JP3566267B2 - 弾性表面波フィルタ、および通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波フィルタ、平衡型フィルタ、および通信装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波(SAW)を用いたエレクトロメカニカル機能部品は、波の音速が数km/sであり、波のエネルギーが伝搬媒体の表面に集中する性質を有することからハードウェアの高密度化の流れの中で注目され、インタディジタルトランスデューサ(IDT電極)電極の開発と薄膜作成技術、表面加工技術の進歩によって、レーダ用遅延線、テレビジョン受像機用帯域フィルタなどに実用化され、現在では、通信機器の送受信回路のRF、IF段のフィルタとして広く使用されている。
【0003】
近年、対雑音特性の良好化を目的としてICなどの半導体部品の平衡化が進み、RF段に使用される弾性表面波フィルタにおいても平衡化が求められている。また、近年では、弾性表面波フィルタの前段及び後段に配置されるIC等により、弾性表面波フィルタが不平衡−平衡型端子を有することあるいは平衡−平衡型端子を有することが求められている。また、従来より、RF段のフィルタとしては、縦モード型の弾性表面波フィルタが広く用いられている。このような弾性表面波フィルタにとっては、平衡度が一つの重要なパラメータになる。
【0004】
(A)まず、図12〜13を参照しながら、従来の不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタについて説明する。
【0005】
図12に、従来の不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの構成を示す。図12において、弾性表面波フィルタは、圧電基板1001上に、第1、第2、第3のIDT電極1002、1003、1004と第1、第2の反射器電極1005、1006とにより構成される。第1のIDT電極1002の上側の電極指は平衡型端子の一方1007に接続され、第1のIDT電極1002の下側の電極指は平衡型端子の他方1008に接続される。また、IDT電極1003、1004の同じ側の電極指を不平衡型端子1009に接続し、他方を接地する。以上の構成とすることにより不平衡−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0006】
図13に、上記とは別の例として、平衡−平衡型端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの構成を示す。図13において、弾性表面波フィルタは、圧電基板1001上に、第1、第2、第3のIDT電極1002、1003、1004と第1、第2の反射器電極1005、1006とにより構成される。第1のIDT電極1002の上側の電極指は平衡型端子の一方1007に接続され、第1のIDT電極1002の下側の電極指は平衡型端子の他方1008に接続される。また、IDT電極1003、1004の同じ側の電極指を平衡型端子1010に接続し、IDT電極1003、1004の他方の側の電極指を平衡型端子1011に接続する。以上の構成とすることにより平衡−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0007】
(B)つぎに、図27を参照しながら、従来の不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタについて説明する。
【0008】
図27に、従来の不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの概略図を示す。図27において、弾性表面波フィルタは、それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラック6及び2段目のフィルタトラック12から構成される。
【0009】
1段目のフィルタトラック6は、第1、第2、第3のIDT電極1、2、3と第1、第2の反射器電極4、5とにより構成される。また、2段目のフィルタトラック12は、第4、第5、第6のIDT電極7、8、9と、第3、第4の反射器電極10、11とにより構成される。
【0010】
第1のIDT電極1の両側には、第2、及び第3のIDT電極2、3が配置さえており、その両側には、第1、第2の反射器電極4、5が配置されている。また、第4のIDT電極の両側には、第5、第6のIDT電極8、9が配置されており、その両側には、第3、第4の反射器電極10、11が配置されている。
【0011】
第1のIDT電極1は、2段目のフィルタトラック12の側とは反対側の方にに配置された上部電極1aと、2段目のフィルタトラック12の側の方に配置された下部電極1bとから構成される。
【0012】
第2のIDT電極2は、2段目のフィルタトラック12の側とは反対側の方にに配置された上部電極2aと、2段目のフィルタトラック12の側の方に配置された下部電極2bとから構成される。
【0013】
第3のIDT電極3は、2段目のフィルタトラック12の側とは反対側の方にに配置された上部電極3aと、2段目のフィルタトラック12の側の方に配置された下部電極3bとから構成される。
【0014】
第4のIDT電極7は、1段目のフィルタトラック6の側の方に配置された上部電極7aと、1段目のフィルタトラック6の側とは反対側の方配置された下部電極7bとから構成される。
【0015】
第5のIDT電極8は、1段目のフィルタトラック6の側の方に配置された上部電極8aと、1段目のフィルタトラック6の側とは反対側の方配置された下部電極8bとから構成される。
【0016】
第6のIDT電極9は、1段目のフィルタトラック6の側の方に配置された上部電極9aと、1段目のフィルタトラック6の側とは反対側の方配置された下部電極9bとから構成される。
【0017】
このように各IDT電極はそれぞれ一対の櫛形電極である上部電極と下部電極とから構成されている。
【0018】
また、第1のIDT電極1の上部電極1aは、1段目のフィルタトラック6の2段目のフィルタトラック12とは反対側に設けられた入力用の不平衡型端子INに接続されており、第1のIDT電極1の下部電極1bは、接地されている。
【0019】
第2のIDT電極2の下部電極2bは、引き回し配線32によって第5のIDT電極8の上部電極8aに接続されている。第2のIDT電極2の上部電極2aは接地されている。
【0020】
第3のIDT電極3の下部電極3bは、引き回し配線33によって第6のIDT電極9の上部電極9aに接続されている。第3のIDT電極3の上部電極3aは接地されている。
【0021】
第4のIDT電極7の上部電極7aは、出力用の1対の平衡型端子のうち1段目のフィルタトラック6の側に設けられた平衡型端子OUT1に接続されており、第4のIDT電極7の下部電極7bは、出力用の1対の平衡型端子のうち、1段目のフィルタトラック6とは反対側に設けられた平衡型端子OUT2に接続されている。
【0022】
第5のIDT電極8の下部電極8b及び第6のIDT電極9の下部電極9bは、ともに接地されている。
【0023】
次に、このような従来の弾性表面波フィルタの動作を説明する。
【0024】
不平衡型端子INに信号を入力することにより、第1のIDT電極1で弾性表面波が生じる。そして、弾性表面波は、第1、第2の反射器電極4、5により閉じ込められて複数の共振モードを生じる。この共振モードを利用することによりフィルタ特性が得られ、第2のIDT電極2及び第3のIDT電極3でそれぞれ電気信号に変換される。
【0025】
第2のIDT電極2で変換された電気信号は、引き回し配線32を通過して第5のIDT電極8の上部電極8aに出力される。また、第3のIDT電極3で変換された電気信号は、引き回し配線33を通過して第6のIDT電極9の上部電極9aに出力される。このとき、弾性表面波フィルタの各IDT電極同士の間隔及び電極指の接続の仕方を予め調整しておくことにより、引き回し配線32に入力される電気信号と引き回し配線33に入力される電気信号とは位相が逆相となる。
【0026】
第5のIDT電極8に入力された電気信号は、第5のIDT電極8で弾性表面波に変換され、また、第6のIDT電極9に入力された電気信号は、第6のIDT電極9で弾性表面波に変換される。そして、第5のIDT電極8及び第6のIDT電極9で変換された弾性表面波は、第3、第4の反射器電極10、11により閉じ込められて複数の共振モードを形成する。この共振モードを利用することによりフィルタ特性が得られ、電気信号は、平衡型端子OUT1及びOUT2から出力される。
【0027】
(C)つぎに、図40を参照しながら、従来の平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタについて説明する。
【0028】
図40に従来の平衡型端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの構成を示す。図40において、弾性表面波フィルタは、前述した従来の弾性表面波フィルタ(図12参照)と類似した構成を有しており、圧電基板4101上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)4102、4103、4104と第1、第2の反射器電極4105、4106とにより構成される。第1のIDT電極4102の一方の電極指は平衡型端子の一方4107に接続され、第1のIDT電極4102の他方の電極指は平衡型端子の他方4108に接続される。また、第2、第3のIDT電極4103、4104の一方の側の電極指を不平衡型端子4109に接続し、他方を接地する。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の弾性表面波フィルタには、つぎのような課題があった。
【0030】
(A)図12の弾性表面波フィルタでは、平衡型端子1007と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線の付近には、第2のIDT電極1003と不平衡型端子1009とを接続する配線や第3のIDT電極1004と不平衡型端子1009とを接続する引き回し配線が存在する。
【0031】
一方、平衡型端子1008と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線は、平衡型端子1007と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線より、第2のIDT電極1003と不平衡型端子1009とを接続する配線や第3のIDT電極1004と不平衡型端子1009とを接続する引き回し配線から離れている。
【0032】
従って、平衡型端子1007と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線は、不平衡型端子1009と第2のIDT電極1003や第3のIDT電極1004とを接続する引き回し配線との間に、平衡型端子1008と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線より、高周波的なより大きな寄生成分が存在する。従って平衡度が劣化することになる。
【0033】
図13の弾性表面波フィルタでは、平衡型端子1007と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線の付近には、第2のIDT電極1003と平衡型端子1010とを接続する引き回し配線、及び第3のIDT電極1004と平衡型端子1010とを接続する引き回し配線が存在し、これら2つの引き回し配線には位相が実質上等しい信号が流れる。従って、平衡型端子1007と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線、及び第2のIDT電極1003からの引き回し配線との間の高周波的な寄生成分は、平衡型端子1007と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線、及び第3のIDT電極1004からの引き回し配線の間の高周波的な寄生成分と実質上位相が等しくなる。
【0034】
同様に平衡型端子1008と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線の付近には、第2のIDT電極1003と平衡型端子1011とを接続する引き回し配線、及び第3のIDT電極1004と平衡型端子1011とを接続する引き回し配線が存在し、これら2つの引き回し配線には位相が実質上等しい信号が流れる。従って、平衡型端子1008と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線、及び第2のIDT電極1003からの引き回し配線の間の高周波的な寄生成分は、平衡型端子1008と第1のIDT電極1002とを接続する引き回し配線、及び第3のIDT電極1004からの引き回し配線の間の高周波的な寄生成分と実質上位相が等しくなる。
【0035】
従って、平衡型端子1007、1008または平衡型端子1010,1011から出力された信号には上記の寄生成分が含まれることになり、平衡型端子のそれぞれにアンバランスな寄生成分が生じて、弾性波表面波フィルタの特性が劣化することになる。
【0036】
このように、従来の弾性表面波フィルタ(図12〜13参照)では、IDT電極からの引き回し配線同士が空間的に結合したり、入出力IDT電極が空間的に結合したりすることにより平衡度が劣化したり、弾性波表面波フィルタの特性が劣化したりすることがあった。
【0037】
(B)また、図27の弾性表面波フィルタでは、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線の付近には、第2のIDT電極2の下部電極2bと第5のIDT電極8の上部電極8aとを接続する引き回し配線32や、第3のIDT電極3の下部電極3bと第6のIDT電極9の上部電極9aとを接続する引き回し配線33が存在する。一方、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線の付近には、引き回し配線32及び引き回し配線33は存在していない。
【0038】
このように、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線は、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線より、引き回し配線32、33により近い位置に配置されている。
【0039】
従って、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線や、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線に、アンバランスな寄生成分が存在するために、平衡度が劣化することになると、本発明者は考えている。
【0040】
このように、従来の弾性表面波フィルタ(図27参照)では、IDT電極からの引き回し配線同士が空間的に結合したり、入出力IDT電極同士が空間的に結合したりすることにより平衡度が劣化したり、弾性波表面波フィルタの特性が劣化したりすることがあった。
【0041】
(C)また、図40の弾性表面波フィルタでは、図41(A)〜(C)に示すように、通過帯域において、振幅バランス特性は−1.2dB〜+1.0dB、位相バランス特性は−8°〜+10°と大きく劣化している。なお、図41(A)は従来の900MHz帯の弾性表面波フィルタの通過特性であり、図41(B)は従来の900MHz帯の弾性表面波フィルタの通過帯域(925MHzから960MHzまで)の振幅バランス特性であり、図41(C)は従来の900MHz帯の弾性表面波フィルタの通過帯域の位相バランス特性である。
【0042】
ここで、振幅バランス特性とは平衡型端子の一方4107と不平衡型端子4109との信号振幅と平衡型端子の他方4108と不平衡型端子4109との信号振幅との振幅差を表したものであり、この値が零となればバランス特性の劣化はない。また、位相バランス特性とは平衡型端子の一方4107と不平衡型端子4109との信号の位相と平衡型端子の他方4108と不平衡型端子4109との信号の位相との位相差の180度からのずれを表したものであり、この値が零となればバランス特性の劣化はない。
【0043】
このように、従来の弾性表面波フィルタ(図40参照)では、重要な電気的特性の一つであるバランス特性の劣化が大きかった。なお、その劣化原因に関する詳細な議論が少なかった。
【0044】
本発明は、上記課題を考慮し、より良好なフィルタ特性を有する弾性表面波フィルタ、平衡型フィルタ、および通信装置を提供することを目的とするものである。
【0047】
の本発明は、圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極からそれぞれ構成されている、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って配置された少なくとも第1から第3のIDT電極と、
前記第1のIDT電極を基準にして前記第2のIDT電極側にある第1の反射器電極と、
前記第1のIDT電極を基準にして前記第3のIDT電極側にある第2の反射器電極とを備え、
前記少なくとも第1から第3のIDT電極は、前記第1の反射器電極と前記第2の反射器電極との間に配置されており、
前記第1から第3のIDT電極の内、(1)両側に他のIDT電極が配置された前記第1のIDT電極は、一方の櫛形電極が第1の平衡型端子の一方に接続されており、他方の櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に接続されており、(2)前記他のIDT電極の内の前記第2のIDT電極は、一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され、(3)前記他のIDT電極の内の前記第3のIDT電極は、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極とは相異なる側にある一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され、(4)前記第2のIDT電極と前記第1の反射器電極が電気的に接続され、かつ、前記第3のIDT電極と前記第2の反射器電極が電気的に接続され、(5)前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに接続され不平衡端子に接続されている弾性表面波フィルタである。
【0048】
の本発明は、前記第2のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、
前記第3のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0049】
の本発明は、前記第2のIDT電極の前記一方の櫛形電極は、第2の平衡型端子の一方に接続されており、
前記第3のIDT電極の前記一方の櫛形電極は、前記第2の平衡型端子の一方に接続されている第1の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0050】
の本発明は、前記第1および第2の反射器電極は、接地されており、
前記第2のIDT電極の他方の電極は、前記第1の反射器電極と接続されることによって接地されており、
前記第3のIDT電極の他方の電極は、前記第2の反射器電極と接続されることによって接地されている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0051】
の本発明は、前記第1および第2の反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、
前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の反射器電極と接続されることによって前記不平衡型端子に接続されており、
前記第3のIDT電極の一方の電極は、前記第2の反射器電極と接続されることによって前記不平衡型端子に接続されている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0052】
の本発明は、前記第1および/または前記第2の反射器電極は、少なくとも2つの分割反射器電極に分割されている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0053】
の本発明は、前記少なくとも2つの分割反射器電極の内の、前記第2および/または前記第3のIDT電極に近接する方の分割反射器電極は、直接接地されているかまたは他の前記分割反射器電極を介して接地されている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0054】
の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が分割され、前記第2のIDT電極の前記他方の電極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されている分割反射器電極に接続されることによって接地されており、
(2)前記第2の反射器電極が分割され、前記第3のIDT電極の前記他方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されている分割反射器電極に接続されることによって接地されている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0055】
の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が分割され、前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されていない分割反射器電極に接続されており、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、
