JP2003219560A - 系統連系インバータ装置 - Google Patents

系統連系インバータ装置

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JP2003219560A
JP2003219560A JP2003014500A JP2003014500A JP2003219560A JP 2003219560 A JP2003219560 A JP 2003219560A JP 2003014500 A JP2003014500 A JP 2003014500A JP 2003014500 A JP2003014500 A JP 2003014500A JP 2003219560 A JP2003219560 A JP 2003219560A
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Kazuya Osada
和哉 長田
Eiji Ichikawa
英治 市川
Hiroyasu Shiichi
広康 私市
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 系統連系インバータ装置の単独運転を確実に
検出できるようにする。 【解決手段】 交流電力系統3の電圧位相を検出し位相
検出信号及び周波数又は周期のデータを出力する電圧位
相検出回路10、電圧位相検出回路10の上記データに
微小な周波数バイアスを加えて、目標周波数データを出
力する周波数指令発生回路13、周波数指令発生回路1
3の上記データと電圧位相検出回路10の位相検出信号
とから出力電流の基準信号を作成する基準信号作成回路
11、この回路の出力信号に対応して出力電流を制御す
る制御回路12、電圧位相検出回路10の上記データか
ら、周波数が異常となったことを検出する周波数シフト
検出回路14を手段とし、その周波数シフト検出回路1
4により、上記データ間の変化量を求め、この変化量に
基づき周波数バイアス分を検出し、系統連系インバータ
1の単独運転を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光発電やバイ
オガス発電等の直流電力を交流電力に変換し、交流電力
系統に系統連系させて負荷に電力を供給する系統連系イ
ンバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記この種の系統連系インバータ装置を
適用したシステムとして、例えば図36に示すような太
陽光発電システムがある。この太陽光発電システムは、
太陽電池が発電した直流電力を系統連系インバータによ
り交流電力に変換して、交流電力系統とともに負荷に電
力を供給するものである。太陽電池で発電される電力
は、通常においては負荷で消費されるが、余剰電力があ
る場合には交流電力系統に送電(逆潮流)され、また電
力が不足する場合には交流電力系統から不足分の電力が
補われる。
【0003】この太陽光発電システムの中核となる系統
連系インバータ装置は、図36に示すように電力変換回
路301と、電流検出回路302、連系用開閉器30
3、電力変換制御部304により構成されている。電力
変換制御部304は、位相検出回路305、基準信号作
成回路306、制御回路307により構成されている。
位相検出回路305は、交流電力系統に接続され、交流
電力系統の系統電圧信号(図37のa)が入力され、系
統電圧に同期した位相検出信号(図37のb)で示す位
相検出信号S1を出力するとともに、位相より周波数
(又は周期)に変換し、周波数(又は周期)のデータ信
号f0を出力する。
【0004】基準信号作成回路306は、位相検出信号
S1とデータ信号f0を入力して出力電流の基準信号S
2を出力する。この基準信号S2は電流検出回路302
により検出された出力電流信号と比較され、制御回路3
07に入力される。制御回路307は入力された信号に
より、電力変換回路301を構成しているスイッチング
素子にON・OFF信号を出力し、スイッチング素子を
駆動する。これにより、系統連系インバータ装置は系統
電圧位相に同期した電流を負荷308及び交流電力系統
に出力する。
【0005】このような系統連系インバータ装置におい
て、通常は系統連系インバータ装置から出力される交流
電力と、負荷308が消費する消費電力との間にアンバ
ランスがあり、有効電力と無効電力の一方あるいは両方
が不平衡であるため、交流電力系統が停電した場合には
電圧若しくは周波数が変化し、これを図示しない電圧異
常検出回路、周波数異常検出回路により検出して、系統
連系インバータ装置の運転を停止し、連系用開閉器30
3を解列して交流電力系統の停電に対応している(特開
昭63―8715号公報や特開昭57―40373号公
報に開示されている)。また、特開平5―176525
号公報に示されているように、交流電力系統の周波数及
び位相を検出する第1の同期制御回路と、この出力で交
流電力系統の周波数異常を検出指令する監視回路と、系
統連系インバータ装置の運転基準となる第2の同期回路
を設け、交流電力系統の異常時には系統連系インバータ
装置を連系用開閉器により解列させるようにしたものも
ある。このような例として特公平6―38696号公報
に示されているようなものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の太
陽光発電システム等の系統連系インバータ装置において
は、系統連系インバータ装置の出力電力と負荷308の
消費電力がバランスし、有効電力と無効電力とがともに
ほぼ平衡状態になった状態で交流電力系統に停電が生じ
ると、停電を検出することができないといった問題点を
含んでいる。即ち、上記した状態では電圧、周波数とも
に変化量が極少なく、電圧異常検出回路や周波数異常検
出回路では電圧、周波数の変化を検出できない。このよ
うな事態が生じた場合、従来の系統連系インバータ装置
では運転を継続することになる。このような状態を単独
運転状態といい、系統連系インバータ装置では保守の点
で不都合なことである。
【0007】また、系統連系インバータ装置は、交流電
力系統の系統電圧と同期した電力を発生するので、交流
電力系統に接続された負荷の無効電力分は交流電力系統
から供給される。交流電力系統の停電時は系統連系イン
バータ装置が、負荷の無効電力分も供給することになる
ため、系統連系インバータ装置の出力電圧の位相が急変
する。この位相の変化を検出した場合は、交流電力系統
が停電したと判定して系統連系インバータ装置を交流電
力系統から解列する単独運転検出方式が分散型電源系統
連系技術指針(日本電気協会)により提案されている。
このような単独運転検出方式は、負荷の消費する無効電
力分が比較的多い場合には有効であるが、負荷の消費す
る無効電力分が少ないと、交流電力系統の停電が発生し
た場合でも電圧位相の変化は少なく、電圧位相の変化を
検出することが困難であり、検出精度を上げて対応すれ
ば誤動作が増加するといった克服すべき問題がある。
【0008】本発明は上記した従来の問題点を解消する
ためになされたもので、その課題とするところは、単独
運転を確実に検出できる系統連系インバータ装置を得る
ことであり、単独運転を確実かつ迅速に検出できる系統
連系インバータ装置を得ることであり、負荷の状態にか
かわらず単独運転を確実に検出できる系統連系インバー
タ装置を得ることであり、複数台の系統連系インバータ
に対応できる系統連系インバータ装置における単独運転
検出方式を得ることであり、検出感度が良く誤動作も少
ない系統連系インバータ装置を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】連系した交流電力系統の
電圧周期を検出する電圧周期検出回路と、この電圧周期
検出回路で検出された交流電力系統の電圧周期に同期し
た交流電力を得るべく制御信号を出力する制御部とによ
り、直流電力を交流電力系統の電圧周期に同期した交流
電力に変換し、交流電力系統とともに、接続された負荷
に電力を供給する系統連系インバータ装置について、制
御部により、電圧周期検出回路で検出された電圧周期の
データを最新の所定サイクルにおいて移動平均処理し、
この移動平均処理による平均値に対する最新のサイクル
の電圧周期の変化量を監視し、その変化量が所定値を越
えたときに当該系統連系インバータ装置が単独運転と判
定するようにしたものである。
