JP7014308B2 - エクストラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタとを有するエクストラクタに関する。
無線端末機器は、Celluler方式による通信、ならびに、Wi-Fi(登録商標)およびGPS(登録商標)による通信など、異なる無線周波数帯域および異なる無線方式による通信に対して1つのアンテナで対応することが要求される。この要求に応える1つの方法として、無線端末機器のアンテナに、1つの無線搬送周波数を有する高周波信号を通過させる帯域通過フィルタ(BPF)と、当該無線搬送周波数を有する高周波信号を通過させず他の無線搬送周波数を有する高周波信号を通過させる帯域阻止フィルタ(BEF)とを組み合わせたエクストラクタが接続される場合がある。
特許文献1では、帯域阻止フィルタおよび帯域通過フィルタが共通のアンテナ端子に接続された構成を有するエクストラクタが開示されている。
国際公開第2018/168503号
しかしながら、帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタとを組み合わせたエクストラクタにおいて、帯域通過フィルタを通過する高周波信号の高調波によって、帯域阻止フィルタの阻止帯域よりも高周波側の帯域において、帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタとのアイソレーションが悪化する。このため、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域における帯域阻止フィルタの挿入損失が劣化するという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、帯域阻止フィルタの挿入損失が低減されたエクストラクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るエクストラクタは、外部接続端子、共通端子、第1入出力端子、および第2入出力端子と、前記共通端子と前記第1入出力端子との間に接続され、第1周波数帯域を阻止帯域とする帯域阻止フィルタと、前記共通端子と前記第2入出力端子との間に接続され、前記第1周波数帯域の少なくとも一部と重複する第2周波数帯域を通過帯域とする帯域通過フィルタと、前記共通端子と前記外部接続端子とを結ぶ経路に直列または並列に接続された第1インダクタと、を備え、前記帯域阻止フィルタは、弾性波共振子で構成され、前記共通端子と前記第1入出力端子とを結ぶ直列腕に配置された1以上の直列腕共振子と、前記1以上の直列腕共振子のうち最も前記共通端子側に配置された直列腕共振子と前記第1入出力端子との間の前記直列腕に配置された第2インダクタと、を有し、前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、誘導結合している。
本発明によれば、帯域阻止フィルタの挿入損失が低減されたエクストラクタを提供することが可能となる。
図1は、実施の形態に係るエクストラクタおよびアンテナのブロック構成図である。 図2は、実施例に係るエクストラクタの回路構成図である。 図3Aは、実施例に係る弾性波共振子の一例を模式的に表す平面図および断面図である。 図3Bは、弾性波共振子の変形例を模式的に表す断面図である。 図4は、実施例に係るエクストラクタの外観斜視図およびエクストラクタが有するインダクタの配置構成の一例を示す基板平面図である。 図5は、実施例および比較例に係る帯域阻止フィルタの通過特性を比較したグラフである。 図6Aは、実施例に係る帯域阻止フィルタの誘導結合度を変化させた場合の通過特性を比較したグラフである。 図6Bは、帯域阻止フィルタの容量結合度を変化させた場合の通過特性を比較したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、必要に応じて図面を参照しながら、実施例、変形例を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施例および変形例は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施例および変形例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施例および変形例における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
なお、以下の実施例および変形例において、基板上に実装されたA、BおよびCにおいて、「当該基板(または当該基板の主面)を平面視した場合に、AとBとの間にCが配置されていない」とは、当該基板を平面視した場合、Aの外周を構成する辺のうちBと最近接する外辺の任意の点と、Bの外周を構成する辺のうちAと最近接する外辺の任意の点とを結ぶ線に、当該基板を平面視した場合に投影されるCの領域が重複していないことを指すものと定義される。
(実施の形態)
[1.エクストラクタの構成]
