JP2003218670A - 弾性表面波フィルタ、平衡型フィルタ、および通信装置 - Google Patents

弾性表面波フィルタ、平衡型フィルタ、および通信装置

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弘幸 中村
Naruhiro Mita
成大 三田
Shigeru Tsuzuki
茂 都築
Toru Yamada
徹 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不平衡型−平衡型端子を有する縦モード型弾
性表面波フィルタに関して、平衡度が劣化するという課
題があった。 【解決手段】 圧電基板101の上に、第1のIDT電
極102と第2、第3のIDT電極103、104と第
1、第2の反射器電極105、106とによって構成さ
れる縦モード型の弾性表面波フィルタが形成されてい
る。第1のIDT電極102の上部電極102aは平衡
型端子の一方107に接続され、第1のIDT電極10
2の下部電極102bは平衡型端子の他方108に接続
される。また、第2のIDT電極103の上部電極10
3aは不平衡型端子109に接続され、下部電極103
bは接地される。第3のIDT電極104の下部電極1
04bは不平衡型端子109に接続され、上部電極10
3aは接地される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波フィル
タ、平衡型フィルタ、および通信装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波(SAW)を用いたエレクト
ロメカニカル機能部品は、波の音速が数km/sであ
り、波のエネルギーが伝搬媒体の表面に集中する性質を
有することからハードウェアの高密度化の流れの中で注
目され、インタディジタルトランスデューサ(IDT電
極)電極の開発と薄膜作成技術、表面加工技術の進歩に
よって、レーダ用遅延線、テレビジョン受像機用帯域フ
ィルタなどに実用化され、現在では、通信機器の送受信
回路のRF、IF段のフィルタとして広く使用されてい
る。
【0003】近年、対雑音特性の良好化を目的としてI
Cなどの半導体部品の平衡化が進み、RF段に使用され
る弾性表面波フィルタにおいても平衡化が求められてい
る。また、近年では、弾性表面波フィルタの前段及び後
段に配置されるIC等により、弾性表面波フィルタが不
平衡−平衡型端子を有することあるいは平衡−平衡型端
子を有することが求められている。また、従来より、R
F段のフィルタとしては、縦モード型の弾性表面波フィ
ルタが広く用いられている。このような弾性表面波フィ
ルタにとっては、平衡度が一つの重要なパラメータにな
る。
【0004】(A)まず、図12〜13を参照しなが
ら、従来の不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード
型の弾性表面波フィルタについて説明する。
【0005】図12に、従来の不平衡−平衡型入出力端
子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの構成を示
す。図12において、弾性表面波フィルタは、圧電基板
1001上に、第1、第2、第3のIDT電極100
2、1003、1004と第1、第2の反射器電極10
05、1006とにより構成される。第1のIDT電極
1002の上側の電極指は平衡型端子の一方1007に
接続され、第1のIDT電極1002の下側の電極指は
平衡型端子の他方1008に接続される。また、IDT
電極1003、1004の同じ側の電極指を不平衡型端
子1009に接続し、他方を接地する。以上の構成とす
ることにより不平衡−平衡型端子を有する弾性表面波フ
ィルタが得られる。
【0006】図13に、上記とは別の例として、平衡−
平衡型端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの
構成を示す。図13において、弾性表面波フィルタは、
圧電基板1001上に、第1、第2、第3のIDT電極
1002、1003、1004と第1、第2の反射器電
極1005、1006とにより構成される。第1のID
T電極1002の上側の電極指は平衡型端子の一方10
07に接続され、第1のIDT電極1002の下側の電
極指は平衡型端子の他方1008に接続される。また、
IDT電極1003、1004の同じ側の電極指を平衡
型端子1010に接続し、IDT電極1003、100
4の他方の側の電極指を平衡型端子1011に接続す
る。以上の構成とすることにより平衡−平衡型端子を有
する弾性表面波フィルタが得られる。
【0007】(B)つぎに、図27を参照しながら、従
来の不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾
性表面波フィルタについて説明する。
【0008】図27に、従来の不平衡−平衡型入出力端
子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの概略図を
示す。図27において、弾性表面波フィルタは、それぞ
れ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラック6
及び2段目のフィルタトラック12から構成される。
【0009】1段目のフィルタトラック6は、第1、第
2、第3のIDT電極1、2、3と第1、第2の反射器
電極4、5とにより構成される。また、2段目のフィル
タトラック12は、第4、第5、第6のIDT電極7、
8、9と、第3、第4の反射器電極10、11とにより
構成される。
【0010】第1のIDT電極1の両側には、第2、及
び第3のIDT電極2、3が配置さえており、その両側
には、第1、第2の反射器電極4、5が配置されてい
る。また、第4のIDT電極の両側には、第5、第6の
IDT電極8、9が配置されており、その両側には、第
3、第4の反射器電極10、11が配置されている。
【0011】第1のIDT電極1は、2段目のフィルタ
トラック12の側とは反対側の方にに配置された上部電
極1aと、2段目のフィルタトラック12の側の方に配
置された下部電極1bとから構成される。
【0012】第2のIDT電極2は、2段目のフィルタ
トラック12の側とは反対側の方にに配置された上部電
極2aと、2段目のフィルタトラック12の側の方に配
置された下部電極2bとから構成される。
【0013】第3のIDT電極3は、2段目のフィルタ
トラック12の側とは反対側の方にに配置された上部電
極3aと、2段目のフィルタトラック12の側の方に配
置された下部電極3bとから構成される。
【0014】第4のIDT電極7は、1段目のフィルタ
トラック6の側の方に配置された上部電極7aと、1段
目のフィルタトラック6の側とは反対側の方配置された
下部電極7bとから構成される。
【0015】第5のIDT電極8は、1段目のフィルタ
トラック6の側の方に配置された上部電極8aと、1段
目のフィルタトラック6の側とは反対側の方配置された
下部電極8bとから構成される。
【0016】第6のIDT電極9は、1段目のフィルタ
トラック6の側の方に配置された上部電極9aと、1段
目のフィルタトラック6の側とは反対側の方配置された
下部電極9bとから構成される。
【0017】このように各IDT電極はそれぞれ一対の
櫛形電極である上部電極と下部電極とから構成されてい
る。
【0018】また、第1のIDT電極1の上部電極1a
は、1段目のフィルタトラック6の2段目のフィルタト
ラック12とは反対側に設けられた入力用の不平衡型端
子INに接続されており、第1のIDT電極1の下部電
極1bは、接地されている。
【0019】第2のIDT電極2の下部電極2bは、引
き回し配線32によって第5のIDT電極8の上部電極
8aに接続されている。第2のIDT電極2の上部電極
2aは接地されている。
【0020】第3のIDT電極3の下部電極3bは、引
き回し配線33によって第6のIDT電極9の上部電極
9aに接続されている。第3のIDT電極3の上部電極
3aは接地されている。
【0021】第4のIDT電極7の上部電極7aは、出
力用の1対の平衡型端子のうち1段目のフィルタトラッ
ク6の側に設けられた平衡型端子OUT1に接続されて
おり、第4のIDT電極7の下部電極7bは、出力用の
1対の平衡型端子のうち、1段目のフィルタトラック6
とは反対側に設けられた平衡型端子OUT2に接続され
ている。
【0022】第5のIDT電極8の下部電極8b及び第
6のIDT電極9の下部電極9bは、ともに接地されて
いる。
【0023】次に、このような従来の弾性表面波フィル
タの動作を説明する。
【0024】不平衡型端子INに信号を入力することに
より、第1のIDT電極1で弾性表面波が生じる。そし
て、弾性表面波は、第1、第2の反射器電極4、5によ
り閉じ込められて複数の共振モードを生じる。この共振
モードを利用することによりフィルタ特性が得られ、第
2のIDT電極2及び第3のIDT電極3でそれぞれ電
気信号に変換される。
【0025】第2のIDT電極2で変換された電気信号
は、引き回し配線32を通過して第5のIDT電極8の
上部電極8aに出力される。また、第3のIDT電極3
で変換された電気信号は、引き回し配線33を通過して
第6のIDT電極9の上部電極9aに出力される。この
とき、弾性表面波フィルタの各IDT電極同士の間隔及
び電極指の接続の仕方を予め調整しておくことにより、
引き回し配線32に入力される電気信号と引き回し配線
33に入力される電気信号とは位相が逆相となる。
【0026】第5のIDT電極8に入力された電気信号
は、第5のIDT電極8で弾性表面波に変換され、ま
た、第6のIDT電極9に入力された電気信号は、第6
のIDT電極9で弾性表面波に変換される。そして、第
5のIDT電極8及び第6のIDT電極9で変換された
弾性表面波は、第3、第4の反射器電極10、11によ
り閉じ込められて複数の共振モードを形成する。この共
振モードを利用することによりフィルタ特性が得られ、
電気信号は、平衡型端子OUT1及びOUT2から出力
される。
【0027】(C)つぎに、図40を参照しながら、従
来の平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波
フィルタについて説明する。
【0028】図40に従来の平衡型端子を有する縦モー
ド型の弾性表面波フィルタの構成を示す。図40におい
て、弾性表面波フィルタは、前述した従来の弾性表面波
フィルタ(図12参照)と類似した構成を有しており、
圧電基板4101上に、第1、第2、第3のインターデ
ィジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とす
る)4102、4103、4104と第1、第2の反射
器電極4105、4106とにより構成される。第1の
IDT電極4102の一方の電極指は平衡型端子の一方
4107に接続され、第1のIDT電極4102の他方
の電極指は平衡型端子の他方4108に接続される。ま
た、第2、第3のIDT電極4103、4104の一方
の側の電極指を不平衡型端子4109に接続し、他方を
接地する。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡
型端子を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の弾性表面波フィルタには、つぎのような課題が
あった。
【0030】(A)図12の弾性表面波フィルタでは、
平衡型端子1007と第1のIDT電極1002とを接
続する引き回し配線の付近には、第2のIDT電極10
03と不平衡型端子1009とを接続する配線や第3の
IDT電極1004と不平衡型端子1009とを接続す
る引き回し配線が存在する。
【0031】一方、平衡型端子1008と第1のIDT
電極1002とを接続する引き回し配線は、平衡型端子
1007と第1のIDT電極1002とを接続する引き
回し配線より、第2のIDT電極1003と不平衡型端
子1009とを接続する配線や第3のIDT電極100
4と不平衡型端子1009とを接続する引き回し配線か
ら離れている。
【0032】従って、平衡型端子1007と第1のID
T電極1002とを接続する引き回し配線は、不平衡型
端子1009と第2のIDT電極1003や第3のID
T電極1004とを接続する引き回し配線との間に、平
衡型端子1008と第1のIDT電極1002とを接続
する引き回し配線より、高周波的なより大きな寄生成分
が存在する。従って平衡度が劣化することになる。
【0033】図13の弾性表面波フィルタでは、平衡型
端子1007と第1のIDT電極1002とを接続する
引き回し配線の付近には、第2のIDT電極1003と
平衡型端子1010とを接続する引き回し配線、及び第
3のIDT電極1004と平衡型端子1010とを接続
する引き回し配線が存在し、これら2つの引き回し配線
には位相が実質上等しい信号が流れる。従って、平衡型
端子1007と第1のIDT電極1002とを接続する
引き回し配線、及び第2のIDT電極1003からの引
き回し配線との間の高周波的な寄生成分は、平衡型端子
1007と第1のIDT電極1002とを接続する引き
回し配線、及び第3のIDT電極1004からの引き回
し配線の間の高周波的な寄生成分と実質上位相が等しく
なる。
【0034】同様に平衡型端子1008と第1のIDT
電極1002とを接続する引き回し配線の付近には、第
2のIDT電極1003と平衡型端子1011とを接続
する引き回し配線、及び第3のIDT電極1004と平
衡型端子1011とを接続する引き回し配線が存在し、
これら2つの引き回し配線には位相が実質上等しい信号
が流れる。従って、平衡型端子1008と第1のIDT
電極1002とを接続する引き回し配線、及び第2のI
DT電極1003からの引き回し配線の間の高周波的な
寄生成分は、平衡型端子1008と第1のIDT電極1
002とを接続する引き回し配線、及び第3のIDT電
極1004からの引き回し配線の間の高周波的な寄生成
分と実質上位相が等しくなる。
【0035】従って、平衡型端子1007、1008ま
たは平衡型端子1010,1011から出力された信号
には上記の寄生成分が含まれることになり、平衡型端子
のそれぞれにアンバランスな寄生成分が生じて、弾性波
表面波フィルタの特性が劣化することになる。
【0036】このように、従来の弾性表面波フィルタ
(図12〜13参照)では、IDT電極からの引き回し
配線同士が空間的に結合したり、入出力IDT電極が空
間的に結合したりすることにより平衡度が劣化したり、
弾性波表面波フィルタの特性が劣化したりすることがあ
った。
【0037】(B)また、図27の弾性表面波フィルタ
では、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部
電極7aとを接続する引き回し配線の付近には、第2の
IDT電極2の下部電極2bと第5のIDT電極8の上
部電極8aとを接続する引き回し配線32や、第3のI
DT電極3の下部電極3bと第6のIDT電極9の上部
電極9aとを接続する引き回し配線33が存在する。一
方、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電
極7bとを接続する引き回し配線の付近には、引き回し
配線32及び引き回し配線33は存在していない。
【0038】このように、平衡型端子OUT1と第4の
IDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線
は、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電
極7bとを接続する引き回し配線より、引き回し配線3
2、33により近い位置に配置されている。
【0039】従って、平衡型端子OUT1と第4のID
T電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線や、
平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7
bとを接続する引き回し配線に、アンバランスな寄生成
分が存在するために、平衡度が劣化することになると、
本発明者は考えている。
【0040】このように、従来の弾性表面波フィルタ
(図27参照)では、IDT電極からの引き回し配線同
士が空間的に結合したり、入出力IDT電極同士が空間
的に結合したりすることにより平衡度が劣化したり、弾
性波表面波フィルタの特性が劣化したりすることがあっ
た。
【0041】(C)また、図40の弾性表面波フィルタ
では、図41(A)〜(C)に示すように、通過帯域に
おいて、振幅バランス特性は−1.2dB〜+1.0d
B、位相バランス特性は−8°〜+10°と大きく劣化
している。なお、図41(A)は従来の900MHz帯
の弾性表面波フィルタの通過特性であり、図41(B)
は従来の900MHz帯の弾性表面波フィルタの通過帯
域(925MHzから960MHzまで)の振幅バラン
ス特性であり、図41(C)は従来の900MHz帯の
弾性表面波フィルタの通過帯域の位相バランス特性であ
る。
【0042】ここで、振幅バランス特性とは平衡型端子
の一方4107と不平衡型端子4109との信号振幅と
平衡型端子の他方4108と不平衡型端子4109との
信号振幅との振幅差を表したものであり、この値が零と
なればバランス特性の劣化はない。また、位相バランス
特性とは平衡型端子の一方4107と不平衡型端子41
09との信号の位相と平衡型端子の他方4108と不平
衡型端子4109との信号の位相との位相差の180度
からのずれを表したものであり、この値が零となればバ
ランス特性の劣化はない。
【0043】このように、従来の弾性表面波フィルタ
(図40参照)では、重要な電気的特性の一つであるバ
ランス特性の劣化が大きかった。なお、その劣化原因に
関する詳細な議論が少なかった。
【0044】本発明は、上記課題を考慮し、より良好な
フィルタ特性を有する弾性表面波フィルタ、平衡型フィ
ルタ、および通信装置を提供することを目的とするもの
である。
【0045】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、圧電基
板上に配置された一対の対向する櫛形電極からそれぞれ
構成されている、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿っ
て配置された少なくとも第1から第3のIDT電極を備
え、前記第1から第3のIDT電極の内、(1)両側に
他のIDT電極が配置された前記第1のIDT電極は、
一方の櫛形電極が第1の平衡型端子の一方に接続されて
おり、他方の櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に
接続されており、(2)前記他のIDT電極の内の前記
第2のIDT電極は、一方の櫛形電極が引き回し配線を
介して信号が入力または出力され、(3)前記他のID
T電極の内の前記第3のIDT電極は、前記第2のID
T電極の一方の櫛形電極とは相異なる側にある一方の櫛
形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力さ
れる弾性表面波フィルタである。
【0046】第2の本発明は、前記第1のIDT電極を
基準にして前記第2のIDT電極側にある第1の反射器
電極と、前記第1のIDT電極を基準にして前記第3の
IDT電極側にある第2の反射器電極とを備え、前記少
なくとも第1から第3のIDT電極は、前記第1の反射
器電極と前記第2の反射器電極との間に配置されてお
り、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信
号の入力または出力を行うための前記引き回し配線と、
前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の
入力または出力を行うための前記引き回し配線とは、互
いに接続され不平衡端子に接続されている第1の本発明
の弾性表面波フィルタである。
【0047】第3の本発明は、前記第2のIDT電極の
他方の櫛形電極は、接地されており、前記第3のIDT
電極の他方の櫛形電極は、接地されている第2の本発明
の弾性表面波フィルタである。
【0048】第4の本発明は、前記第2のIDT電極の
前記一方の櫛形電極は、第2の平衡型端子の一方に接続
されており、前記第3のIDT電極の前記一方の櫛形電
極は、前記第2の平衡型端子の一方に接続されている第
1の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0049】第5の本発明は、前記第1および第2の反
射器電極は、接地されており、前記第2のIDT電極の
他方の電極は、前記第1の反射器電極と接続されること
によって接地されており、前記第3のIDT電極の他方
の電極は、前記第2の反射器電極と接続されることによ
って接地されている第3の本発明の弾性表面波フィルタ
である。
【0050】第6の本発明は、前記第1および第2の反
射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、前記
第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の反射器電
極と接続されることによって前記不平衡型端子に接続さ
れており、前記第3のIDT電極の一方の電極は、前記
第2の反射器電極と接続されることによって前記不平衡
型端子に接続されている第3の本発明の弾性表面波フィ
ルタである。
【0051】第7の本発明は、前記第1および/または
前記第2の反射器電極は、少なくとも2つの分割反射器
電極に分割されている第3の本発明の弾性表面波フィル
タである。
【0052】第8の本発明は、前記少なくとも2つの分
割反射器電極の内の、前記第2および/または前記第3
のIDT電極に近接する方の分割反射器電極は、直接接
地されているかまたは他の前記分割反射器電極を介して
接地されている第7の本発明の弾性表面波フィルタであ
る。
【0053】第9の本発明は、(1)前記第1の反射器
電極が分割され、前記第2のIDT電極の前記他方の電
極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器
電極の内の接地されている分割反射器電極に接続される
ことによって接地されており、(2)前記第2の反射器
電極が分割され、前記第3のIDT電極の前記他方の電
極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器
電極の内の接地されている分割反射器電極に接続される
ことによって接地されている第8の本発明の弾性表面波
フィルタである。
【0054】第10の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が分割され、前記第2のIDT電極の一方の電極
は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電
極の内の接地されていない分割反射器電極に接続されて
おり、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されて
いる前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続さ
れており、(2)前記第2の反射器電極が分割され、前
