JP2003219756A - 人工漁礁設備および人工漁礁 - Google Patents

人工漁礁設備および人工漁礁

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JP2003219756A JP2002017126A JP2002017126A JP2003219756A JP 2003219756 A JP2003219756 A JP 2003219756A JP 2002017126 A JP2002017126 A JP 2002017126A JP 2002017126 A JP2002017126 A JP 2002017126A JP 2003219756 A JP2003219756 A JP 2003219756A
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】材料費が安く、魚の居住性を向上させることが
でき、居住エリアを拡大させ多くの魚が居住させること
ができ、軟質地盤の海底に設置しても沈下せず、従来廃
棄されていたFRP製品を有用な人工漁礁に再生するこ
とができる人工漁礁設備および人工漁礁を提供する。 【解決手段】自然に生育している自然藻場71より深い
海底に、捨石を材料とする捨石マウンド72が設けら
れ、捨石マウンド72の上面に人工漁礁1が固定され、
この人工漁礁1が、藻育成用土を収容するための藻場ス
テージ30を備えており、この人工漁礁1の藻場ステー
ジ30の水深を、自然に生育している自然藻場71の水
深と同じ深さとし、人工漁礁1が配設された海底より深
い海底に、この人工漁礁より大きな成魚用漁礁74が配
設され、人工漁礁1と自然藻場71との間に、人工磯7
3が設けられた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工漁礁設備およ
び人工漁礁に関する。
【0002】
【従来の技術】魚が住むことができる海底の深さは決ま
っており、あまり深い水深の海底にはほとんどの魚が住
むことができない。また、外敵から身を守るために隠れ
る場所がないと、魚は住むことができない。そこで、従
来より人工漁礁を海底に設置することにより、魚が住め
る居住空間を魚に提供している。従来の人工漁礁は、コ
ンクリートや鋼材等の建材で構築されているので、頑強
であり、海底に長期間設置することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の人工
漁礁には、以下の(i)〜(vi)の問題がある。 (i)従来の人工漁礁は、材料がコンクリートや鋼材等
であり、材料費用が高い。 (ii)従来の人工漁礁は、魚が隠れる場所を提供できる
ので、ある程度の居住性はあるが、酸素は多いとはいえ
ず産卵場としての機能が十分でなく、藻が群生する藻場
の居住性に比べれば、従来の人工漁礁の居住性は格段に
低い。 (iii) 従来の人工漁礁には、魚の成長に応じて幼魚およ
び成魚のいずれにとっても快適な居住空間を提供できる
ものはない。魚の居住空間は、幼魚の場合と成魚の場合
とでは、快適な条件が異なる。幼魚の場合、餌は少量で
よいので、外敵から身を守ることが第一の居住条件とな
るが、成魚の場合大きくなった分、外敵の数が相対的に
減るので、餌を確保しやすいことが第一の居住条件とな
るのである。従来の人工漁礁は、いずれかの条件を欠い
ており、魚の居住性としては低いのである。 (iv)従来の人工漁礁の場合、住居エリアは人工漁礁の
周囲におけるごく狭い範囲であるから、多くの魚が居住
することができない。 (v)従来の人工漁礁は、コンクリート等の建材で構築
されているので、重い。このため、従来の人工漁礁を軟
質地盤の海底に設置すると、自重によって沈下してしま
い、漁礁としての役割を果せなくなってしまうという問
題がある。 (vi)一方、ガラス繊維強化熱硬化性樹脂(以下FRP
という)製の漁船やプレジャーボート等のFRP製品を
廃棄する場合、FRP製品の廃棄処理が必要であり、廃
棄処理のコストがかかるという問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑み、材料費が安
く、魚の居住性を向上させることができ、藻の生育エリ
アおよび魚の居住エリアを拡大させ多くの幼魚および成
魚を居住させることができ、軟質地盤の海底に設置して
も沈下せず、従来廃棄されていたFRP製品を有用な人
工漁礁に再生することができる人工漁礁設備および人工
漁礁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の人工漁礁設備
は、自然に生育している自然藻場より深い海底に、捨石
を材料とする捨石マウンドが設けられ、該捨石マウンド