図1は、実施の形態に係るエクストラクタ1およびアンテナ2のブロック構成図である。同図に示すように、エクストラクタ1は、外部接続端子300と、共通端子330と、入出力端子310および320と、帯域阻止フィルタ10と、帯域通過フィルタ20と、インダクタ31と、を備える。
帯域阻止フィルタ10は、共通端子330と入出力端子310(第1入出力端子)との間に接続され、第1周波数帯域を阻止帯域とするフィルタ(BEF:Band Elimination Filter)である。
帯域通過フィルタ20は、共通端子330と入出力端子320(第2入出力端子)との間に接続され、第1周波数帯域の少なくとも一部と重複する第2周波数帯域を通過帯域とするフィルタ(BPF:Band Pass Filter)である。
インダクタ31は、共通端子330と外部接続端子300とを結ぶ経路に接続された第1インダクタである。本実施の形態では、インダクタ31は、一端が共通端子330に接続され、他端が外部接続端子300に接続されている。つまり、インダクタ31は、上記経路に直列配置されている。なお、上記経路に接続される第1インダクタは、一端が当該経路上のノードに接続され、他端がグランドに接続されていてもよい。
つまり、帯域阻止フィルタ10および帯域通過フィルタ20は、共通端子330およびインダクタ31を介して外部接続端子300に接続されている。
外部接続端子300は、外部機器とエクストラクタ1とを接続するための端子であり、エクストラクタ1は、図1に示すように、例えばアンテナ2に接続される。
上記構成により、エクストラクタ1は、例えば、Celluler方式による高周波信号、ならびに、Wi-Fi(登録商標)およびGPS(登録商標)による高周波信号を、高品質でアンテナ2へ伝送する。また、アンテナ2から受信した上記高周波信号を、フィルタおよび増幅回路などを介してRF信号処理回路(図示せず)へ高品質で伝送する。第1周波数帯域および第2周波数帯域は、例えば、Wi-Fi(登録商標)による通信に用いられる狭帯域幅を有する周波数帯域であり、また、GPS(登録商標)による通信に用いられる狭帯域幅を有する周波数帯域である。また、第1周波数帯域および第2周波数帯域を除く周波数帯域には、例えば、Celluler方式による通信に用いられる広帯域幅を有する周波数帯域が含まれる。
[2.帯域阻止フィルタおよび帯域通過フィルタの回路構成]
図2は、実施例に係るエクストラクタ1Aの回路構成図である。同図に示すように、エクストラクタ1Aは、外部接続端子300と、共通端子330と、入出力端子310および320と、帯域阻止フィルタ10Aと、帯域通過フィルタ20Aと、インダクタ31と、を備える。実施例に係るエクストラクタ1Aは、実施の形態に係るエクストラクタ1の一具体例である。
帯域阻止フィルタ10Aは、実施の形態に係る帯域阻止フィルタ10の一具体例であり、直列腕共振子101、102および103と、インダクタ11、12および13と、を備える。
直列腕共振子101~103は、共通端子330と入出力端子310とを結ぶ直列腕に直列配置され、各々が弾性波共振子で構成されている。なお、帯域阻止フィルタ10Aにおける直列腕共振子の数は、3つに限定されず、1以上であればよい。
インダクタ13は、直列腕共振子101~103と入出力端子310とを結ぶ直列腕に配置された第2インダクタである。本実施の形態では、インダクタ13は、直列腕共振子103と入出力端子310との間の直列腕に配置され、入出力端子310に他の素子を介さず接続されている。なお、上記直列腕に配置されたインダクタ13(第2インダクタ)は、入出力端子310に接続されていなくてもよく、例えば、直列腕共振子101と102との間の直列腕に配置されていてもよく、また、直列腕共振子102と103との間の直列腕に配置されていてもよい。つまり、インダクタ13は、直列腕共振子101~103のうち最も共通端子330側に配置された直列腕共振子101と入出力端子310との間の直列腕に配置されている。
帯域阻止フィルタ10Aは、直列腕上のノードとグランドとを結ぶ並列腕に配置された第3インダクタを有す。インダクタ11は、直列腕共振子101と102とを結ぶ直列腕上のノードとグランドとを結ぶ並列腕に配置された第3インダクタである。インダクタ12は、直列腕共振子102と103とを結ぶ直列腕上のノードとグランドとを結ぶ並列腕に配置された第3インダクタである。
帯域阻止フィルタ10Aの上記構成によれば、直列腕経路に弾性波共振子で構成された直列腕共振子101~103が配置されているので、急峻度の高い阻止帯域および低損失な通過帯域を有する帯域阻止フィルタを実現できる。また、並列腕経路にインダクタ11および12が配置されているので、広帯域の通過帯域を有する帯域阻止フィルタを実現できる。なお、インダクタ11および12は、なくてもよく、または、キャパシタなどの他の種類の受動素子に置き換えてもよい。
帯域通過フィルタ20Aは、実施の形態に係る帯域通過フィルタ20の一具体例であり、直列腕共振子201、202、203および204と、並列腕共振子251、252、253および254と、インダクタ21と、を備える。
直列腕共振子201~204は、共通端子330と入出力端子320とを結ぶ直列腕に配置され、各々が弾性波共振子で構成されている。