記第3のIDT電極の一方の電極は、前記第2の反射器
電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されてい
ない分割反射器電極に接続されており、その第3のID
T電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電
極は、前記不平衡型端子に接続されている第9の本発明
の弾性表面波フィルタである。
【0055】第11の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割さ
れ、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反
射器電極の電極指ピッチが互いに異なっており、(2)
前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射
器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくと
も2つの分割反射器電極の電極指ピッチが互いに異なっ
ている第7の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0056】第12の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割さ
れ、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反
射器電極のメタライゼーションレシオが互いに異なって
おり、(2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2
つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の
内の少なくとも2つの分割反射器電極のメタライゼーシ
ョンレシオが互いに異なっている第7の本発明の弾性表
面波フィルタである。
【0057】第13の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が少なくとも3つの前記分割反射器電極に分割さ
れ、その分割反射器電極の内の互いに隣接する2つの分
割反射器電極の間の間隔が全て同じではなく、(2)前
記第2の反射器電極が少なくとも3つの前記分割反射器
電極に分割され、その分割反射器電極の内の互いに隣接
する2つの分割反射器電極の間の間隔が全て同じではな
い第7の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0058】第14の本発明は、前記分割反射器電極へ
の分割は、前記第1から第3のIDT電極が配置されて
いる方向と直交する方向で行われている第7の本発明の
弾性表面波フィルタである。
【0059】第15の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割さ
れ、前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の
反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されて
おり、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されて
いる前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続さ
れており、(2)前記第2の反射器電極が前記少なくと
も2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT
電極の一方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する
前記分割反射器電極に接続されており、その第3のID
T電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電
極は、前記不平衡型端子に接続されている第14の本発
明の弾性表面波フィルタである。
【0060】第16の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割さ
れ、前記第2のIDT電極の他方の電極は、前記第1の
反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されて
おり、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されて
いる前記分割反射器電極は、接地されており、(2)前
記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器
電極に分割され、前記第3のIDT電極の他方の電極
は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電
極に接続されており、その第3のIDT電極の一方の電
極が接続されている前記分割反射器電極は、接地されて
いる第14の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0061】第17の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割さ
れ、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電
極の内の前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電
極は、前記第1から第3のIDT電極が配置されている
方向と直交する方向でさらに2つ以上の横分割反射器電
極に分割されており、(2)前記第2の反射器電極が前
記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第
2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の前
記第3のIDT電極に近接する分割反射器電極は、前記
第1から第3のIDT電極が配置されている方向と直交
する方向でさらに2つ以上の横分割反射器電極に分割さ
れている第14の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0062】第18の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割さ
れ、前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電極が
さらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されてい
る場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、前記不
平衡型端子に接続されており、(2)前記第2の反射器
電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割さ
れ、前記第3のIDT電極に近接する分割反射器電極が
さらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されてい
る場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、前記不
平衡型端子に接続されている第17の本発明の弾性表面
波フィルタである。
【0063】第19の本発明は、(1)前記第1の反射
器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割さ
れ、前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電極が
さらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されてい
る場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、接地さ
れており、(2)前記第2の反射器電極が前記少なくと
も2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT
電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の
横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反
射器電極の内の何れかは、接地されている第17の本発
明の弾性表面波フィルタである。
【0064】第20の本発明は、前記不平衡型端子に
は、単数または複数の弾性表面波共振器が直列および/
または並列に接続されている第3の本発明の弾性表面波
フィルタである。
【0065】第21の本発明は、不平衡型から平衡型ま
たは平衡型から不平衡型への変換機能を有する第1の本
発明の弾性表面波フィルタである。
【0066】第22の本発明は、前記圧電基板上に配置
された一対の対向する櫛形電極からそれぞれ構成されて
いる、前記弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された、
(1)両側に他のIDT電極が配置された第4のIDT
電極と、(2)前記他のIDT電極の内の一方の櫛形電
極が引き回し配線を介して信号が入力または出力される
第5のIDT電極と、(3)前記他のIDT電極の内の
一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力また
は出力される前記第5のIDT電極とは相異なる側にあ
る第6のIDT電極とを有する第1のフィルタトラック
と、前記第1のIDT電極と、前記第2のIDT電極
と、前記第3のIDT電極とを有する第2のフィルタト
ラックとを備え、前記第1のフィルタトラックと前記第
2のフィルタトラックとは、縦続に接続されており、前
記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入
力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記第
5のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力ま
たは出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに接
続されており、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極
に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回
し配線と、前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極に対
して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配
線とは、互いに接続されている第1の本発明の弾性表面
波フィルタである。
【0067】第23の本発明は、前記第5のIDT電極
の一方の櫛形電極と前記第6のIDT電極の一方の櫛形
電極とは、相等しい側にある第22の本発明の弾性表面
波フィルタである。
【0068】第24の本発明は、前記第5のIDT電極
の一方の櫛形電極と前記第6のIDT電極の一方の櫛形
電極とは、相異なる側にある第22の本発明の弾性表面
波フィルタである。
【0069】第25の本発明は、前記第4のIDT電極
の一方の櫛形電極は、不平衡型端子に接続されている第
22の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0070】第26の本発明は、前記第4のIDT電極
の一方の櫛形電極は、前記第2のフィルタトラックとは
反対側に配置されている第25の本発明の弾性表面波フ
ィルタである。
【0071】第27の本発明は、前記第2のIDT電極
の他方の櫛形電極は、接地されており、前記第3のID
T電極の他方の櫛形電極は、接地されており、前記第5
のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、前
記第6のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されてい
る第22の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0072】第28の本発明は、(1)前記第2のID
T電極の一方の櫛形電極に対して行われる信号の入力ま
たは出力の位相と、(2)前記第3のIDT電極の一方
の櫛形電極に対して行われる信号の入力または出力の位
相とは、実質上互いに逆相である第22の本発明の弾性
表面波フィルタである。
【0073】第29の本発明は、(1)前記第2のID
T電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力
を行うための引き回し配線と、前記第5のIDT電極の
一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うた
めの引き回し配線とを接続するための配線のリアクタン
ス成分と、(2)前記第3のIDT電極の一方の櫛形電
極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し
配線と、前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極に対し
て信号の入力または出力を行うための引き回し配線とを
接続するための配線のリアクタンス成分とは、実質上互
いに等しい第22の本発明の弾性表面波フィルタであ
る。
【0074】第30の本発明は、前記第4のIDT電極
の一方の櫛形電極は、第2の平衡型端子の一方に接続さ
れており、前記第4のIDT電極の他方の櫛形電極は、
前記第2の平衡型端子の他方に接続されている第22の
本発明の弾性表面波フィルタである。
【0075】第31の本発明は、前記第1のIDT電極
を基準にして前記第2のIDT電極側にある第1の反射
器電極と、前記第1のIDT電極を基準にして前記第3
のIDT電極側にある第2の反射器電極と、前記第4の
IDT電極を基準にして前記第5のIDT電極側にある
第3の反射器電極と、前記第4のIDT電極を基準にし
て前記第6のIDT電極側にある第4の反射器電極とを
備え、前記少なくとも第1から第3のIDT電極は、前
記第1の反射器電極と前記第2の反射器電極との間に配
置されており、前記少なくとも第4から第6のIDT電
極は、前記第3の反射器電極と前記第4の反射器電極と
の間に配置されている第22の本発明の弾性表面波フィ
ルタである。
【0076】第32の本発明は、前記第1から第6のI
DT電極の内の少なくとも1個のIDT電極は、複数の
分割IDT電極に分割されており、前記複数の分割ID
T電極の櫛形電極の内の一方の側に配置されている櫛形
電極の全部または一部は、互いに電気的に接続されてお
り、前記複数の分割IDT電極の櫛形電極の内の他方の
側に配置されている櫛形電極の全部または一部は、互い
に電気的に接続されている第22の本発明の弾性表面波
フィルタである。
【0077】第33の本発明は、前記第1から第6のI
DT電極の内の少なくとも1個のIDT電極は、2個ま
たは3個の分割IDT電極に分割されている第32の本
発明の弾性表面波フィルタである。
【0078】第34の本発明は、前記一対の対向する櫛
形電極の互いに隣り合う電極指同士の中心間隔は、弾性
表面波フィルタの中心周波数λに対して実質上0.9×
λ/2から1.1×λ/2までの範囲の値を有する第2
2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0079】第35の本発明は、圧電基板上に配置され
た一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形
電極が第1の平衡型端子の一方に接続される第1のID
T電極と、前記圧電基板上に配置された一対の対向する
櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が第2の平衡
端子の一方または不平衡型端子に接続される第2のID
T電極とを備え、前記第1のIDT電極の一方の櫛形電
極と、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極との間に
は、リアクタンス素子が接続されている弾性表面波フィ
ルタである。
【0080】第36の本発明は、前記圧電基板上に配置
された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の
櫛形電極が前記不平衡型端子に接続される第3のIDT
電極をさらに備え、前記第1から第3のIDT電極は、
弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前記第2、第
3のIDT電極が前記第1のIDT電極の相異なる側に
存するよう配置され、前記第1のIDT電極の他方の櫛
形電極は、前記第1の平衡端子の他方に接続されている
第35の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0081】第37の本発明は、前記第1のIDT電極
の一方の櫛形電極と、前記第3のIDT電極の一方の櫛
形電極との間には、リアクタンス素子が接続されている
第36の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0082】第38の本発明は、前記第2のIDT電極
の一方の櫛形電極と前記第3のIDT電極の一方の櫛形
電極とは、前記弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って
配置された第1から第3のIDT電極から見て相異なる
側にある第37の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0083】第39の本発明は、前記圧電基板上に配置
された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の
櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に接続される第
3のIDT電極をさらに備え、前記第1から第3のID
T電極は、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前
記第1、第3のIDT電極が前記第2のIDT電極の相
異なる側に存するよう配置されている第35の本発明の
弾性表面波フィルタである。
【0084】第40の本発明は、前記第1のIDT電極
の一方の櫛形電極と、前記第3のIDT電極の一方の櫛
形電極との間には、リアクタンス素子が接続されている
第39の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0085】第41の本発明は、(1)前記第1のID
T電極と、前記第1のIDT電極がその間に配置された
二つの反射器電極とを有する第1の弾性表面波共振子
と、(2)前記第2のIDT電極と、前記第2のIDT
電極がその間に配置された二つの反射器電極とを有する
第2の弾性表面波共振子とを備え、前記第1の弾性表面
波共振子と前記第2の弾性表面波共振子とは、梯子型に
接続されている第35の本発明の弾性表面波フィルタで
ある。
【0086】第42の本発明は、前記不平衡型端子と前
記平衡型端子との間に存在する寄生成分と前記リアクタ
ンス素子とによって、共振周波数が通過帯域内に設定さ
れた並列共振回路が形成されている第35の本発明の弾
性表面波フィルタである。
【0087】第43の本発明は、前記リアクタンス素子
は、インダクタンスである第35の本発明の弾性表面波
フィルタである。
【0088】第44の本発明は、前記圧電基板は、40
以上の実効比誘電率を有する第35の本発明の弾性表面
波フィルタである。
【0089】第45の本発明は、前記圧電基板は、タン
タル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを利用して構成
されている第35の本発明の弾性表面波フィルタであ
る。
【0090】第46の本発明は、不平衡型端子と平衡端
型子とを備えた平衡型フィルタであって、前記不平衡型
端子と少なくとも一つの前記平衡端型子との間には、少
なくとも一つの所定のリアクタンス素子が接続されてい
る平衡型フィルタである。
【0091】第47の本発明は、前記不平衡型端子と前
記平衡型端子との間に存在する寄生成分と前記リアクタ
ンス素子とによって、共振周波数が通過帯域内に設定さ
れた並列共振回路が形成されている第46の本発明の平
衡型フィルタである。
【0092】第48の本発明は、送信および/または受
信を行う送信・受信手段と、前記送信に利用されるべき
送信信号および/または前記受信に利用されるべき受信
信号に対してフィルタリングを行う、第1または第35
の本発明の弾性表面波フィルタ、または第46の本発明
の平衡型フィルタとを備えた通信装置である。
【0093】第49の本発明は、前記圧電基板上に配置
された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の
櫛形電極が前記不平衡型端子に接続される第3のIDT
電極をさらに備え、前記第1から第3のIDT電極は、
弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前記第2、第
3のIDT電極が前記第1のIDT電極の相異なる側に
存するよう配置され、前記第1のIDT電極の一方の櫛
形電極は、第1の分割櫛形電極と第2の分割櫛形電極に
分割されており、前記第1の分割櫛形電極は、前記第1
の平衡型端子の一方に接続され、前記第2の分割櫛形電
極は、前記第1の平衡型端子の他方に接続されている第
35の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0094】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0095】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。なお、図1は実施の形態1における弾性表面波
フィルタの概略図を示す。
【0096】なお、第1のIDT電極102は本発明の
第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極103は
本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極
104は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、
第1の反射器電極105は本発明の第1の反射器電極に
対応し、第2の反射器電極106は本発明の第2の反射
器電極に対応する。また、平衡端子の一方107は本発
明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方
108は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不
平衡端子は109は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0097】図1において、101は圧電基板であり、