の上面に人工漁礁が固定されたことを特徴とする。請求
項2の人工漁礁設備は、請求項1記載の発明において、
前記人工漁礁が、藻育成用土を収容するための藻場ステ
ージを備えており、該人工漁礁の藻場ステージの水深
を、自然に生育している自然藻場の水深と同じ深さとし
たことを特徴とする。請求項3の人工漁礁設備は、請求
項1または2記載の発明において、前記人工漁礁が配設
された海底より深い海底に、該人工漁礁より大きく、内
部に魚が身を隠すための隠棲スペースを備えた成魚用漁
礁が配設されたことを特徴とする。請求項4の人工漁礁
設備は、請求項1、2または3記載の発明において、前
記人工漁礁と自然藻場との間に、人工磯が設けられたこ
とを特徴とする。請求項5の人工漁礁は、人工漁礁であ
って、該人工漁礁の上面に、藻育成用土を収容するため
の藻場ステージが設けられたことを特徴とする。請求項
6の人工漁礁は、請求項5記載の発明において、幼魚育
成スペースを備え、該幼魚育成スペースが網で囲まれて
おり、該網に自然石が固定されたことを特徴とする。請
求項7の人工漁礁は、請求項5または6記載の発明にお
いて、素材がガラス繊維強化熱硬化性樹脂製のFRP製
品を再生した再生FRP製の建材であることを特徴とす
る。
【0006】請求項1の発明によれば、捨石マウンドに
より水深を浅くすることにより、深い海底では住めない
魚が住めるようになり、人工漁礁によって、魚の居住空
間を広げることができ、捨石は自然の石材なので海生生
物との親和性が高く、材料費用が安価である。請求項2
の発明によれば、人工漁礁の上面に藻場ステージを設
け、この藻場ステージの水深を自然に生育している自然
藻場の水深と同じ深さにすることにより、藻場ステージ
に収容される藻育成用土に藻を生育させることができ
る。よって、人工漁礁の藻場ステージに藻場を形成する
ことができ、この藻場により魚が隠れやすくなり、酸素
が供給され、好適な産卵場として機能するから、魚の居
住性を向上させることができる。請求項3の発明によれ
ば、人工漁礁の藻場ステージ上の藻場を幼魚の居住空間
として提供でき、成魚用漁礁を成魚の居住空間として提
供できる。よって、幼魚から成魚まで魚の成長に応じて
好適な居住空間を魚に提供することができ、魚の居住性
を向上させることができる。請求項4の発明によれば、
人工漁礁の藻場ステージに生育する藻場と自然藻場との
間に、人工磯を設けることにより、この人工磯を両者の
藻場に生育する魚の渡橋として機能させることができ
る。よって、両者の藻場間で魚を往来させることがで
き、魚の居住空間を拡大することができる。請求項5の
発明によれば、藻場ステージに収容される藻育成用土に
藻を生育させ藻場を形成させることができ、この藻場に
より魚が隠れやすくなり、酸素が供給され、好適な産卵
場として機能するから、魚の居住性を向上させることが
できる。請求項6の発明によれば、自然石に魚が卵を産
み付けることができ、卵や卵からかえった幼魚を網によ
って外敵から保護することができるので、快適な居住空
間を魚に提供することができる。請求項7の発明によれ
ば、再生FRP製の建材を主材料としているから、FR
P製品の廃棄処理が不要となり、廃棄予定のFRP製品
を資源として再生することができる。しかも、軽量かつ
頑強であるから、海底に長期間設置することができ、軟
質地盤に設置してもコンクリート製の漁礁と比べて沈下
しない。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図1は本実施形態の人工漁礁設備の
概略模式図である。同図において、符号71は海底で自
然に生育している自然藻場を示している。この自然藻場
71より深い海底には、捨石を積み上げた捨石マウンド
72が設けられている。このため、捨石マウンド72に
より水深を浅くすることにより、深い海底では住めない
魚が住めるようになる。しかも、捨石マウンド72は、
捨石は自然の石材なので海生生物との親和性が高く、安
価な捨石を積み上げたものであるから、材料費用が安価
である。
【0008】前記捨石マウンド72の上面には、複数の
人工漁礁1が固定されている。図2は人工漁礁1の概略
斜視図である。図3は図2のIII-III 線断面斜視図であ
る。図2〜図3に示すように、人工漁礁1は、底板1
0、フレーム20、藻場ステージ30および自然石40
から構成されたものである。
【0009】底板10は、FRP製の型枠の内部に、再
生FRPが充填され、型枠の表面に、石板が貼り付けら
れたものである。再生FRPは、古くなったり使わなく
なったFRP製の漁船やプレジャーボート等の従来廃棄
されていたFRP製品を破砕機によって破砕し、破砕さ
れたFRP片に、ポリエステル樹脂ならびにスチレン等
の固化材を混合した樹脂である。この底板10は、主原