並列腕共振子251~254は、それぞれ、直列腕上の異なるノードとグランドとを結ぶ並列腕に配置され、弾性波共振子で構成されている。
インダクタ21は、並列腕共振子251~254とグランドとを結ぶ経路に配置された第4インダクタである。
帯域通過フィルタ20Aの上記構成によれば、直列腕経路に弾性波共振子で構成された直列腕共振子201~204が配置され、並列腕経路に弾性波共振子で構成された並列腕共振子251~254が配置されているので、低損失な通過帯域および通過帯域から減衰帯域における遷移帯域の急峻性を有するラダー型の弾性波フィルタを実現できる。また、並列腕経路にインダクタ21が配置されているので、減衰帯域における減衰極の周波数および減衰量を調整して最適化できる。
なお、帯域通過フィルタ20Aにおける直列腕共振子の数は、4つに限定されず、1以上であればよい。また、並列腕に配置された並列腕共振子の数は、4つに限定されず、1以上であればよい。また、並列腕共振子とグランドとの間に接続されるインダクタの数は任意であり、さらにはなくてもよい。
また、帯域阻止フィルタ10Aおよび帯域通過フィルタ20Aを構成する各弾性波共振子は、弾性表面波共振子、および、BAW(Bulk Acoustic Wave)を用いた弾性波共振子のいずれかであってもよい。なお、弾性表面波には、例えば、表面波、ラブ波、リーキー波、レイリー波、境界波、漏れSAW、疑似SAW、板波も含まれる。
これにより、より低損失、かつ、より高い急峻度を有する帯域阻止フィルタ10Aおよび帯域通過フィルタ20Aを実現できる。
なお、帯域通過フィルタ20Aは、弾性波共振子で構成されていなくてもよく、LC共振フィルタ、および誘電体フィルタの他、LCフィルタなどであってもよく、フィルタ構造は任意である。
ここで、インダクタ31とインダクタ13とは、誘導結合している。
共通端子に帯域阻止フィルタと帯域通過フィルタとが接続された従来のエクストラクタにおいては、帯域通過フィルタの非線形性により発生する高調波により、帯域阻止フィルタの阻止帯域よりも高周波側における帯域阻止フィルタと帯域通過フィルタとのアイソレーションが悪化する。このため、帯域阻止フィルタの阻止帯域よりも高周波側の帯域における挿入損失が悪化する。
これに対して、本実施例に係るエクストラクタ1Aの上記構成によれば、インダクタ31とインダクタ13とが誘導結合していることにより、直列腕共振子101~103を経由せずに、外部接続端子300、インダクタ31および13、ならびに入出力端子310を経由するバイパス経路において、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域における高周波信号を優先的に通過させることが可能となる。よって、帯域阻止フィルタ10Aの通過特性において、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域における挿入損失の劣化分を、上記誘導結合によるバイパス経路により補償できる。つまり、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域の挿入損失を低減できる。
なお、本実施の形態では、インダクタ13は、入出力端子310に接続されている。
これにより、帯域阻止フィルタ10Aが有する全ての直列腕共振子101~103を経由せずに、外部接続端子300、インダクタ31および13、ならびに入出力端子310のみを経由するバイパス経路において、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域における高周波信号を優先的に通過させる(振幅および位相を調整する)自由度が向上する。よって、帯域阻止フィルタ10Aの通過特性において、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域における挿入損失の劣化分を、上記誘導結合によるバイパス経路により、最適に補償できる。
また、本実施の形態に係るエクストラクタ1(実施例に係るエクストラクタ1A)では、インダクタ31は、外部接続端子300に接続される外部回路(例えばアンテナ2)のインピーダンスと、帯域阻止フィルタ10および帯域通過フィルタ20の合成インピーダンスとを整合させるためのインピーダンス素子である。
これにより、外部回路とのインピーダンス整合をとるためのインダクタ31を用いて上記バイパス経路を構成するので、帯域阻止フィルタ10(帯域阻止フィルタ10A)以外に上記バイパス経路を形成するための回路素子を追加する必要がない。よって、エクストラクタ1(エクストラクタ1A)を小型化しつつ、帯域阻止フィルタ10(帯域阻止フィルタ10A)の上記阻止帯域よりも高周波側の帯域の挿入損失を低減できる。
以下、実施例に係るエクストラクタ1Aが、従来のエクストラクタと比較して、帯域阻止フィルタ10Aの挿入損失を低減できる原理および作用について、詳細に説明する。
[3.弾性波共振子の構造]