(2)前記第2の反射器電極が分割され、前記第3のIDT電極の一方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されていない分割反射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0056】
第1の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極の電極指ピッチが互いに異なっており、
(2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極の電極指ピッチが互いに異なっている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0057】
第1の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極のメタライゼーションレシオが互いに異なっており、
(2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極のメタライゼーションレシオが互いに異なっている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0058】
第1の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が少なくとも3つの前記分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の互いに隣接する2つの分割反射器電極の間の間隔が全て同じではなく、
(2)前記第2の反射器電極が少なくとも3つの前記分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の互いに隣接する2つの分割反射器電極の間の間隔が全て同じではない第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0059】
第1の本発明は、前記分割反射器電極への分割は、前記第1から第3のIDT電極が配置されている方向と直交する方向で行われている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0060】
第1の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されており、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、
(2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極の一方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されている第1の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0061】
第1の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2のIDT電極の他方の電極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されており、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、接地されており、
(2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極の他方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、接地されている第1の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0062】
第1の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電極は、前記第1から第3のIDT電極が配置されている方向と直交する方向でさらに2つ以上の横分割反射器電極に分割されており、
(2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の前記第3のIDT電極に近接する分割反射器電極は、前記第1から第3のIDT電極が配置されている方向と直交する方向でさらに2つ以上の横分割反射器電極に分割されている第1の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0063】
第1の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、前記不平衡型端子に接続されており、
(2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、前記不平衡型端子に接続されている第1の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0064】
18の本発明は、(1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、接地されており、
(2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、接地されている第1の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0065】
19の本発明は、前記不平衡型端子には、単数または複数の弾性表面波共振器が直列および/または並列に接続されている第の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0066】
第2の本発明は、不平衡型から平衡型または平衡型から不平衡型への変換機能を有する第1の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0067】
第2の本発明は、圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極からそれぞれ構成されている、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って配置された少なくとも第1から第3のIDT電極を備え、
前記第1から第3のIDT電極の内、(1)両側に他のIDT電極が配置された前記第1のIDT電極は、一方の櫛形電極が第1の平衡型端子の一方に接続されており、他方の櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に接続されており、(2)前記他のIDT電極の内の前記第2のIDT電極は、一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され、(3)前記他のIDT電極の内の前記第3のIDT電極は、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極とは相異なる側にある一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され、
前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極からそれぞれ構成されている、前記弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された、(4)両側に他のIDT電極が配置された第4のIDT電極と、(5)前記他のIDT電極の内の一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力される第5のIDT電極と、(6)前記他のIDT電極の内の一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力される前記第5のIDT電極とは相異なる側にある第6のIDT電極とを有する第1のフィルタトラックと、
前記第1のIDT電極と、前記第2のIDT電極と、前記第3のIDT電極とを有する第2のフィルタトラックとを備え、
前記第1のフィルタトラックと前記第2のフィルタトラックとは、縦続に接続されており、
前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに接続されており、
前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに接続されている弾性表面波フィルタである。
【0068】
第2の本発明は、前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極と前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極とは、相等しい側にある第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0069】
第2の本発明は、前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極と前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極とは、相異なる側にある第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0070】
第2の本発明は、前記第4のIDT電極の一方の櫛形電極は、不平衡型端子に接続されている第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0071】
第2の本発明は、前記第4のIDT電極の一方の櫛形電極は、前記第2のフィルタトラックとは反対側に配置されている第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0072】
第2の本発明は、前記第2のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、
前記第3のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、
前記第5のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、
前記第6のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されている第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0073】
第2の本発明は、(1)前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して行われる信号の入力または出力の位相と、(2)前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して行われる信号の入力または出力の位相とは、実質上互いに逆相である第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0074】
28の本発明は、(1)前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配線と、前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配線とを接続するための配線のリアクタンス成分と、(2)前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配線と、前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配線とを接続するための配線のリアクタンス成分とは、実質上互いに等しい第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0075】
29の本発明は、前記第4のIDT電極の一方の櫛形電極は、第2の平衡型端子の一方に接続されており、
前記第4のIDT電極の他方の櫛形電極は、前記第2の平衡型端子の他方に接続されている第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0076】
第3の本発明は、前記第1のIDT電極を基準にして前記第2のIDT電極側にある第1の反射器電極と、
前記第1のIDT電極を基準にして前記第3のIDT電極側にある第2の反射器電極
と、
前記第4のIDT電極を基準にして前記第5のIDT電極側にある第3の反射器電極
と、
前記第4のIDT電極を基準にして前記第6のIDT電極側にある第4の反射器電極とを備え、
前記少なくとも第1から第3のIDT電極は、前記第1の反射器電極と前記第2の反射器電極との間に配置されており、
前記少なくとも第4から第6のIDT電極は、前記第3の反射器電極と前記第4の反射器電極との間に配置されている第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0077】
第3の本発明は、前記第1から第6のIDT電極の内の少なくとも1個のIDT電極は、複数の分割IDT電極に分割されており、
前記複数の分割IDT電極の櫛形電極の内の一方の側に配置されている櫛形電極の全部または一部は、互いに電気的に接続されており、
前記複数の分割IDT電極の櫛形電極の内の他方の側に配置されている櫛形電極の全部または一部は、互いに電気的に接続されている第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0078】
第3の本発明は、前記第1から第6のIDT電極の内の少なくとも1個のIDT電極は、2個または3個の分割IDT電極に分割されている第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0079】
第3の本発明は、前記一対の対向する櫛型電極の互いに隣り合う電極指同士の中心距離は、弾性表面波フィルタの中心周波数λに対して実質上0.9×λ/2
から1.1×λ/2までの範囲の値を有する第2の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0080】
第3の本発明は、圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が第1の平衡型端子の一方に接続される第1のIDT電極と、
前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が第2の平衡端子の一方または不平衡型端子に接続される第2のIDT電極とを備え、
前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極と、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極との間には、リアクタンス素子が接続されている弾性表面波フィルタである。
【0081】
第3の本発明は、前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記不平衡型端子に接続される第3のIDT電極をさらに備え、
前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前記第2、第3のIDT電極が前記第1のIDT電極の相異なる側に存するよう配置され、
前記第1のIDT電極の他方の櫛形電極は、前記第1の平衡端子の他方に接続されている第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0082】
第3の本発明は、前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極と、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極との間には、リアクタンス素子が接続されている第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0083】
第3の本発明は、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極と前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極とは、前記弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って配置された第1から第3のIDT電極から見て相異なる側にある第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0084】
38の本発明は、前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に接続される第3のIDT電極をさらに備え、
前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前記第1、第3のIDT電極が前記第2のIDT電極の相異なる側に存するよう配置されている第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0085】
39の本発明は、前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極と、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極との間には、リアクタンス素子が接続されている第38の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0086】
第4の本発明は、(1)前記第1のIDT電極と、前記第1のIDT電極がその間に配置された二つの反射器電極とを有する第1の弾性表面波共振子と、(2)前記第2のIDT電極と、前記第2のIDT電極がその間に配置された二つの反射器電極とを有する第2の弾性表面波共振子とを備え、
前記第1の弾性表面波共振子と前記第2の弾性表面波共振子とは、梯子型に接続されている第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0087】
第4の本発明は、前記不平衡型端子と前記平衡型端子との間に存在する寄生成分と前記リアクタンス素子とによって、共振周波数が通過帯域内に設定された並列共振回路が形成されている第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0088】
第4の本発明は、前記リアクタンス素子は、インダクタンスである第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0089】
第4の本発明は、前記圧電基板は、40以上の実効比誘電率を有する第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0090】
第4の本発明は、前記圧電基板は、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを利用して構成されている第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0093】
第4の本発明は、送信および/または受信を行う送信・受信手段と、
前記送信に利用されるべき送信信号および/または前記受信に利用されるべき受信信号に対してフィルタリングを行う、第1または3の本発明の弾性表面波フィルタとを備えた通信装置である。
【0094】
46の本発明は、前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記不平衡型端子に接続される第3のIDT電極をさらに備え、
前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前記第2、第3のIDT電極が前記第1のIDT電極の相異なる側に存するよう配置され、
前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極は、第1の分割櫛形電極と第2の分割櫛形電極に分割されており、
前記第1の分割櫛形電極は、前記第1の平衡型端子の一方に接続され、
前記第2の分割櫛形電極は、前記第1の平衡型端子の他方に接続されている第3の本発明の弾性表面波フィルタである。
【0095】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0096】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。なお、図1は実施の形態1における弾性表面波フィルタの概略図を示す。
【0097】
なお、第1のIDT電極102は本発明の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極103は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極104は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、第1の反射器電極105は本発明の第1の反射器電極に対応し、第2の反射器電極106は本発明の第2の反射器電極に対応する。また、平衡端子の一方107は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方108は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不平衡端子は109は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0098】
図1において、101は圧電基板であり、この圧電基板101の上に、周期構造ストリップライン状に交差する電極パターンを構成することによって、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板101の上には、第1のIDT電極102と第2、第3のIDT電極103、104と第1、第2の反射器電極105、106とによって構成される縦モード型の弾性表面波フィルタが形成されている。
