JP2003217912A - 高圧用可変抵抗器 - Google Patents

高圧用可変抵抗器

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JP2003217912A
JP2003217912A JP2002017481A JP2002017481A JP2003217912A JP 2003217912 A JP2003217912 A JP 2003217912A JP 2002017481 A JP2002017481 A JP 2002017481A JP 2002017481 A JP2002017481 A JP 2002017481A JP 2003217912 A JP2003217912 A JP 2003217912A
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Shinji Kato
慎滋 加藤
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 側壁部の係合部に隙間を発生させることな
く、2片の絶縁ケースを確実に密着させて嵌合する構造
を有する高圧用可変抵抗器を提供する。 【解決手段】 高圧用可変抵抗器31は、前面ケース1
aおよび背面ケース1bを組み合わせて構成した絶縁ケ
ース1と、絶縁ケース1内に絶縁基板2とを備えてい
る。前面ケース1aと背面ケース1bは、背面ケース1
bの側壁部11bの先端部が、前面ケース1aの嵌合用
凹部60に挿入され、係合突起部41と係合溝部42が
弾性的に係合することにより、絶縁ケース1内部を隙間
なく覆い、かつ、容易に外れることがないように嵌合し
ている。係合突起部41および係合溝部42は、それぞ
れ側壁部11b,11aの開口端部19,18以外の位
置に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高圧用可変抵抗器、
特に、テレビジョン受像機等のフォーカス電圧やスクリ
ーン電圧を調整するために用いられる高圧用可変抵抗器
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、第1の絶縁ケースと第2の絶
縁ケースを嵌合して構成した絶縁ケースを有する高圧用
可変抵抗器が知られている。例えば、特開平10−74
605号公報には、第1の絶縁ケースと第2の絶縁ケー
スを嵌合して構成した絶縁ケースと、絶縁ケースの内部
に収納され、表面に可変抵抗回路パターンが形成された
絶縁基板と、絶縁基板の表面と絶縁ケースとの間に保持
された摺動子とを備えた高圧用可変抵抗器が記載されて
いる。
【0003】この従来の高圧用可変抵抗器の第1の絶縁
ケースと第2の絶縁ケースは、以下に説明する構造で嵌
合されている。図7(A)に示すように、第1の絶縁ケ
ースである前面ケース100aの周縁には、側壁部12
2が設けられている。この側壁部122は、二つの平板
部材121と、該二つの平板部材121同士の間に形成
された嵌合用凹部120とからなる。側壁部122には
係合用孔部140が形成されている。係合用孔部140
は、一端が嵌合用凹部120の内壁面に開口し、他端が
前面ケース100aの外壁面に開口している。
【0004】また、図7(B)に示すように、第2の絶
縁ケースである背面ケース100bの周縁には、一つの
平板部材からなる側壁部110が設けられている。この
側壁部110の先端部は、前面ケース100aの嵌合用
凹部120に嵌合される。さらに、側壁部110が形成
する開口端部111には係合用突起130が形成され、
この係合用突起130は係合用孔部140に弾性的に係
合する。すなわち、図7(C)に示すように、係合用突
起130と係合用孔部140が弾性係合することによ
り、前面ケース100aと背面ケース100bが組み合
わされるため、溶着技術を用いずに絶縁ケース100を
構成することができる。なお、図7では一つの側壁部し
か図示していないが、他の三つの側壁部もほぼ同様の形
状を有する。
【0005】また、絶縁ケース100に収納される絶縁
基板の四隅には、絶縁基板が外周側から内側に向かって
切り込まれているスリットが設けられており、このスリ
ットにコイルバネや導電性ゴムなどの弾力性を持った導
電体が絶縁基板を挟み込むように嵌入されている。この
