JP3648114B2 - 薄膜磁気ヘッド素材研磨装置および研磨用冶具ならびにスライダの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材の研磨を行うための薄膜磁気ヘッド素材研磨装置および研磨用冶具、ならびに薄膜磁気ヘッド素材を用いてスライダを製造するスライダの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置等に用いられる浮上型薄膜磁気ヘッドは、一般的に、後端部に薄膜磁気ヘッド素子が形成されたスライダによって構成されるようになっている。スライダは、一般的に、表面が媒体対向面(エアベアリング面)となるレール部を有すると共に、空気流入側の端部近傍にテーパ部またはステップ部を有し、テーパ部またはステップ部より流入する空気流によってレール部が磁気ディスク等の記録媒体の表面からわずかに浮上するようになっている。
【0003】
スライダは、一般に、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分(以下、スライダ部分と言う。)が複数列に配列されたウェハを一方向に切断して、スライダ部分が一列に配列されたバーと呼ばれる素材を形成し、このバーを切断して各スライダに分離することによって製造される。バーにおける媒体対向面となる面(以下、便宜上、媒体対向面と言う。)には、バーが形成された後または形成される前において、ラッピング、レール部の形成等の加工が施される。
【0004】
ところで、従来、バーの媒体対向面の加工およびウェハからのバーの切り出しの方法として、以下のような方法があった。この方法では、例えば米国特許第5,406,694号の第7図に示されるように、ウェハから、数列分のスライダ部分を含む所定の長さのブロックを切り出し、このブロックにおける媒体対向面とは反対側の面を所定の治具に接着することによりブロックを治具に固定し、この治具に固定されたブロックにおける媒体対向面の加工を行った後、ブロックより、媒体対向面の加工が済んだバーを切り出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では、ブロックにおける媒体対向面とは反対側の面を冶具に接着、固定して、媒体対向面の加工を行う。この場合、ブロックにおける媒体対向面とは反対側の面の状態が、媒体対向面のプロファイルにも影響を及ぼす。従って、ブロックにおける媒体対向面とは反対側の面が、ウェハを切断したときの切断面のままであると、この面の平面度が悪く、その結果、媒体対向面を精度よく加工することができず、媒体対向面のプロファイルが劣化するという問題点があった。
【0006】
また、上記の方法では、ブロックより順次、バーを切り出していくと、最後に、スライダ部分が一列に配列されたブロックが冶具に残ることになる。このとき、ブロックにおいて冶具に接着、固定されている面の平面度が悪かったり、最後に冶具に残るブロックの厚みがばらついていたりすると、最後に冶具に残るブロックを使用してスライダを形成することができない場合が生じるという問題点があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、スライダ部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材を用いて媒体対向面の加工を行う場合において、素材における媒体対向面の加工の精度を向上させることができるようにした薄膜磁気ヘッド素材研磨装置および研磨用冶具ならびにスライダの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置は、
それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行う研磨手段と、
素材における媒体対向面となる面とは反対側の面が研磨手段によって研磨されるように、素材を保持する研磨用治具と
を備えたものである。
【0009】
本発明の研磨装置では、研磨用治具によって素材が保持され、研磨手段によって、素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨が行われる。
【0010】
本発明の研磨装置は、更に、研磨手段による素材の研磨量を検出する検出手段と、検出手段によって検出される研磨量が所定の値になるように研磨手段を制御する制御手段とを備えていてもよい。検出手段は、素材の厚みに応じて変化する位置を検出することによって素材の研磨量を検出してもよい。
【0011】
また、本発明の研磨装置において、研磨用治具は、複数の素材を一括して保持してもよい。この場合、研磨用治具は、それぞれ素材が接合される複数の素材保持具と、複数の素材保持具を収容する収容部と、収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有していてもよい。また、研磨用治具は、更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有していてもよい。また、研磨手段は定盤を有し、研磨用冶具は、定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が研磨用冶具の回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持してもよい。
【0012】
本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨用冶具は、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行うために素材を保持する治具であって、複数の素材を一括して保持するものである。
【0013】
本発明の研磨用冶具は、それぞれ素材が接合される複数の素材保持具と、複数の素材保持具を収容する収容部と、収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有していてもよい。本発明の研磨用冶具は、更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有していてもよい。また、本発明の研磨用冶具は、定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持してもよい。