図3Aは、実施例に係る弾性波共振子の一例を模式的に表す概略図であり、(a)は平面図、(b)および(c)は、(a)に示した一点鎖線における断面図である。図3Aには、帯域阻止フィルタ10Aを構成する直列腕共振子101~103、ならびに、帯域通過フィルタ20Aを構成する直列腕共振子201~204および並列腕共振子251~254の基本構造を有する弾性波共振子100が例示されている。なお、図3Aに示された弾性波共振子100は、弾性波共振子の典型的な構造を説明するためのものであって、電極を構成する電極指の本数および長さなどは、これに限定されない。
弾性波共振子100は、圧電性を有する基板5と、櫛形電極100aおよび100bとで構成されている。
図3Aの(a)に示すように、基板5の上には、互いに対向する一対の櫛形電極100aおよび100bが形成されている。櫛形電極100aは、互いに平行な複数の電極指150aと、複数の電極指150aを接続するバスバー電極160aとで構成されている。また、櫛形電極100bは、互いに平行な複数の電極指150bと、複数の電極指150bを接続するバスバー電極160bとで構成されている。複数の電極指150aおよび150bは、弾性波伝搬方向(X軸方向)と直交する方向に沿って形成されている。
また、複数の電極指150aおよび150b、ならびに、バスバー電極160aおよび160bで構成されるIDT(InterDigital Transducer)電極54は、図3Aの(b)に示すように、密着層541と主電極層542との積層構造となっている。
密着層541は、基板5と主電極層542との密着性を向上させるための層であり、材料として、例えば、Tiが用いられる。密着層541の膜厚は、例えば、12nmである。
主電極層542は、材料として、例えば、Cuを1%含有したAlが用いられる。主電極層542の膜厚は、例えば162nmである。
保護層55は、櫛形電極100aおよび100bを覆うように形成されている。保護層55は、主電極層542を外部環境から保護する、周波数温度特性を調整する、および、耐湿性を高めるなどを目的とする層であり、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする誘電体膜である。保護層55の厚さは、例えば25nmである。
なお、密着層541、主電極層542および保護層55を構成する材料は、上述した材料に限定されない。さらに、IDT電極54は、上記積層構造でなくてもよい。IDT電極54は、例えば、Ti、Al、Cu、Pt、Au、Ag、Pdなどの金属または合金から構成されてもよく、また、上記の金属または合金から構成される複数の積層体から構成されてもよい。また、保護層55は、形成されていなくてもよい。
次に、基板5の積層構造について説明する。
図3Aの(c)に示すように、基板5は、高音速支持基板51と、低音速膜52と、圧電膜53とを備え、高音速支持基板51、低音速膜52および圧電膜53がこの順で積層された構造を有している。
圧電膜53は、50°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶または圧電セラミックス(X軸を中心軸としてY軸から50°回転した軸を法線とする面で切断したリチウムタンタレート単結晶、またはセラミックスであって、X軸方向に弾性表面波が伝搬する単結晶またはセラミックス)からなる。圧電膜53は、例えば、厚みが600nmである。なお、圧電膜53として使用される圧電単結晶の材料およびカット角は、各フィルタの要求仕様により適宜選択される。
高音速支持基板51は、低音速膜52、圧電膜53ならびにIDT電極54を支持する基板である。高音速支持基板51は、さらに、圧電膜53を伝搬する表面波および境界波などの弾性波よりも、高音速支持基板51中のバルク波の音速が高速となる基板であり、弾性表面波を圧電膜53および低音速膜52が積層されている部分に閉じ込め、低音速膜52と高音速支持基板51の界面より下方に漏れないように機能する。高音速支持基板51は、例えば、シリコン基板であり、厚みは、例えば200μmである。
低音速膜52は、圧電膜53を伝搬するバルク波よりも、低音速膜52中のバルク波の音速が低速となる膜であり、圧電膜53と高音速支持基板51との間に配置される。この構造と、弾性波が本質的に低音速な媒質にエネルギーが集中するという性質とにより、弾性表面波エネルギーのIDT電極外への漏れが抑制される。低音速膜52は、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする膜であり、厚みは、例えば670nmである。
なお、基板5の上記積層構造によれば、圧電基板を単層で使用している従来の構造と比較して、共振周波数および反共振周波数におけるQ値を大幅に高めることが可能となる。すなわち、Q値が高い弾性波共振子を構成し得るので、当該弾性波共振子を用いて、挿入損失が小さいフィルタを構成することが可能となる。
なお、高音速支持基板51は、支持基板と、圧電膜53を伝搬する表面波および境界波などの弾性波よりも、伝搬するバルク波の音速が高速となる高音速膜とが積層された構造を有していてもよい。この場合、支持基板は、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶等の圧電体、サファイア、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト等の各種セラミック、ガラス等の誘電体またはシリコン、窒化ガリウム等の半導体および樹脂基板等を用いることができる。また、高音速膜は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、DLC膜またはダイヤモンド、上記材料を主成分とする媒質、上記材料の混合物を主成分とする媒質等、様々な高音速材料を用いることができる。
