JP2003217082A - 画像式速度検知システム及び画像式速度検知方法 - Google Patents

画像式速度検知システム及び画像式速度検知方法

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JP2003217082A JP2002012051A JP2002012051A JP2003217082A JP 2003217082 A JP2003217082 A JP 2003217082A JP 2002012051 A JP2002012051 A JP 2002012051A JP 2002012051 A JP2002012051 A JP 2002012051A JP 2003217082 A JP2003217082 A JP 2003217082A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮像手段により得られた画像から車両を検出
し、所定距離間隔に設定された計測断面から得られる確
定速度から、車両の位置を一定時間間隔に推定し、前記
計測断面間の実測値と推定値を比較することにより、速
度精度と位置精度を高めた画像式速度検知システムを提
供する。 【解決手段】 計測エリアの画像を撮影する撮像部10
と、撮像部10で撮影されたアナログ画像データをデジ
タル信号に変換するA/D変換部11と、デジタル信号
に変換された信号を多値階調データとして格納する多値
メモリ部12と、多値メモリ部12のデータを所定のフ
レーム単位に取り出し、その画像から影や周辺の不要部
分を取り除く画像処理を行い車両を検出する車両検出部
13と、車両と検出された位置から所定の位置までの距
離と時間から車両の速度を計測する速度計測部14と、
計測した車両の位置と速度を図示しない信号制御部に出
力する速度出力部15とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像式速度検知シ
ステムに関し、さらに詳しくは、撮像手段により撮影さ
れた車両についての画像情報に基づいて、車両の位置と
速度を検出する画像式速度検知システムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】道路上を移動する車両が交差点の停止線
を通過する時点において信号機が青である場合は、基本
的に交差点に進入した速度を維持して安全に交差点外に
出ることができる。しかし、交差点の停止線に達する手
前の上流側のエリアで信号が青から黄に変化した場合、
車両の進入速度と、現在位置によっては、通過の途中で
赤になってしまう可能性がある。このような時、車両の
運転者は停止しようか進もうか迷ってしまい、ジレンマ
に陥ってしまうことがある。このようなジレンマによる
迷いは、判断ミスや運転操作の誤りをもたらし、これが
事故につながることがある。このような場合、少しでも
安全性を確保するために、その車両の現在位置と、その
位置での速度に応じて青信号の点灯時間を長くするよう
に制御するジレンマ感応制御という制御方法により制御
される信号機が知られている。例えば、図10の従来の
ジレンマ感応制御では、停止線77の上流150m付近
に設置した速度感知器71から得られる車両の計測速度
をもとに、黄信号を表示する予定の時点78における車
両の位置と速度を推定し制御を行っている。つまり、車
両73が感知機設置位置71から進入した場合、信号機
は車両73が推定位置75で停止することができると判
断して、黄信号を表示する予定の時点78で信号を黄に
変化させる。しかし、推定位置75(車両72の速度と
位置)と実際の車両70の走行位置76との間に推定誤
差74が発生する。この誤差により現行のジレンマ感応
制御が有効に機能しないことがある。この対策として図
11のように、ジレンマゾーンに車両が存在するか否か
は、黄信号を表示する予定の時点における車両の位置と
速度で判定する。つまり、車両81が直接計測エリア8
2に侵入したとき、停止線83から車両までの位置と速
度を計測して信号を制御するようにする。従って、黄信
号を表示する予定の時点84において、当該流入リンク
に存在するすべての車両(図では車両80と81)の位
置と速度を直接計測することができれば、計測誤差は残
るものの、車両の位置及び速度の推定が不必要となり、
前記の問題点を解決することができる。しかし、既存の
感知器ではスポットで計測しており、残りのエリアはエ
リア内のスポットでの計測結果から推定することで信号
制御を行っていた。この方式を用いると、推定するエリ
アが大きくなるほど推定誤差が大きくなり、そのために
信号制御の効果が出ない場合がある。
【0003】また、従来発明として特許第151372
号公報には、簡便に物体(例えば車両)の移動速度を検
出する装置及び方法について開示されている。これによ
ると、時間間隔T毎に物体が移動する所定の領域を撮影
する撮影手段と、撮影手段により撮影された時間間隔T
毎の画像情報の各画素の明度情報を物体の移動方向に沿
った軸に射影し、軸上に各明度値を蓄積することによ
り、一次元射影情報を生成する射影手段と、射影手段か
らの一次元射影情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に
記憶された一次元射影情報を用いて、所定の領域内を移
動する物体の速度を検出する検出手段とを有する移動物
体速度検出装置が開示されている。また、特開2001
−256485公報には、画像監視装置における車種判
別の精度を向上させる技術について開示されている。こ
れによると、画像上に領域を設定し、その領域を車両が
通過している間のその領域の画像濃度(画像の輝度の濃
度)の時系列データ、その領域のエッジ濃度(画像の輝
度を微分処理することで求めたエッジの輝度の濃度)の
時系列データを記憶し、車両の走行速度とこれらの時系
列データから車種を判別するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ジレンマ感応制御によると、車両を計測する感知器がス
ポット計測方法であるため、残りのエリアはエリア内の
スポットでの計測結果から推定することで信号制御を行
っていたため、推定するエリアが大きくなるほど推定誤
差が大きくなり、信号制御の効果が出ない場合があっ
