JPWO2007049754A1 - 弾性表面波装置および通信装置 - Google Patents

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Abstract

表面弾性波装置における、通過帯域内の微小リップルの発生抑制、挿入損失改善、平衡度の向上を実現する。弾性表面波共振子(16)に並列接続された第1と第2の弾性表面波素子(14,15)はそれぞれ、圧電基板(1)上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された複数の電極指を備える3個以上の奇数個のIDT(2−4、5−7)と、該IDT列の両端に配置された複数の電極指を備える反射器(8、20、21、10)とを備えるとともに、それぞれのIDTおよび反射器に備わる全ての電極指のうち、異なるIDTまたは反射器が隣に位置する電極指の極性が、それぞれの中央のIDTを中心にして対称的な配置とされてなる。

Description

本発明は、例えば携帯電話等の移動体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタや弾性表面波共振器等の弾性表面波装置及びこれを備えた通信装置に関するものである。
従来、携帯電話や自動車電話等の移動体通信機器のRF(無線周波数)段に用いられる周波数選択フィルタ(以下、フィルタともいう)として、弾性表面波フィルタが広く用いられている。一般に、周波数選択フィルタに求められる特性としては、広通過帯域、低損失、高減衰量等の諸特性が挙げられる。近年、特に移動体通信機器における受信感度の向上、低消費電力化のために、さらに弾性表面波フィルタに対する低挿入損失化の要求が高まっている。また、近年、移動体通信機器において、小型化のために、アンテナが従来のホイップアンテナから誘電体セラミックス等を用いた内蔵アンテナに移行してきている。そのため、アンテナのゲインを充分に得ることが難しくなり、この点からも、弾性表面波フィルタの挿入損失をさらに改善させる要求が増大している。
このような広通過帯域化、低挿入損失化を実現するために、例えば、圧電基板上に3つのIDT(Inter Digital Transducer)を設け、縦1次モードと縦3次モードを利用した二重モード弾性表面波共振器フィルタが提案されている。
特に、隣り合うIDTの端部に電極指の狭ピッチ部を設けることによりIDT間におけるバルク波の放射損を低減して共振モードの状態を制御し、これによって広通過帯域化及び低挿入損失化が図られていた(例えば、特開2002−9587号公報参照)。
また、近年、移動体通信機器等の小型化、軽量化及び低コスト化のために、使用部品の削減が進められ、弾性表面波フィルタに新たな機能の付加が要求されてきている。その1つに、不平衡入力−平衡出力型または平衡入力−不平衡出力型に構成できるようにするといった要求がある。ここで、平衡入力または平衡出力とは、信号が2つの信号線路間の電位差として入力または出力するものをいい、各信号線路の信号は振幅が等しく、位相が逆相になっている。これに対して、不平衡入力または不平衡出力とは、信号がグランド電位に対する1本の線路の電位として入力または出力するものをいう。
従来の弾性表面波フィルタは、一般的に不平衡入力−不平衡出力型弾性表面波フィルタ(以下、不平衡型弾性表面波フィルタという)であるため、弾性表面波フィルタの後段に接続される回路や電子部品が平衡入力型となっている場合は、弾性表面波フィルタと後段の回路等との間に、不平衡−平衡変換器(以下、バランともいう)を挿入した回路構成を採っていた。同様に弾性表面波フィルタ前段の回路や電子部品が平衡出力型となっている場合は、前段の回路等と弾性表面波フィルタとの間にバランを挿入した回路構成となっていた。
現在、バランを削除するために、弾性表面波フィルタに不平衡−平衡変換機能または平衡−不平衡変換機能を持たせた、不平衡入力−平衡出力型弾性表面波フィルタまたは平衡入力−不平衡出力型弾性表面波フィルタ(以下、平衡型弾性表面波フィルタという)の実用化が進められている。不平衡−平衡変換機能の要求を満たすため、縦結合型二重モードフィルタが多く用いられている。また、RF用フィルタとしては、一方の接続端子が不平衡接続であって入出力インピーダンスが50Ωに整合し、他方が平衡接続であって入出力インピーダンスが100〜200Ωに整合するものが、要求されることが多い。
図17は、従来の平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタである弾性表面波装置1000の電極構造を模式的に示す平面図である。弾性表面波装置1000においては、圧電基板1001上に、弾性表面波素子1012と弾性表面波素子1013とが配置されてなる。弾性表面波素子1012は、3個のIDT1002、1003、および1004と、それらの両側に配置された反射器1008および1009から構成されている。弾性表面波素子1013は、3個のIDT1005、1006、および1007と、それらの両側に配置された反射器1010および1011から構成されている。
弾性表面波素子1012と弾性表面波素子1013とは、不平衡信号端子1014に対し並列に接続されている。IDT1002、1004、1005、および1007は、それぞれ、一対の互いに対向させた櫛歯状電極に電界を加えられることで、弾性表面波を励振させる。励振された弾性表面波は弾性表面波素子1012の中央のIDT1003および弾性表面波素子1013のIDT1006に伝搬する。また、IDT1003の位相は、IDT1006の位相に対して180°異なった逆相となっており、最終的には、IDT1003および1006の一方の櫛歯状電極から、平衡出力信号端子1015および1016へ信号が伝わり平衡出力される。このような構造により、平衡−不平衡変換機能を実現している。
また、図18は、別の従来の弾性表面波装置2000の電極構造を模式的に示す平面図である。図18に示すように、弾性表面波装置2000においては、両側を反射器2010,2011に挟まれた3個のIDT2002,2003,および2004を有する1段目(図面視上段側)の縦結合二重モードフィルタのうち、中央のIDT2003に不平衡端子2021が接続されてなり、その両側のIDT2002および2004がそれぞれ2段目のIDT2005および2007に縦続接続されてなる。さらに、2段目(図面視下段側)の中央のIDT2006は2分割されてなり、逆位相にして平衡信号端子2022および2023に接続されてなる。これにより、平衡−不平衡変換機能を実現がされてなる(例えば、特開平11−97966号公報参照)。
また、従来の縦結合二重モードフィルタを用いた共振器型の弾性表面波フィルタとして、弾性表面波の伝搬方向に3個並んだIDTの内、中央に配置されたIDTの電極指を偶数対にするとともに、隣り合う電極指の極性を反転することにより振幅及び位相の平衡度の改善を図ろうとする構造が提案されている(例えば、特開2002−84164号公報参照)。なお、振幅と位相の平衡度については、信号が2つの信号線路間の電位差として入力または出力する場合に、各信号線路の信号の振幅の大きさが等しいほど振幅の平衡度が優れており、また、各信号の位相の差が180°に等しいほど位相の平衡度が優れているといえる。
図17に示すような従来の弾性表面波フィルタを用いることにより、不平衡−平衡変換機能を実現することができる。しかしながら、係る弾性表面波フィルタにおいては、隣り合うIDT間で互いに隣接する電極指の極性の選択により(それぞれの電極指の極性の組合せによっては)、フィルタ特性(周波数特性)をみた場合に、通過帯域内に微小リップルが発生して挿入損失が劣化するという問題点があった。図19はこうした従来の弾性表面波フィルタの通過帯域近傍の周波数特性を例示する図である。図19においては、矢印部に、係る微小リップルが確認される。