【0014】
本発明のスライダの製造方法は、
それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材を形成する工程と、
薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行う工程と、
媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨の後に、薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面に対して所定の加工を行う工程と、
加工後の薄膜磁気ヘッド素材を切断して、加工後の1列分のスライダとなる部分からなるスライダ集合体を形成する工程と、
スライダ集合体を切断してスライダを形成する工程と
を含むものである。
【0015】
本発明のスライダの製造方法において、媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行う工程では、素材の研磨量を検出し、この研磨量が所定の値になるように研磨を制御するようにしてもよい。この場合、素材の厚みに応じて変化する位置を検出することによって素材の研磨量を検出してもよい。
【0016】
また、本発明のスライダの製造方法において、媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行う工程では、研磨用治具によって複数の素材を一括して保持して、複数の素材について同時に研磨を行うようにしてもよい。この場合、研磨用治具は、それぞれ素材が接合される複数の素材保持具と、複数の素材保持具を収容する収容部と、収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有するものであってもよい。また、研磨用治具は、更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有するものであってもよい。また、研磨用冶具は、定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が研磨用冶具の回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持するものであってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド素材研磨装置(以下、単に研磨装置と言う。)の全体構成を示す正面図である。図2は図1に示した研磨装置の右側面図、図3は図1に示した研磨装置の要部を一部切り欠いて示す正面図である。
【0018】
本実施の形態に係る研磨装置は、被作材の研磨加工を行う装置本体1と、被作材に関する情報や加工の条件の入力や種々の表示を行うためのコントロールパネル2とを備えている。本実施の形態において、被作材は、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分(以下、スライダ部分と言う。)が複数列に配列されたブロック状の薄膜磁気ヘッド素材(以下、ブロックと言う。)である。本実施の形態に係る研磨装置は、このブロックにおける媒体対向面となる面(以下、便宜上、媒体対向面と言う。)とは反対側の面の研磨加工を行う。また、本実施の形態において、研磨加工はラッピングである。装置本体1は、回転する定盤3と、定盤3の側方に設けられた垂直軸4と、垂直軸4に対して垂直方向および水平方向(前後方向)に移動可能に連結されたアーム5とを有している。
【0019】
アーム5には、スプライン軸6が垂直方向に移動可能に取り付けられている。スプライン軸6の下端部には、図3に示したように、研磨用治具30が取り付けられるようになっている。研磨用治具30は、各ブロック20における媒体対向面とは反対側の面が研磨されるように、複数のブロック20を一括して保持するようになっている。また、スプライン軸6の上端部近傍には重り8が取り付けられている。
【0020】
また、図3に示したように、アーム5には、基準位置を検出する基準位置センサ11と、研磨によって変化するブロック20の厚みに対応した位置を検出するブロック厚みセンサ12とが取り付けられている。基準位置センサ11は、定盤3の外周部よりも外側の位置に配置されている。ブロック厚みセンサ12は、研磨用冶具30の上方の位置に配置されている。基準位置センサ11の下方には、基準位置を示すためのブロック状の基準ベース13が設けられている。基準位置センサ11は、基準位置として、基準ベース13の上面の位置を検出するようになっている。ブロック厚みセンサ12は、研磨によって変化するブロック20の厚みに対応した位置として、研磨用冶具30の上面の位置を検出するようになっている。
【0021】
基準位置センサ11とブロック厚みセンサ12は、接触式のセンサでもよいし、非接触式のセンサでもよい。接触式のセンサとしては、TESA社製、“TESA Module”等が使用可能である。非接触式のセンサとしては、ADE社製、“マイクロセンス”等が使用可能である。また、加工中にセンサ11,12近傍の温度が変化する場合があるので、センサ11,12としては温度特性のよいものを使用するのが好ましい。温度特性のよいセンサとしては、例えばガラススケール式センサ(例えばユニオンツール社製)がある。
【0022】
次に、図4ないし図7を参照して、本実施の形態に係る研磨用冶具30について説明する。図4は研磨用冶具30の平面図、図5は図4におけるA−A´線断面図、図6は図4に示した研磨用冶具30の底面図、図7は図6におけるB−B´線断面図である。
【0023】
研磨用冶具30は、それぞれ角柱形状をなし、下端部にブロック20が接合される10個のブロック保持具31と、この10個のブロック保持具31を収容する収容部材32と、この収容部材32に収容された10個のブロック保持具31を幅方向に押圧して固定する固定部材33と、各ブロック保持具31によって保持された各ブロック20のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する10個の位置調整部材34とを有している。