【0099】
上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1のIDT電極102の上部電極102aは平衡型端子の一方107に接続され、第1のIDT電極102の下部電極102bは平衡型端子の他方108に接続される。また、第2のIDT電極103の上部電極103aは不平衡型端子109に接続され、下部電極103bは接地される。第3のIDT電極104の下部電極104bは不平衡型端子109に接続され、上部電極104aは接地される。
【0100】
このように、上述の弾性表面波フィルタは不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型端子109からの信号経路は構造的に上下逆側からの接続となる。また、第1のIDT電極102の上部電極102aと下部電極102bの電極指の数は同数である。
【0101】
以上の構成とすることにより、不平衡型端子109に接続される第2、第3のIDT電極103、104からの引き回し配線と平衡型端子107、108に接続される第1のIDT電極102からの引き回し配線とのアンバランスな空間的な結合による平衡度の劣化を抑えることができ、良好な平衡度を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0102】
すなわち、不平衡型端子109からの信号経路を構造的に上下逆側から接続するようにしたことにより、第2のIDT電極103及び第3のIDT電極104からの引き回し配線と平衡型端子107に接続される第1のIDT電極102からの引き回し配線との空間的な結合は、第2のIDT電極103及び第3のIDT電極104からの引き回し配線と平衡型端子108に接続される第1のIDT電極102からの引き回し配線との空間的な結合と実質上同一になる。従って平衡度の劣化を抑えることが出来る。
【0103】
また、第2、第3のIDT電極103、104における電極指の配置は弾性表面波が打ち消し合わないような構成となる。すなわち、不平衡型端子109に接続される第2、第3のIDT電極103、104の上部電極103a、下部電極104bをプラス(+)とし、接地される電極をマイナス(−)とすると、図2(A)に示すように同相の配置になっている。
【0104】
なお、図2(B)に示す構成であっても、本発明の効果は同様である。図2(B)は第2、第3のIDT電極103、104の上部電極と下部電極の配置を電極指が一つ分ずらした構成である。この場合には、第1のIDT電極102の極性が逆となるだけで、本発明による効果は同様である。
【0105】
また、第2のIDT電極103の上部電極103aと第3のIDT電極104の下部電極104bとが不平衡型端子109に接続されるとしたが、これは第2のIDT電極103の下部電極103bと第3のIDT電極104の上部電極104aとが不平衡型端子109に接続されていてもよい。すなわち、第2、第3のIDT電極103、104への信号経路の接続を構造的に上下逆側から行うようにすれば、本発明の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0106】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。なお、図3は実施の形態2における弾性表面波フィルタの概略図を示す。
【0107】
本実施の形態の弾性表面波フィルタは、不平衡型端子309が第1の弾性表面波共振子310を直列に介して入力端子INに接続され、第1の弾性表面波共振子310と不平衡型端子309との間に第2の弾性表面波共振子311が並列に接続されている点を特徴としている。
【0108】
なお、第1のIDT電極302は本発明の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極303は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極304は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、第1の反射器電極305は本発明の第1の反射器電極に対応し、第2の反射器電極306は本発明の第2の反射器電極に対応する。また、平衡端子の一方307は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方308は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不平衡端子は309は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0109】
図3において、301は圧電基板であり、この圧電基板301の上に、周期構造ストリップライン状に交差する電極パターンを構成することによって、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板301の上には、第1のIDT電極302と第2、第3のIDT電極303、304と第1、第2の反射器電極305、306とによって構成される縦モード型の弾性表面波フィルタが形成されている。
【0110】
上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1のIDT電極302の上部電極302aは平衡型端子の一方307に接続され、第1のIDT電極302の下部電極302bは平衡型端子の他方308に接続される。また、第2のIDT電極303の上部電極303aは不平衡型端子309に接続され、下部電極303bは接地される。第3のIDT電極304の下部電極304bは不平衡型端子309に接続され、上部電極303aは接地される。このように、上述の弾性表面波フィルタは不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型端子309からの信号経路は構造的に上下逆側からの接続となる。また、第1のIDT電極302の上部電極302aと下部電極302bの電極指の数は同数である。
【0111】
さらに、不平衡型端子309は第1の弾性表面波共振子310を直列に介して入力端子INに接続され、第1の弾性表面波共振子310と不平衡型端子309の間には、第2の弾性表面波共振子311が並列に接続され、弾性表面波共振子311の一端は接地されている。第1の弾性表面波共振子310と第2の弾性表面波共振子311は減衰極を形成するために挿入した。また、平衡型端子307、308はそれぞれ出力端子OUT1、OUT2に接続される。なお、IN、OUT1、OUT2の接続に関しては、ワイヤーボンディング実装やフェースダウン実装などにより、圧電基板外の端子に引き出される構成となる。
【0112】
ここで、本実施の形態の弾性表面波フィルタにおける平衡度特性を、図4(A)〜(B)を利用して説明する。
【0113】
なお、図4(A)に示すのは、比較のための従来の構成(すなわち、不平衡型端子に接続される第2、第3のIDT電極の接続として図12に示す従来構成)を用いたときの特性である。すなわち、図4(A)は、図12の弾性表面波フィルタの不平衡型端子1009から平衡型端子1007への信号と不平衡型端子1009から平衡型端子1008への信号との振幅差と位相差を示している。なお、弾性表面波フィルタが完全に平衡であるという理想的な状態にあると仮定した場合には、不平衡型端子1009から平衡型端子1007への信号と不平衡型端子1009から平衡型端子1008への信号との位相は180度異なる。図4(A)の位相差は、この理想的な状態からのずれをプロットしたものである。
【0114】
そして、図4(B)に示すのは、本実施の形態における900MHz帯の弾性表面波フィルタの平衡度特性である。図4は、INからOUT1への信号とINからOUT2への信号の振幅差と位相差を表している。なお、図3の弾性表面波フィルタが完全に平衡であるという理想的な状態にある場合には、INからOUT1への信号とINからOUT2への信号とは位相が180度異なる。図4(B)の位相差とは、この理想的な状態からのずれをプロットしたものである。
【0115】
図4(A)〜(B)からわかるように、本実施の形態における弾性表面波フィルタの平衡度特性は、振幅差、位相差ともに従来に比べ改善している。925MHzから960MHzの範囲において、従来構成では、振幅差が2.2dB(−1.2dBから+1.0dB)であるのに対し、本発明の構成では1.5dB(−0.8dBから+0.7dB)と0.7dBの改善が得られている。また、位相差に関しては、従来構成では19°(−7°から+12°)であるのに対し、本発明の構成では13°(−5°から+8°)と6°の改善が得られている。
【0116】
以上説明したように、不平衡型端子に接続される第2、第3のIDT電極と平衡型端子に接続される第1のIDT電極の引き回し配線による空間的なアンバランスな結合を抑えることができ、良好な平衡度を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0117】
なお、本実施形態においては、不平衡側を入力、平衡側を出力としたが、入力と出力が逆であってもかまわない。
【0118】
また、本実施の形態では、不平衡型端子309は第1の弾性表面波共振子310を直列に介して入力端子INに接続され、第1の弾性表面波共振子310と不平衡型端子309の間には、第2の弾性表面波共振子311が並列に接続されるとして説明したが、これに限らない。第1の弾性表面波共振子310及び第2の弾性表面波共振子311のいずれか一方を備えていなくても構わない。また、不平衡型端子309を2つ以上の弾性表面波共振子を直列に介して入力端子INに接続しても構わない。さらに、これら複数の弾性表面波共振子に2つ以上の弾性表面波共振子を並列に接続しても構わない。要するに、不平衡型端子309とINとの間には弾性表面波フィルタとして適切な特性が得られる限り直列及び/または並列に任意の個数の弾性表面波共振子を挿入しても構わない。
【0119】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。なお、図5は実施の形態3における弾性表面波フィルタの概略図を示す。
【0120】
なお、第1のIDT電極502は本発明の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極503は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極504は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、第1の反射器電極505は本発明の第1の反射器電極に対応し、第2の反射器電極506は本発明の第2の反射器電極に対応する。また、平衡端子の一方507は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方508は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不平衡端子は509は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0121】
図5において、501は圧電基板であり、この圧電基板501の上に、周期構造ストリップライン状に交差する電極パターンを構成することによって、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板501の上には、第1のIDT電極502と第2、第3のIDT電極503、504と第1、第2の反射器電極505、506とによって構成される縦モード型の弾性表面波フィルタが形成されている。
【0122】
上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1のIDT電極502の上部電極502aは平衡型端子の一方507に接続され、第1のIDT電極502の下部電極502bは平衡型端子の他方508に接続される。また、第2のIDT電極503の上部電極503aは第1の反射器電極505を介して不平衡型端子509に接続され、下部電極503bは接地される。第3のIDT電極504の下部電極504bは第2の反射器電極506を介して不平衡型端子509に接続され、上部電極503aは接地される。
【0123】
このように、上述の弾性表面波フィルタは不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型端子509からの信号経路は構造的に上下逆側からの接続となる。また、第1のIDT電極502の上部電極502aと下部電極502bの電極指の数は同数である。
【0124】
以上の構成とすることにより、平衡度は従来に比べ改善することができる。925MHzから960MHzの範囲において、従来構成では、振幅差が2.2dB(−1.2dBから+1.0dB)であるのに対し、本発明の構成では1.8dB(−1.0dBから+0.8dB)と0.4dBの改善が得られている。また、位相差に関しては、従来構成では19°(−7°から+12°)であるのに対し、本発明の構成では16°(−6°から+10°)と3°の改善が得られる。なお、位相差の定義は実施の形態2と同様である。
【0125】
本実施の形態の弾性表面波フィルタの構成では、第2、第3のIDT電極への信号経路への引き回しをより小さくすることができるので、引き回しによる抵抗、インダクタ成分による特性劣化をより抑え、基板上の電極配置や端子配置の自由度をより高めることが可能となる。
【0126】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。なお、図6は実施の形態4における弾性表面波フィルタの概略図を示す。
【0127】
なお、第1のIDT電極602は本発明の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極603は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極604は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、第1の反射器電極605は本発明の第1の反射器電極に対応し、第2の反射器電極606は本発明の第2の反射器電極に対応する。また、平衡端子の一方607は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方608は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不平衡端子は609は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0128】
図6において、601は圧電基板であり、この圧電基板601の上に、周期構造ストリップライン状に交差する電極パターンを構成することによって、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板601の上には、第1のIDT電極602と第2、第3のIDT電極603、604と第1、第2の反射器電極605、606とによって構成される縦モード型の弾性表面波フィルタが形成されている。また、第1の反射器電極605は第1、第2、第3の分割反射器電極605a、605b、605cとにより構成され、第2の反射器電極606は第4、第5、第6の分割反射器電極606a、606b、606cとにより構成される。
【0129】
上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1のIDT電極602の上部電極602aは平衡型端子の一方607に接続され、第1のIDT電極602の下部電極602bは平衡型端子の他方608に接続される。また、第2のIDT電極603の上部電極603aは第3の分割反射器電極605cを介して不平衡型端子609に接続され、下部電極603b、第1、第2の分割反射器電極605a、605bは接地される。第3のIDT電極604の下部電極604bは第6の分割反射器電極606cを介して不平衡型端子609に接続され、上部電極603a、第4、第5の分割反射器電極606a、606bは接地される。
【0130】
このように、上述の弾性表面波フィルタは不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型端子609からの信号経路は構造的に上下逆側からの接続となる。また、第1のIDT電極602の上部電極602aと下部電極602bの電極指の数は同数である。
【0131】
以上の構成とすることにより、平衡度は従来に比べ改善することができる。925MHzから960MHzの範囲において、従来構成では、振幅差が2.2dB(−1.2dBから+1.0dB)であるのに対し、本発明の構成では1.7dB(−1.0dBから+0.7dB)と0.5dBの改善が得られている。また、位相差に関しては、従来構成では19°(−7°から+12°)であるのに対し、本発明の構成では13°(−5°から+8°)と6°の改善が得られる。なお、本実施の形態の位相差の定義は実施の形態2と同様である。
【0132】
さらに、本構成においては、第2、第3のIDT電極603、604と信号経路として用いている第3、第6の分割反射器電極との間に、第1、第2、第4、第5の分割反射器電極を接地している構成としているため、信号経路からのIDT電極への空間的な結合をさらにより小さくでき、実施の形態3よりもさらにより良好な特性が得られている。また、第2、第3のIDT電極への信号経路への引き回しをより小さくすることができるので、引き回しによる抵抗、インダクタ成分による特性劣化をより抑え、基板上の電極配置や端子配置の自由度をより高めることが可能となる。
【0133】
また、本構成においては、下部電極602bと第1の分割反射器電極605a、及び上部電極603aと第4の分割反射器電極606aとを共通にして接地としているため、接地端子を引き出すことができ、基板上の電極配置の自由度をさらにより大きくすることができる。
【0134】
なお、第1、第4の分割反射器電極は接地としているが、これは接地としない構成であってもかまわない。
【0135】
また、第3、第6の分割反射器電極を信号経路としているが、これは第2、第3、第5、第6の分割反射器電極を信号経路としてもかまわない。第2、第3のIDT電極に近接する分割反射器電極が接地あるいは信号経路から分離されていれば、空間的な結合は抑えることができ、本発明の効果は同様となる。
【0136】
また、分割反射器電極に関しては、第1、第2、第3の分割反射器電極605a、605b、605cを、図7に示すように、第1、第2、第3の分割反射器電極701a、701b、701cのような構成としてもかまわない。図7において、第1、第2、第3の分割反射器電極701a、701b、701cはそれぞれ、電極指ピッチP1a、P1b、P1c、電極部分M1a、M1b、M1cと自由表面基板部分S1a、S1b、S1cの比であるメタライゼーション・レシオη1a=M1a/S1a、η1b=M1b/S1b、η1c=M1c/S1cが異なる分割反射器電極を用いてもかまわない。
【0137】
また、第1、第2の分割反射器電極701a、701bの間隔L1と第2、第3の分割反射器電極701b、701cの間隔L2とを異ならせてもよい。この場合には、分割反射器電極の反射特性のスプリアス周波数を異ならせることにより帯域外の減衰量を良好とすることが可能となる。
【0138】
なお、第1、第2、第3の分割反射器電極について説明したが、この構成は、第1、第2、第3の分割反射器電極605a、605b、605cだけでなく、第4、第5、第6の分割反射器電極606a、606b、606cにも適用できるものである。
【0139】
以上の構成とすることにより、平衡度が良好な帯域外減衰量に優れる弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0140】
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。なお、図8は実施の形態5における弾性表面波フィルタの概略図を示す。
【0141】
なお、第1のIDT電極802は本発明の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極803は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極804は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、第1の反射器電極805は本発明の第1の反射器電極に対応し、第2の反射器電極806は本発明の第2の反射器電極に対応する。また、平衡端子の一方807は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方808は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不平衡端子は809は本発明の不平衡型端子に対応する。
【0142】
図8において、801は圧電基板であり、この圧電基板801の上に、周期構造ストリップライン状に交差する電極パターンを構成することによって、弾性表面波を励起させることができる。
【0143】
圧電基板801の上には、第1のIDT電極802と第2、第3のIDT電極803、804と第1、第2の反射器電極805、806とによって構成される縦モード型の弾性表面波フィルタが形成されている。
【0144】
また、第1の反射器電極805は横方向に分割され、第1の上部反射器電極805aと第1の下部反射器電極805bとにより構成され、第2の反射器電極806は第2の上部反射器電極806aと第2の下部反射器電極806bとにより構成される。
【0145】
また、上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1のIDT電極802の上部電極802aは平衡型端子の一方807に接続され、第1のIDT電極802の下部電極802bは平衡型端子の他方808に接続される。第2のIDT電極803の上部電極803aは第1の上部反射器電極805aを介して不平衡型端子809に接続され、下部電極803b、第1の下部反射器電極805bは接地される。第3のIDT電極804の下部電極804bは第2の下部反射器電極806bを介して不平衡型端子809に接続され、上部電極803a、第2の上部反射器電極806aは接地される。