また、従来、通過帯域外で高減衰量化された弾性表面波フィルタを実現する手段として、弾性表面波の伝搬方向に沿って3個のIDTを近接配置するとともにその両側に反射器を配設した縦結合弾性表面波素子を複数段縦続接続させて、弾性表面波フィルタを構成する方法が広く用いられている。この構成を用いると、通過帯域外減衰量を大きくすることができるが、通過帯域内の挿入損失は劣化する。そのため、通過帯域幅の広い弾性表面波フィルタをこの構成により得ようとすると、要求される挿入損失は十分に実現されなかった。
特開2002−9587号公報に開示されている弾性表面波装置のように、IDTの端部に狭ピッチ部を設けると、弾性表面波が結合した状態で電極指ピッチが異なる部分が存在するため、通過帯域におけるフィルタ特性のリップルが大きくなり、肩特性が劣化する。そのため、通過帯域におけるフィルタ特性の平坦性が得られない。また、IDTの端部に狭ピッチ部を設けるだけでは、弾性表面波の励振に利用できる基本的な共振モードの数が縦1次モードと縦3次モードに限定され、他の共振モードが利用できないので、設計の自由度が小さくなっていた。そのため、通過帯域におけるフィルタ特性の平坦性を向上させ、広通過帯域化しつつ、挿入損失を改善させるには不充分であった。
一方、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタにおいては、通過帯域内での振幅と位相の平衡度の向上が求められている。例えば、複数個並設したIDTの弾性表面波伝搬路の両端に弾性表面波を効率よく共振させるための反射器が設けられた共振器型電極パターンにおいて、通過帯域内での振幅と位相の平衡度の向上が求められている。
特開2002−9587号公報には、2段構成で2段目の中央のIDTに平衡出(入)力端子を接続した弾性表面波装置が開示されているが、位相を逆相にするため中央のIDTの両側に位置するIDTのピッチ等の構造を変えた構造や、中央のIDTとその両側のIDTとの距離を変えた構造を採用しているので、平衡度が劣化する問題があった。
また、図18に示す、特開平11−97966号公報に開示されている従来の共振器型弾性表面波装置2000では、IDT2003と2006との間で、対向する櫛歯状電極の電極本数、配置された位置、隣り合うIDT間で互いに隣接する電極指の極性、および、寄生容量を発生させる要因となる周辺の電極パターン等の構造が互いに異なる。これにより、平衡出力信号端子2022および2023に伝わる信号の振幅が互いに異なり、また、位相が逆相からずれてしまうため、共振器型弾性表面波フィルタ2000では平衡度は十分ではなかった。
さらには、特開2002−84164号公報に開示されている弾性表面波フィルタでは、中央のIDTの最外側電極指の極性と、隣接するIDTの最外側電極指の極性とが左右で異なるので、各平衡信号端子に形成される寄生容量が異なり、必ずしも平衡度が十分に改善されてはいなかった。
本発明は、上述した従来の諸問題に鑑み提案されたものであり、その目的は、通過帯域におけるフィルタ特性の微小リップルの発生を抑制することによる挿入損失の改善と、振幅平衡度の改善とが実現されてなり、高品質な平衡型弾性表面波フィルタとしても機能できる、不平衡−平衡変換機能を有する平衡型の弾性表面波装置、及びこれを用いた通信装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の態様に係る弾性表面波装置は、不平衡−平衡変換機能を有する弾性表面波装置であって、圧電基板上に、不平衡入出力端子が接続された弾性表面波共振子と前記弾性表面波共振子を介して互いに並列接続されてなる第1と第2の弾性表面波素子とを形成してなり、前記第1と第2の弾性表面波素子はそれぞれ、前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って配置され、長手方向が前記伝搬方向と直交する複数の電極指を備える3個以上の奇数個のIDTと、前記奇数個のIDTからなるIDT列の両端に配置され、長手方向が前記伝搬方向と直交する複数の電極指を備える第1の反射器と、を備えるとともに、前記第1と第2の弾性表面波素子は、前記奇数個のIDTのうちの中央のIDTに平衡入出力端子が接続されてなり、それぞれの前記奇数個のIDTおよび前記第1の反射器に備わる電極指のうち、異なる前記IDTまたは前記第1の反射器が隣接する電極指の極性が、前記第1または第2の弾性表面波素子の前記中央のIDTを中心にして対称的な配置とされてなるようにした。
第1の態様によれば、励振された弾性表面波の高次モードの分布が対称となり、また、弾性表面波の励振フィールドが対称になり、さらに、励振電極及び反射器電極の反射係数が小さくなることがなく反射特性が良好となり、励振効率が劣化することがないために、局所的な微小リップルの発生を抑制することができる。
また、平衡入力部または平衡出力部となる第1と第2の弾性表面波素子が不平衡入出力端子が接続された弾性表面波共振子を介して並列接続された構造を有しているので、インピーダンス整合を容易に取ることができる。
第2の態様に係る弾性表面波装置は、第1の態様に係る弾性表面波装置であって、前記奇数個のIDTのうち前記伝搬方向において隣り合うIDTの間に、長手方向が前記伝搬方向と直交する複数の電極指から成る第2の反射器がさらに配設されてなるようにした。
第2の態様によれば、信号端子に接続された電極指の間に電極指が介在させることで、弾性表面波の伝搬経路の距離を調整することができ、第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子との弾性表面波の振幅の差を少なくすることができ、良好な振幅平衡度特性を得ることができる。
第3の態様に係る弾性表面波装置は、第2の態様に係る弾性表面波装置であって、前記第2の反射器が接地されてなるようにした。
第3の態様によれば、第2の態様よりも効果的に弾性表面波の振幅が減衰するので、第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子との間の弾性表面波の振幅の差をより少なくすることができ、さらに良好な振幅平衡度特性を得ることができる。
第4の態様に係る弾性表面波装置は、第2の態様に係る弾性表面波装置であって、前記第1と第2の弾性表面波素子においては、前記伝搬方向に沿って電極指ピッチが変動する第1の部分と、前記電極指ピッチが一定である第2の部分と、が存在し、前記第1と第2の部分とは、前記第1の部分における電極指ピッチの平均値は前記第2の部分の電極指ピッチよりも短く、前記第1の部分の電極指ピッチが隣り合う2つのIDTの境界に向かって短くなり、前記第2の反射器の電極指ピッチは前記第2の部分の電極指ピッチより短い、という構成とした。
第4の態様によれば、IDTが隣り合う箇所においてIDTの電極指が占める圧電基板1の面積が調整されてなり、これにより、弾性表面波のバルク波への放射損が防止されてなる。加えて、縦1次モードと縦3次モードとそれらの高調波モード間の周波数も調整されているので、通過帯域内の微小リップルの発生の抑制と、良好な振幅平衡度特性とが実現されてなる。すなわち、広通過帯域かつ低挿入損失である良好な電気特性を持つ弾性表面波装置が実現される。
第5の態様に係る弾性表面波装置は、第4の態様に係る弾性表面波装置であって、前記第1と第2の弾性表面波素子においては、前記奇数個のIDTのうち前記中央のIDT以外のIDTにおける電極指ピッチに極大値が存在することにより、前記第1の部分において前記第2の部分における電極指ピッチよりも電極指ピッチが大きい部分が存在するようにした。
第5の態様によれば、通過帯域における共振ピーク位置が最適となるように電極指を配置することで、広帯域化しつつ平坦性及び挿入損失が改善されたフィルタ特性を実現することができる。