【0024】
収容部材32は、3種類の部材32a,32b,32cを組み合わせることによって構成されている。部材32aは板状をなしている。部材32bは、部材32aの下側にねじ等によって結合されている。また、部材32bには、10個の位置調整部材34を収容するための空間が形成されている。部材32cは、部材32bの下側にねじ等によって結合されている。部材32cは、長方形の各一辺をなす位置に配置された4つの部材32c1,32c2,32c3,32c4からなっている。このうち、部材32c1と部材32c2が互いに対向する位置に配置され、部材32c3と部材32c4が互いに対向する位置に配置されている。これら4つの部材32c1,32c2,32c3,32c4によって囲まれた部分には、10個のブロック保持具31を収容する収容部が形成されている。
【0025】
10個のブロック保持具31は、収容部内において、互いに平行に、且つ研磨用冶具30の回転の中心を通らない位置に配置されている。具体的には、5個1組のブロック保持具31は部材32c1に突き当てられるように配置され、残りの5個1組のブロック保持具31は部材32c2に突き当てられるように配置されている。そして、これら2組のブロック保持具31の間に固定部材33が配置されている。
【0026】
図7に示したように、各ブロック保持具31には、幅方向に貫通する孔31aが形成されている。この孔31aには、この孔31aの内径よりも数mm程度小さい外形のピン39が挿通されている。このピン39の両端部は部材32c1,32c2によって保持されている。この孔31aとピン39とによって、各ブロック保持具31は、収容部より脱落しないように、収容部材32によって緩く保持されている。
【0027】
固定部材33は、上下方向に貫通する2つの雌ねじが形成されていると共に保持具31と平行に配置された三角柱形状の部材33aと、この部材33aの両側に配置された2つの部材33bと、部材32bに形成された孔を通って部材33aの雌ねじに螺入された2つの雄ねじ33cとを含んでいる。図示しないが、部材33aと2つの部材33bには、これらを図5における左右方向に貫通する孔が形成されている。この孔には、孔の内径よりも数mm程度小さい外形の連結棒が挿通されている。この孔と連結棒とによって、部材33aと2つの部材33bは、互いに相対的に数mm程度動けるように緩く連結されている。各部材33bにおける部材33aとは反対側の面は、それぞれ各組のブロック保持具31のうちの最も内側に配置されたブロック保持具31に当接するようになっている。
【0028】
この固定部材33では、雄ねじ33cを締め付けることにより、部材33aが引き上げられ、この部材33aによって2つの部材33bが押し広げられる。その結果、各部材33bによって、各組の5個ずつのブロック保持具31が幅方向外側に押圧され、10個のブロック保持具31は、各部材33bと部材32c1,32c2とによって挟み込まれて一括して固定され、保持される。
【0029】
図7に示したように、部材32bには、各ブロック保持具31の上側の位置に、それぞれ2つの孔が形成されている。各位置調整部材34は、各位置調整部材34に対応する位置において部材32bに形成された2つの孔に挿入された2つのピン34aと、この2つのピン34aを連結する連結部34bとを含んでいる。部材32aには、各連結部34bの長手方向の中央における上側の位置に、それぞれ雌ねじが形成されている。各位置調整部材34は、この部材32aの雌ねじに螺入された雄ねじ34cを含んでいる。この雄ねじ34cの先端部(下端部)は、連結部34bに当接している。連結部34bと部材32bとの間には板ばね35が設けられている。
【0030】
また、部材32c3,32c4の下端部には、それぞれ、ブロック20の位置合わせのための3つダミーブロック36が接合されている。
【0031】
また、部材32aの中心部分には、図3に示したように、スプライン軸6の下端部に設けられたピン6aが挿入される孔38が形成されている。
【0032】
次に、研磨用冶具30に対してブロック20を固定する手順について説明する。まず、被作材であるブロック20の媒体対向面をブロック保持具31の下端面に接着して、ブロック20をブロック保持具31に固定する。次に、それぞれブロック20が固定された10個のブロック保持具31を、5個ずつの2組に分け、それぞれを、収容部材32の部材32c1,32c2と固定部材33の部材33b,33bとの間に収納する。次に、ブロック保持具31が落下しない程度に雄ねじ33cを締め付けて、10個のブロック保持具31を仮止めする。
【0033】
次に、オプティカルフラット等の平面度の高い盤上にて、部材32c3,32c4の下端部に接合されたダミーブロック36の下端面と、10個のブロック保持具31に接合された10個のブロック20の下端面とが同一平面上に配置されるように、位置調整部材34等によって、10個のブロック保持具31の上下方向の位置すなわち10個のブロック20の厚み方向の位置を独立に調整する。
【0034】
次に、各位置調整部材34の2つのピン34aの下端部が各ブロック保持具31の上端部に接触するまで、雄ねじ34cを締め付ける。これにより、各ブロック保持具31の上方への移動が制限され、ブロック20の位置が維持される。最後に、雄ねじ33cを締め付けて、10個のブロック保持具31を収容部材32に対して完全に固定する。
【0035】
このようにして10個のブロック20が固定された研磨用冶具30は、図3に示したように、研磨装置のスプライン軸6の下端部に回転自在に取り付けられ、定盤3の回転につれて回転されるようになっている。
【0036】