た。また、特許第151372号公報は、道路の中心線
に撮影された画像の明度情報をスリット状に射影し、そ
の総和を求めて1次元情報に変換し、その直線の傾きか
ら速度を求めるものであり、画像による車両の位置と速
度の推定は行っていない。また、特開2001−256
485公報は、車両の種別判定が主たる目的であり、車
両の速度は車種を判別する一つのデータに過ぎず、テン
プレートマッチングによる速度検出は行っているが、画
像による車両の位置と速度の推定は行っていない。本発
明は、かかる課題に鑑み、撮像手段により得られた画像
から車両を検出し、所定距離間隔に設定された直接計測
断面から得られる確定速度から、車両の位置を一定時間
間隔に推定し、前記直接計測断面間の実測値と推定値を
比較することにより、位置精度と速度精度を高めた画像
式速度検知システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するために、請求項1は、撮像手段により撮影された
路上を移動中の車両についての画像情報を処理して該車
両の速度と位置を検出する画像式速度検知システムにお
いて、前記撮像手段により撮影された撮像エリア内の車
両及び周辺の画像を格納する画像格納手段と、該画像格
納手段により格納された画像情報に基づいて画像認識に
より車両を検出する車両検出手段と、前記車両の走行中
の位置と速度を計測する位置・速度計測手段と、前記車
両の位置と速度を確定する直接計測断面と、該直接計測
断面により確定した前記車両の位置と速度を信号装置に
出力する位置・速度出力手段とを備え、前記車両検出手
段により車両として検出された場合、該検出された位置
から前記車両が前記直接計測断面を通過するまでに要し
た時間と距離に基づいて前記位置・速度計測手段により
前記車両の位置と速度を計測し、該計測結果を前記位置
・速度出力手段により前記信号装置に出力すると共に、
前記位置・速度出力手段からの出力結果を元にして、前
記直接計測断面を通過後の車両の位置と速度を一定時間
間隔毎に推定することを特徴とする。撮像手段は一般的
にはビデオカメラであり、交差点の手前から所定のエリ
アを撮影するように設定されている。撮影するエリアは
路面であるため、時間、周辺状況、季節により変化する
被写体である。例えば、昼間と夜では周辺の明るさ、あ
るいは交通量が異なり、また、周辺が住宅街か否かによ
っても周りからの照明量が異なる。さらに、季節が異な
れば当然路面状況は大きく変化する。例えば、冬に雪が
降れば全く異なる状況を呈することになる。従って、こ
の状態での画像情報を一旦メモリに格納し、その格納さ
れた画像情報から車両についての画像情報のみを画像処
理により抽出することが必要となる。本発明では画像処
理の詳しい説明は省略するが、いずれにしても車両につ
いての画像情報を得られた全ての画像情報中から検出
し、その車両が一定の距離走行した時間から速度を計測
する。この方法は、車両として検出された位置から所定
の位置までの時間から容易に測定することができる。そ
して、その結果(速度と位置)を出力手段に出力する。
ここまでは、従来の技術として公知であるが、本発明は
前記出力手段に出力した速度を元にしてそれ以降の車両
の位置を一定時間間隔毎に推定するところに特徴があ
る。
【0006】かかる発明によれば、前記車両検出手段に
より車両として検出された場合、該検出された位置から
前記車両が前記計測断面を通過するまでに要した時間と
距離から前記速度計測手段により前記車両速度を計測
し、該計測結果を前記速度出力手段により出力すると共
に、前記計測断面を通過後の車両位置は、前記速度出力
手段からの出力結果に基づいて一定時間間隔毎に推定す
ることにより、複数の測定ポイントが設定可能となり、
車両速度を精度良く測定することができる。
【0007】請求項2では、前記直接計測断面は前記撮
像エリア内に少なくとも1つ以上設定され、前記各直接
計測断面の手前には前記車両を検出する車両検出エリア
と前記車両の速度を計測するために前記車両を追跡する
車両追跡エリアが設けられていることも本発明の有効な
手段である。従来では、交差点の停止線上流に存在する
ジレンマゾーン内を通過する車両の位置と速度を、可能
な限り正確に計測するために感知器の数を増やさなけれ
ばならなかった。その結果、システム全体のコストを高
くしていた。そこで、画像により直接計測断面を複数設
定し、各直接計測断面では正確な車両の検出と速度を計
測するために、その手前に車両を検出するエリアと車両
を追跡して速度を測定するエリアを設け、移動体が車両
であることを正確に検出し、以後のデータが無駄になら
ないようにする。かかる技術手段によれば、前記直接計
測断面は前記撮像エリア内に少なくとも1つ以上設定さ
れ、前記各直接計測断面の手前には前記車両を検出する
車両検出エリアと前記車両の速度を計測するために前記
車両を追跡する車両追跡エリアが設けられていることに
より、車両検出精度が高くして以後のデータの信頼性を
高めることができ、しかも、装置のトータルコストを安
くすることができる。請求項3では、前記直接計測断面
から次の直接計測断面までの間は、前記直接計測断面で
確定された前記車両の位置と速度を元にして、次の直接
計測断面までの間の前記車両の位置と速度を推定し、該
推定結果を一定時間間隔毎に前記位置・速度出力手段に
出力することも本発明の有効な手段である。従来の方法
では、直接計測断面を多くすれば計測の精度を上げるこ
とができる。しかし、その分感知器の数が増加してシス
テムのコストを高騰させる。このように、従来の感知器
では台数を増やすしか精度を上げる方法がなかったが、
画像を使うことにより1台で直接計測断面を増やすこと
ができる。その反面、直接計測断面が多くなった分精度
は高くなるが、画像処理の負荷が大きくなるため推定を
入れている。つまり、直接計測断面と次の直接計測断面
の間では車両の位置と速度データは発生されないため、
その間の車両の位置と速度のデータを得ることができな
い。従って、間隔が大きくなればその分誤差が累積して
大きくなる。これを補正するために、直接計測断面を通
過した車両の速度から計算により位置と速度を推定し、
その推定値を一定時間間隔に出力することにより、あた
かも直接計測断面が多くなったことと等価にする方法で
ある。かかる技術手段によれば、前記直接計測断面から
次の直接計測断面までの間は、該直接計測断面で確定さ