【0146】
このように、上述の弾性表面波フィルタは不平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、不平衡型端子809からの信号経路は構造的に上下逆側からの接続となる。また、第1のIDT電極802の上部電極802aと下部電極802bの電極指の数は同数である。
【0147】
以上の構成とすることにより、平衡度は従来に比べ改善することができる。925MHzから960MHzの範囲において、従来構成では、振幅差が2.2dB(−1.2dBから+1.0dB)であるのに対し、本発明の構成では1.7dB(−1.0dBから+0.7dB)と0.5dBの改善が得られている。また、位相差に関しては、従来構成では19°(−7°から+12°)であるのに対し、本発明の構成では13°(−5°から+8°)と6°の改善が得られる。なお、本実施の形態の位相差の定義は、実施の形態2と同様である。
【0148】
本構成においては、第1の上部反射器電極805aと第2の下部反射器電極806bとを介しているので、第2、第3のIDT電極への信号経路への引き回しをより小さくすることができるので、引き回しによる抵抗、インダクタ成分による特性劣化をより抑え、基板上の電極配置や端子配置の自由度をより高めることが可能となる。
【0149】
また、本構成においては、下部電極802bと第1の下部反射器電極805b、及び上部電極803aと第2の上部反射器電極806aとを共通にして接地としているため、接地端子を引き出すことができ、基板上の電極配置の自由度をさらにより大きくすることができる。
【0150】
なお、反射器電極805、806は、図9に示すような構成であってもかまわない。図9において、第1及び第2の反射器電極901、902はそれぞれ2つの分割反射器電極に分割され、さらに、入力IDT電極に近接する分割反射器電極が上部反射器電極と下部反射器電極とにより構成される構成である。図9に示す構成であっても、本発明の平衡度改善の効果は同様であり、また電極配置の自由度を上げるという効果に関しても同様に得られるものである。なお、第1の反射器電極901は本発明の第1の反射器電極に対応し、第2の反射器電極902は本発明の第2の反射器電極に対応する。
【0151】
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。図10は実施の形態6における弾性表面波フィルタの概略図である。
【0152】
上記実施の形態では、不平衡−平衡型端子を有する弾性表面波について説明したが、実施の形態6では、平衡−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタについて説明する。
【0153】
実施の形態1と同一の部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0154】
なお、平衡端子111は本発明の第2の平衡型端子の一方に対応する。
【0155】
図10において、圧電基板101の上には、第1のIDT電極102と第2、第3のIDT電極103、104と第1、第2の反射器電極105、106とによって構成される縦モード型の弾性表面波フィルタが形成されている。
【0156】
上述の弾性表面波フィルタにおいて、第1のIDT電極102の上部電極102aは平衡型端子の一方107に接続され、第1のIDT電極102の下部電極102bは平衡型端子の他方108に接続される。また、第2のIDT電極103の上部電極103aは平衡型端子110に接続され、下部電極103bは平衡型端子111に接続される。また、第3のIDT電極104の下部電極104bは平衡型端子110に接続され、上部電極103aは平衡型端子111に接続される。
【0157】
このように、上述の弾性表面波フィルタは平衡型−平衡型の端子を有する構成となり、平衡型端子110及び平衡型端子111からの信号経路はそれぞれ構造的に上下逆側からの接続となる。また、第1のIDT電極102の上部電極102aと下部電極102bの電極指の数は同数である。
【0158】
以上の構成とすることにより第2のIDT電極の上部電極103aを平衡型端子110に接続する引き回し配線と、第3のIDT電極104の上部電極104aを平衡型端子111に接続する引き回し配線とに流れる信号が互いに逆の位相になる。また、第2のIDT電極の下部電極103bを平衡型端子111に接続する引き回し配線と、第3のIDT電極104の下部電極104bを平衡型端子110に接続する引き回し配線とに流れる信号が互いに逆の位相になる。
【0159】
従って、これらの引き回し配線から空間的に漏れる信号は左側と右側で位相が逆になっているので、上部電極102aを平衡型端子107に接続する引き回し配線への影響を軽減出来る。また、下部電極102bを平衡型端子108に接続する引き回し配線への影響を軽減出来る。従って弾性表面波フィルタの特性が劣化することを抑えることが出来る。
【0160】
第2、第3のIDT電極103、104における電極指の配置は、図11(A)に示すように、実施の形態1と同様であり、弾性表面波が打ち消し合わないような構成となる。ずなわち、平衡型端子110、111に接続される第2、第3のIDT電極103、104の上部電極103a、下部電極104bをプラス(+)とし、平衡型端子111に接続される電極をマイナス(−)とすると、図11(A)に示すように同相の配置になっている。
【0161】
なお、、図11(B)に示す構成であっても本発明の効果は同様である。図11(B)は、第2、第3のIDT電極の上部電極と下部電極の配置を電極指一つ分だけずらした構成である。この場合には、第1のIDT電極102の極性が逆となるだけで、本発明の実施の形態による効果は同様である。
【0162】
また、第2のIDT電極103の上部電極103aと第3のIDT電極104の下部電極104bとが平衡型端子110に接続されるとしたが、これは第2のIDT電極103の下部電極103bと第3のIDT電極104の上部電極104aとが平衡型端子110に接続されていてもよい。すなわち、第2、第3のIDT電極103、104への信号経路の接続を構造的に上下逆側から行うようにすれば、本発明の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0163】
なお、実施の形態2〜5の各実施の形態の弾性表面波フィルタの対応する部分を実施の形態6の弾性表面波フィルタに置き換えてもよい。このようにすれば不平衡−平衡型弾性表面波フィルタについて上記各実施の形態で得られたのと同等の効果を平衡−平衡型表面波フィルタについても得ることが出来る。
【0164】
(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態7の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。図14は実施の形態7における弾性表面波フィルタの概略図である。
【0165】
本実施の形態の弾性表面波フィルタは、不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタである。
【0166】
なお、第4のIDT電極7は本発明の第1のIDT電極に対応し、第5のIDT電極8は本発明の第2のIDT電極に対応し、第6のIDT電極9は本発明の第3のIDT電極に対応し、第1のIDT電極1は本発明の第4のIDT電極に対応し、第2のIDT電極2は本発明の第5のIDT電極に対応し、第3のIDT電極3は本発明の第6のIDT電極に対応する。また、第3の反射器電極10は本発明の第1の反射器電極に対応し、第4の反射器電極11は本発明の第2の反射器電極に対応し、第1の反射器電極4は本発明の第3の反射器電極に対応し、第2の反射器電極5は本発明の第4の反射器電極に対応する。また、OUT1は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、OUT2は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、INは本発明の不平衡型端子に対応する。
【0167】
図14において、弾性表面波フィルタは、それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラック6及び2段目のフィルタトラック12から構成される。
【0168】
1段目のフィルタトラック6は、第1、第2、第3のIDT電極1、2、3と第1、第2の反射器電極4、5とにより構成される。また、2段目のフィルタトラック12は、第4、第5、第6のIDT電極7、8、9と、第4、第5の反射器電極10、11とにより構成される。
【0169】
第1のIDT電極1の両側には、第2、及び第3のIDT電極2、3が配置されており、その両側には、第1、第2の反射器電極4、5が配置されている。これらの各IDT電極及び反射器電極は弾性表面波の伝搬方向に沿って配置されている。また、第4のIDT電極の両側には、第5、第6のIDT電極8、9が配置されており、その両側には、第3、第4の反射器電極10、11が配置されている。これらの各IDT電極及び反射器電極は弾性表面波の伝搬方向に沿って配置されている。そして、1段目のフィルタトラック6と2段目のフィルタトラック12とは、縦続に接続されて2段の縦モードフィルタを構成している。
【0170】
なお、図14では、第1のIDT電極1と第4のIDT電極7とは互いに対向して配置されており、第2のIDT電極2と第5のIDT電極8とは互いに対向して配置されており、第3のIDT電極3と第6のIDT電極9とは互いに対向して配置されているとして図示しているが、これに限らない。例えば、図14において、1段目のフィルタトラック6を2段目のフィルタトラック12に対して第1のIDT電極1、第2のIDT電極2、及び第3のIDT電極が配置されている方向に平行移動させた弾性表面波フィルタや、1段目のフィルタトラック6と2段目のフィルタトラック12とを異なった圧電基板上に形成した弾性表面波フィルタであっても本実施の形態と同等の効果を得ることが出来る。要するに、本実施の形態の弾性表面波フィルタは、1段目のフィルタトラック6と2段目のフィルタトラック12とが、縦続に接続されて2段の縦モードフィルタを構成していさえすれよい。
【0171】
第1のIDT電極1は、上部電極1aと、下部電極1bとから構成されており、第2のIDT電極2は、上部電極2aと、下部電極2bとから構成されており、第3のIDT電極3は、上部電極3aと、下部電極3bとから構成されており、第4のIDT電極7は、上部電極7aと、下部電極7bとから構成されており、第5のIDT電極8は、上部電極8aと、下部電極8bとから構成されており、第6のIDT電極9は、上部電極9aと、下部電極9bとから構成されている。このように各IDT電極はそれぞれ一対の櫛形電極である上部電極と下部電極とから構成されている。
【0172】
また、第1のIDT電極1の上部電極1aは、入力用の不平衡型端子INに接続されており、第1のIDT電極1の下部電極1bは、接地されている。
【0173】
第2のIDT電極2の上部電極2aは、引き回し配線13によって第5のIDT電極8の上部電極8aに接続されている。第2のIDT電極2の下部電極2bは接地されている。
【0174】
第3のIDT電極3の下部電極3bは、引き回し配線14によって第6のIDT電極9の下部電極9bに接続されている。第3のIDT電極3の上部電極3aは接地されている。
【0175】
第4のIDT電極7の上部電極7aは、出力用の1対の平衡型端子のうち一方の平衡型端子OUT1に接続されており、第4のIDT電極7の下部電極7bは、出力用の1対の平衡型端子のうち、他方の平衡型端子OUT2に接続されている。
【0176】
第5のIDT電極8の下部電極8b及び第6のIDT電極9の上部電極9aは、ともに接地されている。
【0177】
また、引き回し配線13、14は、第1のIDT電極1などの各IDT電極が形成されている圧電基板上で引き回されている。なお、このとき引き回し配線13と引き回し配線14のリアクタンス成分が同じになるように引き回すことが好ましい。なお、引き回し配線13、14を圧電基板上で引き回す代わりに、圧電基板の下地基板で引き回しても構わない。
【0178】
なお、IN、OUT1、OUT2の接続に関しては、ワイヤーボンディング実装やフェースダウン実装などにより、圧電基板外の端子に引き出される構成となる。
【0179】
また、上記の各IDT電極及び各反射器電極では、互いに隣合う電極指の中心間隔が0.9×λ/2から1.1×λ/2までの範囲になるようにした。このようにすることによりバルク放射損を抑えることが出来、フィルタのロスを小さくすることが出来る。
【0180】
次に、このような本実施の形態の弾性表面波フィルタの動作を説明する。
【0181】
不平衡型端子INに信号を入力することにより、第1のIDT電極1で弾性表面波が生じる。そして、弾性表面波は、第1、第2の反射器電極4、5により複数の共振モードを生じる。この共振モードを利用することによりフィルタ特性が得られ、第2のIDT電極2及び第3のIDT電極3でそれぞれ電気信号に変換される。
【0182】
第2のIDT電極2で変換された電気信号は、引き回し配線13を通過して第5のIDT電極8の上部電極8aに出力される。また、第3のIDT電極3で変換された電気信号は、引き回し配線14を通過して第6のIDT電極9の上部電極9aに出力される。このとき、弾性表面波フィルタの各IDT電極同士の間隔及び電極指の配置を予め調整しておくことにより、引き回し配線13に入力される電気信号と引き回し配線14に入力される電気信号とは位相が互いに逆相になる。
【0183】
第5のIDT電極8に入力された電気信号は、第5のIDT電極8で弾性表面波に変換され、また、第6のIDT電極9に入力された電気信号は、第6のIDT電極9で弾性表面波に変換される。そして、第5のIDT電極8及び第6のIDT電極9で変換された弾性表面波は、圧電基板を伝搬する。伝搬した弾性表面波は、第3、第4の反射器電極10、11で反射されることにより、複数の共振モードを生じる。
【0184】
この共振モードを利用することによりフィルタ特性が得られ、平衡型端子OUT1及びOUT2から出力される。
【0185】
本実施の形態の弾性表面波フィルタはこのように動作する。
【0186】
これまでの実施の形態においては、アンバランスな寄生成分によるバランス特性劣化の改善を示した。つぎに、バランス特性劣化原因の明確化を行う。
【0187】
本発明者は、従来の弾性表面波フィルタ(図27参照)のフィルタ特性と、このような本実施の形態の弾性表面波フィルタ(図14参照)のフィルタ特性とをともにシミュレーションして比較してみた。
【0188】
また、本発明者は、前述した実施の形態1の弾性表面波フィルタ(図1参照)のフィルタ特性や従来の弾性表面波フィルタ(図12参照)のフィルタ特性に関しても同様なシミュレーションを行った。
【0189】
以下では、(1)従来の弾性表面波フィルタ(図12参照)のフィルタ特性、および実施の形態1の弾性表面波フィルタ(図1参照)のフィルタ特性に関してまず説明し、(2)従来の弾性表面波フィルタ(図27参照)のフィルタ特性、および本実施の形態の弾性表面波フィルタ(図14参照)のフィルタ特性に関してつぎに説明する。
【0190】
(1)図42に、従来の弾性表面波フィルタ(図12参照)のフィルタ特性をシミュレーションにより求める際の条件を示し、図47にその条件に従って求められたフィルタ特性(振幅バランス特性および位相バランス特性)を示す。振幅バランス特性および位相バランス特性は、本発明者が発生を予想した二箇所の寄生容量(容量成分4301)がともに0.1pFである場合と、それらがともに0.2pFである場合とについて図示されている。
【0191】
このようなシミュレーションにより求められたフィルタ特性は、実験により求められるフィルタ特性(図41参照)と同様の傾向を示しており、本発明者が行った前述のような寄生容量の発生の予想は、的確であるといえる。
【0192】
図48に、実施の形態1の弾性表面波フィルタ(図1参照)のフィルタ特性をシミュレーションにより求める際の条件を示し、図49にその条件に従って求められたフィルタ特性(振幅バランス特性および位相バランス特性)を示す。振幅バランス特性および位相バランス特性は、本発明者が発生を予想した二箇所の寄生容量がともに0.1pFである場合と、それらがともに0.2pFである場合とについて図示されている。なお、図43(A)〜(B)には、振幅バランス特性および位相バランス特性それぞれに関して、寄生容量と通過帯域における最大値および最小値との関係を示している。
【0193】
このようなシミュレーションにより求められたフィルタ特性は、実験により求められるフィルタ特性と同様の傾向を示しており、本発明者が行った前述のような寄生容量の発生の予想は、的確であるといえる。
【0194】
(2)さて、図15に、従来の図27の弾性表面波フィルタのフィルタ特性をシミュレーションにより求める際の条件を示し、図16にその条件に従って求められたフィルタ特性を示す。
【0195】
また、図17に、本実施の形態の図14の弾性表面波フィルタのフィルタ特性をシミュレーションにより求める際の条件を示し、図18にその条件に従って求められたフィルタ特性を示す。
【0196】
まず、従来の弾性表面波フィルタについては、図15に示すように、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線と、引き回し配線32とが接近しているので、これらの引き回し配線により寄生容量34が形成されると仮定した。また、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線と、引き回し配線33とが接近しているので、これらの引き回し配線により寄生容量35が形成されると仮定した。また、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線は、引き回し配線32及び引き回し配線33から離れているので、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線は引き回し引き回し配線32とも引き回し配線33とも寄生容量を形成することはないと仮定した。
【0197】
また、各IDT電極及び各反射器電極は、引き回し配線32に入力される信号の位相と、引き回し配線33に入力される信号の位相とが、逆相になるように配置した。
【0198】
このようなシミュレーション条件によりシミュレーションを行った結果、従来の弾性表面波フィルタについては、図16に示すフィルタ特性が得られた。
【0199】
図16(A)に、シミュレーションによって求められた、従来の弾性表面波フィルタの周波数特性を示す。また、図16(B)にシミュレーションによって求められた、従来の弾性表面波フィルタの振幅バランスを示す。なお、振幅バランスとは、不平衡型端子INから入力信号を入力した場合に、平衡型端子OUT1に出力される信号の振幅と、平衡型端子OUT2に出力される信号の振幅との比(単位:デシベル)をプロットしたものである。なお、弾性表面波フィルタが完全に平衡であるという理想的な状態にあると仮定した場合には、平衡型端子OUT1から検出される信号と、平衡型端子OUT2から検出される信号とは等振幅でかつ位相は互いに180度異なる。従って振幅バランスの絶対値が大きいほど理想的な平衡状態からのずれが大きいことになる。図16(C)にシミュレーションによって求められた、従来の弾性表面波フィルタの位相バランスを示す。なお、位相バランスとは、不平衡型端子INから入力信号を入力した場合に、平衡型端子OUT1に出力される信号の位相と平衡型端子OUT2に出力される信号の位相との差(単位:度)をプロットしたものである。なお、弾性表面波フィルタが完全に平衡であるという理想的な状態にあると仮定した場合には、平衡型端子OUT1から検出される信号と、平衡型端子OUT2から検出される信号とは等振幅でかつ位相は互いに180度異なる。従って、位相バランスとは、平衡型端子OUT1から検出される信号の位相と平衡型端子OUT2から検出される信号の位相との位相差が180度から何度ずれているかを示すものである。従って位相バランスの絶対値が大きいほど理想的な平衡状態からのずれが大きいことになる。
【0200】
次に、本実施の形態の図14に示す弾性表面波フィルタについては、図17に示すように、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線と、引き回し配線13とが接近しているので、これらの引き回し配線により寄生容量36が形成されると仮定した。また、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線と、引き回し配線14とが接近しているので、これらの引き回し配線により寄生容量37が形成されると仮定した。
【0201】
一方、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線は、引き回し配線14には接近していないので、これらの引き回し配線同士は寄生容量を形成しないと仮定した。また、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線は、引き回し配線13には接近していないので、これらの引き回し配線同士は寄生容量を形成しないと仮定した。
【0202】
また、各IDT電極及び各反射器電極は、引き回し配線13に入力される信号の位相と、引き回し配線14に入力される信号の位相とが、互いに逆相になるように配置した。
【0203】
このようなシミュレーション条件によりシミュレーションを行った結果、本実施の形態の弾性表面波フィルタについては、図18に示すフィルタ特性が得られた。
【0204】