図8は、本実施の形態に係る研磨装置の回路構成を示すブロック図である。この図に示したように、研磨装置は、定盤3やアーム5を駆動する駆動部15と、この駆動部15を制御する制御部16とを備えている。制御部16には、コントロールパネル2と基準位置センサ11とブロック厚みセンサ12とが接続されている。制御部16は、コントロールパネル2より入力された被作材の情報や加工の条件等に応じて駆動部15を制御すると共に、基準位置センサ11によって検出される基準位置とブロック厚みセンサ12によって検出される位置とに基づいてブロックの研磨量を認識し、ブロックの研磨量が所定の値になるように駆動部15を制御する。また、制御部16は、認識したブロックの研磨量等の情報をコントロールパネル2に表示させる。制御部16は、例えばコンピュータによって構成される。また、制御部16は本発明における制御手段に対応する。
【0037】
次に、本実施の形態に係る研磨装置の作用について説明する。本実施の形態に係る研磨装置では、ブロック20の研磨を行う前に、以下のような調整動作を行う。この調整動作では、スプライン軸6の下端部に、既知の基準の厚みを有する研磨用冶具30を取り付け、この研磨用冶具30を定盤3の上面に接触させる。次に、基準位置センサ11によって、基準位置として基準ベース13の上面の位置を検出すると共に、ブロック厚みセンサ12によって、研磨用冶具30の上面の位置を検出する。制御部16は、各センサ11,12によって検出される位置の情報に基づいて、基準位置と研磨用冶具30の上面の位置との相対的な位置関係を認識し、記憶する。なお、調整動作は、定盤3を停止させて行ってもよいし、回転させて行ってもよいが、後述する理由から回転させて行うのが好ましい。また、調整は、研磨動作の前に毎回行う必要はなく、適度の頻度で行えばよい。
【0038】
ブロックの研磨時には、図3に示したように、研磨用冶具30によって保持されたブロック20が定盤3に接触し、定盤3が回転することでブロック20が研磨される。研磨動作中には、基準位置センサ11によって基準位置が検出されると共に、ブロック厚みセンサ12によって研磨用冶具30の上面の位置が検出される。制御部16は、各センサ11,12によって検出される位置の情報に基づいて、基準位置と研磨用冶具30の上面の位置との相対的な位置関係を認識する。そして、この位置関係を、調整動作によって認識し記憶した位置関係と比較することにより、ブロック20の厚みおよび研磨量を認識する。
【0039】
次に、図9の流れ図を参照して、ブロック20の研磨作業の手順について説明する。この研磨作業では、まず、ブロック20を研磨用冶具30に固定する(ステップS101)。なお、ここで使用する研磨用冶具30の厚みは、調整時に使用した研磨用冶具30と同じであり、既知である。次に、図3に示したように、研磨用冶具30を研磨装置に固定する(ステップS102)。次に、コントロールパネル2より、ブロック20の長さ、数等のブロック20に関する情報や研磨の条件を入力する。研磨の条件の入力には、ブロック20の所望の研磨量の設定が含まれる。次に、ブロック20の研磨および研磨量認識動作を行う(ステップS103)。研磨動作では、研磨用冶具30によって保持されたブロック20が定盤3に接触し、定盤3が回転することでブロック20が研磨される。研磨動作中、制御部16は、入力された情報や条件に応じて駆動部15を制御すると共に、基準位置センサ11によって検出される基準位置とブロック厚みセンサ12によって検出される位置とに基づいてブロック20の研磨量を認識する。次に、制御部16は、ブロック20の研磨量が、設定された値に達したか否かを判断することによって、研磨を終了するか否かを判断し(ステップS104)、研磨を終了しない場合(N)には、ステップS103を続行する。ブロック20の研磨量が、設定された値に達し、研磨を終了する場合(ステップS104;Y)には、研磨装置による研磨が終了する。最後に、ブロック20の厚み測定と評価を行い(ステップS105)、研磨作業を終了する。
【0040】
センサ11,12が非接触式のセンサの場合には、加工動作中におけるセンサ11,12による位置の検出は、連続的に行ってもよいし間欠的に行ってもよい。センサ11,12が接触式のセンサの場合には、センサ11,12の磨耗を抑制するために、加工動作中におけるセンサ11,12による位置の検出は間欠的に行うのが好ましい。センサ11,12による位置の検出を間欠的に行う場合には、図3に示したように、アーム5を上下方向に移動させて、位置の検出を行うときにのみセンサ11,12をそれぞれ基準ベース13、研磨用冶具30に接触させるようにする。
【0041】
また、加工動作中におけるセンサ11,12による位置の検出を間欠的に行う場合には、ブロック20の研磨量が設定値に近づくに従って検出の周期を段階的に短くするようにしてもよい。
【0042】
また、センサ11,12の検出値に基づいてブロック20の厚みおよび研磨量を測定する場合、1回の測定につきセンサ11,12による位置の検出を複数回行い、複数の検出値に基づいて制御部16によって統計的手法を用いた演算を行ってブロック20の厚みおよび研磨量を求めるようにしてもよい。これにより、ブロック20の絶対的な厚みおよび研磨量をより精度よく認識することが可能になる。
【0043】
例えば、定盤3の回転時には、定盤3や研磨用冶具30のうねりにより、研磨用冶具30の上面の位置にもうねりが生じる場合がある。そこで、センサ11,12の検出値に基づいて認識されるブロック20の厚みおよび研磨量がうねりによって変動することを防止するために、以下のようにしてブロック20の厚みおよび研磨量を認識するようにしてもよい。まず、調整動作は、定盤3を回転させながら行う。このとき、定盤3の回転位置を示す信号を発生させ、この信号に基づいてセンサ11,12の検出タイミングを決定することによって、定盤3の複数の回転位置においてセンサ11,12による位置の検出を行う。これにより、うねりを含めた研磨用冶具30の上面の絶対的な位置、すなわち定盤3の回転位置と研磨用冶具30の上面の絶対的な位置との対応関係を認識する。この対応関係は、例えば、横軸を定盤3の回転位置とし、縦軸を研磨用冶具30の上面の絶対的な位置としたときに正弦曲線で表される。研磨動作中も同様にして、定盤3の複数の回転位置においてセンサ11,12による位置の検出を行い、うねりを含めた研磨用冶具30の上面の絶対的な位置、すなわち定盤3の回転位置と研磨用冶具30の上面の絶対的な位置との対応関係を認識する。この対応関係も例えば正弦曲線で表される。そして、調整動作時に認識された対応関係と、研磨動作中に認識された対応関係とを比較することにより、うねり成分が除去されたブロック20の絶対的な厚みおよび研磨量を精度よく認識することができる。調整動作時に認識された対応関係と、研磨動作中に認識された対応関係とを比較する際には、2つの対応関係(例えば2つの正弦曲線)の相関を求める等して、互いに対応する部分を正確に求めてそれらを比較するようにしてもよい。
