JP2004062564A - 信号無視車両取締装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度に信号無視車両を判定することができる信号無視車両取締装置を提供する。
【解決手段】交差点の少なくとも停止線近傍から一定距離前方の規定線までの検出エリア230を撮影するエリア撮影カメラ210と、信号が赤の際、エリア撮影用カメラで撮像した画像を画像処理して、停止線の手前に位置する車両を信号無視候補車両として記憶する候補車両検出手段と、候補車両検出手段により信号無視候補車両と認識された車両を追跡する候補車両追跡手段と、候補車両追跡手段により追跡された候補車両が規定線を超えた場合に信号無視車両と判断する違反車両判定手段とを具える。信号が赤に変化した際、停止線よりも手前に位置する車両を信号無視候補車両とし、この候補車両を追跡して、停止線から一定距離前方の規定線をも超えた車両を信号無視車両と判断する。
【選択図】 図1
【解決手段】交差点の少なくとも停止線近傍から一定距離前方の規定線までの検出エリア230を撮影するエリア撮影カメラ210と、信号が赤の際、エリア撮影用カメラで撮像した画像を画像処理して、停止線の手前に位置する車両を信号無視候補車両として記憶する候補車両検出手段と、候補車両検出手段により信号無視候補車両と認識された車両を追跡する候補車両追跡手段と、候補車両追跡手段により追跡された候補車両が規定線を超えた場合に信号無視車両と判断する違反車両判定手段とを具える。信号が赤に変化した際、停止線よりも手前に位置する車両を信号無視候補車両とし、この候補車両を追跡して、停止線から一定距離前方の規定線をも超えた車両を信号無視車両と判断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交差点において信号機の赤信号を無視して通過する車両を取り締まる信号無視取締装置に関するものである。特に、誤って停止線を超えて停止した車両や、黄信号で交差点に進入し、赤信号で通過する車両を違反車両と判断することのない、高精度の判断能力を有する信号無視取締装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の信号無視車両取締装置としては、次の技術が挙げられる。
▲1▼特開平11−185194号公報
この発明は、画像処理により車両の交差点への進入を検出し、車両が予め設定された通過判定位置に達しているかどうかと信号の状態とを合わせて信号無視を判定する。
【0003】
▲2▼特開平6−251285号公報
この発明は、交差点に進入する車両の速度が設定速度以上でかつ赤信号のときに信号無視と判定する。
【0004】
▲3▼特開平11−45394号公報
この発明は、交差点の入口、出口で車両ナンバーを読み取って比較することにより、交差点の通過を検出し、信号の状態と合わせて信号無視を判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術には次のような問題があった。
▲1▼停止線を超えて停車した車を信号無視車両として検出してしまう。特開平11−185194号公報の発明では、交差点への進入と信号現示(赤)だけから信号無視を判定しているため、停止線を超えて停止した車両も信号無視車両と判断してしまう。
【0006】
▲2▼黄信号時に交差点に進入し、赤信号で交差点を通過する車両を信号無視車両として検出してしまう。特開平11−185194号公報や特開平6−251285号公報の発明は、進入後の信号現示(赤)を基本として判定しているため、黄信号で交差点に進入した車両を排除して適正な違反検出を行うことができない。
【0007】
▲3▼信号無視して交差点をノロノロ通過する車両を信号無視車両として検出できない。特開平6−251285号公報の発明は、進入速度と信号現示(赤)から信号無視を判定しているため、進入速度が大きい車両は止まらず通過するであろうとの考えから、進入速度の大きさで通過を判定しようとしているためである。
【0008】
▲4▼交差点の通過を見ようとするとコストが増大する。特開平11−45394号公報の発明は、流入側と流出側の両方でナンバーを読み取り、比較しているため各々にカメラと画像処理装置が必要となり、コスト増大の原因となる。
【0009】
従って、本発明の主目的は、高精度に信号無視車両を判定することができる信号無視車両取締装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、停止線の通過と、停止線から一定距離前方に位置する規定線の通過との両方を組み合わせて判断することで上記の目的を達成する。
【0011】