第6の態様に係る弾性表面波装置は、第1の態様に係る弾性表面波装置であって、前記第1の弾性表面波素子の前記第1の反射器のうちの1つと前記第2の弾性表面波素子の第1の反射器のうちの1つとが、一の反射器からなるようにした。
第6の態様によれば、第1の弾性表面波素子および第2の弾性表面波素子で励振された弾性表面波の位相を、一体的に形成された反射器においてプラス側、マイナス側でそれぞれ打ち消し合うので、反射特性が良好になる。これにより、通過帯域内の微小リップルの発生をさらに抑制することができる。
第7の態様に係る弾性表面波装置は、第1の態様に係る弾性表面波装置であって、前記第1と第2の弾性表面波素子の、前記中央のIDTにおける前記平衡入出力端子に接続されている電極指の本数が互いに同じであるようにした。
第7の態様によれば、第1と第2の弾性表面波素子の中央のIDTのインピーダンスが異なることがなく、また、一方の弾性表面波素子(例えば第1の弾性表面波素子)の中央のIDTが他方の弾性表面波素子(例えば第2の弾性表面波素子)の中央のIDTよりも容量が大きいために位相の遅れが発生して、位相平衡度特性がプラス側またはマイナス側に片寄るようなことがなく、良好な位相平衡度特性を得ることができる。
第8の態様に係る弾性表面波装置は、第1の態様に係る弾性表面波装置であって、前記第1と第2の弾性表面波素子の、前記中央のIDTにおける電極指の本数が奇数であるようにした。
第8の態様によれば、第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子とがそれぞれ、異なるIDTまたは反射器が隣に位置する電極指の極性が、それぞれの中央のIDTを中心にして対称となるように、構成されることになるので、弾性表面波装置において、励振された弾性表面波の高次モードの分布が対称となり、また、弾性表面波の励振フィールドが対称になり、さらに、励振電極及び反射器電極の反射係数が小さくなることがなく反射特性が良好となり、励振効率が劣化することがないために、局所的な微小リップルの発生を抑制することができる。
第9の態様に係る通信装置は、第1の態様に係る弾性表面波装置を、受信回路あるいは送信回路の少なくとも一方に備えるようにした。
第9の態様によれば、厳しい挿入損失に対する従来からの厳しい要求を満たし、消費電力が低減され、かつ感度が格段に良好な通信装置が実現される。
第10の態様に係る通信装置は、第9の態様に係る通信装置であって、送信信号を搬送波信号に重畳させてアンテナ送信信号とするミキサと、前記アンテナ送信信号の不要信号を減衰させるバンドパスフィルタと、前記アンテナ送信信号を増幅するとともに増幅された前記アンテナ送信信号をデュプレクサを介してアンテナへ出力するパワーアンプと、を具備する送信回路を備え、前記バンドパスフィルタが前記弾性表面波装置により構成されてなるようにした。
第11の態様に係る通信装置は、第9の態様に係る通信装置であって、アンテナで受信されデュプレクサを通ったアンテナ受信信号を増幅するローノイズアンプと、増幅された前記アンテナ受信信号の不要信号を減衰させるバンドパスフィルタと、前記アンテナ受信信号の搬送波信号から受信信号を分離するミキサと、を具備する受信回路を備え、前記バンドパスフィルタが前記弾性表面波装置により構成されてなるようにした。
第1の実施の形態に係る弾性表面波装置100の電極構造を模式的に示す平面図である。 第2の実施の形態に係る弾性表面波装置200の電極構造を模式的に示す平面図である。 第3の実施の形態に係る弾性表面波装置300の電極構造を模式的に示す平面図である。 第4の実施の形態に係る弾性表面波装置400の電極構造を模式的に示す平面図である。 第5の実施の形態に係る弾性表面波装置500の電極構造を説明するための図であり、(a)は(b)の弾性表面波装置500のIDTの電極指ピッチの分布を示す図であり、(b)は弾性表面波装置500の電極構造を模式的に示す平面図である。 第6の実施の形態に係る弾性表面波装置600の電極構造を説明するための図であり、(a)は(b)の弾性表面波装置600のIDTの電極指ピッチの分布を示す図であり、(b)は弾性表面波装置600の電極構造を模式的に示す平面図であり、(c)は弾性表面波装置600の要部を拡大した平面図である。 第7の実施の形態に係る弾性表面波装置700の電極構造を模式的に示す平面図である。 比較例1−1に係る弾性表面波装置800の電極構造を模式的に示す平面図である。 実施例1および比較例1−1に係る弾性表面波装置の通過帯域近傍の周波数特性を示す図であり、(a)は実施例1の図、(b)は比較例1−1の図である。 実施例1および比較例1−2に係る弾性表面波装置の通過帯域近傍の位相平衡度を示す図であり、(a)は実施例1の図、(b)は比較例1−2の図である。 実施例3に係る弾性表面波装置の通過帯域近傍の周波数特性を示す図である。 実施例3に係る弾性表面波装置の通過帯域近傍の平衡度を示す図であり、(a)は実施例3の振幅平衡度の図、(b)は実施例3の位相平衡度の図である。 比較例2に係る弾性表面波装置の電極指ピッチの変化を示す図である。 実施例4−1と比較例2の通過帯域近傍の周波数特性を示す図である。 実施例4−2と比較例2の通過帯域近傍の周波数特性を示す図である。 IDTが隣り合う場所において、信号端子に接続された電極指の間に存在する電極指の本数、IDTもしくは第2の反射器の電極指の本数と、振幅強度との関係を示す図である。 従来の弾性表面波装置1000の電極構造を模式的に示す平面図である。 従来の弾性表面波装置2000の電極構造を模式的に示す平面図である。 従来の弾性表面波フィルタの通過帯域近傍の周波数特性を例示する図である。 バンドパスフィルタを有する高周波回路のブロック回路図である。
以下、本発明の弾性表面波装置の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。それぞれの実施の形態においては、簡単な構造の共振器型の弾性表面波フィルタを例にとり説明する。なお、以下に説明する図面において同一の構成要素には同一符号を付すものとする。また、各電極の大きさや電極間の距離等、電極指の本数や間隔等については、説明のために模式的に図示している。また、各実施の形態に係るIDT,反射器、さらには弾性表面波共振子16の電極指の本数は、数本〜数100本にも及ぶので、簡単のため、各図においてはそれらの形状を簡略化して図示している。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る弾性表面波装置100の電極構造を模式的に示す平面図である。図1に示すように、弾性表面波装置100においては、圧電基板1の上に、第1の弾性表面波素子14と第2の弾性表面波素子15とが形成されてなる。第1の弾性表面波素子14は、圧電基板1の表面を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って配置された3個のIDT2、3、および4と、これら3個のIDT2、3、および4からなるIDT列の両端に配置された反射器8および20とからなる。第2の弾性表面波素子15は、該伝搬方向に沿って配置された3個のIDT5、6、および7と、これら3個のIDT5、6、および7からなるIDT列の両端に配置された反射器21および10とからなる。より具体的には、図1に示すように、図面視左側より、反射器8、IDT2、3、および4、反射器20および21、IDT5、6、および7、反射器10の順に該伝搬方向に沿って一列に配置されてなる。また、IDT2ないし7、および反射器、8、10、20、および21はいずれも、該伝搬方向の直交する方向に長い(長手方向が該伝搬方向と直交する)複数の電極指を備える櫛歯状の電極である。また、第1の弾性表面波素子14と第2の弾性表面波素子15とがそれぞれIDTを3個備えるというのはあくまで例示であって、3個以上の奇数個であればよい。なお、反射器8、10、20、および21はいずれも接地されているが、簡単のため、以降の図も含めて、その図示は省略する。