【0010】また、移動平均処理に関し、この処理によ
る平均値との最新の1サイクルの電圧周期との変化量が
所定値以上の場合には移動平均処理を中止し、移動平均
処理を中止する前の平均値に対する最新のサイクルの電
圧周期の変化量が所定値以上で所定サイクルの間連続し
たときに当該系統連系インバータ装置が単独運転と判定
するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。 実施の形態1.図1〜図4はこの実施の形態1の系統連
系インバータ装置を示したものである。この系統連系イ
ンバータ1は、図1に示すように太陽電池2等が発電し
た直流電力を交流電力に変換して、系統連系した交流電
力系統3とともに負荷4に電力を供給するもので、電力
変換回路5、電流検出回路6、連系用開閉器7、電力変
換制御部8、連系保護制御部9により構成されている。
電力変換制御部8は、電圧位相検出回路10、基準信号
作成回路11、制御回路12により構成され、連系保護
制御部9は、周波数指令発生回路13と周波数シフト検
出回路14とにより構成されている。
【0012】電圧位相検出回路10は、交流電力系統3
に接続され、交流電力系統3の系統電圧信号(図2の
a)が入力され、系統電圧に同期した位相検出信号(図
2のb)に示す位相検出信号S1を基準信号作成回路1
1に出力するとともに、位相より周波数(又は周期)に
変換し、周波数(又は周期)のデータ信号(f0)を連
系保護制御部9の周波数指令発生回路13と周波数シフ
ト検出回路14とに出力する。
【0013】周波数指令発生回路13は、電圧位相検出
回路10から出力される周波数(又は周期)のデータ信
号(f0)に微小な周波数バイアスαを与えて目標周波
数データ(f0+α)(又は目標周期データ)を基準信
号作成回路11に出力する。基準信号作成回路11は、
位相検出信号S1と目標周波数データ(f0+α)とを
入力として、図2の(c)に示す出力電流の基準信号S
2を出力する。この基準信号S2は電流検出回路6によ
り検出された出力電流信号と比較され、制御回路12に
入力される。制御回路12は入力された信号により、電
力変換回路5を構成しているスイッチング素子にON・
OFF信号を出力し、スイッチング素子を駆動する。こ
れにより、系統連系インバータ1は系統電圧位相に同期
し、系統周波数(商用周波数)に対して微小な周波数差
をもった電流を負荷4及び交流電力系統3に出力する。
【0014】連系保護制御部9の周波数シフト検出回路
14は、電圧位相検出回路10から出力される周波数
(又は周期)のデータ信号(f0)を図3に示すフロー
1により処理する。即ち、電圧位相検出回路10から送
られた周波数(又は周期)のデータ信号(f0)と、前
のサイクルの図3の#16において保持していた前のサ
イクルの周波数(又は周期)のデータ信号とを図3の#
11において比較し、データ信号(f0)と前のサイク
ルのデータ信号との偏差を求める。この偏差が周波数指
令発生回路13が与えた周波数バイアスαにほぼ等しい
時(図3の#12でYES)に、単独運転検出の検出フ
ラグをHにして(図3の#13)、単独運転の検出期間
に入り、それ以外の時(図3の#12でNO)には、検
出フラグをLにして(図3の#14)単独運転の検出期
間のタイマをリセットする(図3の#15)。
【0015】連系運転時は、系統連系インバータ1に対
して交流電力系統3は十分に大きな容量を有しているの
で、周波数バイアスα分は交流電力系統3に吸収され連
系点の周波数は系統周波数(商用周波数)に維持され
る。従って、電圧位相検出回路10から出力される周波
数(又は周期)のデータ信号に図3の#11での偏差は
生じず、処理フローは図3の#12でNOの処理に進む
ことになる。周波数バイアスαは系統周波数(商用周波
数)に対して十分に小さな値であるので、連系運転時に
周波数バイアスαが交流電力系統3に悪影響を及ぼすこ
とはない。
【0016】交流電力系統3が図4の(a)に示すよう
に停電すると、系統連系インバータ1の出力電圧の周波
数には図4の(a1)に示すように周波数指令発生回路
13が与えた周波数バイアスαが付加された周波数(f
0+α)が現われ、この周波数(f0+α)が電圧位相
検出回路10に入力され、電圧位相検出回路10は周波
数(又は周期)のデータ信号をf0+αと出力すること
になり、周波数指令発生回路13は、このデータ信号
(f0+α)にさらに周波数バイアスαを与えて出力す
るので、基準信号作成回路11で作成される次のサイク
ルの基準信号S2は図4の(c)で示すようにf0+2
αという周波数になる。従って、系統連系インバータ1
の次のサイクルの出力周波数はf0+2αとなり、以降
同様にして周波数が変化していく。
【0017】周波数シフト検出回路14での処理は、電
圧位相検出回路10から送られた周波数(又は周期)の
データ信号(f0+α)と、図3の#16において保持
していた前のサイクルの周波数(又は周期)のデータ信
号f0とを図3の#11において比較し、データ信号
(f0+α)と前のサイクルのデータ信号f0との偏差
を求める。このとき偏差はαとなり、周波数バイアスα
分に等しいので(図3の#12でYES)、単独運転と
判断し検出フラグをHにして(図3の#13)単独運転
の検出期間に入る。次のサイクルの比較においても、前
のサイクルのデータ信号(f0+α)と送られて来たデ
ータ信号(f0+2α)とを比較するので偏差はαとな
り、単独運転の検出期間は継続中と判断する(図3の#
12)。以降同様にして偏差が現われ、単独運転検出用
のタイマが所定時間(例えば0.5秒)経過すると(図
3の#17でYES)、系統連系インバータ1を停止さ
せ(図3の#18)、連系用開閉器7を開放して系統連
系インバータ1を交流電力系統3から解列させる。
【0018】上述のようにこの実施の形態1の系統連系
インバータ1では、系統連系している交流電力系統3が
停電した際には、系統連系インバータ1の出力に与えら
れている周波数バイアスαが現われることになり、周波
数が変化していく。この周波数の変化を検出することに
より単独運転を確実に検出することができ、これによ
り、系統連系インバータ1を交流電力系統3から的確に
解列させることができる。
【0019】実施の形態2.図5はこの実施の形態2の
系統連系インバータ装置を示すブロック構成図であり、
実施の形態1で示した系統連系インバータ1を複数台接
続した構成である。その回路構成は実施の形態1のもの
と同じであり、周波数シフト検出回路14の処理フロー
も実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形
態1にかかる図1,図3をそのまま援用するとともに実
施の形態1のものと同じ部分は同一符号を使用し、それ
らについての説明は省略する。
【0020】図5に示すように交流電力系統3に複数台
の系統連系インバータ1,1aが接続されている場合、
周波数バイアスαを与える方向がそれぞれの系統連系イ
ンバータ1,1aにおいて別々であると、周波数の変化
が打ち消し合い全体としては周波数が変化せず単独運転
が検出できないことが起こり得る。そこで、この実施の
形態2では図1に示した周波数指令発生回路13におけ
る周波数バイアスαを与える方向を周波数の上昇又は低
下のいずれか一方向に統一し、周波数の変化が打ち消し
合わないようにしたものである。
【0021】周波数が上昇する方向に統一した場合を例
にして、その動作を図3及び図6により説明する。図6
の(a)に示すように交流電力系統3が停電すると、図
6の(b)に示すように周波数バイアスαが周波数の上
昇する方向に統一されているので、系統連系インバータ
1,1a間で周波数バイアスαを打ち消し合うことなく
周波数が上昇する。従って、図6の(c)に示す周波数
(又は周期)のデータ信号も上昇し、前のサイクルとの
偏差が図6の(d)に示すように周波数バイアスα分に
ほぼ等しい大きさで現われ(図3の#11)、図3の#
12で単独運転と判断される。そして、図6の(e)に
示すように検出フラグがHとなり(図3の#13)、こ
れにより図6の(f)に示すように単独運転検出用のタ
イマは継続されて、所定時間経過すると(図3の#17
でYES)、系統連系インバータ1,1aを停止させ、
連系用開閉器7を開放して系統連系インバータ1,1a
をそれぞれ交流電力系統3から解列させる(図3の#1
9)。