この圧電基板101の上に、周期構造ストリップライン
状に交差する電極パターンを構成することによって、弾
性表面波を励起させることができる。圧電基板101の
上には、第1のIDT電極102と第2、第3のIDT
電極103、104と第1、第2の反射器電極105、
106とによって構成される縦モード型の弾性表面波フ
ィルタが形成されている。
【0098】上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1
のIDT電極102の上部電極102aは平衡型端子の
一方107に接続され、第1のIDT電極102の下部
電極102bは平衡型端子の他方108に接続される。
また、第2のIDT電極103の上部電極103aは不
平衡型端子109に接続され、下部電極103bは接地
される。第3のIDT電極104の下部電極104bは
不平衡型端子109に接続され、上部電極104aは接
地される。
【0099】このように、上述の弾性表面波フィルタは
不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型
端子109からの信号経路は構造的に上下逆側からの接
続となる。また、第1のIDT電極102の上部電極1
02aと下部電極102bの電極指の数は同数である。
【0100】以上の構成とすることにより、不平衡型端
子109に接続される第2、第3のIDT電極103、
104からの引き回し配線と平衡型端子107、108
に接続される第1のIDT電極102からの引き回し配
線とのアンバランスな空間的な結合による平衡度の劣化
を抑えることができ、良好な平衡度を有する弾性表面波
フィルタが得られる。
【0101】すなわち、不平衡型端子109からの信号
経路を構造的に上下逆側から接続するようにしたことに
より、第2のIDT電極103及び第3のIDT電極1
04からの引き回し配線と平衡型端子107に接続され
る第1のIDT電極102からの引き回し配線との空間
的な結合は、第2のIDT電極103及び第3のIDT
電極104からの引き回し配線と平衡型端子108に接
続される第1のIDT電極102からの引き回し配線と
の空間的な結合と実質上同一になる。従って平衡度の劣
化を抑えることが出来る。
【0102】また、第2、第3のIDT電極103、1
04における電極指の配置は弾性表面波が打ち消し合わ
ないような構成となる。すなわち、不平衡型端子109
に接続される第2、第3のIDT電極103、104の
上部電極103a、下部電極104bをプラス(+)と
し、接地される電極をマイナス(−)とすると、図2
(A)に示すように同相の配置になっている。
【0103】なお、図2(B)に示す構成であっても、
本発明の効果は同様である。図2(B)は第2、第3の
IDT電極103、104の上部電極と下部電極の配置
を電極指が一つ分ずらした構成である。この場合には、
第1のIDT電極102の極性が逆となるだけで、本発
明による効果は同様である。
【0104】また、第2のIDT電極103の上部電極
103aと第3のIDT電極104の下部電極104b
とが不平衡型端子109に接続されるとしたが、これは
第2のIDT電極103の下部電極103bと第3のI
DT電極104の上部電極104aとが不平衡型端子1
09に接続されていてもよい。すなわち、第2、第3の
IDT電極103、104への信号経路の接続を構造的
に上下逆側から行うようにすれば、本発明の実施の形態
と同様の効果が得られる。
【0105】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。なお、図3は実施の形態2における弾性表面波
フィルタの概略図を示す。
【0106】本実施の形態の弾性表面波フィルタは、不
平衡型端子309が第1の弾性表面波共振子310を直
列に介して入力端子INに接続され、第1の弾性表面波
共振子310と不平衡型端子309との間に第2の弾性
表面波共振子311が並列に接続されている点を特徴と
している。
【0107】なお、第1のIDT電極302は本発明の
第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極303は
本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極
304は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、
第1の反射器電極305は本発明の第1の反射器電極に
対応し、第2の反射器電極306は本発明の第2の反射
器電極に対応する。また、平衡端子の一方307は本発
明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方
308は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不
平衡端子は309は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0108】図3において、301は圧電基板であり、
この圧電基板301の上に、周期構造ストリップライン
状に交差する電極パターンを構成することによって、弾
性表面波を励起させることができる。圧電基板301の
上には、第1のIDT電極302と第2、第3のIDT
電極303、304と第1、第2の反射器電極305、
306とによって構成される縦モード型の弾性表面波フ
ィルタが形成されている。
【0109】上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1
のIDT電極302の上部電極302aは平衡型端子の
一方307に接続され、第1のIDT電極302の下部
電極302bは平衡型端子の他方308に接続される。
また、第2のIDT電極303の上部電極303aは不
平衡型端子309に接続され、下部電極303bは接地
される。第3のIDT電極304の下部電極304bは
不平衡型端子309に接続され、上部電極303aは接
地される。このように、上述の弾性表面波フィルタは不
平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型端
子309からの信号経路は構造的に上下逆側からの接続
となる。また、第1のIDT電極302の上部電極30
2aと下部電極302bの電極指の数は同数である。
【0110】さらに、不平衡型端子309は第1の弾性
表面波共振子310を直列に介して入力端子INに接続
され、第1の弾性表面波共振子310と不平衡型端子3
09の間には、第2の弾性表面波共振子311が並列に
接続され、弾性表面波共振子311の一端は接地されて
いる。第1の弾性表面波共振子310と第2の弾性表面
波共振子311は減衰極を形成するために挿入した。ま
た、平衡型端子307、308はそれぞれ出力端子OU
T1、OUT2に接続される。なお、IN、OUT1、
OUT2の接続に関しては、ワイヤーボンディング実装
やフェースダウン実装などにより、圧電基板外の端子に
引き出される構成となる。
【0111】ここで、本実施の形態の弾性表面波フィル
タにおける平衡度特性を、図4(A)〜(B)を利用し
て説明する。
【0112】なお、図4(A)に示すのは、比較のため
の従来の構成(すなわち、不平衡型端子に接続される第
2、第3のIDT電極の接続として図12に示す従来構
成)を用いたときの特性である。すなわち、図4(A)
は、図12の弾性表面波フィルタの不平衡型端子100
9から平衡型端子1007への信号と不平衡型端子10
09から平衡型端子1008への信号との振幅差と位相
差を示している。なお、弾性表面波フィルタが完全に平
衡であるという理想的な状態にあると仮定した場合に
は、不平衡型端子1009から平衡型端子1007への
信号と不平衡型端子1009から平衡型端子1008へ
の信号との位相は180度異なる。図4(A)の位相差
は、この理想的な状態からのずれをプロットしたもので
ある。
【0113】そして、図4(B)に示すのは、本実施の
形態における900MHz帯の弾性表面波フィルタの平
衡度特性である。図4は、INからOUT1への信号と
INからOUT2への信号の振幅差と位相差を表してい
る。なお、図3の弾性表面波フィルタが完全に平衡であ
るという理想的な状態にある場合には、INからOUT
1への信号とINからOUT2への信号とは位相が18
0度異なる。図4(B)の位相差とは、この理想的な状
態からのずれをプロットしたものである。
【0114】図4(A)〜(B)からわかるように、本
実施の形態における弾性表面波フィルタの平衡度特性
は、振幅差、位相差ともに従来に比べ改善している。9
25MHzから960MHzの範囲において、従来構成
では、振幅差が2.2dB(−1.2dBから+1.0
dB)であるのに対し、本発明の構成では1.5dB
(−0.8dBから+0.7dB)と0.7dBの改善
が得られている。また、位相差に関しては、従来構成で
は19°(−7°から+12°)であるのに対し、本発
明の構成では13°(−5°から+8°)と6°の改善
が得られている。
【0115】以上説明したように、不平衡型端子に接続
される第2、第3のIDT電極と平衡型端子に接続され
る第1のIDT電極の引き回し配線による空間的なアン
バランスな結合を抑えることができ、良好な平衡度を有
する弾性表面波フィルタが得られる。
【0116】なお、本実施形態においては、不平衡側を
入力、平衡側を出力としたが、入力と出力が逆であって
もかまわない。
【0117】また、本実施の形態では、不平衡型端子3
09は第1の弾性表面波共振子310を直列に介して入
力端子INに接続され、第1の弾性表面波共振子310
と不平衡型端子309の間には、第2の弾性表面波共振
子311が並列に接続されるとして説明したが、これに
限らない。第1の弾性表面波共振子310及び第2の弾
性表面波共振子311のいずれか一方を備えていなくて
も構わない。また、不平衡型端子309を2つ以上の弾
性表面波共振子を直列に介して入力端子INに接続して
も構わない。さらに、これら複数の弾性表面波共振子に
2つ以上の弾性表面波共振子を並列に接続しても構わな
い。要するに、不平衡型端子309とINとの間には弾
性表面波フィルタとして適切な特性が得られる限り直列
及び/または並列に任意の個数の弾性表面波共振子を挿
入しても構わない。
【0118】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。なお、図5は実施の形態3における弾性表面波
フィルタの概略図を示す。
【0119】なお、第1のIDT電極502は本発明の
第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極503は
本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極
504は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、
第1の反射器電極505は本発明の第1の反射器電極に
対応し、第2の反射器電極506は本発明の第2の反射
器電極に対応する。また、平衡端子の一方507は本発
明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方
508は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不
平衡端子は509は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0120】図5において、501は圧電基板であり、
この圧電基板501の上に、周期構造ストリップライン
状に交差する電極パターンを構成することによって、弾
性表面波を励起させることができる。圧電基板501の
上には、第1のIDT電極502と第2、第3のIDT
電極503、504と第1、第2の反射器電極505、
506とによって構成される縦モード型の弾性表面波フ
ィルタが形成されている。
【0121】上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1
のIDT電極502の上部電極502aは平衡型端子の
一方507に接続され、第1のIDT電極502の下部
電極502bは平衡型端子の他方508に接続される。
また、第2のIDT電極503の上部電極503aは第
1の反射器電極505を介して不平衡型端子509に接
続され、下部電極503bは接地される。第3のIDT
電極504の下部電極504bは第2の反射器電極50
6を介して不平衡型端子509に接続され、上部電極5
03aは接地される。
【0122】このように、上述の弾性表面波フィルタは
不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型
端子509からの信号経路は構造的に上下逆側からの接
続となる。また、第1のIDT電極502の上部電極5
02aと下部電極502bの電極指の数は同数である。
【0123】以上の構成とすることにより、平衡度は従
来に比べ改善することができる。925MHzから96
0MHzの範囲において、従来構成では、振幅差が2.
2dB(−1.2dBから+1.0dB)であるのに対
し、本発明の構成では1.8dB(−1.0dBから+
0.8dB)と0.4dBの改善が得られている。ま
た、位相差に関しては、従来構成では19°(−7°か
ら+12°)であるのに対し、本発明の構成では16°
(−6°から+10°)と3°の改善が得られる。な
お、位相差の定義は実施の形態2と同様である。
【0124】本実施の形態の弾性表面波フィルタの構成
では、第2、第3のIDT電極への信号経路への引き回
しをより小さくすることができるので、引き回しによる
抵抗、インダクタ成分による特性劣化をより抑え、基板
上の電極配置や端子配置の自由度をより高めることが可
能となる。
【0125】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。なお、図6は実施の形態4における弾性表面波
フィルタの概略図を示す。
【0126】なお、第1のIDT電極602は本発明の
第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極603は
本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極
604は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、
第1の反射器電極605は本発明の第1の反射器電極に
対応し、第2の反射器電極606は本発明の第2の反射
器電極に対応する。また、平衡端子の一方607は本発
明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方
608は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不
平衡端子は609は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0127】図6において、601は圧電基板であり、
この圧電基板601の上に、周期構造ストリップライン
状に交差する電極パターンを構成することによって、弾
性表面波を励起させることができる。圧電基板601の
上には、第1のIDT電極602と第2、第3のIDT
電極603、604と第1、第2の反射器電極605、
606とによって構成される縦モード型の弾性表面波フ
ィルタが形成されている。また、第1の反射器電極60
5は第1、第2、第3の分割反射器電極605a、60
5b、605cとにより構成され、第2の反射器電極6
06は第4、第5、第6の分割反射器電極606a、6
06b、606cとにより構成される。
【0128】上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1
のIDT電極602の上部電極602aは平衡型端子の
一方607に接続され、第1のIDT電極602の下部
電極602bは平衡型端子の他方608に接続される。
また、第2のIDT電極603の上部電極603aは第
3の分割反射器電極605cを介して不平衡型端子60
9に接続され、下部電極603b、第1、第2の分割反
射器電極605a、605bは接地される。第3のID
T電極604の下部電極604bは第6の分割反射器電
極606cを介して不平衡型端子609に接続され、上
部電極603a、第4、第5の分割反射器電極606
a、606bは接地される。
【0129】このように、上述の弾性表面波フィルタは
不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型
端子609からの信号経路は構造的に上下逆側からの接
続となる。また、第1のIDT電極602の上部電極6
02aと下部電極602bの電極指の数は同数である。
【0130】以上の構成とすることにより、平衡度は従
来に比べ改善することができる。925MHzから96
0MHzの範囲において、従来構成では、振幅差が2.
2dB(−1.2dBから+1.0dB)であるのに対
し、本発明の構成では1.7dB(−1.0dBから+
0.7dB)と0.5dBの改善が得られている。ま
た、位相差に関しては、従来構成では19°(−7°か
ら+12°)であるのに対し、本発明の構成では13°
(−5°から+8°)と6°の改善が得られる。なお、
本実施の形態の位相差の定義は実施の形態2と同様であ
る。
【0131】さらに、本構成においては、第2、第3の
IDT電極603、604と信号経路として用いている
第3、第6の分割反射器電極との間に、第1、第2、第
4、第5の分割反射器電極を接地している構成としてい
るため、信号経路からのIDT電極への空間的な結合を
さらにより小さくでき、実施の形態3よりもさらにより
良好な特性が得られている。また、第2、第3のIDT
電極への信号経路への引き回しをより小さくすることが
できるので、引き回しによる抵抗、インダクタ成分によ
る特性劣化をより抑え、基板上の電極配置や端子配置の
自由度をより高めることが可能となる。
【0132】また、本構成においては、下部電極602
bと第1の分割反射器電極605a、及び上部電極60
3aと第4の分割反射器電極606aとを共通にして接
地としているため、接地端子を引き出すことができ、基
板上の電極配置の自由度をさらにより大きくすることが
できる。
【0133】なお、第1、第4の分割反射器電極は接地
としているが、これは接地としない構成であってもかま
わない。
【0134】また、第3、第6の分割反射器電極を信号
経路としているが、これは第2、第3、第5、第6の分
割反射器電極を信号経路としてもかまわない。第2、第
3のIDT電極に近接する分割反射器電極が接地あるい
は信号経路から分離されていれば、空間的な結合は抑え
ることができ、本発明の効果は同様となる。
【0135】また、分割反射器電極に関しては、第1、
第2、第3の分割反射器電極605a、605b、60
5cを、図7に示すように、第1、第2、第3の分割反
射器電極701a、701b、701cのような構成と
してもかまわない。図7において、第1、第2、第3の
分割反射器電極701a、701b、701cはそれぞ
れ、電極指ピッチP1a、P1b、P1c、電極部分M
1a、M1b、M1cと自由表面基板部分S1a、S1
b、S1cの比であるメタライゼーション・レシオη1
a=M1a/S1a、η1b=M1b/S1b、η1c
=M1c/S1cが異なる分割反射器電極を用いてもか
まわない。
【0136】また、第1、第2の分割反射器電極701
a、701bの間隔L1と第2、第3の分割反射器電極
701b、701cの間隔L2とを異ならせてもよい。
この場合には、分割反射器電極の反射特性のスプリアス
周波数を異ならせることにより帯域外の減衰量を良好と
することが可能となる。
【0137】なお、第1、第2、第3の分割反射器電極
について説明したが、この構成は、第1、第2、第3の
分割反射器電極605a、605b、605cだけでな
く、第4、第5、第6の分割反射器電極606a、60
6b、606cにも適用できるものである。
【0138】以上の構成とすることにより、平衡度が良
好な帯域外減衰量に優れる弾性表面波フィルタを実現す
ることができる。
【0139】(実施の形態5)以下、本発明の実施の形
態5の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。なお、図8は実施の形態5における弾性表面波
フィルタの概略図を示す。
【0140】なお、第1のIDT電極802は本発明の
第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極803は
本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極
804は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、
第1の反射器電極805は本発明の第1の反射器電極に
対応し、第2の反射器電極806は本発明の第2の反射
器電極に対応する。また、平衡端子の一方807は本発
明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方
808は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不
平衡端子は809は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0141】図8において、801は圧電基板であり、
この圧電基板801の上に、周期構造ストリップライン
状に交差する電極パターンを構成することによって、弾
性表面波を励起させることができる。
【0142】圧電基板801の上には、第1のIDT電
極802と第2、第3のIDT電極803、804と第
1、第2の反射器電極805、806とによって構成さ
れる縦モード型の弾性表面波フィルタが形成されてい
る。
【0143】また、第1の反射器電極805は横方向に
分割され、第1の上部反射器電極805aと第1の下部
反射器電極805bとにより構成され、第2の反射器電
極806は第2の上部反射器電極806aと第2の下部
反射器電極806bとにより構成される。
【0144】また、上述の弾性表面波フィルタにおい
て、第1のIDT電極802の上部電極802aは平衡
型端子の一方807に接続され、第1のIDT電極80
2の下部電極802bは平衡型端子の他方808に接続
される。第2のIDT電極803の上部電極803aは
第1の上部反射器電極805aを介して不平衡型端子8
09に接続され、下部電極803b、第1の下部反射器
電極805bは接地される。第3のIDT電極804の
下部電極804bは第2の下部反射器電極806bを介
して不平衡型端子809に接続され、上部電極803
a、第2の上部反射器電極806aは接地される。
【0145】このように、上述の弾性表面波フィルタは
不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型
端子809からの信号経路は構造的に上下逆側からの接
続となる。また、第1のIDT電極802の上部電極8
02aと下部電極802bの電極指の数は同数である。
【0146】以上の構成とすることにより、平衡度は従
来に比べ改善することができる。925MHzから96
0MHzの範囲において、従来構成では、振幅差が2.