れた前記車両の位置と速度を元にして前記車両の位置と
速度を推定し、該推定結果を一定時間間隔に前記位置・
速度出力手段に出力するため、画像処理の負荷を少なく
して測定精度の低下を抑えることができる。
【0008】請求項4では、前記直接計測断面からの計
測結果及び前記推定結果の出力は、一定時間間隔で連続
して前記位置・速度出力手段に出力されることも本発明
の有効な手段である。位置・速度出力手段は信号機の制
御回路に対して、確定した車両の位置と速度データを送
る。そして、制御回路はそのデータから車両の位置と速
度を判断し、信号機を制御している。従って、位置・速
度出力手段からのデータ量が多いほど正確性は高くな
る。また、一定間隔でしかも連続してくるデータに対し
ては処理が容易となり、制御回路の負荷を軽くすること
ができる。かかる技術手段によれば、前記計測断面から
の計測結果と前記推定結果の出力は、一定時間間隔で連
続して前記位置・速度出力手段に出力されるので、デー
タの正確性が高くなると共に制御回路の負荷を軽くする
ことができる。請求項5では、前記位置・速度出力手段
が前記車両の位置を推定する場合、前記直接計測断面か
ら前記位置・速度出力手段への出力遅延時間を見込んで
推定することも本発明の有効な手段である。システムの
構成形態により必ずしも全ての装置が1箇所に集約され
るとは限らない。むしろ、画像検知器と信号制御機はお
互いに離れた位置に設置されるのが一般的である。その
ような場合、必ず信号の遅延現象が発生し、処理速度が
速いほどこの影響は大きくなる。そこで、予め遅延時間
を測定しておき、その遅延時間を見込んで処理する必要
がでてくる。かかる技術手段によれば、前記車両の位置
を推定する場合、前記計測断面から前記位置・速度出力
手段への出力遅延時間を見込んで推定するようにすれ
ば、遅延時間による位置と速度の誤差を最小限にするこ
とができる。
【0009】請求項6は、前記直接計測断面として認め
た所定の範囲内で前記車両の計測結果及び前記推定結果
が得られた場合、前記計測結果を前記直接計測断面にお
ける確定結果として前記位置・速度出力手段に出力する
ことも本発明の有効な手段である。直接計測断面は車両
の位置と速度を確定する重要なポイントである。このポ
イントは可能な限り狭いほうがその正確性は増すが、狭
くすればするほど、車両の検出が困難となる。この相反
する問題を解決するために直接計測断面にある程度幅を
持たせ、その範囲内であれば有効とする。これに基づ
き、直接計測断面の所定の範囲内で車両の計測結果と推
定結果の両方が得られた場合は、追跡した正しい車両の
計測結果であると判断して、推定結果を破棄してこの計
測結果を確定計測データとする。かかる技術手段によれ
ば、前記直接計測断面の所定の範囲内で前記車両の計測
結果及び前記推定結果が得られた場合、前記計測結果を
前記直接計測断面における確定結果として前記位置・速
度出力手段に出力することにより、直接計測断面ごとに
推定値と計測値の誤差を補正することができる。請求項
7では、前記直接計測断面として認めた所定の範囲内で
前記車両の計測結果が得られず、所定の時間経過後に前
記車両が検出されない場合、以後の推定を打ち切ること
も本発明の有効な手段である。直接計測断面の所定の範
囲内で車両の計測結果が得られない場合がある。これ
は、追跡中の車両が途中で停車したか、あるいは、車線
変更して撮像エリアから外れた場合が考えられる。この
ような場合、推定結果と測定結果を比較することが不可
能となるので、直接計測断面手前の車両検出エリアで車
両が検出されなければ推定を打ち切らざるを得ない。か
かる技術手段によれば、前記直接計測断面の所定の範囲
内で前記車両の計測結果が得られず、所定の時間経過後
に前記車両が検出されない場合、以後の推定を打ち切る
ことにより、無駄な処理を実行することを防ぐことがで
きる。
【0010】請求項8では、画像式速度検知器が所定の
距離に複数設置され、前記撮像エリア内の最後の直接計
測断面にて前記車両の位置と速度を確定後、前記撮像エ
リアの視野外に車両が出た場合、前記最後の直接計測断
面から得られた速度に基づいて前記視野外の車両の位置
と速度を推定することも本発明の有効な手段である。交
差点の規模によっては撮像エリアが広すぎて1台の検知
器ではカバーしきれない場合がある。そのような時は複
数の検知器を設置して夫々の検知器が受け持つ撮像エリ
アを決めて撮影する。そして、撮像エリア内の最後の直
接計測断面以降の直接計測断面は次の検知器が受け持
つ。その場合、複数の検知器からの測定結果を1つのデ
ータとして連続して出力するためには、撮像エリア内の
最後の直接計測断面にて速度を確定した後、車両が撮像
エリアの視野外に出た場合、前記確定速度に基づきそれ
以降の推定を行い、次の検知器に継続するようにする。
かかる技術手段によれば、画像式速度検知器が所定の距
離に複数設置され、前記撮像エリア内の最後の直接計測
断面にて前記車両の位置と速度を確定後、前記撮像エリ
アの視野外に車両が出た場合、前記最後の直接計測断面
から得られた速度に基づいて前記視野外の車両の位置と
速度を推定することにより、複数の検知器を使用した場
合でも連続した測定データを出力することができる。請
求項9では、前記直接計測断面から得られる前記計測結
果及び推定結果を前記位置・速度出力手段に出力し、該
出力が信号機の表示にリアルタイムに反映されることも
本発明の有効な手段である。前述したように、位置・速
度出力手段の信号は信号機の制御回路にそのデータを送
る。そして、制御回路はそのデータから車両の速度を判
断し、信号機を制御している。従って、車両からのデー
タに即座に反応して信号機が制御されないと、車両と信
号機とのマッチングが取れなくなる。つまり、システム
としてリアルタイム性が強く要求される。かかる技術手
段によれば、前記直接計測断面から得られる前記計測結
果及び推定結果を前記位置・速度出力手段に出力し、該
出力が信号機の表示にリアルタイムに反映されるので、
車両と信号機とのマッチングをとることができる。
【0011】請求項10では、前記撮像エリア内に対向
する車両が存在する場合、それぞれの車両に対して個別
に前記直接計測断面間における前記車両の位置と速度を
推定することも本発明の有効な手段である。1車線の狭
い道路の場合、撮像エリアを1つの撮像手段でカバーす
ることができる。しかも、このような道路では車両が対