料が再生FRPであるから軽量であり、型枠がFRP製
であるから頑強である。なお、前記型枠はFRP製だけ
でなく、鋼製のものであってもよい。
【0010】底板10の上面には、フレーム20が設け
られている。フレーム20は、柱21、網22および天
板23から構成されたものである。柱21および天板2
3は、前記底板10と同様に、FRP製または鋼製の型
枠の内部に、再生FRPが充填された建材であるから、
軽量かつ強固である。人工漁礁1を構成している底板1
0、柱21および天板23が、再生FRP製の建材を主
材料としているから、FRP製品の廃棄処理が不要とな
り、廃棄予定のFRP製品を資源として再生することが
できる。しかも、軽量かつ頑強であるから、海底に長期
間設置することができ、軟質地盤に設置しても沈下しな
い。
【0011】前記底板10と天板23との間には、これ
らの部材と4本の柱21および4枚の網22で囲まれた
幼魚育成スペースSが形成されている。各柱21はいず
れも、底板10と天板23との間に立設され固定されて
いる。底板10と天板23の間において隣接する柱2
1,21間には、網22がそれぞれ取り付けられてい
る。網22は、金網や合成樹脂製の網、網目の大きさが
100〜250[mm]程度のものを使用すればよく、網22の
網目より大きな魚が幼魚育成スペースSに入り込むのを
防止することができる。網22には、その内側に、花崗
岩等の自然石40が接着剤またはアンカーによって固定
されている。自然石40は、角を丸めた自然石が好適で
あるが、特に素材に限定はない。かかる構成により、自
然石40に魚が卵を産み付けることができ、卵や卵から
かえった幼魚を網22によって外敵から保護することが
できるので、快適な居住空間を魚に提供することができ
る。
【0012】つぎに、藻場ステージ30を説明する。前
記天板23の上面における周端縁には、石板製の囲い壁
31が取り付けられており、この囲い壁31と前記天板
23の上面により、藻場ステージ30が構成されてい
る。この藻場ステージ30には、藻を生成させるため
に、自然藻が既に生育している場所の低質土や礫、石類
等の藻育成用土が収容される。囲い壁31は石板である
から、藻が囲い壁31に付着しやすくなるので好適であ
る。人工漁礁1は、その藻場ステージ30の水深が前記
自然藻場71の水深と同じになるように設置されてい
る。
【0013】上記のごとく、人工漁礁1の上面に藻場ス
テージ30を設け、この藻場ステージ30の水深を自然
に生育している自然藻場71の水深と同じ深さにするこ
とにより、藻場ステージ30に収容される藻育成用土に
藻を生育させることができる。よって、人工漁礁1の藻
場ステージ30に藻場を形成することができ、この藻場
により居住性を向上させることができる。
【0014】なお、図5に示すように、天板23の上面
に囲い壁31を設けずに、天板23の上面に藻場ステー
ジ30として石板32を貼り付けてもよい。石板32
は、素材が石であるから、表面に藻が付着しやすくなり
藻場が形成されやすくなるので好適である。
【0015】上記のごとく、捨石マウンド72により水
深を浅くすることにより、深い海底では住めない魚が住
めるようになり、人工漁礁1によって、魚の居住空間を
広げることができる。
【0016】再び図1に示すように、前記自然藻場71
と捨石マウンド72との間には、人工磯73が設けられ
ている。この人工磯73は、花崗岩等の自然石をいくつ
か海底に設置したものである。このため、人工漁礁1の
藻場ステージ24に生育する藻場と自然藻場71との間
に、人工磯73を設けることにより、この人工磯73を
両者の藻場に生育する魚の渡橋として機能させることが
できる。よって、両者の藻場間で魚を往来させることが
でき、魚の居住空間を拡大することができる。
【0017】前記捨石マウンド72が配設された海底よ
り深い海底に、人工漁礁1より大きな成魚用漁礁74が
配設されている。図4は成魚用漁礁74の概略斜視図で
ある。同図に示すように、この成魚用漁礁74は多数の
棒材81を図示しないジョイントで結合したものであ
り、前記人工漁礁1より大きく、内部に魚が身を隠すた
めの隠棲スペース82が形成されており、成長した成魚
にとっては餌を確保しやすい形状である。このため、人
工漁礁1の藻場ステージ30上の藻場を幼魚の居住空間
として提供でき、成魚用漁礁74を成魚の居住空間とし
て提供できる。よって、幼魚から成魚まで魚の成長に応
じて好適な居住空間を魚に提供することができ、居住性
を向上させることができる。なお、棒材81は、石材製
が好適であり、この場合海生生物との親和性が高い。
【0018】上記のごとく、本実施形態の人工漁礁設備
によれば、材料費が安く、魚の居住性を向上させること
ができ、居住エリアを拡大させ多くの魚が居住させるこ