【0022】上述のようにこの実施の形態2では、複数
台の系統連系インバータ1,1aについて周波数バイア
スαを与える方向が、周波数の上昇又は低下のいずれか
の方向に統一されているので、交流電力系統3に複数台
の系統連系インバータ1,1aが接続されている状態で
交流電力系統3が停電になっても、周波数の変化を打ち
消し合うことなく単独運転を確実に検出することがで
き、これにより各系統連系インバータ1,1aを交流電
力系統3から的確に解列させることができる。
【0023】実施の形態3.この実施の形態3の系統連
系インバータ装置は、実施の形態1の系統連系インバー
タ1における周波数シフト検出回路14の処理フローに
特徴を持つもので、構成自体は、図1により示した実施
の形態1のものと同じ構成である。従って、図1はその
ままこれを援用することにする。
【0024】この実施の形態3の系統連系インバータ1
の周波数シフト検出回路14は、今回の周波数(又は周
期)のデータ信号(f0)と、前のサイクルの周波数
(又は周期)のデータ信号或いは数サイクル分の平均の
周波数(又は周期)のデータ信号との偏差がある所定値
以上の時に単独運転と判断することに特徴がある。即
ち、図7の動作説明図及び図8のフロー2によって示す
ように、系統連系インバータ1の出力電力と負荷4の消
費電力との間にアンバランスがある場合に、図7の
(a)で示すように交流電力系統3が停電した場合、図
7の(c)に示す系統連系インバータ1の出力の周波数
の変化は、図7の(b)に示す周波数バイアスαに加
え、系統連系インバータ1の出力電力と負荷4の消費電
力との間のアンバランスに起因して生じる電圧位相飛躍
(図7のβ)により、変化が増大される。これにより、
図7の(d)に示すように変化した周波数(又は周期)
のデータ信号と、前のサイクルの周波数(又は周期)の
データ信号との偏差は、与えた周波数バイアスαよりも
大きくなる。
【0025】この実施の形態3の系統連系インバータ1
では周波数シフト検出回路14が、周波数(又は周期)
のデータ信号の偏差が所定値以上の時に単独運転と判断
するので、周波数バイアスαと電圧位相飛躍βによりフ
ロー2の図8の#21で得られる周波数(又は周期)の
データ信号の偏差が所定値以上になることにより単独運
転と判断し(図8の#22でYES)、図7の(e)に
示す単独運転検出の検出フラグがHとなり(図8の#2
3)、図7の(f)に示す単独運転検出用のタイマが所
定時間を経過すると(図8の#27でYES)、系統連
系インバータ1を停止し(図8の#28)、連系用開閉
器7を開放して交流電力系統3から系統連系インバータ
1を解列する(図8の#29)。周波数(又は周期)の
データ信号の偏差と比較する所定値としては、例えば周
波数バイアスαに等しい値や、周波数バイアスαの数1
0%程度の値を呈示することができる。これ以外の機能
は実施の形態1のものと同じであるのでその説明は省略
する。
【0026】上述のようにこの実施の形態3の系統連系
インバータ1では、周波数シフト検出回路14が、送ら
れて来る周波数(又は周期)のデータ信号と、前のサイ
クルの周波数(又は周期)のデータ信号或いは数サイク
ル分の平均の周波数(又は周期)のデータ信号との偏差
がある所定値以上の時、単独運転と判断するので、系統
連系インバータ1の出力電力と負荷4の消費電力との間
のアンバランスにより周波数が変化したとしても、この
分を考慮した所定値により単独運転を検出するので、交
流電力系統3が停電しても確実に単独運転を検出するこ
とができ、これにより系統連系インバータ1を交流電力
系統3から的確に解列させることができる。
【0027】実施の形態4.この実施の形態4の系統連
系インバータ装置も、実施の形態1の系統連系インバー
タ1における周波数シフト検出回路14の処理フローに
特徴を持つもので、構成自体は、図1により示した実施
の形態1のものと同じ構成である。従って、図1はその
ままこれを援用することにする。
【0028】この実施の形態4の系統連系インバータ1
の周波数シフト検出回路14は、今回の周波数(又は周
期)のデータ信号(f0)と、数サイクル前の周波数
(又は周期)のデータ信号或いは数サイクル前までの平
均の周波数(又は周期)のデータ信号との偏差がある所
定値以上の時に単独運転と判断することに特徴がある。
即ち、図9の動作説明図の(a)によって示すように、
交流電力系統3が停電した場合、系統連系インバータ1
の出力の周波数は図9の(b)に示される周波数バイア
スαにより図9の(c)に示すように変化していく。こ
の時、周波数シフト検出回路14は図10のフロー3に
おける#31〜#34の処理によって、数サイクル毎
(例えば3サイクル毎)のタイミングをとり、検出タイ
ミングになった時に(図10の#34でYES)、今回
の周波数(又は周期)のデータ信号(f0)と、保持し
ていた3サイクル前の周波数(又は周期)のデータ信号
(図10の#40)或いは3サイクル前までの平均の周
波数(又は周期)のデータ信号の平均値とを比較する
(図10の#35)。
【0029】フロー3の#35で得られる図9の(d)
に示す周波数(又は周期)のデータ信号の偏差が所定値
以上の時(図10の#36でYES)、単独運転と判断
して単独運転の検出フラグがHとなり(図10の#3
7)、図9の(f)に示す単独運転検出用のタイマが所
定時間を経過すると(図10の#41でYES)、系統
連系インバータ1を停止し(図10の#42)、連系用
開閉器7を開放して交流電力系統3から系統連系インバ
ータ1を解列する(図10の#43)。周波数(又は周
期)のデータ信号の偏差と比較する所定値としては、例
えば周波数バイアスαの3回分の値や、周波数バイアス
α3回分の数10%程度の値を呈示することができる。
これ以外の機能は実施の形態1のものと同じであるので
その説明は省略する。
【0030】上述のようにこの実施の形態4の系統連系
インバータ1では、周波数シフト検出回路14が、今回
の周波数(又は周期)のデータ信号と、数サイクル前の
周波数(又は周期)のデータ信号或いは数サイクル前ま
での平均の周波数(又は周期)のデータ信号との偏差が
所定値以上の時、単独運転と判断する。これは周波数
(又は周期)の変化の平均によって単独運転を検出する
ことと等価であり、誤検出の殆どない確実な単独運転の
検出が可能になり、これにより系統連系インバータ1を
交流電力系統3から的確に解列させることができる。
【0031】実施の形態5.図11はこの実施の形態5
の系統連系インバータ1を示すブロック構成図である。
この図からも分るように、この系統連系インバータ1は
連系保護制御部9の周波数シフト検出回路14が周波数
指令発生回路13に対する出力関係を持っていること以
外の構成は実施の形態1のものと同じである。従って、
実施の形態1と同じ部分は同一符号を使用し、それらに
ついての説明は省略する。
【0032】この実施の形態5の系統連系インバータ1
は、周波数シフト検出回路14が周波数指令発生回路1
3に周波数バイアスαの方向反転信号を出力することに
特徴を持っている。即ち、図12の動作説明図の(a)
によって示すように、交流電力系統3が停電した場合、
図12の(c)に示す系統連系インバータ1の出力の周
波数は図12の(b)に示される周波数バイアスαによ
り変化する。この時、周波数シフト検出回路14は図1
3に示すフロー4に従って、数サイクル毎(例えば5サ
イクル毎)に検出タイミングをとり(図13の#51〜
#54)、周波数バイアスαの方向を反転させる方向反
転信号を周波数指令発生回路13に出力する(図13の
#60)。
【0033】周波数指令発生回路13は方向反転信号に
より、図12の(b)に示すように周波数バイアスαを
与える方向を反転させる。これにより、系統連系インバ
ータ1の出力の周波数は、単独運転時には図12の
(c)に示すように周波数の上昇方向と低下方向に交互
に変化する。このとき、周波数は5サイクル毎に周波数
バイアスαの方向が反転するため、上昇方向又は低下方
向のどちらか一方に変化し続けることはない。
【0034】一方、周波数シフト検出回路14はまず、
検出タイミングの数サイクル前、例えば3サイクル前の
周波数(又は周期)のデータ信号を確保しておく(図1
3の#61,#62)。次に検出タイミングにおいて
(図13の#54でYES)、図12の(d)に示すよ
うに3サイクル前の周波数(又は周期)のデータ信号と
今サイクルの周波数(又は周期)のデータ信号との偏差