また、図3Bは、弾性波共振子の変形例を模式的に表す断面図である。図3Aに示した弾性波共振子100では、IDT電極54が、圧電膜53を有する基板5上に形成された例を示したが、当該IDT電極54が形成される基板は、図3Bに示すように、圧電体層の単層からなる圧電単結晶基板57であってもよい。圧電単結晶基板57は、例えば、LiNbOの圧電単結晶で構成されている。本変形例に係る弾性波共振子100は、LiNbOの圧電単結晶基板57と、IDT電極54と、圧電単結晶基板57上およびIDT電極54上に形成された保護層55と、で構成されている。
上述した圧電膜53および圧電単結晶基板57は、弾性波フィルタ装置の要求通過特性などに応じて、適宜、積層構造、材料、カット角、および、厚みを変更してもよい。上述したカット角以外のカット角を有するLiTaO圧電基板などを用いた弾性波共振子100であっても、上述した圧電膜53を用いた弾性波共振子100と同様の効果を奏することができる。
また、IDT電極54が形成される基板は、支持基板と、エネルギー閉じ込め層と、圧電膜がこの順で積層された構造を有していてもよい。圧電膜上にIDT電極54が形成される。圧電膜は、例えば、LiTaO圧電単結晶または圧電セラミックスが用いられる。支持基板は、圧電膜、エネルギー閉じ込め層、およびIDT電極54を支持する基板である。
エネルギー閉じ込め層は1層または複数の層からなり、その少なくとも1つの層を伝搬する弾性バルク波の音速は、圧電膜近傍を伝搬する弾性波の音速よりも高速である。例えば、低音速層と、高音速層との積層構造となっていてもよい。低音速層は、圧電膜を伝搬するバルク波の音速よりも、低音速層中のバルク波の音速が低速となる膜である。高音速層は、圧電膜を伝搬する弾性波の音速よりも、高音速層中のバルク波の音速が高速となる膜である。なお、支持基板を高音速層としてもよい。
また、エネルギー閉じ込め層は、音響インピーダンスが相対的に低い低音響インピーダンス層と、音響インピーダンスが相対的に高い高音響インピーダンス層とが、交互に積層された構成を有する音響インピーダンス層であってもよい。
ここで、弾性波共振子100を構成するIDT電極の電極パラメータの一例について説明する。
弾性波共振子の波長とは、図3Aの(b)に示すIDT電極54を構成する複数の電極指150aまたは150bの繰り返し周期である波長λで規定される。また、電極ピッチは、波長λの1/2であり、櫛形電極100aおよび100bを構成する電極指150aおよび150bのライン幅をWとし、隣り合う電極指150aと電極指150bとの間のスペース幅をSとした場合、(W+S)で定義される。また、一対の櫛形電極100aおよび100bの交叉幅Lは、図3Aの(a)に示すように、電極指150aと電極指150bとの弾性波伝搬方向(X軸方向)から見た場合の重複する電極指の長さである。また、各弾性波共振子の電極デューティーは、複数の電極指150aおよび150bのライン幅占有率であり、複数の電極指150aおよび150bのライン幅とスペース幅との加算値に対する当該ライン幅の割合であり、W/(W+S)で定義される。また、隣り合う電極指150aと電極指150bを一対とすると、IDT電極54の対数Nは、複数の電極指150aの本数および複数の電極指150bの本数の平均である。
また、櫛形電極100aおよび100bの高さをhとしている。以降では、波長λ、交叉幅L、電極デューティー、IDT対数、IDT電極54の高さh等、弾性波共振子のIDT電極の形状に関するパラメータを、電極パラメータという。
[4.誘導結合するインダクタの配置構成]
図4は、実施例に係るエクストラクタ1Aの外観斜視図およびインダクタの配置構成の一例を示す平面図である。図4の(a)には、エクストラクタ1Aの外観斜視図が示されており、図4の(b)には、エクストラクタ1Aを構成する基板に内蔵されたインダクタの配置構成が示されている。
図4の(a)に示すように、エクストラクタ1Aは、実装基板40と、圧電性を有する基板60Aおよび60Bと、を有している。実装基板40は、複数の層が積層された多層基板であり、例えば、セラミックス多層基板およびPCB基板などが挙げられる。
帯域阻止フィルタ10Aおよび帯域通過フィルタ20Aは、例えば、弾性表面波共振子で構成されている。基板60A上には、帯域阻止フィルタ10Aの直列腕共振子101~103を構成するIDT電極が形成されている。基板60B上には、帯域通過フィルタ20Aの直列腕共振子201~204および並列腕共振子251~254を構成するIDT電極が形成されている。実装基板40には、インダクタ11~13、21、および31が形成されている。