第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15は、単一のIDT11と両端の反射器12および13から成る弾性表面波素子である弾性表面波共振子16を介して、並列接続されてなる。弾性表面波共振子16には、不平衡入力端子または不平衡出力端子となる不平衡入出力端子17が接続されてなる。
また、第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15は、それぞれが平衡出力部または平衡入力部とされる。第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15のそれぞれの中央のIDT3,6には、平衡出力端子または平衡入力端子となる平衡入出力端子18および19がそれぞれ接続されてなる。
さらに、第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15はそれぞれ、隣り合うIDT間で互いに隣接する電極指、及び隣り合うIDTと反射器との間で互いに隣接する電極指についての極性が、中央のIDT電極3あるいは6を中心にして対称性を有するように、構成されている。換言すれば、第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15は、異なるIDTまたは反射器が隣に位置する電極指の極性が、それぞれの中央のIDT3あるいは6を中心にして対称となるように、構成されてなる。
これを説明するため、以降の説明においては、図1に示すように、上記の隣接箇所に該当する電極指であって、不平衡入出力端子17側に(不平衡入出力端子17が接続された弾性表面波共振子16に)接続された電極指、および平衡入出力端子18および19に接続された電極指を符号Sで表し、接地された電極指(反射器の電極指および接続端子に接続された電極指)を符号Gで表すものとする。すると、第1の弾性表面波素子14においては、相異なるIDTおよび反射器に備わりかつ互いに隣接しあう関係にある全ての電極指の極性は、図の左側より、G、G、S、S、S、S、G、Gと表される。すなわち、電極指の極性は、中央のIDT3を中心にして対称になっている。同様に、第2の弾性表面波素子15においては、図の左側より、G、S、G、S、S、G、S、Gと表される。やはり、中央のIDT6を中心にして対称になっている。従って、第1の弾性表面波素子14と弾性表面波素子15とが上述した構成であることが確認される。
係る構成を有する場合、隣り合うIDTにおける電極指の極性配置が対称的であるので、励振された弾性表面波の高次モードの分布が対称となり、弾性表面波の励振フィールドが対称になる。さらに励振電極及び反射器電極の反射係数が小さくなることがなく反射特性が良好となり、励振効率が劣化することがない。よって、フィルタ特性において局所的に微小リップルが発生するという問題は発生しない。すなわち、弾性表面波フィルタのフィルタ特性において厳しく要求されている、通過帯域内の挿入損失の改善が、実現されることになる。
別の局面からみれば、図1に示すように、第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15は、それぞれの中央のIDT3および6の電極指の本数が、奇数本となるように構成されてなるともいえる。係る要件を満たすように構成されていれば、第1の弾性表面波素子14と第2の弾性表面波素子15とは、異なるIDTまたは反射器が隣に位置する電極指の極性が、それぞれの中央のIDT3あるいは6を中心にして対称となるように、構成されることになるからである。
また、本実施の形態に係る弾性表面波装置100は、平衡入力部または平衡出力部となる第1の弾性表面波素子14と第2の弾性表面波素子15とが、不平衡入出力端子17が接続された弾性表面波共振子16を介して並列接続された構成を有している。不平衡入出力端子17の接続先が、縦結合共振子型弾性表面波素子である場合は、不平衡入出力端子17に50Ωで入力または出力されたとき、要求されるインピーダンス整合を取ることが困難になるが、本実施の形態のように、初段が単一のIDT及び反射器からなる弾性表面波素子である弾性表面波共振子16である場合は、インピーダンス整合を容易に取ることができる。
また、図1に示すように、上記構成において好ましくは、第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15は、中央のIDT3および6において平衡入出力端子18および19に接続されている電極指の本数が互いに同じであるように構成される。
これにより、中央のIDT3および6のインピーダンスが異なることがなく、また、一方の弾性表面波素子(例えば第1の弾性表面波素子14)の中央のIDT(例えばIDT3)が他方の弾性表面波素子(例えば第2の弾性表面波素子15)の中央のIDT(IDT6)よりも容量が大きいために位相の遅れが発生して、位相平衡度特性がプラス側またはマイナス側に片寄るようなことがなく、良好な位相平衡度特性を得ることができる。
<第2の実施の形態>
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る弾性表面波装置200の電極構造を模式的に示す平面図である。図2に示すように、弾性表面波装置200は、反射器20および反射器21に代えて、反射器9が設けられてなる点で、第1の実施の形態に係る弾性表面波装置100と相違する。換言すれば、反射器9は、反射器20と反射器21とを一体的に形成したものであるともいえる。なお、反射器9は接地されているが、簡単のため、以降の図も含めて、その図示は省略する。
係る構成を有する弾性表面波装置200においては、第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15で励振された弾性表面波の位相を、一体的に形成された反射器9においてプラス側、マイナス側でそれぞれ打ち消し合うので、反射特性が良好になる。これにより、通過帯域内の微小リップルの発生をさらに抑制することができる。その結果、通過帯域内の挿入損失をさらに改善した弾性表面波装置を提供することができる。
<第3の実施の形態>
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る弾性表面波装置300の電極構造を模式的に示す平面図である。図3に示すように、弾性表面波装置300は、第1の実施の形態に係る弾性表面波装置100の伝搬方向において隣り合うIDTの間に、さらに、反射器22、23、24、および25を配設した構成の電極構造を有する。具体的には、IDT2とIDT3の間、IDT3とIDT4の間、IDT5とIDT6の間、およびIDT6とIDT7の間に、それぞれ、伝搬方向に直交する方向に長い電極指を有する反射器22〜25が配設されてなる。なお、区別のため、反射器8、9、10、20、および21を、第1の反射器と称し、反射器22、23、24、および25を、第2の反射器と称することとする。
すなわち、弾性表面波装置300は、第2の反射器22、23、24、および25が備わることによって、各IDTの信号端子に接続された電極指の間にさらに電極指を介在させてなる構造を有する。
図16は、IDTが隣り合う場所において、信号端子に接続された電極指の間に存在する電極指の本数、IDTもしくは第2の反射器の電極指の本数と、振幅強度との関係を示す図である。第1の実施の形態に係る弾性表面波装置100のように第2の反射器が存在しない構成の場合、信号端子に接続された電極指の間に存在する電極指の本数は、第1の弾性表面波素子14では0本であり、第2の弾性表面波素子15では1本である。図16に示すように、この場合の振幅平衡度は0.16dBであった。これに対して、第2の反射器を備える本実施の形態に係る弾性表面波装置300の場合、信号端子に接続された電極指の間に存在する電極指の本数は、第1の弾性表面波素子14では2本であり、第2の弾性表面波素子では3本である。そして、図16に示すように、この場合の振幅平衡度は0.12dBであった。