を得る(図13の#55)。この偏差が与えた周波数バ
イアスαと同じ方向に所定値以上現われた時(図13の
#56でYES)、単独運転と判断して図12の(e)
に示すように検出フラグをHにする(図13の57)。
この後、図12の(f)に示すタイマが所定時間を経過
すると(図13の#63でYES)、系統連系インバー
タ1を停止し(図13の#64)、連系用開閉器7を開
放して交流電力系統3から系統連系インバータ1を解列
する(図13の#65)。
【0035】上述のようにこの実施の形態5の系統連系
インバータ1では、周波数の上昇方向と低下方向の両方
向に周波数バイアスαを与え、今回の周波数(又は周
期)のデータ信号と、数サイクル前の周波数(又は周
期)のデータ信号との偏差が与えた周波数バイアスαと
同じ方向で、しかも所定値以上の時に単独運転と判断す
るため、確実に単独運転を検出することができ、これに
より系統連系インバータ1を交流電力系統3から的確に
解列させることができる。なお、単独運転に移行した際
に周波数が変化しても、周波数の上昇方向と低下方向の
両方向に周波数バイアスαを与えるので、系統周波数に
対して大きく変化することはなく、系統連系インバータ
1に接続された負荷4に悪影響を及ぼすことはない。
【0036】実施の形態6.この実施の形態6の系統連
系インバータ1は前述の図11により示した実施の形態
5のものと同じ構成である。従って、図11はそのまま
これを援用するとともに実施の形態5のものと同じ部分
は同一符号を使用し、それらについての説明は省略す
る。
【0037】この実施の形態6の系統連系インバータ1
は、図14の動作説明図及び図15の周波数シフト検出
回路14の処理を示すフロー5のように、周波数シフト
検出回路14が、周波数(又は周期)のデータ信号の偏
差が所定値以上になって単独運転と判断した時に、周波
数バイアスαを現在与えている方向に固定することに特
徴を持っている。周波数シフト検出回路14は、まず検
出タイミング(例えば5サイクルに1度)の数サイクル
前、例えば3サイクル前の周波数(又は周期)のデータ
信号を確保しておく(図15の#82,#83)。次に
検出タイミングにおいて(図15の#74でYES)、
図14の(d)に示すように3サイクル前の周波数(又
は周期)のデータ信号と今サイクルの周波数(又は周
期)のデータ信号との偏差を得る(図15の#75)。
系統連系時は周波数バイアスαにより周波数が変化する
ことはないので、周波数(又は周期)のデータ信号の偏
差は所定値以下となり、図15の#76でNOのループ
に進み、検出フラグをLにし(図15の#79)、タイ
マをリセットし(図15の#80)、周波数バイアスα
の方向を反転させる方向反転信号を出力する(図15の
#81)。周波数指令発生回路13は、方向反転信号に
より周波数バイアスαの方向を5サイクル毎に反転して
与える。
【0038】図14の動作説明図の(a)によって示す
ように、交流電力系統3が停電した場合、系統連系イン
バータ1の出力の周波数は、図14の(b)に示される
周波数バイアスαにより図14の(c)に示すように変
化していく。従って、周波数(又は周期)のデータ信号
の偏差は、与えた周波数バイアスαと同じ方向に所定値
以上現われるので、単独運転と判断され(図15の#7
6)、単独運転検出の検出フラグをHにする(図15の
#77)。このとき周波数シフト検出回路14は周波数
バイアスαの方向を現在与えている方向に固定するよう
に周波数指令発生回路13に指令する(図15の#7
8)。これにより、周波数指令発生回路13は図14の
(b)に示すように周波数バイアスαの方向を固定する
ので、図14の(c)に示すように周波数は固定された
方向に変化していく。
【0039】従って、例えば負荷4の状態が周波数を上
昇させるような特性であった場合に、周波数バイアスα
を周波数の低下する方向に与えて周波数の変化を打ち消
し合って周波数(又は周期)のデータ信号の偏差が所定
値以下でも、周波数バイアスαが周波数の上昇する方向
に与えられた時には、周波数(又は周期)のデータ信号
の偏差は所定値以上になり、以降は周波数の上昇する方
向に固定して周波数バイアスαを与えるので、確実に周
波数は変化する。これにより単独運転を確実に検出する
ことができる。そして、図14の(f)に示すタイマが
所定時間を経過すると(図15の#84でYES)、系
統連系インバータ1を停止し(図15の#85)、連系
用開閉器7を開放して交流電力系統3から系統連系イン
バータ1を解列する(図15の#86)。
【0040】上述のようにこの実施の形態6の系統連系
インバータ1では、周波数の上昇方向と低下方向の両方
向に周波数バイアスαを与え、今回の周波数(又は周
期)のデータ信号と、数サイクル前の周波数(又は周
期)のデータ信号との偏差が与えた周波数バイアスαと
同じ方向で、しかも所定値以上の時に単独運転と判断
し、さらに周波数バイアスαを与える方向を現在与えて
いる方向に固定するので、負荷4の状況にかかわらず確
実に単独運転を検出することができ、これにより系統連
系インバータ1を交流電力系統3から的確に解列させる
ことができる。
【0041】実施の形態7.この実施の形態7の系統連
系インバータ1は、前述の図11により示した実施の形
態5のものと同じ構成である。従って、図11はそのま
まこれを援用するとともに実施の形態5のものと同じ部
分は同一符号を使用し、それらについての説明は省略す
る。
【0042】この実施の形態7の系統連系インバータ1
は、図16の動作説明図及び図17の周波数シフト検出
回路14の処理を示すフロー6のように、周波数シフト
検出回路14が、周波数(又は周期)のデータ信号の偏
差が所定値以上になって単独運転と判断した時に、周波
数バイアスαを与える方向を周波数(又は周期)のデー
タ信号の変化した方向に固定することに特徴がある。周
波数シフト検出回路14は、まず検出タイミング(例え
ば5サイクルに1度)の数サイクル前、例えば3サイク
ル前の周波数(又は周期)のデータ信号を確保しておく
(図17の#102,#103)。次に検出タイミング
において(図17の#94でYES)、図16の(d)
に示すように3サイクル前の周波数(又は周期)のデー
タ信号と今サイクルの周波数(又は周期)のデータ信号
との偏差を得る(図17の#95)。系統連系時は周波
数バイアスαにより周波数が変化することはないので、
周波数(又は周期)のデータ信号の偏差は所定値以下と
なり、図17の#96でNOのループに進み、検出フラ
グをLにし(図17の#99)、タイマをリセットし
(図17の#100)、周波数バイアスαの方向を反転
させる方向反転信号を出力する(図17の#101)。
周波数指令発生回路13は、方向反転信号により周波数
バイアスαの方向を5サイクル毎に反転して与える。
【0043】系統連系インバータ1と負荷4の電力バラ
ンスが、周波数を大きく上昇させるような場合であっ
て、図16の動作説明図の(a)によって示すように、
交流電力系統3が停電した場合、系統連系インバータ1
の出力の周波数は、図16の(b)に示すように、周波
数バイアスαを低下の方向に与えているにもかかわらず
上昇していく。この実施の形態7では、系統連系インバ
ータ1と負荷4の電力バランスに起因する周波数の変化
の大きさのみで単独運転を判断し、その後、周波数の変
化した方向に周波数バイアスαの方向を固定する。従っ
て、検出タイミングにおいて周波数(又は周期)のデー
タ信号の偏差は、周波数の上昇の方向に所定値以上と判
断され(図17の#96でYES)、図16の(e)の
単独運転検出の検出フラグをHにする(図17の#9
7)。
【0044】このとき周波数シフト検出回路14は周波
数バイアスαの方向を変化した上昇の方向に固定するよ
うに周波数指令発生回路13に指令する(図17の#9
8)。これにより、周波数指令発生回路13は図16の
(b)に示すように周波数バイアスαの方向を固定する
ので、図16の(c)に示すように周波数は徐々に上昇
していく。そして、周波数は図16の(f)に示すタイ
マが所定時間を経過すると(図17の#104でYE
S)、系統連系インバータ1を停止し(図17の#10
5)、連系用開閉器7を開放して交流電力系統3から系
統連系インバータ1を解列する(図17の#106)。
【0045】上述のようにこの実施の形態7の系統連系
インバータ1では、周波数の上昇方向と低下方向の両方