すなわち、本発明信号無視車両取締装置は、交差点の少なくとも停止線近傍から一定距離前方の規定線までの検出エリアを撮影するエリア撮影カメラと、赤信号期間中に出力された現示信号を取り込む信号現示取り込み手段と、前記信号現示取り込み手段により信号が赤の際、エリア撮影用カメラで撮像した画像を画像処理して、停止線の手前に位置する車両を信号無視候補車両として記憶する候補車両検出手段と、前記候補車両検出手段により信号無視候補車両と認識された車両を追跡する候補車両追跡手段と、前記候補車両追跡手段により追跡された候補車両が規定線を超えた場合に信号無視車両と判断する違反車両判定手段とを具えることを特徴とする。
【0012】
信号が赤に変化した際、停止線よりも手前(車両進行方向に向かって後側)に位置する車両を信号無視候補車両とし、この候補車両を追跡して、停止線から一定距離前方の規定線をも超えた車両を信号無視車両と判断する。そのため、黄信号で停止線を超えて交差点内に進入し通過しようとする車両や、単に停止線を超えて停止した車両を信号無視車両とは判断せず、一方で信号を無視して低速で交差点を通過する車両を確実に信号無視車両として捉えることができる。
【0013】
また、停止線から所定距離前方の規定線をも超える車両を信号無視車両とするため、直進車両を確実に検出して撮影することができ、ナンバーの写らない左折車や右折車を誤って撮影することがない。
【0014】
本発明装置において、規定線の位置は停止線よりも十分に進行方向前方としておく。例えば、赤信号中に停止線を超えて停止する車両が通常は到達するはずのない距離だけ停止線より前方に規定線を設定する。一般乗用車の場合、平均車長は5m前後であることが多く、停止線から平均車長の1.0〜2.0倍以上程度の距離だけ離れた位置を規定線とすることが挙げられる。
【0015】
エリア撮影カメラの画像は、画像処理により停止線、車両を抽出する。停止線の認識は、予め車両のない画像を撮像し、その画像中における道路と白線との明るさの差が一定以上相違することで抽出する方法や、画像を微分して停止線の境界部を抽出する方法が利用できる。エリア撮影カメラは定点撮影を行っているので、予め停止線位置を設定しておいても良い。停止線が特定できれば、停止線から所定距離前方の位置を規定線と設定すれば良い。この規定線の設定は作業者が行う。
【0016】
車両の認識は、予め撮像しておいた車両のない画像と車両の存在する画像との差分計算を行って、画像の明るさが変化する部分を求め、明るさの大きく変化する個所が車両、変化の小さい個所が背景であると認識する。もちろん、画像を微分して車両の輪郭を抽出する方法も利用できる。
【0017】
候補車両追跡手段は、例えば、ある画像中において車両と認識した領域と、サンプリング時間Δt後に車両と認識した領域にある割合以上の重なりがあり、これら車両領域の移動ベクトルが前進方向である場合に同一車両が進行していると認識する構成が挙げられる。そして、順次サンプリング時間Δt後の車両領域との比較を行って車両を追跡する。
【0018】
さらに、信号無視車両の運転者とナンバープレートを撮影する違反車両撮影カメラと、前記違反車両撮影カメラで撮影された運転者とナンバープレートの画像データを中央監視センターに出力する違反データ出力手段とを具えることが好ましい。この構成により、交差点近傍では全くの無人で信号無視車両の検出を行い、中央監視センターにて一括して信号無視車両の監視を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明装置の概略構成図、図2は本発明装置の機能ブロック図、図3は本発明装置の信号無視車両判定手順を示すフローチャート、図4は検出エリアの説明図である。
【0020】
図1に示すように、交差点の車両流出側にエリア撮影カメラ210と、違反車両撮影カメラ220とを設置して、交差点の車両流入側を撮影し、得られた画像を画像処理装置に取り込んで違反車両の判定を行う。また、信号300には現在点灯している信号状態を検知し、赤信号の間、現示信号を出力する信号制御機構が具えられている。この現示信号を画像処理装置10の信号現示取込手段に取り込んで、違反車両の判定に利用する。
【0021】
エリア撮影カメラ210は、交差点の特定車線における停止線手前から所定距離前方に離れた規定線までの検出エリア230を画像として捉えることができるように設置されている。エリア撮影カメラ210での撮像は、画像処理装置10における信号現示取込手段15より赤信号期間中に出力される現示信号に同期して行われ、信号が黄色から赤に変わった際の検出エリア230を撮像する。一方、違反車両撮影カメラ220は、後述する処理により信号無視車両と判断された車両の運転者およびナンバープレートを撮影する。両カメラ210、220には、CCDカメラなどを利用することができる。
【0022】
エリア撮影カメラ210で撮像された画像は画像処理装置10においてデジタルデータとして保存される。この画像処理装置10は、図2に示すように、信号現示取込手段15、移動体抽出手段20、車両認識手段25、候補車両検出手段30、候補車両追跡手段35、違反車両判定手段40が用いられる。これらの各手段を用いて図3に示すフローチャートの手順にて信号無視車両の検出を行う。