【0044】
次に、図10ないし図16を参照して、本発明の一実施の形態に係るスライダの製造方法、すなわち、ウェハから、本実施の形態に係る研磨装置の被作材であるブロック20を経て、スライダが製造されるまでの工程を説明する。
【0045】
この工程では、まず、薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダ部分が複数列に配列された円板状のウェハより、互いに幅の異なる複数種類のブロックを切り出す。図10は、このブロックの切り出し方の一例を示したものである。この例では、ウェハ101より、3種類のブロック111A,111B,111Cを切り出している。図10において、スライダ部分の列は左右方向に延び、このスライダ部分の列が上下方向に複数並んでいる。また、ブロック111A,111B,111Cの幅とは、図10においてブロック111A,111B,111Cの左右方向の長さである。ブロック111A,111B,111Cの中では、ブロック111Aの幅が最も大きく、次にブロック111Bの幅が大きく、ブロック111Cの幅が最も小さくなっている。各ブロック111A,111B,111Cは、それぞれ、複数列に配列されたスライダ部分を含み一定の幅を有する。
【0046】
次に、ブロック111(111A,111B,111Cを代表する。)において媒体対向面とは反対側の面を、本実施の形態に係る研磨装置によって、所定量だけ研磨する。なお、ブロック111は、図1ないし図9を用いた説明中におけるブロック20に対応する。
【0047】
次に、図11に示したように、研磨後のブロック111における媒体対向面131とは反対側の面を加工用の冶具132に接合する。
【0048】
次に、図12に示したように、冶具132に接合されたブロック111における媒体対向面131に対して、研削装置を用いた研削(グラインディング)や研磨装置を用いた研磨(ラッピング)等を行い、MRハイトやスロートハイトを正確に規定する。なお、MRハイトとは、MR(磁気抵抗)素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)を言う。また、スロートハイトとは、誘導型磁気変換素子における磁極部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)を言う。
【0049】
次に、図13に示したように、研磨された媒体対向面131が傷ついたり腐食したりしないように、媒体対向面131に帯状の保護部材134を貼り付ける。
【0050】
次に、図14に示したように、媒体対向面131を保護部材134で覆った状態で、切断装置によって、媒体対向面131を含む1列分のスライダ部分が残りのブロック111より分離されるようにブロック111を切断する。ブロック111より分離された1列分のスライダ部分は、加工後の1列分のスライダ部分からなるバー141となる。ブロック111の残りがある限り、媒体対向面の加工と切断は繰り返し実行される。
【0051】
次に、保護部材134は、適当な大きさに切断される。そして、バー141における媒体対向面とは反対側の面に対してラッピングが施される。このラッピングにより、最終的なスライダの厚みや媒体対向面のプロファイルが管理される。
【0052】
次に、図15に示したように、複数のバー141を並べて配置し、バー141の媒体対向面に対してエッチング用のフォトレジストパターンを形成し、このフォトレジストパターンを用いてバー141をドライエッチングによってエッチングして、バー141における媒体対向面にレール部を形成する。
【0053】
次に、図16に示したように、レール部が形成された複数のバー141を並べてICテープ150に貼り付け、切断装置によって、バー141を切断して、スライダ151を形成する。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ブロック20を用いて媒体対向面の加工を行う場合において、ブロック20における媒体対向面とは反対側の面を研磨した後、ブロック20における媒体対向面の加工を行うようにしたので、ブロック20における媒体対向面の加工の精度を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、ブロック20より順次、バーを切り出していったときに最後に残る1列分のスライダ部分からなるブロックについても、厚みや媒体対向面のプロファイルを適切に管理することができ、最後に残る1列分のスライダ部分からなるブロックを有効に利用することができる。
【0055】
ところで、被作材の研磨量を制御する方法として、従来は、例えば、研磨加工時間を制御する方法が用いられていた。この場合の研磨加工作業では、作業者が被作材の厚みを測定し、所望の研磨量と研磨レートに基づいて研磨加工時間を算出し、その時間を研磨装置に設定して素材の研磨加工を行う。この研磨加工作業では、加工の精度を高くするため、作業者は、途中で1回以上、加工を停止して被作材の厚みを測定し、研磨加工時間を調整していた。
【0056】
しかしながら、このように研磨加工時間を制御して被作材を加工する方法では、定盤やスラリー等の状態、被作材の数や長さ、作業者の熟練度等による加工のばらつきが大きくなり、加工精度が低いという問題点がある。
【0057】
また、研磨加工時間を制御して被作材を研磨加工する方法では、作業者が何度も被作材の厚みの測定と研磨加工を繰り返し行う必要があり、更に、測定のために被作材を洗浄する工程も必要となり、工数が増え、作業効率が悪くなるという問題点がある。
【0058】
また、研磨加工時間を制御して被作材を研磨加工する方法では、被作材がブロック20である場合には、測定と研磨加工を繰り返し行う際のハンドリング時に、静電放電(ESD)によるGMR(巨大磁気抵抗)膜等の薄膜の破壊等のブロック20の破損が生じるおそれがあるという問題点がある。