とができ、軟質地盤の海底に設置しても沈下せず、従来
廃棄されていたFRP製品を有用な人工漁礁に再生する
ことができるという効果を奏する。
【0019】つぎに、他の実施形態の人工漁礁1B〜1
Hを説明する。図6は第2実施形態の人工漁礁1Bの概
略斜視図である。同図に示すように、第2実施形態の人
工漁礁1Bは、底板10の上面に、フレーム20B が設け
られ、フレーム20B の内部に自然石40が収容されたも
のである。人工漁礁1Bにおける底板10および自然石
40は、前記人工漁礁1における底板10および自然石
40と実質同様のものである。
【0020】そこで、フレーム20B を説明する。フレー
ム20B は、H型鋼などの型鋼で組み合わされた型枠21B
に、網22が取り付けられたものである。フレーム20B
の内部には、自然石40が収容されている。第2実施形
態の人工漁礁1Bの場合、海生生物との親和性が高い自
然石40が取り付けられているので、既存のコンクリー
ト漁礁に比べ、コケやふじつぼ等が付き易く、魚が産卵
しやすく、稚魚が効果的に育ち易い居住空間を提供でき
る。
【0021】また、図7に示す人工漁礁1Cのように、
底板10の上面に型枠21B を設けずに、半球面状の網2
2C のみで構成したフレーム20C を、底板10の上面に
直接設置してもよい。この人工漁礁1Cの場合、海生生
物との親和性が高い自然石40が取り付けられているの
で、既存のコンクリート漁礁に比べ、コケやふじつぼ等
が付き易く、魚が産卵しやすく、稚魚が効果的に育ち易
い居住空間を提供できる。
【0022】つぎに、第4実施形態の人工漁礁1Dを説
明する。図8は、第4実施形態の人工漁礁1Dの概略斜
視図である。同図に示すように、第4実施形態の人工漁
礁1Dは、底板10の上面に、藻場ステージ30として
石板32が貼り付けられ、石板32の上面にフレーム20
D が設けられたものである。
【0023】このフレーム20Dは、型枠21Dに串棒25が
取り付けられたものである。型枠21D は、型鋼が組み合
わされたものである。この型枠21D には複数の串棒4が
取り付けられており、串棒4には複数の自然石40が串
ざしにして取り付けられている。この人工漁礁1Dの場
合、対象魚種は、主にあわびであり、石板32の上面に
生成した藻を餌とするあわびが自然石40の下面に棲み
つきやすい。また、あわびを取るときに、自然石40を
ひっくり返して取りやすく、労力を軽減できる。
【0024】つぎに、第5実施形態の人工漁礁1Eを説
明する。図9は、第5実施形態の人工漁礁1Eの概略斜
視図である。同図に示すように、第5実施形態の人工漁
礁1Eは、底板10E の上面に、フレーム20E が取り付け
られ、全表面に石板32が藻場ステージ30として貼り
付けられたものである。この人工漁礁1Eの基材は、型
鋼42と鉄筋43の周りを再生FRP層41で固めたも
のである。この人工漁礁1Eの場合、その基材の主原料
が再生FRP層41であるから軽量で材料費が安く、型
鋼42と金網43を備えているので頑強である。
【0025】また、図10に示す人工漁礁1Fのよう
に、基材を型枠44の周りを再生FRP層41で固めた
ものにしてもよい。この人工漁礁1Fの場合、その基材
の主原料が再生FRP層41であるから軽量で材料費が
安く、型枠44を備えているので頑強である。
【0026】なお、図11に示す人工漁礁1Gのよう
に、網22を設けて、網22の内側に自然石40を固定
させてものであってもよい。この人工漁礁1Gの場合、
周囲に自然石の板石32を張っているので、動植物に優
しくコケやふじつぼ等が付き易く、魚が産卵しやすく、
稚魚が効果的に育ち易い。
【0027】さらに、図12に示す人工漁礁1Hのよう
に、柱21の基材を鉄筋46にしたり、底板10の基材
を型枠45にしてもよい。この人工漁礁1Hの場合、周
囲は自然石の板石32を張っているので、動植物に優し
くコケやふじつぼ等が付き易く、魚が産卵しやすく、稚
魚が効果的に育ち易い。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、捨石マウンド
により水深を浅くすることにより、深い海底では住めな
い魚が住めるようになり、人工漁礁によって、魚の居住
空間を広げることができ、捨石は自然の石材なので海生
生物との親和性が高く、材料費用が安価である。請求項
2の発明によれば、人工漁礁の上面に藻場ステージを設
け、この藻場ステージの水深を自然に生育している自然
藻場の水深と同じ深さにすることにより、藻場ステージ
に収容される藻育成用土に藻を生育させることができ
る。よって、人工漁礁の藻場ステージに藻場を形成する
ことができ、この藻場により魚が隠れやすくなり、酸素
が供給され、好適な産卵場として機能するから、魚の居