導電体は、絶縁基板表面に設けられた入力端子電極およ
びアース端子電極に電気的に接続している。また一方で
導電体は、絶縁ケースの絶縁基板裏面側から挿入された
入力端子およびアース端子に電気的に接続している。上
記のように、導電体は、入力端子およびアース端子と入
力端子電極およびアース端子電極との導通手段になって
いる。さらに、絶縁ケースが嵌合されたときに、この導
電体が前面ケース100aと背面ケース100bのそれ
ぞれの内底面により押圧され、その押圧作用により、絶
縁基板を厚み方向に挟持する構造を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高圧用可変抵抗器は、背面ケース100bの係合用突起
130が側壁部110の開口端部111に形成されてお
り、かつ、前面ケース100aの係合用孔部140の一
端が嵌合用凹部120の内壁面に開口し、他端が前面ケ
ース100aの外壁面に開口しているため、係合用突起
130と係合用孔部140が係合する部分に、絶縁ケー
ス100の内部に通じる隙間150が生じる。そして、
この隙間150から埃や湿気などが絶縁ケース100内
に侵入し、接触不良や特性の変化などの不具合を発生さ
せるおそれがあった。また、隙間150があることによ
り、絶縁耐力も十分とはいえなかった。
【0007】また、従来の高圧用可変抵抗器は、絶縁基
板に設けられたスリットに導電体を嵌入する工程が増加
するだけでなく、スリットにより絶縁基板の耐久性が劣
化し、破損による不良率が増すといった問題がある。
【0008】そこで、本発明の目的は、側壁部の係合部
に隙間を発生させることなく、前面ケースと背面ケース
を確実に密着させて嵌合する構造にし、かつ、絶縁基板
にスリットを形成する必要なく絶縁基板を絶縁ケース内
に固定し、入力端子およびアース端子と絶縁基板表面の
端子電極との電気的導通を確保できる構造の高圧用可変
抵抗器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】前記目的を達
成するため、本発明に係る高圧用可変抵抗器は、(a)
抵抗体と端子電極を表面に設けた絶縁基板と、(b)抵
抗体上を摺動する摺動子を有する少なくとも一つの回転
軸と、(c)板状部と、板状部の周縁に設けられた側壁
部と、板状部に設けられた回転軸の軸受け部と、側壁部
によって形成された開口端部とを有する第1の絶縁ケー
スと、(d)板状部と、板状部の周縁に設けられた側壁
部と、側壁部によって形成された開口端部とを有する第
2の絶縁ケースとを備え、(e)第1の絶縁ケースの側
壁部の所定の位置と、第2の絶縁ケースの側壁部の所定
の位置とにそれぞれ係合手段を設け、第1の絶縁ケース
の側壁部の係合手段と第2の絶縁ケースの側壁部の係合
手段とを係合させることにより、絶縁基板を内部に収容
したうえで、第1の絶縁ケースと第2の絶縁ケースとが
内部に通じる隙間を生じないように嵌合されているこ
と、を特徴とする。
【0010】より具体的には、第1の絶縁ケースの側壁
部の所定の位置と、第2の絶縁ケースの側壁部の所定の
位置とにそれぞれ設けられた係合手段は、側壁部によっ
て形成された開口端部を除く位置に設けられたものを含
む。そして、例えば、第1の絶縁ケースの側壁部と第2
の絶縁ケースの側壁部とにそれぞれ設けられた係合手段
のうち、一方が係合突起部であり、他方が係合溝部、係
合凹部および係合段部のうちのいずれか一つである。
【0011】また、本発明に係る高圧用可変抵抗器は、
第1の絶縁ケースおよび第2の絶縁ケースの側壁部は、
一方が少なくとも一つの平板部材からなる側壁部であ
り、他方が複数の平板部材と該複数の平板部材同士の間
に形成された凹部とからなる側壁部であり、複数の平板
部材同士の間に形成された凹部に、少なくとも一つの平
板部材からなる側壁部が挿入され、係合手段は、少なく
とも一つの平板部材からなる側壁部に設けられた係合突
起部と、複数の平板部材からなる側壁部のうち、最も外
側の側壁部に設けられた係合溝部、係合凹部、係合段部
のうちのいずれか一つとを含み、係合突起部と、係合溝
部、係合凹部、係合段部のうちのいずれか一つとが係合
されることを特徴とする。
【0012】以上の構成により、第1の絶縁ケースの側
壁部の所定の位置と、第2の絶縁ケースの側壁部の所定
