を真空系ラインとして用いることで、当該バーを溝
部底面32aに真空吸着させて定盤表面25との接触を
無くす、あるいは加工荷重を無くすことにより当該バー
の研磨のみを停止させることが可能である。
するものであるが、本発明に係る装置構成あるいは方法
は、例えば一方向に長い短冊状の被研磨物において、そ
の一側面を研磨する場合に関しても適応可能である。
工用治具を用いて、容易に、且つバーの研磨面の平面度
を維持しながら、バー上の各素子に対して、精度良くM
Rハイト等を得ることが可能となる。
磨装置に関し、軸方向の断面の概略構成を示す図であ
る。
である。
を示す拡大図である。
ンの開口及び溝等に関し、その位置関係の概略を示す図
である。
配発生溝のその他の形成例を示す図である。(B)流体
導入ラインの開口及び溝と圧力勾配発生溝のその他の形
成例を示す図である。(C)流体導入ラインの開口及び
溝と圧力勾配発生溝のその他の形成例を示す図である。
(D)流体導入ラインの開口及び溝と圧力勾配発生溝の
その他の形成例を示す図である。
る静圧分布(被研磨物に対して負荷される研磨用定盤表
面に対する加工荷重の分布)を示す図である。
る静圧分布(被研磨物に対して負荷される研磨用定盤表
面に対する加工荷重の分布)を示す図である。
−加工荷重分布の補正を行うための回路構成を示すブロ
ック図である。
その構成の一変形を示す図である。
し、その構成の一変形を示す図である。
Claims (19)
- 【請求項1】 複数の磁気ヘッドスライダが長手方向に
一列または複数列にわたり連接されてなる、ウエハを切
断して得られるバーに対して、前記バーの被研磨面を研
磨して前記磁気ヘッドスライダ各々に所定の特性値を付
与する磁気ヘッドの製造装置であって、 前記バー、あるいは前記バーにおける前記被研磨面とは
反対側の面と接合面にて接合された治具、の何れかから
なる被研磨物を保持するキーパー本体を含むキーパー部
と、 前記被研磨面に接触してこれを研磨する研磨用定盤とか
らなり、 前記キーパー本体は、前記被研磨面を前記研磨用定盤に
押し付けるため、前記被研磨物における被研磨面とは反
対側の面に対して付加荷重を付加するための流体を導入
する流体導入ラインを複数有し、前記流体導入ライン
は、前記長手方向に並設されることを特徴とする磁気ヘ
ッドの製造装置。 - 【請求項2】 前記キーパー部は圧力室をさらに有し、
前記キーパー本体は前記圧力室を形成する変形可能な隔
壁において保持され、前記被研磨面を前記研磨用定盤に
押し付ける際の付加荷重の主たる成分が前記圧力室内部
の圧力によることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッ
ドの製造装置。 - 【請求項3】 前記流体は、前記被研磨面と反対側の面
に対して静圧荷重を付加することを特徴とする請求項1
または2記載の磁気ヘッドの製造装置。 - 【請求項4】 前記流体導入ラインは、前記被研磨物
を、前記被研磨面とは反対側の面にて吸着可能とするよ
うに、真空装置に接続されたラインを含むことを特徴と
する請求項1乃至3何れかに記載の磁気ヘッドの製造装
置 - 【請求項5】 前記キーパー本体は、前記被研磨物にお
ける前記被研磨面と反対側の面と対向する所定面に前記
流体導入ラインの開口部を有することを特徴とする請求
項1または2記載の磁気ヘッドの製造装置。 - 【請求項6】 前記キーパー本体は、前記被研磨物にお
ける前記被研磨面と反対側の面と対向する所定面におい
て、前記流体導入ラインの開口部の全てまたは一部を通
り前記長手方向に延在する溝を有することを特徴とする
請求項2または5記載の磁気ヘッドの製造装置。 - 【請求項7】 前記キーパー本体は、前記所定面におい
て、前記開口部とは異なる位置であって且つ前記溝の延
在方向とは異なる方向に延在する圧力勾配発生溝とを有
することを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッドの製造
装置。 - 【請求項8】 前記キーパー部は、前記研磨用定盤の表
面に於いて前記キーパー本体を略囲むように配置された
リテーナ部をさらに有し、前記研磨用定盤の表面に対す
る前記リテーナ部の平均的な加工荷重の生成と、前記研
磨用定盤の表面に対する前記キーパー本体の接触および
加圧の操作とは独立して行われることを特徴とする請求
項1記載の磁気ヘッドの製造装置。 - 【請求項9】 前記キーパー本体と前記リテーナ部とは
フレキシブルダイアフラムによって接続されており、前
記キーパー本体、リテーナ部およびダイアフラムは圧力
室の隔壁を構成し、前記研磨用定盤の表面に対する前記
キーパー本体及び前記リテーナ部各々の加工荷重の生成
あるいは接触、加圧の操作は、前記圧力室に対する所定
圧力を有する流体の導入及び排出によって為されること
を特徴とする請求項8記載の磁気ヘッドの製造装置。 - 【請求項10】 前記キーパー部を前記研磨用定盤の表
面に対して垂直な軸を中心に回転するための回転機構、
および前記キーパー部を前記研磨用定盤の表面に対して
平行に揺動するための駆動機構の少なくとも一方を有す
ることを特徴とする請求項1または2記載の磁気ヘッド
の製造装置 - 【請求項11】 所定方向に長い被研磨物の被研磨面を
研磨する装置であって、 前記被研磨物を保持するキーパー本体を含むキーパー部
と、 前記被研磨面に接触してこれを研磨する研磨用定盤とか
らなり、 前記キーパー本体は、前記被研磨面を前記研磨用定盤に
押し付けるため、前記被研磨物における被研磨面とは反
対側の面に負荷される荷重を生成するための流体を導入