図18(A)にシミュレーションによって求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波数特性を示す。また、図18(B)にシミュレーションによって求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの振幅バランスを示す。また、図18(C)にシミュレーションによって求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの位相バランスを示す。
【0205】
図16と図17とを比較すると、図17(A)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波数特性は、通過帯域外で減衰極が得られており、通過帯域外で急峻に減衰する特性になっている。これに対して図16(A)に示す従来の弾性表面波フィルタの周波数特性は、通過帯域外で減衰極が得られておらず、急峻に減衰する特性にはなっていない。
【0206】
また、図18(B)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの振幅バランスは、広い周波数領域に渡って良好な特性が得られている。これに対して、図16(B)に示す従来の弾性表面波フィルタの振幅バランスは、図18(B)よりは振幅バランスが劣化している。
【0207】
また、図18(C)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの位相バランスは、広い周波数領域に渡って良好な特性が得られている。これに対して、図16(C)に示す従来の弾性表面波フィルタの位相バランスは、図18(C)よりは位相バランスが劣化している。
【0208】
このように、本実施の形態の弾性表面波フィルタの特性と従来の弾性表面波フィルタの特性とをシミュレーションによって求めた場合、本実施の形態の弾性表面波フィルタの方が、従来の弾性表面波フィルタより良好な平衡度を有し、かつ良好な周波数特性を有するという結果が得られた。
【0209】
この結果は、次のように解釈することが出来る。すなわち、本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線と、引き回し配線13とによって形成される寄生成分と、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線と、引き回し配線14とによって形成される寄生成分とが実質上同一になるので、良好な平衡度及び良好な周波数特性を有する弾性表面波フィルタが得られたと考えることが出来る。ところが、従来の弾性表面波フィルタでは、平衡型端子OUT1と第4のIDT電極7の上部電極7aとを接続する引き回し配線と、引き回し配線32、33とで形成される寄生成分と、平衡型端子OUT2と第4のIDT電極7の下部電極7bとを接続する引き回し配線と、引き回し配線32、33とで形成されるアンバランスな寄生成分とが、異なっているために、本実施の形態の弾性表面波フィルタよりは平衡度及び周波数特性がともに劣化したものと考えることが出来る。
【0210】
さらに、本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、引き回し配線13に入力される信号の位相と引き回し配線14に入力される信号の位相とを互いに逆相になるようにしたことによっても、本実施の形態の弾性表面波フィルタの特性が良好になった原因であると考えられることが出来る。
【0211】
次に、本実施の形態の図14の弾性表面波フィルタの特性と従来の図27の弾性表面波フィルタの特性を実験により求めてみた。
【0212】
すなわち、図19に、実験により求めた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの特性を示し、図20に、実験により求めた、従来の弾性表面波フィルタの特性を示す。
【0213】
すなわち、図19(A)に、実験により求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波数特性を示し、図19(B)に、実験により求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの振幅バランスを示し、図19(C)に、実験により求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの位相バランスを示す。
【0214】
また、図20(A)に、実験により求められた、従来の弾性表面波フィルタの周波数特性を示し、図20(B)に、実験により求められた、従来の弾性表面波フィルタの振幅バランスを示し、図20(C)に、実験により求められた、従来の弾性表面波フィルタの位相バランスを示す。
【0215】
図19と図20とを比較すると、図19(A)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波数特性は、通過帯域外で減衰極が得られており、かつ通過帯域外で急峻な減衰特性が得られている。これに対して図20(A)に示す従来の弾性表面波フィルタの周波数特性は、通過帯域外で減衰極が得られておらず、通過帯域外で急峻な減衰特性が得られていない。
【0216】
また、図19(B)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの振幅バランスは、広い周波数領域に渡って良好な特性が得られている。これに対して、図20(B)に示す従来の弾性表面波フィルタの振幅バランスは、図19(B)よりは振幅バランスが劣化している。
【0217】
また、図19(C)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの位相バランスは、広い周波数領域に渡って良好な特性が得られている。これに対して、図20(C)に示す従来の弾性表面波フィルタの位相バランスは、図19(C)よりは位相バランスが劣化している。
【0218】
このように、シミュレーションにより求めた場合と、実験により求めた場合とで、同様の傾向が得られた。すなわち、いずれの場合にせよ、本実施の形態の弾性表面波フィルタの方が従来の弾性表面波フィルタよりも、良好な平衡度及び良好な周波数特性が得られる。
【0219】
このように、引き回し配線13と第5のIDT電極8との接続を、引き回し配線14と第6のIDT電極9との接続に対して上下逆にすることによって、平衡型端子OUT1からの引き回し配線との寄生成分による影響と、平衡型端子OUT2からの引き回し配線との寄生成分による影響とを実質上ほぼ同一とすることが出来るので、平衡度の劣化を抑えることが出来、良好な特性を有する弾性表面波フィルタを実現することが出来る。
【0220】
なお、各IDT電極における電極指の配置は弾性表面波が打ち消し合わないような構成となる。ずなわち、不平衡型端子INに接続される第1のIDT電極1の上部電極1aをプラス(+)とし、接地される第1のIDT電極1の下部電極1bをマイナス(−)とすると、図21に示すように電極指の極性が同相の配置になっている。従って、図22に示すような構成であっても、各IDT電極における電極指の配置が弾性表面波が打ち消し合わないような構成であれば、本実施の形態と同等の効果を得ることが出来る。すなわち、図22は、第2、第3のIDT電極2、3の上部電極2a、3aと下部電極2b、3bの配置を電極指一つ分だけずらし、また、第4、第5のIDT電極の上部電極8a、9a、と下部電極8b、9bとの配置を電極指一つ分だけずらした構成である。また、第2のIDT電極2の下部電極2bと第5のIDT電極8の下部電極8bとを引き回し配線15によって接続し、第3のIDT電極3の上部電極3aと第6のIDT電極9の上部電極9aとを引き回し配線16で接続した構成である。
【0221】
このように、図14の弾性表波フィルタの引き回し配線13、14の接続を図22のように上下逆転させた場合であっても、本実施の形態と同等の効果を得ることが出来る。なお、電極に重み付けを施す場合は、これに限るものでない。ここで、電極に重み付けを施すとは、例えば図14の第1のIDT電極1では、各電極指は上部電極1aから引き出されている電極指と下部電極1bから引き出されている電極指とが交互に配列されているが、少なくともいずれか一つの電極指を逆側の電極から引き出すようにした場合を意味している。
【0222】
なお、本実施の形態では、不平衡型端子INに信号が入力され、一対の平衡型端子OUT1、OUT2から信号が出力されるとして説明したが、これに限らない。一対の平衡型端子OUT1、OUT2から信号を入力し、不平衡型端子INから信号を出力しても、本実施の形態と同等の効果を得ること出来る。
【0223】
また、本実施の形態では、各IDT電極及び各反射器電極は、引き回し配線13に入力される信号の位相と、引き回し配線14に入力される信号の位相とが、互いに逆相になるように配置されているとして説明したが、これに限らない。各IDT電極及び各反射器電極を、引き回し配線13に入力される信号の位相と、引き回し配線14に入力される信号の位相とが互いに同相になるように配置してもよい。
【0224】
引き回し配線13に入力される信号の位相と、引き回し配線14に入力される信号の位相とが互いに同相になるように配置した場合について、本実施の形態の弾性表面波フィルタのフィルタ特性と従来の弾性表面波フィルタのフィルタ特性とをともにシミュレーションにより求めて比較してみた。
【0225】
従来の弾性表面波フィルタについては、上述した図15のシミュレーション条件において、第2のIDT電極2や第5のIDT電極8の配置を調整することによって、引き回し配線32に入力される信号の位相と引き回し配線33に入力される信号の位相とが互いに同相になるように配置した。それ以外のシミュレーション条件は、図15のシミュレーション条件と同様である。
【0226】
また、本実施の形態の弾性表面波フィルタについては、上述した図17のシミ
ュレーション条件において、第3のIDT電極3や第6のIDT電極9の配置を調整することによって、引き回し配線13に入力される信号の位相と引き回し配線14に入力される信号の位相とが互いに同相になるように配置した。それ以外のシミュレーション条件は図17のシミュレーション条件と同様である。
【0227】
図28に、このようなシミュレーション条件でシミュレーションを行い、その結果求められた、従来の弾性表面波フィルタのフィルタ特性を示す。すなわち、図28(A)は、シミュレーションにより求められた従来の弾性表面波フィルタの周波数特性であり、図28(B)は、シミュレーションにより求められた、従来の弾性表面波フィルタの位相バランスである。
【0228】
また、図29に、このようなシミュレーション条件でシミュレーションを行い、その結果求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタのフィルタ特性を示す。すなわち、図29(A)は、シミュレーションにより求められた本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波数特性であり、図29(B)は、シミュレーションにより求められた、本実施の形態の弾性表面波フィルタの位相バランスである。
【0229】
図28と図29とを比較すると、図29(A)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの周波数特性は、通過帯域外で減衰極が得られており、通過帯域外で急峻に減衰する特性になっている。これに対して図28(A)に示す従来の弾性表面波フィルタの周波数特性は、通過帯域外で減衰極が得られておらず、急峻に減衰する特性にはなっていない。
【0230】
また、シミュレーションによる振幅バランスについては、図示していないが、本実施の形態の弾性表面波フィルタの方が従来の弾性表面波フィルタより若干良好となる傾向が認められた。
【0231】
また、図29(B)に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタの位相バランスは、図28(B)に示す従来の弾性表面波フィルタより2度程度位相バランスが優れている。このように若干ではあるが、本実施の形態の弾性表面波フィルタの方が位相バランスが優れている。
【0232】
さらに、図29に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタのフィルタ特性を図15のシミュレーション条件すなわち引き回し配線の信号の位相が逆相になる場合の従来の弾性表面波フィルタのシミュレーションを行った結果である図16のフィルタ特性とを比較すると、振幅バランス及び位相バランスについてはともかく、周波数特性については、図29に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、減衰極が得られているのに対して、図16のフィルタ特性では減衰極が得られていない。従って周波数特性については、引き回し配線32に入力される信号の位相と引き回し配線33に入力される信号の位相とが互いに同相である場合の本実施の形態の弾性表面波フィルタの方が、従来の弾性表面波フィルタで引き回し配線に入力される信号の位相を互いに逆相にしたものよりも明らかに良好な特性を有している。
【0233】
このように、各IDT電極及び各反射器電極を、引き回し配線13に入力される信号の位相と、引き回し配線14に入力される信号の位相とが互いに同相になるように配置した場合であっても、従来の弾性表面波フィルタよりは良好な周波数特性を得ることが出来る。
【0234】
(実施の形態8)
以下、本発明の実施の形態8の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。図23は実施の形態8における弾性表面波フィルタの概略図である。
【0235】
本実施の形態の弾性表面波フィルタは、前述した実施の形態7と同様に、不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタである。
【0236】
なお、本実施の形態の弾性表面波フィルタのうち前述した実施の形態7と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0237】
図23において、弾性表面波フィルタは、それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラック6及び2段目のフィルタトラック12から構成される。
【0238】
1段目のフィルタトラック6は、第1、第2、第3のIDT電極1、2、3と第1、第2の反射器電極4、5とにより構成される。また、2段目のフィルタトラック12は、第4、第5、第6のIDT電極7、8、9と、第4、第5の反射器電極10、11とにより構成される。
【0239】
本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、前述した実施の形態7で図14を用いて説明した弾性表面波フィルタとは異なり、第2のIDT電極2の下部電極2bと第5のIDT電極8の上部電極8aとが引き回し配線17によって接続されいる。
【0240】
これ以外は、前述した実施の形態7と同様である。
【0241】
次に、このような本実施の形態の動作を前述した実施の形態7との相違点を中心に説明する。
【0242】
本実施の形態でも前述した実施の形態7と同様、引き回し配線17に入力される信号の位相と引き回し配線18に入力される信号の位相とは互いに逆相になるように、各IDT電極が予め配置されているものとする。
【0243】
前述した実施の形態7では、引き回し配線13は、第2のIDT電極2の上部電極2aから引き回されているために、引き回し配線13は、不平衡型端子INと第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し配線と近接して配置される構成となる。従って、これらの引き回し配線同士が結合することを考慮すると、本実施の形態に示すように、引き回し配線17及び引き回し配線18は、それぞれ第2のIDT電極2の下部電極2b及び第3のIDT電極3の下部電極3bから引き回されている構成が好ましい。すなわち、本実施の形態の弾性表面波フィルタではいずれの引き回し配線17、18も第1の実施の形態よりも不平衡型端子INと第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し配線から遠い位置に配置されている。従って、引き回し配線17及び引き回し配線18と、不平衡型端子INと第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し配線との寄生成分の影響は、前述した実施の形態7よりも小さくなる。
【0244】
このように、不平衡型端子INと第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し配線との結合が前述した実施の形態7より小さくなるように引き回し配線17及び引き回し配線18が配線されているので、良好なフィルタ特性を有する弾性表面波フィルタを実現することが出来る。
【0245】
なお、各IDT電極における電極指の配置は前述した実施の形態7と同様に弾性表面波が打ち消し合わないような構成となる。
【0246】
従って、図24に示すような構成であっても、各IDT電極における電極指の配置が弾性表面波が打ち消し合わないような構成であれば、本実施の形態と同等の効果を得ることが出来る。すなわち、図24は、第4、第5のIDT電極8、9の上部電極8a、9aと下部電極8b、9bの配置を電極指一つ分だけずらした構成である。また、第2のIDT電極2の下部電極2bと第5のIDT電極7の下部電極8bとを引き回し配線19によって接続し、第3のIDT電極3の下部電極3bと第6のIDT電極9の上部電極9aとを引き回し配線20で接続した構成である。
【0247】
このように、図23の弾性表波フィルタの引き回し配線17、18の接続を図24のように上下逆転させた場合であっても、本実施の形態と同等の効果を得ることが出来る。
【0248】
(実施の形態9)
以下、本発明の実施の形態9の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。図25は実施の形態9における弾性表面波フィルタの概略図である。
【0249】
本実施の形態の弾性表面波フィルタは、前述した実施の形態7と同様に、不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタである。
【0250】
本実施の形態の弾性表面波フィルタのうち前述した実施の形態7と同一部分には同一を付して詳細な説明を省略する。
【0251】
なお、第4のIDT電極21は本発明の第1のIDT電極に対応する。
【0252】
図25において、弾性表面波フィルタは、それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラック6及び2段目のフィルタトラック12から構成される。
【0253】
1段目のフィルタトラック6は、前述した実施の形態7と同様に第1、第2、第3のIDT電極1、2、3と第1、第2の反射器電極4、5とにより構成される。また、2段目のフィルタトラック12は、前述した実施の形態7と同様に第4、第5、第6のIDT電極21、8、9と、第4、第5の反射器電極10、11とにより構成される。
【0254】
本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、前述した実施の形態7とは異なり、第4のIDT電極21が、第1の分割IDT電極22、及び第2の分割IDT電極23に分割されている。
【0255】
すなわち、第1の分割IDT電極22の上部電極22a及び下部電極22bのうち1段目のフィルタトラック6の側の方に配置されている上部電極22aは一対の平衡型端子のうち平衡型端子OUT1に接続されている。また、第1の分割IDT電極22の上部電極22a及び下部電極22bのうち1段目のフィルタトラック6の側とは反対側の方に配置されている下部電極22bは、接地されている。
【0256】
また、第2の分割IDT電極23の上部電極23a及び下部電極23bのうち、第1のフィルタトラック6の側とは反対側の方に配置されている下部電極23bは、一対の平衡型端子のうち平衡型端子OUT2に接続されている。第2の分割IDT電極23の上部電極23a及び下部電極23bのうち、第1のフィルタトラック6の側に配置されている上部電極23aは接地されている。
【0257】
これ以外は、前述した実施の形態7と同様である。
【0258】
次に、このような本実施の形態の動作を前述した実施の形態7との相違点を中心に説明する。
【0259】
本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、第4のIDT電極21を第1の分割IDT電極22と第2の分割IDT電極23とに分割したことにより、平衡型端子OUT1と平衡型端子OUT2との間のアイソレーションを確保することが出来るようになる。
【0260】
また、第4のIDT電極21の電極指の本数が同数であり、電極指の幅が同数であり、隣接する電極指の中心間隔が同じであるという条件では、第4のIDT電極21を第1の分割IDT電極22及び第2の分割IDT電極23に分割した方が、第4のIDT電極21を分割しない場合に比べて、平衡型端子OUT1及び平衡型端子OUT2のインピーダンスが高い。従って、第4のIDT電極21を第1の分割IDT電極22及び第2の分割IDT電極23に分割することにより、第4のIDT電極21の電極指の本数などの条件を一定にしたままで、フィルタの周波数特性が実質上同一であって、平衡型端子OUT1及びOUT2の出力インピーダンスが高い弾性表面波フィルタを実現することが出来る。
【0261】
なお、本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、第2のIDT電極4の上部電極4aと第5のIDT電極8の上部電極8aとを引き回し配線13によって接続し、第3のIDT電極3の下部電極3bと第6のIDT電極9の下部電極9bとを引き回し配線14によって接続したが、これに限らない。第2のIDT電極2の下部電極2bと第5のIDT電極8の下部電極8bとを引き回し配線13によって接続し、第3のIDT電極3の上部電極3aと第6のIDT電極9の上部電極9aとを引き回し配線14で接続しても構わない。なお、この場合には各弾性表面波フィルタは弾性表面波を打ち消し合わないように配置されているものとする。