【0059】
これに対し、本実施の形態によれば、ブロック20の絶対的な厚みおよび研磨量を認識して、ブロック20の研磨量が所定の値になるように自動的に研磨を行うようにしたので、ブロック20に対して所望の研磨量になるように自動的に研磨加工を施すことができると共に、定盤3やスラリー等の状態、ブロック20の数や長さ、作業者の熟練度等にかかわらず、精度よくブロック20の研磨加工を行うことができる。
【0060】
また、本実施の形態では、基準位置を検出する基準位置センサ11と、加工によって変化するブロック20の厚みに対応した位置を検出するブロック厚みセンサ12とを設け、両センサ11,12の検出情報に基づいてブロック20の絶対的な厚みおよび研磨量を認識するようにしている。従って、本実施の形態によれば、機械制御系の精度を必要以上に高くすることなく、センサ11,12の検出情報を比較することによって容易にブロック20の絶対的な厚みおよび研磨量を精度よく認識することができ、その結果、研磨加工の精度を向上させることができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、ブロック20の絶対的な厚みおよび研磨量を精度よく認識できることから1回の研磨加工工程で所望の研磨量だけブロック20を研磨加工することができるので、研磨加工作業の効率を向上させることができると共に、ハンドリング時のブロック20の破損を防止することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、研磨加工前のブロック20の厚みの測定および設定が不要になることから、作業者による測定および設定の誤りも発生しない。
【0063】
また、本実施の形態によれば、2つのセンサ11,12を同一のアーム5に取り付けたので、定盤3の停止時と回転時のいずれのときにおいても2つのセンサ11,12の位置関係を一定に保つことができる。これにより、ブロック20の絶対的な厚みおよび研磨量の認識精度をより高くすることができ、研磨加工の精度をより向上させることができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、研磨用冶具30によって、複数のブロック20を一括して保持するようにしたので、研磨作業の効率を向上させることができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、研磨用治具30が、複数のブロック保持具31を収容する収容部と、収容部に収容された複数のブロック保持具31を幅方向に押圧して固定する固定部材33とを有するようにしたので、長さや厚みの異なる複数のブロック20を同時に研磨することが可能になる。そのため、研磨加工前に、寸法に応じてブロック20をグループ分けする必要がなく、研磨作業の効率を向上させることができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、研磨用治具30が、複数のブロック20のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材34を有するようにしたので、厚みの異なる複数のブロック20の位置を容易に調整し且つ維持することができる。
【0067】
ところで、研磨用冶具30が定盤3の上方で回転する場合、研磨用冶具30におけるブロック20の位置によってブロック20の研磨量が変化する。特に、研磨用冶具30の回転中心の近傍の位置と外周近傍の位置とでは研磨量の差が大きい。従って、研磨用冶具30の回転の中心を通る位置に配置されたブロック20があると、このブロック20内において位置によって研磨量に差が生じると共に、このブロック20と他の位置に配置されたブロック20との間でも研磨量に差が生じる。
【0068】
これに対し、本実施の形態によれば、全てのブロック20を研磨用冶具30の回転の中心を通らない位置に配置したので、各ブロック20内における位置による研磨量の差や、複数のブロック20間における研磨量の差を抑制することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、研磨装置は、2つのセンサ11,12を用いて研磨量を検出するものに限らず、1つのセンサを用いて研磨量を検出するものであってもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置によれば、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行うようにしたので、素材における媒体対向面の加工の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0071】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置において、素材の研磨量を検出し、この研磨量が所定の値になるように研磨手段を制御するようにした場合には、研磨の精度と研磨作業の効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0072】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置によれば、研磨用治具が複数の素材を一括して保持するようにしたので、複数の素材を同時に研磨することができ、その結果、研磨作業の効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0073】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置によれば、研磨用治具が、複数の素材保持具を収容する収容部と、収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有するようにしたので、長さや厚みの異なる複数の素材を同時に研磨することが可能になるという効果を奏する。