する流体導入ラインを複数有し、前記流体導入ライン
は、前記所定方向に並設されて前記被研磨面とは反対の
面に対して静圧荷重を付加することを特徴とする研磨装
置。 - 【請求項12】 複数の磁気ヘッドスライダが長手方向
に一列または複数列にわたり連接されてなる、ウエハを
切断して得られるバーに対して、前記バーの被研磨面を
研磨して前記スライダ各々に所定の特性値を付与する磁
気ヘッドの製造方法であって、 前記バーにおける前記被研磨面とは反対側の面におい
て、前記バーを治具の接合面に接合し、 研磨用定盤表面に対して前記被研磨面を接触させ、 前記治具の接合面とは反対側の面と対向する所定平面に
おいて、前記長手方向における特定位置において所定圧
力に制御された流体を噴出させ、前記治具の前記接合面
とは反対の面と前記所定平面との間にエアギャップを形
成し、これにより前記治具の前記接合面とは反対の面に
対して前記長手方向に略均一な静圧荷重を負荷し、 前記静圧荷重により、前記治具を介して前記被研磨面を
前記研磨用定盤に押圧し、前記被研磨面全体を略均等に
研磨し、 前記被研磨面全体を略均等に研磨した後に、前記特定位
置あるいは前記特定位置とは異なる位置の何れかより前
記所定圧力とは異なる圧力に制御された流体を噴出させ
ることにより前記エアギャップにおいて静圧分布を生じ
させ、これにより前記治具の前記接合面とは反対の面に
対して長手方向に分布を有する静圧荷重を負荷し、 前記分布を有する静圧荷重により、前記治具を介して前
記被研磨面を前記研磨用定盤に押圧し、前記被研磨面を
前記静圧荷重の分布に応じて研磨することを特徴とする
磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項13】 複数の磁気ヘッドスライダが長手方向
に一列または複数列にわたり連接されてなる、ウエハを
切断して得られるバーに対して、前記バーの被研磨面を
研磨して前記スライダ各々に所定の特性値を付与する磁
気ヘッドの製造方法であって、 前記バーにおける前記被研磨面とは反対側の面におい
て、前記バーを治具の接合面に接合し、 研磨用定盤表面に対して前記被研磨面を接触させ、 前記治具の接合面とは反対側の面と対向する所定平面に
おいて、前記長手方向における特定位置において所定圧
力に制御された流体を噴出させ、前記治具の前記接合面
とは反対の面と前記所定平面との間にエアギャップを形
成し、これにより前記治具の前記接合面とは反対の面に
対して前記長手方向に略均一な静圧荷重を負荷し、 且つ、前記治具の前記接合面とは反対の面に対して前記
静圧荷重を付加する際に、前記特定位置からの流体およ
び前記特定位置とは異なる位置から前記所定圧力とは異
なる圧力に制御された流体を噴出もしくは停止させるこ
とにより前記エアギャップにおいて静圧分布を生じさ
せ、これにより前記治具の前記接合面とは反対の面に対
して長手方向に分布を有する静圧荷重を負荷し、 前記分布を有する静圧荷重により、前記治具を介して前
記被研磨面を前記研磨用定盤に押圧し、前記被研磨面を
前記静圧荷重の分布に応じて研磨することを特徴とする
磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項14】 前記研磨用定盤表面に対して前記被研
磨面を接触させる際に、前記治具は前記所定面に対して
吸着され、前記研磨用定盤表面上に搬送されることを特
徴とする請求項12または13記載の磁気ヘッドの製造
方法。 - 【請求項15】 前記被研磨面の研磨が終了後、前記治
具を前記所定面に吸着させることにより、前記被研磨面
を前記研磨用定盤表面より離間させて、あるいは加工荷
重の付加を停止させて、前記研磨を停止させることを特
徴とする請求項12または13記載の磁気ヘッドの製造
方法。 - 【請求項16】 前記所定方向における前記静圧荷重の
分布の制御は、前記所定平面において、前記特定位置あ
るいは前記特定位置とは異なる位置とは更に異なる位置
であって且つ前記長手方向とは異なる方向に形成される
溝によっても為されることを特徴とする請求項12また
は13記載の磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項17】 前記被研磨面の研磨を行う際に、前記
バーの略周囲に配置されたリテーナの研磨も同時に行う
ことを特徴とする請求項12または13記載の磁気ヘッ
ドの製造方法。 - 【請求項18】 前記被研磨面を前記研磨用定盤に対し
て押圧して研磨を行う際に、前記研磨用定盤の表面に対
して垂直な軸を中心に前記バーを回転させる操作、およ
び前記研磨用定盤の表面に対して平行に前記バーを揺動
させる操作の少なくとも一方の操作を同時に行うことを
特徴とする請求項12または13記載の磁気ヘッドの製
造方法。 - 【請求項19】 所定方向に長い被研磨物の被研磨面を
研磨する方法であって、 前記被研磨物における前記被研磨面とは反対側の特定面
において、前記被研磨物を治具の接合面に接合し、 研磨用定盤表面に対して前記被研磨面を接触させ、 前記治具の接合面とは反対側の面と対向する所定平面に
おいて、前記所定方向における特定位置において流体を
噴出させ、これにより前記治具の前記接合面とは反対の
面に前記所定方向に分布を有する静圧荷重を付加し、 前記治具を介して前記静圧荷重により前記被研磨面を前
記研磨用定盤に押圧し、前記静圧荷重の分布に応じて前
記被研磨面の研磨を行うことを特徴とする研磨方法。
Priority Applications (1)
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