【0023】
まず、移動体抽出手段20により画像中の移動体(車両など)の認識を行う。その際、信号現示取り込み手段より赤信号期間中に現示信号を出力し(S1)、黄信号から赤信号に変わった際における画像で移動体の認識を行う(S2)。移動体の認識には、予め撮像しておいた車両のない画像と移動体の存在する画像との差分計算を行って、画像の明るさが変化する部分を求め、明るさの大きく変化する個所が移動体、変化の小さい(ない)個所が背景であると認識する。
【0024】
次に、車両認識手段25により、移動体のうち、車両を歩行者や自転車あるいは二輪車と区別する(S3)。この区別は移動体の大きさを基準に判定する。例えば、移動体と判断された領域が所定の面積以上である場合に車両であると判定する。その他、移動体と認識された領域の幅や高さを基準に判定しても良い。
【0025】
候補車両検出手段30は、画像中で認識された車両のうち、黄信号から赤信号に変わった時点において停止線よりも手前(車両進行方向に対して後ろ)に位置する車両を信号無視候補車両と判断する。そして、信号無視候補車両と判断した車両の画像データを記憶し(S4)、その画像データを候補車両追跡手段35に出力する。
【0026】
候補車両追跡手段35では、信号無視候補車両を追跡する(S5)。この追跡手段は、ある画像中において車両と認識した領域と、サンプリング時間Δt後に車両と認識した領域にある割合以上の重なりがあり、これら車両領域の移動ベクトルが前進方向である場合に同一車両が進行していると認識する。そして、順次サンプリング時間Δt後の車両領域との比較を行って車両を追跡し、車両領域の更新を行う。
【0027】
違反車両判定手段40は、候補車両追跡手段35で追跡した車両が停止線231から規定距離Lだけ離れた規定線232(図4のラインB)まで到達した場合に信号無視車両と判定する。ここでの距離Lは停止線231を超えて停車する車両が通常は到達できないような距離を設定する。すなわち、まず車両が規定線を超える位置まで走行したかどうかを検知し(S6)、次いで信号現示取込手段15より信号が赤のままかどうかを検知して(S7)、車両が規定線を超え、かつ信号が赤の場合に信号無視車両と判断する(S8)。信号無視車両と判断されれば、違反車両撮影カメラ220で運転者とナンバープレートを撮影する(S9)。
【0028】
そして、違反車両撮影カメラで撮影した画像データを日時データと共に違反データ出力手段240より中央監視センターなどに送信する(S10)。この送信は無線であっても有線であっても構わない。違反データの送信を行った後は、再度信号が赤になったかどうかを検知する手順S1に戻って同様の違反車両検出を繰り返す。
【0029】
一方、規定線を超える位置まで車両が到達していない場合は、候補車両追跡手段35で車両の追跡を続行する。また、信号が赤でなければ、信号が赤になったかどうかを検知する手順S1に戻る。
【0030】
このように、信号が赤になった際に停止線よりも手前に位置する車両を追跡し、停止線よりも一定距離前方の規定線をも超えた車両を信号無視車両と判断することで、黄信号で交差点に進入して通過する車両や単に停止線を超えて停止した車両を誤って違反車両と検出することがない。一方で信号を無視して低速で交差点を通過する車両は確実に信号無視車両として捉えることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明信号無視取締装置によれば、赤信号になってから交差点に進入し、その速度に関わらず通過する車両だけを確実に検出して高精度の違反車両検知を行うことができる。
【0032】
例えば、信号現示が黄色で交差点に進入し、交差点を赤信号で通過する車両を検出することがない。停止線を越えて停止した車両も誤って検出することがない。一方、信号を無視して低速で交差点を通過する車両は違反車両として確実に検出することができる。
【0033】
また、停止線から一定距離走行した車両を違反車両としているので、直進車両を的確に検出して撮影することができる。従って、ナンバーの写らない左折車、右折車を信号無視車両として撮影することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の使用状態を示す概略構成図である。
【図2】本発明装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明装置での違反車両検出手順を示すフローチャートである。
【図4】検出エリアにおける停止線と規定線を示す説明図である。
【符号の説明】
10 画像処理装置
15 信号現示取込手段
20 移動体抽出手段
25 車両認識手段
30 候補車両検出手段
35 候補車両追跡手段
40 違反車両判定手段