の位置とにそれぞれ係合手段を設け、絶縁ケースの内部
に通じる隙間が発生しないように第1の絶縁ケースと第
2の絶縁ケースを嵌合したため、絶縁ケース内部が完全
に覆われる。そのため、不所望な物質が絶縁ケース内に
侵入する心配がなくなる。
【0013】また、第1の絶縁ケースの側壁部および第
2の絶縁ケースの側壁部のいずれか一方の絶縁ケースの
側壁部の内壁面に凹部を形成し、該凹部に絶縁基板を嵌
入して保持固定することにより、絶縁基板にスリットを
形成することなく、絶縁基板を絶縁ケース内に保持固定
することができる。
【0014】さらに、絶縁基板に少なくとも一つのスル
ーホールを形成するとともに、絶縁基板の裏面に接触電
極を設け、該接触電極をスルーホールを介して絶縁基板
の表面の端子電極に電気的に接続し、第2の絶縁ケース
の板状部に少なくとも一つの弾力性を有する導電体を取
り付け、該導電体と絶縁基板の裏面の接触電極とを押圧
接触させて電気的に接続したことを特徴とする。以上の
構成により、導電体によって絶縁基板が挟持され、絶縁
基板を絶縁ケース内に固定できるとともに、絶縁基板裏
面の導電体に嵌入される入力端子およびアース端子と絶
縁基板表面の端子電極との導通手段を確保することがで
きる。導電体の材料として、例えば導電性ゴムを使用す
ることにより、入力端子およびアース端子を導電体に嵌
入することが容易となり、組立が容易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高圧用可変抵
抗器の一実施形態について添付の図面を参照して説明す
る。
【0016】図1は高圧用可変抵抗器31の分解縦断面
図であり、図2は組立て完成後の縦断面図である。高圧
用可変抵抗器31は、前面ケース1aおよび背面ケース
1bを組み合わせて構成した絶縁ケース1と、絶縁基板
2と、回転軸3a,3bと、導電性ゴム6a,6bとを
備えている。前面ケース1aや背面ケース1bは樹脂成
型品である。
【0017】前面ケース1aは、図3に示すように、例
えば矩形の平板状の板状部10aと、板状部10aの周
縁に形成された側壁部11aと、板状部10aに形成さ
れた軸受け部5a,5bと、側壁部11aによって形成
された開口端部18とを有する。本実施形態では、側壁
部11aは、二つの平板部材61と、該二つの平板部材
61同士の間に形成された嵌合用凹部60とからなる。
側壁部11aの外側の平板部材61には、該平板部材6
1を貫通する係合溝部42が形成されている。
【0018】背面ケース1bは、図4に示すように、矩
形の平板状の板状部10bと、板状部10bの周縁に形
成された側壁部11bと、板状部10bに形成された円
筒状の保持部15a,15bと、側壁部11bによって
形成された開口端部19とを有する。本実施形態では、
側壁部11bは一つの平板部材からなる。この側壁部1
1bの先端部は、前面ケース1aの嵌合用凹部60に嵌
合される。さらに、側壁部11bの外側壁には係合突起
部41が形成されており、この係合突起部41は前面ケ
ース1aの係合溝部42に弾性的に係合する。係合突起
部41は例えば、断面が直角三角形をなす爪型の形状で
ある。
【0019】前面ケース1aと背面ケース1bは、背面
ケース1bの側壁部11bの先端部が、前面ケース1a
の嵌合用凹部60に挿入され、係合突起部41と係合溝
部42が弾性的に係合することにより、絶縁ケース1内
部を隙間なく覆い、かつ、容易に外れることがないよう
に嵌合している。
【0020】なお、係合突起部41および係合溝部42
は、それぞれ側壁部11bおよび11aの開口端部1
9,18以外の位置に設けられている。なぜなら、開口
端部18,19に係合突起部41や係合溝部42を設け
ると、従来の高圧用可変抵抗器のように絶縁ケースの内
部に通じる隙間が生じてしまうからである。
【0021】また、係合突起部41と係合溝部42の位
置、数および形状は、本実施形態に限るものではなく、
前面ケース1aと背面ケース1b同士が隙間なく嵌合す
るような構成になっていれば任意である。また、係合溝
部42の代わりに、側壁部を貫通しない係合凹部や、係
合突起部41を係止する係合段部を設けてもよい。
【0022】また、前面ケース1aの側壁部11aとし
ては、二つの平板部材からなる側壁部を例にして説明し
たが、前面ケース1aと背面ケース1b同士が隙間なく