向して通行する場合が多く、対向車両の位置と速度を同
時に処理することができれば、コスト的にも安いシステ
ムを構築することができる。かかる技術手段によれば、
前記撮像エリア内に対向する車両が存在する場合、それ
ぞれの車両に対して個別に前記直接計測断面間における
前記車両の位置と速度を推定するため、コスト的に安い
システムを構築することができる。請求項11は、撮像
手段により撮影された車両の画像情報を処理して該車両
の速度と位置を検出する画像式速度検知方法において、
前記撮像手段により撮影された撮像エリア内の車両及び
周辺の画像情報を格納するステップと、格納された画像
情報から画像認識により車両を検出するステップと、前
記車両の位置と速度を計測するステップと、前記車両の
位置と速度を確定する直接計測断面と、確定された前記
車両の位置と速度を出力するステップとを備え、前記車
両を検出するステップにより車両として検出された場
合、該検出された位置から前記撮像エリア内を前記車両
が前記直接計測断面を通過するまでに要した時間と距離
から前記車両の位置と速度を計測すると共に、前記直接
計測断面を通過後の車両の位置と速度は、前記計測結果
を元にして一定時間間隔毎に推定することを特徴とす
る。かかる発明によれば、請求項1と同様の作用効果を
奏する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施形
態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載
される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配
置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそ
れのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎな
い。図1は、ジレンマ感応制御について説明するための
模式図の一例である。本発明ではこのジレンマ感応制御
を基本にして、従来の課題を解決するために直接計測エ
リア8内の車両速度と位置を正確に計測する技術を提案
するものである。従って、再度ジレンマ感応制御につい
て詳細に説明し、その課題と問題点を明確にしておく。
まず、図1の構成は、2車線の路面60があり、その路
面上の左端に設けられた交差点の停止線1と、停止線1
の上流50mの所定の位置に設置されたカメラ2と、さ
らに上流の60m程度の直接計測エリア8内を走行する
車両3と、車両5と、そのエリア内の所定の位置に設置
されたカメラ4により構成され、この場合のジレンマ感
応制御について説明する。路面60の下には、縦軸に車
両の速度(Km/h)、横軸に路面と一致した位置に黄
信号開始時の位置(m)を示す2次元座標が表示されて
いる。
【0013】次に、図1を参照して動作について説明す
る。直接計測エリア8内を走行する車両が停止または通
過すべきかという判断が運転者にとって困難な状態にな
るジレンマゾーン6(ハッチング部)内に存在するか否
かの判定は、その時の車両の走行位置と走行速度により
決定される。そして、この判定は停止線1の上流20〜
100mの区間を対象に行われ、図のジレンマゾーン6
はブレーキの反応遅れ1.0秒、ブレーキをかけた時の
減速度D=0.3g、0、4g(gは重力加速度)、現
状の交差点での黄信号の現示時間Y=3秒の場合も併せ
て表示している。図1において、車両3が図の位置で信
号が黄に変わった場合、ジレンマ状態となる速度は、車
両3の先端の位置から下に下ろした点線とグラフ16、
19との交点A、Bの範囲となる。つまり、ジレンマ状
態となる速度は、縦軸の50〜72Km/hの範囲であ
り、それ以外の速度、つまり、50Km/h以下であれ
ば停止線1の手前で停止が可能であり、72Km/h以
上の速度であれば、信号が赤になる前に交差点を通過す
ることが可能である。また、車両5が図の位置で信号が
黄に変わった場合、ジレンマ状態となる速度は、車両5
の先端の位置から下に下ろした点線とグラフ16との交
点Cの範囲となる。つまり、縦軸の70Km/h以上で
あり、それ以外の速度つまり、70Km/h以下であれ
ば停止線1の手前で停止が可能である。また、現示時間
Y=3秒の場合は、点線の直線グラフY=3となり、例
えば車両3がこの直線との交点Rの速度(70Km/
h)を境にそれ以上の速度であれば信号が赤に変わる前
に通過できる。また、図で減速度D=0.3g(一点鎖
線17)の場合は、点線の直線グラフY=3との交点P
を境に右側の囲まれた領域がジレンマゾーンであり、減
速度D=0.4g(二点鎖線18)の場合は、点線の直
線グラフY=3との交点Qを境に右側の囲まれた領域が
ジレンマゾーンとなる。つまり、減速度D=0.3g
(一点鎖線17)の場合は、ブレーキが弱くジレンマゾ
ーンが広い。それに対して、減速度D=0.4g(二点
鎖線18)の場合は、ブレーキが強くジレンマゾーンが
狭くなっている。また、この図で推定領域7は後述する
ように、直接計測エリア8の終端からの車両の位置と速
度を推定する領域である。このように、直接計測エリア
8内の車両がジレンマゾーン6に入るか否かの判定の精
度は、その車両の走行位置と走行速度を如何に正確に測
定できるかにかかっている。従来は、この測定を感知器
3でスポット的に計測した速度に対して予測して速度を
判断していたため、予測値と実測値の間に誤差が生じ
て、信号制御の効果が出ない場合が生じていた。
【0014】図2は、本発明の一実施形態に係る画像式
速度検知システムの構成ブロック図である。この構成
は、一般的にはCCDによるカメラで構成され、計測エ
リアの画像を撮影する撮像部10と、撮像部10で撮影
されたアナログ画像データをデジタル信号に変換するA
/D変換部11と、デジタル信号に変換された信号を多
値階調データとして格納する多値メモリ部12と、多値
メモリ部12のデータを所定のフレーム単位に取り出
し、その画像から影や周辺の不要部分を取り除いて画像
処理を行い車両を検出する車両検出部13と、車両と検
出された位置から所定の位置までの距離と時間から車両
の速度を計測する速度計測部14と、計測した車両の位
置と速度を図示しない信号制御部に出力する速度出力部
15とから構成されている。以上のように、撮像部10