210 エリア撮影カメラ
220 違反車両撮影カメラ
230 検出エリア
231 停止線
232 規定線
240 違反データ出力手段
300 信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、交差点において信号機の赤信号を無視して通過する車両を取り締まる信号無視取締装置に関するものである。特に、誤って停止線を超えて停止した車両や、黄信号で交差点に進入し、赤信号で通過する車両を違反車両と判断することのない、高精度の判断能力を有する信号無視取締装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の信号無視車両取締装置としては、次の技術が挙げられる。
▲1▼特開平11−185194号公報
この発明は、画像処理により車両の交差点への進入を検出し、車両が予め設定された通過判定位置に達しているかどうかと信号の状態とを合わせて信号無視を判定する。
【0003】
▲2▼特開平6−251285号公報
この発明は、交差点に進入する車両の速度が設定速度以上でかつ赤信号のときに信号無視と判定する。
【0004】
▲3▼特開平11−45394号公報
この発明は、交差点の入口、出口で車両ナンバーを読み取って比較することにより、交差点の通過を検出し、信号の状態と合わせて信号無視を判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術には次のような問題があった。
▲1▼停止線を超えて停車した車を信号無視車両として検出してしまう。特開平11−185194号公報の発明では、交差点への進入と信号現示(赤)だけから信号無視を判定しているため、停止線を超えて停止した車両も信号無視車両と判断してしまう。
【0006】
▲2▼黄信号時に交差点に進入し、赤信号で交差点を通過する車両を信号無視車両として検出してしまう。特開平11−185194号公報や特開平6−251285号公報の発明は、進入後の信号現示(赤)を基本として判定しているため、黄信号で交差点に進入した車両を排除して適正な違反検出を行うことができない。
【0007】
▲3▼信号無視して交差点をノロノロ通過する車両を信号無視車両として検出できない。特開平6−251285号公報の発明は、進入速度と信号現示(赤)から信号無視を判定しているため、進入速度が大きい車両は止まらず通過するであろうとの考えから、進入速度の大きさで通過を判定しようとしているためである。
【0008】
▲4▼交差点の通過を見ようとするとコストが増大する。特開平11−45394号公報の発明は、流入側と流出側の両方でナンバーを読み取り、比較しているため各々にカメラと画像処理装置が必要となり、コスト増大の原因となる。
【0009】
従って、本発明の主目的は、高精度に信号無視車両を判定することができる信号無視車両取締装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、停止線の通過と、停止線から一定距離前方に位置する規定線の通過との両方を組み合わせて判断することで上記の目的を達成する。
【0011】
すなわち、本発明信号無視車両取締装置は、交差点の少なくとも停止線近傍から一定距離前方の規定線までの検出エリアを撮影するエリア撮影カメラと、赤信号期間中に出力された現示信号を取り込む信号現示取り込み手段と、前記信号現示取り込み手段により信号が赤の際、エリア撮影用カメラで撮像した画像を画像処理して、停止線の手前に位置する車両を信号無視候補車両として記憶する候補車両検出手段と、前記候補車両検出手段により信号無視候補車両と認識された車両を追跡する候補車両追跡手段と、前記候補車両追跡手段により追跡された候補車両が規定線を超えた場合に信号無視車両と判断する違反車両判定手段とを具えることを特徴とする。
【0012】
信号が赤に変化した際、停止線よりも手前(車両進行方向に向かって後側)に位置する車両を信号無視候補車両とし、この候補車両を追跡して、停止線から一定距離前方の規定線をも超えた車両を信号無視車両と判断する。そのため、黄信号で停止線を超えて交差点内に進入し通過しようとする車両や、単に停止線を超えて停止した車両を信号無視車両とは判断せず、一方で信号を無視して低速で交差点を通過する車両を確実に信号無視車両として捉えることができる。
【0013】
また、停止線から所定距離前方の規定線をも超える車両を信号無視車両とするため、直進車両を確実に検出して撮影することができ、ナンバーの写らない左折車や右折車を誤って撮影することがない。
【0014】
本発明装置において、規定線の位置は停止線よりも十分に進行方向前方としておく。例えば、赤信号中に停止線を超えて停止する車両が通常は到達するはずのない距離だけ停止線より前方に規定線を設定する。一般乗用車の場合、平均車長は5m前後であることが多く、停止線から平均車長の1.0〜2.0倍以上程度の距離だけ離れた位置を規定線とすることが挙げられる。