嵌合するような構成になっていれば、一つ、あるいは三
つ以上の平板部材からなる側壁部でもよい。背面ケース
1bの側壁部11bとしては、一つの平板部材からなる
側壁部を例にして説明したが、複数の平板部材からなる
側壁部でもよい。
【0023】さらに、本実施形態では、係合突起部41
と係合溝部42を側壁部の一つの面のみに設けた例につ
いて説明したが、係合突起部41と係合溝部42(ある
いは係合凹部や係合段部)とを複数の面に設けてもよい
ことはもちろんである。また、側壁部の一つの面におい
て、係合突起部41と係合溝部42(あるいは係合凹部
や係合段部)とを複数箇所設けてもよい。
【0024】前面ケース1aの対向する二つの側壁部1
1aの内壁面には、絶縁基板2の板厚とほぼ等しい幅の
凹部9が設けられている。この凹部9に、絶縁基板2の
縁部が嵌入され、絶縁ケース1内部に保持固定される。
凹部9のケース開口端部18側には、爪部91が形成さ
れている。爪部91の断面形状は絶縁基板2を凹部9に
嵌入し易いように、例えばケース開口端部18側の辺が
斜辺である直角三角形をなしている。
【0025】なお、本実施形態では、爪部91の断面形
状を直角三角形としたが、四角形のような他の形状にし
てもよい。さらに、凹部9を前面ケース1aに設ける代
わりに、背面ケース1bに設け、絶縁基板2を背面ケー
ス1bにて保持する構造としてもよい。
【0026】図2および図3に示すように、前面ケース
1aの表面部に設けられた円筒状の軸受け部5a,5b
には、摺動子4a,4bを有する回転軸3a,3bが軸
受されている。
【0027】図5に示すように、アルミナセラミックス
等からなる絶縁基板2の表面には、フォーカス電圧の出
力端子電極21、スクリーン電圧の出力端子電極22、
フォーカス電圧調整用の可変抵抗部23aとスクリーン
電圧調整用の可変抵抗部23bとを有する抵抗体23、
抵抗体23に導通した表面側の入力端子電極24aおよ
び表面側のアース端子電極25aが形成されている。各
摺動子4a,4bの一端は出力端子電極21,22と導
通する中心電極21a,22aに接触し、他端が円弧状
の可変抵抗部23a,23b上を摺動するように配置さ
れている。従って、回転軸3a,3bの頭部の十字溝に
ドライバの先を当て、回転軸3a,3bをそれぞれ回動
させることにより、所望の抵抗値にセットできる。
【0028】絶縁基板2の裏面には、例えばペースト状
の導体が付与されたスルーホール26aによって入力端
子電極24aと導通している入力端子接触電極24bが
形成されるとともに、スルーホール26bによってアー
ス端子電極25aと導通しているアース端子接触電極2
5bが形成されている。
【0029】導電性ゴム6a,6bは、図2に示すよう
に、それぞれの一端が入力端子接触電極24b、アース
端子接触電極25bを押圧するように接しており、他端
が背面ケース1bの円筒状保持部15a,15bに保持
されている。この導電性ゴム6a,6bに、外部からの
入力端子およびアース端子が嵌入することにより、絶縁
基板2の表面と外部回路とが電気的に接続される。
【0030】なお、本実施形態では導電体に導電性ゴム
6a,6bを用いたが、これに限るものではなく、他の
導電体を用いてもよい。また、スルーホール26a,2
6bは、それぞれの電極に対して一つづつ設けられてい
るが、それぞれの電極に対して複数のスルーホールを設
けてもよい。それぞれの電極に対して複数のスルーホー
ルを設けると、例えば一つのスルーホールが導通不良だ
ったとしても、他のスルーホールで絶縁基板2の表裏の
導通を図ることができ、導通の信頼性が増す。また、絶
縁基板2の表裏の導通方法としては、スルーホール用孔
内にペースト状の導体を付与することに限定されず、例
えば導電性接着剤やリベット状の金具やクリップ状の金
具を用いてもよい。
【0031】図3に示すように、絶縁ケース1には、フ
ォーカス電圧を取り出す出力リード線を挿入保持するた
めのリード線保持部13a、並びに、スクリーン電圧を
取り出す出力リード線を挿入保持するためのリード線保
持部13bが形成されている。図6に示すように、前面
ケース1aの内面には、端子嵌合部14が設けられてい
る。端子嵌合部14は、リード線保持部13aと連通穴
17を介して連通している。
【0032】端子嵌合部14にはリード線接続部材8が