【0262】
また、前述した実施の形態8で説明したように、1段目のフィルタトラック6において、第2のIDT電極2の下部電極2bから引き回し配線13を引き回しても構わない。この場合には不平衡型端子INと第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し配線との寄生成分の影響を小さくすることが出来る。
【0263】
また、同様に、前述した実施の形態8で説明した弾性表面波フィルタの第3のIDT電極を本実施の形態の第4のIDT電極21の部分と同様に第1の分割IDT電極22と第2の分割IDT電極23に分割しても構わない。
【0264】
(実施の形態10)
以下、本発明の実施の形態10の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。図26は実施の形態10における弾性表面波フィルタの概略図である。
【0265】
本実施の形態の弾性表面波フィルタは、前述した実施の形態9と同様に、不平衡−平衡型入出力端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタである。
【0266】
本実施の形態の弾性表面波フィルタのうち前述した実施の形態9と同一部分には同一を付して詳細な説明を省略する。
【0267】
なお、第4のIDT電極26は本発明の第1のIDT電極に対応する。
【0268】
図26において、弾性表面波フィルタは、それぞれ圧電基板上に配置された1段目のフィルタトラック6及び2段目のフィルタトラック12から構成される。
【0269】
1段目のフィルタトラック6は、前述した実施の形態7と同様に第1、第2、第3のIDT電極1、2、3と第1、第2の反射器電極4、5とにより構成される。また、2段目のフィルタトラック12は、前述した実施の形態7と同様に第4、第5、第6のIDT電極26、8、9と、第4、第5の反射器電極10、11とにより構成される。
【0270】
本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、前述した実施の形態9とは異なり、第4のIDT電極26が、第1の分割IDT電極27、第2の分割IDT電極28、及び第3の分割IDT電極29にに分割されている。
【0271】
すなわち、第1の分割IDT電極27の上部電極27a及び下部電極27bのうち1段目のフィルタトラック6の側の方に配置されている上部電極27aは一対の平衡型端子のうち平衡型端子OUT1に接続されている。また、第1の分割IDT電極27の上部電極27a及び下部電極27bのうち1段目のフィルタトラック6の側とは反対側の方に配置されている下部電極27bは、接地されている。
【0272】
また、第2の分割IDT電極28の上部電極28a及び下部電極28bのうち、第1のフィルタトラック6の側の方に配置されている上部電極28aは、第1の分割IDT電極27の上部電極27aに接続されている。第2の分割IDT電極28の上部電極28a及び下部電極28bのうち、第1のフィルタトラック6の側とは反対側の方に配置されている下部電極28bは、第3の分割IDT電極29の上部電極29a及び下部電極29bのうち、1段目のフィルタトラック6の側とは反対側の方に配置されている下部電極29bに接続されている。
【0273】
また、第3の分割IDT電極29の上部電極29a及び29bのうち、1段目のフィルタトラック6の側の方に配置されている上部電極29aは接地されている。また、第3の分割IDT電極29の下部電極29bは、一対の平衡型端子のうち平衡型端子OUT2に接続されている。
【0274】
これ以外は、前述した実施の形態9と同様である。
【0275】
次に、このような本実施の形態の動作を前述した実施の形態9との相違点を中心に説明する。
【0276】
第4のIDT電極26の電極指の本数が同数であり、電極指の幅が同数であり、隣接する電極指の中心間隔が同じであるという条件では、第4のIDT電極26を第1の分割IDT電極27及び第2の分割IDT電極28及び第3の分割IDT電極29に分割した方が、第4のIDT電極26を分割しない場合に比べて、平衡型端子OUT1及び平衡型端子OUT2のインピーダンスが高くなる。従って、第4のIDT電極26を第1の分割IDT電極27及び第2の分割IDT電極28及び第3の分割IDT電極29に分割することにより、第4のIDT電極28の電極指の本数などの条件を同じにした場合には、平衡型端子OUT1及びOUT2の出力インピーダンスが高い弾性表面波フィルタを実現することが出来る。さらに、第4のIDT電極26の電極指の本数などの条件を同じにした場合には、第4のIDT電極28を分割した場合の弾性表面波フィルタの特性は、第4のIDT電極28を分割していない場合の弾性表面波フィルタと実質上同じ特性になる。
【0277】
従って、第4のIDT電極28を分割することにより分割前のフィルタ特性を変えずに平衡型端子OUT1、OUT2のインピーダンスが高い弾性表面波フィルタを実現することが出来る。
【0278】
さらに、第2の分割IDT電極28の電極指の本数と、第1及び第3の分割IDT電極27、29の電極指の本数との比を調整することにより、平衡型端子OUT1、OUT2のインピーダンスを調整することが出来る。
【0279】
このように第4のIDT電極26を分割することによりインピーダンスの制御が可能になる。
【0280】
なお、前述した実施の形態8で説明したように、1段目のフィルタトラック6において、第2のIDT電極2の下部電極2bから引き回し配線13を引き回しても構わない。この場合には不平衡型端子INと第1のIDT電極1の上部電極1aとを接続する引き回し配線との寄生成分の影響を小さくすることが出来る。
【0281】
なお、本実施の形態7〜10では、第4の分割IDT電極を分割IDT電極に分割したが、これに限らず、第1、第2、第3、第4、第5、第6のIDT電極の全部または一部を分割IDT電極に分割しても構わない。例えば第1のIDT電極を分割IDT電極に分割した場合には、不平衡型端子INのインピーダンスが高い弾性表面波フィルタを実現することが出来る。
【0282】
また、本実施の形態7〜10では、各IDT電極を分割する分割数は、2または3であるとして説明したが他の分割数であっても構わない。
【0283】
また、本実施の形態7〜10では、不平衡型端子INは、第1のIDT電極1
の上部電極1aの側の方に配置されている、すなわち1段目のフィルタトラック6の2段目のフィルタトラック12とは反対側の方に配置されており、第1のIDT電極1の上部電極1aが不平衡型端子INに接続されているとして説明したが、これに限らない。不平衡型端子INが第1のIDT電極1の下部電極1bの側に配置されている、すなわち1段目のフィルタトラック6の2段目のフィルタトラック12の側の方に配置されており、第1のIDT電極1の下部電極1bが不平衡型端子INに接続されていても構わない。また、不平衡型端子INが第1のIDT電極1の上部電極1aの側の方に配置されており、第1のIDT電極1の下部電極1bが不平衡型端子INに接続されていても構わない。また、不平衡型端子INが第1のIDT電極1の下部電極1bの側の方に配置されており、第1のIDT電極1の上部電極1aが不平衡型端子INに接続されていても構わない。
【0284】
また、本実施の形態7〜10では、第1のIDT電極1の上部電極1aが不平衡型端子INに接続されているとして説明したが、これに限らない。これらの弾性表面波フィルタについては、第1のIDT電極1の上部電極1a及び下部電極1bがそれぞれ、一対の平衡型端子OUT1及びOUT2とは別の一対の平衡型端子の一方及び他方に接続されていても構わない。この場合には、平衡型−平衡型の弾性表面波フィルタが得られる。そして、この別の平衡型端子の一方から引き回される引き回し配線と、1段目のフィルタトラック6と2段目のフィルタトラック12とを接続する引き回し配線との間の寄生成分は、この別の平衡型端子の他方から引き回される引き回し配線と、1段目のフィルタトラック6と2段目のフィルタトラック12とを接続する引き回し配線との間の寄生成分と同程度になるので、同等の効果を得ることが出来る。
【0285】
また、本実施の形態7〜10では、1段目のフィルタトラック6の下側に2段目のフィルタトラック12が配置されているとして説明したが、これに限らず、各IDT電極及び不平衡型端子IN及び一対の平衡型端子の引き回し配線による接続を変えずに、1段目のフィルタトラック6の上側に2段目のフィルタトラック12を配置しても構わない。
【0286】
また、本実施の形態7〜10では、第2のIDT電極2の上部電極2a及び下部電極2bのうち引き回し配線が接続されていない方の電極は接地されており、第3のIDT電極3の上部電極3a及び下部電極3bのうち引き回し配線が接続されていない方の電極は接地されているとして説明したが、これに限らない。第2のIDT電極2に接続されている引き回し配線に流れる信号の位相と第3のIDT電極3に接続されている引き回し配線に流れる信号の位相とが互いに逆相になっている場合には、これらの電極を接地する代わりに、互いに電気的に接続しても構わない。
【0287】
また、本実施の形態7〜10では、第5のIDT電極8の上部電極8a及び下部電極8bのうち引き回し配線が接続されていない方の電極は接地されており、第6のIDT電極9の上部電極9a及び下部電極9bのうち引き回し配線が接続されていない方の電極は接地されているとして説明したが、これに限らない。第5のIDT電極8に接続されている引き回し配線に流れる信号の位相と第6のIDT電極9に接続されている引き回し配線に流れる信号の位相とが互いに逆相になっている場合には、これらの電極を接地せず、互いに電気的に接続しても構わない。
【0288】
(実施の形態11)
以下、本発明の実施の形態11の弾性表面波フィルタについて、主として図30を参照しながら説明する。
【0289】
なお、第1のIDT電極3102は本発明の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極3103は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極3104は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、第1の反射器電極3105、第2の反射器電極3106は、本発明の反射器電極に対応する。また、平衡端子の一方3107は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、不平衡端子は3109は本発明の不平衡型端子に対応する。また、リアクタンス素子3110は、本発明のリアクタンス素子に対応する。
【0290】
弾性表面波フィルタ(図30)の構成について説明する前に、弾性表面波フィルタのバランス特性の劣化原因に関しての考察を行う。RF段に使用される広帯域な特性を必要とするような弾性表面波フィルタでは、一般的に、リチウム酸タンタル(LiTaO3)やリチウム酸ニオブ(LiNbO3)などの圧電基板が広く用いられており、このような基板の実効比誘電率はそれぞれ48、49程度と大きい値である。ここで、実効比誘電率とは圧電基板の比誘電率テンソルε11Tとε33Tを用いて、
【0291】
【数1】
((ε11T)×(ε33T))1/2
と定義する。
【0292】
弾性表面波フィルタにおいては、圧電基板の実効比誘電率が大きいので、IDT電極間の空間的な結合だけでなく、圧電基板中のIDT電極同士の寄生成分による結合や、他にも、IDT電極を端子に接続するために要する配線などにも寄生成分が生じる。ここまで配線同士のアンバランスな寄生成分の低減によるバランス特性の改善についていろいろ述べてきたが、図42に、これらの寄生成分を考慮した構成を示す。図42は、図40の弾性表面波フィルタに寄生成分として、IDT電極間に容量成分4301を仮定した構成となる。図41に示す構成で容量成分4301の容量値を変化させて、900MHz帯のフィルタに関して解析を行った結果を図43に示す。圧電基板としては、LiTaO3を用いている。
【0293】
図43(A)〜(B)はそれぞれ通過帯域における振幅バランス特性、位相バランス特性の最大値と最小値を示している。図43(A)〜(B)に示すように、容量値が大きくなる程バランス特性が劣化している。即ち、IDT電極間の寄生成分による結合が大きい程、弾性表面波フィルタのバランス特性が劣化するということが明らかになった。
【0294】
次に、前述のバランス特性の劣化を改善する弾性表面波フィルタの構成について述べる。図30に本発明の平衡型端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの構成を示す。図30において、弾性表面波フィルタは、圧電基板3101上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)3102、3103、3104と第1、第2の反射器電極3105、3106とにより構成される。
【0295】
第1のIDT電極3102の一方の電極指は平衡型端子の一方3107に接続され、第1のIDT電極3102の他方の電極指は平衡型端子の他方3108に接続される。また、第2、第3のIDT電極3103、3104の一方の側の電極指を不平衡型端子3109に接続し、他方を接地する。さらに、第1のIDT電極と第2、第3のIDT電極3103、3104との間にリアクタンス素子3110を介して接続する。この場合には、平衡型端子の一方3107と不平衡型端子3109との間にリアクタンス素子が配置される構成となる。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0296】
図31に示すのは、リアクタンス素子としてインダクタを配置した場合の弾性表面波フィルタの特性である。圧電基板としては、LiTaO3を用いている。さらに、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分と配置されるインダクタンスとにより形成される並列共振の共振周波数が通過帯域内となるように設定されている。図31において、(A)は通過特性であり、(B)は通過帯域の振幅バランス特性、(C)は通過帯域の位相バランス特性である。図31より、通過帯域において、振幅バランス特性は−0.2dB〜+0.2dB、位相バランス特性は−4°〜+1°であり、図41の従来の弾性表面波フィルタの特性に比べて、通過特性を劣化させることなくバランス特性が改善している。
【0297】
なお、本実施の形態11においては、第1のIDT電極と第2、第3のIDT電極3103、3104との間として、平衡型端子の一方3107と不平衡型端子3109との間にリアクタンス素子を配置したが、これは、平衡型端子の他方3108と不平衡型端子3109との間にリアクタンス素子を配置しても構わない。また、図32に示すように、第1のIDT電極と第2のIDT電極3103との間に第1のリアクタンス素子3301を、第1のIDT電極と第3のIDT電極3104との間に第2リアクタンス素子3302を配置しても、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分がリアクタンス素子との並列共振を形成して、その共振周波数を通過帯域内に設定されていればバランス特性改善の効果は同様に得られる。なお、第1のリアクタンス素子3301、第2のリアクタンス素子3302は、本発明のリアクタンス素子に対応する。
【0298】
(実施の形態12)
以下、本発明の実施の形態12の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。図33に本発明の平衡型端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの構成を示す。図33において、弾性表面波フィルタは、圧電基板3401上に、第1、第2、第3のIDT電極3402、3403、3404と第1、第2の反射器電極3405、3406とにより構成される。
【0299】
第1のIDT電極3402の一方の電極指は平衡型端子の一方3407に接続され、第1のIDT電極3402の他方の電極指は平衡型端子の他方3408に接続される。また、第2のIDT電極3403の一方の電極指と第3のIDT電極3404の他方の電極指を不平衡型端子3409に接続し、第2のIDT電極3403の他方の電極指と第3のIDT電極3404の一方の側の電極指を接地する。図30の構成とは、不平衡型端子に接続される第3のIDT電極の電極指が上下逆側という点で異なる。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0300】
図34に示すのは、図33に示した弾性表面波フィルタの特性図である。圧電基板としては、LiTaO3を用いている。図34において、(A)は通過特性であり、(B)は通過帯域の振幅バランス特性、(C)は通過帯域の位相バランス特性である。図34より、通過帯域において、振幅バランス特性は−0.8dB〜+0.6dB、位相バランス特性は−5°〜+8°であり、図41の従来の弾性表面波フィルタの特性に比べてバランス特性が改善している。
【0301】
このように、第2、第3のIDT電極3403、3404と不平衡型端子3409との接続に関して、第2、第3のIDT電極3403、3404の電極指の上下逆側からの接続とすることによりバランス特性が改善される。
【0302】
さらに、第1のIDT電極と第2、第3のIDT電極3403、3404との間にリアクタンス素子を介して接続する。図35に示すように、平衡型端子の一方3407と不平衡型端子3409との間に第1のリアクタンス素子3601が配置され、平衡型端子の他方3408と不平衡型端子3409との間に第2のリアクタンス素子3602が配置される構成となる。
【0303】
なお、第1のIDT電極3402は本発明の第1のIDT電極に対応し、第2のIDT電極3403は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極3404は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、第1の反射器電極3405、第2の反射器電極3406は、本発明の反射器電極に対応する。また、平衡端子の一方3407は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、不平衡端子は3409は本発明の不平衡型端子に対応する。また、第1のリアクタンス素子3601、第2のリアクタンス素子3602は、本発明のリアクタンス素子に対応する。
【0304】
図36(A)〜(C)に示すのは、リアクタンス素子としてインダクタを配置した場合の弾性表面波フィルタの特性である。圧電基板としては、LiTaO3を用いている。さらに、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分と配置されるインダクタンスとにより形成される並列共振の共振周波数が通過帯域内となるように設定されている。図36において、(A)は通過特性であり、(B)は通過帯域の振幅バランス特性、(C)は通過帯域の位相バランス特性である。図36より、通過帯域において、振幅バランス特性は−0.2dB〜+0.4dB、位相バランス特性は−1°〜+2°であり、図40の従来の弾性表面波フィルタの特性に比べて、バランス特性が大きく改善している。また、図33の構成における弾性表面波フィルタの特性に比べてもバランス特性が改善している。
【0305】
なお、本実施の形態12においては、平衡型端子の一方3407と不平衡型端子3409との間に第1のリアクタンス素子3601が配置され、平衡型端子の他方3408と不平衡型端子3409との間に第2のリアクタンス素子3602が配置される構成として説明したが、これは、どちらか一方にリアクタンス素子が配置される構成であっても、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分がリアクタンス素子との並列共振を形成して、その共振周波数を通過帯域内に設定されていればバランス特性改善の効果は同様に得られる。
【0306】
また、図50に示されているように、第1のIDT電極3102を2分割して平衡性を実現しても構わない。さらに、この場合には、IDT電極の容量を小さくし、そのインピーダンスをより高くとることができる。
【0307】
(実施の形態13)
以下、本発明の実施の形態13の弾性表面波フィルタについて図面を参照にして説明する。図37に本発明の平衡型端子を有する縦モード型の弾性表面波フィルタの構成を示す。
【0308】
なお、第2のIDT電極3803は本発明の第1のIDT電極に対応し、第1のIDT電極3802は本発明の第2のIDT電極に対応し、第3のIDT電極3804は本発明の第3のIDT電極に対応する。また、第1の反射器電極3805、第2の反射器電極3806は、本発明の反射器電極に対応する。また、平衡端子の一方3807は本発明の第1の平衡型端子の一方に対応し、平衡端子の他方3808は本発明の第1の平衡型端子の他方に対応し、不平衡端子は3809は本発明の不平衡型端子に対応する。また、第1のリアクタンス素子3810、第2のリアクタンス素子3811は、本発明のリアクタンス素子に対応する。
【0309】
図37において、弾性表面波フィルタは、圧電基板3801上に、第1、第2、第3のIDT電極3802、3803、3804と第1、第2の反射器電極3805、3806とにより構成される。
【0310】
第2のIDT電極3803の一方の電極指は平衡型端子の一方3807に接続し、第3のIDT電極3804の一方の電極指は平衡型端子の他方3808に接続される。また、第1のIDT電極3802の一方の電極指は不平衡型端子の一方3807に接続される。さらに、第1のIDT電極の一方の電極指と第2、第3のIDT電極3803、3804の一方の電極指との間にはそれぞれ第1、第2のリアクタンス素子3810、3811を介して接続される。即ち、図37に示すように、平衡型端子の一方3807と不平衡型端子3809との間に第1のリアクタンス素子3810が配置され、平衡型端子の他方3808と不平衡型端子3809との間に第2のリアクタンス素子3811が配置される構成となる。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型端子を有する弾性表面波フィルタが得られる。