このことは、IDTが隣り合う場所において、信号端子に接続された電極指の間に電極指を挟むことで、弾性表面波の伝搬経路の距離を調整することができ、第1の弾性表面波素子と第2の弾性表面波素子の弾性表面波の振幅強度を調整して均等化する(差を小さくする)ことができることを意味している。
すなわち、第2の反射器を設けて電極指を介在させることで、弾性表面波の伝搬経路の距離をあらかじめ微調整すれば、第1の弾性表面波素子14と第2の弾性表面波素子15との弾性表面波の振幅強度が微調整され、均等化された弾性表面波装置が、実現可能である。このような調整がなされた本実施の形態に係る弾性表面波装置300においては、通過帯域内の微小リップルの発生の抑制と、良好な振幅平衡度特性とが実現されてなる。
弾性表面波装置300における第2の反射器22、23,24、および25の電極指の本数は、2〜4本が好ましい。電極指の本数がそれよりも多い場合は、弾性表面波の伝搬損失が増加するため、良好な挿入損失を得ることができない。
<第4の実施の形態>
図4は、本発明の第4の実施の形態に係る弾性表面波装置400の電極構造を模式的に示す平面図である。図4に示すように、弾性表面波装置400は、第3の実施の形態に係る弾性表面波装置300に係る第2の反射器22、23、24および25が、接地された構造を有する。これにより、弾性表面波装置400においては、第3の実施の形態に係る弾性表面波装置300よりも効果的に、弾性表面波の振幅が減衰するようになる。
すなわち、各IDTの信号端子に接続された電極指の間に、接地された第2の反射器を設けて電極指を介在させることで、第1の弾性表面波素子14と第2の弾性表面波素子15との弾性表面波の振幅強度が、さらに良好に調整されることになる。このような調整がなされた本実施の形態に係る弾性表面波装置400においては、第3の実施の形態に係る弾性表面波装置300の場合よりも、第1の弾性表面波素子14と第2の弾性表面波素子15との間の弾性表面波の振幅の差をより小さくすることができ、さらに良好な振幅平衡度特性が実現されてなる。
<第5の実施の形態>
図5は、本発明の第5の実施の形態に係る弾性表面波装置500の電極構造を説明するための図である。図5(a)は、弾性表面波装置500が備える第1の弾性表面波素子514における電極指ピッチの変化を示す線図である。また、図5(b)は、弾性表面波装置500の電極構造を模式的に示す平面図である。
図5(b)に示すように、弾性表面波装置500は、第4の実施の形態に係る弾性表面波素子400と類似する構造を有している。すなわち、弾性表面波装置500の第1の弾性表面波素子514は、弾性表面波装置400の第1の弾性波表面素子14と同様に、3つのIDT502、503、および504と、2つの第1の反射器8および20と、さらに2つの第2の反射器22と23とから構成される。また、第2の弾性表面波素子515は、弾性表面波装置400の第2の弾性波表面素子15と同様に、3つのIDT505、506、および507と、2つの第1の反射器21および10と、さらに2つの第2の反射器24および25とから構成される。また、それぞれのIDTおよび反射器の電極指の極性は、弾性表面波装置400の対応箇所と同じである。
しかしながら、第1の弾性表面波素子514と第2の弾性表面波素子515とにおける電極指の配置間隔は、弾性表面波装置400の対応箇所とは相違する。具体的には、第1の弾性表面波素子514と第2の弾性表面波素子515とにおいては、第1の部分(変動ピッチ部)と第2の部分(一定ピッチ部)とを有するように、電極指の間隔が定められてなる。より詳細には、弾性表面波装置400においては、
1)第1の部分における電極指ピッチの平均値は第2の部分の電極指ピッチよりも短い;
2)第1の部分の電極指ピッチが隣り合う2つのIDTの境界に向かって(第2の反射器に向かって)短くなる;かつ、
3)第2の反射器22、23、24、および25の電極指ピッチは第2の部分の電極指ピッチより短い;
という要件を満たすように、電極指が配置されてなる。これにより、第1の部分は、第2の部分より電極指ピッチが短い狭ピッチ部とされてなる。
このような電極指ピッチの関係を第1の弾性表面波素子514について例示するのが図5(a)である。図5(a)は、圧電基板1の弾性表面波の伝搬方向を横軸(x軸)に取った場合の電極指ピッチp(x)の変化を示す図(スケールは任意)である。図5(a)においては、x軸方向を、電極指ピッチの値が異なる5つの区間に区分して考えることができる。区間L2およびL4が第1の部分に相当し、区間L1、L3、およびL5が第2の部分に相当することになる。上記3つの要件が満たされていることは、図5(a)における電極指ピッチの変動の態様から明らかである。第2の弾性表面波素子515については、図示は省略するが、同様の関係をみたすように構成されてなる。
上述の要件を満たすように作製した弾性表面波装置500においては、IDTが隣り合う箇所においてIDTの電極指が占める圧電基板1上の面積が調整されてなり、これにより、弾性表面波のバルク波への放射損が防止されてなる。加えて、縦1次モードと縦3次モードとそれらの高調波モード間の周波数も調整されているので、通過帯域内の微小リップルの発生の抑制と、良好な振幅平衡度特性とが実現されてなる。すなわち、広通過帯域かつ低挿入損失である良好な電気特性を持つ弾性表面波装置が実現される。
<第6の実施の形態>
図6は、本発明の第6の実施の形態に係る弾性表面波装置600の電極構造を説明するための図である。図6(a)は、弾性表面波装置600が備える第1の弾性表面波素子614における電極指ピッチの変化を示す線図である。また、図6(b)は、弾性表面波装置600の電極構造を模式的に示す平面図である。ただし、図示の簡単のため、図6(b)に示す弾性表面波装置600の電極指の構成は、実際の態様とは異なっている。さらに、図6(c)は、図6(b)の部分Aの近傍の構造をより詳細に示す拡大図である。
弾性表面波装置600は、第5の実施の形態に係る弾性表面波装置500と類似する構造を有している。すなわち、第5の実施の形態において示した要件と同じ要件を満たすように、電極指は配置される。
具体的には、弾性表面波装置600の第1の弾性表面波素子614は、3つのIDT602、603、および604と、2つの第1の反射器8および20と、さらに2つの第2の反射器22と23とから構成される。また、第2の弾性表面波素子615は、3つのIDT605、606、および607と、2つの第1の反射器21および10と、さらに2つの第2の反射器24および25とから構成される。また、それぞれのIDTおよび反射器の電極指の極性は、弾性表面波装置500の対応箇所と同じである。さらに、弾性表面波装置500と同様に、第1の弾性表面波素子614と第2の弾性表面波素子615とにおいて、第1の部分(変動ピッチ部)と第2の部分(一定ピッチ部)とを有するように、電極指の間隔が定められてなる。
ただし、第1の弾性表面波素子614と第2の弾性表面波素子615のそれぞれにおける第1の部分(変動ピッチ部)の電極指ピッチは、弾性表面波装置500の第1の弾性表面波素子514と第2の弾性表面波素子515とは異なっている。これを説明すべく、第1の弾性表面波素子614についての電極指ピッチの関係を、図5(a)と同様の座標軸によって例示するのが図6(a)である(スケールは任意)。図6(a)においても、図5(a)と同様に、x軸方向を電極指ピッチの値が異なる5つの区間に区分することができ、区間L2およびL4を第1の部分とし、区間L1、L3、およびL5を第2の部分とすることができる。しかしながら、第1の部分(区間L2およびL4)の電極指ピッチの変動の態様は、図5(a)とは異なるものとなっている。すなわち、図6(a)の区間L2およびL4においては、第2の部分の電極指ピッチよりも大きな電極指ピッチを有する部分が存在する点で、図5(a)とは相違している。