2dB(−1.2dBから+1.0dB)であるのに対
し、本発明の構成では1.7dB(−1.0dBから+
0.7dB)と0.5dBの改善が得られている。ま
た、位相差に関しては、従来構成では19°(−7°か
ら+12°)であるのに対し、本発明の構成では13°
(−5°から+8°)と6°の改善が得られる。なお、
本実施の形態の位相差の定義は、実施の形態2と同様で
ある。
【0147】本構成においては、第1の上部反射器電極
805aと第2の下部反射器電極806bとを介してい
るので、第2、第3のIDT電極への信号経路への引き
回しをより小さくすることができるので、引き回しによ
る抵抗、インダクタ成分による特性劣化をより抑え、基
板上の電極配置や端子配置の自由度をより高めることが
可能となる。
【0148】また、本構成においては、下部電極802
bと第1の下部反射器電極805b、及び上部電極80
3aと第2の上部反射器電極806aとを共通にして接
地としているため、接地端子を引き出すことができ、基
板上の電極配置の自由度をさらにより大きくすることが
できる。
【0149】なお、反射器電極805、806は、図9
に示すような構成であってもかまわない。図9におい
て、第1及び第2の反射器電極901、902はそれぞ
れ2つの分割反射器電極に分割され、さらに、入力ID
T電極に近接する分割反射器電極が上部反射器電極と下
部反射器電極とにより構成される構成である。図9に示
す構成であっても、本発明の平衡度改善の効果は同様で
あり、また電極配置の自由度を上げるという効果に関し
ても同様に得られるものである。なお、第1の反射器電
極901は本発明の第1の反射器電極に対応し、第2の
反射器電極902は本発明の第2の反射器電極に対応す
る。
【0150】(実施の形態6)以下、本発明の実施の形
態6の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。図10は実施の形態6における弾性表面波フィ
ルタの概略図である。
【0151】上記実施の形態では、不平衡−平衡型端子
を有する弾性表面波について説明したが、実施の形態6
では、平衡−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタに
ついて説明する。
【0152】実施の形態1と同一の部分については同一
符号を付して詳細な説明を省略する。
【0153】なお、平衡端子111は本発明の第2の平
衡型端子の一方に対応する。
【0154】図10において、圧電基板101の上に
は、第1のIDT電極102と第2、第3のIDT電極
103、104と第1、第2の反射器電極105、10
6とによって構成される縦モード型の弾性表面波フィル
タが形成されている。
【0155】上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1
のIDT電極102の上部電極102aは平衡型端子の
一方107に接続され、第1のIDT電極102の下部
電極102bは平衡型端子の他方108に接続される。
また、第2のIDT電極103の上部電極103aは平
衡型端子110に接続され、下部電極103bは平衡型
端子111に接続される。また、第3のIDT電極10
4の下部電極104bは平衡型端子110に接続され、
上部電極103aは平衡型端子111に接続される。
【0156】このように、上述の弾性表面波フィルタは
平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、平衡型端子
110及び平衡型端子111からの信号経路はそれぞれ
構造的に上下逆側からの接続となる。また、第1のID
T電極102の上部電極102aと下部電極102bの
電極指の数は同数である。
【0157】以上の構成とすることにより第2のIDT
電極の上部電極103aを平衡型端子110に接続する
引き回し配線と、第3のIDT電極104の上部電極1
04aを平衡型端子111に接続する引き回し配線とに
流れる信号が互いに逆の位相になる。また、第2のID
T電極の下部電極103bを平衡型端子111に接続す
る引き回し配線と、第3のIDT電極104の下部電極
104bを平衡型端子110に接続する引き回し配線と
に流れる信号が互いに逆の位相になる。
【0158】従って、これらの引き回し配線から空間的
に漏れる信号は左側と右側で位相が逆になっているの
で、上部電極102aを平衡型端子107に接続する引
き回し配線への影響を軽減出来る。また、下部電極10
2bを平衡型端子108に接続する引き回し配線への影
響を軽減出来る。従って弾性表面波フィルタの特性が劣
化することを抑えることが出来る。
【0159】第2、第3のIDT電極103、104に
おける電極指の配置は、図11(A)に示すように、実
施の形態1と同様であり、弾性表面波が打ち消し合わな
いような構成となる。ずなわち、平衡型端子110、1
11に接続される第2、第3のIDT電極103、10
4の上部電極103a、下部電極104bをプラス
(+)とし、平衡型端子111に接続される電極をマイ
ナス(−)とすると、図11(A)に示すように同相の
配置になっている。
【0160】なお、、図11(B)に示す構成であって
も本発明の効果は同様である。図11(B)は、第2、
第3のIDT電極の上部電極と下部電極の配置を電極指
一つ分だけずらした構成である。この場合には、第1の
IDT電極102の極性が逆となるだけで、本発明の実
施の形態による効果は同様である。
【0161】また、第2のIDT電極103の上部電極
103aと第3のIDT電極104の下部電極104b
とが平衡型端子110に接続されるとしたが、これは第
2のIDT電極103の下部電極103bと第3のID
T電極104の上部電極104aとが平衡型端子110
に接続されていてもよい。すなわち、第2、第3のID
T電極103、104への信号経路の接続を構造的に上
下逆側から行うようにすれば、本発明の実施の形態と同
様の効果が得られる。
【0162】なお、実施の形態2〜5の各実施の形態の
弾性表面波フィルタの対応する部分を実施の形態6の弾
性表面波フィルタに置き換えてもよい。このようにすれ
ば不平衡−平衡型弾性表面波フィルタについて上記各実
施の形態で得られたのと同等の効果を平衡−平衡型表面
波フィルタについても得ることが出来る。
【0163】(実施の形態7)以下、本発明の実施の形
態7の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。図14は実施の形態7における弾性表面波フィ
ルタの概略図である。
【0164】本実施の形態の弾性表面波フィルタは、不
平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面
波フィルタである。
【0165】なお、第4のIDT電極7は本発明の第1
のIDT電極に対応し、第5のIDT電極8は本発明の
第2のIDT電極に対応し、第6のIDT電極9は本発
明の第3のIDT電極に対応し、第1のIDT電極1は
本発明の第4のIDT電極に対応し、第2のIDT電極
2は本発明の第5のIDT電極に対応し、第3のIDT
電極3は本発明の第6のIDT電極に対応する。また、
第3の反射器電極10は本発明の第1の反射器電極に対
応し、第4の反射器電極11は本発明の第2の反射器電
極に対応し、第1の反射器電極4は本発明の第3の反射
器電極に対応し、第2の反射器電極5は本発明の第4の
反射器電極に対応する。また、OUT1は本発明の第1
の平衡型端子の一方に対応し、OUT2は本発明の第1
の平衡型端子の他方に対応し、INは本発明の不平衡型
端子に対応する。
【0166】図14において、弾性表面波フィルタは、
それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラ
ック6及び2段目のフィルタトラック12から構成され
る。
【0167】1段目のフィルタトラック6は、第1、第
2、第3のIDT電極1、2、3と第1、第2の反射器
電極4、5とにより構成される。また、2段目のフィル
タトラック12は、第4、第5、第6のIDT電極7、
8、9と、第4、第5の反射器電極10、11とにより
構成される。
【0168】第1のIDT電極1の両側には、第2、及
び第3のIDT電極2、3が配置されており、その両側
には、第1、第2の反射器電極4、5が配置されてい
る。これらの各IDT電極及び反射器電極は弾性表面波
の伝搬方向に沿って配置されている。また、第4のID
T電極の両側には、第5、第6のIDT電極8、9が配
置されており、その両側には、第3、第4の反射器電極
10、11が配置されている。これらの各IDT電極及
び反射器電極は弾性表面波の伝搬方向に沿って配置され
ている。そして、1段目のフィルタトラック6と2段目
のフィルタトラック12とは、縦続に接続されて2段の
縦モードフィルタを構成している。
【0169】なお、図14では、第1のIDT電極1と
第4のIDT電極7とは互いに対向して配置されてお
り、第2のIDT電極2と第5のIDT電極8とは互い
に対向して配置されており、第3のIDT電極3と第6
のIDT電極9とは互いに対向して配置されているとし
て図示しているが、これに限らない。例えば、図14に
おいて、1段目のフィルタトラック6を2段目のフィル
タトラック12に対して第1のIDT電極1、第2のI
DT電極2、及び第3のIDT電極が配置されている方
向に平行移動させた弾性表面波フィルタや、1段目のフ
ィルタトラック6と2段目のフィルタトラック12とを
異なった圧電基板上に形成した弾性表面波フィルタであ
っても本実施の形態と同等の効果を得ることが出来る。
要するに、本実施の形態の弾性表面波フィルタは、1段
目のフィルタトラック6と2段目のフィルタトラック1
2とが、縦続に接続されて2段の縦モードフィルタを構
成していさえすれよい。
【0170】第1のIDT電極1は、上部電極1aと、
下部電極1bとから構成されており、第2のIDT電極
2は、上部電極2aと、下部電極2bとから構成されて
おり、第3のIDT電極3は、上部電極3aと、下部電
極3bとから構成されており、第4のIDT電極7は、
上部電極7aと、下部電極7bとから構成されており、
第5のIDT電極8は、上部電極8aと、下部電極8b
とから構成されており、第6のIDT電極9は、上部電
極9aと、下部電極9bとから構成されている。このよ
うに各IDT電極はそれぞれ一対の櫛形電極である上部
電極と下部電極とから構成されている。
【0171】また、第1のIDT電極1の上部電極1a
は、入力用の不平衡型端子INに接続されており、第1
のIDT電極1の下部電極1bは、接地されている。
【0172】第2のIDT電極2の上部電極2aは、引
き回し配線13によって第5のIDT電極8の上部電極
8aに接続されている。第2のIDT電極2の下部電極
2bは接地されている。
【0173】第3のIDT電極3の下部電極3bは、引
き回し配線14によって第6のIDT電極9の下部電極
9bに接続されている。第3のIDT電極3の上部電極
3aは接地されている。
【0174】第4のIDT電極7の上部電極7aは、出
力用の1対の平衡型端子のうち一方の平衡型端子OUT
1に接続されており、第4のIDT電極7の下部電極7
bは、出力用の1対の平衡型端子のうち、他方の平衡型
端子OUT2に接続されている。
【0175】第5のIDT電極8の下部電極8b及び第
6のIDT電極9の上部電極9aは、ともに接地されて
いる。
【0176】また、引き回し配線13、14は、第1の
IDT電極1などの各IDT電極が形成されている圧電
基板上で引き回されている。なお、このとき引き回し配
線13と引き回し配線14のリアクタンス成分が同じに
なるように引き回すことが好ましい。なお、引き回し配
線13、14を圧電基板上で引き回す代わりに、圧電基
板の下地基板で引き回しても構わない。
【0177】なお、IN、OUT1、OUT2の接続に
関しては、ワイヤーボンディング実装やフェースダウン
実装などにより、圧電基板外の端子に引き出される構成
となる。
【0178】また、上記の各IDT電極及び各反射器電
極では、互いに隣合う電極指の中心間隔が0.9×λ/
2から1.1×λ/2までの範囲になるようにした。こ
のようにすることによりバルク放射損を抑えることが出
来、フィルタのロスを小さくすることが出来る。
【0179】次に、このような本実施の形態の弾性表面
波フィルタの動作を説明する。
【0180】不平衡型端子INに信号を入力することに
より、第1のIDT電極1で弾性表面波が生じる。そし
て、弾性表面波は、第1、第2の反射器電極4、5によ
り複数の共振モードを生じる。この共振モードを利用す
ることによりフィルタ特性が得られ、第2のIDT電極
2及び第3のIDT電極3でそれぞれ電気信号に変換さ
れる。
【0181】第2のIDT電極2で変換された電気信号
は、引き回し配線13を通過して第5のIDT電極8の
上部電極8aに出力される。また、第3のIDT電極3
で変換された電気信号は、引き回し配線14を通過して
第6のIDT電極9の上部電極9aに出力される。この
とき、弾性表面波フィルタの各IDT電極同士の間隔及
び電極指の配置を予め調整しておくことにより、引き回
し配線13に入力される電気信号と引き回し配線14に
入力される電気信号とは位相が互いに逆相になる。
【0182】第5のIDT電極8に入力された電気信号
は、第5のIDT電極8で弾性表面波に変換され、ま
た、第6のIDT電極9に入力された電気信号は、第6
のIDT電極9で弾性表面波に変換される。そして、第
5のIDT電極8及び第6のIDT電極9で変換された
弾性表面波は、圧電基板を伝搬する。伝搬した弾性表面
波は、第3、第4の反射器電極10、11で反射される
ことにより、複数の共振モードを生じる。
【0183】この共振モードを利用することによりフィ
ルタ特性が得られ、平衡型端子OUT1及びOUT2か
ら出力される。
【0184】本実施の形態の弾性表面波フィルタはこの
ように動作する。
【0185】これまでの実施の形態においては、アンバ
ランスな寄生成分によるバランス特性劣化の改善を示し
た。つぎに、バランス特性劣化原因の明確化を行う。
【0186】本発明者は、従来の弾性表面波フィルタ
(図27参照)のフィルタ特性と、このような本実施の
形態の弾性表面波フィルタ(図14参照)のフィルタ特
性とをともにシミュレーションして比較してみた。
【0187】また、本発明者は、前述した実施の形態1
の弾性表面波フィルタ(図1参照)のフィルタ特性や従
来の弾性表面波フィルタ(図12参照)のフィルタ特性
に関しても同様なシミュレーションを行った。
【0188】以下では、(1)従来の弾性表面波フィル
タ(図12参照)のフィルタ特性、および実施の形態1
の弾性表面波フィルタ(図1参照)のフィルタ特性に関
してまず説明し、(2)従来の弾性表面波フィルタ(図
27参照)のフィルタ特性、および本実施の形態の弾性
表面波フィルタ(図14参照)のフィルタ特性に関して
つぎに説明する。
【0189】(1)図42に、従来の弾性表面波フィル
タ(図12参照)のフィルタ特性をシミュレーションに
より求める際の条件を示し、図47にその条件に従って
求められたフィルタ特性(振幅バランス特性および位相
バランス特性)を示す。振幅バランス特性および位相バ
ランス特性は、本発明者が発生を予想した二箇所の寄生
容量(容量成分4301)がともに0.1pFである場
合と、それらがともに0.2pFである場合とについて
図示されている。
【0190】このようなシミュレーションにより求めら
れたフィルタ特性は、実験により求められるフィルタ特
性(図41参照)と同様の傾向を示しており、本発明者
が行った前述のような寄生容量の発生の予想は、的確で
あるといえる。
【0191】図48に、実施の形態1の弾性表面波フィ
ルタ(図1参照)のフィルタ特性をシミュレーションに
より求める際の条件を示し、図49にその条件に従って
求められたフィルタ特性(振幅バランス特性および位相
バランス特性)を示す。振幅バランス特性および位相バ
ランス特性は、本発明者が発生を予想した二箇所の寄生
容量がともに0.1pFである場合と、それらがともに
0.2pFである場合とについて図示されている。な
お、図43(A)〜(B)には、振幅バランス特性およ
び位相バランス特性それぞれに関して、寄生容量と通過
帯域における最大値および最小値との関係を示してい
る。
【0192】このようなシミュレーションにより求めら
れたフィルタ特性は、実験により求められるフィルタ特
性と同様の傾向を示しており、本発明者が行った前述の
ような寄生容量の発生の予想は、的確であるといえる。
【0193】(2)さて、図15に、従来の図27の弾
性表面波フィルタのフィルタ特性をシミュレーションに
より求める際の条件を示し、図16にその条件に従って
求められたフィルタ特性を示す。
【0194】また、図17に、本実施の形態の図14の
弾性表面波フィルタのフィルタ特性をシミュレーション
により求める際の条件を示し、図18にその条件に従っ
て求められたフィルタ特性を示す。
【0195】まず、従来の弾性表面波フィルタについて
は、図15に示すように、平衡型端子OUT1と第4の
IDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線
と、引き回し配線32とが接近しているので、これらの
引き回し配線により寄生容量34が形成されると仮定し
た。また、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の
上部電極7aとを接続する引き回し配線と、引き回し配
線33とが接近しているので、これらの引き回し配線に
より寄生容量35が形成されると仮定した。また、平衡
型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bと
を接続する引き回し配線は、引き回し配線32及び引き
回し配線33から離れているので、平衡型端子OUT2
と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き
回し配線は引き回し引き回し配線32とも引き回し配線
33とも寄生容量を形成することはないと仮定した。
【0196】また、各IDT電極及び各反射器電極は、
引き回し配線32に入力される信号の位相と、引き回し
配線33に入力される信号の位相とが、逆相になるよう
に配置した。
【0197】このようなシミュレーション条件によりシ
ミュレーションを行った結果、従来の弾性表面波フィル
タについては、図16に示すフィルタ特性が得られた。
【0198】図16(A)に、シミュレーションによっ
て求められた、従来の弾性表面波フィルタの周波数特性
を示す。また、図16(B)にシミュレーションによっ
て求められた、従来の弾性表面波フィルタの振幅バラン
スを示す。なお、振幅バランスとは、不平衡型端子IN
から入力信号を入力した場合に、平衡型端子OUT1に
出力される信号の振幅と、平衡型端子OUT2に出力さ
れる信号の振幅との比(単位:デシベル)をプロットし
たものである。なお、弾性表面波フィルタが完全に平衡
であるという理想的な状態にあると仮定した場合には、
平衡型端子OUT1から検出される信号と、平衡型端子
OUT2から検出される信号とは等振幅でかつ位相は互
いに180度異なる。従って振幅バランスの絶対値が大
きいほど理想的な平衡状態からのずれが大きいことにな
る。図16(C)にシミュレーションによって求められ
た、従来の弾性表面波フィルタの位相バランスを示す。
なお、位相バランスとは、不平衡型端子INから入力信
号を入力した場合に、平衡型端子OUT1に出力される
信号の位相と平衡型端子OUT2に出力される信号の位
相との差(単位:度)をプロットしたものである。な
お、弾性表面波フィルタが完全に平衡であるという理想
的な状態にあると仮定した場合には、平衡型端子OUT
1から検出される信号と、平衡型端子OUT2から検出
される信号とは等振幅でかつ位相は互いに180度異な
る。従って、位相バランスとは、平衡型端子OUT1か
ら検出される信号の位相と平衡型端子OUT2から検出
される信号の位相との位相差が180度から何度ずれて
いるかを示すものである。従って位相バランスの絶対値
が大きいほど理想的な平衡状態からのずれが大きいこと
になる。
【0199】次に、本実施の形態の図14に示す弾性表
面波フィルタについては、図17に示すように、平衡型
端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを
接続する引き回し配線と、引き回し配線13とが接近し
ているので、これらの引き回し配線により寄生容量36
が形成されると仮定した。また、平衡型端子OUT2と
第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回
し配線と、引き回し配線14とが接近しているので、こ
れらの引き回し配線により寄生容量37が形成されると
仮定した。
【0200】一方、平衡型端子OUT1と第4のIDT
電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線は、引
き回し配線14には接近していないので、これらの引き
回し配線同士は寄生容量を形成しないと仮定した。ま
た、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電
極7bとを接続する引き回し配線は、引き回し配線13
には接近していないので、これらの引き回し配線同士は
寄生容量を形成しないと仮定した。
【0201】また、各IDT電極及び各反射器電極は、
引き回し配線13に入力される信号の位相と、引き回し
配線14に入力される信号の位相とが、互いに逆相にな
るように配置した。
【0202】このようなシミュレーション条件によりシ
ミュレーションを行った結果、本実施の形態の弾性表面
波フィルタについては、図18に示すフィルタ特性が得
られた。
【0203】図18(A)にシミュレーションによって
求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波
数特性を示す。また、図18(B)にシミュレーション
によって求められた、本実施の形態の弾性表面波フィル
タの振幅バランスを示す。また、図18(C)にシミュ
レーションによって求められた、本実施の形態の弾性表
面波フィルタの位相バランスを示す。
【0204】図16と図17とを比較すると、図17
(A)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波
数特性は、通過帯域外で減衰極が得られており、通過帯
域外で急峻に減衰する特性になっている。これに対して
図16(A)に示す従来の弾性表面波フィルタの周波数
特性は、通過帯域外で減衰極が得られておらず、急峻に
減衰する特性にはなっていない。
【0205】また、図18(B)に示す本実施の形態の
弾性表面波フィルタの振幅バランスは、広い周波数領域
に渡って良好な特性が得られている。これに対して、図
16(B)に示す従来の弾性表面波フィルタの振幅バラ
ンスは、図18(B)よりは振幅バランスが劣化してい
る。
【0206】また、図18(C)に示す本実施の形態の