収納保持されている。端子嵌合部14は、リード線接続
部材8の挟持部81の両側縁部および底部が係合する溝
部83と、リード線接続部材8のバネ部82が収納可能
な例えば円筒状の収容部20とを備えている。リード線
接続部材8の挟持部81の両側縁部および底部を溝部8
3に挿入することで、リード線接続部材8は倒れが防止
される。そして、リード線接続部材8が溝部83の最奥
部まで到達すると、リード線接続部材8の挟持部81が
連通穴17と対応する。従って、リード線接続部材8を
端子嵌合部14に挿入した状態で、側方から出力リード
線7をリード線保持部13aに挿入すれば、出力リード
線7の芯線は自動的にリード線接続部材8の挟持部81
に圧入される。
【0033】リード線接続部材8は、平板状の金属を略
四角形に打抜きして形成されたものであり、その中央部
には出力リード線7の芯線を挟持する複数の爪が内向き
に形成された挟持部81を有している。出力リード線7
をリード線保持部13aに挿入すれば、出力リード線7
の芯線はリード線接続部材8の挟持部81に圧入され
る。出力リード線7の芯線を圧入することで爪が圧入方
向に撓み、芯線に圧着する。そのため、リード線接続部
材8を芯線と電気的に導通させることができ、かつ確実
に抜け止めできる。なお、挟持部81の爪を予め圧入方
向に若干傾斜させて成形してもよい。リード線接続部材
8のバネ部82は絶縁基板2の表面の出力端子電極2
1,22に適当な圧力をもって押圧接触しており、絶縁
基板2と出力リード線7との電気的導通を確保してい
る。
【0034】以上、図6を用いて一方のリード線保持部
13a付近の構造について説明したが、他方のリード線
保持部13b付近についてもほぼ同様の構造であるた
め、説明および図示を省略する。
【0035】なお、本発明に係る高圧用可変抵抗器は前
記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内
で種々に変更することができる。例えば、前記実施形態
では、バネ部82が出力リード線7と絶縁基板2の導通
を確保しているが、バネ部82の代わりに、コイルバネ
や導電性ゴムなどの導電体を設けたものでもよい。
【0036】また、前記実施形態では、1つのフォーカ
ス電圧と1つのスクリーン電圧を出力する高圧用可変抵
抗器で説明したが、これに限るものではなく、例えば、
2つのフォーカス電圧を出力するいわゆるダブルフォー
カスタイプと呼ばれる高圧用可変抵抗器であってもよ
い。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、第1の絶縁ケースの側壁部の所定の位置と、第
2の絶縁ケースの側壁部の所定の位置とにそれぞれ係合
手段を設け、絶縁ケースの内部に通じる隙間が発生しな
いように第1の絶縁ケースと第2の絶縁ケースを嵌合し
ているため、絶縁ケース内部が完全に覆われる。そのた
め、不所望な物質が絶縁ケース内に侵入する心配がなく
なり、接触不良や特性の変化を防止し、また、隙間がな
いことで絶縁耐力を増すことができる。
【0038】さらに、本発明によれば、絶縁ケースの側
壁部の内壁面に形成した凹部に絶縁基板を嵌入して保持
固定し、絶縁基板の裏面に形成した入力端子接触電極お
よびアース端子接触電極をスルーホールを介して絶縁基
板表面の端子電極に電気的に接続したため、絶縁基板に
スリットを形成する必要がなく、かつ、入力端子および
アース端子と絶縁基板表面との電気的導通を確保でき
る。そのため、導電体をスリットに嵌入する工程を省略
できるとともに、絶縁基板の耐久性を維持できるため、
割れや欠けによる絶縁基板の破損を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高圧用可変抵抗器の一実施形態を
示す分解縦断面図。
【図2】図1に示した高圧用可変抵抗器の縦断面図。
【図3】図1に示した高圧用可変抵抗器の正面図。
【図4】図1に示した高圧用可変抵抗器の背面図。
【図5】図1に示した高圧用可変抵抗器に使用されてい
る絶縁基板の平面図。
【図6】フォーカス電圧を取り出すリード線保持部の縦
断面図。
【図7】従来の高圧用可変抵抗器の絶縁ケースの側壁部
を示す斜視図。
【符号の説明】