向に周波数バイアスαを与え、今回の周波数(又は周
期)のデータ信号と、数サイクル前の周波数(又は周
期)のデータ信号との偏差が所定値以上の時に単独運転
と判断し、しかも周波数バイアスαを周波数の変化した
方向へ固定させるので、負荷4の状況にかかわらず確実
に遅れを生じることなく単独運転を検出することがで
き、これにより系統連系インバータ1を交流電力系統3
から的確に解列させることができる。
【0046】周波数バイアスαを上昇あるいは低下の両
方向に与える場合において、例えば周波数の上昇方向に
周波数バイアスαを5サイクル与えたとすると、その上
昇方向に与え始めたタイミングから周期データを貯え、
上昇方向に周波数バイアスαを与えた5サイクルと、上
昇方向に与える直前のサイクルの6サイクルから周波数
変化の傾きを求める。即ち毎周期、得られた周期データ
に所定の演算を行なった後積算し、検出タイミングにな
った周期で積算値から周波数変化の傾きを算出する。上
記の周波数変化の傾きが所定値以上のとき、単独運転状
態と判断し、周波数変化の生じた方向へ周波数バイアス
αを固定して与える。単独運転検出用のタイマが所定時
間を経過したら系統連系インバータ1を停止し連系用開
閉器7を開にする。このように所定サイクルの周波数変
化の傾きを求め、この傾きがあらかじめ設定されている
傾きと比較することにより連系状態か単独運転状態かが
判断できる。他の例のように所定のタイミングでの偏差
を求める場合には誤動作の可能性が残されているが、こ
のように、傾きにより処理されると精度が良くなり信頼
性の高い装置が得られる。
【0047】実施の形態8.この実施の形態8の系統連
系インバータ装置は、前述の図11により示した実施の
形態5に示した系統連系インバータを図5に示した実施
の形態2のように複数台接続したもので、個々の系統連
系インバータ1,1aについては図11に示したものと
同じ構成である。従って、図11と図5はそのままこれ
を援用するとともに実施の形態5,実施の形態2のもの
と同じ部分は同一符号を使用し、それらについての説明
は省略する。
【0048】この実施の形態8の系統連系インバータ装
置は、図18の動作説明図及び図19の周波数シフト検
出回路14の処理を示すフロー7のように、周波数シフ
ト検出回路14が、周波数バイアスαを与える方向を、
一方を他方より多くすることに特徴がある。例えば、検
出タイミングにおいて周波数の上昇の方向のときは2回
単独運転を検出せずに通過したら、周波数バイアスαの
方向を反転させ、周波数の低下の方向のときは1回単独
運転を検出せずに通過したら、周波数バイアスαの方向
を反転させるというように設定する。
【0049】交流電力系統3に複数台の系統連系インバ
ータ1,1aが接続されていて、周波数バイアスαが周
波数の上昇方向と低下方向の両方向に等しい回数ずつ与
えられている場合には、交流電力系統3が停電して単独
運転に移行しても、互いの周波数バイアスαを打ち消し
合い全体としては周波数が変化せず、単独運転を検出で
きない場合が起こりうる。
【0050】この実施の形態8において、図18の動作
説明図の(a)によって示すように、交流電力系統3が
停電した場合、例えば第1の系統連系インバータ1は図
18の(b1)に示すように周波数の上昇の方向に周波
数バイアスαを与えている。一方で、第2の系統連系イ
ンバータ1aは図18の(b2)に示すように周波数の
低下の方向に周波数バイアスαを与えている。このとき
それぞれで検出される周波数(又は周期)のデータ信号
は、図18の(c)に示すように互いの周波数バイアス
αを打ち消し合って全体としては周波数が変化しない。
従って、検出タイミングにおいて(図19の#114で
YES)、第1と第2の系統連系インバータ1,1aで
は、図18の(d)に示す今回の周波数(又は周期)の
データ信号と、図19の#123,#124で得られる
数サイクル前の周波数(又は周期)のデータ信号との偏
差(図19の#115)は所定値以下となって図19の
#116ではNOとなり、検出フラグをLにし(図19
の#119)、タイマはリセットされる(図19の#1
20)。
【0051】次に、第1の系統連系インバータ1の周波
数バイアスαの方向は、単独運転が検出されなかった
ら、図18の(b1)に示すように周波数の上昇の方向
のままである(図19の#121でYES)。一方、第
2の系統連系インバータ1aの周波数バイアスαの方向
は、図18の(b2)に示すように周波数の上昇の方向
に反転する(図19の#121でNO,#122)。こ
こで第1と第2の系統連系インバータ1,1aの周波数
バイアスαの方向が一致するため、図18の(c)に示
されている周波数(又は周期)のデータ信号は、周波数
の上昇の方向に変化していく。
【0052】従って、次の検出タイミングにおいては
(図19の#114でYES)、今回の周波数(又は周
期)のデータ信号と、図19の#123,#124で得
られる数サイクル前の周波数(又は周期)のデータ信号
との偏差(図19の#115)は、図18の(d)に示
すように所定値以上となって、周波数シフト検出回路1
4は単独運転と判断し(図19の#116でYES)、
図18の(e)に示す単独運転検出の検出フラグをHに
し(図19の#117)、周波数バイアスαを周波数の
上昇の方向に固定する(図19の#118)。そして、
図18の(f)に示す単独運転検出用のタイマが所定時
間を経過すると連系用開閉器7を開放して交流電力系統
3から第1と第2の系統連系インバータ1,1aを解列
する(図19の#86)。
【0053】上述のようにこの実施の形態8では、周波
数バイアスαを与える方向を、一方を他方より多くして
いるため、交流電力系統3に複数の系統連系インバータ
1,1aが接続された場合においても、単独運転を確実
に検出することができ、これにより系統連系インバータ
1,1aを交流電力系統3から的確に解列させることが
できる。
【0054】実施の形態9.この実施の形態9の系統連
系インバータ装置は、前述の図11により示した実施の
形態5のものの負荷4を、例えばモータのような周波数
の変化を抑えるような特性をもつものとして構成したも
のである。従って、図11はそのままこれを援用すると
ともに実施の形態5のものと同じ部分は同一符号を使用
し、それらについての説明は省略する。
【0055】この実施の形態9の系統連系インバータ1
は、図20の動作説明図及び図21の周波数シフト検出
回路14の処理を示すフロー8のように、周波数シフト
検出回路14が、一度単独運転と判断して単独運転検出
の検出フラグがHのときに周波数(又は周期)のデータ
信号の変化が収束し、周波数(又は周期)のデータ信号
の偏差が所定値以下になった場合に、単独運転検出用の
タイマを継続したまま周波数バイアスαの方向を反転さ
せ、周波数(又は周期)のデータ信号の偏差が所定値以
上になれば、単独運転が継続していると判断することを
特徴としている。
【0056】この実施の形態9において、図20の動作
説明図の(a)によって示すように、交流電力系統3が
停電すると、図20の(b)に示されている周波数バイ
アスαにより、系統連系インバータ1の周波数は図20
の(c)に示すように上昇していく。従って、検出タイ
ミングにおいては(図21の#134でYES)今回の
周波数(又は周期)のデータ信号と、図21の#14
5,#146で得られる数サイクル前の周波数(又は周
期)のデータ信号との偏差(図21の#135)は、図
20の(d)に示すように所定値以上となり、周波数シ
フト検出回路14は単独運転と判断し(図21の#13
6でYES)、図20の(e)に示すように単独運転検
出の検出フラグをHにし(図21の#137)、周波数
バイアスαの方向を周波数が変化した方向に固定する
(図21の#138)。
【0057】しかし、接続されている負荷4の特性によ
り周波数の変化が徐々に小さくなり(又は無くなり)、
ついにはある検出タイミングにおいては(図21の#1
34でYES)、図20の(d)に示す周波数(又は周
期)のデータ信号の偏差(図21の#135)が所定値
以下となる(図21の#136でNO)。ここで、図2
0の(e)に示すように一度単独運転と判断して単独運
転検出の検出フラグがHになっていた場合は(図21の
#139でYES)、単独運転検出の検出フラグをLに
する(図21の#140)が、図20の(f)に示す単
独運転検出用のタイマはリセットしない。そして図20