なお、第2の弾性表面波素子615についても、同様の関係をみたすように構成されてなる。図6(c)は、図6(b)に示す第2の弾性表面波素子615の部分Aの近傍の拡大詳細図である。図6(c)に示すように、第2の弾性表面波素子615においては、IDT607が、電極指の間隔が互いに異なる、減少部607aと、極大部607bと、一定部607cという3つの部分から構成されてなる。減少部607aは、第2の反射器24の近傍の電極指のピッチが相対的に小さい(第2の部分よりも小さい)部分であり、図6(a)でいえば、区間L2やL4の減少部にほぼ対応する。極大部607bは、電極指のピッチが相対的に大きい(第2の部分よりも大きい)部分であり、図6(a)でいえば、区間L2や区間L4の極大部にほぼ対応する。一定部607cは、第2の部分(一定ピッチ部)を形成する部分である。図6(a)でいえば、区間L1や区間L3や区間L5にほぼ対応する。
係る態様は弾性表面波装置600においてIDT607と同様の配置関係にある他のIDTについても同様である。すなわち、本実施の形態に係る弾性表面波装置600においては、第1の弾性表面波素子614と第2の弾性表面波素子615とにおいて中央のIDT603および606以外のIDT602、604、605、および607の電極指ピッチに極大部を有するように構成される。
以上より、本実施の形態においては、第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、通過帯域における共振ピーク位置が最適となるように電極指を配置することで、結果として広帯域化しつつ平坦性及び挿入損失が改善されたフィルタ特性を実現することができる。
<第7の実施の形態>
図7は、本発明の第7の実施の形態に係る弾性表面波装置700の電極構造を模式的に示す平面図である。図7に示すように、弾性表面波装置700は、第2の実施の形態に係る弾性表面波装置200の伝搬方向において隣り合うIDTの間に、さらに、第2の反射器22、23、24、および25を配設し、それぞれを接地した構成の電極構造を有する。あるいは、第4の実施の形態に係る弾性表面波装置400の第1の反射器20と21とに代えて、反射器9が設けられてなる構成の電極構造を有するものであるともいえる。後者は、反射器20と反射器21とを一体的に形成した反射器9を有する構成であるともいえる。
係る構成を有する弾性表面波装置700においては、第2の実施の形態に係る弾性表面波装置200と同様に、第1の弾性表面波素子14および第2の弾性表面波素子15で励振された弾性表面波の位相を、一体的に形成された反射器9においてプラス側、マイナス側でそれぞれ打ち消し合うので、反射特性が良好になる。これにより、さらに通過帯域内の微小リップルの発生を抑制することができる。その結果、第4の実施の形態に係る弾性表面波装置400よりも、通過帯域内の挿入損失をさらに改善した弾性表面波装置を提供することができる。
<弾性表面波装置の作製>
上述の各実施の形態に係る弾性表面波装置に用いる圧電基板1としては、36°±3°YカットX伝搬タンタル酸リチウム単結晶、42°±3°YカットX伝搬タンタル酸リチウム単結晶、64°±3°YカットX伝搬ニオブ酸リチウム単結晶、41°±3°YカットX伝搬ニオブ酸リチウム単結晶、45°±3°XカットZ伝搬四ホウ酸リチウム単結晶などが、電気機械結合係数が大きく、かつ、周波数温度係数が小さいために好ましい。また、これらの焦電性圧電単結晶のうち、酸素欠陥やFe等の固溶により焦電性を著しく減少させた圧電基板1であれば、デバイスの信頼性上良好である。圧電基板1の厚みは0.1〜0.5mm程度がよく、0.1mm未満では圧電基板1が脆くなり、0.5mm超では材料コストと部品寸法が大きくなり使用に適さない。
また、IDTや反射器などの電極構造は、AlもしくはAl合金(Al−Cu系、Al−Ti系)で形成される。これらは、蒸着法、スパッタリング法、またはCVD法等の薄膜形成法により形成される。電極厚みは0.1〜0.5μm程度とすることが弾性表面波装置としての所期の特性を得る上で好適である。
さらに、本発明に係る弾性表面波装置の電極構造部及び圧電基板1上の弾性表面波の伝搬部に、SiO2,SiNx,Si,Al23を保護膜として形成して、導電性異物による通電防止や耐電力向上を図ることもできる。
なお、上述した各実施の形態に係る弾性表面波装置については、IDTの個数その他の構成に関し、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することは可能である。
<通信装置への適用>
また、上記各実施の形態に係る弾性表面波装置を通信装置に適用することができる。即ち、少なくとも受信回路または送信回路の一方を備える通信装置において、これらの回路に含まれるバンドパスフィルタとして用いることができる。
図20は、バンドパスフィルタを有する高周波回路のブロック回路図である。該高周波回路は通信装置である携帯電話に組み込まれるものの一例である。該高周波回路においては、送信信号(高周波信号)はミキサ31によって搬送波信号に重畳されてアンテナ送信信号とされ、該アンテナ送信信号は、バンドパスフィルタ32によりその不要信号が減衰されたうえでパワーアンプ33で増幅され、アイソレータ34と弾性表面波分波器(デュプレクサ)35を通って、アンテナ36から放射される。また、アンテナ36で受信されたアンテナ受信信号は、弾性表面波分波器35を通りローノイズアンプ37で増幅され、バンドパスフィルタ38でその不要信号が減衰された後、アンプ39で再増幅され、ミキサ40で低周波信号に変換される。
係る通信装置10000を構成するにあたって、本発明の各実施の形態に係る弾性表面波装置を、送信用のバンドパスフィルタ32や受信用のバンドパスフィルタ38として適用することが可能である。本発明の弾性表面波装置を用いることで、挿入損失が改善されるので、消費電力が低減され感度が格段に良好な優れた通信装置を提供できる。
(実施例1)
本実施例においては、第2の実施の形態に係る弾性表面波素子200を作製し、その特性を評価した。具体的には、38.7°YカットのX方向伝搬とするLiTaO3単結晶からなる圧電基板(より厳密に言えば、多数個取り用の母基板の状態である)1上に、Al(99質量%)−Cu(1質量%)による微細電極パターンを形成した。各電極のパターン作製は、スパッタリング装置、縮小投影露光機(ステッパー)、及びRIE(Reactive Ion Etching)装置によりフォトリソグラフィを施すことにより行った。なお、狙いの通過帯域は1930MHz〜1990MHzとした。
まず、圧電基板1をアセトン,IPA(イソプロピルアルコール)等によって超音波洗浄し、有機成分を落とした。次に、クリーンオーブンによって充分に乾燥を行った後、圧電基板1の上に、各電極となる金属層の成膜を行った。金属層の成膜にはスパッタリング装置を使用し、金属層の材料としてAl(99質量%)−Cu(1質量%)合金を用いた。このときの金属層の厚みは約0.18μmとした。
次に、金属層上にフォトレジストを約0.5μmの厚みにスピンコートし、縮小投影露光装置(ステッパー)により、所望形状にパターニングを行い、現像装置にて不要部分のフォトレジストをアルカリ現像液で溶解させ、所望パターンを表出させた。その後、RIE装置により金属層のエッチングを行うことでパターニングを終了した。これにより弾性表面波装置に係る電極構造のパターンが得られた。
この後、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置により、各電極のパターン及び圧電基板1の上に、保護層としてSiO2層を約0.02μmの厚みで形成した。