1…絶縁ケース 1a…前面ケース 1b…背面ケース 2…絶縁基板 3a,3b…回転軸 4a,4b…摺動子 5a,5b…軸受け部 6a,6b…導電性ゴム 10a,10b…板状部 11a,11b…側壁部 18,19…開口端部 23…抵抗体 24a,25a…端子電極 26a,26b…スルーホール 31…高圧用可変抵抗器 41…係合突起部 42…係合溝部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗体と端子電極を表面に設けた絶縁基
    板と、 前記抵抗体上を摺動する摺動子を有する少なくとも一つ
    の回転軸と、 板状部と、前記板状部の周縁に設けられた側壁部と、前
    記板状部に設けられた前記回転軸の軸受け部と、前記側
    壁部によって形成された開口端部とを有する第1の絶縁
    ケースと、 板状部と、前記板状部の周縁に設けられた側壁部と、前
    記側壁部によって形成された開口端部とを有する第2の
    絶縁ケースとを備え、 前記第1の絶縁ケースの側壁部の所定の位置と、前記第
    2の絶縁ケースの側壁部の所定の位置とにそれぞれ係合
    手段を設け、前記第1の絶縁ケースの側壁部の係合手段
    と前記第2の絶縁ケースの側壁部の係合手段とを係合さ
    せることにより、前記絶縁基板を内部に収容したうえ
    で、前記第1の絶縁ケースと前記第2の絶縁ケースとが
    内部に通じる隙間を生じないように嵌合されているこ
    と、 を特徴とする高圧用可変抵抗器。
  2. 【請求項2】 前記第1の絶縁ケースの側壁部の所定の
    位置と、前記第2の絶縁ケースの側壁部の所定の位置と
    にそれぞれ設けられた係合手段は、前記開口端部を除く
    位置に設けられたものを含むことを特徴とする請求項1
    に記載の高圧用可変抵抗器。
  3. 【請求項3】 前記第1の絶縁ケースの側壁部と前記第
    2の絶縁ケースの側壁部とにそれぞれ設けられた前記係
    合手段のうち、一方が係合突起部であり、他方が係合溝
    部、係合凹部および係合段部のうちのいずれか一つであ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高
    圧用可変抵抗器。
  4. 【請求項4】 前記第1の絶縁ケースおよび前記第2の
    絶縁ケースの側壁部は、一方が少なくとも一つの平板部
    材からなる側壁部であり、他方が複数の平板部材と該複
    数の平板部材同士の間に形成された凹部とからなる側壁
    部であり、 前記複数の平板部材同士の間に形成された凹部に、前記
    少なくとも一つの平板部材からなる側壁部が挿入され、 前記係合手段は、前記少なくとも一つの平板部材からな
    る側壁部に設けられた前記係合突起部と、前記複数の平
    板部材からなる側壁部のうち、最も外側の側壁部に設け
    られた前記係合溝部、前記係合凹部、前記係合段部のう
    ちのいずれか一つとを含み、 前記係合突起部と、前記係合溝部、前記係合凹部、前記
    係合段部のうちのいずれか一つとが係合されることを特
    徴とする請求項3に記載の高圧用可変抵抗器。
  5. 【請求項5】 前記第1の絶縁ケースの側壁部および前
    記第2の絶縁ケースの側壁部のいずれか一方の絶縁ケー
    スの側壁部の内壁面に凹部を形成し、該凹部に前記絶縁
    基板を嵌入して保持固定したことを特徴とする請求項1
    〜請求項4のいずれかに記載の高圧用可変抵抗器。
  6. 【請求項6】 前記絶縁基板に少なくとも一つのスルー
    ホールを形成するとともに、前記絶縁基板の裏面に接触
    電極を設け、該接触電極を前記スルーホールを介して前
    記絶縁基板の表面の端子電極に電気的に接続し、 前記第2の絶縁ケースの板状部に少なくとも一つの弾力
    性を有する導電体を取り付け、該導電体と前記絶縁基板
    の裏面の接触電極とを押圧接触させて電気的に接続した
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載
    の高圧用可変抵抗器。
  7. 【請求項7】 前記導電体が導電性ゴムであることを特
    徴とする請求項6に記載の高圧用可変抵抗器。
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