の(b)に示されているように周波数バイアスαの方向
を低下の方向に反転させる(図21の#141)。
【0058】これにより、本当に単独運転の状態ならば
周波数(又は周期)のデータ信号は、図20の(c)に
示すように周波数の低下の方向に変化し、次の検出タイ
ミングにおいては(図21の#134でYES)、図2
0の(d)に示す周波数(又は周期)のデータ信号の偏
差は(図21の#135)、周波数の低下の方向に所定
値以上となる。これにより、周波数シフト検出回路14
は単独運転の状態が継続していると判断し(図21の#
136でYES)、図20の(e)に示す単独運転検出
の検出フラグを再びHにし(図21の#137)、周波
数バイアスαの方向を周波数が変化した方向に固定する
(図21の#138)。そして図20の(f)に示す単
独運転検出用のタイマが所定時間を経過すると(図21
の#147でYES)、系統連系インバータ1を停止し
(図21の#148)、連系用開閉器7を開放して交流
電力系統3から系統連系インバータ1を解列する(図2
1の#149)。
【0059】また、単独運転の状態でないならば、周波
数バイアスαを反転させても周波数(又は周期)のデー
タ信号の偏差は所定値以下となるので、次の検出タイミ
ングでは図21の#136でNOの判定となり、単独運
転検出の検出フラグはLになっていることから図21の
#139でNOの判定となり、単独運転検出用のタイマ
をリセットし(図21の#142)、図21の#14
3,#144の処理を行なう。
【0060】上述のようにこの実施の形態9の系統連系
インバータ1では、一度単独運転と判断して単独運転検
出の検出フラグがHのときに周波数(又は周期)のデー
タ信号の変化が収束して偏差が所定値以下となった場合
には、単独運転検出用のタイマを継続したまま周波数バ
イアスαの方向を反転させ、周波数(又は周期)のデー
タ信号の偏差が所定値以上になれば単独運転が継続して
いると判断するため、負荷4の特性や状態によらず確実
に単独運転を検出することができ、これにより系統連系
インバータ1を交流電力系統3から的確に解列させるこ
とができる。
【0061】実施の形態10.この実施の形態10の系
統連系インバータ1は前述の図11により示した実施の
形態5の系統連系インバータ1と同じ構成である。従っ
て、図11はそのままこれを援用するとともに実施の形
態5のものと同じ部分は同一符号を使用し、それらにつ
いての説明は省略する。
【0062】この実施の形態10の系統連系インバータ
1は、図22の動作説明図及び図23の周波数シフト検
出回路14の処理を示すフロー9のように、周波数シフ
ト検出回路14が、検出タイミングで周波数(又は周
期)のデータ信号の偏差が所定値以上になって単独運転
と判断したとき、周波数バイアスαのバイアス量を増加
させるようにしたことを特徴としている。
【0063】この実施の形態10において、図22の動
作説明図の(a)によって示すように、交流電力系統3
が停電すると、図22の(b)に示す周波数バイアスα
により周波数(又は周期)のデータ信号は、図22の
(c)に示されるように変化していく。そして、検出タ
イミングにおいて(図23の#154でYES)、今回
の周波数(又は周期)のデータ信号と、図23の#16
7,#168で得られる数サイクル前の周波数(又は周
期)のデータ信号との偏差(図23の#155)は図2
2の(d)に示すように所定値以上となり、周波数シフ
ト検出回路14は単独運転と判断し(図23の#156
でYES)、図22の(e)に示す単独運転検出の検出
フラグをHにし(図23の#157)、周波数バイアス
αの方向を変化した方向に固定する(図23の#15
8)。
【0064】ここで、系統連系インバータ1に接続され
た負荷4が周波数の変化を抑えるような特性を有してい
た場合、周波数バイアスαを等しく与えても、周波数の
変化は徐々に小さくなり、ついには周波数(又は周期)
のデータ信号の偏差は所定値以下になってしまうことが
ある。そこで、図22の(b)に示すように周波数(又
は周期)のデータ信号の偏差が所定値以上と判断される
度に、周波数バイアスαのバイアス量をα1,α2,α
3のように増加させる(図23の#159)。これによ
り、確実に周波数は変化し、以降の検出タイミングにお
いても(図23の#154でYES)、周波数(又は周
期)のデータ信号の偏差(図23の#155)は図22
の(d)に示すように所定値以上になる(図23の#1
56でYES)。そして、図22の(f)に示す単独運
転検出用のタイマが所定時間を経過すると(図23の#
169でYES)、系統連系インバータ1を停止し(図
23の#170)、連系用開閉器7を開放して交流電力
系統3から系統連系インバータ1を解列する(図23の
#171)。
【0065】なお、一度単独運転と検出してもそれが誤
検出であってタイマをリセットした(図23の#16
3)ときは、周波数バイアスαのバイアス量も初期値に
戻す(図23の#164)。これにより、周波数バイア
スαのバイアス量が大きくなり続けるようなことがな
く、系統連系時に不具合が起こることがない。
【0066】上述のようにこの実施の形態10の系統連
系インバータ1では、周波数(又は周期)のデータ信号
の偏差が所定値以上と判断される度に周波数バイアスα
のバイアス量を増加させるようにしたため、負荷4の状
態にかかわらず周波数は確実に変化し、単独運転を確実
に検出でき、これにより系統連系インバータ1を交流電
力系統3から的確に解列させることができる。
【0067】実施の形態11.この実施の形態11の系
統連系インバータ1は前述の図11により示した実施の
形態5の系統連系インバータ1と同じ構成である。従っ
て、図11はそのままこれを援用するとともに実施の形
態5のものと同じ部分は同一符号を使用し、それらにつ
いての説明は省略する。
【0068】この実施の形態11の系統連系インバータ
1は、図24の動作説明図及び図25の周波数シフト検
出回路14の処理を示すフロー10のように、周波数シ
フト検出回路14が、周波数異常整定値OFR(分散型
電源系統連系技術指針JEAG9701―1993によ
り定められている)を周波数が越えた時、単独運転検出
の検出フラグがHの場合は単独運転検出用のタイマを継
続させたまま、周波数バイアスαのバイアス量を零に
し、検出フラグがLの場合は単独運転検出用のタイマの
リセットのみを行なうことを特徴としている。
【0069】この実施の形態11において、図24の動
作説明図の(a)によって示すように、交流電力系統3
が停電すると、図24の(b)に示す周波数バイアスα
により周波数(又は周期)のデータ信号は、図24の
(c)に示されるように変化していく。そして、検出タ
イミングにおいて(図25の#185でYES)、今回
の周波数(又は周期)のデータ信号と、図25の#19
8,#199で得られる数サイクル前の周波数(又は周
期)のデータ信号との偏差(図25の#186)は図2
4の(d)に示すように所定値以上となり、周波数シフ
ト検出回路14は単独運転と判断し(図25の#187
でYES)、図24の(e)に示す単独運転検出の検出
フラグをHにし(図25の#188)、周波数バイアス
αの方向を変化した方向に固定する(図25の#18
9)。
【0070】このとき、周波数バイアスαのバイアス量
や系統連系インバータ1と負荷4の電力バランスによっ
ては、系統連系インバータ1の出力の周波数が、図示さ
れていない周波数異常検出回路の整定値を越える場合が
あり、こうした場合には系統連系インバータ1に接続さ
れている負荷4に悪影響が及ぶ。従って、この実施の形
態11においては、系統連系インバータ1の出力の周波
数が周波数異常整定値を越えた場合(図25の#181
でYES)、単独運転検出の検出フラグがHであれば
(図25の#200でYES)、単独運転検出用のタイ
マをリセットせずに周波数バイアスαのバイアス量を零
にする(図25の#202)。
【0071】単独運転検出のための所定値に比べ周波数
異常整定値は十分に大きい値であるため、単独運転に移
行してから周波数異常整定値を越えるには、一度は周波
数(又は周期)のデータ信号の偏差(図25の#18
6)が所定値以上となり(図25の#187でYE
S)、単独運転検出の検出フラグはHとなっている(図
25の#188)。周波数バイアスαのバイアス量を零
にすることによって、周波数は周波数バイアスαにより
変化することはなく、また、タイマは継続しているので