引き続き、フォトリソグラフィによりパターニングを行い、RIE装置等でフリップチップ用窓開け部のエッチングを行った。その後、そのフリップチップ用窓開け部に、スパッタリング装置を使用してAlを主体とするパッド電極用層を成膜した。このときのパッド電極用層の膜厚は約1.0μmとした。さらに、フォトレジスト及び不要箇所のAlをリフトオフ法により同時に除去することにより、パッド電極を完成した。
次に、バンプボンディング装置を使用して、上記パッド電極上に、弾性表面波装置200を外部回路基板等にフリップチップするための導体バンプをAuにより形成した。導体バンプの直径は約80μm、その高さは約30μmであった。
次に、分割線に沿って圧電基板1にダイシング加工を施し、多数のチップに分割した。それぞれのチップが弾性表面波装置である。その後、フリップチップ実装装置にて、各チップを電極パッドの形成面を下面にしてパッケージ内に収容し接着し、さらにN2雰囲気中でベーキングを行うことで、弾性表面波装置をパッケージ化した。パッケージには、セラミック層を多層積層してなる2.5×2.0mm角の積層構造のものを用いた。
得られた弾性表面波装置200の特性評価は、マルチポートネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製「E5071A」)により、0dBmの信号を入力し、周波数1640〜2140MHz、測定ポイントを801ポイントの条件にて行った。サンプル数は30個とした。
(比較例1−1)
一方、図8は、比較例1−1に係る弾性表面波装置800の電極構造を模式的に示す平面図である。弾性表面波装置800は、第2の実施の形態に係る弾性表面波素子200と類似する構造を有している。すなわち、弾性表面波装置800は、反射器8、9、および10を備えると共に、第1の弾性表面波素子814においては、弾性表面波装置200の第1の弾性波表面素子14と同様に、3つのIDT2、803、および804を備え、第2の弾性表面波素子815においては、弾性表面波装置200の第2の弾性波表面素子15と同様に、3つのIDT805、806、および7を備える。ただし、弾性表面波装置200とは異なり、第1の弾性表面波素子814および第2の弾性表面波素子815はそれぞれ、隣り合うIDT間で互いに隣接する電極指、及び隣り合うIDTと反射器との間で互いに隣接する電極指についての極性が、中央のIDT電極803あるいは806を中心にして非対称であるように構成されている。換言すれば、第1の弾性表面波素子814および第2の弾性表面波素子815は、異なるIDTまたは反射器が隣に位置する電極指の極性が、それぞれの中央のIDT803あるいは806を中心にして非対称となるように、構成されてなる。具体的には、第1の弾性表面波素子814では、電極指の極性は、図8の左側よりG、G、S、S、G、G、S、Gとなっており、第2の弾性表面波素子815では、図の左側より、G、G、S、G、S、G、S、Gとなっており、中央のIDT803,806を中心にして非対称な配置になっている。
この比較例1−1に係る弾性表面波装置800を実施例1と同様に作製し、その特性を評価した。
図9は、実施例1および比較例1−1に係る弾性表面波装置の通過帯域(1930MHz〜1990MHz)近傍の周波数特性を示す図である。図9は、フィルタの伝送特性を表す挿入損失の周波数依存性を示している。実施例1に係る弾性表面波装置のフィルタ特性は非常に良好であった。具体的には、図9(a)に示すように、実施例1に係る弾性表面波装置の通過帯域内には微小リップルの発生は見られなかった。すなわち、挿入損失が向上した良好なフィルタ特性が得られていることが確認された。
一方、図9(b)に示すように、比較例1−1に係る弾性表面波装置の通過帯域内には微小リップルが発生がみられた。すなわち、比較例1−1に係る弾性表面波装置では、実施例1に比して挿入損失が劣化することが確認された。
(比較例1−2)
比較例1−2においては、第2の実施の形態に係る弾性表面波装置200と比較して、第1および第2の弾性表面波素子の中央のIDTの不平衡入出力端子に接続された電極指の本数が異なる弾性表面波装置を、実施例1と同様に作製し、その特性を評価した。
図10は、実施例1および比較例1−2に係る弾性表面波装置の通過帯域(1930MHz〜1990MHz)近傍の位相平衡度を示す図である。図10(a)に示すように、実施例1に係る弾性表面波装置の位相平衡度は、通過帯域内で安定してフラットであった。すなわち、実施例1に係る弾性表面波装置によれば、非常に良好な位相平衡度特性が得られることが確認された。一方、図10(b)に示すように、比較例1−2に係る弾性表面波装置の位相平衡度は、通過帯域内で安定しないことが確認された。すなわち、実施例1に係る弾性表面波装置では、通過帯域における位相平衡度が大きく改善されてなることが確認された。
(実施例2)
第1の実施の形態に係る弾性表面波装置100の構成をベースに、IDTが隣接した箇所における電極指の極性の組合せ、及び中央のIDTの電極指本数について、種々に違えた16種類の弾性表面波装置を実施例1と同様に作製し、それらの通過帯域内の微小リップルの発生の有無と位相平衡度特性をやはり実施例1と同様に調べた。その結果を弾性表面波装置の構造の特徴と併せて示したのが表1である。16種類の弾性表面波装置それぞれの構造についての詳細を示したのが表2である。ここで、弾性表面波装置100の極性は、表2の構造No.5に相当する。また、弾性表面波装置200、300、400、500、600、および700についても、極性の関係について言えば同様に、表2の構造No.5に相当する極性を有する。ちなみに、比較例1−1の弾性表面波装置の極性はNo.4に相当し、比較例1−2の弾性表面波装置の極性は、No.7に相当するものである。
Figure 2007049754
Figure 2007049754
表1に示すように、No.5、6、9、および10に係る弾性表面波装置において、微小リップル発生の抑制と位相平衡度の改善とがみられた。表2に示す構成を併せ考えると、第1と第2の弾性表面波素子をそれぞれ、隣り合うIDT間で互いに隣接する電極指、及び隣り合うIDTと反射器との間で互いに隣接する電極指についての極性を、中央のIDT電極を中心にして対称性を有するように構成するとともに、第1と第2の弾性表面波素子を、中央のIDTにおいて平衡入出力端子に接続されている電極指の本数を互いに同じであるように構成すれば、上述の効果が得られるものといえる。
(実施例3)
本実施例においては、第7の実施の形態に係る弾性表面波装置700を実施例1と同様に作製し、その特性を評価した。
図11は、通過帯域(1930MHz〜1990MHz)近傍の周波数特性を示す図である。図11は、フィルタの伝送特性を表す挿入損失の周波数依存性を示している。実施例3に係る弾性表面波装置のフィルタ特性は非常に良好であった。具体的には、図11に示すように、実施例3に係る弾性表面波装置の通過帯域内には微小リップルの発生は見られなかった。すなわち、挿入損失が向上した良好なフィルタ特性が得られていることが確認された。
図12は、実施例3に係る弾性表面波装置の通過帯域(1930MHz〜1990MHz)近傍の平衡度を示す図である。図12(a)に示すように、実施例3に係る弾性表面波装置の通過帯域における振幅平衡度は、通過帯域内でフラットな特性となり非常に良好であった。なお、図12(b)に示すように、位相平衡度についても比較的良好であった。
すなわち、各IDTの信号端子に接続された電極指の間に、接地された第2の反射器を設けて電極指を介在させることで、第1と第2の弾性表面波素子の間の弾性表面波の振幅の差を少なくすることができ、良好な振幅平衡度特性を実現できることが確認された。
(実施例4−1)
本実施例では、第5の実施の形態に係る弾性表面波装置500を実施例1と同様に作製し、その特性を評価した。