住性を向上させることができる。請求項3の発明によれ
ば、人工漁礁の藻場ステージ上の藻場を幼魚の居住空間
として提供でき、成魚用漁礁を成魚の居住空間として提
供できる。よって、幼魚から成魚まで魚の成長に応じて
好適な居住空間を魚に提供することができ、魚の居住性
を向上させることができる。請求項4の発明によれば、
人工漁礁の藻場ステージに生育する藻場と自然藻場との
間に、人工磯を設けることにより、この人工磯を両者の
藻場に生育する魚の渡橋として機能させることができ
る。よって、両者の藻場間で魚を往来させることがで
き、魚の居住空間を拡大することができる。請求項5の
発明によれば、藻場ステージに収容される藻育成用土に
藻を生育させ藻場を形成させることができ、この藻場に
より魚が隠れやすくなり、酸素が供給され、好適な産卵
場として機能するから、魚の居住性を向上させることが
できる。請求項6の発明によれば、自然石に魚が卵を産
み付けることができ、卵や卵からかえった幼魚を網によ
って外敵から保護することができるので、快適な居住空
間を魚に提供することができる。請求項7の発明によれ
ば、再生FRP製の建材を主材料としているから、FR
P製品の廃棄処理が不要となり、廃棄予定のFRP製品
を資源として再生することができる。しかも、軽量かつ
頑強であるから、海底に長期間設置することができ、軟
質地盤に設置してもコンクリート製の漁礁と比べて沈下
しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の人工漁礁設備の概略模式図であ
る。
【図2】人工漁礁1の概略斜視図である。
【図3】図2のIII-III 線断面斜視図である。
【図4】成魚用漁礁74の概略斜視図である。
【図5】他の実施形態の人工漁礁1Aの概略斜視図であ
る。
【図6】第2実施形態の人工漁礁1Bの概略斜視図であ
る。
【図7】第3実施形態の人工漁礁1Cの概略斜視図であ
る。
【図8】第4実施形態の人工漁礁1Dの概略斜視図であ
る。
【図9】第5実施形態の人工漁礁1Eの概略斜視図であ
る。
【図10】第6実施形態の人工漁礁1Fの概略斜視図で
ある。
【図11】第7実施形態の人工漁礁1Gの概略斜視図で
ある。
【図12】第8実施形態の人工漁礁1Hの概略斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 人工漁礁 21 柱 22 網 30 藻場ステージ 40 自然石 71 自然藻場 72 捨石マウンド 73 人工磯 74 成魚用漁礁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自然に生育している自然藻場より深い海底
    に、捨石を材料とする捨石マウンドが設けられ、該捨石
    マウンドの上面に人工漁礁が固定されたことを特徴とす
    る人工漁礁設備。
  2. 【請求項2】前記人工漁礁が、藻育成用土を収容するた
    めの藻場ステージを備えており、該人工漁礁の藻場ステ
    ージの水深を、自然に生育している自然藻場の水深と同
    じ深さとしたことを特徴とする請求項1記載の人工漁礁
    設備。
  3. 【請求項3】前記人工漁礁が配設された海底より深い海
    底に、該人工漁礁より大きく、内部に魚が身を隠すため
    の隠棲スペースを備えた成魚用漁礁が配設されたことを
    特徴とする請求項1または2記載の人工漁礁設備。
  4. 【請求項4】前記人工漁礁と自然藻場との間に、人工磯
    が設けられたことを特徴とする請求項1、2または3記
    載の人工漁礁設備。
  5. 【請求項5】人工漁礁であって、該人工漁礁の上面に、
    藻育成用土を収容するための藻場ステージが設けられた
    ことを特徴とする人工漁礁。
  6. 【請求項6】幼魚育成スペースを備え、該幼魚育成スペ
    ースが網で囲まれており、該網に自然石が固定されたこ
    とを特徴とする請求項5記載の人工漁礁。
  7. 【請求項7】主材料が、ガラス繊維強化熱硬化性樹脂製
    のFRP製品を再生した再生FRP製の建材であること
    を特徴とする請求項5または6記載の人工漁礁。
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CN113115735A (zh) * 2021-04-14 2021-07-16 浙江万里学院 一种沉式人工鱼礁体附着物的监测装置及监测方法
CN113179985A (zh) * 2021-04-30 2021-07-30 中国科学院南海海洋研究所 一种海洋牧场增殖放流幼苗培育塔式人工鱼礁及培育方法

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