は一般的にはビデオカメラであり、交差点の手前から直
接計測エリアを撮影するように設定されている。撮影す
るエリアは路面であるため、時間、周辺状況、季節によ
り変化する被写体である。例えば、昼間と夜では周辺の
明るさ、あるいは交通量が異なり、また、周辺が住宅街
か否かによっても周りからの照明量が異なる。さらに、
季節が異なれば当然路面状況は大きく変化する。例え
ば、冬に雪が降れば全く異なる状況を呈することにな
る。従って、この状態での画像を一旦多値メモリ12に
格納し、その格納された画像から車両のみを画像処理に
より抽出することが必要となる。本発明では画像処理の
詳しい説明は省略するが、いずれにしても得られた全て
の画像情報中から車両についての画像情報を車両検出部
13により検出し、その車両が一定の距離走行した時間
から速度を速度計測部14により計測する。この方法
は、車両として検出された位置から所定の位置までの時
間から容易に測定することができる。そして、その結果
(速度と位置)を速度出力部15に出力する。ここまで
は、従来の技術として公知であるが、本発明は速度出力
部15に出力した速度を元にして、それ以降の車両の位
置を一定時間間隔毎に推定するところに特徴がある。こ
れにより、複数の測定ポイントが設定可能となり、車両
速度を精度良く測定することができる。
【0015】次に、本構成による画像式速度検知システ
ムの概略動作について図7、8、9のフローチャートと
併せて参照しながら説明する。撮像部10で撮影された
路面上の車両はモノクロのアナログ信号としてA/D変
換部11に入力される。A/D変換部11では、そのア
ナログ信号を処理しやすいデジタル信号に変換する。そ
して、デジタル信号は画像の濃淡に応じて、例えば25
6階調に分解されて、512×480画素の画像として
多値メモリ部12に格納される。車両検出部13は図7
のように、格納された画像から移動物体を検出する処理
を行い(S1)、その移動物体から影や周辺の不要画像
を取り除き(S2)、その中から車両の画像を抽出する
(S3)。そして、撮像部10で撮影された画像が車両
であると認識されると、その時点から速度計測部14が
車両画像を追跡する。その方法はテンプレートマッチン
グ法と呼ばれ、図8のように図7で検出された車両をテ
ンプレートとして登録し(S10)、所定のエリアをサ
ーチエリアとして設定する(S11)。次に、ステップ
S10で登録したテンプレートと比較し、一致している
かを確認する(S12)。そして、一致していれば追跡
車両であると認識して、その車両が一定距離進んだかを
判断する(S13)。進んだことを確認すると、後述す
る直接計測断面までの時間から車両の速度を計測し(S
14)、その結果を速度出力部15に出力する。ここま
では最初の車両検出エリアから直接計測断面までの動作
であり、本発明ではこれ以降の動作に対して特徴を備え
たものである。つまり、図9により速度出力部15で
は、まず、速度計測部14で確定速度が算出されたか否
かを監視し(S20)、算出されると確定速度と確定位
置を出力する(S21)。次に、最初の直接計測断面か
を検出するために以前に確定速度が算出されたか否かを
みる(S22)。算出されていなければ、最初の直接計
測断面であるので、推定を行わないで終了する。ステッ
プS22で、以前に確定速度が算出された場合、確定速
度を元に現在の車両の位置を推定する(S23)。次
に、今回の確定位置が推定位置と近いか否かを判定し
(S24)、近くなければ以前の確定速度と今回の推定
位置を出力する(S25)。ステップS24で近けれ
ば、推定出力を中止して今回の確定位置を出力する(S
26)。このように前記直接計測断面で確定した速度と
位置を元にして、次の直接計測断面までの位置を所定間
隔毎に推定して速度出力部15に連続的に信号を出力
し、次の直接計測断面に到達した時点で推定値と実測値
を比較して、実測値が得られた場合は、その実測値を車
両の位置と速度として確定して次の推定を継続するもの
である。
【0016】次に、本発明を更に詳しく説明するために
図3と図4を参照して説明する。図3は車両が直接計測
断面手前の車両検出エリアと車両追跡エリアに進入した
様子を表した模式図である。本発明では、直接計測断面
手前で移動体を車両であると確実に検出することと、そ
の速度を正確に計測するため各直接計測断面手前全てに
車両検出エリア22と車両追跡エリア23設けられてい
る。図のように車両検出エリア22と車両追跡エリア2
3を設定する。車両検出エリア22で車両検出部13に
より車両を検出し、車両追跡エリア23内に車両が存在
する間はその車両を追跡する。例えば、車両20が車両
検出エリア22上にあるとき、車両検出部13が車両と
して検出した場合、そのときの位置をL1、そのときの
時刻をT1とする。そして、車両追跡エリア23で車両
20を追跡し、直接計測断面24に車両20が到達した
ときの位置をL2そのときの時間をT2とすると、車両
20の速度は、 V=[L1−L2]/[T1−T2]・・・(1) で求めることができる。この計算は速度計測部14によ
り行われる。また、車両追跡エリア23の下端を直接計
測断面24とし、この位置を車両が通過したときに車両
の速度と位置を確定し、(それぞれ確定速度、確定位置
と呼ぶ)、その結果が速度出力部15に出力される。こ
のように、従来では、交差点の停止線上流に存在するジ
レンマゾーン内を通過する車両の位置と速度を、可能な
限り正確に計測するために感知器の数を増やさなければ
ならず、その結果、システム全体のコストを高くしてい
た。そこで、画像により直接計測断面を複数設定し、各
直接計測断面では正確な車両の検出と速度を計測するた
めに、その手前に車両を検出するエリアと車両を追跡し
て速度を測定するエリアを設け、移動体が車両であるこ
とを正確に検出し、以後のデータが無駄にならないよう
にする。これにより、車両検出精度を高くして以後のデ
ータの信頼性を高めることができ、しかも、装置のトー
タルコストを低くすることができる。また、図3では一
方向の車両の場合について説明したが、対向車両につい
ても適用できることはいうまでもない。つまり、1車線
の狭い道路の場合、撮像エリアを1つの撮像手段でカバ
ーすることができる。しかも、このような道路では車両
が対向して通行する場合が多く、対向車両の速度を同時
に処理することができれば、コスト的にも安いシステム