【0311】
以上の構成の弾性表面波フィルタにおいて、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分が第1、第2のリアクタンス素子3810、3811との並列共振を形成して、その共振周波数を通過帯域内に設定することにより、良好なバランス特性を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。また、本構成においては、第1のIDT電極3802の電極指本数よりも、第2、第3のIDT電極の電極指本数を少ない構成であるので、本実施の形態11〜12に比べて、平衡型端子側のインピーダンスを高く設定できる。
【0312】
なお、本実施の形態では弾性表面波フィルタを用いて説明したが、図38(A)〜(C)に示すように、少なくとも一つの平衡型端子を有するフィルタであれば、本実施の形態と同様の構成とすることにより、良好なバランス特性を有するフィルタが得られる(ただし、図38(A)と(B)とは電気的に等価であり、図38(B)に示されているようにリアクタンス素子3905′、3906′が並列に接続されてもよい)。
【0313】
たとえば、フィルタ3901において、不平衡型端子3902と平衡型端子の一方3903にリアクタンス素子3905を配置して、平衡型端子と不平衡型端子との間に生じる寄生成分とリアクタンス素子3905とにより並列共振の共振周波数が通過帯域内となるように設定することにより、良好なバランス特性が得られる。このようにして、図30に示されている弾性表面波フィルタと類似した構成が得られるが、リアクタンス素子3905が圧電基板上に形成されている必要はない。なお、不平衡型端子3902と不平衡型端子3109(図30参照)とが対応し、平衡型端子の一方3903と平衡型端子の一方3107(図30参照)とが対応し、平衡型端子の他方3904と平衡型端子の他方3108(図30参照)とが対応する。
【0314】
また、フィルタ3901において、不平衡型端子3902と平衡型端子の一方3903にリアクタンス素子3905′、3906′を配置して、平衡型端子と不平衡型端子との間に生じる寄生成分とリアクタンス素子3905′、3906′とにより並列共振の共振周波数が通過帯域内となるように設定することにより、良好なバランス特性が得られる。このようにして、図32に示されている弾性表面波フィルタと類似した構成が得られるが、リアクタンス素子3905′、3906′が圧電基板上に形成されている必要はない。
【0315】
また、フィルタ3901において、不平衡型端子3902と平衡型端子の一方3903にリアクタンス素子3905″を配置し、不平衡型端子3902と平衡型端子の他方3904にリアクタンス素子3906″を配置して、平衡型端子と不平衡型端子との間に生じる寄生成分とリアクタンス素子3905″、3906″とにより並列共振の共振周波数が通過帯域内となるように設定することにより、良好なバランス特性が得られる。このようにして、図35、37に示されている弾性表面波フィルタと類似した構成が得られるが、リアクタンス素子3905″、3906″が圧電基板上に形成されている必要はない。なお、不平衡型端子3902と不平衡型端子3409(図35参照)とが対応し、平衡型端子の一方3903と平衡型端子の一方3407(図35参照)とが対応し、平衡型端子の他方3904と平衡型端子の他方3408(図35参照)とが対応する。また、不平衡型端子3902と不平衡型端子3809(図37参照)とが対応し、平衡型端子の一方3903と平衡型端子の一方3807(図37参照)とが対応し、平衡型端子の他方3904と平衡型端子の他方3808(図37参照)とが対応する。
【0316】
なお、本実施の形態11〜13においては、不平衡−平衡型の弾性表面波フィルタに関して説明したが、これは平衡−平衡型の弾性表面波フィルタであっても、リアクタンス素子の接続の仕方が異なるだけであり、IDT電極間や空間的な結合等の寄生成分とリアクタンス素子との並列共振の共振周波数を通過帯域内に設定することにより、バランス特性改善の効果は同様に得られる。
【0317】
また、本実施の形態11〜13においては圧電基板としてLiTaO3を用いて説明したが、これはLiNbO3などの他の圧電基板でもよく、圧電基板の実効比誘電率が大きい程その効果は大きく、LiTaO3やLiNbO3などの実効比誘電率が40以上の圧電基板であれば十分な効果が得られる。
【0318】
また、本実施の形態11〜13においては、リアクタンス素子としてインダクタンスを用いて説明したが、これに限るものではなく、伝送回路等を組み合わせてもよく、即ち、端子間に生じる容量成分を通過帯域内において打ち消し合うような構成とすることにより、同様の改善効果が得られる。
【0319】
また、リアクタンス素子は、圧電基板上に形成されても、パッケージや実装基板に形成されても構わない。また、チップ部品であってもよい。
【0320】
また、本実施の形態では1段の弾性表面波フィルタについて説明したが、これは複数の弾性表面波フィルタを縦続に接続した構成であっても構わない。
【0321】
また、本実施の形態11〜13においては、3電極の縦モード型フィルタを用いて説明したが、これは2電極や4電極(図50参照)、5電極の縦モード型フィルタであっても、弾性表面波共振子を用いた梯子型や対称格子型のフィルタ構成であっても、同様に平衡型端子と他の端子との間にリアクタンス素子を配置する構成であれば、バランス特性に関して同様の効果が得られる。
【0322】
また、本発明にかかる実施の形態の、5電極構成を有する弾性表面波フィルタの構成図である図44に示されているように、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って配置されたIDT電極5001〜5005を備え、(1)IDT電極5001は、一方の櫛形電極が平衡型端子の一方5011に接続されており、他方の櫛形電極が平衡型端子の他方5012に接続されており、(2)IDT電極5002は、一方の櫛形電極が不平衡端子5020に接続されており、(3)IDT電極5103は、IDT電極5002の一方の櫛形電極とは相異なる側にある一方の櫛形電極が不平衡端子5020に接続されており、(4)IDT電極5104は、一方の櫛形電極が平衡型端子の一方5011に接続されており、他方の櫛形電極が平衡型端子の他方5012に接続されており、(5)IDT電極5105は、一方の櫛形電極が平衡型端子の一方5011に接続されており、他方の櫛形電極が平衡型端子の他方5012に接続されている弾性表面波フィルタは、本発明に含まれる。
【0323】
また、端子を接続するためのパッド電極は、IDT電極のバスバー電極と引き回し電極を介して接続されていてもよいし、IDT電極のバスバー電極と一体的に構成されていてもよい。
【0324】
より具体的には、本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィルタにおける、パッド電極のバスバー電極との接続に関する説明図(その1)である図45に示されているように、パッド電極5101がバスバー電極5201、5204と引き回し電極5301を介して接続され、パッド電極5102がバスバー電極5202と引き回し電極5302を介して接続され、パッド電極5103がバスバー電極5203と引き回し電極5303を介して接続されているような弾性表面波フィルタは、本発明に含まれる。また、本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィルタにおける、パッド電極のバスバー電極との接続に関する説明図(その2)である図46に示されているように、パッド電極5104がバスバー電極5202と一体的に構成され、パッド電極5105がバスバー電極5203と一体的に構成されているような弾性表面波フィルタは、本発明に含まれる。
【0325】
(実施の形態14)
以下、本発明の実施の形態14の通信機器について図面を参照にして説明する
。図39に示すのは、本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィルタ、または平衡型フィルタを用いた通信機器4001のブロック図である。
【0326】
図39において、送信回路から出力される送信信号は、送信増幅器4002、送信フィルタ4003、スイッチ4004を介してアンテナ4005より送信される。また、アンテナ4005より受信された受信信号は、スイッチ4004、受信フィルタ4006、受信増幅器4007を介して受信回路に入力される。ここで、送信増幅器4002は平衡型であり、スイッチ4004は不平衡型であるので、送信フィルタ4003は不平衡−平衡型端子を有する構成となる。また、受信増幅器4007は平衡型であり、スイッチ4004は不平衡型であるので、受信フィルタ4006は不平衡−平衡型端子を有する構成となる。
【0327】
本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィルタ、または平衡型フィルタを通信機器4001の送信フィルタ4003、または受信フィルタ4006に適用することにより、バランス特性の劣化による送信時の変調精度劣化を抑えることができ、また、バランス特性の劣化による受信時の感度劣化を抑えることができ、高性能な通信機器を実現することができる。
【0328】
なお、本実施の形態14において、送信フィルタ4003、受信フィルタ4006を不平衡−平衡型として説明したが、これはスイッチ4004が平衡型の場合には、送信フィルタ4003、受信フィルタ4006を平衡型とすればよい。この場合にも、送信フィルタ4003、受信フィルタ4006にリアクタンス素子を付加してバランス特性を改善することにより、高性能な通信機器を実現することができる。
【0329】
また、スイッチ4004が平衡型、送信増幅器4002、または受信増幅器4007が不平衡型の場合には、送信フィルタ4003、または受信フィルタ4006の平衡型と不平衡型の入出力端子を入れ替えることにより同様の効果が得られる。
【0330】
また、通信機器4001において、送信と受信とを切り換える手段としてスイッチ4004を用いて説明したが、これは共用器であっても構わない。
【0331】
また、本発明の弾性表面波フィルタや平衡型フィルタを用いた通信機器とは、携帯電話端末、PHS端末、自動車電話端末、携帯電話の無線基地局、無線により通信を行う無線装置などを含む。要するに本発明の通信機器とは、高周波信号を用いて通信を行う機器であって、その機器の機能を実現する回路の一部に本発明の弾性表面波フィルタが用いられている機器でありさえればよい。
【0332】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明は、より良好なフィルタ特性を有する弾性表面波フィルタ、平衡型フィルタ、および通信装置を提供することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における弾性表面波フィルタの構成図
【図2】(A)本発明の実施の形態1における弾性表面波フィルタの電極指配置図
(B)本発明の実施の形態1における、また別の弾性表面波フィルタの電極指配置図
【図3】本発明の実施の形態2における弾性表面波フィルタの構成図
【図4】(A)従来の弾性表面波フィルタの特性を説明するための説明図
(B)本発明の実施の形態2における弾性表面波フィルタの特性を説明するための説明図
【図5】本発明の実施の形態3における弾性表面波フィルタの構成図
【図6】本発明の実施の形態4における弾性表面波フィルタの構成図
【図7】本発明の実施の形態4における反射器電極の構成図
【図8】本発明の実施の形態5における弾性表面波フィルタの構成図
【図9】本発明の実施の形態5における弾性表面波フィルタの他の構成図
【図10】本発明の実施の形態6における弾性表面波フィルタの構成図
【図11】(A)本発明の実施の形態6における弾性表面波フィルタの電極指配置図
(B)本発明の実施の形態6における、また別の弾性表面波フィルタの電極指配置図
【図12】従来の弾性表面波フィルタの構成図
【図13】従来の弾性表面波フィルタの構造図
【図14】本発明の実施の形態7における弾性表面波フィルタの概略図
【図15】従来の弾性表面波フィルタのシミュレーション条件を示す図
【図16】(A)シミュレーションにより求められた従来の弾性表面波フィルタの周波数特性を示す図
(B)シミュレーションにより求められた従来の弾性表面波フィルタの振幅バランスを示す図
(C)シミュレーションにより求められた従来の弾性表面波フィルタの位相バランスを示す図
【図17】本発明の実施の形態7における弾性表面波フィルタのシミュレーション条件を示す図
【図18】(A)本発明の実施の形態7におけるシミュレーションにより求められた弾性表面波フィルタの周波数特性を示す図
(B)本発明の実施の形態7におけるシミュレーションにより求められた弾性表面波フィルタの振幅バランスを示す図
(C)本発明の実施の形態7におけるシミュレーションにより求められた弾性表面波フィルタの位相バランスを示す図
【図19】(A)本発明の実施の形態7における実験により求められた弾性表面波フィルタの周波数特性を示す図
(B)本発明の実施の形態7における実験により求められた弾性表面波フィルタの振幅バランスを示す図
(C)本発明の実施の形態7における実験により求められた弾性表面波フィルタの位相バランスを示す図
【図20】(A)実験により求められた従来の弾性表面波フィルタの周波数特性を示す図
(B)実験により求められた従来の弾性表面波フィルタの振幅バランスを示す図
(C)実験により求められた従来の弾性表面波フィルタの位相バランスを示す図
【図21】本発明の実施の形態7における各IDT電極の配置方法を説明する図
【図22】本発明の実施の形態7における別の弾性表面波フィルタの概略図
【図23】本発明の実施の形態8における弾性表面波フィルタの概略図
【図24】本発明の実施の形態8における別の弾性表面波フィルタの概略図
【図25】本発明の実施の形態9における弾性表面波フィルタの概略図
【図26】本発明の実施の形態10における弾性表面波フィルタの概略図
【図27】従来の弾性表面波フィルタの概略図
【図28】(A)引き回し配線の信号の位相が互いに同相の場合の従来の弾性表面波フィルタのシミュレーションによる周波数特性を示す図
(B)引き回し配線の信号の位相が互いに同相の場合の従来の弾性表面波フィルタのシミュレーションによる位相バランスを示す図
【図29】(A)本発明の実施の形態7における引き回し配線の信号の位相が互いに同相の場合の弾性表面波フィルタのシミュレーションによる周波数特性を示す図
(B)本発明の実施の形態7における引き回し配線の信号の位相が互いに同相の場合の弾性表面波フィルタのシミュレーションによる位相バランスを示す図
【図30】本発明の実施の形態11における弾性表面波フィルタの構成図
【図31】(A)本発明の実施の形態11における弾性表面波フィルタの通過特性を示す図
(B)本発明の実施の形態11における弾性表面波フィルタの振幅バランス特性を示す図
(C)本発明の実施の形態11における弾性表面波フィルタの位相バランス特性を示す図
【図32】本発明の実施の形態11における他の弾性表面波フィルタの構成図
【図33】本発明の実施の形態12における弾性表面波フィルタの構成図
【図34】(A)本発明の実施の形態12における弾性表面波フィルタの通過特性を示す図
(B)本発明の実施の形態12における弾性表面波フィルタの振幅バランス特性を示す図
(C)本発明の実施の形態12における弾性表面波フィルタの位相バランス特性を示す図
【図35】本発明の実施の形態12における他の弾性表面波フィルタの特性図
【図36】(A)本発明の実施の形態12における他の弾性表面波フィルタの通過特性を示す図
(B)本発明の実施の形態12における他の弾性表面波フィルタの振幅バランス特性を示す図
(C)本発明の実施の形態12における他の弾性表面波フィルタの位相バランス特性を示す図
【図37】本発明の実施の形態13における弾性表面波フィルタの構成図
【図38】(A)本発明の実施の形態における弾性表面波フィルタへのリアクタンス素子の付加に関する説明図(その1)
(B)本発明の実施の形態における弾性表面波フィルタへのリアクタンス素子の付加に関する説明図(その2)
(C)本発明の実施の形態における弾性表面波フィルタへのリアクタンス素子の付加に関する説明図(その3)
【図39】本発明の実施の形態14における通信機器の構成を示すブロック図
【図40】従来の弾性表面波フィルタの構成図
【図41】(A)従来の弾性表面波フィルタの通過特性を示す図
(B)従来の弾性表面波フィルタの振幅バランス特性を示す図
(C)従来の弾性表面波フィルタの位相バランス特性を示す図
【図42】寄生成分を考慮した場合の弾性表面波フィルタの構成図
【図43】弾性表面波フィルタの振幅、及び位相バランス特性を示す図
【図44】本発明にかかる実施の形態の、5電極構成を有する弾性表面波フィルタの構成図
【図45】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィルタにおける、パッド電極のバスバー電極との接続に関する説明図(その1)
【図46】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィルタにおける、パッド電極のバスバー電極との接続に関する説明図(その2)
【図47】従来の弾性表面波フィルタのシミュレーションモデルの振幅バランス特性および位相バランス特性に関する説明図
【図48】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィルタのシミュレーションモデルの説明図
【図49】本発明にかかる実施の形態の弾性表面波フィルタのシミュレーションモデルの振幅バランス特性および位相バランス特性に関する説明図
【図50】本発明の実施の形態における弾性表面波フィルタの構成図
【符号の説明】
101 圧電基板
102 第1のIDT電極
102a 第1のIDT電極の上部電極
102b 第1のIDT電極の下部電極
103 第2のIDT電極
103a 第2のIDT電極の上部電極
103b 第2のIDT電極の下部電極
104 第3のIDT電極
104a 第3のIDT電極の上部電極
104b 第3のIDT電極の下部電極
105 第1の反射器電極
106 第2の反射器電極
107 平衡型端子の一方
108 平衡型端子の他方
109 不平衡型端子

Claims (46)

  1. 圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極からそれぞれ構成されている、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って配置された少なくとも第1から第3のIDT電極と、
    前記第1のIDT電極を基準にして前記第2のIDT電極側にある第1の反射器電極と、
    前記第1のIDT電極を基準にして前記第3のIDT電極側にある第2の反射器電極とを備え、
    前記少なくとも第1から第3のIDT電極は、前記第1の反射器電極と前記第2の反射器電極との間に配置されており、
    前記第1から第3のIDT電極の内、(1)両側に他のIDT電極が配置された前記第1のIDT電極は、一方の櫛形電極が第1の平衡型端子の一方に接続されており、他方の櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に接続されており、(2)前記他のIDT電極の内の前記第2のIDT電極は、一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され、(3)前記他のIDT電極の内の前記第3のIDT電極は、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極とは相異なる側にある一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され、(4)前記第2のIDT電極と前記第1の反射器電極が電気的に接続され、かつ、前記第3のIDT電極と前記第2の反射器電極が電気的に接続され、(5)前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに接続され不平衡端子に接続されている弾性表面波フィルタ。
  2. 前記第2のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、
    前記第3のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 前記第2のIDT電極の前記一方の櫛形電極は、第2の平衡型端子の一方に接続されており、
    前記第3のIDT電極の前記一方の櫛形電極は、前記第2の平衡型端子の一方に接続されている請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 前記第1および第2の反射器電極は、接地されており、
    前記第2のIDT電極の他方の電極は、前記第1の反射器電極と接続されることによって接地されており、
    前記第3のIDT電極の他方の電極は、前記第2の反射器電極と接続されることによって接地されている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  5. 前記第1および第2の反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、
    前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の反射器電極と接続されることによって前記不平衡型端子に接続されており、