【0074】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置において、研磨用治具が、更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有するようにした場合には、厚みの異なる複数の素材の位置を容易に調整し且つ維持することができるという効果を奏する。
【0075】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置において、研磨用冶具が、定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が研磨用冶具の回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持するようにした場合には、各素材内における位置による研磨量の差や、複数の素材間における研磨量の差を抑制することができるという効果を奏する。
【0076】
本発明の薄膜磁気ヘッド素材研磨用冶具によれば、それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行うために素材を保持すると共に、複数の素材を一括して保持するようにしたので、素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行うことにより、素材における媒体対向面の加工の精度を向上させることが可能になると共に、複数の素材を同時に研磨でき、その結果、研磨作業の効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0077】
また、本発明の研磨用冶具によれば、複数の素材保持具を収容する収容部と、収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有するようにしたので、長さや厚みの異なる複数の素材を同時に研磨することが可能になるという効果を奏する。
【0078】
また、本発明の研磨用冶具において、更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有するようにした場合には、厚みの異なる複数の素材の位置を容易に調整し且つ維持することができるという効果を奏する。
【0079】
また、本発明の研磨用冶具において、定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が研磨用冶具の回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持するようにした場合には、各素材内における位置による研磨量の差や、複数の素材間における研磨量の差を抑制することができるという効果を奏する。
【0080】
本発明のスライダの製造方法によれば、薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行った後に、素材における媒体対向面となる面の加工を行うようにしたので、素材における媒体対向面の加工の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0081】
また、本発明のスライダの製造方法において、素材の研磨量を検出し、この研磨量が所定の値になるように研磨を制御するようにした場合には、研磨の精度と研磨作業の効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0082】
また、本発明のスライダの製造方法によれば、研磨用治具が複数の素材を一括して保持するようにしたので、複数の素材を同時に研磨でき、その結果、研磨作業の効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0083】
また、本発明のスライダの製造方法によれば、研磨用治具が、複数の素材保持具を収容する収容部と、収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有するようにしたので、長さや厚みの異なる複数の素材を同時に研磨することが可能になるという効果を奏する。
【0084】
また、本発明のスライダの製造方法において、研磨用治具が、更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有するようにした場合には、厚みの異なる複数の素材の位置を容易に調整し且つ維持することができるという効果を奏する。
【0085】
また、本発明のスライダの製造方法において、研磨用冶具が、定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が研磨用冶具の回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持するようにした場合には、各素材内における位置による研磨量の差や、複数の素材間における研磨量の差を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る研磨装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】図1に示した研磨装置の右側面図である。
【図3】図1に示した研磨装置の要部を一部切り欠いて示す正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る研磨用冶具の平面図である。
【図5】図4におけるA−A´線断面図である。
【図6】図4に示した研磨用冶具の底面図である。
【図7】図6におけるB−B´線断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る研磨装置の回路構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る研磨装置を用いた研磨作業の手順を示す流れ図である。