を構築することができる。また、車両の走行方向が逆の
場合も同様に適用が可能である。
【0017】次に、本発明の特徴である位置の推定動作
について説明する。図4は本発明の位置の推定動作を説
明するための模式図である。同じ構成要素には同じ参照
番号が付されている。図3で確定速度、確定位置が速度
出力部15に出力された後、この確定速度、確定位置を
用いて一定時間間隔で車両の位置の推定を行う。つま
り、車両20が直接計測断面24を通過した時の確定速
度は(1)式からVであり、確定位置は図3からL2で
ある。そして時間T後の推定速度をV1とすると推定位
置L3は、L3=L2−V1×Tとなり、ここでV=V
1とすると、 L3=L2−V×T・・・(2) と推定できる。つまり、(2)式から推定位置は直接計
測断面24を通過した時の確定速度Vから一義的に計算
できる。このように前記(1)式から確定速度Vを求め
ることにより、直接計測断面24以降の車両の位置は、
(2)式より容易に求めることができる。このように推
定した車両の位置は次の直接計測断面まで続けられ、そ
の信号が速度出力部15に連続して与えられる。また、
それと同時に位置推定している車両に対して、次の直接
計測断面手前の車両検出エリアと車両追跡エリアで前記
(1)式により車両の速度と位置を測定して、推定位置
と比較される。また、システムの構成形態により必ずし
も全ての装置が1箇所に集約されるとは限らない。むし
ろ、画像検知器と信号制御機はお互いに離れた位置に設
置されるのが一般的である。そのような場合、必ず信号
の遅延現象が発生し、処理速度が速いほどこの影響は大
きくなる。そこで、予め遅延時間(t)を測定してお
き、その遅延時間を見込んで処理する必要がでてくる。
このときの(2)式は L3=L2−V×(T+t)・・・(3) となる。これにより、遅延時間による速度と位置の誤差
を最小限にすることができる。
【0018】以上のように、従来の方法では、直接計測
断面を多くすれば計測の精度を上げることができる。し
かし、その分感知器の数が増加してシステムのコストを
高騰させる。このように、従来は感知器の台数を増やす
しか精度を上げる方法がなかったが、画像を使うことに
より1台で直接計測断面24を増やすことができる。そ
の反面、直接計測断面24が多くなった分精度は高くな
るが、画像処理の負荷が大きくなるため推定を入れてい
る。つまり、直接計測断面と次の直接計測断面の間では
車両の位置と速度データは発生されないため、その間の
車両の位置と速度のデータを得ることができない。従っ
て、間隔が大きくなればその分誤差が累積して大きくな
る。これを補正するために、直接計測断面24を通過し
た車両20の速度から計算により位置と速度を推定し、
その推定値を一定時間間隔に出力することにより、あた
かも直接計測断面が多くなったことと等価にする方法で
ある。これにより、画像処理の負荷を少なくして測定精
度の低下を抑えることができる。
【0019】図5は本発明の直接計測断面での出力のマ
ッチングについて説明するための図である。この図は縦
軸に車両の速度(Km/h)、横軸に車両の位置(m)
をとり、黒丸は直接計測断面での車両の位置と速度を表
し、白丸が推定値による速度と位置を表す。直接計測断
面30での車両速度をV1とした場合、それ以降は速度
V1一定として位置が31、32、33、34と推定さ
れる。そして、推定値34が次の直接計測断面35に到
達した時に、直接計測断面35での車両の位置が36
で、速度がV2であったとする。車両検出部13により
車両であると検出されると、追跡した車両と同一である
と判断され、車両の位置36のときの速度V2が実際の
位置と速度であると判断され、推定値34は破棄されて
これ以降は車両の速度をV2として以下の推定が計算さ
れ、車両の位置が37、38、39と速度V2で移動す
る。この図では車両の位置36のときの速度V2がV1
より低下しているが、逆にV1より早くなっても同様に
処理される。以上のように、直接計測断面35は車両の
速度を確定する重要なポイントである。このポイントは
可能な限り狭いほうがその正確性は増すが、狭くすれば
するほど、車両の検出が困難となる。この相反する問題
を解決するために直接計測断面35にある程度幅を持た
せ、その範囲内であれば有効とする考え方がある。これ
に基づき、直接計測断面35の所定の範囲内で車両の計
測結果36と推定結果34の両方が得られた場合は、追
跡した正しい車両の計測結果であると判断して、推定結
果34を破棄してこの計測結果36を正しい計測データ
とする。これにより、計測結果36が追跡した正しい車
両の計測結果であると判断することができる。また、直
接計測断面35の所定の範囲内で車両の計測結果36が
得られない場合がある。これは、追跡中の車両が途中で
停車したか、あるいは、車線変更して撮像エリアから外
れた場合が考えられる。このような場合、推定結果と測
定結果を比較することが不可能となるので、直接計測断
面手前の車両検出エリアで車両が検出されなければ推定
を打ち切らざるを得ない。これにより、無駄な処理を実
行することを防ぐことができる。
【0020】図6は本発明の速度計測部14から速度出
力部15に出力する確定出力と推定出力のタイミングを
模式化した図である。この図は上部に路面上を上から下
に走行する車両40が直接計測断面41、42、43を
通過する様子であり、横軸に時系列的に車両の位置が変
化する様子をあらわしている。そして、その下に夫々の
時系列に対応する路面a〜uの確定出力と推定出力のタ
イミング波形をあらわしている。図6を参照して動作に
ついて説明する。まず、車両40が直接計測断面41の
手前の車両検出エリアで車両と検出され、路面a上を走
行して直接計測断面41に到達すると、前記(1)式で
速度と位置が計算され、路面bで確定出力44が速度出
力部15に出力される。路面cでは確定出力44に基づ
いて前記(2)式で推定位置が計算され、路面c〜hの
間一定間隔で推定出力45が速度出力部15に出力され
る。以下同様にして路面iで確定出力46が速度出力部
15に出力され、路面jでは確定出力46に基づいて前
記(2)式で推定位置が計算され、路面j〜pの間一定
間隔で推定出力47が出力され、路面qで確定出力48
が速度出力部15に出力され、路面rでは確定出力48
に基づいて前記(2)式で推定位置が計算され、路面r
〜以降図示しない間一定間隔で推定出力49が速度出力