弾性表面波フィルタの位相バランスは、広い周波数領域
に渡って良好な特性が得られている。これに対して、図
16(C)に示す従来の弾性表面波フィルタの位相バラ
ンスは、図18(C)よりは位相バランスが劣化してい
る。
【0207】このように、本実施の形態の弾性表面波フ
ィルタの特性と従来の弾性表面波フィルタの特性とをシ
ミュレーションによって求めた場合、本実施の形態の弾
性表面波フィルタの方が、従来の弾性表面波フィルタよ
り良好な平衡度を有し、かつ良好な周波数特性を有する
という結果が得られた。
【0208】この結果は、次のように解釈することが出
来る。すなわち、本実施の形態の弾性表面波フィルタで
は、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電
極7aとを接続する引き回し配線と、引き回し配線13
とによって形成される寄生成分と、平衡型端子OUT2
と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き
回し配線と、引き回し配線14とによって形成される寄
生成分とが実質上同一になるので、良好な平衡度及び良
好な周波数特性を有する弾性表面波フィルタが得られた
と考えることが出来る。ところが、従来の弾性表面波フ
ィルタでは、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7
の上部電極7aとを接続する引き回し配線と、引き回し
配線32、33とで形成される寄生成分と、平衡型端子
OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続
する引き回し配線と、引き回し配線32、33とで形成
されるアンバランスな寄生成分とが、異なっているため
に、本実施の形態の弾性表面波フィルタよりは平衡度及
び周波数特性がともに劣化したものと考えることが出来
る。
【0209】さらに、本実施の形態の弾性表面波フィル
タでは、引き回し配線13に入力される信号の位相と引
き回し配線14に入力される信号の位相とを互いに逆相
になるようにしたことによっても、本実施の形態の弾性
表面波フィルタの特性が良好になった原因であると考え
られることが出来る。
【0210】次に、本実施の形態の図14の弾性表面波
フィルタの特性と従来の図27の弾性表面波フィルタの
特性を実験により求めてみた。
【0211】すなわち、図19に、実験により求めた、
本実施の形態の弾性表面波フィルタの特性を示し、図2
0に、実験により求めた、従来の弾性表面波フィルタの
特性を示す。
【0212】すなわち、図19(A)に、実験により求
められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波数
特性を示し、図19(B)に、実験により求められた、
本実施の形態の弾性表面波フィルタの振幅バランスを示
し、図19(C)に、実験により求められた、本実施の
形態の弾性表面波フィルタの位相バランスを示す。
【0213】また、図20(A)に、実験により求めら
れた、従来の弾性表面波フィルタの周波数特性を示し、
図20(B)に、実験により求められた、従来の弾性表
面波フィルタの振幅バランスを示し、図20(C)に、
実験により求められた、従来の弾性表面波フィルタの位
相バランスを示す。
【0214】図19と図20とを比較すると、図19
(A)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波
数特性は、通過帯域外で減衰極が得られており、かつ通
過帯域外で急峻な減衰特性が得られている。これに対し
て図20(A)に示す従来の弾性表面波フィルタの周波
数特性は、通過帯域外で減衰極が得られておらず、通過
帯域外で急峻な減衰特性が得られていない。
【0215】また、図19(B)に示す本実施の形態の
弾性表面波フィルタの振幅バランスは、広い周波数領域
に渡って良好な特性が得られている。これに対して、図
20(B)に示す従来の弾性表面波フィルタの振幅バラ
ンスは、図19(B)よりは振幅バランスが劣化してい
る。
【0216】また、図19(C)に示す本実施の形態の
弾性表面波フィルタの位相バランスは、広い周波数領域
に渡って良好な特性が得られている。これに対して、図
20(C)に示す従来の弾性表面波フィルタの位相バラ
ンスは、図19(C)よりは位相バランスが劣化してい
る。
【0217】このように、シミュレーションにより求め
た場合と、実験により求めた場合とで、同様の傾向が得
られた。すなわち、いずれの場合にせよ、本実施の形態
の弾性表面波フィルタの方が従来の弾性表面波フィルタ
よりも、良好な平衡度及び良好な周波数特性が得られ
る。
【0218】このように、引き回し配線13と第5のI
DT電極8との接続を、引き回し配線14と第6のID
T電極9との接続に対して上下逆にすることによって、
平衡型端子OUT1からの引き回し配線との寄生成分に
よる影響と、平衡型端子OUT2からの引き回し配線と
の寄生成分による影響とを実質上ほぼ同一とすることが
出来るので、平衡度の劣化を抑えることが出来、良好な
特性を有する弾性表面波フィルタを実現することが出来
る。
【0219】なお、各IDT電極における電極指の配置
は弾性表面波が打ち消し合わないような構成となる。ず
なわち、不平衡型端子INに接続される第1のIDT電
極1の上部電極1aをプラス(+)とし、接地される第
1のIDT電極1の下部電極1bをマイナス(−)とす
ると、図21に示すように電極指の極性が同相の配置に
なっている。従って、図22に示すような構成であって
も、各IDT電極における電極指の配置が弾性表面波が
打ち消し合わないような構成であれば、本実施の形態と
同等の効果を得ることが出来る。すなわち、図22は、
第2、第3のIDT電極2、3の上部電極2a、3aと
下部電極2b、3bの配置を電極指一つ分だけずらし、
また、第4、第5のIDT電極の上部電極8a、9a、
と下部電極8b、9bとの配置を電極指一つ分だけずら
した構成である。また、第2のIDT電極2の下部電極
2bと第5のIDT電極8の下部電極8bとを引き回し
配線15によって接続し、第3のIDT電極3の上部電
極3aと第6のIDT電極9の上部電極9aとを引き回
し配線16で接続した構成である。
【0220】このように、図14の弾性表波フィルタの
引き回し配線13、14の接続を図22のように上下逆
転させた場合であっても、本実施の形態と同等の効果を
得ることが出来る。なお、電極に重み付けを施す場合
は、これに限るものでない。ここで、電極に重み付けを
施すとは、例えば図14の第1のIDT電極1では、各
電極指は上部電極1aから引き出されている電極指と下
部電極1bから引き出されている電極指とが交互に配列
されているが、少なくともいずれか一つの電極指を逆側
の電極から引き出すようにした場合を意味している。
【0221】なお、本実施の形態では、不平衡型端子I
Nに信号が入力され、一対の平衡型端子OUT1、OU
T2から信号が出力されるとして説明したが、これに限
らない。一対の平衡型端子OUT1、OUT2から信号
を入力し、不平衡型端子INから信号を出力しても、本
実施の形態と同等の効果を得ること出来る。
【0222】また、本実施の形態では、各IDT電極及
び各反射器電極は、引き回し配線13に入力される信号
の位相と、引き回し配線14に入力される信号の位相と
が、互いに逆相になるように配置されているとして説明
したが、これに限らない。各IDT電極及び各反射器電
極を、引き回し配線13に入力される信号の位相と、引
き回し配線14に入力される信号の位相とが互いに同相
になるように配置してもよい。
【0223】引き回し配線13に入力される信号の位相
と、引き回し配線14に入力される信号の位相とが互い
に同相になるように配置した場合について、本実施の形
態の弾性表面波フィルタのフィルタ特性と従来の弾性表
面波フィルタのフィルタ特性とをともにシミュレーショ
ンにより求めて比較してみた。
【0224】従来の弾性表面波フィルタについては、上
述した図15のシミュレーション条件において、第2の
IDT電極2や第5のIDT電極8の配置を調整するこ
とによって、引き回し配線32に入力される信号の位相
と引き回し配線33に入力される信号の位相とが互いに
同相になるように配置した。それ以外のシミュレーショ
ン条件は、図15のシミュレーション条件と同様であ
る。
【0225】また、本実施の形態の弾性表面波フィルタ
については、上述した図17のシミュレーション条件に
おいて、第3のIDT電極3や第6のIDT電極9の配
置を調整することによって、引き回し配線13に入力さ
れる信号の位相と引き回し配線14に入力される信号の
位相とが互いに同相になるように配置した。それ以外の
シミュレーション条件は図17のシミュレーション条件
と同様である。
【0226】図28に、このようなシミュレーション条
件でシミュレーションを行い、その結果求められた、従
来の弾性表面波フィルタのフィルタ特性を示す。すなわ
ち、図28(A)は、シミュレーションにより求められ
た従来の弾性表面波フィルタの周波数特性であり、図2
8(B)は、シミュレーションにより求められた、従来
の弾性表面波フィルタの位相バランスである。
【0227】また、図29に、このようなシミュレーシ
ョン条件でシミュレーションを行い、その結果求められ
た、本実施の形態の弾性表面波フィルタのフィルタ特性
を示す。すなわち、図29(A)は、シミュレーション
により求められた本実施の形態の弾性表面波フィルタの
周波数特性であり、図29(B)は、シミュレーション
により求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタ
の位相バランスである。
【0228】図28と図29とを比較すると、図29
(A)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波
数特性は、通過帯域外で減衰極が得られており、通過帯
域外で急峻に減衰する特性になっている。これに対して
図28(A)に示す従来の弾性表面波フィルタの周波数
特性は、通過帯域外で減衰極が得られておらず、急峻に
減衰する特性にはなっていない。
【0229】また、シミュレーションによる振幅バラン
スについては、図示していないが、本実施の形態の弾性
表面波フィルタの方が従来の弾性表面波フィルタより若
干良好となる傾向が認められた。
【0230】また、図29(B)に示す本実施の形態の
弾性表面波フィルタの位相バランスは、図28(B)に
示す従来の弾性表面波フィルタより2度程度位相バラン
スが優れている。このように若干ではあるが、本実施の
形態の弾性表面波フィルタの方が位相バランスが優れて
いる。
【0231】さらに、図29に示す本実施の形態の弾性
表面波フィルタのフィルタ特性を図15のシミュレーシ
ョン条件すなわち引き回し配線の信号の位相が逆相にな
る場合の従来の弾性表面波フィルタのシミュレーション
を行った結果である図16のフィルタ特性とを比較する
と、振幅バランス及び位相バランスについてはともか
く、周波数特性については、図29に示す本実施の形態
の弾性表面波フィルタでは、減衰極が得られているのに
対して、図16のフィルタ特性では減衰極が得られてい
ない。従って周波数特性については、引き回し配線32
に入力される信号の位相と引き回し配線33に入力され
る信号の位相とが互いに同相である場合の本実施の形態
の弾性表面波フィルタの方が、従来の弾性表面波フィル
タで引き回し配線に入力される信号の位相を互いに逆相
にしたものよりも明らかに良好な特性を有している。
【0232】このように、各IDT電極及び各反射器電
極を、引き回し配線13に入力される信号の位相と、引
き回し配線14に入力される信号の位相とが互いに同相
になるように配置した場合であっても、従来の弾性表面
波フィルタよりは良好な周波数特性を得ることが出来
る。
【0233】(実施の形態8)以下、本発明の実施の形
態8の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。図23は実施の形態8における弾性表面波フィ
ルタの概略図である。
【0234】本実施の形態の弾性表面波フィルタは、前
述した実施の形態7と同様に、不平衡−平衡型入出力端
子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタである。
【0235】なお、本実施の形態の弾性表面波フィルタ
のうち前述した実施の形態7と同一部分には同一符号を
付して詳細な説明を省略する。
【0236】図23において、弾性表面波フィルタは、
それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラ
ック6及び2段目のフィルタトラック12から構成され
る。
【0237】1段目のフィルタトラック6は、第1、第
2、第3のIDT電極1、2、3と第1、第2の反射器
電極4、5とにより構成される。また、2段目のフィル
タトラック12は、第4、第5、第6のIDT電極7、
8、9と、第4、第5の反射器電極10、11とにより
構成される。
【0238】本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、
前述した実施の形態7で図14を用いて説明した弾性表
面波フィルタとは異なり、第2のIDT電極2の下部電
極2bと第5のIDT電極8の上部電極8aとが引き回
し配線17によって接続されいる。
【0239】これ以外は、前述した実施の形態7と同様
である。
【0240】次に、このような本実施の形態の動作を前
述した実施の形態7との相違点を中心に説明する。
【0241】本実施の形態でも前述した実施の形態7と
同様、引き回し配線17に入力される信号の位相と引き
回し配線18に入力される信号の位相とは互いに逆相に
なるように、各IDT電極が予め配置されているものと
する。
【0242】前述した実施の形態7では、引き回し配線
13は、第2のIDT電極2の上部電極2aから引き回
されているために、引き回し配線13は、不平衡型端子
INと第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する
引き回し配線と近接して配置される構成となる。従っ
て、これらの引き回し配線同士が結合することを考慮す
ると、本実施の形態に示すように、引き回し配線17及
び引き回し配線18は、それぞれ第2のIDT電極2の
下部電極2b及び第3のIDT電極3の下部電極3bか
ら引き回されている構成が好ましい。すなわち、本実施
の形態の弾性表面波フィルタではいずれの引き回し配線
17、18も第1の実施の形態よりも不平衡型端子IN
と第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き
回し配線から遠い位置に配置されている。従って、引き
回し配線17及び引き回し配線18と、不平衡型端子I
Nと第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引
き回し配線との寄生成分の影響は、前述した実施の形態
7よりも小さくなる。
【0243】このように、不平衡型端子INと第1のI
DT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し配線と
の結合が前述した実施の形態7より小さくなるように引
き回し配線17及び引き回し配線18が配線されている
ので、良好なフィルタ特性を有する弾性表面波フィルタ
を実現することが出来る。
【0244】なお、各IDT電極における電極指の配置
は前述した実施の形態7と同様に弾性表面波が打ち消し
合わないような構成となる。
【0245】従って、図24に示すような構成であって
も、各IDT電極における電極指の配置が弾性表面波が
打ち消し合わないような構成であれば、本実施の形態と
同等の効果を得ることが出来る。すなわち、図24は、
第4、第5のIDT電極8、9の上部電極8a、9aと
下部電極8b、9bの配置を電極指一つ分だけずらした
構成である。また、第2のIDT電極2の下部電極2b
と第5のIDT電極7の下部電極8bとを引き回し配線
19によって接続し、第3のIDT電極3の下部電極3
bと第6のIDT電極9の上部電極9aとを引き回し配
線20で接続した構成である。
【0246】このように、図23の弾性表波フィルタの
引き回し配線17、18の接続を図24のように上下逆
転させた場合であっても、本実施の形態と同等の効果を
得ることが出来る。
【0247】(実施の形態9)以下、本発明の実施の形
態9の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説
明する。図25は実施の形態9における弾性表面波フィ
ルタの概略図である。
【0248】本実施の形態の弾性表面波フィルタは、前
述した実施の形態7と同様に、不平衡−平衡型入出力端
子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタである。
【0249】本実施の形態の弾性表面波フィルタのうち
前述した実施の形態7と同一部分には同一を付して詳細
な説明を省略する。
【0250】なお、第4のIDT電極21は本発明の第
1のIDT電極に対応する。
【0251】図25において、弾性表面波フィルタは、
それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラ
ック6及び2段目のフィルタトラック12から構成され
る。
【0252】1段目のフィルタトラック6は、前述した
実施の形態7と同様に第1、第2、第3のIDT電極
1、2、3と第1、第2の反射器電極4、5とにより構
成される。また、2段目のフィルタトラック12は、前
述した実施の形態7と同様に第4、第5、第6のIDT
電極21、8、9と、第4、第5の反射器電極10、1
1とにより構成される。
【0253】本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、
前述した実施の形態7とは異なり、第4のIDT電極2
1が、第1の分割IDT電極22、及び第2の分割ID
T電極23に分割されている。
【0254】すなわち、第1の分割IDT電極22の上
部電極22a及び下部電極22bのうち1段目のフィル
タトラック6の側の方に配置されている上部電極22a
は一対の平衡型端子のうち平衡型端子OUT1に接続さ
れている。また、第1の分割IDT電極22の上部電極
22a及び下部電極22bのうち1段目のフィルタトラ
ック6の側とは反対側の方に配置されている下部電極2
2bは、接地されている。
【0255】また、第2の分割IDT電極23の上部電
極23a及び下部電極23bのうち、第1のフィルタト
ラック6の側とは反対側の方に配置されている下部電極
23bは、一対の平衡型端子のうち平衡型端子OUT2
に接続されている。第2の分割IDT電極23の上部電
極23a及び下部電極23bのうち、第1のフィルタト
ラック6の側に配置されている上部電極23aは接地さ
れている。
【0256】これ以外は、前述した実施の形態7と同様
である。
【0257】次に、このような本実施の形態の動作を前
述した実施の形態7との相違点を中心に説明する。
【0258】本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、
第4のIDT電極21を第1の分割IDT電極22と第
2の分割IDT電極23とに分割したことにより、平衡
型端子OUT1と平衡型端子OUT2との間のアイソレ
ーションを確保することが出来るようになる。
【0259】また、第4のIDT電極21の電極指の本
数が同数であり、電極指の幅が同数であり、隣接する電
極指の中心間隔が同じであるという条件では、第4のI
DT電極21を第1の分割IDT電極22及び第2の分
割IDT電極23に分割した方が、第4のIDT電極2
1を分割しない場合に比べて、平衡型端子OUT1及び
平衡型端子OUT2のインピーダンスが高い。従って、
第4のIDT電極21を第1の分割IDT電極22及び
第2の分割IDT電極23に分割することにより、第4
のIDT電極21の電極指の本数などの条件を一定にし
たままで、フィルタの周波数特性が実質上同一であっ
て、平衡型端子OUT1及びOUT2の出力インピーダ
ンスが高い弾性表面波フィルタを実現することが出来
る。
【0260】なお、本実施の形態の弾性表面波フィルタ
では、第2のIDT電極4の上部電極4aと第5のID
T電極8の上部電極8aとを引き回し配線13によって
接続し、第3のIDT電極3の下部電極3bと第6のI
DT電極9の下部電極9bとを引き回し配線14によっ
て接続したが、これに限らない。第2のIDT電極2の
下部電極2bと第5のIDT電極8の下部電極8bとを
引き回し配線13によって接続し、第3のIDT電極3
の上部電極3aと第6のIDT電極9の上部電極9aと
を引き回し配線14で接続しても構わない。なお、この
場合には各弾性表面波フィルタは弾性表面波を打ち消し
合わないように配置されているものとする。
【0261】また、前述した実施の形態8で説明したよ
うに、1段目のフィルタトラック6において、第2のI
DT電極2の下部電極2bから引き回し配線13を引き
回しても構わない。この場合には不平衡型端子INと第
1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し
配線との寄生成分の影響を小さくすることが出来る。
【0262】また、同様に、前述した実施の形態8で説
明した弾性表面波フィルタの第3のIDT電極を本実施
の形態の第4のIDT電極21の部分と同様に第1の分
割IDT電極22と第2の分割IDT電極23に分割し
ても構わない。
【0263】(実施の形態10)以下、本発明の実施の
形態10の弾性表面波フィルタについて図面を参照にし
て説明する。図26は実施の形態10における弾性表面
波フィルタの概略図である。
【0264】本実施の形態の弾性表面波フィルタは、前
述した実施の形態9と同様に、不平衡−平衡型入出力端
子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタである。
【0265】本実施の形態の弾性表面波フィルタのうち
前述した実施の形態9と同一部分には同一を付して詳細
な説明を省略する。
【0266】なお、第4のIDT電極26は本発明の第
1のIDT電極に対応する。
【0267】図26において、弾性表面波フィルタは、
それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラ
ック6及び2段目のフィルタトラック12から構成され
る。
【0268】1段目のフィルタトラック6は、前述した
実施の形態7と同様に第1、第2、第3のIDT電極
1、2、3と第1、第2の反射器電極4、5とにより構
成される。また、2段目のフィルタトラック12は、前
述した実施の形態7と同様に第4、第5、第6のIDT
電極26、8、9と、第4、第5の反射器電極10、1
1とにより構成される。
【0269】本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、
前述した実施の形態9とは異なり、第4のIDT電極2