【図10】本発明の一実施の形態におけるスライダの製造工程を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態におけるスライダの製造工程を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態におけるスライダの製造工程を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態におけるスライダの製造工程を示す説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態におけるスライダの製造工程を示す説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態におけるスライダの製造工程を示す説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態におけるスライダの製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1…装置本体、2…コントロールパネル、3…定盤、4…垂直軸、5…アーム、6…スプライン軸、11…基準位置センサ、12…被作材厚みセンサ、13…基準ベース、15…駆動部、16…制御部、20…ブロック、30…研磨用冶具、31…ブロック保持具、32…収容部材、33…固定部材、34…位置調整部材。
Claims (13)
- それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行うための薄膜磁気ヘッド素材研磨装置であって、
研磨手段を含む装置本体と、
前記素材を保持し、前記素材における媒体対向面となる面とは反対側の面が前記研磨手段に接触して研磨されるように、前記装置本体に取り付けられる研磨用治具とを備え、
前記研磨用治具は、それぞれ素材が接合される複数の素材保持具と、複数の素材保持具を収容する収容部と、前記収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有し、複数の素材を一括して保持することを特徴とする薄膜磁気ヘッド素材研磨装置。 - 更に、
前記研磨手段による前記素材の研磨量を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出される研磨量が所定の値になるように前記研磨手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置。 - 前記検出手段は、前記素材の厚みに応じて変化する位置を検出することによって前記素材の研磨量を検出することを特徴とする請求項2記載の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置。
- 前記研磨用治具は、更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置。
- 前記研磨手段は定盤を有し、
前記研磨用冶具は、前記定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が研磨用冶具の回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド素材研磨装置。 - それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行うために前記素材を保持する薄膜磁気ヘッド素材研磨用治具であって、
それぞれ素材が接合される複数の素材保持具と、複数の素材保持具を収容する収容部と、前記収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有し、複数の素材を一括して保持することを特徴とする薄膜磁気ヘッド素材研磨用冶具。 - 更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有することを特徴とする請求項6記載の薄膜磁気ヘッド素材研磨用冶具。
- 定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持することを特徴とする請求項6または7記載の薄膜磁気ヘッド素材研磨用冶具。
- それぞれ薄膜磁気ヘッド素子を含むスライダとなる部分が複数列に配列された薄膜磁気ヘッド素材を形成する工程と、
前記薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行う工程と、
媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨の後に、前記薄膜磁気ヘッド素材における媒体対向面となる面に対して所定の加工を行う工程と、
加工後の前記薄膜磁気ヘッド素材を切断して、加工後の1列分のスライダとなる部分からなるスライダ集合体を形成する工程と、
前記スライダ集合体を切断してスライダを形成する工程と
を含み、
前記媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行う工程では、研磨用治具によって複数の素材を一括して保持して、複数の素材について同時に研磨を行い、
前記研磨用治具は、それぞれ素材が接合される複数の素材保持具と、複数の素材保持具を収容する収容部と、前記収容部に収容された複数の素材保持具を幅方向に押圧して固定する固定部材とを有するものであることを特徴とするスライダの製造方法。 - 前記媒体対向面となる面とは反対側の面の研磨を行う工程では、前記素材の研磨量を検出し、この研磨量が所定の値になるように研磨を制御することを特徴とする請求項9記載のスライダの製造方法。
- 前記素材の厚みに応じて変化する位置を検出することによって前記素材の研磨量を検出することを特徴とする請求項10記載のスライダの製造方法。
- 前記研磨用治具は、更に、複数の素材のそれぞれの厚み方向の位置を独立に調整し且つ維持する複数の位置調整部材を有するものであることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載のスライダの製造方法。
- 前記研磨用冶具は、定盤の上方で回転すると共に、全ての素材が研磨用冶具の回転の中心を通らない位置に配置されるように複数の素材を保持するものであることを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載のスライダの製造方法。
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