部15に出力される。このように、速度出力部15に出
力された信号により速度出力部15から信号機の制御回
路にそのデータが送られる。そして、制御回路はそのデ
ータから車両の速度を判断し、信号機を制御している。
従って、速度出力部15からのデータ量が多いほど正確
性は高くなる。また、一定間隔でしかも連続してくるデ
ータに対しては処理が容易となり、制御回路の負荷を軽
くすることができる。これにより、データの正確性が高
くなると共に制御回路の負荷を軽くすることができる。
また、交差点の規模によっては撮像エリアが広すぎて1
台の検知器ではカバーしきれない場合がある。そのよう
な時は図6の撮像エリアを一つの単位として、複数の検
知器を設置して夫々の検知器が受け持つ撮像エリアを決
めて撮影する。そして、撮像エリア内の最後の直接計測
断面43以降の直接計測断面は次の検知器が受け持つ。
その場合、複数の検知器からの測定結果を1つのデータ
として連続して出力するためには、最後の直接計測断面
43にて速度を確定した後、車両が撮像エリアの視野外
に出た場合(図6の路面u以降)、前記確定速度48に
基づきそれ以降の推定を行い、次の検知器に継続するよ
うにする。これにより、複数の検知器を使用した場合で
も連続した測定データを出力することができる。また、
前述したように、速度出力部15の信号は信号機の制御
回路にそのデータを送る。そして、制御回路はそのデー
タから車両の速度を判断し、信号機を制御している。従
って、車両からのデータに即座に反応して信号機が制御
されないと、車両と信号機とのマッチングが取れなくな
る。つまり、システムとしてリアルタイム性が強く要求
される。
【0021】
【発明の効果】以上記載のごとく請求項1、11の発明
によれば、前記車両検出手段により車両として検出され
た場合、該検出された位置から前記車両が前記計測断面
を通過するまでに要した時間と距離から前記速度計測手
段により前記車両速度を計測し、該計測結果を前記速度
出力手段により出力すると共に、前記計測断面を通過後
の車両位置は、前記速度出力手段からの出力結果に基づ
いて一定時間間隔毎に推定することにより、複数の測定
ポイントが設定可能となり、車両速度を精度良く測定す
ることができる。また請求項2は、前記直接計測断面は
前記撮像エリア内に少なくとも1つ以上設定され、前記
各直接計測断面の手前には前記車両を検出する車両検出
エリアと前記車両の速度を計測するために前記車両を追
跡する車両追跡エリアが設けられていることにより、車
両検出精度が高くして以後のデータの信頼性を高めるこ
とができ、しかも、装置のトータルコストを安くするこ
とができる。また請求項3は、前記直接計測断面から次
の直接計測断面までの間は、該直接計測断面で確定され
た前記車両の位置と速度を元にして前記車両の位置と速
度を推定し、該推定結果を一定時間間隔に前記位置・速
度出力手段に出力するため、画像処理の負荷を少なくし
て測定精度の低下を抑えることができる。また請求項4
は、前記直接計測断面からの計測結果と前記推定結果の
出力は、一定時間間隔で連続して前記位置・速度出力手
段に出力されるので、データの正確性が高くなると共に
制御回路の負荷を軽くすることができる。また請求項5
は、前記車両の位置を推定する場合、前記直接計測断面
から前記位置・速度出力手段への出力遅延時間を見込ん
で推定するようにすれば、遅延時間による速度と位置の
誤差を最小限にすることができる。
【0022】また請求項6は、前記直接計測断面の所定
の範囲内で前記車両の計測結果及び前記推定結果が得ら
れた場合、前記計測結果を前記直接計測断面における確
定結果として前記位置・速度出力手段に出力することに
より、直接計測断面ごとに推定値と計測値の誤差を補正
することができる。また請求項7は、前記直接計測断面
の所定の範囲内で前記車両の計測結果が得られず、所定
の時間経過後に前記車両が検出されない場合、以後の推
定を打ち切ることにより、無駄な処理を実行することを
防ぐことができる。また請求項8は、画像式速度検知器
が所定の距離に複数設置され、前記撮像エリア内の最後
の直接計測断面にて前記車両の位置と速度を確定後、前
記撮像エリアの視野外に車両が出た場合、前記最後の直
接計測断面から得られた速度に基づいて前記視野外の車
両の位置と速度を推定することにより、複数の検知器を
使用した場合でも連続した測定データを出力することが
できる。また請求項9は、前記直接計測断面から得られ
る前記計測結果及び推定結果を前記位置・速度出力手段
に出力し、該出力が信号機の表示にリアルタイムに反映
されるので、車両と信号機とのマッチングをとることが
できる。また請求項10は、前記撮像エリア内に対向す
る車両が存在する場合、それぞれの車両に対して個別に
前記直接計測断面間における前記車両の位置と速度を推
定するため、コスト的に安いシステムを構築することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジレンマ感応制御について説明するた
めの一例の模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像式速度検知シス
テムの構成ブロック図である。
【図3】本発明の車両が直接計測断面手前の車両検出エ
リアと車両追跡エリアに進入した様子を表した模式図で
ある。
【図4】本発明の位置の推定動作を説明するための模式
図である。
【図5】本発明の直接計測断面での出力のマッチングに
ついて説明するための図である。
【図6】本発明の速度計測部から速度出力部に出力する
確定出力と推定出力のタイミングを模式化した図であ
る。
【図7】本発明の車両検出部の動作フローチャートであ
る。
【図8】本発明の車両追跡部の動作フローチャートであ
る。
【図9】本発明の速度出力部の動作フローチャートであ
る。
【図10】従来の車両の位置と速度の推定を説明するた
めの図である。
【図11】従来の車両の位置と速度の直接計測を説明す
るための図である。
【符号の説明】
10 撮像部、11 A/D変換部、12 多値メモリ
部、13 車両検出部、14 速度計測部、15 速度