6が、第1の分割IDT電極27、第2の分割IDT電
極28、及び第3の分割IDT電極29にに分割されて
いる。
【0270】すなわち、第1の分割IDT電極27の上
部電極27a及び下部電極27bのうち1段目のフィル
タトラック6の側の方に配置されている上部電極27a
は一対の平衡型端子のうち平衡型端子OUT1に接続さ
れている。また、第1の分割IDT電極27の上部電極
27a及び下部電極27bのうち1段目のフィルタトラ
ック6の側とは反対側の方に配置されている下部電極2
7bは、接地されている。
【0271】また、第2の分割IDT電極28の上部電
極28a及び下部電極28bのうち、第1のフィルタト
ラック6の側の方に配置されている上部電極28aは、
第1の分割IDT電極27の上部電極27aに接続され
ている。第2の分割IDT電極28の上部電極28a及
び下部電極28bのうち、第1のフィルタトラック6の
側とは反対側の方に配置されている下部電極28bは、
第3の分割IDT電極29の上部電極29a及び下部電
極29bのうち、1段目のフィルタトラック6の側とは
反対側の方に配置されている下部電極29bに接続され
ている。
【0272】また、第3の分割IDT電極29の上部電
極29a及び29bのうち、1段目のフィルタトラック
6の側の方に配置されている上部電極29aは接地され
ている。また、第3の分割IDT電極29の下部電極2
9bは、一対の平衡型端子のうち平衡型端子OUT2に
接続されている。
【0273】これ以外は、前述した実施の形態9と同様
である。
【0274】次に、このような本実施の形態の動作を前
述した実施の形態9との相違点を中心に説明する。
【0275】第4のIDT電極26の電極指の本数が同
数であり、電極指の幅が同数であり、隣接する電極指の
中心間隔が同じであるという条件では、第4のIDT電
極26を第1の分割IDT電極27及び第2の分割ID
T電極28及び第3の分割IDT電極29に分割した方
が、第4のIDT電極26を分割しない場合に比べて、
平衡型端子OUT1及び平衡型端子OUT2のインピー
ダンスが高くなる。従って、第4のIDT電極26を第
1の分割IDT電極27及び第2の分割IDT電極28
及び第3の分割IDT電極29に分割することにより、
第4のIDT電極28の電極指の本数などの条件を同じ
にした場合には、平衡型端子OUT1及びOUT2の出
力インピーダンスが高い弾性表面波フィルタを実現する
ことが出来る。さらに、第4のIDT電極26の電極指
の本数などの条件を同じにした場合には、第4のIDT
電極28を分割した場合の弾性表面波フィルタの特性
は、第4のIDT電極28を分割していない場合の弾性
表面波フィルタと実質上同じ特性になる。
【0276】従って、第4のIDT電極28を分割する
ことにより分割前のフィルタ特性を変えずに平衡型端子
OUT1、OUT2のインピーダンスが高い弾性表面波
フィルタを実現することが出来る。
【0277】さらに、第2の分割IDT電極28の電極
指の本数と、第1及び第3の分割IDT電極27、29
の電極指の本数との比を調整することにより、平衡型端
子OUT1、OUT2のインピーダンスを調整すること
が出来る。
【0278】このように第4のIDT電極26を分割す
ることによりインピーダンスの制御が可能になる。
【0279】なお、前述した実施の形態8で説明したよ
うに、1段目のフィルタトラック6において、第2のI
DT電極2の下部電極2bから引き回し配線13を引き
回しても構わない。この場合には不平衡型端子INと第
1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し
配線との寄生成分の影響を小さくすることが出来る。
【0280】なお、本実施の形態7〜10では、第4の
分割IDT電極を分割IDT電極に分割したが、これに
限らず、第1、第2、第3、第4、第5、第6のIDT
電極の全部または一部を分割IDT電極に分割しても構
わない。例えば第1のIDT電極を分割IDT電極に分
割した場合には、不平衡型端子INのインピーダンスが
高い弾性表面波フィルタを実現することが出来る。
【0281】また、本実施の形態7〜10では、各ID
T電極を分割する分割数は、2または3であるとして説
明したが他の分割数であっても構わない。
【0282】また、本実施の形態7〜10では、不平衡
型端子INは、第1のIDT電極1の上部電極1aの側
の方に配置されている、すなわち1段目のフィルタトラ
ック6の2段目のフィルタトラック12とは反対側の方
に配置されており、第1のIDT電極1の上部電極1a
が不平衡型端子INに接続されているとして説明した
が、これに限らない。不平衡型端子INが第1のIDT
電極1の下部電極1bの側に配置されている、すなわち
1段目のフィルタトラック6の2段目のフィルタトラッ
ク12の側の方に配置されており、第1のIDT電極1
の下部電極1bが不平衡型端子INに接続されていても
構わない。また、不平衡型端子INが第1のIDT電極
1の上部電極1aの側の方に配置されており、第1のI
DT電極1の下部電極1bが不平衡型端子INに接続さ
れていても構わない。また、不平衡型端子INが第1の
IDT電極1の下部電極1bの側の方に配置されてお
り、第1のIDT電極1の上部電極1aが不平衡型端子
INに接続されていても構わない。
【0283】また、本実施の形態7〜10では、第1の
IDT電極1の上部電極1aが不平衡型端子INに接続
されているとして説明したが、これに限らない。これら
の弾性表面波フィルタについては、第1のIDT電極1
の上部電極1a及び下部電極1bがそれぞれ、一対の平
衡型端子OUT1及びOUT2とは別の一対の平衡型端
子の一方及び他方に接続されていても構わない。この場
合には、平衡型−平衡型の弾性表面波フィルタが得られ
る。そして、この別の平衡型端子の一方から引き回され
る引き回し配線と、1段目のフィルタトラック6と2段
目のフィルタトラック12とを接続する引き回し配線と
の間の寄生成分は、この別の平衡型端子の他方から引き
回される引き回し配線と、1段目のフィルタトラック6
と2段目のフィルタトラック12とを接続する引き回し
配線との間の寄生成分と同程度になるので、同等の効果
を得ることが出来る。
【0284】また、本実施の形態7〜10では、1段目
のフィルタトラック6の下側に2段目のフィルタトラッ
ク12が配置されているとして説明したが、これに限ら
ず、各IDT電極及び不平衡型端子IN及び一対の平衡
型端子の引き回し配線による接続を変えずに、1段目の
フィルタトラック6の上側に2段目のフィルタトラック
12を配置しても構わない。
【0285】また、本実施の形態7〜10では、第2の
IDT電極2の上部電極2a及び下部電極2bのうち引
き回し配線が接続されていない方の電極は接地されてお
り、第3のIDT電極3の上部電極3a及び下部電極3
bのうち引き回し配線が接続されていない方の電極は接
地されているとして説明したが、これに限らない。第2
のIDT電極2に接続されている引き回し配線に流れる
信号の位相と第3のIDT電極3に接続されている引き
回し配線に流れる信号の位相とが互いに逆相になってい
る場合には、これらの電極を接地する代わりに、互いに
電気的に接続しても構わない。
【0286】また、本実施の形態7〜10では、第5の
IDT電極8の上部電極8a及び下部電極8bのうち引
き回し配線が接続されていない方の電極は接地されてお
り、第6のIDT電極9の上部電極9a及び下部電極9
bのうち引き回し配線が接続されていない方の電極は接
地されているとして説明したが、これに限らない。第5
のIDT電極8に接続されている引き回し配線に流れる
信号の位相と第6のIDT電極9に接続されている引き
回し配線に流れる信号の位相とが互いに逆相になってい
る場合には、これらの電極を接地せず、互いに電気的に
接続しても構わない。
【0287】(実施の形態11)以下、本発明の実施の
形態11の弾性表面波フィルタについて、主として図3
0を参照しながら説明する。
【0288】なお、第1のIDT電極3102は本発明
の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極310
3は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT
電極3104は本発明の第3のIDT電極に対応する。
また、第1の反射器電極3105、第2の反射器電極3
106は、本発明の反射器電極に対応する。また、平衡
端子の一方3107は本発明の第1の平衡型端子の一方
に対応し、不平衡端子は3109は本発明の不平衡型端
子に対応する。また、リアクタンス素子3110は、本
発明のリアクタンス素子に対応する。
【0289】弾性表面波フィルタ(図30)の構成につ
いて説明する前に、弾性表面波フィルタのバランス特性
の劣化原因に関しての考察を行う。RF段に使用される
広帯域な特性を必要とするような弾性表面波フィルタで
は、一般的に、リチウム酸タンタル(LiTaO3)や
リチウム酸ニオブ(LiNbO3)などの圧電基板が広
く用いられており、このような基板の実効比誘電率はそ
れぞれ48、49程度と大きい値である。ここで、実効
比誘電率とは圧電基板の比誘電率テンソルε11 Tとε33 T
を用いて、
【0290】
【数1】((ε11 T)×(ε33 T))1/2 と定義する。
【0291】弾性表面波フィルタにおいては、圧電基板
の実効比誘電率が大きいので、IDT電極間の空間的な
結合だけでなく、圧電基板中のIDT電極同士の寄生成
分による結合や、他にも、IDT電極を端子に接続する
ために要する配線などにも寄生成分が生じる。ここまで
配線同士のアンバランスな寄生成分の低減によるバラン
ス特性の改善についていろいろ述べてきたが、図42
に、これらの寄生成分を考慮した構成を示す。図42
は、図40の弾性表面波フィルタに寄生成分として、I
DT電極間に容量成分4301を仮定した構成となる。
図41に示す構成で容量成分4301の容量値を変化さ
せて、900MHz帯のフィルタに関して解析を行った
結果を図43に示す。圧電基板としては、LiTaO3
を用いている。
【0292】図43(A)〜(B)はそれぞれ通過帯域
における振幅バランス特性、位相バランス特性の最大値
と最小値を示している。図43(A)〜(B)に示すよ
うに、容量値が大きくなる程バランス特性が劣化してい
る。即ち、IDT電極間の寄生成分による結合が大きい
程、弾性表面波フィルタのバランス特性が劣化するとい
うことが明らかになった。
【0293】次に、前述のバランス特性の劣化を改善す
る弾性表面波フィルタの構成について述べる。図30に
本発明の平衡型端子を有する縦モード型の弾性表面波フ
ィルタの構成を示す。図30において、弾性表面波フィ
ルタは、圧電基板3101上に、第1、第2、第3のイ
ンターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT
電極とする)3102、3103、3104と第1、第
2の反射器電極3105、3106とにより構成され
る。
【0294】第1のIDT電極3102の一方の電極指
は平衡型端子の一方3107に接続され、第1のIDT
電極3102の他方の電極指は平衡型端子の他方310
8に接続される。また、第2、第3のIDT電極310
3、3104の一方の側の電極指を不平衡型端子310
9に接続し、他方を接地する。さらに、第1のIDT電
極と第2、第3のIDT電極3103、3104との間
にリアクタンス素子3110を介して接続する。この場
合には、平衡型端子の一方3107と不平衡型端子31
09との間にリアクタンス素子が配置される構成とな
る。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型端子
を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0295】図31に示すのは、リアクタンス素子とし
てインダクタを配置した場合の弾性表面波フィルタの特
性である。圧電基板としては、LiTaO3を用いてい
る。さらに、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分
と配置されるインダクタンスとにより形成される並列共
振の共振周波数が通過帯域内となるように設定されてい
る。図31において、(A)は通過特性であり、(B)
は通過帯域の振幅バランス特性、(C)は通過帯域の位
相バランス特性である。図31より、通過帯域におい
て、振幅バランス特性は−0.2dB〜+0.2dB、
位相バランス特性は−4°〜+1°であり、図41の従
来の弾性表面波フィルタの特性に比べて、通過特性を劣
化させることなくバランス特性が改善している。
【0296】なお、本実施の形態11においては、第1
のIDT電極と第2、第3のIDT電極3103、31
04との間として、平衡型端子の一方3107と不平衡
型端子3109との間にリアクタンス素子を配置した
が、これは、平衡型端子の他方3108と不平衡型端子
3109との間にリアクタンス素子を配置しても構わな
い。また、図32に示すように、第1のIDT電極と第
2のIDT電極3103との間に第1のリアクタンス素
子3301を、第1のIDT電極と第3のIDT電極3
104との間に第2リアクタンス素子3302を配置し
ても、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分がリア
クタンス素子との並列共振を形成して、その共振周波数
を通過帯域内に設定されていればバランス特性改善の効
果は同様に得られる。なお、第1のリアクタンス素子3
301、第2のリアクタンス素子3302は、本発明の
リアクタンス素子に対応する。
【0297】(実施の形態12)以下、本発明の実施の
形態12の弾性表面波フィルタについて図面を参照にし
て説明する。図33に本発明の平衡型端子を有する縦モ
ード型の弾性表面波フィルタの構成を示す。図33にお
いて、弾性表面波フィルタは、圧電基板3401上に、
第1、第2、第3のIDT電極3402、3403、3
404と第1、第2の反射器電極3405、3406と
により構成される。
【0298】第1のIDT電極3402の一方の電極指
は平衡型端子の一方3407に接続され、第1のIDT
電極3402の他方の電極指は平衡型端子の他方340
8に接続される。また、第2のIDT電極3403の一
方の電極指と第3のIDT電極3404の他方の電極指
を不平衡型端子3409に接続し、第2のIDT電極3
403の他方の電極指と第3のIDT電極3404の一
方の側の電極指を接地する。図30の構成とは、不平衡
型端子に接続される第3のIDT電極の電極指が上下逆
側という点で異なる。以上の構成とすることにより不平
衡型−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタが得られ
る。
【0299】図34に示すのは、図33に示した弾性表
面波フィルタの特性図である。圧電基板としては、Li
TaO3を用いている。図34において、(A)は通過
特性であり、(B)は通過帯域の振幅バランス特性、
(C)は通過帯域の位相バランス特性である。図34よ
り、通過帯域において、振幅バランス特性は−0.8d
B〜+0.6dB、位相バランス特性は−5°〜+8°
であり、図41の従来の弾性表面波フィルタの特性に比
べてバランス特性が改善している。
【0300】このように、第2、第3のIDT電極34
03、3404と不平衡型端子3409との接続に関し
て、第2、第3のIDT電極3403、3404の電極
指の上下逆側からの接続とすることによりバランス特性
が改善される。
【0301】さらに、第1のIDT電極と第2、第3の
IDT電極3403、3404との間にリアクタンス素
子を介して接続する。図35に示すように、平衡型端子
の一方3407と不平衡型端子3409との間に第1の
リアクタンス素子3601が配置され、平衡型端子の他
方3408と不平衡型端子3409との間に第2のリア
クタンス素子3602が配置される構成となる。
【0302】なお、第1のIDT電極3402は本発明
の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極340
3は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT
電極3404は本発明の第3のIDT電極に対応する。
また、第1の反射器電極3405、第2の反射器電極3
406は、本発明の反射器電極に対応する。また、平衡
端子の一方3407は本発明の第1の平衡型端子の一方
に対応し、不平衡端子は3409は本発明の不平衡型端
子に対応する。また、第1のリアクタンス素子360
1、第2のリアクタンス素子3602は、本発明のリア
クタンス素子に対応する。
【0303】図36(A)〜(C)に示すのは、リアク
タンス素子としてインダクタを配置した場合の弾性表面
波フィルタの特性である。圧電基板としては、LiTa
3を用いている。さらに、IDT電極間や空間的な結
合等の寄生成分と配置されるインダクタンスとにより形
成される並列共振の共振周波数が通過帯域内となるよう
に設定されている。図36において、(A)は通過特性
であり、(B)は通過帯域の振幅バランス特性、(C)
は通過帯域の位相バランス特性である。図36より、通
過帯域において、振幅バランス特性は−0.2dB〜+
0.4dB、位相バランス特性は−1°〜+2°であ
り、図40の従来の弾性表面波フィルタの特性に比べ
て、バランス特性が大きく改善している。また、図33
の構成における弾性表面波フィルタの特性に比べてもバ
ランス特性が改善している。
【0304】なお、本実施の形態12においては、平衡
型端子の一方3407と不平衡型端子3409との間に
第1のリアクタンス素子3601が配置され、平衡型端
子の他方3408と不平衡型端子3409との間に第2
のリアクタンス素子3602が配置される構成として説
明したが、これは、どちらか一方にリアクタンス素子が
配置される構成であっても、IDT電極間や空間的な結
合等の寄生成分がリアクタンス素子との並列共振を形成
して、その共振周波数を通過帯域内に設定されていれば
バランス特性改善の効果は同様に得られる。
【0305】また、図50に示されているように、第1
のIDT電極3102を2分割して平衡性を実現しても
構わない。さらに、この場合には、IDT電極の容量を
小さくし、そのインピーダンスをより高くとることがで
きる。
【0306】(実施の形態13)以下、本発明の実施の
形態13の弾性表面波フィルタについて図面を参照にし
て説明する。図37に本発明の平衡型端子を有する縦モ
ード型の弾性表面波フィルタの構成を示す。
【0307】なお、第2のIDT電極3803は本発明
の第1のIDT電極に対応し、第1のIDT電極380
2は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT
電極3804は本発明の第3のIDT電極に対応する。
また、第1の反射器電極3805、第2の反射器電極3
806は、本発明の反射器電極に対応する。また、平衡
端子の一方3807は本発明の第1の平衡型端子の一方
に対応し、平衡端子の他方3808は本発明の第1の平
衡型端子の他方に対応し、不平衡端子は3809は本発
明の不平衡型端子に対応する。また、第1のリアクタン
ス素子3810、第2のリアクタンス素子3811は、
本発明のリアクタンス素子に対応する。
【0308】図37において、弾性表面波フィルタは、
圧電基板3801上に、第1、第2、第3のIDT電極
3802、3803、3804と第1、第2の反射器電
極3805、3806とにより構成される。
【0309】第2のIDT電極3803の一方の電極指
は平衡型端子の一方3807に接続し、第3のIDT電
極3804の一方の電極指は平衡型端子の他方3808
に接続される。また、第1のIDT電極3802の一方
の電極指は不平衡型端子の一方3807に接続される。
さらに、第1のIDT電極の一方の電極指と第2、第3
のIDT電極3803、3804の一方の電極指との間
にはそれぞれ第1、第2のリアクタンス素子3810、
3811を介して接続される。即ち、図37に示すよう
に、平衡型端子の一方3807と不平衡型端子3809
との間に第1のリアクタンス素子3810が配置され、
平衡型端子の他方3808と不平衡型端子3809との
間に第2のリアクタンス素子3811が配置される構成
となる。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型
端子を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0310】以上の構成の弾性表面波フィルタにおい
て、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分が第1、
第2のリアクタンス素子3810、3811との並列共
振を形成して、その共振周波数を通過帯域内に設定する
ことにより、良好なバランス特性を有する弾性表面波フ
ィルタを実現することができる。また、本構成において
は、第1のIDT電極3802の電極指本数よりも、第
2、第3のIDT電極の電極指本数を少ない構成である
ので、本実施の形態11〜12に比べて、平衡型端子側
のインピーダンスを高く設定できる。
【0311】なお、本実施の形態では弾性表面波フィル
タを用いて説明したが、図38(A)〜(C)に示すよ
うに、少なくとも一つの平衡型端子を有するフィルタで
あれば、本実施の形態と同様の構成とすることにより、
良好なバランス特性を有するフィルタが得られる(ただ
し、図38(A)と(B)とは電気的に等価であり、図
38(B)に示されているようにリアクタンス素子39
05′、3906′が並列に接続されてもよい)。
【0312】たとえば、フィルタ3901において、不
平衡型端子3902と平衡型端子の一方3903にリア
クタンス素子3905を配置して、平衡型端子と不平衡
型端子との間に生じる寄生成分とリアクタンス素子39
05とにより並列共振の共振周波数が通過帯域内となる
ように設定することにより、良好なバランス特性が得ら
れる。このようにして、図30に示されている弾性表面
波フィルタと類似した構成が得られるが、リアクタンス
素子3905が圧電基板上に形成されている必要はな
い。なお、不平衡型端子3902と不平衡型端子310
9(図30参照)とが対応し、平衡型端子の一方390
3と平衡型端子の一方3107(図30参照)とが対応
し、平衡型端子の他方3904と平衡型端子の他方31
08(図30参照)とが対応する。
【0313】また、フィルタ3901において、不平衡
型端子3902と平衡型端子の一方3903にリアクタ
ンス素子3905′、3906′を配置して、平衡型端
子と不平衡型端子との間に生じる寄生成分とリアクタン
ス素子3905′、3906′とにより並列共振の共振
周波数が通過帯域内となるように設定することにより、
良好なバランス特性が得られる。このようにして、図3
2に示されている弾性表面波フィルタと類似した構成が
得られるが、リアクタンス素子3905′、3906′
が圧電基板上に形成されている必要はない。