図24の(f)に示すように所定時間を経過すると(図
25の#203でYES)、系統連系インバータ1を停
止し(図25の#204)、連系用開閉器7を開放して
交流電力系統3から系統連系インバータ1を解列する
(図25の#205)。
【0072】逆に単独運転に移行していないなら検出フ
ラグはLであるので、このとき周波数異常整定値を越え
たならば単独運転検出用のタイマをリセットする(図2
5の#202)。単独運転に移行していないときは、周
波数バイアスαにより周波数が変化することはないの
で、周波数バイアスαのバイアス量を零にしなくてもよ
い。そして、図示されていない周波数異常検出回路によ
り系統連系インバータ1を停止し、また交流電力系統3
から解列する。
【0073】上述のようにこの実施の形態11の系統連
系インバータ1では、周波数が周波数異常整定値を越え
た時、単独運転検出の検出フラグがHの場合は単独運転
検出用のタイマを継続させたまま、周波数バイアスαの
バイアス量を零にするようにしたため、周波数が周波数
バイアスαにより大きく変動することがなく、接続され
た負荷4に悪影響を及ぼすことなく、確実かつ迅速に単
独運転を検出でき、これにより系統連系インバータ1を
交流電力系統3から的確に解列させることができる。
【0074】実施の形態12.この実施の形態12の系
統連系インバータ1は、前述の図1により示した実施の
形態1の系統連系インバータ1と基本的には同じ構成で
ある。従って、図1はそのままこれを援用するとともに
実施の形態1のものと同じ部分は同一符号を使用し、そ
れらについての説明は省略する。
【0075】この実施の形態12の系統連系インバータ
1における連系保護制御部9の周波数シフト検出回路1
4は、図26の構成図及び図27,28の周波数シフト
検出回路14の処理を示すフロー11,12のように、
電圧位相検出回路10から出力される周期データTnを
次のように処理する。即ち、電圧位相検出回路10から
送られた最新の周期データTnを図27のフロー11の
#215で読み込むが、その前に前回の周期データTn
−1、前々回の周期データTn−2、さらに1つ前の周
期データTn−3、さらに1つ前の周期データTn−4
をフロー11の#211〜#214の処理によって格納
する。これにより、過去5サイクル分の周期データT
n,Tn−1,Tn−2,Tn−3,Tn−4が格納さ
れる。これらの過去5サイクル分の周期データTn,T
n−1,Tn−2,Tn−3,Tn−4から周波数の傾
きaを求める(フロー11の#216)。この傾きaが
所定値δ以上であれば(フロー11の#217)、単独
運転検出の検出フラグをHにして単独運転の検出期間に
入り(フロー11の#218)、それ以外の時には、フ
ロー11の#211に戻る。なお、図28のフロー12
は初期化ルーチンであり、系統連系インバータ1の動作
開始時に実行され、図27のフロー11は系統電圧の毎
サイクル毎に実行されるルーチンである。
【0076】周波数シフト検出回路14は図26に示す
ように、データバッファ15及び傾き検出器16を備え
ている。データバッファ15は、電圧位相検出回路10
から出力される周期データTnを一定の過去に亘り記憶
し、記憶したデータの記憶内容を更新し、最新のn個
(例えば5個)のデータを保持する。傾き検出器16
は、データバッファ15内のn個のデータについて、図
29に示すように最小二乗法により周波数の傾きを検出
する。
【0077】傾き検出器16による傾きの検出は、最小
二乗法により求めた回帰直線の係数を統計手法により求
めることにより行なわれる。即ち、図30において5個
のデータT1,T2,T3,T4,T5は、i=0,
1,2,3,4で示され、回帰直線の傾きaは次式によ
り求められる。
【0078】
【数1】
【0079】ここで数1のkは、(N−1)/2=(5
−1)/2=2である。これにより、たとえノイズによ
り検出周波数がばらついても、最小二乗法により周波数
の変化を細かな分解能で検出できるので、確実に単独運
転を検出でき、誤動作を防止することができる。なお、
最小二乗法については、JISのZ8101により、測
定値Xiの論理値が未知母数θ1,θ2・・・,θpの
関数fi(θ1,θ2・・・,θp)であるときに、θ
1,θ2・・・,θpの推定値をΣ[Xi−fi(θ
1,θ2・・・,θp)]2が最小になるように定める
ことと定義されている。この実施の形態12の場合、得
られた周波数データから求められる周波数の傾きを、各
々の周波数データのその傾きからの誤差の二乗和が最小
になるように定めることになる。これ以外の基本的な機
能及び利点は実施の形態1のものと同じである。なお、
この実施の形態12は上記各実施の形態1以外の各実施
の形態に対して適用することが可能である。
【0080】実施の形態13.図31〜図35はこの実
施の形態13の系統連系インバータ装置を示したもので
ある。この系統連系インバータ1も、図31に示すよう
に太陽電池2等が発電した直流電力を交流電力に変換し
て、系統連系した交流電力系統3とともに負荷4に電力
を供給するもので、電力変換回路5、電流検出回路6、
連系用開閉器7、電力変換制御部8により構成されてい
る。電力変換制御部8は、電圧位相検出回路10、基準
信号作成回路11、制御回路12により構成されてい
る。
【0081】この種の系統連系インバータ1は、交流電
力系統3の系統電圧と同期した電力を発生するので、図
32に示すように交流電力系統3に接続された負荷4の
無効電力分は交流電力系統3から供給される。交流電力
系統3の停電時は系統連系インバータ1が、負荷4の無
効電力分も供給し力率1となるように制御されるため、
系統連系インバータ1の出力電圧の位相が変化する。定
常的には負荷4の無効電力はコンデンサCとリアクトル
Lの回路で決まり、位相の変化はコンデンサCがあると
下降する方向に、リアクトルLがあると上昇する方向に
なる。この実施の形態13の系統連系インバータ1は、
この位相の変化を検出した場合は、交流電力系統3が停
電したと判定して系統連系インバータ1を交流電力系統
3から解列する単独運転検出方式を採用したものであ
る。
【0082】このような単独運転検出方式は、負荷4の
消費する無効電力分が比較的多い場合には電圧位相の変
化も大きく検出し易いが、負荷4の消費する無効電力分
が少ないと、交流電力系統3の停電が発生した場合でも
電圧位相の変化は少なく、電圧位相の変化を検出するこ
とが困難になり、検出精度を上げて対応しても誤動作が
増加するといった問題を含んでいる。
【0083】そこで、この実施の形態13では、電力変
換制御部8により、電圧位相検出回路10で検出された
交流電力系統3の電圧周期のデータを最新の所定サイク
ルにおいて移動平均処理し、この移動平均処理による平
均値に対する最新のサイクルの電圧周期の変化量を監視
し、その変化量が所定値を越えたときに当該系統連系イ
ンバータ1が単独運転であると判断するようにしてい
る。即ち、電力変換制御部8は、図32の動作説明図及
び図33,34の電力変換制御部8の処理を示すフロー
13,14のように、電圧位相検出回路10から出力さ
れる周期データTnを次のように処理する。即ち、電圧
位相検出回路10から送られた最新の周期データTnを
図33の#224で読み込むが、その前に前回の周期の
データTn−1、前々回の周期データTn−2、さらに
1つ前の周期データTn−3を図33の#221〜#2
23の処理によってカウンタCNTに格納する。これに
より、過去4サイクル分の周期データTn,Tn−1,
Tn−2,Tn−3が格納される。
【0084】図33の#225においてこれらの過去4
サイクル分の周期データTn,Tn−1,Tn−2,T
n−3の平均値TAVと最新の周期データTnとの変化
量である偏差ΔTが求められる。図33の#226にお
いてこの偏差ΔTが所定値α以内であれば、#227に
おいて最新の4サイクル分の周期データで平均値TAV
を更新、即ち移動平均処理を行ない、#228でカウン
タCNTを0にし、#221の処理に戻る。#226の
処理において偏差ΔTが所定値αを越えれば、平均値T
AVの更新である移動平均処理は行なわず、#229に
おいて偏差ΔTが所定値β以上であれば、#230でカ
ウンタCNTをカウントアップする。ここで、αは移動
平均の値を最新のものに変更するかどうかを決定するた
めの所定値であり、移動平均の値と最新の値の偏差ΔT