出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G08G 1/052 G08G 1/052 Fターム(参考) 2F065 AA01 AA09 BB05 BB15 CC11 DD03 FF04 JJ03 JJ05 JJ26 QQ03 QQ24 QQ25 QQ28 QQ31 QQ38 5B057 AA16 BA02 BA29 DA07 DB02 DB05 DB09 DC03 DC33 DC36 DC39 5H180 AA01 CC04 DD03 EE02 5L096 AA03 AA06 BA04 CA05 DA02 EA37 FA66 FA69 GA08 HA04 JA09 KA13

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像手段により撮影された路上を移動中
    の車両についての画像情報を処理して該車両の速度と位
    置を検出する画像式速度検知システムにおいて、 前記撮像手段により撮影された撮像エリア内の車両及び
    周辺の画像を格納する画像格納手段と、該画像格納手段
    により格納された画像情報に基づいて画像認識により車
    両を検出する車両検出手段と、前記車両の走行中の位置
    と速度を計測する位置・速度計測手段と、前記車両の位
    置と速度を確定する直接計測断面と、該直接計測断面に
    より確定した前記車両の位置と速度を信号装置に出力す
    る位置・速度出力手段とを備え、 前記車両検出手段により車両として検出された場合、該
    検出された位置から前記車両が前記直接計測断面を通過
    するまでに要した時間と距離に基づいて前記位置・速度
    計測手段により前記車両の位置と速度を計測し、該計測
    結果を前記位置・速度出力手段により前記信号装置に出
    力すると共に、前記位置・速度出力手段からの出力結果
    を元にして、前記直接計測断面を通過後の車両の位置と
    速度を一定時間間隔毎に推定することを特徴とする画像
    式速度検知システム。
  2. 【請求項2】 前記直接計測断面は前記撮像エリア内に
    少なくとも1つ以上設定され、前記各直接計測断面の手
    前には前記車両を検出する車両検出エリアと前記車両の
    速度を計測するために前記車両を追跡する車両追跡エリ
    アが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    画像式速度検知システム。
  3. 【請求項3】 前記直接計測断面から次の直接計測断面
    までの間は、前記直接計測断面で確定された前記車両の
    位置と速度を元にして、次の直接計測断面までの間の前
    記車両の位置と速度を推定し、該推定結果を一定時間間
    隔毎に前記位置・速度出力手段に出力することを特徴と
    する請求項2に記載の画像式速度検知システム。
  4. 【請求項4】 前記直接計測断面からの計測結果及び前
    記推定結果の出力は、一定時間間隔で連続して前記位置
    ・速度出力手段に出力されることを特徴とする請求項1
    乃至3の何れか一項に記載の画像式速度検知システム。
  5. 【請求項5】 前記位置・速度出力手段が前記車両の位
    置を推定する場合、前記直接計測断面から前記位置・速
    度出力手段への出力遅延時間を見込んで推定することを
    特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像式
    速度検知システム。
  6. 【請求項6】 前記直接計測断面として認めた所定の範
    囲内で前記車両の計測結果及び推定結果が得られた場
    合、前記計測結果を前記直接計測断面における確定結果
    として前記位置・速度出力手段に出力することを特徴と
    する請求項3又は5に記載の画像式速度検知システム。
  7. 【請求項7】 前記直接計測断面として認めた所定の範
    囲内で前記車両の計測結果が得られず、所定の時間経過
    後に前記車両が検出されない場合、以後の推定を打ち切
    ることを特徴とする請求項3又は5に記載の画像式速度
    検知システム。
  8. 【請求項8】 複数の画像式速度検知器が所定の間隔で
    設置され、前記撮像エリア内の最後の直接計測断面にて
    前記車両の位置と速度を確定後、前記撮像エリアの視野
    外に車両が出た場合、前記最後の直接計測断面から得ら
    れた速度に基づいて前記視野外の車両の位置と速度を推
    定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に
    記載の画像式速度検知システム。
  9. 【請求項9】 前記直接計測断面から得られる前記計測
    結果及び推定結果を前記位置・速度出力手段に出力し、
    該出力が信号機の表示にリアルタイムに反映されること
    を特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像
    式速度検知システム。
  10. 【請求項10】 前記撮像エリア内に対向する車両が存
    在する場合、それぞれの車両に対して個別に前記直接計
    測断面間における前記車両の位置と速度を推定すること
    を特徴とする請求項1に記載の画像式速度検知システ
    ム。
  11. 【請求項11】 撮像手段により撮影された車両の画像
    情報を処理して該車両の速度と位置を検出する画像式速
    度検知方法において、 前記撮像手段により撮影された撮像エリア内の車両及び
    周辺の画像情報を格納するステップと、格納された画像
    情報から画像認識により車両を検出するステップと、前
    記車両の位置と速度を計測するステップと、前記車両の
    位置と速度を確定する直接計測断面と、確定された前記
    車両の位置と速度を出力するステップとを備え、 前記車両を検出するステップにより車両として検出され
    た場合、該検出された位置から前記撮像エリア内を前記
    車両が前記直接計測断面を通過するまでに要した時間と
    距離から前記車両の位置と速度を計測すると共に、前記
    直接計測断面を通過後の車両の位置と速度は、前記計測
    結果を元にして一定時間間隔毎に推定することを特徴と
    する画像式速度検知方法。
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