【0015】
エリア撮影カメラの画像は、画像処理により停止線、車両を抽出する。停止線の認識は、予め車両のない画像を撮像し、その画像中における道路と白線との明るさの差が一定以上相違することで抽出する方法や、画像を微分して停止線の境界部を抽出する方法が利用できる。エリア撮影カメラは定点撮影を行っているので、予め停止線位置を設定しておいても良い。停止線が特定できれば、停止線から所定距離前方の位置を規定線と設定すれば良い。この規定線の設定は作業者が行う。
【0016】
車両の認識は、予め撮像しておいた車両のない画像と車両の存在する画像との差分計算を行って、画像の明るさが変化する部分を求め、明るさの大きく変化する個所が車両、変化の小さい個所が背景であると認識する。もちろん、画像を微分して車両の輪郭を抽出する方法も利用できる。
【0017】
候補車両追跡手段は、例えば、ある画像中において車両と認識した領域と、サンプリング時間Δt後に車両と認識した領域にある割合以上の重なりがあり、これら車両領域の移動ベクトルが前進方向である場合に同一車両が進行していると認識する構成が挙げられる。そして、順次サンプリング時間Δt後の車両領域との比較を行って車両を追跡する。
【0018】
さらに、信号無視車両の運転者とナンバープレートを撮影する違反車両撮影カメラと、前記違反車両撮影カメラで撮影された運転者とナンバープレートの画像データを中央監視センターに出力する違反データ出力手段とを具えることが好ましい。この構成により、交差点近傍では全くの無人で信号無視車両の検出を行い、中央監視センターにて一括して信号無視車両の監視を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明装置の概略構成図、図2は本発明装置の機能ブロック図、図3は本発明装置の信号無視車両判定手順を示すフローチャート、図4は検出エリアの説明図である。
【0020】
図1に示すように、交差点の車両流出側にエリア撮影カメラ210と、違反車両撮影カメラ220とを設置して、交差点の車両流入側を撮影し、得られた画像を画像処理装置に取り込んで違反車両の判定を行う。また、信号300には現在点灯している信号状態を検知し、赤信号の間、現示信号を出力する信号制御機構が具えられている。この現示信号を画像処理装置10の信号現示取込手段に取り込んで、違反車両の判定に利用する。
【0021】
エリア撮影カメラ210は、交差点の特定車線における停止線手前から所定距離前方に離れた規定線までの検出エリア230を画像として捉えることができるように設置されている。エリア撮影カメラ210での撮像は、画像処理装置10における信号現示取込手段15より赤信号期間中に出力される現示信号に同期して行われ、信号が黄色から赤に変わった際の検出エリア230を撮像する。一方、違反車両撮影カメラ220は、後述する処理により信号無視車両と判断された車両の運転者およびナンバープレートを撮影する。両カメラ210、220には、CCDカメラなどを利用することができる。
【0022】
エリア撮影カメラ210で撮像された画像は画像処理装置10においてデジタルデータとして保存される。この画像処理装置10は、図2に示すように、信号現示取込手段15、移動体抽出手段20、車両認識手段25、候補車両検出手段30、候補車両追跡手段35、違反車両判定手段40が用いられる。これらの各手段を用いて図3に示すフローチャートの手順にて信号無視車両の検出を行う。
【0023】
まず、移動体抽出手段20により画像中の移動体(車両など)の認識を行う。その際、信号現示取り込み手段より赤信号期間中に現示信号を出力し(S1)、黄信号から赤信号に変わった際における画像で移動体の認識を行う(S2)。移動体の認識には、予め撮像しておいた車両のない画像と移動体の存在する画像との差分計算を行って、画像の明るさが変化する部分を求め、明るさの大きく変化する個所が移動体、変化の小さい(ない)個所が背景であると認識する。
【0024】
次に、車両認識手段25により、移動体のうち、車両を歩行者や自転車あるいは二輪車と区別する(S3)。この区別は移動体の大きさを基準に判定する。例えば、移動体と判断された領域が所定の面積以上である場合に車両であると判定する。その他、移動体と認識された領域の幅や高さを基準に判定しても良い。
【0025】
候補車両検出手段30は、画像中で認識された車両のうち、黄信号から赤信号に変わった時点において停止線よりも手前(車両進行方向に対して後ろ)に位置する車両を信号無視候補車両と判断する。そして、信号無視候補車両と判断した車両の画像データを記憶し(S4)、その画像データを候補車両追跡手段35に出力する。
【0026】