基板60Aおよび60Bは、実装基板40上に実装されており、基板60Aおよび60B上のIDT電極と実装基板40のインダクタとは、実装基板40上に配置された接続電極を介して電気的に接続されている。なお、基板60Aおよび60Bは、1枚の基板であってもよい。つまり、帯域阻止フィルタ10Aの直列腕共振子101~103を構成するIDT電極、ならびに、帯域通過フィルタ20Aの直列腕共振子201~204および並列腕共振子251~254を構成するIDT電極が、1枚の基板上に形成されていてもよい。
また、帯域阻止フィルタ10Aおよび帯域通過フィルタ20Aは、実装基板40に内蔵されていてもよく、また、各フィルタの一部が実装基板40に内蔵され、他部が実装基板40上に実装されていてもよい。
図4の(b)には、実装基板40を構成する複数の層のうちの一層である層40aに形成された平面配線パターンが示されている。インダクタ13および31は、それぞれ、層40aに形成された平面コイルパターンで構成されている。
図4の(b)に示すように、層40aを平面視した場合、インダクタ13の平面コイルパターンおよびインダクタ31の平面コイルパターンにおいて、電流の流れは、ともに時計周りとなっており、磁束方向が同じとなっている。なお、本実施の形態において、2つの磁束方向が同じであるとは、当該2つの磁束方向ベクトルのなす角度が0度以上かつ45度以下であると定義される。
これにより、インダクタ13とインダクタ31とは、磁束方向が同じであることから誘導結合(磁界結合)し、かつ、当該誘導結合度の調整幅を大きく確保できるので、エクストラクタ1Aを小型化しつつ、上記バイパス経路により第1周波数帯域(帯域阻止フィルタ10Aの阻止帯域)よりも高周波側の帯域における高周波信号の優先通過を高精度に調整することが可能となる。
さらに、インダクタ13を構成する平面コイルパターンの巻回軸方向とインダクタ31を構成する平面コイルパターンの巻回軸方向とは、同じである。なお、本実施の形態において、2つの巻回軸方向が同じであるとは、当該2つの巻回軸のなす角度が0度以上かつ45度以下であると定義される。
また、図4の(b)に示すように、インダクタ13とインダクタ31との間には、導電部材が配置されていない。これにより、インダクタ13とインダクタ31との誘導結合度を高く確保することが可能となる。ただし、インダクタ13とインダクタ31との間に、導電部材が配置されていてもよい。
なお、インダクタ13および31は、実装基板40の平面コイルパターンで構成されていなくてもよく、実装基板40上に実装されたチップ状のインダクタであってもよい。この実装構成においても、インダクタ13および31の磁束方向が同じであるように配置されることで、上記バイパス経路により、第1周波数帯域(帯域阻止フィルタ10Aの阻止帯域)よりも高周波側の帯域における高周波信号の優先通過を高精度に調整できる。
さらに、インダクタ13および31のそれぞれは、実装基板40を構成する複数の層に形成された複数の平面コイルパターンで構成されていてもよい。
[5.実施例および比較例に係るエクストラクタの比較]
図5は、実施例および比較例に係る帯域阻止フィルタの通過特性を比較したグラフである。実施例に係る帯域阻止フィルタ10Aは、図2に示された回路構成を有しており、比較例に係る帯域阻止フィルタは、図2に示された回路構成のうちインダクタ13と31とが誘導結合していない回路構成を有している。
表1に、実施例に係るエクストラクタの電極パラメータおよびインダクタのインダクタンス値を示す。なお、比較例に係るエクストラクタの各パラメータは、インダクタ13および31が誘導結合していないことを除いて、実施例に係るエクストラクタ1Aと同じである。
Figure 0007014308000001
また、表1には示されていないが、実施例に係るエクストラクタ1Aにおいて、インダクタ13とインダクタ31との結合係数は、+0.2である。一方、比較例に係るエクストラクタにおいて、インダクタ13とインダクタ31との結合係数は、0である。つまり、実施例に係るエクストラクタ1Aにおいて、インダクタ13とインダクタ31とは誘導結合しており、比較例に係るエクストラクタにおいて、インダクタ13とインダクタ31とは誘導結合していない。
図5に示すように、帯域阻止フィルタ10Aは、GPS(登録商標)(中心周波数:1575.42MHz)帯域を阻止帯域とするBEFである。図5に示された帯域阻止フィルタの通過特性では、阻止帯域、当該阻止帯域よりも低周波側の通過帯域、および当該阻止帯域近傍の高周波側の通過帯域においては、実施例に係る帯域阻止フィルタ10Aと比較例に係る帯域阻止フィルタとの間で挿入損失の有意的な差異は見られない。これに対して、3GHzより高周波側の挿入損失は、実施例に係る帯域阻止フィルタ10Aのほうが、比較例に係る帯域阻止フィルタよりも小さくなって(改善されて)いる。
比較例に係るエクストラクタにおいては、帯域通過フィルタの非線形性により発生するGPS(登録商標)帯域の高周波信号の(2倍)高調波により、帯域阻止フィルタの阻止帯域よりも高周波側の帯域(3GHz以上の帯域)において、帯域阻止フィルタと帯域通過フィルタとのアイソレーションが悪化する。このため、帯域阻止フィルタの阻止帯域よりも高周波側の帯域(3GHz以上の帯域)における挿入損失が悪化する。