が所定値α以上のとき移動平均の値を最新のものに変更
する。またβはカウンタ値を変更するかどうかを決定す
るための所定値であり、移動平均の値と最新の値の偏差
ΔTが所定値β以上のときカウンタ値を変更する。そし
て#231においてカウンタ値がγ以上であれば、#2
32において系統連系インバータ1を停止する。即ち、
偏差ΔTが所定値βを越える状態がγサイクル連続した
(8サイクル程度である)場合に系統連系インバータ1
を停止することになる。#230,#231の処理は、
偏差ΔTが所定値β以上である状態の連続性(8/60
秒の連続性)を検出している。なお、図34のフロー1
4は初期化ルーチンであり、系統連系インバータ1の動
作開始時に実行される。
【0085】このように、偏差ΔTが所定値αを越えれ
ば直ちに図35に示すように移動平均処理を中断するの
で、停電による電圧周期の変化量が平均値の中に含まれ
ることがなく、単独運転検出に関する検出感度も検出精
度も良好になる。正常時の平均周期に対して所定サイク
ル間(8サイクル程度である)連続して周期が所定値よ
りずれた場合にのみ停電と判定するため、検出感度が良
くても誤動作は少ないものとなり、この種の単独運転検
出方式の前述した問題点を解消することができる。な
お、移動平均とは、測定値(X1,X2・・・)が次々
に得られるとき、各値から始めて順に一定個数を採って
作った算術平均の全体であり(JISのZ8101)、
例えば、(X1+X2+X3)/3、(X2+X3+X
4)/3、(X3+X4+X5)/3、・・・は移動平
均である。この実施の形態13の場合は、得られた周波
数データのうち最新のものからの所定個数による算術平
均ということができる。
【0086】
【発明の効果】検出感度が良く誤動作の少ない単独運転
検出方式が得られる。
【0087】また、電圧周期が変化し始めたら移動平均
処理を中断するので、停電による電圧周期の変化量が平
均値の中に含まれることがなく、検出精度も検出感度も
共に良好で誤動作の少ない単独運転検出方式が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1〜4の系統連系インバータ装置
のブロック構成図である。
【図2】 実施の形態1の系統連系インバータ装置の動
作を示すタイムチャートである。
【図3】 実施の形態1,2の系統連系インバータ装置
の動作を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態1の系統連系インバータ装置の動
作を示すタイムチャートである。
【図5】 実施の形態2,8の系統連系インバータ装置
のブロック構成図である。
【図6】 実施の形態2の系統連系インバータ装置の動
作を示すタイムチャートである。
【図7】 実施の形態3の系統連系インバータ装置の動
作を示すタイムチャートである。
【図8】 実施の形態3の系統連系インバータ装置の動
作を示すフローチャートである。
【図9】 実施の形態4の系統連系インバータ装置の動
作を示すタイムチャートである。
【図10】 実施の形態4の系統連系インバータ装置の
動作を示すフローチャートである。
【図11】 実施の形態5〜11の系統連系インバータ
装置のブロック構成図である。
【図12】 実施の形態5の系統連系インバータ装置の
動作を示すタイムチャートである。
【図13】 実施の形態5の系統連系インバータ装置の
動作を示すフローチャートである。
【図14】 実施の形態6の系統連系インバータ装置の
動作を示すタイムチャートである。
【図15】 実施の形態6の系統連系インバータ装置の
動作を示すフローチャートである。
【図16】 実施の形態7の系統連系インバータ装置の
動作を示すタイムチャートである。
【図17】 実施の形態7の系統連系インバータ装置の
動作を示すフローチャートである。
【図18】 実施の形態8の系統連系インバータ装置の
動作を示すタイムチャートである。
【図19】 実施の形態8の系統連系インバータ装置の
動作を示すフローチャートである。
【図20】 実施の形態9の系統連系インバータ装置の
動作を示すタイムチャートである。
【図21】 実施の形態9の系統連系インバータ装置の
動作を示すフローチャートである。
【図22】 実施の形態10の系統連系インバータ装置
の動作を示すタイムチャートである。
【図23】 実施の形態10の系統連系インバータ装置
の動作を示すフローチャートである。
【図24】 実施の形態11の系統連系インバータ装置
の動作を示すタイムチャートである。
【図25】 実施の形態11の系統連系インバータ装置
の動作を示すフローチャートである。
【図26】 実施の形態12の系統連系インバータ装置
の要部の構成図である。
【図27】 実施の形態12の系統連系インバータ装置
の動作を示すフローチャートである。
【図28】 実施の形態12の系統連系インバータ装置
の動作を示すフローチャートである。
【図29】 実施の形態12の系統連系インバータ装置
の動作を示す説明図である。
【図30】 実施の形態12の系統連系インバータ装置
の動作を示す説明図である。
【図31】 実施の形態13の系統連系インバータ装置
の構成図である。
【図32】 実施の形態13の系統連系インバータ装置
の動作説明図である。
【図33】 実施の形態13の系統連系インバータ装置
の動作を示すフローチャートである。
【図34】 実施の形態13の系統連系インバータ装置
の動作を示すフローチャートである。
【図35】 実施の形態13の系統連系インバータ装置
の動作を示す説明図である。
【図36】 従来の系統連系インバータ装置を示すブロ
ック構成図である。
【図37】 従来の系統連系インバータ装置の動作を示
すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 系統連系インバータ 1a 系統連系インバータ 2 太陽電池 3 交流電力系統 4 負荷 5 電力変換回路 6 電流検出回路 8 電力変換制御部 10 電圧位相検出回路 11 基準信号作成回路 12 制御回路 13 周波数指令発生回路 14 周波数シフト検出回路 15 データバッファ 16 傾き検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 私市 広康 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5G066 HA11 HB04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連系した交流電力系統の電圧周期を検出
    する電圧周期検出回路と、この電圧周期検出回路で検出
    された上記交流電力系統の電圧周期に同期した交流電力
    を得るべく制御信号を出力する制御部とにより、直流電
    力を上記交流電力系統の電圧周期に同期した交流電力に
    変換し、上記交流電力系統とともに、接続された負荷に
    電力を供給する系統連系インバータ装置であって、上記
    制御部により、上記電圧周期検出回路で検出された電圧
    周期のデータを最新の所定サイクルにおいて移動平均処
    理し、この移動平均処理による平均値に対する最新のサ
    イクルの電圧周期の変化量を監視し、その変化量が所定
    値を越えたときに当該系統連系インバータ装置が単独運
    転と判定することを特徴とする系統連系インバータ装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の系統連系インバータ装
    置であって、移動平均処理による平均値との最新の1サ
    イクルの電圧周期との変化量が所定値以上の場合には移
    動平均処理を中止し、移動平均処理を中止する前の平均
    値に対する最新のサイクルの電圧周期の変化量が所定値
    以上で所定サイクルの間連続したときに当該系統連系イ
    ンバータ装置が単独運転と判定することを特徴とする系
    統連系インバータ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013042576A (ja) * 2011-08-11 2013-02-28 Purpose Co Ltd 分散型電源装置、その制御プログラムおよびその制御方法

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