(実施例4−2)
本実施例では、第6の実施の形態に係る弾性表面波装置600を実施例1と同様に作製し、その特性を評価した。
(比較例2)
図13は、比較例2に係る弾性表面波装置の第1および第2の弾性表面波素子における電極指ピッチの変化を示す線図である。比較例2では、係る弾性表面波装置を実施例1と同様に作製し、その特性を評価した。なお、図13において、IDT間の電極指ピッチが短くなっている箇所は、IDTが隣接している部分における電極指のギャップに相当する。また、比較例2に係る弾性表面波装置は、第2の反射器電極を有しておらず、実施例4−1および実施例4−2に係る弾性表面波装置と異なる電極指ピッチを有するが、他の部分については、第5の実施の形態に係る弾性表面波装置500と同様の構造を有する。
図14は、実施例4−1と比較例2の通過帯域近傍の周波数特性を示す図である。図14は、フィルタの伝送特性を表す挿入損失の周波数依存性を示している。図14からわかるように、実施例4−1に係る弾性表面波装置のフィルタ特性は非常に良好であった。具体的には、実施例4−1に係る弾性表面波装置については、通過帯域内に微小リップルの発生は見られなかった。また比較例2のフィルタ特性と比較して、挿入損失がより良好であることが確認された。さらに、通過帯域が広帯域化することも確認された。このように、実施例4−1に係る弾性表面波装置については、通過帯域において微小リップル発生が抑制されてなるとともに、挿入損失が大きく改善されてなることが確認された。
図15は、実施例4−2と比較例2の通過帯域近傍の周波数特性を示す図である。図15は、フィルタの伝送特性を表す挿入損失の周波数依存性を示している。図15からわかるように、実施例4−2のフィルタ特性も非常に良好であった。すなわち、実施例4−2に係る弾性表面波装置についても、通過帯域内に微小リップルの発生は見られなかった。また比較例2のフィルタ特性と比較して、挿入損失がより良好であることも確認された。さらに、通過帯域が広帯域化することも確認された。このように、実施例4−2に係る弾性表面波装置についても、通過帯域において微小リップル発生が抑制されてなるとともに、挿入損失が大きく改善されてなることが確認された。
第6の態様に係る弾性表面波装置は、第1ないし第5のいずれかの態様に係る弾性表面波装置であって、前記第1の弾性表面波素子の前記第1の反射器のうちの1つと前記第2の弾性表面波素子の第1の反射器のうちの1つとが、一の反射器からなるようにした。
第7の態様に係る弾性表面波装置は、第1ないし第6のいずれかの態様に係る弾性表面波装置であって、前記第1と第2の弾性表面波素子の、前記中央のIDTにおける前記平衡入出力端子に接続されている電極指の本数が互いに同じであるようにした。
第8の態様に係る弾性表面波装置は、第1ないし第7のいずれかの態様に係る弾性表面波装置であって、前記第1と第2の弾性表面波素子の、前記中央のIDTにおける電極指の本数が奇数であるようにした。
第9の態様に係る通信装置は、第1ないし第8のいずれかの態様に係る弾性表面波装置を、受信回路あるいは送信回路の少なくとも一方に備えるようにした。

Claims (11)

  1. 不平衡−平衡変換機能を有する弾性表面波装置であって、
    圧電基板上に、不平衡入出力端子が接続された弾性表面波共振子と前記弾性表面波共振子を介して互いに並列接続されてなる第1と第2の弾性表面波素子とを形成してなり、
    前記第1と第2の弾性表面波素子はそれぞれ、
    前記圧電基板上を伝搬する弾性表面波の伝搬方向に沿って配置され、長手方向が前記伝搬方向と直交する複数の電極指を備える3個以上の奇数個のIDTと、
    前記奇数個のIDTからなるIDT列の両端に配置され、長手方向が前記伝搬方向と直交する複数の電極指を備える第1の反射器と、
    を備えるとともに、前記第1と第2の弾性表面波素子は、
    前記奇数個のIDTのうちの中央のIDTに平衡入出力端子が接続されてなり、
    それぞれの前記奇数個のIDTおよび前記第1の反射器に備わる電極指のうち、異なる前記IDTまたは前記第1の反射器が隣接する電極指の極性が、前記第1または第2の弾性表面波素子の前記中央のIDTを中心にして対称的な配置とされてなる、
    ことを特徴する弾性表面波装置。
  2. 請求項1に記載の弾性表面波装置であって、
    前記奇数個のIDTのうち前記伝搬方向において隣り合うIDTの間に、長手方向が前記伝搬方向と直交する複数の電極指から成る第2の反射器がさらに配設されてなる、
    ことを特徴する弾性表面波装置。
  3. 請求項2に記載の弾性表面波装置であって、
    前記第2の反射器が接地されてなる、
    ことを特徴する弾性表面波装置。
  4. 請求項2に記載の弾性表面波装置であって、
    前記第1と第2の弾性表面波素子においては、
    前記伝搬方向に沿って電極指ピッチが変動する第1の部分と、
    前記電極指ピッチが一定である第2の部分と、
    が存在し、
    前記第1と第2の部分とは、
    前記第1の部分における電極指ピッチの平均値は前記第2の部分の電極指ピッチよりも短く、
    前記第1の部分の電極指ピッチが隣り合う2つのIDTの境界に向かって短くなり、
    前記第2の反射器の電極指ピッチは前記第2の部分の電極指ピッチより短い、
    ことを特徴する弾性表面波装置。
  5. 請求項4に記載の弾性表面波装置であって、
    前記第1と第2の弾性表面波素子においては、前記奇数個のIDTのうち前記中央のIDT以外のIDTにおける電極指ピッチに極大値が存在することにより、前記第1の部分において前記第2の部分における電極指ピッチよりも電極指ピッチが大きい部分が存在する、
    ことを特徴する弾性表面波装置。
  6. 請求項1に記載の弾性表面波装置であって、
    前記第1の弾性表面波素子の前記第1の反射器のうちの1つと前記第2の弾性表面波素子の第1の反射器のうちの1つとが、一の反射器からなる、
    ことを特徴とする弾性表面波装置。
  7. 請求項1に記載の弾性表面波装置であって、
    前記第1と第2の弾性表面波素子の、前記中央のIDTにおける前記平衡入出力端子に接続されている電極指の本数が互いに同じである、
    ことを特徴とする弾性表面波装置。
  8. 請求項1に記載の弾性表面波装置であって、
    前記第1と第2の弾性表面波素子の、前記中央のIDTにおける電極指の本数が奇数である、
    ことを特徴とする弾性表面波装置。
  9. 請求項1に記載の弾性表面波装置を、受信回路あるいは送信回路の少なくとも一方に備える、
    ことを特徴とする通信装置。
  10. 請求項9に記載の通信装置であって、
    送信信号を搬送波信号に重畳させてアンテナ送信信号とするミキサと、
    前記アンテナ送信信号の不要信号を減衰させるバンドパスフィルタと、
    前記アンテナ送信信号を増幅するとともに増幅された前記アンテナ送信信号をデュプレクサを介してアンテナへ出力するパワーアンプと、
    を具備する送信回路を備え、
    前記バンドパスフィルタが前記弾性表面波装置により構成されてなる、
    ことを特徴とする通信装置。
  11. 請求項9に記載の通信装置であって、
    アンテナで受信されデュプレクサを通ったアンテナ受信信号を増幅するローノイズアンプと、
    増幅された前記アンテナ受信信号の不要信号を減衰させるバンドパスフィルタと、
    前記アンテナ受信信号の搬送波信号から受信信号を分離するミキサと、
    を具備する受信回路を備え、
    前記バンドパスフィルタが前記弾性表面波装置により構成されてなる、
    ことを特徴とする通信装置。
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