これに対して、実施例に係るエクストラクタ1Aでは、インダクタ13とインダクタ31とが、結合係数0.2で誘導結合していることにより、直列腕共振子101~103を経由せずに、外部接続端子300、インダクタ31および13、ならびに入出力端子310を経由するバイパス経路が形成される。このバイパス経路は、上記誘導結合により、帯域阻止フィルタ10Aの阻止帯域(第1周波数帯域)よりも高周波側の帯域の高周波信号を通過させるような通過特性を有している。
つまり、インダクタ13とインダクタ31とは、上記バイパス経路が、インダクタ13および31の誘導結合により帯域阻止フィルタ10Aの阻止帯域よりも高周波側の帯域の高周波信号を通過させるよう、配置されている。
これにより、上記バイパス経路において、上記阻止帯域の高周波信号を通過させずに、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域における高周波信号を優先的に通過させることが可能となる。よって、帯域阻止フィルタ10Aの通過特性における、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域における挿入損失の劣化分を、上記誘導結合によるバイパス経路により補償でき、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域の挿入損失を低減できる。
図6Aは、実施例に係る帯域阻止フィルタ10Aにおいて、インダクタ13および31の誘導結合度を変化させた場合の通過特性を比較したグラフである。より具体的には、図6Aには、実施例に係る帯域阻止フィルタ10Aにおいてインダクタ13および31の誘導結合度(結合係数)を+0.2~+1.0まで変化させた場合の通過特性と、比較例に係る帯域阻止フィルタの通過特性(結合係数が0)とが示されている。
図6Aに示すように、インダクタ13および31の結合係数を0から+1.0へと増加させるにつれ、帯域阻止フィルタ10Aの阻止帯域よりも高周波側の帯域(3.0GHz以上の帯域)における挿入損失が改善されている。
これにより、インダクタ13とインダクタ31との結合係数は、0より大きく、かつ、+1.0以下であることが望ましい。言い換えれば、インダクタ13とインダクタ31とは、誘導結合していればよい。
なお、インダクタ13および31の結合係数をより大きくする構成としては、(1)インダクタ13とインダクタ31との距離を小さくする、(2)インダクタ13の磁束方向とインダクタ31の磁束方向とを、より平行にする(2つの磁束方向のなす角度を0度に近づける)、(3)インダクタ13とインダクタ31との間に、導電部材が配置されていない構成とする、などが挙げられる。なお、インダクタ31は、外部回路とのインピーダンス整合をとる機能を有し、インダクタ13は、帯域阻止フィルタ10Aの直列腕共振子101~103を経由した通過特性を最適化する機能を有するため、これらの機能は維持したままで上記結合係数を大きくする方策として、インダクタ13および31のインダクタンス値を変化させないことが望ましい。
図6Bは、比較例に係る帯域阻止フィルタの容量結合度を変化させた場合の通過特性を比較したグラフである。より具体的には、図6Bには、比較例に係る帯域阻止フィルタにおいてインダクタ13および31の容量結合度(結合係数)を0~-1.0まで変化させた場合の通過特性が示されている。
図6Bに示すように、インダクタ13および31の結合係数を0から-1.0へと減少させるにつれ、つまり、容量結合が大きくなるにつれ、帯域阻止フィルタの阻止帯域よりも高周波側の帯域における挿入損失が悪化している。これにより、インダクタ13とインダクタ31とは、容量結合していないほうが望ましい。
つまり、本実施例に係るエクストラクタ1Aにおいて、インダクタ13とインダクタ31とは、容量結合せず、誘導結合している。
(その他の変形例など)
以上、本発明の実施の形態および実施例に係るエクストラクタについて説明したが、本発明は、上記実施の形態および実施例には限定されない。例えば、上記実施の形態および実施例に次のような変形を施した態様も、本発明に含まれ得る。
例えば、上記実施例では、帯域阻止フィルタの阻止帯域および帯域通過フィルタの通過帯域としてGPS(登録商標)帯域を例示したが、Wi-Fi(登録商標)(2.4GHzまたは5GHz帯)、および、LTE(Long Term Evolution)のBand32(通過帯域:1452-1496MHz)のいずれかを、上記阻止帯域および上記通過帯域としてもよい。
また、上記実施例において、上記阻止帯域よりも高周波側の帯域として、5GNRのn77を含んでもよく、または、4G(LTE)の通信バンドであってもよい。
また、上述したエクストラクタ1および1Aは、共通端子330と反対側の入出力端子310および320に、他の帯域通過フィルタが接続された構成を有していてもよい。また、上述したエクストラクタ1および1Aは、共通端子330と反対側の入出力端子310および320に、PA(パワーアンプ)、LNA(ノイズ除去アンプ)等が接続された構成を有していてもよい。