候補車両追跡手段35では、信号無視候補車両を追跡する(S5)。この追跡手段は、ある画像中において車両と認識した領域と、サンプリング時間Δt後に車両と認識した領域にある割合以上の重なりがあり、これら車両領域の移動ベクトルが前進方向である場合に同一車両が進行していると認識する。そして、順次サンプリング時間Δt後の車両領域との比較を行って車両を追跡し、車両領域の更新を行う。
【0027】
違反車両判定手段40は、候補車両追跡手段35で追跡した車両が停止線231から規定距離Lだけ離れた規定線232(図4のラインB)まで到達した場合に信号無視車両と判定する。ここでの距離Lは停止線231を超えて停車する車両が通常は到達できないような距離を設定する。すなわち、まず車両が規定線を超える位置まで走行したかどうかを検知し(S6)、次いで信号現示取込手段15より信号が赤のままかどうかを検知して(S7)、車両が規定線を超え、かつ信号が赤の場合に信号無視車両と判断する(S8)。信号無視車両と判断されれば、違反車両撮影カメラ220で運転者とナンバープレートを撮影する(S9)。
【0028】
そして、違反車両撮影カメラで撮影した画像データを日時データと共に違反データ出力手段240より中央監視センターなどに送信する(S10)。この送信は無線であっても有線であっても構わない。違反データの送信を行った後は、再度信号が赤になったかどうかを検知する手順S1に戻って同様の違反車両検出を繰り返す。
【0029】
一方、規定線を超える位置まで車両が到達していない場合は、候補車両追跡手段35で車両の追跡を続行する。また、信号が赤でなければ、信号が赤になったかどうかを検知する手順S1に戻る。
【0030】
このように、信号が赤になった際に停止線よりも手前に位置する車両を追跡し、停止線よりも一定距離前方の規定線をも超えた車両を信号無視車両と判断することで、黄信号で交差点に進入して通過する車両や単に停止線を超えて停止した車両を誤って違反車両と検出することがない。一方で信号を無視して低速で交差点を通過する車両は確実に信号無視車両として捉えることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明信号無視取締装置によれば、赤信号になってから交差点に進入し、その速度に関わらず通過する車両だけを確実に検出して高精度の違反車両検知を行うことができる。
【0032】
例えば、信号現示が黄色で交差点に進入し、交差点を赤信号で通過する車両を検出することがない。停止線を越えて停止した車両も誤って検出することがない。一方、信号を無視して低速で交差点を通過する車両は違反車両として確実に検出することができる。
【0033】
また、停止線から一定距離走行した車両を違反車両としているので、直進車両を的確に検出して撮影することができる。従って、ナンバーの写らない左折車、右折車を信号無視車両として撮影することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の使用状態を示す概略構成図である。
【図2】本発明装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明装置での違反車両検出手順を示すフローチャートである。
【図4】検出エリアにおける停止線と規定線を示す説明図である。
【符号の説明】
10 画像処理装置
15 信号現示取込手段
20 移動体抽出手段
25 車両認識手段
30 候補車両検出手段
35 候補車両追跡手段
40 違反車両判定手段
210 エリア撮影カメラ
220 違反車両撮影カメラ
230 検出エリア
231 停止線
232 規定線
240 違反データ出力手段
300 信号
Claims (2)
- 交差点の少なくとも停止線近傍から一定距離前方の規定線までの検出エリアを撮影するエリア撮影カメラと、
赤信号期間中に出力された現示信号を取り込む信号現示取り込み手段と、
前記信号現示取り込み手段により信号が赤の際、エリア撮影用カメラで撮像した画像を画像処理して、停止線の手前に位置する車両を信号無視候補車両として記憶する候補車両検出手段と、
前記候補車両検出手段により信号無視候補車両と認識された車両を追跡する候補車両追跡手段と、
前記候補車両追跡手段により追跡された候補車両が規定線を超えた場合に信号無視車両と判断する違反車両判定手段とを具えることを特徴とする信号無視車両取締装置。 - さらに、信号無視車両の運転者とナンバープレートを撮影する違反車両撮影カメラと、
前記違反車両撮影カメラで撮影された運転者とナンバープレートの画像データを中央監視センターに出力する違反データ出力手段とを具えることを特徴とする請求項1に記載の信号無視車両取締装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002220761A JP2004062564A (ja) | 2002-07-30 | 2002-07-30 | 信号無視車両取締装置 |
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