    前記第3のIDT電極の一方の電極は、前記第2の反射器電極と接続されることによって前記不平衡型端子に接続されている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  6. 前記第1および/または前記第2の反射器電極は、少なくとも2つの分割反射器電極に分割されている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  7. 前記少なくとも2つの分割反射器電極の内の、前記第2および/または前記第3のIDT電極に近接する方の分割反射器電極は、直接接地されているかまたは他の前記分割反射器電極を介して接地されている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  8. (1)前記第1の反射器電極が分割され、前記第2のIDT電極の前記他方の電極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されている分割反射器電極に接続されることによって接地されており、
    (2)前記第2の反射器電極が分割され、前記第3のIDT電極の前記他方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されている分割反射器電極に接続されることによって接地されている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  9. (1)前記第1の反射器電極が分割され、前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されていない分割反射器電極に接続されており、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、
    (2)前記第2の反射器電極が分割され、前記第3のIDT電極の一方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の接地されていない分割反射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  10. (1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極の電極指ピッチが互いに異なっており、
    (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極の電極指ピッチが互いに異なっている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  11. (1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極のメタライゼーションレシオが互いに異なっており、
    (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の少なくとも2つの分割反射器電極のメタライゼーションレシオが互いに異なっている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  12. (1)前記第1の反射器電極が少なくとも3つの前記分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の互いに隣接する2つの分割反射器電極の間の間隔が全て同じではなく、
    (2)前記第2の反射器電極が少なくとも3つの前記分割反射器電極に分割され、その分割反射器電極の内の互いに隣接する2つの分割反射器電極の間の間隔が全て同じではない請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  13. 前記分割反射器電極への分割は、前記第1から第3のIDT電極が配置されている方向と直交する方向で行われている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  14. (1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2のIDT電極の一方の電極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されており、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されており、
    (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極の一方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、前記不平衡型端子に接続されている請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  15. (1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2のIDT電極の他方の電極は、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されており、その第2のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、接地されており、
    (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極の他方の電極は、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極に接続されており、その第3のIDT電極の一方の電極が接続されている前記分割反射器電極は、接地されている請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  16. (1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第1の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電極は、前記第1から第3のIDT電極が配置されている方向と直交する方向でさらに2つ以上の横分割反射器電極に分割されており、
    (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2の反射器電極を構成する前記分割反射器電極の内の前記第3のIDT電極に近接する分割反射器電極は、前記第1から第3のIDT電極が配置されている方向と直交する方向でさらに2つ以上の横分割反射器電極に分割されている請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  17. (1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、前記不平衡型端子に接続されており、
    (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、前記不平衡型端子に接続されている請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  18. (1)前記第1の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第2のIDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、接地されており、
    (2)前記第2の反射器電極が前記少なくとも2つの分割反射器電極に分割され、前記第3のIDT電極に近接する分割反射器電極がさらに前記2つ以上の横分割反射器電極に分割されている場合、その横分割反射器電極の内の何れかは、接地されている請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  19. 前記不平衡型端子には、単数または複数の弾性表面波共振器が直列および/または並列に接続されている請求項記載の弾性表面波フィルタ。
  20. 不平衡型から平衡型または平衡型から不平衡型への変換機能を有する請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  21. 圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極からそれぞれ構成されている、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って配置された少なくとも第1から第3のIDT電極を備え、
    前記第1から第3のIDT電極の内、(1)両側に他のIDT電極が配置された前記第1のIDT電極は、一方の櫛形電極が第1の平衡型端子の一方に接続されており、他方の櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に接続されており、(2)前記他のIDT電極の内の前記第2のIDT電極は、一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され、(3)前記他のIDT電極の内の前記第3のIDT電極は、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極とは相異なる側にある一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力され、
    前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極からそれぞれ構成されている、前記弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された、(4)両側に他のIDT電極が配置された第4のIDT電極と、(5)前記他のIDT電極の内の一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力される第5のIDT電極と、(6)前記他のIDT電極の内の一方の櫛形電極が引き回し配線を介して信号が入力または出力される前記第5のIDT電極とは相異なる側にある第6のIDT電極とを有する第1のフィルタトラックと、
    前記第1のIDT電極と、前記第2のIDT電極と、前記第3のIDT電極とを有する第2のフィルタトラックとを備え、
    前記第1のフィルタトラックと前記第2のフィルタトラックとは、縦続に接続されており、
    前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに接続されており、
    前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線と、前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための前記引き回し配線とは、互いに接続されている弾性表面波フィルタ。
  22. 前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極と前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極とは、相等しい側にある請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  23. 前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極と前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極とは、相異なる側にある請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  24. 前記第4のIDT電極の一方の櫛形電極は、不平衡型端子に接続されている請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  25. 前記第4のIDT電極の一方の櫛形電極は、前記第2のフィルタトラックとは反対側に配置されている請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  26. 前記第2のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、
    前記第3のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、
    前記第5のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されており、
    前記第6のIDT電極の他方の櫛形電極は、接地されている請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  27. (1)前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して行われる信号の入力または出力の位相と、(2)前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して行われる信号の入力または出力の位相とは、実質上互いに逆相である請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  28. (1)前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配線と、前記第5のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配線とを接続するための配線のリアクタンス成分と、(2)前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配線と、前記第6のIDT電極の一方の櫛形電極に対して信号の入力または出力を行うための引き回し配線とを接続するための配線のリアクタンス成分とは、実質上互いに等しい請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  29. 前記第4のIDT電極の一方の櫛形電極は、第2の平衡型端子の一方に接続されており、
    前記第4のIDT電極の他方の櫛形電極は、前記第2の平衡型端子の他方に接続されている請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  30. 前記第1のIDT電極を基準にして前記第2のIDT電極側にある第1の反射器電極と、
    前記第1のIDT電極を基準にして前記第3のIDT電極側にある第2の反射器電極
    と、
    前記第4のIDT電極を基準にして前記第5のIDT電極側にある第3の反射器電極
    と、
    前記第4のIDT電極を基準にして前記第6のIDT電極側にある第4の反射器電極とを備え、
    前記少なくとも第1から第3のIDT電極は、前記第1の反射器電極と前記第2の反射器電極との間に配置されており、
    前記少なくとも第4から第6のIDT電極は、前記第3の反射器電極と前記第4の反射器電極との間に配置されている請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  31. 前記第1から第6のIDT電極の内の少なくとも1個のIDT電極は、複数の分割IDT電極に分割されており、
    前記複数の分割IDT電極の櫛形電極の内の一方の側に配置されている櫛形電極の全部または一部は、互いに電気的に接続されており、
    前記複数の分割IDT電極の櫛形電極の内の他方の側に配置されている櫛形電極の全部または一部は、互いに電気的に接続されている請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  32. 前記第1から第6のIDT電極の内の少なくとも1個のIDT電極は、2個または3個の分割IDT電極に分割されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  33. 前記一対の対向する櫛型電極の互いに隣り合う電極指同士の中心距離は、弾性表面波フィルタの中心周波数λに対して実質上0.9×λ/2
    から1.1×λ/2までの範囲の値を有する請求項2記載の弾性表面波フィルタ。
  34. 圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が第1の平衡型端子の一方に接続される第1のIDT電極と、
    前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が第2の平衡端子の一方または不平衡型端子に接続される第2のIDT電極とを備え、
    前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極と、前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極との間には、リアクタンス素子が接続されている弾性表面波フィルタ。
  35. 前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記不平衡型端子に接続される第3のIDT電極をさらに備え、
    前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前記第2、第3のIDT電極が前記第1のIDT電極の相異なる側に存するよう配置され、
    前記第1のIDT電極の他方の櫛形電極は、前記第1の平衡端子の他方に接続されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  36. 前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極と、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極との間には、リアクタンス素子が接続されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  37. 前記第2のIDT電極の一方の櫛形電極と前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極とは、前記弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って配置された第1から第3のIDT電極から見て相異なる側にある請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  38. 前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記第1の平衡型端子の他方に接続される第3のIDT電極をさらに備え、
    前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前記第1、第3のIDT電極が前記第2のIDT電極の相異なる側に存するよう配置されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  39. 前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極と、前記第3のIDT電極の一方の櫛形電極との間には、リアクタンス素子が接続されている請求項38記載の弾性表面波フィルタ。
  40. (1)前記第1のIDT電極と、前記第1のIDT電極がその間に配置された二つの反射器電極とを有する第1の弾性表面波共振子と、(2)前記第2のIDT電極と、前記第2のIDT電極がその間に配置された二つの反射器電極とを有する第2の弾性表面波共振子とを備え、
    前記第1の弾性表面波共振子と前記第2の弾性表面波共振子とは、梯子型に接続されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  41. 前記不平衡型端子と前記平衡型端子との間に存在する寄生成分と前記リアクタンス素子とによって、共振周波数が通過帯域内に設定された並列共振回路が形成されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  42. 前記リアクタンス素子は、インダクタンスである請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  43. 前記圧電基板は、40以上の実効比誘電率を有する請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  44. 前記圧電基板は、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムを利用して構成されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  45. 送信および/または受信を行う送信・受信手段と、
    前記送信に利用されるべき送信信号および/または前記受信に利用されるべき受信信号に対してフィルタリングを行う、請求項1または3記載の弾性表面波フィルタとを備えた通信装置。
  46. 前記圧電基板上に配置された一対の対向する櫛形電極から構成された、一方の櫛形電極が前記不平衡型端子に接続される第3のIDT電極をさらに備え、
    前記第1から第3のIDT電極は、弾性表面波の伝搬方向に実質的に沿って、前記第2、第3のIDT電極が前記第1のIDT電極の相異なる側に存するよう配置され、
    前記第1のIDT電極の一方の櫛形電極は、第1の分割櫛形電極と第2の分割櫛形電極に分割されており、
    前記第1の分割櫛形電極は、前記第1の平衡型端子の一方に接続され、
    前記第2の分割櫛形電極は、前記第1の平衡型端子の他方に接続されている請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
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