【0314】また、フィルタ3901において、不平衡
型端子3902と平衡型端子の一方3903にリアクタ
ンス素子3905″を配置し、不平衡型端子3902と
平衡型端子の他方3904にリアクタンス素子390
6″を配置して、平衡型端子と不平衡型端子との間に生
じる寄生成分とリアクタンス素子3905″、390
6″とにより並列共振の共振周波数が通過帯域内となる
ように設定することにより、良好なバランス特性が得ら
れる。このようにして、図35、37に示されている弾
性表面波フィルタと類似した構成が得られるが、リアク
タンス素子3905″、3906″が圧電基板上に形成
されている必要はない。なお、不平衡型端子3902と
不平衡型端子3409(図35参照)とが対応し、平衡
型端子の一方3903と平衡型端子の一方3407(図
35参照)とが対応し、平衡型端子の他方3904と平
衡型端子の他方3408(図35参照)とが対応する。
また、不平衡型端子3902と不平衡型端子3809
(図37参照)とが対応し、平衡型端子の一方3903
と平衡型端子の一方3807(図37参照)とが対応
し、平衡型端子の他方3904と平衡型端子の他方38
08(図37参照)とが対応する。
【0315】なお、本実施の形態11〜13において
は、不平衡−平衡型の弾性表面波フィルタに関して説明
したが、これは平衡−平衡型の弾性表面波フィルタであ
っても、リアクタンス素子の接続の仕方が異なるだけで
あり、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分とリア
クタンス素子との並列共振の共振周波数を通過帯域内に
設定することにより、バランス特性改善の効果は同様に
得られる。
【0316】また、本実施の形態11〜13においては
圧電基板としてLiTaO3を用いて説明したが、これ
はLiNbO3などの他の圧電基板でもよく、圧電基板
の実効比誘電率が大きい程その効果は大きく、LiTa
3やLiNbO3などの実効比誘電率が40以上の圧電
基板であれば十分な効果が得られる。
【0317】また、本実施の形態11〜13において
は、リアクタンス素子としてインダクタンスを用いて説
明したが、これに限るものではなく、伝送回路等を組み
合わせてもよく、即ち、端子間に生じる容量成分を通過
帯域内において打ち消し合うような構成とすることによ
り、同様の改善効果が得られる。
【0318】また、リアクタンス素子は、圧電基板上に
形成されても、パッケージや実装基板に形成されても構
わない。また、チップ部品であってもよい。
【0319】また、本実施の形態では1段の弾性表面波
フィルタについて説明したが、これは複数の弾性表面波
フィルタを縦続に接続した構成であっても構わない。
【0320】また、本実施の形態11〜13において
は、3電極の縦モード型フィルタを用いて説明したが、
これは2電極や4電極(図50参照)、5電極の縦モー
ド型フィルタであっても、弾性表面波共振子を用いた梯
子型や対称格子型のフィルタ構成であっても、同様に平
衡型端子と他の端子との間にリアクタンス素子を配置す
る構成であれば、バランス特性に関して同様の効果が得
られる。
【0321】また、本発明にかかる実施の形態の、5電
極構成を有する弾性表面波フィルタの構成図である図4
4に示されているように、弾性表面波の伝搬方向に実質
的に沿って配置されたIDT電極5001〜5005を
備え、(1)IDT電極5001は、一方の櫛形電極が
平衡型端子の一方5011に接続されており、他方の櫛
形電極が平衡型端子の他方5012に接続されており、
(2)IDT電極5002は、一方の櫛形電極が不平衡
端子5020に接続されており、(3)IDT電極51
03は、IDT電極5002の一方の櫛形電極とは相異
なる側にある一方の櫛形電極が不平衡端子5020に接
続されており、(4)IDT電極5104は、一方の櫛
形電極が平衡型端子の一方5011に接続されており、
他方の櫛形電極が平衡型端子の他方5012に接続され
ており、(5)IDT電極5105は、一方の櫛形電極
が平衡型端子の一方5011に接続されており、他方の
櫛形電極が平衡型端子の他方5012に接続されている
弾性表面波フィルタは、本発明に含まれる。
【0322】また、端子を接続するためのパッド電極
は、IDT電極のバスバー電極と引き回し電極を介して
接続されていてもよいし、IDT電極のバスバー電極と
一体的に構成されていてもよい。
【0323】より具体的には、本発明にかかる実施の形
態の弾性表面波フィルタにおける、パッド電極のバスバ
ー電極との接続に関する説明図(その1)である図45
に示されているように、パッド電極5101がバスバー
電極5201、5204と引き回し電極5301を介し
て接続され、パッド電極5102がバスバー電極520
2と引き回し電極5302を介して接続され、パッド電
極5103がバスバー電極5203と引き回し電極53
03を介して接続されているような弾性表面波フィルタ
は、本発明に含まれる。また、本発明にかかる実施の形
態の弾性表面波フィルタにおける、パッド電極のバスバ
ー電極との接続に関する説明図(その2)である図46
に示されているように、パッド電極5104がバスバー
電極5202と一体的に構成され、パッド電極5105
がバスバー電極5203と一体的に構成されているよう
な弾性表面波フィルタは、本発明に含まれる。
【0324】(実施の形態14)以下、本発明の実施の
形態14の通信機器について図面を参照にして説明す
る。図39に示すのは、本発明にかかる実施の形態の弾
性表面波フィルタ、または平衡型フィルタを用いた通信
機器4001のブロック図である。
【0325】図39において、送信回路から出力される
送信信号は、送信増幅器4002、送信フィルタ400
3、スイッチ4004を介してアンテナ4005より送
信される。また、アンテナ4005より受信された受信
信号は、スイッチ4004、受信フィルタ4006、受
信増幅器4007を介して受信回路に入力される。ここ
で、送信増幅器4002は平衡型であり、スイッチ40
04は不平衡型であるので、送信フィルタ4003は不
平衡−平衡型端子を有する構成となる。また、受信増幅
器4007は平衡型であり、スイッチ4004は不平衡
型であるので、受信フィルタ4006は不平衡−平衡型
端子を有する構成となる。
【0326】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フ
ィルタ、または平衡型フィルタを通信機器4001の送
信フィルタ4003、または受信フィルタ4006に適
用することにより、バランス特性の劣化による送信時の
変調精度劣化を抑えることができ、また、バランス特性
の劣化による受信時の感度劣化を抑えることができ、高
性能な通信機器を実現することができる。
【0327】なお、本実施の形態14において、送信フ
ィルタ4003、受信フィルタ4006を不平衡−平衡
型として説明したが、これはスイッチ4004が平衡型
の場合には、送信フィルタ4003、受信フィルタ40
06を平衡型とすればよい。この場合にも、送信フィル
タ4003、受信フィルタ4006にリアクタンス素子
を付加してバランス特性を改善することにより、高性能
な通信機器を実現することができる。
【0328】また、スイッチ4004が平衡型、送信増
幅器4002、または受信増幅器4007が不平衡型の
場合には、送信フィルタ4003、または受信フィルタ
4006の平衡型と不平衡型の入出力端子を入れ替える
ことにより同様の効果が得られる。
【0329】また、通信機器4001において、送信と
受信とを切り換える手段としてスイッチ4004を用い
て説明したが、これは共用器であっても構わない。
【0330】また、本発明の弾性表面波フィルタや平衡
型フィルタを用いた通信機器とは、携帯電話端末、PH
S端末、自動車電話端末、携帯電話の無線基地局、無線
により通信を行う無線装置などを含む。要するに本発明
の通信機器とは、高周波信号を用いて通信を行う機器で
あって、その機器の機能を実現する回路の一部に本発明
の弾性表面波フィルタが用いられている機器でありさえ
ればよい。
【0331】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、より良好なフィルタ特性を有する弾性表
面波フィルタ、平衡型フィルタ、および通信装置を提供
することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における弾性表面波フィ
ルタの構成図
【図2】(A)本発明の実施の形態1における弾性表面
波フィルタの電極指配置図 (B)本発明の実施の形態1における、また別の弾性表
面波フィルタの電極指配置図
【図3】本発明の実施の形態2における弾性表面波フィ
ルタの構成図
【図4】(A)従来の弾性表面波フィルタの特性を説明
するための説明図 (B)本発明の実施の形態2における弾性表面波フィル
タの特性を説明するための説明図
【図5】本発明の実施の形態3における弾性表面波フィ
ルタの構成図
【図6】本発明の実施の形態4における弾性表面波フィ
ルタの構成図
【図7】本発明の実施の形態4における反射器電極の構
成図
【図8】本発明の実施の形態5における弾性表面波フィ
ルタの構成図
【図9】本発明の実施の形態5における弾性表面波フィ
ルタの他の構成図
【図10】本発明の実施の形態6における弾性表面波フ
ィルタの構成図
【図11】(A)本発明の実施の形態6における弾性表
面波フィルタの電極指配置図 (B)本発明の実施の形態6における、また別の弾性表
面波フィルタの電極指配置図
【図12】従来の弾性表面波フィルタの構成図
【図13】従来の弾性表面波フィルタの構造図
【図14】本発明の実施の形態7における弾性表面波フ
ィルタの概略図
【図15】従来の弾性表面波フィルタのシミュレーショ
ン条件を示す図
【図16】(A)シミュレーションにより求められた従
来の弾性表面波フィルタの周波数特性を示す図 (B)シミュレーションにより求められた従来の弾性表
面波フィルタの振幅バランスを示す図 (C)シミュレーションにより求められた従来の弾性表
面波フィルタの位相バランスを示す図
【図17】本発明の実施の形態7における弾性表面波フ
ィルタのシミュレーション条件を示す図
【図18】(A)本発明の実施の形態7におけるシミュ
レーションにより求められた弾性表面波フィルタの周波
数特性を示す図 (B)本発明の実施の形態7におけるシミュレーション
により求められた弾性表面波フィルタの振幅バランスを
示す図 (C)本発明の実施の形態7におけるシミュレーション
により求められた弾性表面波フィルタの位相バランスを
示す図
【図19】(A)本発明の実施の形態7における実験に
より求められた弾性表面波フィルタの周波数特性を示す
図 (B)本発明の実施の形態7における実験により求めら
れた弾性表面波フィルタの振幅バランスを示す図 (C)本発明の実施の形態7における実験により求めら
れた弾性表面波フィルタの位相バランスを示す図
【図20】(A)実験により求められた従来の弾性表面
波フィルタの周波数特性を示す図 (B)実験により求められた従来の弾性表面波フィルタ
の振幅バランスを示す図 (C)実験により求められた従来の弾性表面波フィルタ
の位相バランスを示す図
【図21】本発明の実施の形態7における各IDT電極
の配置方法を説明する図
【図22】本発明の実施の形態7における別の弾性表面
波フィルタの概略図
【図23】本発明の実施の形態8における弾性表面波フ
ィルタの概略図
【図24】本発明の実施の形態8における別の弾性表面
波フィルタの概略図
【図25】本発明の実施の形態9における弾性表面波フ
ィルタの概略図
【図26】本発明の実施の形態10における弾性表面波
フィルタの概略図
【図27】従来の弾性表面波フィルタの概略図
【図28】(A)引き回し配線の信号の位相が互いに同
相の場合の従来の弾性表面波フィルタのシミュレーショ
ンによる周波数特性を示す図 (B)引き回し配線の信号の位相が互いに同相の場合の
従来の弾性表面波フィルタのシミュレーションによる位
相バランスを示す図
【図29】(A)本発明の実施の形態7における引き回
し配線の信号の位相が互いに同相の場合の弾性表面波フ
ィルタのシミュレーションによる周波数特性を示す図 (B)本発明の実施の形態7における引き回し配線の信
号の位相が互いに同相の場合の弾性表面波フィルタのシ
ミュレーションによる位相バランスを示す図
【図30】本発明の実施の形態11における弾性表面波
フィルタの構成図
【図31】(A)本発明の実施の形態11における弾性
表面波フィルタの通過特性を示す図 (B)本発明の実施の形態11における弾性表面波フィ
ルタの振幅バランス特性を示す図 (C)本発明の実施の形態11における弾性表面波フィ
ルタの位相バランス特性を示す図
【図32】本発明の実施の形態11における他の弾性表
面波フィルタの構成図
【図33】本発明の実施の形態12における弾性表面波
フィルタの構成図
【図34】(A)本発明の実施の形態12における弾性
表面波フィルタの通過特性を示す図 (B)本発明の実施の形態12における弾性表面波フィ
ルタの振幅バランス特性を示す図 (C)本発明の実施の形態12における弾性表面波フィ
ルタの位相バランス特性を示す図
【図35】本発明の実施の形態12における他の弾性表
面波フィルタの特性図
【図36】(A)本発明の実施の形態12における他の
弾性表面波フィルタの通過特性を示す図 (B)本発明の実施の形態12における他の弾性表面波
フィルタの振幅バランス特性を示す図 (C)本発明の実施の形態12における他の弾性表面波
フィルタの位相バランス特性を示す図
【図37】本発明の実施の形態13における弾性表面波
フィルタの構成図
【図38】(A)本発明の実施の形態における弾性表面
波フィルタへのリアクタンス素子の付加に関する説明図
(その1) (B)本発明の実施の形態における弾性表面波フィルタ
へのリアクタンス素子の付加に関する説明図(その2) (C)本発明の実施の形態における弾性表面波フィルタ
へのリアクタンス素子の付加に関する説明図(その3)
【図39】本発明の実施の形態14における通信機器の
構成を示すブロック図
【図40】従来の弾性表面波フィルタの構成図
【図41】(A)従来の弾性表面波フィルタの通過特性
を示す図 (B)従来の弾性表面波フィルタの振幅バランス特性を
示す図 (C)従来の弾性表面波フィルタの位相バランス特性を
示す図
【図42】寄生成分を考慮した場合の弾性表面波フィル
タの構成図
【図43】弾性表面波フィルタの振幅、及び位相バラン
ス特性を示す図
【図44】本発明にかかる実施の形態の、5電極構成を
有する弾性表面波フィルタの構成図
【図45】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィ
ルタにおける、パッド電極のバスバー電極との接続に関
する説明図(その1)
【図46】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィ
ルタにおける、パッド電極のバスバー電極との接続に関
する説明図(その2)
【図47】従来の弾性表面波フィルタのシミュレーショ
ンモデルの振幅バランス特性および位相バランス特性に
関する説明図
【図48】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィ
ルタのシミュレーションモデルの説明図
【図49】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィ
ルタのシミュレーションモデルの振幅バランス特性およ
び位相バランス特性に関する説明図
【図50】本発明の実施の形態における弾性表面波フィ
ルタの構成図
【符号の説明】
101 圧電基板 102 第1のIDT電極 102a 第1のIDT電極の上部電極 102b 第1のIDT電極の下部電極 103 第2のIDT電極 103a 第2のIDT電極の上部電極 103b 第2のIDT電極の下部電極 104 第3のIDT電極 104a 第3のIDT電極の上部電極 104b 第3のIDT電極の下部電極 105 第1の反射器電極 106 第2の反射器電極 107 平衡型端子の一方 108 平衡型端子の他方 109 不平衡型端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都築 茂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山田 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA13 BB15 DD07 DD14 DD17 GG03 KK03 KK04 KK08

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板上に配置された一対の対向する
    櫛形電極からそれぞれ構成されている、弾性表面波の伝
    搬方向に実質的に沿って配置された少なくとも第1から
    第3のIDT電極を備え、 前記第1から第3のIDT電極の内、(1)両側に他の
    IDT電極が配置された前記第1のIDT電極は、一方
    の櫛形電極が第1の平衡型端子の一方に接続されてお
    り、他方の櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に接
    続されており、(2)前記他のIDT電極の内の前記第
    2のIDT電極は、一方の櫛形電極が引き回し配線を介
    して信号が入力または出力され、(3)前記他のIDT
    電極の内の前記第3のIDT電極は、前記第2のIDT
    電極の一方の櫛形電極とは相異なる側にある一方の櫛形
    電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され
    る弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記第1のIDT電極を基準にして前記
    第2のIDT電極側にある第1の反射器電極と、 前記第1のIDT電極を基準にして前記第3のIDT電
    極側にある第2の反射器電極とを備え、 前記少なくとも第1から第3のIDT電極は、前記第1
    の反射器電極と前記第2の反射器電極との間に配置され
    ており、 前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の
    入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記
    第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力
    または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに
    接続され不平衡端子に接続されている請求項1記載の弾
    性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記第2のIDT電極の他方の櫛形電極
    は、接地されており、 前記第3のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されて
    いる請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記第2のIDT電極の前記一方の櫛形
    電極は、第2の平衡型端子の一方に接続されており、 前記第3のIDT電極の前記一方の櫛形電極は、前記第
    2の平衡型端子の一方に接続されている請求項1記載の
    弾性表面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の反射器電極は、接
    地されており、 前記第2のIDT電極の他方の電極は、前記第1の反射
    器電極と接続されることによって接地されており、 前記第3のIDT電極の他方の電極は、前記第2の反射
    器電極と接続されることによって接地されている請求項
    3記載の弾性表面波フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2の反射器電極は、前
    記不平衡型端子に接続されており、 前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の反射
    器電極と接続されることによって前記不平衡型端子に接
    続されており、 前記第3のIDT電極の一方の電極は、前記第2の反射
    器電極と接続されることによって前記不平衡型端子に接
    続されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記第1および/または前記第2の反射
    器電極は、少なくとも2つの分割反射器電極に分割され
    ている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも2つの分割反射器電極の
    内の、前記第2および/または前記第3のIDT電極に
    近接する方の分割反射器電極は、直接接地されているか
    または他の前記分割反射器電極を介して接地されている
    請求項7記載の弾性表面波フィルタ。
  9. 【請求項9】 (1)前記第1の反射器電極が分割さ
    れ、前記第2のIDT電極の前記他方の電極は、前記第
    1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接
    地されている分割反射器電極に接続されることによって
    接地されており、(2)前記第2の反射器電極が分割さ
    れ、前記第3のIDT電極の前記他方の電極は、前記第
    2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接
    地されている分割反射器電極に接続されることによって
    接地されている請求項8記載の弾性表面波フィルタ。
  10. 【請求項10】 (1)前記第1の反射器電極が分割さ
    れ、前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の
    反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地さ
    れていない分割反射器電極に接続されており、その第2
    のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反
    射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、 (2)前記第2の反射器電極が分割され、前記第3のI
    DT電極の一方の電極は、前記第2の反射器電極を構成
    する前記分割反射器電極の内の接地されていない分割反
    射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一
    方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記