また、本実施の形態に係るエクストラクタ1および本実施例に係るエクストラクタ1Aにおいて、図面に開示された各回路素子および信号経路を接続する経路の間に、別の回路素子および配線などが挿入されていてもよい。
本発明は、異なる無線周波数帯域および異なる無線方式による通信に対応することができるエクストラクタを備えるフロントエンド回路、送信装置および受信装置等を用いた、携帯電話等の通信機器に広く利用できる。
1、1A エクストラクタ
2 アンテナ
5、60A、60B 基板
10、10A 帯域阻止フィルタ
11、12、13、21、31 インダクタ
20、20A 帯域通過フィルタ
40 実装基板
40a 層
51 高音速支持基板
52 低音速膜
53 圧電膜
54 IDT電極
55 保護層
57 圧電単結晶基板
100 弾性波共振子
100a、100b 櫛形電極
101、102、103、201、202、203、204 直列腕共振子
150a、150b 電極指
160a、160b バスバー電極
251、252、253、254 並列腕共振子
300 外部接続端子
330 共通端子
310、320 入出力端子
541 密着層
542 主電極層

Claims (10)

  1. 外部接続端子、共通端子、第1入出力端子、および第2入出力端子と、
    前記共通端子と前記第1入出力端子との間に接続され、第1周波数帯域を阻止帯域とする帯域阻止フィルタと、
    前記共通端子と前記第2入出力端子との間に接続され、前記第1周波数帯域の少なくとも一部と重複する第2周波数帯域を通過帯域とする帯域通過フィルタと、
    前記共通端子と前記外部接続端子とを結ぶ経路に直列または並列に接続された第1インダクタと、を備え、
    前記帯域阻止フィルタは、
    弾性波共振子で構成され、前記共通端子と前記第1入出力端子とを結ぶ直列腕に配置された1以上の直列腕共振子と、
    前記1以上の直列腕共振子のうち最も前記共通端子側に配置された直列腕共振子と前記第1入出力端子との間の前記直列腕に配置された第2インダクタと、を有し、
    前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、誘導結合している、
    エクストラクタ。
  2. 前記第2インダクタは、前記第1入出力端子に他の素子を介さず接続されている、
    請求項1に記載のエクストラクタ。
  3. 前記第1インダクタは、前記外部接続端子に接続される外部機器のインピーダンスと、前記帯域阻止フィルタおよび前記帯域通過フィルタの合成インピーダンスとを整合させるためのインピーダンス素子である、
    請求項1または2に記載のエクストラクタ。
  4. 前記帯域阻止フィルタは、前記直列腕上のノードとグランドとを結ぶ並列腕に配置された第3インダクタを有する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のエクストラクタ。
  5. 前記第1インダクタの磁束方向と前記第2インダクタの磁束方向とは、同じである、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のエクストラクタ。
  6. 前記エクストラクタは、
    前記帯域阻止フィルタおよび前記帯域通過フィルタの内蔵および実装の少なくとも一方が実施された実装基板を備え、
    前記第1インダクタおよび前記第2インダクタは、それぞれ、前記実装基板に形成された平面コイルパターンで構成されており、
    前記第1インダクタを構成する平面コイルパターンの巻回軸方向と前記第2インダクタを構成する平面コイルパターンの巻回軸方向とは、同じである、
    請求項5に記載のエクストラクタ。
  7. 前記第1インダクタと前記第2インダクタとの間には、導電部材が配置されていない、
    請求項5または6に記載のエクストラクタ。
  8. 前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、
    前記1以上の直列腕共振子を経由せずに、前記外部接続端子、前記第1インダクタ、前記第2インダクタ、前記第1入出力端子を経由するバイパス経路が、前記誘導結合により前記第1周波数帯域よりも高周波側の帯域の高周波信号を通過させるように、配置されている、
    請求項1~7のいずれか1項に記載のエクストラクタ。
  9. 前記帯域通過フィルタは、
    弾性波共振子で構成され、前記共通端子と前記第2入出力端子とを結ぶ直列腕に配置された1以上の直列腕共振子と、
    弾性波共振子で構成され、前記共通端子と前記第2入出力端子とを結ぶ直列腕上のノードとグランドとを結ぶ並列腕上に配置された1以上の並列腕共振子と、
    前記1以上の並列腕共振子とグランドとの間に接続された第4インダクタと、を有する、
    請求項1~8のいずれか1項に記載のエクストラクタ。
  10. 前記帯域阻止フィルタが有する前記弾性波共振子は、弾性表面波共振子、および、BAW(Bulk Acoustic Wave)のいずれかを用いた弾性波共振子である、
    請求項1~9のいずれか1項に記載のエクストラクタ。
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