    不平衡型端子に接続されている請求項9記載の弾性表面
    波フィルタ。
  11. 【請求項11】 (1)前記第1の反射器電極が前記少
    なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反
    射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極の電極
    指ピッチが互いに異なっており、 (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分
    割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少
    なくとも2つの分割反射器電極の電極指ピッチが互いに
    異なっている請求項7記載の弾性表面波フィルタ。
  12. 【請求項12】 (1)前記第1の反射器電極が前記少
    なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反
    射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極のメタ
    ライゼーションレシオが互いに異なっており、 (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分
    割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少
    なくとも2つの分割反射器電極のメタライゼーションレ
    シオが互いに異なっている請求項7記載の弾性表面波フ
    ィルタ。
  13. 【請求項13】 (1)前記第1の反射器電極が少なく
    とも3つの前記分割反射器電極に分割され、その分割反
    射器電極の内の互いに隣接する2つの分割反射器電極の
    間の間隔が全て同じではなく、 (2)前記第2の反射器電極が少なくとも3つの前記分
    割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の互
    いに隣接する2つの分割反射器電極の間の間隔が全て同
    じではない請求項7記載の弾性表面波フィルタ。
  14. 【請求項14】 前記分割反射器電極への分割は、前記
    第1から第3のIDT電極が配置されている方向と直交
    する方向で行われている請求項7記載の弾性表面波フィ
    ルタ。
  15. 【請求項15】 (1)前記第1の反射器電極が前記少
    なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2の
    IDT電極の一方の電極は、前記第1の反射器電極を構
    成する前記分割反射器電極に接続されており、その第2
    のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反
    射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、 (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分
    割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極の一方
    の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反
    射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一
    方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記
    不平衡型端子に接続されている請求項14記載の弾性表
    面波フィルタ。
  16. 【請求項16】 (1)前記第1の反射器電極が前記少
    なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2の
    IDT電極の他方の電極は、前記第1の反射器電極を構
    成する前記分割反射器電極に接続されており、その第2
    のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反
    射器電極は、接地されており、 (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分
    割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極の他方
    の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反
    射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一
    方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、接地
    されている請求項14記載の弾性表面波フィルタ。
  17. 【請求項17】 (1)前記第1の反射器電極が前記少
    なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第1の
    反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の前記第
    2のIDT電極に近接する分割反射器電極は、前記第1
    から第3のIDT電極が配置されている方向と直交する
    方向でさらに2つ以上の横分割反射器電極に分割されて
    おり、 (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分
    割反射器電極に分割され、前記第2の反射器電極を構成
    する前記分割反射器電極の内の前記第3のIDT電極に
    近接する分割反射器電極は、前記第1から第3のIDT
    電極が配置されている方向と直交する方向でさらに2つ
    以上の横分割反射器電極に分割されている請求項14記
    載の弾性表面波フィルタ。
  18. 【請求項18】 (1)前記第1の反射器電極が前記少
    なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2の
    IDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ
    以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横
    分割反射器電極の内の何れかは、前記不平衡型端子に接
    続されており、 (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分
    割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極に近接
    する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射
    器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の
    内の何れかは、前記不平衡型端子に接続されている請求
    項17記載の弾性表面波フィルタ。
  19. 【請求項19】 (1)前記第1の反射器電極が前記少
    なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2の
    IDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ
    以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横
    分割反射器電極の内の何れかは、接地されており、 (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分
    割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極に近接
    する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射
    器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の
    内の何れかは、接地されている請求項17記載の弾性表
    面波フィルタ。
  20. 【請求項20】 前記不平衡型端子には、単数または複
    数の弾性表面波共振器が直列および/または並列に接続
    されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  21. 【請求項21】 不平衡型から平衡型または平衡型から
    不平衡型への変換機能を有する請求項1記載の弾性表面
    波フィルタ。
  22. 【請求項22】 前記圧電基板上に配置された一対の対
    向する櫛形電極からそれぞれ構成されている、前記弾性
    表面波の伝搬方向に沿って配置された、(1)両側に他
    のIDT電極が配置された第4のIDT電極と、(2)
    前記他のIDT電極の内の一方の櫛形電極が引き回し配
    線を介して信号が入力または出力される第5のIDT電
    極と、(3)前記他のIDT電極の内の一方の櫛形電極
    が引き回し配線を介して信号が入力または出力される前
    記第5のIDT電極とは相異なる側にある第6のIDT
    電極とを有する第1のフィルタトラックと、 前記第1のIDT電極と、前記第2のIDT電極と、前
    記第3のIDT電極とを有する第2のフィルタトラック
    とを備え、 前記第1のフィルタトラックと前記第2のフィルタトラ
    ックとは、縦続に接続されており、 前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の
    入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記
    第5のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力
    または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに
    接続されており、 前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の
    入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記
    第6のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力
    または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに
    接続されている請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  23. 【請求項23】 前記第5のIDT電極の一方の櫛形電
    極と前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極とは、相等
    しい側にある請求項22記載の弾性表面波フィルタ。
  24. 【請求項24】 前記第5のIDT電極の一方の櫛形電
    極と前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極とは、相異
    なる側にある請求項22記載の弾性表面波フィルタ。
  25. 【請求項25】 前記第4のIDT電極の一方の櫛形電
    極は、不平衡型端子に接続されている請求項22記載の
    弾性表面波フィルタ。
  26. 【請求項26】 前記第4のIDT電極の一方の櫛形電
    極は、前記第2のフィルタトラックとは反対側に配置さ
    れている請求項25記載の弾性表面波フィルタ。
  27. 【請求項27】 前記第2のIDT電極の他方の櫛形電
    極は、接地されており、 前記第3のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されて
    おり、 前記第5のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されて
    おり、 前記第6のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されて
    いる請求項22記載の弾性表面波フィルタ。
  28. 【請求項28】 (1)前記第2のIDT電極の一方の
    櫛形電極に対して行われる信号の入力または出力の位相
    と、(2)前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対
    して行われる信号の入力または出力の位相とは、実質上
    互いに逆相である請求項22記載の弾性表面波フィル
    タ。
  29. 【請求項29】 (1)前記第2のIDT電極の一方の
    櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引
    き回し配線と、前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極
    に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配
    線とを接続するための配線のリアクタンス成分と、
    (2)前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して
    信号の入力または出力を行うための引き回し配線と、前
    記第6のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入
    力または出力を行うための引き回し配線とを接続するた
    めの配線のリアクタンス成分とは、実質上互いに等しい
    請求項22記載の弾性表面波フィルタ。
  30. 【請求項30】 前記第4のIDT電極の一方の櫛形電
    極は、第2の平衡型端子の一方に接続されており、 前記第4のIDT電極の他方の櫛形電極は、前記第2の
    平衡型端子の他方に接続されている請求項22記載の弾
    性表面波フィルタ。
  31. 【請求項31】 前記第1のIDT電極を基準にして前
    記第2のIDT電極側にある第1の反射器電極と、 前記第1のIDT電極を基準にして前記第3のIDT電
    極側にある第2の反射器電極と、 前記第4のIDT電極を基準にして前記第5のIDT電
    極側にある第3の反射器電極と、 前記第4のIDT電極を基準にして前記第6のIDT電
    極側にある第4の反射器電極とを備え、 前記少なくとも第1から第3のIDT電極は、前記第1
    の反射器電極と前記第2の反射器電極との間に配置され
    ており、 前記少なくとも第4から第6のIDT電極は、前記第3
    の反射器電極と前記第4の反射器電極との間に配置され
    ている請求項22記載の弾性表面波フィルタ。
  32. 【請求項32】 前記第1から第6のIDT電極の内の
    少なくとも1個のIDT電極は、複数の分割IDT電極
    に分割されており、 前記複数の分割IDT電極の櫛形電極の内の一方の側に
    配置されている櫛形電極の全部または一部は、互いに電
    気的に接続されており、 前記複数の分割IDT電極の櫛形電極の内の他方の側に
    配置されている櫛形電極の全部または一部は、互いに電
    気的に接続されている請求項22記載の弾性表面波フィ
    ルタ。
  33. 【請求項33】 前記第1から第6のIDT電極の内の
    少なくとも1個のIDT電極は、2個または3個の分割
    IDT電極に分割されている請求項32記載の弾性表面
    波フィルタ。
  34. 【請求項34】 前記一対の対向する櫛形電極の互いに
    隣り合う電極指同士の中心間隔は、弾性表面波フィルタ
    の中心周波数λに対して実質上0.9×λ/2から1.
    1×λ/2までの範囲の値を有する請求項22記載の弾
    性表面波フィルタ。
  35. 【請求項35】 圧電基板上に配置された一対の対向す
    る櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が第1の平
    衡型端子の一方に接続される第1のIDT電極と、 前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極か
    ら構成された、一方の櫛形電極が第2の平衡端子の一方
    または不平衡型端子に接続される第2のIDT電極とを
    備え、 前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極と、前記第2の
    IDT電極の一方の櫛形電極との間には、リアクタンス
    素子が接続されている弾性表面波フィルタ。
  36. 【請求項36】 前記圧電基板上に配置された一対の対
    向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記
    不平衡型端子に接続される第3のIDT電極をさらに備
    え、 前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方
    向に実質的に沿って、前記第2、第3のIDT電極が前
    記第1のIDT電極の相異なる側に存するよう配置さ
    れ、 前記第1のIDT電極の他方の櫛形電極は、前記第1の
    平衡端子の他方に接続されている請求項35記載の弾性
    表面波フィルタ。
  37. 【請求項37】 前記第1のIDT電極の一方の櫛形電
    極と、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極との間に
    は、リアクタンス素子が接続されている請求項36記載
    の弾性表面波フィルタ。
  38. 【請求項38】 前記第2のIDT電極の一方の櫛形電
    極と前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極とは、前記
    弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って配置された第1
    から第3のIDT電極から見て相異なる側にある請求項
    37記載の弾性表面波フィルタ。
  39. 【請求項39】 前記圧電基板上に配置された一対の対
    向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記
    第1の平衡型端子の他方に接続される第3のIDT電極
    をさらに備え、 前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方
    向に実質的に沿って、前記第1、第3のIDT電極が前
    記第2のIDT電極の相異なる側に存するよう配置され
    ている請求項35記載の弾性表面波フィルタ。
  40. 【請求項40】 前記第1のIDT電極の一方の櫛形電
    極と、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極との間に
    は、リアクタンス素子が接続されている請求項39記載
    の弾性表面波フィルタ。
  41. 【請求項41】 (1)前記第1のIDT電極と、前記
    第1のIDT電極がその間に配置された二つの反射器電
    極とを有する第1の弾性表面波共振子と、(2)前記第
    2のIDT電極と、前記第2のIDT電極がその間に配
    置された二つの反射器電極とを有する第2の弾性表面波
    共振子とを備え、 前記第1の弾性表面波共振子と前記第2の弾性表面波共
    振子とは、梯子型に接続されている請求項35記載の弾
    性表面波フィルタ。
  42. 【請求項42】 前記不平衡型端子と前記平衡型端子と
    の間に存在する寄生成分と前記リアクタンス素子とによ
    って、共振周波数が通過帯域内に設定された並列共振回
    路が形成されている請求項35記載の弾性表面波フィル
    タ。
  43. 【請求項43】 前記リアクタンス素子は、インダクタ
    ンスである請求項35記載の弾性表面波フィルタ。
  44. 【請求項44】 前記圧電基板は、40以上の実効比誘
    電率を有する請求項35記載の弾性表面波フィルタ。
  45. 【請求項45】 前記圧電基板は、タンタル酸リチウム
    またはニオブ酸リチウムを利用して構成されている請求
    項35記載の弾性表面波フィルタ。
  46. 【請求項46】 不平衡型端子と平衡端型子とを備えた
    平衡型フィルタであって、 前記不平衡型端子と少なくとも一つの前記平衡端型子と
    の間には、少なくとも一つの所定のリアクタンス素子が
    接続されている平衡型フィルタ。
  47. 【請求項47】 前記不平衡型端子と前記平衡型端子と
    の間に存在する寄生成分と前記リアクタンス素子とによ
    って、共振周波数が通過帯域内に設定された並列共振回
    路が形成されている請求項46記載の平衡型フィルタ。
  48. 【請求項48】 送信および/または受信を行う送信・
    受信手段と、 前記送信に利用されるべき送信信号および/または前記
    受信に利用されるべき受信信号に対してフィルタリング
    を行う、請求項1または35記載の弾性表面波フィル
    タ、または請求項46記載の平衡型フィルタとを備えた
    通信装置。
  49. 【請求項49】 前記圧電基板上に配置された一対の対
    向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記
    不平衡型端子に接続される第3のIDT電極をさらに備
    え、 前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方
    向に実質的に沿って、前記第2、第3のIDT電極が前
    記第1のIDT電極の相異なる側に存するよう配置さ
    れ、 前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極は、第1の分割
    櫛形電極と第2の分割櫛形電極に分割されており、 前記第1の分割櫛形電極は、前記第1の平衡型端子の一
    方に接続され、 前記第2の分割櫛形電極は、前記第1の平衡型端子の他
    方に接続されている請求項35記載の弾性表面波フィル
    タ。
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